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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143016
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】電力増幅回路
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/30 20060101AFI20230928BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H03F1/30 220
H03F3/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050198
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】本多 悠里
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA12
5J500AA15
5J500AA41
5J500AC04
5J500AC52
5J500AC92
5J500AF10
5J500AH02
5J500AH09
5J500AH19
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH35
5J500AK18
5J500AK29
5J500AK49
5J500AS14
5J500AT01
5J500NF07
5J500WU08
(57)【要約】
【課題】ゲインディスパージョンの特性を改善しつつ、高調波信号がバイアス回路へ流入することを抑制できる電力増幅回路を提供することを目的とする。
【解決手段】出力端子に電源電圧が供給され、入力端子に入力される高調波信号を増幅する第1増幅素子と、前記第1増幅素子と差動増幅回路を形成し、出力端子に電源電圧が供給され、入力端子に入力される高調波信号を増幅する第2増幅素子と、前記第1増幅素子の入力端子および前記第2増幅素子の入力端子にバイアスを供給するバイアス回路と、前記第1増幅素子の出力端子に一端が電気的に接続される第1抵抗素子と、前記第2増幅素子の出力端子に一端が電気的に接続され、他端が前記第1抵抗素子の他端と電気的に直列に接続される第2抵抗素子と、を備え、前記バイアス回路は、前記第1抵抗素子の他端と前記第2抵抗素子の他端とが電気的に直列に接続される部分における接続点に電気的に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力端子に電源電圧が供給され、入力端子に入力される高調波信号を増幅する第1増幅素子と、
前記第1増幅素子と差動増幅回路を形成し、出力端子に電源電圧が供給され、入力端子に入力される高調波信号を増幅する第2増幅素子と、
前記第1増幅素子の入力端子および前記第2増幅素子の入力端子にバイアスを供給するバイアス回路と、
前記第1増幅素子の出力端子に一端が電気的に接続される第1抵抗素子と、
前記第2増幅素子の出力端子に一端が電気的に接続され、他端が前記第1抵抗素子の他端と電気的に直列に接続される第2抵抗素子と、
を備え、
前記バイアス回路は、前記第1抵抗素子の他端と前記第2抵抗素子の他端とが電気的に直列に接続される部分における接続点に電気的に接続される、
電力増幅回路。
【請求項2】
前記バイアス回路は、前記第1増幅素子及び前記第2増幅素子との関係で仮想接地となる前記接続点と電気的に接続される、
請求項1に記載の電力増幅回路。
【請求項3】
前記第1増幅素子に供給される電源電圧および前記第2増幅素子に供給される電源電圧に応じて、前記バイアスを調整するための電流である調整電流が前記接続点から前記バイアス回路に供給され、又は前記調整電流が前記バイアス回路から前記接続点に供給される、
請求項1または請求項2に記載の電力増幅回路。
【請求項4】
前記接続点と、前記バイアス回路と、の間に電気的に直列に接続される第1ダイオードをさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力増幅回路。
【請求項5】
前記第1増幅素子の出力端子と、前記接続点と、の間で、前記第1抵抗素子と電気的に直列に接続される第2ダイオードと、
前記第2増幅素子の出力端子と、前記接続点と、の間で、前記第2抵抗素子と電気的に直列に接続される第3ダイオードと、
をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力増幅回路。
【請求項6】
前記第2ダイオードは、カソードが前記第1増幅素子の出力端子に電気的に接続され、アノードが前記接続点に電気的に接続され、
前記第3ダイオードは、カソードが前記第2増幅素子の出力端子に電気的に接続され、アノードが前記接続点に電気的に接続される、
請求項5に記載の電力増幅回路。
【請求項7】
前記第2ダイオードおよび前記第3ダイオードは、ベースまたはゲートと、コレクタまたはドレインと、が電気的に接続されるダイオード接続型のトランジスタである、請求項6に記載の電力増幅回路。
【請求項8】
前記バイアス回路は、
電源電圧がコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースが前記第1増幅素子の入力端子に電気的に接続される第1トランジスタと、
電源電圧がコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースが前記第2増幅素子の入力端子に電気的に接続される第2トランジスタと、
を含み、
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタのベースまたはゲートは、第4ダイオードを通じて基準電位と電気的に接続されるとともに、前記接続点に電気的に接続される、
請求項6または請求項7に記載の電力増幅回路。
【請求項9】
前記バイアス回路は、前記第4ダイオードと電気的に並列に設けられ、前記第1トランジスタのベースまたはゲートと基準電位との間に電気的に接続される第1キャパシタをさらに含む、請求項8に記載の電力増幅回路。
【請求項10】
前記第2ダイオードは、アノードが前記第1増幅素子の出力端子に電気的に接続され、カソードが前記接続点に電気的に接続され、
前記第3ダイオードは、アノードが前記第2増幅素子の出力端子に電気的に接続され、カソードが前記接続点に電気的に接続される、
請求項5に記載の電力増幅回路。
【請求項11】
前記第2ダイオードおよび前記第3ダイオードは、ベースまたはゲートと、コレクタまたはドレインと、が電気的に接続されるダイオード接続型のトランジスタである、請求項10に記載の電力増幅回路。
【請求項12】
前記バイアス回路は、
電源電圧がコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースが前記第1増幅素子の入力端子に電気的に接続される第1トランジスタと、
電源電圧がコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースが前記第2増幅素子の入力端子に電気的に接続される第2トランジスタと、
ベースまたはゲートが前記第1トランジスタのベースまたはゲートと電気的に接続され、コレクタまたはドレインが前記接続点に電気的に接続され、エミッタまたはソースが前記第1トランジスタのエミッタまたはソースと電気的に接続される第3トランジスタと、
ベースまたはゲートが前記第2トランジスタのベースまたはゲートと電気的に接続され、コレクタまたはドレインが前記接続点に電気的に接続され、エミッタまたはソースが前記第2トランジスタのエミッタまたはソースと電気的に接続される第4トランジスタと、
を含み、
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタのベースまたはゲートは、第4ダイオードを通じて基準電位と電気的に接続される、
請求項10または請求項11に記載の電力増幅回路。
【請求項13】
前記バイアス回路は、
電源電圧がコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースが前記第1増幅素子の入力端子に電気的に接続される第1トランジスタと、
電源電圧がコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースが前記第2増幅素子の入力端子に電気的に接続される第2トランジスタと、
コレクタまたはドレインが第4ダイオードを通じて前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタのベースまたはゲートと電気的に接続され、ベースまたはゲートに第5抵抗素子を通じて電源電圧が供給され、エミッタまたはソースが基準電位に電気的に接続される第5トランジスタと、を含む、
請求項10または請求項11に記載の電力増幅回路。
【請求項14】
前記バイアス回路は、
電源電圧がコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースが前記第1増幅素子の入力端子に電気的に接続される第1トランジスタと、
電源電圧がコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースが前記第2増幅素子の入力端子に電気的に接続される第2トランジスタと、
ベースまたはゲートが前記第1トランジスタのエミッタまたはソースと電気的に接続され、エミッタまたはソースが基準電位に電気的に接続される第6トランジスタと、
前記接続点から前記第6トランジスタのベースまたはゲートに入力される高調波信号をカットするための第2キャパシタと、
ベースまたはゲートが前記第2トランジスタのエミッタまたはソースと電気的に接続され、エミッタまたはソースが基準電位に電気的に接続される第7トランジスタと、
前記接続点から前記第7トランジスタのベースまたはゲートに入力される高調波信号をカットするための第3キャパシタと、
を含む、請求項10または請求項11に記載の電力増幅回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力増幅回路に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動通信端末においては、基地局へ送信するRF(Radio Frequency)信号を増幅する電力増幅回路が用いられる。電力増幅回路は、例えば、RF信号を増幅するトランジスタと、トランジスタのバイアスポイントを制御するバイアス回路とを備える。しかし、バイアス回路を備える電力増幅回路は、ゲインディスパージョンの特性が劣化するおそれがある。ここで、ゲインディスパージョンとは、トランジスタに供給される電源電圧の変化に対する利得の差である。特許文献1には、ゲインディスパージョンの特性を改善するための回路を含む電力増幅回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-1959554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電力増幅回路は、ゲインディスパージョンを適切な依存幅にするための調整回路を含む。調整回路は、入力段のコレクタ電源と出力段のバイアス回路との間に設けられる。しかし、当該電力増幅回路では、出力段のコレクタ電源と接続されるように調整回路を設ける場合、出力段のバイアス回路に高調波信号が流入してしまう問題が生じる。すなわち、当該電力増幅回路において、調整回路が、増幅素子のコレクタ電源と接続され、コレクタ電源と当該増幅素子のバイアス回路との間に接続される場合に、高調波信号がバイアス回路に流入するという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、ゲインディスパージョンの特性を改善しつつ、高調波信号がバイアス回路へ流入することを抑制できる電力増幅回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本発明に関わる電力増幅回路は、出力端子に電源電圧が供給され、入力端子に入力される高調波信号を増幅する第1増幅素子と、前記第1増幅素子と差動増幅回路を形成し、出力端子に電源電圧が供給され、入力端子に入力される高調波信号を増幅する第2増幅素子と、前記第1増幅素子の入力端子および前記第2増幅素子の入力端子にバイアスを供給するバイアス回路と、前記第1増幅素子の出力端子に一端が電気的に接続される第1抵抗素子と、前記第2増幅素子の出力端子に一端が電気的に接続され、他端が前記第1抵抗素子の他端と電気的に直列に接続される第2抵抗素子と、を備え、前記バイアス回路は、前記第1抵抗素子の他端と前記第2抵抗素子の他端とが電気的に直列に接続される部分における接続点に電気的に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に関わる電力増幅回路によれば、ゲインディスパージョンの特性を改善しつつ、高調波信号がバイアス回路へ流入することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る電力増幅回路100の構成の一例を示す図である。
図2】電力増幅回路100の動作による可変電源電圧Vccとバイアス回路170から調整回路180に流れる調整電流Iadとの関係を示すグラフである。
図3】電力増幅回路100の動作による可変電源電圧Vccとバイアス回路170からトランジスタ130およびトランジスタ140に流れるバイアス電流Ibbとの関係を示すグラフである。
図4】電力増幅回路100のゲインを示すグラフである。
図5】比較例に係る電力増幅回路のゲインを示すグラフである。
図6】第2実施形態に係る電力増幅回路200の構成の一例を示す図である。
図7】電力増幅回路200の動作による可変電源電圧Vccと調整回路280からバイアス回路270に流れる調整電流Iadとの関係を示すグラフである。
図8】電力増幅回路200の動作による可変電源電圧Vccとバイアス回路270からトランジスタ230およびトランジスタ240に流れるバイアス電流Ibbとの関係を示すグラフである。
図9】第3実施形態に係る電力増幅回路300の構成の一例を示す図である。
図10】第4実施形態に係る電力増幅回路400の構成の一例を示す図である。
図11】変形例に係る電力増幅回路100aの構成の一例を示す図である。
図12】変形例に係る電力増幅回路200aの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各図を参照しながら本発明の各実施形態について説明する。ここで、同一符号の回路素子は、同一の回路素子を示すものとし、重複する説明を省略する。
【0010】
===第1実施形態に係る電力増幅回路100===
図1を参照して、第1実施形態に係る電力増幅回路100について説明する。図1は、第1実施形態に係る電力増幅回路100の構成の一例を示す図である。電力増幅回路100は、例えば、携帯電話等の移動体通信機に搭載され、入力信号RFinの電力を基地局に送信するために必要なレベルまで増幅し、これを増幅信号RFoutとして出力する。入力信号RFinは、例えばRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)等により所定の通信方式に応じて変調された無線周波数(RF : Radio Frequency)信号である。入力信号RFinの通信規格は、例えば2G(第2世代移動通信システム)、3G(第3世代移動通信システム)、4G(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)-FDD(Frequency Division Duplex)、LTE-TDD(Time Division Duplex)、LTE-Advanced、又はLTE-Advanced Pro等を含み、周波数は、例えば数百MHz~数十GHz程度である。なお、入力信号RFinの通信規格及び周波数はこれらに限られない。
【0011】
<<構成>>
図1に示すように、電力増幅回路100は、トランジスタ110と、バラン120と、トランジスタ130,140と、バラン150と、バイアス回路1760,170と、調整回路180とを備える。なお、以下では、トランジスタ110,130,140をバイポーラトランジスタとして説明するが、FET(Field-Effect Transistor)であってもよい。この場合、電流を電圧に、ベースをゲートに、コレクタをドレインに、エミッタをソースにそれぞれ読み替える。
【0012】
トランジスタ110は、例えば、ドライバ段の増幅素子である。トランジスタ110は、入力端子101から整合回路102とキャパシタ103とを通じて、入力信号RFinがベースに入力される。トランジスタ110は、可変電源電圧Vccが供給されるバラン120がコレクタに接続される。すなわち、トランジスタ110は、ベースに入力された入力信号RFinを増幅してコレクタから増幅信号RFを出力する。
【0013】
バラン120は、例えば、入力される増幅信号RFを複数の信号に分配する。ここでは、複数の信号を、増幅信号RF1と増幅信号RF2として説明する。バラン120は、可変電源電圧Vccが供給される。バラン120は、その出力側に整合調整用のキャパシタ121が並列に接続される。バラン120は、例えば、増幅信号RF1を、増幅信号RF1と、増幅信号RF1と略180度の位相差を有する増幅信号RF2とに分配する。「略180度」は、例えば135度~225度の範囲を含む。増幅信号RF1は、トランジスタ130のベースに入力される。増幅信号RF2は、トランジスタ140のベースに入力される。なお、バラン120は、バランに限定されない。
【0014】
トランジスタ130およびトランジスタ140は、例えば、出力段の増幅素子であって、差動増幅回路を形成する。トランジスタ130およびトランジスタ140は、それぞれのベースがバラン120に接続され、略180度の位相差を有する増幅信号が入力される。トランジスタ130のベースには、キャパシタ131と抵抗132を通じて増幅信号RF1が入力される。また、トランジスタ130のベースには、バイアス回路170から抵抗171を通じてバイアス電流Ibbが入力される。一方、トランジスタ140のベースは、キャパシタ141と抵抗142を通じて増幅信号RF2が入力される。また、トランジスタ140のベースには、バイアス回路170から抵抗172を通じてバイアス電流Ibbが入力される。トランジスタ130およびトランジスタ140のエミッタは、基準電位に接続される。トランジスタ130およびトランジスタ140のコレクタは、バラン150に接続される。トランジスタ130のコレクタから増幅信号RF1が増幅された増幅信号RF11が出力される。トランジスタ140のコレクタから増幅信号RF2が増幅された増幅信号RF21が出力される。
【0015】
バラン150は、例えば、入力される複数の増幅信号を合成する。バラン120は、可変電源電圧Vccが供給される。バラン150は、その入力側に整合調整用のキャパシタ151が並列に接続される。バラン150には、トランジスタ130から増幅信号RF11が入力され、トランジスタ140から増幅信号RF21が入力される。バラン150は、合成した増幅信号RFoutを出力端子104に出力する。
【0016】
バイアス回路160は、例えば、トランジスタ110のベースに抵抗161を通じてバイアス電流を供給する。バイアス回路160は、トランジスタ162と、ダイオード163,164と、キャパシタ165とを備える。トランジスタ162はエミッタフォロワトランジスタである。トランジスタ162のベースは、ダイオード163のアノードに接続され、キャパシタ165を通じてグランドに接続される。また、トランジスタ162のエミッタは、抵抗161を通じてトランジスタ110のベースに接続される。ダイオード163のアノードは、抵抗166を通じて、電源端子167に接続される。電源端子167は、一定の電圧または電流を供給する。ダイオード163のアノードは、ダイオード164のカソードに接続される。ダイオード164のカソードは、グランドに接続される。なお、ダイオード163,164は、例えば、ダイオード接続されたバイポーラトランジスタである。
【0017】
バイアス回路170は、例えば、トランジスタ130,140のベースに抵抗171,172を通じてバイアス電流Ibbを供給する。バイアス回路170は、トランジスタ173,174と、ダイオード175,176と、キャパシタ177とを備える。トランジスタ173,174はエミッタフォロワトランジスタである。トランジスタ173,174のベースは、ダイオード175のアノードに接続され、キャパシタ177を通じてグランドに接続される。キャパシタ177は、例えば、トランジスタ173,174のベース電圧を一定にするためのキャパシタである。トランジスタ173のエミッタは、抵抗171を通じてトランジスタ130のベースに接続される。トランジスタ174のエミッタは、抵抗172を通じてトランジスタ140のベースに接続される。トランジスタ173およびトランジスタ174のベースは、後述する調整回路180に接続される。ダイオード175のアノードは、抵抗178を通じて、電源端子179に接続される。電源端子179は、一定の電圧または電流(以下、「制御電圧」という)を供給する。ダイオード176のアノードは、ダイオード175のカソードに接続される。ダイオード176のカソードは、グランドに接続される。なお、ダイオード175,176は、例えば、ダイオード接続されたバイポーラトランジスタである。
【0018】
調整回路180は、例えば、トランジスタ130およびトランジスタ140のコレクタに供給される可変電源電圧Vccの大きさに応じて、電力増幅回路100のゲインを調整する回路である。調整回路180は、トランジスタ130のコレクタとバラン150との間の配線に設けられるノード105と、トランジスタ140のコレクタとバラン150との間の配線に設けられるノード106との間に電気的に接続される。具体的には、調整回路180は、例えば、一端がノード105に接続される抵抗181と、カソードが抵抗181の他端に接続され、アノードが接続点107に接続されるダイオード182とを含む。接続点107は、例えば、抵抗181の他端と抵抗183の他端とが電気的に直列に接続される部分における所定のポイントである。また、調整回路180は、例えば、一端がノード106に接続される抵抗183と、カソードが抵抗183の他端に接続され、アノードが接続点107に接続されるダイオード184とを含む。抵抗181および抵抗183は、例えばバイアスポイントを調整するための抵抗素子である。ダイオード182およびダイオード184は、例えばレベルシフタのためのダイオードである。調整回路180は、トランジスタ130とトランジスタ140とで差動増幅回路を形成するため、接続点107で仮想接地となる。これにより、増幅信号RF1および増幅信号RF2がバイアス回路170に回り込むことを回避できる。さらに、接続点107で仮想接地とならない場合においても、ダイオード182およびダイオード184は、増幅信号RF1および増幅信号RF2の回り込みを抑制するという効果を有する。具体的には、接続点107で仮想接地とならない場合においても、ダイオード182,184のうち電流が導通しないダイオードにも寄生容量の影響で電流が導通することにより、接続点107が仮想接地の状態に近づく。従って、接続点107における増幅信号RF1及び増幅信号RF2の振幅が抑制され、回り込みを抑制するという効果が奏される。接続点107には、バイアス回路170のトランジスタ173およびトランジスタ174のベースが接続される。なお、ダイオード182およびダイオード184は、ダイオード接続されたパイポーラトランジスタであってもよい。また、電力増幅回路100は、図1に示す抵抗181の位置とダイオード182の位置とを入れ替えて構成されていてもよい。また、電力増幅回路100は、図1に示す抵抗183の位置とダイオード184の位置とを入れ替えて構成されていてもよい。
【0019】
<<動作>>
次に、図1図2図3図4図5を参照して、電力増幅回路100の動作について説明する。図2は、電力増幅回路100の動作による可変電源電圧Vccとバイアス回路170から調整回路180に流れる調整電流Iadとの関係を示すグラフである。図2では、横軸は可変電源電圧Vccを示し、縦軸は調整電流Iadを示す。図3は、電力増幅回路100の動作による可変電源電圧Vccとバイアス回路170からトランジスタ130およびトランジスタ140に流れるバイアス電流Ibbとの関係を示すグラフである。図3では、横軸は可変電源電圧Vccを示し、縦軸はバイアス電流Ibbを示す。図4は、電力増幅回路100のゲインを示すグラフである。図5は、比較例に係る電力増幅回路(不図示)のゲインを示すグラフである。図4図5では、横軸は電力増幅回路の出力電力Poutを示し、縦軸は電力増幅回路のゲインを示す。ここで、比較例に係る電力増幅回路(不図示)は、例えば、電力増幅回路100と比較して、出力段に差動増幅回路を形成せず、調整回路180を備えない電力増幅回路である。
【0020】
電力増幅回路100では、トランジスタ173のベース電位Vbから、ダイオード182のベース-エミッタ間電圧Vbeと、抵抗181の電圧降下分とを引いた電圧値(図2の「P1」)を、可変電源電圧Vccが下回る場合、バイアス回路170から調整回路180に調整電流Iadが流れる。同様に、トランジスタ174のベース電位Vbから、ダイオード184のベース-エミッタ間電圧Vbeと、抵抗183の電圧降下分とを引いた電圧値を、可変電源電圧Vccが下回る場合、バイアス回路170から調整回路180に調整電流Iadが流れる。
【0021】
具体的には、トランジスタ130およびトランジスタ140のコレクタ電圧が、可変電源電圧Vccにより0V~1.0V程度に低い電圧であることとする。一方、接続点107にバイアス回路170から例えば2.0Vの定電圧(トランジスタ173,174のベース電位Vb)が供給されることとする。すなわち、図2に示すように、接続点107の電圧(ここでは、2.0V)から、ダイオード182およびダイオード184の電圧Vbe(1.0V~1.2V程度)と、抵抗181および抵抗183の電圧降下分とを引いた電圧値が、トランジスタ130およびトランジスタ140のコレクタ電圧(ここでは、0V~1.0V)の電圧値よりも大きい場合、バイアス回路170から接続点107に向かって調整電流Iadが流れる。
【0022】
調整電流Iadが接続点107に向かって流れることにより、トランジスタ173およびトランジスタ174のベース電流が小さくなる。この場合、図3に示すように、トランジスタ173およびトランジスタ174のそれぞれからトランジスタ130およびトランジスタ140のそれぞれのベースに供給するバイアス電流Ibbが小さくなる。これにより、電力増幅回路100のゲインが小さくなる。すなわち、調整回路180は、可変電源電圧Vccが小さいときに、電力増幅回路100のゲインを小さくするように作用する。よって、電力増幅回路100は、比較例に係る電力増幅回路(不図示)と比較して、ゲインディスパージョンを改善できる。
【0023】
ここで、ゲインディスパージョンの特性が改善される様子の一例を説明する。図4では、電力増幅回路100の可変電源電圧Vccを3.8V(符号401),2V(符号402),1.4V(符号403),1V(符号404)としたときのゲインがプロットされている。図5では、比較例に係る電力増幅回路の可変電源電圧Vccを3.8V(符号501),2V(符号502),1.4V(符号503),1V(符号504)としたときのゲインがプロットされている。図4に示すように、電力増幅回路100では、例えば、出力電圧が5dBmのときにゲインの幅は3dBである。一方、図5に示すように、比較例に係る電力増幅回路では、例えば、出力電圧が5dBmのときにゲインの幅は1.5dBである。このように、出力段を差動増幅回路とし、調整回路180を設けることによって、ゲインディスパージョンの特性を改善できる。
【0024】
さらに、図1に示すように、電力増幅回路100は、出力段の差動増幅回路における2つのトランジスタの間で接続点107を中心として対称的な構成を有する調整回路180を備えている。このため、電力増幅回路100は配線の引き回しが少なくなるため小型化が可能となる。
【0025】
===第2実施形態に係る電力増幅回路200===
<<構成>>
図6を参照して、第2実施形態に係る電力増幅回路200について説明する。図6は、第2実施形態に係る電力増幅回路200の構成の一例を示す図である。図6に示すように、電力増幅回路200は、電力増幅回路100と比較して、調整回路280の構成及びバイアス回路270の構成が異なる。すなわち、トランジスタ210、バラン220、トランジスタ230,240、バラン250及びバイアス回路260は、トランジスタ110、バラン120、トランジスタ130,140、バラン150及びバイアス回路160と同じであるため、その説明を省略する。
【0026】
調整回路280は、例えば、トランジスタ230およびトランジスタ240のコレクタに供給される可変電源電圧Vccが大きくなるときに、電力増幅回路200のゲインを調整する回路である。調整回路280は、トランジスタ230のコレクタとバラン250との間の配線に設けられるノード205と、トランジスタ240のコレクタとバラン250との間の配線に設けられるノード206との間に電気的に接続される。具体的には、調整回路280は、例えば、一端がノード205に接続される抵抗281と、アノードが抵抗281の他端に接続され、カソードが接続点207に接続されるダイオード282とを含む。また、調整回路280は、例えば、一端がノード206に接続される抵抗283と、アノードが抵抗283の他端に接続され、カソードが接続点207に接続されるダイオード284とを含む。抵抗281および抵抗283は、例えばバイアスポイントを調整するための抵抗素子である。ダイオード282およびダイオード284は、例えばレベルシフタのためのダイオードである。調整回路280では、トランジスタ230とトランジスタ240とで差動増幅回路を形成するため、接続点207で仮想接地となる。これにより、増幅信号RF1および増幅信号RF2がバイアス回路270に回り込むことを回避できる。接続点207には、後述するバイアス回路270のトランジスタ279aおよびトランジスタ279bのコレクタが接続される。なお、ダイオード282およびダイオード284は、ダイオード接続されたパイポーラトランジスタであってもよい。
【0027】
バイアス回路270は、例えば、トランジスタ230,240のベースに抵抗271,272を通じてバイアス電流Ibbを供給する。バイアス回路270は、トランジスタ273,274と、ダイオード275,276と、キャパシタ277と、トランジスタ279a,279bを備える。ダイオード275,276およびキャパシタ277は、ダイオード175,176およびキャパシタ177と同じであるためその説明を省略する。トランジスタ273,274はエミッタフォロワトランジスタである。トランジスタ273,274のベースは、ダイオード275のアノードに接続され、キャパシタ277を通じてグランドに接続される。トランジスタ273のエミッタは、抵抗271を通じてトランジスタ230のベースに接続される。トランジスタ274のエミッタは、抵抗272を通じてトランジスタ240のベースに接続される。
【0028】
トランジスタ279aおよびトランジスタ279bは、可変電源電圧Vccに応じて、トランジスタ230およびトランジスタ240のバイアス電流Ibbを調整するためのトランジスタである。トランジスタ279aのコレクタは、接続点207に接続される。トランジスタ279aのベースは、トランジスタ273のベースに接続される。トランジスタ279aのエミッタは、トランジスタ273のエミッタから出力されるバイアス電流Ibbに電流を加えるように、トランジスタ273のエミッタに接続される。トランジスタ279bのコレクタは、接続点207に接続される。トランジスタ279bのベースは、トランジスタ274のベースに接続される。トランジスタ279bのエミッタは、トランジスタ274のエミッタから出力されるバイアス電流Ibbに電流を加えるように、トランジスタ274のエミッタに接続される。
【0029】
<<動作>>
次に、図6図7図8を参照して、電力増幅回路200の動作について説明する。図7は、電力増幅回路200の動作による可変電源電圧Vccと調整回路280からバイアス回路270に流れる調整電流Iadとの関係を示すグラフである。図7では、横軸は可変電源電圧Vccを示し、縦軸は調整電流Iadを示す。図8は、電力増幅回路200の動作による可変電源電圧Vccとバイアス回路270からトランジスタ230およびトランジスタ240に流れるバイアス電流Ibbとの関係を示すグラフである。図8では、横軸は可変電源電圧Vccを示し、縦軸はバイアス電流Ibbを示す。
【0030】
電力増幅回路200では、トランジスタ279aのベース電位Vbに、トランジスタ279aのコレクタ-エミッタ間電圧Vceと、ダイオード282のベース-エミッタ間電圧Vbeと、抵抗281の電圧降下分とを加えた合計の電圧値(図7の「P2」)を、可変電源電圧Vccが上回る場合、調整回路280からバイアス回路270に調整電流Iadが流れる。同様に、トランジスタ279bのベース電位に、トランジスタ279bのコレクタ-エミッタ間電圧Vceと、ダイオード284のベース-エミッタ間電圧Vbeと、抵抗283の電圧降下分とを加えた合計の電圧値を、可変電源電圧Vccの電圧値が上回る場合、調整回路280からバイアス回路270に調整電流Iadが流れる。
【0031】
具体的には、可変電源電圧Vcc(例えば0V程度)が低い場合、トランジスタ279aおよびトランジスタ279bのエミッタ電位Ve(例えば1.2V程度)よりも、可変電源電圧Vccに依存するトランジスタ279aおよびトランジスタ279bのコレクタ電圧(例えば0.6V)が小さくなる。この場合、トランジスタ279aおよびトランジスタ279bには調整電流Iadが流れない。一方、可変電源電圧Vcc(例えば3.0V)が高い場合、トランジスタ279aおよびトランジスタ279bのエミッタ電位Ve(例えば1.2V程度)よりも、トランジスタ279aおよびトランジスタ279bのコレクタ電圧(例えば1.7V程度)が大きくなる。この場合、トランジスタ279aおよびトランジスタ279bに調整電流Iadが流れる。
【0032】
これにより、トランジスタ279aおよびトランジスタ279bから出力される調整電流Iadがトランジスタ273およびトランジスタ274から出力されるバイアス電流Ibbに加算されるため、バイアス電流Ibbが大きくなる。よって、図8に示すように、可変電源電圧Vccが高いときに、トランジスタ230およびトランジスタ240のそれぞれのベースに供給するバイアス電流Ibbが大きくなるため、電力増幅回路200のゲインが大きくなる。すなわち、調整回路280は、可変電源電圧Vccが高いときに、電力増幅回路200のゲインを大きくするように作用する。
【0033】
===第3実施形態に係る電力増幅回路300===
<<構成>>
図9を参照して、第3実施形態に係る電力増幅回路300について説明する。図9は、第3実施形態に係る電力増幅回路300の構成の一例を示す図である。図9に示すように、電力増幅回路300は、電力増幅回路100と比較して、調整回路380の構成及びバイアス回路370の構成が異なる。すなわち、トランジスタ310、バラン320、トランジスタ330,340、バラン350及びバイアス回路360は、トランジスタ110、バラン120、トランジスタ130,140、バラン150及びバイアス回路160と同じであるため、その説明を省略する。また、調整回路380は、電力増幅回路200の調整回路280と同じであるため、その説明を省略する。
【0034】
バイアス回路370は、例えば、トランジスタ330,340のベースに抵抗371,372を通じてバイアス電流Ibbを供給する。バイアス回路370は、トランジスタ373,374と、ダイオード375,376と、キャパシタ377と、抵抗378、ダイオード379a、抵抗379b、トランジスタ379cを備える。トランジスタ373,374、ダイオード375,376およびキャパシタ377は、トランジスタ173,174、ダイオード175,176およびキャパシタ177と同じであるためその説明を省略する。なお、バイアス回路370では、ダイオード375とダイオード376との間に、抵抗379eを通じて、調整回路380の接続点307が接続される。
【0035】
トランジスタ379cのコレクタは、ダイオード376のカソードに電気的に接続される。トランジスタ379cのエミッタは、基準電位と電気的に接続される。トランジスタ379cのベースは、ダイオード379aのカソードと電気的に接続される。ダイオード379aのアノードは、抵抗379bを通じて、電源端子379dに接続される。ダイオード379aは、例えばレベルシフタのためのダイオードである。電源端子379dは、一定の電圧または電流を供給する。すなわち、トランジスタ379cのベースには、電源端子379dから抵抗379bとダイオード379aを通じてベース電流が供給される。
【0036】
<<動作>>
電力増幅回路300では、ダイオード375のカソードの電位Vn1に、抵抗379eの電圧降下分と、ダイオード382のベース-エミッタ間電圧Vbeと、抵抗381の電圧降下分とを加えた合計の電圧値を、可変電源電圧Vccが上回る場合、調整回路380からバイアス回路370に調整電流Iadが流れる。同様に、ダイオード375のカソードの電位Vn1に、抵抗379eの電圧降下分と、ダイオード384のベース-エミッタ間電圧Vbeと、抵抗383の電圧降下分とを加えた合計の電圧値を、可変電源電圧Vccの電圧値が上回る場合、調整回路380からバイアス回路370に調整電流Iadが流れる。
【0037】
具体的には、可変電源電圧Vcc(例えば0V程度)が低い場合、可変電源電圧Vccよりもダイオード375のカソードの電位Vn1(例えば1.2V程度)の方が大きくなる。この場合、調整回路380からバイアス回路370に向かう調整電流Iadは流れない。一方、可変電源電圧Vcc(例えば3.0V)が高い場合、可変電源電圧Vccよりもダイオード375のカソードの電位Vn1(例えば1.2V程度)の方が小さくなる。この場合、調整回路380からバイアス回路370に向かう調整電流Iadが流れる。
【0038】
バイアス回路370に調整電流Iadが流れると、ダイオード375のカソードの電位が大きくなる。これにより、トランジスタ373およびトランジスタ374のベースに供給される電流が大きくなる。よって、可変電源電圧Vccが高いときに、トランジスタ330およびトランジスタ340それぞれのベースに供給するバイアス電流Ibbが大きくなるため、電力増幅回路300のゲインが大きくなる。すなわち、調整回路380は、可変電源電圧Vccが高いときに、電力増幅回路300のゲインを大きくするように作用する。
【0039】
さらに、電力増幅回路300は、ダイオード379a、抵抗379b及びトランジスタ379cによって、制御電圧がスタンバイ状態において、調整回路380からバイアス回路370に流入する電流を抑制する。具体的には、電力増幅回路300において、例えば、ダイオード379a、抵抗379b及びトランジスタ379cがない場合、トランジスタ330,340のコレクタから見たときに、抵抗381,383、ダイオード382,384、抵抗379e及びダイオード376を通じて、可変電源電圧Vccが供給されるパスが形成される。この場合、電源端子379dの制御電圧がスタンバイ状態になっている場合に、可変電源電圧Vccが上昇すると調整回路380からバイアス回路370に向かって電流が流れる。そこで、電力増幅回路300は、ダイオード379a、抵抗379b及びトランジスタ379cを設けて、制御電圧が例えば0Vになると、トランジスタ379cをオフにする。そうすると、電力増幅回路300では、抵抗381,383、ダイオード382,384、抵抗380a及びダイオード376を通じて基準電位につながるパスを遮断できる。これにより、可変電源電圧Vccが大きくなるときの調整回路380から基準電位に流れる電流を抑制できる。
【0040】
===第4実施形態に係る電力増幅回路400===
<<構成>>
図10を参照して、第4実施形態に係る電力増幅回路400について説明する。図10は、第4実施形態に係る電力増幅回路400の構成の一例を示す図である。図10に示すように、電力増幅回路400は、電力増幅回路100と比較して、調整回路480の構成及びバイアス回路470の構成が異なる。すなわち、トランジスタ410、バラン420、トランジスタ430,440、バラン450及びバイアス回路460は、トランジスタ110、バラン120、トランジスタ130,140、バラン150及びバイアス回路160と同じであるため、その説明を省略する。また、調整回路480は、電力増幅回路200の調整回路280と同じであるため、その説明を省略する。
【0041】
バイアス回路470は、例えば、トランジスタ430,440のベースに抵抗471,472を通じてバイアス電流Ibbを供給する。バイアス回路470は、トランジスタ473,474と、ダイオード475と、キャパシタ477と、トランジスタ479a,479dと、抵抗479b,479eと、キャパシタ479c,479fと、抵抗479gとを備える。トランジスタ473,474はエミッタフォロワトランジスタである。トランジスタ473,474のベースは、ダイオード475のアノードに接続され、キャパシタ477を通じてグランドに接続される。キャパシタ477は、例えば、トランジスタ473,474のベース電圧を一定にするためのキャパシタである。トランジスタ473のエミッタは、抵抗471を通じてトランジスタ430のベースに接続される。トランジスタ474のエミッタは、抵抗472を通じてトランジスタ440のベースに接続される。
【0042】
トランジスタ479aのコレクタは、抵抗479gを通じて接続点407に接続される。また、トランジスタ479aのコレクタは、ダイオード475のカソードに接続される。トランジスタ479aのベースは、抵抗479bを通じてトランジスタ473のエミッタに接続される。トランジスタ479aのエミッタは、基準電位に接続される。すなわち、トランジスタ473のエミッタから、抵抗479b、トランジスタ479a及びダイオード475を通じて、トランジスタ473のベースに至る経路は、フィードバック経路である。トランジスタ479aは、例えば、高調波信号をカットするためのキャパシタ479cを通じてコレクタとベースとが接続される。
【0043】
トランジスタ479dのコレクタは、抵抗479gを通じて接続点407に接続される。また、トランジスタ479dのコレクタは、ダイオード475のカソードに接続される。トランジスタ479dのベースは、抵抗479eを通じてトランジスタ474のエミッタに接続される。トランジスタ479dのエミッタは、基準電位に接続される。すなわち、バイアス回路470は、トランジスタ474のエミッタから、抵抗479e、トランジスタ479d及びダイオード475を通じて、トランジスタ474のベースに至る経路によって、フィードバック回路を形成する。トランジスタ479dは、例えば、ベースに入力される高調波信号をカットするためのキャパシタ479fを通じてコレクタとベースとが接続される。
【0044】
なお、上記において、キャパシタ479cはトランジスタ479aのコレクタとベースとを接続し、キャパシタ479fはトランジスタ479dのコレクタとベースとを接続するとして説明したが、これに限定されない。例えば、キャパシタ479cは、トランジスタ479aのベースまたはコレクタと基準電位とを接続するように設けられていてもよい。同様に、キャパシタ479fは、トランジスタ479dのベースまたはコレクタと基準電位とを接続するように設けられていてもよい。すなわち、キャパシタ479c,479fは、トランジスタ479a,479dに入力される高調波信号を遮断できればよく、その接続箇所については限定されない。
【0045】
<<動作>>
電力増幅回路400では、ダイオード475のカソードの電位Vn2に、抵抗479gの電圧降下分と、ダイオード482のベース-エミッタ間電圧Vbeと、抵抗481の電圧降下分とを加えた合計の電圧値を、可変電源電圧Vccが上回る場合、調整回路480からバイアス回路470に調整電流Iadが流れる。同様に、ダイオード475のカソードの電位Vn2に、抵抗479gの電圧降下分と、ダイオード484のベース-エミッタ間電圧Vbeと、抵抗483の電圧降下分とを加えた合計の電圧値を、可変電源電圧Vccの電圧値が上回る場合、調整回路480からバイアス回路470に調整電流Iadが流れる。
【0046】
具体的には、可変電源電圧Vcc(例えば0V程度)が低い場合、可変電源電圧Vccよりもダイオード475のカソードの電位Vn2(例えば1.2V程度)の方が大きくなる。この場合、調整回路480からバイアス回路470に向かう調整電流Iadは流れない。一方、可変電源電圧Vcc(例えば3.0V)が高い場合、可変電源電圧Vccよりもダイオード475のカソードの電位Vn2(例えば1.2V程度)の方が小さくなる。この場合、調整回路480からバイアス回路470に向かう調整電流Iadが流れる。
【0047】
バイアス回路470に調整電流Iadが流れると、ダイオード475のカソードの電位が大きくなる。これにより、トランジスタ473およびトランジスタ474のベースに供給される電流が大きくなる。よって、可変電源電圧Vccが高いときに、トランジスタ430およびトランジスタ440それぞれのベースに供給するバイアス電流Ibbが大きくなるため、電力増幅回路400のゲインが大きくなる。すなわち、調整回路480は、可変電源電圧Vccが高いときに、電力増幅回路400のゲインを大きくするように作用する。
【0048】
さらに、電力増幅回路400では、トランジスタ474のエミッタから、抵抗479e、トランジスタ479d及びダイオード475を通じて、トランジスタ474のベースに至る経路によって、フィードバック回路が形成される。フィードバック回路は、バイアス回路470の出力電圧を安定させる。具体的には、トランジスタ473を含むフィードバック回路は、トランジスタ473の出力電流が大きくなると、トランジスタ479aのベース電流が大きくなる。そうすると、電源端子479からダイオード475に流れる電流が大きくなるため、トランジスタ473のベースに流れる電流が小さくなる。これにより、バイアス回路470の出力電圧が安定する。トランジスタ474を含むフィードバック回路についても同様である。
【0049】
===変形例===
図11図12を参照して、変形例に係る電力増幅回路100a,200aの構成について説明する。図11図12は、変形例に係る電力増幅回路100a,200aの構成の一例を示す図である。なお、図11は、一例として、図1に示す電力増幅回路100と異なる部分について、図1とは異なる符号を付した図である。また、図12では、一例として、図2に示す電力増幅回路200と異なる部分について、図2とは異なる符号を付した図である。
【0050】
図11に示すように、電力増幅回路100aは、調整回路180aを含む。調整回路180aは、抵抗181と、抵抗183とが接続点107で電気的に接続され、接続点107とバイアス回路170との間にダイオード182aが電気的に接続される。ダイオード182aは、カソードが接続点107に接続され、アノードがバイアス回路170に接続される。ダイオード182aは、例えばレベルシフタのためのダイオードである。ダイオード182aは、例えば、ダイオード接続されたトランジスタであってもよい。電力増幅回路100aは、電力増幅回路100と比較して、ダイオード182およびダイオード184に代えて一つのダイオード182aで構成されることで、回路の小型化を実現できる。
【0051】
なお、図11では、一例として、電力増幅回路100の調整回路180と異なる部分について説明したが、これに限定されない。例えば、図6に示す電力増幅回路200のダイオード282およびダイオード284に代えて、カソードが接続点207に接続され、アノードがバイアス回路270に接続されるダイオードを備えていてもよい。
【0052】
図12に示すように、電力増幅回路200aの調整回路280aは、ダイオード282a,284aを有する。ダイオード282a,284aは、ベースとコレクタとをダイオード接続されるトランジスタであってもよいし、ベースとエミッタとをダイオード接続されるトランジスタであってもよい。
【0053】
===まとめ===
第1実施形態に係る電力増幅回路100は、コレクタ(出力端子)に可変電源電圧Vcc(電源電圧)が供給され、ベース(入力端子)に入力される高調波信号を増幅するトランジスタ130(第1増幅素子)と、トランジスタ130(第1増幅素子)と差動増幅回路を形成し、コレクタ(出力端子)に可変電源電圧Vcc(電源電圧)が供給され、ベース(入力端子)に入力される高調波信号を増幅するトランジスタ140(第2増幅素子)と、トランジスタ130(第1増幅素子)のベース(入力端子)およびトランジスタ140(第2増幅素子)のベース(入力端子)にバイアスを供給するバイアス回路170と、トランジスタ130(第1増幅素子)のコレクタ(出力端子)に一端が電気的に接続される抵抗181(第1抵抗素子)と、トランジスタ140(第2増幅素子)のコレクタ(出力端子)に一端が電気的に接続され、他端が抵抗181(第1抵抗素子)の他端と電気的に直列に接続される抵抗183(第2抵抗素子)と、を備え、バイアス回路170は、抵抗181(第1抵抗素子)の他端と抵抗183(第2抵抗素子)の他端とが電気的に直列に接続される部分における接続点107に電気的に接続される。これにより、電力増幅回路100は、バイアス回路170への電流の回り込みを抑制しつつ、ゲインディスパージョンの特性を改善できる。
【0054】
また、第1実施形態に係る電力増幅回路100のバイアス回路170は、抵抗181(第1抵抗素子)及び抵抗183(第2抵抗素子)との関係で仮想接地となる接続点107と電気的に接続される。これにより、電力増幅回路100は、バイアス回路170への電流の回り込みを抑制しつつ、ゲインディスパージョンの特性を改善できる。
【0055】
また、第1実施形態に係る電力増幅回路100は、トランジスタ130(第1増幅素子)に供給される電源電圧およびトランジスタ140(第2増幅素子)に供給される電源電圧に応じて、バイアスを調整するための電流である調整電流が接続点107からバイアス回路170に供給され、又は調整電流がバイアス回路170から接続点107に供給される。これにより、電力増幅回路100は、ゲインディスパージョンの特性を改善できる。
【0056】
また、第1実施形態に係る電力増幅回路100は、接続点107と、バイアス回路170と、の間に電気的に直列に接続されるダイオード182aをさらに備える。これにより、電力増幅回路100は、簡易な構成によって、バイアス回路170への電流の回り込みを抑制しつつ、ゲインディスパージョンの特性を改善できる。
【0057】
また、第1実施形態に係る電力増幅回路100は、トランジスタ130(第1増幅素子)のコレクタ(出力端子)と、接続点107と、の間で、抵抗181(第1抵抗素子)と電気的に直列に接続されるダイオード182(第2ダイオード)と、トランジスタ140(第2増幅素子)のコレクタ(出力端子)と、接続点107と、の間で、抵抗183(第2抵抗素子)と電気的に直列に接続されるダイオード184(第3ダイオード)と、をさらに備える。これにより、電力増幅回路100は、バイアス回路170への電流の回り込みを抑制しつつ、ゲインディスパージョンの特性を改善できる。
【0058】
また、第1実施形態に係る電力増幅回路100は、ダイオード182(第2ダイオード)は、カソードがトランジスタ130(第1増幅素子)のコレクタ(出力端子)に電気的に接続され、アノードが接続点107に電気的に接続され、ダイオード184(第3ダイオード)は、カソードがトランジスタ140(第2増幅素子)のコレクタ(出力端子)に電気的に接続され、アノードが接続点107に電気的に接続される。これにより、電力増幅回路100は、可変電源電圧Vccが小さいときの電力増幅回路100のゲインディスパージョンの特性を改善できる。また、電力増幅回路100は、接続点107が仮想接地から少しずれた場合でも、バイアス回路170への高調波信号の回り込みを抑制できる。
【0059】
また、第1実施形態に係る電力増幅回路100は、ダイオード182(第2ダイオード)およびダイオード184(第3ダイオード)は、ベースまたはゲートと、コレクタまたはドレインと、が電気的に接続されるダイオード接続型のトランジスタである。これにより、電力増幅回路100は、耐圧が高くなるため安定的な回路を実現できる。
【0060】
また、第1実施形態に係る電力増幅回路100のバイアス回路170は、可変電源電圧Vccがコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースがトランジスタ130(第1増幅素子)のベース(入力端子)に電気的に接続されるトランジスタ173(第1トランジスタ)と、可変電源電圧Vccがコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースがトランジスタ140(第2増幅素子)のベース(入力端子)に電気的に接続されるトランジスタ174(第2トランジスタ)と、を含み、トランジスタ173(第1トランジスタ)およびトランジスタ174(第2トランジスタ)のベースまたはゲートは、ダイオード175,176(第4ダイオード)を通じて基準電位と電気的に接続されるとともに、接続点107に電気的に接続される。これにより、電力増幅回路100は、可変電源電圧Vccが小さいときのゲインディスパージョンの特性を改善できる。
【0061】
また、第1実施形態に係る電力増幅回路100のバイアス回路170は、ダイオード175,176(第4ダイオード)と電気的に並列に設けられ、トランジスタ173(第1トランジスタ)のベースまたはゲートと基準電位との間に電気的に接続されるキャパシタ177(第1キャパシタ)をさらに含む。これにより、電力増幅回路100は、トランジスタ173,174のベース電圧を一定にすることができるため、バイアスを安定させることができる。
【0062】
また、第2実施形態に係る電力増幅回路200は、ダイオード282(第2ダイオード)は、アノードがトランジスタ230(第1増幅素子)のコレクタ(出力端子)に電気的に接続され、カソードが接続点207に電気的に接続され、ダイオード282(第3ダイオード)は、アノードがトランジスタ240(第2増幅素子)のコレクタ(出力端子)に電気的に接続され、カソードが接続点207に電気的に接続される。これにより、電力増幅回路200は、可変電源電圧Vccが大きいときのゲインディスパージョンの特性を改善できる。
【0063】
また、第2実施形態に係る電力増幅回路200は、ダイオード282(第2ダイオード)およびダイオード282(第3ダイオード)は、ベースまたはゲートと、コレクタまたはドレインと、が電気的に接続されるダイオード接続型のトランジスタである。これにより、電力増幅回路200は、可変電源電圧Vccが大きいときのゲインディスパージョンの特性を改善できる。また、電力増幅回路200は、接続点207が仮想接地から少しずれた場合でも、バイアス回路270への高調波信号の回り込みを抑制できる。
【0064】
また、第2実施形態に係る電力増幅回路200のバイアス回路270は、可変電源電圧Vccがコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースがトランジスタ230(第1増幅素子)のベース(入力端子)に電気的に接続されるトランジスタ273(第1トランジスタ)と、可変電源電圧Vccがコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースがトランジスタ240(第2増幅素子)のベース(入力端子)に電気的に接続されるトランジスタ274(第2トランジスタ)と、ベースまたはゲートがトランジスタ273(第1トランジスタ)のベースまたはゲートと電気的に接続され、コレクタまたはドレインが接続点207に電気的に接続され、エミッタまたはソースがトランジスタ273(第1トランジスタ)のエミッタまたはソースと電気的に接続されるトランジスタ279a(第3トランジスタ)と、ベースまたはゲートがトランジスタ274(第2トランジスタ)のベースまたはゲートと電気的に接続され、コレクタまたはドレインが接続点207に電気的に接続され、エミッタまたはソースがトランジスタ274(第2トランジスタ)のエミッタまたはソースと電気的に接続されるトランジスタ279b(第4トランジスタ)と、を含み、トランジスタ273(第1トランジスタ)およびトランジスタ274(第2トランジスタ)のベースまたはゲートは、ダイオード275,276(第4ダイオード)を通じて基準電位と電気的に接続される。これにより、電力増幅回路200は、可変電源電圧Vccが大きいときのゲインディスパージョンの特性を改善できる。
【0065】
また、第3実施形態に係る電力増幅回路300のバイアス回路370は、可変電源電圧Vccがコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースがトランジスタ330(第1増幅素子)のベース(入力端子)に電気的に接続されるトランジスタ373(第1トランジスタ)と、可変電源電圧Vccがコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースがトランジスタ340(第2増幅素子)のベース(入力端子)に電気的に接続されるトランジスタ374(第2トランジスタ)と、コレクタまたはドレインがダイオード375,376(第4ダイオード)を通じてトランジスタ373(第1トランジスタ)およびトランジスタ374(第2トランジスタ)のベースまたはゲートと電気的に接続され、ベースまたはゲートに抵抗379b(第5抵抗素子)を通じて電源電圧が供給され、エミッタまたはソースが基準電位に電気的に接続されるトランジスタ379c(第5トランジスタ)と、を含む。これにより、可変電源電圧Vccが大きくなるときの調整回路380から基準電位に流れる電流を抑制できる。
【0066】
また、第4実施形態に係る電力増幅回路400のバイアス回路470は、可変電源電圧Vccがコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースがトランジスタ430(第1増幅素子)のベース(入力端子)に電気的に接続されるトランジスタ473(第1トランジスタ)と、可変電源電圧Vccがコレクタまたはドレインに供給され、エミッタまたはソースがトランジスタ440(第2増幅素子)のベース(入力端子)に電気的に接続されるトランジスタ474(第2トランジスタ)と、ベースまたはゲートがトランジスタ473(第1トランジスタ)のエミッタまたはソースと電気的に接続され、エミッタまたはソースが基準電位に電気的に接続されるトランジスタ479a(第6トランジスタ)と、接続点407からトランジスタ479a(第6トランジスタ)のベースまたはゲートに入力される高調波信号をカットするためのキャパシタ479c(第2キャパシタ)と、ベースまたはゲートがトランジスタ474(第2トランジスタ)のエミッタまたはソースと電気的に接続され、エミッタまたはソースが基準電位に電気的に接続されるトランジスタ479d(第7トランジスタ)と、接続点407からトランジスタ479d(第7トランジスタ)のベースまたはゲートに入力される高調波信号をカットするためのキャパシタ479f(第3キャパシタ)と、を含む。これにより、バイアス回路470の出力電圧が安定する。
【0067】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更又は改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。実施形態が備える素子及びその配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0068】
100,200,300,400…電力増幅回路、130,230,330,430…トランジスタ、140,240,340,440…トランジスタ、170,270,370,470…バイアス回路、180,280,380,480…調整回路、181,281,381,481…抵抗、183,283,383,483…抵抗
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