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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143693
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】機器確認装置及び機器確認システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20230928BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
G06K19/077 108
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000748
(22)【出願日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】P 2022047632
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(72)【発明者】
【氏名】緒方 空人
(72)【発明者】
【氏名】川▲瀬▼ 充弘
(72)【発明者】
【氏名】西田 正平
(72)【発明者】
【氏名】千田 遥斗
(72)【発明者】
【氏名】山本 創太
(72)【発明者】
【氏名】山内 昭久
(72)【発明者】
【氏名】三宅 隆之
【テーマコード(参考)】
3C100
【Fターム(参考)】
3C100AA38
3C100AA62
3C100BB13
3C100CC14
(57)【要約】
【課題】作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を防止する機器確認装置及び機器確認システムを提供する。
【解決手段】機器確認装置10は、機器に対して設けられる。機器確認装置10は、作業者が有する端末20から送信される信号を受信する受信部16と、受信部16が受信した信号が、当該機器が作業対象であることを示す場合に、当該機器が作業対象であることを作業者に対して視覚的または聴覚的に報知する報知部14,15と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に対して設けられる、または、人に携帯される機器確認装置であって、
前記機器確認装置は、機器側から作業者に向けて、当該機器が作業対象であること、または、当該機器に関する情報を、当該作業者に対して視覚的または聴覚的に報知する報知部を備える、機器確認装置。
【請求項2】
前記機器確認装置は、前記機器に対して設けられるものであり、
作業者が有する端末から送信される信号を受信する受信部をさらに備え、
前記報知部は、前記受信部が受信した前記信号が、前記機器が作業対象であることを示す場合に、前記機器が作業対象であること、または、当該機器に関する情報を、作業者に対して視覚的または聴覚的に報知する、請求項1に記載の機器確認装置。
【請求項3】
少なくとも前記報知部に電力を供給する電源部と、
前記機器を識別するための情報を有し、当該情報が前記端末に読み取られたことを前記電源部に通知する被読取部と、をさらに備え、
前記電源部は、前記被読取部から前記情報が前記端末に読み取られたことを通知されると、電力の供給を開始する、請求項2に記載の機器確認装置。
【請求項4】
前記受信部は、自機宛の信号のみ受信する一意対応の通信方式で通信する、請求項2に記載の機器確認装置。
【請求項5】
前記報知部は、
前記受信部が受信した前記信号が、前記機器が作業対象であることを示す場合に、前記機器が作業対象であることを作業者に対して視覚的または聴覚的に報知する第1報知部と、
前記受信部が受信した前記信号が、前記機器が作業対象ではないことを示す場合に、前記機器が作業対象ではないことを作業者に対して視覚的または聴覚的に報知する第2報知部と、
を備える、請求項2に記載の機器確認装置。
【請求項6】
前記機器確認装置は、作業者に携帯されるものであり、
前記機器に設けられて当該機器を識別するための情報を有する被読取部を読み取る読取部をさらに備え、
前記報知部は、前記読取部が作業対象である前記機器に設けられた前記被読取部を読み取った場合、当該機器が作業対象であること、または、当該機器に関する情報を示す光を、当該機器に対して照射する、請求項1に記載の機器確認装置。
【請求項7】
前記読取部の読取方向と、前記報知部による光の照射方向が平行である、請求項6に記載の機器確認装置。
【請求項8】
前記報知部は、前記読取部が前記機器に設けられた前記被読取部を読み取っている期間中に限り、当該機器が作業対象であることを示す光を照射する、請求項6に記載の機器確認装置。
【請求項9】
前記報知部は、前記機器に対してレーザ光を照射する素子で構成されている、請求項6に記載の機器確認装置。
【請求項10】
前記報知部は、
前記読取部が作業対象である前記機器に設けられた前記被読取部を読み取った場合に、当該機器が作業対象であることを示す光を当該機器に対して照射する第1報知部と、
前記読取部が作業対象ではない前記機器に設けられた前記被読取部を読み取った場合に、当該機器が作業対象ではないことを示す光を当該機器に対して照射する第2報知部と、
を備える、請求項6に記載の機器確認装置。
【請求項11】
請求項5に記載の機器確認装置と、
前記信号を前記機器確認装置に対して送信する端末と、を備え、
前記端末が、第1の機器が作業対象であることを示す前記信号を送信した後で、第2の機器が作業対象であることを示す前記信号を送信した場合、前記第1の機器に対して設けられている前記機器確認装置は前記第1報知部による報知を停止する、機器確認システム。
【請求項12】
請求項2~5のいずれか1項に記載の機器確認装置と、
前記信号を前記機器確認装置に対して送信する端末と、を備え、
前記端末は、
前記機器を識別する読取部と、
作業対象の機器を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一であるか否かを判定する演算処理部と、
前記作業者の操作を受け付ける操作部と、を備え、
前記演算処理部は、
前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一であると判定する場合は、前記操作部を介して作業が完了した旨が入力されればその旨を前記記憶部に記憶させ、
前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一ではないと判定する場合は、前記操作部を介して作業が完了した旨の操作が入力されてもその旨を前記記憶部に記憶させない、機器確認システム。
【請求項13】
請求項6~10のいずれか1項に記載の機器確認装置と、
前記機器確認装置と通信する端末と、を備え、
前記端末は、
作業対象の機器を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一であるか否かを判定する演算処理部と、
前記作業者の操作を受け付ける操作部と、を備え、
前記演算処理部は、
前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一であると判定する場合は、前記操作部を介して作業が完了した旨が入力されればその旨を前記記憶部に記憶させ、
前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一ではないと判定する場合は、前記操作部を介して作業が完了した旨の操作が入力されてもその旨を前記記憶部に記憶させない、機器確認システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業対象の機器を確認するための機器確認装置及び機器確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業者が、機器に異常があるか否かを確認したり、機器に対して操作をしたりするなどの作業をする場合、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を防止する必要がある。このような取り違えや誤操作を防止するために、それぞれの機器にICタグを設け、作業者に端末で当該ICタグを読み取らせることにより、作業者に対して作業対象の機器の確認を行わせるシステムが特許文献1及び2で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-140085号公報
【特許文献2】特開2013-222355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2で提案されているシステムは、ICタグを読み取った結果を端末に表示する。そのため、作業者は、作業前に機器から視線を外して端末を確認する必要があり、その後に端末から機器に視線を戻す際に機器の取り違えや誤操作が生じる可能性がある。特に、複数の類似する機器が並んでいる場合や、作業者が端末を見ている際に警報や館内放送などの作業者の注意を削ぐような出来事が生じた場合、このような機器の取り違えや誤操作が生じる危険性が高まる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を防止する機器確認装置及び機器確認システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、以下に開示する機器確認装置は、機器に対して設けられる、または、人に携帯される機器確認装置であって、前記機器確認装置は、機器側から作業者に向けて、当該機器が作業対象であることを当該作業者に対して視覚的または聴覚的に報知する報知部を備える。
【発明の効果】
【0007】
上記の機器確認装置によれば、作業対象であることを報知する報知部が、機器側から作業者に向けて報知するため、作業者が、報知部によって作業対象の機器であることを確認した後、当該機器から視線を外した場合でも、視線を元に戻し、当該機器に対して間違いなく作業を行うことができる。したがって、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る機器確認システム1の概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、端末20の読取部21によって作業対象の機器に設けられた機器確認装置10の被読取部11が読み取られた場合に、当該端末20の表示部25に表示される結果の一例を示す図である。
図3図3は、端末20の操作部24によって「確認」を示すチェックがつけられた場合に、作業時刻が記入され、次の作業手順の入力規制が解除される一例を示す図である。
図4図4は、端末20の読取部21によって作業対象ではない機器に設けられた機器確認装置10の被読取部11が読み取られた場合に、当該端末20の表示部25に表示される結果の一例を示す図である。
図5図5は、機器の外観の一例を示す図である。
図6図6は、機器の外観の一例を示す図である。
図7図7は、機器の外観の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態に係る機器確認システム1Xの概略構成を示すブロック図である。
図9図9は、機器の外観の一例を示す図である。
図10図10は、機器の外観の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。また、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、構成の一部が省略されたりしている。
【0010】
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態に係る機器確認システムの構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る機器確認システム1の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、機器確認システム1は、機器に対して設けられる機器確認装置10と、作業者が携帯する端末20と、を備える。
【0011】
機器確認装置10は、被読取部11と、電源部12と、報知制御部13と、第1報知部14と、第2報知部15と、受信部16を備える。被読取部11は、例えばRFID(Radio Frequency IDentifier)タグなどで構成され、機器確認装置10が設けられた機器を識別するための情報を有する。電源部12は、例えばリチウムイオン電池などの機器から独立して電力を供給可能な電源である。報知制御部13は、例えばロジックICやマイコンなどの簡易な演算処理が可能な素子で構成される。第1報知部14及び第2報知部15のそれぞれは、異なる色で点灯するLED(Light Emitting Diode)で構成される。例えば、第1報知部14は緑色に点灯するLEDで構成され、第2報知部15は赤色に点灯するLEDで構成される。受信部16は、例えばBluetooth(登録商標。以下省略。)などの自機宛の信号のみ受信する一意対応の通信方式による通信が可能な素子で構成される。
【0012】
端末20は、読取部21と、演算処理部22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、通信部26を備える。読取部21は、例えばRFIDリーダなど、被読取部11を読取可能な素子で構成される。演算処理部22は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置で構成される。例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置や、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置や、これらの組み合わせによって構成される。操作部24は、例えばタッチパネルやタッチパッド、キーボードなどの入力装置で構成される。表示部25は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネルなどの表示装置で構成される。通信部26は、受信部16と同様に例えばBluetoothによる通信が可能な素子で構成される。なお、記憶部23の一部または全部は、端末20から離れたサーバ等の一部として構成されてもよい。この場合、端末20が、インターネットやイントラネット等のネットワークに接続可能な通信部を備え、当該通信部及びネットワークを介してサーバ等にデータを送信する。
【0013】
記憶部23は、作業対象の機器を記憶する。なお、作業者による作業が複数の機器に対して行われるものであり、当該作業に順番がある場合は、記憶部23はその作業の順番も記憶する。
【0014】
なお、図1では、読取部21を端末20の一部として図示しているが、端末20とは別の端末として構成してもよい。例えば、作業者による被読取部11の読取作業を簡易化する観点から、読取部21を端末20から独立した端末としてもよい。具体的に、読取部21を除く端末20をノートパソコンまたはタブレット型の端末で構成し、読取部21を作業者の手に装着するグローブ型の端末としてもよい。この場合、読取部21は、端末20の通信部26またはその他の通信部と例えばBluetoothなどの接続方式により通信を確立(Bluetoothの場合はペアリング)し、被読取部11から読み取ったデータを、端末20に伝達する。
【0015】
機器確認システム1の動作例について説明する。まず、作業者は、端末20の読取部21を、作業対象と考える機器に設置された機器確認装置10の被読取部11に向けるなどして、被読取部11から機器の識別情報を読み出す。このとき、被読取部11は、読取部21との通信により電力を発生し、機器の識別情報が読取部21に読み取られたことを電源部12に通知する。電源部12は、この通知をトリガとして、機器確認装置10への電力の供給を開始し、第1報知部14及び第2報知部15が動作可能な状態になる。なお、電源部12は、例えば当該通知を受けてから所定の時間が経過した場合に、電力の供給を停止する。
【0016】
次に、端末20の演算処理部22が、読取部21で識別情報を読み取ることで識別した機器と、記憶部23に記憶されている作業対象の機器(作業に順番がある場合は、作業者が次に作業すべき機器)が同一であるか否かを判定する。例えば、演算処理部22は、読取部21によって識別した機器のIDと、記憶部23に記憶されている作業対象の機器のIDとが、一致するか否かで、これらの機器が同一か否かを判定する。
【0017】
演算処理部22が、読取部21によって識別した機器と、記憶部23に記憶されている作業対象の機器とが同一であると判定すると、通信部26を介して、機器確認装置10に対して作業対象であることを示す信号を送信する。ただし、受信部16は、自機宛の信号か他機宛の信号かを認識して、通信部26から送信される信号を一意に受け取る。これにより、作業対象であることを示す信号が、意図しない機器に設けられた機器確認装置10の第1報知部14及び第2報知部15を誤動作させることが防止される。
【0018】
そして、報知制御部13は、作業対象であることを示す信号が受信部16によって受信されると、第1報知部14を動作させて、機器確認装置10が設けられている機器が作業対象であることを作業者に報知する。例えば、LEDで構成される第1報知部14を点灯状態にすることで、当該第1報知部14を含む機器確認装置10が設けられている機器が作業対象であることを作業者に報知する。
【0019】
一方、演算処理部22が、読取部21によって識別した機器と、記憶部23に記憶されている作業対象の機器とが同一ではないと判定すると、通信部26を介して、機器確認装置10に対して作業対象ではないことを示す信号を送信する。この場合も、受信部16は、通信部26から送信される信号を一意に受け取り、自機宛の信号か他機宛の信号かを認識することができる。これにより、作業対象ではないことを示す信号が、意図しない機器に設けられた機器確認装置10の第1報知部14及び第2報知部15を誤動作させることが防止される。
【0020】
そして、報知制御部13は、作業対象ではないことを示す信号が受信部16によって受信されると、第2報知部15を動作させて、当該第2報知部15を含む機器確認装置10が設けられている機器が作業対象ではないことを作業者に報知する。例えば、LEDで構成される第2報知部15を点灯状態にすることで、当該第2報知部15を含む機器確認装置10が設けられている機器が作業対象ではないことを作業者に報知する。
【0021】
作業者は、第1報知部14によって作業対象であることが報知されている機器に対して作業を行うと、その後に端末20の操作部24を介して作業が完了した旨を端末20に入力する。この場合における端末20の動作について、図面を参照して説明する。図2及び図3は、端末20の読取部21によって作業対象の機器に設けられた機器確認装置10の被読取部11が読み取られた場合に、当該端末20の表示部25に表示される結果の一例を示す図である。
【0022】
図2及び図3に示すように、表示部25は、記憶部23に記憶されている一連の作業を行うべき機器のID(図2中の「リストID」)と、読取部21が識別した機器のID(図2中の「読取ID」)と、読取部21が識別した機器が作業対象であるか否かを示す情報(図2中の「正誤」)と、作業者から作業が完了した旨が入力されたか否かを示す情報(図2中の「確認」)及びその入力時刻(図2中の「作業時刻」)が含まれる結果を表示する。なお、複数の作業がある場合、対象の作業より後の作業について入力及び操作ができないように、演算処理部22は入力を規制する(図2中のグレーアウト部分)。
【0023】
表示部25が図2に示す結果を表示する場合、演算処理部22は、読取部21によって識別した機器(「読取ID」が「P102」)と、記憶部23に記憶されている作業対象の機器(「リストID」が「P102」)とが同一であると判定しており、通信部26を介して機器確認装置10に対して作業対象であることを示す信号を送信している。この場合、図2に示すように、演算処理部22は、「リストID」が「P102」である行の「正誤」に作業対象である機器を読み取ったことを示す「〇」が記載されるとともに、「確認」及び「作業時刻」の欄の入力規制が解除された結果(グレーアウト部分を解除した結果)を表示部25に表示させる。
【0024】
さらにこの場合、演算処理部22は、操作部24を介して作業が完了した旨が入力されると、その旨を記憶部23に記憶させる。すると、演算処理部22は、読取部21を制御して次の機器を読取可能な状態にする。さらに、演算処理部22は、図3に示すように、「リストID」が「P102」である行の「確認」に作業完了を示すチェックマークが記載され、操作部24を介して作業者から作業完了が入力された時刻が「作業時刻」に記載されるとともに、「リストID」が「P103」である行の「読取ID」における入力規制が解除された結果を表示部25に表示させる。
【0025】
一方、第2報知部15によって作業対象ではないことが報知されている場合における端末20の動作について、図4を参照して説明する。図4は、端末20の読取部21によって作業対象ではない機器に設けられた機器確認装置10の被読取部11が読み取られた場合に、当該端末20の表示部25に表示される結果の一例を示す図である。なお、図4に示すように、この場合に端末20の表示部25に表示される結果にも、「リストID」、「読取ID」、「正誤」、「作業時刻」及び「確認」が含まれる。
【0026】
表示部25が図4の結果を表示する場合、演算処理部22は、読取部21によって識別した機器(「読取ID」が「P104」)と、記憶部23に記憶されている作業対象の機器(「リストID」が「P103」)とが同一ではないと判定しており、通信部26を介して機器確認装置10に対して作業対象ではないことを示す信号を送信している。この場合、図4に示すように、演算処理部22は、「リストID」が「P103」である行の「正誤」に作業対象ではない機器を読み取ったことを示す「×」が記載されるとともに、「確認」及び「作業時刻」の欄の入力規制が解除されない結果を表示部25に表示させる。
【0027】
さらにこの場合、演算処理部22は、操作部24を介して作業が完了した旨が入力されても、その旨を記憶部23に記憶させない。そのため、表示部25に図4の結果が表示されている状態で、作業者が操作部24を介して作業を完了した旨を入力しようとしても、図3に示したような「確認」にチェックマークを追記したり「作業時刻」を追記したりすることができない。このように、機器確認システム1では、作業者が、作業対象の機器に対して作業がされていないことを看過することが防止される。なお、図4の結果が表示部25に表示されている状態で、操作部24を介して作業が完了した旨が入力された場合、演算処理部22が、図4の結果に重畳(ポップアップ)するように、作業対象ではない機器に対して作業がされた可能性がある旨を作業者に対して警告する結果を表示部25に表示させてもよい。
【0028】
次に、端末20が、読取部21により複数の作業対象の機器のそれぞれに設けられた機器確認装置10の被読取部11を順番に読み取った場合の動作の一例について図面を参照して説明する。図5図7は、機器の外観の一例を示す図である。
【0029】
まず、機器101が作業対象である場合を想定する。端末20が、読取部21により作業対象の機器101に設けられた機器確認装置10の被読取部11を読み取ると、当該機器確認装置10に対して機器101が作業対象であることを示す信号を送信する。すると、図5に示すように、作業対象である機器101に設けられた機器確認装置10の第1報知部101Aが点灯する。これにより、作業者は、機器101が作業対象であることを確認しつつ、機器101に対して作業を行い、当該作業を完了することができる。
【0030】
一方、機器101が作業対象でない場合を想定する。端末20が、読取部21により作業対象の機器101に設けられた機器確認装置10の被読取部11を読み取ると、当該機器確認装置10に対して機器101が作業対象でないことを示す信号を送信する。すると、図6に示すように、作業対象でない機器101に設けられた機器確認装置10の第2報知部101Bが点灯する。これにより、作業者は、機器101が作業対象でないことを確認し、作業手順を再確認するなどして誤りに気づくことができる。したがって、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を防止することができる。
【0031】
次に、図5の作業後に機器102が作業対象である場合を想定する。端末20が、読取部21により作業対象の機器102に設けられた機器確認装置10の被読取部11を読み取ると、当該機器確認装置10に対して機器102が作業対象であることを示す信号を送信する。すると、図7に示すように、作業対象である機器102に設けられた機器確認装置10の第1報知部102Aが点灯する。さらに、機器101に設けられた機器確認装置10は、機器102が作業対象であることを示す信号を受信する。すると、図7に示すように、機器101に設けられた機器確認装置10の第1報知部101Aが消灯する。これにより、作業者は、機器102が作業対象であることを確認しつつ、機器101が今回の作業対象であると誤認識することなく、機器102に対して作業を行い、当該作業を完了することができる。なお、図6において機器102が作業対象である場合も、図7と同様の状態になる。即ち、機器101に設けられた機器確認装置10が、機器102が作業対象であることを示す信号を受信すると、図7に示すように、機器101に設けられた機器確認装置10の第2報知部101Bが消灯する。
【0032】
以上のように、上述した機器確認システム1では、作業対象であることを報知する第1報知部14が機器に設けられるため、作業者が第1報知部14によって作業対象の機器であることを確認した後、当該機器から視線を外すことなく当該機器に対して作業を行うことができる。したがって、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を防止することができる。
【0033】
また、上述した機器確認システム1では、電源部12が、被読取部11から識別情報が端末20に読み取られたことを通知されると、電力の供給を開始する。これにより、電源部12における電力の消費が抑制されるため、機器から独立した電池などの電源を電源部12として用いることによって、機器確認装置10を機器に対して容易に設置可能な構成にしても、電源部12の頻繁な交換や充電等を不要にすることができる。
【0034】
また、上述した機器確認システム1では、機器確認装置10が、第1報知部14に加えて、第2報知部15を備える。これにより、作業対象であることを報知するだけでなく、作業対象ではないことも報知することができるため、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を効果的に防止することができる。さらに、図5及び図6を参照して説明したとおり、機器確認システム1では、複数の機器101,102のそれぞれに設けられた機器確認装置10の第1報知部101A,102Aが、同時に作業対象であることを報知しない。そのため、作業者が、前回に作業対象であった機器101を、今回の作業対象であると取り違えることや誤操作を防止することができる。
【0035】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る機器確認システムについて説明する。なお、以下では、第2実施形態に係る機器確認システムにおいて、上述した第1実施形態と同様の構成である部分については、詳細な説明を省略する。
【0036】
図8は、機器確認装置10Xの概略構成を示すブロック図である。図8に示すように、機器確認システム1Xは、機器に設けられる被読取部11Xと、機器確認装置10Xと、作業者が携帯する端末20Xと、を備える。ただし、第2実施形態に係る機器確認装置10Xは、第1実施形態に係る機器確認装置10(図1参照)とは異なり、例えば作業者の手に装着されるグローブ型の端末など、作業者に携帯されるものである。また、被読取部11Xは、上述したRFIDタグのほか、バーコードやQRコード(登録商標。以下省略。)などの情報をパターン化したコードであってもよい。
【0037】
機器確認装置10Xは、報知制御部13Xと、第1報知部14Xと、第2報知部15Xと、通信部16Xと、読取部21Xを備える。また、端末20Xは、演算処理部22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、通信部26Xを備える。
【0038】
第1報知部14X及び第2報知部15Xのそれぞれは、色または形状の少なくとも一方が異なるレーザ光を照射するLD(Laser Diode)などの素子で構成される。例えば、第1報知部14は緑色かつリング状の照射パターンであるレーザ光を照射する素子で構成され、第2報知部15は赤色かつX状の照射パターンであるレーザ光を照射する素子で構成される。なお、第1報知部14X及び第2報知部15Xは、機器に向かって照射され、当該機器で反射した光を作業者が認識可能であれば、LEDなどのレーザ光以外の光を照射する素子で構成してもよい。ただし、レーザ光は指向性(直進性)に優れているため、機器に照射された光を作業者に対して認識させ易いため、好ましい。通信部16Xは、端末20Xの通信部26Xと例えばBluetoothなどの接続方式により通信を確立(Bluetoothの場合はペアリング)し、端末20Xとデータの授受を行う。読取部21Xは、被読取部11Xを読取可能な素子で構成される。
【0039】
なお、図8では、機器確認装置10Xを、端末20Xとは別の装置として図示しているが、端末20Xと一体の装置として構成してもよい。この場合、機器確認システム1Xの内部で通信を行う限りにおいては、通信部16X及び通信部26Xは不要になる。
【0040】
機器確認システム1Xの動作例について説明する。まず、作業者は、機器確認装置10Xの読取部21Xを、作業対象と考える機器に設置された被読取部11Xに向けるなどして、被読取部11から機器の識別情報を読み出す。機器確認装置10Xは、読取部21Xによって読み取った識別情報を、通信部16Xを介して端末20Xに送信し、端末20Xは通信部26Xを介して当該識別情報を受信する。
【0041】
次に、端末20の演算処理部22が、機器確認装置10Xから受信した識別情報に基づいて識別される機器と、記憶部23に記憶されている作業対象の機器(作業に順番がある場合は、作業者が次に作業すべき機器)が同一であるか否かを判定する。例えば、演算処理部22は、読取部21によって識別した機器のIDと、記憶部23に記憶されている作業対象の機器のIDとが、一致するか否かで、これらの機器が同一か否かを判定する。
【0042】
演算処理部22が、機器確認装置10Xによって識別した機器と、記憶部23に記憶されている作業対象の機器とが同一であると判定すると、通信部26Xを介して、機器確認装置10Xに対して作業対象であることを示す信号を送信する。
【0043】
そして、報知制御部13Xは、作業対象であることを示す信号が通信部16Xによって受信されると、第1報知部14Xを動作させて、読取部21Xが読み取った被読取部11Xが設けられている機器が作業対象であることを作業者に報知する。例えば、図9に示すように、LDで構成される第1報知部14Xを点灯状態にすることで、当該第1報知部14Xによるレーザ光の照射パターン141が照射されている機器(即ち、当該照射パターン141を作業者に向けて反射している機器)が作業対象であることを作業者に報知する。なお、読取部21Xの読取方向(例えば、読取部21Xが、被読取部11Xのパターンを撮影して読み取る場合は、読取部21Xの撮影方向)と第1報知部14Xにおける光の照射方向が平行であると、第1報知部14Xによる照射パターン141を、読取部21Xが読み取った被読取部11Xが設けられる機器に対して好適に照射することができる。さらに、第1報知部14Xが、読取部21Xが機器に設けられた被読取部11Xを読み取っている期間中に限り、照射パターン141を照射すると、作業対象ではない機器に対して照射パターン141が誤って照射されることを防止することができる。
【0044】
一方、演算処理部22が、機器確認装置10Xによって識別した機器と、記憶部23に記憶されている作業対象の機器とが同一ではないと判定すると、通信部26Xを介して、機器確認装置10Xに対して作業対象ではないことを示す信号を送信する。
【0045】
そして、報知制御部13は、作業対象ではないことを示す信号が通信部16Xによって受信されると、第2報知部15Xを動作させて、当該第2報知部15Xを含む機器確認装置10が設けられている機器が作業対象ではないことを作業者に報知する。例えば、図10に示すように、LDで構成される第2報知部15Xを点灯状態にすることで、当該第2報知部15Xによるレーザ光の照射パターン151が照射されている機器(当該照射パターン151を作業者に向けて反射している機器)が作業対象ではないことを作業者に報知する。なお、読取部21Xの読取方向と第2報知部15Xにおける光の照射方向が平行であると、第2報知部15Xによる照射パターン151を、読取部21Xが読み取った被読取部11Xが設けられる機器に対して好適に照射することができる。さらに、第2報知部15Xが、読取部21Xが機器に設けられた被読取部11Xを読み取っている期間中に限り、照射パターン151を照射すると、作業対象である機器に対して照射パターン151が誤って照射されることを防止することができる。
【0046】
また、作業者は、第1報知部14Xによって作業対象であることが報知されている機器に対して作業を行うと、その後に端末20Xの操作部24を介して作業が完了した旨を端末20Xに入力するが、この場合における端末20Xの動作は、第1実施形態と同様である(図2及び図3参照)。なお、作業者が、操作部24を介して作業対象の機器に対する作業を完了した旨を入力した時点で、端末20Xが、通信部26Xを介して第1報知部14Xによる報知を終了する旨の信号を送信し、通信部16Xを介して当該信号を受信した機器確認装置10Xが、第1報知部14Xによる報知を終了させてもよい。また、このような第1報知部14Xによる報知の制御を、第2実施形態だけでなく、第1実施形態において行ってもよい。
【0047】
一方、作業者が作業対象ではない機器の被読取部11Xを読み取った場合における端末20Xの動作も、第1実施形態と同様である(図4参照)。なお、作業者が、操作部24を介して、誤って作業対象ではない機器に設けられた被読取部11Xを読み取った旨を入力した時点で、端末20Xが、通信部26Xを介して報知を終了する旨の信号を送信し、通信部16Xを介して当該信号を受信した機器確認装置10Xが、第2報知部15Xによる報知を終了させてもよい。また、このような第2報知部15Xによる報知の制御を、第2実施形態だけでなく、第1実施形態において行ってもよい。
【0048】
以上のように、上述した機器確認システム1Xでは、第1実施形態と同様に、機器確認装置10Xが、機器側から作業者に向けて、当該機器が作業対象であることを当該作業者に対して報知する。具体的には、第1報知部14Xから光を照射された機器が、当該光を作業者に向けて反射することで、機器側から作業者に向けて、当該機器が作業対象であることを当該作業者に対して報知する。これにより、作業者が、第1報知部14Xの報知によって作業対象の機器を確認した後、当該機器から視線を外すことなく当該機器に対して作業を行うことができるため、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を防止することができる。
【0049】
また、上述した機器確認システム1Xでは、機器確認装置10Xが、第1報知部14Xに加えて、第2報知部15Xを備える。これにより、作業対象であることを報知するだけでなく、作業対象ではないことも報知することができるため、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を効果的に防止することができる。
【0050】
<変形等>
以上、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0051】
例えば、上述の第1実施形態では、被読取部11がRFIDなどの素子である場合について説明したが、被読取部11がバーコードやQRコード(登録商標)などの情報を有する以外の機能を持たないものであってもよい。この場合、電源部12が機器確認装置10に対して常時電力を供給するか、被読取部11以外に端末20の接近や読取部21による読み取りを検出して電源部12に通知する素子を別途備えるものとする。また、上述の実施形態では、電源部12が機器から独立した電源である場合について説明したが、機器の電源と共通であってもよい。
【0052】
また、第1実施形態において、被読取部11と読取部21の通信可能距離は、数センチメートルから数十センチメートル程度の極めて近い距離としてもよいし、数メートル程度の距離までとしてもよいし、数メートルから数十メートル程度の長い距離としてもよい。通信可能距離を数センチメートルから数十センチメートル程度の極めて近い距離とすれば、作業対象の機器の被読取部11が読取部21に読み取られたとき、作業対象の機器の目前に作業者が位置することになるため、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を防止することが可能になる。一方、通信可能距離を数メートル程度とした場合や、数メートルから数十メートル程度の長い距離とした場合、複数の機器のそれぞれに設けられた被読取部11が、読取部21に読み取られる可能性がある。しかし、機器確認装置10の受信部16は、端末20の通信部26から送信される信号について自機宛の信号か他機宛の信号かを認識して、自機宛の信号のみを一意に受け取ることができる。これにより、作業対象であることを示す信号が、意図しない機器に設けられた機器確認装置10の第1報知部14及び第2報知部15を誤動作させることが防止される。そのため、この場合も、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作は防止される。さらに、通信可能距離を数メートルから数十メートル程度の長い距離とした場合、作業対象の機器から離れた位置にいる作業者が、遠方から作業対象の機器を認識することができるため、より効果的に機器の取り違えや誤操作を防止することができる。
【0053】
また例えば、上述の第1実施形態では、第1報知部14と第2報知部15が別々の素子である場合について説明したが、LCDパネルなどの1つの素子で構成してもよい。また、上述の第1及び第2実施形態において、第1報知部14,14Xだけ備えてもよい。ただし、第1報知部14,14Xと第2報知部15,15Xを別々に設けることで、機器確認装置10、10Xの構成を簡素化するとともに、作業者に対して作業対象ではないことも報知することができるため、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を効果的に防止することができる。また、上述の第1及び第2実施形態では、第1報知部14,14X及び第2報知部15,15Xが、LEDまたはLDの点灯という視覚的な方法で作業者に対して作業対象を報知する場合について説明したが、視覚的な方法に加えて(または変えて)、聴覚的な方法で報知してもよい。例えば、第2報知部15,15Xが、LEDまたはLDの点灯に加えて(または変えて)、警告音などを発してもよい。
【0054】
また例えば、上述の第1実施形態において、機器確認装置10は、筐体や操作盤などのある程度まとまった機器に対して設けてもよいし、計器やスイッチなどの作業の最小単位である機器に対して設けてよい。また、上述の第1実施形態において、機器確認装置10は、作業者が機器を確認する前から当該機器に対して予め設けられており、例えば、機器確認装置10が、当該機器に対して常設されていてもよい。
【0055】
また例えば、上述の第1実施形態と第2実施形態は、組み合わせて実施することも可能である。この場合、機器に対して機器確認装置10が設けられ、作業者が機器確認装置10Xを携帯することになり、機器確認装置10及び機器確認装置10Xのそれぞれが動作して、機器が作業対象であるか否かを作業者に対して報知することになる。
【0056】
また例えば、上述の第2実施形態において、機器確認装置10Xが、第1報知部14X及び第2報知部15Xにおける光の照射方向を変更可能な機構を備え、作業者が機器確認装置10Xの向きを変えても機器に対して照射パターン141,151が継続して照射されるように、第1報知部14X及び第2報知部15Xの照射方向を制御してもよい。
【0057】
また、第1実施形態または第2実施形態において、端末20,20Xや機器確認装置10Xが、作業者に携帯される場合を例に挙げて説明したが、これらは作業者以外の人(例えば、作業者に同行して、作業者の作業を確認したり、作業者に指示したりする補助者)に携帯されてもよい。
【0058】
また、第1実施形態または第2実施形態において、機器確認装置10,10Xが、単に作業対象の機器であることのみを示す情報に加えて(または代えて)、作業対象の機器に関する情報を報知してもよい。例えば、第1実施形態の機器確認装置10が、報知部として液晶ディスプレイなどの画像を表示可能な装置を備え、当該報知部が、作業手順を示したテキスト、図表、静止画、動画などを表示してもよいし、前回の操作時における写真やデータなどを表示してもよい。同様に、第2実施形態の機器確認装置10Xが、報知部としてプロジェクターなどの画像を投影可能な装置を備え、当該報知部が、作業手順を示したテキスト、図表、静止画、動画などを投影してもよいし、前回の操作時における写真やデータなどを表示してもよい。このように、報知部が、作業対象の機器に関する情報を報知することで、作業者は作業対象の機器を確認することができるだけでなく、これからするべき作業についても合わせて確認することが可能になる。また、第1実施形態または第2実施形態において、ミスをし易い作業など、特に注意が必要な作業を行う場合には、報知部が警告音を発したり、作業者に注意を促す表示を行ってもよい。
【0059】
また、第1実施形態または第2実施形態として、機器確認装置10,10Xが、それぞれ第1報知部14,14X及び第2報知部15,15Xを備える場合について例示したが、報知部を1つだけ備える構成であってもよいし、3つ以上備えていてもよい。
【0060】
また、上述した機器確認装置及び機器確認システムは、以下のように説明することができる。
【0061】
機器確認装置は、機器に対して設けられる、または、人に携帯され、前記機器確認装置は、機器側から作業者に向けて、当該機器が作業対象であること、または、当該機器に関する情報を当該作業者に対して視覚的または聴覚的に報知する報知部を備える(第1の構成)。この構成によれば、機器確認装置が、機器側から作業者に向けて、当該機器が作業対象であることを当該作業者に対して報知する。これにより、作業者が、報知部の報知によって作業対象の機器を確認した後、当該機器から視線を外すことなく当該機器に対して作業を行うことができるため、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を防止することができる。なお、機器確認装置が機器に対して設けられるとは、作業者が当該機器を確認する前から、当該機器に対して機器確認装置が予め設けられている状態を含むものであり、例えば、機器確認装置が当該機器に対して常設されている場合も含まれる。
【0062】
第1の構成において、前記機器確認装置は、前記機器に対して設けられるものであり、作業者が有する端末から送信される信号を受信する受信部をさらに備え、前記報知部は、前記受信部が受信した前記信号が、前記機器が作業対象であることを示す場合に、前記機器が作業対象であること、または、当該機器に関する情報を、作業者に対して視覚的または聴覚的に報知してもよい(第2の構成)。この構成によれば、作業対象であることを報知する報知部が機器に設けられるため、作業者が報知部によって作業対象の機器であることを確認した後、当該機器から視線を外すことなく当該機器に対して作業を行うことができる。したがって、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を防止することができる。
【0063】
第2の構成において、少なくとも前記報知部に電力を供給する電源部と、前記機器を識別するための情報を有し、当該情報が前記端末に読み取られたことを前記電源部に通知する被読取部と、をさらに備え、前記電源部は、前記被読取部から前記情報が前記端末に読み取られたことを通知されると、電力の供給を開始してもよい(第3の構成)。この構成によれば、電源部における電力の消費が抑制されるため、機器から独立した電池などの電源を電源部として用いることによって、機器確認装置を機器に対して容易に設置可能な構成にしても、電源部の頻繁な交換や充電等を不要にすることができる。
【0064】
さらに、第2または第3の構成において、前記受信部は、自機宛の信号のみ受信する一意対応の通信方式で通信してもよい(第4の構成)。この構成によれば、作業対象であることを示す信号が、意図しない機器に設けられた機器確認装置によって受信されることを防止することができる。
【0065】
第2~第4の構成のいずれか1つにおいて、前記報知部は、前記受信部が受信した前記信号が、前記機器が作業対象であることを示す場合に、前記機器が作業対象であることを作業者に対して視覚的または聴覚的に報知する第1報知部と、前記受信部が受信した前記信号が、前記機器が作業対象ではないことを示す場合に、前記機器が作業対象ではないことを作業者に対して視覚的または聴覚的に報知する第2報知部と、を備えてもよい(第5の構成)。この構成によれば、作業対象であることを報知するだけでなく、作業対象ではないことも報知することができるため、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を効果的に防止することができる。
【0066】
第1の構成において、前記機器確認装置は、人に携帯されるものであり、前記機器に設けられて当該機器を識別するための情報を有する被読取部を読み取る読取部をさらに備え、前記報知部は、前記読取部が作業対象である前記機器に設けられた前記被読取部を読み取った場合、当該機器が作業対象であること、または、当該機器に関する情報を示す光を当該機器に対して照射してもよい(第6の構成)。この構成によれば、報知部から光を照射された機器が、当該光を作業者に向けて反射することで、機器側から作業者に向けて、当該機器が作業対象であることを当該作業者に対して報知することができる。
【0067】
第6の構成において、前記読取部の読取方向と、前記報知部による光の照射方向が平行であってもよい(第7の構成)。この構成によれば、報知部が照射する光を、読取部が読み取った被読取部が設けられる機器に対して好適に照射することができる。
【0068】
第6または第7の構成において、前記読取部が前記機器に設けられた前記被読取部を読み取っている期間中に限り、当該機器が作業対象であることを示す光を照射してもよい(第8の構成)。この構成によれば、作業対象ではない機器に対して、当該機器が作業対象であることを示す光が誤って照射されることを防止することができる。
【0069】
第6~第8の構成のいずれか1つにおいて、前記報知部は、前記機器に対してレーザ光を照射する素子で構成されていてもよい(第9の構成)。この構成によれば、報知部が、指向性(直進性)に優れたレーザ光を用いて作業者に報知するため、機器に照射された光を作業者に対して認識させ易くすることができる。
【0070】
第6~第9の構成のいずれか1つにおいて、前記報知部は、前記読取部が作業対象である前記機器に設けられた前記被読取部を読み取った場合に、当該機器が作業対象であることを示す光を当該機器に対して照射する第1報知部と、前記読取部が作業対象ではない前記機器に設けられた前記被読取部を読み取った場合に、当該機器が作業対象ではないことを示す光を当該機器に対して照射する第2報知部と、を備えてもよい(第10の構成)。この構成によれば、作業対象であることを報知するだけでなく、作業対象ではないことも報知することができるため、作業者による作業対象の機器の取り違えや誤操作を効果的に防止することができる。
【0071】
本発明の他の実施形態は、機器確認システムが、第5の構成の機器確認装置と、前記信号を前記機器確認装置に対して送信する端末と、を備え、前記端末が、第1の機器が作業対象であることを示す前記信号を送信した後で、第2の機器が作業対象であることを示す前記信号を送信した場合、前記第1の機器に対して設けられている前記機器確認装置は前記第1報知部による報知を停止する(第11の構成)。この構成によれば、複数の機器のそれぞれに設けられた機器確認装置の第1報知部が、同時に作業対象であることを報知しないため、作業者が、前回に作業対象であった機器を、今回の作業対象であると取り違えることや誤操作を防止することができる。
【0072】
また、本発明の他の実施形態は、機器確認システムが、第2~第5の構成のいずれか1つの機器確認装置と、前記信号を前記機器確認装置に対して送信する端末と、を備え、前記端末は、前記機器を識別する読取部と、作業対象の機器を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一であるか否かを判定する演算処理部と、前記作業者の操作を受け付ける操作部と、を備え、前記演算処理部は、前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一であると判定する場合は、前記操作部を介して作業が完了した旨が入力されればその旨を前記記憶部に記憶させ、前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一ではないと判定する場合は、前記操作部を介して作業が完了した旨の操作が入力されてもその旨を前記記憶部に記憶させない(第12の構成)。この構成によれば、作業対象の機器に対して作業がされていないことが看過されることを防止することができる。
【0073】
また、本発明の他の実施形態は、機器確認システムが、第6~第10の構成のいずれか1つの機器確認装置と、前記機器確認装置と通信する端末と、を備え、前記端末は、作業対象の機器を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一であるか否かを判定する演算処理部と、前記作業者の操作を受け付ける操作部と、を備え、前記演算処理部は、前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一であると判定する場合は、前記操作部を介して作業が完了した旨が入力されればその旨を前記記憶部に記憶させ、前記記憶部に記憶されている作業対象の機器と、前記読取部が識別した機器が同一ではないと判定する場合は、前記操作部を介して作業が完了した旨の操作が入力されてもその旨を前記記憶部に記憶させない(第13の構成)。この構成によれば、作業対象の機器に対して作業がされていないことが看過されることを防止することができる。
【符号の説明】
【0074】
1,1X…機器確認システム、10,10X…機器確認装置、11,11X…被読取部、12…電源部、13,13X…報知制御部、14,101A,102A,14X…第1報知部、15,101B,102B,15X…第2報知部、16…受信部、20,20X…端末、21,21X…読取部、22…演算処理部、23…記憶部、24…操作部、25…表示部、26,26X…通信部、101,102,100X…機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10