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特開2023-143688温泉を含む旅行を提案する方法及び提案システム、温泉の評価方法及び分析方法、並びに、温泉を含む化粧料の設計方法及びその調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143688
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】温泉を含む旅行を提案する方法及び提案システム、温泉の評価方法及び分析方法、並びに、温泉を含む化粧料の設計方法及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/14 20120101AFI20230928BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230928BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20230928BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20230928BHJP
   C11D 7/10 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
G06Q50/14
A61Q19/10
A61K8/19
C12Q1/02
C11D7/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204548
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2022049115
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】507031309
【氏名又は名称】株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】多田 明弘
(72)【発明者】
【氏名】山川 弓香
(72)【発明者】
【氏名】北島 岳
【テーマコード(参考)】
4B063
4C083
4H003
5L049
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA18
4B063QA20
4B063QQ18
4B063QR72
4B063QR77
4B063QS36
4B063QX01
4C083AA161
4C083AA162
4C083BB60
4C083CC23
4C083DD47
4C083EE11
4C083FF05
4H003DA02
4H003EA07
4H003ED02
4H003FA21
5L049CC26
(57)【要約】
【課題】
温泉の肌への影響を考慮して、温泉を含む旅行を提案する方法及び提案システムを提供すること。
【解決手段】
ユーザに、温泉を含む旅行を提案する方法であって、
ユーザの肌情報に基づき、ユーザの肌に関する分類を取得するステップと、
前記ユーザの肌に関する分類を、予め記憶された肌に関する分類と該肌に関する分類に適した温泉分類の関係を定義したデータベースに照合して、前記ユーザに適合する温泉分類を特定するステップと、
前記特定した温泉分類に基づいて、ユーザへ提案する温泉を特定するステップと、を含む、
旅行の提案方法。
【選択図】 なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに、温泉を含む旅行を提案する方法であって、
ユーザの肌情報に基づき、ユーザの肌に関する分類を取得するステップと、
前記ユーザの肌に関する分類を、予め記憶された肌に関する分類と該肌に関する分類に適した温泉分類の関係を定義したデータベースに照合して、前記ユーザに適合する温泉分類を特定するステップと、
前記特定した温泉分類に基づいて、ユーザへ提案する温泉を特定するステップと、を含む、
旅行の提案方法。
【請求項2】
前記温泉分類は、温泉の成分に基づく分類である、請求項1に記載の旅行の提案方法。
【請求項3】
前記温泉分類は、さらに、温泉情報、温浴施設情報、及び温泉所在地情報からなる群から選ばれる1以上の情報を含む、請求項1に記載の旅行の提案方法。
【請求項4】
前記肌に関する分類が、肌の水分量、肌の皮脂量、肌の敏感度、及び肌のごわつき度からなる群から選ばれる性質に基づく分類を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の旅行の提案方法。
【請求項5】
前記ユーザの肌情報は、前記ユーザの現在の肌情報と、前記ユーザが希望する肌情報を含み、
前記ユーザの肌に関する分類は、前記ユーザの現在の肌情報及び前記ユーザが希望する肌情報に基づく、前記ユーザの肌の改善目標に関する分類である、請求項1に記載の旅行の提案方法。
【請求項6】
さらにユーザの体調情報に基づき、ユーザの体調分類を取得するステップと、
前記ユーザの体調分類を、予め記憶された体調分類と入浴方法の関係を定義したデータベースに照合して、前記ユーザに適合する入浴方法を特定するステップと、を含む、請求項1に記載の旅行の提案方法。
【請求項7】
前記ユーザの肌に関する分類及び/又は体調分類を、予め記憶された肌に関する分類及び/又は体調分類と追加体験の関係を定義したデータベースに照合して、前記ユーザに適合する追加体験を特定するステップを含む、請求項6に記載の旅行の提案方法。
【請求項8】
前記追加体験が、食事、睡眠、美容及び知識習得から選ばれる、請求項7に記載の旅行の提案方法。
【請求項9】
ユーザに、温泉を含む旅行を提案する旅行提案システムであって、
ユーザの肌情報に基づき、ユーザの肌に関する分類を取得する肌に関する分類取得手段と、
肌に関する分類と該肌に関する分類に適した温泉分類の関係を定義したデータベースを記憶する記憶手段と、
前記ユーザの肌に関する分類を前記データベースに照合して、前記ユーザに適合する温泉分類を特定する温泉分類特定手段と、
前記特定した温泉分類に基づいて、ユーザへ提案する温泉を特定する温泉特定手段と、を含む、旅行提案システム。
【請求項10】
温泉の成分を分析する成分分析工程と、
前記成分分析工程の結果に基づいて、前記温泉に入浴した場合の肌への影響を評価する評価工程と、を含む、温泉の評価方法。
【請求項11】
前記評価工程は、温泉に含まれる所定の成分の含有量に基づいて、前記温泉に入浴した場合の肌への影響を評価する工程である、請求項10に記載の温泉の評価方法。
【請求項12】
前記評価は、温泉に含まれる所定の成分の含有量と、該温泉に入浴した場合の肌への影響を評価済みの温泉を基準とする相対評価である、請求項11に記載の温泉の評価方法。
【請求項13】
前記所定の成分が、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分メタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、硫酸イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸イオン、及びカリウムイオンから選ばれる1又は2以上の成分である、請求項11又は12に記載の温泉の評価方法。
【請求項14】
下記A群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が少ないほど、クレンジング効果が高い温泉であると評価する、請求項13に記載の温泉の評価方法。
(A群)
カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分
【請求項15】
下記B1群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が多いほど、及び/又は、下記B2群の成分の含有量が少ないほど、クレンジング効果が高い温泉であると評価する、請求項13に記載の温泉の評価方法。
(B1群)
メタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸
(B2群)
硫酸イオン
【請求項16】
下記C1群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が多いほど、及び/又は、下記C2群の成分の含有量が少ないほど、肌の保湿力を高める効果が高い温泉であると評価する、請求項13に記載の温泉の評価方法。
(C1群)
カルシウムイオン、マンガンイオン
(C2群)
カリウムイオン
【請求項17】
被験者の肌に、精製水及び分析対象の温泉を接触させる接触工程と、
前記精製水に接触させた肌の部分と、前記温泉に接触させた肌の部分から角層細胞をそれぞれ採取する採取工程と、
前記精製水に接触させた部分から採取した角層細胞の量と、前記温泉に接触させた部分から採取した角層細胞の量とを比較する角層細胞量比較工程と、
前記角層細胞量比較工程の結果に基づいて温泉の肌への影響を分析する分析工程と、を含む、温泉の分析方法。
【請求項18】
被験者の肌に、精製水及び分析対象の温泉を接触させる接触工程と、
前記精製水に接触させた肌の部分と、前記温泉に接触させた肌の部分から角層細胞をそれぞれ採取する採取工程と、
前記精製水に接触させた部分から採取した角層細胞の形状と、前記温泉に接触させた部分から採取した角層細胞の形状とを比較する角層細胞形状比較工程と、
前記角層細胞形状比較工程の結果に基づいて温泉の肌への影響を分析する分析工程と、を含む、温泉の分析方法。
【請求項19】
人工皮脂を含ませたろ紙を温泉又は精製水に浸漬させる浸漬工程と、
前記温泉に浸漬させたろ紙における人工皮脂を染色した後のろ紙の色と、前記精製水に浸漬させたろ紙における人工皮脂を染色した後のろ紙の色とを比較する皮脂色比較工程と、
前記皮脂色比較工程の結果に基づいて温泉の肌への影響を分析する分析工程と、を含む、温泉の分析方法。
【請求項20】
温泉の分類に基づいて、前記温泉と混合する化粧料基剤の組成を設計する工程を含む、温泉を含む化粧料の設計方法。
【請求項21】
前記分類は、前記温泉の成分に基づいた分類である、請求項20に記載の温泉を含む化粧料の設計方法。
【請求項22】
前記温泉が肌に及ぼす影響を増進させる成分を含むように、前記化粧料基剤の組成を設計する、請求項20に記載の温泉を含む化粧料の設計方法。
【請求項23】
包装容器に化粧料基剤が封入されている、温泉を含む化粧料の調製キットであって、
前記化粧料基剤の組成は、前記温泉の分類に基づいて決定された組成である、温泉を含む化粧料の調製キット。
【請求項24】
前記包装容器は、混合すべき前記温泉の量を示す表示を有する、請求項23に記載の温泉を含む化粧料の調製キット。
【請求項25】
前記化粧料基剤は、前記温泉が肌に及ぼす影響を増進させる成分を含む、請求項24に記載の温泉を含む化粧料の調製キット。
【請求項26】
請求項23~25の何れか一項に記載の温泉を含む化粧料の調製キットに、前記化粧料調製キットに適した温泉を混合することを含む、温泉を含む化粧料の調製方法。
【請求項27】
請求項23~25の何れか一項に記載の温泉を含む化粧料の調製キットを、前記化粧料調製キットに適した温泉を有する温浴施設に設置することを含む、温泉を含む化粧料の調製キットの提供方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温泉を含む旅行を提案する方法及び提案システムに関する。また本発明は、温泉の評価方法及び分析方法にも関する。
さらにまた本発明は、温泉を含む化粧料の設計方法、温泉を含む化粧料の調製キット、当該調製キットを使った温泉を含む化粧料の調製方法、及び、当該調製キットの提供方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、利用者の嗜好に合わせた旅行プランを提案する方法やシステムが、種々開発されてきた。
例えば特許文献1には、利用者への質問とその回答の取得を複数回行い、取得した複数の回答の組み合わせと、あらかじめ記憶デバイスに記憶されたプランデータとを照合して、利用者に旅行プランを提案する、旅行プラン提案装置を利用する、旅行プラン提案方法が記載されている。
また特許文献2には、旅行客が希望する訪問スポット及び過ごし方を含む希望条件と、旅行客が希望する料金と、から、旅行客が旅行を予定する観光地における旅行プランを提案する、旅行プラン提案プログラムが記載されている。
【0003】
また、温泉を利用した化粧料も検討されている。例えば特許文献3には、炭酸水素塩泉水と、炭素数が5~6の二価アルコールと、特定の構造式(I)及び(II)で表される構成単位を所定のモル比で含む重合体の1種又は2種以上を特定量含有する化粧料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-039498号公報
【特許文献2】特開2021-174272号公報
【特許文献3】特許第6844451号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、温泉に入浴することは、旅行の目的としてはメジャーである。また従来から、温泉には各種の効能があることが知られており、所望する効能にあわせて温泉を選ぶことが行われてきた。特に、いわゆる「美白の湯」や「美肌の湯」など、肌に好ましい影響を及ぼすことが経験的に知られている温泉は、旅行先として人気である。
しかし、温泉の成分や泉質と、温泉の効能(特に、肌への影響)との関係は、経験的に知られているのみであり、十分に研究されてきていなかった。
【0006】
また上記の通り、旅行を提案する方法やシステムは従来から開発されてきているが、温泉が肌に及ぼす影響を考慮して、温泉を含む旅行を提案する方法や提案システムは、従来検討されてきていなかった。
すなわち、特許文献1や特許文献2に記載されている発明では、温泉の肌への影響を考慮したうえで、温泉を含む旅行を提案することはできなかった。
【0007】
上記状況に鑑み、本発明は、温泉が与える肌への影響を考慮して、温泉を含む旅行を提案する方法及び提案システムを提供することを、第1の課題とする。
また本発明は、温泉が与える肌への影響を評価する方法及び、温泉を分析する方法を提供することを、第2の課題、第3の課題とする。
【0008】
また上記の通り、温泉水を利用した化粧料も検討されてきてはいたが、温泉が肌に与える影響を加味して設計された、温泉水を利用する化粧料は、これまで検討されていなかった。
そこで本発明は、温泉を含む化粧料の新規な設計方法を提供することを、第4の課題とする。
【0009】
さらにまた、温泉を利用した化粧料の調製キット(DIYキット)や、これを利用した温泉を含む化粧料の調製は、いままで検討すらされてこなかった。
そこで本発明は、温泉を含む化粧料の調製キット、温泉を含む化粧料の調製方法、及び、温泉を含む化粧料の調製キットの提供方法を、新たに提供することを、第5の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記第1の課題を解決する本発明は、ユーザに、温泉を含む旅行を提案する方法であって、ユーザの肌情報に基づき、ユーザの肌に関する分類を取得するステップと、前記ユーザの肌に関する分類を、予め記憶された肌に関する分類と該肌に関する分類に適した温泉分類の関係を定義したデータベースに照合して、前記ユーザに適合する温泉分類を特定するステップと、前記特定した温泉分類に基づいて、ユーザへ提案する温泉を特定するステップと、を含む、旅行の提案方法である。
本発明によれば、温泉がユーザの肌に与える影響を考慮して、温泉及びこれを含む旅行を提案することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記温泉分類は、温泉の成分に基づく分類である。
本発明によれば、温泉の成分に起因する、ユーザの肌に与える影響を考慮して、温泉及びこれを含む旅行を提案することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記温泉分類は、さらに、温泉情報、温浴施設情報、及び温泉所在地情報からなる群から選ばれる1以上の情報を含む。
本発明によれば、温泉がユーザの肌に与える影響と、ユーザの嗜好を考慮して、温泉及びこれを含む旅行を提案することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記肌に関する分類が、肌の水分量、肌の皮脂量、肌の敏感度、及び肌のごわつき度からなる群から選ばれる性質に基づく分類を含む。
本発明によれば、ユーザの肌の状態により適合した温泉及びこれを含む旅行を提案することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記ユーザの肌情報は、前記ユーザの現在の肌情報と、前記ユーザが希望する肌情報を含み、前記ユーザの肌に関する分類は、前記ユーザの現在の肌情報及び前記ユーザが希望する肌情報に基づく、前記ユーザの肌の改善目標に関する分類である。
本発明によれば、ユーザが希望する肌状態になれるような肌への影響を有する温泉を提案し、ユーザに選択させることができる。
【0015】
さらにユーザの体調情報に基づき、ユーザの体調分類を取得するステップと、前記ユーザの体調分類を、予め記憶された体調分類と入浴方法の関係を定義したデータベースに照合して、前記ユーザに適合する入浴方法を特定するステップと、を含む。
本発明によれば、ユーザの肌及び体調に適合する温泉、当該温泉への入浴方法、及びこれを含む旅行を提案することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記ユーザの肌に関する分類及び/又は体調分類を、予め記憶された肌に関する分類及び/又は体調分類と追加体験の関係を定義したデータベースに照合して、前記ユーザに適合する追加体験を特定するステップを含む。
本発明のより好ましい形態では、前記追加体験が、食事、睡眠、美容及び知識習得から選ばれる。
本発明によれば、ユーザの肌及び/又は体調に適合する温泉と、温泉以外の体験と、を含む旅行を提案することができる。
【0017】
上記第1の課題を解決する本発明は、ユーザに、温泉を含む旅行を提案する旅行提案システムであって、ユーザの肌情報に基づき、ユーザの肌に関する分類を取得する肌分類取得手段と、肌に関する分類と該肌に関する分類に適した温泉分類の関係を定義したデータベースを記憶する記憶手段と、前記ユーザの肌に関する分類を前記データベースに照合して、前記ユーザに適合する温泉分類を特定する温泉分類特定手段と、前記特定した温泉分類に基づいて、ユーザへ提案する温泉を特定する温泉特定手段と、を含む、旅行提案システムである。
本発明によれば、温泉がユーザの肌に与える影響を考慮して、温泉及びこれを含む旅行を提案することができる旅行提案システムを提供することができる。
【0018】
上記第2の課題を解決する本発明は、温泉の成分を分析する成分分析工程と、前記成分分析工程の結果に基づいて、前記温泉に入浴した場合の肌への影響を評価する評価工程と、を含む、温泉の評価方法である。
本発明によれば、温泉が肌に与える影響を、経験によらず評価することができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記評価工程は、温泉に含まれる所定の成分の含有量に基づいて、前記温泉に入浴した場合の肌への影響を評価する工程である。
本発明によれば、温泉が肌に与える影響を、経験によらず評価することができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記評価は、温泉に含まれる所定の成分の含有量と、該温泉に入浴した場合の肌への影響を評価済みの温泉を基準とする相対評価である。
本発明のより好ましい形態では、前記所定の成分が、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分メタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、硫酸イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸イオン、及びカリウムイオンから選ばれる1又は2以上の成分である。
本発明者らにより、温泉に含まれる所定の成分の含有量と、入浴した際に温泉が肌に与える影響との間には関連性があることが明らかにされた。
よって本発明によれば、温泉が肌に与える影響を、温泉に含まれる所定の成分の含有量を測定することにより、評価することができる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、下記A群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が少ないほど、クレンジング効果が高い温泉であると評価する。
(A群)
カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分
【0022】
本発明の別の好ましい形態では、下記B1群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が多いほど、及び/又は、下記B2群の成分の含有量が少ないほど、クレンジング効果が高い温泉であると評価する。
(B1群)
メタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸
(B2群)
硫酸イオン
【0023】
本発明の別の好ましい形態では、下記C1群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が多いほど、及び/又は、下記C2群の成分の含有量が少ないほど、肌の保湿力を高める効果が高い温泉であると評価する。
(C1群)
カルシウムイオン、マンガンイオン
(C2群)
カリウムイオン
【0024】
本発明者らにより、上記A群~C群に属する成分の含有量と、入浴時に温泉が肌に与える影響(クレンジング効果及び肌の保湿力を高める効果)との間に関連性があることが明らかにされた。
よって本発明によれば、温泉が肌に与える影響を、温泉に含まれる所定の成分の含有量に基づいて、評価することができる。
【0025】
上記第3の課題を解決する本発明は、被験者の肌に、精製水及び分析対象の温泉を接触させる接触工程と、前記精製水に接触させた肌の部分と、前記温泉に接触させた肌の部分から角層細胞をそれぞれ採取する採取工程と、前記精製水に接触させた部分から採取した角層細胞の量と、前記温泉に接触させた部分から採取した角層細胞の量とを比較する角層細胞量比較工程と、前記角層細胞量比較工程の結果に基づいて温泉の肌への影響を分析する分析工程と、を含む、温泉の分析方法である。
本発明によれば、温泉が肌に与える影響を、経験によらず分析することができる。
【0026】
上記第3の課題を解決する本発明は、被験者の肌に、精製水及び分析対象の温泉を接触させる接触工程と、前記精製水に接触させた肌の部分と、前記温泉に接触させた肌の部分から角層細胞をそれぞれ採取する採取工程と、前記精製水に接触させた部分から採取した角層細胞の形状と、前記温泉に接触させた部分から採取した角層細胞の形状とを比較する角層細胞形状比較工程と、前記角層細胞量比較工程の結果に基づいて温泉の肌への影響を分析する分析工程と、を含む、温泉の分析方法である。
本発明によれば、温泉が肌に与える影響を、経験によらず分析することができる。
【0027】
上記第3の課題を解決する本発明は、人工皮脂を含ませたろ紙を温泉又は精製水に浸漬させる浸漬工程と、前記温泉に浸漬させたろ紙における人工皮脂を染色した後のろ紙の色と、前記精製水に浸漬させたろ紙における人工皮脂を染色した後のろ紙の色とを比較する皮脂色比較工程と、前記皮脂色比較工程の結果に基づいて温泉の肌への影響を分析する分析工程と、を含む、温泉の分析方法である。
本発明によれば、温泉が肌に与える影響を、経験によらず分析することができる。
【0028】
上記第4の課題を解決する本発明は、温泉の分類に基づいて、前記温泉と混合する化粧料基剤の組成を設計する工程を含む、温泉を含む化粧料の設計方法である。
本発明によれば、温泉の分類に基づいて、利用する温泉の特長を生かすことができる成分を含む化粧料を設計することができる。
【0029】
本発明の好ましい形態では、前記分類は、前記温泉の成分に基づいた分類である。
本発明によれば、温泉の分類に基づいて、利用する温泉の特長を生かすことができる成分を含む化粧料を設計することができる。
【0030】
本発明の好ましい形態では、前記温泉が肌に及ぼす影響を増進させる成分を含むように、前記化粧料基剤の組成を設計する。
本発明によれば、温泉の分類に基づいて、利用する温泉の特長を生かすことができる成分を含む化粧料を設計することができる。
【0031】
上記第5の課題を解決する本発明は、包装容器に化粧料基剤が封入されている、温泉を含む化粧料の調製キットであって、前記化粧料基剤の組成は、前記温泉の分類に基づいて決定された組成である、温泉を含む化粧料の調製キットである。
本発明によれば、温泉を含む化粧料の調製キットを新たに提供することができる。
【0032】
本発明の好ましい形態では、前記包装容器は、混合すべき前記温泉の量を示す表示を有する。
本発明によれば、温泉の分類に基づいて、利用する温泉の特長を生かすことができる成分を含む、化粧料の調製キットを提供することができる。
【0033】
本発明の好ましい形態では、前記化粧料基剤は、前記温泉が肌に及ぼす影響を増進させる成分を含む。
本発明によれば、温泉の分類に基づいて、利用する温泉の特長を生かすことができる成分を含む化粧料調製キットを提供することができる。
【0034】
上記第5の課題を解決する本発明は、上記化粧料調製キットに、前記化粧料調製キットに適した温泉を混合することを含む、温泉を含む化粧料の調製方法である。
本発明によれば、温泉の分類に基づいて、利用する温泉の特長を生かすことができる成分を含む化粧料調製キットを提供することができる。
【0035】
上記第5の課題を解決する本発明は、上記化粧料調整キットを、前記化粧料調製キットに適した温泉を有する温浴施設に設置することを含む、温泉を含む化粧料の調製キットの提供方法である。
本発明によれば、温浴施設が有する温泉に適した化粧料調整キットをユーザに提供することができる。これによりユーザは、手軽に、利用している温浴施設が有する温泉を利用した化粧料をDIYすることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、温泉の肌への影響を考慮して、温泉を含む旅行を提案する方法及び提案システムを提供することができる。
また本発明は、温泉の肌への影響を評価する方法及び、温泉を分析する方法を提供することができる。
また本発明によれば、個々の温泉に適した化粧料調製キットを設計し、又は提供することができる。さらにまた本発明によれば、個々の温泉に適した化粧料を調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明に係る旅行提案システムの第1の実施形態を表す機能ブロック図である。
図2】肌に関する分類と、該肌に関する分類に適する温泉分類との関係を定義した、温泉分類データベースの一例を表す図である。
図3】肌に関する分類と、該肌に関する分類に適する温泉分類との関係を定義した、温泉分類データベースの別の例を表す図である。
図4】第1の実施形態に係る旅行提案システムによる処理の流れを示すフローチャートである。
図5】温泉分類と、当該温泉分類に属する具体的な温泉との関係を定義したデータベースの例を表す図である。
図6】第2の実施形態に係る旅行提案システムによる処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本発明に係る旅行提案システムの第3の実施形態を表す機能ブロック図である。
図8】体調分類と、該体調分類に適する入浴方法との関係を定義した、入浴方法データベースの一例を表す図である。
図9】第3の実施形態に係る旅行提案システムによる処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本発明に係る旅行提案システムの第4の実施形態を表す機能ブロック図である。
図11】肌に関する分類と、該肌に関する分類に適する追加体験との関係を定義した、追加体験データベースの一例を表す図である。
図12】体調分類と、該体調分類に適する追加体験との関係を定義した、追加体験データベースの一例を表す図である。
図13】第4の実施形態に係る旅行提案システムによる処理の流れを示すフローチャートである。
図14】試験例1において、角層細胞が顕著に多く採取された温泉(代表)についての、採取した角層細胞の顕微鏡写真である。
図15】試験例1において、角層細胞がやや多く採取された温泉(代表)についての、採取した角層細胞の顕微鏡写真である。
図16】試験例2において、皮脂を除去する効果があった温泉(代表)についての、人工皮脂を含ませたろ紙の温泉への浸漬前後の色(赤み)を比較した図である。
図17】試験例3において、角層のはがれやすさと温泉成分との関係について解析した第1の図である。
図18】試験例3において、角層のはがれやすさと温泉成分との関係について解析した第2の図である。
図19】試験例3において、温泉の皮脂除去能と温泉成分との関係について解析した図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明において「温泉」とは、温泉の利用者が実際に入浴する湯(すなわち、浴槽内に溜められた湯)を意味する。換言すれば、本発明における「温泉」には、源泉を浴槽に溜めたものも、源泉に対して加水し、加温し、及び/又は源泉を循環させたうえで浴槽に溜めたものも、含まれる。
【0039】
以下では、コンピュータによって本発明の旅行提案方法を実行する場合について説明するが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
例えば、以下の実施形態では旅行提案システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0040】
1.温泉を含む旅行を提案する旅行提案方法及び旅行提案システム
<第1の実施形態>
図1図5を参照して、本発明に係る旅行提案方法及び旅行提案システムの第1の実施形態を説明する。
【0041】
図1に示す通り、本実施形態の旅行提案システムは、サーバ装置1と、ユーザ端末2とが、ネットワークNWを介して接続可能に構成される。ここではサーバ装置1及びユーザ端末2がそれぞれ1つの場合を示すが、これらの数は1つずつに限られない。例えばサーバ装置1が複数のコンピュータ装置によって実現されていてもよいし、またユーザ端末2が複数台存在していてもよい。
【0042】
サーバ装置1としては、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、サーバ装置等の一般的なコンピュータ装置を利用することができる。
【0043】
またユーザ端末2としては、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワークNWへの接続手段や、ディスプレイを含む種々の入出力装置等を備えた、一般的なコンピュータ装置を利用することができる。本実施形態では、スマートフォンやタブレット端末等を利用する場合を想定するが、この他にも例えばPC(Personal Computer)等のような任意のコンピュータ装置をユーザ端末2として用いてよい。
【0044】
サーバ装置1は、ユーザの肌情報に基づきユーザの肌に関する分類を取得して、該ユーザの肌に関する分類に適合する温泉を特定する処理を行う。本実施形態においてサーバ装置1は、肌分類取得手段11と、記憶手段12に格納された温泉分類データベース121と、温泉分類特定手段13と、温泉特定手段14と、を備える。
【0045】
肌分類取得手段11は、ユーザの肌情報に基づき、ユーザの肌に関する分類を取得する。具体的には、ユーザ端末2を介して、ユーザの肌情報を取得し、取得したユーザの肌情報に基づいて、ユーザの肌に関する分類を取得する。
【0046】
温泉分類データベース121は、肌に関する分類と、該肌に関する分類に適した温泉分類との関係を定義したデータベースであり、サーバ装置1の記憶手段12に格納されている。
温泉分類データベース121の具体的な構成は特に限定されず、例えば図2に示す通り、肌に関する分類と、該肌に関する分類に適合する1又は2以上の温泉分類とが対応づけられて定義されていてもよい。また図3に示す通り、肌に関する分類と、該肌に関する分類に特に適合する温泉分類(図4中◎)及び該肌に関する分類に適合する温泉分類(図4中○)との組み合わせのように、ユーザの肌に関する分類に適合する度合いに応じて提案の優先度と共に定義されていても良い。
【0047】
温泉分類特定手段13は、温泉分類データベース121を参照して、肌分類取得手段11が取得したユーザの肌に関する分類に適合する温泉分類を特定する。
温泉特定手段14は、温泉分類特定手段13が特定した、ユーザの肌に関する分類に適合する温泉分類に基づいて、ユーザに提案する温泉を特定する。
【0048】
ユーザ端末2は、サーバ装置1に接続され、ユーザが使用する端末装置である。ユーザ端末は、タッチパネルディスプレイやマイク等の入力手段21と、ディスプレイ装置やスピーカー等の出力手段22と、を備える。
【0049】
図4を参照して、本実施形態に係る旅行の提案方法を説明する。
まず、ステップS1において、肌分類取得手段11が、ユーザの肌に関する分類を取得する。
具体的には、肌分類取得手段11が、ユーザ端末2を介してユーザの肌情報を取得し、取得したユーザの肌情報に基づいて、ユーザの肌に関する分類を取得する。
ユーザの肌情報は、ユーザ自身が普段肌に対して感じている状態を示す情報であれば、特に限定されない。ユーザの肌情報は、ユーザが現在感じている肌に関する情報であってもよく、ユーザが将来的になりたい肌に関する情報であっても良く、その両方を含んでいても良い。また、ユーザの肌情報の取得方法も、特に限定されない。
【0050】
例えば、ユーザの肌情報は、かさつく/かさつかない、乾燥する/乾燥しない、べたつく/べたつかない、ごわごわする/ごわごわしない、硬い/硬くない/柔らかい、ピリピリする/ピリピリしない、チクチクする/チクチクしない、ニキビがある/ニキビがない、毛穴が目立つ/毛穴が目立たない、くすんでいる/くすみがない/明るい、透明感がない/透明感がある、角栓が詰まっている/角栓が詰まっていない、血行が悪い/血行が良い、かゆみがある/かゆみがない、等、現在肌に表れている具体的な肌の状態とすることができる。
この場合、これら具体的な肌の状態を、ネットワークNWを介してユーザ端末2の出力手段22に複数種類提示し、これらの中からユーザ自身に普段肌に対して感じている状態を1又は2以上選択させることで、ユーザの肌情報を取得することができる。
またこの場合において、取得したユーザの肌情報は、そのままユーザの肌に関する分類として使用してもよく取得したユーザの肌情報を総合してユーザの肌に関する分類を特定してもよい。
取得したユーザの現在の肌情報をそのままユーザの現在の肌に関する分類とする場合、例えば、ユーザが現在肌の状態として「かさつく」を選択した場合、ユーザの現在の肌に関する分類として「かさつく肌」という肌に関する分類を、肌分類取得手段11が取得することができる。
取得したユーザの現在の肌情報を総合してユーザの肌に関する分類を特定する場合、例えば、ユーザが選択した肌の状態と、予め記憶手段12に記憶された大まかな肌に関する分類との対応関係を定義したデータベース(図示しない)を参照して、「かさつく」と「べたつく」が選択された場合に、ユーザの現在の肌に関する分類として「混合肌(乾燥肌と脂性肌の両方の性質を有する肌)」を肌分類取得手段11が取得することができる。
【0051】
また例えば、ユーザの肌情報は、乾燥肌、脂性肌、混合肌、敏感肌、ごわつき肌等、大まかな肌に関する分類を複数種類提示し、これらの中からユーザが自分の肌に最も近いと思う分類を1又は2以上選択することでも、取得することができる。この場合、ユーザが選択した大まかな肌に関する分類を、ユーザの肌に関する分類として肌分類取得手段11が取得することができる。
その他、ユーザの現在の肌情報は、スマートフォンやタブレット端末であるユーザ端末2で撮影したユーザの顔ないし顔の一部の写真のような肌写真を分析して、ユーザの肌情報を取得することができる。また、エステサロン等で測定した肌の測定データ(水分量、弾性等)を入力させることで、ユーザの肌情報を取得することができる。
【0052】
ユーザの肌に関する分類は、好ましくは、肌の水分量、肌の皮脂量、肌の敏感度、及び肌のごわつき度からなる群から選ばれる性質に基づく分類を含む。
肌の水分量に基づく肌に関する分類は、かさつく肌、しっとりした肌、部分的にかさつく肌、乾燥肌、混合肌等を好ましく例示することができる。
肌の皮脂量に基づく肌に関する分類は、べたつく肌、部分的にべたつく肌、かさつく肌、乾燥肌、脂性肌、敏感肌等を好ましく例示することができる。
肌の敏感度に基づく肌に関する分類は、ぴりぴりしやすい肌、荒れやすい肌、敏感肌を好ましく例示することができる。
肌のごわつき度に基づく肌に関する分類は、ごわごわした感触の肌、くすんだ肌、ごわつき肌等を好ましく例示することができる。
また、各分類について、多段階のスコアを入力又は選択させる態様としても良い。例えば肌の水分量について、「1(少ない)・2(普通)・3(多い)」等の段階的なスコアを表示し、何れのスコアが自身の肌に近いかを入力し、その結果を総合して、ユーザの肌に関する分類を取得しても良い。
【0053】
またユーザが将来的になりたい肌の情報及び肌に関する分類も、上記と同様に取得することができる。
この場合、ユーザが将来的になりたい肌情報は、例えばなめらかな肌、柔らかい肌、明るい肌、しっとりした肌等を例示することができる。
ユーザが将来的になりたい肌の情報は、例えばユーザ端末2の出力手段22に上記肌情報を複数表示し、ユーザに選択させることで、取得することができる。
【0054】
また、ユーザの肌に関する分類は、ユーザの現在の肌情報と、ユーザが将来的になりたい肌情報とから分類した、ユーザの肌の改善目標に関する分類であってもよい。
例えば、ユーザの現在の肌情報が「乾燥肌」であり、ユーザが将来的になりたい肌情報が「しっとりした肌」である場合、ユーザの肌の改善目標に関する分類は例えば「うるおいが必要な肌」等とすることができる。
【0055】
次に、ステップS2において、ユーザに適合する温泉分類を特定する。具体的には、ステップS1において取得したユーザの肌に関する分類を、予め記憶手段12に記憶された、肌に関する分類と該肌に関する分類に適した温泉分類の関係を定義したデータベース(温泉分類データベース121)に参照して、ユーザの肌に関する分類に適合する温泉分類を特定する。
【0056】
温泉分類は、温泉を、肌への影響によって分類したものである。例えば、肌に対してうるおいを与える温泉、肌の保湿力を高める温泉、余分な皮脂を除去する効果(以下、クレンジング効果という)がある温泉等、温泉を肌への影響によって分類したものであれば、具体的な分類内容は特に限定されないが、上記肌に関する分類に対して適合するように温泉を分類してあることが好ましい。
【0057】
好ましくは、温泉分類は、さらに温泉情報、温浴施設情報、及び温泉所在地情報からなる群から選ばれる1以上の情報を含む。
本発明によれば、温泉がユーザの肌に与える影響と、ユーザの嗜好を考慮して、温泉及びこれを含む旅行を提案することができる。
ここで、温泉情報には、当該温泉の泉質、当該温泉に含まれる成分、当該温泉の肌への影響を分類した際の実験結果等、温泉に関わる情報が含まれる。
また温浴施設情報には、施設名、当該施設が保有する温泉の温泉情報、源泉の情報等、当該温泉を有する温浴施設(宿泊の可否を問わない)に関わる情報が含まれる。
さらにまた、温泉所在地情報には、当該温泉が存在する都道府県名や温泉地名(例えば、草津温泉や道後温泉など)等、当該温泉が所在する地方に関わる情報が含まれる。
【0058】
好ましくは、温泉分類は、温泉の成分に基づく分類である。より好ましくは、温泉分類は、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分、メタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、硫酸イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸イオン、及びカリウムイオンから選ばれる1又は2以上の成分の含有量に基づく分類である。
【0059】
後述のとおり、本発明者らにより、下記A群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が少ない温泉は、クレンジング効果が高い温泉として分類することができることが明らかになった。
(A群)
カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分
【0060】
また、本発明者らにより、下記B1群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が多い温泉、及び/又は、下記B2群の成分の含有量が少ない温泉は、クレンジング効果が高い温泉として分類することができることが明らかになった。
(B1群)
メタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸
(B2群)
硫酸イオン
【0061】
また、本発明者らにより、下記C1群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が多い温泉、及び/又は、下記C2群の成分の含有量が少ない温泉は、肌の保湿力を高める効果が高い温泉として分類することができることが明らかになった。
(C1群)
カルシウムイオン、マンガンイオン
(C2群)
カリウムイオン
【0062】
上記の通り、所定の成分と温泉が肌に与える影響との間には関連性があるので、温泉に含まれる所定の成分の含有量に基づいて、予め温泉を分類しておくことができる。
【0063】
最後に、ステップS3において、ユーザに提案する温泉を特定する。具体的には、ステップS2において特定したユーザに適合する温泉分類に基づいて、ユーザに提案する1又は2以上の温泉を特定する。
ユーザに提案する温泉の特定は、例えば図5に示すような、温泉分類と、当該温泉分類に属する具体的な1又は2以上の温泉とを記憶したデータベースを参照して行うことができる。当該データベースは上記の通り、さらに温泉の所在地や温浴施設の情報と組み合わせて記憶されていてもよい。また当該データベースを参照して温泉を特定する場合には、当該データベースは、記憶手段12にあらかじめ記憶されている。
また、ネットワークNWを介して外部のホームページ等にアクセスし、ユーザの肌に関する分類に適合する温泉分類に属する具体的な温泉の情報を取得し、これに基づいてユーザに提案する温泉を特定してもよい。
【0064】
本実施形態では、以上の手順で、温泉を含む旅行を提案する。なお、本実施形態では、ユーザの肌に関する分類のみに基づいてユーザに提案する温泉を特定したが、例えば温泉の所在地、旅行を予定している季節、ユーザの趣味嗜好等により、ユーザに提案する温泉をさらに絞り込んでも良い。
【0065】
特定された、ユーザの肌に関する分類に適合する温泉は、ユーザ端末2の出力手段22に表示される。このとき、ユーザ端末2の出力手段22には、特定されたユーザの肌に関する分類に適合する温泉のみを提示してもよく、特定されたユーザの肌に関する分類に適合する温泉を含む、1又は2以上の旅行プランを提示しても良い。提示される旅行プランは、あらかじめ記憶手段12に記憶されていてもよく、ネットワークNWを介して外部のホームページ等から用事に取得されてもよい。
【0066】
本実施形態に係る発明では、ユーザの肌に関する分類に適合する温泉及びこれを含む旅行を提案することができる。
【0067】
<第2の実施形態>
図6を参照して、本発明に係る旅行の提案方法の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と共通する部分については、適宜説明を省略する。
【0068】
まず、ステップS11において、ユーザの肌に関する分類を取得する。この時、取得するユーザの肌に関する分類は、ユーザの現在の肌情報及び、ユーザが希望する肌情報に基づく、ユーザの肌の改善目標に関する分類である。具体的なユーザの肌に関する分類の取得方法及び好ましい形態は、第1の実施形態と同様である。
【0069】
次に、ステップS21において、ステップS11で特定したユーザの肌の改善目標に関する分類に適合する温泉を特定する。
ステップS21における、ユーザの肌の改善目標に関する分類に適合する温泉は、第1の実施形態のステップS2と同様にして特定することができる。なおこの場合、温泉分類データベース121には、ユーザの肌の改善目標に関する分類と、該肌の改善目標に関する分類に適した温泉分類の関係が定義されている。
最後に、ステップS3において、第1の実施形態と同様にして、ユーザに提案する温泉を特定する。
【0070】
特定された、ユーザの肌の改善目標に関する分類に適合する温泉は、ユーザ端末2の出力手段22に表示される。このとき、ユーザ端末2の出力手段22には、特定されたユーザの肌の改善目標に関する分類に適合する温泉のみを提示してもよく、特定されたユーザの肌の改善目標に関する分類に適合する温泉を含む、1又は2以上の旅行プランを提示しても良い。
【0071】
本実施形態に係る発明によれば、ユーザの肌に関する現在の分類のみならず、ユーザの希望する肌に関する分類をも加味して提案する温泉を特定するので、よりユーザの希望に沿った温泉を特定することができる。
【0072】
<第3の実施形態>
図7~9を参照して、本発明に係る旅行の提案方法及び提案システムの第3の実施形態を説明する。第1の実施形態及び第2の実施形態と共通する部分については、適宜説明を省略する。
【0073】
図7に示す通り、本実施形態においては、第1の実施形態において説明した構成に加えて、サーバ装置1は、ユーザの体調分類を取得する体調分類取得手段15を備える。また記憶手段12には、入浴方法データベース122が記憶されている。
体調分類取得手段15は、ユーザの体調情報を取得し、ユーザの体調分類を取得する。
入浴方法データベース122は、図8に一例を示す通り、体調分類と、該体調分類に適した入浴方法との関係を定義したデータベースである。
【0074】
図9を参照して、本実施形態に係る旅行の提案方法を説明する。
まず、ステップS1~S3において、第1の実施形態と同様にして、ユーザへ提案する温泉を特定する。ステップS1~S3の具体的な実行方法及び好ましい形態は、上記と同様である。
【0075】
次に、ステップS4で、ユーザの体調情報に基づき、ユーザの体調分類を取得する。
本発明においてユーザの体調情報は、身体的な情報と精神的な情報の何れも含む。また、ユーザの体調情報は、一時的なユーザの体調(例えば、疲れている、睡眠不足気味である、ストレスを感じている、等)と、慢性的なユーザの体調(例えば、持病、肩こり、体形等)の何れも含む。また、上記肌情報も、体調情報に含めても良い。
ユーザの体調情報の取得及び体調分類の特定方法は、第1の実施形態におけるユーザの肌情報の取得及び肌に関する分類の特定と同様の方法を適宜選択して採用することができる。
【0076】
最後に、ステップS5において、ユーザに適合する1又は2以上の入浴方法を特定する。
ここで、ユーザに適合する入浴方法とは、ステップS4で取得したユーザの体調分類を改善し、又は悪化の抑制をする入浴方法である。
また、入浴方法には、入浴する温泉の温度、入浴する時間、浴槽内でのユーザの位置及びその移動等、入浴に関する種々の情報が含まれる。また、温泉単独での入浴方法の他、シャワーやサウナ、水風呂等の温泉以外の設備との併用方法も、入浴方法に含まれる。
ユーザに適合する入浴方法の特定は、例えば図8に示すような、体調分類と、該体調分類に適合する具体的な1又は2以上の入浴方法とを記憶したデータベースを参照して行う。
【0077】
特定された、ユーザに適合する温泉及び入浴方法は、ユーザ端末2の出力手段22に表示される。このとき、ユーザ端末2の出力手段22には、特定されたユーザに適合する温泉及びその入浴方法のみを提示してもよく、特定されたユーザに適合する温泉及び入浴方法を含む、1又は2以上の旅行プランを提示しても良い。提示される旅行プランは、あらかじめ記憶手段12に記憶されていてもよく、ネットワークNWを介して外部のホームページ等から用事に取得されてもよい。
【0078】
本実施形態に係る発明では、ユーザの肌に関する分類に適合する温泉を提案するとともに、ユーザの体調分類(肌に関する分類を含む)に適合する入浴方法も提案することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、ユーザへ提案する温泉を特定した後に、ユーザに適合する入浴方法を特定したが、各ステップS1~S5の順番は、本発明の効果を奏する限り、適宜変更することができる。
また、第2の実施形態のように、ユーザの肌の改善目標に関する分類を取得し、当該肌の改善目標に関する分類に適合する温泉を特定・提案する工程を含んでいても良い。
【0080】
<第4の実施形態>
図10~13を参照して、本発明に係る旅行の提案方法及び提案システムの第4の実施形態を説明する。第1~第3の実施形態と共通する部分については、適宜説明を省略する。
【0081】
図10に示す通り、本実施形態においては、本実施形態においては、第1の実施形態において説明した構成に加えて、サーバ装置1の記憶手段12には、さらに追加体験データベース123が記憶されている。また、第3の実施形態と同様に、体調分類取得手段15を備えている。本実施形態において、記憶部12に入浴方法データベース122が格納されていることは必須ではないが、第3の実施形態と同様に、入浴方法データベース122を備えていることが好ましい。またその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
追加体験データベース123は、図11及び図12に示す通り、肌に関する分類又は体調分類と、当該肌に関する分類又は体調分類に適した追加体験との関係を定義したデータベースである。これらのデータベースは、肌に関する分類と体調分類とで異なるデータベースとして記憶手段12に格納されていてもよく、一つのデータベースとして記憶手段12に格納されていてもよい。
【0082】
図13を参照して、本実施形態に係る旅行の提案方法を説明する。
まず、ステップS1~S3において、第1の実施形態と同様にして、ユーザへ提案する温泉を特定する。またステップS4において、第3の実施形態と同様にして、ユーザの体調分類を取得する。
ステップS5の実行は、本実施形態においては必須ではないが、ステップS5においてユーザに適合する入浴方法を特定することが好ましい。ステップS1~S5の具体的な実行方法及び好ましい形態は、上記と同様である。
【0083】
最後に、ステップS6で、ステップS1で取得したユーザの肌に関する分類及び/又はステップS4で取得したユーザの体調情報に基づき、ユーザに適合する1又は2以上の追加体験を特定する。
本発明において追加体験は、温泉以外の、ユーザの心身に影響を与えうる体験であれば、特に制限なく設定することができるが、好ましくは、追加体験は、食事、睡眠、美容及び知識習得から選ばれる。
【0084】
追加体験は、ユーザの肌状態及び/又は体調を増進し、維持し、又は悪化を抑制するものであればよい。また、追加体験は、体験であっても、物であってもよい。
例えば追加体験が食事である場合、ステップS6で特定する追加体験は、肌に関する分類及び/又は体調分類に適合する具体的な1又は2以上の献立でもよく、肌に関する分類及び/又は体調分類に適合するある特定の食材でもよい。また、ステップS3で特定した温泉を有する温浴施設の周辺に存在する飲食店であって、特定された追加体験に適合する食事内容(食材を含む)を提供可能な飲食店を特定してもよい。なお、追加体験としての食事は、これらに限定されない。
【0085】
追加体験が睡眠である場合、ステップS6で特定する追加体験は、肌に関する分類及び/又は体調分類に適合する具体的な睡眠時間、睡眠環境(部屋の暗さ、室温、湿度、香り等)、又は寝具の種類(寝具の高さや柔らかさ、寝具の品質、布団での就寝かベッドでの就寝か等)を例示することができるが、これらに限定されない。
追加体験が美容である場合、ステップS6で特定する追加体験は、肌に関する分類及び/又は体調分類に適合するエステ、マッサージ、化粧品のサンプル類(アメニティを含む)等を例示することができるが、これらに限定されない。
追加体験が知識習得である場合、ステップS6で特定する追加体験は、肌に関する分類及び/又は体調分類に適合する美容方法やマッサージ方法、健康増進方法の知識の教授又はこれらが記載(記録)された資料(記録媒体)の配布を例示することができるが、これらに限定されない。
【0086】
また、ある1の具体的な追加体験は、複数のカテゴリに含まれうる。例えばマッサージの場合、体験としてのマッサージは、美容の追加体験として特定される一方、セルフマッサージの方法及びコツが記載された資料の配布は、知識習得の追加体験として特定される。
【0087】
また、第2の実施形態のように、ユーザの肌の改善目標に関する分類を取得し、当該ユーザの肌の改善目標に関する分類に適合する温泉を特定するステップを含んでいても良い。
【0088】
特定された、ユーザの肌に関する分類に適合する温泉及びユーザの肌に関する分類及び/又は体調分類に適合する追加体験は、ユーザ端末2の出力手段22に表示される。ユーザに適合する入浴方法が特定されている場合は、入浴手段もあわせて表示される。
このとき、ユーザ端末2の出力手段22には、特定されたユーザの肌に関する分類に適合する温泉と、特定されたユーザの肌に関する分類及び/又は体調分類に適合する追加体験(ユーザに適合する入浴手段を特定した場合には、さらに入浴手段)のみを提示してもよく、特定されたユーザの肌に関する分類に適合する温泉と、特定されたユーザの肌に関する分類及び/又は体調分類に適合する追加体験(ユーザに適合する入浴手段を特定した場合には、さらに入浴手段)を含む、1又は2以上の旅行プランを提示しても良い。提示される旅行プランは、あらかじめ記憶手段12に記憶されていてもよく、ネットワークNWを介して外部のホームページ等から用事に取得されてもよい。
【0089】
本実施形態に係る発明によれば、肌に関する分類及び/又は体調分類に基づいて、ユーザ個人に対してより適合する、温泉を含む旅行を提案することができる。
【0090】
なお、本実施形態では、まずユーザへ提案する温泉を特定し、次にユーザに適合する入浴方法を特定し、最後にユーザに適合する追加体験を特定したが、各ステップS1~S6の順番は、本発明の効果を奏する限り、適宜変更することができる。
【0091】
以上、具体的な実施形態を参照して、本発明に係る旅行の提案方法を具体的に説明してきたが、本発明に係る旅行の提案方法は、適宜その他のステップを含んでいても良い。また旅行提案システムも、適宜その他の処理手段を含んでいてもよい。
【0092】
2.温泉の評価方法
本発明に係る温泉の評価方法は、温泉の成分を分析する成分分析工程と、前記成分分析工程の結果に基づいて、前記温泉に入浴した場合の肌への影響を評価する評価工程と、を含む。
本発明によれば、今まで経験的にしか知られていなかった温泉の肌への影響を、科学的に評価することができる。
【0093】
温泉の成分を分析する方法は、特に制限されず、適宜公知の方法を使用することができる。
後述する実施例にて、温泉の成分を分析する方法を詳述する。
【0094】
本発明において「肌への影響」とは、入浴時に温泉が肌に与える影響を意味し、良い影響も悪い影響も含む。
評価軸としては、例えば「肌の保水力を高める温泉」、「余分な皮脂を除去する(クレンジング効果を有する)温泉」、等を例示することができるが、これらに限定されない。
【0095】
本発明の好ましい形態では、評価工程における評価は、温泉に含まれる所定の成分の含有量と、該温泉に入浴した場合の肌への影響を評価済みの温泉を基準とする相対評価である。
本発明のより好ましい形態では、温泉に含まれる所定の成分は、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分メタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、硫酸イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸イオン、及びカリウムイオンから選ばれる1又は2以上の成分である。
本発明者らにより、上記成分は、温泉が肌に与える影響と関係があること、より具体的には、温泉の、肌の保湿力を高める効果、及び/又はクレンジング効果に相関があることが明らかになった。
よって上記から選ばれる1又は2以上の成分の含有量に基づいて、温泉に入浴した場合の肌への影響を評価することにより、今までは経験的にしか知られていなかった温泉の効果(肌がうるおう・すべすべになる効果や、さっぱりする効果)を、科学的に評価することができる。
【0096】
本発明の好ましい形態では、下記A群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が少ないほど、クレンジング効果が高い温泉であると評価する。
(A群)
カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分
【0097】
本発明者らにより、上記A群から選ばれる1又は2以上の成分の、温泉中の含有量が少ない場合、温泉に入浴した後に、肌の角層がはがれやすくなることが明らかになった。そして、角層がはがれやすいことは、余分な角層を除去して、肌のごわつきを解消し、肌をなめらかにするといえるから、そのような観点で、評価対象の温泉はクレンジング効果が高いと評価できる。
よって本発明によれば、評価対象の温泉が、肌のごわつきを解消し、肌をなめらかにする観点でクレンジング効果が高い温泉であることを、経験によらず評価することができる。
【0098】
本発明の好ましい形態では、下記B1群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が多いほど、及び/又は、下記B2群の成分の含有量が少ないほど、クレンジング効果が高い温泉であると評価する。
(B1群)
メタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸
(B2群)
硫酸イオン
【0099】
本発明者らにより、上記B1群から選ばれる1又は2以上の成分の、温泉中の含有量が多い場合、及び/又は、温泉に含まれる上記B2群の成分の、温泉中の含有量が少ない場合、温泉に入浴した後に皮脂が除去されやすいことが明らかになった。そして、皮脂が除去されやすいことは、余分な皮脂を除去して肌のべたつきを解消し、てかりやべたつきがない、又は少ない肌にすることができるといえるから、そのような観点で、評価対象の温泉はクレンジング効果が高いと評価できる。
よって本発明によれば、評価対象の温泉が、肌のべたつきを解消し、てかりやべたつきがない、又は少ない肌にする観点でクレンジング効果が高い温泉であることを、経験によらず評価することができる。
【0100】
本発明の好ましい形態では、下記C1群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が多いほど、及び/又は、下記C2群の成分の含有量が少ないほど、肌の保湿力を高める効果が高い温泉であると評価する。
(C1群)
カルシウムイオン、マンガンイオン
(C2群)
カリウムイオン
【0101】
本発明者らにより、上記C1群から選ばれる1又は2以上の成分の、温泉中の含有量が多い場合、及び/又は、上記C2群の成分の含有量が少ない場合、温泉に入浴した後にはがれる肌の角質層の量が適度に調整されていること(すなわち、余分な角質層のみが除去されていること)が明らかになった。そして、角質層は、肌の保湿性に関連していることから、入浴した後にはがれる肌の角質層の量が適度に調整されていること(余分な角質層のみが除去されていること)は、肌の保湿力を向上させる観点で、評価対象の温泉は、肌の保湿力を高める効果が高いと評価できる。
よって本発明によれば、評価対象の温泉が、肌の保湿力を向上させる観点で、評価対象の温泉は、肌の保湿力を高める効果が高い温泉であることを、経験によらず評価することができる。
【0102】
本発明の温泉の評価方法は、その他適宜公知の工程を含むことができる。
【0103】
3.温泉の分析方法
本発明に係る第1の温泉の分析方法は、被験者の肌に、精製水及び分析対象の温泉を接触させる接触工程と、前記精製水に接触させた肌の部分と、前記温泉に接触させた肌の部分から角層細胞をそれぞれ採取する採取工程と、前記精製水に接触させた部分から採取した角層細胞の量と、前記温泉に接触させた部分から採取した角層細胞の量とを比較する角層細胞量比較工程と、前記角層細胞量比較工程の結果に基づいて温泉の肌への影響を分析する分析工程と、を含む。
本発明によれば、温泉の肌への影響、特に、温泉のクレンジング効果と肌の保湿力を高める効果について、分析することができる。
【0104】
接触工程において、被験者の肌に、精製水及び分析対象の温泉を接触させる方法は、被験者の肌に精製水及び分析対象の温泉を接触させた状態を一定時間維持することができれば、特に限定されない。
例えば、被験者の手又は足を、手湯や足湯のようにして、十分な量の精製水及び分析対象の温泉に浸漬させてもよい。また、精製水又は分析対象の温泉をしみ込ませた布(ガーゼを含む)又はろ紙を被験者の手又は足に一定時間張り付けてもよい。簡便性の観点から、精製水又は分析対象の温泉をしみ込ませたろ紙を、被験者の手又は足に一定時間張り付けることが好ましい。
また精製水及び分析対象の温泉は、実際の入浴環境に近づけるため、少なくとも肌への接触開始時においては、温泉の温度(40~43℃)に温めておくことが好ましい。
また接触時間は10分程度でよい。さらにまた、肌と精製水又は温泉の接触状態は、所定の時間連続して接触させ続けてもよく、一定時間経過後に布やろ紙を一旦除去し、新たな布やろ紙に交換することを繰り返すことで、所定の時間接触させてもよい。
【0105】
採取工程における角層細胞の採取方法は特に限定されないが、簡便性の観点から、テープストリッピング法により採取することが好ましい。
【0106】
角層細胞量比較工程では、採取された角層細胞の量を比較することができれば、染色方法、観察方法は特に制限されない。
また角層細胞の量は、顕微鏡観察により目視で比較してもよく、常法に従って数学的な方法で処理して比較してもよい。
例えば角層細胞の量を、顕微鏡観察により目視で比較する場合、評価軸としては、精製水と接触させた部位から採取された角層細胞の量と比較して、温泉と接触させた部位から採取された角層細胞の量が、(1)顕著に多い、(2)多い、(3)やや多い、又は(4)同程度である、のように、段階的に角層細胞の量を評価することができる。
【0107】
分析工程では、角層細胞量比較工程の結果に基づいて、温泉の肌への影響を分析する。
例えば、「精製水と接触させた部位から採取された角層細胞の量と比較して、温泉と接触させた部位から採取された角層細胞の量が顕著に多い、又は多い」場合、温泉に入浴した後に、角層がはがれやすくなっていることを示している。そして、角層がはがれやすいことは、余分な角層を除去して、肌のごわつきを解消し、肌をなめらかにすることに繋がると言えることから、そのような観点で、評価対象の温泉はクレンジング効果が高いといえる。
換言すれば、「精製水と接触させた部位から採取された角層細胞の量と比較して、温泉と接触させた部位から採取された角層細胞の量が顕著に多い、又は多い」温泉は、クレンジング効果が高い温泉である、という分析ができる。
【0108】
また例えば、「精製水と接触させた部位から採取された角層細胞の量と比較して、温泉と接触させた部位から採取された角層細胞の量がやや多い」場合、温泉に入浴した後にはがれる肌の角質層の量が適度に調整されていること(すなわち、余分な角質層のみが除去されていること)を示している。そして、角質層は、肌の保湿性に関連していることから、入浴した後にはがれる肌の角質層の量が適度に調整されていること(余分な角質層のみが除去されていること)は、肌の保湿力を向上させることに繋がると言えるから、そのような観点で、評価対象の温泉は、肌の保湿力を高める効果が高いといえる。
換言すれば、「精製水と接触させた部位から採取された角層細胞の量と比較して、温泉と接触させた部位から採取された角層細胞の量がやや多い」温泉は、肌の保湿力を高める効果が高い温泉である、という分析ができる。
【0109】
本発明によれば、温泉の肌への影響を、経験によらず分析することができる。
【0110】
また第1の温泉分析方法においては、角層細胞量比較工程に代えて、又は角層細胞量比較工程とともに、角層細胞形状比較工程を行ってもよい。
角層細胞形状比較工程は、精製水に接触させた部分から採取した角層細胞の形状と、温泉に接触させた部分から採取した角層細胞の形状とを比較する工程である。
なお角層細胞の形状は、顕微鏡観察により目視で比較してもよく、常法に従って数学的な方法で処理して比較してもよい
例えば角層細胞の形状を、顕微鏡観察により目視で比較する場合、評価軸としては、精製水と接触させた部位から採取された角層細胞の形状と比較して、温泉と接触させた部位から採取された角層細胞の形状の均一性が、(1)高い、(2)精製水と接触させた部位から採取された角層細胞と同程度である、又は(3)低い、のように、段階的に角層細胞の形状の均一性を評価することができる。
別の評価軸としては、精製水と接触させた部位から採取された角層細胞の形状と比較して、温泉と接触させた部位から採取された角層細胞の大きさが、(1)大きくなっている、又は(2)同程度である(変化がない)のように評価してもよい。さらにまた、形状の均一性及び大きさの両方を評価してもよい。
【0111】
角層細胞形状比較工程を行う場合、分析工程では、角層細胞形状比較工程の結果に基づいて、温泉の肌への影響を分析する。
具体的には、「精製水と接触させた部位から採取された角層細胞の形状と比較して、温泉と接触させた部位から採取された角層細胞の形状が、均一性が高い、及び/又は大きさが大きい」場合、温泉に入浴した後に、角層の形状の均一性及び/又は大きさが向上し、肌のバリア機能が発揮されやすくなったことを示している。肌のバリア機能が向上することは、外的刺激から肌を保護することに繋がるといえるから、そのような観点で、評価対象の温泉は、肌の保護力を向上させる効果が高い温泉である、という分析ができる。
【0112】
また本発明の第2の温泉の分析方法は、人工皮脂を含ませたろ紙を温泉又は精製水に浸漬させる浸漬工程と、前記温泉に浸漬させたろ紙における人工皮脂の色と、前記精製水に浸漬させたろ紙における人工皮脂の色とを比較する皮脂色比較工程と、前記皮脂色比較工程の結果に基づいて温泉の肌への影響を分析する分析工程と、を含む。
本発明によれば、温泉が肌に与える影響、特に温泉のクレンジング効果について、分析することができる。
【0113】
本分析方法で使用する人工皮脂は、適宜公知の方法で調製してもよく、また市販されているものを使用しても良い。
人工皮脂の調製方法は、実施例において詳述する。
【0114】
浸漬工程において、精製水及び温泉は、実際の入浴環境に近づけるため、少なくとも人工皮脂を含ませたろ紙の浸漬開始時において、温泉の温度(40~43℃)に温めておくことが好ましい。精製水及び温泉の温度は、ろ紙の浸漬時間全体に渡って、温泉の温度(40~43℃)に保つことがより好ましい。
また浸漬時間は適宜設定することができるが、例えば15時間以上浸漬することができる。
また好ましくは、浸漬工程後、皮脂色比較工程に移る前に、ろ紙を風乾させる。
【0115】
皮脂色比較工程では、浸漬工程を経たろ紙において、人工皮脂を染色した後のろ紙の色を比較することができれば、染色方法、観察方法は特に制限されない。
また皮脂色は、目視で比較してもよく、常法に従って数学的な方法で処理して比較してもよい。
例えば皮脂を染色した後のろ紙の色を目視で比較する場合、評価軸としては、精製水に浸漬させた人工皮脂を染色した後のろ紙の色(赤み)と比較して、温泉に浸漬させた人工皮脂を染色した後のろ紙の色(赤み)が(1)薄い又は(2)同程度であるのように、段階的に浸漬工程後の人工皮脂を含ませたろ紙の色を比較することができる。
【0116】
分析工程では、皮脂色比較工程の結果に基づいて、温泉の肌への影響を分析する。
例えば、「精製水に浸漬させた人工皮脂を染色した後のろ紙の色(赤み)と比較して、温泉に浸漬させた人工皮脂を染色した後のろ紙の色(赤み)が薄い」場合、温泉に入浴した後は、精製水(すなわち、家庭の風呂)に入浴した時よりも皮脂が除去されることを示している。そして、(人工)皮脂が除去されることは、肌のべたつきを解消し、てかりやべたつきがない、又は少ない肌にすることに繋がると言えるので、そのような観点で、評価対象の温泉はクレンジング効果が高いといえる。
換言すれば、「精製水に浸漬させた人工皮脂を染色した後のろ紙の色(赤み)と比較して、温泉に浸漬させた人工皮脂を染色した後のろ紙の色(赤み)が薄い」温泉は、クレンジング効果が高い温泉である、という分析ができる。
【0117】
また、第1の温泉の分析方法と、第2の温泉の分析方法を組み合わせて、温泉を評価してもよい。
本形態によれば、温泉をより詳細に分析し、分類することができる。
【0118】
上記第1の温泉の分析方法であれば、分析対象の温泉を、クレンジング効果の有無及び/又は高低(角層のはがれの観点)、肌の保湿力を高める効果の有無及び/又は高低、若しくは、肌の保護力を高める効果の有無及び/又は高低で、分析し分類することができる。
また上記第2の温泉の分析方法であれば、分析対象の温泉を、クレンジング効果の有無及び/又は高低(皮脂の除去力の観点)で分析し分類することができる。
よって、上記第1の分析方法と、第2の分析方法とを組み合わせることで、評価対象の温泉を以下のように分析し分類することができる。
(分類1)角層をはがれやすくすることによるクレンジング効果がある(又は高い)温泉
(分類2)肌の保湿力を高める効果がある(又は高い)温泉
(分類3)肌の保護力を高める効果がある(又は高い)温泉
(分類4)皮脂を除去することによるクレンジング効果がある(又は高い)温泉
(分類5)角層をはがれやすくし、かつ皮脂を除去することによるクレンジング効果がある(又は高い)温泉
(分類6)肌の保湿力を高める効果、及び、皮脂を除去することによるクレンジング効果がある(又は高い)温泉
(分類7)肌の保護力を高める効果、及び、皮脂を除去することによるクレンジング効果がある(又は高い)温泉
(分類8)肌の保湿力を高める効果、及び、肌の保護力を高める効果がある(又は高い)温泉
(分類9)角層をはがれやすくすることによるクレンジング効果、及び、肌の保護力を高める効果がある(又は高い)温泉
(分類10)肌の保湿力を高める効果、肌の保護力を高める効果、及び、皮脂を除去することによるクレンジング効果がある(又は高い)温泉
【0119】
また、上記各分類において、それぞれの評価観点について、効果の顕著性を評価してもよい。
例えば、上記第1の温泉の分析方法の結果に基づいて、角層をはがれやすくすることによるクレンジング効果が顕著に高い、又は他の温泉と比べて相対的に低い、等と評価してもよい。
【0120】
また本発明に係る分析方法は、上記した工程以外にも、適宜公知の工程を含むことができる。
【0121】
4.温泉を含む化粧料の設計方法
本発明に係る温泉を含む化粧料の設計方法は、温泉の分類に基づいて、当該温泉と混合する化粧料基剤の組成を設計する工程を含む。
本発明によれば、温泉の特長を生かした、温泉を含む化粧料を設計することができる。
なお本発明において「化粧料基剤」とは、市販されている化粧料原料を構成成分として含む混合物であって、当該化粧料基剤と温泉とを混合することにより、温泉を含む化粧料を調製することができる混合物をいう。換言すれば、化粧料基剤は、それ自体は化粧料ではない。
また化粧料原料としては、通常化粧料に通常使用され得る成分であれば、特に制限されない。
【0122】
温泉を分類する方法は、特に制限されないが、上記「2.」で述べた温泉の評価方法、又は、上記「3.」で述べた温泉の分析方法による分類であることが好ましい。
【0123】
本発明の好ましい形態では、温泉の分類は、当該温泉に含まれる成分に基づいた分類である。
上記「2.」で述べた通り、温泉に含まれる成分やその含有量によって、当該温泉が肌に与える影響は異なる。また化粧料基剤の組成によっては、温泉に含まれる成分に起因する肌への影響を低減する可能性がある。
そこで、温泉に含まれる成分に基づいた温泉の分類に従って、化粧料基剤の組成を設計することにより、当該温泉の効果を増進させる化粧料基剤を設計することができる。
【0124】
例えば、化粧料に利用する温泉が、下記A群から選ばれる1又は2以上の成分の含有量が少ないために、クレンジング効果が高い温泉であると評価された場合、例えば、化粧料基剤は、クレンジング効果がある成分を含むように設計することができる。また例えば、クレンジング効果が発揮されるよう、下記A群に属する成分と塩を形成しない成分を、化粧料基剤に含むように設計することができる。
(A群)
カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分
【0125】
なお、上記ではA群を例示したが、B1群、B2群及びC群についても、同様の思想で化粧料基剤を設計することができることは、言うまでもない。
【0126】
本発明の別の好ましい形態では、温泉が肌に及ぼす影響を増進させる成分を含むように、化粧料基剤の組成を設計する。
上記「2.」や「3.」で述べた通り、温泉は、含有する成分やその含有量、肌に与える影響から、多面的に分類することができ、それぞれに特長がある。
そこで、温泉が肌に及ぼす影響を増進させる成分を含むように、化粧料基剤を設計することにより、温泉の特長を生かした化粧料を設計することができる。
【0127】
例えば、化粧料に利用する温泉が、上記第1の温泉の分析方法により、「肌の保湿力を高める効果が高い温泉」であると分析された場合、化粧料基剤を、保湿成分や、保湿成分を肌に浸透しやすくする成分を含むように設計することができる。
なお、温泉の成分に基づいた場合や、第1の温泉の分析方法及び第2の分析方法で他の観点で温泉が評価された場合でも、同様の思想で化粧料基剤を設計することができることは、言うまでもない。
【0128】
化粧料基剤に含まれる各化粧料原料の含有量は、当該化粧料基剤と温泉を混合することによって得られる化粧料全体に占める、各化粧料原料の含有割合から逆算して、化粧料基剤に占める各成分の含有量を決定することができる。
また、混合する温泉の特長を生かす化粧料原料の含有量を相対的に多く、温泉の特長に影響を与えない化粧料原料の含有量を相対的に少なくするなど、混合する温泉の特長の観点からも、化粧料基剤に含まれる各化粧料原料の含有量を決定することができる。
【0129】
5.温泉を含む化粧料の調製キット、温泉を含む化粧料の調製方法、温泉を含む化粧料の提供方法
本発明に係る、温泉を含む化粧料の調製キットは、包装容器に化粧料基剤が封入されており、当該化粧料基剤の組成は、温泉の分類に基づいて決定された組成である。
本発明によれば、温泉の特長を生かした化粧料を調製することができる。
【0130】
包装容器に封入される化粧料基剤の組成は特に制限されないが、上記「4.」で述べた方法で設計した組成であることが好ましい。その他の好ましい形態も、上記「4.」で述べた事項を適用することができる。
【0131】
本発明で使用する包装容器の種類は特に制限されないが、温泉の混合のしやすさの観点から、ボトルタイプの容器を採用することが好ましい。
【0132】
本発明の好ましい形態では、包装容器は、混合すべき温泉の量を示す表示を有する。
本発明によれば、温泉の特長を生かした化粧料を容易に調整することができる。
混合すべき温泉の量を示す表示は、「温泉を20mL入れる」のように、混合すべき温泉の量の絶対値を表示するものでもよく、「この線まで温泉を入れる」のように、包装容器に入れるべき温泉の量の目安を表示するものでもよい。ユーザの利便性の観点から、混合すべき温泉の量を示す表示は、包装容器に入れるべき温泉の量の目安を表示するものであることが好ましい。
【0133】
本発明の好ましい形態では、包装容器は、化粧料の調製キットを用いた化粧料の調製方法を表す表示を有する。
本発明によれば、温泉の特長を生かした化粧料を容易に調製することができる。
【0134】
化粧料の調製キットを用いた化粧料の調製方法を表す表示は、少なくとも、混合すべき温泉の量と、混合方法を含む。
混合すべき温泉の量は、上記した事項を適用することができる。
混合方法とは、化粧料基剤と温泉の混合方法であり、例えば「よく振って混ぜる」、「2~3回振って混ぜる」、「上下に静かにひっくり返して混ぜる」等の表示を挙げることができる。
【0135】
また包装容器は、使用期限等の注意事項を表す表示や、化粧料基剤の組成を表す表示など、上記以外の表示を有していてもよい。
【0136】
上記表示は、包装容器に直接印刷されていてもよく、上記表示が印刷されたラベルを包装容器に貼付してもよい。包装容器の製造効率の観点から、上記表示が印刷されたラベルを包装容器に貼付することが好ましい。
【0137】
上記表示内容は、温泉分類に基づいて決定されてもよい。温泉分類が、温泉に含まれる成分に基づく場合には、当該成分に基づく分類に従って、表示内容が決定されることが好ましい。また、混合すべき温泉が肌に与える影響を記載してもよい。
また温泉分類が、温泉情報、温浴施設情報、及び温泉所在地情報からなる群から選ばれる1以上の情報を含む場合には、上記表示は、当該温泉情報、温浴施設情報、温泉所在地情報を含んでいてもよい。この場合、温泉情報等に基づいて、上記表示内容を決定することができる。
【0138】
化粧料調製キットは、通常の化粧料の製造方法に従って製造することができる。すなわち、あらかじめ設計された化粧料基剤の組成に従って化粧料原料を混合し、各包装容器に所定量の化粧料原料を封入し、必要に応じて殺菌等をすることにより製造することができる。
【0139】
また本発明は、上記化粧料調製キットを用いた、温泉を含む化粧料の調製方法にも関する。
すなわち、本発明は、上記化粧料調製キットに、当該化粧料調製キットに適した温泉を混合することを含む、温泉を含む化粧料の調製方法である。
本発明によれば、温泉の特長を生かした化粧料を調製することができる。
【0140】
さらにまた本発明は、上記化粧料調製キットの提供方法にも関する。
すなわち本発明は、上記化粧料調製キットを、当該化粧料調製キットに適した温泉を有する温浴施設に設置することを含む、温泉を含む化粧料調製キットの提供方法である。
本発明によれば、単に温泉に入浴するという体験のみならず、ユーザの肌に適合する、温泉の特長を生かした化粧料を、ユーザ自ら調製する(DIYする)ことができるという新たな体験をユーザに提供することができる。
【0141】
本発明において、「化粧料調製キットを温浴施設に設置する」とは、ユーザが当該温浴施設内で、当該化粧料調製キットを入手することができる状態にすることをいう。すなわち、設置形態としては、宿泊する部屋や、温浴施設内の温泉又は脱衣所にアメニティとして設置しておいてもよく、温浴施設内で購入可能に設置しておいてもよい。また、温浴施設の従業員が、ユーザの依頼に従って化粧料調製キットを提供する形態も含まれる。
ユーザは、あらかじめ決定した自分の肌に適合する温泉の特長に従って、温浴施設に設置された化粧料調製キットを入手する。その後ユーザは、入手した化粧料調製キットと、温泉を用いて、温泉を含む化粧料を調製することができる。
【0142】
また本発明の別の形態では、温泉を含む化粧料調製キットの提供方法は、温泉を有しない施設に、温泉と、当該温泉に適した化粧料調製キットを設置することを含む。
例えば都市部のビジネスホテル等の、温泉を有しない施設に、所望の量の温泉と、当該温泉に適した化粧料調製キットを設置することで、都市部にいながら肌に良い影響を与える温泉を利用する体験と、当該温泉に適した化粧料をDIYして利用する体験の両方を提供することができる。
なお温泉を有しない施設に運ばれる温泉の量は特に制限されず、足湯ができ、かつ化粧料のDIYができる程度の、比較的少量の温泉を運んでもよく、入浴可能な量の比較的多量の温泉を運んでもよい。
本形態の場合、化粧料調製キットが有する表示は、温泉情報、温浴施設情報、及び温泉所在地情報からなる群から選ばれる1以上の情報を含んでいることが好ましい。当該情報を含むことにより、化粧料調製キットの表示内容や当該キットの配送先、運び込んだ温泉の入手先等を表示することができるため、ユーザが自身の肌に適合する温泉を利用した化粧料調製キットを提供している施設を選択することができる。
【0143】
本発明で使用する、温泉を含む化粧料の調製キットは、これまで述べた事項に従って設計・調製することができる。
【実施例0144】
<試験例1>温泉が角層に及ぼす影響の検証
本試験例では、温泉が肌、特に角層のはがれ具合に及ぼす影響を検証した。
【0145】
(1-1)試験方法
計14か所の異なる宿泊施設から、温泉(浴槽に溜められた湯)サンプルを採取し、採取した14種類のサンプルについて、以下の通り、肌との接触後における角層のはがれ具合について試験した。
(1)温泉サンプルまたは精製水を50mL入れたシャーレを、各水温が41℃になるように恒温器に静置した。
(2)水温が41℃になった温泉サンプルまたは精製水に、21mmろ紙(No.5B)を2枚ずつ浸漬させて、再度水温が41℃になるように恒温器に静置した。
(3)被験者の前腕外側に、温泉接触部位及び精製水接触部位を設定し、上記(2)で温泉サンプルまたは精製水に浸漬させたろ紙をそれぞれの部位に置き、温泉又は精製水と肌が接触している状態を10分間保った。1枚目のろ紙の肌との接触時間を5分とし、5分経過後に2枚目のろ紙と交換し、2枚目のろ紙も肌と5分間接触させることにより、温泉又は精製水と肌が接触している状態を10分間保った。
(4)10分経過後、2枚目のろ紙を除去し、肌に水滴が残っている場合は、キムワイプで水滴を取り除いた。
(5)テープストリッピング法により、温泉接触部位及び精製水接触部位からそれぞれ角層細胞を採取した。
(6)採取した角層細胞を、染色できるように加工した別のテープに転写した。
(7)染色剤としてゲンチアナバイオレットとブリリアントグリーンを用いて、常法に従い、採取した角層細胞を染色して顕微鏡にて観察した。
【0146】
(1-2)結果
採取した角層細胞の量が顕著に多い場合の顕微鏡写真の代表を図14に、採取した角層細胞の量がやや多い場合の顕微鏡写真の代表を図15にそれぞれ示す。なお、本試験は、上記の通り14種類の温泉サンプルについて実施したが、温泉に接触させた部位から採取した角層細胞の量は、精製水に接触させた部位と比較して顕著に多いか、やや多いか、又は同程度の何れかだった。
【0147】
図14に示す通り、精製水に接触させた部分から採取した角層細胞の量と比較して、温泉に接触させた部分から採取した角層細胞の量が顕著に多い温泉が存在した。またこのような温泉は、複数存在した。
上記の通り、採取した角層細胞の量が顕著に多いことは、温泉に入浴した後に、角層がはがれやすくなっていることを示している。そして、角層がはがれやすいことは、余分な角層を除去して、肌のごわつきを解消し、肌をなめらかにすることに繋がると言えるので、そのような観点で、評価対象の温泉はクレンジング効果が高いといえる。
換言すれば、上記方法により試験した温泉の試験結果が、「温泉に接触させた部位から採取した角層細胞の量が、精製水に接触させた部位から採取した角層細胞の量と比較して顕著に多い」場合には、当該温泉は、肌のごわつきを解消し、肌をなめらかにする観点で、クレンジング効果が高い温泉である、という分析及び評価ができる。
【0148】
一方図15に示す通り、精製水に接触させた部分から採取した角層細胞の量と比較して、図14に示した温泉ほどは多くないが、温泉に接触させた部分から採取した角層細胞の量がやや多い温泉も、複数存在した。
上記の通り、採取した角層細胞の量がやや多いことは、温泉に入浴した後にはがれる肌の角質層の量が適度に調整されていること(すなわち、余分な角質層のみが除去されていること)を示している。そして、角質層は、肌の保湿性に関連していることから、入浴した後にはがれる肌の角質層の量が適度に調整されていること(余分な角質層のみが除去されていること)は、肌の保湿力を向上させることに繋がると言えるので、そのような観点で、評価対象の温泉は、肌の保湿力を高める効果が高いといえる。
換言すれば、上記方法により試験した温泉の試験結果が、「温泉に接触させた部位から採取した角層細胞の量が、精製水に接触させた部位から採取した角層細胞の量と比較してやや多い」場合には、当該温泉は肌の保湿力を高める効果が高い温泉である、という分析及び評価ができる。
【0149】
<試験例2>温泉が皮脂に及ぼす影響の検証
本試験例では、試験例1で試験した14種類の温泉サンプルについて、入浴後の皮脂の除去に及ぼす影響を検証した。
【0150】
(2-1)試験方法
(1)オレイン酸をエタノールで溶解して50%オレイン酸含有エタノール溶液を調製し、これを人工皮脂とした。
(2)21mmろ紙(No.4)に、上記(1)で調製した人工皮脂を10μL滴下し、風乾させた。
(3)温泉サンプル又は精製水を50mL入れたシャーレを恒温器に静置し各水温が41℃になるまで静置した。
(4)水温が41℃になった温泉サンプル又は精製水に、上記(2)で人工皮脂を含ませた21mmろ紙を2枚ずつ浸漬させて、41℃環境下で16~18時間静置した。
(5)16~18時間経過後、ろ紙を取り出し、風乾してから、0.1%オイルレッド(エタノール溶液)に5秒間浸漬させ、ろ紙に残った人工皮脂を染色した。
(6)ろ紙を精製水に5分間浸漬させた。
(7)ろ紙を精製水から取り出し、風乾後、顕微鏡にて観察した。
【0151】
(2-2)結果
代表的な結果を図16に、結果を示す。なお人工皮脂を染色した後のろ紙の色は、精製水に浸漬したろ紙よりも温泉に浸漬したろ紙の方が赤みが薄いか、又は精製水に浸漬したろ紙と温泉に浸漬したろ紙の赤みが同程度、の何れかであった。
【0152】
図16に示す通り、精製水に浸漬した人工皮脂を含ませたろ紙の染色後の色(赤み)と比べて、温泉に浸漬した人工皮脂を含ませたろ紙の染色後の色(赤み)が薄くなっていた。すなわちこれは、精製水に浸漬させたろ紙に残っていた人工皮脂の量よりも、温泉に浸漬させたろ紙に残っていた人工皮脂の量のほうが少ないことを意味する。換言すれば、温泉に浸漬させたろ紙のほうが、人工皮脂がより除去されていた。
上記の通り、皮脂が除去されることは、余分な皮脂を除去して肌のべたつきを解消し、てかりやべたつきがない、又は少ない肌にすることに繋がると言えるので、そのような観点で、評価対象の温泉はクレンジング効果が高いと評価できる。
よって本発明によれば、温泉に浸漬した後染色して観察した人工皮脂を含ませたろ紙の色が、精製水に浸漬した後染色して観察下人工皮脂を含まれたろ紙の色よりも薄い場合には、当該温泉は、肌のべたつきを解消し、てかりやべたつきがない、又は少ない肌にする観点でクレンジング効果が高い温泉であると分析・評価することができる。
【0153】
<試験例3>温泉に含まれる成分と、温泉が肌に及ぼす影響の検討
本試験例では、温泉に含まれる成分と、温泉が肌に及ぼす影響の関係を検討した。
【0154】
(3-1)試験方法
試験例1及び試験例2で得た温泉の評価をスコア化し、これらの温泉に含まれる以下の所定の成分の含有量との関係を、Spearmanの順位相関係数(ノンパラメトリック検定)で解析した。
(所定の成分)
カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分メタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、硫酸イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸イオン、及びカリウムイオン
上記所定の成分の含有量は、鉱泉分析法指針(平成26年版)に記載された方法に従い測定した。
【0155】
(3-2)結果
解析結果を図17~19に示す。
なお、成分によって単位がミリグラム、ミリバル、ミリモル、及びミリバル%で異なっているが、全てミリグラムから換算できる単位であり、何れの単位を用いても成分の含有量の多寡の傾向は同じである。
【0156】
(1)角層のはがれやすさと温泉成分との関係についての解析
試験例1において、試験後に顕著に多く角層がはがれていた温泉と、温泉に含まれる上記所定の成分の含有量との関係を上記方法で解析した結果を、図17に示す。図17に示す通り、試験例1において顕著に多く角層がはがれていた温泉は、上記所定の成分のうち、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分の含有量が少ない傾向にあることが明らかになった。
以上のことから、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタケイ酸、非解離成分の含有量が少ない温泉ほど、不要な角層がはがれやすくなる、すなわちクレンジング効果がある温泉であると分析・評価できることが示唆された。
【0157】
試験例1において、試験後にやや多く角層がはがれていた温泉と、温泉に含まれる上記所定の成分の含有量との関係を上記方法で解析した結果を、図18に示す。図18に示す通り、試験例1においてやや多く角層がはがれていた温泉は、上記所定の成分のうち、カルシウムイオン及びマンガンイオンの含有量が多い傾向があり、また、カリウムイオンの含有量が少ない傾向にあった。
よってカルシウムイオン及びマンガンイオンの含有量が多い温泉ほど、角層のはがれ具合を適度に調整し(すなわち、余分な角層のみを除去し)、肌の保湿力を高める効果があると分析・評価できることが示唆された。また、カリウムイオンの含有量が少ない温泉ほど、角層のはがれ具合を適度に調整し(すなわち、余分な角層のみを除去し)、肌の保湿力を高める効果があると分析・評価できることが示唆された。
【0158】
(2)皮脂除去能と温泉成分との関係についての解析
試験例2において、染色後に観察した人工皮脂を含ませたろ紙の色が薄くなっていた温泉と、温泉に含まれる上記所定の成分の含有量との関係を上記方法により解析した図を、図19に示す。図19に示した通り、試験例2において、染色後に観察下人工皮脂を含ませたろ紙の色(赤み)が、精製水に浸漬したろ紙よりも温泉に浸漬したろ紙の方が薄くなっていた温泉(すなわち、クレンジング効果がある温泉)は、メタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸の含有量が多い傾向にあった。また、硫酸イオンが少なかった。
よってメタ亜ヒ酸、マンガンイオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、炭酸水素イオン、チオ硫酸の含有量が多い温泉ほど、皮脂を除去しやすい、すなわちクレンジング効果がある温泉であると分析・評価できることが示唆された。また、硫酸イオンの含有量が少ない温泉ほど、皮脂を除去しやすい、すなわちクレンジング効果がある温泉と分析・評価できることが示唆された。
【0159】
また試験例1~3より、上記のような関係を用いれば、ユーザの肌の状態に基づいて、ユーザの適合する温泉及び、ユーザに適合する温泉を含む旅行が提案できることが示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明によれば、温泉の肌への影響を考慮して、温泉を含む旅行を提案する方法及び提案システムを提供することができる。
また本発明は、温泉の肌への影響を評価する方法及び、温泉を分析する方法を提供することができる。

図1
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