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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143011
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/42 20060101AFI20230928BHJP
   B65D 5/28 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B65D5/42 D
B65D5/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050189
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】大竹 純一
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB13
3E060AB18
3E060BA03
3E060BB01
3E060BC02
3E060CE05
3E060CE07
3E060CE14
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA30
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】貼着片の貼着に伴う段差の発生を抑え、設計通りの外形寸法で製函し得る容器を提供する。
【解決手段】容器(包装箱)10は、底板11、底板11に連なる側板13A,13B、底板11に連なる一対の端板21、及び側板13A,13Bに連なり、端板21の外側面に貼着された合計で4枚の貼着片22を備える。底板11と一対の端板21の間には、一対の貼着片22と対応するように設けられた一対の第1折曲部25、一対の第1折曲部25間に設けられた第2折曲部26、及び第1折曲部25及び第2折曲部26のうちの少なくとも一方に連なり、端板21を貫通して底板11から離れる向きに延びる打抜部27が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向、及び前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる底板と、
前記底板の前記第1方向の両端にそれぞれ連なり、前記第2方向、及び前記第1方向と前記第2方向の双方に交差する第3方向に沿って延びる一対の側板と、
前記一対の側板の前記第3方向の端にそれぞれ連なり、前記底板に対して前記第3方向に間隔をあけて位置する天板と、
前記底板の前記第2方向の両端にそれぞれ連なり、前記第1方向及び前記第3方向に沿って延びる一対の端板と、
前記一対の側板の前記第2方向の両端にそれぞれ連なり、隣接した前記端板の外側面にそれぞれ貼着された合計で4枚の貼着片と、
前記天板の前記第2方向の両端にそれぞれ連なり、前記端板と一対の前記貼着片それぞれの外側面に貼着された被覆板と
を備え、
前記底板と前記一対の端板の間にはそれぞれ、
前記一対の貼着片と対応するように前記第1方向の両側に設けられ、それぞれ前記第1方向に延びる一対の第1折曲部と、
前記第1折曲部に対して前記第2方向の外側に間隔をあけて設けられ、前記一対の第1折曲部間を前記第1方向に延びる第2折曲部と、
前記第1折曲部及び前記第2折曲部のうちの少なくとも一方に連なり、前記端板を貫通して前記第3方向に沿って前記底板から離れる向きに延びる打抜部と
が設けられている、容器。
【請求項2】
前記打抜部は、前記第1折曲部と前記第2折曲部に連なる連続部を備える、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記側板と前記貼着片の間の折曲部から前記打抜部までの間隔は、前記折曲部から前記貼着片の先端までの長さ以上である、請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記打抜部の前記第3方向の長さは、前記貼着片の前記第3方向の幅の1/3以上である、請求項1から3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記端板には、前記打抜部の前記天板側の端から前記第1方向の外側に向かうに従って、前記天板に近づく向きに傾斜した折曲線が設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
第1方向、及び前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる底板と、
前記底板の前記第1方向の両端にそれぞれ連なり、前記第2方向、及び前記第1方向と前記第2方向の双方に交差する第3方向に沿って延びる一対の側板と、
前記底板の前記第2方向の両端にそれぞれ連なり、前記第1方向及び前記第3方向に沿って延びる一対の端板と、
前記一対の側板の前記第2方向の両端にそれぞれ連なり、隣接した前記端板の外側面にそれぞれ貼着された合計で4枚の貼着片と
を備え、
前記底板と前記一対の端板の間にはそれぞれ、
一対の前記貼着片と対応するように前記第1方向の両側に設けられ、それぞれ前記第1方向に延びる一対の第1折曲部と、
前記第1折曲部に対して前記第2方向の外側に間隔をあけて設けられ、前記一対の第1折曲部間を前記第1方向に延びる第2折曲部と、
前記第1折曲部及び前記第2折曲部のうちの少なくとも一方に連なり、前記端板を貫通して前記第3方向に沿って前記底板から離れる向きに延びる打抜部と
が設けられている、容器。
【請求項7】
前記底板に対して前記第3方向に間隔をあけて位置し、前記一対の側板と前記一対の端板の前記第3方向の端を塞ぐ天板を備える、請求項6に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、対向配置された一対の側板と、一対の側板にそれぞれ連なる端板と一対の蓋壁とを備える、一端開口の容器が開示されている。個々の蓋壁は、一対の側板にそれぞれ連なる一対のフラップと、端板に連なる貼着片とを備える。特許文献1では、貼着片の貼着性向上を目的として、一対のフラップのうちの一方(第1フラップ)の外側面に貼着片を貼着し、これらの外側面に一対のフラップのうちの他方(第2フラップ)を貼着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58-30935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の容器では、第1フラップに対する貼着片の貼着性は向上できる。しかし、貼着片の貼着によって第1フラップの外面側に段差が生じる。特許文献1の容器では、かかる段差に起因して第2フラップが膨出し、容器が設計通りの外形寸法にならないことについて何も考慮されていない。
【0005】
本発明は、貼着片の貼着に伴う段差の発生を抑え、設計通りの外形寸法で製函し得る容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、第1方向、及び前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる底板と、前記底板の前記第1方向の両端にそれぞれ連なり、前記第2方向、及び前記第1方向と前記第2方向の双方に交差する第3方向に沿って延びる一対の側板と、前記一対の側板の前記第3方向の端にそれぞれ連なり、前記底板に対して前記第3方向に間隔をあけて位置する天板と、前記底板の前記第2方向の両端にそれぞれ連なり、前記第1方向及び前記第3方向に沿って延びる一対の端板と、前記一対の側板の前記第2方向の両端にそれぞれ連なり、隣接した前記端板の外側面にそれぞれ貼着された合計で4枚の貼着片と、前記天板の前記第2方向の両端にそれぞれ連なり、前記端板と一対の前記貼着片それぞれの外側面に貼着された被覆板とを備え、前記底板と前記一対の端板の間にはそれぞれ、前記一対の貼着片と対応するように前記第1方向の両側に設けられ、それぞれ前記第1方向に延びる一対の第1折曲部と、前記第1折曲部に対して前記第2方向の外側に間隔をあけて設けられ、前記一対の第1折曲部間を前記第1方向に延びる第2折曲部と、前記第1折曲部及び前記第2折曲部のうちの少なくとも一方に連なり、前記端板を貫通して前記第3方向に沿って前記底板から離れる向きに延びる打抜部とが設けられている、容器を提供する。
【0007】
本発明の他の態様は、第1方向、及び前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる底板と、前記底板の前記第1方向の両端にそれぞれ連なり、前記第2方向、及び前記第1方向と前記第2方向の双方に交差する第3方向に沿って延びる一対の側板と、前記底板の前記第2方向の両端にそれぞれ連なり、前記第1方向及び前記第3方向に沿って延びる一対の端板と、前記一対の側板の前記第2方向の両端にそれぞれ連なり、隣接した前記端板の外側面にそれぞれ貼着された合計で4枚の貼着片とを備え、前記底板と前記一対の端板の間にはそれぞれ、一対の前記貼着片と対応するように前記第1方向の両側に設けられ、それぞれ前記第1方向に延びる一対の第1折曲部と、前記第1折曲部に対して前記第2方向の外側に間隔をあけて設けられ、前記一対の第1折曲部間を前記第1方向に延びる第2折曲部と、前記第1折曲部及び前記第2折曲部のうちの少なくとも一方に連なり、前記端板を貫通して前記第3方向に沿って前記底板から離れる向きに延びる打抜部とが設けられている、容器を提供する。
【0008】
端板には、第1折曲部、第2折曲部、及び打抜部によって段差が形成され、第1折曲部と対応する位置に貼着片が貼着されている。端板の段差によって貼着片の厚みを吸収できるため、端板の外側面に貼着片を貼着することに伴う段差の発生を抑制でき、端板の外側面と貼着片の外側面とを面一に配置し得る。よって、設計通りの外形寸法で容器を製函し得る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の容器によれば、貼着片の貼着に伴う段差の発生を抑え、設計通りの外形寸法で製函し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱の斜視図。
図2A図1の包装箱の底面図。
図2B図2AのII部分の拡大図。
図3A図1の包装箱のブランクを示す平面図。
図3B図3AのブランクのIII部分の拡大図。
図4A】包装箱を製函する際の一過程を示す斜視図。
図4B図4Aの部分拡大図。
図5】包装箱の開封状態を示す斜視図。
図6】包装箱の変形例を示す図3Bと同様の拡大図。
図7】包装箱の他の変形例を示す図3Bと同様の拡大図。
図8】包装箱の他の変形例を示す図3Bと同様の拡大図。
図9】包装箱の他の変形例を示す図3Bと同様の拡大図。
図10】包装箱の他の変形例を示す図3Bと同様の拡大図。
図11】包装箱の他の変形例を示す図3Bと同様の拡大図。
図12】包装箱の他の変形例を示す図3Bと同様の拡大図。
図13】本発明の第2実施形態に係る包装箱の斜視図。
図14図13の包装箱のブランクを示す平面図。
図15図13の包装箱を製函する際の一過程を示す斜視図。
図16図13の包装箱の開封状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。添付図面において、X方向は、容器の幅方向であり、本発明の第1方向である。Y方向は、容器の長さ方向であり、本発明の第2方向である。Z方向は、容器の高さ(厚さ)方向であり、本発明の第3方向である。
【0012】
(第1実施形態)
図1を参照すると、本発明の第1実施形態に係る容器の一例である包装箱10は、ポストに投函可能なサイズのポストインケースである。包装箱10の幅方向Xの寸法は長さ方向Yの寸法よりも小さく、高さ方向Zの寸法は幅方向Xの寸法よりも小さい。包装箱10の幅方向Xの寸法は、175mm以上250mm以下の範囲に設定され、本実施形態では225mmに設定されている。包装箱10の長さ方向Yの寸法は、230mm以上350mm以下の範囲に設定され、本実施形態では310mmに設定されている。包装箱10の高さ方向Zの寸法は、10mm以上60mm以下、好ましくは20mm以上30mm以下に設定され、本実施形態では25mmに設定されている。
【0013】
包装箱10は、図3Aに示す一枚のブランクを、所定部位で折り曲げて貼着することで形成されている。ブランクは、周知の紙器打抜装置によって、紙製の段ボールシートを打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、表ライナ(包装箱10の外側面)と裏ライナ(包装箱10の内面側)の間に波状の中しんを配設した周知の構成である。図3Aに一点鎖線で記載した部分は、肉厚を圧縮するように裏ライナの方から罫を入れて形成した汎用罫線である。図3Aに実線で記載した部分は、裏ライナから表ライナにかけて刃を入れて形成した切断線、及び打ち抜きによる形状線(辺)である。
【0014】
図1を参照すると、包装箱10は、底板11、天板12、側板13A,13B、及び一対の蓋壁20を備える。個々の蓋壁20は、端板21、端板21の外側面に貼着される一対の貼着片22、及び端板21と貼着片22それぞれの外側面に貼着される被覆板23を備える。本実施形態では、蓋壁20のうち最も外側に位置する被覆板23を、段差なく平坦な状態に貼着可能とし、包装箱10を設計通りの外形寸法に製函可能とする。
【0015】
以下、底板11、天板12、側板13A,13B、及び一対の蓋壁20について、具体的に説明する。
【0016】
底板11と天板12は、いずれもXY平面に沿って延びる概ね同一の四角形状に形成され、高さ方向Zに間隔をあけて設けられている。但し、底板11と天板12は、包装箱10として製函できる範囲であれば、幾何学的に厳密な意味でXY平面に沿って延びる構成でなくてもよい。
【0017】
側板13A,13Bは、いずれもYZ平面に沿って延びる概ね同一の四角形状に形成され、幅方向Xに間隔をあけて設けられている。但し、側板13A,13Bも、包装箱10として製函できる範囲であれば、幾何学的に厳密な意味でYZ平面に沿って延びる構成でなくてもよい。
【0018】
図1及び図2Aを参照すると、側板13A,13Bは、底板11の幅方向Xの両端に、長さ方向Yに延びる折曲部16を介してそれぞれ連続するとともに、天板12の幅方向Xの両端に、長さ方向Yに延びる折曲部17を介してそれぞれ連続している。
【0019】
側板(第1側板)13Aは、側板本体14と継代15からなり、これらが例えば熱溶融樹脂(ホットメルト)等の接着剤によって貼着されている。側板(第2側板)13Bは、一枚の段ボールシートからなる。図3Aを参照すると、側板本体14、底板11、側板13B、天板12、及び継代15は、この順で下側から上側へ連設されている。
【0020】
引き続いて図3Aを参照すると、底板11の上下には、折曲部16を構成する折曲線16aを介して、側板13Bと側板本体14がそれぞれ連設されている。折曲線16aは、長さ方向Yに間隔をあけて設けた複数の汎用罫線18と、隣り合う汎用罫線18間に設けた切断線19とからなる。隣り合う切断線19間の間隔は、外力の付加によって互いに繋がり難い破断困難な寸法に設定される。切断線19は、隣接した汎用罫線18に連なっており、汎用罫線18よりも幅方向Xの外側へ円弧状に突出する突出部19aを備える。この突出部19aによって底板11の対応箇所には突出部分が形成され(図2A参照)、この突出部分に折り曲げた側板13Bと側板本体14が干渉するため、底板11に対して側板13Bと側板本体14(側板13A)が平坦に戻ることを抑制できる。
【0021】
図3Aを参照すると、天板12の上下には、折曲部17を構成する折曲線17a,17bを介して、継代15と側板13Bがそれぞれ連設されている。天板12と側板13Bの間の折曲線17aは、折曲線16aと同様に、複数の汎用罫線18と、隣り合う汎用罫線18間に設けた切断線19とで構成されている。天板12と継代15の間の折曲線17bは、長さ方向Yに延びる汎用罫線と、この汎用罫線上に長さ方向Yに間隔をあけて設けた複数の切断線とを備えるリード罫からなる。折曲線17bの隣り合う切断線間の間隔は、外力の付加によって互いに繋がり難い破断困難な寸法に設定される。
【0022】
図1を参照すると、一対の蓋壁20は、いずれもXZ平面に沿って延びる同一の四角形状に形成され、長さ方向Yに間隔をあけて設けられている。但し、蓋壁20は、包装箱10として製函できる範囲であれば、幾何学的に厳密な意味でXZ平面に沿って延びる構成でなくてもよい。
【0023】
個々の蓋壁20は、天板12、底板11、及び側板13A,13Bにそれぞれ連なり、これらで画定された長さ方向Yの両端の開口をそれぞれ塞ぐ。個々の蓋壁20は、底板11に連なる端板21、側板13A,13Bにそれぞれ連なる一対の貼着片22、及び天板12に連なる被覆板23を備える。一対の貼着片22が隣接した端板21の外側面に熱溶融樹脂等の接着剤によって貼着された後、被覆板23が端板21の外側面と一対の貼着片22の外側面に熱溶融樹脂等の接着剤によって貼着されることで、蓋壁20が形成されている。
【0024】
端板21と被覆板23はいずれも細長い短冊状で、一対の貼着片22は概ね台形状である。端板21の高さ方向Zの寸法、及び被覆板23の高さ方向Zの寸法はいずれも、側板13A,13Bの高さ方向Zの寸法よりも小さく、側板13A,13Bの高さ方向Zの寸法の1/2よりも大きい。貼着片22の高さ方向Zの寸法は、端板21の高さ方向Zの寸法よりも小さい。
【0025】
図1及び図2Aを参照すると、端板21は、折曲部24を介して底板11に連なっている。一対の貼着片22は、折曲部29を介して側板13A,13Bにそれぞれ連なっている。図1を参照すると、被覆板23は、折曲部30を介して天板12に連なっている。
【0026】
仮に、端板21の内側面に貼着片22を貼着する場合、底板11に対する端板21の反発力が、側板13A,13Bに対する貼着片22の反発力よりも大きいため、底板11に対して端板21を折り曲げると、貼着片22に対して端板21が離間し、貼着性が低下する。これに対し、本実施形態では、端板21の外側面に貼着片22を貼着するため、底板11に対して端板21を折り曲げると、貼着片22に対して端板21が反発力によって近づくことになる。よって、端板21の内側面に貼着片22を貼着する場合と比較して、本実施形態では端板21と貼着片22の貼着性を向上できる。
【0027】
但し、端板21の外側面に貼着片22を貼着する場合、貼着片22の貼着によって端板21の外側面に段差が生じ得る。そこで、本実施形態では、底板11と端板21の間に、一対の第1折曲部25と1本の第2折曲部26とを備える折曲部24を設け、第1折曲部25と第2折曲部26の間に打抜部27を設けている。
【0028】
以下、底板11と端板21の間の折曲部24、側板13A,13Bと貼着片22の間の折曲部29、及び天板12と被覆板23の間の折曲部30について、具体的に説明する。
【0029】
図2A及び図2Bを参照すると、底板11と端板21の間の折曲部24は、一対の第1折曲部25と1本の第2折曲部26を備え、全体として幅方向Xに延びている。第1折曲部25と第2折曲部26の間にはそれぞれ、打抜部27が設けられている。一対の第1折曲部25と1本の第2折曲部26とは、長さ方向Yに間隔をあけて位置しており、これらの位置関係を成立させるために打抜部27が形成されている。
【0030】
図3A及び図3Bを参照すると、一対の端板21は、第1折曲部25を構成する第1折曲線25aと、第2折曲部26を構成する第2折曲線26aを介して、底板11の長さ方向Yの両側にそれぞれ連設されている。
【0031】
図2A及び図2Bを参照すると、第1折曲部25は、貼着片22と対応するように、端板21の幅方向Xの両端に設けられ、幅方向Xに延びている。第1折曲部25の幅方向Xの長さは、貼着片22の幅方向Xの全長(図3Bに示す長さL2)以上に形成されており、図3に示す折曲線16aから打抜部27までの間隔S2に相当している。第1折曲部25によって端板21には、第1折曲部25を設けた領域と高さ方向Zに対応する第1部分21a(図4B参照)が形成されている。
【0032】
図3A及び図3Bを参照すると、第1折曲部25を構成する第1折曲線25aは、折曲線17bと同様に、汎用罫線上に間隔をあけて一対の切断線を設けたリード罫からなる。
【0033】
図2A及び図2Bを参照すると、第2折曲部26は、第1折曲部25に対して長さ方向Yの外側に間隔をあけて設けられ、一対の第1折曲部25間を幅方向Xに延びている。第2折曲部26の両端と一対の第1折曲部25の端とはそれぞれ、幅方向Xにおいて同じ位置に配置され、長さ方向Yにおいて間隔をあけて位置している。第2折曲部26によって端板21には、第2折曲部26を設けた領域と高さ方向Zに対応し、第1部分21aよりも長さ方向Yの外側に位置する第2部分21b(図4B参照)が形成されている。
【0034】
図3A及び図3Bを参照すると、第2折曲部26を構成する第2折曲線26aは、折曲線17bと同様に、汎用罫線上に間隔をあけて複数の切断線を設けたリード罫からなる。
【0035】
第1折曲線25aと第2折曲線26aの間隔である段違い寸法S1(図3B参照)は、段ボールシート1枚の厚み分、より具体的には0.5mm以上2.0mm以下の範囲に設定することが好ましく、本実施形態では1mmに設定している。段違い寸法S1を過度に小さくすると、貼着片22の貼着によって端板21の外側面に段差が生じ得る。そのため、端板21に対する被覆板23の貼着性が低下するうえ、製函した包装箱10が設計通りの外形寸法にならない。段違い寸法S1を過度に大きくすると、端板21のうち幅方向Xの中央部分の外側面よりも貼着片22の外側面が長さ方向Yの内側に位置して段差が生じ得る。そのため、製函した包装箱10の内容積が低減する。これらの不都合を防ぎ、端板21の外側面と貼着片22の外側面が面一に位置するように、第1折曲線25aと第2折曲線26aの段違い寸法S1は、上記定められた範囲に設定することが好ましい。
【0036】
図2B図3B、及び図4Bを参照すると、打抜部27は、底板11と端板21それぞれの一部を貫通した切断線からなり、端板21の長さ方向Yの変形を部分的に許容するために設けられている。打抜部27は、第1折曲部25及び第2折曲部26に一部が連なり、端板21を高さ方向Zに沿って延びている。より具体的には、打抜部27は、連続部27aと、連続部27aに連なる打抜部本体27bとを備える。
【0037】
連続部27aは、第1折曲線25aの第2折曲線26a側の端から、近傍に位置する第2折曲線26aの端まで、長さ方向Yに直線状に延びている。つまり、連続部27aは、折曲部25,26間に設けられ、第1折曲部25と第2折曲部26に連なっている。ここで、折曲部25,26に連なるとは、図3Bに示すブランク状態で連続部27aが折曲線25a,26aに連なることを意味するものではなく、図2Bに示す製函状態で連なることを意味する。つまり、図3A及び図3Bに示すブランクの状態では、連続部27aは、折曲線25a,26aの端に対して間隔をあけて位置していてもよい。
【0038】
打抜部本体27bは、連続部27aに連なり、端板21に対して高さ方向Zの上方側に延び、端板21を長さ方向Yの外側の第1部分21aと長さ方向Yの中央の第2部分21bとに分断する。より具体的には、本実施形態の打抜部本体27bは、分断部27cと破止め部27dを備える。
【0039】
図3B及び図4Bを参照すると、分断部27cは、第2折曲部26(第2折曲線26a)の第1折曲部25(第1折曲線25a)側の端から、貼着片22の直線状の先端部22aに沿って高さ方向Zに延びている。本実施形態の分断部27cは、連続部27aに対して同一直線状に延びている。
【0040】
破止め部27dは、分断部27cの高さ方向Zの上端から、高さ方向Zの上方側に向かうに従って幅方向Xの外方側に向かうように曲線状に延び、外力の付加による意図しない向きへの端板21の破れを抑制する。破止め部27dの上端と端板21の上端縁とは、通常の使用時に加わり得る外力では破断しない間隔をあけて位置している。つまり、端板21の上部には、打抜部27が設けられてない連続部21cが確保されている。
【0041】
分断部27cから破止め部27dの幅方向Xの外端までの破止め部27dの長さL1(図3B参照)は、端板21の厚さが20mm以上30mm以下の場合、0(零)よりも大きく10mm以下とすることが好ましい。端板21の厚さが50mmの場合、長さL1は、0(零)よりも大きく20mm以下とすることが好ましい。また、破止め部27dの幅方向Xの外端から端板21の幅方向Xの外端までの間隔は、3mm以上確保することが好ましい。破止め部27dの長さL1が0(零)の場合、つまり破止め部27dを形成しない場合、分断部27cの上端から意図しない破れが生じ得る。破止め部27dの長さL1を過度に長くした場合、端板21の連続部21cに意図しない折れが生じ得る。これらの不都合を防ぐために、破止め部27dの長さL1は、上記定められた範囲に設定することが好ましい。
【0042】
図3B及び図4Bを参照すると、側板13A,13Bと貼着片22の間の折曲部29から打抜部本体27bの分断部27cまでの間隔、つまり折曲部29から打抜部27の最も離れた部分までの最大間隔は、折曲線16aから分断部27cまでの間隔S2と同じである。この間隔S2は、折曲線29a(折曲部29)から貼着片22の先端までの長さL2以上に設定されている。例えば、折曲部29から貼着片22の先端までの長さL2が24mmの場合、折曲線16a(折曲部29)から分断部27cまでの間隔S2は、24mm以上29mm以下の範囲に設定される。但し、貼着片22の長さL2と分断部27cまでの間隔S2は、製函状態で貼着片22の先端と分断部27cとが幅方向Xにおいて一致する構成であれば、特に図3Aに示すブランクの状態では幾何学的に厳密な意味で同一寸法でなくてもよい。
【0043】
引き続いて図3B及び図4Bを参照すると、打抜部本体27bの高さ方向Zの長さL3は、貼着片22の高さ方向Zの幅Wの1/3以上、かつ端板21の連続部21cを確保できる寸法以下に設定されている。貼着片22の幅Wは、先端部22aの上下端に連なる一対の面取り部22bのうち、上方側の上端から下方側の下端までの距離として定義される。打抜部本体27bの長さL3を過度に小さくすると、端板21の第1部分21aと第2部分21bの間の段差形成範囲が小さくなるため、貼着片22の上側と第2部分21bとの間に段差が生じ得る。打抜部本体27bの長さL3を過度に大きくすると、連続部21cを確保できない。そのため、打抜部本体27bの長さL3は、上記定められた範囲に設定することが好ましい。
【0044】
引き続いて図3B及び図4Bを参照すると、端板21のうち破止め部27dの上側の連続部21cには、第1部分21aと第2部分21bの間の段差の形成を促進するための折曲線28が設けられている。折曲線28は汎用罫線からなり、破止め部27dの外端から端板21の幅方向Xの外側に向けて、高さ方向Zの上方側に傾斜している。つまり、折曲線28は、打抜部本体27bの天板12側の端から幅方向Xの外側に向かうに従って、天板12に近づく向きに傾斜している。
【0045】
図1及び図2Bを参照すると、側板13A,13Bと貼着片22の間の折曲部29は、高さ方向Zに延びている。図3A及び図3Bを参照すると、合計で4枚の貼着片22は、側板13Bと側板本体14の長さ方向Yの両側に、折曲部29を構成する折曲線29aを介してそれぞれ連設されている。折曲線29aは、折曲線17bと同様に、汎用罫線上に間隔をあけて複数の切断線を設けたリード罫からなる。
【0046】
図1を参照すると、天板12と被覆板23の間の折曲部30は、外力の付加によって破断困難な非破断部31と、外力の付加によって破断可能な破断部32とを備え、全体として幅方向Xに直線状に延びている。図3A及び図3Bを参照すると、被覆板23は、非破断部31を構成する折曲線31aと、破断部32を構成する破断線32aを介して、天板12の長さ方向Yの両側にそれぞれ連設されている。
【0047】
図1を参照すると、非破断部31は、側板13A側に設けられている。図3Aを参照すると、非破断部31を構成する折曲線31aは、汎用罫線と複数の切断線によって構成されたリード罫からなる。隣り合う切断線間の間隔は、外力の付加によって互いに繋がり難い破断困難な寸法に設定される。
【0048】
図1を参照すると、破断部32は、側板13B側に設けられている。図3Aを参照すると、破断部32を構成する破断線32aは、概ねY字状を呈する切断線を破断可能な間隔をあけて複数設けたYジッパーからなる。ここで、破断可能な間隔とは、外力の付加によって隣り合うY字状の切断線が互いに繋がることが可能な距離を意味する。この破断線32aは、後に詳述する開封構造35の一部を構成する。なお、開封構造35を設けない場合、折曲部30は、破断線32aを設けることなく、折曲線31aのみで構成される。
【0049】
次に、第1実施形態の包装箱10の製函方法の一例を説明する。
【0050】
まず、図3Aに示すブランクの状態で、底板11に対して一対の端板21を折曲線25a,26aに沿ってそれぞれ折り曲げる。これにより、図4Bに示すように、端板21の第1部分21aは、第1折曲部25からXZ平面に沿って延び、第2部分21bは、第1部分21aに対して長さ方向Yの外側に位置する第2折曲部26からXZ平面に沿って延びる。つまり、端板21の第1部分21aと第2部分21bの間には、図3Bに示す段違い寸法S1分の段差が形成される。
【0051】
続いて、底板11に対して側板13Bと側板本体14を折曲線16aに沿ってそれぞれ折り曲げた後、側板13Bと側板本体14に対して貼着片22を折曲線29aに沿ってそれぞれ折り曲げる。そして、貼着片22を端板21の第1部分21aの外側面に接着剤によって貼着する。これにより、図4A及び図4Bに示す封緘過程の状態になる。
【0052】
図2B及び図4Bを参照すると、封緘過程状態では、端板21の第2部分21bの外側面は、第1部分21aの外側面よりも長さ方向Yの外側に位置し、貼着片22の外側面と概ね面一に位置する。打抜部本体27bの長さL3が貼着片22の幅Wよりも小さい場合でも、貼着片22の外側面と第2部分21bの外側面とが概ね面一に位置するのは、端板21の第1部分21aの上端が内側に撓むことが可能な自由端であり、かつ折曲線28によって内向きの撓みが促進されるためである。
【0053】
続いて、底板11上に物品を収容させた後、側板13Bに対して天板12を折曲線17aに沿って折り曲げる。その後、天板12に対して一対の被覆板23をそれぞれ折り曲げ、端板21の第2部分21bの外側面と貼着片22の外側面に被覆板23を接着剤によって貼着する。また、天板12に対して継代15を折り曲げ、側板本体14の外側面に継代15を接着剤によって貼着する。これにより、図1に示す封緘状態の包装箱10が完成する。
【0054】
図2A及び図2Bを参照すると、封緘状態の包装箱10には、端板21の第2部分21bの外側面と貼着片22の外側面との間に段差はない。よって、端板21と貼着片22に対する被覆板23の貼着性を向上できる。しかも、端板21の外側面と貼着片22の外側面とを面一に配置し得るため、最も外側に位置する被覆板23も凹凸がない平坦な状態に貼着でき、包装箱10を設計通りの外形寸法に製函し得る。また、端板21の第2部分21bと被覆板23の間には、段差による隙間も形成されない。よって、端板21、一対の貼着片22、及び被覆板23からなる蓋壁20の封緘性を向上できる。
【0055】
図1を参照すると、このように構成された包装箱10には、天板12側を開封するための開封構造35が設けられている。図1及び図3Aを参照すると、開封構造35は、1つの操作部36、一対の破断線(第1破断線)37、及び一対の第2破断線を備える。そのうち、一対の第2破断線は、折曲部30の破断部32を構成する破断線32aによって構成されている。
【0056】
操作部36は、継代15の長さ方向Yの中央に設けられている。操作部36は、継代15の先端から天板12との間の折曲部17に向けて延びる一対の破断線36aによって画定されている。破断線36aは、高さ方向Zに沿って延びる複数の第1切断線と、第1切断線の下端から継代15の中央に向けて長さ方向Yに延びる第2切断線とで構成された片ジッパーからなる。
【0057】
一対の破断線37は、天板12に設けられている。一対の破断線37は、それぞれ破断線36aの近傍から破断線32aの近傍まで、側板13Aから第2側板13Bに向けて長さ方向Yの外側に傾斜して延びている。本実施形態の破断線37は、片ジッパーからなる破断部37aと、Yジッパーからなる破断部37bとで構成されている。
【0058】
一対の破断線32aは、それぞれYジッパーからなり、破断線37の長さ方向Yの外端から側板13Bの折曲部17に向けて、折曲部30に沿って延びている。
【0059】
図1に示す封緘状態の包装箱10を開封する場合、操作部36の先端を摘まみ、幅方向Xの外向き、かつ高さ方向Zの上向きに引き上げる。これにより、一対の破断線36aに沿って継代15が破断される。続いて、操作部36を側板13Bに向けて幅方向Xに引っ張る。これにより、一対の破断線37に沿って天板12が破断された後、一対の破断線32aに沿って天板12と蓋壁20の間の稜部が破断される。その結果、図5に示すように、天板12の一部を残した状態で、包装箱10を開封できる。
【0060】
このように構成した包装箱10は、以下の特徴を有する。
【0061】
底板11と一対の端板21の間にはそれぞれ、一対の第1折曲部25と、第1折曲部25に対して長さ方向Yの外側に間隔をあけて設けられた第2折曲部26と、端板21を貫通して高さ方向Zに沿って延びる打抜部27とが設けられている。これにより、端板21には段差が形成され、第1折曲部25と対応する第1部分21aに貼着片22が貼着されている。端板21の段差によって貼着片22の厚みを吸収できるため、端板21の外側面に貼着片22を貼着することに伴う段差の発生を抑制でき、端板21の外側面と貼着片22の外側面とを面一に配置し得る。そのため、最も外側に位置する被覆板23も段差なく平坦な状態に貼着できる。よって、設計通りの外形寸法で包装箱10を製函し得る。
【0062】
打抜部27は、第1折曲部25と第2折曲部26に連なる連続部27aを備える。そのため、端板21の第1部分21aと第2部分21bの間に確実に段差を形成できる。
【0063】
側板13A,13Bと貼着片22の間の折曲部29から打抜部本体27bまでの間隔S2は、折曲部29から貼着片22の先端までの長さL2以上である。よって、貼着片22の先端を打抜部本体27bよりも折曲部29側に配置できるため、端板21と貼着片22の間での段差の発生を確実に抑制できる。
【0064】
打抜部本体27bの高さ方向Zの長さL3は、貼着片22の高さ方向Zの幅Wの1/3以上である。よって、貼着片22を第1折曲部25と対応する第1部分21aに確実に押し込むことができるため、端板21と貼着片22の間での段差の発生を抑制できる。
【0065】
端板21には、打抜部本体27bの天板12側の端から幅方向Xの外側に向かうに従って、天板12に近づく向きに傾斜した折曲線28が設けられている。よって、端板21の第1部分21aと第2部分21bの間の段差の形成を促進できる。
【0066】
以下、本発明の他の実施形態並びに種々の変形例を説明するが、これらの説明において、特に言及しない点は第1実施形態と同様である。以下で言及する図面において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。
【0067】
第1折曲線25a(第1折曲部25)、第2折曲線26a(第2折曲部26)、及び打抜部27は、図6から図12に示すように構成してもよい。
【0068】
図6に示す変形例の打抜部27は、所定幅のスリットによって構成されている。この打抜部27のうち、第1折曲線25aと第2折曲線26aの間に位置する部分が連続部27aを構成し、連続部27aから端板21に延びる部分が打抜部本体27bを構成する。このように、打抜部27は、端板21を貫通する構成であればよい。
【0069】
図7に示す変形例の打抜部27は、第1実施形態と同様に切断線によって構成されている。この打抜部27では、図3Bに示す破止め部27dと折曲線28の代わりに、分断部27cに対して端板21の幅方向Xの中央側に切断線27eが設けられている。
【0070】
図8に示す変形例では、第1折曲線25aと第2折曲線26aが幅方向Xに間隔をあけて設けられ、折曲線28は設けていない。また、第1折曲線25aと第2折曲線26aに連なる連続部27aの構成が異なる点で、第1実施形態と相違する。具体的には、打抜部27は、第1実施形態と同様に切断線によって構成されている。打抜部27の連続部27aは、第1折曲線25aに連なる第1部分27fと、第2折曲線26aに連なる第2部分27gと、第1部分27fと第2部分27gに連なる第3部分27hとで構成されている。第1部分27fは、第1折曲線25aの内端を通り、底板11から端板21にかけて延びている。第2部分27gは、第2折曲線26aの外端から端板21に向けて延び、打抜部本体27bに連なっている。第3部分27hは、第2折曲線26aに対して底板11とは反対側に間隔をあけて設けられており、一端が第1部分27fに連なり、他端が第2部分27gに連なっている。
【0071】
図9に示す変形例では、図3Bに示す破止め部27dと折曲線28が設けられていない。この打抜部27は、第1実施形態と同様に切断線によって構成されている。この打抜部27には、連続部27aに連なり、第1折曲線25aの内端から底板11内へ延びる延設部27iが設けられている。
【0072】
図10に示す変形例では、第1折曲線25aと第2折曲線26aが幅方向Xに間隔をあけて設けられ、破止め部27dと折曲線28は設けていない。打抜部27は、第1実施形態と同様に切断線によって構成されている。打抜部27の連続部27aは、第1折曲線25aの内端から第2折曲線26aの外端にかけて延びている。打抜部本体27b(分断部27c)は、第1折曲線25aの内端から端板21内に延びている。
【0073】
図11に示す変形例では、第1折曲線25aと第2折曲線26aが幅方向Xに間隔をあけて設けられ、破止め部27dと折曲線28は設けていない。打抜部27は、第1実施形態と同様に切断線によって構成されている。打抜部27の連続部27aは、第1折曲線25aの内端から第2折曲線26aの外端にかけて延びている。打抜部本体27b(分断部27c)は、第2折曲線26aの外端から端板21内に延びている。
【0074】
図12に示す変形例では、第1折曲線25aと第2折曲線26aが幅方向Xに間隔をあけて設けられ、破止め部27dと折曲線28は設けていない。打抜部27は、第1実施形態と同様に切断線によって構成されている。打抜部27の連続部27aは、第1折曲線25aの内端から第2折曲線26aの外端にかけて延びている。打抜部本体27b(分断部27c)は、第2折曲線26aの外端から端板21内に延びている。また、打抜部27には、連続部27aに連なり、第1折曲線25aの内端から底板11内へ延びる延設部27iが設けられている。
【0075】
図6から図12に示す変形例では、第1実施形態と同様に、底板11と端板21の間には、第1折曲部25と、第1折曲部25に対して長さ方向Yの外側に間隔をあけて設けられた第2折曲部26と、端板21を貫通して高さ方向Zに沿って延びる打抜部27とが設けられている。そのため、第1実施形態と同様に、端板21の外側面に貼着片22を貼着することに伴う段差の発生を抑制でき、端板21の外側面と貼着片22の外側面とを面一に配置し得る。よって、設計通りの外形寸法で包装箱10を製函し得る。
【0076】
(第2実施形態)
図13に示す第2実施形態の包装箱10は、天板12に図1に示す被覆板23を連設することなく、側板13Aの上端に内フラップ40を連設するとともに、一対の端板21の上端に内フラップ41をそれぞれ連設し、天板12に係止構造を設けた点で、第1実施形態と相違する。
【0077】
図13及び図14を参照すると、包装箱10は、底板11、天板12、側板13A,13B、及び一対の端板21を備える。そのうち、側板13Aは、側板13Bと同様に、一枚の段ボールシートからなる点で、第1実施形態と相違する。側板13A,13Bの長さ方向Yの両端には、第1実施形態と同様に、貼着片22がそれぞれ連設されている。
【0078】
側板13Aには、天板12の内側面に重なるように折り込まれる内フラップ40が、折曲部42を介して連設されている。また、一対の端板21には、天板12の内側面に重なるように折り込まれる内フラップ41が、折曲部43を介してそれぞれ連設されている。折曲部42,43を構成する折曲線42a,43aはいずれも汎用罫線からなる。
【0079】
内フラップ40の長さ方向Yの両端には、折曲部45を介して係止片44が連設されている。折曲部45を構成する折曲線45aは汎用罫線からなる。端板21と内フラップ41の間の折曲部43には、差し込まれた係止片44を係止する係止孔46が設けられている。
【0080】
側板13Bに連設された天板12の先端(側板13A側)には、ジッパー片48を介して係止片49が連設されている。天板12とジッパー片48の間とジッパー片48と係止片49の間には、片ジッパーからなる破断線50がそれぞれ設けられている。底板11と側板13Aの間の折曲部16には、差し込まれた係止片49を係止する係止孔51が設けられている。
【0081】
天板12の長さ方向Yの両端には、片ジッパーからなる破断線54を介して係止片53が連設されている。端板21と内フラップ41の間の折曲部43には、差し込まれた係止片53を係止する係止孔55が設けられている。
【0082】
天板12の先端には、打ち抜きによって差込片57が設けられ、内フラップ40には差込片57を差し込んで再封緘状態を保持するための差込孔58が設けられている。
【0083】
次に、第2実施形態の包装箱10の製函方法の一例を説明する。
【0084】
まず、図14に示すブランクの状態で、底板11に対して一対の端板21をそれぞれ折り曲げる。これにより、第1実施形態と同様に、端板21には、第1部分21aと第2部分21bの間に段差が形成される。続いて、底板11に対して側板13A,13Bをそれぞれ折り曲げた後、側板13A,13Bに対して貼着片22をそれぞれ折り曲げる。そして、貼着片22を端板21の第1部分21aの外側面に接着剤によって貼着する。
【0085】
続いて、端板21に対してフラップ41を折り曲げた後、側板13Aに対してフラップ40を折り曲げ、係止片44を係止孔46に差し込んで係止する。これにより、図15に示す封緘過程の状態になる。この封緘過程状態では、端板21の第2部分21bの外側面は、第1部分21aの外側面よりも長さ方向Yの外側に位置し、貼着片22の外側面と概ね面一に位置する。
【0086】
続いて、底板11上に物品を収容させた後、側板13Bに対して天板12を折り曲げ、係止片53を係止孔55に差し込んで係止する。続いて、天板12に対してジッパー片48を折り曲げるとともに、ジッパー片48に対して折り曲げた係止片49を係止孔51に差し込んで係止する。これにより、天板12がフラップ40,41に係止されて、図13に示す封緘状態の包装箱10が完成する。
【0087】
図13を参照すると、封緘状態の包装箱10には、端板21の第2部分21bの外側面と貼着片22の外側面との間に段差は殆どない。つまり、端板21の外側面と貼着片22の外側面とを面一に配置し得るため、包装箱10を設計通りの外形寸法に製函し得る。
【0088】
図13に示す封緘状態の包装箱10を開封する場合、図13においてジッパー片48の左側端を摘まみ、右向きに引っ張る。これにより、破断線50に沿ってジッパー片48が分離される。続いて、天板12の先端を摘まみ、上方側かつ側板13B側に天板12を引き上げる。これにより、破断線54に沿って天板12と係止片53の間の稜部が破断され、図16に示すように、包装箱10を開封できる。
【0089】
このように、第2実施形態の包装箱10では、第1実施形態の包装箱10と同様に、底板11と一対の端板21の間にそれぞれ、一対の第1折曲部25と、第1折曲部25に対して長さ方向Yの外側に間隔をあけて設けられた第2折曲部26と、端板21を貫通して高さ方向Zに沿って延びる打抜部27とが設けられている。これにより、端板21には段差が形成され、第1折曲部25と対応する第1部分21aに貼着片22が貼着されている。よって、端板21の段差によって貼着片22の厚みを吸収できるため、端板21の外側面に貼着片22を貼着することに伴う段差の発生を抑制でき、端板21の外側面と貼着片22の外側面とを面一に配置し得る。よって、設計通りの外形寸法で包装箱10を製函し得る。
【0090】
なお、本発明は、前記実施形態及び変形例の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0091】
例えば、容器は、第2実施形態に示す天板12と内フラップ40,41を設けていない上端開口のトレイであってもよい。
【0092】
折曲部を構成する折曲線は、汎用罫線、及び汎用罫線と切断線からなるリード罫に限られず、外力の付加によって破断されることなく折曲可能な構成であれば、必要に応じて変更が可能である。
【0093】
底板11と一対の側板13A,13B、及び天板12と一対の側板13A,13Bは、面取り板を介して連なり、長さ方向Yから見て八角形状であってもよい。また、底板11と一対の端板21、及び天板12と一対の被覆板23も、面取り板を介して連なり、幅方向Xから見て八角形状であってもよい。
【0094】
包装箱10の素材は、紙製の段ボールシートに限らず、樹脂製の段ボールシートであってもよい。また、包装箱10の素材は、段ボールシートに限られず、単層の厚紙や樹脂シートであってもよい。
【符号の説明】
【0095】
10 包装箱(容器)
11 底板
12 天板
13A,13B 側板
14 側板本体
15 継代
16 折曲部
16a 折曲線
17 折曲部
17a,17b 折曲線
18 汎用罫線
19 切断線
19a 突出部
20 蓋壁
21 端板
21a 第1部分
21b 第2部分
21c 連続部
22 貼着片
22a 先端部
22b 面取り部
23 被覆板
24 折曲部
25 第1折曲部
25a 第1折曲線
26 第2折曲部
26a 第2折曲線
27 打抜部
27a 連続部
27b 打抜部本体
27c 分断部
27d 破止め部
27e 切断線
27f 第1部分
27g 第2部分
27h 第3部分
27i 延設部
28 折曲線
29 折曲部
29a 折曲線
30 折曲部
31 非破断部
31a 折曲線
32 破断部
32a 破断線
35 開封構造
36 操作部
36a 破断線
37 破断線
37a 破断部
37b 破断部
40 内フラップ
41 内フラップ
42 折曲部
42a 折曲線
43 折曲部
43a 折曲線
44 係止片
45 折曲部
45a 折曲線
46 係止孔
48 ジッパー片
49 係止片
50 破断線
51 係止孔
53 係止片
54 破断線
55 係止孔
57 差込片
58 差込孔
X 幅方向(第1方向)
Y 長さ方向(第2方向)
Z 高さ方向(第3方向)
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16