(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143616
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】容器反転システム
(51)【国際特許分類】
B65G 65/23 20060101AFI20230928BHJP
B65G 11/18 20060101ALI20230928BHJP
B65G 11/20 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B65G65/23
B65G11/18 Z
B65G11/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139471
(22)【出願日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】P 2022048996
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】佐郷 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】坂本 拓
【テーマコード(参考)】
3F011
【Fターム(参考)】
3F011AA03
3F011BA07
3F011BC04
(57)【要約】
【課題】内容物放出後の収容容器を安定的に送るのに有利な技術を提供する。
【解決手段】容器反転システム10は、収容容器90を反転開始位置P2に位置づける搬送装置21と、収容容器90を反転開始位置P2から反転終了位置P3に移動させつつ当該収容容器90を反転させて、反転させられた収容容器90から内容物を放出させ、反転終了位置P3において収容容器90を解放する反転装置22と、反転終了位置P3において解放された収容容器90を受け止める受け部材23a、23bと、収容容器90を下流にガイドする排出シュート24a、24bと、受け部材上の収容容器を排出シュートに向けて移送し、収容容器90が受け部材から排出シュートに倒れつつ排出される排出移送装置25と、排出シュート24a、24bに移動した直後の収容容器90を、一時的に堰き止めた後、当該堰き止めを解放する排出ストッパー26a、26bとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する収容容器を反転開始位置に位置づける搬送装置と、
前記収容容器を前記反転開始位置から反転終了位置に移動させつつ当該収容容器を反転させて、反転させられた前記収容容器から前記内容物を放出させ、前記反転終了位置において前記収容容器を解放する反転装置と、
前記反転終了位置において前記反転装置から解放された前記収容容器を受け止める受け部材と、
前記収容容器を下流にガイドする排出シュートと、
前記受け部材上の前記収容容器を前記排出シュートに向けて移送し、前記収容容器が前記受け部材から前記排出シュートに倒れつつ排出される排出移送装置と、
前記排出シュートに移動した直後の前記収容容器を、前記排出シュートにおいて一時的に堰き止めた後、当該収容容器の堰き止めを解放する排出ストッパーと、を備える容器反転システム。
【請求項2】
前記反転装置は、
動作可能に設けられ、前記収容容器を支持可能な支持状態及び前記収容容器を解放可能な解放状態に置かれる収容容器支持部と、
前記収容容器支持部の動作の駆動力を生成する支持駆動源と、を有し、
前記反転装置が前記収容容器支持部によって支持される前記収容容器を前記反転開始位置から前記反転終了位置に移動させる際、前記支持駆動源は前記収容容器支持部と一体的に移動する請求項1に記載の容器反転システム。
【請求項3】
前記搬送装置は、第1方向に前記収容容器を移動させることで前記反転開始位置に当該収容容器を位置づけ、
前記排出移送装置は、前記第1方向に前記収容容器を移動させることで当該収容容器を前記受け部材上から前記排出シュートに移送し、
前記排出シュートは、前記排出ストッパーによる前記収容容器の堰き止めが解放された直後に、当該収容容器を、平面視において前記第1方向と直交する第2方向にガイドする請求項1又は2に記載の容器反転システム。
【請求項4】
前記搬送装置、前記反転装置、前記受け部材、前記排出移送装置及び前記排出シュートを含む反転ユニットが複数設けられ、
前記複数の反転ユニットのうちの2以上の反転ユニットにおける前記排出シュートは、対応の前記排出ストッパーによる前記収容容器の堰き止めが解放された直後に、平面視においてお互いに同じ方向に前記収容容器をガイドする請求項1又は2に記載の容器反転システム。
【請求項5】
前記受け部材は、前記排出シュート側の端部の上面が、下流に向かって下り勾配となる傾斜部を形成し、
前記排出移送装置は、
前記受け部材上の前記収容容器を、移送終了位置に向けて移送する移送装置と、
前記移送装置による前記収容容器の移動を制限して当該収容容器を前記移送終了位置に位置づける移動制限状態と、前記移送終了位置から前記排出シュートへの前記収容容器の移動を許容する移動許容状態と、に置かれる滑落ストッパーと、を有し、
前記移送装置は、前記収容容器が前記移送終了位置において前記移動制限状態に置かれている前記滑落ストッパーに押し当てられるように、前記移送終了位置に向けて前記収容容器を移送し、
前記滑落ストッパーの状態が前記移動制限状態から前記移動許容状態に変えられることによって、前記収容容器は、前記滑落ストッパーによる移動制限から解放されて前記傾斜部に接触した後に、前記排出シュートに移動する
請求項1又は2に記載の容器反転システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器反転システムに関する。
【背景技術】
【0002】
天井部が開放されており且つ内容物(例えば食品や日用品)を収容している収容容器を反転させることで、収容容器から内容物を放出する装置が知られている。
【0003】
例えば自動袋詰め包装機において、多数の収容容器を連続的に反転させることで、これらの収容容器から放出される内容物を多数の包装袋に次々と投入することができる(特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-86918号公報
【特許文献2】実開平4-16200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようにして内容物を放出した後の収容容器は回収されるが、多数の空の収容容器を安定的且つスムーズに回収することは、必ずしも簡単ではない。
【0006】
例えば特許文献1が開示する充填物容器反転装置では、反転後の空き容器(空き収容容器)が、落下しつつ横向きに転倒させられ、その後、横向き状態のまま放出シュート上を転がり落ちて容器回収ラインへ引き渡される。また特許文献2の自動反転排出装置では、反転後の空き容器(空き収容容器)が、押し棒によって押し出されることで、横向きに転倒させられながら排出シュート上に落下する。
【0007】
上述の特許文献1及び特許文献2の装置では、空き容器の横向き姿勢への転倒挙動が必ずしも安定しない。そのため空き容器を適切な姿勢でシュートに引き渡すことができなかったり、シュートのはじめ等で空き容器が意図せずに停滞してしまったりすることがある。
【0008】
また上述の特許文献1及び特許文献2の装置では、空き容器が落下しながら転倒するため、各空き容器の転倒時に比較的大きな音が生じやすい。各空き容器の転倒時に生じうる音は作業環境を悪化させる要因の1つであるため、そのような音の大きさは可能な限り抑えられることが望ましい。
【0009】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、内容物放出後の収容容器を安定的に後段に向けて送るのに有利な技術を提供することを目的とする。また本開示は、内容物放出後の収容容器を後段に向けて送る際に生じうる音の大きさを低減するのに有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、内容物を収容する収容容器を反転開始位置に位置づける搬送装置と、収容容器を反転開始位置から反転終了位置に移動させつつ当該収容容器を反転させて、反転させられた収容容器から内容物を放出させ、反転終了位置において収容容器を解放する反転装置と、反転終了位置において反転装置から解放された収容容器を受け止める受け部材と、収容容器を下流にガイドする排出シュートと、受け部材上の収容容器を排出シュートに向けて移送し、収容容器が受け部材から排出シュートに倒れつつ排出される排出移送装置と、排出シュートに移動した直後の収容容器を、排出シュートにおいて一時的に堰き止めた後、当該収容容器の堰き止めを解放する排出ストッパーと、を備える容器反転システムに関する。
【0011】
反転装置は、動作可能に設けられ、収容容器を支持可能な支持状態及び収容容器を解放可能な解放状態に置かれる収容容器支持部と、収容容器支持部の動作の駆動力を生成する支持駆動源と、を有し、反転装置が収容容器支持部によって支持される収容容器を反転開始位置から反転終了位置に移動させる際、支持駆動源は収容容器支持部と一体的に移動してもよい。
【0012】
搬送装置は、第1方向に収容容器を移動させることで反転開始位置に当該収容容器を位置づけ、排出移送装置は、第1方向に収容容器を移動させることで当該収容容器を受け部材上から排出シュートに移送し、排出シュートは、排出ストッパーによる収容容器の堰き止めが解放された直後に、当該収容容器を、平面視において第1方向と直交する第2方向にガイドしてもよい。
【0013】
搬送装置、反転装置、受け部材、排出移送装置及び排出シュートを含む反転ユニットが複数設けられ、複数の反転ユニットのうちの2以上の反転ユニットにおける排出シュートは、対応の排出ストッパーによる収容容器の堰き止めが解放された直後に、平面視においてお互いに同じ方向に収容容器をガイドしてもよい。
【0014】
受け部材は、排出シュート側の端部の上面が、下流に向かって下り勾配となる傾斜部を形成してもよく、排出移送装置は、受け部材上の収容容器を、移送終了位置に向けて移送する移送装置と、移送装置による収容容器の移動を制限して当該収容容器を移送終了位置に位置づける移動制限状態と、移送終了位置から排出シュートへの収容容器の移動を許容する移動許容状態と、に置かれる滑落ストッパーと、を有してもよく、移送装置は、収容容器が移送終了位置において移動制限状態に置かれている滑落ストッパーに押し当てられるように、移送終了位置に向けて収容容器を移送してもよく、滑落ストッパーの状態が移動制限状態から移動許容状態に変えられることによって、収容容器は、滑落ストッパーによる移動制限から解放されて傾斜部に接触した後に、排出シュートに移動してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、内容物放出後の収容容器を安定的に後段に向けて送るのに有利である。また本開示によれば、内容物放出後の収容容器を後段に向けて送る際に生じうる音の大きさを低減するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る容器反転システムの一例の平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す容器反転システムを、
図1に示す矢印「II」の方向から見た図である。
【
図3】
図3は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図4】
図4は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図5】
図5は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図6】
図6は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図7】
図7は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図8】
図8は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図9】
図9は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図10】
図10は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図11】
図11は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図12】
図12は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図13】
図13は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図14】
図14は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図15】
図15は、容器反転システムの動作例を示す図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る第2反転ユニットの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本開示の一実施形態について説明する。
【0018】
以下の説明において「上流」及び「下流」の用語は、特に断りがない限り、容器反転システムの通常稼働時における収容容器の移動方向を基準とする。また「上方」及び「下方」の用語は、特に断りがない限り、高さ方向を基準としており、重力の作用方向である鉛直方向は「下方」に対応する。
【0019】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る容器反転システム10の一例の平面図である。
【0020】
図2は、
図1に示す容器反転システム10を、
図1に示す矢印「II」の方向から見た図である。ただし
図2では、容器反転システム10の一部要素(例えば排出移送装置25(第1移送装置51a、51b、第2移送装置52及び中間ストッパー53))の図示が省略されている。
【0021】
本実施形態の容器反転システム10は複数の反転ユニットを含み、
図1及び
図2に示す例では第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bから構成されるW型反転ユニット構造を有する。
【0022】
第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bの各々は、搬送装置21、反転装置22、受け部材23a、23b、排出移送装置25及び排出シュート24a、24bを備える。
【0023】
搬送装置21は、内容物を収容する収容容器90を搬送して反転開始位置P2に位置づける。
【0024】
収容容器90に収容される内容物は限定されないが、典型的には固形物を含む食品や日用品である。本実施形態では、同じ内容物を収容する収容容器90が、第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bの双方に供給される。
【0025】
収容容器90は開口部を有し、当該開口部を介して収容容器90内への内容物の投入及び収容容器90内からの内容物の放出が可能である。本例の収容容器90は、樹脂製の有底円筒状容器であり、円環状の断面を持つ胴体部を有する。搬送装置21上において収容容器90の開口部は上方に向けられており、後述のように収容容器90が反転されて開口部が下方に向けられることで、収容容器90内の内容物が開口部を介して収容容器90外(本例では下方)に放出される。
【0026】
図1に示す各搬送装置21は、
図1の左から右に向かう第1方向D1(すなわち水平方向)に複数の収容容器90を移動させることで、先頭の収容容器90を反転開始位置P2に位置づける。第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bのそれぞれの搬送装置21は、第2方向D2(すなわち第1方向D1と直交する水平方向)に隣り合って設けられており、第1反転ユニット11Aの搬送装置21は、第2反転ユニット11Bの搬送装置21に対し、
図1の上方に位置する。
【0027】
本例の搬送装置21は、無端状の搬送ベルト21aと、搬送ベルト21aを支持する少なくとも2つの搬送ローラ21bと、を有する。
図2には、1つの搬送ローラ21bのみが示されている。少なくとも1つの搬送ローラ21bは、モータなどの搬送駆動部(図示省略)から伝えられる動力に応じて能動的に回転し、搬送ベルト21aに動力を伝える。搬送ベルト21aは、当該少なくとも1つの搬送ローラ21bから伝えられる動力により、第1方向D1に沿って移動させられ、両端部位置に設けられるそれぞれの搬送ローラ21bで反転して往復走行する。
【0028】
搬送ベルト21aのうち上方に向けられた露出面には、第1方向D1に1列に並べられた複数の収容容器90が載せられており、これらの収容容器90は搬送ベルト21aの上方露出面とともに第1方向D1へ移動する。本例では、搬送ベルト21aの上方露出面は、間欠停止させられることなく継続的に第1方向D1へ移動させられるが、間欠的に第1方向D1へ移動させられてもよい。
【0029】
本例の容器反転システム10の第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bの各々は、支持台20により固定的に支持される容器検知センサ31及び待機ストッパー32を備える。なお、第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bの各々に含まれる各種要素は、直接的に又は間接的に支持台20によって支持される。
【0030】
容器検知センサ31は、反転開始位置P2における収容容器90の有無を検知し、検知結果を制御部(図示省略)に送信する。
【0031】
待機ストッパー32は、制御部の制御下で、容器検知センサ31の検知結果に応じて駆動する。具体的には、容器検知センサ31の検知結果が反転開始位置P2に収容容器90が配置されていることを示さない場合、待機ストッパー32は、搬送装置21による複数の収容容器90の第1方向D1への搬送を阻害しない状態(すなわち「搬送許容状態」)に置かれる。
【0032】
一方、容器検知センサ31の検知結果が反転開始位置P2に収容容器90が配置されていることを示す場合、待機ストッパー32は、反転開始位置P2に位置する収容容器90に隣り合う収容容器90を待機位置P1に移動させる状態(すなわち「離間調整状態」)に置かれる。これにより先頭から2番目の収容容器90が、反転開始位置P2に位置する先頭の収容容器90から十分な距離離され、先頭の収容容器90は、他の収容容器90にぶつかることなく反転動作を行うことが可能である。
【0033】
図1及び
図2に示す待機ストッパー32は、待機ストッパー本体部と、待機ストッパー本体部からの突出量が可変な待機ストッパーロッドと、を有する。待機ストッパー32が上述の搬送許容状態に置かれる場合、待機ストッパーロッドの突出量は相対的に小さく、待機ストッパーロッドは、搬送装置21による収容容器90の搬送経路から外れた場所に位置する。待機ストッパー32が上述の搬送許容状態から離間調整状態に変更される場合、待機ストッパーロッドの突出量は大きくされ、待機ストッパーロッドは、反転開始位置P2に位置する先頭の収容容器90に隣り合う収容容器90及び後続の収容容器90(すなわち先頭から2番目以降の収容容器90)を上流側に押し戻す。
【0034】
待機ストッパー32が離間調整状態に置かれている間、搬送装置21の駆動(搬送ベルト21aの上方露出面の移動)に関わらず、待機位置P1に位置する収容容器90及び当該収容容器90よりも上流側に位置する他の収容容器90は、待機ストッパー32によりブロックされて、第1方向D1へ移動できない。
【0035】
反転装置22は、収容容器90を反転開始位置P2から反転終了位置P3に移動させつつ当該収容容器90を反転させて、反転させられた収容容器90から内容物を放出させ、反転終了位置P3において収容容器90を解放する。
【0036】
本例の反転装置22は、反転本体部40と、支持台20によって支持され且つ反転本体部40を往復旋回させる反転駆動部41と、反転本体部40に取り付けられる収容容器支持部33及び支持駆動源34と、を有する。
【0037】
反転駆動部41は、制御部(図示省略)の制御下で駆動し、回転位置(回転角度)を所望位置(所望角度)にコントロール可能な回転シャフトを有し、例えばサーボモータにより構成される。反転本体部40は、反転駆動部41の回転シャフトに取り付けられ、当該回転シャフトの回転に応じて旋回する。具体的には、反転本体部40は、反転開始位置P2に位置づけられる収容容器90を収容容器支持部33が把持可能な把持旋回位置と、収容容器支持部33が収容容器90を反転終了位置P3で解放可能な解放旋回位置と、の間で往復旋回する。
【0038】
本例の反転駆動部41の回転シャフトは第2方向D2に延在し、待機位置P1、反転開始位置P2及び反転終了位置P3は、平面視において、第1方向D1に延びる同一直線上に位置する。
図1に示す例において、待機位置P1、反転開始位置P2及び反転終了位置P3の各々の第1方向D1に関する位置は、第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11B間で互いに同じである。
【0039】
収容容器支持部33及び支持駆動源34は、反転本体部40の旋回に応じて、反転本体部40と一体的に、反転駆動部41の回転シャフトを中心に旋回する。したがって反転装置22が、収容容器支持部33によって支持される収容容器90を反転開始位置P2から反転終了位置P3に移動させる際、支持駆動源34は収容容器支持部33と一体的に移動する。
【0040】
収容容器支持部33は、支持駆動源34から伝えられる動力に応じて動作可能に設けられており、収容容器90を支持可能な支持状態及び収容容器90を解放可能な解放状態に置かれる。本例の収容容器支持部33は、収容容器90(本例では胴体部)を把持可能な一対の把持部を有し、当該一対の把持部間の間隔が、支持駆動源34から伝えられる動力に応じて変えられる。
【0041】
すなわち収容容器支持部33は、一対の把持部間の間隔が変えられることで解放状態及び支持状態に置かれる。収容容器支持部33が解放状態に置かれる場合、一対の把持部間の間隔は収容容器90(本例では胴体部)よりも大きくされ、一対の把持部間に収容容器90(本例では胴体部)がスムーズに進入可能である。
【0042】
一方、収容容器支持部33が支持状態に置かれる場合、一対の把持部間の間隔は収容容器90(本例では胴体部)のサイズに対して同じに又はやや小さく調整され、一対の把持部は、収容容器90を持ち上げ反転可能なように収容容器90を把持(支持)することが可能である。
図1に示す例では、収容容器90の胴体部のサイズよりも小さい間隔を持つように調整された収容容器支持部33の一対の把持部が、反転本体部40と協働することで、収容容器90を支持する機能を発揮する。すなわち収容容器90は、一対の把持部間の間隔が調整されて収容容器支持部33が支持状態に置かれることで、一対の把持部及び反転本体部40によって囲まれつつ接触把持される。
【0043】
支持駆動源34は、収容容器支持部33の動作の駆動力を生成する。本例の支持駆動源34は、収容容器支持部33の一対の把持部を支持状態と解放状態との間で動作させるための駆動力を生成し、例えばエアーシリンダによって構成される。
【0044】
本実施形態の支持駆動源34は、制御部(図示省略)の制御下で、容器検知センサ31の検知結果に応じて駆動する。例えば、容器検知センサ31の検知結果が反転開始位置P2に収容容器90が配置されていることを示さない場合、収容容器支持部33の一対の把持部は解放状態に置かれる。一方、容器検知センサ31の検知結果が反転開始位置P2に収容容器90が配置されていることを示す場合、収容容器支持部33の一対の把持部は支持状態に置かれ、反転開始位置P2に位置する収容容器90を把持する。
【0045】
受け部材23a、23bは、反転終了位置P3において反転装置22(すなわち収容容器支持部33)から解放された収容容器90を受け止めて、収容容器90を支持する。受け部材23a、23bの真下にはファンネル45(内容物ガイド)が設けられている。
【0046】
受け部材23a、23bの高さ方向位置は限定されないが、反転装置22によって反転終了位置P3に位置づけられた収容容器90と受け部材23a、23bとの間に高さ方向(第3方向D3)に間隔が確保されるように、受け部材23a、23bは配置される。これにより、収容容器90が反転開始位置P2から反転終了位置P3に向かって旋回しても、当該収容容器90が受け部材23a、23bと衝突することはなく、ひいては衝突音も生じない。
【0047】
ただし、収容容器90を受け部材23a、23b上に起立姿勢で確実に載せ、当該収容容器90が受け部材23a、23bに着地した際に受ける衝撃を抑えて収容容器90の破損を防ぐとともに収容容器90の着地音(衝突音)を低減する観点からは、反転終了位置P3に位置づけられた収容容器90と受け部材23a、23bとの間の間隔は可能な限り小さい方が好ましく、例えば1mm程度である。
【0048】
受け部材23a、23bは、受け支持部及び受け空間部を有する。受け空間部の具体的な形状は限定されず、切り欠き形状を有してもよいし、穴形状を有してもよい。受け部材23a、23bにより受け止められた反転後の収容容器90は、受け支持部に載せられて支持されつつ、当該収容容器90の開口部(好ましくは当該開口部の全体)が受け空間部を介してファンネル45の上方開口部と高さ方向(第3方向D3)に向かい合う。
図1に示す受け部材23a、23bは、概ねU字状の平面形状を有する。
【0049】
ファンネル45は、上方端部に設けられる上方開口部と、下方端部に設けられる下方開口部と、ファンネル45の内部において高さ方向(第3方向D3)に延び且つ上方開口部及び下方開口部につながるガイド通路部と、を有する。反転装置22により反転された収容容器90の開口部から放出された内容物は、受け部材23a、23bの受け空間部及びファンネル45の上方開口部を通ってファンネル45のガイド通路部に進入し、ガイド通路部を通ってファンネル45の下方開口部から下方に向けて放出される。
【0050】
なお、第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bのそれぞれのファンネル45間の間隔は限定されない。ただし、それぞれのファンネル45の下方開口部間の間隔は、ファンネル45から放出される内容物を受け止める容器(本例では後述の包装袋)間の間隔に対応する。
【0051】
本実施形態では、第1反転ユニット11Aの受け部材23aの第1方向D1の長さよりも、第2反転ユニット11Bの受け部材23bの第1方向D1の長さの方が大きい。これにより第2反転ユニット11Bの受け部材23bは、第1反転ユニット11Aの受け部材23aに比べ、対応の反転終了位置P3から第1方向D1により離れた位置まで収容容器90を支持することができる。
【0052】
排出シュート24a、24bは、受け部材23a、23bからの収容容器90を下流にガイドする。本例の排出シュート24a、24bは、最上流位置から最下流位置に向かって高さ方向位置が徐々に低くなり、専ら重力を利用して収容容器90を下流に導く。ただし、排出シュート24a、24bの具体的な高さ方向位置は限定されない。例えば、第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bのそれぞれの排出シュート24a、24bは、少なくとも一部が高さ方向(第3方向D3)にお互いにずらされるように、設けられてもよい。
【0053】
排出シュート24a、24bの最上流位置は、平面視において、対応の受け部材23a、23bと第1方向D1に隣り合う。上述のように第1反転ユニット11Aと第2反転ユニット11Bとの間で受け部材23a、23bの下流側端部(すなわち
図1の右側端部)の第1方向D1に関する位置が異なるため、排出シュート24a、24bの最上流位置は、第1反転ユニット11Aと第2反転ユニット11Bとの間で第1方向D1にずれている。
【0054】
排出移送装置25は、第1方向D1に収容容器90を移動させることで、当該収容容器90を、倒しつつ、受け部材23a、23b上から排出シュート24a、24bに移送する。本実施形態では、受け部材23a、23b上で開口部が下方に向けられた状態の起立姿勢をとる収容容器90が、受け部材23a、23b上から排出シュート24a、24bに移動する間に横向きに倒れて排出シュート24a、24b上で横臥姿勢をとるように、排出移送装置25は収容容器90を受け部材23a、23b上から排出シュート24a、24bに向けて押し出す。その結果、収容容器90の胴体部が排出シュート24a、24bに接触した状態で、当該収容容器90が排出シュート24a、24bに載せられる。
【0055】
第1反転ユニット11Aの排出移送装置25は、第1移送装置51aを含む。本例の第1移送装置51aは、本体部と、本体部から第1方向D1への突出量が可変である往復ロッド61aと、往復ロッド61aに取り付けられる押出ロッド62aを有する。第1移送装置51aの往復ロッド61aは、突出量が相対的に小さい縮小状態と、突出量が相対的に大きい伸長状態との間で動作する。
【0056】
図1に示す例において、第1反転ユニット11Aの第1移送装置51aの往復ロッド61aが縮小状態に置かれることで、押出ロッド62aは、反転装置22から反転終了位置P3で解放された直後の受け部材23a上の収容容器90(すなわち第1搬送位置に位置づけられる収容容器90)よりも第1方向D1の上流側(
図1の左側)に位置する。そして反転装置22から反転終了位置P3で解放された直後の収容容器90が受け部材23a上に位置している状態で、第1反転ユニット11Aの第1移送装置51aの往復ロッド61aが縮小状態から伸長状態に変動させられることで、当該収容容器90は押出ロッド62aにより押されて受け部材23a上から排出シュート24aに押し出される。
【0057】
一方、第2反転ユニット11Bの排出移送装置25は、第1移送装置51b、第2移送装置52及び中間ストッパー53を有する。
【0058】
第2反転ユニット11Bの第1移送装置51bは、収容容器90を、受け部材23bにおける第1移送位置から、受け部材23bにおける第2移送位置に向けて移送する。ここで第1移送位置は、第2反転ユニット11Bの反転装置22から反転終了位置P3で解放された直後の収容容器90の受け部材23b上での位置である。第2移送位置は、第1移送位置よりも第1方向D1の下流側の位置である。
【0059】
図1に示す例において、第2反転ユニット11Bの第1移送装置51bは、上述の第1反転ユニット11Aの第1移送装置51aと同様に、本体部と、本体部から第1方向D1への突出量が可変である往復ロッド61bと、往復ロッド61bに連結する押出ロッド62bと、を有する。
【0060】
本例の第2反転ユニット11Bでは、第1移送装置51bの往復ロッド61bが伸長状態に置かれることで、押出ロッド62bは、受け部材23bの第1移送位置に配置される収容容器90よりも第1方向D1の上流側(
図1の左側)に位置する。そして第2反転ユニット11Bにおいて、収容容器90が受け部材23bの第1移送位置に配置されている状態で、第1移送装置51bの往復ロッド61bが伸長状態から縮小状態に変動させられることで、当該収容容器90は押出ロッド62bにより押されて、第1移送位置から第2移送位置に向かって受け部材23b上をスライドする。
【0061】
第2移送装置52は、収容容器90を第2移送位置から排出シュート24bに移送する。本例の第2移送装置52は、第2移送位置に位置づけられている収容容器90を第1方向D1に押すことによって、当該収容容器90を受け部材23b上から排出シュート24b上に移送する。
【0062】
すなわち第2移送装置52は、無端軌道(例えば矩形状軌道)に沿って移動する押出部材を有する。当該押出部材は、押出開始位置、押出終了位置、第1退避位置及び第2退避位置を、繰り返しこの順番で通過する。押出開始位置に位置づけられる押出部材の少なくとも一部は、第2移送位置に位置づけられている収容容器90よりも第1方向D1の上流側に位置する。そして第2移送位置に収容容器90が配置されている状態で、押出部材が押出開始位置から第1方向D1へ押出終了位置に向かって移動されることで、当該収容容器90が押出部材によって第1方向D1に押されて、受け部材23b上から排出シュート24b上に押し出される。
【0063】
第2移送装置52の押出部材は、収容容器90を排出シュート24b上に押し出した後、押出終了位置から第2方向D2(特に
図1の下方向)へ第1退避位置に向かって移動され、収容容器90の移送経路から外れる。そして押出部材は、収容容器90の移送経路から外れた領域において、第1退避位置から第1方向D1とは逆方向(
図1の左方向)へ第2退避位置に向かって移動される。そして押出部材は、新たな収容容器90が第1移送装置51bによって第2移送位置に配置された後に、第2退避位置から第2方向D2(特に
図1の上方向)へ押出開始位置に向かって移動される。
【0064】
第2移送装置52の押出部材は、上述の一連の動作を繰り返し行うことで、押出開始位置、押出終了位置、第1退避位置及び第2退避位置を通るいわゆるボックスモーションを行って、連続的に複数の収容容器90を受け部材23b上(特に第2移送位置)から排出シュート24b上へ移送する。
【0065】
中間ストッパー53は、第1移送位置からの収容容器90の移動を制限して当該収容容器90を第2移送位置に位置づける移送制限状態と、受け部材23b上から排出シュート24bへの収容容器90の移動を許容する移送許容状態と、に置かれる。
図1に示す中間ストッパー53は、本体部と、本体部から第2方向D2への突出量が可変であるストッパーロッドと、を有する。中間ストッパー53が移送制限状態に置かれる場合、本体部からのストッパーロッドの突出量は相対的に大きくされ、ストッパーロッドの少なくとも一部は、収容容器90の移送経路のうち、第2移送位置における収容容器90と、排出シュート24bとの間に位置する。一方、中間ストッパー53が移送許容状態に置かれる場合、本体部からのストッパーロッドの突出量は相対的に小さくされ、ストッパーロッドは、収容容器90の移送経路から外れた位置に配置される。
【0066】
上述の構成を有する第2反転ユニット11Bの排出移送装置25において、第1移送装置51bは、中間ストッパー53が移送制限状態に置かれている間に、第1移送位置から第2移送位置に向けて収容容器90を移送する。一方、第2移送装置52は、中間ストッパー53が移送許容状態に置かれている間に、第2移送位置から排出シュート24bに収容容器90を移送する。
【0067】
本実施形態では、更に、第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bの各々が排出ストッパー26a、26bを備える。排出ストッパー26a、26bは、例えばエアーシリンダを含んでもよく、収容容器90を排出シュート24a、24bにおいて一時的に堰き止めた後、当該収容容器90の堰き止めを解放する。
【0068】
本例の排出ストッパー26a、26bは、対応の排出シュート24a、24bに収容容器90が移送された直後に、当該収容容器90を堰き止める。そのため第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11B間において、対応の排出ストッパー26a、26bによって収容容器90が堰き止められる位置が、お互いに第1方向D1にずらされている。
【0069】
排出ストッパー26a、26bは、対応の受け部材23a、23bからの収容容器90が対応の排出シュート24a、24bに着地した位置(以下「シュート着地位置」とも称する)から近い位置で、収容容器90を堰き止めるが、具体的な堰き止め位置は限定されない。排出ストッパー26a、26bは、例えば、対応の排出シュート24a、24b上での収容容器90の横臥姿勢が安定する前に当該収容容器90を堰き止めてもよい。排出ストッパー26a、26bによる堰き止め位置は、一例として、シュート着地位置から、収容容器90の胴体部の直径の0.5倍~5倍程度下流に離れた位置までの間であってもよく、例えば、シュート着地位置から、収容容器90の胴体部の直径の0.5倍~2.5倍程度下流に離れた位置までの間であってもよい。排出ストッパー26a、26bによる堰き止め位置は、収容容器90がシュート着地位置にある状態で排出ストッパー26a、26bが当該収容容器90に接触可能な位置であることが最も好ましい
【0070】
図1及び
図2に示す例における各排出ストッパー26a、26bは、本体部と、本体部から高さ方向(特に下向き方向)への突出量が可変である堰き止め部材と、を有する。堰き止め部材は、本体部から下方への突出量が相対的に大きくされることで、対応の排出シュート24a、24b上の収容容器90を堰き止め可能な堰き止め位置に配置される。一方、堰き止め部材は、本体部から下方への突出量が相対的に小さくされることで、対応の排出シュート24a、24b上の収容容器90の移動を阻害しない堰き止め解放位置に配置される。
【0071】
本実施形態の各排出シュート24a、24bは、対応の排出ストッパー26a、26bによる収容容器90の堰き止めが解放された直後において、当該収容容器90を、平面視において第2方向D2にガイドする。このように第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bにおける排出シュート24a、24bは、対応の排出ストッパー26a、26bによる収容容器90の堰き止めが解放された直後において、平面視においてお互いに同じ方向に収容容器90をガイドする。
【0072】
次に、上述の容器反転システム10の動作例(容器反転方法)について説明する。
【0073】
以下に例示される容器反転方法は、容器反転システム10の各要素が制御部(図示省略)の制御下で適宜動作することで、実行される。なお第1反転ユニット11A及び第2反転ユニット11Bは、特に断りがない限り、同様の動作を示す。
【0074】
【0075】
まず搬送装置21によって複数の収容容器90が第1方向D1に搬送され、
図3に示すように、収容容器90(特に搬送装置21上に並べられた先頭の収容容器90)を反転開始位置P2に配置する。
【0076】
この際、反転本体部40は把持旋回位置に配置され、収容容器支持部33は解放状態に置かれ、待機ストッパー32は搬送許容状態に置かれている。これにより、搬送装置21上に並べられた収容容器90は邪魔されることなく第1方向D1に搬送され、先頭の収容容器90は反転開始位置P2に配置される。
【0077】
そして先頭の収容容器90が反転開始位置P2に到達すると、当該収容容器90が容器検知センサ31により検知され、当該検知結果に基づいて、各待機ストッパー32が離間調整状態に調整され、収容容器支持部33が支持状態に置かれる(
図4及び
図5参照)。その結果、反転開始位置P2に位置する収容容器90が収容容器支持部33及び反転本体部40により支持され、反転開始位置P2に位置する収容容器90から他の収容容器90が離間される。
【0078】
一方、ファンネル45の下方開口部の真下には、口部が開かれた状態の空の包装袋Bが位置づけられる(
図5参照)。包装袋Bは、図示しない袋搬送装置により間欠的に搬送され、当該包装袋Bの開かれた口部がファンネル45の下方開口部に対面した状態で、間欠的に停止される。
【0079】
その後、反転駆動部41により反転本体部40が把持旋回位置から正旋回方向に旋回されて、収容容器90が反転開始位置P2から反転終了位置P3に移動しながら反転する(
図6参照)。その結果、反転本体部40が解放旋回位置に配置され、開口部が下方に向けられた状態で収容容器90が反転終了位置P3に配置され(
図7参照)、収容容器90内の内容物Cが当該開口部から放出される。このようにして収容容器90から放出された内容物Cは、受け部材23a、23bの受け空間部を通って、ファンネル45の上方開口部からガイド通路部に進入し、ファンネル45の下方部開口部から放出され、ファンネル45の下方で待機している包装袋B内に投入される。
図9には、包装袋Bの内側の状態(すなわち包装袋B内に投入された内容物Cの状態)が示されている。
【0080】
収容容器90が反転終了位置P3に配置されている状態で収容容器支持部33が解放状態に置かれることで、当該収容容器90は、収容容器支持部33から解放されて落下し、受け部材23a、23bに載せられる。
【0081】
その後、反転本体部40は、反転駆動部41により解放旋回位置から逆旋回方向に旋回され、再び把持旋回位置に配置される(
図8及び
図9参照)。また図示しない袋搬送装置によって、内容物Cを収容する包装袋Bがファンネル45の下方から移動させられつつ、新たな空の包装袋Bがファンネル45の真下で間欠的に停止され、当該包装袋Bの開かれた口部がファンネル45の下方開口部に対面した状態に置かれる。
【0082】
その後、待機ストッパー32が搬送許容状態に置かれ、搬送装置21上の複数の収容容器90が第1方向D1へ移動し、先頭の収容容器90が待機位置P1から移動して反転開始位置P2に位置づけられる(
図10参照)。
【0083】
一方、受け部材23a、23b上の空の収容容器90が排出移送装置25によって第1方向D1に送られる。
【0084】
すなわち第1反転ユニット11Aでは、受け部材23a上の収容容器90が、第1移送装置51aによって第1方向D1に押されることで、受け部材23a上から排出シュート24a上に倒れながら落下する。この際、対応の排出ストッパー26aの堰き止め部材は堰き止め位置に配置されており、排出シュート24a上に落下した収容容器90は堰き止め部材により堰き止められて、下流へ移動しない(
図11参照)。
【0085】
一方、第2反転ユニット11Bでは、収容容器90が、第1移送装置51bによって受け部材23b上の第1搬送位置から第1方向D1へ押されて、受け部材23b上の第2搬送位置に配置される。この際、中間ストッパー53は移送制限状態に置かれており、第1移送装置51bによって第1方向D1に押された収容容器90は、第2搬送位置において中間ストッパー53に接触する。このようにして中間ストッパー53が受け部材23b上の収容容器90の第1方向D1への移動を規制することで、収容容器90は第2移送位置に精度良く位置づけられる。
【0086】
その後、待機ストッパー32が離間調整状態に置かれ、収容容器支持部33が支持状態に置かれ、反転本体部40が把持旋回位置から解放旋回位置に旋回移動する。その結果、反転開始位置P2に新たに配置された収容容器90が、反転本体部40及び収容容器支持部33とともに移動し、反転終了位置P3において反転状態に置かれる(
図12参照)。そして反転終了位置P3に配置された収容容器90の開口部から内容物Cが放出され、受け部材23a、23bの受け空間部を通ってファンネル45内に進入し、包装袋Bに投入される。
【0087】
一方、第1反転ユニット11Aでは、排出ストッパー26a、26bの堰き止め部材が堰き止め解放位置に配置されることで、排出シュート24a上で堰き止められていた収容容器90が、重力の影響下で、排出シュート24aに沿って下流に転がり落ちる(
図13及び
図14参照)。
【0088】
第2反転ユニット11Bでは、中間ストッパー53が移送許容状態に置かれている間に、受け部材23b上の第2搬送位置に位置している収容容器90が第2移送装置52によって第1方向D1に押され、当該収容容器90が倒れながら受け部材23b上から排出シュート24b上に落下する。この際、対応の排出ストッパー26bの堰き止め部材は堰き止め位置に配置されており、排出シュート24b上に落下した収容容器90は堰き止め部材により堰き止められて、下流へ移動しない。
【0089】
その後、第2反転ユニット11Bでは、排出ストッパー26bの堰き止め部材が堰き止め解放位置に配置されることで、排出シュート24b上で堰き止められていた収容容器90が重力の影響下で下流に転がり落ちる(
図15参照)。
【0090】
上述のようにして排出シュート24a、24bによりガイドされて下流に送られる空の収容容器90の送り先は、限定されない。例えば、排出シュート24a、24bは、人手によって又は機械によって空の収容容器90に新たな内容物Cが供給される供給ステーションに、空の収容容器90を導いてもよい。或いは、排出シュート24a、24bは、人手によって又は機械によって収容容器90を洗浄する洗浄ステーションに、空の収容容器90を導いてもよい。
【0091】
容器反転システム10は、上述の一連の処理を繰り返し行うことで、収容容器90から包装袋B内への内容物Cの投入を連続的に行う。
【0092】
以上説明したように本実施形態によれば、排出シュート24a、24bに移動した直後の収容容器90は、排出ストッパー26a、26bにより排出シュート24a、24bにおいて一時的に堰き止められた後、当該堰き止めが解放されて排出シュート24a、24bに沿って下流に送られる。
【0093】
これにより、排出シュート24a、24b上において空の収容容器90の横臥姿勢を安定化させた後に、当該収容容器90が排出シュート24a、24bに沿って後段に向けて送られる。その結果、内容物放出後の収容容器90を安定的に後段に向けて送るのに有利であり、また内容物放出後の収容容器90を後段に向けて送る際に生じうる音の大きさを低減するのに有利である。
【0094】
また反転装置22が収容容器支持部33によって支持される収容容器90を反転開始位置P2から反転終了位置P3に移動させる際、支持駆動源34は収容容器支持部33と一体的に移動する。
【0095】
これにより、収容容器支持部33及び支持駆動源34を反転装置22(本実施形態では特に反転本体部40)と一緒にユニット化することが可能であり、容器反転システム10の構造の簡素化及びメンテナンス性向上の観点で有利である。
【0096】
また搬送装置21、反転装置22及び排出移送装置25は、平面視において第1方向D1に延びる同一直線に沿って各収容容器90を搬送する。その一方で、排出シュート24a、24bは、排出ストッパー26a、26bによる収容容器90の堰き止めが解放された直後において、当該収容容器90を、平面視において第1方向D1と直交する第2方向D2にガイドする。
【0097】
これにより、容器反転システム10全体をコンパクトに構成可能であり、メンテナンス性向上の観点からも有利である。
【0098】
また複数の反転ユニットのうちの2以上の反転ユニット(本実施形態では全ての反転ユニット11A、11B)における排出シュート24a、24bは、対応の排出ストッパー26a、26bによる収容容器90の堰き止めが解放された直後において、平面視においてお互いに同じ方向(すなわち第2方向D2)に当該収容容器90をガイドする。
【0099】
これにより、容器反転システム10全体をコンパクトに構成可能である。
【0100】
また複数の反転ユニットのうちの2以上の反転ユニット(本実施形態では全ての反転ユニット11A、11B)において、排出移送装置25は、第1方向D1に収容容器90を移動させることで収容容器90を受け部材23a、23b上から排出シュート24a、24bに移送し、対応の排出ストッパー26a、26bによって収容容器90が堰き止められる位置が、お互いに第1方向D1にずらされている。
【0101】
これにより、反転ユニット11A、11B間における収容容器90同士の衝突を防ぐことが可能である。
【0102】
また第2反転ユニット11Bの排出移送装置25は、第1移送装置51b、第2移送装置52及び中間ストッパー53の組み合わせに基づいている。
【0103】
これにより収容容器90を、受け部材23b上において比較的長い距離、安定的に移送することができる。
【0104】
[第2実施形態]
本実施形態において上述の第1実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0105】
図16は、第2実施形態に係る第2反転ユニット11Bの一例を示す平面図である。
図17~
図19は、
図16に示す第2反転ユニット11Bの作動例を示す側方図である。
【0106】
以下では、第2反転ユニット11Bについて説明する。本実施形態において第1反転ユニット11A(
図1等参照)は、第2反転ユニット11Bと同様の装置構成及び作用を有してもよいし、第2反転ユニット11Bとは異なる装置構成及び作用を有してもよく、上述の第1実施形態の第1反転ユニット11Aと同じ装置構成及び作用を有してもよい。
【0107】
本実施形態の第2反転ユニット11Bにおいて、受け部材23bよりも上流の構成は限定されず、上述の第1実施形態の第2反転ユニット11Bと同じ装置(例えば搬送装置21及び反転装置22)を具備してもよい。以下では、受け部材23bよりも上流の構成の説明は省略し、受け部材23b及び受け部材23bよりも下流の装置構成及び作用について説明する。
【0108】
図16及び
図17には、受け部材23b(特に受け上流部23b-1)上において移送開始位置P11に位置する収容容器90が図示されている。移送開始位置P11は、反転装置22(
図1等参照)により反転された収容容器90が反転終了位置P3において反転装置22から解放された後、当該収容容器90が受け部材23b上に着地する位置である。本例の移送開始位置P11は、反転終了位置P3の真下の位置である。
【0109】
受け部材23bは、受け上流部23b-1と、受け上流部23b-1よりも下流に位置する受け下流部23b-2と、受け上流部23b-1及び受け下流部23b-2を第2方向D2に挟むように設けられる一対の受けガイド23b-3と、を有する。
【0110】
受け上流部23b-1は2つ(複数)の細長部材を含み、これらの細長部材は、お互いに第2方向D2に離間して配置され且つ各々が第1方向D1に延在する。2つの細長部材の最上部は、収容容器90が摺動する搬送路を構成する。本例では共通の水平面内にこれらの細長部材の最上部が位置し、受け上流部23b-1は全体として水平方向と平行に延在する搬送路を構成する。各細長部材の最上部は、任意の形状を有することができ、平坦面を有してもよいし、曲面(例えば円弧断面)を有してもよい。一方、2つの細長部材の間のスペースは、後述の移送ブロック51b-3が第1方向D1に沿って往復移動する際に通過するスペースであるとともに、反転終了位置P3で反転した収容容器90から放出された内容物が下向きに通過するスペースである。
【0111】
受け下流部23b-2は、ブロック状部材であり、受け部材23bのうちの排出シュート24b側の端部を構成する。受け下流部23b-2の上面(上部)は、下流に向かって下り勾配となる傾斜面(傾斜部)を形成し、収容容器90を下流に案内するための搬送路を構成する。受け上流部23b-1が構成する搬送路(すなわち複数の細長部材の最上部)は、受け下流部23b-2が構成する搬送路(すなわちブロック状部材の上面)に対して段差無く接続する。
【0112】
一対の受けガイド23b-3の各々は、受け上流部23b-1及び受け下流部23b-2よりも上方に突出するように延在し、受け上流部23b-1及び受け下流部23b-2に沿って移動する収容容器90を第1方向D1にガイドする。
【0113】
排出移送装置25は、第1移送装置51b及び滑落ストッパー70を有する。
【0114】
第1移送装置51bは、受け部材23b上の収容容器90を、移送開始位置P11から移送終了位置P12(
図18参照)に向けて第1方向D1に移送する。本例の第1移送装置51bは、移送駆動本体部51b-1と、移送駆動本体部51b-1からの水平方向(特に下流に向かう方向(
図16及び
図17の右に向かう方向))への突出量が可変である移送伸縮ロッド51b-2と、移送伸縮ロッド51b-2の先端に取り付けられる移送ブロック51b-3と、を有する。
【0115】
移送ブロック51b-3の側面(特に第1方向D1に向けられる側面)は、収容容器90を受け部材23bに沿って移送する際に当該収容容器90の側面に接触する移送ブロック接触面51b-4を形成する。移送ブロック接触面51b-4は、収容容器90に応じた形状を有し、本例では曲面形状(特に円筒外周面形状)を有する。移送ブロック接触面51b-4が、収容容器90の形状に応じた曲面として構成されることで、後述のように収容容器90を移送ブロック接触面51b-4及び滑落ストッパー70によって挟んで支持した際に、収容容器90を水平方向(特に第1方向D1及び第2方向D2の双方)に関して精度良く位置決めすることができ、また収容容器90を所望姿勢に精度良く矯正できる。
【0116】
滑落ストッパー70は、滑落ストッパー駆動本体部70-1と、滑落ストッパー駆動本体部70-1から下方への突出量が可変である滑落ストッパー伸縮ロッド70-2と、滑落ストッパー伸縮ロッド70-2の先端に取り付けられる滑落ストッパーブロック70-3と、を有する。滑落ストッパー伸縮ロッド70-2の突出量が相対的に大きく調整されることで、滑落ストッパー70は移動制限状態S1に置かれる(
図17及び
図18参照)。これにより滑落ストッパーブロック70-3が、相対的に受け部材23bの近くに配置され、第1移送装置51bによる収容容器90の移動を制限して当該収容容器90を移送終了位置P12に位置づける。一方、滑落ストッパー伸縮ロッド70-2の突出量が相対的に小さく調整されることで、滑落ストッパー70は移動許容状態S2に置かれる(
図19参照)。これにより滑落ストッパーブロック70-3が、相対的に受け部材23bから遠くに配置され、移送終了位置P12から排出シュート24bへの収容容器90の移動を許容する。
【0117】
本例の排出移送装置25は、エアー噴出ノズル75を更に備える。エアー噴出ノズル75は、収容容器90の下流(第1方向D1)への移動を促すように、移送終了位置P12に位置する収容容器90に向かってエアーを噴出する。エアー噴出ノズル75からのエアーの具体的な噴出方向は限定されない。
図17~
図19に示すエアー噴出ノズル75は斜め下方に向けてエアーを噴出し、受け下流部23b-2が成す傾斜面に対する収容容器90の接触及びスライド移動を助長する。
【0118】
次に、上述の第2反転ユニット11Bの作用例を説明する。
【0119】
上述のように反転装置22(
図1等参照)が収容容器90を反転開始位置P2から反転終了位置P3に移動させつつ当該収容容器90を反転させることで、反転させられた収容容器90から内容物が放出され、反転終了位置P3において収容容器90が解放される。なお収容容器90から放出された内容物は、受け上流部23b-1間のスペースを通って、ファンネル45(
図2参照)に進入する。
【0120】
このようにして解放された収容容器90は、反転終了位置P3から落下して受け上流部23b-1上に着地し、移送開始位置P11に位置づけられる(
図16及び
図17参照)。このとき、移送伸縮ロッド51b-2の突出量は相対的に小さい状態であり、移送ブロック51b-3は、移送開始位置P11に位置する収容容器90よりも上流側(
図16及び
図17の左側)に位置する。
【0121】
なお
図16及び
図17に示す例では、収容容器90が移送開始位置P11に位置づけられる際、先行する他の収容容器90が、排出シュート24bにおいて横倒し姿勢で排出ストッパー26b(特に堰き止め位置に配置される排出ストッパーブロック26b-3(堰き止め部材))により堰き止められている。
【0122】
その後、第1移送装置51bは、収容容器90が移送終了位置P12において移動制限状態S1に置かれている滑落ストッパー70(特に滑落ストッパーブロック70-3)に押し当てられるように、移送終了位置P12に向けて収容容器90を移送する(
図18参照)。具体的には、移送伸縮ロッド51b-2の突出量が相対的に大きくされることで、移送ブロック51b-3が第1方向D1に(
図16及び
図17の右に向かって)移動し、移送ブロック接触面51b-4が収容容器90に接触している状態で収容容器90を下流に向けて押して、当該収容容器90を移送開始位置P11から移送終了位置P12に移送する。
【0123】
その結果、収容容器90は、移送ブロック51b-3と滑落ストッパーブロック70-3(移動制限状態S1)との間で挟まれた状態で、移送終了位置P12において停止する。滑落ストッパー70は、移送ブロック51b-3が移送終了位置P12に向けて移動を開始するのに先立って移動制限状態S1に置かれていてもよい。或いは、移送ブロック51b-3が移送終了位置P12に向けて移動を開始した時点又は開始した後(ただし収容容器90が移送終了位置P12に到達する前)に、滑落ストッパー70の状態が移動許容状態S2から移動制限状態S1に変えられてもよい。
【0124】
このようにして移送終了位置P12に配置される収容容器90は、移送ブロック51b-3及び滑落ストッパーブロック70-3により挟まれた状態で支持されることで、安定的な所望姿勢をとる。本例では、移送終了位置P12に位置する収容容器90の底部の一部が受け上流部23b-1に載せられている。これにより収容容器90は、収容容器90の底面(本例では開口部端面)が水平方向と平行に延びるように、移送終了位置P12において安定的な姿勢をとる。
【0125】
本例では、移送終了位置P12に位置する収容容器90の底部は、部分的に受け上流部23b-1に載せられており、当該底部の下流側部分は受け下流部23b-2の上面(すなわち傾斜面)から上方に離れた空中に位置する。特に、移送終了位置P12に位置する収容容器90の底面の大部分(すなわち当該底面の全体の1/2以上(好ましくは2/3以上))が、受け下流部23b-2の上方において空中に位置する。
【0126】
なお
図18に示す例では、収容容器90が移送終了位置P12に位置づけられる際、排出ストッパー26b(特に排出ストッパーブロック26b-3)は堰き止め解放位置に配置され、先行する他の収容容器90が排出シュート24bに沿って下流に移動している。
【0127】
その後、滑落ストッパー70が移動制限状態S1から移動許容状態S2に変えられ、収容容器90は、滑落ストッパー70(特に滑落ストッパーブロック70-3)による移動制限から解放されて受け下流部23b-2が成す傾斜面に接触した後に、排出シュート24bに移動する(
図19参照)。すなわち滑落ストッパー70が移動許容状態S2に変えられることで、滑落ストッパーブロック70-3が上方に移動して移送終了位置P12に位置する収容容器90から離れる。その結果、収容容器90のうち空中に位置している下流側部分が重力の影響下で落下し、収容容器90は受け下流部23b-2の傾斜面に着地(接触)する。その後、収容容器90は、当該傾斜面に沿って滑落し、受け部材23b(受け下流部23b-2)から排出シュート24bに倒れながら落下して、最終的には、横倒し状態で排出シュート24bによって支持される。
【0128】
本例の収容容器90は、移送終了位置P12において、エアー噴出ノズル75からエアーが吹き付けられる。そのため、収容容器90の受け下流部23b-2の傾斜面における着地及び当該傾斜面に沿った滑落が、エアー噴出ノズル75からのエアーによって促される。なお、エアー噴出ノズル75からのエアーの噴出タイミングは限定されない。例えば、滑落ストッパー70の移動制限状態S1から移動許容状態S2への移行タイミングに応じて、エアー噴出ノズル75からエアーが噴出されてもよい。或いは滑落ストッパー70の挙動とは無関係に、エアー噴出ノズル75からエアーが噴出されてもよく、例えば継続的に(すなわち非断続的に)エアー噴出ノズル75からエアーが噴出されてもよい。
【0129】
その後、収容容器90は、上述の第1実施形態と同様に、排出シュート24bに移動した直後に、堰き止め位置に配置されている排出ストッパー26b(特に排出ストッパーブロック26b-3)によって一時的に堰き止められ、当該収容容器90の姿勢が安定化される。その後、排出ストッパー駆動本体部26b-1からの排出ストッパー伸縮ロッド26b-2の突出量が小さくされることで、排出ストッパー伸縮ロッド26b-2に取り付けられる排出ストッパーブロック26b-3が上方に移動して堰き止め解放位置に配置される。その結果、収容容器90は、排出ストッパー26bによる堰き止めから解放され、排出シュート24bに沿って転がり落ちながら下流に向けて移動する。
【0130】
以上説明したように本実施形態によれば、収容容器90は、移動制限状態S1の滑落ストッパー70によってその移動が制限されて移送終了位置P12で一旦停止され、第1移送装置51b(特に移送ブロック51b-3)及び滑落ストッパー70(特に滑落ストッパーブロック70-3)によって収容容器90が所望姿勢で安定化される。その後に、滑落ストッパー70を移動許容状態S2に置くことで収容容器90が解放され、当該収容容器90は受け部材23bの傾斜面に沿って排出シュート24bに向けて滑落する。
【0131】
これにより、受け部材23bから排出シュート24bへの収容容器90の落下距離が短くなり、受け部材23bから排出シュート24bに落下する間の収容容器90の姿勢の崩れを抑えることができる。また収容容器90は、移送終了位置P12において一旦停止して所望姿勢に矯正されるため、その後の収容容器90の搬送姿勢(すなわち受け下流部23b-2の傾斜面を滑落する間の収容容器90の姿勢及び排出シュート24bに落下する間の収容容器90の姿勢)が安定化する。その結果、受け部材23bから排出シュート24bへの収容容器90の移動(落下)を極めてスムーズ且つ確実に行うことができ、排出シュート24bへの移動(落下)に伴って収容容器90が受ける衝撃力の大きさ及び衝撃音を抑えることができ、排出シュート24bに移動した直後の収容容器90の姿勢(横倒し姿勢)も安定化する。
【0132】
上述の
図16~
図19に示す第2反転ユニット11Bは一例に過ぎず、第2反転ユニット11Bは他の構成を有してもよい。
【0133】
例えば、受け上流部23b-1は一体的な部材により構成されてもよいし、受け下流部23b-2は複数部材により構成されてもよい。
【0134】
またエアー噴出ノズル75は設けられなくてもよい。この場合、収容容器90は、専ら重力を利用して、受け部材23b上の移送終了位置P12から排出シュート24bに向けて移動してもよい。或いは、移送終了位置P12に位置する収容容器90は、滑落ストッパー70が移動許容状態S2に置かれて滑落ストッパーブロック70-3が当該収容容器90から離れている状態で、第1移送装置51b(移送ブロック51b-3)によって第1方向D1に押されてもよい。
【0135】
また上述の例では、滑落ストッパー70が移動許容状態S2に置かれて滑落ストッパーブロック70-3が移送終了位置P12に位置する収容容器90から離れることで、当該収容容器90の下流側部分が自然落下するが、当該収容容器90の下流側部分は必ずしも自然落下しなくてもよい。この場合、エアー噴出ノズル75からのエアーによって、移送終了位置P12から排出シュート24bへの収容容器90の移動が促されてもよいし、第1移送装置51b(移送ブロック51b-3)によって、移送終了位置P12に位置する収容容器90が第1方向D1に押されてもよい。
【0136】
ここで、滑落ストッパーブロック70-3が移送終了位置P12に位置する収容容器90から離れても収容容器90の下流側部分が自然落下しない場合には、当該下流側部分が受け下流部23b-2の上方の空中に位置する場合だけはなく、当該下流側部分が受け上流部23b-1によって支持される場合も含む。例えば、移送終了位置P12に位置する収容容器90の全体が、受け下流部23b-2の手前(上流側)において、受け上流部23b-1上に位置してもよい。
【0137】
[変形例]
上述の実施形態において排出ストッパー26a、26bは、収容容器90の外周面に接触することで、当該収容容器90を排出シュート24a、24bにおいて堰き止めるが、排出ストッパー26a、26bによる収容容器90の堰き止め形態は限定されない。例えば、排出ストッパー26a、26bが収容容器90の内部に挿入され、収容容器90の内面に接触することで、当該収容容器90を排出シュート24a、24b上で堰き止めてもよい。
【0138】
本開示は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【0139】
[付記]
本開示は、以下の構成をとることもできる。
【0140】
[項目1]
内容物を収容する収容容器を反転開始位置に位置づける搬送装置と、
前記収容容器を前記反転開始位置から反転終了位置に移動させつつ当該収容容器を反転させて、反転させられた前記収容容器から前記内容物を放出させ、前記反転終了位置において前記収容容器を解放する反転装置と、
前記反転終了位置において前記反転装置から解放された前記収容容器を受け止める受け部材と、
前記収容容器を下流にガイドする排出シュートと、
前記受け部材上の前記収容容器を前記排出シュートに向けて移送し、前記収容容器が前記受け部材から前記排出シュートに倒れつつ排出される排出移送装置と、
前記排出シュートに移動した直後の前記収容容器を、前記排出シュートにおいて一時的に堰き止めた後、当該収容容器の堰き止めを解放する排出ストッパーと、を備える容器反転システム。
【0141】
[項目2]
前記反転装置は、
動作可能に設けられ、前記収容容器を支持可能な支持状態及び前記収容容器を解放可能な解放状態に置かれる収容容器支持部と、
前記収容容器支持部の動作の駆動力を生成する支持駆動源と、を有し、
前記反転装置が前記収容容器支持部によって支持される前記収容容器を前記反転開始位置から前記反転終了位置に移動させる際、前記支持駆動源は前記収容容器支持部と一体的に移動する項目1に記載の容器反転システム。
【0142】
[項目3]
前記搬送装置は、第1方向に前記収容容器を移動させることで前記反転開始位置に当該収容容器を位置づけ、
前記排出移送装置は、前記第1方向に前記収容容器を移動させることで当該収容容器を前記受け部材上から前記排出シュートに移送し、
前記排出シュートは、前記排出ストッパーによる前記収容容器の堰き止めが解放された直後に、当該収容容器を、平面視において前記第1方向と直交する第2方向にガイドする項目1又は2に記載の容器反転システム。
【0143】
[項目4]
前記搬送装置、前記反転装置、前記受け部材、前記排出移送装置及び前記排出シュートを含む反転ユニットが複数設けられ、
前記複数の反転ユニットのうちの2以上の反転ユニットにおける前記排出シュートは、対応の前記排出ストッパーによる前記収容容器の堰き止めが解放された直後に、平面視においてお互いに同じ方向に前記収容容器をガイドする項目1~3のいずれかに記載の容器反転システム。
【0144】
[項目5]
前記受け部材は、前記排出シュート側の端部の上面が、下流に向かって下り勾配となる傾斜部を形成し、
前記排出移送装置は、
前記受け部材上の前記収容容器を、移送終了位置に向けて移送する移送装置と、
前記移送装置による前記収容容器の移動を制限して当該収容容器を前記移送終了位置に位置づける移動制限状態と、前記移送終了位置から前記排出シュートへの前記収容容器の移動を許容する移動許容状態と、に置かれる滑落ストッパーと、を有し、
前記移送装置は、前記収容容器が前記移送終了位置において前記移動制限状態に置かれている前記滑落ストッパーに押し当てられるように、前記移送終了位置に向けて前記収容容器を移送し、
前記滑落ストッパーの状態が前記移動制限状態から前記移動許容状態に変えられることによって、前記収容容器は、前記滑落ストッパーによる移動制限から解放されて前記傾斜部に接触した後に、前記排出シュートに移動する
項目1~4のいずれかに記載の容器反転システム。
【符号の説明】
【0145】
10 容器反転システム、11A 第1反転ユニット、11B 第2反転ユニット、20 支持台、21 搬送装置、21a 搬送ベルト、21b 搬送ローラ、22 反転装置、23a 受け部材、23b 受け部材、23b-1 受け上流部、23b-2 受け下流部、23b-3 受けガイド、24a 排出シュート、24b 排出シュート、25 排出移送装置、26a 排出ストッパー、26b 排出ストッパー、26b-1 排出ストッパー駆動本体部、26b-2 排出ストッパー伸縮ロッド、26b-3 排出ストッパーブロック、31 容器検知センサ、32 待機ストッパー、33 収容容器支持部、34 支持駆動源、40 反転本体部、41 反転駆動部、45 ファンネル、51a 第1移送装置、51b 第1移送装置、51b-1 移送駆動本体部、51b-2 移送伸縮ロッド、51b-3 移送ブロック、51b-4 移送ブロック接触面、52 第2移送装置、53 中間ストッパー、61a 往復ロッド、61b 往復ロッド、62a 押出ロッド、62b 押出ロッド、70 滑落ストッパー、70-1 滑落ストッパー駆動本体部、70-2 滑落ストッパー伸縮ロッド、70-3 滑落ストッパーブロック、75 エアー噴出ノズル、90 収容容器、B 包装袋、C 内容物、D1 第1方向、D2 第2方向、D3 第3方向、P1 待機位置、P2 反転開始位置、P3 反転終了位置、P11 移送開始位置、P12 移送終了位置、S1 移動制限状態、S2 移動許容状態