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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143149
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】梱包ユニット及び梱包方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
B65D81/05 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050374
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(71)【出願人】
【識別番号】596006536
【氏名又は名称】カネカフォームプラスチックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】蜂須 和則
(72)【発明者】
【氏名】中道 幹芳
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA02
3E066BA02
3E066CA01
3E066DA01
3E066DB01
3E066FA01
3E066GA03
3E066HA05
3E066JA03
3E066JA07
3E066KA04
3E066NA22
(57)【要約】
【課題】被梱包物の跳ね上がりを防止して、梱包した複数の被梱包物を安定的に輸送すること。
【解決手段】各支持部材(12)に被梱包物(P)の端部を保持する複数の保持凹部(14)が所定方向に間隔を置いて形成され、各支持部材(12)に不連続溝(16)が複数の保持凹部(14)を所定方向に沿って縦断するように形成され、一対の支持部材(12)の不連続溝(16)に一対の規制部材(24)がそれぞれ係合するように配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被梱包物を所定方向に配列した状態で梱包するための梱包ユニットであって、
前記所定方向に直交する方向に対向し、前記所定方向に延びた、複数の被梱包物を梱包するための一対の支持部材と、
被梱包物の上方向の移動を規制する一対の規制部材と、
を備え、
前記一対の支持部材はそれぞれ、
前記所定方向に間隔を置いて形成され、被梱包物の端部を保持する複数の保持凹部と、 前記複数の保持凹部を前記所定方向に沿って縦断するように形成された不連続溝と、を有し、
前記一対の規制部材はそれぞれ、前記一対の支持部材の前記不連続溝にそれぞれ係合するように配置され、前記所定方向に延びていることを特徴とする梱包ユニット。
【請求項2】
前記一対の支持部材を複数組備え、各支持部材の上縁及び下縁のうちの一方に係合凸部が形成されると共に、各支持部材の上縁及び下縁のうちの他方に係合凹部が形成され、
複数組の前記一対の支持部材を段積みしたときに、下段側の前記一対の支持部材の前記係合凸部又は前記係合凹部と上段側の前記一対の支持部材の前記係合凹部又は前記係合凸部が係合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の梱包ユニット。
【請求項3】
前記一対の規制部材は、最上段の前記一対の支持部材の前記不連続溝にそれぞれ係合するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の梱包ユニット。
【請求項4】
前記一対の支持部材は、被梱包物の梱包に使用する前において、分離可能に連結されている請求項2又は3に記載の梱包ユニット。
【請求項5】
連結状態の複数組の前記一対の支持部材を段積みしたときに、上から2段目の前記一対の支持部材の前記不連続溝に前記一対の規制部材がそれぞれ係合するように配置され、上下に反転させた最上段の前記一対の支持部材の前記不連続溝が前記一対の規制部材にそれぞれ係合することを特徴とする請求項4に記載の梱包ユニット。
【請求項6】
各支持部材および各規制部材の少なくとも一方は、ポリスチレン系樹脂発泡体又はポリオレフィン系樹脂発泡体から構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の梱包ユニット。
【請求項7】
各支持部材および各規制部材の少なくとも一方は、(i)発泡倍率が20倍以上60倍以下であるポリスチレン系樹脂発泡体、または(ii)発泡倍率が10倍以上50倍以下であるポリプロピレン系樹脂発泡体から構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の梱包ユニット。
【請求項8】
請求項1に記載の梱包ユニットを用いて、複数の被梱包物を所定方向に配列した状態で梱包するための梱包方法であって、
前記一対の支持部材を被梱包物の長さに応じた間隔を置いて設置する設置工程と、
前記設置工程の終了後に、前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ保持させると共に、前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ保持させる保持工程と、
前記保持工程の終了後に、前記一対の支持部材の前記不連続溝に前記一対の規制部材をそれぞれ係合するように配置する配置工程と、を含むことを特徴とする梱包方法。
【請求項9】
請求項1に記載の梱包ユニットを用いて、複数の被梱包物を所定方向に配列した状態で梱包するための梱包方法であって、
一対の支持部材を被梱包物の長さに応じた間隔を置いて設置する設置工程と、
前記設置工程の終了後に、前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ保持させると共に、前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ保持させる第1保持工程と、
前記第1保持工程の終了後に、下段側の前記一対の支持部材の上側に他の一対の前記支持部材を段積みする段積み工程と、
前記段積み工程の終了後に、他の前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ保持させると共に、他の前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ保持させる第2保持工程と、
前記第2保持工程の終了後に、最上段の前記一対の支持部材の前記不連続溝に前記一対の規制部材をそれぞれ係合するように配置する配置工程と、を含むことを特徴とする梱包方法。
【請求項10】
配置工程を開始する前に、前記段積み工程と前記第2保持工程とを交互に繰り返す繰り返し工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の被梱包物を所定方向に沿って配列した状態で梱包するための梱包ユニット及び梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の被梱包物を所定方向に沿って配列した状態で梱包するために、例えば、特許文献1に示すような梱包ユニット(特許文献1では梱包材と称される)が用いられる。先行技術に係る梱包ユニットは、複数の被梱包物を梱包するための一対の支持部材(特許文献1では梱包材本体と称される)を備えており、一対の支持部材は、所定方向に直交する方向に対向している。各支持部材は、所定方向に延びており、各支持部材には、被梱包物の端部を保持する複数の保持凹部(特許文献1では溝と称される)が所定方向に間隔を置いて形成されている。
【0003】
従って、一対の支持部材のうちの一方の支持部材の複数の保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ上側から保持させる。一対の支持部材のうちの他方の支持部材の複数の保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ上側から保持させる。これにより、複数の被梱包物の所定方向、前記直交する方向、及び下方向の移動が規制された状態で、一対の支持部材の間に複数の被梱包物を梱包することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/073245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、各支持部材の各保持凹部に被梱包物の一端部を上側から保持させるために、各支持部材の各保持凹部の上側が開口されている。それゆえ、梱包ユニットによって梱包した複数の被梱包物を輸送する際に、複数の被梱包物に振動又は衝撃等が加わると、被梱包物の端部が支持部材の保持凹部から外れて、被梱包物が跳ね上がることがある。その結果、被梱包物が破損してしまい、梱包した複数の被梱包物を安定的に輸送(搬送)することが困難になる。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、被梱包物の跳ね上がりを防止して、梱包した複数の被梱包物を安定的に輸送することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明の一態様に係る梱包ユニットは、複数の被梱包物を所定方向に配列した状態で梱包するための梱包ユニットであって、前記所定方向に直交する方向に対向し、前記所定方向に延びた、複数の被梱包物を梱包するための一対の支持部材と、被梱包物の上方向の移動を規制する一対の規制部材と、を備え、記一対の支持部材はそれぞれ、前記所定方向に間隔を置いて形成され、被梱包物の端部を保持する複数の保持凹部と、前記複数の保持凹部を前記所定方向に沿って縦断するように形成された不連続溝と、を有し、前記一対の規制部材はそれぞれ、前記一対の支持部材の前記不連続溝にそれぞれ係合するように配置され、前記所定方向に延びていることを特徴としている。
【0008】
本発明の一態様に係るユニットにおいて、前記一対の支持部材を複数組備え、各支持部材の上縁及び下縁のうちの一方に係合凸部が形成されると共に、各支持部材の上縁及び下縁のうちの他方に係合凹部が形成され、複数組の前記一対の支持部材を段積みしたときに、下段側の前記一対の支持部材の前記係合凸部又は前記係合凹部と上段側の前記一対の支持部材の前記係合凹部又は前記係合凸部が係合するように構成されてもよい。
【0009】
本発明の一態様に係る梱包ユニットにおいて、前記一対の規制部材は、最上段の前記一対の支持部材の前記不連続溝にそれぞれ係合するように配置されてもよい。
【0010】
本発明の一態様係る梱包ユニットにおいて、前記一対の支持部材は、被梱包物の梱包に使用する前において、分離可能に連結されてもよい。
【0011】
本発明の一態様に係る梱包ユニットにおいて、連結状態の複数組の前記一対の支持部材を段積みしたときに、上から2段目の前記一対の支持部材の前記不連続溝に前記一対の規制部材がそれぞれ係合するように配置され、上下に反転させた最上段の前記一対の支持部材の前記不連続溝が前記一対の規制部材にそれぞれ係合してもよい。
【0012】
本発明の一態様に係る梱包ユニットにおいて各支持部材および各規制部材の少なくとも一方は、ポリスチレン系樹脂発泡体又はポリオレフィン系樹脂発泡体から構成されていてもよい。
【0013】
本発明の一態様に係る梱包ユニットにおいて、各支持部材および各規制部材の少なくとも一方は、(i)発泡倍率が20倍以上60倍以下であるポリスチレン系樹脂発泡体、または(ii)発泡倍率が10倍以上50倍以下であるポリプロピレン系樹脂発泡体から構成されていてもよい。
【0014】
また、前述の課題を解決するため、本発明の一態様に係る梱包方法は、本発明の一態様に係る梱包ユニットを用いて、複数の被梱包物を所定方向に配列した状態で梱包するための梱包方法であって、前記一対の支持部材を被梱包物の長さに応じた間隔を置いて設置する設置工程と、前記設置工程の終了後に、前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ保持させると共に、前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ保持させる保持工程と、前記保持工程の終了後に、前記一対の支持部材の前記不連続溝に前記一対の規制部材をそれぞれ係合するように配置する配置工程と、を含む。
【0015】
本発明の一態様に係る梱包方法は、本発明の一態様に係る梱包ユニットを用いて、複数の被梱包物を所定方向に配列した状態で梱包するための梱包方法であって、一対の支持部材を被梱包物の長さに応じた間隔を置いて設置する設置工程と、前記設置工程の終了後に、前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ保持させると共に、前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ保持させる第1保持工程と、前記第1保持工程の終了後に、下段側の前記一対の支持部材の上側に他の一対の前記支持部材を段積みする段積み工程と、前記段積み工程の終了後に、他の前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ保持させると共に、他の前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材の前記複数の保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ保持させる第2保持工程と、前記第2保持工程の終了後に、最上段の前記一対の支持部材の前記不連続溝に前記一対の規制部材をそれぞれ係合するように配置する配置工程と、を含む。
【0016】
本発明の一態様に係る梱包ユニットにおいて、配置工程を開始する前に、前記段積み工程と前記第2保持工程とを交互に繰り返す繰り返し工程を含んでもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、本発明の一態様は、被梱包物の跳ね上がりを防止して、梱包した複数の被梱包物を安定的に輸送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る梱包ユニットによって複数の被梱包物を3段以上の複数段に梱包した状態を示す模式的な斜視図である。
図2】本実施形態に係る梱包ユニットにおける一対の支持部材及び一対の規制部材を示す模式的な斜視図である。
図3】本実施形態に係る梱包ユニットにおける一対の支持部材を示す模式的な部分拡大斜視図である。
図4】連結状態の一対の支持部材を示す模式的な平面図である。
図5】連結状態の一対の支持部材を示す模式的な側面図である。
図6】連結状態の複数組の一対の支持部材を段積みした様子を示す模式的な斜視図であって、最上段の一対の支持部材を上下に反転させる前の様子を示している。
図7】連結状態の複数組の一対の支持部材を段積みした様子を示す模式的な斜視図であって、最上段の一対の支持部材を上下に反転させた後の様子を示している。
図8】本実施形態に係る梱包方法における設置工程を説明するための模式的な斜視図である。
図9】本実施形態に係る梱包方法における第1保持工程を説明するための模式的な斜視図である。
図10】本実施形態に係る梱包方法における段積み工程を説明するための模式的な斜視図である。
図11】本実施形態に係る梱包方法における第2保持工程を説明するための模式的な斜視図である。
図12】本実施形態に係る梱包方法における繰り返し工程及び配置工程を説明するための模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態について図面を参照して説明する。図面に記載した通り、支持部材の長手方向である水平方向をX方向と称する。支持部材の長手方向に直交する方向(短手方向)である水方向をY方向と称する。X次方向及びY方向に直交する方向である上下方向をZ方向と称する。上側をZ方向の一方側、下側をZ軸方向の他方側とそれぞれ称する。
【0020】
〔梱包ユニット10の構成〕
図1から図7を参照して、本実施形態に係る梱包ユニット10の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る梱包ユニット10によって複数の被梱包物Pを3段以上の複数段に梱包した状態を示す模式的な斜視図である。図2は、本実施形態に係る梱包ユニット10における一対の支持部材12及び一対の規制部材24を示す模式的な斜視図である。図3は、本実施形態に係る梱包ユニット10における一対の支持部材12を示す模式的な部分拡大斜視図である。図4は、連結状態の一対の支持部材12を示す模式的な平面図である。図5は、連結状態の一対の支持部材12を示す模式的な側面図である。図6及び図7は、連結状態の複数組の一対の支持部材12を段積みした様子を示す模式的な斜視図である。図6は、最上段の一対の支持部材12を上下に反転させる前の様子を示している。図7は、最上段の一対の支持部材を上下に反転させた後の様子を示している。
【0021】
(梱包ユニット10の概要)
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る梱包ユニット10は、複数の被梱包物Pを所定方向であるX方向に沿って配列した状態で梱包するためのユニットである。なお、本実施形態においては、梱包ユニット10の梱包対象としての被梱包物Pは、例えば長尺状の自動車部品であるが、自動車部品に限るものでなく、長尺状の部品又は物体に限るものでない。
【0022】
(支持部材12)
図1から図3に示すように、梱包ユニット10は、被梱包物Pを梱包するための長尺ブロック状の一対の支持部材12を複数組備えている。各組の一対の支持部材12は、所定方向に直交する方向であるY方向に対向して配置されている。各支持部材12は、発泡樹脂からなる樹脂発泡体により構成されており、所定方向であるX方向に延びている。複数組の一対の支持部材12は、積層可能に構成されている。なお、各支持部材12が長尺ブロック状に形成されているが、被梱包物Pの形状及び個数等に応じて各支持部材12の形状を適宜に変更してもよい。
【0023】
(保持凹部14)
図2及び図3に示すように、各支持部材12には、被梱包物Pの端部を保持する複数の保持凹部14がX方向に間隔を置いて形成されている。各支持部材12の各保持凹部14のY方向の片側(対向側)及びZ方向の一方側(上側)は、それぞれ開口されている。各支持部材12の各保持凹部14は、被梱包物Pの端部を下方向から受容可能である。
【0024】
各支持部材12の各保持凹部14は、底面14aと、X方向に対向する一対の側面14bと、奥面14cとを有している。各支持部材12の各保持凹部14の底面14aは、被梱包物Pを下方向から支持し、被梱包物Pの下方向(Z方向の他方側)の移動を規制する。各支持部材12の各保持凹部14の一対の側面14bは、被梱包物Pの端部にX軸方向の両側から当接可能であり、被梱包物PのX方向の移動を規制する。各支持部材12の各保持凹部14の奥面14cは、被梱包物Pの端部にY軸方向の片側から当接可能であり、被梱包物PのY方向の移動を規制する。
【0025】
(不連続溝16、分割凹部18)
図2及び図3に示すように、各支持部材12の上部には、不連続溝16が複数の保持凹部14をX方向に沿って縦断するように形成されている。各支持部材12の不連続溝16は、各支持部材12の上部にX方向に間隔を置いて形成された複数の分割凹部18を有しており、各分割凹部18のX方向の両側及びZ方向の一方側(上側)は、それぞれ開口されている。各支持部材12の複数の分割凹部18の配置ラインは、複数の保持凹部14をX方向に沿って縦断するようになっている。
【0026】
(係合凸部20、係合凹部22)
図1から図3に示すように、各支持部材12の上縁には、上方向に突出した複数の係合凸部20がX方向に間隔を置いて形成されている。各支持部材12の下縁には、上方向に窪んだ複数の係合凹部22がX方向に間隔を置いて形成されており、各係合凹部22は、各係合凸部20の直下に位置する。梱包ユニット10は、複数組の一対の支持部材12を段積みしたときに、下段側の一対の支持部材12の各係合凸部20と上段側の一対の支持部材12の各係合凹部22が係合するように構成されている。好ましくは、係合凸部20と係合凹部22とは嵌合する。
【0027】
なお、複数の係合凸部20が各支持部材12の下縁に形成され、複数の係合凹部22が各支持部材12の上縁に形成されてもよい。この場合には、各係合凸部20は、各係合凹部22の直下に位置する。梱包ユニット10は、複数組の一対の支持部材12を段積みしたときに、下段側の一対の支持部材12の各係合凹部22と上段側の一対の支持部材12の各係合凸部20が係合するように構成される。
【0028】
(規制部材24)
図1及び図2に示すように、梱包ユニット10は、支持部材12に対する被梱包物Pの上方向の移動を規制する棒状の一対の規制部材24を備えている。各規制部材24は、発泡樹脂からなる樹脂発泡体により構成されており、X方向に延びている。一対の規制部材24は、一対の支持部材12の不連続溝16にそれぞれ係合するように配置されている。一対の規制部材24は、複数組の一対の支持部材12を段積みしたときに、最上段の一対の支持部材12の不連続溝16にそれぞれ係合するように配置される。なお、各規制部材24が棒状に形成されているが、各規制部材24が一対の支持部材12の不連続溝16にそれぞれ係合する部位を有していれば、各規制部材24の形状を適宜に変更してもよい。また、一対の規制部材24は、支持部材12に対する被梱包物Pの上方向の移動を規制する構成であれば特に限定されないが、好ましくは支持部材12の不連続溝16に挿入され嵌め込まれている。
【0029】
(連結状態の一対の支持部材12)
図1図4、及び図5に示すように、各組の一対の支持部材12は、被梱包物Pの梱包に使用する前において、複数のジョイント部26によって連結されている。複数のジョイント部26は、各組の一対の支持部材12の下部同士の間にX方向に間隔を置いて配置されている。各組の一対の支持部材12の上部同士に互いに離反する方向(開く方向)の力が付与されると、複数のジョイント部26は、破断するように構成されている。換言すれば、各組の一対の支持部材12は、被梱包物Pの梱包に使用する前において、分離可能に連結されている。そして、被梱包物Pを梱包する際には、ジョイント部26を破断して、一対の支持部材12として使用する。
【0030】
ジョイント部26によって連結された使用前の一対の支持部材12において、一対の支持部材12の上部同士の隙間は、一対の支持部材12が破断するように適宜設定可能である。当該隙間は、3mm以上20mm以下が好ましく、5mm以上15mm以下がより好ましく、8mm以上10mm以下がさらに好ましい。
【0031】
また、高さ方向(Z方向)において、ジョイント部26は、一対の支持部材12の下面から支持部材12の高さの、好ましくは20%以下の領域、より好ましくは15%以下の領域、さらに好ましくは10%以下の領域に設けられている。各組一対の支持部材12の上部同士に互いに離反する方向(開く方向)へ力を付与し、ジョイント部26を破断して、一対の支持部材12として使用する際、離反前の一対の支持部材12同士の接続強度とジョイント部26の破断しやすさの両立性より、より具体的には、ジョイント部26は、一対の支持部材12の下面から4mm以上15mm以下が好ましく、5mm以上12mm以下がより好ましく、7mm以上10mm以下がさらに好ましい。
【0032】
さらに、ジョイント部26の上端部の断面形状は、一対の支持部材12が破断するように適宜設定可能である。好ましくは、一対の支持部材12の破断が容易になるように、ジョイント部26の上端部の断面形状は、V字形状であることが好ましい。さらに、当該V字形状の角度は、90°以下であることが好ましい。
【0033】
図6及び図7に示すように、梱包ユニット10は、連結状態の複数組の一対の支持部材12を段積みしたときに、下段側の一対の支持部材12の各係合凸部20と上段側の一対の支持部材12の各係合凹部22が係合するように構成されている。複数の係合凸部20が各支持部材12の下縁に形成され、複数の係合凹部22が各支持部材12の上縁に形成されている場合には、梱包ユニット10は、下段側の一対の支持部材12の各係合凹部22と上段側の一対の支持部材12の各係合凸部20が係合するように構成される。
【0034】
図6に示すように、連結状態の複数組の一対の支持部材12を段積みしたときに、上から2段目の一対の支持部材12の不連続溝16には、一対の規制部材24がそれぞれ係合するように配置されている。また、図7に示すように、連結状態の複数組の一対の支持部材12を段積みしたときに、上下に反転させた最上段の一対の支持部材12の不連続溝16は、一対の規制部材24にそれぞれ係合するようになっている。
【0035】
(支持部材12、規制部材24を構成する樹脂発泡体及びその基材樹脂)
各支持部材12および各規制部材24の材料は、上述した効果を奏する限り、特に限定されない。好ましくは、各支持部材12および各規制部材24は、前述のように、発泡樹脂からなる樹脂発泡体により構成されている。各支持部材12各支持部材12および各規制部材24を構成する樹脂発泡体の基材樹脂は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。当該熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。好ましくは、上記熱可塑性樹脂は、ポリスチレン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂である。さらに、本実施形態においては、各支持部材12および各規制部材24の少なくとも1つが上記熱可塑性樹脂を基材樹脂とする樹脂発泡体であればよい。すなわち、各支持部材12および各規制部材24の少なくとも一方は、ポリスチレン系樹脂発泡体又はポリオレフィン系樹脂発泡体から構成されていることが好ましい。さらに好ましくは、各支持部材12および各規制部材24の両方が、ポリスチレン系樹脂発泡体又はポリオレフィン系樹脂発泡体から構成されている。
【0036】
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体に由来する構成単位を有する樹脂を含む樹脂が挙げられる。スチレン系単量体としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンなどが好適に挙げられる。スチレン系単量体に由来する構成単位を有する樹脂としては、1種のスチレン系単量体を重合してなるスチレン系単量体の単独重合体、又は2種以上のスチレン系単量体を重合してなるスチレン系単量体の共重合体が挙げられる。スチレン系単量体に由来する構成単位を有する樹脂としては、スチレン系単量体の単独重合体及びスチレン系単量体の共重合体、即ち、スチレン系単量体に由来する構成単位のみを有する樹脂であるポリスチレン樹脂を好ましく使用し得る。
【0037】
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂の単量体(以下、オレフィン系単量体と称する場合もある)の具体例として、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン-1、イソブテン、ペンテン-1、3-メチル-ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチル-ペンテン-1、3,4-ジメチル-ブテン-1、ヘプテン-1、3-メチル-ヘキセン-1、オクテン-1、デセン-1などの炭素数2~12のα-オレフィン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
また、オレフィン系単量体と共重合性を有するその他の単量体としては、例えば、シクロペンテン、ノルボルネン、1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,8,8a,6-オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、1,4-ヘキサジエン、メチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエンなどのジエン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0039】
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレンを主成分とするポリエチレン系樹脂、プロピレンを主成分とするポリプロピレン系樹脂が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】
エチレンを主成分とするポリエチレン系樹脂としては、α-オレフィンがエチレンである、エチレンを共重合単量体成分として含有するポリプロピレン系樹脂が入手容易であり、加工成形性に優れている。
【0041】
ポリプロピレン系樹脂としては、単量体の主成分としてプロピレンを含んでいれば、特に限定はなく、例えば、プロピレンホモポリマー、α-オレフィン-プロピレンランダム共重合体、α-オレフィン-プロピレンブロック共重合体等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
ポリエステル系樹脂としては、例えば、脂肪族系ポリエステル樹脂、芳香族系ポリエステル樹脂、脂肪族芳香族系ポリエステル樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂の具体例としては、例えば、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-co-ブチレンテレフラレート)(PBAT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。また、ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(P3HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバリレート)(PHBV)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)(P3HB4HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタデカノエート)からなる群から選択される少なくとも1種である。
【0043】
また、ポリカーボネート系樹脂としては、芳香族ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。芳香族ポリカーボネート系樹脂は、炭酸成分と、少なくともビスフェノール系化合物を含む芳香族ジオール成分若しくはこれを主とするジオール成分と、から形成されるポリ炭酸エステル、又はそれらの混合物である。このうち、分子鎖にジフェニルアルカンを有する芳香族ポリカーボネート系樹脂は、結晶性が高く高融点である上、耐熱性、耐侯性及び耐酸性に優れている点で好適である。
【0044】
このようなポリカーボネート系樹脂としては、2,2-ビス(4-オキシフェニル)プロパン(別名ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-オキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-オキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-オキシフェニル)イソブタン、1,1-ビス(4-オキシフェニル)エタン等のビスフェノール系化合物から形成されるポリカーボネート系樹脂が例示される。
【0045】
また、発泡樹脂の発泡に用いられる発泡剤としては、プロパン、イソブタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の揮発性の炭化水素系発泡剤、空気、窒素、二酸化炭素等の無機ガス、及び水を用いることが可能である。無機ガスを用いる場合は、比較的高い発泡倍率の発泡粒子が得られやすいことから、二酸化炭素が好ましい。これら発泡剤は、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
【0046】
各支持部材12および各規制部材24の少なくとも一方を構成する樹脂発泡体の発泡倍率は、特に限定されないが、例えば、上記樹脂発泡体がポリスチレン系樹脂発泡体である場合には、20倍以上60倍以下であることが好ましく、25倍以上50倍以下であることがより好ましく、30倍以上50倍以下であることが更に好ましい。まず、支持部材12を構成する樹脂発泡体について、ポリスチレン系樹脂発泡体の発泡倍率が20倍未満の場合には、支持部材12の緩衝性能及び軽量性に劣る傾向にある。さらに、ポリスチレン系樹脂発泡体の発泡倍率が60倍を超える場合には、被梱包物Pの重量に対する支持部材12の剛性が不足する傾向がある。次いで、規制部材24を構成する樹脂発泡体について、ポリスチレン系樹脂発泡体の発泡倍率が20倍未満の場合には、剛直にて、取り扱い時、被梱包物Pに接触した際、傷をつける虞があり、さらに、規制部材24に欠け、割れが発生しやすくなる傾向がある。ポリスチレン系樹脂発泡体の発泡倍率が60倍を超える場合には、剛性不足による変形が発生しやすくなり、規制部材24の直線性の確保が困難になる傾向がある。
【0047】
各支持部材12および各規制部材24の少なくとも一方を構成する樹脂発泡体がポリオレフィン系樹脂発泡体である場合には、その発泡倍率は、10倍以上50倍以下であることが好ましく、20倍以上50倍以下であることがより好ましく、35倍以上45倍以下であることが更に好ましい。まず、支持部材12を構成する樹脂発泡体について、ポリオレフィン系発泡樹脂の発泡倍率が10倍未満の場合には、支持部材12の軽量性に劣る傾向にある。さらに、ポリオレフィン系発泡倍率が50倍を超える場合、被梱包物Pの重量に対する支持部材12の剛性が不足する傾向がある。次いで、規制部材24を構成する樹脂発泡体について、ポリオレフィン系発泡樹脂の発泡倍率が10倍未満の場合には、剛直にて、取り扱い時、被梱包物Pに接触した際、傷をつける虞があり、さらに、規制部材24に欠け、割れが発生しやすくなる傾向がある。ポリオレフィン系発泡倍率が50倍を超える場合、剛性不足による変形が発生しやすくなり、規制部材24の直線性の確保が困難になる傾向がある。
【0048】
以上のことから、各支持部材12および各規制部材24の少なくとも一方は、(i)発泡倍率が20倍以上60倍以下であるポリスチレン系樹脂発泡体、または(ii)発泡倍率が10倍以上50倍以下であるポリプロピレン系樹脂発泡体から構成されていることが好ましい。
【0049】
〔梱包方法〕
続いて、図1図8から図12を参照して、本実施形態に係る梱包方法について説明する。図8は、本実施形態に係る梱包方法における設置工程を説明するための模式的な斜視図である。図9は、本実施形態に係る梱包方法における第1保持工程を説明するための模式的な斜視図である。図10は、本実施形態に係る梱包方法における段積み工程を説明するための模式的な斜視図である。図11は、本実施形態に係る梱包方法における第2保持工程を説明するための模式的な斜視図である。図12は、実施形態に係る梱包方法における繰り返し工程及び配置工程を説明するための模式的な斜視図である。
【0050】
図1図8から図12に示すように、本実施形態に係る梱包方法は、梱包ユニット10を用いて、複数の被梱包物Pを所定方向であるX方向に配列した状態で梱包するための方法である。本実施形態においては、本実施形態に係る梱包方法の梱包対象は、自動車部品に限るものでなく、長尺状の部品又は物体に限るものでない。また、本実施形態に係る梱包方法は、設置工程と、第1保持工程と、段積み工程と、第2保持工程と、繰り返し工程と、配置工程とを含んでいる。そして、本実施形態に係る梱包方法における各工程の具体的な内容は、次の通りである。
【0051】
(設置工程)
図8に示すように、一対の支持部材12を所定の設置領域SAに被梱包物Pの長さに応じた間隔を置いて設置する。これにより、被梱包物Pを梱包するための準備が完了する。
【0052】
(第1保持工程)
設置工程の終了後に、図9に示すように、一対の支持部材12のうちの一方の支持部材12の複数の保持凹部14に被梱包物Pの一端部をそれぞれ上方向から挿入して保持させる。一対の支持部材12のうちの他方の支持部材12の複数の保持凹部14に被梱包物Pの他端部をそれぞれ上方向から挿入して保持させる。これにより、複数の被梱包物PのX方向、Y方向、及び下方向(Z方向の他方側)の移動が規制された状態で、一対の支持部材12の間に複数の被梱包物Pを梱包することができる。
【0053】
(段積み工程)
第1保持工程の終了後に、図10に示すように、下段側の一対の支持部材12の各係合凸部20に他の一対の支持部材12の各係合凹部22を係合させて、下段側の一対の支持部材12の上側に他の一対の支持部材12を段積みする。これにより、他の一対の支持部材12の間に複数の被梱包物Pを梱包するための準備が完了する。また、下段側の一対の支持部材12の間に梱包された複数の被梱包物Pの上方向(Z方向の一方側)の移動が、他の一対の支持部材12によって規制される。
【0054】
(第2保持工程)
前記段積み工程の終了後に、図11に示すように、他の一対の支持部材12のうちの一方の支持部材12の複数の保持凹部14に被梱包物Pの一端部をそれぞれ上方向から挿入して保持させる。他の一対の支持部材12のうちの他方の支持部材12の複数の保持凹部14に被梱包物Pの他端部をそれぞれ上方向から挿入して保持させる。これにより、複数の被梱包物PのX方向、Y方向、及び下方向の移動が規制された状態で、他の一対の支持部材12の間に複数の被梱包物Pを梱包することができる。
【0055】
(繰り返し工程)
第2保持工程の終了後に、図12に示すように、段積み工程と第2保持工程とを交互に繰り返す。これにより、梱包ユニット10によって複数の被梱包物Pを少なくとも3段以上の複数段に梱包することができる。
【0056】
(配置工程)
繰り返し工程の終了後に、図12に示すように、最上段の一対の支持部材12の不連続溝16に一対の規制部材24をそれぞれ係合するように配置する。これにより、最上段の一対の支持部材12の間に梱包された複数の被梱包物Pの上方向(Z方向の一方側)の移動が、一対の規制部材24によって規制される。
【0057】
(補足事項)
配置工程の終了後に、結束バンド(不図示)を用いて、一対の規制部材24を支持部材12に対して固定してもよい。梱包ユニット10によって複数の被梱包物Pを2段に梱包する場合には、本実施形態に係る梱包方法の構成から繰り返し工程を省略してもよい。梱包ユニット10によって複数の被梱包物Pを1段に梱包する場合には、本実施形態に係る梱包方法の構成から段済み工程と第2保持工程と繰り返し工程を省略してもよい。
【0058】
〔作用効果〕
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。
【0059】
一対の支持部材12の複数の保持凹部14に被梱包物Pの端部をそれぞれ上方向から挿入して保持させることにより、複数の被梱包物PのX方向、Y方向、及び下方向の移動が規制された状態で、一対の支持部材12の間に複数の被梱包物Pを梱包する。一対の支持部材12の不連続溝16に一対の規制部材24をそれぞれ係合するように配置することにより、一対の支持部材12の間に梱包された複数の被梱包物Pの上方向の移動が、一対の規制部材24によって規制される。そのため、梱包ユニット10によって梱包した複数の被梱包物Pを輸送する際に、複数の被梱包物Pに振動又は衝撃等が加わった場合でも、被梱包物Pが跳ね上がりを抑えることができる。つまり、本実施形態によれば、被梱包物Pの跳ね上がりを防止して、梱包した複数の被梱包物Pを安定的に輸送することができる。
【0060】
また、下段側の一対の支持部材12の上側に他の一対の支持部材12を段積みすることにより、下段側の一対の支持部材12の間に梱包された複数の被梱包物Pの上方向の移動が、他の一対の支持部材12によって規制される。最上段の一対の支持部材12の不連続溝16に一対の規制部材24をそれぞれ係合するように配置することにより、最上段の一対の支持部材12の間に梱包された複数の被梱包物Pの上方向の移動が、一対の規制部材24によって規制される。そのため、梱包ユニット10によって複数段に梱包した複数の被梱包物Pを輸送する際に、複数の被梱包物Pに振動又は衝撃等が加わった場合でも、被梱包物Pが跳ね上がりを抑えることができる。つまり、本実施形態によれば、被梱包物Pの跳ね上がりを防止して、複数段に梱包した複数の被梱包物Pを安定的に輸送することができる。
【0061】
各組の一対の支持部材12は、被梱包物Pの梱包に使用する前において、分離可能に連結されている。連結状態の複数組の一対の支持部材12を段積みしたときに、上から2段目の一対の支持部材12の不連続溝16に一対の規制部材24がそれぞれ係合するように配置されている。上下に反転させた最上段の一対の支持部材12の不連続溝16は、一対の規制部材24にそれぞれ係合している。そのため、本実施形態によれば、被梱包物Pの梱包に使用する前において、梱包ユニット10の保管スペースの省スペース化を図りつつ、複数組の一対の支持部材12が分散することなく、安定した状態で梱包ユニット10を保管することができる。
【0062】
各支持部材12を構成するポリスチレン系樹脂発泡体の発泡倍率が20倍以上60倍以下である場合には、被梱包物Pの重量に対する支持部材12の剛性を十分に確保しつつ、支持部材12の緩衝性能及び軽量性を向上させることができる。
【0063】
各支持部材12を構成するポリプロピレン系樹脂発泡体の発泡倍率が10倍以上50倍以下である場合には、被梱包物Pの重量に対する支持部材12の剛性を十分に確保しつつ、支持部材12の軽量性を向上させることができる。
【0064】
〔付記事項〕
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 梱包ユニット
12 支持部材
14 保持凹部
14a 底面
14b 側面
14c 奥面
16 不連続溝
18 分割凹部
20 係合凸部
22 係合凹部
24 規制部材
26 ジョイント部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12