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特開2023-142985電子通貨管理装置、電子通貨管理方法及び電子通貨管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142985
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】電子通貨管理装置、電子通貨管理方法及び電子通貨管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20230928BHJP
【FI】
G06Q20/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050155
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】398002617
【氏名又は名称】ぴあ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】東出 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】永島 誠
(72)【発明者】
【氏名】増田 朋広
(72)【発明者】
【氏名】大下本 直人
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA12
(57)【要約】
【課題】電子通貨の利用を通じて、団体とその団体と関連する地域との発展に貢献することが可能な電子通貨管理装置、電子通貨管理方法及び電子通貨管理プログラムを提供する。
【解決手段】電子通貨管理装置10は、第1の地域HT1に紐づく団体に関連する電子通貨Cを発行し、端末装置の電子通貨Cの使用に関するデータに基づいて電子通貨Cを管理する電子通貨管理装置10であって、電子通貨Cを使用する場合の使用条件を記憶する記憶部21と、使用申請データ54を受信する受信部22と、使用申請データ54を受信した場合、使用条件が満たされているか否かを判定する判定部23と、使用条件が満たされている場合に使用許可データを端末装置30に送信する使用許可送信部24と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の地域に紐づく団体に関連する電子通貨を発行し、端末装置の前記電子通貨の使用に関するデータに基づいて前記電子通貨を管理する電子通貨管理装置であって、
前記電子通貨を使用する場合の前記団体に関連する使用条件を記憶する記憶部と、
前記電子通貨の使用許可を申請する使用申請データを受信する受信部と、
前記使用申請データを受信した場合、前記使用条件が満たされているか否かを判定する判定部と、
前記使用条件が満たされている場合に、前記電子通貨の使用を許可する使用許可データを前記端末装置に送信する使用許可送信部と、を備えることを特徴とする電子通貨管理装置。
【請求項2】
前記団体は、クラブチームであることを特徴とする請求項1に記載の電子通貨管理装置。
【請求項3】
前記第1の地域は、前記団体のホームタウンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子通貨管理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記第1の地域を記憶しており、
前記判定部は、前記端末装置の位置情報を取得し、前記使用条件として、前記端末装置の前記位置情報が前記第1の地域内であるか否かを判定し、
前記使用許可送信部は、前記使用申請データを受信した場合、前記位置情報が前記第1の地域内にあるときに、前記使用許可データを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記団体に関連するイベントに関わる、前記第1の地域とは別の第2の地域を記憶しており、
前記判定部は、前記端末装置の位置情報を取得し、前記使用条件として、前記端末装置の前記位置情報が前記第2の地域内であるか否かを判定し、
前記使用許可送信部は、前記使用申請データを受信した場合、前記端末装置の前記位置情報が前記第2の地域内にあるときに、前記使用許可データを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項6】
前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が練習することであり、前記第2の地域は前記団体が練習する練習場所であることを特徴とする請求項5に記載の電子通貨管理装置。
【請求項7】
前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が他の団体と行う試合であり、前記第2の地域は前記試合の開催場所を含む地域であることを特徴とする請求項5に記載の電子通貨管理装置。
【請求項8】
前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が他の団体と行う試合であり、
前記第2の地域は前記他の団体のホームタウンであることを特徴とする請求項5に記載の電子通貨管理装置。
【請求項9】
前記団体に関連する前記イベントは、前記団体による実演であり、前記第2の地域は前記団体が実演する実演場所を含む地域であることを特徴とする請求項5に記載の電子通貨管理装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記団体に関連するイベントに関わる前記第1の地域とは別の第2の地域と、許可期間として前記イベントに関わる期間とを記憶しており、
前記判定部は、前記端末装置の位置情報を取得し、前記使用条件として、前記位置情報が前記第2の地域内であるか否かを判定すると共に、前記使用申請データを受信した時期が前記許可期間内であるか否かを判定し、
前記使用許可送信部は、前記使用申請データを受信した場合、前記位置情報が前記第2の地域内にあり、且つ、前記使用申請データを受信した時期が前記許可期間内である場合に、前記使用許可データを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項11】
前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が練習することであり、
前記第2の地域は前記団体が練習する練習場所であり、
前記許可期間は、前記団体が前記練習場所で練習する練習期間の一部を少なくとも含むように設定される期間であることを特徴とする請求項10に記載の電子通貨管理装置。
【請求項12】
前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が他の団体と行う試合であり、
前記第2の地域は前記試合の開催場所を含む地域であり、
前記許可期間は、前記試合が開催される開催期間の一部を少なくとも含むように設定される期間であることを特徴とする請求項10に記載の電子通貨管理装置。
【請求項13】
前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が他の団体と行う試合であり、
前記第2の地域は前記他の団体のホームタウンであり、
前記許可期間は、前記試合が開催される開催期間の一部を少なくとも含むように設定される期間であることを特徴とする請求項10に記載の電子通貨管理装置。
【請求項14】
前記団体に関連する前記イベントは、前記団体による実演であり、
前記第2の地域は、前記団体が実演する実演場所を含む地域であり、
前記許可期間は、前記団体が前記実演する実演期間の一部を少なくとも含むように設定される期間であることを特徴とする請求項10に記載の電子通貨管理装置。
【請求項15】
前記記憶部は、前記団体に関連する、前記第1の地域とは別の第3の地域を記憶しており、
前記判定部は、前記端末装置の位置情報を取得し、前記使用条件として、前記端末装置の前記位置情報が前記第3の地域内であるか否かを判定し、
前記使用許可送信部は、前記使用申請データを受信した場合、前記端末装置の前記位置情報が前記第3の地域内にあるときに、前記使用許可データを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項16】
前記第3の地域は、前記団体が所属する組織に所属する他の団体のホームタウンであることを特徴とする請求項15に記載の電子通貨管理装置。
【請求項17】
前記電子通貨管理装置は、前記電子通貨を他の電子通貨に交換する両替部を備え、
前記記憶部は、前記電子通貨と交換可能な電子通貨を記憶しており、
前記判定部は、前記電子通貨と他の電子通貨との交換を申請する交換申請データを受信した場合、申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨であるか否かを判定し、
前記両替部は、申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨である場合に、前記電子通貨を前記他の電子通貨に交換することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項18】
前記電子通貨管理装置は、前記電子通貨を他の電子通貨に交換する両替部を備え、
前記記憶部は、前記電子通貨と交換可能な電子通貨を記憶しており、
前記判定部は、前記電子通貨と他の電子通貨との交換を申請する交換申請データを受信した場合、前記端末装置の利用者の住所情報を取得し、申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨であり、且つ、前記他の電子通貨が前記利用者の住所で使用可能な電子通貨であるか否かを判定し、
前記両替部は、申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨であり、且つ、前記他の電子通貨が前記利用者の住所で使用可能な電子通貨である場合に、前記電子通貨を前記他の電子通貨に交換することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項19】
前記電子通貨と交換可能な電子通貨は、前記団体が所属する組織に所属する他の団体に関連する電子通貨であることを特徴とする請求項17又は18に記載の電子通貨管理装置。
【請求項20】
前記電子通貨と交換可能な電子通貨は、前記団体と試合を行う他の団体に関連する電子通貨であることを特徴とする請求項17又は18に記載の電子通貨管理装置。
【請求項21】
前記電子通貨管理装置は、前記電子通貨を他の電子通貨に交換する両替部を備え、
前記記憶部は、前記電子通貨と交換可能な電子通貨と、前記交換可能な電子通貨と交換できる交換可能期間と、を記憶しており、
前記判定部は、前記端末装置から前記電子通貨と他の電子通貨との交換を申請する交換申請データを受信した場合、申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨であり、且つ、前記交換申請データを受信した時期が前記交換可能期間内であるか否かを判定し、
前記両替部は申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨であり、且つ、前記交換申請データを受信した時期が前記交換可能期間内である場合に、前記電子通貨を前記他の電子通貨に交換することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項22】
前記交換可能な電子通貨は、前記団体と試合を行う他の団体に関連する電子通貨であり、
前記交換可能期間は、前記他の団体との試合が開催される開催期間の一部を少なくとも含むように設定される期間であることを特徴とする請求項21に記載の電子通貨管理装置。
【請求項23】
前記電子通貨管理装置は、前記端末装置の利用者の保有ポイントを管理し、前記電子通貨の使用量に所定の還元率を乗じたポイントを、前記利用者の保有ポイントに還元するポイント還元部を備え、
前記記憶部は、前記団体に関連するイベントと、前記イベントに関連した適用期間と、前記イベントに対応した特別還元率と、を記憶しており、
前記ポイント還元部は、前記使用申請データを受信した時期が前記適用期間内である場合、前記イベントに対応した前記特別還元率を前記電子通貨の使用量に乗じてポイントを算出し、算出された前記ポイントを前記利用者の保有ポイントに還元することを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項24】
前記団体に関連するイベントは、前記団体に所属する人物が特定イベントの代表として選出されることであり、
前記団体に所属する人物が前記特定イベントの代表として選出された場合の前記特別還元率は、前記所定の還元率より高く設定されていることを特徴とする請求項23に記載の電子通貨管理装置。
【請求項25】
前記団体に関連するイベントは、前記団体の活動の休止であり、
前記団体が活動を休止している場合の前記特別還元率は、前記所定の還元率より高く設定されていることを特徴とする請求項23に記載の電子通貨管理装置。
【請求項26】
前記電子通貨管理装置は、前記団体に関する事項を決定する投票システムと、
前記電子通貨の所有者に対して、前記電子通貨の所有量又は過去に使用した使用量に応じて、前記投票システムで投票可能な投票権を付与する投票権付与部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至25のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項27】
前記電子通貨管理装置は、前記端末装置により前記電子通貨が使用された場合に、使用された前記電子通貨の一部を貯蓄する貯蓄部を有することを特徴とする請求項1乃至26のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項28】
前記判定部は、前記電子通貨の使用目的情報を取得し、前記使用条件として、前記使用目的情報が、前記第1の地域のふるさと納税であるのか否かを判定し、
前記使用許可送信部は、前記電子通貨の前記使用目的情報が前記第1の地域のふるさと納税である場合に、前記使用許可データを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1乃至27のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項29】
前記判定部は、前記電子通貨の使用目的情報を取得し、前記使用条件として、前記使用目的情報が、前記団体に関連する公営投票事業の投票であるか否かを判定し、
前記使用許可送信部は、前記電子通貨の前記使用目的情報が、前記団体に関連する公営投票事業の投票である場合に、前記使用許可データを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1乃至28のいずれか一項に記載の電子通貨管理装置。
【請求項30】
第1の地域に紐づく団体に関連する電子通貨を発行し、端末装置の前記電子通貨の使用に関するデータに基づいて前記電子通貨を管理し、前記電子通貨を使用する場合の前記団体に関連する使用条件を記憶する記憶部を備える電子通貨管理装置により実行される電子通貨管理方法であって、
前記電子通貨管理装置が、前記電子通貨の使用を申請する使用申請データを受信する受信工程と、
前記電子通貨管理装置が、前記電子通貨の使用申請データを受信したとき、前記使用条件が満たされているか否かを判定する使用判定工程と、
前記使用条件が満たされている場合に、前記電子通貨管理装置が、前記電子通貨の使用を許可する使用許可データを前記端末装置に送信する使用許可送信工程と、
を含むことを特徴とする電子通貨管理方法。
【請求項31】
第1の地域に紐づく団体に関連する電子通貨を発行し、端末装置の前記電子通貨の使用に関するデータに基づいて前記電子通貨を管理し、前記電子通貨を使用する場合の前記団体に関連する使用条件を記憶する記憶部を備える電子通貨管理装置としてのコンピュータにより実行させる電子通貨管理プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記電子通貨の使用を申請する使用申請データを受信する受信処理と、
前記使用申請データを受信した場合、前記使用条件が満たされているか否かを判定する使用判定処理と、
前記使用条件が満たされている場合に、前記電子通貨の使用を許可する使用許可データを前記端末装置に送信する使用許可送信処理と、を実行させることを特徴とする電子通貨管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子地域通貨管理装置、電子通貨管理方法及び電子通貨管理プログラムに係り、特に特定の地域に紐づく団体に関連して発行された電子通貨を管理する電子通貨管理装置、電子通貨管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地域の活性化を図るために地方自治体等により地域通貨等の発行が行われている。発行した地域通貨を特定の地域でのみ利用可能とすることで、地域内における消費活動が活性化されることが期待されていた。
【0003】
しかしながら、地域通貨は発行者にとってメリットがあるものの、その利用者にとって地域通貨を積極的に利用するメリットが少なく、法定通貨の方が使い慣れていることから、地域通貨は活発に利用されているとは言い難い状況である。特許文献1には、地域通貨の利用を活性化させるために、年金と連携した地域通貨発行利用システムが開示されている。
【0004】
一方で、日本においては地域に密着したスポーツチームが数多くあり、スポーツチームは地域の顔といえる存在となっている。そこで、特定の地域に関連するクラブチームやそのサポータ(ファン)により地域の店舗等を活性化させ、地域創生につなげることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-195224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、特定の地域に紐づく団体、例えばスポーツチーム等を運営するクラブチームに関連する電子地域通貨(以下、電子通貨と称する)の利用を通じて、団体及びその団体と紐づく特定の地域(ホームタウン)の発展に貢献することが可能な電子通貨管理装置、電子通貨管理方法及び電子通貨管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、本発明に係る電子通貨管理装置によれば、第1の地域に紐づく団体に関連する電子通貨を発行し、端末装置の前記電子通貨の使用に関するデータに基づいて前記電子通貨を管理する電子通貨管理装置であって、前記電子通貨を使用する場合の前記団体に関連する使用条件を記憶する記憶部と、前記電子通貨の使用許可を申請する使用申請データを受信する受信部と、前記使用申請データを受信した場合、前記使用条件が満たされているか否かを判定する判定部と、前記使用条件が満たされている場合に、前記電子通貨の使用を許可する使用許可データを前記端末装置に送信する使用許可送信部と、を備えることにより解決される。
【0008】
また、上記課題は、本発明に係る電子通貨管理方法によれば、第1の地域に紐づく団体に関連する電子通貨を発行し、端末装置の前記電子通貨の使用に関するデータに基づいて前記電子通貨を管理し、前記電子通貨を使用する場合の前記団体に関連する使用条件を記憶する記憶部を備える電子通貨管理装置により実行される電子通貨管理方法であって、前記電子通貨管理装置が、前記電子通貨の使用を申請する使用申請データを受信する受信工程と、前記電子通貨管理装置が、前記電子通貨の使用申請データを受信したとき、前記使用条件が満たされているか否かを判定する使用判定工程と、前記使用条件が満たされている場合に、前記電子通貨管理装置が、前記電子通貨の使用を許可する使用許可データを前記端末装置に送信する使用許可送信工程と、を含むことにより解決される。
【0009】
また、上記課題は、本発明に係る電子通貨管理プログラムによれば、第1の地域に紐づく団体に関連する電子通貨を発行し、端末装置の前記電子通貨の使用に関するデータに基づいて前記電子通貨を管理し、前記電子通貨を使用する場合の前記団体に関連する使用条件を記憶する記憶部を備える電子通貨管理装置としてのコンピュータにより実行させる電子通貨管理プログラムであって、前記コンピュータに、前記電子通貨の使用を申請する使用申請データを受信する受信処理と、前記使用申請データを受信した場合、前記使用条件が満たされているか否かを判定する使用判定処理と、前記使用条件が満たされている場合に、前記電子通貨の使用を許可する使用許可データを前記端末装置に送信する使用許可送信処理と、を実行させることにより解決される。
【0010】
電子通貨管理装置が、団体に関連する電子通貨の使用条件が満たされているか否かを判定し、満たされている場合に、電子通貨の使用を許可する使用許可データを送信する。団体に関連する使用条件に従って電子通貨が使用されるようになり、団体及びその団体に紐づく第1の地域の発展に貢献することが可能となる。それにより、利用者は電子通貨を使用・所有する意義を実感することができる。
【0011】
また、上記の構成において、前記団体は、クラブチームであるとよい。
クラブチームに関連する使用条件に従って電子通貨が使用されるようになり、クラブチームの発展に貢献することができる。
【0012】
また、上記の構成において、前記第1の地域は、前記団体のホームタウンであるとよい。
ホームタウン(地元)を背景とする団体に関連する使用条件に従って電子通貨が使用されるようになり、ホームタウンの発展に貢献することができる。
【0013】
また、上記の構成において、前記記憶部は、前記第1の地域を記憶しており、前記判定部は、前記端末装置の位置情報を取得し、前記使用条件として、前記端末装置の前記位置情報が前記第1の地域内であるか否かを判定し、前記使用許可送信部は、前記使用申請データを受信した場合、前記位置情報が前記第1の地域内にあるときに、前記使用許可データを前記端末装置に送信するとよい。
団体(クラブチーム)に関連する電子通貨を、団体の背景である第1の地域(ホームタウン)のみで使用させることができるため、第1の地域内での消費活動が活性化され、第1の地域の発展に貢献することができる。また、団体のファンにとって、その電子通貨を持つ意義(例えば地域振興という意義)を生じさせることができる。
また、主に第1の地域(ホームタウン)で電子通貨が使用されるため、団体は第1の地域の産業に貢献でき、且つ、利用者は第1の地域を応援するために電子通貨を所有するようになる。
【0014】
また、上記の構成において、前記記憶部は、前記団体に関連するイベントに関わる、前記第1の地域とは別の第2の地域を記憶しており、前記判定部は、前記端末装置の位置情報を取得し、前記使用条件として、前記端末装置の前記位置情報が前記第2の地域内であるか否かを判定し、前記使用許可送信部は、前記使用申請データを受信した場合、前記端末装置の前記位置情報が前記第2の地域内にあるときに、前記使用許可データを前記端末装置に送信するとよい。
電子通貨を第2の地域、例えば対戦相手のホームタウンやクラブチームのキャンプ地でも使用可能にすることで、応援のために第2の地域に訪れたサポータが電子通貨を使用することが期待される。
また、クラブチームや所属選手が参加する日本代表チームが勝利した場合、第2の地域として使用可能な範囲を、例えば日本全国に広げれば、電子通貨の利用が促進されるようになる。
第2の地域内でも消費活動が活性化されることにより、第2の地域及び団体が所属する組織(例えばサッカーのクラブチームであればJリーグ)の発展に貢献することができる。
【0015】
また、上記の構成において、前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が練習することであり、前記第2の地域は前記団体が練習する練習場所であるとよい。
団体が練習する練習場所、例えば、キャンプ地やグラウンド周辺の地域でも電子通貨を使用できることにより、団体の練習場所を訪問する熱狂的なファン、サポータとっての電子通貨の利便性が向上する。また、その練習場所に在住する団体のファンも電子通貨を使用することができる。それにより、練習場所の商店街等の経済も活性化するようになる。
【0016】
また、上記の構成において、前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が他の団体と行う試合であり、前記第2の地域は前記試合の開催場所を含む地域であるとよい。
第2の地域で開催される試合に応援に出かけるファンにとっての電子通貨の利便性が向上する。また、試合の開催場所が他の団体のホームタウン(地元)である場合、その団体の地元商店街の経済を活性化させることができる。それにより、例えば団体が所属する組織(サッカーならばJリーグ)を応援するファンにとって、電子通貨を所有する意義が生じる。
【0017】
また、上記の構成において、前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が他の団体と行う試合であり、前記第2の地域は前記他の団体のホームタウンであるとよい。
第2の地域が対戦先の団体のホームタウンである場合、そのホームタウンに出かける団体のファンにとっての電子通貨の利便性が向上する。また、対戦先の団体の地元商店街の経済を活性化させることができる。それにより、例えば団体が所属する組織を応援するファンにとって、電子通貨を所有する意義が生じる。
【0018】
また、上記の構成において、前記団体に関連する前記イベントは、前記団体による実演であり、前記第2の地域は前記団体が実演する実演場所を含む地域であるとよい。
団体が例えば合唱団や交響楽団である場合、合唱団のファンが実演(演奏)する場所にまで出かけたとき、その周辺の地域でも電子通貨を使用できるようにすることで、ファンにとっての電子通貨利便性が向上する。実演場所の周辺地域の経済を活性化することができ、その地域の発展に貢献することができる。
【0019】
また、上記の構成において、前記記憶部は、前記団体に関連するイベントに関わる前記第1の地域とは別の第2の地域と、許可期間として前記イベントに関わる期間とを記憶しており、前記判定部は、前記端末装置の位置情報を取得し、前記使用条件として、前記位置情報が前記第2の地域内であるか否かを判定すると共に、前記使用申請データを受信した時期が前記許可期間内であるか否かを判定し、前記使用許可送信部は、前記使用申請データを受信した場合、前記位置情報が前記第2の地域内にあり、且つ、前記使用申請データを受信した時期が前記許可期間内である場合に、前記使用許可データを前記端末装置に送信するとよい。
第2の地域内での電子通貨の使用できる期間を、イベントが開催される許可期間内、例えば試合日やキャンプ期間内とすることで、サポータ等による第2の地域内での電子通貨の使用が促進され、第2の地域の発展に貢献することができる。
【0020】
また、上記の構成において、前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が練習することであり、前記第2の地域は前記団体が練習する練習場所であり、前記許可期間は、前記団体が前記練習場所で練習する練習期間の一部を少なくとも含むように設定される期間であるとよい。
団体が練習する練習場所、例えばキャンプ地やグラウンド周辺の地域での電子通貨の使用を団体の練習期間の一部が含まれるよう設定することで、練習場所に訪れたサポータ等の電子通貨の利用が促進され、練習場所の発展に貢献することができる。
【0021】
また、上記の構成において、前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が他の団体と行う試合であり、前記第2の地域は前記試合の開催場所を含む地域であり、前記許可期間は、前記試合が開催される開催期間の一部を少なくとも含むように設定される期間であるとよい。
試合の開催場所で電子通貨を使用できる期間を試合が開催される開催期間(試合日)の一部を少なくとも含むように設定することで、応援に訪れたファンによる電子通貨の利用が促進され、開催地周辺の経済を活性化することができる。
【0022】
また、上記の構成において、前記団体に関連する前記イベントは、前記団体が他の団体と行う試合であり、前記第2の地域は前記他の団体のホームタウンであり、前記許可期間は、前記試合が開催される開催期間の一部を少なくとも含むように設定される期間であるとよい。
対戦相手のホームタウンで電子通貨を使用できる期間を試合が開催される開催期間(試合日)の一部を少なくとも含むように設定することで、応援に訪れたファンによる電子通貨の利用が促進され、対戦相手のホームタウンの経済を活性化することができる。
【0023】
また、上記の構成において、前記団体に関連する前記イベントは、前記団体による実演であり、前記第2の地域は、前記団体が実演する実演場所を含む地域であり、前記許可期間は、前記団体が前記実演する実演期間の一部を少なくとも含むように設定される期間であるとよい。
実演場所で電子通貨を使用できる期間を実演期間(演奏日)の一部を少なくとも含むよう設定することで、応援に訪れたファンによる電子通貨の利用が促進され、実演場所周辺の経済を活性化することができる。
【0024】
また、上記の構成において、前記記憶部は、前記団体に関連する、前記第1の地域とは別の第3の地域を記憶しており、前記判定部は、前記端末装置の位置情報を取得し、前記使用条件として、前記端末装置の前記位置情報が前記第3の地域内であるか否かを判定し、前記使用許可送信部は、前記使用申請データを受信した場合、前記端末装置の前記位置情報が前記第3の地域内にあるときに、前記使用許可データを前記端末装置に送信するとよい。
設定された第3の地域でも電子通貨を使用できるようすることで、電子通貨の使用を活性化させることができる。例えば、他のクラブチームと提携した場合、そのクラブチームのホームタウンでも電子通貨を使用可とすることで、電子通貨の利便性が向上する。
【0025】
前記第3の地域は、前記団体が所属する組織に所属する他の団体のホームタウンであるとよい。
同じ組織に所属する団体のホームタウンならば電子通貨を使用可とすることで、電子通貨の利便性が向上し、団体が所属する組織(例えばサッカーのクラブチームであればJリーグ)の発展に貢献することができる。
【0026】
また、上記の構成において、前記電子通貨管理装置は、前記電子通貨を他の電子通貨に交換する両替部を備え、前記記憶部は、前記電子通貨と交換可能な電子通貨を記憶しており、前記判定部は、前記電子通貨と他の電子通貨との交換を申請する交換申請データを受信した場合、申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨であるか否かを判定し、前記両替部は、申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨である場合に、前記電子通貨を他の電子通貨に交換するとよい。
電子通貨を他の電子通貨と交換可能にすることにより、例えば対戦相手のホームタウン内の店舗において所有する電子通貨が使用できない場合でも交換することにより使用できるようになる。
【0027】
また、上記の構成において、前記電子通貨管理装置は、前記電子通貨管理装置は、前記電子通貨を他の電子通貨に交換する両替部を備え、前記記憶部は、前記電子通貨と交換可能な電子通貨を記憶しており、前記判定部は、前記電子通貨と他の電子通貨との交換を申請する交換申請データを受信した場合、前記端末装置の利用者の住所情報を取得し、申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨であり、且つ、前記他の電子通貨が前記利用者の住所で使用可能な電子通貨であるか否かを判定し、前記両替部は、申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨であり、且つ、前記他の電子通貨が前記利用者の住所で使用可能な電子通貨である場合に、前記電子通貨を前記他の電子通貨に交換するとよい。
所有する電子通貨を転居した先で使用可能な電子通貨に交換することで、電子通貨を有効に利用することができ、転居先の地域を活性化させる。
【0028】
また、上記の構成において、前記電子通貨と交換可能な電子通貨は、前記団体が所属する組織に所属する他の団体に関連する電子通貨であるとよい。
組織に属する団体間において電子通貨を交換可能にすることで、団体が所属する組織(例えば団体がサッカーのクラブチームである場合のJリーグ)の発展に貢献することができる。
【0029】
また、上記の構成において、前記電子通貨と交換可能な電子通貨は、前記団体と試合を行う他の団体に関連する電子通貨であるとよい。
例えば、対戦相手のホームタウン内の店舗においても所有する電子通貨が使用できない場合、対戦相手の団体に関連する電子通貨に交換することで、応援に訪れたサポータが電子通貨を使用することが可能となり電子通貨の利便性が向上する。電子通貨の利用が促進され、開催地周辺の経済を活性化することができる。
【0030】
また、上記の構成において、前記電子通貨管理装置は、前記電子通貨を他の電子通貨に交換する両替部を備え、前記記憶部は、前記電子通貨と交換可能な電子通貨と、前記交換可能な電子通貨と交換できる交換可能期間と、を記憶しており、前記判定部は、前記端末装置から前記電子通貨と他の電子通貨との交換を申請する交換申請データを受信した場合、申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨であり、且つ、前記交換申請データを受信した時期が前記交換可能期間内であるか否かを判定し、前記両替部は申請された前記他の電子通貨が前記交換可能な電子通貨であり、且つ、前記交換申請データを受信した時期が前記交換可能期間内である場合に、前記電子通貨を前記他の電子通貨に交換するとよい。
電子通貨の交換を交換可能期間内に限定することで、電子通貨の交換を促進させることができる。また、交換可能な期間を限定することで、通常時は電子通貨の利用が関連する団体の第1の地域(例えばホームタウン)に限定されるためその地域の発展に貢献するようになる。
【0031】
また、上記の構成において、前記交換可能な電子通貨は、前記団体と試合を行う他の団体に関連する電子通貨であり、前記交換可能期間は、前記他の団体との試合が開催される開催期間の一部を少なくとも含むように設定される期間であるとよい。
例えば、交換可能期間を団体同士の試合が開催される開催期間が含まれるように設定することにより、互いの電子通貨の利便性を向上させつつ、対戦相手先の地域の発展に貢献することができる。また、試合の開催期間以外の期間においては、電子通貨の利用が関連する団体の第1の地域(例えばホームタウン)に限定されるためその地域の発展に貢献する。
【0032】
また、上記の構成において、前記電子通貨管理装置は、前記端末装置の利用者の保有ポイントを管理し、前記電子通貨の使用量に所定の還元率を乗じたポイントを、前記利用者の保有ポイントに還元するポイント還元部を備え、前記記憶部は、前記団体に関連するイベントと、前記イベントに関連した適用期間と、前記イベントに対応した特別還元率と、を記憶しており、前記ポイント還元部は、前記使用申請データを受信した時期が前記適用期間内である場合、前記イベントに対応した前記特別還元率を前記電子通貨の使用量に乗じてポイントを算出し、算出された前記ポイントを前記利用者の保有ポイントに還元するとよい。
使用した電子通貨の一部をポイントとして還元することで、電子通貨の使用を活性化させることができる。また、団体に関連するイベントに応じて、所定の還元率を特別還元率とすることで、イベントに発生時に電子通貨の利用を促進させることができる。例えば、団体がスポーツ大会等で優勝した場合に、通常の還元率よりも高く設定された特別還元率でポイントを算出して還元することで、お祝いムードを提供することができ、電子通貨の利用を促進させることができる。
【0033】
また、上記の構成において、前記団体に関連するイベントは、前記団体に所属する人物が特定イベントの代表として選出されることであり、前記団体に所属する人物が前記特定イベントの代表として選出された場合の前記特別還元率は、前記所定の還元率より高く設定されているとよい。
例えば、クラブチームに所属する選手が全日本代表選手として選出された場合、還元率を高くすることで、団体を応援するファンにお祝いムードを提供することができ、これによりファンの応援熱を増すことができる。
【0034】
また、上記の構成において、前記団体に関連するイベントは、前記団体の活動の休止であり、前記団体が活動を休止している場合の前記特別還元率は、前記所定の還元率より高く設定されているとよい。
前記団体が活動を休止している期間、すなわち団体が試合や演奏等の活動を行わないシーズンオフの場合、ファンの気持ちが離れがちである。そのため、シーズンオフに、より多くのポイントを還元すれば、ファンは積極的に電子通貨を使うようになり、その度に団体との関わり合いを持つことができる。すなわち、団体が活動を休止している間(シーズンオフの期間)もファンの応援熱を維持することができる。
【0035】
また、上記の構成において、前記電子通貨管理装置は、前記団体に関する事項を決定する投票システムと、前記電子通貨の所有者に対して、前記電子通貨の所有量又は過去に使用した使用量に応じて、前記投票システムで投票可能な投票権を付与する投票権付与部と、を備えるとよい。
電子通貨の所有者や使用者に投票権を付与することで、電子通貨の流通を促すことができ、団体及び地域の発展に貢献することができる。
【0036】
また、上記の構成において、前記電子通貨管理装置は、前記端末装置により前記電子通貨が使用された場合に、使用された前記電子通貨の一部を貯蓄する貯蓄部を有するとよい。
電子通貨が使用された場合にその一部を貯蓄し、貯蓄した電子通貨を団体に関するイベント、例えばクラブチームが優勝した場合のパレード等の費用に使用する。団体のサポータによる電子通貨の使用を促すことができ、延いては団体の発展に貢献することができる。
【0037】
また、上記の構成において、前記判定部は、前記電子通貨の使用目的情報を取得し、前記使用条件として、前記使用目的情報が、前記第1の地域のふるさと納税であるのか否かを判定し、前記使用許可送信部は、前記電子通貨の使用目的情報が前記第1の地域のふるさと納税である場合に、前記使用許可データを前記端末装置に送信するとよい。
団体に関する電子通貨をふるさと納税に利用できるようにすることで、電子通貨の使用を促すことができると共に地域の発展にも貢献することができる。
【0038】
また、上記の構成において、前記判定部は、前記電子通貨の使用目的情報を取得し、前記使用条件として、前記使用目的情報が、前記団体に関連する公営投票事業の投票であるか否かを判定し、前記使用許可送信部は、前記電子通貨の使用目的情報が、前記団体に関連する公営投票事業の投票である場合に、前記使用許可データを前記端末装置に送信するとよい。
団体に関連する電子通貨を、サッカーくじ等の公営投票事業にも利用可能とすることで、電子通貨の使用を促すことができ、延いては団体やその背景となる第1の地域(ホームタウン)の発展に貢献することができる。
【発明の効果】
【0039】
地域通貨は、主に地元経済の活性化のために使用されるものである。よって、地域通貨の使用は、本来地元でのみ許されるべきである。しかしながら、スポーツのクラブチーム等は、以下のような特有の活動がある。例えば、地元を離れて他地域に遠征して試合をする、冬場は南の温暖な地域でキャンプを行う、国際戦では代表チームを編成するなどの特有の活動がある。よって、クラブチームが発行する地域通貨も、この特有の活動に沿った形にする必要がある。本発明は、このようなクラブチームの特有の活動に沿ったものであり、これによりクラブチーム版の地域通貨として機能させ、利便性を高めるためものである。
本発明によれば、クラブチーム等の団体により発行される電子地域通貨の利用を通じて、団体及びその団体に紐づく第1の地域、例えばホームタウンの発展に貢献することが可能な電子通貨管理装置、電子通貨管理方法及び電子通貨管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本実施形態である電子通貨管理装置を含む電子通貨管理システムの全体を示すシステム構成図である。
図2】電子通貨管理装置及び端末装置のハードウェア構成図である。
図3】電子通貨管理装置及び端末装置を機能面から示した図である。
図4】電子通貨を使用する場合の処理を示すシーケンス図である。
図5】電子通貨の使用許可する際の処理を示すフロー図である。
図6】利用者情報の一例を示す図である。
図7】店舗情報の一例を示す図である。
図8】使用申請データの一例を示す図である。
図9】決済許可条件データの一例を示す図である。
図10】交換申請データの一例を示す図である。
図11】交換許可条件データの一例を示す図である。
図12】通貨価値管理データの一例を示す図である。
図13】投票資格メールの一例を示す図である。
図14】プール情報管理データの一例を示す図である。
図15】クラブチーム情報の一例を示す図である。
図16】投げ銭を送信する際に端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図17】投げ銭データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)について図1から図17を参照しながら説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
特に、以下の説明や図面中に記載された画面のデザイン及びレイアウトは、あくまでも一例に過ぎず、本発明の用途やユーザの要望等に応じて適宜変更可能である。
【0042】
また、以下の説明において本発明による、電子通貨管理装置及び電子通貨管理方法について説明するが、かかる電子通貨管理方法をコンピュータにより実行可能なプログラムとして実施するようにしてもよいし、あるいは、該プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0043】
また、電子通貨管理装置により管理する「団体に関連する電子通貨」の一例として、特定の地域を背景とするクラブチームが主体となって発行する「クラブチーム版電子地域通貨」を挙げて説明する。
「クラブチーム」とは、例えばスポーツチームにおける運営形態の一種であり、スポーツ分野において企業だけではなく、地域や出身校を背景とした有志により運営される同好会組織等を指す。例えば、サッカーでは浦和レッズダイヤモンズ又はガンバ大阪等がクラブチームに該当する。
また、本発明において団体に紐づき、その団体の背景となりうる「第1の地域」とは、その団体と関連した地域であり、その団体の活動が主に行われる地元の地域である。団体がクラブチームである場合、「第1の地域」はそのクラブチームの「ホームタウン」となる地域である。例えば浦和レッズダイヤモンズの場合、埼玉県さいたま市がホームタウンに該当し、ガンバ大阪の場合は大阪府吹田市等がホームタウンに該当する。
【0044】
「クラブチーム」は、会員による個人会費や後援会組織、支援企業(スポンサー)等からの広告収入、地元自治体等からの支援により運営されている。地域のコミュニティの中で行われるスポーツ組織として、スポーツ少年団、総合型地域スポーツクラブ、主婦や高齢者の余暇活動まで様々なものがあり、地域活性化に貢献している。
なお、本発明の「団体」とは、スポーツに関連するクラブチームに限定されず、地域に密着した文化活動、例えば合唱団や交響楽団、劇団等も「団体」に含まれ、その活動には合唱団や交響楽団、劇団による「演奏」、「演劇」も含まれるものとする。
【0045】
クラブチームが発行するクラブチーム版電子地域通貨(以下、単に電子通貨と称する場合がある)は、クラブチームのサポータ(ファン)が「我がチームの電子通貨」として使用することが想定されている。クラブチーム別に発行された電子通貨の使用を通じて、クラブチーム及びホームタウンの発展に貢献することを目的としている。
【0046】
また、電子通貨の名称にはチーム名の一部が含まれるとよい。例えば、「■■〇〇〇」というチーム名(■■は地名)の場合、「〇〇〇コイン」とチーム名にちなんだ名称を付ける。電子通貨の名称にチーム名の一部を含めることで、自チームの通貨としての愛着がわき、クラブチーム版電子地域通貨の使用を促すことができる。
【0047】
なお、以下の説明において、クラブチーム版電子地域通貨を使用することには、決済、両替、他の電子通貨への交換、電子通貨の送付、納税、寄付等の行為が含まれることとする。
【0048】
クラブチームが発行する電子通貨の使用場所として、クラブチームの所在地エリア(ホームタウン)又はクラブチームが所有するスタジアム(開催場所)内の店舗等がある。また、クラブチーム、加盟店、クラブチームのスポンサーが運営するオンラインサイト等で電子通貨を使用してもよい。団体が合唱団である場合は、コンサート会場(実演場所)やその周辺の店舗が挙げられる。
【0049】
なお、クラブチーム版電子地域通貨の発行は、スポーツチームを運営するクラブチームに限らず地域に密着した文化活動を行う団体、例えば合唱団が行ってもよい。また、クラブチーム毎に電子通貨は発行されるが、電子通貨のそれぞれに互換性を持たせ交換可能に運営されてもよい。電子通貨の発行主体は、ホームタウンにある地域金融機関が想定されるが、市役所等の行政機関やクラブチーム自らが主体となってもよい。
【0050】
ホームタウンで利用可能なクラブチームに関する電子通貨を発行することにより、クラブチームが運営するスポーツチームと、そのホームタウンとの関りを強化することで、スポーツ振興と地域振興の双方を支援することができる。
以下では、クラブチーム版電子地域通貨が円滑に使用されるよう構成された電子通貨管理装置10を含む電子通貨管理システム1について説明する。
【0051】
<<電子通貨管理システム1のシステム構成>>
図1は、上述したクラブチーム版電子地域通貨(電子通貨C)を管理する電子通貨管理装置10を含む電子通貨管理システム1の構成を示す図である。電子通貨管理システム1は、電子通貨Cを管理する電子通貨管理装置10と、電子通貨Cを使用する利用者Pの端末装置30a及び利用者Pから電子通貨Cを受け取る店舗Qの端末装置30bとを備える。電子通貨管理装置10及び端末装置30a、30bはインターネット等の通信回線Nを介して相互に通信可能に接続されている。
言い換えれば、電子通貨管理システム1は、消費者である利用者Pの端末装置30aと、商品を販売する店舗Qの端末装置30bと、電子通貨Cの発行者又は配布者であるクラブチームの電子通貨管理装置10とを通信回線Nで互いに接続することにより構成された、電子通貨Cを通貨として取引可能な決済手段である。
【0052】
利用者Pの端末装置30a及び店舗Qの端末装置30bは、一台に限らず複数台あり、それらは個別に作動すると共に同時に電子通貨管理装置10に接続することができる。なお、以下の説明において、利用者Pの端末装置30aと店舗Qの端末装置30bとを特に区別しない場合は、単に端末装置30と称する場合がある。
また、通信回線Nは、インターネットや4G、5G等のモバイルネットワークからなり、電子通貨管理装置10と端末装置30a、30bとを通信可能に接続している。
【0053】
利用者P及び店舗Qは、通信回線Nを介して、電子通貨管理装置10が提供する機能やサービスを享受することが可能である。すなわち、利用者P及び店舗Qは、それぞれが所有する端末装置30a、30bを操作することにより電子通貨管理装置10と通信して、電子通貨Cの移転や譲渡申し込みを行い、電子通貨Cの使用データ等の送受信を行う。
また、利用者Pの端末装置30aと店舗Qの端末装置30bとは近距離無線システム(例えばBlueTooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)通信)、赤外線通信、可視光通信、近接無線通信(例えばNFC(Near Feiled Communication))等で通信してもよい。
【0054】
電子通貨管理装置10は、例えば電子通貨を発行するクラブチームにより管理されるコンピュータ(第1コンピュータ)である。電子通貨管理装置10はネットワーク上にデータベースを有するクラウド型のサーバであってもよい。
電子通貨管理装置10には、使用された電子通貨Cの情報が電子通貨データベース50に記憶されている。電子通貨データベース50には、電子通貨Cの所有者の個人情報、使用履歴が利用者情報51(図6参照)として記憶されている。
また、電子通貨管理装置10には、電子通貨Cを使用するための条件が、使用条件データベース60に記憶されている。電子通貨管理装置10は、利用者Pが電子通貨Cを使用する場合、使用する際の状態が使用条件に一致するか否かを判定し、条件が一致した場合に、電子通貨Cの使用を許可する使用許可データを送信するよう構成されている。使用条件の詳細については後述する。
【0055】
端末装置30aは、利用者Pにより操作されるパーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等のコンピュータ(第2コンピュータ)である。端末装置30aは、電子通貨Cの残高情報等が記憶可能なICチップが埋め込まれたICカードであってもよい。端末装置30aには、電子通貨Cを使用するためのアプリケーションがインストールされており、アプリケーションにより電子通貨Cの残高や使用履歴(電子通貨情報53)が記憶される。利用者Pが商品を購入する際、例えば端末装置30aのアプリケーションを店舗Qの端末装置30bに提示することにより、アプリケーションから電子通貨Cを引き出すように構成されている。
【0056】
端末装置30bは、店舗Qに設置された据え置き型のレジスタであり、バーコードリーダ等の読取装置を備え店舗Qの店員(利用者)が操作することで、電子通貨Cを使用できるコンピュータ(第2コンピュータ)である。端末装置30bは、通信回線Nに接続して電子通貨管理装置10と通信可能であり、スマートフォン、タブレット端末等により構成されてもよい。利用者Pの端末装置30aから電子通貨Cを受け取った場合、その情報が電子通貨管理装置10に送信され電子通貨Cの使用履歴として電子通貨データベース50に記憶される。
【0057】
<<ハードウェア構成>>
図2を参照して、電子通貨管理システム1を構成する電子通貨管理装置10及び端末装置30a、30bのハードウェア構成について説明する。
【0058】
<電子通貨管理装置10>
図2に示されるように、電子通貨管理装置10は、ハードウェア構成として、プロセッサ11、記憶装置12及び通信用インターフェース13を備え、それらはバス16を介して接続されている。
【0059】
プロセッサ11は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェア(例えばCPU:Central Processing Unit)である。そして、プロセッサ11は、記憶装置12に記憶されるプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を実行すると共に、電子通貨管理装置10の各部を制御する。
【0060】
記憶装置12は、例えばメモリ、磁気ディスク装置を含み構成され、各種のプログラムやデータを記憶する。一例としては、記憶装置12には、電子通貨の利用者情報51、店舗情報52、電子通貨の使用条件(決済許可条件情報61等)等が記憶される。また、記憶装置12は、プロセッサ11のワークメモリとしても用いられる。なお、記憶装置12には、フラッシュメモリ、光学ディスク等の情報記憶媒体が含まれてもよい。
【0061】
通信用インターフェース13は、例えばネットワークインターフェースカードを含み構成され、インターネット、イントラネット等の通信回線Nを経由して、利用者Pの端末装置30a及び店舗Qの端末装置30bと通信する。
【0062】
<端末装置30a、30b>
利用者Pの端末装置30aと、店舗Qの端末装置30bとは、ほぼ同様のハードウェア構成を有する。図2に示されるように、端末装置30は、プロセッサ31、記憶装置32、通信用インターフェース33、入力装置34、表示装置35を備え、それらはバス37を介して接続されている。入力装置34及び表示装置35は端末装置30の外部装置として設けられてもよい。また、端末装置30の位置情報を取得するための位置情報受信装置36が設けられてもよい。
【0063】
プロセッサ31は、電子通貨管理装置10のプロセッサ11と同様に、記憶装置32に記憶されるプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を実行すると共に、端末装置30の各部を制御する。記憶装置32は、例えばメモリ、磁気ディスク装置を含み構成され、各種のプログラムやデータを記憶するほか、プロセッサ31のワークメモリとしても機能する。なお、記憶装置32には、フラッシュメモリ、光学ディスク等の情報記憶媒体が含まれてもよい。通信用インターフェース33は、例えばネットワークインターフェースカードを含み構成され、通信回線Nを経由して、電子通貨管理装置10と通信する。
【0064】
入力装置34は、例えばタッチパネル、キーボード、マウス等を含み構成され、利用者P又は店舗Qの店員からの入力を受け付ける。表示装置35は、例えば液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置等を含み構成され、プロセッサ31により生成されるグラフィックデータに基づく画面を出力する。
【0065】
位置情報受信装置36は、例えば、複数の人工衛星SA(図1参照)からGPS電波を受信するGPS受信機からなり、GPS電波を受信することで端末装置30の位置を特定することできる。なお、位置情報受信装置36は、端末装置30の位置が特定できない場合に使用される。店舗Qの端末装置30bのように、店舗Qに据え置かれている場合は、店舗Qの住所等を電子通貨データベース50に登録することで位置を特定できるため位置情報受信装置36を備えなくてもよい。また、電子通貨管理システム1において、利用者Pの端末装置30aは、電子通貨Cを使用するときに店舗Qの端末装置30bから位置情報を受信してもよい。
【0066】
<<機能構成>>
次に、電子通貨管理システム1を構成する電子通貨管理装置10及び端末装置30の機能について説明する。
【0067】
<電子通貨管理装置10>
電子通貨管理装置10は、利用者P又は店舗Qの端末装置30から電子通貨Cの使用申請データを受信した場合に、電子通貨Cが使用可能か否かを判断する。電子通貨Cが使用可能である場合、使用許可データを利用者Pの端末装置30a又は店舗Qの端末装置30bに送信する。電子通貨管理装置10は、受信した使用申請データに基づき使用可能か判断することで電子通貨Cの適切な利用を管理することができる。
【0068】
電子通貨管理装置10は、記憶部21、受信部22、判定部23、使用許可送信部24、両替部25、ポイント還元部26、投票権付与部27、貯蓄部28、通貨寄付部29、投票システム70を備える。
【0069】
記憶部21は、電子通貨Cに関する情報が記録された電子通貨データベース50を記憶する。
【0070】
電子通貨データベース50には、図6に示すように、利用者Pを識別するため利用者ID、氏名、住所、電子通貨の通貨残高等が記録された利用者情報51が記憶されている。また、図7に示すように、店舗Qを識別するための店舗IDや名称等を含む店舗情報52も記憶されている。
【0071】
利用者情報51について、より詳細に述べると、利用者IDには、電子通貨管理装置10で利用者毎に一意に付された識別番号が記録されている。氏名・名称には利用者の氏名が記録されており、住所には利用者の住所が記録されている。なお、利用者から転居した旨の連絡があった場合、住所が転居先の住所に変更される。
利用者情報として決済方法も記録されており、その利用者が使用するクレジットカードの番号や銀行の口座番号等が記録されている。利用者が電子通貨を購入する際、登録されたクレジットカード等から引き落とされる。利用者情報51には、利用者が使用した使用累積額も記録されており、使用累積額に応じて、投票システム70における投票権が付与される場合がある。電子通貨毎に通貨残高が記録されており、電子通貨に有効期限がある場合は有効期限も記録されている。また、電子通貨Cを使用したときにポイントが還元される場合は、還元されたポイントが記録されてもよい。
【0072】
店舗情報52には、利用者情報51と同様に、店舗IDには、店舗毎に一意に付された識別番号が記録されている。氏名・名称には店舗名が、住所には店舗の住所が定められている。店舗の住所は、店舗の位置情報として利用される場合がある。決済方法には銀行の口座番号等が記載されている。また、利用者情報51と同様に、電子通貨の種別毎に通貨残高と有効期限が記録されている。
【0073】
また、記憶部21には、電子通貨Cの使用条件に関する情報が、使用条件データベース60として記憶されている。使用条件データベース60には、電子通貨Cを決済するときの条件が決済許可条件情報61として記憶されている。また、電子通貨Cを他の電子通貨C2と交換するときの条件が交換許可条件情報62として記憶されている。また、還元するポイント還元率の情報が通貨価値管理情報63に、電子通貨Cをプール(貯蓄)する際の情報がプール管理情報64に、クラブチームCTの代表選手等の情報がクラブチーム情報65に記憶されている。
【0074】
決済許可条件情報61は、図9に示すように電子通貨種別毎に記録されている。決済許可条件(1)には、第1の地域(ホームタウン)として使用可能な住所が定められている。この場合、電子通貨を使用可能な許可期間は「常に」と定められている。
決済許可条件(2)~(4)には、第2の地域としてホームタウンとは別の地域が定められている。決済許可理由に「試合」が登録されている場合、試合日である許可期間だけ決済許可条件(2)で定められた地域でのみ電子通貨を使用することが可能とすることができる。また、決済許可理由として「キャンプ」が登録されている場合、クラブチームが練習等でキャンプを行っており、キャンプ先の地域が決済許可条件(3)として定められている。クラブチームがキャンプ地で宿泊している間、キャンプ先の地域(キャンプ地)で電子通貨を使用することができる。なお、第2の地域は、シーズンオフの間のキャンプ地であってもよく、また、シーズン中であれば練習グラウンド周辺の地域であってもよい。また、決済許可条件(4)として、全国の加盟店が定められている場合がある。例えば日本代表がワールドカップで勝利した場合、勝利した日から3日間、全国の加盟店で電子通貨を利用することができる。
【0075】
受信部22は、端末装置30から、電子通貨Cの使用を要求する使用申請データ54を受信する。使用申請データ54は、店舗Qの端末装置30bから、電子通貨Cにより支払いを受け付ける場合に送信される。使用申請データ54は、利用者Pが電子通貨Cで物品を購入しようとする際に、利用者Pの端末装置30aから電子通貨管理装置10に送信されてもよい。
【0076】
使用申請データ54には、図8に示すように、電子通貨Cの通貨種別、取引される電子通貨Cの金額(数量)、利用者Pの利用者ID、電子通貨Cを受け取る店舗の店舗IDが含まれる。また、使用申請データ54には電子通貨Cの使用目的情報が含まれてもよい。使用目的として、決済、電子通貨の交換、両替、納税、寄付、送金等がある。また、使用申請データ54には、利用者Pの端末装置30aの位置情報又は店舗Qの住所等が含まれていてもよい。
【0077】
判定部23は、電子通貨管理装置10は、端末装置30から、使用申請データ54を受信した場合、その電子通貨Cの使用について、使用条件データベース60に登録された使用条件を満たすか否かを判定する。
判定部23は、電子通貨Cを使用する際の基本的な条件、例えば、取引される電子通貨Cは利用者Pの正当な所有物であるか否か、取引される電子通貨Cの数量が残高を超えてないかを判定する。
また、更に、電子通貨管理装置10の記憶部21には、クラブチームに関連する使用条件が記憶されており、判定部23が、その使用条件が満たされているか否かを判定している。
例えば、店舗Qが、クラブチームに関連する店舗(加盟店)であり、電子通貨Cを使用可能な店舗であるか等を判定する。また、店舗Qの住所からクラブチームのホームタウン内にあるか否かにより、使用条件を満たしているか判定してもよい。クラブチームに関連する使用条件の詳細については後述する。
【0078】
使用許可送信部24は、判定部23により電子通貨Cの使用条件が満たされていると判定された場合、電子通貨Cの使用を許可する使用許可データを端末装置30に送信する。
使用許可データを受信した端末装置30は、電子通貨Cを使用することが可能となる。例えば、電子通貨Cによる決済を行ったり、電子通貨Cの交換、送信、納税等を行ったりすることができる。
決済の場合、店舗Qの端末装置30bが使用許可データを受信して、電子通貨Cを利用者Pから受け取り物品を引き渡す。
【0079】
判定部23が電子通貨Cの使用条件を満たしていないと判定した場合、電子通貨管理装置10は使用許可データを送信しない。
使用許可送信部24は、判定部23が使用条件を満たしていないと判定した場合、電子通貨Cが利用できないことを明示的に示す不許可データを端末装置30に送信してもかまわない。
【0080】
<端末装置30>
ここで、端末装置30の機能について説明する。端末装置30は、記憶部41、送信部42、受信部43、表示部44、入力部45、位置情報取得部46を備える。記憶部41は、所有する電子通貨Cの情報を記憶する。記憶部41には、電子通貨Cを使用するためのプログラム(アプリケーションとも呼ばれる)も記憶されている。記憶部41は、端末装置30のプロセッサ31及び記憶装置32により実現される。
【0081】
送信部42は、電子通貨Cを使用する際に、使用申請データ54を電子通貨管理装置10に送信する。
受信部43は、電子通貨管理装置10から、電子通貨の使用が許可されたことを示す使用許可データを受信する。受信部43は電子通貨管理装置10から不許可データを受信してもよい。
また、端末装置30は、送信部42及び受信部43により電子通貨Cの取引を行う他の端末装置30と電子通貨情報を送受信してもよい。例えば、利用者Pの端末装置30aと店舗Qの端末装置30bとが、それぞれの送信部42及び受信部43を用いて電子通貨情報を送受信する。
送受信には、無線による通信手段が使われてもよい。また、端末装置30の画面に二次元バーコード等を表示させることにより、電子通貨情報の送受信をしてもよい。
送信部42及び受信部43は、端末装置30のプロセッサ31及び通信用インターフェース33により実現される。
【0082】
入力部45は、使用する電子通貨Cの数量や購入する商品を入力する。また、表示部44は、端末装置30の画面に、電子通貨Cの使用数量、購入する商品、電子通貨情報を示す二次元バーコード等を表示する。
【0083】
また、位置情報取得部46は、端末装置30は、端末装置30の現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部46は、位置情報受信装置36を用いて位置情報を取得する。また、店舗Qの端末装置30bから、電子通貨Cを使用するときの位置情報を取得してもよい。
【0084】
端末装置30は、電子通貨管理装置10から使用許可データを受信した場合に、電子通貨Cを使用することができる。例えば、利用者Pは所有する電子通貨Cを店舗Qの端末装置30bに送信することで商品を受け取ることができる。
なお、端末装置30は、使用申請データを送信してから所定時間経過しても使用許可データを受信しない場合、電子通貨Cを使用できないもとの判断し、電子通貨Cによる取引を中止する。
また、端末装置30は、不許可データを電子通貨管理装置10から受信した場合も電子通貨Cによる取引を中止してもよい。電子通貨Cの使用が中止された場合、表示部44により、電子通貨Cによる支払いが中止されたことが端末装置30の画面に表示されてもよい。
【0085】
<<電子通貨管理処理>>
次に、図4のシーケンス図を用いて、電子通貨Cの使用を管理する電子通貨管理処理S100について説明する。
使用条件等の情報は、電子通貨管理装置10の記憶部21に予め記憶されているものとする。
利用者P又は店舗Qの端末装置30a、30b(以下、端末装置30)は、電子通貨Cを使用する場合、送信部42を介して電子通貨管理装置10に、使用申請データ54を送信する(ステップS101:使用申請送信工程、使用申請送信処理)。
電子通貨管理装置10の受信部22は、端末装置30から使用申請データ54を、受信する(ステップS102)。次に、判定部23が、使用申請データ54に含まれる情報と、記憶部21に記憶される使用条件に基づき、電子通貨Cを使用してよいか否かを判定する(ステップS103:使用判定工程、使用判定処理)。
電子通貨Cが使用可能である場合(ステップS103:YES)、電子通貨管理装置10の使用許可送信部24が使用許可データを端末装置30に送信する(ステップS104:使用許可送信工程、使用許可送信処理)。
ステップS103で、使用条件を満たしていない場合(ステップS103:No)、不可通知処理を行う。例えば、不可知通知処理では、許可通知を送信しない、又は、許可通知の代わり不可の理由を含む不許可データを端末装置30に送信する(ステップS105)。
【0086】
端末装置30の受信部43が、電子通貨管理装置10から使用許可データを受信する(ステップS106:受信工程、受信処理)。端末装置30は、電子通貨Cの使用許可データを受信した後、電子通貨Cを使用する(ステップS107:使用実行工程、使用実行処理)。例えば、使用許可データを端末装置30bにより受信した店舗Qは、電子通貨Cを利用者Pの端末装置30aから受け取り、商品を引き渡す。
【0087】
電子通貨Cを使用した端末装置30は、送信部42により使用した電子通貨Cの使用情報を電子通貨管理装置10に送信する(ステップS108)。
端末装置30a、30bから電子通貨Cの使用情報を受信した電子通貨管理装置10は、電子通貨データベース50を更新する(ステップS109)。
【0088】
<<地域に基づく管理機能>>
電子通貨Cの使用者又は所有者はクラブチームを応援するファン(特にサポータ)であることを想定しており、試合等のイベントが開催されたとき、ファンがスタジアムやスタジアム内又は周辺の店舗で電子通貨Cを利用することを想定している。ファンにより電子通貨Cが積極的に使用されることで、電子通貨Cが地域振興やクラブチームの発展等に貢献することが期待される。
【0089】
クラブチームに関連する電子通貨Cは原則としてクラブチームの施設やホームタウン内の店舗で使用することができるものの、更に使用可能な地域(第2の地域、第3の地域)があると便利である。例えば同種の他のクラブチームに関連する施設やそのホームタウン等でも、電子通貨Cが使用できるとよい。例えば、サッカー関連のクラブチームの一つが、○○コインという電子通貨Cを発行していた場合、サッカー関連の他のクラブチームの施設やホームタウンでも、その〇〇コインを使用可能であるとよい。なぜなら、そのチームとの試合がある場合、ファンが応援のために対戦チームの施設に赴き、その周辺地域の店舗(例えば商店街)でも飲食等をする可能性があるからである。対戦チームの施設でも〇〇コインを使用可能にすることで、電子通貨Cの利便性が高まると共に、クラブチームが所属する組織(例えばサッカーの場合はJリーグ)や、業界の活性化が図られる。
【0090】
また、同種のクラブチームであれば、そのクラブチームの施設や、ホームタウン等で、クラブチームが発行する電子通貨Cと交換(両替)できるようにしてもよい。クラブチームの施設において電子通貨同士を交換できるようにしておけば、周辺地域の店舗が対戦相手のクラブチームの電子通貨C2のみが使用可能である場合でも、所有しているクラブチームの電子通貨Cを交換して使用することができるため利便性が高まる。また、クラブチームが所属する組織(例えばサッカーの場合はJリーグ)の活性化も図られるようになる。
なお、電子通貨Cと他の電子通貨C2との交換とは、電子通貨管理装置10に利用者情報51として記録された電子通貨種別(1)の電子通貨の残高から、電子通貨種別(2)の電子通貨の残高に移動させることにより実現される。
【0091】
他のクラブチームの施設やホームタウンで電子通貨Cを使用や交換する場合、その使用や交換できる期間に制限をもたせてもよい。チームの試合日(試合が開催される開催期間)にのみ他の電子通貨C2を使用や交換ができるようにすると、観戦に訪れた対戦相手のファンが、自チームのホームタウンで消費活動を行うことができ、自チームのホームタウンの地域振興に繋がる。また、使用や交換できる期間に制限を持たせることで、試合等が開催されない場合は電子通貨Cのホームタウンでのみ使用されることから、ホームタウンの発展に貢献するようになる。
なお、団体が合唱団等の場合は、使用や交換できる期間を、演奏する実演期間に限定するようにしてよい。
また、電子通貨Cを使用や交換できる期間(許可期間、交換可能期間)を設定する場合、試合日や実演期間だけでなく、少なくとも試合日や実演期間の一部が含まれるようにその期間を設定するのがよい。例えば、試合日が3月3日である場合、試合日を含む3日間(3月2日~4日)を許可期間や交換可能期間を設定する。ファン等が対戦先のホームタウンで宿泊する場合もあり、期間を広げて設定することで電子通貨Cの利便性が向上するからである。
【0092】
また、対戦相手の施設やホームタウンだけでなく、クラブチームが練習を行う練習場所(キャンプ地)等、クラブチームに関連する地域(第2の地域)でも電子通貨Cを使用可能としてもよい。クラブチームの選手やクラブチームで働く人々が長期間滞在することから、そのチームの電子通貨Cが使用可能であれば、消費活動により練習場所(キャンプ地)の地域振興に繋がる。また、熱狂的なファンは、練習場所に赴く場合もあるため、ファンにとってもそのチームの電子通貨Cが使用可能であれば便利である。
また、使用可能期間をクラブチームが練習場所(キャンプ地)に滞在する宿泊期間や練習期間としてよい。また許可期間は、宿泊期間や練習期間の少なくとも一部の期間が含まれるように設定してもよい。例えば、キャンプ期間(練習期間)が2月1日から2月28日までだった場合、許可期間を、2月1日から3月1日までと設定したり、2月1日から2月27日までと設定したりしてもよい。
【0093】
また、クラブチームの選手が参加する日本代表チームが勝ったら、電子通貨Cの使用制限を緩和してもよい。例えば許可期間の間、電子通貨Cを日本全国にあるクラブチームと関連のある店舗Q(加盟店)等で使用可能としてもよい。
【0094】
また、同じ業界の電子通貨Cだけでなく、場合によっては他の業界の電子通貨C2と交換を行えるようにしてもよい。例えば、サッカーのクラブチームによる電子通貨Cと、バスケットボールのクラブチームによる電子通貨C2とを交換してもよい。特定の団体(業界)だけでなく他の団体(業界)の発展に貢献することができ、スポーツ業界全体の活性化が期待される。
【0095】
このような自チームのホームタウン以外の地域においても電子通貨Cの使用を可能にするために本実施形態の電子通貨管理システム1では、図4に示す使用判定処理(ステップS103)において図5に示す処理を行っている。
【0096】
<<電子通貨の使用判定処理>>
電子通貨管理装置10の判定部23は、端末装置30の位置情報を取得する(ステップS201)。店舗Qの端末装置30bから使用申請データ54を受信した場合、位置情報は、店舗情報52に記録される店舗Qの住所情報から取得する。利用者Pの端末装置30aから使用申請データ54を受信した場合、端末装置30aの位置情報受信装置36(GPS受信機)が受信した位置情報を利用する。端末装置30aの位置情報取得部46が位置情報を取得した後、電子通貨管理装置10に送信し、受信部22が位置情報を受信する。利用者の端末装置30aが位置情報受信装置36を備えてないICカードである場合、ICカードの情報を読み取るATM装置等の住所情報から位置情報を取得してもよい。
【0097】
電子通貨管理装置10は、取得した端末装置30の位置情報が、ホームタウンとして決済許可条件情報61に登録された第1の地域HT1内であるか否かを判定する(ステップS202)。位置情報が第1の地域HT1内である場合(ステップS202:Yes)、電子通貨Cが可能であるとし、端末装置30に対し使用許可データを送信する。
【0098】
位置情報が第1の地域HT1内でない、すなわち、他の地域で利用される場合(ステップS202:No)、電子通貨管理装置10は、位置情報が記憶部21の決済許可条件情報61に登録された第2の地域HT2内であるか否かを判定する(ステップS203)。
ここでいう、第2の地域HT2とは、例えば対戦相手のホームタウン、クラブチームが練習を行う練習場所や練習のために宿泊するキャンプ地、又は、日本全域(全国の加盟店)である。第2の地域HT2は管理者によって設定されてもよく、試合等のイベントが決まっている場合は他のイベント管理装置から取得されてもよい。
図9に示す決済許可条件情報61には、ホームタウンとして決済許可条件(1)に第1の地域HT1が記録されている。また、決済許可条件(2)~(4)に第2の地域HT2が許可期間T1と共に記録されている。
【0099】
端末装置30の位置情報が、第2の地域内である場合(ステップS202:Yes)、電子通貨管理装置10は、電子通貨Cの使用時期が決済許可条件情報61に登録された許可期間T1内であるか否かを判定する(ステップS204)。許可期間T1は、例えば、クラブチームとの試合がある場合は、その試合当日、練習場所(グラウンドやキャンプ地等)の場合はクラブチームのメンバーが滞在する期間、日本代表チームが勝った場合は、その日から3日間というようにイベント毎に設定されている。
電子通貨の使用時期、すなわち使用申請データ54を受信した時間が許可期間T1内である場合(ステップS204:Yes)、電子通貨管理装置10は端末装置30に使用許可データを送信する。
なお、クラブチーム同士が提携等を行い、互いの電子通貨をいつでも交換や使用できるようなった場合、許可期間T1を設定しなくてもよい。言い換えれば、ステップS204の判定を行わず第2の地域内であると判定したときに使用許可データを送信する。
【0100】
電子通貨Cの使用が許可期間T1内でない場合(ステップS204:No)、電子通貨Cを利用することができないため、使用許可データを送信しないか、又は、不許可データを端末装置30に送信する。
【0101】
このような電子通貨使用判定処理を行うことにより、電子通貨Cのホームタウンでだけでなく、関連する他の地域(第2の地域)でも電子通貨Cを利用することが可能となる。
【0102】
<<電子通貨の両替(交換)機能>>
利用者Pは、電子通貨Cを利用する際、法定通貨により電子通貨Cを購入する。より具体的には、利用者Pは、購入金額と購入希望通貨の情報を含む通貨購入データを端末装置30aから電子通貨管理装置10に送信する。これにより、希望する電子通貨が、利用者Pの端末装置30aにチャージ、すなわち記憶部41に電子通貨Cの残高として記録される。利用者Pが所有する電子通貨Cの残高は、電子通貨管理装置10の利用者情報51にも記録される。
電子通貨管理装置10は、電子通貨Cと法定通貨と所定の交換レートで交換する両替部25を備えることで実現している。
【0103】
電子通貨管理装置10の両替部25は、電子通貨Cと他のクラブチームの電子通貨C2とを交換してもよい。両替部25は、記憶部21に交換許可条件情報62に基づいて電子通貨Cを他の電子通貨C2と交換する。
交換許可条件情報62には、図11に示すように、交換可能通貨と交換可能期間T2とが記録されている。いつでも他の電子通貨C2と交換可能であると、地域通貨としての機能、すなわちホームタウンでのみ利用可能とすることで地域を活性化させるという機能が低下することから、交換可能な交換可能期間T2が設定されている。
【0104】
例えば、電子通貨Cの交換は、試合当日に限り、自チームの電子通貨Cと、対戦相手の電子通貨C2とを交換可能としてもよい。ファンは交換により、所有する自チームの電子通貨Cを対戦相手のホームタウンでも使用できるようになり、電子通貨Cの使用が促進される。
【0105】
また、電子通貨Cの所有者が転居し住所が変更された場合に、転居先の地域で発行される他のクラブチームの電子通貨C2と交換できるようにしてもよい。
このとき、電子通貨C2との交換は、所有者の住所が転居先に変更されているか否かで判断する。
転居した場合は、所有する電子通貨Cの利用機会が減るため、利用者Pにとって電子通貨Cが実質的に無価値になるからである。
なお、転居の場合、不正交換を防止するため、事前に転居先の住民票等が提示され住所の変更が確認された場合に交換可能するのが望ましい。
転居先の電子通貨C2と交換することで、利用者Pは所有する電子通貨を転居先の地域でも使用することができ、それにより、転居先の地域を活性化させる。
また、クラブチーム同士が提携している場合、それぞれの電子通貨Cをいつでも交換可能にするよう設定することも可能である。
【0106】
電子通貨Cの交換をする際、図10に示す交換申請データ55が利用者Pの端末装置30aから、電子通貨管理装置10に送信される。電子通貨管理装置10は、判定部23により、交換申請データ55に記録される他の電子通貨C2が、交換許可条件情報62に登録された交換可能通貨であるか否かを判定する。交換可能通貨である場合、送信された時期(使用時期)が交換可能期間であるか否かを判定し、交換可能期間内である場合は、申請された交換額を所定の交換レートにより他の電子通貨C2に交換する。
【0107】
<<ポイント還元機能>>
電子通貨管理装置10は、利用者Pが電子通貨Cを使用したき、その購入金額や使用回数等に応じてポイントを利用者Pに付与する機能(ポイント還元機能)を備えてもよい。蓄積されたポイントに応じて、クラブチームのグッズや商品等と交換できると、電子通貨Cの使用を促すことができる。ポイントは電子通貨Cと交換可能としてもよい。利用者Pに購入金額の一部を電子通貨Cで還元するようにしてもよい。
【0108】
電子通貨管理装置10は、このようなポイント還元機能を行うポイント還元部26を備える。ポイント還元部26は、利用者Pが電子通貨Cで決済したときに、決済額に所定のポイント還元率を乗じ、還元されるポイントを算出し、端末装置30の利用者に算出されたポイントを還元する。より具体的には、電子通貨管理装置10は、利用者情報に保有する保有ポイントを記憶し管理している。電子通貨管理装置10は、電子通貨Cで決裁されたとき、利用者情報に記憶する保有ポイントに、決済された電子通貨Cの使用量に還元率を乗じたポイントを還元(加算)する。
ポイント還元率は通貨価値管理情報63にイベントごとに記憶されている。また、ポイント還元率を適用する適用期間も記憶されている。
電子通貨管理装置10は、図4に示すステップS109において、電子通貨使用情報を受信したときに、このポイント還元処理を実施する。
【0109】
ポイント還元率は、図12に示す通貨価値管理情報63のように、イベント毎に適用期間T3と共に定められている。電子通貨管理装置10は、クラブチームに関するイベントが発生した場合、そのイベントに応じて特別なポイント還元率を設定してもよい。言い換えれば、イベントに応じてポイント還元率を変更することができる。
【0110】
例えば、スポーツの試合等が開催されない、すなわちクラブチームがその活動を休止しているシーズンオフ(閑散期)の期間(適用期間)は、電子通貨Cの使用が控えられることが予想される。このような期間において、利用者に付与するポイント還元率を、特別還元率としてシーズン中より高く設定することにより、利用者は実質的に商品を安く購入することができるため、電子通貨Cの利用を促すことができる。シーズンオフでも自チームの電子通貨Cを利用することで、クラブチームはファン(サポータ)との繋がりを維持することができる。
【0111】
また、クラブチームがスポーツ大会等で優勝したときや、クラブチームから図15に示すように、世界選手権大会(特定イベント)の全日本代表選手が選出されたときに、電子通貨Cのポイント還元率を、特別還元率として、通常時の還元率よりも高くなるように設定してもよい。
還元率を高くすることにより、クラブチームを応援するファンにお祝いムードを提供することができ、これによりファンの応援熱を増すことができる。
また、実質的に少ない電子通貨Cで多くの商品を購入することができ、電子通貨Cの価値を上げることができる。
【0112】
また、電子通貨管理装置10は、上述したように、法定通貨(円)を電子通貨Cと交換する両替部25を有している。利用者Pは、法定通貨(円)を所定の交換レートに従って電子通貨Cを購入するが、この交換レートを一定期間、変更することにより、電子通貨Cの価値を高めてもよい。
例えば、スポーツ大会で優勝する等、クラブチームに関するイベントが発生した場合に、一定期間、この交換レートを変更してより多くの電子通貨Cを発行可能にする。利用者は、より多くの電子通貨Cを入手でき、通常時より多くの商品を購入できることとから、電子通貨Cの利用を促すことができる。
【0113】
<<投票権付与機能>>
電子通貨管理装置10は、クラブチームに関する事項を決定するための投票システム70を備えてもよい。投票システム70は、通信回線上の他のクラウドサーバ等で実現されてもよい。
投票システム70では、例えば、クラブチームのユニフォームを複数のデザインから決めるために利用者からの票を受け付ける。クラブチームは、ユニフォームのデザインをより多くの票を獲得したものにすることができる。
【0114】
電子通貨管理装置10は、投票システム70で投票する権利を、電子通貨の所有者に対して付与する投票権付与部27を備える。
投票権付与部27は、電子通貨Cの所有者に対して、記憶部21に記憶される電子通貨Cの所有量又は過去の使用した使用量に応じて、投票システムで投票可能な投票権を付与する。
投票権付与部27は、例えば過去1年間で10万円以上使用している利用者Pに対して投票権を付与する。付与する場合、例えば図13に示すような電子メール66を利用者Pの端末装置30aに送付する。電子メール66には、投票権を獲得したことと、投票システム70のURL及び不正投票を防止するためのパスワード等が記載されている。
投票権を獲得した利用者Pは、クラブチームの決定事項に関与できることから、電子通貨Cの使用を心がけるようになり、電子通貨Cの利用が促されるようになる。
【0115】
<<プール機能>>
また、電子通貨管理装置10は、電子通貨Cの使用情報を受信したとき、その一部をプール(貯蓄)する貯蓄部28を有してもよい。
店舗Qの端末装置30bは、受け取った電子通貨Cに所定の割合(プール比率、例えば決済総額の1%)を乗じた量の電子通貨Cを、電子通貨管理装置10に送信する。電子通貨管理装置10の貯蓄部28は、受信した電子通貨Cを記憶部21に記憶し、一定の目標額に達成するまで電子通貨Cを貯蓄する。プール比率や蓄積された電子通貨C(プール額)はプール管理情報64として記憶部21に記憶される。プールされた電子通貨Cは、設定された所定の時期に、プール管理情報64に登録された送信先口座に送金される。
【0116】
貯蓄された電子通貨Cはクラブチームの活動のために使用される。例えば、クラブチームが優勝した場合に、選手に対して賞金として配布したり、優勝イベントの開催費用に用いたりする。
電子通貨Cの使用が、クラブチームの支援につながり、ファンによる電子通貨の使用が促進されるようになる。
また、貯蓄された電子通貨を、ホームタウンの地域おこしのために、ホームタウンで開催されるイベント等に利用されてもよい。地域おこしに用いられることで、電子通貨の使用が促され、地域通貨としての価値を高めることができる。
【0117】
<<ふるさと納税での利用>>
電子通貨Cを所有する利用者Pが転居した場合、電子通貨Cを元居た地域のふるさと納税に利用できるようにしてもよい。端末装置30aが送信する使用申請データに登録された使用目的情報が「ふるさと納税」である場合に、電子通貨管理装置10の使用許可送信部24は、利用者Pが第1の地域HT1内にいない場合であっても、使用許可データを端末装置30aに送信する。電子通貨Cをふるさと納税に利用可能とすることで、地域の発展に貢献することができる。
【0118】
<<公営投票事業での利用>>
電子通貨Cを、クラブチームに関連する公営投票事業、例えばサッカーの「サッカーくじ」に投票する場合に使用可能としてもよい。
電子通貨管理装置10の使用許可送信部24は、使用申請データに登録された使用目的情報が「公営投票事業」である場合に、利用者の端末装置30aに使用許可データを送信する。利用者Pは、端末装置30aが使用許可データを受信することで、電子通貨Cを公営投票事業に用いることができる。公営投票事業が活性化され、クラブチームが所属する団体の発展に貢献することができる。
【0119】
<<投げ銭機能>>
また、電子通貨Cを用いて、良いプレーを行った選手に「投げ銭」ができるとよい。より具体的には、クラブチーム情報65に登録された選手(特定の利用者)に対して、端末装置30aにより電子通貨Cを寄付することができるとよい。
このような投げ銭機能を実現するために、電子通貨管理装置10は、通貨寄付部29を有する。通貨寄付部29は、端末装置30aから、使用申請データ54を受信した場合、その目的が電子通貨Cの寄付であり、寄付する相手の人物がクラブチーム情報65に登録された特定の利用者であると判定したとき、電子通貨Cをその利用者の端末装置に対して送る。
【0120】
電子通貨管理装置10は、使用申請データ54を受信したとき、図17に示す投げ銭データ67(寄付申請データ)を受信してもよい。投げ銭データ67には、電子通貨Cを寄付する利用者Pの利用者ID、通貨種別、投げ銭額、投げ銭対象(寄付先)の人物が記憶されている。
通貨寄付部29は、投げ銭データ67に基づき、利用者の電子通貨Cの通貨残高から、投げ銭額を引き、同じ額の電子通貨Cを投げ銭対象である寄付先の特定の利用者の通貨残高に加える。
【0121】
電子通貨管理装置10は、「投げ銭」が容易にできるよう、利用者の端末装置30aの表示装置35に、ファインプレーをあったことを表示する通知機能を有してもよい。
通知機能として、例えば図16に示すように、選手がファインプレーをしたときの動画や画像を表示領域38に示し、表示領域38の下方に、投げ銭の数量を入力する入力欄と送信ボタン39を表示する。
チームのファンである利用者は、試合中にファインプレーがあったこと確認することができ、電子通貨Cによる「投げ銭」を容易に送信することができる。
【0122】
以上、図を用いて本発明の実施形態である、電子通貨管理装置電子通貨管理方法及び、電子通貨管理方法を実施する電子通貨管理プログラムについて説明した。
なお、本実施形態の電子通貨管理装置10は、通信回線Nを介して利用者P又は店舗Qに設置された端末装置30a、30bと電子通貨に関するデータを送受信し、電子通貨Cを管理していたが、システムの構成はこれに限定されない。例えば、店舗Qに設置されたコンピュータ(端末)に、本実施形態の電子通貨管理方法を実施するプログラムや必要な条件等をインストールして、電子通貨Cを使用する際の使用許可を判断するようにしても構わない。
なお、上記実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0123】
1 電子通貨管理システム
N 通信回線
SA 人工衛星
10 電子通貨管理装置
11 プロセッサ
12 記憶装置
13 通信用インターフェース
16 バス
21 記憶部
22 受信部
23 判定部
24 使用許可送信部
25 両替部
26 ポイント還元部
27 投票権付与部
28 貯蓄部
29 通貨寄付部
30、30a、30b 端末装置
31 プロセッサ
32 記憶装置
33 通信用インターフェース
34 入力装置
35 表示装置
36 位置情報受信装置
37 バス
38 表示領域
39 送信ボタン
41 記憶部
42 送信部
43 受信部
44 表示部
45 入力部
46 位置情報取得部
50 電子通貨データベース
51 利用者情報
52 店舗情報
53 電子通貨情報
54 使用申請データ
55 交換申請データ
60 使用条件データベース
61 決済許可条件情報
62 交換許可条件情報
63 通貨価値管理情報
64 プール管理情報
65 クラブチーム情報
66 電子メール
67 投げ銭データ
70 投票システム
HT1 第1の地域
HT2 第2の地域
T1 許可期間
T2 交換可能期間
T3 適用期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17