IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローランド株式会社の特許一覧

特開2023-143275照明制御装置および照明制御プログラム
<>
  • 特開-照明制御装置および照明制御プログラム 図1
  • 特開-照明制御装置および照明制御プログラム 図2
  • 特開-照明制御装置および照明制御プログラム 図3
  • 特開-照明制御装置および照明制御プログラム 図4
  • 特開-照明制御装置および照明制御プログラム 図5
  • 特開-照明制御装置および照明制御プログラム 図6
  • 特開-照明制御装置および照明制御プログラム 図7
  • 特開-照明制御装置および照明制御プログラム 図8
  • 特開-照明制御装置および照明制御プログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143275
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】照明制御装置および照明制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20230928BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20230928BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20230928BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/105
H05B47/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050561
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000116068
【氏名又は名称】ローランド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】涌田 里志
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA14
3K273RA08
3K273RA17
3K273SA17
3K273SA20
3K273SA21
3K273SA36
3K273SA46
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA45
3K273TA52
3K273TA62
3K273TA68
3K273TA76
3K273UA08
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】映像に基づく照明制御信号により接続される照明機器を安定して点灯させることができる照明制御装置および照明制御プログラムを提供すること。
【解決手段】映像処理部15からの映像データDsに基づく照明制御信号Siの作成および照明ポート18からの照明制御信号Siの出力の周期が、映像データDsの映像のフレームレートや音声Sd1等のサンプリングレートに依らず、照明制御信号Siが出力される照明機器L1~L4に応じた周期(30ミリ秒)に設定される。これにより、照明機器L1~L4が、一定の周期で照明制御信号Siが入力されないと消灯してしまうものであっても、照明機器L1~L4を安定して点灯させることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を取得する映像取得手段と、
その映像取得手段で取得された映像に基づき、照明を制御する照明制御値のセットが複数含まれる照明制御信号を作成する信号作成手段と、
その信号作成手段で作成された照明制御信号を、所定の周期で1又は複数の照明機器に送信する信号送信手段と、を備えていることを特徴とする照明制御装置。
【請求項2】
前記信号送信手段は、前記信号作成手段で作成された照明制御信号を少なくとも前記映像取得手段で取得された映像のフレームレートに依らない所定の周期で1又は複数の照明機器に送信するものであることを特徴とする請求項1記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記所定の周期は、前記照明制御信号が送信される前記照明機器に応じて設定されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明制御装置。
【請求項4】
音声を取得する音声取得手段と、
その音声取得手段で取得された音声から当該音声の所定の特徴である音声特徴が出力されるタイミングを取得する音声特徴タイミング取得手段とを備え、
前記信号作成手段は、前記音声特徴タイミング取得手段で取得されたタイミングにおいて前記映像取得手段で取得された映像に基づく照明制御値を変化させ、その照明制御値に基づく照明制御信号を作成するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の照明制御装置。
【請求項5】
前記映像取得手段で取得された映像から当該映像の特徴的な色である特徴色を取得する特徴色取得手段を備え、
前記信号作成手段は、前記音声特徴タイミング取得手段で取得されたタイミングにおいて前記特徴色取得手段で取得された特徴色に基づく照明制御値を作成し、その照明制御値に基づく照明制御信号を作成するものであることを特徴とする請求項4記載の照明制御装置。
【請求項6】
前記信号送信手段は、前記信号作成手段で作成された照明制御信号を少なくとも前記音声取得手段で取得された音声のサンプリングレートに依らない所定の周期で1又は複数の照明機器に送信するものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の照明制御装置。
【請求項7】
前記音声特徴は、前記音声取得手段で取得された音声のビートであることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の照明制御装置。
【請求項8】
前記映像は、HDMI(登録商標)規格に基づく映像信号であり、前記照明制御信号は、DMX512規格に基づく制御信号であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の照明制御装置。
【請求項9】
コンピュータに照明制御処理を実行させる照明制御プログラムであって、
映像を取得する映像取得ステップと、
その映像取得ステップで取得された映像に基づき、照明を制御する照明制御値のセットが複数含まれる照明制御信号を作成する信号作成ステップと、
その信号作成ステップで作成された照明制御信号を、所定の周期で1又は複数の照明機器に送信する信号送信ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする照明制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御装置および照明制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、主に画像音響再生部6、照明制御部8と、照明出力部9と、画像音響出力部10(テレビ等)とを有する照明装置が開示されている。画像音響出力部10に画像音響再生部6からの映像および音響が出力されると共に、画像音響再生部6からの映像の平均色度に応じた照明制御データが照明出力部9に出力される。これにより、画像音響出力部10に表示される映像への被験者4の没入感を増大させることができる。
【0003】
ところで、画像音響再生部6は所定のフレームレート(例えば30FPS)ごとにフレームを照明制御部8へ出力される。そこで、照明制御部8においてフレームレートに基づくタイミングで入力されたフレームに基づく照明制御データを作成し、照明出力部9に出力することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-173783号公報(例えば、段落0197-0205、図9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、照明出力部9によっては、所定の周期で照明制御データが入力されない場合に消灯してしまうものも存在する。上記のフレームレートが高くなると照明制御部8及び照明出力部9の処理負荷が増大するので、照明制御部8において上記のフレームレートに基づくタイミングで照明制御データを作成し照明出力部9に出力できない事態が発生し得る。つまり、安定して照明を制御できない場合があるといった問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、映像に基づく照明制御信号により接続される照明機器を安定して点灯させることができる照明制御装置および照明制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明の照明制御装置は、映像を取得する映像取得手段と、その映像取得手段で取得された映像に基づき、照明を制御する照明制御値のセットが複数含まれる照明制御信号を作成する信号作成手段と、その信号作成手段で作成された照明制御信号を、所定の周期で1又は複数の照明機器に送信する信号送信手段とを備えている。
【0008】
本発明の照明制御プログラムは、コンピュータに照明制御処理を実行させるプログラムであり、映像を取得する映像取得ステップと、その映像取得ステップで取得された映像に基づき、照明を制御する照明制御値のセットが複数含まれる照明制御信号を作成する信号作成ステップと、その信号作成ステップで作成された照明制御信号を、所定の周期で1又は複数の照明機器に送信する信号送信ステップと、を前記コンピュータに実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態である照明制御装置の外観図である。
図2】(a)は、画面区分を説明する図であり、(b)は、カラーモードを説明する図である。
図3】照明制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4】(a)は、区分毎色情報テーブルを模式的に表す図であり、(b)は、区分毎色情報テーブルを模式的に表す図である。
図5】照明制御装置の機能ブロック図である。
図6】(a)は、映像処理部における映像処理のフローチャートであり、(b)は、音声処理部における音声処理のフローチャートである。
図7】CPUにおけるメイン処理のフローチャートである。
図8】区分毎色設定処理のフローチャートである。
図9】(a)は、白抽出処理のフローチャートであり、(b)は、フラッシュ付加処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の照明制御装置1の概要を説明する。図1は、照明制御装置1の外観図である。照明制御装置1は、接続される照明機器L1~L4の色味や明るさ、輝度等の照明の態様を制御する装置である。照明制御装置1には、照明機器L1~L4と、映像出力装置20と、外部表示装置30と、ユーザH等が発する音声Sd2を入力するマイク40と、電子楽器50、スピーカ60とが接続される。
【0011】
照明機器L1~L4は、照明を行う照明装置であり、それぞれLED(Light Emitting Diode、図示せず)が設けられる。照明制御装置1と照明機器L1~L4とは有線で接続され、具体的に、まず照明制御装置1と照明機器L1とが有線で接続され、その照明機器L1と照明機器L2とが有線で接続され、その照明機器L2と照明機器L3とが有線で接続され、その照明機器L3と照明機器L4とが有線で接続される。即ち照明制御装置1と照明機器L1~L4とは有線によって数珠繋ぎ(デイジーチェーン)に接続される。
【0012】
照明制御装置1は、照明の態様を制御する照明制御値のセットが含まれる照明制御信号Siを作成し、照明機器L1~L4に送信する。具体的に、照明制御装置1で作成された照明制御信号Siがまず照明機器L1に送信され、照明制御信号Siはその後、照明機器L1から接続される順に照明機器L2→照明機器L3→照明機器L4へと送信される。照明機器L1~L4は、受信した照明制御信号Siに含まれる照明制御値のセットに基づいてLEDの色味や色や明るさ、輝度等を制御する。本実施形態の照明制御信号Siは、DMX(Digital MultipleX)512規格に基づく制御信号とされるが、それ以外の規格に基づく制御信号でも良い。
【0013】
照明機器L1~L4は、照明制御信号Siに含まれる照明制御値のセットのうち、自身が用いる照明制御値のセットを取得し、取得された照明制御値のセットに基づいて自身の色や明るさ、輝度等を制御する。照明制御値のセットは、映像出力装置20から出力される映像データDs等に基づいて作成される。
【0014】
映像出力装置20は、ビデオカメラ(図示せず)等で撮影された映像の映像データDsを出力する装置である。映像出力装置20から出力された映像データDsと、その映像データDsに対応する音声Sd1とが、照明制御装置1に入力される。本実施形態において映像データDsは、HDMI(High-Definition Multimedia Interface、登録商標)規格に基づく映像信号とされるが、それ以外の規格に基づく映像信号でも良い。
【0015】
外部表示装置30は、照明制御装置1を介して映像出力装置20から入力された映像データDsによる映像を表示する装置である。上記した照明機器L1~L4は、外部表示装置30の周囲に配置される。具体的に、外部表示装置30における、左側に照明機器L1が、上側に照明機器L2が、右側に照明機器L3が、下側に照明機器L4がそれぞれ設けられる。電子楽器50は、ユーザHの演奏に基づいた楽音Sd3を出力する装置である。本実施形態において、電子楽器50としてシンセサイザが例示されるが、これに限られず、電子ピアノや電子オルガン、電子サックス等の他の電子楽器でも良い。
【0016】
照明制御装置1は、映像出力装置20から入力された音声Sd1と、マイク40から入力された音声Sd2と、電子楽器50から入力された楽音Sd3とを合成することで、音声Sdを作成する。作成された音声Sdはスピーカ60から出力されると共に、音声Sdのビートのタイミングに応じて照明機器L1~L4の照明を変化させる。音声Sdのビートのタイミングに応じた照明機器L1~L4の照明の変化については後述する。本実施形態において、音声Sd1、音声Sd2、楽音Sd3及び音声Sdのサンプリングレートはそれぞれ44100Hzとされるが、サンプリングレートはこれ以外の周波数でも良い。
【0017】
照明制御装置1においては、照明機器L1~L4を制御する照明制御値のセットが外部表示装置30で表示される映像、即ち映像出力装置20から出力される映像の映像データDsと上記した音声Sdとに基づいて作成される。照明制御装置1はまず、映像出力装置20から出力される映像の映像データDsを領域A1~A32に分割する。
【0018】
具体的には、映像出力装置20から出力される映像の映像データDsを、縦方向に等間隔に4分割し、横方向に等間隔に8分割して形成された32個の領域がそれぞれ領域A1~A32とされる。図1に示す通り、形成された32個の領域のうち、上から1段目の領域が左から領域A1~A8とされ、2段目の領域が左から領域A9~A16とされ、3段目の領域が左から領域A10~A24とされ、4段目の領域が左から領域A25~A32とされる。
【0019】
このように分割された領域A1~A32毎の映像データおよび音声Sdに基づいて照明制御値のセットが作成される。具体的には、領域A1~A32の領域に応じてグルーピングした画面区分が設けられる。照明機器L1~L4ごとにそれぞれの制御に用いる画面区分が割り当てられ、割り当てられた画面区分に属する領域A1~A32の映像に応じた照明制御値のセットが作成される。
【0020】
また、照明制御値のセットは、対象の画面区分に属する領域A1~A32の映像の色情報から作成されるが、色情報の用い方により3つのカラーモードが設定され、照明機器L1~L4ごとにどのカラーモードが用いられるかも割り当てられる。図2を参照して、画面区分およびカラーモードを説明する。
【0021】
図2(a)は、画面区分を説明する図である。図2(a)に示す通り、本実施形態では、領域A1~A32の組み合わせを表す分割区分に応じて画面区分D1~D29の29個の画面区分が設けられる。まず、分割区分「全画面」は、映像の映像データDsの全てによるものであり、画面区分D1が対応する。即ち画面区分D1には、領域A1~A32が該当する。
【0022】
分割区分「横2分割」は、映像の映像データDsを横方向に2分割した何れかの領域によるものであり、画面区分D2,D3が対応する。具体的に、画面区分D2には、領域A1~A4,A9~A12,A17~A20,A25~A28が該当し、画面区分D3には、領域A5~A8,A13~A16,A21~A24,A29~A32が該当する。
【0023】
分割区分「横8分割」は、映像の映像データDsを横方向に8分割した何れかの領域によるものであり、画面区分D4~D11が対応する。例えば、画面区分D4には、領域A1,A9,A17,A25が該当し、画面区分D5には、領域A2,A10,A18,A26が該当する。
【0024】
分割区分「縦2分割」は、映像の映像データDsを縦方向に2分割した何れかの領域によるものであり、画面区分D12,D13が対応する。具体的に、画面区分D12には、領域A1~A16が該当し、画面区分D13には、領域A17~A32が該当する。分割区分「縦4分割」は、映像の映像データDsを縦方向に4分割した何れかかの領域によるものであり、画面区分D14~D17が対応する。
【0025】
分割区分「縦2横2分割」は、映像の映像データDsを縦方向に2分割し、更に横方向に2分割した何れかの領域によるものであり、画面区分D18~D21が対応する。また、分割区分「縦2横4分割」は、映像の映像データDsを縦方向に2分割し、更に横方向に4分割した何れかの領域によるものであり、画面区分D22~D29が対応する。
【0026】
このように設定された領域A1~A32の組み合わせによる画面区分D1~D29が、照明機器L1~L4のそれぞれに割り当てられ、割り当てられた画面区分D1~D29に属する領域A1~A32の映像の色情報に基づき、照明制御値のセットが作成される。次に照明制御値のセットを作成する際のカラーモードを説明する。
【0027】
図2(b)は、カラーモードを説明する図である。本実施形態では、画面区分D1~D29に属する領域A1~A32の映像の色情報の組み合わせによる3つのカラーモードが設けられ、カラーモードに応じた色の照明が照明機器L1~L4から出力される。具体的に、カラーモードとして、平均色と、ピックアップ3色と、ピックアップ4色とが設けられる。
【0028】
平均色は、画面区分D1~D29に対応する領域A1~A32の映像の色情報の平均によるカラーモードである。具体的に平均色は、画面区分D1~D29に対応する領域A1~A32のそれぞれの赤色成分(以下「R」いう)の平均値、緑色成分(以下「G」いう)の平均値、青色成分(以下「B」という)の平均値と、白色成分(以下「W」という)の平均値、黄色成分(以下「Y」という)の平均値、シアン色成分(以下「C」という)の平均値、マゼンタ色成分(以下「M」という)の平均値とにより構成される。
【0029】
画面区分D4を例に挙げて、平均色の算出を説明する。画面区分D4を構成するのは領域A1,A9,A17,A25であり、それぞれの領域内のR,G,Bの平均値を(R1,G1,B1),(R9,G9,B9),(R17,G17,B17),(R25,G25,B25)とする。領域内のR,G,Bの平均値とは、当該領域におけるR,G,Bの合計値を当該領域のピクセル数で除算したものである。
【0030】
例えば、映像の映像データDsが1920ピクセル×1080ピクセルである場合、映像データDsを32等分した領域A1のピクセル数は、1920×1080/32で64800ピクセルとなる。そして、領域A1におけるRの合計値が15228000である場合、領域A1におけるRの平均値R1は、15228000/64800で「235」となる。
【0031】
このように算出された各領域のR,G,Bの平均値を、更にそれぞれ平均したものが画面区分D4における平均色のR,G,Bとされる。具体的には、画面区分D4のRの平均値は(R1+R9+R17+R25)/4(即ち画面区分D4の領域の数)で算出される。同様に、画面区分D4のGの平均値は(G1+G9+G17+G25)/4で算出され、画面区分D4のBの平均値は(B1+B9+B17+B25)/4で算出される。
【0032】
W,Y,C,Mについては、まず画面区分D4内の各領域のW,Y,C,Mを、各領域のR,G,Bの平均値に基づいて算出し、その各領域のW,Y,C,Mを更にそれぞれ平均したものが、画面区分D4における平均色のW,Y,C,Mの平均値とされる。
【0033】
具体的には、各領域のWは、各領域のR,G,Bの平均値のうちの最小値の値とされる。例えば、領域A1のR1,G1,B1のうちの最小値がG1である場合、領域A1におけるWであるW1には、G1の値が設定される。同様に、領域A9,A17,A25のW9,W17,W25にも、それぞれの領域のR,G,Bのうちの最小値が設定される。このように、各領域のWとして、各領域のR,G,Bの最小値が設定されることで、R,G,Bのうちのいずれか1つが0(例えばR,G,Bのうちの1色)である場合に、各領域のWの値が0となるので、照明機器L1~L4におけるWのLEDが点灯するのを回避できる。そして、W1,W9,W17,W25の平均値が、画面区分D4のWの平均値とされる。
【0034】
各領域のYは、各領域のR,Gの平均値のうちの最小値の値とされる。例えば、領域A9のR9,G9のうちの最小値がR9である場合、領域A9におけるYであるY9には、R9の値が設定される。同様に、領域A1,A17,A25のY1,Y17,Y25にも、それぞれの領域のR,Gのうちの最小値が設定される。そして、Y1,Y9,Y17,Y25の平均値が、画面区分D4のYの平均値とされる。
【0035】
各領域のCは、各領域のG,Bの平均値のうちの最小値の値とされる。例えば、領域A17のG17,B17のうちの最小値がB17である場合、領域A17におけるCであるC17には、B17の値が設定される。同様に、領域A1,A9,A25のC1,C9,C25にも、それぞれの領域のR,Gのうちの最小値が設定される。そして、C1,C9,C17,C25の平均値が、画面区分D4のCの平均値とされる。
【0036】
各領域のMは、各領域のR,Bの平均値のうちの最小値の値とされる。例えば、領域A25のR25,B25のうちの最小値がR25である場合、領域A25におけるMであるM25には、B25の値が設定される。同様に、領域A1,A9,A17のM1,M9,M17にも、それぞれの領域のR,Bのうちの最小値が設定される。そして、M1,M9,M17,M25の平均値が、画面区分D4のMの平均値とされる。
【0037】
このように、対応する画面区分の色情報のR,G,B,W,Y,C,Mの平均値を、平均色として照明機器L1~L4の照明に用いることで、当該照明を外部表示装置30に表示される映像の色味と近いものとすることができる。また、平均色として、R,G,Bに加え、W,Y,C,Mも設けることで、照明機器L1~L4にW,Y,C,MのLEDを有する場合にこれらのLEDの点灯を効率良く行うことができる。
【0038】
次に、ピックアップ3色を説明する。ピックアップ3色は、画面区分D1~D29に対応する領域A1~A32の映像の色情報の最大値によるカラーモードである。具体的にピックアップ3色は、画面区分D1~D29に対応する領域A1~A32のそれぞれのRの最大値に基づく値、Gの最大値に基づく値、Bの最大値に基づく値により構成される。
【0039】
ピックアップ3色も、上記の画面区分D4を例に挙げて説明する。ピックアップ3色は、まず画面区分D4を構成する領域A1,A9,A17,A25のそれぞれにおけるR,G,Bの平均値のうち、最大値を取るR,G,B(以下「最大R,G,B」等という)を抽出する。画面区分D4を構成する領域において、R,G,Bの平均値のうちRが最大値である領域が領域A1,A17であり、R,G,Bの平均値のうちGが最大値である領域が領域A9であり、R,G,Bの平均値のうちBが最大値である領域が領域A25である場合、最大Rとして領域A1のR1,A17のR17が抽出され、最大Gとして領域A9のG9が抽出され、最大Bとして領域A25のB25が抽出される。
【0040】
そして、このように抽出された最大R,G,Bを、更に平均したものが画面区分D4におけるピックアップ3色のR,G,Bとされる。具体的には、画面区分D4の最大Rの平均値は(R1+R17)/4(即ち画面区分D4の領域の数)で算出される。同様に、画面区分D4の最大Gの平均値はG9/4で算出され、画面区分D4の最大Bの平均値はB25/4で算出される。
【0041】
このように、対応する画面区分のR,G,Bの最大値に基づく値を、ピックアップ3色として照明機器L1~L4の照明に用いることで、当該照明を外部表示装置30に表示される映像に多く含まれるR,G,Bによる、映像の特徴的・支配的な色によるものとすることができる。これにより、当該照明を外部表示装置30に表示される映像に合致しつつもメリハリのあるものとすることができる。
【0042】
また、ピックアップ3色は画面区分のR,G,Bの最大値に基づく値であるので、画面区分における映像が白背景にR,G,Bが点在している状態であっても、点在しているR,G,Bを適切に抽出し、照明機器L1~L4の照明に用いることができる。これによって、当該照明が白っぽくなるのを抑制できるので、当該照明をメリハリのあるものとすることができる。
【0043】
また、特に照明機器L1~L4において、LEDとしてR,G,Bが含まれ、更にR,G,Bのそれぞれが独立した方向を向いている場合、カラーモードとして平均色を用いると、例え該当する画面区分が白っぽい映像であっても、R,G,BのLEDが独立して点灯してしまう。照明機器L1~L4のR,G,Bが独立して点灯される照明は、該当する画面区分の白っぽい映像にマッチしないため、視聴者に違和感を生じさせてしまう虞がある。そこで、カラーモードとしてピックアップ3色を用いることで、上記の場合にR,G,Bの3色のLEDがそれぞれ同程度の強さで点灯することを軽減できるので、視聴者の違和感を抑制することができる。
【0044】
次に、ピックアップ4色を説明する。ピックアップ4色も、画面区分D1~D29に対応する領域A1~A32の映像の色情報の最大値によるカラーモードである。具体的にピックアップ4色は、画面区分D1~D29に対応する領域A1~A32のそれぞれのRの最大値に基づく値、Gの最大値に基づく値、Bの最大値、Wの最大値に基づく値により構成される。
【0045】
ピックアップ4色も、上記の画面区分D4を例に挙げて説明する。ピックアップ4色においては、まず、各領域のWを算出する。各領域のWは、各領域のR,G,Bの平均値が類似している場合に、そのR,G,Bの平均値のうちの最大値がその領域のWとされる。一方で、R,G,Bの値が類似しない場合は、その領域のWに「0」(成分なし)が設定される。各領域のR,G,Bの値が類似しているかは、それぞれの値が±25%以内であるかによって判定されるが、詳細は図9(a)で後述する。例えば、領域A1において、R1,G1,B1が±25%以内であって、R1,G1,B1のうちの最大値がB1である場合、B1の値が領域A1のWであるW1に設定される。
【0046】
ピックアップ4色において、各領域のWに、各領域のR,B,Gの平均値のうちの最大値を用いるのは、ピックアップ4色も上記のピックアップ3色と同様に、より特徴的・支配的な成分の強い色を抽出するためである。
【0047】
このように取得された各領域のWと、各領域のR,G,Bの平均値とから、最大値を取るR,G,B,W(最大R,G,B,W)を抽出し、抽出された最大R,G,B,Wの平均値を算出する。なお、最大R,G,B,W及び最大R,G,B,Wの平均値の算出は、上記したピックアップ3色と同様の手法なので、詳細な説明は省略する。
【0048】
このように、対応する画面区分の色情報のR,G,B,Wの最大値に基づく値を、ピックアップ4色として照明機器L1~L4の照明に用いることで、ピックアップ3色と同様に当該照明を外部表示装置30に表示される映像に多く含まれる映像の特徴的・支配的な色によるものとすることができる。これにより、当該照明を外部表示装置30に表示される映像に合致しつつもメリハリのあるものとすることができる。
【0049】
また、ピックアップ4色ではWも含まれる。特に照明機器L1~L4において、LEDとしてR,G,B,Wが含まれ、更にR,G,B,Wのそれぞれが独立した方向を向いている場合、カラーモードとしてピックアップ3色を用いると、R,G,Bのみが対象であるので、例え該当する画面区分が白っぽい映像であっても、R,G,BのLEDが独立して点灯してしまう。照明機器L1~L4のR,G,Bが独立して点灯される照明は、画面区分の白っぽい映像にマッチしないため、視聴者に違和感を生じさせてしまう虞がある。
【0050】
そこで、カラーモードとしてWが含まれるピックアップ4色を用いることで、上記の場合にLEDのうちのWを的確に点灯させることができるので、照明機器L1~L4の照明を画面区分の白っぽい映像にマッチさせることができ、視聴者の違和感を抑制することができる。
【0051】
このように、照明機器L1~L4のそれぞれに対し、照明を制御するカラーモードと、そのカラーモードを作成する対象の画面区分D1~D29とが割り当てられる。割り当てられたカラーモード及び画面区分D1~D29に基づいて、照明機器L1~L4の照明を制御する照明制御値のセットが作成される。
【0052】
本実施形態では、このようなカラーモード及び画面区分D1~D29による照明機器L1~L4の照明の制御に加え、照明制御装置1に入力される音声Sdのビートのタイミングに応じて、照明機器L1~L4の照明を変化させる。
【0053】
具体的には、照明制御装置1に入力される音声Sd、即ち映像出力装置20から入力された音声Sd1と、マイク40から入力された音声Sd2と、電子楽器50から入力された楽音Sd3とを合成した音声Sdにおいて、ビートが検出されたかを確認する。なお、ビートの検出は既知の手法が用いられるので、詳細な説明は省略する。
【0054】
音声Sdからビートが検出された場合は、上記した画面区分D1(即ち全画面)のピックアップ4色におけるR,G,B,Wのうち最大値の色が取得され、取得された色の値が照明機器L1~L4の照明を制御する照明制御値のセットに加算される。これにより、照明機器L1~L4から出力される照明において、ピックアップ4色のR,G,B,Wのうち最も色味が強く特徴的・支配的な色が、音声Sdのビートのタイミングで強調される。これにより、外部表示装置30に表示される映像およびスピーカ60から出力される音声へのユーザHの没入感をより向上できる。
【0055】
次に、図3,4を参照して照明制御装置1の電気的構成を説明する。図3は、照明制御装置1の電気的構成を示すブロック図である。照明制御装置1には、CPU10と、フラッシュROM11と、RAM12とを有し、これらはバスライン13を介して入出力ポート14にそれぞれ接続されている。入出力ポート14には更に、映像処理部15と、音声処理部16と、電子楽器50から楽音Sd3を入力する楽音処理部17と、照明ポート18とが接続される。なお、音声処理部16に楽音処理部17の機能を搭載させ、電子楽器50からの楽音Sd3を音声処理部16で入力しても良い。
【0056】
CPU10は、バスライン13により接続された各部を制御する演算装置である。フラッシュROM11は、CPU10により実行されるプログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、制御プログラム11aを含む。CPU10において制御プログラム11aが実行されると、図7のメイン処理が実行される。
【0057】
RAM12は、CPU10が制御プログラム11aの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリであり、領域A1~A32の色情報、即ちR,G,Bがそれぞれ記憶されるエリア色情報メモリ12aと、区分毎色情報テーブル12bと、照明設定テーブル12cとを含む。図4を参照して、区分毎色情報テーブル12b及び照明設定テーブル12cを説明する。
【0058】
図4(a)は、区分毎色情報テーブル12bを模式的に表す図である。図4(a)に示す通り、区分毎色情報テーブル12bには、上記したカラーモード及び画面区分毎に、算出されたカラーモードの色情報、即ちカラーモードが平均色の場合はR,G,B,W,Y,C,M、ピックアップ3色の場合はR,G,B、ピックアップ4色の場合はR,G,B,Wがそれぞれ記憶される。
【0059】
図4(b)は、照明設定テーブル12cを模式的に表す図である。図4(b)に示す通り、照明設定テーブル12cには、照明機器L1~L4毎に、照明の制御に用いる画面区分と、カラーモードと、カラーモードに対応する色情報とがそれぞれ記憶される。
【0060】
図3に戻る。映像処理部15は、映像出力装置20から映像データDs及び音声Sd1を入力し、入力した映像データDsから領域A1~A32の色情報を取得すると共に、映像データDsを外部表示装置30へ出力する処理装置である。映像処理部15には、取得された領域A1~A32の色情報がそれぞれ記憶されるエリア色情報メモリ15aが設けられる。映像処理部15においては、映像出力装置20から映像が1フレーム毎入力されるたびに、領域A1~A32の色情報が取得され、エリア色情報メモリ15aに記憶される。
【0061】
音声処理部16は、マイク40から音声Sd2を入力し、当該音声Sd2と、映像出力装置20から入力された音声Sd1と、電子楽器50から入力された楽音Sd3とを合成した音声Sdを作成し、スピーカ60に出力すると共に、音声Sdにおけるビートの有無を判定する装置である。
【0062】
照明ポート18は、照明機器L1~L4に接続され、照明制御信号Siを照明機器L1~L4に出力する端子である。
【0063】
本実施形態において、映像処理部15による映像データDsの取得および映像データDsからの領域A1~A32の色情報の取得と、音声処理部16による音声Sdからのビートの検出と、CPU10による領域A1~A32の色情報に基づく照明制御信号Siの作成および照明ポート18からの照明制御信号Siの出力とは、それぞれ非同期で実行される。
【0064】
具体的には、映像処理部15による映像データDsの取得および映像データDsからの領域A1~A32の色情報の取得は映像データDsのフレームレート(例えば30FPS)に基づくタイミングで行われ、音声処理部16による音声Sdからのビートの検出は、音声Sd1、音声Sd2又は楽音Sd3のサンプリングレート(即ち44100Hz)に基づくタイミングで行われる。一方でCPU10による領域A1~A32の色情報に基づく照明制御信号Siの作成および照明ポート18からの照明制御信号Siの出力は、30ミリ秒ごとに行われる。これは、照明機器L1~L4には、30ミリ秒ごとの周期で照明制御信号Siが入力されないと消灯してしまうものが含まれるためである。
【0065】
このように、照明制御信号Siの作成および照明ポート18からの照明制御信号Siの出力の周期を、映像データDsの映像のフレームレートや音声Sd1等のサンプリングレートに依らず、照明制御信号Siが出力される照明機器L1~L4に応じた周期(即ち30ミリ秒)に設定することで、照明機器L1~L4を安定して点灯させることができる。
【0066】
また、照明制御信号Siの作成および照明制御信号Siの出力の周期が、フレームレート及びサンプリングレートより長い周期に設定されることで、照明制御信号Siの作成するCPU10や照明ポート18の処理負荷を低減できる。これにより、照明制御信号Siの作成や照明ポート18からの照明制御信号Siの出力を安定させることができるので、これによっても、照明機器L1~L4を安定して点灯させることができる。
【0067】
次に図5を参照して、照明制御装置1の機能を説明する。図5は、照明制御装置1の機能ブロック図である。図5に示すように、照明制御装置1は、映像取得手段200と、信号作成手段201と、信号送信手段202とを有する。
【0068】
映像取得手段200は、外部表示装置30に表示される映像を取得する手段であり、映像処理部15で実現される。信号作成手段201は、照明を制御する照明制御値のセットが複数含まれる照明制御信号Siを作成する手段であり、CPU10で実現される。信号送信手段202は、信号作成手段201で作成された照明制御信号Siを、所定の周期で1又は複数の照明機器L1~L4に送信する手段であり、CPU10及び照明ポート18で実現される。
【0069】
信号送信手段202によって、信号作成手段201で作成された照明制御信号Siが所定の周期で1又は複数の照明機器L1~L4に送信される。即ち映像を取得するタイミングに依らず、所定の周期で1又は複数の照明機器L1~L4に送信することができる。これにより、照明機器L1~L4が所定の周期で照明制御信号Siを受信しないと消灯してしまうものであっても、照明機器L1~L4を安定して点灯させることができる。
【0070】
次に図6~9を参照して、CPU10、映像処理部15及び音声処理部16で実行される処理を説明する。まず図6(a)を参照して、映像処理部15の処理を説明する。図6(a)は、映像処理部15における映像処理のフローチャートである。映像処理は、照明制御装置1の電源投入後に映像処理部15で実行される処理である。
【0071】
映像処理はまず、映像出力装置20から1フレーム分の映像の受信が開始されたかを確認する(S1)。S1の処理において、1フレーム分の映像の受信が開始された場合は(S1:Yes)、エリア色情報メモリ15aの各領域A1~A32のR,G,Bをそれぞれ0に設定することで、エリア色情報メモリ15aをリセットする(S2)。
【0072】
S2の処理の後、受信している1フレーム分のピクセルに対応する、領域A1~A32を特定する(S3)。映像出力装置20からは、1フレーム分の映像のピクセルが映像の左上から順に入力されるので、入力されたピクセルの位置に対応する領域A1~A32が特定される。S2の処理の後、エリア色情報メモリ15aにおける特定された領域A1~A32の色情報に、受信したピクセルのR,G,Bのそれぞれの値を加算する(S4)。
【0073】
S4の処理の後、1フレーム分の映像の受信が完了したかを確認する(S5)。S5の処理において、1フレーム分の映像の受信が完了していない場合は(S5:No)、S3以下の処理を繰り返す。一方で、S5の処理において、1フレーム分の映像の受信が完了した場合は(S5:No)、受信した1フレーム分の映像を外部表示装置30へ出力し(S6)、S1以下の処理を繰り返す。なお、映像出力装置20から受信した映像を1フレーム毎に外部表示装置30へ出力するものに限られず、1ピクセル毎に外部表示装置30へ出力しても良い。また、映像出力装置20からの映像は、映像処理部15を通して外部表示装置30へ出力されるものに限られず、例えば、映像処理部15への映像出力装置20からの映像の出力と並行して、映像処理部15を通さずに外部表示装置30へバイパスして出力しても良い。
【0074】
エリア色情報メモリ15aに記憶された領域A1~A32の色情報がCPU10から参照され、CPU10による照明制御値のセットの作成に用いられる。この場合、S1~S5の処理における1フレーム分の色情報の取得中に、CPU10からエリア色情報メモリ15aが参照された場合は、既に処理が完了した当該フレームの前のフレームで取得された領域A1~A32の色情報が参照される。即ちS1~S5の処理が繰り返されている間は、当該フレームの前のフレームで取得された領域A1~A32の色情報が参照され、S1~S5の処理が完了した後、即ち「S5:Yes」となった後は、そのS1~S5の処理によって取得された領域A1~A32の色情報が参照される。
【0075】
また、映像処理部15においては、かかるS1~S6の処理と並列して映像出力装置20から入力された音声Sd1がCPU10及び音声処理部16へ出力される。
【0076】
次に図6(b)を参照して、音声処理部16の処理を説明する。図6(b)は、音声処理部16における音声処理のフローチャートである。音声処理は、照明制御装置1の電源投入後に音声処理部16で実行される処理である。
【0077】
音声処理はまず、マイク40からの音声Sd2、映像処理部15からの音声Sd1又は楽音処理部17からの楽音Sd3がサンプリングされたかを確認する(S20)。S20の処理において、音声Sd1、音声Sd2又は楽音Sd3がサンプリングされた場合は、サンプリングされた音声Sd1、音声Sd2又は楽音Sd3を合成することで音声Sdを作成し、その音声Sdのビートを検出する(S21)。
【0078】
S21の処理の後、S21の処理によってビートが検出されたかを確認する(S22)。S22の処理において、ビートが検出された場合は(S22:Yes)、ビートが検出された旨をCPU10に通知する(S23)。S22の処理において、ビートが検出されない場合は(S22:No)、S23の処理をスキップする。
【0079】
S22,S23の処理の後、音声Sdをスピーカ60へ出力する(S24)。なお、音声Sd1、音声Sd2又は楽音Sd3は、音声処理部16を通してスピーカ60へ出力されるものに限られず、例えば、音声Sd1、音声Sd2又は楽音Sd3の音声処理部16への出力と並行して、音声処理部16を通さずにスピーカ60へバイパスして出力しても良い。S20の処理において、音声Sd1等がサンプリングされない場合(S20:No)、又は、S24の処理の後、S20以下の処理を繰り返す。
【0080】
次に図7~9を参照して、CPU10の処理を説明する。図7は、CPU10におけるメイン処理のフローチャートである。メイン処理は、照明制御装置1の電源投入後にCPU10で実行される処理である。
【0081】
メイン処理はまず、図示しない操作ボタンを介してユーザHから照明設定、即ち照明機器L1~L4に割り当てられるカラーモード及び画面区分が更新されたかを確認する(S30)。S30の処理において、照明設定が更新された場合は(S30:Yes)、更新された照明設定に基づき照明設定テーブル12cを更新する(S31)。S30の処理において、照明設定が更新されていない場合は(S30:No)、S31の処理をスキップする。
【0082】
S30,S31の処理の後、前回、照明ポート18から照明機器L1~L4へ照明制御信号Siを出力してから30ミリ秒が経過したかを確認する(S32)。S32の処理において、前回の照明制御信号Siの出力から30ミリ秒が経過した場合は(S32:Yes)、映像処理部15のエリア色情報メモリ15aを参照して、領域A1~A32の色情報を取得し、エリア色情報メモリ12aに保存する(S33)。S33の処理の後、区分毎色設定処理(S34)を実行する。ここで図8を参照して、区分毎色設定処理を説明する。
【0083】
図8は、区分毎色設定処理のフローチャートである。区分毎色設定処理はまず、画面区分D1~D29を表すカウンタ変数nに1を設定する(S50)。以下、「画面区分Dn」とは、nが1の場合は画面区分D1を表し、nが10の場合は画面区分D10を表す。
【0084】
S50の処理の後、エリア色情報メモリ15aの色情報に基づき、画面区分Dnに属する領域A1~A32毎にR,G,Bの平均値(即ち上記したR1~R32,G1~G32,B1~B32)を算出する(S51)。S51の処理の後、画面区分DnにおけるR,G,B,W,Y,C,Mの平均値、即ち上記した平均色を算出する(S52)。
【0085】
なお、W,Y,C,Mの平均値は、上記した通り、画面区分Dnに属する領域A1~A32のR,G,Bの平均値に基づき、領域A1~A32毎のW,Y,C,M、即ちW1~W32,Y1~Y32,C1~C32,M1~M32を算出し、これらの平均値がそれぞれW,Y,C,Mの平均色とされる。S52の処理の後、算出されたR,G,B,W,Y,C,Mの平均値を、区分毎色情報テーブル12bの画面区分Dn及びカラーモード「平均色」の領域に保存する(S53)。
【0086】
S53の処理の後、エリア色情報メモリ15aの色情報に基づき、画面区分Dnに属する領域A1~A32毎にR,G,Bの最大値を抽出する(S54)。S54の処理の後、画面区分DnにおけるR,G,Bの最大値の平均値を算出する(S55)。S55の処理の後、算出されたR,G,Bの最大値の平均値を区分毎色情報テーブル12bの画面区分Dn及びカラーモード「ピックアップ3色」の領域に保存する(S56)。
【0087】
S56の処理の後、白抽出処理(S56)を実行する。ここで図9(a)を参照して、白抽出処理を説明する。
【0088】
図9(a)は、白抽出処理のフローチャートである。白抽出処理では、画面区分Dnの該当領域ごとに処理をする。白抽出処理はまず、カウンタ変数mに1を設定する(S70)。画面区分Dnは、昇順に領域A1~A32が設定されており、例えば、図2(a)の画面区分D22は、領域A1,A2,A9,A10の順に領域が設定されている。よって以下、「m番目の領域」とは、画面区分D22でmが1の場合は領域A1を表し、画面区分D22でmが3の場合は領域A9を表す。
【0089】
S70の処理の後、エリア色情報メモリ15aの色情報に基づき、画面区分Dnのm番目の領域のR,G,Bを取得する(S71)。S71の処理の後、取得したRが、取得したGに0.75を乗じた値より大きく、かつ、取得したGに1.25を乗じた値より小さいかを確認する(S72)。S72の処理において、取得したRが、取得したGに0.75を乗じた値より大きく、かつ、取得したGに1.25を乗じた値より小さい場合は(S72:Yes)、取得したRが、取得したBに0.75を乗じた値より大きく、かつ、取得したBに1.25を乗じた値より小さいかを確認する(S73)。
【0090】
S73の処理において、取得したRが、取得したBに0.75を乗じた値より大きく、かつ、取得したBに1.25を乗じた値より小さい場合は(S73:Yes)、取得したGが、取得したBに0.75を乗じた値より大きく、かつ、取得したBに1.25を乗じた値より小さいかを確認する(S74)。
【0091】
S74の処理において、取得したGが、取得したBに0.75を乗じた値より大きく、かつ、取得したBに1.25を乗じた値より小さい場合は(S74:Yes)、取得したR,G,Bがそれぞれ±25%以内とされ、「白」とみなすことができるので、画面区分Dnのm番目の領域のWに、取得したR,G,Bのうちの最大値を設定する(S75)。
【0092】
S72の処理において、取得したRが、取得したGに0.75を乗じた値以下、または、取得したGに1.25を乗じた値以上の場合(S72:No)、取得したRが、取得したBに0.75を乗じた値以下、または、取得したBに1.25を乗じた値以上の場合(S73:No)、取得したGが、取得したBに0.75を乗じた値以下、または、取得したBに1.25を乗じた値以上の場合(S74:No)は、画面区分Dnのm番目の領域のWに0を設定する(S76)。
【0093】
S75,S76の処理の後、カウンタ変数mに1を加算し(S77)、そのカウンタ変数mが画面区分Dnに属する領域の数よりも大きいかを確認する(S78)。S78の処理において、カウンタ変数mが画面区分Dnに属する領域の数以下の場合は(S78:No)、S71以下の処理を繰り返す。一方で、S78の処理において、カウンタ変数mが画面区分Dnに属する領域の数より大きい場合は(S78:Yes)、白抽出処理を終了する。なお、白抽出処理において、「白」とみなすR,G,Bの範囲は±25%に限られず、±25%以上でも、±25%以下でも良い。
【0094】
図8に戻る。S57の白抽出処理の後、エリア色情報メモリ15aの色情報および白抽出処理で設定されたWに基づき、画面区分Dnに属する領域A1~A32毎にR,G,B,Wの最大値を抽出する(S58)。S58の処理の後、画面区分DnにおけるR,G,B,Wの最大値の平均値を算出する(S59)。S59の処理の後、算出されたR,G,B,Wの最大値の平均値を区分毎色情報テーブル12bの画面区分Dn及びカラーモード「ピックアップ4色」の領域に保存する(S60)。
【0095】
S60の処理の後、カウンタ変数nに1を加算し(S61)、そのカウンタ変数nが総画面区分数(即ち「29」)より大きいかを確認する(S62)。S62の処理において、カウンタ変数nが総画面区分数以下の場合は(S62:No)、S51以下の処理を繰り返す。一方で、S62の処理において、カウンタ変数nが総画面区分数より大きい場合は(S62:Yes)、区分毎色設定処理を終了する。
【0096】
図7に戻る。S34の区分毎設定処理の後、区分毎色情報テーブル12bに基づき照明設定テーブル12cの照明機器L1~L4の色情報を設定する(S35)。具体的には、区分毎色情報テーブル12bから照明設定テーブル12cの照明機器L1~L4に設定されている画面区分およびカラーモードに該当する色情報を取得し、照明設定テーブル12cの色情報にそれぞれ設定する。
【0097】
S35の処理の後、音声処理部16からビートを検出した旨の通知があったかを確認する(S36)。S36の処理において、音声処理部16からビートを検出した旨の通知があった場合は(S36:Yes)、フラッシュ付加処理(S37)を実行する。ここで図9(b)を参照して、フラッシュ付加処理を説明する。
【0098】
図9(b)は、フラッシュ付加処理のフローチャートである。フラッシュ付加処理はまず、図示しない操作ボタンを介してユーザHから設定されたフラッシュ色付加設定を確認する(S90)。フラッシュ色付加設定には、操作ボタンを介してユーザHから設定された色を照明設定テーブル12cの色情報に付加する「固定」と、画面区分D1(即ち全画面)のピックアップ4色におけるR,G,B,Wのうち最大値を照明設定テーブル12cの色情報に付加する「自動」との2つの設定が設けられる。
【0099】
S90の処理において、フラッシュ色付加設定が自動の場合は(S90:「自動」)、区分毎色情報テーブル12bのピックアップ4色および画面区分D1(全画面)の色情報のうち最大となる色の当該最大値を、照明設定テーブル12cのそれぞれの色情報に加算する(S91)。一方でS90の処理において、フラッシュ色付加設定が固定の場合は(S90:「固定」)、区分毎色情報テーブル12bのピックアップ4色および画面区分D1(全画面)の色情報のうちユーザHから設定された色の値を、照明設定テーブル12cの対応する色情報に加算する(S92)。S91,S92の処理の後、フラッシュ付加処理を終了する。
【0100】
図7に戻る。S36の処理において、音声処理部16からビートを検出した旨の通知がなかった場合は(S36:No)、S37のフラッシュ付加処理をスキップする。
【0101】
S36,S37の処理の後、照明設定テーブル12cの色情報に基づき照明機器L1~L4をそれぞれ制御する照明制御値のセットを作成し、その照明制御値のセットからDMX512規格の照明制御信号Siを作成する(S38)。なお、S38の処理で作成される照明制御信号Siは、DMX512規格に基づき512バイトのデータとされる。
【0102】
S38の処理の後、作成された照明制御信号Siを照明ポート18を介して照明機器L1~L4へ出力する(S39)。S32の処理において、前回の照明制御信号Siの出力から30ミリ秒が経過していない場合(S32:No)、又は、S39の処理の後、S30以下の処理を繰り返す。
【0103】
以上、上記実施形態に基づき説明したが、種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0104】
上記実施形態では、照明制御装置1を外部表示装置30の周囲に配置された照明機器L1~L4の照明を制御するものとしたが、これに限られない。照明機器L1~L4を、例えば屋内の天井、壁、床等における外部表示装置30と無関係な位置に配置し、照明制御装置1でこれら照明機器L1~L4の照明を、外部表示装置30に表示される映像と関連することなく制御しても良い。
【0105】
上記実施形態では、映像データDsによる映像を領域A1~A32の32個の領域に分割したが、領域を分割する数は、32個以下でも32個以上でも良い。また、画面区分として、図2(a)に示すような画面区分D1~D29を設けたが、これに限られず、画面区分D1~D29以外の領域A1~A32の組み合わせによる画面区分を設けても良い。更には領域A1~A32の形状をそれぞれ矩形状としたがこれに限られない。例えば、三角形や五角形等の矩形以外の多角形でも良いし、円形や楕円形、星形等の他の形状でも良い。
【0106】
上記実施形態では、音声Sdにおいてビートが検出された場合に、ピックアップ4色の画面区分D1の色情報のうち最大となる色、または、ピックアップ4色および画面区分D1(全画面)の色情報のうちユーザHが設定した色を照明設定テーブル12cの色情報に付加したが、これに限られない。例えば、音声Sdにおいて音量や音高が所定の値を超えた場合や、音声Sdにおいて所定の周波数帯域の音を検出した場合に、ピックアップ4色および画面区分D1の色情報のうち最大となる色等を照明設定テーブル12cの色情報に付加しても良い。この場合、音声処理部16からビートを検出した旨をCPU10に通知する代わりに、音量や音高が所定の値を超えた旨や、音声Sdにおいて所定の周波数帯域の音を検出した旨をCPU10に通知すれば良い。
【0107】
また、ピックアップ4色の画面区分D1の色情報のうち最大となる色の代わりに、ピックアップ3色の画面区分D1の色情報のうち最大となる色を用いても良いし、照明機器L1~L4の照明のうちWのLEDを含むものについては、ピックアップ4色の画面区分D1の色情報のうち最大となる色を用い、照明機器L1~L4の照明のうちWのLEDを含まないものについてはピックアップ3色の画面区分D1の色情報のうち最大となる色を用いても良い。更にはピックアップ4色の画面区分D1の色情報のうち最大となる色を用いるものに限られず、例えば、ピックアップ4色の画面区分D2の色情報のうち最大となる色等、他の画面区分のピックアップ4色の色情報を用いても良い。
【0108】
更には、フラッシュ色付加設定が「固定」の場合に、ピックアップ4色および画面区分D1(全画面)の色情報のうちユーザHが設定した色を照明設定テーブル12cの色情報に付加したが、これに限られない。例えば、ユーザHによって設定されたピックアップ4色および画面区分D1の色情報とは無関係の色を照明設定テーブル12cの色情報に付加しても良い。また、予めユーザHが付加する色を複数設定しておき、設定された色からランダムに選択された色を照明設定テーブル12cの色情報に付加しても良い。
【0109】
また、音声Sdにおいてビートが検出された場合の照明設定テーブル12cへの色情報の付加を、照明機器L1~L4ごとに独立して行うようにしても良い。例えば、照明機器L1~L4ごとに、割り当てられている画面区分およびカラーモードの色情報のうち最大となる色を、該当する照明設定テーブル12cの色情報に付加しても良い。これによって、音声Sdにおいてビートが検出された場合の照明機器L1~L4の変化を、照明機器L1~L4ごとに異なった態様のものとすることができる。
【0110】
更には、音声Sd1、音声Sd2及び楽音Sd3を合成した音声Sdからビートを検出する代わりに、例えば、音声Sd1のみからビートを検出しても良いし、同様に、音声Sd2のみから、又は、楽音Sd3のみからビートを検出しても良い。
【0111】
上記実施形態では、30ミリ秒ごとにDMX512規格の照明制御信号Siを512バイトとしたが、これに限られない。照明制御信号Siを作成する周期は30ミリ秒以下でも30ミリ秒以上でも良い。例えば、映像データDsのフレームレートが60FPS等、30FPSよりも短い場合は、作成するDMX512規格の照明制御信号Siを256バイトとし、15ミリ秒ごとに256バイト分を照明機器L1~L4に送信しても良い。更に、照明制御信号Siを作成する周期や照明制御信号Siのデータ量をユーザHが設定できるようにしても良い。
【0112】
上記実施形態では、カラーモードとして、R,G,Bのうちの最大値によるピックアップ3色と、R,G,B,Wのうちの最大値によるピックアップ4色とを設けたが、これに限られない。例えば、R,G,B,W,Y,C,Mのうちの最大値によるカラーモード(ピックアップ7色)を設けても良い。また、カラーモードの平均色を7色(R,G,B,W,Y,C,M)の平均値としたが、これに限られず、3色(R,G,B)の平均値としても良いし、4色(R,G,B,W)の平均値としても良い。
【0113】
上記実施形態では、映像出力装置20をビデオカメラ等で撮影された映像の映像データDsを出力する装置を例示したが、これに限られず、例えば、映像出力装置20をDVDプレイヤーで構成し、DVD等に録画された映像の映像データDsを出力しても良いし、映像出力装置20をTVチューナーで構成し、受信したTV放送の映像データDsを出力しても良い。また、映像出力装置20をインターネットに接続可能に構成し、インターネット経由で取得したライブ映像等の映像データDsを出力しても良い。更には、映像出力装置20をカラオケ装置で構成しても良い。
【0114】
更には、映像出力装置20の代わりに、照明制御装置1にUSB(登録商標)メモリ等の可搬な記録メディアを接続し、記録メディアに記憶された動画ファイルを再生することで得られる映像データDsを用いても良い。
【0115】
また、音声Sd2をマイク40から入力されたユーザHの音声としたが、これに限られない。音声Sd2を、例えば、マイク40から入力された視聴者が発する歓声や手拍子としても良いし、マイク40から入力された演奏者によるピアノやギターの演奏音としても良い。
【0116】
上記実施形態では、照明制御信号Siの作成および照明ポート18からの照明制御信号Siが出力される周期を、映像データDsの映像のフレームレートや音声Sd1等のサンプリングレートに依らず、照明制御信号Siが出力される照明機器L1~L4に応じた周期に設定した。しかし、これに限られず、照明機器L1~L4を安定して点灯可能であれば、照明制御信号Siの作成および照明制御信号Siが出力される周期を、映像データDsの映像のフレームレートと同一の周期として良いし、当該フレームレートより短い周期としても良い。同様に、照明制御信号Siの作成および照明制御信号Siが出力される周期を、音声Sd1等のサンプリングレートに基づく周期として良い。
【0117】
また、照明制御信号Siの作成と照明制御信号Siの出力とを同一の周期で同期して行うものに限られず、これらを非同期で行っても良い。例えば、照明制御信号Siを作成する周期を照明制御信号Siを出力する周期より短くしても良いし、長くしても良い。
【0118】
上記実施形態では、映像出力装置20から入力された1フレームの色情報の取得を映像処理部15で実行したが、これに限られない。例えば、1フレームの色情報の取得をCPU10で実行しても良い。この場合、CPU10において、照明制御信号Siの作成および30ミリ秒ごとの出力を維持するため、例えば、1フレームの色情報の取得と、照明制御信号Siの作成および30ミリ秒ごとの出力とを並列に実行すれば良い。同様に、音声Sdからのビートの検出を音声処理部16で実行したが、これに限られず、CPU10で実行しても良い。
【0119】
上記実施形態では、図8のS51の処理で画面区分Dnに該当する領域A1~A32のR,G,Bの平均値を算出し、S54の処理で画面区分Dnに該当する領域A1~A32のR,G,Bの最大値を抽出し、S57の白抽出処理で画面区分Dnに該当する領域A1~A32のWを設定し、S58の処理で画面区分Dnに該当する領域A1~A32のR,G,B,Wの最大値を抽出した。
【0120】
しかし、これに限られず、予め(例えばS50の処理の前に)領域A1~A32のR,G,Bの平均値の算出と、領域A1~A32のR,G,Bの最大値の抽出と、領域A1~A32のWの設定および領域A1~A32のR,G,B,Wの最大値の抽出とを行っても良い。この場合、S51,S54,S57及びS58の処理を省略し、S52,S53の処理で予め算出された領域A1~A32のR,G,Bの平均値のうち、画面区分Dnに該当する領域A1~A32のR,G,Bの平均値を用い、S55の処理で予め抽出された領域A1~A32のR,G,Bの最大値のうち、画面区分Dnに該当する領域A1~A32のR,G,Bの最大値を用い、S59の処理で、予め抽出された領域A1~A32のR,G,B,Wの最大値のうち、画面区分Dnに該当する領域A1~A32のR,G,B,Wの最大値を用いれば良い。
【0121】
上記実施形態では、照明制御装置1において、映像データDsと音声Sdとに応じた照明制御信号Siを作成したが、これに限られない。例えば、電子楽器50に限られない電子機器からMIDI(Musical Instrument Digital Interface)を取得し、そのMIDIデータを照明制御信号Siに変換して、その照明制御信号Siを照明機器L1~L4の制御に用いても良い。
【0122】
上記実施形態では、照明制御装置1に照明機器L1~L4を照明ポート18を介して有線で接続し、照明制御信号Siを送信した。しかし、これに限られず、例えば、照明制御装置1と照明機器L1~L4とを有線LANで接続し、有線LANを介して照明制御信号Siを送信しても良い。この場合、有線LANによる照明制御信号Siを送信する通信プロトコルとしてはアートネット(Art-Net)が例示されるが、これ以外の通信プロトコルでも良い。また、照明制御装置1と照明機器L1~L4とを無線通信(例えばBluetooth(登録商標))で接続し無線通信を介して照明制御信号Siを送信しても良い。
【0123】
上記実施形態では、制御プログラム11aが組み込まれた照明制御装置1を例示したが、これに限られず、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置(コンピュータ)で制御プログラム11aを実行する構成としても良い。
【0124】
上記実施形態に挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 照明制御装置
Si 照明制御信号
15 映像処理部(映像取得手段の一部、特徴色取得手段の一部)
16 音声処理部(音声取得手段の一部、音声特徴タイミング取得手段の一部)
18 照明ポート(信号送信手段の一部)
30 外部表示装置
L1~L4 照明機器
S1 映像取得手段の一部、映像取得ステップ
S4 特徴色取得手段の一部、特徴色取得ステップ
S20 音声取得手段の一部、音声取得ステップ
S22 音声特徴タイミング取得手段の一部、音声特徴タイミング取得ステップ
S38 信号作成手段
S39 信号送信手段の一部、信号送信ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9