IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立マクセル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-書類用スタンド 図1
  • 特開-書類用スタンド 図2
  • 特開-書類用スタンド 図3
  • 特開-書類用スタンド 図4
  • 特開-書類用スタンド 図5
  • 特開-書類用スタンド 図6
  • 特開-書類用スタンド 図7
  • 特開-書類用スタンド 図8
  • 特開-書類用スタンド 図9
  • 特開-書類用スタンド 図10
  • 特開-書類用スタンド 図11
  • 特開-書類用スタンド 図12
  • 特開-書類用スタンド 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143659
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】書類用スタンド
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/015 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
G06K7/015
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181209
(22)【出願日】2022-11-11
(62)【分割の表示】P 2022050350の分割
【原出願日】2022-03-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】速水 浩治
(57)【要約】
【課題】 書類を見やすい状態に保持しつつ、書類のRFタグとリーダライタとの位置関係を適切に設定して、リーダライタによる情報の読み取りや書き込みを確実に行える、書類用スタンドを提供する。
【解決手段】 RFタグ52が配設される書類50を支持する支持台10に対し、リーダライタ20を、支持台10に支持された状態の書類50におけるRFタグ52に対向する箇所に配設して、書類50を支持台10で支持するとリーダライタ20でRFタグ52に対する読み書きを行える状態が得られることから、書類50とリーダライタ20の大きさが異なっていても、書類50をリーダライタ20に対し位置合わせする必要がなく、書類50を支持台10に支持させるのみで速やかにリーダライタ20がRFタグ52に対し読み書きを実行できる。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報が視認可能に記載された台紙に、当該台紙への記載事項に関連する情報を記録したRFタグが一体に配設されてなる書類を、所定の拘束状態で支持可能な支持台を備え、
当該支持台が、直立又は傾斜させた状態とされる所定の一の面を有し、当該一の面に前記書類を沿わせて支持可能とされ、
前記支持台が、前記書類の支持状態で、書類のRFタグに対し対向する位置関係となる箇所に、RFタグに対し記録された情報の読み取り及び情報の書き込みが行えるリーダライタを配設可能とされることを
特徴とする書類用スタンド。
【請求項2】
前記請求項1に記載の書類用スタンドにおいて、
前記支持台が、板状の主パネル部と、当該主パネル部から突出する一又は複数の脚部とを有し、少なくとも脚部の一部を支持台の設置対象の被設置面に当接させて設置状態とされ、
当該設置状態で、支持台が主パネル部を直立又は傾斜させた状態で自立し、前記一の面としての主パネル部の一の面に前記書類を沿わせて支持することを
特徴とする書類用スタンド。
【請求項3】
前記請求項2に記載の書類用スタンドにおいて、
前記支持台が、主パネル部における前記一の面の反対側に、前記リーダライタを着脱可能に収容する収容部を有することを
特徴とする書類用スタンド。
【請求項4】
前記請求項2に記載の書類用スタンドにおいて、
前記支持台が、主パネル部における前記一の面の反対側に、前記リーダライタを収容する収容部を有してなり、
当該収容部が、前記支持台の前記被設置面への設置状態で、収容部の上下方向の中心を、支持台の主パネル部における上下方向の中心より下側に位置させるように配設されることを
特徴とする書類用スタンド。
【請求項5】
前記請求項2ないし4のいずれかに記載の書類用スタンドにおいて、
前記支持台が、前記主パネル部における前記一の面の側に、主パネル部との間に所定の隙間を介在させて配設される板状の前面パネル部を有し、
当該前面パネル部と前記主パネル部との間の隙間に、前記書類を挿脱可能とされることを
特徴とする書類用スタンド。
【請求項6】
前記請求項5に記載の書類用スタンドにおいて、
前記支持台が、主パネル部における前記一の面の反対側に、前記リーダライタを着脱可能に配設され、
前記支持台における前面パネル部と主パネル部との間の隙間が、前記主パネル部の上部側から前記書類を挿入可能に開放されてなり、
前記支持台の隙間に対し前記書類を挿脱可能な向きと、支持台に対し前記リーダライタを着脱可能な向きとを異ならせることを
特徴とする書類用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類を支持すると共に、書類に配設されたRFタグに対し情報の読み取りと書き込みを行えるリーダライタを収容可能な、書類用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
証明書類については、近年、記載事項を視認可能な従来同様の書面としての機能を残しつつ、別途記録された記載事項の情報(データ)を外部から読み取り可能として、こうした情報を証明書類が必要な手続の迅速化などに活用する事例が増えている。こうした読み取り可能な情報を書面と併存させる手法としては、書類をICカードとして発行したり、紙書面である書類にRFタグを配設することなどが挙げられる。
【0003】
一方、書類であるICカードや、書類に配設されたRFタグに記録された情報を読み取ったり、逆に情報を書き込んだりするためには、こうしたICカードやRFタグに対応したリーダライタが用いられる。
【0004】
従来のリーダライタは、ICカードやRFタグを、リーダライタに重ねるなど、リーダライタの通信可能範囲にICカードやRFタグを位置させることで、情報を正しく読み取ったり書き込んだりすることができるものとなっている。
こうした従来のリーダライタの例として、特開2006-113727号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-113727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のリーダライタは、前記特許文献に示される構成とされており、一般的なICカードに対応するものとして、ICカードに近いサイズとされるなど小型化されている。
このため、紙書面にRFタグを配設した書類など、ICカードサイズより大きく、リーダライタより大きくなる書類の場合、従来のリーダライタでは、RFタグをリーダライタで読み書きできるように書類を位置合わせするのが難しく、書類のRFタグとリーダライタの読み書き部がずれるおそれがあった。仮にこれらがずれた場合には、リーダライタで記録情報を正しく読み取ることができない他、読み書きが不安定な状態にかかわらず実行された書き込みが途中で失敗し、RFタグにおける記録情報を壊す事態に繋がるという課題を有していた。
【0007】
また、書類におけるRFタグは、通常、紙書面の全体の大きさに比べて小さいことから、RFタグの位置が書類に明記されず、且つ使用者が書類におけるRFタグの位置をあらかじめ把握していない場合には、リーダライタに対しRFタグを正しく位置合せするのに手間がかかることも予想される。
【0008】
この他、所定の作業者が、書類に記録された電子的情報と印字された記載事項の一致を確認する目的などで、書面の内容を見ようとする場合、リーダライタは小型であることから、リーダライタで電子情報を読み書きできる状態を確保しつつ、書類をその書面記載内容が見やすい状態に保持することは難しいという課題を有していた。
【0009】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、書類を見やすい状態に保持しつつ、書類のRFタグとリーダライタとの位置関係を適切に設定して、リーダライタによる情報の読み取りや書き込みを確実に行える、書類用スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の開示に係る書類用スタンドは、所定の情報が視認可能に記載された台紙に、当該台紙への記載事項に関連する情報を記録したRFタグが一体に配設されてなる書類を、所定の拘束状態で支持可能な支持台を備え、当該支持台が、直立又は傾斜させた状態とされる所定の一の面を有し、当該一の面に前記書類を沿わせて支持可能とされ、前記支持台が、前記書類の支持状態で、書類のRFタグに対し対向する位置関係となる箇所に、RFタグに対し記録された情報の読み取り及び情報の書き込みが行えるリーダライタを配設可能とされるものである。
【0011】
このように本発明の開示によれば、RFタグが配設される書類を、直立又は傾斜した状態にある一の面に沿わせて支持する支持台に対し、この支持台に支持された状態の書類におけるRFタグに対向してこれと通信可能となる箇所にリーダライタを配設できるようにして、リーダライタを配設した支持台で書類を支持すると、リーダライタで書類のRFタグに対する読み書きを行える状態が得られることにより、リーダライタを支持台に配設した状態では、書類を支持台に支持させるのみでリーダライタが読み取りや書き込みを実行でき、書類をリーダライタに対し位置合わせする必要がなく、リーダライタによる情報の読み取りや書き込みの作業を速やかに行える。
【0012】
また、本発明の開示に係る書類用スタンドは必要に応じて、前記支持台が、板状の主パネル部と、当該主パネル部から突出する一又は複数の脚部とを有し、少なくとも脚部の一部を支持台の設置対象の被設置面に当接させて設置状態とされ、当該設置状態で、支持台が主パネル部を直立又は傾斜させた状態で自立し、前記一の面としての主パネル部の一の面に前記書類を沿わせて支持するものである。
【0013】
このように本発明の開示によれば、支持台における主パネル部と脚部が、支持台の被設置面への設置状態で支持台を自立可能とし、この自立した支持台において直立又は傾斜した状態にある主パネル部上に書類を支持すると、支持台に配設したリーダライタが書類のRFタグに対し読み書きを実行することにより、自立した支持台の主パネル部に沿わせて支持される書類は、記載内容を目視しやすい状態とされ、書類の記載内容を使用者が容易に読み取ることができる。
【0014】
また、本発明の開示に係る書類用スタンドは必要に応じて、前記支持台が、主パネル部における前記一の面の反対側に、前記リーダライタを着脱可能に収容する収容部を有するものである。
【0015】
このように本発明の開示によれば、支持台の主パネル部における書類とは反対側となる収容部にリーダライタを収容して、リーダライタが主パネル部を介して書類のRFタグに対し読み書きを実行することにより、主パネル部に沿わせて支持される書類に対し、リーダライタが書類の背面側に位置して、書類の記載内容がリーダライタに隠れることなく視認可能となり、リーダライタによるRFタグの情報の読み書きが問題なく行える状態を確保しつつ、書類の記載内容を使用者が正確に読み取ることができ、記載内容に係る情報をRFタグの情報と共に適切に利活用できる。
【0016】
また、支持された書類は主パネル部の一の面の側に位置する一方、リーダライタは主パネル部の他の面の側に位置することで、書類の支持に係る取り扱いと、リーダライタの取り扱いとが、相互に影響を及ぼし合うことはなく、リーダライタの着脱に関わりなく書類を支持台による支持状態にしたり、支持台から取り出すことができ、同様に、書類の支持の有無に関わりなく、リーダライタの着脱操作を行える。
【0017】
また、本発明の開示に係る書類用スタンドは必要に応じて、前記支持台が、主パネル部における前記一の面の反対側に、前記リーダライタを収容する収容部を有してなり、当該収容部が、前記支持台の前記被設置面への設置状態で、収容部の上下方向の中心を、支持台の主パネル部における上下方向の中心より下側に位置させるように配設されるものである。
【0018】
このように本発明の開示によれば、リーダライタを収容する支持台の収容部が、支持台の被設置面への設置状態で、収容部の上下方向の中心を、主パネル部における上下方向の中心より下側に位置させて、リーダライタを収容状態でできるだけ下寄りに位置させることにより、リーダライタの位置を下寄りにして支持台とリーダライタを合わせたスタンド全体における重心位置を下げ、支持台の自立状態を安定させて倒れにくい状態が得られることとなる。
【0019】
また、本発明の開示に係る書類用スタンドは必要に応じて、前記支持台が、前記主パネル部における前記一の面の側に、主パネル部との間に所定の隙間を介在させて配設される板状の前面パネル部を有し、当該前面パネル部と前記主パネル部との間の隙間に、前記書類を挿脱可能とされるものである。
【0020】
このように本発明の開示によれば、前面パネル部を主パネル部の一の面の側に配設すると共に、前面パネル部と主パネル部との間に隙間が介在するようにし、この前面パネル部と主パネル部との間の隙間に、書類を挿入可能且つ抜脱可能として、前面パネル部と主パネル部との間に書類を位置させて支持することにより、支持される書類を、使用者による出し入れに係る操作で移動させる場合以外は、前面パネル部が、書類に対し周囲からの影響が及びにくい状態として、書類を主パネル部上から容易に動かないよう拘束することができ、書類のずれを防いで、リーダライタによるRFタグの情報の読み書きを正確に実行させることができる。
【0021】
また、本発明の開示に係る書類用スタンドは必要に応じて、前記支持台が、主パネル部における前記一の面の反対側に、前記リーダライタを着脱可能に配設され、前記支持台における前面パネル部と主パネル部との間の隙間が、支持台の被設置面への設置状態で、前記主パネル部の上部側から前記書類を挿入可能に開放されてなり、前記支持台の隙間に対し前記書類を挿脱可能な向きと、支持台に対し前記リーダライタを着脱可能な向きとを異ならせるものである。
【0022】
このように本発明の開示によれば、支持台に対し着脱可能とされたリーダライタを、支持台から外したり支持台に取り付ける方向と、支持台の前面パネル部と主パネル部との間の隙間に対し書類を挿脱する方向とが異なるようにすることにより、リーダライタの着脱に係る操作と、書類の挿脱に係る操作とを本質的に異なるものとすることができ、リーダライタを前面パネル部と主パネル部との間の隙間に入れようとしたり、書類を前面パネル部と主パネル部との間の隙間以外に入れようとするような誤操作を招きにくくし、書類やリーダライタを適切に取り扱えることとなる。
【0023】
また、書類の隙間への挿脱に際し加える力の向きと、リーダライタの着脱に際し加える力の向きとが異なることで、例えばリーダライタの着脱の際に過剰な力が支持台に加わり、反動で支持台が動くようなことがあっても、こうした力の影響を受けて書類が誤って抜け出ることはないなど、一方に加えた力の影響が他方には及ばず、書類の支持状態やリーダライタの取付状態を安定したものとすることができる。
【0024】
さらに、設置状態で上側に位置する隙間の開放部分を通じて書類を挿入したり抜脱することができ、特に挿入の場合に、書類の下部を隙間に差し込んで手を離せば、書類が落下して、リーダライタで書類のRFタグに対する読み書きを行える隙間奥方の支持状態に対応する位置まで到達できることとなり、書類を隙間の下部まで人の手で押し込まなくてもよく、書類の取り扱いに係る作業性を向上させられ、例えば複数枚の書類について情報の読み書きを行う際の、支持台に対し書類を差し替える作業を効率よく速やかに行える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドの正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドの背面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドの平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドの底面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドの左側面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドの右側面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドにおけるリーダライタ取り外し状態の背面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドにおけるリーダライタ取り外し状態の右側面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドへの書類挿入状態説明図である。
図10】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドの書類支持状態におけるリーダライタと書類のRFタグとの位置関係説明図である。
図11】本発明の一実施形態に係る書類用スタンドの被設置面への設置状態での書類支持状態説明図である。
図12】本発明の他の実施形態に係る書類用スタンドの右側面図である。
図13図12のA部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係る書類用スタンドを前記図1ないし図11に基づいて説明する。本実施形態においては、書類(情報記録媒体)として自動車検査証(車検証)を支持し、これに配設されたRFタグに対し情報の読み取り及び書き込みを行えるスタンドの例について説明する。
【0027】
前記各図において本実施形態に係る書類用スタンド1は、RFタグ52付きの書類50を所定の拘束状態で支持可能な支持台10を備え、この支持台10に、RFタグ52に対し記録された情報の読み取り及び情報の書き込みを実行可能なリーダライタ20を配設可能とされる構成である。
【0028】
本実施形態に係る書類用スタンド1の支持対象となる書類50は、所定の情報が文字列や画像、図表、二次元コード等として視認可能に記載された台紙51に、この台紙51への記載事項に関連する情報を記録したRFタグ52が一体に配設されたものである。この書類50は、具体的には、電子化対応仕様としてRFタグ52を備えた自動車検査証である。
【0029】
前記支持台10は、板状の主パネル部11と、透明材質製の前面パネル部12と、主パネル部11から突出する脚部13と、リーダライタ20を収める収容部14とを備える構成である。
【0030】
支持台10は、主パネル部11における脚部13に近い下端部と、脚部13における主パネル部11から遠い側の先端部とを、それぞれこの支持台10の設置対象の被設置面90に当接させて設置状態とされる仕組みである。この設置状態で、支持台10は主パネル部11を傾斜させた状態で自立可能となっている。
【0031】
前記主パネル部11は、乳白色など光をあまり透過しない色調とされる、アクリル樹脂等のプラスチック製であって、且つ略矩形状をなす板状体とされる構成である。主パネル部11は、脚部13を突出させていない側の一の面に沿わせるようにして書類50を支持可能とされる。
【0032】
主パネル部11は、支持台10の被設置面90への設置状態で、主パネル部11の正面側(一の面側)から見て上部の中央にあたる部位を、一部切欠かれた形状の切欠き部11aとされる。この切欠き部11aに面するものを含む、主パネル部11の各コーナー部は、いずれも面取り加工により丸面取り形状とされる。なお、この主パネル部11の各コーナー部は、C面取り形状とされてもよい。また、主パネル部11における各端面の角部についても、丸面取り形状やC面取り形状とすることもでき、特に切欠き部11aのある端面(設置状態での上端面)と前記一の面とが交わる角部を面取り形状(図12図13参照)とすることで、書類50を上方から下向きに移動させて主パネル部11に支持させる場合に、書類50が主パネル部11の上端面に突き当たって移動を妨げられる状態になりにくく、書類50を主パネル部11による支持状態にスムーズに移行させられる。
【0033】
主パネル部11における切欠き部11aの周囲部分は、把持部として用いることができる。例えば、支持台10の収容部14に対しリーダライタ20を出し入れする際に、切欠き部11aに手の一部(指など)を入れ、この切欠き部11aの周囲部分を手掛かりとして支持台10を把持することで、外力が加わっても手から支持台10が滑ってずれるようなことはなく、手で支持体10を容易には動かない状態として支えることができ、リーダライタ20の出し入れをスムーズに行えることとなる。
【0034】
前記前面パネル部12は、これを通して書類50表面の記載事項を視認可能な透明又は半透明とされる、アクリル樹脂等のプラスチック製であって、且つ矩形状をなす板状体で形成される構成である。
【0035】
前面パネル部12は、主パネル部11より小さい形状、例えば、主パネル部11に対し短辺方向の大きさの割合を長辺方向の大きさの割合に比べて小さくした矩形状、として形成され、主パネル部11の前記一の面の側に、主パネル部11との間に所定の隙間を介在させて配設されるものである。
【0036】
この前面パネル部12は、その一方の長辺を、主パネル部11の一方の長辺、具体的には支持台10の設置状態で被設置面90に接近する下側となる方の長辺(下辺)に重ねた状態で配設される。そして、前面パネル部12の他方の長辺は、主パネル部11の正面側から見て主パネル部11の切欠き部11aの底部に重なるようにされる。
【0037】
すなわち、主パネル部11の切欠き部11aは、主パネル部11の正面側から見て前面パネル部12と重ならない配置とされており、主パネル部11の一の面に沿わせて支持された書類50を、切欠き部11aを通じて指でつまみやすい状態としている。なお、前面パネル部の他方の長辺を、主パネル部の正面側から見て主パネル部の他方の長辺に重なる配置とすると共に、前面パネル部に主パネル部と同様の切欠き部を設ける構成としてもかまわない。
【0038】
前面パネル部12は、主パネル部11に対し、側板12aと底板12bを介して一体に連結される。このうち底板12bは、中央に開口12cを生じさせるように、二枚を所定間隔で配設される。
【0039】
前面パネル部12と主パネル部11との間の隙間は、側板12aと底板12bにより側方と下方をそれぞれ閉塞されて、上方のみ開放した状態とされている。こうして、前面パネル部12と主パネル部11との間の隙間に、書類50を上から挿入可能且つ上に抜脱可能として、この前面パネル部12と主パネル部11との間の隙間に書類50を位置させて支持できる仕組みである。
【0040】
前面パネル部12と主パネル部11との間に位置させた書類50は、使用者により出し入れに係る操作を受けて上下方向に移動する以外は、書類50を取り囲む前面パネル部12、側板12a、及び底板12bにより、主パネル部11上から容易に動かないよう拘束された状態で支持されることとなる。なお、前面パネル部12と主パネル部11との間の隙間に誤って書類以外のもの、例えば小さなゴミや水が入るようなことがあっても、これらを底板12b中央の開口12cから取り除くことができ、書類50の支持に支障がない状態を維持しやすい。
【0041】
前記脚部13は、主パネル部11同様のアクリル樹脂等のプラスチック製であって、且つ矩形状をなす板状体で形成され、主パネル部11における前記一の面側とは反対側となる他の面における、主パネル部11の前記一方の長辺(下辺)寄りの所定箇所に、主パネル部11と略直角をなす向きで連結一体化され、主パネル部11から突出する状態として配設される構成である。
【0042】
この脚部13の主パネル部11に対する遠位側の端部(先端部)が、主パネル部11における脚部13に近い前記一方の長辺(下辺)のある端部と共に、支持台10の設置対象となるデスク天板面等の被設置面90に当接することで、支持台10は設置状態となる。この支持台10の設置状態では、主パネル部11は脚部13のある側に傾いて、主パネル部11の一の面を直立状態の位置から約20°傾斜させた状態となり、この主パネル部11の傾斜した面に沿わせる状態で書類50を支持することとなる。
【0043】
脚部13の主パネル部11への連結位置は、主パネル部11の一方の長辺と収容部14との間の領域における中心位置より収容部14寄りとする。これは、支持台10の被設置面90への設置状態で、主パネル部11の一方の長辺(下辺)から収容部14下端までの領域における中心位置より上側となる位置であり、支持台10の重心位置を脚部13に対し過度に後方に位置させないようにして支持台13を無理なく自立させつつ、主パネル部11を適切な傾斜状態、具体的には、主パネル部11の一の面を直立状態の位置から20°以上傾斜させる状態、言い換えると、主パネル部11と被設置面90とのなす角を70°以下とするまで傾斜させる状態、とするように連結位置が設定される。
【0044】
脚部13は、連続する板状のものを一つのみ配設する構成としているが、これに限られるものではなく、主パネル部11の横幅より小さい形状の、板状、又は、他の形状、例えば棒状、のものを複数、すなわち二つ以上、並べて配設する構成とすることもできる。
【0045】
また、脚部13は主パネル部11の他の面から略直角に突出する状態として配設する構成としているが、この他、主パネル部の端部を含む所定箇所に、主パネル部を傾斜させたい角度に対応した所定方向に主パネル部から突出する状態となるように配設する構成とすることもできる。この場合、主パネル部に対する脚部の突出方向を可変として、支持台の設置状態における主パネル部の傾斜角度を調整可能としてもよい。
【0046】
さらに、脚部13は、支持台10の被設置面90への設置状態で、主パネル部11を傾斜させるように設けられる構成に限らず、主パネル部を直立させるように設けられる構成としてもかまわない。
【0047】
前記収容部14は、主パネル部11の前記他の面における主パネル部11の一方の短辺(側辺)近くの所定部位に配設され、リーダライタ20を出し入れ可能に収容するものである。この収容部14に収められるリーダライタ20は、矩形の略厚板状の外形を有し、読み取り面25となる所定の表面をRFタグ52に向けた状態で、このRFタグ52に対し記録された情報の読み取り及び情報の書き込みを実行するものであり、詳細については後述する。
【0048】
収容部14は、主パネル部11の他の面における前記所定部位に、主パネル部11の短辺方向(上下方向)に所定間隔をなすように取り付けられる第一部材14aと第二部材14bとからなる。
この収容部14は、支持台10の被設置面90への設置状態で、収容部14の上下方向の中心を、支持台10の収容部以外の部分、具体的には主パネル部11、における上下方向の中心より下側に位置させる配置とされており、書類用スタンド1の中で比較的重量のあるリーダライタ20を収容状態ではできるだけ下寄りに位置させて、スタンド全体における重心位置を下げ、書類用スタンド1が安定して倒れにくい状態を得るようにしている。
【0049】
収容部14をなす第一部材14aと第二部材14bは、主パネル部11同様のアクリル樹脂等のプラスチック製部材であり、それぞれ長手方向が主パネル部11の一方の長辺(下辺)と平行になるようにして配設される。これら第一部材14aと第二部材14bとの間の空間に、リーダライタ20がその読み取り面25を主パネル部11の他の面にほぼ接する状態で収容可能とされる。この収容部14をなす第一部材14aと第二部材14bに対し、リーダライタ20はその長手方向を主パネル部11の長辺方向と一致させて、主パネル部11の長辺方向と同じ向きに出し入れ可能とされ、支持台10の被設置面90への設置状態で、リーダライタ20は、書類50の挿脱方向とは異なり、横向きの収容部14に対し同じ横方向に出し入れされることとなる。
【0050】
ただし、第一部材14aと第二部材14bとからなる収容部14におけるリーダライタの出入り口は、主パネル部11の一方の短辺(側辺)に沿って配置され、また、第一部材14a及び第二部材14bの長手方向寸法は、リーダライタ20の長手方向寸法より小さくされていることで、リーダライタ20の収容状態で、リーダライタ20における一方の短辺寄り所定範囲部分が、第一部材14a及び第二部材14bから長手方向にはみ出すと共に、主パネル部11からもはみ出すこととなる。具体的には、支持台10の被設置面90への設置状態で、主パネル部11の正面側から見て右寄りに位置する収容部14に収容されるリーダライタ20は、主パネル部11の正面側から見て右辺となる主パネル部11の一方の短辺から横にはみ出す。
【0051】
収容部14をなす上側の第一部材14aは、リーダライタ20の収容部14への収容状態で、リーダライタ20の一方の長辺側の端面(上端面)の一部と、リーダライタ20の読み取り面25とは反対側の裏面26における前記一方の長辺寄りの一部に重なるように、すなわち二方から重なるように配設される。この第一部材14aにおけるリーダライタ20の一方の長辺側の端面に対向する部分(内面)の位置、又は、収容部14への収容状態における、リーダライタ20の一方の長辺側の端面の位置は、主パネル部11の正面側から見て、前面パネル部12の他方の長辺(上端)位置に重なるようにされる。
【0052】
また、下側の第二部材14bは、リーダライタ20の収容状態で、リーダライタ20の他方の長辺側の端面(下端面)の一部と、リーダライタ20の他方の短辺側の端面(側面)の一部と、リーダライタ20の裏面26における前記他方の長辺寄りの一部に重なるように、すなわち三方から重なるように配設される。
【0053】
こうして、収容部14をなす第一部材14a及び第二部材14bが、収容状態のリーダライタ20の各面と重なって存在することで、リーダライタ20はこれを出し入れする方向以外には動かせない状態に拘束される。
【0054】
収容部14を第一部材14aと第二部材14bで構成し、第一部材14aと第二部材14bの間に間隙が生じるようにしていることで、リーダライタ20を収容部14に収容する際に、リーダライタ20に連結されるケーブル22を間隙部分に通して収容部14内から収容部14の外に無理なく引き出すことができ、リーダライタ20にケーブル22が直結する場合でもリーダライタ20を収容部14に問題なく収容し、且つケーブル22を収容部14の外で接続等のために支障なく取り扱える状態が得られる。
【0055】
収容部14では、第一部材14aにおける、リーダライタ20の裏面26に重なる部位と、主パネル部11の他の面との間隔(C1)に対し、第二部材14bにおける、リーダライタ20の裏面26に重なる部位と、主パネル部11の他の面との間隔(C2)が、若干大きくなるようにしてもよい(図8参照)。この場合、リーダライタ20として市販のリーダライタを流用する場合に、仮にリーダライタ20の裏面26に弾性材等からなる滑り止め部材28が配設されていても、この滑り止め部材28が第二部材14bと干渉せず、リーダライタ20の収容部14への収容の妨げとはならないようにすることができる。
【0056】
第一部材14aについては、そのリーダライタ20の裏面26に重なる部位が、リーダライタ20の裏面26の滑り止め部材28とは重ならない程度に小さいことから、この部位と主パネル部11の他の面との間隔は、リーダライタ20の滑り止め部材28を除いた本体部分の厚さと同程度とすることができる。
【0057】
この他、第二部材14bにおいて、そのリーダライタ20の裏面26に重なる部位のうち、収容の過程でリーダライタ20の裏面26の滑り止め部材28との重なりが生じ得ない領域については、図7及び図8に示されるスペーサ14dを設ける例のように、こうした領域の一部又は全部と主パネル部11の他の面との間隔(主パネル部11からスペーサ14dまでの距離)(C3)を、第一部材14aの場合と同様に、リーダライタ20の本体部分の厚さと同程度にする構成とすることもでき、リーダライタ20を収容状態でより安定的に保持できることとなる。
【0058】
さらに、第一部材14a及び第二部材14bにおけるリーダライタ20の裏面26に重なる部位と、主パネル部11の他の面との間隔が、収容部14におけるリーダライタ20の出入り口のある、主パネル部11の一方の短辺から離れるほど小さくなるように、第一部材14a及び第二部材14bを配設する構成とすることもできる。
【0059】
この場合、リーダライタ20を収容部14に挿入して収容する際に、収容部14の奥方へ進行するほど、リーダライタ20が、収容部14をなす第一部材14a及び第二部材14b、並びに主パネル部11の他の面とそれぞれ接触して摩擦抵抗を受けたり、リーダライタ20が収容部14をなす第一部材14a及び第二部材14bを押して弾性変形させる一方で、この弾性変形の反力に基づく抵抗を受けることとなる。これにより、リーダライタ20を収容部14の奥まで到達させるためには、リーダライタ20を押す力がある程度必要になる一方、リーダライタ20を収容部14の奥まで到達させると、リーダライタ20が第一部材14a及び第二部材14bと主パネル部11との間に嵌まり込んで容易に外れない状態を得ることができ、支持台11の収容部14からリーダライタ20が意図せず脱落することを防止できる。
【0060】
なお、上記と同様の効果を得るために、収容部14の第一部材14aにおける、リーダライタ20の一方の長辺側の端面に重なる部位と、第二部材14bにおける、リーダライタ20の他方の長辺側の端面に重なる部位との間隔が、主パネル部11の一方の短辺から離れるほど小さくなるように、第一部材14a及び第二部材14bを配設する構成としてもかまわない。
【0061】
前記リーダライタ20は、RFタグ52に対し記録された情報の読み取り及び情報の書き込みを非接触で実行可能なものであり、支持台10に支持された書類50のRFタグ52に対し対向するように支持台10に配設される構成である。
【0062】
リーダライタ20は、詳細には、支持台10の主パネル部11における書類50を支持する側の一の面とは反対側にある収容部14に対し、読み取り面25となる表面を、主パネル部11に面する向きとして(主パネル部11における他の面と対向させて)、出し入れ可能に収容される。これにより、リーダライタ20は、支持台10に動かない状態で配設されると共に、支持台10に支持された状態の書類50におけるRFタグ52の配設部分に、主パネル部11を介してちょうど重なり、主パネル部11越しに書類50のRFタグ52と問題なく通信を行える状態とされる仕組みである。
【0063】
このリーダライタ20における、RFタグ52に対し記録された情報の読み取り及び情報の書き込みを非接触で実行する仕組みについては、ICカードやRFタグと無線通信を行うと共に電力供給を行い、これらに搭載されたICチップに対し情報の読み書きを実行する、近距離無線通信技術を採用した公知のリーダライタと同様のものであり、詳細な説明を省略する。
【0064】
また、リーダライタ20は、コンピュータ等の情報処理装置(図示を省略)と接続され、書類50のRFタグ52から読み取った情報やRFタグ52に書き込む情報を情報処理装置とやり取りする点についても、公知のリーダライタと同様であり、詳細な説明を省略する。
【0065】
リーダライタ20には、その一方の短辺寄りの所定範囲に、このリーダライタ20の状態を示す表示部21が設けられる。
表示部21は、リーダライタ20の一方の長辺寄りとなる箇所に電源ランプ21aを配置され、リーダライタ20の他方の長辺寄りとなる箇所に通信状態確認ランプ21bを配置される構成である。
【0066】
リーダライタ20の表示部21は、収容部14への収容状態で支持台10の主パネル部11及び収容部14からはみ出す部分に相当しており、支持台10に支持された状態の書類50や支持台10の一部と重ならずに露出する。
こうして表示部21は、支持台10の被設置面90への設置状態で、主パネル部11の横にはみ出し、支持台10の側方に現れて常に視認可能となる仕組みである。
【0067】
なお、表示部21に代えて、又は表示部21と併設する形で、表示部以外の別の報知手段、例えば、読み取り完了や書類50を取り出してRFタグ52がリーダライタ20の読み取りエリア(通信エリア)から外れたことを示すブザー等の音出力部を設けるようにしてもよい。
【0068】
リーダライタ20は、RFタグ52から読み取った情報やRFタグ52に書き込む情報を処理する情報処理装置との接続用のケーブル22を有する。このケーブル22は、リーダライタ20の表示部21のある一方の短辺側とは反対側となる他方の短辺側の端部に、直結状態で連結し、電気的に接続されている。
【0069】
このリーダライタ20のケーブル22のうち、リーダライタ20に近い所定範囲部分は、リーダライタ20の収容部14への収容状態で、リーダライタ20と同様に支持台10に保持されて動かない状態とされる。
【0070】
詳細には、支持台10の主パネル部11における収容部14のある他の面に、リーダライタ20のケーブル22を係止する係止部15、16が複数配設される。これら複数箇所の係止部15、16にケーブル22を係止することで、ケーブル22が主パネル部11の他の面に沿って保持され、主パネル部11からケーブル22が離れない状態とすることができる。また、こうして保持されたケーブル22による拘束を受けることに伴って、リーダライタ20も収容部14から容易に外れない状態に保持できる。
【0071】
係止部15、16は、一方をその長手方向が主パネル部11の長辺と同じ向きとなるように配置され、他方をその長手方向が主パネル部11の短辺と同じ向きとなるように配置されることで、異なる向きの係止部15、16にそれぞれ係止されたケーブル22をその長手方向にずれにくい状態に保持拘束でき、ケーブル22を弛ませず、ケーブル22の係止部15、16から外れようとする動きが生じないようにしている。
【0072】
具体的には、係止部15、16は、その長手方向を主パネル部11の長辺と同じ向きとされる一方の係止部15が、主パネル部11の他の面における中央付近に配設され、また、長手方向を主パネル部11の短辺と同じ向きとされる他方の係止部16が、主パネル部11の他の面における主パネル部11の他方の短辺寄り(収容部14に対し遠い側)で且つ一方の長辺寄りとなる箇所(主パネル部11の背面側から見て右下となる箇所)に配設されるようにされる。
【0073】
そして、係止部15、16は、その長手方向の両端部に、係止用の開口、すなわち、ケーブル22を挟んで係止する部位に対しケーブル22を出し入れするための開口を、互いに異なる向きとしてそれぞれ設けられ、係止状態にあるケーブル22が各開口から一斉に外れることがないようにしている。
【0074】
主パネル部11の他の面における中央付近に配設される一方の係止部15は、主パネル部11の背面側から見て左側となる長手方向の一端部の開口を下向きとされ、主パネル部11の背面側から見て右側となる長手方向の他端部の開口を上向きとされる。これに対し、他方の係止部16は、主パネル部11の背面側から見て上側となる長手方向の一端部の開口を左向きとされ、主パネル部11の背面側から見て下側となる長手方向の他端部の開口を右向きとされる。
【0075】
ただし、これら係止部15、16における係止用の開口の向きは、上記の組み合わせに限られるものではなく、ケーブルの係止状態を問題なく維持できるものであれば、各長手方向の両端部における開口の向きを上記と逆にしたり、開口の向きを長手方向の両端部で同じ向きに揃える構成としてもかまわない。
【0076】
この他、リーダライタ20のケーブル22に対し、支持台10における収容部14の第二部材14bと脚部13との間隔を適切な大きさに設定して、これら第二部材14bと脚部13との間にケーブル22の一部を収容する構成とすることもできる。この場合、第二部材14bと脚部13との間隔を、ケーブル22の太さとほぼ同じとすれば、これら第二部材14bと脚部13でケーブル22を挟持拘束して、係止部15、16と同様にケーブルの不要な動きを抑制できる。
【0077】
なお、リーダライタ20は、公知のリーダライタと同様に、接続された情報処理装置から電力を供給されて作動する構成とされるが、これに限らず、内蔵される電池、又は、直接若しくはACアダプタ等を介して接続される商用電源を、電源として電力を供給される構成としてもかまわない。
【0078】
次に、本実施形態に係る書類用スタンドの使用状態について説明する。前提として、書類用スタンド1は、デスク天面等の被設置面90に設置された状態にあるものとする。また、リーダライタ20は支持台10の収容部14に収容され、リーダライタ20のケーブル22は支持台10の係止部15、16に係止された上で、情報処理装置に接続されており、リーダライタ20が作動に必要な電力の供給を受け、電源ランプ21aを点灯させているものとする。
【0079】
書類用スタンド1が、被設置面90に設置されている状態では、支持台10の主パネル部11と脚部13とが被設置面90に当接して、支持台10は容易には倒れない自立状態となっている。
【0080】
この支持台10における前面パネル部12と主パネル部11との間の隙間に対し、この隙間の上部の開放部分から読み書き対象の書類50を挿入する(図9参照)。書類50を隙間に位置させると、書類50の主パネル部11に沿った支持状態が得られ、合わせて書類50は前面パネル部12、側板12a及び底板12bによる拘束を受けて、使用者の抜脱操作で上下方向に移動する場合以外では容易に動かない状態となる。
【0081】
この書類50の支持状態では、書類50に配設されたRFタグ52が、支持台10に収容されているリーダライタ20の正面側に位置しており、リーダライタ20が主パネル部11を介してRFタグ52と通信可能となっている。また、書類50の支持状態では、透明な前面パネル部12を介して、書類50表面の記載事項を使用者が視認可能となっている。
【0082】
リーダライタ20は、支持台10に対しあらかじめ適切に配置されていることで、この書類50の支持状態に際して既に作動可能となっている場合には、通信可能範囲内にあるRFタグ52との通信を問題なく成立させ、例えば表示部21の通信状態確認ランプ21bを点灯させるなどして、RFタグ52と正常に通信可能であることを示す。
【0083】
こうした表示部21の表示等から、リーダライタ20が正常に作動可能な状態にあることを確認した上で、使用者がガイダンスに従って情報処理装置を通じた操作を行うと、リーダライタ20がRFタグ52と通信を行って情報の読み書きを実行する。この他、リーダライタ20がRFタグ52との通信を成立させたら、直ちに、使用者による何らかの操作を要することなく自動的に、リーダライタ20がRFタグ52と通信を行って情報の読み書きを実行するようにしてもよい。
【0084】
読み取りの場合は、リーダライタ20で読み取った情報のデータがリーダライタ20から情報処理装置に送られて所定の処理が行われる。
また、書き込みの場合は、あらかじめ情報処理装置で書き込み用に調整処理された書き込み対象の情報のデータがリーダライタ20に送られ、リーダライタ20によりRFタグ52に情報の書き込みが行われる。
こうした読み取りや書き込みの実行中は、リーダライタ20における表示部21の通信状態確認ランプ21bが点灯又は点滅状態となることで、使用者は実行を認識できる。
【0085】
そして、リーダライタ20における読み取りや書き込みの完了は、表示部21の通信状態確認ランプ21bにおける読み取りや書き込みの実行を示していた点灯又は点滅状態を終了させたり、通信状態確認ランプ21bをそれまでとは異なる点灯又は点滅状態に移行させたり、表示部以外の別の報知手段による報知、例えば、ブザー等の音出力部から完了を示す音を出力することで使用者に示すことができる。この他、情報処理装置の表示手段による状況表示等で、リーダライタ20における読み取りや書き込みの完了を使用者に通知するようにしてもよい。
【0086】
使用者は、リーダライタ20における表示部21の表示や、情報処理装置における表示等から、リーダライタ20によるRFタグ52への書き込みの終了を確認したり、書類50から直接視認可能な情報及びリーダライタ20で読み取った情報の利活用、例えば、リーダライタ20で読み取られて情報処理装置の表示手段に表示された、RFタグ52に記録されている情報と、書類50表面に記載された情報との照合、確認などの作業、が完了したら、支持台10に支持されている書類50を前面パネル部12と主パネル部11との間の隙間から抜き取って回収する。
【0087】
この書類50の隙間からの抜き取りは、主パネル部11の切欠き部11aを通じて使用者が書類50を指で確実に挟持できることで、スムーズに実行でき、書類50を出すために支持台10を動かす必要はない。
【0088】
リーダライタ20による情報の読み書きを含む作業を要する同様の書類50が複数ある場合は、支持台10で支持する書類50を入れ替えつつ上記手順が繰り返されることとなる。
【0089】
このように、本実施形態に係る書類用スタンドは、RFタグ52が配設される書類50を拘束して一定の状態で支持する支持台10に対し、リーダライタ20を、支持台10に支持された状態の書類50におけるRFタグ52に対向してこれと通信可能となる箇所に配設して、書類50を支持台10で支持するとリーダライタ20で書類50のRFタグ52に対する読み書きを行える状態が得られることから、RFタグ52を配設した書類50とリーダライタ20の大きさが異なっていても、書類50をリーダライタ20に対し位置合わせする必要がなく、書類50を支持台10に支持させるのみで速やかにリーダライタ20が読み取りや書き込みを実行できることに加え、支持状態の書類50のRFタグ52はリーダライタ20に対しずれにくく、リーダライタ20による読み取りや書き込みの信頼性を高められる。
【0090】
また、支持台10における書類50の支持状態とリーダライタ20の配設位置の各設定で、書類50のRFタグ52とリーダライタ20の位置関係を適切なものにできることで、書類50における記載内容の視認性を確保することとリーダライタ20による情報の読み書き性能を確保することとの両立が図りやすく、使用者が書類50の記載内容を直接把握しやすく、且つリーダライタ20によるRFタグ52の情報の読み書きが問題なく行える状態を容易に得ることができる。
【0091】
なお、前記実施形態に係る書類用スタンドにおいては、支持台10の主パネル部11と脚部13を被設置面90に当接させ、支持台10を自立させることで、支持台10の安定した設置状態を得て、書類50の支持に使用可能とする構成としているが、支持台における主パネル部の他の面側に磁石を有する壁固定部を設けて、鉄等の磁石が吸着可能な材質からなる壁などの面に壁固定部を介して支持台を取り付けて使用する構成とすることもできる。
【0092】
壁固定部を支持台10に配設するにあたっては、スタンドにおいて重量のあるリーダライタ20が主パネル部11の一方の短辺寄りに存在して、スタンド全体の重心が主パネル部11の中心から一方の短辺側(主パネル部11の背面側から見て左側)に偏った状態となっているのに対応して、壁固定部を主パネル部11の中心から一方の短辺側に少しずれた位置に配設して、スタンド1の壁固定部を介した取り付け状態で、壁固定部の位置にスタンド全体の重心位置をできるだけ近付け、壁固定部に重心のずれに基づく過大なモーメントが作用しないようにするのが望ましい。
【0093】
また、前記実施形態に係る書類用スタンドにおいて、支持台10は一種類の書類50を支持対象として、書類50に配設されるRFタグ52をリーダライタ20により読み書き可能な状態として支持する構成としているが、この他、支持台で上記の書類50とは大きさの異なる別の書類を、読み書き可能な状態で支持する構成とすることもできる。例えば、支持台でICカード型の運転免許証や個人番号カード(マイナンバーカード)を支持可能としてもよい。
【0094】
この場合、例えば、運転免許証をなすICカードを、主パネル部を介してリーダライタで読み書き可能となるように、運転免許証をリーダライタの読み取り面の正面側となる位置に配置して支持する構成とするのが望ましい。また、運転免許証をリーダライタの正面側に位置させるにあたっては、書類50の場合とは異なる向きから隙間部分に挿脱可能として、書類の種類ごとに異なる、リーダライタで読み書きが適切に行える最適な箇所に、複雑な操作を必要とすることなく書類を位置させられるようにするのが望ましい。
【0095】
また、前記実施形態に係る書類用スタンドにおいては、支持台10における前面パネル部12と主パネル部11との間の隙間に書類50を挿入され、これを支持する構成としているが、この他、支持台における前面パネル部と主パネル部との間の隙間の大きさを広げて、この隙間に書類をこれが収められたカバーごと挿入して支持可能な構成とすることもできる。この場合、書類を普段収容しているカバーから取り出すことなく、支持台に支持されてリーダライタで読み書き可能な状態にでき、手間をかけずに書類に対する情報の読み取りや書き込みを行える。
【0096】
加えて、前記実施形態で具体的に示した、本発明の開示に係る書類用スタンドは、国際連合で定められた「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」で示される17の目標のうち、例えば、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう(強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る)」や「12:つくる責任つかう責任(持続可能な生産消費形態を確保する)」といった一部の目標の達成に寄与することが期待できる。
【符号の説明】
【0097】
1 書類用スタンド
10 支持台
11 主パネル部
11a 切欠き部
12 前面パネル部
12a 側板
12b 底板
12c 開口
13 脚部
14 収容部
14a 第一部材
14b 第二部材
14d スペーサ
15、16 係止部
20 リーダライタ
21 表示部
21a 電源ランプ
21b 通信状態確認ランプ
22 ケーブル
25 読み取り面
26 裏面
28 滑り止め部材
50 書類
51 台紙
52 RFタグ
90 被設置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
所定の情報が視認可能に記載された矩形状の台紙に、当該台紙への記載事項に関連する情報を記録したRFタグが一体に配設されてなる書類を、所定の拘束状態で支持可能な支持台を備え、
当該支持台が、直立又は傾斜させた状態とされる所定の一の面を有し、当該一の面に前記書類を沿わせて支持可能とされ、
前記支持台により、前記書類の台紙より小さく且つ台紙における長手方向の一方の端部寄りに偏らせて配設されるRFタグを、前記一の面の所定箇所に沿わせられ、
前記支持台が、前記書類の支持状態で、書類のRFタグに対し対向する位置関係となる前記一の面の反対側の所定部位に、RFタグに対し記録された情報の読み取り及び情報の書き込みが行えるリーダライタを配設可能とされることを
特徴とする書類用スタンド。