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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143622
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】呼吸支援システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A61M16/00 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141401
(22)【出願日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】P 2022046788
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022065936
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】506310865
【氏名又は名称】CYBERDYNE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山海 嘉之
(57)【要約】
【課題】対象者の運動機能を可能な限り維持しながら自立した生活を支援し得る。
【解決手段】対象者の呼吸を非侵襲に支援する携帯型の人工呼吸器と、一端に人工呼吸器が接続され、他端にマウスピースが接続された呼吸回路と、対象者の首に背面から装着した際、当該対象者の口元近傍にマウスピースが配置されるように構成されたネックホルダと、マウスピースの先端に設けられ、対象者が口に咥えたときの接触状態を検出する接触センサとを備え、人工呼吸器は、接触センサの検出結果に基づいて、対象者への呼吸支援の開始または終了を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の呼吸を非侵襲に支援する携帯型の人工呼吸器と、
一端に前記人工呼吸器が接続され、他端にマウスピースが接続された呼吸回路と、
前記対象者の首部に装着した際、当該対象者の口元近傍に前記マウスピースが配置されるように構成されたネックホルダと、
前記マウスピースの先端に設けられ、前記対象者が口に咥えたときの接触状態を検出する接触センサと
を備え、前記人工呼吸器は、前記接触センサの検出結果に基づいて、前記対象者への呼吸支援の開始または終了を制御する
ことを特徴とする呼吸支援システム。
【請求項2】
前記対象者の胸部下側に着脱自在に取り付けられ、当該対象者の自発呼吸に伴う横隔膜の収縮および弛緩により発生する生体電位信号を検出する信号検出部を備え、
前記人工呼吸器は、前記信号検出部による検出結果に基づいて、前記対象者の吸気または呼気のタイミングに同期するように、前記呼吸回路に供給する加圧空気の換気量および空気圧のいずれか一方または両方を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の呼吸支援システム。
【請求項3】
前記対象者の胸部近辺に着脱自在に取り付けられ、当該対象者の自発呼吸に伴う肺活動を検出する振動検出部を備え、
前記人工呼吸器は、前記振動検出部による検出結果に基づいて、前記対象者の吸気または呼気のタイミングに同期するように、前記呼吸回路に供給する加圧空気の換気量および空気圧のいずれか一方または両方を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の呼吸支援システム。
【請求項4】
前記対象者の胸部下側に着脱自在に取り付けられ、当該対象者の自発呼吸に伴う横隔膜の収縮および弛緩により発生する生体電位信号を検出する信号検出部と、
前記対象者の胸部近辺に着脱自在に取り付けられ、当該対象者の自発呼吸に伴う肺活動を検出する振動検出部と、を備え、
前記人工呼吸器は、前記信号検出部および前記振動検出部による検出結果に基づいて、前記対象者の吸気または呼気のタイミングに同期するように、前記呼吸回路に供給する加圧空気の換気量および空気圧のいずれか一方または両方を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の呼吸支援システム。
【請求項5】
前記人工呼吸器は、前記対象者の身体に装着可能なウェアラブル型のサイズおよび重量であり、保持具を介して当該対象者の身体に保持される
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の呼吸支援システム。
【請求項6】
前記人工呼吸器は、前記対象者の装着時における露出面に、表示機能を含む操作用インタフェースおよび着脱可能なバッテリを並列して配置する
ことを特徴とする請求項5に記載の呼吸支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者の呼吸を非侵襲に支援する携帯型の呼吸支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
先天性ミオパチー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィーなどの進行性神経筋疾患は、筋萎縮や筋力低下を引き起こし、四肢機能、言語、嚥下、呼吸機能などに障害をもたらす。横隔膜をはじめとする呼吸筋や上気道筋の衰えが進行すると、日常生活動作時の呼吸困難や睡眠時の無呼吸・低呼吸などの呼吸機能障害を引き起こす。これらは、日常生活における疲労、頭痛、傾眠などの症状を引き起こし、患者の生活の質(QOL:Quality of Life)や日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)を著しく低下させる。
【0003】
神経筋疾患患者では、呼吸機能障害は末期症状とみなされることが多いが、呼吸筋の衰えが先行しているものの、歩行、会話、嚥下などの機能を保持しているケースも報告されている。呼吸機能障害のある対象者に対して、人工呼吸器を使用して呼吸機能を補助することにより、日常生活を継続することが可能となる。
【0004】
従来、気管内挿管や気管切開を行わない人工呼吸器管理として、NPPV(Noninvasive Positive Pressure Ventilation)と呼ばれる非侵襲的陽圧換気が行われている。このNPPVを適用する人工呼吸システムは、マスクを使用して気管挿菅を必要とせず、対象者に対して吸気および排気を補助する非侵襲的に人工呼吸器を用いるものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
NPPVは、非侵襲的で導入・中断・離脱が容易であり、会話や食事も可能なため、意識レベルが良好で自発呼吸が可能な対象者には好適な選択である。
【0006】
この人工呼吸器は、ポータブル機器として転動可能なラックに受容されており、ラックと一体となって病院内の移動を可能としている。人工呼吸器は、様々な病態や重症度に対応するために多くの機能を搭載しなければならないため、ラックを除外しても比較的大型で質量が5〔kg〕~10〔kg〕の製品が大多数である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-535909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、対象者が神経や筋難病患者の場合、難病の進行に伴って自発呼吸が苦しくなるため、自立的に移動する筋力がある間は、積極的に屋外を散歩するなど、歩行運動をするように心がけることが望ましい。
【0009】
しかし、上述の特許文献1のような比較的重量が大きな人工呼吸器を使う場合には、四肢機能より先に呼吸機能が低下した対象者は、自立歩行できる筋力があるにもかかわらず、ベッド内で生活するか、歩行機能が残っていても電動車椅子での生活を強いられ、自立度の低下と筋力の廃用という悪循環に陥ってしまうおそれがある。
【0010】
また、一般的な人工呼吸器には、対象者の呼吸意思に関係なく一定間隔で強制的に換気を行う機能が備わっており、非同期タイミング換気と呼ばれる自発呼吸と呼吸支援とのタイミングがずれた状態で換気を行うことがある。このような不適切なタイミングの人工呼吸器を用いた換気は、対象者に苦痛や不快感を与え、人工呼吸器の使用年数の増加につながる問題との関連性も指摘されている。
【0011】
このため対象者の歩行機能が十分ある場合には、身体に装着したまま、必要に応じて呼吸支援を行い得るような人工呼吸器を携帯することが望ましく、屋外歩行が可能であれば運動機能を維持させるとともに、対象者のQOLやADVの低下を防ぐことが可能となる。
【0012】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、対象者の運動機能を可能な限り維持しながら自立した生活を支援し得る呼吸支援システムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる課題を解決するため本発明においては、対象者の呼吸を非侵襲に支援する携帯型の人工呼吸器と、一端に人工呼吸器が接続され、他端にマウスピースが接続された呼吸回路と、対象者の首に背面から装着した際、当該対象者の口元近傍にマウスピースが配置されるように構成されたネックホルダと、マウスピースの先端に設けられ、対象者が口に咥えたときの接触状態を検出する接触センサとを備え、人工呼吸器は、接触センサの検出結果に基づいて、対象者への呼吸支援の開始または終了を制御するようにした。
【0014】
この結果、呼吸支援システムでは、対象者が歩行しながら必要に応じて、マウスピースを口に咥えるだけで、人工呼吸器による呼吸支援を即座に受けることが可能となる。ネックホルダおよびマウスピースの組合せによるウェアラブル構成としたことにより、マスクのように対象者の顔全体を覆うことなく、必要な時のみ呼吸支援を受けることができる。
【0015】
また本発明においては、対象者の胸部下側に着脱自在に取り付けられ、当該対象者の自発呼吸に伴う横隔膜の収縮および弛緩により発生する生体電位信号を検出する信号検出部を備え、人工呼吸器は、信号検出部による検出結果に基づいて、対象者の吸気または呼気のタイミングに同期するように、呼吸回路に供給する加圧空気の換気量および空気圧のいずれか一方または両方を制御するようにした。
【0016】
この結果、呼吸支援システムでは、対象者がマウスピースを口に咥えた際、当該対象者への呼吸支援時に自己の腹式呼吸タイミングに同期させて、呼吸回路に加圧空気を供給させることができる。
【0017】
さらに本発明においては、対象者の胸部近辺に着脱自在に取り付けられ、当該対象者の自発呼吸に伴う肺活動を検出する振動検出部を備え、人工呼吸器は、振動検出部による検出結果に基づいて、対象者の吸気または呼気のタイミングに同期するように、呼吸回路に供給する加圧空気の換気量および空気圧のいずれか一方または両方を制御するようにした。
【0018】
この結果、呼吸支援システムでは、対象者がマウスピースを口に咥えた際、当該対象者への呼吸支援時に自発呼吸に伴う微弱な肺の動きに応じた呼吸タイミングに同期させて、呼吸回路に加圧空気を供給させることができる。
【0019】
さらに本発明においては、対象者の胸部下側に着脱自在に取り付けられ、当該対象者の自発呼吸に伴う横隔膜の収縮および弛緩により発生する生体電位信号を検出する信号検出部と、対象者の胸部近辺に着脱自在に取り付けられ、当該対象者の自発呼吸に伴う肺活動を検出する振動検出部とを備え、人工呼吸器は、信号検出部および振動検出部による検出結果に基づいて、対象者の吸気または呼気のタイミングに同期するように、呼吸回路に供給する加圧空気の換気量および空気圧のいずれか一方または両方を制御するようにした。
【0020】
この結果、呼吸支援システムでは、対象者がマウスピースを口に咥えた際、当該対象者への呼吸支援時に自己の腹式呼吸タイミングに同期させて、呼吸回路に加圧空気を供給させることができると同時に、腹式呼吸ではなく横隔膜が上下運動しない胸式呼吸の場合には、対象者への呼吸支援時に自発呼吸に伴う微弱な肺の動きに応じた呼吸タイミングに同期させて、呼吸回路に加圧空気を供給させることができる。
【0021】
さらに本発明においては、人工呼吸器は、対象者の身体に装着可能なウェアラブル型のサイズおよび重量を有し、保持具を介して当該対象者の身体に保持されるようにした。この結果、呼吸支援システムでは、対象者は身体に保持具を介して保持した人工呼吸器を日常生活に支障なく携帯することが可能となる。
【0022】
また本発明においては、人工呼吸器は、対象者の装着時における露出面に、表示機能を含む操作用インタフェースおよび着脱可能なバッテリを並列して配置するようにした。この結果、呼吸支援システムでは、対象者が外出時に、呼吸支援に必要な操作およびバッテリ交換を、人工呼吸器を携帯したままその場で簡単に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、対象者の運動機能を可能な限り維持しながら自立した生活を支援し得る呼吸支援システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施の形態による呼吸支援システムの構成を示す外観斜視図である。
図2図1に示す呼吸支援システムについて対象者への装着状態の説明に供する略線図である。
図3】第1実施の形態による人工呼吸器の内部構成を示すブロック図である。
図4】圧力制御に関するブロック図である。
図5】対象者が呼吸支援を受ける際の使用状態を示す略線図である。
図6】実験手順の説明に供する略線図である。
図7】マウスピース保持動作検出アルゴリズムによる実験結果を示すグラフである。
図8】マウスピース保持動作検出アルゴリズムによる実験結果を示す図表である。
図9】第2実施の形態による呼吸支援システムの構成を示す外観斜視図である。
図10】第2実施の形態による人工呼吸器の内部構成を示すブロック図である。
図11】生体電位信号を測定する際の胸部骨群、横隔膜、外肋間筋および電極位置の位置関係を示す略線図である。
図12】呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出および呼吸支援の信号処理フローを示すグラフである。
図13】呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出アルゴリズムによる実験結果を示すグラフである。
図14】呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出アルゴリズムによる実験結果を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0026】
(1)第1実施の形態による呼吸支援システムの構成
図1は、第1実施の形態による呼吸支援システム1の略線的外観図である。呼吸支援システム1は、対象者の呼吸を非侵襲に支援する携帯型の人工呼吸器2と、当該人工呼吸器2とマウスピース3とを繋ぐ呼吸回路4と、当該マウスピース3を保持するネックホルダ5とを有する。
【0027】
人工呼吸器2は、ブロア装置10(後述する図3)を内蔵する陽圧人工呼吸器であり、所望の換気条件の設定に基づいて、圧力および容量が制御された空気を呼吸回路4を通じて対象者に供給する。この人工呼吸器2は、対象者の身体に装着可能なウェアラブル型のサイズ(幅158〔mm〕、高さ68〔mm〕、奥行き128〔mm〕)および重量(約1〔kg〕)を有している。
【0028】
したがって、この人工呼吸器2は、図2に示すように、肩ベルト(保持具)11を介して当該対象者の身体に保持することが可能であり、対象者は身体に肩ベルト11を介して保持した人工呼吸器2を日常生活に支障なく携帯することが可能となる。
【0029】
図1において、呼吸回路4は、複数の蛇管(送気用チューブ)、Yピース、ウォータートラップおよび呼気弁等(全て図示せず)からなり、一端の給気ポート2Aに人工呼吸器2が接続され、他端にマウスピース3が接続されている。
【0030】
ネックホルダ5は、対象者の首に背面から装着した際、当該対象者の口元近傍にマウスピース3が配置されるように略U字形状に構成されている。このマウスピース3の端部には、接触センサ20(後述する図3)が設けられ、対象者が口に咥えたときの接触状態を検出するようになされている。
【0031】
接触センサ20は、人体の接触を検知できる静電容量スイッチからなり、マウスピース3の端部における外周に所定パターンで配置され、対象者の口先が接触した際に、当該対象者の口に咥えたときの接触状態を検出する。
【0032】
人工呼吸器2は、本体部の一面(対象者の装着時における露出面)に、表示機能を含む操作用インタフェース30が設けられている。また人工呼吸器2の本体部の側面には、外部からの空気取り込み口としてのエアフィルタ31が設けられている。
【0033】
さらに人工呼吸器2の本体部の一面には、操作用インタフェース30に並列して、着脱式のポータブルバッテリ32が配置されている。人工呼吸器2には、外部の商用電源に対してACアダプタ(図示せず)が接続可能な電源端子を有し、本体部に装着されたポータブルバッテリ32を充電し得るようになされている。
【0034】
図3は、呼吸支援システム1における人工呼吸器2の制御系システムの構成を示すブロック図である。人工呼吸器2は、システム全体を統括制御するCPU(Central Processing Unit)からなる制御部40と、ブロア装置10とを有する。
【0035】
ブロア装置10は、アクチュエータおよび羽根車からなる遠心式マイクロブロア構成の送風機41と、超音波流量計からなる流量センサ42と、MEMS技術を用いたダイヤフラム式の圧力センサ43とを有し、制御部40の制御に応じて、エアフィルタ31を介して外部から取り入れた空気を圧縮して加圧空気を生成する。
【0036】
対象者は、操作用インタフェース30を用いて、給気時間や支援圧力などの種々の換気条件を所望状態に設定すると、制御部40が、ブロア装置10内の流量センサ42および圧力センサ43の検出結果を参照しつつ、当該設定された圧力、容量、流量等を制御しながら、加圧空気を呼吸回路4に供給し得るようになされている。
【0037】
人工呼吸器2は、制御部40がマウスピース3に設けられた接触センサ20の検出結果に基づいて、対象者への呼吸支援の開始または終了を制御する。すなわち、制御部40が、接触センサ20により対象者がマウスピース3を口に咥えたことが検出されると、加圧空気を人工呼吸器2から呼吸回路4を通じて対象者に供給して呼吸を支援する一方、対象者がマウスピース3を口から離したことが検出されると、制御を停止して呼吸の支援も停止する。
【0038】
なお、人工呼吸器2には、補助用の酸素供給源(図示せず)が接続可能に構成され、対象者が必要に応じて操作用インタフェース30を用いて、設定する圧力、容量、流量等を制御することにより、酸素供給源から供給される酸素と空気との混合ガスの酸素濃度を調節しながら、当該混合ガスを呼吸回路4に供給し得るようになされている。
【0039】
制御部40は、対象者への呼吸支援を行う場合、吸気時間と呼気時間の関係(I:E比)を1:3に設定し、吸気時間は対象者が設定し、呼気時間はI:E比にしたがって決定する。なお、呼気中は、新たな呼吸支援は行われない。
【0040】
ここで、制御部40による呼吸アシスト圧力制御アルゴリズムについて説明する。制御部40は、圧力制御の際、目標圧力値Ptargetと圧力センサ43によって測定された圧力値Pとの差について、その微分値と積分値とをフィードバックしながら、送風機41のモータ回転数ωにPID制御を適用して、目標圧力でのアシストを実現する。実際の圧力制御に関するブロック図を図4に示す。この図4において、kpp、kpi、kpdは、PID制御の各ゲインを示す。
【0041】
続いて、制御部40によるマウスピース保持動作検出アルゴリズムについて説明する。人工呼吸器2が呼吸を補助していない待機状態では、マウスピース3は対象者の口から離される。この状態では、対象者がマウスピース3を口にくわえているときよりも流量が多くなっている。
【0042】
したがって、制御部40は、呼吸回路4内の流量が所定の閾値より小さい場合、対象者が呼吸支援を要求してマウスピース3を口にくわえたと判断し、呼吸支援を実行する。人工呼吸器3は、制御部40による呼吸支援後、待機状態に設定される。この待機状態では、対象者の口はマウスピース3から離れており、呼吸回路4内の流量は一定で高水準である。一方、制御部40は、計測した呼吸回路4内の流量が所定の閾値を超えると、対象者が待機状態に戻ったと判断する。
【0043】
以上の構成において、呼吸支援システム1では、対象者が肩ベルト11を介して人工呼吸器2を携帯した状態で歩行しながら、ネックホルダ5を手で若干回すだけで、マウスピース3を自己の口元近傍に位置合わせすることができる(図5(A))。
【0044】
そして対象者は、必要に応じてマウスピース3を口に咥えるだけで、人工呼吸器2による呼吸支援を即座に受けることが可能となる(図5(B))。その際、対象者は、人工呼吸器2を携帯したまま、当該人工呼吸器2の露出面に配置された操作用インタフェース30を用いて呼吸支援に必要な操作を行い得るとともに、当該露出面に設けられたポータブルバッテリ32をその場で簡単に交換することが可能となる。
【0045】
(1-1)第1実施の形態による呼吸支援システムを用いた実験結果
ここで上述の呼吸支援システム1において、歩行時や安静座位時での対象者の自発呼吸のタイミングに同期して呼吸支援を行うことと、成人の潮量を考慮して設定したガス圧(12~25〔cmH2O〕)が有効な人工呼吸器圧となることを確認するための実験を実施した。
【0046】
本実験の対象者として、23 歳の健康な男性被験者を登録した。対象者はマウスピース3を口にかざしておき、安静坐位では椅子に着座する。歩行時の歩行条件では、対象者は5〔m〕の直線を往復する。
【0047】
図6に実験手順(P-1からP-4までの時間軸)を示す。まず、手順P-1では、対象者は、15~30秒または快適な時間だけ呼吸を止める(Holding Breath)。続いて、手順P-2では、対象者は、実験開始から1分間経過するまで、随時、軽い呼吸を行う(Respiration)。数回の自然呼吸の後、対象者は呼吸筋をリラックスさせ、呼吸支援システム1による呼吸支援を行う。対象者は、呼吸の回数を数える。
【0048】
手順P-3では、対象者は、再び15~30秒、または心地よい程度の時間、呼吸を止める(Holding Breath)。そして手順P-4では、実験開始から2分経過するまで、対象者は随時、軽い呼吸を行う(Respiration)。数回の自発呼吸の後、対象者は呼吸筋をリラックスさせ、呼吸支援システム1による呼吸支援を行う。対象者は、呼吸の回数を数える。
【0049】
対象者の安静時座位条件および歩行条件において、呼吸支援システム1では、制御部40が上述したマウスピース保持動作検出アルゴリズムを5セットずつ試行した。なお、人工呼吸器2から出力されるガスの圧力や量などの呼吸支援能力は、ブロア装置10内の流量センサ42から得られる流量値から算出される換気量によって評価した。また、換気量は、流量値を時間的に積分することで算出した。積分開始時刻と積分終了時刻は、それぞれアシストの開始時刻と終了時刻に等しい。
【0050】
図7にマウスピース保持動作検出アルゴリズムによる実験結果を示す。この図7において、左側は呼吸を止めている状態(Holding Breath)、右側は呼吸支援システム1により呼吸を補助している状態(Assisting)を示している。気道回路の流量(Flow)や圧力(Pressure)は、対象者が息を止めているときは変化しなかったが、呼吸しているときは変動していた。
【0051】
図8(A)に実験による対象者の呼吸回数と呼吸支援システム1による呼吸アシスト回数とを示す。マウスピース保持動作検出アルゴリズムを用いた場合、安静時座位条件(Seating)および歩行条件(Walking)ともに、呼吸支援システム1による呼吸アシスト回数が対象者の呼吸回数と一致した。
【0052】
図8(B)は、呼吸支援を行った実験中の対象者の気道回路内の最大圧力の平均値と標準偏差を示したものである。平均換気量は流量値から算出した。マウスピース保持動作検出アルゴリズムを用いた場合、安静座位時(Seating)では、気道回路の最大圧力の平均値は約20〔cmH2O〕、換気量の平均値は約1.0〔L〕、歩行時(Walking)では、気道回路の最大圧力の平均値は約20〔cmH2O〕、換気量の平均値は約1.1〔L〕であった。
【0053】
この実験結果によれば、マウスピース保持動作検出アルゴリズムは、安静座位時や歩行時の自発的な呼吸支援に有効であることが確認できた。
【0054】
また、ブロア装置10内の圧力センサ43による圧力測定実験の結果、最大支持圧は20〔cmH2O〕程度であった。呼吸支援を必要とする対象者の多くは12~25〔cmH2O〕の支持圧を安全かつ効果的に使用できるため、実際の対象者を支援できる可能性を有している。また、ブロア装置10内の流量センサ42による換気量測定実験の結果、実験室内では約1〔L〕の換気が可能であり、成人の一回換気量が約500〔mL〕であることから、十分な換気量であることが確認された。さらに、単位圧力に対する換気量の値が低い神経筋難病患者や呼吸機能障害患者など、20〔cmH2O〕の圧力では十分な換気を維持できない場合には、本システムの目標圧力値により成人患者の潮容量を適応的に制御することが可能である。
【0055】
(2)第2実施の形態による呼吸支援システムの構成
図1との対応部分に同一符号を付した図9に示す呼吸支援システム50において、対象者の胸部を基準に非侵襲かつ着脱自在に装着されるセンサユニット51がワイヤレス通信接続され、当該センサユニット51から得られる検出データを人工呼吸器52にて受信するようになされている。
【0056】
このセンサユニット51は、対象者の自発呼吸に伴う横隔膜の収縮および弛緩により発生する生体電位信号を検出する信号検出部60と、対象者の自発呼吸に伴う肺活動を検出する振動検出部61とを有する。
【0057】
信号検出部60は、センサユニット51の装置本体の計測面に電極端子群が所定パターンで配置され、当該電極端子群を介して対象者の生体電位信号を検出する。振動検出部61は、センサユニット51の装置本体の側面に設けられた接続端子に接続された集音部(図示せず)からなり、対象者の自発呼吸に伴う肺活動により発生される振動を音響信号として集音する。この音響信号は、対象者について、耳で聞こえない心臓や呼吸に伴う振動(非可聴域)の情報も含んでいる。
【0058】
なお、センサユニット51には、装置本体の内部に信号検出部および振動検出部(集音部)に対してセンサ電源を供給するための内部バッテリ(例えばリチウムイオン電池等)が搭載されている。
【0059】
実際にセンサユニット51は、信号検出部60の電極端子群が設けられている装置本体の計測面が対象者の胸部下側に配置されるとともに、振動検出部61としての集音部が対象者の胸部近辺に配置されるように取り付けられている。そして、センサユニット51と人工呼吸器52とは近距離通信方式によるワイヤレス通信接続されており、センサユニット51から発信される検出データが、人工呼吸器52の受信部55(後述する図10)にて受信されるようになされている。
【0060】
この呼吸支援システム50における人工呼吸器52の制御系システムを図10に示す。図3との対応部分に同一符号を付した図10において、人工呼吸器52の制御部70は、受信部55にて受信した信号検出部60による検出結果に基づいて、対象者の吸気または呼気のタイミングに同期するように、ブロア装置10に対して呼吸回路4に供給する加圧空気の換気量および空気圧のいずれか一方または両方を制御する。
【0061】
この結果、呼吸支援システム50では、対象者がマウスピース3を口に咥えた際、当該対象者への呼吸支援時に自己の腹式呼吸タイミングに同期させて、呼吸回路4に加圧空気を供給させることができる。
【0062】
また呼吸支援システム50において、人工呼吸器52の制御部70は、受信部55にて受信した振動検出部61による検出結果に基づいて、対象者の吸気または呼気のタイミングに同期するように、ブロア装置10に対して呼吸回路4に供給する加圧空気の換気量および空気圧のいずれか一方または両方を制御する。
【0063】
この結果、呼吸支援システム50では、対象者がマウスピース3を口に咥えた際、当該対象者への呼吸支援時に自発呼吸に伴う微弱な肺の動きに応じた呼吸タイミングに同期させて、呼吸回路4に加圧空気を供給させることができる。
【0064】
さらに呼吸支援システム50においては、上述のように、人工呼吸器52の制御部70がブロア装置10に対して呼吸回路4に加圧空気を供給させるように制御する際、信号検出部60による検出結果と振動検出部61による検出結果とをそれぞれ分けるようにしたが、信号検出部60および振動検出部61の検出結果を併せるようにしてもよい。
【0065】
すなわち、人工呼吸器52の制御部70は、信号検出部60および振動検出部61による検出結果に基づいて、対象者の吸気または呼気のタイミングに同期するように、ブロア装置10に対して呼吸回路4に供給する加圧空気の換気量および空気圧のいずれか一方または両方を制御する。
【0066】
この結果、呼吸支援システム50では、対象者がマウスピース3を口に咥えた際、当該対象者への呼吸支援時に自己の腹式呼吸タイミングに同期させて、呼吸回路4に加圧空気を供給させることができると同時に、腹式呼吸ではなく横隔膜が上下運動しない胸式呼吸の場合には、対象者への呼吸支援時に自発呼吸に伴う微弱な肺の動きに応じた呼吸タイミングに同期させて、人工呼吸器52は呼吸回路4に加圧空気を供給させることができる。
【0067】
このように呼吸支援システム50では、対象者が横隔膜を上下運動させる腹式呼吸をする場合は、腹式呼吸タイミングに同期させる一方、対象者が横隔膜を上下運動させない胸式呼吸をする場合は、自発呼吸に伴う微弱な肺の動きに応じた呼吸タイミングに同期させるようにして、対象者の呼吸内容にかかわらず、最適な状態で人工呼吸器52が呼吸回路に加圧空気を供給させることが可能となる。
【0068】
ここで、制御部70による呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出アルゴリズムについて説明する。皮膚表面で計測可能な呼吸筋の生体電位信号を利用することにより、非侵襲的に、かつ日常的に自発呼吸を検出できる可能性がある。生体電位信号は、脳からの運動指令が脊髄、運動ニューロン、筋繊維に伝達される際に体表に漏れる微小な信号である。
【0069】
呼吸筋は、不随意運動は延髄が制御する一方、随意運動は大脳運動野が制御しているが、自発的に動かすことのできる骨格筋(随意筋)で構成されている。自発呼吸は、外肋間筋や横隔膜が吸気時に主に使われる筋肉であるため、これらの筋肉から検出される生体電位信号で検出することができる。
【0070】
本発明では、横隔膜(Diaphragm)よりも表層にある外肋間筋(External intercostal muscle)における生体電位信号の計測を試みた結果、外肋間筋の生体電位信号は横隔膜よりも表層にあることがわかった。生体電位信号を測定する際の胸部骨群(胸骨、肋骨)、横隔膜、外肋間筋および電極(Electrode 1、Electrode 2およびElectrode GND)位置の位置関係を図11に示す。
【0071】
ここで、生体電位信号(BES)について、モーションアーチファクトのため計測波形のベースラインは一定ではないため、当該ベースラインの揺れを除去する。具体的には、図12(A)に示す生体電位信号の原信号(Row data)に対してメディアンフィルタを適用し、この原信号からメディアンフィルタを適用した信号を差し引くことにより、ベースラインの揺れを除去する。
【0072】
図12(B)に示すように、制御部70は、呼吸筋の生体電位信号を抽出するために、ベースラインの揺らぎを除去した後の信号から心電図(ECG)に起因するスパイクノイズを除去する。この心電図に起因するスパイクノイズの除去は、直近の13個のスパイクノイズx(i=0~12)の平均値x^(次式(1))と標準偏差σ(次式(2))を用いて外れ値(異常値)を除去することにより行われる。
【数1】
【数2】
この式(2)の計算結果から、次式(3)に示す条件式が、真の場合はxt-1、偽の場合はxtが返される。
【数3】
この式(3)において、偽の場合に前の値を返すことにより、信号のスパース性を避けるためのデータ補完の役割も果たしている。
【0073】
そして、図12(C)に示すように、制御部70は、生体電位信号の閾値を超えたデータ量を外れ値除去信号に向けてカウントし、ウィンドウ内でカウントが閾値(超過回数閾値)を超えた場合に、対象者が自発呼吸を行ったと判断して呼吸支援を行う。
【0074】
本発明では、試行錯誤で閾値を決定し、生体電位信号の閾値を500〔μV〕、超過回数の閾値を5回と設定した。制御部70は、呼吸支援が終了すると、待機状態に戻る(図12(D))。
【0075】
(2-1)第2実施の形態による呼吸支援システムを用いた実験結果
ここで上述の呼吸支援システム50において、歩行時や安静座位時での対象者の自発呼吸のタイミングに同期して呼吸支援を行うことと、成人の潮量を考慮して設定したガス圧(12~25〔cmH2O〕)が有効な人工呼吸器圧となることを確認するための実験を実施した。
【0076】
本実験は上述の第1実施の形態の場合と同様に、図6に示す実験手順と同様の実験を行った。第2実施の形態による呼吸支援システム50では、対象者の安静時座位条件および歩行条件において、制御部70が上述した呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出アルゴリズムを5セットずつ試行した。
【0077】
図13に呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出アルゴリズムによる実験結果を示す。この図13において、左側は呼吸を止めている状態(Holding Breath)、右側は呼吸支援システム1により呼吸を補助している状態(Assisting)を示している。呼吸筋の生体電位信号(BES)は、対象者が息を止めているときは変化しなかったが、呼吸しているときは変動していた。
【0078】
図14(A)に実験による対象者の呼吸回数と呼吸支援システム50による呼吸アシスト回数とを示す。呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出アルゴリズムを用いた場合、安静時座位条件(Seating)および歩行条件(Walking)ともに、呼吸支援システム50による呼吸アシスト回数が対象者の呼吸回数の約1.5倍となった。
【0079】
図14(B)は、呼吸支援を行った実験中の対象者の気道回路内の最大圧力の平均値と標準偏差を示したものである。平均換気量は流量値から算出した。呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出アルゴリズムを用いた場合、安静座位時(Seating)では、気道回路の最大圧力の平均値は約20〔cmH2O〕、換気量の平均値は約1.2〔L〕、歩行時(Walking)では、気道回路の最大圧力の平均値は約20〔cmH2O〕、換気量の平均値は約0.96〔L〕であった。
【0080】
この実験結果によれば、安静座位条件では、呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出アルゴリズムにより自発呼吸が検出され、自発的な呼吸支援が行われた。逆に、歩行条件では、対象者の呼吸に比べて呼吸支援の頻度が高いため、呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出アルゴリズムにより意図しない呼吸支援が行われた。
【0081】
このため対象者の呼吸の意図や動作に基づき、歩行に対する他の随意的呼吸支援アルゴリズムを組み合わせることにより、日常的に随意的呼吸支援を行うことが可能である。
【0082】
呼吸筋の生体電位信号を用いた自発呼吸検出アルゴリズムは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(SAS)など、呼吸の意図が流量の変動として現れない場合に、呼吸筋の生体電位信号から呼吸タイミングを検出し、対象者の呼吸タイミングを妨げない呼吸支援を行うことが可能である。
【0083】
(3)他の実施の形態
なお第1および第2実施の形態においては、マウスピース3の端部に設けられた接触センサ20として静電容量スイッチを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、対象者が口で咥えたときの接触状態を検出することができれば、例えば、マウスピース3の端部外周への押圧力を検出する抵抗膜方式のスイッチなどを適用するようにしてもよい。
【0084】
また第1および第2実施の形態においては、人工呼吸器2、52を対象者の身体に保持する保持具として、肩ベルト11を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、保持具としてはポシェットなどの鞄に収容して対象者の身体に保持するようにしてもよい。
【0085】
また第1および第2実施の形態においては、ブロア装置10内の送風機41として、遠心式マイクロブロアを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、圧電素子(ピエゾアクチュエータ)を用いたマイクロブロアを適用するようにしてもよい。この圧電マイクロブロアは、発振器からC-MOSインバータにて増幅して圧電素子を駆動することにより空気ポンプとしての役割を果たすものである。この結果、一般的な遠心式マイクロブロアと比較して、格段と小型化かつ静音性を確保することが可能である。
【0086】
さらに第1および第2実施の形態においては、ブロア装置10内の流量センサ42および圧力センサ43を別体構成にしたが、供給する空気の圧力および流量を常時測定することが可能な空気センサモジュールを適用するようにしてもよい。
【0087】
さらに第2実施の形態においては、センサユニット51と人工呼吸器52とをワイヤレス通信接続するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、センサユニット51および人工呼吸器52の間を通信コード等による有線接続にするようにしてもよい。
【0088】
以上、幾つかの実施の形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施の形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実行することが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1、50…呼吸支援システム、2、52…人工呼吸器、2A…給気ポート、3…マウスピース、4…呼吸回路、5…ネックホルダ、10…ブロア装置、11…肩ベルト、20…接触センサ、30…操作用インタフェース、31…エアフィルタ、32…ポータブルバッテリ、40、70…制御部、41…送風機、42…流量センサ、43…圧力センサ、51…センサユニット、55…受信部、60…信号検出部、61…振動検出部。
図1
図2
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