(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143128
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】ラップラウンドケーサ用シート供給装置
(51)【国際特許分類】
B65B 5/00 20060101AFI20230928BHJP
B31B 50/07 20170101ALI20230928BHJP
【FI】
B65B5/00
B31B50/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050347
(22)【出願日】2022-03-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和4年1月5日 販売場所 株式会社フジコーポレーション(愛知県安城市木戸町惣作52)
(71)【出願人】
【識別番号】504057528
【氏名又は名称】株式会社ヨシダマシナリー
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188765
【弁理士】
【氏名又は名称】赤座 泰輔
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 宏信
【テーマコード(参考)】
3E003
3E075
【Fターム(参考)】
3E003AA00
3E003AB10
3E003BA03
3E003BC02
3E003BE02
3E003DA07
3E075AA03
3E075BA07
3E075CA01
3E075DA17
3E075DA23
3E075DA32
3E075DC28
3E075DC43
3E075DC45
3E075DC46
3E075DD02
3E075DD32
3E075DD42
3E075FA03
3E075FA05
3E075FA06
3E075FA13
3E075GA01
3E075GA03
3E075GA04
(57)【要約】
【課題】簡便にラップラウンドシートの充填をすることができるラップラウンドケーサ用シート供給装置を提供すること。
【解決手段】ラップラウンドシート2を積層して収容する収容枠体100は、物品をラップラウンドシート2で包装するラップラウンドケーサ本体300の横に設置される。シート供給装置200の前後2本の搬送アーム210は、スライドレール211と押出従動体213によって、収容枠体100からラップラウンドケーサ本体300に、ラップラウンドシート2を供給する。シート供給装置200は、ラップラウンドシート2を上下に昇降させるシート昇降台240と、上昇されたラップラウンドシート2を吸引して搬送アーム210に搬送する吸盤215と、収容枠体100の外側に退避可能な、ラップラウンドシート2を一時的に支持する前後2本の支持板250と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップラウンドシートを積層して収容する収容枠体から、物品を該ラップラウンドシートで包装するラップラウンドケーサ本体に、該ラップラウンドシートを供給するシート供給装置であって、
該収容枠体から該ラップラウンドケーサ本体に、該ラップラウンドシートをスライドさせて搬送する前後2本の搬送アームが設けられ、
該搬送アームは、該ラップラウンドシートをスライドさせるスライドレールと、該スライドレールに沿って該ラップラウンドシートを押し出す押出従動体と、がそれぞれ設けられ、
該収容枠体は、該ラップラウンドケーサ本体の横に設置され、該ラップラウンドシートを昇降させるシート昇降台と、上昇された該ラップラウンドシートを吸引して該搬送アームに搬送する吸盤と、該収容枠体の外側に退避可能な、該ラップラウンドシートを一時的に支持する前後2本の支持板と、を備えることを特徴とするラップラウンドケーサ用シート供給装置。
【請求項2】
前記収容枠体が、該収容枠体の外側に退避可能な、前記ラップラウンドシートを保持するとともに滑走させる補助レールを備え、
該補助レールが該収容枠体の内側に入ったとき、該補助レールの先端側が前記スライドレールと一体となるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のラップラウンドケーサ用シート供給装置。
【請求項3】
前記支持板の前後の間に、前記ラップラウンドシートの前後方向の略中間部を支持する、補助支持板が、前記収容枠体から外れる位置まで移動可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載のラップラウンドケーサ用シート供給装置。
【請求項4】
前記補助レールの前後の間に、前記ラップラウンドシートを前後方向の略中間部を支持して滑走させる、滑走支持体が、前記収容枠体から外れる位置まで移動可能に設けられることを特徴とする請求項2に記載のラップラウンドケーサ用シート供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定個数に集積された容器などの物品をシートで包装するラップラウンドケーサにシートを供給するラップラウンドケーサ用シート供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1で、ラップラウンドシートの底面上に、所定個数に集積された容器などの物品を載置し、前後のフラップやこれらフラップの両側に設けられたサイドフラップを折り曲げて、物品を包み込むことにより包装するラップラウンドケーサが知られている。また、例えば、特許文献2では、ラップラウンドケーサの上側に配置され、積層されて収容されたラップラウンドシートの最下部から1枚をラップラウンドケーサに供給する、ラップラウンドケーサ用シート供給装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-048123号公報
【特許文献2】特開2019-137418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載の従来のラップラウンドケーサ用シート供給装置は、ラップラウンドケーサの上側に配置されている。このため、ラップラウンドシートの充填の際に、ラップラウンドシートを持ち上げる必要があり、作業者にとって負担が大きいという課題があった。また、従来のシート供給装置は、ラップラウンドケーサの上側に配置され、上積みされたラップラウンドシートの最下部のシートが吸盤により吸着されてラップラウンドケーサ本体供給されるため、下側がシートの排出口となる開口であり、シートを保持する部分がシートの外周に限られ、上積みされたシートの量によっては、重みによりシートの変形や一部脱落が生じ、吸着ミスやシートの落下などが生じることがあった。このため、従来のシート供給装置は、ラップラウンドシートを多量に充填することができず、頻繁にラップラウンドシートを補充しなければならないという課題があった。
【0005】
本明細書の技術が解決しようとする課題は、上述の点に鑑みてなされたものであり、簡便にラップラウンドシートの充填をすることができ、かつ、ラップラウンドシートを多量に充填することができるラップラウンドケーサ用シート供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の実施形態に係るラップラウンドケーサ用シート供給装置は、ラップラウンドシートを積層して収容する収容枠体から、物品を該ラップラウンドシートで包装するラップラウンドケーサ本体に、該ラップラウンドシートを供給するシート供給装置であって、
該収容枠体から該ラップラウンドケーサ本体に、該ラップラウンドシートをスライドさせて搬送する前後2本の搬送アームが設けられ、
該搬送アームは、該ラップラウンドシートをスライドさせるスライドレールと、該スライドレールに沿って該ラップラウンドシートを押し出す押出従動体と、がそれぞれ設けられ、
該収容枠体は、該ラップラウンドケーサ本体の横に設置され、該ラップラウンドシートを昇降させるシート昇降台と、上昇された該ラップラウンドシートを吸引して該搬送アームに搬送する吸盤と、該収容枠体の外側に退避可能な、該ラップラウンドシートを一時的に支持する前後2本の支持板と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本明細書の実施形態に係るラップラウンドケーサ用シート供給装置によれば、収容枠体に収容されたラップラウンドシートは、シート昇降台によって上昇され、吸盤に吸引されて、搬送アームに搬送され、スライドされて、ラップラウンドケーサ本体に供給され、物品を梱包する。収容枠体は、ラップラウンドシートを一時的に支持する支持板を備え、物品の梱包中であっても、ラップラウンドシートを一時的に支持した状態で、シート昇降台を下降させることにより、シート昇降台にラップラウンドシートの充填をすることができる。収容枠体がラップラウンドケーサ本体の横、つまり、ラップラウンドケーサ本体の設置面に設置されているため、簡便にラップラウンドシートの充填をすることができ、かつ、ラップラウンドシートを多量に充填することができる。
【0008】
ここで、上記ラップラウンドケーサ用シート供給装置において、前記収容枠体が、該収容枠体の外側に退避可能な、前記ラップラウンドシートを保持するとともに滑走させる補助レールを備え、
該補助レールが該収容枠体の内側に入ったとき、該補助レールの先端側が前記スライドレールと一体となるように構成されるものとすることができる。
【0009】
これによれば、吸盤で吸引されたラップラウンドシートを補助レールで保持することができ、吸盤の吸引を解除することにより、押出従動体によって、一体となった補助レールとスライドレールに沿って、ラップラウンドシートを押し出して供給することができる。
【0010】
また、上記ラップラウンドケーサ用シート供給装置において、前記支持板の前後の間に、前記ラップラウンドシートの前後方向の略中間部を支持する、補助支持板が、前記収容枠体から外れる位置まで移動可能に設けられるものとすることができる。
【0011】
これによれば、支持板がラップラウンドシートを一時的に支持した際に、補助支持板が、下方に撓むラップラウンドシートを支持することができ、支持板が外側へ退避した際には、補助支持板は収容枠体から外れる位置まで移動することができる。
【0012】
また、上記ラップラウンドケーサ用シート供給装置において、前記補助レールの前後の間に、前記ラップラウンドシートを前後方向の略中間部を支持して滑走させる、滑走支持体が、前記収容枠体から外れる位置まで移動可能に設けられるものとすることができる。
【0013】
これによれば、ラップラウンドシートを押し出して供給する際に、滑走支持体が、下方に撓むラップラウンドシートを支持して滑走させることができ、補助レールが外側へ退避した際には、滑走支持体は収容枠体から外れる位置まで移動することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のラップラウンドケーサ用シート供給装置によれば、簡便にラップラウンドシートの充填をすることができ、かつ、ラップラウンドシートを多量に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係るラップラウンドケーサ用シート供給装置を備えるラップラウンドケーサの下流側となる正面図である。
【
図3】同ラップラウンドケーサ用シート供給装置の正面図である。
【
図4】同ラップラウンドケーサ用シート供給装置の側面図であり、シート昇降台によってラップラウンドシートを搬送アームに供給する状態を示す図である。
【
図5】同ラップラウンドケーサ用シート供給装置の側面図であり、ラップラウンドシートを吸盤に吸引させて上昇させた後に、ラップラウンドシートを補助レールで支持させた状態を示す図である。
【
図6】同ラップラウンドケーサ用シート供給装置の側面図であり、ラップラウンドシートを支持板に保持させた状態を示す図である。
【
図7】同ラップラウンドケーサ用シート供給装置の側面図であり、ラップラウンドシートを支持板と補助支持板に保持させた状態を示す図である。
【
図8】同ラップラウンドケーサのラップラウンドケーサ本体の平面図である。
【
図9】同ラップラウンドケーサ本体の右側面図である。
【
図10】ラップラウンドシートを折り曲げている最中の同ラップラウンドケーサ本体のシート折込部の斜視図である。
【
図11】同ラップラウンドケーサ本体の正面図である。
【
図13】同ラップラウンドシートの折り曲げ順序を示す図であり、(A)は、前方フラップ、後方フラップ、前方サイドフラップ及び後方サイドフラップが折り曲げられた状態を示す図であり、(B)は、(A)の次に天面が折り曲げられた状態を示す図であり、(C)は、(B)の次に天面サイドフラップ及び底面サイドフラップが折り曲げられた梱包体の状態を示す図である。
【
図14】同ラップラウンドシートがケースプッシャに押される際の側面図である。
【
図15】ラップラウンドシート(オーバーボディーフラップ)の平面図である。
【
図16】同ラップラウンドシート(オーバーボディーフラップ)の折り曲げ順序を示す図であり、(A)は、前方フラップ、後方フラップ、前方サイドフラップ及び後方サイドフラップが折り曲げられた状態を示す図であり、(B)は、(A)の次に天面が折り曲げられた状態を示す図であり、(C)は、(B)の次に天面サイドフラップ及び底面サイドフラップが折り曲げられた梱包体の状態を示す図である。
【
図17】同ラップラウンドシート(オーバーボディーフラップ)がケースプッシャに押される際の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。しかし、本発明は、これら実施形態に限定されるものではない。
図1~11は、所定個数に集積された飲料の入った容器BOTをラップラウンドシート2(
図12)で包装する実施形態に係るラップラウンドケーサ用シート供給装置200を備えるラップラウンドケーサ1を示している。実施形態に係るラップラウンドケーサ1は、包装に使用される前のラップラウンドシート2を積層して収容する収容枠体100と、物品をラップラウンドシート2で包装するラップラウンドケーサ本体300と、収容枠体100に収容されたラップラウンドシート2をラップラウンドケーサ本体300に供給するシート供給装置200と、を備えている。なお、本明細書において、ラップラウンドケーサ1の向きは、
図1及び
図2に示すように、ラップラウンドケーサ1の搬送方向の下流側を前とし、上流側を後とする。上下左右は、ラップラウンドケーサ1を前側から見た際の上下左右とし、図示で使用する、Fは前、Bは後、Uは上、Dは下、Lは左、Rは右を示す。なお、ラップラウンドケーサ1の搬送方向から、前を下流側、後ろを上流側と表現することがある。また、ラップラウンドシート2の向きは、
図12に示すように、ラップラウンドシート2の搬送方向の下流側を前とし、上流側を後とする。左右は、ラップラウンドシート2を前側から見た際の左右とする。さらに、容器BOTを梱包した際のラップラウンドシート2が折り曲げられて形成される梱包体3(
図13(C))を基準に、内側又は外側と表現することがある。
【0017】
図10に示すように、ラップラウンドケーサ1は、所定個数に集積された物品としての飲料の入った容器BOTをラップラウンドシート2で梱包する装置である。
図12に示すように、ラップラウンドシート2は、前方から後方に向けて、天面23、前方フラップ25、底面21、後方フラップ27及び折り込みフラップ29を有し、天面23の左右に天面サイドフラップ24、前方フラップ25の左右に前方サイドフラップ26、底面21の左右に底面サイドフラップ22、後方フラップ27の左右に後方サイドフラップ28を有している。
図13に示すように、ラップラウンドケーサ1によって、底面21に乗せられた物品(図示せず)は、天面23、前方フラップ25、底面21、後方フラップ27及び折り込みフラップ29によって、前後上下方向が閉塞され、前方サイドフラップ26、後方サイドフラップ28、天面サイドフラップ24及び底面サイドフラップ22によって、左右の面が閉じられ、梱包される。
【0018】
図2、
図8及び
図9に示すように、ラップラウンドケーサ本体300は、上流側となる後側に、ラップラウンドシート2が折り曲げられ被収容物である容器BOT(
図10)を包装するシート折込部310が設けられている。シート折込部310の下流側となる前側に、ラップラウンドシート2の前方サイドフラップ26と後方サイドフラップ28に糊付けを行なうサイドフラップ糊付ガン340が設けられ、サイドフラップ糊付ガン340の下流側に、天面サイドフラップ24と底面サイドフラップ22をそれぞれ折り曲げる天面サイドフラップ折込ガイド336と底面サイドフラップ折込ガイド337が設けられている。なお、糊付ガンは、これに加えて、詳しくは後述するシート供給装置200に、ラップラウンドシート2の天面23に糊付けを行なう天面糊付ガン260が設けられている。ラップラウンドケーサ本体300の下流側となる前側には、ラップラウンドケーサ本体300の枠組みとなるフレーム301に対して前後に移動可能な移動機枠302が設けられている。詳しくは後述するが、移動機枠302の移動によって、ラップラウンドシート2のサイズ変更に対して、シート折込部310のサイズ調整を行なう。移動機枠302内には、容器BOTを包装したラップラウンドシート2の糊付け部分を押圧することによって圧着させる圧着部360が設けられている。
【0019】
図9、
図10に示すように、シート折込部310には、ラップラウンドシート2の底面21が載置され、被収容物である容器BOTが載置されて、ラップラウンドケーサ1の運転手順によって昇降する昇降リフト320が設置されている。昇降リフト320は、図示しない、昇降リフト320の上下方向に切られた螺子穴にボール螺子軸が通り、ボール螺子軸をステッピングモータで回動させることにより、昇降リフト320が昇降するように構成されている。また、昇降リフト320は、
図2、
図8に示すように、左右2つの平板から構成され、左右対称に左右の間隔の調整が可能に構成されている。
【0020】
図2、
図8~
図10に示すように、ラップラウンドシート2が折り曲げられて形成される梱包体3が配置される位置の外側には、折込ガイド330が設置され、折込ガイド330は、昇降リフト320の下降によって、ラップラウンドシート2を折り曲げ、ラップラウンドシート2によって容器BOTを包装する。被収容物である容器BOTは、
図10に示す如く、容器供給装置5によって、所定個数に集積され、昇降リフト320に載置されたラップラウンドシート2の底面21の上側(内側)に載置される。
【0021】
折込ガイド330は、
図2、
図8~
図10に示すように、ラップラウンドシート2が折り曲げられて形成される梱包体3が配置される位置の前後に、前方フラップ折込ガイド331と、後方フラップ折込ガイド332とが設けられ、梱包体3が配置される位置の四隅に接した外側に、前方サイドフラップ折込ガイド333と、後方サイドフラップ折込ガイド334とが左右のそれぞれに設けられている。
【0022】
前方フラップ折込ガイド331は、梱包体3が配置される位置の前側に接するように設置され、金属製で、上下方向に伸びる棒状をなし、上端が前方に屈曲している。実施形態では、前方フラップ折込ガイド331は、上端と下端のそれぞれを下流側に水平に曲げた略U字形状の棒状の金属と、上端に、前方フラップ25の折り曲げを緩やかにする、上を円弧とする略半円形状の干渉板331aと、によって構成されている。干渉板331aは、ラップラウンドシート2に対する滑り抵抗が小さいPTFE(4フッ化樹脂)から形成されている。
【0023】
後方フラップ折込ガイド332は、梱包体3が配置される位置の後側に接するように設置され、金属製で、上下方向に伸びる棒状をなし、上端が後方側に屈曲している。後方フラップ折込ガイド332は、シート折込部310に対して、前後方向の位置が固定されている。
【0024】
前方フラップ折込ガイド331と後方フラップ折込ガイド332は、ラップラウンドシート2の底面21が被収容物である容器BOTによって上から押さえられながら底面21を支える昇降リフト320が下降することによって、底面21の前後の前方フラップ25と後方フラップ27をそれぞれ上方に折り曲げるものである。
【0025】
前方サイドフラップ折込ガイド333及び後方サイドフラップ折込ガイド334は、梱包体3が配置される位置の四隅に接する外側に配置され、金属製で、上下方向に伸びる棒状をなし、上端が外側に屈曲した折込ガイドである。実施形態では、前方サイドフラップ折込ガイド333は、棒状の金属が、上端から下方に延設され、下方に延設された側の端部が後述する幅調整枠303に連結されている。前方サイドフラップ折込ガイド333及び後方サイドフラップ折込ガイド334は、
図10に示すように、ラップラウンドシート2の底面21が被収容物である容器BOTによって上から押さえられながら底面21を支える昇降リフト320が下降することによって、左右それぞれの前方サイドフラップ26を前方フラップ25に対して内側となる後方に、後方サイドフラップ28を後方フラップ27に対して内側となる前方に、それぞれ折り曲げるものである。
【0026】
昇降リフト320の下降によって、ラップラウンドシート2は、
図13(A)に示すように、底面21の前後の前方フラップ25と後方フラップ27とが、前方フラップ折込ガイド331と後方フラップ折込ガイド332によって、底面21に対して略垂直に折り曲げられる。また、左右それぞれの前方サイドフラップ26が前方サイドフラップ折込ガイド333によって前方フラップ25に対して内側となる後方に、後方サイドフラップ28が後方サイドフラップ折込ガイド334によって後方フラップ27に対して内側となる前方に、それぞれ折り曲げられる。
【0027】
図9及び
図10に示すように、昇降リフト320の左右両側に、前後上下方向の平板であって上側が左右方向外側に屈曲した仮押さえ板338が梱包体3の左右の幅に合わせて、それぞれ設けられている。容器BOTを梱包するラップラウンドシート2が昇降リフト320の下降によって、左右の仮押さえ板338の間を通る際に、仮押さえ板338が、底面サイドフラップ22を上方に折り曲げるとともに、容器BOTを梱包するラップラウンドシート2(梱包体3)の左右のズレを修正する。
【0028】
図9及び
図10に示すように、仮押さえ板338の下側には、ラップラウンドシート2の底面サイドフラップ22が外側に突出する隙間338aが設けられている。ラップラウンドシート2の底面サイドフラップ22は、一旦、仮押さえ板338によって上方に折り曲げられるが、隙間338aから底面サイドフラップ22が外側に突出して折り曲げが戻される。これにより、底面サイドフラップ22によって覆い被せられていた前方サイドフラップ26と後方サイドフラップ28とが表出することになり、後に述べるサイドフラップ糊付ガン340によって、前方サイドフラップ26と後方サイドフラップ28に糊付けがされる。
【0029】
前方フラップ折込ガイド331、前方サイドフラップ折込ガイド333及び仮押さえ板338は、シート折込部310に対して、前後方向に移動可能に設けられ、左右対称に左右の幅を調整可能に設けられている。具体的には、
図2又は
図8に示すように、ラップラウンドケーサ本体300に対して前後に移動可能な移動機枠302に、左右で右螺子と左螺子とに分かれて切られた左右ボール螺子軸372が左右方向に設けられ、左右に対となる幅調整枠303の左右方向に切られた螺子穴に左右ボール螺子軸372の左右それぞれが通り、左右ボール螺子軸372をこれに連結された折込部幅調整ハンドル383を回動させることによって、左右に対となる幅調整枠303が左右対称に左右の移動が可能に設けられている。移動機枠302の前後の移動は、図示しない、移動機枠302の前後方向に切られた左右それぞれの螺子穴に、前後方向のボール螺子軸375、376(
図11)がそれぞれ通り、ボール螺子軸375、376を前後長調整ハンドル386を用いて回動させることにより、移動機枠302が前後に移動するように構成されている。ボール螺子軸375とボール螺子軸376は、
図11に示すように、連動チェーン379によって連動するように構成されている。前方フラップ折込ガイド331、前方サイドフラップ折込ガイド333及び仮押さえ板338は、この幅調整枠303に連結され、シート折込部310に対して、前後方向に移動可能かつ左右対称に左右の幅を調整可能に設けられている。
【0030】
後方フラップ折込ガイド332、後方サイドフラップ折込ガイド334及び昇降リフト320の左右の間隔は、
図2及び
図8に示すように、ラップラウンドケーサ本体300の後方に設けられた左右ボール螺子軸371によって、左右対称に左右の間隔を調整可能に設けられている。後方フラップ折込ガイド332、後方サイドフラップ折込ガイド334及び昇降リフト320のそれぞれの左右の対は、図示しない左右方向に切られた螺子穴に左右ボール螺子軸371が通り、左右ボール螺子軸371をこれに連結された昇降リフト幅調整ハンドル380で回転させることにより、左右対称に動くように設けられている。
【0031】
前方フラップ折込ガイド331、前方サイドフラップ折込ガイド333及び仮押さえ板338は、移動機枠302を前後に移動させる前後長調整ハンドル386の操作によって前後方向に移動させ、移動機枠302に設けられた左右ボール螺子軸372を回転させる折込部幅調整ハンドル383の操作によって左右対称に左右に移動させることができる。後方フラップ折込ガイド332及び後方サイドフラップ折込ガイド334並びに昇降リフト320は、左右ボール螺子軸371に連結された昇降リフト幅調整ハンドル380を回転させることによって、左右対称に左右に幅調整することができる。
【0032】
前方フラップ折込ガイド331、前方サイドフラップ折込ガイド333及び仮押さえ板338が、シート折込部310に対して、前後方向に移動可能に、かつ、左右対称に左右の幅を調整可能に設けられ、後方フラップ折込ガイド332及び後方サイドフラップ折込ガイド334並びに昇降リフト320が左右対称に左右の幅を調整可能に設けられている。このため、シート折込部310は、各種サイズのラップラウンドシート2に対してサイズの変更が可能であり、ラップラウンドシート2の兼用を可能とすることができる。また、全ての折込ガイド330と仮押さえ板338のそれぞれの左右の対が、左右対称に左右方向の長さを調整可能に設けられているため、ラップラウンドシート2のサイズ変更を容易に行うことができるものとなっている。
【0033】
これら調整ハンドル(調整ハンドル380、381、382、383、385、386、141、142、143、144)には、位置指標を表示するポジションインジケータ(図示せず)が備えられている。ポジションインジケータを用いて、サイズの異なるラップラウンドシート2ごとに位置指標を記録し、再度同じラップラウンドシート2使用する際に、位置指標を再現することによって、サイズ変更を容易に行うことができる。
【0034】
図8及び
図9に示すように、ラップラウンドケーサ本体300の上流から下流に向けて、シート折込部310で容器BOTを梱包したラップラウンドシート2からなる梱包体3を下流の圧着部360へ搬送する搬送手段としてケースプッシャ351が設けられている。ラップラウンドケーサ本体300の下側には、ケースプッシャ351によって搬送される梱包体3の底面21が滑走する左右2本の滑走台307が、上流のシート折込部310から下流の圧着部360に向けて設けられている。滑走台307は、梱包体3の高さに応じて、上下に移動可能に設けられ、図示しない、滑走台307の上下方向に切られた螺子穴にボール螺子軸が通り、ボール螺子軸をこれに連結された滑走台高さ調整ハンドル381で回動させることにより、上下に移動可能に設けられている。
【0035】
ケースプッシャ351は、ステッピングモータによる制御で、シート折込部310で容器BOTを梱包したラップラウンドシート2の梱包体3を後方から前方に押して、下流の圧着部360へ搬送する。ケースプッシャ351は、ラップラウンドシート2の梱包体3に接する際に、
図14に示すように、先端351aがラップラウンドシート2の折り込みフラップ29を押して、折り込みフラップ29を前方側に折り曲げる。
【0036】
ケースプッシャ351によって下流に押し出されるラップラウンドシート2からなる梱包体3は、ラップラウンドシート2の天面23が前方フラップ折込ガイド331の下端部331b(
図9、
図10)に当接して、天面23が後方に折り曲げられる。折り込みフラップ29が前方に折り曲げられてから、天面23が後方に折り曲げられるため、
図13(B)に示すように、折り込みフラップ29の上に天面23の後端が重なることになる。詳しくは後述するが、天面23の後端の内側には、天面糊付ガン260によってホットメルト接着剤ADHが塗布されているため、最終的には、折り込みフラップ29と天面23の後端とがホットメルト接着剤ADHによって接着されることになる。
【0037】
シート折込部310と圧着部360との間には、ラップラウンドシート2の前方サイドフラップ26と後方サイドフラップ28に糊付けするサイドフラップ糊付ガン340と、サイドフラップ糊付ガン340の下流に、ラップラウンドシート2の天面サイドフラップ24と底面サイドフラップ22をそれぞれ折り曲げる天面サイドフラップ折込ガイド336と底面サイドフラップ折込ガイド337が設けられている。
【0038】
サイドフラップ糊付ガン340は、ラップラウンドシート2の前方サイドフラップ26と後方サイドフラップ28に、ホットメルト接着剤ADHを吹き付ける吹付ガンである。実施形態では、サイドフラップ糊付ガン340は、前方サイドフラップ26と後方サイドフラップ28のそれぞれの上下に、天面サイドフラップ24と底面サイドフラップ22が接着できるよう、上下の2方向に吹き付け可能な汎用の糊付ガンを使用した。ホットメルト接着剤ADHは、軟化点が90℃、オープンタイムが20秒に調整されたEVA(エチレン酢酸ビニル共重合化合物)系のホットメルト接着剤ADHを使用している。
【0039】
天面サイドフラップ折込ガイド336は、
図8及び
図9に示すように、ラップラウンドケーサ本体300における梱包体3が流れる左右側面の上半分側に設けられ、上流から下流に向けて、上方且つ外側から下方且つ内側に、左右から狭められるように配置されている。これに対応するように、底面サイドフラップ折込ガイド337は、ラップラウンドケーサ本体300における梱包体3が流れる左右側面の下半分側に設けられ、上流から下流に向けて、下方且つ外側から上方且つ内側に、左右から狭められるように配置されている。天面サイドフラップ折込ガイド336と底面サイドフラップ折込ガイド337の下流側の左右それぞれの間隔は、ラップラウンドシート2から形成される梱包体3の左右の幅が通る間隔に調整される。天面サイドフラップ折込ガイド336と底面サイドフラップ折込ガイド337の下流側の上下の間隔は、
図9に示すように、近接している。天面サイドフラップ折込ガイド336及び底面サイドフラップ折込ガイド337によって、ラップラウンドシート2の天面サイドフラップ24と底面サイドフラップ22は、梱包体3が前方(下流)に流れるにつれ、
図13(C)に示すように、それぞれが内側に折り曲げられる。
【0040】
天面サイドフラップ折込ガイド336、底面サイドフラップ折込ガイド337及びサイドフラップ糊付ガン340は、ラップラウンドケーサ本体300のフレーム301に対して、前後に移動可能、かつ、左右対称に左右の幅を調整可能な幅調整枠303に、上下に移動可能なボール螺子軸335(
図9)を介して連結されている。これにより、これらは、前後長調整ハンドル386の操作によって前後方向に移動させることができ、折込部幅調整ハンドル383の操作によって左右対称に左右に移動させることができ、上下に移動可能な螺子軸を回動させる折込部高さ調整ハンドル382の操作によって上下に移動させることができる。天面サイドフラップ24及び底面サイドフラップ22が折り曲げられた梱包体3は、移動機枠302内に設けられた圧着部360に搬送される。
【0041】
移動機枠302は、
図8、
図9に示すように、ラップラウンドシート2から形成される梱包体3の前後方向の長さに合わせて、前方の折込ガイド330(前方フラップ折込ガイド331、前方サイドフラップ折込ガイド333及び仮押さえ板338)の位置を前後に調整可能に、前後に移動する枠体である。移動機枠302の前後の移動は、図示しない、移動機枠302の前後方向に切られた左右それぞれの螺子穴に、ラップラウンドケーサ本体300のフレーム301に設けられた前後方向のボール螺子軸375、376(
図11)がそれぞれ通り、ボール螺子軸375、376を前後長調整ハンドル386を用いて回動させることにより、移動機枠302が前後に移動するように構成されている。ボール螺子軸375とボール螺子軸376は、
図11に示すように、連動チェーン379によって連動するように構成され、前後長調整ハンドル386がボール螺子軸375の前端に連結され、前後長調整ハンドル386を回動させることにより、移動機枠302が前後に移動するように構成されている。
【0042】
ラップラウンドシート2の梱包体3の前後方向の長さのサイズ変更に対するシート折込部310の前後方向の長さのサイズ調整は、移動機枠302の移動によって行なわれ、前方の折込ガイド330(前方フラップ折込ガイド331、前方サイドフラップ折込ガイド333及び仮押さえ板338)の位置が前後に調整される。搬送手段としてのケースプッシャ351によって、梱包体3が移動機枠302内の圧着部360に搬送される際の行程距離は、梱包体3の前後方向の長さが短いほど、圧着部360を上流に移動させることができるため、短くすることができる。このため、ケースプッシャ351の行程距離を変更可能とすることによって、梱包体3の大きさ(前後方向の長さ)によって、搬送手段としてのケースプッシャ351の行程距離を短くすることができ、ラップラウンドケーサ本体300は、梱包体3が小さいものであれば、ステッピングモータの制御によりケースプッシャ351の行程距離を短くすることができ、単位時間当たりの包装個数を増やすことができる。
【0043】
圧着部360は、移動機枠302内に設けられ、容器BOTを包装したラップラウンドシート2の梱包体3の糊付け部分を押圧することによって糊付けを圧着させるものである。圧着部360には、糊付け部分に対応して、天面サイドフラップ24と底面サイドフラップ22を押圧する左右の側面押圧部361と、天面23を押圧する天面押圧部362とが設けられ、これら押圧部は、圧縮空気によって押圧するエアーシリンダによって梱包体3の糊付け部分を押圧する。
【0044】
天面押圧部362は、移動機枠302に固定され、左右の側面押圧部361は、梱包体3の大きさによって左右の幅を調整することができるよう、移動機枠302の前側に設けられた左右ボール螺子軸373によって、左右対称に左右の長さを調整可能に設けられている。側面押圧部361の左右の幅の調整は、圧着部幅調整ハンドル385によって行なわれる。
【0045】
シート折込部310と圧着部360とが左右対称に左右の長さを調整可能に設けられているため、ラップラウンドケーサ本体300は、搬送の左右の中心を通る前後方向の搬送中心面CCSがラップラウンドケーサ本体300の左右の中心からずれることなく、保たれることになる。
【0046】
圧着部360が装着された移動機枠302の前方には、
図9に示すように、ケースプッシャ351によって前方に搬送された梱包体3が前方に滑り進むのを抑制するストッパ363が設けられている。ストッパ363は、移動機枠302の前後の動きに連動して移動機枠302内を前後に移動可能に設けられている。ストッパ363は、図示しないストッパ363の前後方向に切られた螺子穴に2本のボール螺子軸377(
図1、
図11)が通り、ボール螺子軸377が回動させられることによって、ストッパ363が前後に移動するように構成されている。ボール螺子軸377は、移動機枠302を前後に移動させるボール螺子軸375、376に、連動チェーン379(
図11)によって連動されるように構成されている。ボール螺子軸377は、ボール螺子軸375、376に対して移動量が2倍になるように螺子のピッチが刻まれている。つまり、ストッパ363は、フレーム301に対する移動機枠302の移動量に対して、2倍の移動量でフレームに対して移動し、ストッパ363の移動機枠302に対する移動量と、移動機枠302のフレーム301に対する移動量とが等しくなる。これにより、圧着部360内の梱包体3の前後方向の長さと、シート折込部310内の梱包体3の前後方向の長さを同じにすることができる。ストッパ363は、ラップラウンドケーサ1の運転手順によって、圧着部360による梱包体3の糊付け部分の押圧後に、圧着部360内から退避し、梱包体3を前方に搬送する。
【0047】
圧着部360における、容器BOTを包装したラップラウンドシート2の梱包体3の高さの調整は、梱包体3の底面21が滑走する滑走台307の高さの調整によって行なう。滑走台307は、昇降リフト320の後端部近傍から、圧着部360の前端部近傍にかけて一体に設けられている。梱包体3の天面23側の高さ、つまり、天面23を押圧する天面押圧部362の高さは一定の高さに定められている。ラップラウンドシート2の梱包体3の高さは、滑走台高さ調整ハンドル381を回転させることによって、滑走台307の高さが調整され、滑走台307の高さに揃えるように、昇降リフト320の下降時の高さを、昇降リフト320を動かすステッピングモータの制御により調整することができる。天面23を押圧する天面押圧部362の高さが一定の高さに定められているため、ラップラウンドシート2の折り込みフラップ29を折り曲げるケースプッシャ351の先端351a(
図14)の高さも一定に定められる。このため、ラップラウンドシート2のサイズ変更の際に、先端351aの高さを調整することが省かれる。
【0048】
図9に示すように、ラップラウンドシート2の梱包体3が上流から下流(前方)に搬送される際のラップラウンドシート2の天面23側の上下方向の高さは固定された、天面基準面TRSが設定され、梱包体3の大きさ(ここでは高さ)によって、底面21が滑走する滑走台307の上下方向の高さが調整された、底面移動面BASが設定される。天面23の高さが固定された天面基準面TRSであり、梱包体3の大きさによって底面移動面BASの上下方向の高さが調整される。このため、梱包体3の大きさ(高さ)によって、昇降リフト320の行程距離を変更可能とすることにより、昇降リフト320の行程距離を短くすることができ、ラップラウンドケーサ本体300は、梱包体3が小さいものであれば、ステッピングモータで制御される昇降リフト320の行程距離を短くすることができ、単位時間当たりの包装個数を増やすことができる。なお、従来のラップラウンドケーサでは、底面移動面の上下方向の高さが固定されているため、ラップラウンドシートの昇降の行程距離を短くすることができるものは存在しなかった。
【0049】
また、幅調整枠303に連結された、天面サイドフラップ折込ガイド336、底面サイドフラップ折込ガイド337及びサイドフラップ糊付ガン340の上下方向の中心CEN(
図9)は、梱包体3の高さの中心、つまり、天面基準面TRSと底面移動面BASの上下方向の中心に配置されるように、折込部高さ調整ハンドル382によって調整される。
【0050】
圧着部360の下流側には、容器BOTを包装したラップラウンドシート2の梱包体3を前方に搬出するローラコンベヤ309が設けられ、ローラコンベヤ309の後端側の高さは、滑走台307の高さと等しくなるように調整される。ローラコンベヤ309の下流は、梱包体3の出荷待機場所などに連結される。
【0051】
図1及び
図2に示すように、ラップラウンドシート2を積層して収容する収容枠体100は、ラップラウンドケーサ本体300の横の上流左側に設置され、収容されたラップラウンドシート2をラップラウンドケーサ本体300に供給するシート供給装置200が、収容枠体100を上から覆うように設けられている。収容枠体100がラップラウンドケーサ本体300の横、つまり、ラップラウンドケーサ本体300の設置面に設置されているため、簡便にラップラウンドシート2の充填をすることができ、かつ、ラップラウンドシート2を多量に充填することができる。なお、従来のラップラウンドケーサでは、収容枠体は、ラップラウンドケーサの上側に配置され、上積みされたラップラウンドシートの最下部のシートが吸盤により吸着されてラップラウンドケーサ本体供給されるため、下側がシートの排出口となる開口であり、シートを保持する部分がシートの外周に限られ、上積みされたシートの量によっては、重みによりシートの変形や一部脱落が生じ、吸着ミスやシートの落下などが生じることがあった。このため、従来の収容枠体は、ラップラウンドシートを多量に充填することができず、頻繁にラップラウンドシートを補充しなければならないものであった。さらに、従来のラップラウンドケーサでは、ラップラウンドケーサの上側に配置された収容枠体の下側からラップラウンドシートを取り出すため、シート供給装置が複雑かつスペースを要するものであり、ラップラウンドケーサの運転時やメンテナンス時に、これらが障害となることが多いものであった。
【0052】
収容枠体100は、ラップラウンドシート2の前後方向が収容枠体100の前後方向となるように、ラップラウンドシート2を上下に積層して収容する。各種サイズのラップラウンドシート2を使用することができるように、ラップラウンドシート2の四隅を支える前方支持枠110と後方支持枠120は、それぞれ左右に幅調整が可能に設けられ、前後に位置調整が可能に設けられている。
【0053】
左右の幅は、ラップラウンドシート2の左右の中心を通る前後方向のシート中心線WCLが、収容枠体100の左右の中心を通る前後方向の収容中心面SCSと重なるように設けられている。具体的には、前方支持枠110と後方支持枠120は、左右が別体で形成され、それぞれに、左右で右螺子と左螺子とに分かれて切られた左右ボール螺子軸130が設けられ、前方支持枠110と後方支持枠120の左右のそれぞれに設けられた螺子穴に左右ボール螺子軸130が通っている。これにより、前方支持枠110と後方支持枠120とが、収容中心面SCSに対して左右対称に左右に摺動可能となっている。
図2、
図4~
図7に示すように、前方支持枠110は、左右ボール螺子軸130に連結された前方幅調整ハンドル141を回動させることによって、左右の幅調整が行われる。後方支持枠120は、左右ボール螺子軸130に連結された後方幅調整ハンドル143を回動させることによって、左右の幅調整が行われる。
【0054】
前方支持枠110と後方支持枠120の左右それぞれの対は、左右ボール螺子軸130によって、前方支持枠110と後方支持枠120とが、それぞれ収容中心面SCSに対して左右対称に左右に摺動可能に設けられているが、前方支持枠110の左右の幅と後方支持枠120の左右の幅は、別々の幅(長さ)とすることができる。つまり、
図10に示すような、前後に幅の異なる前側の幅FWと後側の幅BWを有するラップラウンドシート2であっても、実施形態のラップラウンドケーサ1は、前方支持枠110の幅を前側の幅FWに調整し、後方支持枠120の幅を後側の幅BWに調整することによって、シート中心線WCLが収容中心面SCSに重なるように、ラップラウンドシート2を収容枠体に収容することができる。
【0055】
ラップラウンドケーサ本体300のシート折込部310と圧着部360とが左右対称に左右の長さを調整可能に設けられているため、ラップラウンドケーサ本体300は、搬送の左右の中心を通る前後方向の搬送中心面CCSがラップラウンドケーサ本体300の左右の中心からずれることなく、保たれることになる。収容枠体100は、左右の中心を通る収容中心面SCSが、ラップラウンドケーサ本体300のシート折込部310の左右の中心を通る搬送中心面CCSと、常に一定の距離の定距離FD(
図1~
図3)を保つように、ラップラウンドケーサ本体300に対して設置される。これにより、ラップラウンドシート2の左右方向の移動距離は、常に一定の距離の定距離FDとなる。
【0056】
前方支持枠110と後方支持枠120は、それぞれ前後に位置調整を行う前方位置調整ハンドル142と後方位置調整ハンドル144によって前後方向の位置調整が可能になっている。前後の位置は、積層するラップラウンドシート2の底面21がラップラウンドケーサ本体300のシート折込部310と前後方向の位置が合わさるように配置する。シート中心線WCLが収容中心面SCSに重なり、搬送の左右の中心を通る前後方向の搬送中心面CCSがラップラウンドケーサ本体300の左右の中心に保たれているため、収容枠体100に収容されたラップラウンドシート2は、サイズの変更がされても、常に一定の距離である定距離FD(
図1~
図3)だけ右へ移動する。これにより、シート中心線WCLが搬送中心面CCS上に乗り、ラップラウンドシート2の底面21がラップラウンドケーサ本体300のシート折込部310に載置されることになる。
【0057】
収容枠体100には、
図4に示すように、ラップラウンドシート2をラップラウンドケーサ本体300に供給するシート供給装置200が設けられ、シート供給装置200は、ラップラウンドシート2を定位置まで上昇させるシート昇降台240と、上昇されたラップラウンドシート2を一時的に吸引して保持する吸盤215と、ラップラウンドシート2をラップラウンドケーサ本体300に搬送する搬送アーム210と、が設けられている。
【0058】
搬送アーム210は、
図3に示すように、収容枠体100に収容されたラップラウンドシート2をラップラウンドケーサ本体300に移動させるアームであり、ラップラウンドシート2の前端側と後端側をそれぞれ支持しながら搬送する2本の搬送アーム210が設けられている。搬送アーム210は、シート供給装置200からラップラウンドケーサ本体300に向けて、ラップラウンドシート2をスライドさせるスライドレール211を有し、スライドレール211に沿って、モータの回転をピニオンによって往復運動に変換してラップラウンドシート2を押し出す押出従動体213が2本のスライドレール211の前後方向の内側にそれぞれ設けられている。スライドレール211は、ラップラウンドシート2の下側と前後方向の外側を支えることができるように前後上下方向の断面が略L字形状の金属から構成され、先端(右端部)に、ラップラウンドシート2の移動を止める止部211aが設けられている。
【0059】
スライドレール211は、ラップラウンドシート2の大きさを変更する際には左右方向の長さが調整されるが、ラップラウンドケーサ1の運転時にはシート供給装置200に固定され左右方向の長さも固定される。押出従動体213は、押し出した状態の押出従動体213の先端の位置(押出従動体213のストロークの先端位置)が、ラップラウンドシート2の大きさを変更する際には左右方向に調整されるが、ラップラウンドケーサ1の運転時には押出従動体213のストロークの先端位置は固定される。スライドレール211と押出従動体213は、ラップラウンドシート2の大きさを変更する際には、左右ボール螺子軸212によって、左右対称に左右に摺動可能に設けられ、スライドレール211の先端の位置と押し出した状態の押出従動体213の先端の位置との間の中心がラップラウンドケーサ本体300の搬送中心面CCSに重なるように配置される。つまり、収容枠体100の収容中心面SCSに重なるようにシート中心線WCLが置かれたラップラウンドシート2は、ラップラウンドケーサ本体300に搬送される際に、常に一定の距離である定距離FD(
図1~
図3)だけ右へ移動することにより、ラップラウンドシート2のシート中心線WCLが搬送中心面CCSの上に配置されるように設けられている。
【0060】
ラップラウンドシート2の大きさを変更する際のスライドレール211の先端位置と押出従動体213のストロークの先端位置の長さは、前側の搬送アーム210では、
図3に示す、前方幅調整ハンドル141によって、搬送アーム210の左右ボール螺子軸212が回動され、前方支持枠110の幅(前側の幅FW)と同じ長さに調整される、後側の搬送アーム210では、後方幅調整ハンドル143によって、後側の左右ボール螺子軸212が回動され、後方支持枠120の幅(後側の幅BW)と同じ長さに調整される。つまり、ラップラウンドシート2がラップラウンドケーサ本体300に搬送されたとき、スライドレール211の先端位置と押出従動体213のストロークの先端位置の長さがラップラウンドシート2の前側の幅FWと後側の幅BWに等しく、ラップラウンドシート2のシート中心線WCLが搬送中心面CCSの上に配置される。
【0061】
図3~
図7に示すように、押出従動体213の収容枠体100側の前後方向外側に、それぞれラップラウンドシート2を一時的に吸引して保持する吸盤215が設けられ、吸盤215の下側の左右方向に、ラップラウンドシート2を保持するとともに滑走させる補助レール220がそれぞれ収容枠体100の外側に退避可能に設けられている。補助レール220は、エアーシリンダ220aの駆動によって、収容枠体100の内側に入ることができ、収容枠体100の外側に移動することができるように構成されている。補助レール220は、ラップラウンドシート2の下側と前後方向の外側を支えることができるように前後上下方向の断面が略L字形状の金属から構成され、補助レール220が収容枠体100の内側に入ったとき、補助レール220の先端(右)側がスライドレール211と連続して一体となるように構成され、ラップラウンドシート2が補助レール220からスライドレール211にかけてスライドできるようになっている。
【0062】
ラップラウンドシート2は、後述するシート昇降台240によって搬送アーム210に保持される高さまで移動され、次に、エアーシリンダ215aによって吸盤215が下降し、
図4に示すように、シート昇降台240の最上部に積層されたラップラウンドシート2の1枚が吸盤215によって一時的に吸引されて保持される。吸盤215に吸引された1枚のラップラウンドシート2は、エアーシリンダ215aによって上昇し、吸盤215に保持されたラップラウンドシート2の下に、補助レール220が外側から入り込み、吸盤215の吸引が解除され、ラップラウンドシート2は、
図5に示すように、補助レール220と後述する滑走支持体230によって保持される。そして、ラップラウンドシート2は、押出従動体213の押し出しによって、補助レール220とスライドレール211の上をスライドし、ラップラウンドケーサ本体300の上に移動される。ラップラウンドケーサ本体300の上に移動したラップラウンドシート2は、底面21がシート折込部310の昇降リフト320の上に配置され、
図10に示すように、底面21の上に、容器BOTが載置される。
【0063】
搬送アーム210の前後2本の間には、
図2及び
図5に示すように、搬送アーム210がラップラウンドシート2をラップラウンドケーサ本体300に移動させる際に、下方に撓むラップラウンドシート2の前後方向の略中間部を支持して滑らす、滑走支持体230が、補助レール220の前後の間に設けられている。滑走支持体230は、ラップラウンドシート2を搬送アーム210に供給する際には、ラップラウンドシート2の進路を妨げるため、平面上、収容枠体100から外れる位置まで移動可能となっている。
図2では、滑走支持体230は、平面上、収容枠体100から外れた状態を実線で、ラップラウンドシート2を支持して滑らす状態を二点鎖線で示した。
【0064】
シート昇降台240は、ラップラウンドシート2が積み重ねられる土台であり、ラップラウンドシート2を上昇させることにより、ラップラウンドシート2を搬送アーム210に引き渡すものである。シート昇降台240は、図示しない、ステッピングモータを用いたボール螺子軸の回転によって昇降する。
【0065】
シート供給装置200の前後に設けられた補助レール220のそれぞれの下側に、ラップラウンドシート2を一時的に支持する支持板250がそれぞれ収容枠体100の外側に退避可能に設けられている。支持板250は、ラップラウンドシート2の下側と前後方向の外側を支えることができるように前後上下方向の断面が略L字形状の金属から構成され、エアーシリンダ250aの駆動によって収容枠体100の外側に退避可能に構成されている。
図7に示すように、シート昇降台240に積層されたラップラウンドシート2を一時的に支持板250に支持させ、シート昇降台240を下降させることにより、シート昇降台240にラップラウンドシート2を補充することができる。
【0066】
支持板250の前後の間には、
図2及び
図7に示すように、シート昇降台240にラップラウンドシート2を補充する際に、下方に撓むラップラウンドシート2の前後方向の略中間部を支持する、補助支持板255が、ラップラウンドシート2の下側に設けられている。補助支持板255は、ラップラウンドシート2を搬送アーム210に供給する際には、ラップラウンドシート2の進路を妨げるため、平面上、収容枠体100から外れる位置まで移動可能となっている。
【0067】
図1に示すように、前側の搬送アーム210の右側には、ラップラウンドシート2の前端上側となる天面23の前端内側にホットメルト接着剤ADHを塗布する天面糊付ガン260が設けられ、搬送アーム210がラップラウンドシート2をラップラウンドケーサ本体300に移動させる際に、天面糊付ガン260がラップラウンドシート2の天面23の内側の前端に、ホットメルト接着剤ADHを塗布する。ホットメルト接着剤ADHが塗布されたラップラウンドシート2は、シート供給装置200によって、ラップラウンドケーサ本体300のシート折込部310に搬送され、所定個数に集積された容器BOTを梱包する。
【0068】
次に、ラップラウンドシート2が折込まれて形成される梱包体3の大きさの変更によるラップラウンドケーサ1の調整方法について説明する。ラップラウンドケーサ1の調整は、ラップラウンドケーサ本体300の調整と、収容枠体100の調整とがある。
【0069】
ラップラウンドケーサ本体300の調整は、
図8に示す、昇降リフト幅調整ハンドル380で昇降リフト幅を梱包体3の左右の幅の長さに合わせ、滑走台高さ調整ハンドル381で滑走台高さを梱包体3の高さに合わせ、折込部高さ調整ハンドル382で折込部高さを梱包体3の高さに合わせ、折込部幅調整ハンドル383で折込部の幅を梱包体3の左右の幅の長さに合わせ、圧着部幅調整ハンドル385で圧着部の幅を梱包体3の左右の幅の長さに合わせ、前後長調整ハンドル386で梱包体3の前後の長さに合わせるだけで事足りる。具体的には、最初に、昇降リフト幅調整ハンドル380を回動させることによって、左右の後方サイドフラップ折込ガイド334の間隔を、梱包体3の左右幅が入る長さに調整する。昇降リフト幅調整ハンドル380の調整の次に、滑走台高さ調整ハンドル381を回動させることによって、滑走台307を上下に移動させ、底面移動面BASから天面基準面TRS(
図9)までの間隔を、梱包体3の上下が入る高さに調整する。滑走台高さ調整ハンドル381の調整の次に、圧着部幅調整ハンドル385を回動させることによって、左右の側面押圧部361の間隔を、梱包体3の左右幅が入る長さに調整する。圧着部幅調整ハンドル385の調整の次に、折込部高さ調整ハンドル382を回動させることによって、天面サイドフラップ折込ガイド336及び底面サイドフラップ折込ガイド337の上下方向の中心CEN(
図9)を底面移動面BASと天面基準面TRSとの中心の高さに調整する。折込部高さ調整ハンドル382の調整の次に、折込部幅調整ハンドル383を回動させることによって、左右の前方サイドフラップ折込ガイド333の間隔を、梱包体3の左右幅が入る長さに調整する。折込部幅調整ハンドル383の調整の次に、前後長調整ハンドル386を回動させることによって、前後の前方サイドフラップ折込ガイド333と後方サイドフラップ折込ガイド334の間隔を、梱包体3の前後が入る長さに調整する。このとき、移動機枠302のストッパ363がフレーム301に対する移動機枠302の移動量に対して2倍の移動量で移動するため、圧着部360に対する梱包体3の前後の長さが調整される。
【0070】
収容枠体100の調整は、
図2、
図4に示す、前方幅調整ハンドル141で前方幅をラップラウンドシート2の前側の幅FWにあわせ、後方幅調整ハンドル143で後方幅を後側の幅BWにあわせ、前方位置調整ハンドル142と後方位置調整ハンドル144とで底面21がシート折込部310の前後方向の位置に合わせるだけで事足りる。具体的には、最初に、前方幅調整ハンドル141と後方幅調整ハンドル143を回動させることによって、前方支持枠110の間隔をラップラウンドシート2の前側の幅FWに、後方支持枠120の間隔をラップラウンドシート2の後側の幅BWに、それぞれ調整する。このとき、前方幅調整ハンドル141と後方幅調整ハンドル143の調整により、前後それぞれのスライドレール211の先端と押し出した状態の押出従動体213の先端との間の長さが、ラップラウンドシート2の前側の幅FWと後側の幅BWに調整される。前方幅調整ハンドル141と後方幅調整ハンドル143の調整の次に、前方位置調整ハンドル142と後方位置調整ハンドル144を回動させることによって、収容するラップラウンドシート2の底面21の前後方向の位置がラップラウンドケーサ本体300のシート折込部310の前後の位置に合うように調整する、とともに、前方支持枠110と後方支持枠120との距離を収容するラップラウンドシート2の長さに合わせるように調整する。これにより、ラップラウンドシート2が収容枠体100からラップラウンドケーサ本体300に供給されたとき、ラップラウンドシート2の底面21がシート折込部310に合致することになる。
【0071】
次に、ラップラウンドケーサ1による容器BOTの梱包方法について、ラップラウンドシート2の流れを基準に説明する。
【0072】
ラップラウンドシート2は、
図2、
図4に示す如く、先ず、収容枠体100内のシート昇降台240の上に積層されて収容される。ラップラウンドシート2の四隅を支える前方支持枠110と後方支持枠120は、前後及び左右に長さ及び幅が調整可能に設けられている。前方支持枠110と後方支持枠120とが、収容中心面SCSに対して左右対称に左右に摺動可能に設けられているため、ラップラウンドシート2のシート中心線WCLが収容中心面SCSの上に重なるように、ラップラウンドシート2が収容枠体100に収容される。
【0073】
収容枠体100に積層されて収容されたラップラウンドシート2は、シート昇降台240によって搬送アーム210に保持される高さまで移動され、次に、エアーシリンダ215aによって吸盤215が下降し、
図4に示すように、シート昇降台240の最上部に積層されたラップラウンドシート2の1枚が吸盤215によって一時的に吸引されて保持される。吸盤215に吸引された1枚のラップラウンドシート2は、エアーシリンダ215aによって上昇し、吸盤215に保持されたラップラウンドシート2の下に、補助レール220が外側から入り込み、吸盤215の吸引が解除されることによって、ラップラウンドシート2は、
図5に示すように、補助レール220によって支持される。
【0074】
補助レール220によって支持されたラップラウンドシート2は、押出従動体213によって右側へ押し出され、補助レール220からスライドレール211の上にスライドされて、ラップラウンドケーサ本体300のシート折込部310の上に搬送される。このとき、スライドレール211の先端と押出従動体213の先端との間の中心がラップラウンドケーサ本体300の搬送中心面CCSの上に重なり、ラップラウンドシート2のシート中心線WCLが搬送中心面CCSの上に重ねられる。つまり、左右の位置調整を必要とせず、シート中心線WCLが搬送中心面CCSの上に重なるように、ラップラウンドシート2が収容枠体100からラップラウンドケーサ本体300に搬送される。
【0075】
ラップラウンドシート2がラップラウンドケーサ本体300に搬送される際に、ラップラウンドシート2は、天面23の内側の前端に、天面糊付ガン260によってホットメルト接着剤ADHが塗布される。
【0076】
ラップラウンドケーサ本体300の上に搬送されたラップラウンドシート2は、底面21が昇降リフト320の上に配置され、その上に、梱包の対象となる所定個数に集積された容器BOTが容器供給装置5によって載置される。容器BOTが載置されると同時に、昇降リフト320が下降し、
図10に示すように、ラップラウンドシート2は、前方フラップ折込ガイド331と後方フラップ折込ガイド332によって、底面21の前後の前方フラップ25と後方フラップ27とがそれぞれ上方に折り曲げられる。これとほぼ同時に、前方サイドフラップ折込ガイド333及び後方サイドフラップ折込ガイド334によって、左右それぞれの前方サイドフラップ26が前方フラップ25に対して内側となる後方に、後方サイドフラップ28が後方フラップ27に対して内側となる前方に、それぞれ折り曲げられる。
【0077】
昇降リフト320が滑走台307の設置位置よりも下に下降することによって、容器BOTを梱包するラップラウンドシート2は、滑走台307の上に乗せられ、次に、ケースプッシャ351によって前方に搬送される。ケースプッシャ351がラップラウンドシート2からなる梱包体3に接触する際に、
図14に示すように、ケースプッシャ351の先端351aがラップラウンドシート2の折り込みフラップ29を押して、折り込みフラップ29を前方に折り曲げる。また、前方に搬送される際に、ラップラウンドシート2の天面23が前方フラップ折込ガイド331の下端部331b(
図9)に当接して、天面23が後方に折り曲げられる。折り込みフラップ29が前方に折り曲げられてから、天面23が後方に折り曲げられるため、折り込みフラップ29の上に、天面23のホットメルト接着剤ADHが塗布された側が重なる。
【0078】
ラップラウンドシート2からなる梱包体3がケースプッシャ351によって前方に搬送されると、シート折込部310の下流に設置されたサイドフラップ糊付ガン340によって、ラップラウンドシート2の前方サイドフラップ26と後方サイドフラップ28にホットメルト接着剤ADHが吹き付けられる。その後の下流側で、梱包体3が前方(下流)に流れるにつれ、ラップラウンドシート2の天面サイドフラップ24と底面サイドフラップ22が、天面サイドフラップ折込ガイド336及び底面サイドフラップ折込ガイド337によって、それぞれが内側に折り曲げられ、容器BOTを梱包するラップラウンドシート2は梱包体3となり、圧着部360に搬送される。
【0079】
圧着部360に搬送されたラップラウンドシート2からなる梱包体3は、天面23が天面押圧部362によって、左右の側面が側面押圧部361によって、それぞれが押圧される。これにより、ラップラウンドシート2の前後に並ぶ天面23、前方フラップ25、底面21、後方フラップ27及び折り込みフラップ29が、左右方向を軸方向とする周方向に収容物である容器BOTを包み、天面23の内側に塗布されたホットメルト接着剤ADHが折り込みフラップ29の外側に接着し、周方向が閉塞される。左右は、前方フラップ25から後方に折り曲げられた前方サイドフラップ26と、後方フラップ27から前方に折り曲げられた後方サイドフラップ28とに、それぞれ塗布されたホットメルト接着剤ADHが、天面23から下に折り曲げられた天面サイドフラップ24と、底面21から上に折り曲げられた底面サイドフラップ22とが、それぞれ接着し、左右がそれぞれ閉塞されて梱包される。
【0080】
本明細書の実施形態に係るラップラウンドケーサ1によれば、ラップラウンドシート2は、左右の中心を通り前後方向にシート中心を結ぶシート中心線WCLが収容枠体100の収容中心面SCS内に重なるように収容枠体100に収容される。また、ラップラウンドケーサ本体300のシート折込部310の左右の中心を結ぶ前後上下方向の搬送中心面CCSが、収容中心面SCSから定距離はなれて平行に配置され、シート供給装置200が、ラップラウンドシート2を収容枠体100からラップラウンドケーサ本体300に定距離FDを移動させて供給する。つまり、実施形態のラップラウンドケーサ1は、シート供給装置200がラップラウンドシート2を常に固定された長さの定距離FDを移動させるため、包み込む物品を変更し、ラップラウンドシート2の種類を変更しても、ラップラウンドシート2が、左右の中心を通る前後方向のシート中心線WCLが左右にずれることなく収容枠体100に収容され、シート中心線WCLが左右にずれることなくラップラウンドケーサ本体300に供給されることになる。このため、包み込む物品を変更し、ラップラウンドシート2の種類を変更する際に、収容枠体100の左右の幅を調整し、折込ガイド330の左右の幅を調整するだけで済み、簡便にラップラウンドシート2の変更をすることができる。
【0081】
本明細書の実施形態に係るラップラウンドケーサ1によれば、ラップラウンドシート2の底面21と物品が載置された昇降リフト320の昇降台が下降することにより、ラップラウンドシート2が折り曲げられる。左右の折込ガイド330が、左右対称に左右の長さを調整可能に設けられ、前方の折込ガイド330が、前後に移動可能な移動機枠302に設けられている。このため、包み込む物品を変更し、ラップラウンドシート2の種類を変更する際に、折込ガイド330の左右の幅を調整し、前方の折込ガイド330が設けられた移動機枠302の前後の位置を調整するだけで済み、簡便にラップラウンドシート2の変更をすることができる。
【0082】
本明細書の実施形態に係るラップラウンドケーサ用シート供給装置200によれば、収容枠体100に収容されたラップラウンドシート2は、シート昇降台240によって上昇され、吸盤215に吸引されて、搬送アーム210に搬送され、スライドされて、ラップラウンドケーサ本体300に供給され、物品を梱包する。収容枠体100は、ラップラウンドシート2を一時的に支持する支持板250を備え、物品の梱包中であっても、ラップラウンドシート2を一時的に支持した状態で、シート昇降台240を下降させることにより、シート昇降台240にラップラウンドシート2の充填をすることができる。収容枠体100がラップラウンドケーサ本体300の横、つまり、ラップラウンドケーサ本体300の設置面に設置されているため、簡便にラップラウンドシート2の充填をすることができ、かつ、ラップラウンドシート2を多量に充填することができる。
【0083】
なお、実施形態のラップラウンドケーサ1は、その他実施形態として、以下のような形態であってもその実施をすることができる。
【0084】
実施形態のラップラウンドケーサ1では、ラップラウンドシート2が折込まれて形成される梱包体3の大きさ(寸法)の調整範囲は特に限定さるものではないが、左右の横幅の調整範囲が250~500mm、前後の長さの調整範囲が150~350mm、上下の高さの調整範囲が100~250mm、であるものとすることができる。この範囲の大きさであれば、汎用サイズのラップラウンドシート2について使用することができる。
【0085】
実施形態のラップラウンドケーサ1では、シート折込部310の折込ガイド330の左右の幅調整は折込部幅調整ハンドル383の操作によって行ない、圧着部360の左右の幅調整は圧着部幅調整ハンドル385の操作によって、別々に行われたが、折込部幅調整ハンドル383の操作と圧着部幅調整ハンドル385の操作を連動するものとすることができる。
【0086】
実施形態のラップラウンドケーサ1では、滑走台307の高さ調整は滑走台高さ調整ハンドル381の操作によって行ない、天面サイドフラップ折込ガイド336及び底面サイドフラップ折込ガイド337の上下方向の中心CEN(
図9)の高さ調整は折込部高さ調整ハンドル382の操作によって、別々に行なわれたが、滑走台高さ調整ハンドル381の操作と折込部高さ調整ハンドル382の操作を連動するものとすることができる。この場合、滑走台307と中心CENの移動比を2:1とすることができる。
【0087】
実施形態のラップラウンドケーサ1では、ラップラウンドシート2は、
図12に示す折り込みフラップ29が後方フラップ27の後方に設けられたものを使用したが、
図15に示す折り込みフラップ29Aが天面23Aの前方に設けられたラップラウンドシート2A(オーバーボディーフラップ)であっても使用することができる。この場合、折り込みフラップ29Aが搬送手段に当接しないように、
図17に示す如く、搬送手段は、上端側が後方に逃げた形状のケースプッシャ351Aを使用することができる。折り込みフラップ29Aは、
図16に示すように、後方フラップ27Aの外側に貼付される。なお、
図16(A)及び
図17に示すように、ホットメルト接着剤ADHはラップラウンドシート2Aの先端内側に塗布されるため、ラップラウンドシートを、
図12に示す折り込みフラップ29が後方フラップ27の後方に設けられたものから、
図15に示す折り込みフラップ29Aが天面23Aの前方に設けられたものに変更するにあたり、天面糊付ガン260は、前後の位置を変えることを要せず、折り込みフラップ29Aの先端内側(ラップラウンドシート2Aの先端内側)にホットメルト接着剤ADHを塗布することができる。
【符号の説明】
【0088】
1…ラップラウンドケーサ、2…ラップラウンドシート、2A…ラップラウンドシート、3…梱包体、3A…梱包体、5…容器供給装置、21…底面、21A…底面、22…底面サイドフラップ、22A…底面サイドフラップ、23…天面、23A…天面、24…天面サイドフラップ、24A…天面サイドフラップ、25…前方フラップ、25A…前方フラップ、26…前方サイドフラップ、26A…前方サイドフラップ、27…後方フラップ、27A…後方フラップ、28…後方サイドフラップ、28A…後方サイドフラップ、29…折り込みフラップ、29A…折り込みフラップ、100…収容枠体、110…前方支持枠、120…後方支持枠、130…左右ボール螺子軸、141…前方幅調整ハンドル、142…前方位置調整ハンドル、143…後方幅調整ハンドル、144…後方位置調整ハンドル、200…シート供給装置、210…搬送アーム、211…スライドレール、211a…止部、212…左右ボール螺子軸、213…押出従動体、215…吸盤、215a…エアーシリンダ、220…補助レール、220a…エアーシリンダ、230…滑走支持体、240…シート昇降台、250…支持板、250a…エアーシリンダ、255…補助支持板、260…天面糊付ガン、300…ラップラウンドケーサ本体、301…フレーム、302…移動機枠、303…幅調整枠、307…滑走台、309…ローラコンベヤ、310…シート折込部、320…昇降リフト、330…折込ガイド、331…前方フラップ折込ガイド、331a…干渉板、331b…下端部、332…後方フラップ折込ガイド、333…前方サイドフラップ折込ガイド、334…後方サイドフラップ折込ガイド、335…ボール螺子軸、336…天面サイドフラップ折込ガイド、337…底面サイドフラップ折込ガイド、338…仮押さえ板、338a…隙間、340…サイドフラップ糊付ガン、351…ケースプッシャ、351A…ケースプッシャ、351a…先端、360…圧着部、361…側面押圧部、362…天面押圧部、363…ストッパ、371…左右ボール螺子軸、372…左右ボール螺子軸、373…左右ボール螺子軸、375…ボール螺子軸、376…ボール螺子軸、377…ボール螺子軸、379…連動チェーン、380…昇降リフト幅調整ハンドル、381…滑走台高さ調整ハンドル、382…折込部高さ調整ハンドル、383…折込部幅調整ハンドル、385…圧着部幅調整ハンドル、386…前後長調整ハンドル、ADH…ホットメルト接着剤、BAS…底面移動面、BOT…容器、BW…後側の幅、CCS…搬送中心面、CEN…中心、FD…定距離、FW…前側の幅、SCS…収容中心面、TRS…天面基準面、WCL…シート中心線。