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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143715
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】サーバ、電気ポット、及び家電製品
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20230928BHJP
   A47J 27/21 20060101ALI20230928BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H04Q9/00 311K
A47J27/21 101T
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010458
(22)【出願日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2022047221
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】野村 忠司
【テーマコード(参考)】
4B055
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
4B055AA34
4B055BA40
4B055BA80
4B055CD73
4B055GB12
4B055GB43
4B055GD02
4B055GD06
5K048BA01
5K048BA08
5K048BA34
5K048EB12
5K048EB13
5K201BA02
5K201BA19
5K201CC09
5K201CC10
5K201ED08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気ポット等を用いて、監視者が見守り対象者の生活状態を容易に確認可能なサーバ及び電気ポットを提供する。
【解決手段】見守りシステム(100)において、サーバ(2)は、電気ポット(1)から送信された、操作ボタンに対する操作時刻、又は、電気ポットが所定動作を行った時刻を示すデータに基づいて、使用者が電気ポットを使用する時間帯の傾向を推定する傾向推定部(221)を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの操作ボタンを有する電気ポットと通信可能に接続されるサーバであって、
前記操作ボタンに対して操作が行われた操作時刻、又は、前記電気ポットが所定動作を行った動作時刻に基づいて、使用者が前記電気ポットを使用する時間帯の傾向を推定する傾向推定部を備える、サーバ。
【請求項2】
前記傾向推定部の推定結果に基づいて、前記傾向の変化を検出する変化検出部を備える、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記傾向推定部の推定結果に基づいて、前記使用者の活動の傾向を推定する活動推定部を備える、請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記電気ポットとは異なる他の電気ポットと通信可能に接続され、
前記活動推定部は、
前記電気ポットにおいて過去に行われた操作の操作時刻、
前記電気ポットが過去に所定動作を行った動作時刻、
前記他の電気ポットにおいて過去に行われた操作の操作時刻、及び、
前記他の電気ポットが過去に所定動作を行った動作時刻、
の少なくとも何れかに基づいて、前記活動の傾向を推定する、請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記傾向推定部の検出結果を、前記サーバと通信可能に接続される端末を介して報知する報知部を備える、請求項1または2の何れか1項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記サーバと通信可能に接続され、
前記操作時刻又は前記動作時刻を示すデータを、請求項1または2に記載のサーバに送信する、電気ポット。
【請求項7】
少なくとも1つの操作ボタンを有する家電製品と通信可能に接続されるサーバであって、
前記操作ボタンに対して操作が行われた操作時刻、又は、前記家電製品が所定動作を行った動作時刻に基づいて、使用者が前記家電製品を使用する時間帯の傾向を推定する傾向推定部を備える、サーバ。
【請求項8】
前記サーバと通信可能に接続され、
前記操作時刻又は前記動作時刻を示すデータを、請求項7に記載のサーバに送信する、家電製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、互いに通信可能に接続されるサーバ、電気ポット、及び家電製品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、家電等の機器の利用履歴に基づき、利用者のライフスタイルを含む利用者の傾向を推定し、推定された利用者の傾向に応じた情報を利用者に提供する情報提供方法が開示されている。具体的には、特許文献1の情報提供方法は、機器の処理から得られる物理量と、機器の使用頻度とに基づき、利用者の傾向を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2014/097589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の情報提供方法は、推定した利用者の傾向に応じた情報を利用者自身に提供するものであり、利用者とは異なる第三者に提供するものではない。また、特許文献1の情報提供方法は、利用者の傾向を推定するために、例えば1日のうちのどの時間帯において利用者が機器を利用しているかという情報については、考慮していない。
【0005】
本発明の一態様は、電気ポット等を用いて、監視者が見守り対象者の生活状態を容易に確認可能なサーバを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るサーバは、少なくとも1つの操作ボタンを有する電気ポットと通信可能に接続されるサーバであって、前記操作ボタンに対する操作時刻、又は、前記電気ポットが所定動作を行った動作時刻に基づいて、使用者が前記電気ポットを使用する時間帯の傾向を推定する推定部を備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係るサーバは、少なくとも1つの操作ボタンを有する家電製品と通信可能に接続されるサーバであって、前記操作ボタンに対して操作が行われた操作時刻、又は、前記家電製品が所定動作を行った動作時刻に基づいて、使用者が前記家電製品を使用する時間帯の傾向を推定する傾向推定部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、見守り対象者の生活状態を、監視者に容易に確認させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る見守りシステムの概要の一例を示すブロック図である。
図2】電気ポットにおける処理の一例を示すフローチャートである。
図3】サーバにおける処理の一例を示すフローチャートである。
図4】炊飯器の蓋の一例を示す図である。
図5】空気清浄器のパネルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<見守りシステムの概要>
図1は、見守りシステム100の概要の一例を示すブロック図である。見守りシステム100は、電気ポット1の使用状況によって、電気ポット1の使用者を監視者が見守ることを可能とするシステムである。使用者は、監視者が見守る対象者(見守り対象者)であり、例えば、加齢により筋力又は心身の活力が低下した虚弱状態(フレイルと称する)になる虞がある高齢者等である。
【0011】
図1に示すように、見守りシステム100は、例えば、電気ポット1、サーバ2及び携帯端末3を備える。
【0012】
電気ポット1は、収容された水を加熱して、加熱後の水(湯)を吐出口(不図示)から吐出する機器である。電気ポット1による湯の吐出を給湯と称する。電気ポット1は、見守り対象者により使用される。見守りシステム100は、電気ポット1を複数備えていてもよい。サーバ2は、インターネット4を介して、電気ポット1及び携帯端末3と通信可能に接続される。これにより、サーバ2は、例えば、電気ポット1からのデータ受信、及び、携帯端末3へのデータ送信を行うことができる。携帯端末3は、少なくとも、サーバ2からの情報を報知する機能(例:表示部、音出力部)を備えた電子機器である。携帯端末3は、監視者によって使用される端末の一例である。携帯端末3に代えて、据置型の電子機器が用いられてもよい。
【0013】
<電気ポットの構成>
図1に示すように、電気ポット1は、例えば、操作パネル11、温度センサ13、計時部14、第1制御部15、第1通信部16及び第1記憶部17を備える。
【0014】
操作パネル11は、使用者による操作を受付ける機能を有し、ロック解除ボタン111、給湯ボタン112、保温設定キー113及び再沸騰ボタン114を備える。これらのボタンは、操作ボタンの一例である。操作パネル11は、これらのうちの1つのボタン(例:給湯ボタン)を備えるものであってもよいし、これらのボタン以外のボタンを備えていてもよい。すなわち、操作パネル11は、少なくとも1つの操作ボタンを備えていればよい。
【0015】
ロック解除ボタン111は、給湯ボタン112のロック状態を解除し、給湯ボタン112に対する操作を受付可能とするボタンである。給湯ボタン112は、通常、ロック状態となっている。第1制御部15は、ロック解除ボタン111に対する操作を受付けたときから、又は、その後、給湯ボタン112に対する操作を一度受付けたのち、給湯ボタン112が操作されなくなったときから所定時間経過後(例:10秒後)、給湯ボタン112をロック状態に戻す。所定時間は、電気ポット1の使用実験等を経て、電気ポット1の使用の態様毎に、その態様に適すると考えられる時間が設定される。以降で説明する所定時間についても同様である。
【0016】
給湯ボタン112は、給湯を実行するボタンである。第1制御部15は、ロック解除状態において給湯ボタン112に対する操作を受付けると、給湯を実行する。
【0017】
保温設定キー113は、電気ポット1に収容された湯の保温温度の設定を変更可能とするボタンである。湯の保温温度は、複数段階に設定されている。第1制御部15は、保温設定キー113に対する操作を受付けるたびに保温温度を変更し、変更された保温温度に達するまで湯を加熱する。
【0018】
再沸騰ボタン114は、電気ポット1に収容された湯を再沸騰させるボタンである。第1制御部15は、再沸騰ボタン114に対する操作を受付けたときに、湯の再沸騰を開始する。但し、第1制御部15は、再沸騰ボタン114に対して所定時間(例:3秒間)継続して操作を受付けた場合(長押しされた場合)、電気ポット1の内部のクエン酸洗浄を実行する。
【0019】
温度センサ13は、電気ポット1に収容された湯の温度を検出する。第1制御部15は、例えば温度が閾値以下となった場合、再沸騰ボタン114に対する操作を受付けていなくとも、自動で再沸騰を開始する。当該閾値は、電気ポット1の湯量が少なくなった場合の注水を検出できる温度に設定されてよい。
【0020】
計時部14は、例えば、現在時刻を計時する。あるいは、計時部14は、何れかの操作ボタンが操作されてからの経過時間、または、何れかの操作ボタンの操作が継続している時間等を、適宜計時する。これにより、第1制御部15は、操作ボタンに対する操作を受付けた時刻等を取得できる。第1制御部15は、時刻として、日時を取得してもよい。
【0021】
第1制御部15は、電気ポット1の各部を統括して制御する。第1制御部15は、例えば、データ生成部151及び送信制御部152を備える。データ生成部151は、各種操作ボタンに対する操作又は電気ポット1の使用状態に応じてデータを生成する。データ生成部151は、各種データに、電気ポット1を識別する識別情報を付与してよい。送信制御部152は、データ生成部151が生成したデータを、第1通信部16を介して、サーバ2に送信する。なお、電気ポット1を識別する識別情報は、電気ポットが有するSIMカード等に記録された識別番号等の情報である。この場合、各種データへの、電気ポット1を識別する識別情報の付与は、データ生成部151に代えて、第1通信部16がSIMカードから識別番号を取得し、各種データに識別番号を付与することにより実現される。
【0022】
本実施形態では、データ生成部151は、操作ボタンに対して操作が行われた操作時刻、又は、電気ポット1が所定動作を行った動作時刻を示すデータを生成する。所定動作は、日常的な電気ポット1の使用における使用者の動きに起因した電気ポット1の動作であってもよい。例えば、所定動作は、使用者による注水の検出に基づく自動再沸騰であってもよい。
【0023】
また、操作パネル11は、操作ボタンとして、さらに、電気ポット1の使用者が外出をする際に操作されるおでかけキーを有していてもよい。この場合、データ生成部151は、さらに、おでかけキーが操作された時刻の情報を含む情報を生成してもよい。換言すれば、上記所定動作は使用者によるおでかけキーの操作であってもよく、さらに換言すれば、上記所定動作は使用者の外出であってもよい。
【0024】
操作時刻は、第1制御部15が操作ボタン(例:給湯ボタン112、保温設定キー113又は再沸騰ボタン114)に対する操作を受付けた時刻であってもよい。また、操作時刻は、当該操作による電気ポット1の動作の完了時刻であってもよい。完了時刻は、例えば、給湯ボタン112に対する操作を受付けたときから所定時間経過後(例:10秒後)の時刻、保温設定キー113に対する操作を受付けなくなってから所定時間経過後(例:2秒後)の時刻、再沸騰又はクエン酸洗浄の完了時刻であってもよい。動作時刻は、例えば、所定動作(例:自動再沸騰)の開始時刻または完了時刻であってもよい。
【0025】
サーバ2は、後述するように、電気ポット1からのデータに基づいて使用時間帯の傾向推定する機能を有しており、インターネット4を介して、携帯端末3を所有する監視者に当該傾向を容易に確認させることができることとなる。
【0026】
第1通信部16は、インターネット4を介して、サーバ2の第2通信部21とデータの送受信を行う。第1記憶部17は、第1制御部15が実行するプログラム等、各種データを記憶している。
【0027】
<サーバの構成>
サーバ2は、電気ポット1から受信したデータを管理する。サーバ2は、複数の電気ポット1からデータを受信した場合、電気ポット1毎にデータを管理する。図1に示すように、サーバ2は、第2通信部21、第2制御部22及び第2記憶部23を備える。
【0028】
第2通信部21は、インターネット4を介して、電気ポット1の第1通信部16及び携帯端末3とデータの送受信を行う。
【0029】
第2制御部22は、サーバ2の各部を統括して制御する。第2制御部22は、例えば、傾向推定部221、活動推定部222、変化検出部223、データ管理部224及び報知部225を備える。
【0030】
傾向推定部221は、操作時刻又は動作時刻に基づいて、使用者が電気ポット1を使用する時間帯の傾向(使用時間帯の傾向と称する)を推定する。使用時間帯の傾向は使用者の生活状態の一例であり、生活リズムと称されてもよい。
【0031】
具体的には、傾向推定部221は、電気ポット1の使用者が操作ボタンを過去に操作した操作時刻、又は、電気ポット1が過去に所定動作を行った動作時刻に基づいて、使用時間帯の傾向を推定する。すなわち、傾向推定部221は、使用者による電気ポット1の使用履歴(例えば、過去のデータ等)に基づいて、使用時間帯の傾向を推定する。過去に操作した時刻を過去の操作時刻と称し、過去に所定動作を行った時刻を過去の動作時刻と称する。また、使用者による電気ポット1の使用履歴を、第1使用履歴と称する。
【0032】
使用者が日常的に電気ポット1を使用する場合、毎日の生活において同じような時間帯に、同じような操作又は動作が行われることが予想される。そのため、傾向推定部221は、操作時刻又は動作時刻に基づいて使用時間帯の傾向を推定することにより、当該傾向を推定できる。また、傾向推定部221は、電気ポット1からのデータのみを用いて使用時間帯の傾向を推定することにより、当該傾向を、監視者に容易に確認させることを可能とする。
【0033】
また、傾向推定部221は、操作時刻に基づく推定の場合、電気ポット1への使用者の直接的な操作に基づいて使用時間帯の傾向を推定できる。従って、傾向推定部221は、精度よく使用時間帯の傾向を推定できる。また、所定動作は、日常的な電気ポット1の使用における使用者の動きに起因したものである。例えば、使用者が日常的に電気ポット1から給水を行っている場合、使用者が定期的に電気ポット1に注水し、電気ポット1が定期的に自動再沸騰を行うことが予想される。従って、傾向推定部221は、所定動作に基づく推定の場合であっても、精度よく使用時間帯の傾向を推定できる。
【0034】
活動推定部222は、傾向推定部221の推定結果に基づいて、使用者の活動の傾向(活動の傾向と称する)を推定する。これにより、監視者に、活動の傾向を確認させることが可能となる。活動の傾向としては、例えば、使用者が朝型である又は夜型である等の傾向が挙げられる。活動の傾向は、使用時間帯の傾向と同様、使用者の生活状態の一例であり、生活リズムと称されてもよい。
【0035】
具体的には、活動推定部222は、電気ポット1における過去の操作時刻又は過去の動作時刻(第1使用履歴)に基づいて、活動の傾向を推定してよい。この場合、活動推定部222は、使用者自身の過去の時間帯の傾向から、活動の傾向を推定できる。
【0036】
また、活動推定部222は、電気ポット1とは異なる他の電気ポットにおける過去の操作時刻又は過去の動作時刻に基づいて、活動の傾向を推定してよい。この場合、活動推定部222は、他の電気ポットの使用者の使用履歴(第2使用履歴と称する)に基づいて、活動の傾向を推定できる。活動推定部222は、複数の他の電気ポットの使用履歴を用いる場合には、より多くのデータを用いて活動の傾向を推定できる。そのため、この場合、活動推定部222は、より精度よく活動の傾向を推定できる。
【0037】
また、活動推定部222は、電気ポット1及び他の電気ポットにおける過去の操作時刻に基づいて、活動の傾向を推定してもよい。さらに、活動推定部222は、電気ポット1及び他の電気ポットにおける過去の動作時刻に基づいて、活動の傾向を推定してもよい。この場合も、活動推定部222は、より多くのデータを用いて活動の傾向を推定できる。そのため、活動推定部222は、より精度よく活動の傾向を推定できる。
【0038】
変化検出部223は、傾向推定部221の推定結果に基づいて、使用時間帯の傾向の変化を検出する。すなわち、変化検出部223は、電気ポット1における過去の操作時刻又は動作時刻(すなわち第1使用履歴)に基づいて、使用時間帯の傾向の変化を検出する。これにより、使用時間帯の傾向の変化を、監視者に確認させることが可能となる。従って、サーバ2は、監視者に対して、使用者又は医療従事者等に連絡するきっかけを与えることができる。
【0039】
データ管理部224は、電気ポット1から受信したデータを、操作内容又は動作内容と、電気ポット1の識別情報とに対応付けて、第2記憶部23において管理する。また、データ管理部224は、複数の電気ポット1から受信したデータを管理することにより、監視者が見守る使用者の電気ポット1から受信したデータと共に、他の電気ポットから受信したデータも管理できる。
【0040】
また、データ管理部224は、推定した使用時間帯の傾向を示すデータを、第2記憶部23に記憶してもよい。この場合、第2制御部22は、蓄積した過去の使用時間帯の傾向に基づいて、活動の傾向の推定、又は、使用時間帯の傾向の変化の検出を行うことができる。また、データ管理部224は、蓄積した使用時間帯の傾向に、推定した活動の傾向を対応付けて、第2記憶部23に記憶してもよい。
【0041】
報知部225は、傾向推定部221の推定結果を、携帯端末3を介して報知してよい。これにより、携帯端末3の所有者である監視者が、使用時間帯の傾向を確認できる。また、報知部225は、活動推定部222の推定結果、又は、変化検出部223の検出結果を、携帯端末3を介して報知してよい。これにより、監視者が、使用者の活動の傾向、又は、使用時間帯の傾向の変化を確認できる。
【0042】
報知部225は、例えば、推定結果又は検出結果を含むメッセージ等を携帯端末3に送信することにより、携帯端末3を介して推定結果又は検出結果を報知してよい。また、報知部225は、推定結果又は検出結果を逐次、携帯端末3に送信しなくてもよい。この場合、データ管理部224は、傾向推定部221又は活動推定部222が推定結果を出力するたびに、第2記憶部23に記憶してもよい。また、データ管理部224は、変化検出部223が検出結果を出力するたびに、第2記憶部23に記憶してもよい。報知部225は、携帯端末3から推定結果又は検出結果の送信要求を受信したときに、この応答として、推定結果又は検出結果を携帯端末3に送信してよい。これにより、報知部225は、例えば監視者が使用者を見守ることが可能なウェブブラウザを介して、推定結果又は検出結果を報知できる。
【0043】
以下、傾向推定部221、活動推定部222及び変化検出部223の処理例について説明する。以下の処理例の説明においては、操作内容が給湯ボタン112に対する操作である場合を例示する。すなわち、以下の処理例は、他の操作ボタンに対する操作、及び、所定動作を対象とする場合にも適用できる。所定動作を対象とする場合、操作を所定動作、未操作を所定動作無し等と読み替えればよい。
【0044】
(推定部による推定処理例)
傾向推定部221は、第2記憶部23から、一定期間における給湯ボタン112の操作時刻を取得する。一定期間は、例えば1日(午前0時から次の午前0時前まで)であってもよい。以下、一定期間が1日であるものとして説明する。
【0045】
傾向推定部221は、1日を単位時間に分割し、どの単位時間において操作が行われているかを検出する。単位時間は、例えば10分間であってもよい。傾向推定部221は、この検出処理を、過去の所定期間において第2記憶部23に記憶(蓄積)されたデータを用いて行う。所定期間が例えば過去7日間に設定されている場合、傾向推定部221は、過去7日間において蓄積されたデータを用いて、上記検出処理を行う。以下、所定期間が過去7日間であるものとして説明する。
【0046】
傾向推定部221は、過去7日間の各日における検出結果に基づき、最新の使用時間帯の傾向を推定する。傾向推定部221は、例えば、過去7日間の検出結果のそれぞれについて単位時間毎に操作回数を計数し、当該操作回数が閾値以上である単位時間を、操作が行われた時間帯として特定する。また、傾向推定部221は、当該操作回数が閾値未満である単位時間を、未操作の時間帯と特定する。
【0047】
このように、傾向推定部221は、第1使用履歴を用いることにより、1日における使用時間帯の傾向(どの時間帯で電気ポット1を使用しているかという傾向)を推定できる。なお、上述した一定期間、単位時間、所定期間及び閾値としては、電気ポット1の使用実験等を経て、使用時間帯の傾向の推定に適すると考えられる値が設定される。
【0048】
(活動推定部による推定処理例)
第2記憶部23には、電気ポットの使用時間と活動の傾向とが対応付けられた基準データが記憶されていてよい。例えば、午前4時から午前10時までの間に操作が認められる場合には朝型、午後9時から翌日の午前3時の間に操作が認められる場合には夜型、等と対応付けられていてよい。活動推定部222は、傾向推定部221の推定結果(第1使用履歴に基づき推定した使用時間帯の傾向)と、基準データとを比較することにより、活動の傾向を推定してよい。
【0049】
基準データにおける電気ポットの使用時間は、例えば第1使用履歴及び/又は第2使用履歴に基づいて設定されてもよい。
【0050】
第2制御部22は、第1使用履歴を用いる場合、例えば、過去に推定した使用時間帯の傾向において操作が認められる時間帯を、電気ポットの使用時間として設定してもよい。第2制御部22は、例えば朝型用の電気ポットの使用時間を設定する場合、朝型と推定された過去の使用時間帯の傾向を用いる。夜型の場合も同様である。
【0051】
過去の使用時間帯の傾向は、1つであっても複数であってもよい。第2制御部22は、複数の使用時間帯の傾向を用いる場合、当該傾向の何れかにおいて操作が認められた時間帯を、電気ポットの使用時間帯として設定してもよい。また、第2制御部22は、当該傾向から1つの使用時間帯の傾向を推定し、当該傾向において操作が認められた時間帯を、電気ポットの使用時間を設定してもよい。この推定は、傾向推定部221による推定と同様に行われてよい。
【0052】
また、第2使用履歴を用いて電気ポットの使用時間を設定する場合についても、第1使用履歴を用いる場合と同様である。
【0053】
例えば、第2制御部22は、ある1つの他の電気ポットについて使用時間帯の傾向を推定し、当該傾向と基準データとを比較することにより、当該電気ポットの使用者の、活動の傾向を推定する。第2制御部22は、使用時間帯の傾向において操作が認められた時間帯を、推定した活動の傾向に対応する電気ポットの使用時間として設定してよい。第2制御部22は、複数の使用時間帯の傾向を推定した場合には、活動の傾向毎に使用時間帯の傾向を抽出し、第1使用履歴を用いる場合と同様に、電気ポットの使用時間を設定してよい。
【0054】
また例えば、第2制御部22は、複数の第2使用履歴を用いて、電気ポットの使用時間を設定してもよい。この場合、例えば、第2制御部22は、他の電気ポットのそれぞれについて、使用時間帯及び活動の傾向を推定する。第2制御部22は、活動の傾向毎に使用時間帯の傾向を抽出し、第1使用履歴を用いる場合と同様に、電気ポットの使用時間を設定してよい。
【0055】
また、第2制御部22は、第1使用履歴及び第2使用履歴の両方を用いて、電気ポットの使用時間を設定してもよい。この場合、例えば、第2制御部22は、電気ポット1について過去に推定した使用時間帯の傾向、及び、1又は複数の他の電気ポットについて推定した使用時間帯の傾向を用いて、電気ポットの使用時間を設定してよい。
【0056】
ここで、第2記憶部23には、電気ポット1及び他の電気ポットの使用者の年齢又は性別が記録されていてもよい。この場合、データ管理部224は、各データについて、年代別又は男女別に管理してもよい。例えば、第2制御部22は、第2使用履歴から、電気ポット1の使用者の年代と同一の年代のデータを抽出し、抽出したデータを用いて、電気ポットの使用時間を設定してもよい。また、第2制御部22は、第2使用履歴から、電気ポット1の使用者の性別と同一の性別のデータを抽出し、抽出したデータを用いて、電気ポットの使用時間を設定してもよい。これにより、第2使用履歴を用いる場合において、活動の傾向の推定精度を高めることができる。
【0057】
(変化検出部による検出処理例)
変化検出部223は、傾向推定部221が推定した最新の使用時間帯の傾向を、当該使用時間帯の傾向よりも過去に推定した使用時間帯の傾向(基準傾向と称する)と比較することにより、使用時間帯の傾向に変化が生じているかを判定してよい。基準傾向としては、過去に推定した1つの使用時間帯の傾向が用いられてもよいし、複数の使用時間帯の傾向が用いてもよい。
【0058】
後者の場合、例えば、第2制御部22は、各使用時間帯の傾向を、基準傾向としてもよい。この場合、第2制御部22は、最新の使用時間帯の傾向を、各使用時間帯の傾向と比較する。また、第2制御部22は、複数の使用時間帯の傾向から推定した1つの使用時間帯の傾向を、基準傾向として用いてもよい。
【0059】
また、変化検出部223は、電気ポット1からデータを受信するたびに、当該データを基準傾向と比較してもよい。この場合、変化検出部223は、電気ポット1から受信したデータが示す操作時刻が、基準傾向における未操作の時間帯に含まれる場合、使用時間帯の傾向に変化が生じていると判定する。また、変化検出部223は、基準傾向において操作が認められる時間帯にもかかわらず、電気ポット1からデータを受信しなかった場合、使用時間帯の傾向に変化が生じていると判定してよい。
【0060】
このように、変化検出部223は、第1使用履歴を用いることにより、使用時間帯の傾向に変化が生じていることを検出できる。
【0061】
(その他の推定又は検出処理例)
サーバ2が、複数の操作ボタンに対する操作について操作時刻を示すデータを受信している場合、傾向推定部221は、各操作ボタンに対する操作毎に、使用時間帯の傾向を推定してよい。所定動作についても同様である。
【0062】
この場合、活動推定部222は、複数の使用時間帯の傾向のうちの1つを用いて、活動の傾向を推定してもよい。また、活動推定部222は、使用時間帯の傾向毎に活動の傾向を推定してもよい。上述した基準データは、使用時間帯の傾向毎に異なっていてよい。活動推定部222は、使用時間帯の傾向毎に活動の傾向の推定結果が異なる場合、例えば1つの推定結果を選択してよい。
【0063】
また、変化検出部223についても、各操作ボタンに対する操作毎に、使用時間帯の傾向の変化を検出してもよい。この場合、変化検出部223は、何れかの使用時間帯の傾向に変化が生じた場合に、当該傾向を検出したとしてもよい。
【0064】
<電気ポット及びサーバにおける処理>
図2の符号1001及び1002は、電気ポット1における処理の一例を示すフローチャートである。
【0065】
図2の符号1001に示すように、第1制御部15は、操作ボタン(例:給湯ボタン112)に対して操作が行われたかを監視している(S1)。第1制御部15は、当該操作があるまで監視を続ける(S1でNOの場合)。第1制御部15が当該操作を検出した場合(S1でYES)、データ生成部151は、当該操作の操作時刻を示すデータを生成する(S2)。送信制御部152は、データ生成部151が操作時刻を示すデータを生成すると、当該データを操作内容と共にサーバ2に送信する(S3)。
【0066】
また、図2の符号1002に示すように、第1制御部15は、自動再沸騰を実行するかを判定する(S11)。第1制御部15は、例えば、温度センサ13が検出した湯の温度が注水検出用の閾値以下となった場合に、自動再沸騰を開始する。第1制御部15は、湯の温度が当該閾値以下となるまで監視を続ける(S11でNOの場合)。第1制御部15が自動再沸騰を実行した場合(S11でYES)、データ生成部151は、自動再沸騰の動作時刻を示すデータを生成する(S12)。送信制御部152は、データ生成部151が動作時刻を示すデータを生成すると、当該データを動作内容と共にサーバ2に送信する(S13)。
【0067】
図3の符号1011及び1012は、サーバ2における処理の一例を示すフローチャートである。
【0068】
図3の符号1011に示すように、傾向推定部221は、電気ポット1から操作時刻又は動作時刻を示すデータを受信すると(S21)、当該データに基づき、使用時間帯の傾向を推定する(S22)。活動推定部222は、傾向推定部221が推定した使用時間帯の傾向に基づき、活動の傾向を推定する(S23)。報知部225は、傾向推定部221及び/又は活動推定部222の推定結果を携帯端末3に送信する(S24)。これにより、携帯端末3は推定結果を報知する。傾向推定部221の推定結果のみを携帯端末3に送信する場合、S23の処理は実行されなくてもよい。
【0069】
また、図3の符号1012に示すように、傾向推定部221は、電気ポット1から操作時刻又は動作時刻を示すデータを受信すると(S31)、当該データに基づき、使用時間帯の傾向を推定する(S32)。変化検出部223は、今回推定した使用時間帯の傾向が、既に推定している使用時間帯の傾向から変化しているかを判定する(S33)。変化検出部223が、使用時間帯の傾向に変化が生じていると判定した場合(変化検出部223が当該傾向の変化を検出した場合)(S33でYES)、報知部225は、変化検出部223の検出結果を携帯端末3に送信する(S34)。これにより、携帯端末3は検出結果を報知する。一方、S33でNOの場合、S31の処理に戻る。
【0070】
なお、S33において、変化検出部223は、電気ポット1からデータを受信したときに、当該データが示す操作時刻又は動作時刻と、既に推定している使用時間帯の傾向とを比較して、使用時間帯の傾向に変化が生じているかを判定してもよい。また、変化検出部223は、既に推定している使用時間帯の傾向において操作又は所定動作が認められる時間帯に、電気ポット1からデータを受信しなかった場合に、使用時間帯の傾向に変化が生じているかを判定してもよい。これらの場合、S32の処理は実行されなくてよい。
【0071】
また、上述したように、報知部225は、推定結果又は検出結果を逐次、携帯端末3に送信しなくてもよく、携帯端末3から推定結果又は検出結果の送信要求を受信したときに、推定結果又は検出結果を携帯端末3に送信してもよい。
【0072】
〔ソフトウェアによる実現例〕
電気ポット1及びサーバ2(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に第1制御部15及び第2制御部22に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0073】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0074】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1又は複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線又は無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0075】
また、上記各制御ブロックの機能の一部又は全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0076】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータ又はクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0077】
<適用例>
本開示のサーバは、電気ポットに限定されず、その他の家電製品を対象として、見守り対象者の生活状態を、監視者に容易に確認させることができる。家電製品は、常時電源が入っている製品であればより好適である。以下、本開示のサーバが、家電製品の一つである、炊飯器及び空気清浄器を対象として用いられる例を、図4及び図5を参照して説明する。なお、図1等を参照して説明した内容については、その説明を省略する。
【0078】
<炊飯器>
図4は、炊飯器の蓋の一例を示す図である。蓋40は、表示部41及び操作部42を有する。表示部41は、一例として、お米選択(白米、無洗米、玄米など)、メニュー選択(しゃっきり、ふつう、もちもち、など)、保温切替(最適保温、高め保温、保温なし、など)、現在時刻、及び予約時刻などを表示する。表示部41は、使用者による操作部42へのボタン操作を介して、お米の種類、炊き上がり状態、保温状態、予約時刻など、ユーザにより選択された結果を表示する。
【0079】
操作部42は、一例として、「とりけし」、「炊飯」、「予約」、「お米選択」、「メニュー選択」、及び/又は、「保温」といったボタンを含んでよい。これらは一例であって、操作部42は、他の種類のボタンを含んでもよい。
【0080】
以下、使用者による操作部42の操作例(「(1)スクロール操作」、「(2)長押し操作」)と共に、サーバ2が、炊飯器から送信されたデータに基づき、使用者が炊飯器を使用する時間帯の傾向を推定する構成を説明する。
【0081】
(1)スクロール操作
最初に、使用者が炊飯器に対してスクロール操作するケースについて説明する。スクロール選択は、一例として、使用者が、お米選択、メニュー選択、及び時計合わせする場合などに使用される。一例として、表示部41に「白米」、「無洗米」、「玄米」が表示されている場合、「お米選択」のボタンを押す回数に応じて、表示部41に表示された「白米」、「無洗米」、「玄米」の文字が順次点滅する。使用者は、選択したいお米の種類の文字が点滅すると、ボタンを押す操作を終了し、選択先を決定する。このとき、「白米」から「玄米」に辿り着くためには、「お米選択」のボタンを2回押す必要がある。
【0082】
このように、使用者は、お米選択、メニュー選択、及び時計合わせ等に関してスクロール操作ができる。
【0083】
(2)長押し操作
次に、使用者が炊飯器に対して長押し操作するケースについて説明する。長押し操作は、一例として、使用者が、保温、時計合わせ、及びクリーニングする場合などに使用される。一例として、使用者が保温に関する操作を行う場合、使用者は「保温」のボタンを長押し(例えば、2秒)すると、選択される保温状態を、「保温状態A」、「保温状態B」、「保温状態C」へと順次切り替えることができる。
【0084】
このように、使用者は、保温、時計合わせ、及びクリーニング等に関して長押し操作ができる。
【0085】
(3)傾向推定部による処理
次に、前述した傾向推定部による処理を説明する。
【0086】
傾向推定部221は、スクロール操作、長押し操作、又は他の通常の操作が行われた操作時刻又は動作時刻に基づいて、使用者が炊飯器を使用する時間帯の傾向(使用時間帯の傾向と称する)を推定する。使用時間帯の傾向は使用者の生活状態の一例であり、生活リズムと称されてもよい。
【0087】
具体的には、傾向推定部221は、炊飯器の使用者が操作ボタンを過去に操作した操作時刻、又は、炊飯器が過去に所定動作(例:予約しているときの炊飯実行、保温など)を行った動作時刻に基づいて、使用時間帯の傾向を推定する。すなわち、傾向推定部221は、使用者による炊飯器の使用履歴(例えば、過去のデータ等)に基づいて、使用時間帯の傾向を推定する。
【0088】
使用者が日常的に炊飯器を使用する場合、毎日の生活において同じような時間帯に、同じような操作又は動作が行われることが予想される。そのため、傾向推定部221は、操作時刻又は動作時刻に基づいて使用時間帯の傾向を推定することにより、当該傾向を推定できる。また、傾向推定部221は、炊飯器からのデータのみを用いて使用時間帯の傾向を推定することにより、当該傾向を、監視者に容易に確認させることを可能とする。
【0089】
また、傾向推定部221は、操作時刻に基づく推定の場合、炊飯器への使用者の直接的な操作に基づいて使用時間帯の傾向を推定できる。従って、傾向推定部221は、精度よく使用時間帯の傾向を推定できる。また、所定動作は、日常的な炊飯器の使用における使用者の動きに起因したものである。従って、傾向推定部221は、所定動作に基づく推定の場合であっても、精度よく使用時間帯の傾向を推定できる。
【0090】
活動推定部222による処理は、図1等を参照して説明した方法でよいため、ここでの繰り返しの説明は省略する。
【0091】
<空気清浄器>
図5は、空気清浄器のパネルの一例を示す図である。パネル50は、例えば、Airsign51、電源ボタン52、コース選択ボタン53、及び自動オフボタン54を有する。
【0092】
Airsign51は、一例として、「ホコリ」、「ニオイ」に対応する2つのランプを有する。空気清浄器は、周囲環境においてホコリ及び/又はニオイを検知する検知部(不図示)を備える。Airsign51では、周囲環境においてホコリ及び/又はニオイが検知された場合には、ホコリ及び/又はニオイに対応するランプが点灯する。一例として、該ランプは、「ホコリ」及び「ニオイ」の検知結果が良好であれば緑色に、良好でなければ赤色に、それぞれ点灯する。
【0093】
電源ボタン52は、使用者に押されることにより、空気清浄器の電源のオン/オフを制御する。
【0094】
コース選択ボタン53は、使用者に押されることにより、一例として、「標準」、「弱」、「静音」、「おまかせ」、及び「花粉」のうち、使用者が所望するコースを選択させる。図5では、コース選択ボタン53の左側に5つのランプが設けられている。図示していないが、それぞれのランプの下には、左上から順番に、「標準」、「弱」、「静音」、「おまかせ」、及び「花粉」の文字が印字されていてよい。使用者により選択されたコースに対応するランプが点灯することにより、使用者は、自身が選択したコースを確認できる。
【0095】
自動オフボタン54は、使用者に押されることにより、空気清浄器が所定の時間継続運転した後に(例えば36時間後)、空気清浄器の電源を自動的にオフさせる。
【0096】
以下、使用者によるパネル50の操作例(「(1)スクロール操作」、「(2)長押し操作」)と共に、サーバ2が、使用者が空気清浄器を使用する時間帯の傾向を推定する構成を説明する。
【0097】
(1)スクロール操作
最初に、使用者が空気清浄器に対してスクロール操作するケースについて説明する。スクロール選択は、一例として、使用者が、「標準」、「弱」、「静音」、「おまかせ」、及び「花粉」のうち、所望のコースを選択する場合に使用される。一例として、コース選択ボタン53の左側の5つのランプのうち、右上の「静音」のランプが点灯しているとする。使用者は、「花粉」のコースを選択したい場合には、コース選択ボタン53を2回押す必要がある。
【0098】
(2)長押し操作
次に、使用者が空気清浄器に対して長押し操作するケースについて説明する。長押し操作は、一例として、使用者が自動オフボタン54を長押しして、チャイルドロックの設定、設定解除をしたいときに使用される。使用者は自動オフボタン54を長押し(例えば、2秒)すると、チャイルドロックのオン/オフを切り替えることができる。
【0099】
(3)傾向推定部による処理
次に、前述した傾向推定部による処理を説明する。
【0100】
傾向推定部221は、スクロール操作、長押し操作、又は他の通常の操作が行われた操作時刻又は動作時刻に基づいて、使用者が空気清浄器を使用する時間帯の傾向(使用時間帯の傾向と称する)を推定する。使用時間帯の傾向は使用者の生活状態の一例であり、生活リズムと称されてもよい。
【0101】
具体的には、傾向推定部221は、空気清浄器の使用者が操作ボタンを過去に操作した操作時刻、又は、空気清浄器が過去に所定動作(例:検知部による検知動作)を行った動作時刻に基づいて、使用時間帯の傾向を推定する。すなわち、傾向推定部221は、使用者による空気清浄器の使用履歴(例えば、過去のデータ等)に基づいて、使用時間帯の傾向を推定する。
【0102】
使用者が日常的に空気清浄器を使用する場合、毎日の生活において同じような時間帯に、同じような操作又は動作が行われることが予想される。そのため、傾向推定部221は、操作時刻又は動作時刻に基づいて使用時間帯の傾向を推定することにより、当該傾向を推定できる。また、傾向推定部221は、空気清浄器からのデータのみを用いて使用時間帯の傾向を推定することにより、当該傾向を、監視者に容易に確認させることを可能とする。
【0103】
また、傾向推定部221は、操作時刻に基づく推定の場合、空気清浄器への使用者の直接的な操作に基づいて使用時間帯の傾向を推定できる。従って、傾向推定部221は、精度よく使用時間帯の傾向を推定できる。また、所定動作は、日常的な空気清浄器の使用における使用者の動きに起因したものである。従って、傾向推定部221は、所定動作に基づく推定の場合であっても、精度よく使用時間帯の傾向を推定できる。
【0104】
活動推定部222による処理は、図1等を参照して説明した方法でよいため、ここでの繰り返しの説明は省略する。
【0105】
以上、本開示に係るサーバを、電気ポットとは異なる家電製品である、炊飯器及び空気清浄機に適用される例を説明した。炊飯器及び空気清浄器に関連する説明は、本開示に係るサーバの一適用例を説明するに過ぎず、電気ポットに関連して説明した技術思想を適宜組み合わせることが可能である。従って、本開示の一形態に係るサーバの概念について説明すると次の通りである。
【0106】
本開示の一形態に係るサーバは、少なくとも1つの操作ボタンを有する家電製品と通信可能に接続されるサーバであって、前記操作ボタンに対して操作が行われた操作時刻、又は、前記家電製品が所定動作を行った動作時刻に基づいて、使用者が前記家電製品を使用する時間帯の傾向を推定する傾向推定部を備える。
【0107】
また、本開示の一形態に係る家電製品は、前記サーバと通信可能に接続され、前記操作時刻又は前記動作時刻を示すデータを前記サーバに送信する
本開示に係るサーバは、電気ポット、炊飯器、空気清浄器以外の家電製品にも適用可能であることは言うまでもない。
【0108】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した本発明の一態様に係る電気ポット1及びサーバ2炊飯器、空気清浄機といった家電製品によれば、使用時間帯及び活動の傾向の推定が可能である。また、電気ポット1及びサーバ2によれば、使用時間帯の変化の検出が可能である。そのため、持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成に貢献できる。
【0109】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係るサーバは、少なくとも1つの操作ボタンを有する電気ポットと通信可能に接続されるサーバであって、前記操作ボタンに対して操作が行われた操作時刻、又は、前記電気ポットが所定動作を行った動作時刻に基づいて、使用者が前記電気ポットを使用する時間帯の傾向を推定する傾向推定部を備える。
【0110】
本開示の態様2に係るサーバは、前記の態様1において、前記傾向推定部の推定結果に基づいて、前記傾向の変化を検出する変化検出部を備える。
【0111】
本開示の態様3に係るサーバは、前記の態様1又は2において、前記傾向推定部の推定結果に基づいて、前記使用者の活動の傾向を推定する活動推定部を備える。
【0112】
本開示の態様4に係るサーバは、前記の態様1から3の何れかにおいて、前記電気ポットとは異なる他の電気ポットと通信可能に接続され、前記活動推定部は、前記電気ポットにおいて過去に行われた操作の操作時刻、前記電気ポットが過去に所定動作を行った動作時刻、前記他の電気ポットにおいて過去に行われた操作の操作時刻、及び、前記他の電気ポットが過去に所定動作を行った動作時刻、の少なくとも何れかに基づいて、前記活動の傾向を推定する。
【0113】
本開示の態様5に係るサーバは、前記の態様1から4の何れかにおいて、前記傾向推定部の検出結果を、前記サーバと通信可能に接続される端末を介して報知する報知部を備える。
【0114】
本開示の態様6に係る電気ポットは、前記サーバと通信可能に接続され、前記操作時刻又は前記動作時刻を示すデータを、前記の態様1から5の何れかに記載のサーバに送信する。
【0115】
本開示の態様7に係るサーバは、少なくとも1つの操作ボタンを有する家電製品と通信可能に接続されるサーバであって、前記操作ボタンに対して操作が行われた操作時刻、又は、前記家電製品が所定動作を行った動作時刻に基づいて、使用者が前記家電製品を使用する時間帯の傾向を推定する傾向推定部を備える。
【0116】
本開示の態様8に係る家電製品は、前記サーバと通信可能に接続され、前記操作時刻又は前記動作時刻を示すデータを、前記の態様7に係るサーバに送信する。
【符号の説明】
【0117】
1 電気ポット、2 サーバ、40 (炊飯器の)蓋、50 (空気清浄器の)パネル、111 ロック解除ボタン(操作ボタン)、112 給湯ボタン(操作ボタン)、113 保温設定キー(操作ボタン)、114 再沸騰ボタン(操作ボタン)、221 傾向推定部、222 活動推定部、223 変化検出部、225 報知部
図1
図2
図3
図4
図5