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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143456
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】自動取引装置および自動取引方法
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/26 20190101AFI20230928BHJP
   G06K 13/06 20060101ALI20230928BHJP
   G06Q 20/34 20120101ALI20230928BHJP
【FI】
G07D11/26
G06K13/06 C
G06Q20/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050848
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 洋昭
【テーマコード(参考)】
3E141
5B023
5L055
【Fターム(参考)】
3E141AA03
3E141AA11
3E141BA07
3E141CA02
3E141FD01
3E141FF09
3E141FG01
3E141FH04
3E141FH05
3E141FJ02
3E141FK02
5B023CA09
5B023FA03
5B023GA04
5L055AA66
(57)【要約】
【課題】利用者がカードを取り忘れた場合に利用者へカードを安全に返却すること。
【解決手段】実施形態に係る自動取引装置は、ナンバーレスカードを含むカードを利用して金融取り引きを行う自動取引装置であって、カードが挿入され、取り引き後にはカードおよびレシートを排出するカード/レシート口と、カードを搬送する搬送部と、カードの表面のイメージ画像を撮像する第1イメージセンサ部と、カードの裏面のイメージ画像を撮像する第2イメージセンサ部と、カードの磁気ストライプまたはICチップの情報を読み取るカード読取部と、カードの表面のイメージ画像、カードの裏面のイメージ画像およびカードの磁気ストライプまたはICチップの情報を記憶する制御部と、レシートに印字するプリンタ部と、カード/レシート口から排出されたカードおよびレシートの取り忘れが発生した場合にカードおよびレシートを取り込む取込部とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナンバーレスカードを含むカードを利用して金融取り引きを行う自動取引装置であって、
前記カードが挿入され、取り引き後には前記カードおよびレシートを排出するカード/レシート口と、
前記カード/レシート口から挿入された前記カードを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記カードの表面のイメージ画像を撮像する第1イメージセンサ部と、
前記搬送部によって搬送される前記カードの裏面のイメージ画像を撮像する第2イメージセンサ部と、
前記搬送部によって搬送される前記カードの磁気ストライプまたはICチップの情報を読み取るカード読取部と、
前記カードの表面のイメージ画像、前記カードの裏面のイメージ画像および前記カードの磁気ストライプまたはICチップの情報を記憶する制御部と、
前記レシートに印字するプリンタ部と、
前記カード/レシート口から排出された前記カードおよび前記レシートの取り忘れが発生した場合に該カードおよび該レシートを取り込む取込部と
を備える、自動取引装置。
【請求項2】
前記プリンタ部は、前記取込部によって前記カードおよび前記レシートを取り込む場合に、前記カードの表面のイメージ画像および前記カードの裏面のイメージ画像を前記レシートに印字する、
請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記プリンタ部は、前記取込部によって前記カードおよび前記レシートを取り込む場合に、前記カードの磁気ストライプまたはICチップの情報および前記取込部に前記カードを取り込んだ日時を前記レシートに印字する、
請求項1または2に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記カードを利用して取り引きを行う利用者のイメージ画像を撮像するカメラ部
をさらに備え、
前記プリンタ部は、前記取込部によって前記カードおよび前記レシートを取り込む場合に、前記利用者のイメージ画像を前記レシートに印字する、
請求項1~3のいずれか一つに記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記取込部は、前記カードおよび前記レシートを重ねて取り込む、
請求項1~4のいずれか一つに記載の自動取引装置。
【請求項6】
ナンバーレスカードを含むカードを利用して金融取り引きを行う自動取引装置であって、前記カードが挿入され、取り引き後には前記カードおよびレシートを排出するカード/レシート口と、前記カード/レシート口から挿入された前記カードを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記カードの表面のイメージ画像を撮像する第1イメージセンサ部と、前記搬送部によって搬送される前記カードの裏面のイメージ画像を撮像する第2イメージセンサ部と、前記搬送部によって搬送される前記カードの磁気ストライプまたはICチップの情報を読み取るカード読取部と、前記カードの表面のイメージ画像、前記カードの裏面のイメージ画像および前記カードの磁気ストライプまたはICチップの情報を記憶する制御部と、前記レシートに印字するプリンタ部と、前記カード/レシート口から排出された前記カードおよび前記レシートの取り忘れが発生した場合に該カードおよび該レシートを取り込む取込部とを備える自動取引装置の自動取引方法であって、
前記プリンタ部において、前記取込部によって前記カードおよび前記レシートを取り込む場合に、前記カードの表面のイメージ画像および前記カードの裏面のイメージ画像を前記レシートに印字する工程と、
前記取込部において、前記カードおよび前記レシートを重ねて取り込む工程と
を含む、自動取引方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、自動取引装置および自動取引方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレジットカードやキャッシュカードを利用して、入出金などの金融取り引きを行う自動取引装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
このような自動取引装置では、利用者によってカードが挿入されると、カードの磁気ストライプまたはICチップの情報(たとえば、クレジットカードの場合は、カード番号やセキュリティコードなどの情報)を読み取るとともに、カードの券面(表面)に表示されているカード番号やセキュリティコードなどの情報をイメージ画像として取得する。また、このような自動取引装置では、金融機関のホストコンピュータと通信を行い、各種情報をレシートに印刷し、取り引き後にはカードおよびレシートを利用者へ返却する。
【0004】
また、このような自動取引装置では、利用者へ返却するためにカードを排出すると、所定時間(たとえば、3分)のタイマー監視を行い、カードの取り忘れが発生した場合には、カードを取り込み、次の利用者が利用可能な状態へと戻る。この場合、取り込んだカードの磁気ストライプまたはICチップの情報およびカードの表面のイメージ画像(カードの表面に表示されている情報)は、遠隔監視装置へ送信される。
【0005】
そして、利用者がカードを取り忘れたことに気付いて運営者へ連絡してきた場合には、運営者は、本人確認のうえ、たとえば、自動取引装置の前で利用者と待ち合わせ、自動取引装置からカードを取り出し、利用者へカードを返却する。カードを返却する際には間違いのないよう、遠隔監視装置へ通知された、カードの磁気ストライプまたはICチップの情報とイメージ画像とが、カードの表面の表示と一致しているか否かを確認してから利用者へ返却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-35284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年は、カード番号やセキュリティコードなどの情報を盗み見られることがないよう、カードの表面にカード番号やセキュリティコードなどの情報が表示されていない、いわゆるナンバーレスカードが登場している。
【0008】
しかしながら、上記したような従来の自動取引装置では、カード番号やセキュリティコードなどの情報がカードの表面に表示されていないナンバーレスカードにおいて取り忘れが発生した場合、たとえば、同じ種類のカードが複数取り込まれていたにはカードの記載と一致しているか否かを確認することがむずかしく、利用者へカードを誤って返却するおそれがあった。
【0009】
実施形態の一態様は、利用者がカードを取り忘れた場合に利用者へカードを安全に返却することができる自動取引装置および自動取引方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の一態様に係る自動取引装置は、ナンバーレスカードを含むカードを利用して金融取り引きを行う自動取引装置であって、前記カードが挿入され、取り引き後には前記カードおよびレシートを排出するカード/レシート口と、前記カード/レシート口から挿入された前記カードを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記カードの表面のイメージ画像を撮像する第1イメージセンサ部と、前記搬送部によって搬送される前記カードの裏面のイメージ画像を撮像する第2イメージセンサ部と、前記搬送部によって搬送される前記カードの磁気ストライプまたはICチップの情報を読み取るカード読取部と、前記カードの表面のイメージ画像、前記カードの裏面のイメージ画像および前記カードの磁気ストライプまたはICチップの情報を記憶する制御部と、前記レシートに印字するプリンタ部と、前記カード/レシート口から排出された前記カードおよび前記レシートの取り忘れが発生した場合に該カードおよび該レシートを取り込む取込部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
実施形態の一態様によれば、利用者がカードを取り忘れた場合に利用者へカードを安全に返却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る自動取引装置の外観の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る自動取引装置の構成の一例を示す図(その1)である。
図3図3は、実施形態に係る自動取引装置の構成の一例を示す図(その2)である。
図4図4は、実施形態に係るカード/レシートユニットの構成を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る取込部のカードおよびレシートの取り込み例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るレシートの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る自動取引方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する自動取引装置および自動取引方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
<自動取引装置の外観>
まず、図1を参照して実施形態に係る自動取引装置1の外観について説明する。図1は、実施形態に係る自動取引装置1の外観の一例を示す図である。なお、図1には、自動取引装置1の概略斜視図を示している。
【0015】
なお、図1を含む各図には、鉛直上向き(上方)を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を示している。以下では、説明の便宜上、X軸の正方向を右方、X軸の負方向を左方、Y軸の正方向を前方、Y軸の負方向を後方と規定している。このため、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という場合がある。
【0016】
自動取引装置1は、クレジットカードやキャッシュカードを利用して出入金などの金融取り引きを行う。また、自動取引装置1は、たとえば、金融機関などに設置され、ATM(Automatic Teller Machine)とも呼ばれる。
【0017】
また、自動取引装置1は、金融機関のホストコンピュータとネットワークを介して情報通信を行う機能を有する。なお、ホストコンピュータおよびネットワークの図示は省略している。
【0018】
図1に示すように、自動取引装置1は、カード/レシート口11aと、通帳口12aと、タッチパネル13と、紙幣入出金口14aと、硬貨入出金口15aと、カメラ部16と、センサ部17とを備える。
【0019】
カード/レシート口11aは、カードC(図4参照)が挿入される部位である。カード/レシート口11aには、クレジットカードやキャッシュカードなどの磁気カード(磁気ストライプを有するカード)またはICカード(ICチップを有するカード)が挿入される。
【0020】
また、カード/レシート口11aは、取り引き後に、カードCおよび後述するレシートP(図6参照)が排出される部位である。
【0021】
ここで、カードCは、少なくとも表面C1(図4参照)に情報が表示されていないナンバーレスカードを含む。なお、ナンバーレスカードは、表面C1には情報が表示されていないが裏面C2(図4参照)に情報が表示されているものと、表面C1および裏面C2のいずれにも情報が表示されていないものとがある。
【0022】
また、カードCに表示されている情報としては、たとえば、クレジットカードの場合は、カード番号やセキュリティコードなどであり、たとえば、キャッシュカードの場合は、口座番号や口座名義人名などである。
【0023】
通帳口12aは、預金通帳が投入される部位である。また、通帳口12aは、預金通帳が排出される部位である。
【0024】
タッチパネル13は、各種の画面を表示し、利用者の操作を受け付ける部位である。
【0025】
紙幣入出金口14aは、紙幣が投入される部位である。また、紙幣入出金口14aは、出金紙幣が排出される部位である。
【0026】
硬貨入出金口15aは、硬貨が投入される部位である。また、硬貨入出金口15aは、出金硬貨が排出される部位である。なお、紙幣入出金口14aおよび硬貨入出金口15aは、総称して「貨幣入出金口」ともいう。
【0027】
カメラ部16は、カードCを利用して取り引きを行う利用者のイメージ画像G3(図6参照)を撮像する。カメラ部16は、常時撮像を行っている。また、カメラ部16は、自動取引装置1の前方に存在する利用者を撮像可能である。
【0028】
センサ部17は、自動取引装置1の前方に存在する利用者を検知する。センサ部17としては、たとえば、赤外線によって検知する近接センサが用いられる。
【0029】
<自動取引装置の構成>
次に、図2および3を参照して実施形態に係る自動取引装置1の構成について説明する。図2および3は、実施形態に係る自動取引装置1の構成の一例を示す図である。なお、図2には、自動取引装置1の概略背面図を示している。また、図2には、自動取引装置1の背面から見た内部構造を示しており、自動取引装置1の背面に設けられた開閉自在な背面扉を省略している。
【0030】
図2および3に示すように、自動取引装置1は、制御部21と、ネットワークインタフェースモジュール22と、タッチパネル13と、カメラ部16と、カード/レシートユニット11と、通帳ユニット12と、紙幣ユニット14と、硬貨ユニット15とを備える。
【0031】
図3に示すように、制御部21は、センサ部17による検知結果を取得する一方で、カメラ部16によって撮像された利用者のイメージ画像G3(図6参照)をカメラ部16から取得し、センサ部17による検知結果と利用者のイメージ画像G3とに基づいて、自動取引装置1の動作を制御する。
【0032】
制御部21は、ハードウェアとして、たとえば、プロセッサによって実現される。制御部21を実現するプロセッサの一例としては、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などがある。
【0033】
また、制御部21は、記憶部(図示せず)を有する。記憶部は、たとえば、メモリ、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0034】
ネットワークインタフェースモジュール22は、ネットワークを介して勘定系システムと接続される。ネットワークインタフェースモジュール22の一例としては、NIC(Network Interface Card)などがある。
【0035】
図2および3に示すように、カード/レシートユニット11は、カード/レシート口13a(図1参照)に挿入されたカードC(図4参照)の磁気ストライプまたはICチップの情報を読み取り、読み取った情報を制御部21へ出力する。
【0036】
通帳ユニット12は、通帳口12a(図1参照)に投入された預金通帳の磁気ストライプに記録された情報を読み取り、読み取った情報を制御部21へ出力する。また、通帳ユニット12は、制御部21から入力された情報に基づいて、預金通帳への記帳を行う。
【0037】
紙幣ユニット14は、紙幣入出金口16a(図1参照)に投入された紙幣を鑑別および計数し、取り引きが成立すると券種ごとに紙幣を紙幣カセット(図示せず)へ格納する。また、紙幣ユニット14は、券種ごとの紙幣カセットから出金される紙幣を計数し、出金紙幣を紙幣入出金口14aから排出する。
【0038】
硬貨ユニット15は、硬貨入出金口15a(図1参照)に投入された硬貨を計数し、取り引きが成立すると金種ごとに硬貨を硬貨カセット(図示せず)へ格納する。また、硬貨ユニット15は、金種ごとの硬貨カセットから出金される硬貨を計数し、出金硬貨を硬貨入出金口15aから排出する。
【0039】
カメラ部16は、利用者のイメージ画像G3(図6参照)を制御部21へ出力する。
【0040】
センサ部17は、利用者を検知した場合に検知信号を制御部21へ出力する。
【0041】
<カード/レシートユニットの構成>
次に、図4~6を参照して実施形態に係るカード/レシートユニット11の構成について説明する。図4は、実施形態に係るカード/レシートユニット11の構成を示す図である。図5は、実施形態に係る取込部11hにおけるカードCおよびレシートPの取り込み例を示す図である。図6は、実施形態に係るレシートPの一例を示す図である。
【0042】
図4に示すように、カード/レシートユニット11は、上記したカード/レシート口11aと、搬送部11bと、第1イメージセンサ部11cと、第2イメージセンサ部11dと、カード読取部11eと、プリンタ部11fと、レシート搬送路11gと、取込部11hとを備える。
【0043】
カード/レシート口11aは、上記したように、利用者によって挿入されるカードCを受け付ける。また、カード/レシート口11aは、取り引き後、カードCおよびレシートPを排出する。
【0044】
搬送部11bは、カード/レシート口11aから挿入されたカードCを搬送する搬送路11baを備える。搬送部11bでは、カードCをカード/レシートユニット11の奥(後方)へと搬送する。
【0045】
第1イメージセンサ部11cは、搬送部11bによって搬送されるカードCの表面C1のイメージ画像G1を撮像する。第1イメージセンサ部11cは、搬送路11baの上方に配置される。第1イメージセンサ部11cは、カードCの表面C1のイメージ画像G1を制御部21(図2参照)へ出力する。なお、制御部21では、取得したイメージ画像G1を記憶部において記憶する。
【0046】
第2イメージセンサ部11dは、搬送部11bによって搬送されるカードCの裏面C2のイメージ画像G2を撮像する。第2イメージセンサ部11dは、カードCの裏面C2のイメージ画像G2を制御部21へ出力する。なお、制御部21では、取得したイメージ画像G2を記憶部において記憶する。
【0047】
第2イメージセンサ部11dは、搬送路11baの下方に配置される。第2イメージセンサ部11dは、搬送路11baを挟んで、第1イメージセンサ部11cと対向するように配置される。なお、第2イメージセンサ部11dは、第1イメージセンサ部11cと前後方向において異なる位置に配置されてもよい。この場合、第1イメージセンサ部11cおよび第2イメージセンサ部11dは、搬送路11baの異なる位置でカードCの表面C1または裏面C2を撮像する。
【0048】
カード読取部11eは、搬送部11bによって搬送されるカードCの磁気ストライプまたはICチップの情報を読み取る。カード読取部11eは、搬送路11baの上方に配置される。また、カード読取部11eは、第1イメージセンサ部11cおよび第2イメージセンサ部11dよりも搬送路11baの下流側に配置される。カード読取部11eは、カードCの磁気ストライプまたはICチップの情報を制御部21へ出力する。なお、制御部21では、取得した情報を記憶部において記憶する。
【0049】
プリンタ部11fは、ロール状に巻かれたレシートPを有する。プリンタ部11fは、レシートPに印字する。プリンタ部11fでは、レシートPに印字すると、印字した部分を切り離して利用者へ渡すレシートPを作成する。
【0050】
レシート搬送路11gは、プリンタ部11fで印字されたレシートPを搬送路11baへ合流させる。
【0051】
取込部11hは、カード/レシート口11aから排出されたカードCおよびレシートPの取り忘れが発生した場合に、これらのカードCおよびレシートPを取り込む。取込部11hは、取込ボックス11haを備える。取込部11hでは、カード/レシート口11aから排出されたカードCおよびレシートPが所定時間(たとえば、3分)取り出されない場合、搬送部11bによってカード/レシート口11aと前後方向の反対側となる後方へ搬送され、搬送路11baの後端部から落下させて取込ボックス11haへ取り込む。
【0052】
図5に示すように、取込部11hは、搬送路11baからカードCおよびレシートPを取り込む場合、カードCおよびレシートPを重ねて取り込む。この場合、取込部11hは、たとえば、カードCの上にレシートPを重ねて取り込む。すなわち、取込部11hは、重ねたカードCおよびレシートPを1セットとして、取込ボックス11haへ取り込む。
【0053】
図6に示すように、プリンタ部11fは、取込部11hによってカードCおよびレシートPを取り込む場合、制御部21から入力された、カードCの表面C1のイメージ画像G1およびカードCの裏面C2のイメージ画像G2をレシートPに印字する。
【0054】
また、プリンタ部11fは、取込部11hによってカードCおよびレシートPを取り込む場合、制御部21から入力された、カードCの磁気ストライプまたはICチップの情報をレシートPに印字する。また、プリンタ部11fは、取込部11hによってカードCおよびレシートPを取り込む場合、制御部21から入力された、取込部11hにカードC(およびレシートP)を取り込んだ日時をレシートPに印字する。
【0055】
また、プリンタ部11fは、取込部11hによってカードCおよびレシートPを取り込む場合、制御部21から入力された、カメラ部16(図1参照)によって撮像された利用者のイメージ画像G3をレシートPに印字する。
【0056】
このように、プリンタ部11fは、取込部11hによってカードCおよびレシートPを取り込む場合には、各種情報をレシートPに印字する。なお、レシートPには、上記したカードCの磁気ストライプまたはICチップの情報、取込部11hにカードCを取り込んだ日時、イメージ画像G1、イメージ画像G2およびイメージ画像G3のすべてが印字されなくてもよく、このうちのいずれかが印字されてもよい。
【0057】
以上説明したような実施形態に係る自動取引装置1によれば、カードCの裏面C2のイメージ画像G2を取得することで、利用者の情報が表示されていないナンバーレスカードを利用した取り引きにおいてカードCの取り忘れが発生しても取得したカードCの裏面C2のイメージ画像G2と利用者とを照らし合わせて確認することができる。これにより、カードCの券面(表面C1)に利用者が識別可能な表示がなくても、利用者へカードCを安全に返却することができる。
【0058】
また、カードCの表面C1のイメージ画像G1およびカードCの裏面C2のイメージ画像G2をレシートPで確認することができるため、利用者へカードCを安全に返却することができる。また、カードCの取り忘れが発生した場合にのみ、カードCの表面C1のイメージ画像G1およびカードCの裏面C2のイメージ画像G2をレシートPに印字するため、安全性を高めることができる。
【0059】
また、カードCの磁気ストライプまたはICチップの情報、取込部11hにカードCを取り込んだ日時をレシートPで確認することができるため、利用者へカードCを安全に返却することができる。また、カードCの取り忘れが発生した場合にのみ、カードCの磁気ストライプまたはICチップの情報および取込部11hにカードCを取り込んだ日時をレシートPに印字するため、安全性を高めることができる。
【0060】
また、利用者のイメージ画像G3をレシートPで確認することができるため、利用者へカードCを安全に返却することができる。また、カードCの取り忘れが発生した場合にのみ、利用者のイメージ画像G3をレシートPに印字するため、安全性を高めることができる。
【0061】
また、カードCおよびレシートPを重ねたものを1セットとして取り込むことで、カードCおよびレシートPのセットを確認すればよく、利用者へカードCを安全に返却することができる。
【0062】
<自動取引方法>
次に、図7を参照して実施形態に係る自動取引方法の一例について説明する。図7は、実施形態に係る自動取引方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【0063】
なお、以下では、取り引き後にカードCおよびレシートPが取り出されない場合に取込部11hによってカードCおよびレシートPが取り込まれるまでの手順を説明する。また、各部は制御部21によって制御される。
【0064】
自動取引装置1の自動取引方法は、取込部11hによってカードCおよびレシートPを取り込む場合に、カードCの表面C1のイメージ画像G1およびカードCの裏面C2のイメージ画像G2をレシートPに印字する印字工程と、取込部11hにおいて、カードCおよびレシートPを重ねて取り込む取込工程とを含む。
【0065】
図7に示すように、自動取引装置1(図1参照)の自動取引方法では、まず、制御部21は、利用者へ返却するためにカードCおよびレシートPをカード/レシート口11aから排出する(ステップS101)。
【0066】
次いで、制御部21は、カードCおよびレシートPがカード/レシート口11aに残っているか否かを判定する(ステップS102)。制御部21は、ステップS102の処理において、カードCおよびレシートPがカード/レシート口11aに残っていないと判定した場合(ステップS102:No)、すなわち、利用者によって取り出された場合には、自動取引を終了する。
【0067】
制御部21は、ステップS102の処理において、カードCおよびレシートPがカード/レシート口11aに残っていると判定した場合(ステップS102:Yes)、カードCおよびレシートPが取り出されないまま所定時間(たとえば、3分)が経過したか否かを判定する(ステップS103)。
【0068】
制御部21は、ステップS103の処理において、カードCおよびレシートPが取り出されないまま所定時間(たとえば、3分)が経過したと判定した場合には(ステップS103:Yes)、搬送部11bによってカードCおよびレシートPを取込部11hへ向けて搬送する(ステップS104)。なお、制御部21は、ステップS102の処理において、カードCおよびレシートPが取り出されないまま所定時間(たとえば、3分)経過していないと判定した場合(ステップS103:No)にはステップS103の処理を繰り返す。
【0069】
制御部21は、搬送路11baを制御して、カードCのみを取込ボックスに取り込む(ステップS105)。また、制御部21は、プリンタ部11fにおいてレシートPに情報を印字する印字工程を実行する(ステップS106)。レシートPに印字する情報としては、上記したように、カードCの表面C1のイメージ画像G1およびカードCの裏面C2のイメージ画像G2を含む各種情報である。
【0070】
次いで、制御部21は、印字工程で印字したレシートPを、搬送路11baを制御して、取込ボックス11haに取り込み(ステップS107)、自動取引を終了する。
【0071】
以上説明したような実施形態に係る自動取引方法によれば、カードCの裏面C2のイメージ画像G3をさらにレシートPに印字することで、利用者の情報が表示されていないナンバーレスカードを利用した取り引きにおいてカードCの取り忘れが発生してもレシートPに印字されたカードCの裏面C2のイメージ画像G2と利用者とを照らし合わせて確認することができる。これにより、カードCの券面(表面C1)に利用者が識別可能な表示がなくても、利用者へカードCを安全に返却することができる。また、カードCおよびレシートPを重ねたものを1セットとして取り込むことで、カードCおよびレシートPのセットを確認すればよく、利用者へカードCを安全に返却することができる。
【0072】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 自動取引装置
11a カード/レシート口
11b 搬送部
11c 第1イメージセンサ部
11d 第2イメージセンサ部
11e カード読取部
11f プリンタ部
11h 取込部
16 カメラ部
21 制御部
C カード
C1 表面
C2 裏面
G1 イメージ画像
G2 イメージ画像
G3 イメージ画像
P レシート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7