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特開2023-143159チャイルドシートおよび車両システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143159
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】チャイルドシートおよび車両システム
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20230928BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230928BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20230928BHJP
【FI】
B60N2/28
E05B49/00 J
B60N2/90
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050392
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 清隆
【テーマコード(参考)】
2E250
3B087
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250BB61
2E250DD06
2E250FF23
2E250FF27
2E250FF36
2E250HH01
2E250JJ03
3B087CE06
3B087DE08
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】子供の降ろし忘れの発生を抑制しやすいチャイルドシートおよび車両システムを提供する。
【解決手段】チャイルドシートは、車両に搭載されるチャイルドシートであって、車両のドアの施錠および開錠を無線通信によって指示可能なキーを保持可能な保持部を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるチャイルドシートであって、
前記車両のドアの施錠および開錠を無線通信によって指示可能なキーを保持可能な保持部を備えるチャイルドシート。
【請求項2】
シート部と、
ベルト、前記ベルトに結合されたタング、および前記タングが着脱可能でありかつ前記タングを取り付けられた状態にロック可能なバックルを有し、前記シート部に乗員を拘束可能な拘束部と、
前記保持部に前記キーが保持されているかを前記キーとの無線通信によって検知し、前記保持部に前記キーが保持されている場合には、前記バックルによる前記タングのロックを許可し、前記保持部に前記キーが保持されてない場合には、前記バックルによる前記タングのロックを禁止するロック制御部と、
を備えた、請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項3】
請求項1または2に記載のチャイルドシートと、
前記車両と、
前記キーと、
を備えた、車両システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャイルドシートおよび車両システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の車室内に搭載されるチャイルドシートが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2021-501717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のチャイルドシートが搭載された車両においては、運転者がチャイルドシートに座っている子供を車両から降ろすのを忘れて車両の外側に出てしまうという所謂子供の降ろし忘れが発生する虞がある。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、子供の降ろし忘れの発生を抑制しやすいチャイルドシートおよび車両システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るチャイルドシートは、車両に搭載されるチャイルドシートであって、前記車両のドアの施錠および開錠を無線通信によって指示可能なキーを保持可能な保持部を備える。
【0007】
このような構成によれば、例えば、運転者が車両の乗車の際に保持部にキーを保持させることにより、運転終了後等に車両から降車して車外からキーによってドアの施錠をするためには、保持部からキーを取り外す必要がある。このとき、運転者がチャイルドシートに子供(乗員)が居る場合にはその存在に気づきやすいので、子供の降ろし忘れが発生するのが抑制されやすい。
【0008】
前記チャイルドシートは、シート部と、ベルト、前記ベルトに結合されたタング、および前記タングが着脱可能でありかつ前記タングを取り付けられた状態にロック可能なバックルを有し、前記シート部に乗員を拘束可能な拘束部と、前記保持部に前記キーが保持されているかを前記キーとの無線通信によって検知し、前記保持部に前記キーが保持されている場合には、前記バックルによる前記タングのロックを許可し、前記保持部に前記キーが保持されてない場合には、前記バックルによる前記タングのロックを禁止するロック制御部と、を備える。
【0009】
このような構成によれば、ロック制御部が、保持部にキーが保持されている場合には、バックルによるタングのロックを許可し、保持部に前記キーが保持されてない場合には、バックルによる前記タングのロックを禁止するので、運転者が保持部にキーを保持させる作業を運転者がし忘れるのが抑制されやすい。
【0010】
本発明に係る車両システムは、前記チャイルドシートと、前記車両と、前記キーと、を備える。
【0011】
このような構成によれば、上記チャイルドシートが奏する効果と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、子供の降ろし忘れの発生を抑制しやすいチャイルドシートおよび車両システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る車両システムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るチャイルドシートの一部およびスマートキーを示す図であって、チャイルドシートのタングがバックルに結合された状態の図である。
図4図4は、実施形態に係るスマートキー制御装置の構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係るチャイルドシートの一部を示す図であって、チャイルドシートのタングがバックルに結合されていない状態の図である。
図6図6は、実施形態に係るチャイルドシート制御装置の構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係るチャイルドシート制御装置が実行するロック制御処理を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態の変形例に係るチャイルドシートの一部を示す分解斜視図であって、保持部にスマートキーが保持された状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係るチャイルドシートおよび車両システムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0015】
<車両システム>
図1は、実施形態に係る車両システム1の構成を示す図である。図1に示されるように、車両システム1は、車両100と、スマートキー200と、チャイルドシート300と、を備える。スマートキー200は、キーの一例である。なお、図1では、チャイルドシート300の向きが実際とは異なる向きで示されている。
【0016】
<車両>
図2は、実施形態に係る車両100制御部の構成を示すブロック図である。図1および図2に示されるように、車両100は、ボディ101(図1)と、複数のドア102(図2)と、車両制御装置103(図2)と、を備える。なお、図2では、ドア102のうちの一つが示されている。
【0017】
図1に示されるように、ボディ101には、車室104が設けられている。車室104には、シート(不図示)が配置され、このシートにチャイルドシート300が着脱可能に取り付けられる。図2に示されるドア102は、ボディ101に開閉可能に支持されている。ドア102は、開状態で車室104を開放し閉じ状態で車室104を閉塞する。
【0018】
図2に示されるように、ドア102には、錠105が設けられている。錠105は、施錠状態ではドア102を閉じ状態にロックし、開錠状態では、ドア102のロックをしない。錠105には、操作部106が設けられている。操作部106は、例えば、ドア102において車外側に設けられ車外から操作可能なドアノブ(ドアハンドル)に設けられている。例えば、操作部106が操作されることにより、錠105の開錠および施錠がなされる。また、錠105は、スマートキー200からの無線通信による指示によって開錠および施錠が可能である。
【0019】
車両制御装置103は、制御部111と、記憶部112と、無線通信部113と、を有する。
【0020】
制御部111は、ECUと、ROMと、RAMと、を有する。すなわち、制御部111は、コンピュータである。ECUは、ROM等に記憶されたプログラムを読み出して実行する。また、ECUは、各種演算処理を並列処理可能に構成されている。RAMは、ECUがプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。記憶部112は、各種の情報を記憶する。記憶部112は、公知の記憶媒体である。
【0021】
無線通信部113は、スマートキー200と無線通信するための通信インタフェースである。無線通信部113は、スマートキー200からの各種信号を受信可能である。スマートキー200からの各種信号は、例えば、ドア施錠信号、ドア開錠信号、およびトランク開錠信号等である。ドア施錠信号は、ドア102の錠105の施錠を要求する信号であり、ドア開錠信号は、ドア102の錠105の開錠を要求する信号であり、トランク開錠信号は、トランクの錠(不図示)の開錠を要求する信号である。
【0022】
車両100は、車室104内にスマートキー200が存在する場合に車室104外からの錠105の施錠を禁止する公知の機能を有する。換言すると、車両100は、車室104内にスマートキー200が存在する場合に車室104外からの錠105の施錠操作を受け付けない。具体的には、制御部111は、車室104内にスマートキー200が存在する場合には、操作部106による施錠操作が有っても錠105を施錠しない。また、制御部111は、車室104内にスマートキー200が存在する場合には、車室104外のスマートキー200からドア施錠信号が有っても錠105を施錠しない。スマートキー200が車室104内に存在するか否かは、イモビライザー等によるキー認識システム等による公知の方法によって検出される。なお、スマートキー200が車室104内に存在するか否かを検知する方法は、イモビライザー等によるキー認識システム以外を用いた方法であってもよい。
【0023】
<スマートキー>
図3は、実施形態に係るチャイルドシート300の一部およびスマートキー200を示す図であって、チャイルドシート300のタング306がバックル308に結合された状態の図である。
【0024】
図3に示されるように、スマートキー200は、ベース201と、ドア施錠釦202と、ドア開錠釦203と、トランク開錠釦204と、を有する。ドア施錠釦202、ドア開錠釦203、およびトランク開錠釦204は、ベース201に支持されている。
【0025】
図4は、実施形態に係るスマートキー制御装置205の構成を示すブロック図である。図4に示されるように、スマートキー200は、スマートキー制御装置205を有する。スマートキー制御装置205は、ベース201内に収容されて、ドア施錠釦202、ドア開錠釦203、およびトランク開錠釦204と電気的に接続されている。
【0026】
スマートキー制御装置205は、制御部211と、記憶部212と、無線通信部213,214と、を有する。
【0027】
制御部211は、CPUと、ROMと、RAMと、を有する。すなわち、制御部211は、コンピュータである。CPUは、ROM等に記憶されたプログラムを読み出して実行する。また、CPUは、各種演算処理を並列処理可能に構成されている。RAMは、CPUがプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。記憶部212は、各種の情報を記憶する。記憶部112は、公知の記憶媒体である。
【0028】
無線通信部213は、車両100と無線通信するための通信インタフェースである。無線通信部214は、チャイルドシート300と無線通信するための通信インタフェースである。具体的には、無線通信部214は、NFCなどの通信方式を用いて近距離無線通信を行う。
【0029】
制御部211は、ドア施錠釦202が操作された場合には、ドア施錠信号を無線通信部213から車両制御装置103へ送信する。制御部211は、ドア開錠釦203が操作された場合には、ドア開錠信号を無線通信部213から車両制御装置103へ送信する。制御部211は、トランク開錠釦204が操作された場合には、トランク開錠信号を無線通信部213から車両制御装置103へ送信する。
【0030】
<チャイルドシート>
図5は、実施形態に係るチャイルドシート300の一部を示す図であって、チャイルドシート300のタング306がバックル308に結合されていない状態の図である。
【0031】
図1図3、および図5に示されるように、チャイルドシート300は、シート部301と、拘束部302と、を有する。シート部301は、子供の乗員400が着座可能である。
【0032】
拘束部302は、シート部301に結合された第1の部分303と、シート部301に結合された第2の部分304とを、を有する。
【0033】
第1の部分303は、一対のベルト305と、タング306と、を有する。一対のベルト305のそれぞれの一端部は、シート部301に結合され、一対のベルト305の他端部は、タング306に結合されている。一対のベルト305は、タング306に向かうにつれて互いに近づくように略V字状をなしている。ベルト305は、シートベルトとも称される。
【0034】
第2の部分304は、ベルト307と、バックル308と、を有する。ベルト307の一端部は、シート部301に結合され、ベルト307の他端部は、バックル308に結合されている。
【0035】
バックル308は、バックル本体309と、保持部310と、カバー311と、駆動装置315と、を有する。バックル本体309の一端部には着脱用開口部(不図示)が設けられており、この着脱用開口部にタング306が挿入可能である。バックル本体309は、着脱用開口部に挿入されたタングと公知の構造によって着脱可能に結合し、バックル本体309をバックル308に取り付けられた状態でロック可能である。バックル本体309には、タング306のロックを解除するための解除釦(不図示)が設けられている。
【0036】
カバー311は、バックル本体309に開閉可能に結合されている。カバー311は、開状態で場合には08の着脱用開口部を開放し、閉状態でバックル308の着脱用開口部を閉塞する。カバー311が開状態の場合には、バックル本体309の着脱開口部にタング306を挿入可能すなわちバックル本体309にタングを装着可能である。一方、カバー311が閉状態の場合には、バックル本体309の着脱開口部にタング306を挿入不能すなわちバックル本体309にタングを装着不能である。カバー311は、駆動装置315によって開状態と閉状態とに変更される。駆動装置315は、カバー311を開閉させる開閉機構317(図6)と、開閉機構317を駆動する駆動源316(図6)とを有する。駆動源316は、例えばモータである。
【0037】
保持部310は、スマートキー200を保持可能である。保持部310は、バックル本体309に一体に形成されている。保持部310は、凹状の収容部312と、爪部313と、を有する。収容部312は、スマートキー200を収容可能である。爪部313は、引掛位置と、退避位置との間で移動可能である。引掛位置は、収容部312に収容されたスマートキー200に引っ掛かり、収容部312からのスマートキー200の脱落を阻止する位置である。退避位置は、収容部312に対するスマートキー200の着脱を許容する位置である。例えば、爪部313は、爪部駆動機構(不図示)によって退避位置と引掛位置とに移動される。爪部駆動機構は、収容部312に収容されたスマートキー200によって押圧されることにより、爪部313を退避位置から引掛位置に移動させる。爪部駆動機構は、スマートキー200からの押圧が無くなることにより、例えばばねの弾性力によって爪部313を引掛位置から退避位置に移動させる。
【0038】
図6は、実施形態に係るチャイルドシート制御装置320の構成を示すブロック図である。図6に示されるように、チャイルドシート300は、チャイルドシート制御装置320を有する。チャイルドシート制御装置320は、バックル本体309内に収容されている。
【0039】
チャイルドシート制御装置320は、制御部321と、記憶部322と、無線通信部323と、を有する。
【0040】
制御部321は、CPUと、ROMと、RAMと、を有する。すなわち、制御部321は、コンピュータである。CPUは、ROM等に記憶されたプログラムを読み出して実行する。また、CPUは、各種演算処理を並列処理可能に構成されている。RAMは、CPUがプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。記憶部322は、各種の情報を記憶する。記憶部322は、公知の記憶媒体である。
【0041】
無線通信部323は、スマートキー200と無線通信するための通信インタフェースである。具体的には、無線通信部323は、NFCなどの通信方式を用いて近距離無線通信を行う。
【0042】
制御部321は、保持部310にスマートキー200が保持されているかを無線通信部323によるスマートキー200との無線通信によって検知する。例えば、制御部321は、無線通信部323とスマートキー200の無線通信部214との無線通信が確立された場合、すなわち無線通信部323と無線通信部214との間で規定の信号(第1の信号)の送受信に成功した場合には、保持部310にスマートキー200が保持(装着)されていると判定する。すなわち、制御部321は、無線通信部323とスマートキー200の無線通信部214との無線通信が確立された場合、すなわち無線通信部323と無線通信部214との間で規定の信号の送受信に成功した場合に、スマートキー200を検知する。一方、制御部321は、無線通信部323とスマートキー200の無線通信部214との無線通信が確立されない場合、すなわち無線通信部323と無線通信部214との間で規定の信号の送受信に成功しない場合には、保持部310にスマートキー200が保持(装着)されていないと判定する。すなわち、制御部321は、無線通信部323とスマートキー200の無線通信部214との無線通信が確立されない場合、すなわち無線通信部323と無線通信部214との間で規定の信号の送受信に成功しない場合に、スマートキー200を検知しない。
【0043】
制御部321は、保持部310にスマートキー200が保持されている場合には、バックル308によるタング306のロックを許可する。具体的には、制御部321は、カバー311が開状態となるように駆動装置315を制御する。すなわち、制御部321は、カバー311を開状態とする。一方、制御部321は、保持部310にスマートキー200が保持されてない場合には、バックル308によるタング306のロックを禁止する。具体的には、制御部321は、カバー311が閉状態となるように駆動装置315を制御する。すなわち、制御部321は、カバー311を閉状態とする。
【0044】
<ロック制御処理>
次に、チャイルドシート制御装置320が実行するロック制御処理を説明する。図7は、実施形態に係るチャイルドシート制御装置320が実行するロック制御処理を示すフローチャートである。
【0045】
チャイルドシート制御装置320の制御部321は、保持部310にスマートキー200が保持されたかを判定する(S11)。
【0046】
制御部321は、保持部310にスマートキー200が保持されていると判定した場合には(S11:Yes)、バックル308によるタング306のロックを許可する。すなわち、制御部321は、カバー311が開状態となるように駆動装置315を制御する。
【0047】
一方、制御部321は、保持部310にスマートキー200が保持されてないと判定した場合には(S11:No)、バックル308によるタング306のロックを禁止する。すなわち、制御部321は、カバー311が閉状態となるように駆動装置315を制御する。
【0048】
<実施形態の作用効果>
以上のように、本実施形態では、チャイルドシート300は、車両100に搭載されるチャイルドシート300であって、保持部310を備える。保持部310は、車両100のドア102の施錠および開錠を無線通信によって指示可能なスマートキー200(キー)を保持可能である。
【0049】
このような構成によれば、例えば、運転者が車両100の乗車の際に保持部310にスマートキー200を保持させることにより、運転終了後等に車両100から降車して車外からスマートキー200によってドア102の施錠をするためには、保持部310からスマートキー200を取り外す必要がある。このとき、運転者が、チャイルドシート300に子供(乗員400)が居る場合にはその存在に気づきやすいので、子供の降ろし忘れが発生するのが抑制されやすい。
【0050】
また、上記構成によれば、子供の降ろし忘れの発生を抑制するために、例えば、車内の子供を検知する比較的高額な車内センサ(赤外線センサやミリ波レーダ等)を設けたり、チャイルドシート300に着座している子供を検知する比較的高額な着座センサを設ける必要がない。よって、車両システム1のコストの増大を抑制しやすい。
【0051】
また、チャイルドシート300は、シート部301と、拘束部302と、チャイルドシート制御装置320(ロック制御部)と、を備える。拘束部302は、ベルト305、ベルト305に結合されたタング306、およびタング306が着脱可能でありかつタング306を取り付けられた状態にロック可能なバックル308を有する。拘束部302は、シート部301に乗員400を拘束可能である。チャイルドシート制御装置320は、保持部310にスマートキー200が保持されているかをスマートキー200との無線通信によって検知する。チャイルドシート制御装置320は、保持部310にスマートキー200が保持されている場合には、バックル308によるタング306のロックを許可する。チャイルドシート制御装置320は、保持部310にスマートキー200が保持されてない場合には、バックル308によるタング306のロックを禁止する。
【0052】
このような構成によれば、チャイルドシート制御装置320が、保持部310にスマートキー200が保持されている場合には、バックル308によるタング306のロックを許可し、保持部310にスマートキー200が保持されてない場合には、バックル308によるタング306のロックを禁止するので、運転者が保持部310にスマートキー200を保持させる作業を運転者がし忘れるのが抑制されやすい。
【0053】
<変形例>
図8は、実施形態の変形例に係るチャイルドシート300の一部を示す分解斜視図であって、保持部310にスマートキー200が保持された状態の図である。
【0054】
図8に示されるように、本変形例では、チャイルドシート300の拘束部302がアダプター331を有する。アダプター331は、例えばバックル308に含まれる。
【0055】
アダプター331は、アダプター本体332と、タング333と、保持部310と、カバー311と、駆動装置315と、を有する。
【0056】
アダプター本体332の一端部には着脱用開口部(不図示)が設けられており、この着脱用開口部にタング306が挿入可能である。アダプター本体332は、着脱用開口部に挿入されたタングと、バックル308と同様の公知の構造によって着脱可能に結合し、バックル本体309をアダプター本体332に取り付けられた状態でロック可能である。アダプター本体332には、タング306のロックを解除するための解除釦(不図示)が設けられている。
【0057】
タング333は、アダプター本体332から突出しており。バックル本体309に着脱可能に結合される。すなち、アダプター331は、バックル本体309に着脱可能である。
【0058】
保持部310、カバー311、および駆動装置315は、アダプター本体332に設けられており、それらの構成は図3および図5の例のものと同様である。ただし、カバー311は、アダプター本体332の着脱用開口部を開放および閉塞する。また、アダプター本体332には、チャイルドシート制御装置320(図6)が収容されている。
【0059】
アダプター331は、例えば、スマートキー200の形状等の種類ごとに複数の種類があり、スマートキー200に応じた種類のアダプター331がバックル本体309に取り付けられる。
【0060】
なお、上記実施形態では、キーの一例としてスマートキー200が示されたが、これに限定されない。例えば、キーは、スマートキー200と同様の機能を有したスマートフォン等の携帯型情報端末であってもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、爪部313およびカバー311が設けられた例が示されたが、これに限定されなない。例えば、爪部313およびカバー311のうち少なくとも一方は設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…車両システム、100…車両、102…ドア、200…スマートキー(キー)、300…チャイルドシート部301…シート部、302…拘束部、305…ベルト、306…タング、308…バックル、310…保持部、320…チャイルドシート制御装置(ロック制御部)、400…乗員。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8