(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143556
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】毛髪処理剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/365 20060101AFI20230928BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20230928BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20230928BHJP
A61K 8/20 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
A61K8/365
A61Q5/00
A61Q5/12
A61K8/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022064781
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】518035145
【氏名又は名称】株式会社イングラボ
(71)【出願人】
【識別番号】518035156
【氏名又は名称】株式会社CUTICULA
(72)【発明者】
【氏名】中谷 靖章
(72)【発明者】
【氏名】一木 登紀男
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB012
4C083AB032
4C083AB331
4C083AB332
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC692
4C083AD132
4C083AD282
4C083AD441
4C083AD442
4C083CC31
4C083CC33
4C083CC34
4C083DD06
4C083DD33
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE28
4C083EE29
(57)【要約】
【課題】損傷のあるクセ毛や広がる損傷毛に対して、損傷を修復しながらクセを抑制することができる毛髪処理剤及び毛髪処理方法を提供する。
【解決手段】毛髪処理剤が、レブリン酸を2~30質量%含有し、かつpHが3.0~6.5の範囲である毛髪処理剤A剤と、臭素酸塩を1~20質量%含有する毛髪処理剤B剤とからなる。また、毛髪処理方法が、(1)毛髪処理剤A剤を毛髪に塗布し、(2)塗布した状態で毛髪を放置して毛髪処理剤A剤を毛髪に十分に作用させ、(3)毛髪を水洗して毛髪処理剤A剤を洗い流し、(4)毛髪処理剤B剤を毛髪に塗布し、(5)塗布した状態で毛髪を放置して毛髪処理剤B剤を毛髪に十分に作用させ、(6)毛髪を水洗して毛髪処理剤B剤を洗い流し、(7)乾燥する工程を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レブリン酸を2~30質量%含有し、かつpHが3.0~6.5の範囲であるA剤と、臭素酸塩を1~20質量%含有するB剤との2剤からなることを特徴とする毛髪処理剤。
【請求項2】
A剤にケラチン化合物から選択される1種以上を0.1~10質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理剤。
【請求項3】
(1)請求項1又は2に記載のA剤を毛髪に塗布する工程、
(2)毛髪を放置する工程、
(3)毛髪を水洗する工程、
(4)請求項1に記載のB剤を毛髪に塗布する工程、
(5)毛髪を放置する工程、
(6)毛髪を水洗する工程、
(7)毛髪を乾燥する工程、
であることを特徴とする毛髪処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、損傷のあるクセ毛や広がる損傷毛に対して、損傷を修復しながらクセを抑制することができる毛髪処理剤に関する。また、当該毛髪処理剤を用いることにより、毛髪の損傷を修復しながらクセを抑制することができる毛髪処理方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な縮毛矯正は、主成分の還元剤、酸化剤の作用及び高温での機械的処理によりクセを抑制、伸長することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤を毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後、中間水洗し、ドライヤーなどで乾燥し、アイロンによる約180℃での機械的処理によりストレート状に伸ばした上で、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をストレート状に固定する。
【0003】
しかし、縮毛矯正は、クセを抑制、伸長できるが、アルカリ性の第1剤を作用させ毛髪が膨潤軟化し、毛髪の損傷が発生する。
【0004】
還元剤を含まない毛髪処理剤としては、毛髪矯正成分としてグリオキシル酸、レブリン酸を用いる方法が提案されている。例えば、特許文献1には、グリオキシル酸を含む溶液を毛髪に塗布して放置し、毛髪を乾燥させた後に、毛髪矯正アイロンで高温での機械的処理により毛髪を矯正する方法が開示されている。この方法では、毛髪のダメージを抑えながら半永久的にクセを抑制、伸長できるが、毛髪の損傷は修復できない。さらに、特許文献2には、グリオキシル酸を2.5~20質量%と、グルコノラクトン及びエルカラクトンから選択される1種以上を0.1~10質量%を特定比率含むpH2.0~3.8の毛髪処理剤が開示されている。この毛髪処理剤でも、クセを抑制、伸長できかつ使用感触に優れているが、毛髪の損傷は修復できない。さらに、特許文献3には、グリオキシル酸を10~25質量%と、多価アルコールを45質量%以上とを含有し、グリオキシル酸と多価アルコールの含有量の合計量が65質量%以上で、pHが1.0~3.0の溶液を毛髪に塗布して放置し、水洗、毛髪を乾燥及び毛髪をストレート状にする方法が開示されている。この方法でも、毛髪のダメージを抑えながらクセを抑制、伸長できるが、毛髪の損傷は修復できない。さらに、特許文献4には、レブリン酸を13~30質量%と、グリオキシル酸を1~2質量%とを含有し、レブリン酸とグリオキシル酸の含有量の合計が15質量%以上で、pHが1.5~3.0の溶液を毛髪に塗布して放置し、水洗、毛髪を乾燥及び毛髪をストレート状にする方法が開示されている。この方法でも、毛髪のダメージを抑えながらクセを抑制、伸長できるが、毛髪の損傷は修復できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6122942号
【特許文献2】特許第6501937号
【特許文献3】特開2019-123702号
【特許文献4】特開2019―123701号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、損傷のあるクセ毛や広がる損傷毛に対して、損傷を修復しながらクセを抑制することができる毛髪処理剤を提供することを目的とする。また、当該毛髪処理剤を用いることにより、毛髪の損傷を修復しながらクセを抑制できる毛髪処理方法を提供することも目的とする。なお、本明細書のクセを抑制する機能とは、損傷のあるクセ毛、波状毛、縮毛、及び損傷によるパサつきや広がり等を、まとまりを良くする、キレイにする等を含む広義の意味である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、レブリン酸を2~30質量%含有し、かつpHが3.0~6.5の範囲であるA剤と、臭素酸塩を1~20質量%含有するB剤とからなる毛髪処理剤、及び(1)毛髪処理剤A剤を毛髪に塗布し、(2)塗布した状態で毛髪を放置して毛髪処理剤A剤を毛髪に十分に作用させ、(3)毛髪を水洗して毛髪処理剤A剤を洗い流し、(4)毛髪処理剤B剤を毛髪に塗布し、(5)塗布した状態で毛髪を放置して毛髪処理剤B剤を毛髪に十分に作用させ、(6)毛髪を水洗して毛髪処理剤B剤を洗い流し、(7)乾燥する工程を含む毛髪処理方法により、損傷を修復しながらクセを抑制することが実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の毛髪処理剤は、
レブリン酸を2~30質量%含有し、かつpHが3.0~6.5の範囲であるA剤と、臭素酸塩を1~20質量%含有するB剤とからなることを特徴とする。
【0009】
また本発明の毛髪処理方法は、
(1)毛髪処理剤A剤を毛髪に塗布する工程、
(2)毛髪を放置する工程、
(3)毛髪を水洗する工程、
(4)毛髪処理剤B剤を毛髪に塗布する工程、
(5)毛髪を放置する工程、
(6)毛髪を水洗する工程、
(7)毛髪を乾燥する工程、
であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る毛髪処理剤及び毛髪処理方法は、損傷のあるクセ毛や広がる損傷毛に対して、損傷を修復しながらクセを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の毛髪処理剤は、レブリン酸を2~30質量%含有し、かつpHが3.0~6.5の範囲であるA剤と、臭素酸塩を1~20質量%含有するB剤との2剤からなる。
以下、本発明について詳述する。
【0012】
本発明の毛髪処理剤A剤のレブリン酸の含有量は2~30質量%、好ましくは5~15質量%である。含有量が2質量%未満では、十分なクセ抑制効果及び損傷修復効果を得ることができず、一方、30質量%を超えて含有しても、含有量に見合ったクセ抑制効果及び損傷修復効果の向上は期待できない。
【0013】
本発明の毛髪処理剤A剤は、pHを3.0~6.5の範囲、好ましくは4.0~5.5の範囲に保持することが必要である。pHが3.0未満では、十分な損傷修復効果を得ることができず、pHが6.5を超えると、十分なクセ抑制効果を得ることができない。
毛髪処理剤のpHを上記範囲に調整するための塩基としては、特に限定されるものではないが、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基、アンモニア水やトリエタノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基、レブリン酸を除くグリコール酸や乳酸酸等のモノカルボン酸塩、マレイン酸やリンゴ酸等のジカルボン酸塩、クエン酸等のトリカルボン酸塩、グルタミン酸やアスパラギン酸である酸性アミノ酸塩、リン酸やポリリン酸等の無機酸塩、エチドロン酸、エデト酸、フィチン酸等のキレート効果を特に有する酸塩、等を用いることができる。
【0014】
本発明の毛髪処理剤B剤の臭素酸塩の含有量は1~20質量%、好ましくは5~12質量%である。含有量が1質量%未満では、十分なクセ抑制効果及び損傷修復効果を得ることができず、一方、20質量%を超えて含有しても、含有量に見合ったクセ抑制効果及び損傷修復効果の向上は期待できない。
臭素酸塩としては、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
本発明の毛髪処理剤A剤には、ケラチン化合物を加えてもよい。ケラチン化合物の含有量は0.1~10質量%、好ましくは2~6質量%である。含有量が0.1質量%未満ではクセ抑制向上効果を得ることができず、一方、10質量%を超えて含有しても、配合量に見合ったクセ抑制向上効果は期待できない。
ケラチン化合物としては、加水分解ケラチン、スルホン化ケラチン、カルボキシメチルシステインリシン等が挙げられる。加水分解ケラチンの市販品としては、一丸ファルコス株式会社のプロティキュートHガンマやプロティキュートUアルファ等が挙げられる。スルホン化ケラチンの市販品としては、CRODA社のKereffectTM SD等が挙げられる。カルボキシメチルシステインリシンの市販品としては、Sinerga S.p.A社のHair APP等が挙げられる。
【0016】
本発明の毛髪処理剤は、A剤に含有しているレブリン酸、ケラチン化合物、及びB剤に含有している臭素酸塩以外にも、通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。このような成分として、例えばカチオン高分子、アニオン高分子、非イオン高分子、両性高分子、多価アルコール、糖類、アミノ酸、ペプチド、プロテイン、金属イオン封鎖剤、油分、粉末成分、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、pH調整剤、増粘剤、粉末成分、香料、粉末成分、色素、水等を含有することができる。
【0017】
本発明の毛髪処理剤A剤及びB剤の剤型は、所望の効果が充分に発揮されるのであれば特に限定されないが、例えば、液状、乳液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状などの剤型を採りうる。
【0018】
<毛髪処理方法>
本発明の毛髪処理方法は、(1)毛髪処理剤A剤を毛髪に塗布し、(2)塗布した状態で毛髪を放置して毛髪処理剤A剤を毛髪に十分に作用させ、(3)毛髪を水洗して毛髪処理剤A剤を洗い流し、(4)毛髪処理剤B剤を毛髪に塗布し、(5)塗布した状態で毛髪を放置して毛髪処理剤B剤を毛髪に十分に作用させ、(6)毛髪を水洗して毛髪処理剤B剤を洗い流し、(7)乾燥する工程を必須に含む。
【0019】
<(1)毛髪処理剤A剤塗布工程>
本発明の毛髪処理剤A剤は、整髪又は毛髪矯正アイロンやブローにてストレート状に整えたドライ毛に適用することも可能であるが、毛髪処理剤が毛髪に浸透しやすいことから、ヘアカラー処理直後のウェット毛、シャンプーで予め洗浄し水分を切ったウェット毛、付着した水分をタオルで取り除いたタオルドライ毛、水や高還元アルカリ水を塗布したウェット毛や、スチーム、ミスト、過熱水蒸気、加圧過熱水蒸気等で処理した毛髪、に適用することが好ましい。
<(2)放置工程>
毛髪処理剤A剤の塗布後、室温(約25℃)或いは加温にて3~40分間、より好ましくは10~20分間放置し、毛髪処理剤A剤を毛髪に作用させる。放置時間が3分間未満では、十分なクセ抑制効果及び損傷防止効果を得ることができず、一方、放置時間が40分間を超えても、放置時間に見合ったクセ抑制効果及び損傷修復効果のさらなる向上は期待できない。
<(3)水洗工程>
毛髪をお湯ですすぎ、毛髪処理剤A剤を毛髪から十分に洗い流す。
【0020】
<(4)毛髪処理剤B剤塗布工程>
本発明の毛髪処理剤B剤を、毛髪に塗布する。
<(5)放置工程>
毛髪処理剤B剤の塗布後、室温(約25℃)にて1~30分間、より好ましくは10~20分間放置し、毛髪処理剤B剤を毛髪に作用させる。放置時間が1分間未満では、十分なクセ抑制効果及び損傷修復効果を得ることができず、一方、放置時間が30分間を超えても、放置時間に見合ったクセ抑制効果及び損傷修復効果のさらなる向上は期待できない。
<(6)水洗工程>
毛髪をお湯ですすぎ、毛髪処理剤B剤を毛髪から十分に洗い流す。
【0021】
<(7)乾燥及工程>
水洗後、水分をタオルで拭き取った後に、毛髪をドライヤーで乾燥させる。さらに、クセ抑制効果を向上させる、及び/又は、クセを伸ばす、及び/又は、損傷修復効果を向上させるために、整髪又は毛髪矯正アイロンの使用を追加してもよい。具体的には、毛髪をドライヤーで乾燥した後、表面温度が100~180℃、好ましくは140~160℃の整髪又は毛髪矯正アイロンで熱を加えながら髪型を整える、又は、毛髪をドライヤーで乾燥した後、表面温度が150~230℃、好ましくは180~210℃の整髪又は毛髪矯正アイロンで毛髪に機械力及び熱を加えながらストレート状にする、又は、毛髪を表面温度が120~230℃、好ましくは130~180℃の整髪又は毛髪矯正アイロンで髪型を整えながら又はストレート状にしながら乾燥させる、又は、毛髪をドライヤーで乾燥させながらブラシ等でストレート状にし、さらに表面温度が100~180℃、好ましくは140~160℃の整髪又は毛髪矯正アイロンで熱を加えながら髪型を整える、又は、毛髪をドライヤーで乾燥させながらブラシ等でストレート状にし、さらに表面温度が150~230℃、好ましくは180~210℃に熱した整髪又は毛髪矯正アイロンで毛髪に機械力及び熱を加えながらストレート状にする工程である。
【実施例0022】
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は特に断らない限り質量%を示す。
【0023】
(実施例1~3及び比較例1)
下記の表1に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
得られた毛髪処理剤のクセ抑制効果及損傷修復効果の評価を、以下の方法により評価した。
【0024】
<試験毛束の作成>
天然クセ毛(インド人黒毛)を伸長時の長さが30cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販の粉末タイプの脱色剤(ブリーチ剤)にて処理し、市販のシャンプーにて7回洗浄し、十分にタオルドライし、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。その後、再度、各毛束を市販の粉末タイプの脱色剤(ブリーチ剤)にて処理し、市販のシャンプーにて洗浄する。その後、市販のシャンプーにて洗浄し、市販のヘアコンディショナーにて処理する。この操作を7回繰り返し、十分にタオルドライし、試験毛束とした。
<クセ抑制効果及び損傷修復効果の評価>
試験毛束に調整した毛髪処理剤A剤を5g塗布し、40℃で20分間放置し、お湯で十分に毛髪処理剤A剤を洗い流す。その後、毛髪処理剤B剤を8g塗布し、室温にて10分間放置し、お湯で十分に毛髪処理剤B剤を洗い流す。十分にタオルドライし、コームで整え、ドライヤーで十分に乾燥した後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置した後、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名がクセ抑制効果及び損傷修復効果を評価した。損傷修復効果は、なめらか効果とツヤ効果から判断した。
<クセ抑制効果評価基準>
1.まとまりが悪い
2.まとまりがやや悪い。
3.まとまりは普通。
4.まとまりがやや良い。
5.まとまりが良い。
<なめらか効果評価基準>
1.ざらつがあり、手触りが悪い。
2.ややざらつきがあり、手触りがやや悪い。
3.ややなめらかさがあり、手触りがやや良い。
4.なめらかさがあり、手触りが良い。
5.なめらかさがあり、手触りが非常に良い。
<ツヤ効果評価基準>
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは普通。
3.ツヤがある。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0025】
【0026】
実施例1~3に示されるように、レブリン酸の含有量が2~30質量%の場合に、十分なクセ抑制効果及び損傷修復効果が得られた。これに対し、比較例1に示されるように、レブリン酸の含有量が上記未満である場合には、クセ抑制効果及び損傷修復効果が不十分であった。
【0027】
(実施例4~5及び比較例2~3)
下記の表2に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。得られた毛髪処理剤のクセ抑制効果及び損傷修復効果を、前記の方法により評価した。
【0028】
【0029】
実施例4~5に示されるように、毛髪処理剤のA剤のpHを3.0~6.5の範囲に調整した場合に、十分なクセ抑制効果及び損傷修復効果が得られた。これに対し、比較例2~3に示されるように、pHが上記範囲外である場合には、クセ抑制効果又は損傷修復効果が不十分であった。
【0030】
(実施例6~7及び比較例4)
下記の表3に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。得られた毛髪処理剤のクセ抑制効果及び損傷修復効果を、前記の方法により評価した。
【0031】
【0032】
実施例6~7に示されるように、臭素酸塩の含有量が1~20質量%の場合に、十分なクセ抑制効果及び損傷修復効果が得られた。これに対し、比較例4に示されるように、臭素酸塩の含有量が上記未満である場合には、クセ抑制効果及び損傷修復効果が不十分であった。
【0033】
(実施例8~12及び比較例5)
下記の表4に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。得られた毛髪処理剤のクセ抑制向上効果の評価を、前記の方法により評価した。ケラチン化合物を含有した場合のクセ抑制向上効果の評価基準は、下記の通りである。
【0034】
<クセ抑制向上効果の評価基準>
実施例2との比較でクセ抑制向上効果を評価する。
1.まとまりがやや悪くなる。
2.まとまりの良さの向上がない。
3.まとまりの良さの向上がややある。
4.まとまりの良さの向上がある。
5.まとまりの良さの向上が非常にある。
【表4】
【0035】
実施例8~12に示されるように、ケラチン化合物の含有量が0.1~10質量%の場合に、十分なクセ抑制向上効果及び損傷修復効果が得られた。これに対し、比較例5に示されるように、ケラチン化合物の含有量が上記未満である場合には、クセ抑制向上効果は不十分であった。
【0036】
(実施例13~14)
下記の表5に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。得られた毛髪処理剤のクセ伸長効果及び損傷修復効果を、下記の方法により評価した。
【0037】
<クセ伸長効果及び損傷修復効果の評価>
試験毛束に調整した毛髪処理剤A剤を5g塗布し、40℃で20分間放置し、お湯で十分に毛髪処理剤A剤を洗い流す。その後、毛髪処理剤B剤を8g塗布し、室温にて10分間放置し、お湯で十分に毛髪処理剤B剤を洗い流す。十分にタオルドライし、コームで整え、ドライヤーで乾燥する。その後、190℃の毛髪矯正アイロンで10秒間かけてストレート状に整える。毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置した後、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が毛髪伸長効果及び損傷修復効果を評価した。損傷修復効果は、なめらか効果とツヤ効果から判断した。
<クセ伸長効果の評価基準>
1.クセの伸びが悪く、まとまりが悪い。
2.クセの伸びがやや悪く、まとまりがやや悪い。
3.クセの伸びがやや良く、まとまりがやや良い。
4.クセの伸びがやや良く、まとまりが良い。
5.クセの伸びが良く、まとまりが良い。
<なめらか効果評価基準>
1.ややざらつきがあり、手触りがやや悪い。
2.ややなめらかさがあり、手触りは普通。
3.なめらかさがあり、手触りがやや良い。
4.なめらかさがあり、手触りが良い。
5.非常になめらかさがあり、手触りが非常に良い。
<ツヤ効果評価基準>
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは普通。
3.ツヤがある。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【表5】
【0038】
実施例13~14に示されるように、毛髪処理剤B剤を洗い流した後の乾燥工程にアイロンの使用を追加した場合に、十分なクセ伸長効果及び損傷修復効果が得られた。