(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143079
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】皮膚外用剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/717 20060101AFI20230928BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230928BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230928BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230928BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230928BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
A61K31/717
A61Q19/00
A61K8/73
A61K8/34
A61P17/00
A61K31/045
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050271
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下村 明日香
(72)【発明者】
【氏名】山科 拓也
【テーマコード(参考)】
4C083
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC302
4C083AC432
4C083AD092
4C083AD261
4C083AD262
4C083AD532
4C083CC03
4C083CC17
4C083DD08
4C083DD41
4C083EE11
4C086AA01
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4C086EA20
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA63
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA03
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA83
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA89
4C206ZC75
(57)【要約】
【課題】白浮きの発生が抑制され、かつ組成物の速乾性および汗の速乾性に優れた皮膚外用剤組成物を提供すること。
【解決手段】セルロースナノファイバーを0.05~0.9質量%、およびエタノールを12~80質量%含有する皮膚外用剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)を0.05~0.9質量%、および下記成分(B)を12~80質量%含有する皮膚外用剤組成物。
成分(A):セルロースナノファイバー
成分(B):エタノール
【請求項2】
前記セルロースナノファイバーの0.5質量%水溶液の波長660nmでの透過率が50~75%である、請求項1記載の皮膚外用剤組成物。
【請求項3】
請求項1または2記載の皮膚外用剤組成物をミスト容器に充填した清涼化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、汗による不快感や衣服への汗じみを抑制することなどを目的とした化粧料が提案されている。このような化粧料においては、制汗剤成分により汗の発生を抑える技術や、汗の速乾性を向上させる技術が用いられている。汗の速乾性を向上させる技術としては、シリカなどの粉体を配合する技術が知られているが、使用箇所に多量の粉体を塗布するため、粉が浮いて白くなる白浮きが発生するという問題がある。
【0003】
一方、各種繊維状セルロースを化粧料に配合する技術も提案されている。例えば、特許文献1には、所定の微細繊維状セルロースおよび界面活性剤を配合することで、感触の良いゲル状の香粧品組成物が得られることが、特許文献2には、繊維状セルロースおよび殺菌剤等を配合することで、殺菌剤等の耐汗性が向上することが開示されている。また、特許文献3には、セルロースナノファイバーおよび水溶性高分子を配合することで、吸水性組成物の液保持性が向上する技術が記載されており、セルロースナノファイバーは、おむつ等の吸収性物品に用いられる吸収性材料としての機能が期待されていることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-62332号公報
【特許文献2】特開2016-64996号公報
【特許文献3】特開2021-42376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、白浮きの発生が抑制され、かつ組成物の速乾性および汗の速乾性に優れた皮膚外用剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、該組成物に所定量のセルロースナノファイバーおよびエタノールを配合することにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は
〔1〕下記成分(A)を0.05~0.9質量%、および下記成分(B)を12~80質量%含有する皮膚外用剤組成物、
成分(A):セルロースナノファイバー
成分(B):エタノール
〔2〕前記セルロースナノファイバーの0.5質量%水溶液の波長660nmでの透過率が50~75%である、上記〔1〕記載の皮膚外用剤組成物、
〔3〕上記〔1〕または〔2〕記載の皮膚外用剤組成物をミスト容器に充填した清涼化粧料、に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の皮膚外用剤組成物は、白浮きの発生が抑制され、かつ組成物の速乾性および汗の速乾性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
所定量のセルロースナノファイバーおよびエタノールを配合することで、得られた皮膚外用剤組成物は、白浮きの発生が抑制され、かつ組成物の速乾性および汗の速乾性が顕著に改善される。その理由については、理論に拘束されることは意図しないが、以下のように考えられる。すなわち、セルロースナノファイバーが、白浮きすることなく塗布部位に残留し、メッシュ状の薄膜を形成することで、汗の速乾性を付与できると推測される。また、エタノールを配合することにより、組成物自体の速乾性が向上することで、前記メッシュ状の薄膜をより形成させやすくすることができる。そして、これらが協働することで、白浮きの発生が抑制され、かつ組成物の速乾性および汗の速乾性が顕著に改善するという、特筆すべき効果が達成されると考えられる。
【0010】
本実施形態に係る皮膚外用剤組成物に含有される上記各成分の含有量は、それぞれ、皮膚外用剤組成物中の合計含有量が100質量%以下となるように、記載の範囲内から適宜選択することができる。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
【0011】
なお、本明細書においては、上記セルロースナノファイバーを「成分(A)」;上記エタノールを「成分(B)」と称する場合がある。
【0012】
<成分(A):セルロースナノファイバー>
セルロースナノファイバー(CNF)は、セルロース繊維を解繊したものであり、セルロース繊維としては、植物由来のパルプ、木材、コットン、麻、竹、綿、ケナフ、ヘンプ、ジュート、バナナ、ココナッツ、キャッサバ、海草、お茶葉、農作物残廃物、古紙等の植物繊維から分離した繊維等が挙げられる。
【0013】
本実施形態に係るCNFには、植物由来のセルロースのミクロフィブリル(またはその構成繊維)を原料とするもの以外に、酢酸菌等の微生物より産出されたバクテリアセルロース(BC)、リグノセルロースナノファイバー(LCNF)、電界紡糸法により得られるCNF等も含まれる。LCNFは、リグニンを含有するCNF(リグニン被覆CNF)である。また、電界紡糸法(エレクトロスピニング法)により得られるCNFは、電圧を印加しつつ、セルロース系材料の溶液を紡糸することで得られるCNFである。
【0014】
CNFは、変性されていてもよい。変性の態様は、その目的に応じて選択でき、例えば、疎水化、官能基の導入などが挙げられる。具体的な変性としては、酸変性[例えば、カルボキシル化(カルボキシメチル化など)、リン酸化、硫酸またはスルホン化など]、エステルまたはアシル変性(アセチル化など)、アミン変性、アミド変性、エポキシ変性、フルオレン変性等が挙げられる。なお、酸基やアミン基は塩を形成していてもよい。
【0015】
CNFは、大王製紙(株)、日本製紙(株)、第一工業製薬(株)、ダイセルミライズ(株)等より製造販売されているものを使用することができる。また、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
【0016】
CNFの繊維幅(平均繊維径)は、1.0nm以上が好ましく、2.0nm以上がより好ましく、3.0nm以上がさらに好ましい。また、CNFの繊維幅は、1000nm以下が好ましく、800nm以下がより好ましく、400nm以下がさらに好ましく、100nm以下が特に好ましい。
【0017】
CNFの0.5質量%水溶液の波長660nmでの透過率は、50~75%が好ましく、55~70%がより好ましい。透過率を前記の範囲とすることにより、CNFの沈降が抑制され、分散性が向上する傾向がある。
【0018】
皮膚外用剤組成物中の成分(A)の含有量は、汗の速乾性の観点から、0.05質量%以上であり、0.10質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましく、0.20質量%以上がさらに好ましい。また、製剤化の観点からは、0.9質量%以下であり、0.8質量%以下が好ましく、0.7質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下がさらに好ましい。
【0019】
<成分(B):エタノール>
皮膚外用剤組成物中の成分(B)の含有量は、使用感(清涼感)および組成物の速乾性の観点から、12.0質量%以上であり、13.0質量%以上が好ましく、14.0質量%以上がより好ましく、15.0質量%以上がさらに好ましい。また、刺激性の観点からは、80.0質量%以下であり、78.0質量%以下が好ましく、75.0質量%以下がより好ましく、72.0質量%以下がさらに好ましい。
【0020】
<水>
本実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、任意成分として水を含有することが好ましい。本実施形態において使用可能な水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水等が挙げられる。
【0021】
皮膚外用剤組成物中の水の含有量は、特に制限されず、成分(A)、成分(B)、およびその他の成分を除いた残部を、その含有量とすることができる。水溶性成分の溶解性を担保する観点から、水の含有量は、9.0質量%以上が好ましく、19.0質量%以上がより好ましく、29.0質量%以上がさらに好ましい。また、組成物の速乾性および汗の速乾性の観点から、87.0質量%以下が好ましく、85.0質量%以下がより好ましく、83.0質量%以下がさらに好ましい。
【0022】
<その他の成分>
本実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、成分(A)、成分(B)、および水以外の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、制汗剤、界面活性剤、成分(A)以外の増粘剤、粉体、清涼化剤、香料、色素、防腐剤、酸化防止剤、ビタミン類、動植物抽出物、金属イオン封鎖剤等が挙げられる。
【0023】
制汗剤は、皮膚を収斂することにより汗の発生を抑制する薬剤である。制汗剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛等が挙げられる。これらの制汗剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等のノニオン界面活性剤;高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N-アシル-N-メチル-β-アラニン塩、N-アシルグリシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸およびその塩、N-アシルサルコシンおよびその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩等のアニオン界面活性剤;アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩等のアミン塩、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等の環式4級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム等のカチオン界面活性剤;アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩等のグリシン型両性界面活性剤、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤等の両性界面活性剤等が挙げられる。なかでも、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルおよびポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油がより好ましく、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油がさらに好ましい。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
成分(A)以外の増粘剤としては、グアーガム、デキストリン、デンプンおよびペクチン等の植物由来多糖系化合物;キトサンおよびヒアルロン酸等の動物由来多糖系化合物;キサンタンガム、シクロデキストリン、プルランおよびヒアルロン酸等の微生物由来多糖系化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース等の非イオン性セルロース;カルボキシメチルセルロース等の陰イオン性セルロース;塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース等のカチオン化セルロース;塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアーガム等のカチオン化グアーガム;カルボキシビニルポリマー;アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。これらの増粘剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
粉体としては、例えば、ナイロン、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン、セルロース、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、シルセスキオキサン等の有機粉体;シリカ、タルク、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機粉体が挙げられる。これらの粉体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
清涼化剤としては、特に限定されないが、例えば、l-メントール、メンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル、ハッカ油、ペパーミント油、カンファー、イシリン等が挙げられる。
【0028】
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、トコフェロールおよびその誘導体、アスコルビン酸およびその誘導体等が挙げられる。
【0029】
金属イオン封鎖剤(キレート剤)としては、特に限定されないが、例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸、リン酸、ポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0030】
本実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、医薬品、医薬部外品、化粧品等として使用することができる。化粧品としては、清涼化粧料、デオドラント剤、防臭化粧料、制汗化粧料
等として使用することができる。
【0031】
本実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、ミスト(ノンエアゾール型)、スプレー(エアゾール型)、ローション、スティック、ロールオン、クリーム、ジェル、乳液、シート化粧料等の種々の形態に用いることができる。なかでも、外用剤が均一に塗布され、CNFの効果が発揮されやすいことから、ミスト製剤が好ましい。
【0032】
皮膚外用剤組成物を充填する容器としては、特に限定されないが、例えば、エアゾール容器、ミスト容器、ポンプ容器、ヒンジボトル容器、スクリューボトル容器、ジャー容器、チューブ容器、圧力缶吐出容器、遮光容器、コンパクト容器、金皿、スティック容器、繰り出し容器、混合液吐出口を備えた仕切り付き容器等が挙げられ、ミスト容器が好ましい。
【0033】
皮膚外用剤組成物の粘度は、特に限定されないが、25℃の測定条件下で、500~500000mPa・sが好ましく、1000~100000mPa・sがより好ましい。なお、上記粘度は、例えば、TVB型回転粘度計(TVB-22L、東機産業(株)製)を用いて測定することができる。
【0034】
本実施形態に係る皮膚外用剤組成物の製剤化は、一般に知られている製造方法により行うことができる。
【実施例0035】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。なお、各配合量は、有効成分ないし固形成分の配合量であり、「質量%」で表す。
【0036】
以下、実施例および比較例において用いた各種材料をまとめて示す。なお「透過率」は、各CNFの0.5質量%水溶液の、23℃、波長660nmでの透過率を示す。
CNF1:第一工業製薬(株)製のレオクリスタC-2SP(繊維幅:約3nm、透過率:62.1%)
CNF2:日本製紙(株)製のセレンピアCS-01C(繊維幅:3~4nm、透過率:6.58%)
CNF3:大王製紙(株)製のELLEX-S(繊維幅:20nm~数百nm、透過率:0.243%)
セルロース微粒子パウダー:JNC(株)製のセルフローC-25(真球状、平均粒子径:8~10μm)
界面活性剤:青木油脂工業(株)製のブラウノンRCW-60(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.))
【0037】
(実施例および比較例)
表1および表2に示した組成(配合量)に従い、各成分を混合し、皮膚外用剤組成物を調製した。CNFは全て手攪拌で分散させた。得られた各皮膚外用剤組成物につき、下記評価を行った。なお、実施例3~6はCNFの沈殿が見られたため、塗布前に均一になるように振盪した後使用した。また、比較例5は粘度が高くなりすぎ、製剤化が困難であったため、下記の評価は行なわなかった。
【0038】
(1)塗布後の白浮き
風乾後の塗布部位につき、目視で白浮きの有無を確認した。
【0039】
(2)組成物の速乾性
各皮膚外用剤組成物40μLをピペットマンで2cm×2cmの範囲でバイオスキンに塗布した後、溶媒を完全に風乾させ、塗布後から溶媒が完全に乾くまでの時間を測定した(温度:23℃、RH:42%)。
[評価基準]
A:15分未満で乾燥
B:15分以上20分未満で乾燥
C:20分で乾燥しない
【0040】
(3)汗の速乾性
人工汗10μLを、前記(2)で作成したバイオスキン上の2cm×2cm皮膜の上に滴下し、完全に乾くまでの時間を測定した(温度:23℃、RH:42%)。
[評価基準]
A:25分未満で乾燥
B:25分以上30分未満で乾燥
C:30分で乾燥しない
【0041】
【0042】
【0043】
表1および表2の結果より、本実施形態に係る皮膚外用剤組成物は、白浮きの発生が抑制され、かつ組成物の速乾性および汗の速乾性に優れることがわかる。
【0044】
処方例1:清涼ミスト
セルロースナノファイバー 0.5質量%
エタノール 16.0質量%
メントール 0.1質量%
1,3-ブチレングリコール 5.0質量%
PEG50水添ヒマシ油 0.8質量%
クエン酸 0.01質量%
クエン酸Na 0.03質量%
香料 0.01質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
【0045】
処方例2:清涼ジェル
セルロースナノファイバー 0.6質量%
エタノール 50.0質量%
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))
クロスポリマー 0.1質量%
水酸化カリウム 0.05質量%
メントール 0.1質量%
1,3-ブチレングリコール 5.0質量%
クエン酸 0.1質量%
クエン酸Na 0.3質量%
香料 0.1質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%