(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143230
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】パターン印刷方法および太陽電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20230928BHJP
H01L 31/0747 20120101ALI20230928BHJP
【FI】
H01L31/04 260
H01L31/06 455
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050497
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】古牧 周
(72)【発明者】
【氏名】吉河 訓太
(72)【発明者】
【氏名】河▲崎▼ 勇人
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151AA02
5F151AA05
5F151CB27
5F151DA07
5F151DA10
5F251AA02
5F251AA05
5F251CB27
5F251DA07
5F251DA10
(57)【要約】
【課題】所望パターンに対するマージンを低減したパターン印刷方法を提供する。
【解決手段】パターン印刷方法は、導電膜のパターンの印刷方法であって、スクリーン印刷法を用いて、所望パターンP21,P31に対してマージンを考慮したプレ設計パターンP22,P32に基づいて、印刷材料をパターン印刷し、導電膜のプレパターンP29,P39を形成するプレ印刷工程と、撮像装置を用いて、プレパターンを撮像する撮像工程と、撮像したプレパターンP29,P39の画像と、プレ設計パターンP22,P32と、所望パターンP21,P31とに基づいて、所望パターンP21,P31を得るための設計パターンであって、マージンを低減した設計パターンを作成する作成工程と、スクリーン印刷法を用いて、作成した設計パターンに基づいて、印刷材料をパターン印刷し、導電膜の本パターンを形成する本印刷工程とを備える。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電膜またはレジストのパターンの印刷方法であって、
スクリーン印刷法を用いて、所望パターンに対してマージンを考慮したプレ設計パターンに基づいて、印刷材料をパターン印刷し、前記導電膜または前記レジストのプレパターンを形成するプレ印刷工程と、
撮像装置を用いて、前記プレパターンを撮像する撮像工程と、
撮像した前記プレパターンの画像と、前記プレ設計パターンと、前記所望パターンとに基づいて、前記所望パターンを得るための設計パターンであって、前記マージンを低減した前記設計パターンを作成する作成工程と、
前記スクリーン印刷法を用いて、作成した前記設計パターンに基づいて、印刷材料をパターン印刷し、前記導電膜または前記レジストの本パターンを前記パターンとして形成する本印刷工程と、
を備える、パターン印刷方法。
【請求項2】
前記本印刷工程では、前記プレパターンの上に前記本パターンを印刷する、請求項1に記載のパターン印刷方法。
【請求項3】
前記本印刷工程では、前記プレパターンを除去した後、前記本パターンを印刷する、請求項1に記載のパターン印刷方法。
【請求項4】
半導体基板の裏面側に、パターン化された半導体層および電極層が形成された裏面電極型の太陽電池の製造方法であって、
請求項1~3のいずれか1項に記載のパターン印刷方法を用いて、前記半導体基板の裏面側の前記半導体層の上に、パターン化された前記電極層として、導電膜のパターンを形成する電極層形成工程を含む、
太陽電池の製造方法。
【請求項5】
半導体基板の裏面側に、パターン化された半導体層および電極層が形成された裏面電極型の太陽電池の製造方法であって、
前記半導体基板の裏面側に、前記半導体層の材料膜または前記電極層の材料膜を形成する半導体層材料膜または電極層材料膜形成工程と、
請求項1~3のいずれか1項に記載のパターン印刷方法を用いて、前記半導体層の材料膜または前記電極層の材料膜の上に、レジストのパターンを形成するレジスト形成工程と、
前記レジストを用いたウエットエッチング法を用いて、前記半導体層の材料膜または前記電極層の材料膜の一部を除去することにより、パターン化された前記半導体層または前記電極層を形成する半導体層または電極層形成工程と、
を含む、太陽電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン印刷方法および太陽電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板の裏面側に、パターン化された半導体層および電極層が形成された裏面電極型(バックコンタクト型、裏面接合型ともいう。)の太陽電池が知られている。特許文献1および2には、パターン化された電極層を、スクリーン印刷法により形成する技術が記載されている。スクリーン印刷法とは、印刷版(乳剤)のパターン開孔部に充填された印刷材料を、スキージの移動により被印刷物に転写する方法である。印刷版(乳剤)のパターン開孔部には、格子状のワイヤによって網目(メッシュ)が形成される。
【0003】
また、半導体層または電極層のパターニング方法として、パターン化されたレジストを用いるウエットエッチング法もある。パターン化されたレジストも、スクリーン印刷法により形成されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-57031号公報
【特許文献2】国際公開第2011/149067号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スクリーン印刷では、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によって、実際の印刷パターンが設計パターン(例えば、印刷版(乳剤)の開孔パターンに相当)からずれることがある。この点に関し、一般には、これらの様々な要因によるずれの最大値の総和を考慮して、所望パターンに対して比較的に大きなマージンを考慮して、比較的に小さな設計パターンを作成する必要があった。その結果、実際の印刷パターンが所望パターンに対して小さく(例えば、線幅が細く)、太陽電池の特性低下が生じてしまうことがあった。
【0006】
本発明は、所望パターンに対するマージンを低減したパターン印刷方法および太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るパターン印刷方法は、導電膜またはレジストのパターンの印刷方法であって、スクリーン印刷法を用いて、所望パターンに対してマージンを考慮したプレ設計パターンに基づいて、印刷材料をパターン印刷し、前記導電膜または前記レジストのプレパターンを形成するプレ印刷工程と、撮像装置を用いて、前記プレパターンを撮像する撮像工程と、撮像した前記プレパターンの画像と、前記プレ設計パターンと、前記所望パターンとに基づいて、前記所望パターンを得るための設計パターンであって、前記マージンを低減した前記設計パターンを作成する作成工程と、前記スクリーン印刷法を用いて、作成した前記設計パターンに基づいて、印刷材料をパターン印刷し、前記導電膜または前記レジストの本パターンを前記パターンとして形成する本印刷工程と、を備える。
【0008】
本発明に係る太陽電池の製造方法は、半導体基板の裏面側に、パターン化された半導体層および電極層が形成された裏面電極型の太陽電池の製造方法であって、上記のパターン印刷方法を用いて、前記半導体基板の裏面側の前記半導体層の上に、パターン化された前記電極層として、導電膜のパターンを形成する電極層形成工程を含む。
【0009】
本発明に係る別の太陽電池の製造方法は、半導体基板の裏面側に、パターン化された半導体層および電極層が形成された裏面電極型の太陽電池の製造方法であって、前記半導体基板の裏面側に、前記半導体層の材料膜または前記電極層の材料膜を形成する半導体層材料膜または電極層材料膜形成工程と、請求項1~3のいずれか1項に記載のパターン印刷方法を用いて、前記半導体層の材料膜または前記電極層の材料膜の上に、レジストのパターンを形成するレジスト形成工程と、前記レジストを用いたウエットエッチング法を用いて、前記半導体層の材料膜または前記電極層の材料膜の一部を除去することにより、パターン化された前記半導体層または前記電極層を形成する半導体層または電極層形成工程と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パターン印刷において、所望パターンに対するマージンを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る太陽電池を裏面側からみた図である。
【
図2】
図1の太陽電池におけるII-II線断面図である。
【
図3A】本実施形態に係る太陽電池の製造方法における第1半導体層材料膜形成工程を示す図である。
【
図3B】本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト形成工程を示す図である。
【
図3C】本実施形態に係る太陽電池の製造方法における第1半導体層形成工程を示す図である。
【
図3D】本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト除去形成工程を示す図である。
【
図3E】本実施形態に係る太陽電池の製造方法における第2半導体層材料膜形成工程を示す図である。
【
図3F】本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト形成工程を示す図である。
【
図3G】本実施形態に係る太陽電池の製造方法における第2半導体層形成工程を示す図である。
【
図3H】本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト除去形成工程を示す図である。
【
図3I】本実施形態に係る太陽電池の製造方法における透明電極層材料膜形成工程を示す図である。
【
図3J】本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト形成工程を示す図である。
【
図3K】本実施形態に係る太陽電池の製造方法における透明電極層形成工程を示す図である。
【
図3L】本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト除去形成工程を示す図である。
【
図3M】本実施形態に係る太陽電池の製造方法における金属電極層形成工程を示す図である。
【
図4A】本実施形態に係る導電膜のパターン印刷方法におけるプレ印刷工程および撮像工程であって、上述した金属電極層形成工程における金属電極層のパターン印刷方法を示す図である。
【
図4B】本実施形態に係る導電膜のパターン印刷方法における作成工程および本印刷工程であって、上述した金属電極層形成工程における金属電極層のパターン印刷方法を示す図である。
【
図5A】本実施形態に係るレジストのパターン印刷方法におけるプレ印刷工程および撮像工程であって、上述した第1半導体層形成工程のレジスト形成工程におけるレジストのパターン印刷方法を示す図である。
【
図5B】本実施形態に係るレジストのパターン印刷方法における作成工程および本印刷工程であって、上述した第1半導体層形成工程のレジスト形成工程におけるレジストのパターン印刷方法を示す図である。
【
図6A】本実施形態に係るレジストのパターン印刷方法におけるプレ印刷工程および撮像工程であって、上述した第2半導体層形成工程のレジスト形成工程におけるレジストのパターン印刷方法を示す図である。
【
図6B】本実施形態に係るレジストのパターン印刷方法における作成工程および本印刷工程であって、上述した第2半導体層形成工程のレジスト形成工程におけるレジストのパターン印刷方法を示す図である。
【
図7A】本実施形態に係るレジストのパターン印刷方法におけるプレ印刷工程および撮像工程であって、上述した透明電極層形成工程のレジスト形成工程におけるレジストのパターン印刷方法を示す図である。
【
図7B】本実施形態に係るレジストのパターン印刷方法における作成工程および本印刷工程であって、上述した透明電極層形成工程のレジスト形成工程におけるレジストのパターン印刷方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。また、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。
【0013】
図1は、本実施形態に係る太陽電池を裏面側からみた図である。
図1に示す太陽電池1は、裏面電極型(バックコンタクト型、裏面接合型ともいう。)の太陽電池である。太陽電池1は、2つの主面を備える半導体基板11を備え、半導体基板11の主面において第1領域7と第2領域8とを有する。
【0014】
第1領域7は、いわゆる櫛型の形状をなし、櫛歯に相当する複数のフィンガー部7fと、櫛歯の支持部に相当するバスバー部7bとを有する。バスバー部7bは、半導体基板11の一方の辺部に沿って第1方向(X方向)に延在し、フィンガー部7fは、バスバー部7bから、第1方向に交差する第2方向(Y方向)に延在する。
【0015】
同様に、第2領域8は、いわゆる櫛型の形状であり、櫛歯に相当する複数のフィンガー部8fと、櫛歯の支持部に相当するバスバー部8bとを有する。バスバー部8bは、半導体基板11の一方の辺部に対向する他方の辺部に沿って第1方向(X方向)に延在し、フィンガー部8fは、バスバー部8bから、第2方向(Y方向)に延在する。
【0016】
フィンガー部7fとフィンガー部8fとは、第2方向(Y方向)に延在する帯状をなしており、第1方向(X方向)に交互に設けられている。なお、第1領域7および第2領域8は、ストライプ状に形成されてもよい。
【0017】
図2は、
図1の太陽電池におけるII-II線断面図である。
図2に示すように、太陽電池1は、半導体基板11の主面のうちの受光する側の主面(一方主面)である受光面側に積層された光学調整層15を備える。また、太陽電池1は、半導体基板11の主面のうちの受光面の反対側の主面(他方主面)である裏面側の一部(主に、第1領域7)に順に積層された第1導電型半導体層25および第1電極層27を備える。また、太陽電池1は、半導体基板11の裏面側の他の一部(主に、第2領域8)に順に積層された第2導電型半導体層35および第2電極層37を備える。
【0018】
半導体基板11は、単結晶シリコンまたは多結晶シリコン等の結晶シリコン材料で形成される。半導体基板11は、例えば結晶シリコン材料にn型ドーパントがドープされたn型の半導体基板である。なお、半導体基板11は、例えば結晶シリコン材料にp型ドーパントがドープされたp型の半導体基板であってもよい。n型ドーパントとしては、例えばリン(P)が挙げられる。p型ドーパントとしては、例えばホウ素(B)が挙げられる。半導体基板11は、受光面側からの入射光を吸収して光キャリア(電子および正孔)を生成する光電変換基板として機能する。
【0019】
光学調整層15は、半導体基板11の受光面側に形成されている。光学調整層15は、入射光の反射を防止する反射防止層として機能するとともに、半導体基板11の受光面側を保護する保護層として機能する。光学調整層15は、例えば酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)、または酸窒化珪素(SiON)のようなそれらの複合物等の絶縁体材料で形成される。
【0020】
第1導電型半導体層25は、半導体基板11の裏面側の第1領域7に形成されている。第1導電型半導体層25は、例えばアモルファスシリコン材料で形成される。第1導電型半導体層25は、例えばアモルファスシリコン材料にp型ドーパント(例えば、上述したホウ素(B))がドープされたp型の半導体層である。
【0021】
第2導電型半導体層35は、半導体基板11の裏面側の第2領域8に形成されている。第2導電型半導体層35は、例えばアモルファスシリコン材料で形成される。第2導電型半導体層35は、例えばアモルファスシリコン材料にn型ドーパント(例えば、上述したリン(P))がドープされたn型の半導体層である。
なお、第1導電型半導体層25がn型の半導体層であり、第2導電型半導体層35がp型の半導体層であってもよい。
【0022】
第1導電型半導体層25と、第2導電型半導体層35とは、第2方向(Y方向)に延在する帯状をなしており、第1方向(X方向)に交互に並んでいる。第2導電型半導体層35の一部は、隣接する第1導電型半導体層25の一部の上に重なっていてもよい(図示省略)。
【0023】
半導体基板11と光学調整層15との間には、パッシベーション層が形成されていてもよい。また、半導体基板11と第1導電型半導体層25との間、および、半導体基板11と第2導電型半導体層35との間には、パッシベーション層が形成されていてもよい。パッシベーション層は、例えば真性(i型)アモルファスシリコン材料で形成される。パッシベーション層は、半導体基板11で生成されたキャリアの再結合を抑制し、キャリアの回収効率を高める。
【0024】
第1電極層27は、第1導電型半導体層25に対応して、具体的には半導体基板11の裏面側の第1領域7における第1導電型半導体層25の上に形成されている。第2電極層37は、第2導電型半導体層35に対応して、具体的には半導体基板11の裏面側の第2領域8における第2導電型半導体層35の上に形成されている。第1電極層27は、第1導電型半導体層25上に順に積層された第1透明電極層28と第1金属電極層29とを有する。第2電極層37は、第2導電型半導体層35上に順に積層された第2透明電極層38と第2金属電極層39とを有する。
【0025】
第1透明電極層28および第2透明電極層38は、透明な導電性材料で形成される。透明導電性材料としては、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムおよび酸化スズの複合酸化物)等が挙げられる。
【0026】
第1金属電極層29および第2金属電極層39は、銀等の金属粉末を含有する導電性ペースト材料で形成される。
【0027】
第1電極層27および第2電極層37、すなわち第1透明電極層28,第2透明電極層38,第1金属電極層29および第2金属電極層39は、第2方向(Y方向)に延在する帯状をなしており、第1方向(X方向)に交互に並んでいる。第1透明電極層28と第2透明電極層38とは互いに分離されており、第1金属電極層29と第2金属電極層39とも互いに分離されている。
【0028】
(太陽電池の製造方法)
次に、
図3A~
図3Mを参照して、本実施形態に係る太陽電池の製造方法について説明する。
図3Aは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における第1半導体層材料膜形成工程を示す図であり、
図3Bは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト形成工程を示す図であり、
図3Cは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における第1半導体層形成工程を示す図であり、
図3Dは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト除去形成工程を示す図である。
図3Eは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における第2半導体層材料膜形成工程を示す図であり、
図3Fは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト形成工程を示す図であり、
図3Gは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における第2半導体層形成工程を示す図であり、
図3Hは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト除去形成工程を示す図である。
図3Iは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における透明電極層材料膜形成工程を示す図であり、
図3Jは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト形成工程を示す図であり、
図3Kは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における透明電極層形成工程を示す図であり、
図3Lは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法におけるレジスト除去形成工程を示す図である。
図3Mは、本実施形態に係る太陽電池の製造方法における金属電極層形成工程を示す図である。
図3A~
図3Mでは、半導体基板11の裏面側を示し、半導体基板11の表面側を省略する。
【0029】
まず、
図3Aに示すように、例えばCVD法またはPVD法を用いて、半導体基板11の裏面側の全面に、第1導電型半導体層材料膜25Zを積層(製膜)する(第1半導体層材料膜形成工程)。
【0030】
次に、
図3B~
図3Dに示すように、半導体基板11の裏面側において、第2領域8における第1導電型半導体層材料膜25Zを除去することにより、第1領域7に、パターン化された第1導電型半導体層25を形成する。
【0031】
具体的には、
図3Bに示すように、半導体基板11の裏面側において、第1領域7における第1導電型半導体層材料膜25Z上に、スクリーン印刷法を用いて、パターン化されたレジスト90を形成する(レジスト形成工程)。レジストの材料としては、例えば感光性または非感光性の有機レジスト材料、ガラス、アルミナ、シリカ、タルクなどを含む無機レジスト材料等が挙げられる。第1半導体層形成工程のレジスト形成工程におけるレジスト90のパターン印刷方法の詳細は後述する。
【0032】
その後、
図3Cに示すように、レジスト90を利用したウエットエッチング法を用いて、第2領域8における第1導電型半導体層材料膜25Z(すなわち、第1導電型半導体層材料膜25Zの一部)を除去することにより、第1領域7に、パターン化された第1導電型半導体層25を形成する(第1半導体層形成工程)。p型半導体膜に対するエッチング溶液としては、例えばオゾンをフッ酸に溶解させた混合液、またはフッ酸と硝酸との混合液等の酸性溶液が挙げられ、n型半導体膜に対するエッチング溶液としては、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性溶液が挙げられる。
その後、
図3Dに示すように、レジスト90を剥離する。レジスト90の剥離溶液としては、例えばアセトンのような有機溶剤または、水酸化カリウム水溶液のようなアルカリ性溶液が挙げられる。
【0033】
或いは、上述した材料膜製膜と、レジストおよびウエットエッチングによるパターニングとに代えて、CVD法またはPVD法を用いて、半導体基板11の裏面側に第1導電型半導体層を積層する際に、マスクを用いて、第1導電型半導体層25の製膜およびパターニングを同時に行ってもよい。
【0034】
次に、
図3Eに示すように、例えばCVD法またはPVD法を用いて、半導体基板11の裏面側の全面に、第2導電型半導体層材料膜35Zを積層(製膜)する(第2半導体層材料膜形成工程)。
【0035】
次に、
図3F~
図3Hに示すように、半導体基板11の裏面側において、第1領域7における第2導電型半導体層材料膜35Zを除去することにより、第2領域8に、パターン化された第2導電型半導体層35を形成する。
【0036】
具体的には、
図3Fに示すように、半導体基板11の裏面側において、第2領域78における第2導電型半導体層材料膜35Z上に、スクリーン印刷法を用いて、パターン化されたレジスト90を形成する(レジスト形成工程)。第2半導体層形成工程のレジスト形成工程におけるレジスト90のパターン印刷方法の詳細は後述する。
【0037】
その後、
図3Gに示すように、レジスト90を利用したウエットエッチング法を用いて、第1領域7における第2導電型半導体層材料膜35Z(すなわち、第2導電型半導体層材料膜35Zの一部)を除去することにより、第2領域8に、パターン化された第2導電型半導体層35を形成する(第2半導体層形成工程)。
その後、
図3Hに示すように、レジスト90を剥離する。
【0038】
或いは、上述した材料膜製膜と、レジストおよびウエットエッチングによるパターニングとに代えて、CVD法またはPVD法を用いて、半導体基板11の裏面側に第2導電型半導体層を積層する際に、マスクを用いて、第2導電型半導体層35の製膜およびパターニングを同時に行ってもよい。
【0039】
なお、上述した第1半導体層材料膜形成工程または第2半導体層材料膜形成工程において、半導体基板11の受光面側の全面に、光学調整層15を形成してもよい(図示省略)。
【0040】
次に、
図3Iに示すように、第1導電型半導体層25および第2導電型半導体層35上にこれらに跨って透明電極層材料膜28Zを形成する(透明電極層材料膜形成工程)。透明電極層材料膜28Zの形成方法としては、例えばCVD法またはPVD法等が用いられる。
【0041】
次に、
図3J~
図3Lに示すように、半導体基板11の裏面側において、第1領域7と第2領域8との境界における透明電極層材料膜28Zを除去することにより、第1領域7にパターン化された第1透明電極層28を形成し、第2領域8にパターン化された第2透明電極層38を形成する。
【0042】
具体的には、
図3Jに示すように、半導体基板11の裏面側において、第1領域7における透明電極層材料膜28Z上、および第2領域8における透明電極層材料膜28Z上に、スクリーン印刷法を用いて、パターン化されたレジスト90を形成する(レジスト形成工程)。透明電極層形成工程のレジスト形成工程におけるレジスト90のパターン印刷方法の詳細は後述する。
【0043】
その後、
図3Kに示すように、レジスト90を利用したウエットエッチング法を用いて、第1領域7と第2領域8との境界における透明電極層材料膜28Z(すなわち、透明電極層材料膜28Zの一部)を除去することにより、第1領域7にパターン化された第1透明電極層28を形成し、第2領域8にパターン化された第2透明電極層38を形成する(透明電極層形成工程)。透明電極層材料膜に対するエッチング溶液としては、塩酸(HCl)等の酸性溶液が挙げられる。
その後、
図3Lに示すように、レジスト90を剥離する。
【0044】
次に、
図3Mに示すように、半導体基板11の裏面側において、第1導電型半導体層25および第1透明電極層28上に、スクリーン印刷法を用いて、パターン化された第1金属電極層29を形成する(金属電極層形成工程)。また、半導体基板11の裏面側において、第2導電型半導体層35および第2透明電極層38上に、スクリーン印刷法を用いて、パターン化された第2金属電極層39を形成する(金属電極層形成工程)。金属電極層の印刷材料は、絶縁性の樹脂材料中に、粒子状(例えば、球状)の金属材料を含む導電性ペーストである。印刷材料は、粘度または塗工性の調整のために、溶媒等を含んでもよい。金属材料としては、銀、銅、アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、銀粒子を含む銀ペーストが好ましい。金属電極層形成工程における金属電極層29,39のパターン印刷方法の詳細は後述する。
以上の工程により、本実施形態の裏面電極型の太陽電池1が完成する。
【0045】
(導電膜のパターン印刷方法)
次に、本実施形態に係る導電膜のパターン印刷方法であって、上述した金属電極層形成工程における金属電極層29,39のパターン印刷方法について、
図4Aおよび
図4Bを参照して説明する。
【0046】
上述したように、金属電極層形成工程では、半導体基板11の裏面側の第1導電型半導体層25および第1透明電極層28上に、スクリーン印刷法を用いて印刷材料(例えばAgペースト)をパターン印刷し、第1金属電極層29を形成する。また、金属電極層形成工程では、半導体基板11の裏面側の第2導電型半導体層35および第2透明電極層38上に、スクリーン印刷法を用いて印刷材料(例えばAgペースト)をパターン印刷し、第2金属電極層39を形成する。
【0047】
ここで、スクリーン印刷では、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によって、実際の印刷パターンが設計パターンからずれることがある。この点に関し、一般には、これらの様々な要因によるずれの最大値の総和を考慮して、所望パターンに対して比較的に大きなマージンを考慮して、比較的に小さな設計パターンを作成する必要があった。その結果、実際の印刷パターンが所望パターンに対して小さく(例えば、線幅が細く)、太陽電池の特性低下が生じてしまうことがあった。
【0048】
この点に関し、本実施形態では、所望パターンに対するマージンを低減したパターン印刷方法を提供する。
まず、
図4Aに示すように、スクリーン印刷法を用いて、プレ設計パターンP22,P32に基づいて印刷材料(金属ペースト、例えばAgペースト)をパターン印刷し、導電膜のプレパターンを形成する(プレ印刷工程)。
【0049】
具体的には、金属電極層形成工程では、半導体基板11の裏面側の第1導電型半導体層25および第1透明電極層28上に、スクリーン印刷法を用いて、プレ設計パターンP22(細破線)に基づいて印刷材料(例えばAgペースト)をパターン印刷し、導電膜のプレパターンP29(太実線)を形成する。また、金属電極層形成工程では、半導体基板11の裏面側の第2導電型半導体層35および第2透明電極層38上に、スクリーン印刷法を用いて、プレ設計パターンP32(細破線)に基づいて印刷材料(例えばAgペースト)をパターン印刷し、導電膜のプレパターンP39(太実線)を形成する。なお、
図4Aには、第1導電型半導体層25と第2導電型半導体層35との境界が細実線で示されている。
【0050】
プレ設計パターンP22(細破線)は、上述したように、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によるずれであって、プレ設計パターンP22に対する実際の印刷パターンのずれの最大値の総和を考慮したマージンであって、所望パターンP21(細一点鎖線)に対して比較的に大きなマージンを考慮した設計パターンである。また、プレ設計パターンP32(細破線)は、上述したように、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によるずれであって、プレ設計パターンP32に対する実際の印刷パターンのずれの最大値の総和を考慮したマージンであって、所望パターンP31(細一点鎖線)に対して比較的に大きなマージンを考慮した設計パターンである。
例えば、このプレ設計パターンP22,P32に基づいて、印刷版(乳剤)が作成される。
【0051】
図4Aに示すように、所望パターンに対して比較的に大きなマージンを考慮した設計パターンでは、実際の印刷プレパターンP29が所望パターンP21に対して小さく(例えば、線幅が細く)なってしまうことがあり、また、実際の印刷プレパターンP39が所望パターンP31に対して小さく(例えば、線幅が細く)なってしまうことがある。
【0052】
次に、カメラ等の撮像装置を用いて、印刷した導電膜のプレパターンP29,P39を撮像する(撮像工程)。
次に、
図4Bに示すように、撮像した導電膜のプレパターンP29,P39の画像と、プレ設計パターンP22,P32と、所望パターンP21,P31とに基づいて、所望パターンP21,P31を得るための設計パターンP23,P33であって、所望パターンP21,P31に対するマージンを低減した設計パターンP23,P33(細破線)を作成する(作成工程)。設計パターンP23,P33の作成では、CAD等が用いられる。
この設計パターンP23,P33に基づいて、印刷版(乳剤)が作成される。なお、印刷版(乳剤)の作成中、別ロットの製造が行われてもよい。
【0053】
次に、
図4Bに示すように、スクリーン印刷法を用いて、設計パターンP23,P33に基づいて印刷材料(例えばAgペースト)をパターン印刷し、導電膜の本パターンを形成する(本印刷工程)。
【0054】
具体的には、金属電極層形成工程では、半導体基板11の裏面側の第1導電型半導体層25および第1透明電極層28上に、スクリーン印刷法を用いて、設計パターンP23(細破線)に基づいて印刷材料(例えばAgペースト)をパターン印刷し、第1金属電極層29の本パターン(太実線)を形成する。また、金属電極層形成工程では、半導体基板11の裏面側の第2導電型半導体層35および第2透明電極層38上に、スクリーン印刷法を用いて、設計パターンP33(細破線)に基づいて印刷材料(例えばAgペースト)をパターン印刷し、第2金属電極層39の本パターン(太実線)を形成する。
【0055】
このとき、プレパターンP29,P39の上に本パターンを印刷してもよいし、プレパターンP29,P39を除去した後に本パターンを印刷してもよい。
【0056】
以上説明したように、本実施形態のパターン印刷方法によれば、パターン印刷において、所望パターンに対するマージンを低減することができる。その結果、第1金属電極層29の実際の印刷パターンが所望パターンP21に対して小さく(例えば、線幅が細く)なることを低減でき、また、第2金属電極層39の実際の印刷パターンが所望パターンP31に対して小さく(例えば、線幅が細く)なることを低減でき、太陽電池の特性低下を抑制することができる。
【0057】
(レジストのパターン印刷方法)
次に、本実施形態に係るレジストのパターン印刷方法であって、上述した第1半導体層形成工程のレジスト形成工程におけるレジストのパターン印刷方法について、
図5Aおよび
図5Bを参照して説明する。
【0058】
上述したように、第1半導体層形成工程のレジスト形成工程では、半導体基板11の裏面側の第1領域7における第1導電型半導体層材料膜25Z上に、スクリーン印刷法を用いて、印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジスト90を形成する。
【0059】
ここで、スクリーン印刷では、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によって、実際の印刷パターンが設計パターンからずれることがある。この点に関し、一般には、これらの様々な要因によるずれの最大値の総和を考慮して、所望パターンに対して比較的に大きなマージンを考慮して、比較的に小さな設計パターンを作成する必要があった。その結果、実際の印刷パターンが所望パターンに対して小さく(例えば、線幅が細く)、太陽電池の特性低下が生じてしまうことがあった。
【0060】
この点に関し、本実施形態では、所望パターンに対するマージンを低減したパターン印刷方法を提供する。
まず、
図5Aに示すように、スクリーン印刷法を用いて、プレ設計パターンP22に基づいて印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジストのプレパターンを形成する(プレ印刷工程)。
【0061】
具体的には、第1半導体層形成工程のレジスト形成工程では、半導体基板11の裏面側の第1領域7における第1導電型半導体層材料膜25Z上に、スクリーン印刷法を用いて、プレ設計パターンP22(細破線)に基づいて印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジストのプレパターンP90(太実線)を形成する。なお、
図5Aでは、第1領域7と第2領域8との境界が所望パターンP21(細一点鎖線)の外形線である。
【0062】
プレ設計パターンP22(細破線)は、上述したように、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によるずれであって、プレ設計パターンP22に対する実際の印刷パターンのずれの最大値の総和を考慮したマージンであって、所望パターンP21(細一点鎖線)に対して比較的に大きなマージンを考慮した設計パターンである。
例えば、このプレ設計パターンP22に基づいて、印刷版(乳剤)が作成される。
【0063】
図5Aに示すように、所望パターンに対して比較的に大きなマージンを考慮した設計パターンでは、実際の印刷プレパターンP90が所望パターンP21に対して小さく(例えば、線幅が細く)なってしまうことがある。
【0064】
次に、カメラ等の撮像装置を用いて、印刷したレジストのプレパターンP90を撮像する(撮像工程)。
次に、
図5Bに示すように、撮像したレジストのプレパターンP90の画像と、プレ設計パターンP22と、所望パターンP21とに基づいて、所望パターンP21を得るための設計パターンP23であって、所望パターンP21に対するマージンを低減した設計パターンP23(細破線)を作成する(作成工程)。設計パターンP23の作成には、CAD等が用いられる。
この設計パターンP23に基づいて、印刷版(乳剤)が作成される。なお、印刷版(乳剤)の作成中、別ロットの製造が行われてもよい。
【0065】
次に、
図5Bに示すように、スクリーン印刷法を用いて、設計パターンP23に基づいて印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジストの本パターンを形成する(本印刷工程)。
【0066】
具体的には、第1半導体層形成工程のレジスト形成工程では、半導体基板11の裏面側の第1領域7における第1導電型半導体層材料膜25Z上に、スクリーン印刷法を用いて、設計パターンP23(細破線)に基づいて印刷材料(有機ペースト)をパターン印刷し、レジスト90の本パターン(太実線)を形成する。
【0067】
このとき、プレパターンP90の上に本パターンを印刷してもよいし、プレパターンP90を除去した後に本パターンを印刷してもよい。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のパターン印刷方法によれば、パターン印刷において、所望パターンに対するマージンを低減することができる。その結果、レジスト90の実際の印刷パターンが所望パターンP21に対して小さく(例えば、線幅が細く)なることを低減でき、太陽電池の特性低下を抑制することができる。
【0069】
(レジストのパターン印刷方法)
次に、本実施形態に係るレジストのパターン印刷方法であって、上述した第2半導体層形成工程におけるレジストのパターン印刷方法について、
図6Aおよび
図6Bを参照して説明する。
【0070】
上述したように、第2半導体層形成工程のレジスト形成工程では、半導体基板11の裏面側の第2領域8における第2導電型半導体層材料膜35Z上に、スクリーン印刷法を用いて、印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジスト90を形成する。
【0071】
ここで、スクリーン印刷では、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によって、実際の印刷パターンが設計パターンからずれることがある。この点に関し、一般には、これらの様々な要因によるずれの最大値の総和を考慮して、所望パターンに対して比較的に大きなマージンを考慮して、比較的に小さな設計パターンを作成する必要があった。その結果、実際の印刷パターンが所望パターンに対して小さく(例えば、線幅が細く)、太陽電池の特性低下が生じてしまうことがあった。
【0072】
この点に関し、本実施形態では、所望パターンに対するマージンを低減したパターン印刷方法を提供する。
まず、
図6Aに示すように、スクリーン印刷法を用いて、プレ設計パターンP22に基づいて印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジストのプレパターンを形成する(プレ印刷工程)。
【0073】
具体的には、第2半導体層形成工程のレジスト形成工程では、半導体基板11の裏面側の第2領域8における第2導電型半導体層材料膜35Z上に、スクリーン印刷法を用いて、プレ設計パターンP22(細破線)に基づいて印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジストのプレパターンP90(太実線)を形成する。なお、
図6Aでは、第1領域7と第2領域8との境界が所望パターンP21(細一点鎖線)の外形線である。
【0074】
プレ設計パターンP22(細破線)は、上述したように、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によるずれであって、プレ設計パターンP22に対する実際の印刷パターンのずれの最大値の総和を考慮したマージンであって、所望パターンP21(細一点鎖線)に対して比較的に大きなマージンを考慮した設計パターンである。
例えば、このプレ設計パターンP22に基づいて、印刷版(乳剤)が作成される。
【0075】
図6Aに示すように、所望パターンに対して比較的に大きなマージンを考慮した設計パターンでは、実際の印刷プレパターンP90が所望パターンP21に対して小さく(例えば、線幅が細く)なってしまうことがある。
【0076】
次に、カメラ等の撮像装置を用いて、印刷したレジストのプレパターンP90を撮像する(撮像工程)。
次に、
図6Bに示すように、撮像したレジストのプレパターンP90の画像と、プレ設計パターンP22と、所望パターンP21とに基づいて、所望パターンP21を得るための設計パターンP23であって、所望パターンP21に対するマージンを低減した設計パターンP23(細破線)を作成する(作成工程)。設計パターンP23の作成には、CAD等が用いられる。
この設計パターンP23に基づいて、印刷版(乳剤)が作成される。なお、印刷版(乳剤)の作成中、別ロットの製造が行われてもよい。
【0077】
次に、
図6Bに示すように、スクリーン印刷法を用いて、設計パターンP23に基づいて印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジストの本パターンを形成する(本印刷工程)。
【0078】
具体的には、第2半導体層形成工程のレジスト形成工程では、半導体基板11の裏面側の第2領域8における第2導電型半導体層材料膜35Z上に、スクリーン印刷法を用いて、設計パターンP23(細破線)に基づいて印刷材料(有機ペースト)をパターン印刷し、レジスト90の本パターン(太実線)を形成する。
【0079】
このとき、プレパターンP90の上に本パターンを印刷してもよいし、プレパターンP90を除去した後に本パターンを印刷してもよい。
【0080】
以上説明したように、本実施形態のパターン印刷方法によれば、パターン印刷において、所望パターンに対するマージンを低減することができる。その結果、レジスト90の実際の印刷パターンが所望パターンP21に対して小さく(例えば、線幅が細く)なることを低減でき、太陽電池の特性低下を抑制することができる。
【0081】
(レジストのパターン印刷方法)
次に、本実施形態に係るレジストのパターン印刷方法であって、上述した透明電極層形成工程のレジスト形成工程におけるレジストのパターン印刷方法について、
図7Aおよび
図7Bを参照して説明する。
【0082】
上述したように、透明電極層形成工程のレジスト形成工程では、半導体基板11の裏面側の第1領域7における透明電極層材料膜28Z上、および第2領域8における透明電極層材料膜28Z上に、スクリーン印刷法を用いて、印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジスト90を形成する。
【0083】
ここで、スクリーン印刷では、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によって、実際の印刷パターンが設計パターンからずれることがある。この点に関し、一般には、これらの様々な要因によるずれの最大値の総和を考慮して、所望パターンに対して比較的に大きなマージンを考慮して、比較的に小さな設計パターンを作成する必要があった。その結果、実際の印刷パターンが所望パターンに対して小さく(例えば、線幅が細く)、太陽電池の特性低下が生じてしまうことがあった。
【0084】
この点に関し、本実施形態では、所望パターンに対するマージンを低減したパターン印刷方法を提供する。
まず、
図7Aに示すように、スクリーン印刷法を用いて、プレ設計パターンP22,P32に基づいて印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジストのプレパターンを形成する(プレ印刷工程)。
【0085】
具体的には、透明電極層形成工程のレジスト形成工程では、半導体基板11の裏面側の第1領域7における透明電極層材料膜28Z上、および第2領域8における透明電極層材料膜28Z上に、スクリーン印刷法を用いて、プレ設計パターンP22(細破線)に基づいて印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジストのプレパターンP90(太実線)を形成する。なお、
図7Aには、第1領域7と第2領域8との境界が細実線で示されている。
【0086】
プレ設計パターンP22(細破線)は、上述したように、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によるずれであって、プレ設計パターンP22に対する実際の印刷パターンのずれの最大値の総和を考慮したマージンであって、所望パターンP21(細一点鎖線)に対して比較的に大きなマージンを考慮した設計パターンである。また、プレ設計パターンP32(細破線)は、上述したように、印刷版(乳剤)の製造誤差、印刷材料のダレ、その他の様々な要因によるずれであって、プレ設計パターンP32に対する実際の印刷パターンのずれの最大値の総和を考慮したマージンであって、所望パターンP31(細一点鎖線)に対して比較的に大きなマージンを考慮した設計パターンである。
例えば、このプレ設計パターンP22,P23に基づいて、印刷版(乳剤)が作成される。
【0087】
図7Aに示すように、所望パターンに対して比較的に大きなマージンを考慮した設計パターンでは、実際の印刷プレパターンP90が所望パターンP21,P31に対して小さく(例えば、線幅が細く)なってしまうことがある。
【0088】
次に、カメラ等の撮像装置を用いて、印刷したレジストのプレパターンP90を撮像する(撮像工程)。
次に、
図7Bに示すように、撮像したレジストのプレパターンP90の画像と、プレ設計パターンP22,P32と、所望パターンP21,P31とに基づいて、所望パターンP21,P31を得るための設計パターンP23,P33であって、所望パターンP21,P31に対するマージンを低減した設計パターンP23,P33(細破線)を作成する(作成工程)。設計パターンP23,P33の作成には、CAD等が用いられる。
この設計パターンP23,P33に基づいて、印刷版(乳剤)が作成される。なお、印刷版(乳剤)の作成中、別ロットの製造が行われてもよい。
【0089】
次に、
図7Bに示すように、スクリーン印刷法を用いて、設計パターンP23,P33に基づいて印刷材料(例えば有機ペースト)をパターン印刷し、レジストの本パターンを形成する(本印刷工程)。
【0090】
具体的には、透明電極層形成工程のレジスト形成工程では、半導体基板11の裏面側の第1領域7における透明電極層材料膜28Z上に、スクリーン印刷法を用いて、設計パターンP23,P33(細破線)に基づいて印刷材料(有機ペースト)をパターン印刷し、レジスト90の本パターン(太実線)を形成する。
【0091】
このとき、プレパターンP90の上に本パターンを印刷してもよいし、プレパターンP90を除去した後に本パターンを印刷してもよい。
【0092】
以上説明したように、本実施形態のパターン印刷方法によれば、パターン印刷において、所望パターンに対するマージンを低減することができる。その結果、レジスト90の実際の印刷パターンが所望パターンP21,P31に対して小さく(例えば、線幅が細く)なることを低減でき、太陽電池の特性低下を抑制することができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 太陽電池
7 第1領域
7b,8b バスバー部
7f,8f フィンガー部
8 第2領域
11 半導体基板
15 光学調整層
25 第1導電型半導体層
25Z 第1導電型半導体層材料膜
27 第1電極層
28 第1透明電極層(電極層)
28Z 透明電極層材料膜
29 第1金属電極層(電極層)
35 第2導電型半導体層
35Z 第2導電型半導体層材料膜
37 第2電極層
38 第2透明電極層(電極層)
39 第2金属電極層(電極層)
90 レジスト
P21,P31 所望パターン
P22,P32 プレ設計パターン
P23,P33 設計パターン
P29,P39,P90 プレパターン