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特開2023-142984ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造及びその亀裂防止部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142984
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造及びその亀裂防止部材
(51)【国際特許分類】
   E04C 5/06 20060101AFI20230928BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
E04C5/06
E04G21/12 105C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050152
(22)【出願日】2022-03-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】508104994
【氏名又は名称】林志成
(71)【出願人】
【識別番号】522120820
【氏名又は名称】林權萱
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】林志成
(72)【発明者】
【氏名】林權萱
【テーマコード(参考)】
2E164
【Fターム(参考)】
2E164AA01
2E164BA36
(57)【要約】
【課題】窓枠又はドア枠に沿って容易に配筋できるようにし、現場の施工効率を高めるドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造を提供する。
【解決手段】ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造は、複数の亀裂防止部材1と、複数の固定棒2と、少なくとも1つの位置決め棒3とを備える。亀裂防止部材1は、互いに対応して間隔をおいて設けられるとともに、縦向きに配設された第1のシート部11と、横向きに配設された第2のシート部12とを有し、第1のシート部11と第2のシート部12とが垂直に接続されて一体成形される。第1のシート部11及び第2のシート部12の一側には、切欠き13が共同で形成される。固定棒2は、亀裂防止部材1の第1のシート部11及び第2のシート部12の対応した2つの固定孔14中にそれぞれ挿着される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の亀裂防止部材と、複数の固定棒と、少なくとも1つの位置決め棒と、を備えたドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造であって、
前記亀裂防止部材は、互いに対応して間隔をおいて設けられるとともに、縦向きに配設された第1のシート部と、横向きに配設された第2のシート部と、を有し、前記第1のシート部と前記第2のシート部とが垂直に接続されて一体成形され、前記第1のシート部及び前記第2のシート部の一側には、切欠きが共同で形成され、前記第1のシート部及び前記第2のシート部の端部エッジの前記切欠きの側部には、互いに隣り合う少なくとも2つの固定孔が形成され、
前記固定棒は、前記亀裂防止部材の前記第1のシート部及び前記第2のシート部の対応した2つの前記固定孔中にそれぞれ挿着され、前記第1のシート部には、2本の前記固定棒を縦向きで通過する2本の縦向き辺線が形成され、前記第2のシート部には、2本の前記固定棒を横向きで通過する2本の横向き辺線が形成され、2本の前記縦向き辺線及び2本の前記横向き辺線は、前記第1のシート部及び前記第2のシート部の前記端部エッジとともに共同で取り囲んで作業区間を形成し、前記作業区間は、少なくとも1つの位置決め孔を有し、
前記位置決め棒は、前記亀裂防止部材の対応した位置決め孔中にそれぞれ挿設されるとともに、型枠上に固定され、
前記亀裂防止部材の表面には、複数の凸リブが間隔をおいて設けられ、互いに隣り合う2つの前記凸リブ間には、凹溝がそれぞれ設けられ、複数の前記凸リブ及び複数の前記凹溝は、弧形状で互いに平行に設けられることを特徴とする、
ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造。
【請求項2】
前記亀裂防止部材には、前記凸リブの長手方向で複数の強化凹部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造。
【請求項3】
前記亀裂防止部材には、前記凹溝の長手方向で複数の透孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造。
【請求項4】
ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造の亀裂防止部材であって、
前記亀裂防止部材は、縦向きに配設された第1のシート部と、横向きに配設された第2のシート部と、を備え、
前記第1のシート部と前記第2のシート部とが垂直に接続されて一体成形され、前記第1のシート部及び前記第2のシート部の一側には、切欠きが共同で形成され、
前記亀裂防止部材の表面には、複数の凸リブが間隔をおいて設けられ、互いに隣り合う2つの前記凸リブ間には、凹溝がそれぞれ設けられ、複数の前記凸リブ及び複数の前記凹溝は、弧形状で互いに平行に設けられることを特徴とする、
ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造の亀裂防止部材。
【請求項5】
前記亀裂防止部材には、前記凸リブの長手方向で複数の強化凹部が設けられることを特徴とする請求項4に記載のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造の亀裂防止部材。
【請求項6】
前記亀裂防止部材には、前記凹溝の長手方向で複数の透孔が形成されることを特徴とする請求項4に記載のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造の亀裂防止部材。
【請求項7】
前記亀裂防止部材の前記第1のシート部及び前記第2のシート部の端部エッジの前記切欠きの側部には、互いに隣り合う少なくとも2つの固定孔がそれぞれ形成され、
前記第1のシート部には、2つの前記固定孔を縦向きで通過する2本の縦向き辺線が形成され、
前記第2のシート部には、2つの前記固定孔を横向きで通過する2本の横向き辺線が形成され、2本の前記縦向き辺線及び2本の前記横向き辺線は、前記第1のシート部及び前記第2のシート部の前記端部エッジとともに共同で取り囲んで作業区間を形成し、前記作業区間は、少なくとも1つの位置決め孔を有することを特徴とする請求項4に記載のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造の亀裂防止部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築部材に関し、特に、ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造及びその亀裂防止部材に関する。
【背景技術】
【0002】
熱による膨張収縮又は地震による揺れが建物に発生すると、窓枠の隅部に亀裂が発生し、亀裂から室内に雨水が浸入することがあった。この欠点に鑑み、本発明者は「窓角構造壁面亀裂防止部材」(特許文献1)を発明した。図6に示すように、特許文献1の「窓角構造壁面亀裂防止部材(a)」は、互いに一体成形された第1のシート部a1と、第1のシート部a1に垂直接続された第2のシート部a2と、を含み、第1のシート部a1及び第2のシート部a2が複数のホールa3を有し、ホールa3に位置決め棒a4が挿設された後、窓角構造壁面亀裂防止部材aを窓枠の隅部に設けられた型枠に釘止めし、コンクリートを流し込んで窓角構造壁面亀裂防止部材aを覆って壁内に設置し、地震などが発生したときに窓枠の隅部の壁面に発生する応力により壁に亀裂が発生することを防いでいた。
【0003】
しかし、特許文献1の「窓角構造壁面亀裂防止部材」を実際に使用する際、位置決め棒a4が型枠に釘止めされるときに、振動により外れてしまうなどの欠点に鑑み、本発明者の娘は、特許文献2の「窓角壁面亀裂防止アセンブリ固定構造」を発明した。
図7に示すように、窓角壁面亀裂防止アセンブリ固定構造bは、主にその亀裂防止部材b1に複数の位置決め棒b2が着脱可能に挿設され、複数の位置決め棒b2上がバンドb3で縛られ、バンドb3により位置決め棒b2が縛られて固定されているため、取付ける際に位置決め棒b2が不意に落下してしまうことを防ぎ、作業員は容易に各位置決め棒b2を型枠中に釘止めさせることができる。
【0004】
特許文献1の「窓角構造壁面亀裂防止部材」及び特許文献2の「窓角壁面亀裂防止アセンブリ固定構造」を実際に使用する場合、図8に示すように、亀裂防止部材b1を型枠上に固定してから、窓枠の周囲に沿って縦向き鉄筋cを配筋する際、まず、作業員が梯子などで高所へ登ってから、2本の固定棒b4により形成された間隙に縦向き鉄筋cを上から下方向にかけて挿入させるために、作業員は鉄筋cを手で持って梯子などを上り下りしなければならなかった。そのため、複数本の鉄筋cをそれぞれ上から下方向にかけて挿入して配筋する工程には多くの時間と手間がかかり、現場の施工効率は低かった。そのため、本発明者はこの問題点に鑑み、特許文献3の「ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造」を発明した。
【0005】
この特許文献3は、図9に示すように、ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造dの亀裂防止部材d1の第1のシート部d11と第2のシート部d12とが接続された箇所に切欠きd13が形成され、第1のシート部d11及び第2のシート部d12の端部の縁部が、切欠きd13横に形成された互いに隣り合う2つの固定孔d14が形成され、2つの固定孔d14には、固定棒d2がそれぞれ挿着される。第1のシート部d11及び第2のシート部d12に挿着された2本の固定棒d2により共同で画定された作業区間d3中に位置決め孔d15が形成され、位置決め孔d15に位置決め棒d4を可動可能に挿設して型枠上に固定させる。
【0006】
図10を併せて参照する。図10に示すように、ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造dをドア枠・窓枠eの枠角に取り付け、ドア枠・窓枠eの周囲に鉄筋fを配筋する際、鉄筋fを第1のシート部d11及び第2のシート部d12の外側辺と、互いに隣り合う固定棒d2間に形成された配筋区間d5とに直接配筋し、固定棒d2に当接させることができるため、鉄筋fの配筋を迅速かつ簡便に行い、現場の施工効率を大幅に高めることができる。
【0007】
また、特許文献3の「ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造」及び特許文献2の「窓角壁面亀裂防止アセンブリ固定構造」は、バンドb3により位置決め棒b2を縛るため、位置決め棒b2が不意に落下してしまうことを防ぐことができるが、バンドb3により複数の位置決め棒b2を縛って固定するには非常に多くの施工時間及びコストがかかっていたため、本発明者はこの欠点に鑑み特許文献4の「ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造(6)」を発明した。
【0008】
この特許文献4では、図11に示すように、ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造gは、亀裂防止部材g1の複数の位置決め孔g2に挿設させた位置決め棒g3の棒壁と位置決め孔g2の孔壁とが当接されるため、位置決め棒g3が型枠に順次釘止めされるときに、未だ型枠に打ち込まれていない位置決め棒g3が亀裂防止部材g1上に確実に固定されている。そのため、振動で外れて落下することを防ぎ、同様に容易に取付けることができるとともに、バンドb3により複数の位置決め棒b2を固定するのに必要な工程時間及びコストを減らすことができる。
【0009】
特許文献3の「ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造」を取付けた後、ドア枠・窓枠の隅部の壁構造体及びその表面の塗装層が地震応力などの作用を受けて小さな亀裂が生じることがあった。特許文献5の「ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造(7)」は、図12に示すように、ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造hが、間隔をおいて設けられた複数の亀裂防止部材h1に固定棒h2が挿着され、強固ユニットh3の2つの強固シートh31が固定棒h2の両端にそれぞれ接続され、2つの強固シートh31間に振動吸収部材h32が設けられ、振動吸収部材h32が複数の亀裂防止部材h1の切欠きに横向きに掛け渡され、強固ユニットh3が設置されているため、ドア枠・窓枠の隅部の壁構造体の引張強度が高く、地震などにより壁構造体及びその表面の塗装層に小さな亀裂が生じることを防ぐ。
【0010】
特許文献3の「ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造」を取付けた後、図13に示すように、コンクリートが凝固して壁構造体iが形成され、この壁構造体iによりドア、窓部分が画成され、ドア枠・窓枠jをドア・窓に取付けてドア・窓との間に形成された空隙にモルタルを充填してスリットkを形成していたが、地震応力がスリットkに伝わると、スリットk及びその表面の塗装層などに小さな亀裂が生じることがあった。そのため、このような欠点に鑑み、本発明者は特許文献6の「ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造(8)」を発明した。
【0011】
図14に示すように、この特許文献6のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造mは、間隔をおいて設けられた複数の亀裂防止部材m1に固定棒m2が挿着され、強固ユニットm3の2つの強固シートm31が固定棒m2の両端にそれぞれ接続され、2つの強固シートm31間に振動吸収部材m32が設けられ、2つの強固シートm31にスリット強固部m33がそれぞれ成形される。図15に示すように、ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造mを取付けて使用するとき、そのスリット強固部m33がドア枠・窓枠jの隅部のスリットkに結合され、強固ユニットm3のスリット強固部m33の設置により、ドア枠・窓枠jの隅部の壁構造体i及びスリットkの引張強度を高め、地震などによりドア枠・窓枠jの隅部のスリットk及び塗装層などに小さな亀裂が生じることを防ぐ。
【0012】
上述した研究開発の過程から分かるように、本発明者は、その製品を実際に使用し、改良可能な点を見つけだして改善し、その製品をより使用し易く実用的な物となるように努力してきた。また、特許文献3~特許文献6及び特許文献3~特許文献6に基づいて出願した特許文献7及び特許文献8などの亀裂防止部材は、表面に形成された凹凸折り曲げ部により応力を伝導・分散させていたが、その応力の伝動・分散の効率は好ましくなく、ドア枠・窓枠の壁構造体の隅部に45度のせん断力が発生して亀裂が発生してしまうなどの欠点があり、依然として理想的でないということに本発明者は最近気が付いた。こうした現状に鑑み、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】台湾特許第I650468号公報
【特許文献2】台湾実用新案登録第M582057号公報
【特許文献3】台湾特許第I695106号公報
【特許文献4】台湾実用新案登録第M594053号公報
【特許文献5】台湾特許第I708882号公報
【特許文献6】日本特許第6828196号公報
【特許文献7】中国実用新案登録第CN211775119U号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、亀裂防止部材の表面に弧形状で互いに平行な複数の凸リブ及び凹溝を設けて、応力を速やかに伝導・分散させ、ドア枠・窓枠の壁構造体の隅部に45度のせん断力が発生して亀裂が発生してしまうことを防ぐ、ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造及びその亀裂防止部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、複数の亀裂防止部材と、複数の固定棒と、少なくとも1つの位置決め棒と、を備えたドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造であって、前記亀裂防止部材は、互いに対応して間隔をおいて設けられるとともに、縦向きに配設された第1のシート部と、横向きに配設された第2のシート部と、を有し、前記第1のシート部と前記第2のシート部とが垂直に接続されて一体成形され、前記第1のシート部及び前記第2のシート部の一側には、切欠きが共同で形成され、前記第1のシート部及び前記第2のシート部の端部エッジの前記切欠きの側部には、互いに隣り合う少なくとも2つの固定孔が形成され、前記固定棒は、前記亀裂防止部材の前記第1のシート部及び前記第2のシート部の対応した2つの前記固定孔中にそれぞれ挿着され、前記第1のシート部には、2本の前記固定棒を縦向きで通過する2本の縦向き辺線が形成され、前記第2のシート部には、2本の前記固定棒を横向きで通過する2本の横向き辺線が形成され、2本の前記縦向き辺線及び2本の前記横向き辺線は、前記第1のシート部及び前記第2のシート部の前記端部エッジとともに共同で取り囲んで作業区間を形成し、前記作業区間は、少なくとも1つの位置決め孔を有し、前記位置決め棒は、前記亀裂防止部材の対応した位置決め孔中にそれぞれ挿設されるとともに、型枠上に固定され、前記亀裂防止部材の表面には、複数の凸リブが間隔をおいて設けられ、互いに隣り合う2つの前記凸リブ間には、凹溝がそれぞれ設けられ、複数の前記凸リブ及び複数の前記凹溝は、弧形状で互いに平行に設けられることを特徴とする、ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造を提供する。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の第2の形態によれば、ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造の亀裂防止部材であって、前記亀裂防止部材は、縦向きに配設された第1のシート部と、横向きに配設された第2のシート部と、を備え、前記第1のシート部と前記第2のシート部とが垂直に接続されて一体成形され、前記第1のシート部及び前記第2のシート部の一側には、切欠きが共同で形成され、前記亀裂防止部材の表面には、複数の凸リブが間隔をおいて設けられ、互いに隣り合う2つの前記凸リブ間には、凹溝がそれぞれ設けられ、複数の前記凸リブ及び複数の前記凹溝は、弧形状で互いに平行に設けられることを特徴とする、ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造の亀裂防止部材を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造及びその亀裂防止部材は、鉄筋コンクリート壁が外力作用を受け、ドア枠・窓枠の隅部に応力が発生したときに、亀裂防止部材の表面に設けた弧形状の凸リブ及び弧形状の凹溝によりこれらの応力を案内し、応力端の力量の伝動方向を変化させ、速やかに周側に伝導・分散させ、ドア枠・窓枠の壁構造体の隅部に45度のせん断力が発生して亀裂が発生することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造及びその亀裂防止部材を示す分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造及びその亀裂防止部材を示す正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造及びその亀裂防止部材をドア枠及び窓枠に取付けるときの使用状態の説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係るドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造及びその亀裂防止部材を鉄筋に取付けるときの使用状態の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係るドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造及びその亀裂防止部材に発生した応力を伝えて分散させる状態の説明図である。
図6】従来の窓角構造壁面亀裂防止部材を示す斜視図である。
図7】従来の窓角壁面亀裂防止アセンブリ固定構造を示す斜視図である。
図8】従来の窓角壁面亀裂防止アセンブリ固定構造を鉄筋に取付けるときの使用状態の説明図である。
図9】従来のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造を示す分解斜視図である。
図10】従来のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造を鉄筋に取付けたときの使用状態の斜視図である。
図11】従来の別のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造を示す斜視図である。
図12】従来の別のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造を示す斜視図である。
図13】従来のドア枠・窓枠の隅部壁面に亀裂が発生した状態の説明図である。
図14】従来の別のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造を示す斜視図である。
図15】従来の別のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造の取付け状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、図1を参照する。図1に示すように、本発明の一実施形態に係るドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造は、少なくとも複数の亀裂防止部材1と、複数の固定棒2と、少なくとも1つの位置決め棒3と、から構成されてなる。
【0020】
複数の亀裂防止部材1は、互いに対応して間隔をおいて設けられるとともに、縦向きに配設された第1のシート部11と、横向きに配設された第2のシート部12と、を有する。第1のシート部11と第2のシート部12とが垂直に接続されてL字状に一体成形され、第1のシート部11及び第2のシート部12の一側には、直角状の切欠き13が共同で形成され、第1のシート部11及び第2のシート部12の端部エッジ111,121の切欠き13側部には、互いに隣り合う少なくとも2つの固定孔14が形成され、この固定孔14は切欠き13横の隅部に位置する。
【0021】
複数の固定棒2は、複数の亀裂防止部材1の第1のシート部11及び第2のシート部12の対応した2つの固定孔14中にそれぞれ挿着され、第1のシート部11には、2つの固定孔14及びそこに挿着された固定棒2を縦向きで通過する2本の仮想の縦向き辺線151が形成され、第2のシート部12には、2つの固定孔14及びそこに挿着された固定棒2を横向きで通過する2本の仮想の横向き辺線152が形成される。2本の縦向き辺線151及び2本の横向き辺線152は、第1のシート部11及び第2のシート部12の端部エッジ111,121とともに共同で取り囲んで作業区間16を形成し、作業区間16は、少なくとも1つの位置決め孔17を有する。
【0022】
少なくとも1つの位置決め棒3は、複数の亀裂防止部材1の対応した位置決め孔17中に挿設される。位置決め棒3は鉄釘であり、位置決め棒3の両端には先鋭端31及びストッパ端32がそれぞれ設けられる。本実施形態に係るドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造は、亀裂防止部材1の作業区間16に複数の位置決め孔17及び少なくとも1つの固定孔14が形成され、複数の亀裂防止部材1の作業区間16の対応した位置決め孔17中には位置決め棒3がそれぞれ挿設され、位置決め棒3の棒壁が位置決め孔17の孔壁に当接され、複数の亀裂防止部材1の作業区間16の対応した固定孔14に固定棒2を挿着させる。
【0023】
図2を併せて参照する。図2に示すように、亀裂防止部材1の表面には、複数の凸リブ18が間隔をおいて設けられ、互いに隣り合う2つの凸リブ18間には、凹溝19がそれぞれ設けられ、亀裂防止部材1の表面に設けられた複数の凸リブ18及び複数の凹溝19は、弧形状で互いに平行に設けられる。亀裂防止部材1の複数の凸リブ18及び複数の凹溝19は、同心に設置され、その中心から外方に向かって直径が次第に大きくなる弧形状を呈し、凸リブ18の長手方向で複数の強化凹部181が設けられるとともに、凹溝19の長手方向で複数の透孔191が形成される。
【0024】
図3を併せて参照する。図3に示すように、実際に使用する際、本実施形態のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造をドア枠41又は窓枠42の枠角外側に設置すると、本実施形態の亀裂防止部材1の切欠き13がドア枠41・窓枠42の枠角位置に対応する。固定棒2の一端を型枠上に当接させ、複数の位置決め棒3の先鋭端31を型枠に挿入させ、作業員がハンマーなどの打撃工具を手で持って、位置決め棒3のストッパ端32を順次打ち込み、位置決め棒3の先鋭端31を型枠中に打ち込んで固定する。すると本発明が位置決め棒3の棒壁が位置決め孔17の孔壁に当接されるため、位置決め孔17に挿設される位置決め棒3が維持され、他の位置決め棒3が打撃されて固定されるときに生じる振動により外れて落下することを防ぐことができる。このため、本発明を容易に取付けることができる。
【0025】
本実施形態のドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造を型枠上に釘打ちし、ドア枠41・窓枠42の枠角に固定すると、図4に示すように、ドア枠41・窓枠42の周囲に複数本の鉄筋5が縦向き及び横向きに配筋される。
実際に施工する際には、縦向き鉄筋51及び横向き鉄筋52は、亀裂防止部材1の第1のシート部11及び第2のシート部12の外側辺112,122から、互いに隣り合う固定棒2との間に形成された配筋区間21とに直接配筋する。すると、縦向き鉄筋51及び横向き鉄筋52が、固定棒2に当接されるため、鉄筋5の配筋を容易に行うことができる。そのため、従来技術のように作業員が梯子などで高い場所に上り下りする必要が無く、鉄筋5を上から下方向にかけて挿設させる手間を無くし、縦向き鉄筋51と横向き鉄筋52との交差箇所を針金により結束し、複数の鉄筋5を固定させることができる。
【0026】
その後、型枠により取り囲まれた空間中に生コンクリートを注入すると、液体状のコンクリートが亀裂防止部材1の複数の透孔191を介し、複数の亀裂防止部材1間を流動し、亀裂防止部材1の表面に設けた複数の凸リブ18及び凹溝19を伝わり、亀裂防止部材1の表面を移動するコンクリートの流動性を高め、亀裂防止部材1との接触死角を減らし、コンクリートにより各亀裂防止部材1の表面が完全に覆われる。亀裂防止部材1の表面をコンクリートにより覆うと、亀裂防止部材1の表面に形成された複数の強化凹部181中にコンクリートが充填されて付着される。このように、コンクリートが凝固して壁構造体が成形されると、壁構造体には、亀裂防止部材1の強化凹部181に対応して組み込まれる複数の凸柱が形成され、本発明の亀裂防止部材1と、壁構造体との接着面積及び結合安定性を大幅に高めることができる。そのため、壁構造体により本発明の亀裂防止部材1が変位したり分離したりすることを防ぐことができる。
【0027】
このように、鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete:RC)壁が地震による揺れ又は熱による膨張収縮などの外力作用を受け、ドア枠41・窓枠42の隅部の壁面に応力が発生しても、ドア枠41・窓枠42の隅部の壁構造体が亀裂防止部材1に確実に結合されているため、壁構造体の強度及び引張強度が大幅に向上し、壁構造体と確実に結合されているため、壁構造体に作用する応力を吸収し、このときに図5に示すように、亀裂防止部材1の表面に設けた凸リブ18及び凹溝19をこれらの応力が通過し、各凸リブ18及び凹溝19を伝わり、応力端の力量の伝動方向を変化させ、亀裂防止部材1の周側に迅速に向かって分散し、応力が亀裂防止部材1により吸収され、これにより亀裂防止部材1が曲がったり変形したりすることを防ぐことができる上、ドア枠41・窓枠42の壁構造体の隅部に45度のせん断力が発生して亀裂が発生することを防ぎ、ドア枠41・窓枠42の隅部の壁構造体及びその表面の塗装層に亀裂が生じることを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0028】
<本発明>
1 亀裂防止部材
2 固定棒
3 位置決め棒
5 鉄筋
11 第1のシート部
12 第2のシート部
13 切欠き
14 固定孔
16 作業区間
17 位置決め孔
18 凸リブ
19 凹溝
21 配筋区間
31 先鋭端
32 ストッパ端
41 ドア枠
42 窓枠
51 縦向き鉄筋
52 横向き鉄筋
111 端部エッジ
112 外側辺
121 端部エッジ
122 外側辺
151 縦向き辺線
152 横向き辺線
181 強化凹部
191 透孔
<従来技術>
a 窓角構造壁面亀裂防止部材
a1 第1のシート部
a2 第2のシート部
a3 ホール
a4 位置決め棒
b 窓角壁面亀裂防止アセンブリ固定構造
b1 亀裂防止部材
b2 位置決め棒
b3 バンド
b4 固定棒
c 縦向き鉄筋
d ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造
d1 亀裂防止部材
d2 固定棒
d3 作業空間
d4 位置決め棒
d5 配筋区間
d11 第1のシート部
d12 第2のシート部
d13 切欠き
d14 固定孔
d15 位置決め孔
e 窓枠
f 鉄筋
g ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造
g1 亀裂防止部材
g2 位置決め孔
g3 位置決め棒
h ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造
h1 亀裂防止部材
h2 固定棒
h3 強固ユニット
h31 強固シート
h32 振動吸収部材
i 壁構造体
j 窓枠
k スリット
m ドア窓角壁面亀裂防止アセンブリ構造
m1 亀裂防止部材
m2 固定棒
m3 強固ユニット
m31 強固シート
m32 振動吸収部材
m33 スリット強固部
図1
図2
図3
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