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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143122
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230928BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H01L21/304 648D
H01L21/304 651J
H01L21/304 648A
B08B3/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050335
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000134028
【氏名又は名称】株式会社SCREEN SPE テック
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】柴本 邦雄
(72)【発明者】
【氏名】松田 将平
【テーマコード(参考)】
3B201
5F157
【Fターム(参考)】
3B201AA03
3B201AA46
3B201AB03
3B201AB44
3B201BB02
3B201BB95
3B201BB96
3B201CB12
3B201CC12
5F157AB03
5F157AB13
5F157AB34
5F157BB02
5F157CB23
5F157DB02
5F157DB32
5F157DB37
(57)【要約】
【課題】基板と基板との間に液体が残ることを抑制できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置100は、貯留槽11と、当接部42とを備える。貯留槽11は、処理液LQを貯留する。当接部42は、貯留槽11中で第1基板W1及び第2基板W2と当接する。当接部42は、第1基板W1の下端面を第1位置に配置するとともに、第2基板W2の下端面を第2位置に配置する。上下方向において第1位置と第2位置とは異なる。基板処理装置100は、貯留槽11中から処理液LQを排出する排液部70を更に備えることが好ましい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽中で第1基板及び第2基板と当接する当接部と、
を備え、
前記当接部は、前記第1基板の下端面を第1位置に配置するとともに、前記第2基板の下端面を第2位置に配置し、
上下方向において前記第1位置と前記第2位置とは異なる、基板処理装置。
【請求項2】
前記貯留槽中から前記処理液を排出する排液部を更に備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記当接部を前記上下方向に移動させる移動部を更に備え、
前記当接部は、前記第1基板及び前記第2基板を保持する、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1基板及び前記第2基板を保持する保持部と、
前記保持部を前記上下方向に移動させる移動部と
を更に備え、
前記当接部は、前記貯留槽中の下部に配置される、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
複数の前記第1基板と、複数の前記第2基板とを前記処理液で処理する基板処理装置であって、
水平方向において、前記第1基板と前記第2基板とは交互に配置される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の基板に対して一括で乾燥を行うバッチ式の基板乾燥装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これら複数の基板はキャリアに収納された状態で、基板乾燥装置に搬送される。基板乾燥装置は乾燥チャンバ内にキャリア受け部を備えており、キャリア受け部は、複数の基板を収納したキャリアを受け取って支持する。
【0003】
乾燥チャンバの下部には、排気口が設けられている。また、乾燥チャンバ内には、上部吹き出し部、ヒータ及び側部吹き出し部が設けられている。上部吹き出し部は、キャリアよりも上側に設けられており、キャリアに向けて乾燥用空気を吹き出す。ヒータは上部吹き出し部とキャリアとの間に設けられており、通気性を有している。ヒータは自身を通過する乾燥用空気を加熱する。側部吹き出し部はキャリアよりも側方に設けられており、キャリアに向けて乾燥用空気を吹き出す。
【0004】
ヒータを通過した乾燥用空気、及び、側部吹き出し部から吹き出された乾燥用空気は、キャリア内の複数の基板の相互間を通過する。これにより、基板を乾燥させることができる。複数の基板の相互間を通過した乾燥用空気はキャリア受け部を通過し、その一部は排気口から排気され、残りの一部は再び乾燥チャンバの上部へと循環する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-244276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の基板乾燥装置では、複数の基板に対して処理液で処理を行う処理工程を行った後、複数の基板に対して乾燥工程を行う。このとき、基板と基板との間に処理液が残っていない状態で、処理工程から乾燥工程へ移行することが好ましい。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、基板と基板との間に処理液が残ることを抑制できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、貯留槽と、当接部とを備える。前記貯留槽は、処理液を貯留する。前記当接部は、前記貯留槽中で第1基板及び第2基板と当接する。前記当接部は、前記第1基板の下端面を第1位置に配置するとともに、前記第2基板の下端面を第2位置に配置する。上下方向において前記第1位置と前記第2位置とは異なる。
【0009】
本発明の基板処理装置は、前記貯留槽中から前記処理液を排出する排液部を更に備えることが好ましい。
【0010】
本発明の基板処理装置は、前記当接部を前記上下方向に移動させる移動部を更に備え、前記当接部は、前記第1基板及び前記第2基板を保持することが好ましい。
【0011】
本発明の基板処理装置は、前記第1基板及び前記第2基板を保持する保持部と、前記保持部を前記上下方向に移動させる移動部とを更に備え、前記当接部は、前記貯留槽中の下部に配置されることが好ましい。
【0012】
本発明の基板処理装置は、複数の前記第1基板と、複数の前記第2基板とを前記処理液で処理する基板処理装置であって、水平方向において、前記第1基板と前記第2基板とは交互に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板と基板との間に処理液が残ることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態1に係る基板処理装置を示す断面図である。
図2】実施形態1に係る処理装置を示す断面図である。
図3】実施形態1に係るキャリアを示す断面図である。
図4】実施形態1に係るキャリアを示す拡大断面図である。
図5】実施形態1に係る基板を示す拡大断面図である。
図6】実施形態1に係る乾燥装置を示す断面図である。
図7】実施形態1に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態2に係る処理装置を示す断面図である。
図9】実施形態2に係る処理装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、本発明の実施形態において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交し、X軸及びY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0016】
<実施形態1>
図1を参照して、本発明の実施形態1に係る基板処理装置100を説明する。図1は、基板処理装置100を示す断面図である。図1に示すように、基板処理装置100は、バッチ式である。従って、基板処理装置100は、処理液LQによって複数の基板Wを一括して処理工程を実行した後、処理気体AQによって複数の基板Wを一括して乾燥工程を実行する。具体的には、基板処理装置100は、複数のロットを一括して洗浄処理した後、複数のロットを一括して乾燥処理する。複数のロットの各々は複数の基板Wからなる。例えば、1ロットは50枚の基板Wからなる。基板Wは、例えば、略円板状である。
【0017】
基板Wは、例えば、半導体ウェハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、又は、太陽電池用基板である。半導体ウェハは、例えば、三次元フラッシュメモリー(例えば三次元NANDフラッシュメモリー)を形成するためのパターンを有する。
【0018】
具体的には、基板処理装置100は、処理装置10と、乾燥装置20と、キャリア40と、制御装置60とを備える。キャリア40は、「保持部」の一例である。
【0019】
キャリア40は、例えば、フッ素樹脂によって構成されており、複数の基板Wを保持する。詳細には、複数の基板Wは、第1方向DA(Y方向)に沿って、所定間隔を空けて一列に配列される。換言すれば、第1方向DAは、複数の基板Wの配列方向を示す。第1方向DAは、水平方向に略平行である。また、複数の基板Wの各々は、第2方向DBに略平行である。第2方向DBは、第1方向DAに略直交し、水平方向に略平行である。
【0020】
制御装置60は、例えば、コンピューターである。詳細には、制御装置60は、制御部61と、記憶装置62とを含む。
【0021】
記憶装置62は、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。記憶装置62は、例えば、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリーを含む。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び/又は、ハードディスクドライブを含む。
【0022】
制御部61は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを含む。
【0023】
続けて図1及び図2を参照して、処理装置10を説明する。図2は、実施形態1に係る処理装置10を示す模式断面図である。具体的には、図1は、基板Wを貯留槽11に投入した後の処理装置10の断面図である。また、図2は、基板Wを貯留槽11に投入する前の処理装置10の断面図である。
【0024】
処理液LQにより、複数の基板Wには、エッチング処理、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去及び洗浄のうちの少なくとも1つが行われる。例えば、基板処理装置100は、シリコン基板からなる基板Wのパターン形成側の表面に対して、シリコン酸化膜(SiO2膜)及びシリコン窒化膜(SiN膜)のエッチング処理を施す。このようなエッチング処理では、基板Wの表面からシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜のうちのいずれかを除去する。
【0025】
処理液LQは、例えば、薬液である。処理液LQは、例えば、燐酸(H3PO4)、アンモニアと過酸化水素水と水とが混合された混合液、又は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドである。例えば、処理液LQとして、略89質量%の燐酸(H3PO4)と略11質量%の水(脱イオン水)とが混合された略157℃の溶液(以下、「燐酸液」と記載する。)が用いられると、基板Wの表面からシリコン窒化膜(SiN膜)が除去される。換言すれば、処理液LQとして、不純物を含有せず、高温、高酸濃度の溶液が用いられ、処理液LQは、シリコン(Si4+)を溶解していく。なお、基板Wを処理できる限りにおいては、処理液LQの種類は特に限定されない。また、処理液LQの温度も特に限定されない。
【0026】
具体的には、処理装置10は、貯留槽11と、リフタ30と、排液部50と、給液部70とを備える。リフタ30は、「移動部」の一例である。
【0027】
貯留槽11は、処理液LQを貯留する。具体的には、貯留槽11は、内槽11a及び外槽11bを含む二重槽構造を有している。内槽11a及び外槽11bはそれぞれ上向きに開いた上部開口を有する。内槽11aは、処理液LQを貯留し、複数の基板Wを収容可能に構成される。外槽11bは、内槽11aの外周面に設けられる。
【0028】
リフタ30は、キャリア40を載置した状態で鉛直上方又は鉛直下方に移動する。リフタ30が鉛直下方に移動することにより、リフタ30に載置されているキャリア40は、内槽11aに貯留されている処理液LQに浸漬される。
【0029】
図2では、リフタ30は、内槽11aの上方に位置する。リフタ30は、キャリア40を保持したまま鉛直下方に下降する。これにより、キャリア40が貯留槽11に投入される。
【0030】
図1に示すように、リフタ30が貯留槽11にまで下降すると、キャリア40は、内槽11a内の処理液LQに浸漬する。換言すれば、リフタ30は、内槽11aに貯留された処理液LQに、所定間隔をあけて整列した複数の基板Wを浸漬する。
【0031】
リフタ30は、本体板31と、保持板32とを含む。本体板31は、鉛直方向に延びる板である。保持板32は、本体板31の一方の主面から水平方向(Y方向)に延びる。
【0032】
リフタ30は、昇降ユニット33を更に含んでもよい。昇降ユニット33は、リフタ30に載置されているキャリア40が貯留槽11内に位置する処理位置(図1に示す位置)と、リフタ30に載置されているキャリア40が内槽11aの上方に位置する退避位置(図2に示す位置)との間で本体板31を昇降させる。従って、昇降ユニット33によって本体板31が処理位置に移動させられることにより、キャリア40に保持されている複数の基板Wが処理液LQに浸漬される。
【0033】
給液部70は、給液配管70aと、バルブ70bとを含む。そして、内槽11aの底壁には、給液配管70aが接続される。給液配管70aにはバルブ70bが配置される。バルブ70bが開くことにより、処理液LQは給液配管70aを通って内槽11a内に給液される。
【0034】
排液部50は、排液配管50aと、バルブ50bとを含む。そして、内槽11aの底壁及び外槽11bの底壁には、排液配管50aが接続される。排液配管50aにはバルブ50bが配置される。バルブ50bが開くことにより、内槽11a内に貯留された処理液LQは排液配管50aを通って外部に排出される。排出された処理液LQは排液処理装置(図示しない)へと送られる。
【0035】
続けて図3及び図4を参照して、キャリア40を説明する。図3は、実施形態1に係るキャリア40を示す断面図である。図4は、実施形態1に係るキャリア40を示す拡大断面図である。図3及び図4に示すように、キャリア40は、キャリア本体41と、第1保持棒42と、第2保持棒43と、一対の支持脚44とを備える。第1保持棒42は、「当接部」の一例である。
【0036】
キャリア本体41は、複数の基板Wを収容する部材である。キャリア本体41は上側に開口しており、複数の基板Wは上側からキャリア本体41に挿入される。キャリア本体41は下側にも開口している。
【0037】
一対の支持脚44の各々は、キャリア本体41の下端から下側に延在している。一対の支持脚44は、第2方向DB(X方向)において間隔を空けて設けられている。また、一対の支持脚44の各々は、第1方向DA(Y方向)に沿って延在しており、第1方向DAにおける長さはキャリア本体41の長さに略等しい。以下では、一方の支持脚44及び他方の支持脚44を区別する場合には、一方の支持脚44を支持脚44aと呼び、他方の支持脚44を支持脚44bと呼ぶ。支持脚44aが、支持脚44bより第2方向DBに位置する。
【0038】
第1保持棒42は、第1方向DA(Y方向)に延びる。図3の例では、2つの第1保持棒42が第1方向DA(Y方向)に沿って延在しており、第1方向DAにおける長さはキャリア本体41の長さに略等しい。また、2つの第1保持棒42は、第2方向DB(X方向)において間隔を空けて設けられている。第1保持棒42の上面には、複数の凹部421が配置されている。複数の凹部421は、所定間隔を空けて一列に配列される。複数の凹部421の形状は、第2方向DB(X方向)から視たときに、V字形状である。
【0039】
第2保持棒43は、第1保持棒42より上方に位置する。第2保持棒43は、第1方向DA(Y方向)に延びる。図3の例では、2つの第2保持棒43が第1方向DA(Y方向)に沿って延在しており、第1方向DAにおける長さはキャリア本体41の長さに略等しい。また、2つの第2保持棒43は、第2方向DB(X方向)において間隔を空けて設けられている。第2保持棒43の側面には、複数の凹部431が配置されている。複数の凹部431は、所定間隔を空けて一列に配列される。複数の凹部431の形状は、上下方向から視たときに、V字形状である。
【0040】
キャリア40によれば、複数の基板Wは、所定間隔をあけて整列した状態で、各基板Wの下縁が2つの第1保持棒42の複数の凹部421に挿入され、各基板Wの側縁が2つの第2保持棒43の複数の凹部431に挿入されて、起立姿勢(鉛直姿勢)で保持される。その結果、複数の基板Wは、第1方向DA(Y方向)に沿って、所定間隔を空けて一列に配列される。
【0041】
また、複数の基板Wは、複数の第1基板W1と、複数の第2基板W2とを含む。第1方向DA(Y方向)において、第1基板W1と第2基板W2とは交互に配置される。
【0042】
第1保持棒42の複数の凹部421は、第1基板W1の下端面を第1位置に配置するとともに、第2基板W2の下端面を第2位置に配置する。上下方向において第1位置と第2位置とは異なる。複数の凹部421は、複数の第1凹部421aと、複数の第2凹部421bとを含む。第1凹部421aの深さと、の第2凹部421bの深さとは異なる。
【0043】
具体的には、上下方向において第1位置は、第2位置より高い。第1凹部421aの深さは、第2凹部421bの深さより浅い。
【0044】
続けて図5を参照して、第1基板W1と第2基板W2との間に存在する処理液LQの動きを説明する。図5は、実施形態1に係る基板Wの下端面を示す拡大断面図である。図5に示すように、第1基板W1と第2基板W2との間に処理液LQが存在する。
【0045】
第1基板W1と第2基板W2との間に存在する処理液LQは、下方に向かって移動する。処理液LQは、第1基板W1の下端面と、第2基板W2の下端面との間に到達する。上下方向において第1位置と第2位置とは異なる。その結果、処理液LQには、上下方向と交差する方向に表面張力が働く。よって、処理液LQに働く重力が、表面張力に阻害されることを抑制できる。その結果、第1基板W1と第2基板W2との間に処理液LQが残ることを抑制できる。
【0046】
また、処理装置10は、排液部50を備える。バルブ50bが開くことにより、内槽11a内に貯留されている処理液LQの液面が、下方に向かって移動する。処理液LQの液面は、第1基板W1の下端面と、第2基板W2の下端面との間に到達する。その結果、処理液LQには、上下方向と交差する方向に表面張力が働く。よって、処理液LQに働く重力が、表面張力に阻害されることを抑制できる。
【0047】
キャリア40の第1保持棒42の複数の凹部421は、第1基板W1の下端面を第1位置に配置するとともに、第2基板W2の下端面を第2位置に配置する。リフタ30は、キャリア40を載置した状態で鉛直上方又は鉛直下方に移動する。その結果、キャリア40を上方に配置できる。よって、第1基板W1と第2基板W2とをキャリア40に容易に配置できる。
【0048】
第1基板W1と第2基板W2とは交互に配置される。その結果、複数の基板W2間に処理液LQが残ることを抑制できる。
【0049】
続けて図6を参照して、実施形態1に係る乾燥装置20を説明する。図6は、乾燥装置20を示す断面図である。図6に示すように、乾燥装置20は、筐体110と、載置部120と、気体供給部130と、気体排気部140とを備える。
【0050】
筐体110は、チャンバとも呼ばれ、筐体110の内部に処理空間を形成する。図6の例では、筐体110は、筐体本体111と、開閉部材112とを含んでいる。筐体本体111は、例えば上側に開口する箱型の部材であり、開閉部材112は、筐体本体111の開口を閉じるように設けられている。図6の例では、開閉部材112は、略板状の形状を有しており、開閉部材112の一端がヒンジ部113を介して筐体本体111に連結されている。開閉部材112はヒンジ部113を中心として開くことができる。開閉部材112が開くことによって、筐体本体111は開口する。
【0051】
外部の搬送装置は、未乾燥の複数の基板Wを収納したキャリア40を、筐体本体111の開口を介して筐体110の内部へと搬入する。乾燥装置20は開閉部材112を閉じ、開閉部材112を閉じた状態で複数の基板Wに対して乾燥工程を行う。乾燥工程が終了すると、乾燥装置20は、開閉部材112を再び開く。搬送装置は、筐体本体111の開口を介して、筐体110の内部から外部へとキャリア40を搬出する。これにより、乾燥済みの基板W及びキャリア40が乾燥装置20から搬出される。
【0052】
載置部120は、筐体110の内部に設けられており、キャリア40を載置する。
【0053】
気体供給部130は、載置部120よりも上側に設けられた給気口131aを有し、給気口131aから載置部120に向けて処理気体AQを供給する。処理気体AQとしては、例えば窒素又はアルゴン等の不活性ガスを採用することができる。不活性ガスとは、基板W1との反応性が低いガスをいう。処理気体AQの温度は高く、例えば、給気口131aにおける処理気体AQの温度は90℃以上である。
【0054】
図6の例では、気体供給部130は、ノズル131と、給気管132と、給気バルブ133と、加熱部134と、気体供給源135とを含んでいる。ノズル131は筐体110の内部において、載置部120よりも上側に設けられている。図6の例では、3個のノズル131が設けられている。言い換えれば、3個のノズル131は略同じ高さ位置に設けられる。
【0055】
各ノズル131は、給気口131aを有している。各ノズル131は、例えば複数の給気口131aを有するバーノズルであってもよい。図6の例では、ノズル131は、略円筒形状を有するバーノズルである。例えばノズル131は第1方向DAに沿って延在しており、複数の給気口131aは、第1方向DAに沿って並んで配置される。各給気口131aの開口軸は、基板Wに向けて下方向に沿うように設定される。各ノズル131は給気口131aから基板Wに向けて下方向に処理気体AQを吐出する。
【0056】
ノズル131は、給気管132を介して気体供給源135に接続されている。気体供給源135は、処理気体AQとして、不活性ガスを給気管132に供給する。加熱部134は、給気管132の途中に設けられており、給気管132の内部を流れる処理気体AQを加熱する。加熱部134の出口において処理気体AQの温度は例えば200℃程度である。処理気体AQの温度は給気管132を流れるに従って低下し、ノズル131の給気口131aにおいて例えば100℃程度となる。
【0057】
給気バルブ133は給気管132の途中に設けられており、給気管132の内部の流路の開閉を切り替える。給気バルブ133が給気管132の流路を開くことにより、気体供給源135からの気体が給気管132の内部の流路を流れてノズル131の給気口131aから吐出される。給気バルブ133は処理気体AQの流量を調整可能であってもよい。処理気体AQの流量は例えば200L/分程度に設定される。
【0058】
各ノズル131の給気口131aから吐出された高温の処理気体AQは基板Wへ向かって流れる。キャリア40の内部空間は上側にも下側にも開口しているので、処理気体AQはキャリア40の上側から複数の基板Wの相互間を経由してキャリア40の下側へと通過する。
【0059】
気体排気部140は、載置部120よりも下側に設けられた排気口(不図示)を有し、筐体110内の処理気体AQを排気口から外部へと排気する。気体排気部140は、排気主管146と、吸引部148を有している。排気主管146の内部の流路には、筐体110内の排気口から流入した処理気体AQが流れる。吸引部148は排気主管146の途中に設けられており、筐体110内の処理気体AQを吸引して外部へと排気する。吸引部148は例えば吸引ポンプを含んでいる。気体排気部140は排液管147も含んでいる。
【0060】
乾燥装置20によれば、高温の処理気体AQは、基板W及びキャリア40に付着した処理液LQを蒸発させ、或いは、吹き飛ばすことができる。これにより、基板W1及びキャリア40を乾燥することができる。
【0061】
次に、図7を参照して、実施形態1に係る基板処理方法を説明する。図7は、実施形態1に係る基板処理方法を示すフローチャートである。図7に示すように、基板処理方法は、工程S1~工程S7を含む。基板処理方法は、基板処理装置100によって実行される。
【0062】
まず、工程S1において、制御装置60は給液部70を制御することにより、内槽11aに処理液LQを貯留する。
【0063】
次に、工程S2において、制御装置60はリフタ30を制御することにより、処理液LQにキャリア40を浸漬する。
【0064】
次に、工程S3において、制御装置60は排液部50を制御することにより、内槽11aから処理液LQを排出する。
【0065】
次に、工程S4において、制御装置60はリフタ30を制御することにより、キャリア40を処理装置10から乾燥装置20へ移す。
【0066】
次に、工程S5において、制御装置60は気体供給部130及び気体排気部140を制御することにより、キャリア40のフランジに対して処理気体AQを噴射する。
【0067】
次に、工程S6において、制御装置60は気体供給部130及び気体排気部140を制御することにより、複数の基板Wに対して処理気体AQを噴射する。
【0068】
次に、工程S7において、制御装置60は、キャリア40を乾燥装置20から引き上げる。
【0069】
<実施形態2>
図8及び図9を参照して、本発明の実施形態2に係る処理装置210を説明する。図8及び図9は、本発明の実施形態2に係る処理装置210を示す断面図である。図8は、基板Wを貯留槽11に投入した後の処理装置210の断面図である。また、図9は、基板Wを貯留槽11に投入している際の処理装置210の断面図である。実施形態2に係る処理装置210が、内槽11aの底壁に当接部342を備える点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0070】
図8及び図9に示すように、キャリア240は、2つの第1保持棒242を備える。第1保持棒242は、第1方向DA(Y方向)に延びる。また、2つの第1保持棒242は、第2方向DB(X方向)において間隔を空けて設けられている。2つの第1保持棒242の上面には、複数の凹部2421が配置されている。複数の凹部2421は、所定間隔を空けて一列に配列される。複数の凹部2421の形状は、第2方向DB(X方向)から視たときに、V字形状である。複数の凹部2421の形状は、同一形状である。その結果、第1保持棒242の複数の凹部2421は、複数の基板Wの下端面を所定位置に配置する。
【0071】
当接部342は、内槽11aの底壁に配置される。当接部342は、第1方向DA(Y方向)に延びる。図8及び図9の例では、2つの当接部342が第1方向DA(Y方向)に沿って延在しており、第1方向DAにおける長さはキャリア本体41の長さに略等しい。また、2つの当接部342は、第2方向DB(X方向)において間隔を空けて設けられている。当接部342の上面には、複数の凸部3421が配置されている。複数の凸部3421は、所定間隔を空けて一列に配列される。
【0072】
昇降ユニット33は、リフタ30に載置されているキャリア240が貯留槽11内に位置する処理位置(図8に示す位置)と、リフタ30に載置されているキャリア240が内槽11aの上方に位置する退避位置(図9に示す位置)との間でリフタ30を昇降させる。
【0073】
従って、昇降ユニット33によってリフタ30が処理位置に移動させられることにより、キャリア240に保持されている複数の第1基板W1は、複数の凸部3421と当接する。一方、キャリア240に保持されている複数の第2基板W2は、複数の凸部3421と当接しない。その結果、当接部342は、第1基板W1の下端面を第1位置に配置するとともに、第2基板W2の下端面を第2位置に配置する。
【0074】
以上、図8及び図9を参照して説明したように、実施形態2によれば、上下方向において第1位置と第2位置とは異なる。その結果、処理液LQには、上下方向と交差する方向に表面張力が働く。よって、処理液LQに働く重力が、表面張力に阻害されることを抑制できる。その結果、第1基板W1と第2基板W2との間に処理液LQが残ることを抑制できる。
【0075】
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び実施例について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態及び実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0076】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0077】
(1)実施形態1では、内槽11a内に貯留された処理液LQを排出するときに、一対の支持脚44の高さを同一にしたが、本発明はこれに限定されない。支持脚44aの高さと支持脚44bの高さとが異なった状態で、処理液LQを排出してもよい。換言すれば、キャリア40を第2方向DBに対して傾けてもよい。
【0078】
(2)実施形態1では、第1保持棒42の複数の凹部421は、第1基板W1の下端面を第1位置に配置するとともに、第2基板W2の下端面を第2位置に配置したが、本発明はこれに限定されない。第1保持棒の複数の凹部は、第1基板の下端面を第1位置に配置し、第2基板の下端面を第2位置に配置し、第3基板の下端面を第3位置に配置してもよい。換言すれば、基板Wの下端面が段々と高くなってもよい。
【0079】
(3)実施形態2では、当接部342は、内槽11aの底壁に配置されたが、本発明はこれに限定されない。当接部は、リフタに配置されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、基板処理装置に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0081】
11 貯留槽
42 第1保持棒(当接部)
70 排液部
100 基板処理装置
LQ 処理液
W 基板
W1 第1基板
W2 第2基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9