(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000143
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20221222BHJP
A47C 7/16 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
B60N2/90
A47C7/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100784
(22)【出願日】2021-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 圭一
(72)【発明者】
【氏名】本田 靖和
(72)【発明者】
【氏名】服部 建也
(72)【発明者】
【氏名】杉本 隆
(72)【発明者】
【氏名】葛葉 孝博
(72)【発明者】
【氏名】沼岡 一徳
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DE02
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】少なくとも座面部が硬質樹脂により形成される車両用シートにおいて、乗員の快適性を向上することである。
【解決手段】シートは、少なくとも座面部が硬質樹脂により形成され、座面は、左右方向中央部に形成された凹部と、凹部の左右両側に設けられ上側に凸となる曲面部とを有する。推定座骨ピッチが94mmであるJM05型以上で推定座骨ピッチが147mmであるAF95型以下の座骨ピッチを有する乗員ダミー相当が着座した場合に、凹部は、座骨ピッチより広い左右方向幅で、乗員ダミー相当の座骨下端の尻部が離間する深さを有する。乗員ダミー相当の左右両側の座骨下端より左右方向外側の尻部は、左右両側の曲面部で支えられる。ヒップポイントで前後方向位置が定められる座面の横断面形状は、曲面部を形成する曲線部で尻部と接し、尻部と曲線部の接点を通る接線の左右方向に対する傾斜角度は10度から16度の範囲にある。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも座面部が硬質樹脂により形成される車両用シートであって、
前記車両用シートの座面は、左右方向中央部に形成された凹部と、前記凹部の左右両側に設けられ上側に凸となる曲面部とを有しており、
推定座骨ピッチが94mmであるJM05型以上で推定座骨ピッチが147mmであるAF95型以下の座骨ピッチを有する乗員ダミー相当が着座した場合に、
前記凹部は、前記座骨ピッチより広い左右方向幅で、前記乗員ダミー相当の座骨下端の尻部が離間する深さを有しており、
かつ、前記乗員ダミー相当の左右両側の前記座骨下端より左右方向外側の前記尻部は、左右両側の前記曲面部で支えられ、車両内の前記車両用シートに応じて設定されるヒップポイントで前後方向位置が定められ前記座面の前後方向に対し直交する横断面形状は、前記曲面部を形成する曲線部で前記尻部と接し、前記尻部と前記曲線部の接点を通る前記曲線部の接線の左右方向に対する傾斜角度は10度から16度の範囲にある、
車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも座面部が硬質樹脂により形成される車両用シートに関し、乗員の快適性向上に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、軟質樹脂(ウレタン)によって形成され、車椅子などのシートの上面に敷かれるシートクッションが記載されている。このクッションは、後縁部に凹部が形成され、人が座った状態でその凹部に座骨が収容される。これにより、座骨部分に体圧が集中せず、尻部が痛くなりにくいとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公共で使用される車両において、車室内清掃のしやすさ、及びシートの洗浄の手間の削減のために、座面部のみ、または座面部と背もたれ部との両方が硬質樹脂製であるシートを採用することが考えられる。しかしながら、従来から使用されている座面部が硬質樹脂製のシートでは、乗員が座ったときに座骨下の尻部が硬い座面に当たることにより、乗員の快適性向上の面から改良の余地がある。一方、乗員がシートに座った状態で車両の揺れに伴って乗員がシートの左右方向にずれやすいと乗員の着座位置が不安定になるので、その点でも乗員の快適性向上の面から改良の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、少なくとも座面部が硬質樹脂により形成される車両用シートにおいて、乗員の快適性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用シートは、少なくとも座面部が硬質樹脂により形成される車両用シートであって、前記車両用シートの座面は、左右方向中央部に形成された凹部と、前記凹部の左右両側に設けられ上側に凸となる曲面部とを有しており、推定座骨ピッチが94mmであるJM05型以上で推定座骨ピッチが147mmであるAF95型以下の座骨ピッチを有する乗員ダミー相当が着座した場合に、前記凹部は、前記座骨ピッチより広い左右方向幅で、前記乗員ダミー相当の座骨下端の尻部が離間する深さを有しており、かつ、前記乗員ダミー相当の左右両側の前記座骨下端より左右方向外側の前記尻部は、左右両側の前記曲面部で支えられ、車両内の前記車両用シートに応じて設定されるヒップポイントで前後方向位置が定められ前記座面の前後方向に対し直交する横断面形状は、前記曲面部を形成する曲線部で前記尻部と接し、前記尻部と前記曲線部の接点を通る前記曲線部の接線の左右方向に対する傾斜角度は10度から16度の範囲にある、車両用シートである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る車両用シートによれば、少なくとも座面部が硬質樹脂製のシートにかかわらず、多くの体格の成人乗員についてシートに座った状態で、座骨下端の尻部と凹部の内面との間に隙間を設けることができるので、尻部が痛くなりにくくなる。これにより、多くの乗員の快適性を向上できる。さらに、シートの横断面形状で尻部とシートの曲線部との接点を通る接線が左右方向に対し、16度以下の傾斜角度で傾斜している。これにより、尻部をシート中央に抑え付けるのみで尻部を締め付けないで快適な座り心地を得ることができる。さらに上記傾斜角度が10度以上であるので、車両がシートの左右方向に揺れた場合でも乗員の横ずれを抑制できる。これによっても多くの乗員の快適性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態の車両用シートが搭載された車両のシート配置構成を上から見た模式図である。
【
図3】実施形態の車両用シートに乗員ダミー相当が着座した状態を側方から見た図である。
【
図4】車両用シートの座面と乗員ダミー相当の尻部との関係を示している
図3のA-A断面図である。
【
図6】実施形態の車両用シートの一例において、座面とJM05型(a)及びAF95型(b)の乗員ダミー相当の尻部との関係を示している
図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、本発明に係る車両用シートの実施形態を説明する。
図1は、実施形態の車両用シート10が搭載された車両1のシート配置構成を上から見た図である。
【0010】
車両用シート10は、公共用のバス等の車両1に複数搭載されて使用される。車両1の車室内には、乗客である乗員が着座する複数の車両用シート10が設けられる。以下、車両用シート10は、シート10と記載する。例えば、乗客用の複数のシート10の少なくとも一部は、車室内の車幅方向端の壁面2に沿って前後方向に横並びで配置される。シート10に着座した乗員は、車幅方向に向く。一方、車室内の前部には、運転者が着座する運転席(図示せず)が設けられる。車両1は、運転席を省略し、予め定められたスケジュールに従って運転制御される自動運転車両としてもよい。車両1の車幅方向において、複数のシート10と反対側端には、ドアで開閉される出入口(図示せず)が設けられ、乗客は、その出入口を通じて車両1に乗降する。なお、複数のシートは、車室内の後部等に、車幅方向に横並びで配置されてもよい。
【0011】
以下、
図2~
図6を用いてシート10を詳しく説明する。
図2は、シート10の斜視図である。
【0012】
シート10は、互いに分離した座面部12及び背もたれ部50を備える。座面部12及び背もたれ部50は、硬質樹脂により形成される。硬質樹脂は、例えばポリプロピレン樹脂(PP)、またはポチエチレンテレフタレート樹脂(PET)である。これにより、シート10が設けられる車両1において、布や、ウレタン等のクッション材により形成され柔軟性があるシート10を用いる場合より、拭き掃除が容易であるので車室内清掃がしやすくなると共に、車両1からシート10を取り外して洗浄する必要がないので、洗浄の手間を削減できる。
【0013】
座面部12は、上から見た場合に略矩形である板状である。座面部12は、壁面2に左右に離れて固定された2つのシート支持部40、41により、壁面2に対し、前後方向に回動可能に支持される。背もたれ部50は、壁面2との間に設けられた複数の係止構造で壁面2に固定される。
【0014】
座面部12は、跳ね上げ式であり、一方のシート支持部40が、カバー42と、カバー42内に設けられた渦巻バネ(図示せず)とを含んでいる。座面部12は、基端部の左右方向一方側端面から突出した軸(図示せず)に渦巻バネの一端が固定される。座面部12は、渦巻バネの弾力によって、前側に倒れて壁面2から突き出すように配置された状態から、略直立する状態に向かって後側に回動する方向に付勢される。これにより、シート10に乗員が着座した状態では、乗員の重みで座面部12が前側に突き出した状態に倒れるが、乗員が座面部12から離れた状態では、座面部12が直立した状態に跳ね上げられる。シート10は、跳ね上げ式に限定するものではなく、車両1に座面部が常時固定された状態であってもよい。また、シート10は、座面部と背もたれ部とが一体成形等により一体化されていてもよい。
【0015】
座面部12の上面である座面14は、前後方向中間部で左右方向中央部に形成された凹部16と、凹部16の左右両側に設けられ上側に凸となる凸曲面部18,20とを有する。
【0016】
図3は、シート10に推定座骨ピッチが94mmであるJM05型以上で推定座骨ピッチが147mmであるAF95型以下の座骨ピッチを有する所定範囲内の乗員ダミー相当(以下、所定範囲ダミー相当と記載する。)60が着座した状態を側方から見た図である。
図4は、シート10の座面14と所定範囲ダミー相当60の尻部61との関係を示している
図3のA-A断面図である。
図3、
図4では、本発明で規定する後述のJM05型とAF95型の乗員ダミー相当60a、60b(
図6)の中間体形のAM50型の乗員ダミーの形状を用いて、所定範囲ダミー相当60とシート10との関係を説明する。ここで、「乗員ダミー相当」とは、AM50型の乗員ダミー、またはAM50型の乗員ダミーの形状を基に、着座を想定するダミーの臀部幅にAM50型の乗員ダミーの臀部幅を合わせるようにAM50型の乗員ダミーの形状及び座骨ピッチを拡大または縮小して作図して得られる乗員の疑似形状を意味する。シート10に所定範囲ダミー相当60が着座した場合に、凹部16は、所定範囲ダミー相当60の座骨ピッチより広い左右方向幅W1(
図4)で、所定範囲ダミー相当60の座骨下端の尻部61aが離間する深さdを有している。これにより、後述のように、所定範囲ダミー相当60に相当する多くの乗員に対し尻部61の痛みを軽減できるので、乗員の快適性を向上できる。
【0017】
ここで、所定範囲ダミー相当60は、JM05型~JM95型、JF05型~JF95型、AM05~AM95型、AF05型~AM95型の乗員ダミー相当を含んでいる。JMは日本成人男性を表し、JFは日本成人女性を表す。AMは米国成人男性を表し、AFは米国成人女性を表す。JM、JF、AM、AFの後に続く05、95等の数値は、身長の低い順でそのグループの人を並べた場合に、グループ全体に対するその数値のパーセンテージに属する人の体格に相当するダミーを表す。例えば、JM05型は、日本成人男性のグループを身長の低い順で並べた場合に下から5%に属する小さい体格のダミーである。AF95型は、米国成人女性のグループを身長の低い順で並べた場合に下から95%に属する大きい体格のダミーである。また、男性より女性の方が座骨ピッチは小さく、日本人より米国人の方が座骨ピッチが大きい傾向がある。また、JF05型からAM95型の身長範囲の中で、座骨ピッチの最小値が94mmであり、座骨ピッチの最大値が147mmであることが知られている。このため、所定範囲ダミーにおいて、座骨ピッチについて、JM05型が最小の94mmの推定座骨ピッチを有する乗員ダミー相当であり、AF95型が最大の147mmの推定座骨ピッチを有する乗員ダミー相当であることが推定される。JM05型、AF95型の座骨ピッチは、それぞれ上記の推定座骨ピッチとする。
【0018】
図4に示すように、AM50型の座骨ピッチは、JM05型とAF95型の推定座骨ピッチの中間の大きさであり、AM50型の乗員ダミーの座骨下端の尻部61aは、凹部16から離れている。
【0019】
図5は、乗員の骨盤の一例を示している。乗員の骨盤を前から見て左右の下端部には、左右の座骨63が設けられる。本例では、この座骨63下端の尻部61aがシート10の座面14に当たらないようにすることができるので、乗員の着座時の痛みを抑制できる。
【0020】
また、
図4に示すように、シート10に所定範囲ダミー相当60が着座した場合に、所定範囲ダミー相当の左右両側の座骨下端より左右方向外側の尻部61bは、座面14の左右両側の凸曲面部18,20で支えられる。このとき、座面14の横断面形状は、凸曲面部18,20を形成する曲線部18a、20aで所定範囲ダミー相当60の尻部61bと接し、その尻部61bと曲線部18a、20aの接点P1,P2を通る曲線部18a、20aの接線L1の左右方向に対する傾斜角度は、10度から16度の所定範囲にある。
図4では、W2,W3で、凸曲面部18,20の左右方向幅を示している。上記傾斜角度としては、より狭い12度から15度の所定範囲が使い易い範囲として推奨される。ここで、横断面形状は、シート10に応じて設定されるヒップポイントHPで前後方向位置が定められ、座面14の前後方向に対し直交する断面形状である。すなわち、ヒップポイントHPを通る位置で
図4のシート10の横断面形状が設定される。ヒップポイントHPは、車両メーカーの届け出値によって定まる、胴部に対する大腿部の回転中心に相当する位置である。ヒップポイントHPは、実際には前後方向、高さ方向、左右方向の位置で決められるが、上記の曲線部18a、20aの接線L1の左右方向に対する傾斜角度を設定するために用いる横断面形状を決めるためにはヒップポイントHPの前後方向位置が分かればよく、
図4ではヒップポイントHPとして、ヒップポイントHPの高さ位置を通って左右方向に延びる一点鎖線を示している。
【0021】
図6は、シート10の一例において、座面14とJM05型(a)及びAF95型(b)の乗員ダミー相当60a、60bの尻部71,72との関係を示している。
図6(a)に示すように、JM05型の尻部71は、左右方向長さが比較的小さい。これにより、座面14の横断面形状で、左右の凸曲面部18,20を形成する曲線部18a、20aは、左右方向の比較的中央側で尻部71と接し、尻部71と曲線部18a、20a上での接点P1,P2を通る接線L2の左右方向に対する傾斜角度は15度と比較的大きくなる。
【0022】
一方、
図6(b)に示すように、AF95型の尻部72は、左右方向長さが比較的大きい。これにより、座面14の横断面形状で、左右の凸曲面部18,20を形成する曲線部18a、20aは、左右方向の比較的外側で尻部72と接し、尻部72と曲線部18a、20a上での接点P1,P2を通る接線L3の左右方向に対する傾斜角度は12度と比較的小さくなる。
図6(a)(b)いずれの場合も、尻部71,72と曲線部18a、20aの接点P1,P2を通る接線L2,L3の左右方向に対する傾斜角度は12度から15度の範囲にある。
【0023】
上記のように曲線部18a、20aの接線L1~L3の傾斜角度が16度以下である。これにより、尻部をシート中央に抑え付けるのみで尻部を締め付けないで快適な座り心地を得ることができる。さらに上記傾斜角度が10度以上であるので、車両1がシート10の左右方向に揺れた場合でも乗員の横ずれを抑制できる。例えば、
図1のようにシート10が車両1の前後方向に横並びで配置される場合には、車両1の加減速で乗員がシート10から見た左右方向に振られる可能性があるが、シート10の座面形状で乗員の横ずれを抑制できることにより、加減速に関わらず乗員の左右への横ずれを抑制できる。また、上記傾斜角度を、12度から15度の所定範囲にある構成とした場合には、乗員の尻部の痛みの抑制と、乗員の横ずれの抑制との両方で高い効果を得ることができる。一方、本発明と異なる比較例として、上記傾斜角度が10度より小さくなる構成では、シートに着座した乗員の横ずれ抑制の効果が低下する。また、比較例として、上記傾斜角度が16度より大きくなる構成では、左右の曲面部による尻部の締め付け感が大きくなる。
【0024】
したがって、上記のシート10によれば、座面部12が硬質樹脂製のシート10にかかわらず、多くの体格の成人乗員についてシート10に座った状態で、座骨下端の尻部と凹部16の内面との間に隙間を設けることができると共に、多くの成人乗員の左右両側の座骨下端より左右方向外側の比較的柔らかい尻部が、左右両側の凸曲面部18,20で支えられる。すなわち、
図4の破線枠で囲んだ座骨下端を含む部分が凹部16から離間する。これにより、多くの乗員の尻部が痛くなりにくくなることにより、多くの乗員の快適性を向上できる。さらに、シート10の横断面形状で尻部とシート10の曲線部18a、20aとの接点を通る接線L1~L3が左右方向に対し、10度から16度の所定範囲内の傾斜角度で傾斜しているので、尻部を締め付けないで快適な座り心地を得ることができると共に、車両1がシート10の左右方向に揺れた場合でも乗員の横ずれを抑制できる。これによっても多くの乗員の快適性を向上できる。
【0025】
本発明者は、実施形態の効果を確認するために評価者による官能評価試験を行った。この試験では、シート10の座面14の上記傾斜角度を12度から15度の所定範囲とし、凹部16は、JM05型の乗員ダミー相当が着座した場合の座骨ピッチより広い左右方向幅で、その乗員ダミー相当の座骨下端の尻部が5mm以上離間する深さを有しているシート10を用いた。そして、そのシート10を有する車両に、10人以上の評価者を順次着座させた。10人以上の評価者は、男性及び女性を含む成人である。そして評価者が着座した状態で車両が略20分停止した状態を維持した後、評価者が痛みを生じたか否かを確認した。また、車両を略20分走行させた状態を維持した後、評価者が痛みを生じたか否かを確認した。その評価試験の結果、いずれの評価者の評価でも良好な評価結果を得られた。
【0026】
なお、上記の実施形態では、シート10の座面部12と背もたれ部50の両方が硬質樹脂製である場合を説明したが、本発明では、少なくとも座面部が硬質樹脂製であればよく、背もたれ部は硬質樹脂以外の材料、例えば軟質樹脂で形成されてもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 車両、2 壁面、10 車両用シート(シート)、12 座面部、14 座面、16 凹部、18,20 凸曲面部、18a,20a 曲線部、40,41 シート支持部、42 カバー、50 背もたれ部、60 所定範囲ダミー、60a,60b 乗員ダミー相当、61,61a,61b 尻部、63 座骨、71,72 尻部。