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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143583
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ及びその内蔵基板
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099629
(22)【出願日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0036566
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミン チェオル
(72)【発明者】
【氏名】リー、サン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】クワク、ヒュン サン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、チ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リー、セオン ファン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC01
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082GG10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】総有効サイズに対して大きな静電容量を有する積層型キャパシタ及びその内蔵基板を提供する。
【解決手段】積層型キャパシタ100は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122とが少なくとも一つの誘電体層111を間に挟んで第1方向Zに交互に積層された容量領域を含む本体110と、互いに離隔して本体の互いに対向する第1面及び第2面にそれぞれ配置された第1外部電極131及び第2外部電極132と、を含む。本体は、少なくとも一つの第1内部電極と第1外部電極との間を第1方向に連結する第1ビア電極141と、少なくとも一つの第2内部電極と第2外部電極との間を第1方向に連結する第2ビア電極142とをさらに含む。第1外部電極は、本体の第1面の半分を超える面積だけ第1面をカバーする。第2外部電極は、本体の第2面の半分を超える面積だけ第2面をカバーする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極とが少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された容量領域を含む本体と、
互いに離隔して前記本体の互いに対向する第1面及び第2面にそれぞれ配置された第1外部電極及び第2外部電極と、を含み、
前記本体は、前記少なくとも一つの第1内部電極と前記第1外部電極との間を前記第1方向に連結する第1ビア電極と、前記少なくとも一つの第2内部電極と前記第2外部電極との間を前記第1方向に連結する第2ビア電極とをさらに含み、
前記第1外部電極は、前記本体の前記第1面の半分を超える面積だけ前記第1面をカバーし、
前記第2外部電極は、前記本体の前記第2面の半分を超える面積だけ前記第2面をカバーする、積層型キャパシタ。
【請求項2】
少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極とが少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された容量領域を含む本体と、
互いに離隔して前記本体の互いに対向する第1面及び第2面にそれぞれ配置された第1外部電極及び第2外部電極と、を含み、
前記本体は、前記少なくとも一つの第1内部電極と前記第1外部電極との間を前記第1方向に連結する第1ビア電極と、前記少なくとも一つの第2内部電極と前記第2外部電極との間を前記第1方向に連結する第2ビア電極とをさらに含み、
前記第1外部電極は前記第2ビア電極に前記第1方向に重なり、
前記第2外部電極は前記第1ビア電極に前記第1方向に重なる、積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記本体は、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3面及び第4面と、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に互いに対向する第5面及び第6面とをさらに有し、
前記本体の第1方向の厚さは、前記本体の第2方向の幅より短く、前記本体の第3方向の長さより短い、請求項1又は2に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記本体は、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3面及び第4面と、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に互いに対向する第5面及び第6面とをさらに有し、
前記本体は、前記少なくとも一つの第1内部電極及び前記少なくとも一つの第2内部電極に電気的に連結される経路を前記本体の前記第3面、前記第4面、前記第5面及び前記第6面を介して提供しないように構成された、請求項1又は2に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記本体は、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3面及び第4面と、前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に互いに対向する第5面及び第6面とをさらに有し、
前記本体は、前記容量領域が前記第2方向の間に位置するように配置される第1サイドマージン層及び第2サイドマージン層と、前記容量領域が前記第3方向の間に位置するように配置される第3サイドマージン層及び第4サイドマージン層とをさらに含む、請求項1又は2に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記第1サイドマージン層、前記第2サイドマージン層、前記第3サイドマージン層及び前記第4サイドマージン層のそれぞれは、前記少なくとも一つの第1内部電極及び前記少なくとも一つの第2内部電極のそれぞれに接触する、請求項5に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記第1サイドマージン層、前記第2サイドマージン層、前記第3サイドマージン層及び前記第4サイドマージン層のそれぞれの厚さは0μmを超え、20μm以下である、請求項6に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記本体は、前記第1外部電極と前記容量領域との間に配置された第1カバー層と、前記第2外部電極と前記容量領域との間に配置された第2カバー層とをさらに含み、
前記第1サイドマージン層、前記第2サイドマージン層、前記第3サイドマージン層及び前記第4サイドマージン層のそれぞれの厚さは、前記第1カバー層及び前記第2カバー層のそれぞれの厚さより薄い、請求項5に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記少なくとも一つの誘電体層と、前記第1カバー層及び前記第2カバー層と、前記第1サイドマージン層、前記第2サイドマージン層、前記第3サイドマージン層及び前記第4サイドマージン層のそれぞれは、チタン酸バリウム(BaTiO)系セラミック材料を含有する、請求項8に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極において前記第1ビア電極及び前記第2ビア電極に接触する部分はめっき層である、請求項1又は2に記載の積層型キャパシタ。
【請求項11】
前記第1外部電極及び前記第2外部電極のそれぞれの厚さは0μmを超え、10μm以下である、請求項1又は2に記載の積層型キャパシタ。
【請求項12】
前記第1ビア電極及び前記第2ビア電極の間の離隔距離は、前記第1ビア電極及び前記第2ビア電極が互いに対向する方向に前記本体の長さの半分より短い、請求項1又は2に記載の積層型キャパシタ。
【請求項13】
前記本体が提供するビア電極の個数は、前記第1ビア電極及び前記第2ビア電極を含んで2個である、請求項1又は2に記載の積層型キャパシタ。
【請求項14】
前記第1ビア電極は、前記本体の前記第2面に露出せず、
前記第2ビア電極は、前記本体の前記第1面に露出しない、請求項1又は2に記載の積層型キャパシタ。
【請求項15】
キャビティを有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の第1面に配置された第1導電性パターンと、前記第1絶縁層の第2面に配置された第2導電性パターンとを含む基板と、
前記キャビティに配置される請求項1又は2に記載の積層型キャパシタと、を含み、
前記積層型キャパシタの前記第1外部電極は前記第1導電性パターンに電気的に連結され、
前記積層型キャパシタの前記第2外部電極は前記第2導電性パターンに電気的に連結される、積層型キャパシタ内蔵基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型キャパシタ及びその内蔵基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、基板に配置されやすいという利点により、コンピュータ、携帯電話などの電子機器の部品として広く使用されており、高信頼性、高強度特性を有するため、電気機器(車両を含む)の部品としても広く使用されている。
【0003】
電子機器や電気機器の高性能化及び/又は超集積化に伴い、積層型キャパシタの小型化効率性もますます重要となっている。しかし、積層型キャパシタの体積に対する静電容量は、積層型キャパシタが小型化するほど向上しにくい可能性があるため、ますます重要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2019-0136678号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は積層型キャパシタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極とが少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された容量領域を含む本体と、互いに離隔して上記本体の互いに対向する第1及び第2面にそれぞれ配置された第1及び第2外部電極と、を含み、上記本体は、上記少なくとも一つの第1内部電極と上記第1外部電極との間を上記第1方向に連結する第1ビア電極と、上記少なくとも一つの第2内部電極と上記第2外部電極との間を上記第1方向に連結する第2ビア電極とをさらに含み、上記第1外部電極は、上記本体の第1面の半分を超える面積だけ上記第1面をカバーし、上記第2外部電極は、上記本体の第2面の半分を超える面積だけ上記第2面をカバーすることができる。
【0007】
本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極とが少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された容量領域を含む本体と、互いに離隔して上記本体の互いに対向する第1及び第2面にそれぞれ配置された第1及び第2外部電極と、を含み、上記本体は、上記少なくとも一つの第1内部電極と上記第1外部電極との間を上記第1方向に連結する第1ビア電極と、上記少なくとも一つの第2内部電極と上記第2外部電極との間を上記第1方向に連結する第2ビア電極とをさらに含み、上記第1外部電極は上記第2ビア電極に上記第1方向に重なり、上記第2外部電極は上記第1ビア電極に上記第1方向に重なることができる。
【0008】
本発明の一実施形態による積層型キャパシタ内蔵基板は、キャビティ(cavity)を有する第1絶縁層と、上記第1絶縁層の第1面に配置された第1導電性パターンと、上記第1絶縁層の第2面に配置された第2導電性パターンとを含む基板と、上記キャビティに配置される上記積層型キャパシタと、を含み、上記積層型キャパシタの第1外部電極は前記第1導電性パターンに電気的に連結され、上記積層型キャパシタの第2外部電極は上記第2導電性パターンに電気的に連結されることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、総有効サイズに対して大きな静電容量を有することができるため、小型化に有利であり得る。
【0010】
あるいは、上記積層型キャパシタは、電流経路の減少又は電流経路の巻かれる要因を減らすことができるため、等価直列インダクタンス(equivalent series inductance,ESL)を効率的に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの内部を示す斜視図である。
図2図1の積層型キャパシタの本体を示す斜視図である。
図3図2の本体においてサイドマージン層が除去された構造を示す斜視図である。
図4図1のA-A'線に沿った断面図である。
図5図1のB-B'線に沿った断面図である。
図6】本発明の一実施形態による積層型キャパシタ内蔵基板を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、様々な異なる形態に変形することができ、本発明の範囲が以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当技術分野において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されてもよく、図面上の同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0013】
そして、図面において、本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示しており、同一思想の範囲内の機能が同じである構成要素については同じ参照符号を用いて説明する。
【0014】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0015】
本発明の実施形態を明確に説明するために六面体の方向を定義すると、図面上に表されているX、Y、及びZはそれぞれ長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向は、誘電体層が積層される積層方向(又は第1方向)と同じ概念として使用することができる。
【0016】
以下では、本発明の一実施形態による積層型キャパシタについて説明するとともに、特に積層セラミックキャパシタ(Multi-layer ceramic capacitor,MLCC)について説明するが、これに限定されるものではない。
【0017】
図1図5を参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100の本体110は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122とが少なくとも一つの誘電体層111を間に挟んで第1方向(例えば、Z方向)に交互に積層された容量領域116を含むことができる。図1図3は、本体110の内部を示すために、体積の約1/4だけ切断された形態を示しているが、実際の積層型キャパシタ100は体積の約1/4だけ切断されなくてもよく、本体110の中心を基準にほぼ対称的な形態であってもよい。
【0018】
本体110は、第1方向(例えば、Z方向)に互いに対向する第1及び第2面S1、S2を含むことができる。例えば、本体110は、第1方向(例えば、Z方向)に垂直な第2方向(例えば、Y方向)に互いに対向する第3及び第4面S3と、第1及び第2方向に垂直な第3方向(例えば、X方向)に互いに対向する第5及び第6面S5とをさらに有する六面体で形成されてもよく、上記六面体の角及び/又はコーナーは研磨されることによって丸い形態になってもよい。ただし、本体110の形状、寸法及び誘電体層111の積層数は、本実施形態に示されたものに限定されるものではない。
【0019】
例えば、本体110の第1方向(例えば、Z方向)の厚さT0は、本体110の第2方向(例えば、Y方向)の幅W2より短く、本体110の第3方向(例えば、X方向)の長さL0より短くてもよい。例えば、本体110の体積は、1608サイズ、1005サイズ、0603サイズ、0402サイズであってもよい。0402サイズの04及び02は、長さL0及び幅W2が約0.4mm及び0.2mmであることを示す。本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100は、0603サイズ、0402サイズのような超小型本体110にさらに効率的であり得るが、これに限定されない。
【0020】
例えば、本体110は、容量領域116の焼成によってセラミック本体で構成されてもよい。ここで、本体110に配置された少なくとも一つの誘電体層111は焼結された状態であって、隣接する誘電体層の間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0021】
少なくとも一つの誘電体層111は、その厚さを積層型キャパシタ100の容量設計に合わせて任意に変更することができ、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系粉末を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記セラミック粉末は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)系、チタン酸カルシウム(CaTiO)系、ジルコン酸カルシウム(CaZrO)系のうち少なくとも一つであってもよく、上記セラミック粉末の一部はチタン酸バリウム(BaTiO)のバリウム(Ba)及び/又はチタン(Ti)が他の元素(例えば、希土類)で置換されて固溶(solid-solubilized)することができる。また、積層型キャパシタ100の要求規格に応じて、セラミック粉末に各種のセラミック添加剤(例えば、MgO、Al、SiO、ZnO)、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されてもよい。例えば、上記セラミック粉末は、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル樹脂などを含むこともできる。
【0022】
少なくとも一つの誘電体層111の形成に使用されるセラミック粉末の平均粒径は特に限定されず、積層型キャパシタ100の要求規格(例えば、電子機器用キャパシタのように小型化及び/又は高容量が要求されるか、あるいは電気機器用キャパシタのように高い耐電圧特性及び/又は強い強度が要求される等)に応じて調節されてもよいが、例えば、400nm以下に調節されてもよい。
【0023】
例えば、少なくとも一つの誘電体層111は、チタン酸バリウム(BaTiO)などのパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥して複数個のセラミックシートを設けることによって形成されてもよい。上記セラミックシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法により数μmの厚さを有するシート(sheet)状に作製することによって形成されてもよいが、これに限定されない。
【0024】
少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122は、導電性金属を含む導電性ペーストを印刷して誘電体層の積層方向(例えば、Z方向)に沿って交互に形成されてもよく、中間に配置された誘電体層によって互いに電気的に絶縁されてもよい。
【0025】
例えば、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれは、粒子平均サイズが0.1~0.2μmであり、40~50重量%の導電性金属粉末を含む内部電極用導電性ペーストにより形成されてもよいが、これに限定されない。上記導電性ペーストは、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉛(Pb)又は白金(Pt)等の単独又はこれらの合金であってもよいが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
例えば、上記セラミックシート上に上記内部電極用導電性ペーストを印刷工法などで塗布して内部電極パターンを形成することができる。上記導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、インクジェット印刷法等を使用することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、上記内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを200~300層積層し、圧着、焼成することにより、本体110を作製することができる。
【0027】
積層型キャパシタ100の静電容量は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の積層方向(例えば、Z方向)の重なり面積に比例し、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122の総積層数に比例し、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の間隔に反比例することができる。上記内部電極の間隔は、少なくとも一つの誘電体層111のそれぞれの厚さと実質的に同一であってもよい。
【0028】
積層型キャパシタ100は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の間隔が短いほど、厚さに対してより大きな静電容量を有することができる。一方、積層型キャパシタ100の耐電圧は、上記内部電極の間隔が長いほど高くなることができる。したがって、上記内部電極の間隔は、積層型キャパシタ100の要求規格(例えば、電子機器用キャパシタのように小型化及び/又は高容量が要求されるか、あるいは電気機器用キャパシタのように高い耐電圧特性及び/又は強い強度が要求される等)に応じて調節されることができる。少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれの厚さも、上記内部電極の間隔の影響を受けることができる。
【0029】
例えば、積層型キャパシタ100は、高い耐電圧特性及び/又は強い強度が要求される場合に、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122間の間隔がそれぞれの厚さの2倍を超えるように設計されてもよい。例えば、積層型キャパシタ100は、小型化及び/又は高容量が要求される場合に、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれの厚さが0.4μm以下、総積層数が400層以上となるように設計されてもよい。
【0030】
図1図5を参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100は、互いに離隔して本体110に配置される第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。第1外部電極131は本体110の第1面S1に配置されてもよく、第2外部電極132は本体110の第2面S2に配置されてもよい。
【0031】
積層型キャパシタ100は、容量領域116で形成された静電容量を第1及び第2外部電極131、132を介して外部構造(例えば、基板、回路)に提供することができる。例えば、積層型キャパシタ100は、外部基板(例えば、印刷回路基板)に実装又は内蔵されてもよく、第1及び第2外部電極131、132を介して上記外部基板の配線、ランド、半田バンプのうち少なくとも一つに連結されることにより、上記外部基板に電気的に連結された回路(例えば、集積回路、プロセッサ)に電気的に連結されてもよい。
【0032】
例えば、第1及び第2外部電極131、132のそれぞれは、金属成分が含まれたペーストにディッピング(dipping)する方法、上記ペーストを印刷する方法、シート(Sheet)転写、パッド(Pad)転写方法、スパッタめっき又は電解めっきなどで形成されてもよい。上記金属成分は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉛(Pb)、錫(Sn)等の単独又はこれらの合金であってもよいが、これらに限定されない。
【0033】
図1図5を参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100の本体110は、少なくとも一つの第1内部電極121と第1外部電極131との間を第1方向(例えば、Z方向)に連結する第1ビア電極141と、少なくとも一つの第2内部電極122と第2外部電極132との間を第1方向(例えば、Z方向)に連結する第2ビア電極142をさらに含むことができる。
【0034】
これにより、積層型キャパシタ100は、容量領域116で形成された静電容量を第1方向(例えば、Z方向)に第1及び第2外部電極131、132に提供することができ、容量領域116で形成された静電容量を、第2方向(例えば、Y方向)や第3方向(例えば、X方向)に提供しないことができる。例えば、本体110は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122とに電気的に連結される経路を、本体110の第3及び第4面S3や第5及び第6面S5を介して提供しないように構成することができる。
【0035】
したがって、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122は、本体110の第3及び第4面S3におけるショート(short)の可能性や段差(step)による信頼性強化の必要性を考慮せずに形成することができ、本体110の第5及び第6面S5におけるショート発生の可能性や段差による信頼性強化の必要性を考慮せずに形成することができる。ここで、上記段差による信頼性強化の必要性は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122とが、第3及び第4面S3や第5及び第6面S5に交互に露出する構造の場合、本体110の圧着及び焼成過程で少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122の端が第3及び第4面S3の中心や第5及び第6面S5の中心にさらに偏った形態に起因したものであることができる。
【0036】
例えば、少なくとも一つの第1内部電極121の本体110の第3及び第4面S3に対する離隔距離と、少なくとも一つの第2内部電極122のそれとは互いに同一であってもよく、全般的に短くなってもよい。例えば、少なくとも一つの第1内部電極121の本体110の第5及び第6面S5に対する離隔距離と、少なくとも一つの第2内部電極122のそれとは互いに同一であってもよく、全般的に短くなってもよい。
【0037】
これにより、本体110のXY平面面積に対する容量領域116のXY平面面積の割合は効率的に高くなることができるため、積層型キャパシタ100は、総有効サイズに対して大きな静電容量を有することができる。
【0038】
また、第1及び第2外部電極131、132が第1及び第2面S1、S2にそれぞれ配置されるため、第1及び第2外部電極131、132間のショート発生を考慮せずに形成することができる。例えば、第1及び第2外部電極131、132が、本体110の1つの面の互いに異なる位置に形成される場合と比較して、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100の第1及び第2外部電極131、132は、より自由に選択された方式(例えば、ペーストディッピング、印刷、転写、めっき)によって形成されることができ、第1及び第2外部電極131、132の厚さはより効率的に薄くなることができ、第1及び第2外部電極131、132の信頼性もより効率的に確保することができる。このような利点は、本体110の体積(例えば、1608サイズ、1005サイズ、0603サイズ、0402サイズ)が小さくなるほど、より重要となる可能性がある。
【0039】
例えば、第1外部電極131は本体110の第1面S1の半分を超える面積だけ第1面S1をカバーし、第2外部電極132は本体110の第2面S2の半分を超える面積だけ第2面S2をカバーすることができる。例えば、第1外部電極131は、第2ビア電極142に第1方向(例えば、Z方向)に重なり、第2外部電極132は、第1ビア電極141に第1方向(例えば、Z方向)に重なることができる。
【0040】
本体110の第1及び第2面S1、S2のそれぞれの面積は、本体110の長さL0と幅W2の積に基づいて測定することができ、第1及び第2外部電極131、132のそれぞれの面積は、第1及び第2外部電極131、132のそれぞれの長さL1と幅W1の積に基づいて測定することができる。例えば、上記面積は、測定装備(例えば、TEM(Transmission Electron Microscopy)、AFM(Atomic Force Microscope)、SEM(Scanning Electron Microscope)、光学顕微鏡及びsurface profiler)により第1方向(例えば、Z方向)に取得された画像(image)のピクセル個数に基づいて測定することができる。
【0041】
本体110の第1及び第2面S1、S2のそれぞれの面積に対して第1及び第2外部電極131、132のそれぞれの面積が大きいほど、第1及び第2ビア電極141、142の本体110内での配置自由度は高くなることができる。例えば、第1及び第2ビア電極141、142は、本体110の体積に対して静電容量が高くなるか、等価直列インダクタンス(equivalent series inductance,ESL)が低くなるように適切に決定された位置に配置されてもよい。
【0042】
例えば、第1及び第2外部電極131、132が本体110の1つの面の互いに異なる位置に形成される場合と比較して、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100を流れる全般的な電流の経路におけるXY平面成分は、全般的にさらに縮小することができるため、上記全般的な電流の経路の長さは短くなることができる。これにより、積層型キャパシタ100のESLは効率的に低くなることができる。
【0043】
万一、第1及び第2外部電極131、132が本体110の1つの面の互いに異なる位置に形成される場合、第1及び第2外部電極131、132の間を流れる電流は、本体110を介して巻かれる方向に流れることができるが、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100の第1及び第2外部電極131、132の間を流れる電流の経路は、巻かれる経路をほとんど含まないことができる。電流の巻かれる経路はESLを高める要因となる可能性があるため、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100は、電流の巻かれる経路を減らすことにより、ESLを効率的に減らすことができる。
【0044】
例えば、第1及び第2ビア電極141、142の間の離隔距離L2は、第1及び第2ビア電極141、142が互いに対向する方向(例えば、X方向)に本体110の長さL1の半分より短いことができる。ここで、第1及び第2ビア電極141、142が互いに対向する方向はX方向に限定されない。例えば、第1及び第2ビア電極141、142が互いに対向する方向がY方向である場合、第1及び第2ビア電極141、142の間の離隔距離L2は本体110の幅W2の半分より短いことができる。例えば、第1及び第2ビア電極141、142が互いに対向する方向がX方向からXY平面において45度回転した方向である場合、第1及び第2ビア電極141、142の間の離隔距離L2は、本体110の長さL1の平方と幅W2の平方との和の平方根の半分より短いことができる。
【0045】
図1図5を参照すると、本体110は、第1カバー層112、第2カバー層113、第1及び第2サイドマージン層114a、並びに第3及び第4サイドマージン層114bのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0046】
第1及び第2サイドマージン層114aは、容量領域116が第2方向(例えば、Y方向)の間に位置するように配置されてもよく、第3及び第4サイドマージン層114bは、容量領域116が第3方向(例えば、X方向)の間に位置するように配置されてもよい。例えば、第1及び第2サイドマージン層114aと第3及び第4サイドマージン層114bは、少なくとも一つの誘電体層111と同じ材料(例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料)や他の材料(例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂)を含むことができる。
【0047】
例えば、第1及び第2サイドマージン層114aと第3及び第4サイドマージン層114bは、MF(Margin Formation)工法によって容量領域116に対して別途形成された後に、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122が第2方向(例えば、Y方向)及び第3方向(例えば、X方向)に露出する構造110~114に対して第2方向(例えば、Y方向)及び第3方向(例えば、X方向)に積層されることにより形成されることができる。ここで、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれは、第1及び第2サイドマージン層114aと第3及び第4サイドマージン層114bのそれぞれに接触することができる。例えば、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122の露出は、容量領域116が大きいサイズを有する構造においてXZ平面やYZ平面に切断されることにより形成されることができる。
【0048】
容量領域116で形成された静電容量が、第2方向(例えば、Y方向)や第3方向(例えば、X方向)に提供される必要がないため、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100は、第1及び第2サイドマージン層114aのそれぞれの厚さT1と第3及び第4サイドマージン層114bのそれぞれの厚さT2が薄くても信頼性を確保することができる。
【0049】
例えば、第1及び第2サイドマージン層114aのそれぞれの厚さT1は、0μm超過20μm以下であってもよく、第1及び第2カバー層112、113のそれぞれの厚さT3より薄くてもよい。例えば、第3及び第4サイドマージン層114bのそれぞれの厚さT2は、0μm超過20μm以下であってもよく、第1及び第2カバー層112、113のそれぞれの厚さT3より薄くてもよい。
【0050】
第1及び第2カバー層112、113は、第1方向(例えば、Z方向)に容量領域116を間に挟むように配置され、それぞれ少なくとも一つの誘電体層111のそれぞれよりも厚くてもよい。第1カバー層112は、本体110の第1面S1を提供することができ、第1外部電極131と容量領域116との間に配置されることができる。第2カバー層113は、本体110の第2面S2を提供することができ、第2外部電極132と容量領域116との間に配置されることができる。例えば、第1及び第2カバー層112、113は、少なくとも一つの誘電体層111と同じ材料(例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料)や他の材料(例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂)を含むことができる。
【0051】
少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122の端(外部電極に近い部分)と比較して、第1及び第2カバー層112、113は少なくとも一つの第1内部電極121と第2外部電極132間のショート可能性や、少なくとも一つの第2内部電極122と第1外部電極131間のショート可能性や、水分/異物浸透の可能性を考慮せずに形成することができる。また、第1及び第2外部電極131、132は、含有可能な金属材料に基づいてより強い強度を有することができるため、第1及び第2カバー層112、113の強度確保に対する負担を減らすことができる。したがって、第1及び第2カバー層112、113を薄く形成することができ、本体110の厚さT0に対して容量領域116の積層数を効率的に確保することができ、本体110の体積に対して大きな静電容量を確保することができる。
【0052】
例えば、第1カバー層112は、第1ビア電極141が配置されるように形成される第1貫通孔VH1の一部分を提供することができ、第2カバー層113は、第2ビア電極142が配置されるように形成される第2貫通孔VH2の一部分を提供することができる。例えば、第1貫通孔VH1は本体110の第1面S1から-Z方向に形成されてもよく、第2貫通孔VH2は本体110の第2面S2から+Z方向に形成されてもよい。
【0053】
例えば、第1及び第2貫通孔VH1、VH2は、ドリル(drill)やレーザ照射によって穿孔されて形成されてもよい。第1及び第2ビア電極141、142は、第1及び第2貫通孔VH1、VH2の少なくとも一部分の伝導性ペースト充填又はめっきによって形成されてもよい。少なくとも一つの第1内部電極121は、第1貫通孔VH1に対応する比較的小さい穴と、第2貫通孔VH2に対応する比較的大きい穴とを有することができ、少なくとも一つの第2内部電極122は、第1貫通孔VH1に対応する比較的大きい穴と、第2貫通孔VH2に対応する比較的小さい穴とを有することができる。少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122の比較的大きい穴は、第1ビア電極141や第2ビア電極142から離隔するための構造であることができ、比較的小さい穴は、第1ビア電極141や第2ビア電極142に連結されるための構造であることができる。
【0054】
例えば、本体110が提供するビア電極の個数は、第1及び第2ビア電極141、142を含んで2個であってもよい。すなわち、第1及び第2ビア電極141、142のそれぞれの個数は、本体110全体において1個であってもよい。
【0055】
これにより、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれの穴の個数及び穴の総面積は減少することができるため、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122の第1方向(例えば、Z方向)の重なり面積は効率的に広くなることができ、本体110の体積に対して大きな静電容量を確保することができる。また、第1及び第2ビア電極141、142の直径も効率的に確保できるため、第1及び第2ビア電極141、142の内部電極や外部電極への連結性も確保することができ、等価直列抵抗(equivalent series resistance)も減少することができる。
【0056】
例えば、第1ビア電極141は本体110の第2面S2に露出せず、第2ビア電極142は本体110の第1面S1に露出しないことができる。すなわち、第1カバー層112は第2ビア電極142が配置される空間を提供しなくてもよく、第2カバー層113は第1ビア電極141が配置される空間を提供しなくてもよい。
【0057】
例えば、第1及び第2外部電極131、132の少なくとも一部分は、めっき(例えば、スパッタリング(sputtering)やCVD(Chemical Vapor Deposition))により形成されためっき層であってもよく、第1及び第2外部電極131、132において第1及び第2ビア電極141、142に接触する部分はめっき層であってもよい。これにより、第1及び第2外部電極131、132の厚さT4は効率的に薄くなることができる。例えば、第1及び第2外部電極131、132をディッピング(dipping)方式で形成するのに比べて、第1及び第2外部電極131、132の厚さT4は半分以下に薄くなることができる。例えば、第1及び第2外部電極131、132の厚さT4は0μm超過10μm以下であってもよい。第1及び第2外部電極131、132の各々の層数は特に限定されない。
【0058】
例えば、第1及び第2外部電極131、132の形成過程における拡散を考慮して、第1及び第2外部電極131、132は、本体110の第1面S1及び第2面S2よりもやや小さく形成されてもよい。例えば、第1及び第2外部電極131、132は、容量領域116の長さより余裕長さL3だけ小さい長さを有することができ、容量領域116の幅より余裕幅W3だけ小さい幅を有することができる。これにより、第1及び第2外部電極131、132の形成過程と、第1及び第2サイドマージン層114aや第3及び第4サイドマージン層114bの形成過程間の順序は自由に決定することができる。
【0059】
実験によると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100の本体110が1608サイズである場合、本体110の体積に対する容量領域116の体積の割合は76.6%であり、容量領域116で形成された静電容量を第3方向(例えば、X方向)に提供する構造の上記割合は59.1%であり、上記構造の第1及び第2サイドマージン層114aがMF工法のように別途形成されて容量領域116に積層される構造でない場合の上記割合は51.1%であることができる。
【0060】
実験によると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100の本体110が1005サイズである場合、本体110の体積に対する容量領域116の体積の割合は66.9%であり、容量領域116で形成された静電容量を第3方向(例えば、X方向)に提供する構造の上記割合は44.8%であり、上記構造の第1及び第2サイドマージン層114aがMF工法のように別途形成されて容量領域116に積層される構造でない場合の上記割合は37.8%であることができる。
【0061】
実験によると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100の本体110が0603サイズである場合、本体110の体積に対する容量領域116の体積の割合は63.5%であり、容量領域116で形成された静電容量を第3方向(例えば、X方向)に提供する構造の上記割合は35.2%であり、上記構造の第1及び第2サイドマージン層114aがMF工法のように別途形成されて容量領域116に積層される構造でない場合の上記割合は26.8%であることができる。
【0062】
実験によると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100の本体110が0402サイズである場合、本体110の体積に対する容量領域116の体積の割合は52.5%であり、容量領域116で形成された静電容量を第3方向(例えば、X方向)に提供する構造の上記割合は25.0%であり、上記構造の第1及び第2サイドマージン層114aがMF工法のように別途形成されて容量領域116に積層される構造でない場合の上記割合は16.4%であることができる。
【0063】
図6を参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ内蔵基板200は、積層型キャパシタ100、第1絶縁層210、第1導電性パターン221及び第2導電性パターン222を含むことができる。
【0064】
例えば、第1絶縁層210は、印刷回路基板のコア(core)絶縁層であることができ、キャビティ(cavity)を提供することができる。第1導電性パターン221は、第1絶縁層210の上面から上側にビルドアップ(build up)されることができ、第2導電性パターン222は、第1絶縁層210の下面から下側にビルドアップされることができる。
【0065】
例えば、第1及び第2導電性パターン221、222のうち少なくとも一つは、第1絶縁層210を貫通する基板ビア225に電気的に連結されることができるため、第1及び第2導電性パターン221、222は、積層型キャパシタ内蔵基板200の上側及び下側にそれぞれ電気的に連結されることができるだけでなく、積層型キャパシタ内蔵基板200の上側にのみ電気的に連結されるか、又は下側にのみ電気的に連結されることもできる。
【0066】
第1及び第2半田レジスト層241、242は、積層型キャパシタ内蔵基板200の最上側及び最下側にそれぞれ配置されることができ、半田レジスト(solder resist)を含有することもできる。
【0067】
例えば、第1導電性パターン221は、複数の第1導電性パターン221a、221b、221c、221dを含むことができ、第2導電性パターン222は、複数の第2導電性パターン222a、222b、222c、222dを含むことができる。複数の第1導電性パターン221a、221b、221c、221dは第1層間ビア223を介して連結されることができ、複数の第2導電性パターン222a、222b、222c、222dは第2層間ビア224を介して連結されることができる。
【0068】
積層型キャパシタ100は、第1絶縁層210のキャビティ内に配置されることができ、積層型キャパシタ100の第1外部電極131は第1導電性パターン221に電気的に連結され、第2外部電極132は第2導電性パターン222に電気的に連結されることができる。
【0069】
積層型キャパシタ内蔵基板200が小さくなるほど、第1絶縁層210のキャビティが有し得る最大体積も小さくなることができ、上記最大体積は、積層型キャパシタ100が内蔵されるためのサイズ制限として作用することができる。本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100は、小型化しても本体110の体積に対して大きな静電容量を有することができるため、積層型キャパシタ内蔵基板200が小さくなっても積層型キャパシタ内蔵基板200に安定して内蔵されることができる。
【0070】
一方、図4に示すW1、W2、W3、T0、T1、T3、T4は、第1ビア電極141の中心又は第2ビア電極142の中心を含むYZ平面が露出するように積層型キャパシタ100をX方向に研磨するか、又はYZ平面に切断して露出する図4のA-A'線に沿った断面で測定されることができる。図5に示すL0、L1、L2、L3、T2は、第1ビア電極141の中心又は第2ビア電極142の中心を含むXZ平面が露出するように積層型キャパシタ100をY方向に研磨するか、又はXZ平面に切断して露出する図5のB-B'線に沿った断面で測定されることができる。測定装備(例えば、TEM(Transmission Electron Microscopy)、AFM(Atomic Force Microscope)、SEM(Scanning Electron Microscope)、光学顕微鏡及びsurface profiler)では、A-A'線に沿った断面又はB-B'線に沿った断面の画像(image)を得ることができ、上記画像の各ピクセルの色及び/又は明度(Brightness)の分類によって、各構成要素を識別することができる。W1、W2、W3は、A-A'線に沿った断面の当該構成要素のZ座標別W1、W2、W3の和をZ座標の個数で除した値で平均化することにより計算することができる。T0、T1、T3、T4は、A-A'線に沿った断面の当該構成要素のY座標別T0、T1、T3、T4の和をY座標の個数で除した値で平均化することにより計算することができる。L0、L1、L2、L3は、B-B'線に沿った断面の当該構成要素のZ座標別L0、L1、L2、L3の和をZ座標の個数で除した値で平均化することにより計算することができる。T2は、B-B'線に沿った断面の当該構成要素のX座標別T2の和をX座標の個数で除した値で平均化することにより計算することができる。
【0071】
以上のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【符号の説明】
【0072】
100:積層型キャパシタ
110:本体(body)
111:誘電体層
112:第1カバー層
113:第2カバー層
114a:第1及び第2サイドマージン層
114b:第3及び第4サイドマージン層
121:第1内部電極
122:第2内部電極
131:第1外部電極
132:第2外部電極
141:第1ビア電極
142:第2ビア電極
200:積層型キャパシタ内蔵基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6