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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143246
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】細胞培養プレート
(51)【国際特許分類】
   C12M 3/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
C12M3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050515
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100194250
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 直志
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】舩岡 創平
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA08
4B029AA21
4B029BB11
4B029CC10
4B029GA01
4B029GA03
4B029GB04
4B029GB10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フィルタの両面で容易に細胞培養が可能な細胞培養プレートを提供する。
【解決手段】第1貫通孔11aが設けられた上部プレート11と、第2貫通孔12aが設けられた下部プレート12と、上部プレート11と下部プレート12とに挟持された多孔膜13と、を備え、上部プレート11と下部プレート12とは、第1貫通孔11aと第2貫通孔12aと多孔膜13とが平面視で重なる姿勢で多孔膜13を挟持し、第1貫通孔11aと多孔膜13とで囲まれた第1ウェルW1と、第2貫通孔12aと多孔膜13とで囲まれた第2ウェルW2とを有する細胞培養プレート1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1貫通孔が設けられた上部プレートと、
第2貫通孔が設けられた下部プレートと、
前記上部プレートと前記下部プレートとに挟持された多孔膜と、を備え、
前記上部プレートと前記下部プレートとは、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔と前記多孔膜とが平面視で重なる姿勢で前記多孔膜を挟持し、
前記第1貫通孔と前記多孔膜とで囲まれた第1ウェルと、前記第2貫通孔と前記多孔膜とで囲まれた第2ウェルとを有する細胞培養プレート。
【請求項2】
前記上部プレートは、複数の前記第1貫通孔を有し、
前記下部プレートは、複数の前記第2貫通孔を有し、
前記上部プレートと前記下部プレートとは、複数の前記第1貫通孔と複数の前記第2貫通孔とが平面視で重なる姿勢で複数の前記多孔膜を挟持し、
複数の前記第1ウェルと複数の前記第2ウェルとを有する請求項1に記載の細胞培養プレート。
【請求項3】
複数の第1貫通孔が設けられた上部プレートと、
複数の第2貫通孔が設けられた下部プレートと、
前記上部プレートと前記下部プレートとに挟持された多孔膜と、を備え、
前記上部プレートは、隣り合う2つの前記第1貫通孔からなる第1アレイと、
前記第1アレイの配列方向と同方向に隣り合う2つの前記第1貫通孔からなる第2アレイと、を有し、
前記第2アレイは、前記配列方向と交差する方向で前記第1アレイと隣り合い、
前記下部プレートは、前記第1アレイと重なる2つの前記第2貫通孔からなる第3アレイと、
前記第2アレイと重なる2つの前記第2貫通孔からなる第4アレイと、を有し、
前記上部プレートの下面には、前記第1アレイを構成する2つの前記第1貫通孔を接続する第1溝部が設けられ、
前記下部プレートの上面には、前記第4アレイを構成する2つの前記第2貫通孔を接続する第2溝部が設けられ、
前記上部プレートと前記下部プレートとは、前記第1溝部と前記第2溝部と前記多孔膜とが平面視で重なる姿勢で前記多孔膜を挟持する細胞培養プレート。
【請求項4】
前記第1貫通孔に対し液密に嵌合する第1キャップと、
前記第2貫通孔に対し液密に嵌合する第2キャップと、を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の細胞培養プレート。
【請求項5】
複数の前記第1キャップが接続した第1キャップアレイと、
複数の前記第2キャップが接続した第2キャップアレイと、を有する請求項4に記載の細胞培養プレート。
【請求項6】
前記第1キャップ及び前記第2キャップは、流体の出入口を有する請求項4又は5に記載の細胞培養プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、細胞の固相培養に用いられる器具として、細胞培養用のインサートが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のセルカルチャーインサートは、細胞培養用プレートが有するウェルに挿入して用いられる筒状の部材であり、底部を有し、底部がフィルタで構成されている。セルカルチャーインサートは、フィルタ上に細胞を播種した状態で培養液を貯留した細胞培養プレートのウェルに挿入されることで、フィルタを介して細胞に培養液が供給され、細胞培養を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-110114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生体内では、ある細胞が分泌した物質が、近傍に存在する他の細胞に作用する現象(パラクライン効果)が見られる。このような現象の検討のため、細胞培養用インサートにおいても、例えば2種の細胞を同時に培養(共培養)することが行われている。一つの方法として、特許文献1に記載の発明のようなインサートでは、フィルタの一方の面と他方の面とで細胞を培養することが行われている。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の発明は、基本的にフィルタの上面(インサートの内部)で細胞培養を行うように構成されており、下面(インサートの外部)での細胞培養は、操作が困難となりやすい。そのため、改善が求められていた。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、フィルタの両面で容易に細胞培養が可能な細胞培養プレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、以下の態様を包含する。
【0008】
[1]第1貫通孔が設けられた上部プレートと、第2貫通孔が設けられた下部プレートと、前記上部プレートと前記下部プレートとに挟持された多孔膜と、を備え、前記上部プレートと前記下部プレートとは、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔と前記多孔膜とが平面視で重なる姿勢で前記多孔膜を挟持し、前記第1貫通孔と前記多孔膜とで囲まれた第1ウェルと、前記第2貫通孔と前記多孔膜とで囲まれた第2ウェルとを有する細胞培養プレート。
【0009】
[2]前記上部プレートは、複数の前記第1貫通孔を有し、前記下部プレートは、複数の前記第2貫通孔を有し、前記上部プレートと前記下部プレートとは、複数の前記第1貫通孔と複数の前記第2貫通孔とが平面視で重なる姿勢で複数の前記多孔膜を挟持し、複数の前記第1ウェルと複数の前記第2ウェルとを有する[1]に記載の細胞培養プレート。
【0010】
[3]複数の第1貫通孔が設けられた上部プレートと、複数の第2貫通孔が設けられた下部プレートと、前記上部プレートと前記下部プレートとに挟持された多孔膜と、を備え、前記上部プレートは、隣り合う2つの前記第1貫通孔からなる第1アレイと、前記第1アレイの配列方向と同方向に隣り合う2つの前記第1貫通孔からなる第2アレイと、を有し、前記第2アレイは、前記配列方向と交差する方向で前記第1アレイと隣り合い、前記下部プレートは、前記第1アレイと重なる2つの前記第2貫通孔からなる第3アレイと、前記第2アレイと重なる2つの前記第2貫通孔からなる第4アレイと、を有し、前記上部プレートの下面には、前記第1アレイを構成する2つの前記第1貫通孔を接続する第1溝部が設けられ、前記下部プレートの上面には、前記第4アレイを構成する2つの前記第2貫通孔を接続する第2溝部が設けられ、前記上部プレートと前記下部プレートとは、前記第1溝部と前記第2溝部と前記多孔膜とが平面視で重なる姿勢で前記多孔膜を挟持する細胞培養プレート。
【0011】
[4]前記第1貫通孔に対し液密に嵌合する第1キャップと、前記第2貫通孔に対し液密に嵌合する第2キャップと、を有する[1]から[3]のいずれか1項に記載の細胞培養プレート。
【0012】
[5]複数の前記第1キャップが接続した第1キャップアレイと、複数の前記第2キャップが接続した第2キャップアレイと、を有する[4]に記載の細胞培養プレート。
【0013】
[6]前記第1キャップ及び前記第2キャップは、流体の出入口を有する[4]又は[5]に記載の細胞培養プレート。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フィルタの両面で容易に細胞培養が可能な細胞培養プレートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、細胞培養プレート1を示す概略斜視図である。
図2図2は、図1の線分II-IIにおける矢視断面図である。
図3図3は、細胞培養プレート2を示す概略斜視図である。
図4図4は、図3の線分IV-IVにおける矢視断面図である。
図5図5は、平面視における上部プレート21の一部拡大図である。
図6図6は、平面視における下部プレート22の一部拡大図である。
図7図7は、図4の線分VII-VIIにおける矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、図1~2を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る細胞培養プレートについて説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
【0017】
以下の説明においては、xyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。ここでは、水平面内の所定方向をx軸方向、水平面内においてx軸方向と直交する方向をy軸方向、x軸方向及びy軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をz軸方向とする。
【0018】
図1は、細胞培養プレート1を示す概略斜視図である。図2は、図1の線分II-IIにおける矢視断面図である。図1、2に示すように、本実施形態の細胞培養プレート1は、上部プレート11と、下部プレート12と、多孔膜13とを有する。
【0019】
(上部プレート)
上部プレート11は、平面視矩形を呈し、複数の第1貫通孔11aを有する板状部材である。本明細書において「平面視」とは、+z方向からz軸に沿って見た視野のことを意味する。
【0020】
第1貫通孔11aは、上部プレート11を厚さ方向(z方向)に貫通している。図1では、複数の第1貫通孔11aは、x方向に6個、且つy方向に4個、計24個がマトリクス状に設けられている。
【0021】
第1貫通孔11aの形状に限定は無いが、内壁が曲面であると好ましい。例えば、第1貫通孔11aの形状は、円筒状又は+z方向に広く開口する円錐台状であると好ましい。
【0022】
上部プレート11の材料としては、細胞培養用の器具の材料として公知の樹脂材料を採用することができる。上部プレート11の材料は、ガンマ線滅菌や電子線滅菌において着色や強度低下が少ない、又は見られない材料が好ましい。このような材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン(PU)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)等の熱可塑性樹脂を採用することができる。中でも、光透過性が高く、培養した細胞の観察が容易となることから、ポリカーボネート、ポリスチレンが好ましい。
【0023】
(下部プレート)
下部プレート12は、平面視矩形を呈し、且つ上部プレート11と平面視で同じ輪郭形状を有する。また、下部プレート12は、複数の第2貫通孔12aを有する。第2貫通孔12aは、下部プレート12を厚さ方向(z方向)に貫通している。
【0024】
複数の第2貫通孔12aは、上部プレート11が有する複数の第1貫通孔11aと同数設けられている。また、複数の第2貫通孔12aは、各第1貫通孔11aと平面視で重なる位置に設けられている。
【0025】
第2貫通孔12aの形状に限定は無いが、内壁が曲面であると好ましい。例えば、第2貫通孔12aの形状は、円筒状又は-z方向に広く開口する円錐台状であると好ましい。
【0026】
下部プレート12の材料は、上述の上部プレート11と同じ材料を採用することができる。
【0027】
(多孔膜)
多孔膜13は、培養する対象となる細胞が播種され、固相培養の場として用いられる。多孔膜13は、上部プレート11と下部プレート12とに挟持されている。詳細には、多孔膜13は、第1貫通孔11aと第2貫通孔12aと多孔膜13とが平面視で重なる姿勢で、上部プレート11の下面11xと下部プレート12の上面12xとの間に挟持されている。多孔膜13は、下面11x及び上面12xに熱融着されているとよい。
【0028】
図1,2に示す細胞培養プレート1は、平面的に重なる第1貫通孔11a及び第2貫通孔12aを一組の貫通孔としたとき、複数組の貫通孔を有する。多孔膜13は、各組の第1貫通孔11a及び第2貫通孔12aのそれぞれに1枚ずつ挟まれている。
【0029】
上部プレート11において、第1貫通孔11aと多孔膜13とで囲まれた空間は、第1ウェルW1である。下部プレート12において、第2貫通孔12aと多孔膜13とで囲まれた空間は、第2ウェルW2である。第1ウェルW1及び第2ウェルW2には、細胞培養に用いられる培養液が貯留される。
【0030】
多孔膜13の貫通孔の直径は特に限定されないが、例えば0.1μm~20μmとすることができる。貫通孔の直径は、0.2μm~15μmであることが好ましく、0.3μm~10μmであることがより好ましい。また、多孔膜13の材料としては、例えばシリコーン系樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリカーボネート系樹脂等を挙げることができる。多孔膜13の厚さは、例えば5μm~200μmであることが好ましく、10μm~100μmであることがより好ましい。
【0031】
(キャップ)
上記構成のほか、細胞培養プレート1は、第1貫通孔11aに対し液密に嵌合する第1キャップ51Aと、第2貫通孔12aに対し液密に嵌合する第2キャップ51Bと、を有する。
【0032】
図2に示すように、第1キャップ51Aは第1貫通孔11aに嵌合する嵌合部511と、嵌合部511の周囲に設けられたフランジ512と、を有する。第1キャップ51Aは、複数の第1貫通孔11aのそれぞれに設けられている。複数の第1キャップ51Aは、それぞれが独立して第1貫通孔11aに嵌合していてもよく、複数の第1キャップ51Aが接続した第1キャップアレイ50Aとして、複数の第1貫通孔11aに対してまとめて嵌合していてもよい。第1キャップアレイ50Aは、隣り合う第1キャップ51A同士が、フランジ512に設けられた接続部512aで接続されて構成されている。
【0033】
第1キャップ51A及び第1キャップアレイ50Aの材料としては、細胞培養用の器具の材料として公知の樹脂材料を採用することができる。このような材料として、例えば、合成ゴム、エラストマー等の弾性体や、上部プレートと同様の樹脂材料を採用することができる。
【0034】
第2キャップ51Bは、複数の第2貫通孔12aのそれぞれに設けられている。複数の第2キャップ51Bは、それぞれが独立して第2貫通孔12aに嵌合していてもよく、複数の第2キャップ51Bが接続した第2キャップアレイ50Bとして、複数の第2貫通孔12aに対してまとめて嵌合していてもよい。
【0035】
第2キャップ51B及び第2キャップアレイ50Bとしては、上述の第1キャップ51A及び第1キャップアレイ50Aと同様の構成とすることができる。
【0036】
このような細胞培養プレート1においては、まず第1ウェルW1側の多孔膜13上に細胞を播種し、適宜第1キャップアレイ50A及び第2キャップアレイ50Bで第1ウェルW1及び第2ウェルW2に蓋をして細胞を培養する。その際、細胞培養プレート1の姿勢は、上部プレート11側を+z側とする。
【0037】
第1ウェルW1における細胞培養の後、細胞培養プレート1の上下を反転させ、下部プレート12側を+z側とする。その後、第2ウェルW2側の多孔膜13上に細胞を播種し、細胞を培養する。
このような操作により、多孔膜13の両面に細胞を培養することができる。
【0038】
以上のような構成の細胞培養プレート1によれば、フィルタの両面で容易に細胞培養が可能となる。
【0039】
なお、細胞培養プレート1は、第1キャップ51A、第2キャップ51Bと共に用いることとしたが、これに限らない。例えば、細胞培養プレートの各ウェルで細胞培養した後、培養液を除去した状態であれば、キャップを用いなくても上下を反転させることができる。このように使用することで、細胞培養プレートと共にキャップを使用しなくても、多孔膜13の両面に細胞を培養することが可能である。
【0040】
図3は、細胞培養プレート2を示す概略斜視図である。図4は、図3の線分IV-IVにおける矢視断面図である。図3、4に示すように、本実施形態の細胞培養プレート2は、上部プレート21と、下部プレート22と、多孔膜23とを有する。
【0041】
(上部プレート)
上部プレート21は、平面視矩形を呈し、複数の第1貫通孔21aを有する板状部材である。複数の第1貫通孔21aは、x方向に6個、且つy方向に4個、計24個がマトリクス状に設けられている。第1貫通孔21aは、上述の第1貫通孔11aと同様の構成とすることができる。
【0042】
上部プレート21の材料は、上述の上部プレート11と同じ材料を採用することができる。
【0043】
図5は、平面視における上部プレート21の一部拡大図である。図5に示すように、上部プレート21が有する複数の第1貫通孔21aのうち、x方向に隣り合う2つの第1貫通孔21aを第1アレイA1とする。また、第1アレイA1の配列方向(x方向)と同方向に隣り合う2つの第1貫通孔21aを第2アレイA2とする。第2アレイA2は、第1アレイA1の配列方向(x方向)と交差する方向(y方向)で第1アレイA1と隣り合う。
【0044】
上部プレート21は、下面21x(-z側の面)に第1アレイA1を構成する2つの第1貫通孔11aを接続する第1溝部211が設けられている。第1溝部211は、y方向における第1アレイA1と第2アレイA2との間の領域AR1に設けられ、-z側に開口している。第1溝部211は、領域AR1においてx方向に延びる直線部211aと、直線部211aと第1貫通孔21aとを接続する湾曲部211bとを有する。
【0045】
(下部プレート)
下部プレート22は、平面視矩形を呈し、且つ上部プレート21と平面視で同じ輪郭形状を有する。また、下部プレート22は、複数の第2貫通孔22aを有する。第2貫通孔22aは、下部プレート22を厚さ方向(z方向)に貫通している。
【0046】
複数の第2貫通孔22aは、上部プレート21が有する複数の第1貫通孔21aと同数設けられている。また、複数の第2貫通孔22aは、各第1貫通孔21aと平面視で重なる位置に設けられている。
【0047】
下部プレート22の材料は、上述の上部プレート11と同じ材料を採用することができる。
【0048】
図6は、平面視における下部プレート22の一部拡大図であり、図5に対応する図である。図6に示すように、下部プレート22が有する複数の第2貫通孔22aのうち、x方向に隣り合う2つの第2貫通孔22aを第3アレイA3とする。第3アレイA3の2つの第2貫通孔22aは、第1アレイA1の2つの第1貫通孔21aと重なり、連通している。
【0049】
また、第3アレイA3の配列方向(x方向)と同方向に隣り合う2つの第2貫通孔22aを第4アレイA4とする。第4アレイは、第3アレイA3の配列方向(x方向)と交差する方向(y方向)で第3アレイA3と隣り合う。第4アレイA4の2つの第2貫通孔22aは、第2アレイA2の2つの第1貫通孔21aと重なり、連通している。
【0050】
下部プレート22は、上面22x(+z側の面)に第4アレイA4を構成する2つの第2貫通孔22aを接続する第2溝部221が設けられている。第2溝部221は、y方向における第3アレイA3と第4アレイA4との間の領域AR2に設けられ、+z側に開口している。第2溝部221は、領域AR2においてx方向に延びる直線部221aと、直線部221aと第2貫通孔22aとを接続する湾曲部221bとを有する。
【0051】
第2溝部221の直線部221aは、第1溝部211の直線部211aと、平面視で重なる位置に設けられている。
【0052】
(多孔膜)
多孔膜23は、培養する対象となる細胞が播種され、固相培養の場として用いられる。多孔膜23は、多孔膜23は、第1溝部211と第2溝部221と多孔膜23とが平面視で重なる姿勢で、上部プレート21の下面21xと下部プレート22の上面22xとの間に挟持されている。詳細には、図6に示すように、多孔膜23は、第2溝部221の直線部221aと重なる位置に配置され、第1溝部211の直線部211aと直線部221aとの間に挟持されている。多孔膜23は、下面21x及び上面22xに熱融着されているとよい。
【0053】
多孔膜23としては、上述の多孔膜13と同様の材料を採用することができる。
【0054】
図7は、図4の線分VII-VIIにおける矢視断面図である。図7に示すように、細胞培養プレート2は、第1溝部211と多孔膜23とで囲まれた流路C1と、第2溝部221と多孔膜23とで囲まれた流路C2とを有する。流路C1は、第1アレイA1と第3アレイA3とが連通して形成された貫通孔と接続する。流路C2は、第2アレイA2と第4アレイA4とが連通して形成された貫通孔と接続する。
【0055】
図3に示す細胞培養プレート2は、6×4のマトリクス状に配列する複数の第1貫通孔21a、第2貫通孔22aについて、図5,6に示すような2×2の第1貫通孔21a、第2貫通孔22aを一組の貫通孔としたとき、複数組(図では6組)の貫通孔を有する。各組では、それぞれ図5,6で示したような第1アレイA1、第2アレイA2、第3アレイA3、第4アレイA4が設定され、それぞれの組において、第1溝部211、第2溝部221、多孔膜23で形成された流路C1、C2が設けられている。
【0056】
(キャップ)
上記構成のほか、細胞培養プレート2は、第1貫通孔21aに対し液密に嵌合する第1キャップ61と、第2貫通孔22aに対し液密に嵌合する第2キャップ51B(第2キャップアレイ50B)と、を有する。
【0057】
図4に示すように、第1キャップ61は第1貫通孔21aに嵌合する嵌合部611と、嵌合部611の周囲に設けられたフランジ612と、を有する。第1キャップ61は、複数の第1貫通孔21aのそれぞれに設けられている。複数の第1キャップ61は、それぞれが独立して第1貫通孔21aに嵌合していてもよく、複数の第1キャップ61が接続した第1キャップアレイ60として、複数の第1貫通孔21aに対してまとめて嵌合していてもよい。第1キャップアレイ60は、隣り合う第1キャップ61同士が、フランジ612に設けられた接続部612aで接続されて構成されている。
【0058】
また、第1キャップ61は、流体の出入口61aを有する。出入口61aは、第1キャップ61を厚さ方向(z方向)に貫通する貫通孔である。出入口61aには、不図示の配管が接続され、接続された配管を介して空気や培養液が注入又は排出される。第1キャップ61は、出入口61aの周囲に、上述の配管が接続される凸状の接続部613を有してもよい。
【0059】
第1キャップ61及び第1キャップアレイ60の材料としては、上述の第1キャップ51Aと同様の材料を採用することができる。
【0060】
このような細胞培養プレート2においては、まず上部プレート21側の多孔膜23上に細胞を播種する。流路C1の入り口から細胞の分散液を流路C1内に流動させることで、多孔膜23の上面に細胞を播種することができる。
【0061】
次いで、第1キャップアレイ60で第1貫通孔21a、第2キャップアレイ50Bで第2貫通孔22aにそれぞれ蓋をして、細胞を培養する。細胞培養プレート2の姿勢は、上部プレート21側を+z側とする。
【0062】
このとき、第1キャップ61の出入口61aに配管を接続し、一方の出入口61aから、空気や培養液を適宜流動させ、他方の出入口61aから排出する。これにより、多孔膜23上の細胞に、培養液や空気を供給しながら培養することができる。
【0063】
上記細胞培養の後、細胞培養プレート2の上下を反転させ、下部プレート22側を+z側とし、下部プレート22側の多孔膜23上に細胞を播種する。流路C2の入り口から細胞の分散液を流路C2内に流動させることで、多孔膜23の上面に細胞を播種することができる。
【0064】
次いで、第1キャップアレイ60で第2貫通孔22a、第2キャップアレイ50Bで第1貫通孔21aにそれぞれ蓋をして、細胞を培養する。細胞培養プレート2の姿勢は、下部プレート22側を+z側とする。
【0065】
このとき、上述した操作と同様に、第1キャップ61の出入口61aに配管を接続し、一方の出入口61aから、空気や培養液を適宜流動させ、他方の出入口61aから排出する。これにより、多孔膜23上の細胞に、培養液や空気を供給しながら培養することができる。
このような操作により、多孔膜23の両面に細胞を培養することができる。
【0066】
以上のような構成の細胞培養プレート2によれば、フィルタの両面で容易に細胞培養が可能となる。
【0067】
なお、本実施形態においては、第1キャップ61が流体の出入口61aを有することとしたが、第2キャップにおいても同様の流体の出入口を有することとしてもよい。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計、仕様等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0069】
1,2…細胞培養プレート、11,21…上部プレート、11a,21a…第1貫通孔、11x,21x…下面、12,22…下部プレート、12a,22a…第2貫通孔、12x,22x…上面、13,23…多孔膜、50A,60…第1キャップアレイ、50B…第2キャップアレイ、51A,61…第1キャップ、51B…第2キャップ、61a…出入口、211…第1溝部、221…第2溝部、A1…第1アレイ、A2…第2アレイ、A3…第3アレイ、A4…第4アレイ、C1,C2…流路、W1…第1ウェル、W2…第2ウェル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7