(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143598
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】光量調節装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 9/02 20210101AFI20230928BHJP
【FI】
G03B9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126584
(22)【出願日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2022049626
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川久保 直樹
【テーマコード(参考)】
2H080
【Fターム(参考)】
2H080AA10
2H080AA21
2H080AA37
2H080AA69
2H080AA76
(57)【要約】
【課題】小型化しやすい光量調節装置を提供する。
【解決手段】光が通過する固定開口を有するベース部材と、固定開口の周方向に環状に配置され、光が通過する可変開口を形成する複数の遮光羽根と、ベース部材に対して固定開口の周方向に回転して、複数の遮光羽根のカム孔のそれぞれに係合する複数の軸を備え、遮光羽根に駆動力を伝達することで、可変開口の大きさを変化させるように複数の遮光羽根を回動させる駆動リングと、駆動リングを駆動させる駆動源と、を有し、遮光羽根は、固定開口に面する内周部とは逆側の外周部に第1の凸部と、第1の凹部と、第2の凸部とを備え、可変開口の面積が最大のときに、隣りの遮光羽根を回動させる軸が第1の凹部に入り込み、可変開口の面積が最小のときに、第1の凸部と第2の凸部が隣接する遮光羽根と重なっている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が通過する固定開口を有するベース部材と、
前記固定開口の周方向に環状に配置され、光が通過する可変開口を形成する複数の遮光羽根と、
前記ベース部材に対して前記固定開口の周方向に回転して、前記複数の遮光羽根のカム孔のそれぞれに係合する複数の軸を備え、前記遮光羽根に駆動力を伝達することで、前記可変開口の大きさを変化させるように前記複数の遮光羽根を回動させる駆動リングと、
前記駆動リングを駆動させる駆動源と、を有し、
前記遮光羽根は、前記固定開口に面する内周部とは逆側の外周部に第1の凸部と、第1の凹部と、第2の凸部とを備え、
前記可変開口の面積が最大のときに、隣りの遮光羽根を回動させる前記軸が前記第1の凹部に入り込み、
前記可変開口の面積が最小のときに、前記第1の凸部と前記第2の凸部が前記隣りの遮光羽根と重なっていることを特徴とする光量調節装置。
【請求項2】
前記第1の凸部と前記第1の凹部と前記第2の凸部は、前記遮光羽根の回動中心に対して、該回動中心から前記遮光羽根の先端に向かう方向に、前記第1の凸部、前記第1の凹部、前記第2の凸部の順に並んでいることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項3】
前記可変開口の面積が最小のときに、前記第1の凹部は、前記固定開口よりも外側において、前記隣りの遮光羽根と重なっていない部分があることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項4】
前記遮光羽根は、前記外周部の前記第2の凸部よりも前記遮光羽根の先端側に、第2の凹部をさらに備え、前記隣りの遮光羽根のさらに隣りの遮光羽根を回動させる前記軸が前記第2の凹部に入り込むことを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項5】
前記遮光羽根にはカム孔が形成され、前記軸が前記カム孔に沿って移動することにより、前記遮光羽根が開閉駆動されることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項6】
前記カム孔は、前記遮光羽根の回動中心に対して、該回動中心から前記遮光羽根の先端に向かう方向とは逆側の、前記遮光羽根の後端部に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の光量調節装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光量調節装置と、前記光量調節装置を通過した光の像を撮像する撮像素子と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置や交換レンズ等の光学機器に搭載される光量調節装置に関する。また、光量調節装置を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置や交換レンズ等の光学機器に搭載される光量調節装置(絞りユニット)において形成される光通過開口としての絞り開口の形状は、できるだけ円形に近い方が好ましく、円形に近い絞り開口を形成するために、3枚以上の多数枚の絞り羽根(光量調節羽根)が用いられる場合が多い。
【0003】
特許文献1には、ベース部材に形成した固定開口の周囲で回動可能な駆動リングによって多数枚の絞り羽根を回動させることで、円形に近い多角形の絞り開口を形成する虹彩絞りユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の絞り羽根は、プレス加工によって、カム孔を開けることが通常行われている。この方式では、カム孔を羽根に形成するため、ユニットが大型化しやすく、隣り合う羽根と干渉しやすいという問題がある。
【0006】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、小型化しやすい光量調節装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わる光量調節装置は、光が通過する固定開口を有するベース部材と、前記固定開口の周方向に環状に配置され、光が通過する可変開口を形成する複数の遮光羽根と、前記ベース部材に対して前記固定開口の周方向に回転して、前記複数の遮光羽根のカム孔のそれぞれに係合する複数の軸を備え、前記遮光羽根に駆動力を伝達することで、前記可変開口の大きさを変化させるように前記複数の遮光羽根を回動させる駆動リングと、前記駆動リングを駆動させる駆動源と、を有し、前記遮光羽根は、前記固定開口に面する内周部とは逆側の外周部に第1の凸部と、第1の凹部と、第2の凸部とを備え、前記可変開口の面積が最大のときに、隣りの遮光羽根を回動させる前記軸が前記第1の凹部に入り込み、前記可変開口の面積が最小のときに、前記第1の凸部と前記第2の凸部が前記隣りの遮光羽根と重なっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の光量調節羽根にカム孔が設けられている光量調節装置を小型化しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る絞りユニットの平面図。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る絞りユニットの背面図。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る絞りユニットの斜視図。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る絞りユニットの小絞り状態の斜視図。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る絞りユニットの断面図。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る絞りユニットの分解斜視図。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る絞りユニットの動作説明図。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る絞りユニットの羽根の平面図。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る絞りユニットの羽根の平面図。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る絞りユニットの平面図。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る絞りユニットの背面図。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る絞りユニットの斜視図。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る絞りユニットの小絞り状態の斜視図。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る絞りユニットの断面図。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係る絞りユニットの分解斜視図。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る絞りユニットの動作説明図。
【
図17】本発明の第2の実施形態に係る絞りユニットの羽根の平面図。
【
図18】本発明の第2の実施形態に係る絞りユニットの羽根の平面図。
【
図19】絞りユニットを搭載した撮像装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の光量調節装置の第1の実施形態である絞りユニット100の平面図である。
図2に絞りユニット100の背面図、
図3に絞りユニット100の斜視図を示す。
【0012】
図4は、小絞り状態の絞りユニット100の斜視図。
図5は、駆動部5であるモータが含まれる位置の絞りユニット100の断面図である。
【0013】
図6は、絞りユニット100の分解斜視図であり、ベース部材(地板)4、駆動リング7、複数の絞り羽根1(遮光羽根)、カバー部材9が、この順でスラスト方向において積層される。
【0014】
図6において、絞りユニット100のベースとなるベース部材4は、光軸50を中心とするレンズの光路に対応して光を通過させる開口部(固定開口)4aを有する。開口部4aの外側には、後述する絞り羽根群10を構成する11枚の絞り羽根1の嵌合孔1a(回動中心)に係合する係合ピン4cが、円周上32.7°間隔で11か所に配置されている。絞り羽根1は、その嵌合孔1aが係合ピン4cに嵌合し、係合ピン4cの回りに回動する。ベース部材4は、一般的には、樹脂の成形加工により作成される。ベース部材4には、例えば、ステッピングモータ、ガルバノメータなどの駆動源を用いた駆動部5が取り付けられ、駆動部5の回転軸には、ピニオンギア6が取り付けられている。
【0015】
絞り羽根1を駆動する駆動リング7は、開口部7aと、外径係合部7bと、円周上32.7°間隔で11か所に形成され、絞り羽根1のカム孔1bに係合する駆動ピン7cとを有する。駆動リング7は、一般的には、樹脂の成形加工により作成される。駆動リング7の外径係合部7bは、ベース部材4の内周案内面4bにより、光軸50の回りに回動可能に案内される。
【0016】
絞り羽根群10を構成する複数の絞り羽根1は、開口部4aの周方向に環状に配置され、光が通過する可変開口を形成する。駆動リング7の駆動ピン7cは、絞り羽根群10における絞り羽根1のカム孔1bと摺動可能に係合する。カム孔1bは、駆動リング7が光軸50の回りに回動するのに伴って駆動ピン7cにガイドされ、絞り羽根1が開閉駆動される。11枚の絞り羽根1は、駆動リング7が
図6の矢印A方向に回動されることにより、開口径が絞られる方向に駆動され、駆動リング7が矢印Aと逆方向に回動されることにより、開口径が大きくなる方向に駆動される。
【0017】
駆動リング7には、被駆動部7dであるギア部が形成されている。被駆動部7dは、中間ギア8a,8bを介してピニオンギア6と噛み合い、駆動部5で発生した回転力(駆動力)がピニオンギア6から被駆動部7dに伝達され、駆動リング7が回動される。
【0018】
絞り羽根1は、例えば、PETシート材等をプレス加工して作成される。また、絞り羽根には、遮光処理、反射防止処理、摺動処理等が施されていると望ましい。
【0019】
絞り羽根群10を挟んでベース部材4の反対側には、中央に開口部9aが形成されたカバー部材9が配置される。カバー部材9は、外周部に形成された係合部9bが、その弾性により、ベース部材4の係止部4dに係止されることにより、ベース部材4に固定される。また、カバー部材9の円周上に32.7°間隔で形成された11個の穴9cがベース部材4の係合ピン4cの先端に覆い重なり、絞り羽根群10、駆動リング7を押さえる。ベース部材4とカバー部材9で形成された空間の中で、駆動リング7と絞り羽根群10が駆動される。
【0020】
図7は、絞りユニット100の動作説明図である。
図7(a)は、絞り羽根1がベース部材4の開口部4aから最も退避した状態を示している。
図7(b)は、複数の絞り羽根1が形成する開口が、ベース部材4の開口部4aと一致した状態を示している。
図7(c)は、中間絞り状態、
図7(d)は、小絞り状態、
図7(e)は最小絞り状態を示している。
【0021】
駆動部5を駆動して、絞り羽根1が最小絞り状態に遷移する間に、
図7(a)~
図7(e)の状態を遷移する。本実施形態においては、11枚の絞り羽根1を用いたが、絞り羽根の枚数を多く用いると絞り開口の形状を良好にすることができる。本実施形態においては、絞り羽根1のカム孔1bを嵌合孔1aから先端側に向かう方向とは逆側の後端部に形成している。絞り羽根1の枚数が多くなってくると、このようなカム孔1bの配置とすることにより絞り羽根1が動かし易くなる。
【0022】
図8は、絞り羽根1の単体の平面図である。絞り羽根1は、ベース部材4の開口部4aに面する内周部とは逆側の外周部に第1の凸部1c、凹部1d、第2の凸部1eを備える。
【0023】
図9は、絞りユニット100の絞り羽根1を2枚抽出し、ベース部材4の開口部4aに対しての位置を示す平面図である。
図9(a)は、開放状態(可変開口の面積が最大の状態)を示し、
図9(b)は、最小絞り状態を示す。
図9(a)のときに、隣接する絞り羽根1を回動させる軸である駆動ピン7cが絞り羽根1の外周の凹部1dに入り込み、
図9(b)のときに、第1の凸部1cと第2の凸部1eが隣接する絞り羽根1と重なっていることにより、スペースを有効活用し、絞りユニットを小型化することができる。このとき、第1の凹部1dは、開口部4aよりも外側において、隣接する絞り羽根1と重なっていない部分があり、より絞りユニットを小型化し易い。
【0024】
以上説明したように、第1の実施形態においては、絞り羽根1の外周部に、絞り開口の開放状態で、隣りの絞り羽根1の駆動ピン7cが入り込む凹部1dが形成されている。これにより、絞り羽根1と駆動ピン7cの干渉を避けることができ、絞りユニット100の小型化を図ることが可能となる。
【0025】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。上述した第1の実施形態との主な違いは、羽根の枚数が11枚から13枚に変更されている点である。
【0026】
図10は、本発明の光量調節装置の第2の実施形態である絞りユニット200の平面図である。
図11に絞りユニット200の背面図、
図12に絞りユニット200の斜視図を示す。
【0027】
図13は、小絞り状態の絞りユニット200の斜視図。
図14は、駆動部205であるモータが含まれる位置の絞りユニット200の断面図である。
【0028】
図15は、絞りユニット200の分解斜視図であり、ベース部材(地板)204、駆動リング207、複数の絞り羽根201(遮光羽根)、カバー部材209が、この順でスラスト方向において積層される。
【0029】
図15において、絞りユニット200のベースとなるベース部材204は、光軸250を中心とするレンズの光路に対応して光を通過させる開口部204aを有する。開口部204aの外側には、後述する絞り羽根群210を構成する13枚の絞り羽根201の嵌合孔201aに係合する係合ピン204cが、円周上27.7°間隔で13か所に配置されている。絞り羽根201は、その嵌合孔201aが係合ピン204cに嵌合し、係合ピン204cの回りに回動する。ベース部材204は、一般的には、樹脂の成形加工により作成される。ベース部材204には、例えば、ステッピングモータ、ガルバノメータなどを用いた駆動部205が取り付けられ、駆動部205の回転軸には、ピニオンギア206が取り付けられている。
【0030】
絞り羽根201を駆動する駆動リング207は、開口部207aと、外径係合部207bと、円周上27.7°間隔で13か所に形成され、絞り羽根201のカム孔201bに係合する駆動ピン207cとを有する。駆動リング207は、一般的には、樹脂の成形加工により作成される。駆動リング207の外径係合部207bは、ベース部材204の内周案内面204bにより、光軸250の回りに回動可能に案内される。
【0031】
絞り羽根群210を構成する複数の絞り羽根201は、開口部204aの周方向に環状に配置され、光が通過する可変開口を形成する。駆動リング207の駆動ピン20cは、絞り羽根群210における絞り羽根201のカム孔201bと摺動可能に係合する。カム孔201bは、駆動リング207が光軸250の回りに回動するのに伴って駆動ピン207cにガイドされ、絞り羽根201が開閉駆動される。13枚の絞り羽根201は、駆動リング207が
図15の矢印A方向に回動されることにより、開口径が絞られる方向に駆動され、駆動リング207が矢印Aと逆方向に回動されることにより、開口径が大きくなる方向に駆動される。
【0032】
駆動リング207には、被駆動部207dであるギア部が形成されている。被駆動部207dは、中間ギア208a,208bを介してピニオンギア206と噛み合い、駆動部205で発生した回転力がピニオンギア206から被駆動部207dに伝達され、駆動リング207が回動される。
【0033】
絞り羽根201は、例えば、PETシート材等をプレス加工して作成される。また、絞り羽根には、遮光処理、反射防止処理、摺動処理等が施されていると望ましい。
【0034】
絞り羽根群210を挟んでベース部材204の反対側には、中央に開口部209aが形成されたカバー部材209が配置される。カバー部材209は、外周部に形成された係合部209bが、その弾性により、ベース部材204の係止部204dに係止されることにより、ベース部材204に固定される。また、カバー部材209の円周上に27.7°間隔で形成された13個の穴209cがベース部材204の係合ピン204cの先端に覆い重なり、絞り羽根群210、駆動リング207を押さえる。ベース部材204とカバー部材209で形成された空間の中で、駆動リング207と絞り羽根群210が駆動される。
【0035】
図16は、絞りユニット200の動作説明図である。
図16(a)は、絞り羽根201がベース部材204の開口部204aから最も退避した状態を示している。
図16(b)は、複数の絞り羽根201が形成する開口が、ベース部材204の開口部204aと一致した状態を示している。
図16(c)は、中間絞り状態、
図16(d)は、小絞り状態、
図16(e)は最小絞り状態を示している。
【0036】
駆動部205を駆動して、絞り羽根201が最小絞り状態に遷移する間に、
図16(a)~
図16(e)の状態を遷移する。本実施形態においては、13枚の絞り羽根201を用いたが、絞り羽根の枚数を多く用いると絞り開口の形状を良好にすることができる。本実施形態においては、絞り羽根201のカム孔201bを嵌合孔201aから先端側に向かう方向とは逆側の後端部に形成している。絞り羽根201の枚数が多くなってくると、このようなカム孔201bの配置とすることにより絞り羽根201が動かし易くなる。
【0037】
図17は、絞り羽根201の単体の平面図である。絞り羽根201は、ベース部材204の開口部204aに面する内周部とは逆側の外周部に第1の凸部201c、第1の凹部201d、第2の凸部201e、第2の凹部201fを備える。
【0038】
図18は、絞りユニット200の絞り羽根201を2枚抽出し、ベース部材204の開口部204aに対しての位置を示す平面図である。
図18(a)は、開放状態(可変開口の面積が最大の状態)を示し、
図18(b)は、最小絞り状態を示す。
図18(a)のときに、隣りの絞り羽根201を回動させる軸である駆動ピン207cが絞り羽根201の外周の凹部201dに入り込み、さらに隣りの絞り羽根201を回動させる軸である駆動ピン207cが絞り羽根201の外周の凹部201fに入り込む。また、
図9(b)では、第1の凸部201cと第2の凸部201eが隣接する絞り遮光201と重なっていることにより、スペースを有効活用し、絞りユニットを小型化することができる。
【0039】
以上説明したように、第2の実施形態においては、絞り羽根201の外周部に、絞り開口の開放状態で、隣りの絞り羽根及びさらに隣の絞り羽根201の駆動ピン207cが入り込む凹部201d,201fが形成されている。これにより、絞り羽根の枚数が多くなっても、絞り羽根201と駆動ピン207cの干渉を避けることができ、絞りユニット200の小型化を図ることが可能となる。
【0040】
<第3の実施形態>
図19は、第1および第2の実施形態で説明した絞りユニットを搭載した撮像装置としての、一眼レフカメラ用の交換レンズ321、及びその交換レンズが装着されるカメラ本体の内部構成を示している。
【0041】
交換レンズ321の鏡筒内には、変倍レンズ332、光路を絞る第1または第2の実施形態の絞りユニット100(200)、およびフォーカスレンズ329を含む撮影光学系が収容されている。
【0042】
CCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子により構成される撮像素子325はカメラ本体内に配置され、交換レンズ321により形成された被写体像を光電変換して電気信号を出力する。絞り装置100(200)の絞り開口を変化させたり不図示のNDフィルタを進退させたりすることにより、撮像素子325上に形成される被写体像の明るさ(つまりは撮像素子325に到達する光量)を適正に設定することができる。
【0043】
撮像素子325から出力された電気信号は、画像処理回路326においてデジタル信号に変換されるとともに、種々の画像処理を施される。これにより、画像信号が生成される。
【0044】
ユーザは、ズームリング331を回転操作することにより、変倍レンズ332を移動させて変倍(ズーミング)を行わせることが出来る。コントローラ322は、画像信号のコントラストを検出し、そのコントラストに応じてフォーカスモータ328を制御し、フォーカスレンズ329を移動させてオートフォーカスを行う。あるいは、コントローラ322は、不図示の位相差検出方式を用いた焦点検出手段の検出信号に基づいて、フォーカスモータ328を制御し、フォーカスレンズ329を移動させてオートフォーカスを行ってもよい。
【0045】
さらに、コントローラ322は、不図示の測光手段の測光値あるいは画像信号に基づいて、絞りユニット100(200)の駆動部5(205)を制御し、光量を調節する。これにより、撮影時のボケやゴーストを自然な形状にすることができ、高画質の画像を記録することができる。
【0046】
なお、本発明は、上述した一眼レフカメラに限定されず、レンズ一体型のデジタルカメラ、ビデオカメラ等の光学機器にも広く適用可能である。
【0047】
以上説明した各実施形態は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施形態に対して種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1,201:絞り羽根、4,204:ベース部材、5,205:駆動部、6,206:ピニオンギア、7,207:駆動リング、9,209:カバー部材