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特開2023-143298通過車両判別システム及び通過車両判別方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143298
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】通過車両判別システム及び通過車両判別方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230928BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20230928BHJP
   G08G 1/017 20060101ALI20230928BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06K7/10 268
G08G1/017
G08G1/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050601
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水流 慶太郎
(72)【発明者】
【氏名】永村 洋介
(72)【発明者】
【氏名】辻 知久
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC12
5H181CC14
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域を通過する車両を正確に判別する。
【解決手段】通過車両判別システム1は、所定領域Aを通過する車両の側面にレーザ光を照射し、当該レーザ光の反射光を検出する光センサ20と、当該車両に搭載されたRFIDタグの情報を読み取る読取装置30と、光センサ20の検出結果に基づいて所定領域Aを通過する車両を検知すると共に、読取装置30の読み取り結果を取得する演算処理装置41と、を備える。演算処理装置41は、所定領域Aを通過する車両を検知したタイミングを基点とする所定時間以内にRFIDタグの情報を読み取れた場合、当該タイミングに検知された車両をRFIDタグが搭載された車両であると判別し、所定時間以内にRFIDタグの情報を読み取れなかった場合、当該タイミングに検知された車両をRFIDタグが搭載されていない車両であると判別する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定領域を通過する車両の側面にレーザ光を照射し、前記側面にて反射された前記レーザ光の反射光を検出する光センサと、
前記車両に搭載されたRFIDタグの情報を読み取る読取装置と、
前記光センサの検出結果に基づいて前記所定領域を通過する前記車両を検知すると共に、前記読取装置の読み取り結果を取得する演算処理装置と、を備え、
前記演算処理装置は、
前記所定領域を通過する前記車両を検知したタイミングを基点とする所定時間以内に、前記読取装置が前記RFIDタグの情報を読み取れた場合、当該タイミングに検知された前記車両を、当該RFIDタグが搭載された前記車両であると判別し、
前記所定時間以内に、前記読取装置が前記RFIDタグの情報を読み取れなかった場合、当該タイミングに検知された前記車両を、当該RFIDタグが搭載されていない前記車両であると判別する
ことを特徴とする通過車両判別システム。
【請求項2】
前記所定時間は、前記タイミングから遡った第1時間と、前記タイミングから経過した第2時間との合計である
ことを特徴とする請求項1に記載の通過車両判別システム。
【請求項3】
前記演算処理装置は、
前記光センサの前記検出結果に基づいて前記所定領域を通過する物体の通過方向の長さを算出し、算出された前記長さに基づいて前記物体が前記車両であることを検知し、
検知された前記車両に対して、前記RFIDタグが搭載された前記車両であるか否かの判別を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の通過車両判別システム。
【請求項4】
前記所定領域は、前記車両を輸送する輸送船が停泊する埠頭に設けられており、
前記RFIDタグの情報は、前記輸送船に船積み又は陸揚げされる前記車両の識別情報であり、
前記演算処理装置は、前記車両の判別結果に基づいて前記船積み又は前記陸揚げされる前記車両の台数を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の通過車両判別システム。
【請求項5】
前記演算処理装置による前記車両の判別結果を前記所定領域の周囲に報知する報知装置を更に備え、
前記報知装置は、前記車両の判別結果のうち、少なくとも、前記RFIDタグが搭載されていない前記車両の判別結果を報知する
ことを特徴とする請求項1に記載の通過車両判別システム。
【請求項6】
前記光センサ、前記読取装置、前記演算処理装置及び前記報知装置は、移動体に設置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の通過車両判別システム。
【請求項7】
所定領域を通過する車両の側面にレーザ光を照射し、前記側面にて反射された前記レーザ光の反射光を検出することと、
前記車両に搭載されたRFIDタグの情報を読み取ることと、
前記反射光の検出結果に基づいて前記所定領域を通過する前記車両を検知することと、
前記所定領域を通過する前記車両を検知したタイミングを基点とする所定時間以内に、前記RFIDタグの情報を読み取れた場合、当該タイミングに検知された前記車両を、当該RFIDタグが搭載された前記車両であると判別することと、
前記所定時間以内に、前記RFIDタグの情報を読み取れなかった場合、当該タイミングに検知された前記車両を、当該RFIDタグが搭載されていない前記車両であると判別することと、を有する
ことを特徴とする通過車両判別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通過車両判別システム及び通過車両判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場で製造された車両は、販売所に輸送される過程において、モータープール等の車両保管場に保管されることがある。この種の車両保管場において、車両に搭載されたRFIDタグの情報を、読取装置により読み取ることによって、車両の情報収集及び車両の管理を行う技術が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、少なくとも1台の自動車の出発地点から到着地点までの輸送を管理するための自動車輸送管理システムが開示されている。特許文献1に開示された自動車輸送管理システムは、各自動車を識別するための個体識別情報が書き込まれ、輸送される自動車の各々に装着され、個体識別情報を無線電波で発する少なくとも1つのタグ装置と、出発地点から到着地点までの少なくとも1ヶ所に設置され、タグ装置から無線電波で発せられる個体識別情報を取得して、個体識別情報を発するタグ装置を装着した自動車が通過したことを示す輸送経過情報を、通信ネットワークを通じて管理センタに通知する少なくとも1つのリーダ装置と、管理センタに設置され、各リーダ装置から輸送経過情報を受信し、データベースに記録するセンタ装置と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-323199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両の輸送船が停泊する埠頭に設置された車両保管場では、製造元が異なる車両が同じ保管場内に保管されることがあり、RFIDタグ搭載の車両とRFIDタグ非搭載の車両とが混在し得る。したがって、この種の車両保管場の出入口、又は、車両保管場と輸送船とを繋ぐ経路上に設けられた車両監視場所のような所定領域では、RFIDタグ搭載の車両又はRFIDタグ非搭載の車両が通過し得る。
【0006】
特許文献1に開示された自動車輸送管理システムは、輸送される全車両がRFIDタグ搭載の車両であることが前提となっている。したがって、特許文献1に開示された自動車輸送管理システムは、RFIDタグ非搭載の車両が車両保管場の出入口等の所定領域を通過しても、当該車両を判別することが難しい。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域を通過する車両を正確に判別することが可能な通過車両判別システム及び通過車両判別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の通過車両判別システムは、所定領域を通過する車両の側面にレーザ光を照射し、前記側面にて反射された前記レーザ光の反射光を検出する光センサと、前記車両に搭載されたRFIDタグの情報を読み取る読取装置と、前記光センサの検出結果に基づいて前記所定領域を通過する前記車両を検知すると共に、前記読取装置の読み取り結果を取得する演算処理装置と、を備え、前記演算処理装置は、前記所定領域を通過する前記車両を検知したタイミングを基点とする所定時間以内に、前記読取装置が前記RFIDタグの情報を読み取れた場合、当該タイミングに検知された前記車両を、当該RFIDタグが搭載された前記車両であると判別し、前記所定時間以内に、前記読取装置が前記RFIDタグの情報を読み取れなかった場合、当該タイミングに検知された前記車両を、当該RFIDタグが搭載されていない前記車両であると判別することを特徴とする。
【0009】
このような構成により、演算処理装置は、光センサの検出結果に基づいて検知された車両と、読取装置にて読み取られた情報を発信するRFIDタグが搭載された車両との対応関係を正確に把握することができる。そして、演算処理装置は、光センサの検出結果に基づいて検知された車両が、RFIDタグ搭載の車両であるか、RFIDタグ非搭載の車両であるかを、読取装置の読み取り結果に基づいて判別することができる。これにより、演算処理装置は、所定領域を通過するRFIDタグ非搭載の車両を正確に判別することができる。よって、通過車両判別システムは、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域を通過する車両を正確に判別することができる。
【0010】
更に好ましい態様として、前記所定時間は、前記タイミングから遡った第1時間と、前記タイミングから経過した第2時間との合計である。
【0011】
読取装置がRFIDタグから発信された情報を読み取り可能なエリア(以下「読取エリア」とも称する)は、光センサがレーザ光の反射光を検出可能なエリア(以下「検出エリア」とも称する)よりも、車両が所定領域を通過する方向(以下「通過方向」とも称する)において広い場合が多い。この場合、読取装置によりRFIDタグから発信された情報が読み取られたタイミングと、光センサの検出結果に基づいて車両が検知されたタイミングとの両タイミングが一致しないことがある。本発明では、上記の所定時間が、光センサの検出結果に基づいて検知されたタイミングから遡った第1時間と当該タイミングから経過した第2時間との合計である。これにより、演算処理装置は、両タイミングが一致しなくても、光センサの検出結果に基づいて検知された車両と、読取装置にて読み取られた情報を発信するRFIDタグを搭載した車両との対応関係を正確に把握することができる。よって、通過車両判別システムは、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域を通過する車両を更に正確に判別することができる。
【0012】
更に好ましい態様として、前記演算処理装置は、前記光センサの前記検出結果に基づいて前記所定領域を通過する物体の通過方向の長さを算出し、算出された前記長さに基づいて前記物体が前記車両であることを検知し、検知された前記車両に対して、前記RFIDタグが搭載された前記車両であるか否かの判別を行う。
【0013】
このような態様により、演算処理装置は、RFIDタグ搭載の車両又はRFIDタグ非搭載の車両の何れかだけでなく、作業員のような車両以外の物体が所定領域を通過しても、これらを正確に判別することができる。よって、通過車両判別システムは、車両以外の物体が所定領域を通過しても、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域を通過する車両を正確に判別することができる。
【0014】
更に好ましい態様として、前記所定領域は、前記車両を輸送する輸送船が停泊する埠頭に設けられており、前記RFIDタグの情報は、前記輸送船に船積み又は陸揚げされる前記車両の識別情報であり、前記演算処理装置は、前記車両の判別結果に基づいて前記船積み又は前記陸揚げされる前記車両の台数を算出する。
【0015】
このような態様により、演算処理装置は、所定領域が、船積み又は陸揚げされる車両が通過する領域であり、船積み又は陸揚げされる車両にRFIDタグ搭載の車両とRFIDタグ非搭載の車両とが混在していても、船積み又は陸揚げされる車両の台数を正確且つ容易に算出することができる。よって、通過車両判別システムは、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域を通過する車両を正確に判別して、船積み又は陸揚げされる車両を適切に管理することができる。
【0016】
更に好ましい態様として、通過車両判別システムは、前記演算処理装置による前記車両の判別結果を前記所定領域の周囲に報知する報知装置を更に備え、前記報知装置は、前記車両の判別結果のうち、少なくとも、前記RFIDタグが搭載されていない前記車両の判別結果を報知する。
【0017】
RFIDタグ搭載の車両は、読取装置がRFIDタグの情報を読み取ることによって管理される。一方、RFIDタグ非搭載の車両には、当該車両の識別情報を示すバーコードを記載した現品票等が搭載されている。RFIDタグ非搭載の車両は、所定領域の周囲で作業する作業員がバーコードを読み取ることによって管理される。本発明では、報知装置が、RFIDタグが搭載されていない車両の判別結果を報知する。これにより、作業員は、RFIDタグ非搭載の車両が所定領域を通過することを容易に把握することができ、当該車両のバーコードを読み取ることができる。よって、通過車両判別システムは、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域を通過する車両を正確に判別して、RFIDタグ非搭載の車両を適切に管理することができる。
【0018】
更に好ましい態様として、前記光センサ、前記読取装置、前記演算処理装置及び前記報知装置は、移動体に設置されている。
【0019】
このような態様により、通過車両判別システムは、光センサ、読取装置、演算処理装置及び報知装置を、屋外の不特定な場所に即時設置し即時撤去することができる。よって、通過車両判別システムは、RFIDタグの搭載有無に関わらず通過車両を正確に判別可能なシステムを、様々な場所に容易に適用することができる。
【0020】
また、本発明の通過車両判別方法は、所定領域を通過する車両の側面にレーザ光を照射し、前記側面にて反射された前記レーザ光の反射光を検出することと、前記車両に搭載されたRFIDタグの情報を読み取ることと、前記反射光の検出結果に基づいて前記所定領域を通過する前記車両を検知することと、前記所定領域を通過する前記車両を検知したタイミングを基点とする所定時間以内に、前記RFIDタグの情報を読み取れた場合、当該タイミングに検知された前記車両を、当該RFIDタグが搭載された前記車両であると判別することと、前記所定時間以内に、前記RFIDタグの情報を読み取れなかった場合、当該タイミングに検知された前記車両を、当該RFIDタグが搭載されていない前記車両であると判別することと、を有する。
【0021】
このような構成により、通過車両判別方法は、反射光の検出結果に基づいて検知された車両と、読み取られた情報を発信するRFIDタグを搭載した車両との対応関係を正確に把握することができる。そして、通過車両判別方法は、反射光の検出結果に基づいて検知された車両が、RFIDタグ搭載の車両であるか、RFIDタグ非搭載の車両であるかを、RFIDタグの情報の読み取り結果に基づいて判別することができる。これにより、通過車両判別方法は、所定領域を通過するRFIDタグ非搭載の車両を正確に判別することができる。よって、通過車両判別方法は、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域を通過する車両を正確に判別することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、所定領域を通過する車両がRFIDタグ搭載又は非搭載の対象車両であるかを正確に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態の通過車両判別システムが適用される所定領域を説明する図。
図2図1に示す通過車両判別システムの外観構成を示す模式図。
図3図2に示す通過車両判別システムの機能的構成を示す図。
図4図3に示す演算処理装置によって行われる処理を説明する図。
図5図3に示す演算処理装置によって行われる通過車両判別処理を示すフローチャート(その1)。
図6図3に示す演算処理装置によって行われる通過車両判別処理を示すフローチャート(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。各実施形態において同一の符号を付された構成については、特に言及しない限り、各実施形態において同様の機能を有し、その説明を省略する。
【0025】
図1は、本実施形態の通過車両判別システム1が適用される所定領域Aを説明する図である。図2は、図1に示す通過車両判別システム1の外観構成を示す模式図である。図3は、図2に示す通過車両判別システム1の機能的構成を示す図である。図4は、図3に示す演算処理装置41によって行われる処理を説明する図である。
【0026】
車両の製造工場の近隣には、車両を販売所や埠頭に輸送する陸送車に積み込まれる車両等を保管するモータープール等の車両保管場が設置されている。また、車両を輸送する輸送船が停泊する埠頭には、輸送船に船積みされる車両、又は、輸送船から陸揚げされる車両を保管するモータープール等の車両保管場が設置されている。
【0027】
通過車両判別システム1は、車両保管場の出入口、又は、陸送車若しくは輸送船と車両保管場とを繋ぐ経路上に設けられた車両監視場所のような、所定領域Aを通過する車両を判別するシステムである。本実施形態では、通過車両判別システム1が適用される所定領域Aとして、輸送船と車両保管場とを繋ぐ経路上に設けられた車両監視場所を例に挙げて説明する。
【0028】
図1には、埠頭に設置された車両保管場から輸送船(図1の符号S)に車両が船積みされる様子が示されている。所定領域Aを通過する物体としては、RFIDタグ搭載の輸送対象の車両(図1の符号V1)と、RFIDタグ非搭載の輸送対象の車両(図1の符号V2)とがある。これらの輸送対象の車両は、輸送船に船積み又は陸揚げされる車両である。輸送対象の車両の車種、形状、大きさ及び色等は、特に限定されない。
【0029】
所定領域Aを物体が通過する方向(「通過方向」とも称する)は、輸送船に向かう船積み方向と輸送船から離れる陸揚げ方向の2つがある。所定領域Aを物体が通過するタイミングは、不定期である。所定領域Aを通過する物体の速度は、0km/h以上約40km/h以下であってもよく、一定ではない。所定領域Aを通過する車両の車間距離は、70cm以上であってもよく、一定ではない。
【0030】
また、所定領域Aを通過する物体として、所定領域Aの周囲で作業する作業員(図1の符号W)と、当該作業員が使用する作業員用バス(図1の符号V3)が考えられる。作業員用バスは、輸送対象外の車両である。作業員用バスには、作業員用バスであることを示すRFICタグが搭載されており、輸送対象の車両に搭載されたRFIDタグとは明確に判別可能である。本実施形態では、所定領域Aを通過する物体として、RFIDタグ搭載の輸送対象の車両、RFIDタグ非搭載の輸送対象の車両、作業員用バス、及び、作業員を例に挙げて説明する。但し、所定領域Aを通過する物体としては、少なくとも、RFIDタグ搭載の輸送対象の車両、及び、RFIDタグ非搭載の輸送対象の車両が存在すればよく、特に限定されない。
【0031】
通過車両判別システム1は、通過方向に延びる所定領域Aの一側方に配置され、両方の側方には配置されない。通過車両判別システム1は、全天候に対応可能である。通過車両判別システム1は、車両又はロボット等の移動体10に設置されている。本実施形態では、移動体10として、図2に示すように車両を例に挙げて説明する。
【0032】
通過車両判別システム1は、図2及び図3に示すように、光センサ20と、読取装置30と、コンピュータ40と、報知装置50と、を備える。
【0033】
光センサ20、読取装置30、コンピュータ40及び報知装置50は、移動体10に設置されている。これにより、通過車両判別システム1は、光センサ20、読取装置30、コンピュータ40及び報知装置50を、屋外の不特定な場所に即時設置し即時撤去することができる。よって、通過車両判別システム1は、RFIDタグの搭載有無に関わらず通過車両を正確に判別可能なシステムを、様々な場所に容易に適用することができる。
【0034】
光センサ20は、所定領域Aを通過する物体の側面にレーザ光を照射し、当該側面にて反射されたレーザ光の反射光を検出するセンサである。光センサ20は、例えばLiDARによって構成される。光センサ20は、所定領域Aの一側方から所定領域Aに向けてレーザ光が水平に照射されるような姿勢で取り付けられている。光センサ20は、レーザ光を反射する反射板を所定領域Aの他の側方に設置することを必要としない。本実施形態の光センサ20は、移動体10の後部に固定されたヒッチキャリア12の上下方向に延びる支持部材13に取り付けられている。
【0035】
読取装置30は、所定領域Aを通過する車両に搭載されたRFIDタグの情報を読み取る装置である。読取装置30は、アンテナ31と、リーダ32と、を有する。アンテナ31は、RFIDタグから発信された電波を受信する。アンテナ31は、所定領域Aの一側方から所定領域Aを向く姿勢で支持部材13に取り付けられている。リーダ32は、アンテナ31により受信された電波から、RFIDタグの情報を読み取る。リーダ32は、RFIDタグの情報を読み取ったタイミングの時刻情報を、当該RFIDタグの情報に付加して、リーダ32の記憶領域に記憶する。RFIDタグの情報は、輸送対象の車両の識別情報、又は、作業員用バスの識別情報である。リーダ32は、RFIDタグの情報における読み取り結果をコンピュータ40に送信する。リーダ32は、移動体10の内部に配置されていてもよいし、ヒッチキャリア12に取り付けられていてもよい。
【0036】
コンピュータ40は、光センサ20、読取装置30及び報知装置50の各動作を制御して、通過車両判別システム1の機能を実現する。コンピュータ40は、モバイル型のPC又は移動体10に組み込まれたPCによって構成される。コンピュータ40は、演算処理装置41を有する。
【0037】
演算処理装置41は、CPU、ROM及びRAM等によって構成され、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することによって、コンピュータ40の機能を実現する。特に、演算処理装置41は、光センサ20の検出結果に基づいて所定領域Aを通過する物体を検知すると共に、読取装置30の読み取り結果を取得する。
【0038】
具体的には、演算処理装置41は、光センサ20の検出結果に基づいて所定領域Aを通過する物体の通過方向の長さを算出し、算出された当該長さに基づいて当該物体が車両であることを検知する。詳細には、演算処理装置41は、算出された当該長さが閾値(例えば700mm)以上である場合、当該物体が車両であることを検知し、算出された当該長さが閾値未満である場合、当該物体が車両以外の物体であることを検知する。
【0039】
これにより、演算処理装置41は、RFIDタグ搭載の輸送対象の車両又はRFIDタグ非搭載の輸送対象の車両の何れかだけでなく、作業員のような車両以外の物体が所定領域Aを通過しても、これらを正確に判別することができる。よって、通過車両判別システム1は、車両以外の物体が所定領域Aを通過しても、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域Aを通過する車両を正確に判別することができる。
【0040】
演算処理装置41は、検知された車両に対して、RFIDタグ搭載の輸送対象の車両であるか、RFIDタグ非搭載の輸送対象の車両であるか、作業員用バスであるかの判別を行う。詳細には、演算処理装置41は、図4に示すように、所定領域Aを通過する車両を検知したタイミングを基点とする所定時間以内に、読取装置30がRFIDタグの情報を読み取れた場合、当該タイミングに検知された車両を、当該RFIDタグが搭載された車両であると判別する。一方、演算処理装置41は、当該所定時間以内に、読取装置30がRFIDタグの情報を読み取れなかった場合、当該タイミングに検知された車両を、当該RFIDタグが搭載されていない車両であると判別する。
【0041】
これにより、演算処理装置41は、光センサ20の検出結果に基づいて検知された車両と、読取装置30にて読み取られた情報を発信するRFIDタグが搭載された車両との対応関係を正確に把握することができる。そして、演算処理装置41は、光センサ20の検出結果に基づいて検知された車両が、RFIDタグ搭載の車両であるか、RFIDタグ非搭載の車両であるかを、読取装置30の読み取り結果に基づいて判別することができる。これにより、演算処理装置41は、所定領域Aを通過するRFIDタグ非搭載の車両を正確に判別することができる。よって、通過車両判別システム1は、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域Aを通過する車両を正確に判別することができる。
【0042】
そして、演算処理装置41は、上記の所定時間以内に読取装置30がRFIDタグの情報を読み取れた場合、当該RFIDタグの情報から、検知された車両が、RFIDタグ搭載の輸送対象の車両であるか、作業員用バスであるかを判別する。例えば、コンピュータ40は、作業員用バスの識別情報を予め記憶する記憶装置を有する。演算処理装置41は、当該RFIDタグの情報と、当該記憶装置に記憶された情報とを照合することによって、検知された車両が、作業員用バスであるか否かを判別することができる。更に、演算処理装置41は、コンピュータ40の無線通信装置を介して、輸送対象の車両を管理するサーバ装置と通信可能に接続されてもよい。演算処理装置41は、当該RFIDタグの情報をサーバ装置に送信することができる。サーバ装置は、当該RFIDタグの情報と、輸送対象の車両の識別情報が登録されたデータベースの情報と照合し、照合結果をコンピュータ40に送信する。演算処理装置41は、サーバ装置から送信された照合結果を確認することによって、検知された車両が、RFIDタグ搭載の輸送対象の車両であるか否かを判別することができる。なお、輸送対象の車両の識別情報が登録されたデータベースは、コンピュータ40と一体的に組み込まれていてもよい。また、サーバ装置は、輸送過程における車両の所在位置及び車両の状態、並びに、車両保管場での保管台数等を管理する。
【0043】
これにより、演算処理装置41は、RFIDタグ搭載の輸送対象の車両又はRFIDタグ非搭載の輸送対象の車両の何れかだけでなく、輸送対象外の車両である作業員用バスが所定領域Aを通過しても、これらを正確に判別することができる。よって、通過車両判別システム1は、作業員用バスが所定領域Aを通過しても、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域Aを通過する車両を正確に判別することができる。
【0044】
ここで、上記の所定時間は、図4に示すように、所定領域Aを通過する車両を検知したタイミングから遡った第1時間と、当該タイミングから経過した第2時間との合計である。読取装置30、RFIDタグから発信された情報を読み取り可能な読取エリアは、光センサ20がレーザ光の反射光を検出可能な検出エリアよりも、車両の通過方向において広い場合が多い。この場合、読取装置30によりRFIDタグから発信された情報が読み取られたタイミングと、光センサ20の検出結果に基づいて車両が検知されたタイミングとの両タイミングが一致しないことがある。
【0045】
演算処理装置41は、上記の所定時間が第1時間と第2時間との合計であることにより、両タイミングが一致しなくても、光センサ20の検出結果に基づいて検知された車両と、読取装置30にて読み取られた情報を発信するRFIDタグを搭載した車両との対応関係を正確に把握することができる。よって、通過車両判別システム1は、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域Aを通過する車両を更に正確に判別することができる。
【0046】
また、演算処理装置41は、所定領域Aを通過する車両の判別結果に基づいて、船積み又は陸揚げされる輸送対象の車両の台数を算出する。
【0047】
これにより、演算処理装置41は、所定領域Aが、船積み又は陸揚げされる車両が通過する領域であり、船積み又は陸揚げされる車両にRFIDタグ搭載の車両とRFIDタグ非搭載の車両とが混在していても、船積み又は陸揚げされる車両の台数を正確且つ容易に算出することができる。よって、通過車両判別システム1は、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域Aを通過する車両を正確に判別して、船積み又は陸揚げされる車両を適切に管理することができる。
【0048】
演算処理装置41は、所定領域Aを通過する車両の判別結果に応じて、報知装置50の動作を制御する。本実施形態の報知装置50は、移動体10の上部に固定されたルーフキャリア11に取り付けられている。
【0049】
具体的には、演算処理装置41は、所定領域Aを通過する車両が、RFIDタグ搭載の輸送対象の車両である場合、当該車両が通過することを所定領域Aの周囲に報知するよう報知装置50を制御することができる。この場合、例えば、報知装置50は、第1ランプ51を点灯させると共に、第1ブザー52から音を発生させることができる。
【0050】
一方、演算処理装置41は、所定領域Aを通過する車両が、RFIDタグ非搭載の輸送対象の車両である場合、当該車両が通過することを所定領域Aの周囲に報知するよう報知装置50を制御する。この場合、例えば、報知装置50は、第2ランプ53を点灯させると共に、第2ブザー54から音を発生させる。
【0051】
RFIDタグ搭載の輸送対象の車両は、読取装置30がRFIDタグの情報を読み取ることによって管理される。一方、RFIDタグ非搭載の輸送対象の車両には、当該車両の識別情報を示すバーコードを記載した現品票等が搭載されている。RFIDタグ非搭載の輸送対象の車両は、作業員がバーコードを読み取ることによって管理される。
【0052】
報知装置50は、少なくとも、RFIDタグ非搭載の輸送対象の車両の判別結果を報知する。これにより、所定領域Aの周囲で作業する作業員は、RFIDタグ非搭載の輸送対象の車両が所定領域を通過することを容易に把握することができ、当該車両のバーコードを読み取ることができる。よって、通過車両判別システム1は、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域Aを通過する車両を正確に判別して、RFIDタグ非搭載の車両を適切に管理することができる。
【0053】
なお、演算処理装置41は、作業員用バス又は作業員が所定領域Aを通過する場合、ランプ51,53を点灯させず、且つ、ブザー52,54から音を発生させないように、報知装置50を制御することができる。但し、演算処理装置41は所定領域Aを通過する物体の判別結果に応じて報知態様が変更されるよう報知装置50の動作を制御すればよく、報知装置50の構成及び報知態様は特に限定されない。
【0054】
図5は、図3に示す演算処理装置41によって行われる通過車両判別処理を示すフローチャート(その1)である。図6は、図3に示す演算処理装置41によって行われる通過車両判別処理を示すフローチャート(その2)である。
【0055】
演算処理装置41は、図5に示す処理と図6に示す処理とを並行して行う。演算処理装置41は、図5及び図6に示す各処理を所定周期で繰り返し行う。以下では、図5に示す処理について説明した後に、図6に示す処理について説明する。
【0056】
ステップS1において、演算処理装置41は、RFIDタグから発信された電波を受信したか否かを判定するよう読取装置30を制御する。読取装置30が当該電波を受信した場合、演算処理装置41は、ステップS2に移行する。読取装置30が当該電波を受信していない場合、演算処理装置41は、図5に示す処理を終了する。
【0057】
ステップS2において、演算処理装置41は、受信した電波からRFIDタグの情報を読み取るよう読取装置30を制御する。読取装置30は、読み取られたRFIDタグの情報に、RFIDタグの情報を読み取ったタイミングの時刻情報を付加して、読取装置30の記憶領域に記憶する。
【0058】
ステップS3において、演算処理装置41は、読み取られたRFIDタグの情報をコンピュータ40に送信するよう読取装置30を制御する。演算処理装置41は、コンピュータ40に送信されたRFIDタグの情報を、演算処理装置41の所定の記憶領域に記憶する。その後、演算処理装置41は、図5に示す処理を終了する。
【0059】
ステップS11において、演算処理装置41は、所定領域Aを通過する物体の側面にレーザ光を照射するよう光センサ20を制御する。
【0060】
ステップS12において、演算処理装置41は、所定領域Aを通過する物体の側面にて反射されたレーザ光の反射光を検出したか否かを判定するよう光センサ20を制御する。光センサ20が反射光を検出した場合、演算処理装置41は、ステップS13に移行する。光センサ20が反射光を検出していない場合、演算処理装置41は、図6に示す処理を終了する。
【0061】
ステップS13において、演算処理装置41は、光センサ20による反射光の検出結果から、所定領域Aを通過する物体の通過方向の長さを算出する。
【0062】
ステップS14において、演算処理装置41は、算出された物体の通過方向の長さが閾値以上であるか否かを判定する。算出された物体の通過方向の長さが閾値以上である場合、演算処理装置41は、ステップS16に移行する。算出された物体の通過方向の長さが閾値未満である場合、演算処理装置41は、ステップS15に移行する。
【0063】
ステップS15において、演算処理装置41は、所定領域Aを通過する物体が車両以外であることを検知する。その後、演算処理装置41は、図6に示す処理を終了する。
【0064】
ステップS16において、演算処理装置41は、所定領域Aを通過する物体が車両であることを検知する。
【0065】
ステップS17において、演算処理装置41は、所定領域Aを通過する車両を検知したタイミングを基点とする所定時間以内に、読取装置30がRFIDタグの情報を読み取れたか否かを判定する。演算処理装置41は、図5のステップS3において、読取装置30から送信されたRFIDタグの情報を、演算処理装置41の所定の記憶領域に記憶している。このRFIDタグの情報には、当該RFIDタグの情報を読み取ったタイミングの時刻情報が付加されている。演算処理装置41は、所定の記憶領域にRFIDタグの情報が記憶されており、且つ、RFIDタグの情報に付加された時刻情報が所定時間以内に含まれているか否かを判定することによって、ステップS17の判定を行うことができる。所定時間以内に読取装置30がRFIDタグの情報を読み取れた場合、演算処理装置41は、ステップS20に移行する。所定時間以内に読取装置30がRFIDタグの情報を読み取れなかった場合、演算処理装置41は、ステップS18に移行する。
【0066】
ステップS18において、演算処理装置41は、ステップS16において検知された車両を、RFIDタグ非搭載の輸送対象の車両であると判別する。
【0067】
ステップS19において、演算処理装置41は、第1ランプ51を点灯させると共に、第1ブザー52から音を発生させる。その後、演算処理装置41は、図6に示す処理を終了する。
【0068】
ステップS20において、演算処理装置41は、所定時間以内に読み取られたRFIDタグの情報が作業員用バスを示すか否かを判定する。RFIDタグの情報が作業員用バスを示す場合、演算処理装置41は、ステップS21に移行する。RFIDタグの情報が作業員用バスを示さない場合、演算処理装置41は、ステップS22に移行する。
【0069】
ステップS21において、演算処理装置41は、ステップS16において検知された車両を、作業員用バスであると判別する。その後、演算処理装置41は、図6に示す処理を終了する。
【0070】
ステップS22において、演算処理装置41は、ステップS16において検知された車両を、RFIDタグ搭載の輸送対象の車両であると判別する。
【0071】
ステップS23において、演算処理装置41は、第2ランプ53を点灯させると共に、第2ブザー54から音を発生させる。その後、演算処理装置41は、図6に示す処理を終了する。
【0072】
以上のように、本実施形態の通過車両判別システム1は、所定領域Aを通過する車両の側面にレーザ光を照射し、当該側面にて反射されたレーザ光の反射光を検出する光センサ20を備える。通過車両判別システム1は、車両に搭載されたRFIDタグの情報を読み取る読取装置30を備える。通過車両判別システム1は、光センサ20の検出結果に基づいて所定領域Aを通過する車両を検知すると共に、読取装置30の読み取り結果を取得する演算処理装置41を備える。演算処理装置41は、所定領域Aを通過する車両を検知したタイミングを基点とする所定時間以内に、読取装置30がRFIDタグの情報を読み取れた場合、当該タイミングに検知された車両を、当該RFIDタグが搭載された車両であると判別する。演算処理装置41は、当該所定時間以内に、読取装置30がRFIDタグの情報を読み取れなかった場合、当該タイミングに検知された車両を、当該RFIDタグが搭載されていない車両であると判別する。
【0073】
これにより、演算処理装置41は、光センサ20の検出結果に基づいて検知された車両と、読取装置30にて読み取られた情報を発信するRFIDタグが搭載された車両との対応関係を正確に把握することができる。そして、演算処理装置41は、光センサ20の検出結果に基づいて検知された車両が、RFIDタグ搭載の車両であるか、RFIDタグ非搭載の車両であるかを、読取装置30の読み取り結果に基づいて判別することができる。これにより、演算処理装置41は、所定領域Aを通過するRFIDタグ非搭載の車両を正確に判別することができる。よって、通過車両判別システム1は、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域Aを通過する車両を正確に判別することができる。
【0074】
本実施形態の通過車両判別方法は、演算処理装置41が図5及び図6に示す各処理を行うことによって実現され得る。
【0075】
すなわち、本実施形態の通過車両判別方法は、所定領域Aを通過する車両の側面にレーザ光を照射し、当該側面にて反射されたレーザ光の反射光を検出すること(ステップS11及びステップS12)を有する。通過車両判別方法は、当該車両に搭載されたRFIDタグの情報を読み取ること(ステップS2)を有する。通過車両判別方法は、反射光の検出結果に基づいて所定領域Aを通過する車両を検知すること(ステップS16)を有する。通過車両判別方法は、所定領域Aを通過する車両を検知したタイミングを基点とする所定時間以内に、RFIDタグの情報を読み取れた場合、当該タイミングに検知された車両を、当該RFIDタグが搭載された車両であると判別すること(ステップS21及びステップS22)を有する。通過車両判別方法は、当該所定時間以内に、RFIDタグの情報を読み取れなかった場合、当該タイミングに検知された車両を、当該RFIDタグが搭載されていない車両であると判別すること(ステップS18)を有する。
【0076】
これにより、本実施形態の通過車両判別方法は、反射光の検出結果に基づいて検知された車両と、読み取られた情報を発信するRFIDタグが搭載された車両との対応関係を正確に把握することができる。そして、通過車両判別方法は、反射光の検出結果に基づいて検知された車両が、RFIDタグ搭載の車両であるか、RFIDタグ非搭載の車両であるかを、RFIDタグの情報の読み取り結果に基づいて判別することができる。これにより、通過車両判別方法は、所定領域Aを通過するRFIDタグ非搭載の車両を正確に判別することができる。よって、通過車両判別方法は、RFIDタグの搭載有無に関わらず所定領域Aを通過する車両を正確に判別することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更を行うことができる。本発明は、或る実施形態の構成を他の実施形態の構成に追加したり、或る実施形態の構成を他の実施形態と置換したり、或る実施形態の構成の一部を削除したりすることができる。
【符号の説明】
【0078】
1…通過車両判別システム、10…移動体、20…光センサ、30…読取装置、41…演算処理装置、50…報知装置、A…所定領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6