(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143248
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】ホース結合用差し金具
(51)【国際特許分類】
F16L 37/086 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
F16L37/086
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050520
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】本間 毅
(72)【発明者】
【氏名】神原 健吾
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106BE24
3J106BE29
3J106EF15
(57)【要約】
【課題】押し輪の操作性が低下することを抑制しつつも、押し輪に対して受け金具側に移動するような外力が不意に加わることを抑制する。
【解決手段】ホースHの端部に設けられ、他のホースの端部に設けられた受け金具と組み合わせて用いられるホース結合用差し金具1において、前記ホースHの端部を保持する保持部を有する筒状の差し金具本体2と、前記差し金具本体2の外周に軸方向に移動可能に設けられる押し輪3と、外れ防止具4と、を備え、前記押し輪3は、前記差し金具本体2から径方向に延びる鍔部32であって、他のホースとの結合を解除するため前記受け金具に向かって操作者に操作される鍔部32を備え、前記外れ防止具4は、前記鍔部32よりも前記保持部21側の位置で前記差し金具本体2の外周に配置されており、径寸法が前記鍔部32の径寸法以下とされている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースの端部に設けられ、他のホースの端部に設けられた受け金具と組み合わせて用いられるホース結合用差し金具において、
前記ホースの端部を保持する保持部を有する筒状の差し金具本体と、前記差し金具本体の外周に軸方向に移動可能に設けられる押し輪と、外れ防止具と、を備え、
前記押し輪は、前記差し金具本体から径方向に延びる鍔部であって、他のホースとの結合を解除するため前記受け金具に向かって操作者に操作される鍔部を備え、
前記外れ防止具は、前記鍔部よりも前記保持部側の位置で前記差し金具本体の外周に配置されており、径寸法が前記鍔部の径寸法以下とされていることを特徴とする、ホース結合用差し金具。
【請求項2】
前記外れ防止具は、径外端縁部のうち前記保持部側に傾斜部を有する、請求項1に記載のホース結合用差し金具。
【請求項3】
前記外れ防止具は、径外端縁部のうち前記鍔部側に傾斜部を有する、請求項1または2に記載のホース結合用差し金具。
【請求項4】
前記外れ防止具は円環状である、請求項1~3のいずれかに記載のホース結合用差し金具。
【請求項5】
前記外れ防止具の直径は、前記押し輪の直径を基準として-10mm~0mmに設定されている、請求項4に記載のホース結合用差し金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防用ホース等に用いられるホース結合用差し金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば消防ホースは、消火現場で迅速にホース同士を接続する必要があることから、端部にホース結合金具が設けられている。このホース結合金具は、「町野式」と呼ばれる構成が広く用いられており、差し金具と受け金具とで一対を構成している。差し金具の基本的構成は特許文献1に示されている。受け金具には径内方向へと付勢された爪部が内蔵されている。受け金具に差し金具を差し込むと、差し金具の先端部に形成された段差に受け金具の爪部が引っ掛かる。これにより、差し金具と受け金具とが結合状態となる。
【0003】
差し金具には軸方向に移動できる押し輪が設けられている。この押し輪を受け金具に向かう方向に移動させることで、受け金具の爪部を径外方向に押し上げ、差し金具の段差と受け金具の爪部の引っ掛かりを外すことができる。これにより、差し金具と受け金具とを結合解除状態とできる。
【0004】
ここで、前述した町野式の金具では、押し輪が受け金具側に移動するような外力が加わると、前記段差と前記爪部との係合状態が不意に(消防士等のホースを扱う者が意図しないで)解除されるおそれがある。前記外力の生じる原因としては、例えば、消防用ホースを取り回す際における、階段での引きずりによる段への引っ掛かり、屋根の廂部分との衝突、建物入口や扉における枠部への引っ掛かり等が挙げられる。一方、消防ホースの場合、ホースの接続解除も迅速に行えることが望ましい。このため、意図的に押し輪を操作する際の操作性の低下はできるだけ小さくしたい。
【0005】
ここで、特許文献1には、外力が押し輪にかかることを防ぐための継手保護具が記載されている。これは、外周の2箇所に切欠を形成した円板状体であって、押し輪に隣接して設けられる。この継手保護具により、押し輪に対して受け金具側に移動するような外力が加わることが抑制される。
【0006】
しかし、この継手保護具は平板形状であって、しかも押し輪より外径が大きく形成されている。このため、外力が加わった際、継手保護具に変形や破損が生じる可能性がある。また、継手保護具は押し輪より外径が大きいため、例えばホースを巻き取った状態で平板形状の継手保護具がホースに接触し、その状態で衝撃を受けた際、ホースが傷ついてしまう可能性がある。また、消防士等の操作者が押し輪に指を掛ける際、2箇所の切欠部分以外では押し輪に指をかけにくいので、例えば暗い場所において意図的に押し輪を操作する際の操作性が良くない。このように、特許文献1に記載の継手保護具は、改良の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、押し輪の操作性が低下することを抑制しつつも、押し輪に対して受け金具側に移動するような外力が不意に加わることを抑制すべく改良されたホース結合用差し金具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ホースの端部に設けられ、他のホースの端部に設けられた受け金具と組み合わせて用いられるホース結合用差し金具において、前記ホースの端部を保持する保持部を有する筒状の差し金具本体と、前記差し金具本体の外周に軸方向に移動可能に設けられる押し輪と、外れ防止具と、を備え、前記押し輪は、前記差し金具本体から径方向に延びる鍔部であって、他のホースとの結合を解除するため前記受け金具に向かって操作者に操作される鍔部を備え、前記外れ防止具は、前記鍔部よりも前記保持部側の位置で前記差し金具本体の外周に配置されており、径寸法が前記鍔部の径寸法以下とされていることを特徴とする、ホース結合用差し金具である。
【0010】
この構成によれば、外れ防止具の径寸法が鍔部の径寸法以下とされていることにより、鍔部によって押し輪に外力がかかりにくくでき、しかも、操作者が鍔部に指を当てる際に外れ防止具が邪魔になりにくい。
【0011】
前記外れ防止具は、径外端縁部のうち前記保持部側に傾斜部を有するものとできる。
【0012】
この構成によれば、鍔部に外力を与える可能性のある物体を傾斜部が有する斜面に対して滑らせるようにすることで、前記物体を受け流すことができる。
【0013】
前記外れ防止具は、径外端縁部のうち前記鍔部側に傾斜部を有するものとできる。
【0014】
この構成によれば、傾斜部が有する斜面に操作者の指を当てることで、操作者の指を鍔部と外れ防止具との間に滑り入れやすい。
【0015】
前記外れ防止具は円環状とできる。
【0016】
この構成によれば、周方向において均一に、作用を奏することができる。
【0017】
前記外れ防止具の直径は、前記押し輪の直径を基準として-10mm~0mmに設定されることができる。
【0018】
この構成によれば、作用との関係で適切な寸法の外れ防止具を形成できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、鍔部によって押し輪に外力がかかりにくくでき、しかも、操作者が鍔部に指を当てる際に外れ防止具が邪魔になりにくい。よって、押し輪の操作性が低下することを抑制しつつも、押し輪が受け金具側に移動するような外力が不意に加わることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るホース結合用差し金具を示す半断面図である。
【
図2】本発明の他の実施形態に係るホース結合用差し金具を示す半断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態に係るホース結合用差し金具を示す半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明につき、一実施形態を取り上げて説明を行う。なお、本実施形態のホース結合用差し金具1において、ホースHが取り付けられる側の端部を基端部とし、受け金具に差し込まれる側の端部を先端部として説明する。そして、基端部と先端部とを結ぶ方向を軸方向とする。また、ホース結合用差し金具1の軸心(仮想の軸)を基準とした内外方向を径方向とする。
【0022】
本実施形態のホース結合用差し金具1は、繊維材料等の軟質材料から形成されたホースH(
図1に二点鎖線で示す)の端部に設けられ、他のホース(図示しない)の端部に設けられた、図示しない受け金具と組み合わせて用いられる。この組み合わせが有する構成は、前述したように「町野式」と呼ばれていて、この構成の基本部分は公知である。本実施形態のホース結合用差し金具1は、前記「町野式」の構成に対し、良好な操作性を保ちつつ、受け金具との結合が不意に解除されない工夫を施した点が特徴である。下記では、前記特徴に係る構成について主に説明し、従来から公知の構成に関しては必要な範囲で説明する。
【0023】
ホース結合用差し金具1は、
図1に示すように、差し金具本体2、押し輪3、外れ防止具4を備える。差し金具本体2は、ホースHの端部を保持する略円筒状の部分である。差し金具本体2の基端側領域に位置する保持部21は図示のように、外周面に軸方向に連続する複数の段差が形成された、いわゆる「タケノコ」形状とされている。この保持部21にホースHの端部を重ねた上で、金属製の筒体PをホースHに重ね、筒体Pを径方向に圧縮するようにかしめることにより、差し金具本体2からホースHの端部が抜けないように固定できる。
【0024】
押し輪3は、差し金具本体2における先端側領域の外周に軸方向に移動可能に設けられた部分である。この押し輪3は、筒状部31と鍔部32とを備える。筒状部31は、差し金具本体2の外周面に沿う円筒状の部分である。筒状部31の内径は、差し金具本体2のうち、筒状部31が配置される部分の外径よりも若干大きく設定されており、これにより筒状部31は差し金具本体2に対して軸方向に摺動可能である。なお、差し金具本体2の先端に位置する拡大部22の外径は筒状部31の内径よりも大きく形成されている。このため、筒状部31は差し金具本体2の先端部から抜けることがない。
【0025】
鍔部32は、筒状部31の基端部に一体に形成された円環状の部分である。つまり、鍔部32は差し金具本体2から径方向に延びるように設けられる。鍔部32は、他のホースとの結合を解除するため受け金具に向かって操作者(消防士等)に操作される。鍔部32が先端方向に押されると、筒状部31も連動する。ここで、ホース結合用差し金具1が受け金具に結合した状態であった場合、拡大部22における基端である段差23よりも更に基端側の位置に、受け金具の爪部(図示しない)が嵌合しており、ホース結合用差し金具1と受け金具とが分離できない状態となっている。鍔部32が先端方向に押されると、筒状部31は受け金具に挿入される。挿入された筒状部31の先端部は、受け金具の爪部を径外方向に押し上げる。これにより、爪部が段差23に引っ掛からなくなり、ホース結合用差し金具1と受け金具との結合を解除して、双方を分離させることができる。
【0026】
外れ防止具4は、押し輪3における鍔部32よりもホースHの保持部側(ホース結合用差し金具1の基端側)の位置で差し金具本体2の外周に取り付けられた回転対称形状、具体的には円環状の部分である。回転対称形状であることにより、周方向において均一に作用を奏することができる。本実施形態では、差し金具本体2の外周面に輪状の止め輪24が埋め込まれており、外れ防止具4の先端部が止め輪24に当接することで、外れ防止具4が先端方向に移動しないよう配置されている。また、外れ防止具4がホースHの端部又はホースHを固定するための部材(本実施形態ではかしめ用の筒体P)に当接することで、基端側に移動しないようになっている。
【0027】
外れ防止具4は、径寸法が押し輪3における鍔部32の径寸法以下とされている。本実施形態の外れ防止具4は、外縁形状が軸方向視にて真円形状であるため、全周にわたってこの寸法とされている。なお、径寸法の下限値は、差し金具本体2の基端側領域においてホースHを固定するための部材(本実施形態ではかしめ用の筒体P)の径方向における突出部分の径寸法を超える寸法に設定する。それよりも小さい寸法では、外れ防止具4に階段の段差部分等の障害物が当たらないからである。具体的寸法として、外れ防止具4の直径は、押し輪3の直径を基準として例えば-10mm~0mm、好ましくは-8mm~-2mmに設定することができる。外れ防止具4の径寸法が鍔部32の径寸法に近いほど、外力により押し輪3が移動することの抑制効果は高まる(一方、意図的に押し輪3を移動させる際の操作性は低下する)。そして、外れ防止具4の径寸法が小さいほど、意図的に押し輪3を移動させる際の操作性は高まる(一方、外力により押し輪3が移動することの抑制効果は低くなる)。外れ防止具4の径寸法は、これらの相反する関係を考慮して定められる。また、外れ防止具4の厚み寸法は、外力により容易にゆがまない寸法であることと、金属製の筒体Pをかしめる際に用いる治具の干渉とを考慮して定めればよい。
【0028】
外れ防止具4の寸法をこのように設定することにより、鍔部32によって押し輪3に外力がかかりにくくできる。このため例えば、消防用ホースを取り回す際における、階段の段差部分、屋根の廂部分、建物入口や扉における枠部等にホース結合用差し金具1が当たったとしても、押し輪3が先端側に移動することは起こりにくくなる。しかも、外れ防止具4が押し輪3よりも大きくないから、操作者が鍔部32に指を当てる際に外れ防止具4が邪魔になりにくく、押し輪3の操作性が低下しにくい。また、外れ防止具4が鍔部32に対して径外方向に突出していないことから、外力が加わった際も、外れ防止具4に変形や破損が生じにくい。また、例えばホースHを巻き取った状態において外れ防止具4がホースHに接触する度合いを、鍔部32より外径が大きい場合よりも小さくできるので、外れ防止具4がホースHを傷つける可能性を小さくできる。
【0029】
ここで、本願の発明者が、外れ防止具4を試作して実験を行ったので簡単に説明する。口径65A用の押し輪3に対して、外れ防止具4の外径(直径)を同径(-0mm)とした第1試作品(90mm)、-5mmとした第2試作品(85mm)、-10mmとした第3試作品(80mm)をそれぞれ作成した。第1試作品(外径90mm)、第2試作品(外径85mm)及び第3試作品(外径80mm)につき、消火活動や救出活動の際に、外部から建築物の中へ入るための進入口を模した治具を用いて、差し金具と受け金具とが結合状態となっていて、ホースが装着されたものを、外れ防止具4、押し輪3の順に前記治具の屈曲部分に当てつつ通過させてみた。その結果、いずれの試作品も不意離脱防止効果を有しており、第2試作品(外径85mm)が操作性と不意離脱防止効果とを特に兼ね備えたものであることを確認できた。
【0030】
外れ防止具4は、径外端縁部のうち保持部21側及び鍔部32側に傾斜部41,42を有する。
図1に示すように、本実施形態では傾斜部41,42は軸方向で非対称に形成されている。これは、後述のように各傾斜部41,42に期待される作用が異なるためである。保持部21側の傾斜部41に比べ、鍔部32側の傾斜部42の傾斜が急となっている。本実施形態の傾斜部41,42は径断面視で直線形状となる斜面を有しているが、曲線形状となる面(凸面や凹面)を有していてもよい。また、
図1の形態では各傾斜部41,42の境界が径断面視で尖った形状とされているが、面取り形状やアール形状とされていてもよい。
【0031】
保持部21側の傾斜部41により、鍔部32に外力を与える可能性のある物体(階段の段差部分等の障害物)を傾斜部41が有する斜面に対して滑らせるようにすることで、前記物体を受け流すことができる。この受け流しの作用を有効に発揮するため、傾斜部41が有する斜面の先端側への延長位置を、鍔部32の外縁よりも更に径外に位置するように設定することが望ましい。更に、外れ防止具4を単なる平板で形成すること(例えば特許文献1記載の構成を参照)に比べると、外れ防止具4自体にかかる外力を傾斜部41で逃がすことができるため、ゆがみ等の変形が生じにくい。つまり、傾斜部41の傾斜は、前記物体を外れ防止具4にとどまらせずに速やかに受け流すことに着目して定められる。また、外れ防止具4の端縁が鋭利になることにより、操作者が危険にならないことにも着目して定められる。
【0032】
また鍔部32側の傾斜部42により、傾斜部42のない場合に比べ、鍔部32と外れ防止具4との径外位置における間隔を拡大できる。そして、傾斜部42が有する斜面(鍔部32と外れ防止具4との間に向かう斜面)に操作者の指を当てることで、操作者の指を鍔部32と外れ防止具4との間に滑り入れやすい。前述のように、保持部21側の傾斜部41に比べ、鍔部32側の傾斜部42の傾斜が急となっているが、操作者の指を鍔部32と外れ防止具4との間に滑り入れやすくするためである。特にこの点に関して述べる。消防士は火災現場で手を保護するために厚い手袋を着用している。このような手袋を着用していても、鍔部32側の傾斜部42の作用は変わらず発揮され、手袋を着用した指を鍔部32と外れ防止具4との間に滑り入れやすく、押し輪3を支障なく操作できる。この指の滑り入れの作用を有効に発揮するため、傾斜部42が有する斜面の先端側への延長位置を、差し金具本体2の外周面における、鍔部32と外れ防止具4との間に位置するように設定することが望ましい。本実施形態では、前述した二つの作用を両立して発揮できるので有利である。なお、外れ防止具4が回転対称形状(本実施形態では円環状)であるから、鍔部32と外れ防止具4との間の、周方向のどの位置でも操作者の指を差し入れることができるため、押し輪3に指をかけやすい箇所が限定されている構成(例えば特許文献1に記載)に比べ、特に、例えば暗い場所において意図的に操作者が押し輪3を操作する際の操作性が良い。
【0033】
また外れ防止具4は、差し金具本体2への装着状態で、径内側、かつ、基端側の面から先端側に向かって凹んだホース受け凹部43が形成されている。このホース受け凹部43は、ホースHの先端部を受容する。ホース受け凹部43が設けられたことで、ホースHの先端部のうち、かしめ用の筒体Pが重ねられていない部分を外れ防止具4で覆うようにできるため、差し金具本体2上のホースHの先端部に操作者の指が引っ掛かることを防止できる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0035】
例えば、前記実施形態の外れ防止具4は、径外端縁部のうち保持部21側(基端側)及び鍔部32側(先端側)に傾斜部を有するものとされていた。しかし、外力をかわすことに重点をおき、
図2に示すように、保持部21側(基端側)にのみ傾斜部を有するものとすることもできる。また、押し輪3の操作性に重点をおき、
図3に示すように、鍔部32側(先端側)にのみ傾斜部を有するものとすることもできる。
【0036】
また、外れ防止具4は円環状でなくてもよく、例えば、外周形状が多角形状や非回転対称形状であってもよい。また、外れ防止具4は止め輪24以外の手段によって差し金具本体2に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 ホース結合用差し金具
2 差し金具本体
21 保持部
22 拡大部
23 段差
24 止め輪
3 押し輪
31 筒状部
32 鍔部
4 防止具
41 傾斜部(保持部側)
42 傾斜部(鍔部側)
43 ホース受け凹部
H ホース
P かしめ用の筒体