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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143826
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】薬剤払出し装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044005
(22)【出願日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】P 2022050738
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】小田 智生
(72)【発明者】
【氏名】八田 祥吾
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047JJ03
4C047JJ10
4C047JJ13
4C047JJ20
4C047JJ22
4C047JJ23
4C047JJ25
4C047JJ26
4C047JJ31
4C047JJ33
4C047KK06
4C047KK25
(57)【要約】
【課題】ロボット機構を有さず、且つ使い勝手の良い薬剤払出し装置を提供することを課題とする。
【解決手段】分配皿20の近傍に、散薬払出し機能を備えた載置台32が複数設置されており、処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて特定の載置台32を駆動するものであって、作業者が載置台32に手動で薬剤容器31を設置し、前記散薬払出し機能によって薬剤容器31から散薬を払い出して前記分配皿20に散薬を投入するものであり、一回の分包動作を実施するのに必要な薬剤容器31を載置台32に設置し、さらに他の回の分包動作を実施するのに必要な薬剤容器31を載置台32に設置することが可能であり、一又は一群の載置台32を駆動して前記一回の分包動作が実施され、引き続いて他の一又は他の一群の載置台32を駆動して前記他の回の分包動作を実施することが可能である薬剤払出し装置1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の薬剤投入溝が設けられ動力によって回転される分配皿を有し、前記分配皿に投入された散薬を所定の数に分割しさらに個別に包装して排出する分包動作を実施する薬剤払出し装置において、
前記分配皿の近傍に、散薬払出し機能を備えた載置台が複数設置されており、
処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて特定の載置台を駆動するものであって、
作業者が載置台に手動で薬剤容器を設置し、前記散薬払出し機能によって薬剤容器から散薬を払い出して前記分配皿に散薬を投入するものであり、
一回の分包動作を実施するのに必要な薬剤容器を載置台に設置し、さらに他の回の分包動作を実施するのに必要な薬剤容器を載置台に設置することが可能であり、
一又は一群の載置台を駆動して前記一回の分包動作が実施され、引き続いて他の一又は他の一群の載置台を駆動して前記他の回の分包動作を実施することが可能である薬剤払出し装置。
【請求項2】
表示装置を有し、前記一回の分包動作に要する薬剤容器がすべて載置台に載置された状態で、前記他の回の分包動作に要するすべての薬剤容器を載置台に載置することが可能である場合には、それを示す表示がなされる請求項1に記載の薬剤払出し装置。
【請求項3】
表示装置を有し、当該表示装置には前記一回の分包動作に要する薬剤容器の情報が表示され、前記一回の分包動作に要する薬剤容器がすべて載置台に載置された状態で、前記他の回の分包動作に要するすべての薬剤容器を載置台に載置することが可能である場合には、前記表示装置に前記他の回の分包動作に要する薬剤容器の情報を表示することができる請求項1又は2に記載の薬剤払出し装置。
【請求項4】
複数種類の薬剤を分配皿に投入して混合状態の薬剤を分包する場合、前記散薬の種類の情報に応じて、先に払い出しを開始する散薬の種類を判定することが可能である請求項1又は2に記載の薬剤払出し装置。
【請求項5】
前記散薬の種類の情報には、散薬の跳ねに関連する情報が含まれる請求項4に記載の薬剤払出し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散薬を分包する機能を備えた薬剤払出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大病院や、大規模の薬局では、散薬分包機能を備えた薬剤払出し装置が導入されている。
特許文献1に開示された旧来の薬剤払出し装置は、人手によって薬棚から処方された散薬が入った薬瓶等の元容器を取り出し、天秤等の秤を使用して処方された特定の散薬の総重量を量り出す作業を行う必要がある。
本出願人は、この問題に対処するため、特許文献2、3に開示された薬剤払出し装置を実用化した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-85703号公報
【特許文献2】特開2018-35001号公報
【特許文献3】WO2015/076267/A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2、3には、ロボットによって薬剤容器を搬送し、薬剤容器の蓋を開閉する薬剤払出し装置が開示されているが、このような薬剤払出し装置は、装置全体が大型化する場合が多く、小規模の薬局等には導入し難いという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した問題点に注目し、ロボット機構を有さず、且つ使い勝手の良い薬剤払出し装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するための態様は、環状の薬剤投入溝が設けられ動力によって回転される分配皿を有し、前記分配皿に投入された散薬を所定の数に分割しさらに個別に包装して排出する分包動作を実施する薬剤払出し装置において、前記分配皿の近傍に、散薬払出し機能を備えた載置台が複数設置されており、処方データを記憶及び/又は受信し、当該処方データに基づいて特定の載置台を駆動するものであって、作業者が載置台に手動で薬剤容器を設置し、前記散薬払出し機能によって薬剤容器から散薬を払い出して前記分配皿に散薬を投入するものであり、一回の分包動作を実施するのに必要な薬剤容器を載置台に設置し、さらに他の回の分包動作を実施するのに必要な薬剤容器を載置台に設置することが可能であり、一又は一群の載置台を駆動して前記一回の分包動作が実施され、引き続いて他の一又は他の一群の載置台を駆動して前記他の回の分包動作を実施することが可能である薬剤払出し装置である。
【0007】
以下、一回の前記分包動作が実施され、引き続いて他の回の分包動作を実施することを連続分包動作と称する。
本態様の薬剤払出し装置は、手動で薬剤容器を設置するものであるが、一回の薬剤装置を装着する作業で、複数回の分包動作を行うことができる。
【0008】
上記した態様において、表示装置を有し、前記一回の分包動作に要する薬剤容器がすべて載置台に載置された状態で、前記他の回の分包動作に要するすべての薬剤容器を載置台に載置することが可能である場合には、それを示す表示がなされることが望ましい。
【0009】
本態様の薬剤払出し装置によると、連続分包動作が可能か否かを知ることができる。
【0010】
上記した各態様において、表示装置を有し、当該表示装置には前記一回の分包動作に要する薬剤容器の情報が表示され、前記一回の分包動作に要する薬剤容器がすべて載置台に載置された状態で、前記他の回の分包動作に要するすべての薬剤容器を載置台に載置することが可能である場合には、前記表示装置に前記他の回の分包動作に要する薬剤容器の情報を表示することができることが望ましい。
【0011】
本態様によると、取り揃えるべき薬剤容器が何であるかを知ることができる。
【0012】
上記した各態様において、散剤、細粒剤、顆粒剤等の散薬の種類に関する情報を保有または入力され、複数種類の薬剤を分配皿に投入して混合状態の薬剤を分包する場合、前記散薬の種類の情報に応じて、先に払い出しを開始する散薬の種類を判定することが可能であることが望ましい。
【0013】
また前記散薬の種類の情報には、散薬の跳ねに関連する情報が含まれることが望ましい。
【0014】
例えば跳ねにくい薬剤が先に分配皿に入れられ、その後で跳ねやすい薬剤が分配皿に投入される。そのため、先に投入された跳ねにくい薬剤がクッション層となり、後で投入された跳ねやすい薬剤が跳ねることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の薬剤払出し装置によると、一回の薬剤装置を装着する作業で、複数回の分包動作を行うことができ、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態の薬剤払出し装置の斜視図であって上蓋を開いた状態を示す。
図2図1の薬剤払出し装置の分配皿周辺の斜視図である。
図3】薬剤容器及び載置台であって薬剤容器を載置台から取り外した状態の斜視図である。
図4】薬剤容器及び載置台であって薬剤容器を載置台から取り外した状態をモデル化して表示した側面図である。
図5】本発明の実施形態の薬剤払出し装置の一形態であり、薬剤容器を収容する第1棚装置と、第2装置棚を備えた構造の正面図である。
図6】本発明の実施形態の薬剤払出し装置の一形態であり、固形薬剤を排出する薬剤フィーダを備えた構造の斜視図である。
図7】表示装置の表示画面の一つであり分包準備段階の表示である。
図8】表示画面の表示領域を説明するために図7に加筆した説明図である。
図9】薬剤払出し装置の分配皿及び載置台の様子を模式的に説明した説明図であり、(a)は作業前の状態を示し、(b)は第1処方に要する薬剤容器を載置台に装着した状態を示し、(c)は第2処方に要する薬剤容器を載置台に装着した状態を示し、(d)は第3処方に要する薬剤容器を載置台に装着した状態を示す。
図10】表示装置の表示画面の一つであり第1処方の分包準備段階の表示であって、(a)は第1処方に要する薬剤容器を載置台に載置する前の表示画面であり、(b)は第1処方に要する薬剤容器を載置台に載置した後の表示画面である。
図11】表示装置の表示画面の一つであり第2処方の分包準備段階の表示であって、(a)は第2処方に要する薬剤容器を載置台に載置する前の表示画面であり、(b)は第2処方に要する薬剤容器を載置台に載置した後の表示画面である。
図12】表示装置の表示画面の一つであり第3処方の分包準備段階の表示であって、(a)は第3処方に要する薬剤容器を載置台に載置する前の表示画面であり、(b)は第3処方に要する薬剤容器を載置台に載置した後の表示画面である。
図13】載置台の振動強度の変化と単位時間あたりの散薬排出量の関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の薬剤払出し装置1について説明する。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、筐体8によって囲まれており、その内部は、錠剤手撒き領域300と、散薬分割領域301と、薬剤包装領域302に分かれている。なお本発明においては、錠剤手撒き領域300は必須ではなく、錠剤手撒き領域300が無くてもよい。
筐体8には、図1の様に上蓋(フィーダーカバー)5がある。上蓋5は、図示しないヒンジで筐体8の本体部に取り付けられている。上蓋5には、操作装置3が設けられている。操作装置3は、表示装置10を備えている。表示装置10は、タッチパネルである。
【0018】
錠剤手撒き領域300には錠剤手撒き装置13が設けられている。なお本発明において錠剤手撒き装置13は必須ではなく、錠剤手撒き装置13が無くてもよい。
錠剤手撒き装置13は公知であるから、簡単に説明する。錠剤手撒き領域300は、上面に枡25がマトリクス状に配置されている。そして薬剤師が処方箋を参照しつつ、手作業で固形薬剤を枡25に入れてゆく。
枡25に入れられた固形薬剤は、所定のタイミングで排出され、散薬と共に包装される。
【0019】
薬剤包装領域302には、図2に概念的に表示した様に包装機器12が内蔵されている。包装機器12は、薬剤を一服用分ずつ包装する機械であり、分包紙供給装置15(分包紙供給部)と、分包装置16(シール部)を有する。また包装機器12には、分包装置16の上方に、薬剤を投入する散薬投入ホッパ17が設けられている。
【0020】
作図の関係上、図2の破線による作図では、散薬投入ホッパ17が分配皿20から離れた位置に図示しているが、実際には図2の実線で示した四角形の附番17が散薬投入ホッパ17の上端である。
【0021】
包装機器12では、ロールペーパーから繰り出された分包紙が印刷機構に導入され、患者名、薬剤名称、服用日時等の情報(処方に関する情報であり、提供する薬剤に関する情報)が印刷される。そして散薬投入ホッパ17から薬剤が投入される。
さらに、薬剤を受け入れた分包紙が、シール部(分包装置16)に導入され、シール部で縦方向と横方向にシールされ、受け入れた薬剤を順次包装していく。これらの動作により、薬剤を一服用分内包した薬剤包装が形成され、薬剤包装が装置外部まで搬送される。
【0022】
散薬分割領域301は、図2の様に、分配皿20が設置された領域であり、その周辺に載置台32と、自動清掃装置7が配置されている。図2では、載置台32に薬剤容器31が設置された状態が示されている。
自動清掃装置7は、動力によって昇降する清掃用アームを有し、その先端に清掃ブラシ27が設けられたものである。
【0023】
散薬分割領域301には、掻出装置21が設けられている。
分配皿20及び掻出装置21は公知であり、簡単に説明する。
分配皿20は、「凹溝」とも称される薬剤投入溝22(投入溝)が設けられた円板状の部材である。薬剤投入溝22は、分配皿20の外縁を環状に取り巻いている。分配皿20は、中央に機材収納開口11が設けられている。なお図2ではその大部分が蓋で覆われている。
機材収納開口11に、前記した散薬投入ホッパ17が設置されている。
分配皿20は、一定速度で回転させることができる。また分配皿20は、所定の角度だけ回転させることもできる。
【0024】
掻出装置21は、掻出用アームの先端に回転板(かき寄せ部材)23が設けられたものである。
【0025】
前記した様に、分配皿20の周辺に載置台32が6基、配置されている。説明の便宜上、左側から、第1載置台32a、第2載置台32b、第3載置台32c、第4載置台32d、第5載置台32e、第6載置台32fと称する場合がある。
載置台32は、散薬払出し機能を備えている。本実施形態では、薬剤容器31を振動させる振動手段によって散薬払出し機能が発揮される。
載置台32は、図4の様に、機構上、容器支持部33と、重量測定部35と、土台部38に分けられる。
容器支持部33は、支持台37と、振動部材40(容器保持部)及び加振手段41a,41bを有している。加振手段41a,41bは、圧電素子であり、板状を呈している。この振動部材40及び加振手段41a,41bは、薬剤容器31を振動させる振動装置でもあり、散薬払出し機能を発揮する部材である。
【0026】
支持台37及び振動部材40は、共に側面形状が「L」型の部材であり、水平部と垂直壁部を有している。
即ち支持台37は、図3図4の様に、支持側水平部43と、支持側垂直壁部45を有している。
振動部材40は、容器保持部としても機能するものであり、振動側水平部50と、振動側垂直壁部51(縦壁)を有している。振動側垂直壁部51には、薬剤容器31と係合する係合部が設けられている。
【0027】
支持台37と、振動部材40の間が、二枚の加振手段41a,41bによって接続されている。
振動側水平部50と支持側水平部43との間は実質的に非接触である。従って、加振手段41a,41bに通電すると、振動部材40が振動する。
【0028】
図4の様に、容器支持部33の下部に重量測定部35が配されている。重量測定部35は、重量測定手段52と防振手段53を備えている。重量測定手段52は、公知のロードセルである。防振手段53は防振部材55を有している。
重量測定手段52に容器支持部33(支持台37、振動部材40、加振手段41a,41b)が接続されている。また土台部38は、重量測定部35の防振部材55を介して、上部の部材(支持台37、振動部材40、加振手段41a,41b)を支持している。
容器支持部33の重量は、重量測定手段52で検知される。防振手段53の重量は、土台部38に掛かるが、重量測定手段52には掛からない。従って、容器支持部33(支持台37、振動部材40、加振手段41a,41b)の重量は、重量測定手段52によって検知される。
図4の様に、載置台32には、薬剤容器31の情報記憶手段65に対して情報の読み取り及び書き込みが可能な情報読書手段66が設けられている。
また載置台32には、ランプ67が設けられている。
【0029】
薬剤容器31は、散薬が充填される容器であり、その形状は、側面形状が略正方形の直方体である。
薬剤容器31は、正面壁60と、背面壁61と、左右側面壁62と、天面壁63及び底面壁70に囲まれている。
薬剤容器31の底面壁70であって、正面壁60近傍に開閉可能な散薬排出部71がある。
また背面壁61の縦辺と、下部に係合部がある。
【0030】
薬剤容器31には散薬が充填され、図1図2の様に、載置台(振動手段)32に固定される。即ち薬剤容器31の背面壁61が容器保持部たる振動部材40の、振動側垂直壁部51(縦壁)と接し、薬剤容器31の底面壁70の一部が振動側水平部50と接し、薬剤容器31の大部分が、片持ち状に張り出した状態で、載置台32に固定される。
また薬剤容器31の係合部が、それぞれ振動部材40と係合している。そのため、薬剤容器31は、振動部材40と一体化されており、振動部材40と共に振動する。
【0031】
薬剤容器31には情報記憶手段65が設けられている。情報記憶手段65には、薬剤容器31に関する情報(薬剤容器31に収容されている散薬に関する情報)が記憶されている。例えば、収容された薬剤を特定する識別情報(薬剤名や各種コード等の情報 識別番号等)や、収容された薬剤の現在の残量に関する残量情報が記憶されている。情報記憶手段65に記憶された情報は、処方データ等と関連付けて使用可能な情報であり、情報記憶手段65に記憶された情報を取得することで、薬剤容器31に収容された散薬の種類を特定する動作等が可能となる。この情報記憶手段65は、ICタグ等のメモリであってもよい。また、一次元コード(バーコード)や二次元コードのようなコードであってもよく、コードを採用する場合、ラベルに付されていてもよい。本実施形態では、情報記憶手段65としてRFIDタグが採用されている。
また薬剤容器31には、JANコードが添付されている。
【0032】
なお、載置台32は、上記したように、情報記憶手段65に対して情報の読み取り及び書き込みが可能な情報読書手段66(図4参照)を有する。本実施形態では、この情報読書手段66としてRFIDリーダライタを採用しており、無線通信によって情報記憶手段65に対する情報の読書が可能である。そして、情報記憶手段65からカセット情報を読み取る動作と、薬剤容器31から散薬を払い出した後に残量を書き込む(書き換える)動作が可能となっている。なお、カセット情報は、上記した薬剤容器31に関する情報であり、例えば、薬剤容器31に収容されている薬剤名と残量が挙げられる。また薬剤容器31を特定する識別番号等もカセット情報に含まれる。
【0033】
本実施形態では、分配皿20の周囲に、載置台32が6基、固定されている。薬剤容器31は、正面壁60側が分配皿20に向かって突き出しており、散薬排出部71は、薬剤投入溝22の真上の位置にある。
【0034】
制御装置6は、薬剤払出し装置1に内蔵されている。
制御装置6は、CPU及びメモリーを有するコンピュータであり、メモリーに各手段を実現するコンピュータプログラムが内蔵されている。
【0035】
本実施形態では、制御装置6に制御されて、載置台32の振動、分配皿20の回転、薬剤容器31の重量の常時監視等が行われる。また制御装置6に制御されて、掻出装置21の一連の動作、及び包装機器12の一連の動作が実施される。さらに制御装置6から表示装置10に画像信号を出力される。
制御装置6は、通信機能を有し、外部のサーバーや、後記する薬剤秤量装置120や容器収容部材(棚装置)75、76と相互通信することができる。
【0036】
その他、本実施形態の薬剤払出し装置1は、自動清掃装置7に加えて、手動清掃装置46を備えている。手動清掃装置46は、掃除機に似た構造であり、手動で保持するノズル47を有している。手動清掃装置46は、スイッチを操作することによって起動し、ノズル47から薬剤の残滓やほこりを吸引する。
【0037】
また筐体8の内部には、薬剤容器31から分配皿20に散薬が排出されている状態を記録するためのカメラ及びLEDライト(いずれも図示せず)が設けられている。
LEDライトは散薬の排出状況を撮影するために設けられたものであり、その用途のためには撮影時のみ点灯させれば足りるが、本実施形態では薬剤容器31を載置台32に載置する際にも点灯する。
具体的には、前記した錠剤手撒き装置13にLEDライトをオンオフするためのスイッチがあり、薬剤容器31を載置台32に載置するために錠剤手撒き装置13を上昇させると前記スイッチがオン状態となり、LEDライトが点灯する。逆に錠剤手撒き装置13を下げるとLEDライトは消灯する。
本実施形態によると、散薬分割領域301が明るくなり、薬剤容器31を載置台32に載置する作業が容易である。
また分配皿20の汚れも確認しやすい。
【0038】
本実施形態の薬剤払出し装置1を使用して薬剤を分包する際には、所定の散薬が充填された薬剤容器31を各載置台32に設置する。この動作は、作業者が手作業で行う。具体的には、処方箋を確認して必要な薬剤を認識し、当該薬剤が収容された薬瓶等の元容器から、薬剤容器31に薬剤を移す。
【0039】
薬剤容器31を手動で載置台32に装着するという運用において、対象薬品の間違いを防止するため、薬瓶の薬剤情報を表すコードをバーコードリーダー等で処方情報と照合した後、薬剤容器31に薬剤を充填する。
そして薬剤が充填された薬剤容器31を、作業者の手によって載置台32に装着する。
実際には所定の薬剤がそれぞれ個別に薬剤容器31に充填されており、その状態の薬剤容器31が棚等に保管されている。作業者は、棚等から必要な薬剤が充填された薬剤容器31を取り出して載置台32に装着する。
【0040】
そして操作装置3を操作することにより、一連の分包動作が自動的に実施され、処方データに則った薬剤分包が行われる。
【0041】
薬剤払出し装置1を使用し、異なる薬剤容器31から分配皿20に薬剤を排出することにより、薬剤の混合を行うことができる。本実施形態の薬剤払出し装置1は、載置台32を6基備えているので、最大で6台の薬剤容器31を設置することができ、最大で6種類の薬剤を混合することができる。
仮に6種類を越える薬剤を混合する必要がある場合には、分包動作を一時的に中断し、薬剤容器31を差し替えることによって対処することができる。
【0042】
本実施形態の薬剤払出し装置1では、自動分包モードと連続分包モード及び手動分包モードを選択することができる。
(自動分包モード)
自動分包モードにおける分包動作は以下の通りである。
準備段階として、載置台32に、薬剤が充填された状態の薬剤容器31を装着する。薬剤容器31内には、処方データに従って薬剤分包を行うのに十分な量が充填されている。
また薬剤容器31に付された情報記憶手段65の情報を、載置台32近傍の情報読書手段66で読み出し、いずれの載置台32に、いずれの薬剤容器31が装着されているかが制御装置6で判断される。
自動分包モードでは、処方に必要な薬剤が充填された薬剤容器31が装着された載置台32が駆動され、散薬が分配皿20に投入される。具体的には、特定の載置台32の加振手段41a,41bに一定周波数の電流を通電して振動を発生させ、この振動によって振動部材40(容器保持部)を振動させる。
また振動開始と前後して分配皿20を回転させる。
【0043】
振動開始と前後して、薬剤容器31の重量が測定される。薬剤容器31の重量は、重量測定手段52の検知重量から、一定値を引いたものである。より具体的には、薬剤容器31の重量は、重量測定手段52の検知重量から、容器支持部33の重量を引いたものである。
散薬排出前の薬剤容器31の重量は、原重量Gとして記憶される。また薬剤容器31の重量は、常時監視される。即ち薬剤容器31の現在の重量は、現重量gとして監視される。
【0044】
振動部材40が振動を開始すると、薬剤容器31が共に振動する。その結果、薬剤容器31に貯留された散薬が、散薬排出部71側に向かってゆっくりと移動する。即ち振動によって散薬払出し機能が発揮され、散薬が散薬排出部71側に向かって移動する。
【0045】
そして散薬は、散薬排出部71から落下し、下の分配皿20の薬剤投入溝22に入る。
本実施形態では、散薬が薬剤容器31から落下中においても、薬剤容器31の現在の重量が、現重量gとして監視され続けている。そして振動部材40に設置直後の薬剤容器31の原重量Gと、現重量gとを比較し、散薬の落下量H(Gマイナスg)を常時演算している。
そして散薬の総落下量Hが所望の重量となったところで、振動部材40の振動を停止する。その結果、薬剤容器31からの薬剤排出が停止し、薬剤排出が完了する。
振動部材40の振動が停止(排出が完了)すると、分配皿20に回転停止指示が出され、分配皿20の回転が停止する。
【0046】
その後、掻出装置21の回転板23を分配皿20の薬剤投入溝22内に落とす。さらにその後、分配皿20を分配個数に応じた角度だけ回転させ、一服用分の散薬を回転板23の前面側に集める。そして回転板23を回転し、散薬を分配皿20の外に掻き出して、散薬投入ホッパ17に投入する。散薬投入ホッパ17から落下した散薬は、包装機器12で一服用分ずつ包装される。
【0047】
また分配皿20内の薬剤を全て排出し終えると、自動溝清掃動作が実行される。即ち自動清掃装置7の清掃ブラシ27を降下させ、清掃ブラシ27を分配皿20の薬剤投入溝22内に入れる。
そして清掃ブラシ27を回転しつつ、分配皿20を回転させて薬剤投入溝22内が清掃される。さらに掻出装置21についても自動的に清掃される。
【0048】
(連続分包モード)
連続分包モードは、一回の処方に基づいて分包動作が実施され、引き続いて次回処方に基づく分包動作を連続的に実施する運転モードであり、連続分包動作を実施する運転モードである。
連続分包モードにおける分包動作は以下の通りである。
準備段階として、載置台32に、最初の処方(第1処方)を処理するのに要する薬剤が充填された薬剤容器31を装着する。例えば最初の処方(第1処方)を処理するのに要する薬剤が2種類であれば、第1の薬剤が充填された第1薬剤容器31aを載置台32に設置し、第2の薬剤が充填された第2薬剤容器31bを他の載置台32に設置する。
ここで本実施形態の薬剤払出し装置は。載置台32を6基有しているので、載置台32が4基余っている。
次の処方(第2処方)を処理するのに要する薬剤が他の2種類であれば、第3の薬剤が充填された第3薬剤容器31cを他の空いている載置台32に設置し、第4の薬剤が充填された第4薬剤容器31dを他の空いている載置台32に設置する。
前記した様に、薬剤払出し装置は。載置台32を6基有しているので、載置台32がさらに2基余っている。
さらに次の処方(第3処方)を処理するのに要する薬剤が他の1種類であれば、第5の薬剤が充填された第5薬剤容器31eを他の空いている載置台32に設置する。
こうして複数処方に要する薬剤容器31aから31eを異なる載置台32に設置する。
【0049】
そして所定の開始操作を行うことにより、連続分包動作が実施される。
即ち、第1処方に対応する自動分包動作が行われる。具体的には、第1処方に必要な薬剤容器31a、31bが設置された載置台32が駆動され、散薬が分配皿20に投入され、薬剤容器31a、31bの重量が監視される。振動開始と前後して分配皿20を回転させる。即ち、第1処方に必要な薬剤容器31a、31bが設置された一群の載置台32が駆動される。
必要量の散薬が薬剤容器31a、31bから排出されると振動部材40の振動を停止する。その結果、薬剤容器31a、31bからの薬剤排出が停止し、薬剤排出が完了し、分配皿20の回転が停止する。
【0050】
その後、掻出装置21によって分配皿20から散薬が掻き出され、包装機器12で一服用分ずつ包装される。
また分配皿20内の薬剤を全て排出し終えると、自動溝清掃動作が実行される。
【0051】
そして引き続き、第2処方に対応する自動分包動作が行われる。即ち第2処方に必要な薬剤容器31c、31dが設置された載置台32が駆動され、散薬が分配皿20に投入され、薬剤容器31c、31dの重量が監視される。振動開始と前後して分配皿20を回転させる。以下、第1処方と同じ動作が行われる。
第2処方が終了すると、第3処方に対応する自動分包動作が行われる。即ち第3処方に必要な薬剤容器31eが設置された載置台32が駆動され、散薬が分配皿20に投入され、薬剤容器31eの重量が監視される。振動開始と前後して分配皿20を回転させる。以下、第1処方と同じ動作が行われる。
処方に必要な薬剤容器31が一個である場合には、一台の載置台32が駆動される。
この様に、連続分包モードにおいては、一回の分包動作を実施するのに必要な薬剤容器31を載置台32に設置し、さらに他の回の分包動作を実施するのに必要な薬剤容器31を載置台32に設置することが可能であり、一又は一群の載置台32を駆動して一回の分包動作が実施され、引き続いて他の一又は他の一群の載置台32を駆動して続く他の回の分包動作を実施する。
【0052】
(手動分包モード)
旧来の散薬分包装置は、前記した様にホッパにあらかじめ秤量した散薬を入れ、分配皿を回転しつつ振動装置を振動させて、ホッパからトラフを経由して分配皿に散薬を導入するものであるが、本実施形態の薬剤払出し装置1も同様の機能を備えている。手動分包モードは、旧来の方法に似た方法で薬剤払出し装置1を使用する動作モードである。
【0053】
即ち、手動分包モードでは、薬剤払出し装置1の外部で薬剤必要量を秤量して薬剤容器31に収容し、作業者が手動で載置台32に装着する。
そして、当該載置台32を駆動して薬剤容器31を振動させ、薬剤容器31内の薬剤を全量、分配皿20に導入する。尚、手動分包モードで使用される薬剤容器31を、通常の薬剤容器31と区別するために手差しカセットと称する場合がある。
手動分包モードでは、薬剤容器31内の全ての散薬が払い出され、薬剤容器31の重量の変化が無くなると払い出しが完了したと判断し、分配皿20に回転停止指示が出されて分配皿20の回転が停止する。
その後の動作は、前記した自動分包モードと同じである。
【0054】
本実施形態の薬剤払出し装置1では、親子カセットと称される薬剤容器31のグループを使用して薬剤分包を行うことができる。消費量が多い薬剤を複数の薬剤容器31に入れてグループ化したものであり、親子カセットは、同一の薬剤が充填された薬剤容器31である。
一つの薬剤容器31中の散薬が処方された量に対して不足する場合、複数の載置台32にそれぞれ親子カセットの薬剤容器31を設置して分包を行う。
ここで薬剤容器31から散薬を払い出す順番として、遷移払い出し方式と、同時払い出し方式があり、本実施形態では双方の方式を選択的に利用することができる。
遷移払い出し方式は、一つの薬剤容器31が空になったら次の薬剤容器31(親子カセット)から散薬を排出する払い出し方式である。同時払い出し方式は、各薬剤容器31からの排出量をあらかじめ決めておいて複数の薬剤容器31(親子カセット)から同時に払い出す払い出し方式である。
ただし使用期限が近いものがある場合には、近いものが入っている薬剤容器31から全量払い出し、残りをもう一方から払い出す。
【0055】
同時払出し方式を採用する場合には、予め総排出量を装着された薬剤容器31の数で割り、同じ量の薬剤が排出されるように制御されている。
個々の薬剤容器31から同量の薬剤を排出する場合でも、現実には排出に要する時間が異なるが、個々の薬剤容器31から設定された量の薬剤が排出されると振動を停止する。
薬剤容器31に充填されている薬剤に違いがあり、均等に割り付けた場合に薬剤が足りなくなる薬剤容器31がある場合には、同時払出し方式から自動的に遷移払出し方式に移行し、先に少量の薬剤容器31から薬剤を排出し、不足分を他の薬剤容器31から排出する。
【0056】
ここで、3以上の薬剤容器31が装着されており、一つの薬剤容器31が空になった場合には、必要な残量を、薬剤が残っている薬剤容器31の数で割り、同じ量の薬剤が排出されるように制御されている。
例えば、A1、A2、A3が同じ薬品を収容した3つの薬剤容器31であり、この3つの薬剤容器31を使用して分包する場合において、上記の様に3つの薬剤容器31から同時払出し方式を実行したとき、各薬剤容器に対し処方全体量を3で割った均等な量の払い出しが指示されるが、A1とA2に均等で割った後の残量が残っておらず、欠品となった場合、均等で割った量を払い出すことができ、払い出しが完了したA3の薬剤容器に対して、A1とA2の未払し出し量を合算し、A3の薬剤容器に払い出すように遷移して払い出す指示を行うことができる。
これに代わる方法として、A1が欠品するとA2に遷移し、A2が欠品するとA3といった親子カセットを順に遷移して取り出して払い出す方式も考えられるが、前記した必要な残量を薬剤が残っている薬剤容器31の数で割り、同じ量の薬剤を排出する方法は、それぞれの薬剤容器で欠品であると判定する時間も削減でき、全体として払い出し速度を向上させることができる。
【0057】
薬剤払出し装置1は、図1の様に単体で使用することもできるが、図5の様に薬剤容器を収容する棚装置75、76を追加してもよい。図5では、二つの棚装置75、76を有している。第1棚装置75は、薬剤払出し装置1の付属品であり、薬剤払出し装置1の背面に一体的に取り付けられている。第2棚装置76は、薬剤払出し装置1から独立している。
棚装置75、76には、マトリクス状に仕切られた区画78があり、当該区画78内に薬剤容器31が一個ずつ収納される。
各区画78には、RFIDリーダ等の情報読み取り装置(図示せず)があり、収容されている薬剤容器31のRFIDから情報を得て、区画78内の薬剤容器31が何であるかを認識することができる。
そして通信手段等によって、いずれの棚装置75、76のいずれの区画78に、いずれの薬剤容器31が収容されているのかという情報が、薬剤払出し装置1に送信される。
また棚装置75、76の各区画78にはランプ82が設けられている。
【0058】
なお、棚装置75、76の一例として、棚装置75、76の前面にシャッターを有する構造の物がある。この構造の棚装置では、業務中にシャッターが開かないように設定することができる。逆に薬剤払出し装置1が稼働している際にはシャッターが開き、薬剤払出し装置1が休止している間はシャッターが開かないようにすることもできる。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、使用中に薬剤容器31を入れ替える頻度が高いので、後者の様に、業務中は棚装置75、76のシャッターを開くように設定し、棚装置75、76の上までシャッターをあげておくことが望ましい。
【0059】
また図6の様に固形薬剤を排出する錠剤排出ユニット80を追加することもできる。
錠剤排出ユニット80は、錠剤フィーダ81群を有するものである。錠剤フィーダ81は、錠剤やカプセル等の固形薬剤を収容し、必要な量を払い出すことができるものである。
錠剤フィーダ81から排出された固形薬剤は、図示しない経路を通過して、薬剤払出し装置1に入り、薬剤包装領域302で散薬とともに包装される。
【0060】
本実施形態の薬剤払出し装置1は、外部から処方データが入力され、当該処方データが、制御装置6のメモリーに記憶され、蓄積されて行く。そして蓄積された処方データを読み出し、処方データに基づいて薬剤を分包してゆく。
即ち、処方データに基づいて特定の載置台32を駆動し、載置台32を振動させて薬剤容器31から分配皿20に散薬を導入する。
また薬剤払出し装置1に直接的に処方データを入力して分包動作を行わせてもよい。
【0061】
本実施形態の薬剤払出し装置1では、表示装置10に特有の画像を表示することができる。
以下、表示画面について説明する。
(散薬準備画面)
図7は、自動分包モードを実施する際における散薬の準備画面である。
準備画面は、図8の様に、6つの表示エリアに分かれている。
具体的には、現状表示エリア100、書誌的事項表示エリア101、次回処方表示エリア102、載置台情報表示エリア103、薬剤容器情報表示エリア105、操作エリア106に分かれている。
【0062】
現状表示エリア100は、画面の上方に設けられた細長い領域であり、薬剤払出し装置1の今の動作状況を示す文言や、作業者の作業を促す文言が文字表示される。
図7、8では、作業者の作業を促す文言として、「以下の散薬カセットをフィーダにセットし、フィーダーカバーを閉じてスタートボタンを押してください。」という表示がなされている。なお、フィーダーカバーは、上蓋5をさしている。散薬カセットは、薬剤容器31を意味し、フィーダは、載置台32を意味する。
表示される文言は、限定されるものではないが、例えば、次の様なものがある。
(条件1)
分配皿20が清掃中である場合。
(表示文言1)
「R円盤掃除中につき、フィーダーカバーオープン不可。掃除完了までしばらくお待ちください」
(条件2)
薬剤容器31から散薬が排出されている場合。
(表示文言1)
「散薬秤量中につき、フィーダーカバーオープン不可。秤量完了までしばらくお待ちください」
【0063】
(条件3、条件4)
動作完了目安が機械動作停止不可時間以下である場合。
秤量中、掃除中以外の要因で上蓋5を開くことが適切ではない場合
(表示文言3)
「機械動作中につき、フィーダーカバーオープン不可。機械動作完了までしばらくお待ちください」
【0064】
本実施形態の薬剤払出し装置1では、現状表示エリア100に、今の動作状況を示す文言や、作業者の動作を促す文言が文字表示されるので、操作に不慣れな作業者であっても混乱なく作業を進めることができる。
【0065】
書誌的事項表示エリア101は、画面の左に設けられた正方形に近い領域であり、表示されている画面が、どの処方に対応したものであるのかが特定されている。
書誌的事項表示エリア101には、今回の処方の書誌的事項が表示される。
書誌的事項は、処方対象、患者名、患者識別番号、包装数、診療科、用法が表示される。
図示した表示画面では、処方対象として「今回処方(分割1/3)」が表示されている。
この表示は、分割処方(朝・昼・夕食後)に分けて分包するうちの朝の処方であることを示している。
分割処方でない場合には、単に「今回処方」と表示される。
所定の操作を行うことで、次回以降の処方に関する表示を行うこともできる。この場合には、例えば「次回処方」というような表示がなされる。
【0066】
図示された表示画面では、患者名として「湯山太郎」、包装数として「包数:9」患者識別番号として、「患者ID:9999999999」、診療科として「診療科:」、用法として「用法:朝・昼・夕食後」が表示されている。
【0067】
次回処方表示エリア102は、書誌的事項表示エリア101の下に設けられた長方形の領域である。
指示された薬品の薬剤容器31が全て載置台32に取り付けられた際、次回処方がありその薬品が充填された薬剤容器31を残りの載置台32に装着可能な場合に表示される。
例えば、載置台32が6基あり、処方に要する薬剤が2種類である場合、今回の分包に必要な薬剤容器31を載置台32に装着しても、空の載置台32が4基残る。
次回に処理すべき処方があり、その処方に要する薬剤容器31を空状態の載置台32に予め設置することができる場合に、「次回処方あり」の表示がなされる。
【0068】
載置台情報表示エリア103は、分配皿30とその周辺の載置台32を模式的に図示表示したものである。
載置台情報表示エリア103には、分配皿20をイメージした円が表示されており、その周囲に載置台32をイメージした長方形が6個描かれている。
各長方形の位置は現実の載置台32の位置に対応している。各長方形に付された番号は、現実の載置台32の番号に対応している。即ち長方形に付された番号1乃至6は、第1載置台32a、第2載置台32b、第3載置台32c、第4載置台32d、第5載置台32e、第6載置台32fに対応している。
【0069】
また各長方形は、使用状況に応じて異なる表示がなされている。
本実施形態では、使用状況に応じて次の様に色分けされている。
黄色:処方に必要な薬剤容器31が装着されている載置台32。
無色:使用可能であるが、薬剤容器31が装着されていない載置台32。
緑色:その他の薬剤容器31が装着されている載置台32。
灰色:使用不可の載置台32。
色の組合せは任意であり、限定されるものではない。また色表示に代わって、番号表示や記号表示等の他の識別方法を採用することもできる。
【0070】
本実施形態の薬剤払出し装置1では、表示装置10に載置台32の使用状況が色分けして表示されるものであり、使用状況には次の情報が含まれている。
(1)当該載置台32に薬剤容器31が設置されているか否か。
(2)当該載置台32に設置されている薬剤容器31が今回の処方処理に使用されるものであるかいなか。
(3)当該載置台32が使用可能であるか否か。
【0071】
また黄色の表示及び無色の表示は、薬剤容器31を設置すべき載置台32を指示するものである。無色の表示の載置台32に薬剤容器31が装着されると、色が無色から黄色に変わる。
そのため、本実施形態の薬剤払出し装置1では、表示装置10によって薬剤容器31を設置すべき載置台32が示される。
【0072】
本実施形態で採用する表示装置10は、載置台32のレイアウトが図示され、さら載置台32の使用状態や、薬剤容器31を設置すべき載置台32が視覚によって明確にわかるので、使い勝手がよい。
【0073】
薬剤容器情報表示エリア105は、表示画面の中央を占める広い領域である
本実施形態では、処方データに基づいて処方された薬剤が充填された薬剤容器31が特定され、当該薬剤容器31が、薬剤容器情報表示エリア105にリストアップされる。
そして、リストアップされた薬剤容器31の場所に関する情報と、薬剤容器31内の薬剤の状態に関する情報が、直接的に又は間接的に表示される。
【0074】
薬剤容器情報表示エリア105は、表になっており、表題として次の項目が記載されている。
「保管場所」、「使用期限」、「処方量」、「在庫量」、「明細」。
【0075】
「保管場所」は、当該薬剤容器31のありかを示唆するものである。ここで「示唆する」とは、薬剤容器31の場所を直接的に示す場合や、大まかな場所を示す場合を含む。
いずれにしても、「保管場所」は、薬剤容器31が置かれた場所に関する情報を表示する欄である。
本実施形態では、表示される候補として、「1号」の文字と「マス目の図形」、「2号」の文字と「マス目の図形」、「手差し」の文字、「OK」の文字と「フィーダ」の文字と「フィーダ番号」、「管理外」の文字、「配分済み」の文字、「分割」の文字がある。
それぞれが意味するところは次の通りである。なお「配分済み」の文字は、図7図8にはなく、後記する条件を満足する場合に表示される文言である。
【0076】
(1)「1号」の文字と「マス目の図形」
「1号」の文字は、対象の薬剤容器31が、図5の第1棚装置75にあることを示している。またマス目の図形は、第1棚装置75の大まかな位置イメージを示しており、色違いの部分は、薬剤容器31の位置を大まかに示すものである。即ち、マス目の図形は9区画であるのに対し、第1棚装置75の区画78は、それよりも多く、合致しない。色違いの部分は、第1棚装置75のどのあたりに対象の薬剤容器31があるかを大まかに示すものである。
【0077】
前記した様に、第1棚装置75の各区画には、RFIDリーダ等の情報読み取り装置(図示せず)があり、収容されている薬剤容器31が何であるかを認識することができる。そして通信手段等によって、いずれの棚装置75、76のいずれの区画78に、いずれの薬剤容器31が収容されているのかという情報が、薬剤払出し装置1に送信される。
薬剤払出し装置1の制御装置6は、処方データから必要な薬剤容器31を選定し、第1棚装置75から送信された薬剤容器31の配置データと照合してマス目の図形を完成させ、「保管場所」の欄に表示する。
【0078】
(2)「2号」の文字と「マス目の図形」
「2号」の文字は、対象の薬剤容器31が、図5の第2棚装置76にあることを示している。またマス目の図形の意味は、「1号」の「マス目の図形」と同じである。
【0079】
(3)「手差し」の文字、
手動分包モードで動作させる場合に表示される文字である。
前記した様に、手動分包モードでは、外部で薬剤必要量を秤量して薬剤容器31に収容し、その全量を分配皿20に導入するものであるから、専用の薬剤容器31は無い。
【0080】
(4)「OK」の文字と「フィーダ」の文字と「フィーダ番号」
載置台32に、分包に使用する薬剤容器31が装着されている場合に表示される文字である。ここでフィーダ番号は、載置台32を特定する識別番号である。
前記した様に、薬剤容器31には情報記憶手段65が取り付けられており、当該情報記憶手段65に、薬剤を特定する識別情報が含まれている。また薬剤容器31が設置された
載置台32は、RFIDリーダライタを有しており、薬剤容器31に収容されている薬剤名を知ることができる。
本実施形態では、載置台32に装着された薬剤容器31内の薬剤が、処方データに合致するものである場合、「OK」の文字と「フィーダ」の文字と「フィーダ番号(薬剤容器31の識別番号)」が表示される。
【0081】
(5)「管理外」の文字
当該薬剤容器31の所在が把握できない場合に表示される文字である。
多くの場合、棚装置75、76に存在せず、載置台32にも設置されていな場合に表示される。
【0082】
(6)「配分済み」の文字
前記した様に、「配分済み」の文字は、図7図8にはない。「配分済み」は、対象の薬剤容器31が、既に配分済みの薬剤を収容しているものである場合に表示される文字である。
(7)「分割」の文字
例えば朝に服用する薬剤と、昼に服用する薬剤が異なるものである場合がある。同一の処方において、必要な薬剤が収容されているが、今回の分包動作では使用しない薬剤については、「分割の文字」が表示される。
【0083】
「使用期限」の欄には、薬剤容器31に充填されている薬剤の使用期限、もしくは薬剤容器31への充填日が表示される。
薬剤容器31に異なる使用期限の薬剤が充填されている場合には、充填された散薬の使用期限の内、一番近い値が表される。
【0084】
本実施形態では、薬剤容器31の保管場所を示すものとして、棚装置75、76のイメージ図を採用したが、これに加えて、またはこれに代わって、棚装置75、76の区画78の番号を表示装置10に表示してもよい。またこれに合わせて、棚装置75、76の区画78に設けられたランプ82を点灯させてもよい。
【0085】
また分配動作が終了して薬剤容器31を載置台32から取り外し、棚装置75、76に戻す際に、戻すべき棚装置75、76の区画78に設けられたランプ82を点灯させてもよい。この際には、表示画面に、薬剤容器31を戻す位置を示すものとして、棚装置75、76のイメージ図を表示画面に表示したり、棚装置75、76の区画78の番号を表示することが望ましい。
【0086】
さらに、薬剤容器31を載置台32から取り外したのち、一定の時間が経過しても、薬剤容器が棚装置75、76に戻されていない場合には、注意を促す表示を表示装置10に表示したり、音声で知らせることも推奨される。
【0087】
「処方量」の欄には、対象薬品の処方量が表示される。
【0088】
「在庫量」の欄には、薬剤容器31内における対象薬品の在庫量を表示する。
手差しモードで使用される薬剤容器においては、例えば、「-」が表示される。
【0089】
「明細」の欄には、原則として対象薬品の名称が表示される。
同一の薬剤が充填された薬剤容器31(親子カセット)が他にある場合には、一つの薬剤容器については対象薬品の名称が表示され、親子カセットについては、薬剤容器31の識別番号のみが表示される。
【0090】
この様に、薬剤容器情報表示エリア105では、次の情報を表示することができる。
(1)当該薬剤容器に充填された薬剤の使用期限。
(2)当該薬剤容器に充填された薬剤の処方量。
(3)当該薬剤容器に充填された薬剤の残量。
(4)当該薬剤容器に充填された薬剤の名称。
(5)同一の薬剤が複数の薬剤容器に充填されているか否かの情報。
【0091】
また使用者に対する注意喚起の程度に応じて、各列の色分けが行われる。使用者に知らせなければならない事項がある場合には、目立つ色に色分けされる。
表示画面の薬剤表示の第1列は、「保管場所」「使用期限」「処方量」「在庫量」「明細」の順に「手差し」「2021/06/04」「10.00g」「-」「ツムラ補中益気湯エキス顆粒(医療用)」と表示されている。
この薬剤容器31は、手差しモードで使用するものであり、注意喚起の要求度は低い。そのためこの欄は、例えば薄い青で表示される。
【0092】
続く第2欄は、「1号」の文字と「マス目の図形」「2021/06/04」「10.00g」「5.00g」「アトックドライシロップ40?」と表示されている。
この欄の薬剤は、使用者に知らせなければならない事項があり、表に特別の表示がなされる。
本実施形態では、この欄は例えば赤色で表示され、目立つ色分けがなされる。
当該欄のアトックドライシロップ40?は、処方に必要な薬剤量が10.00グラムであるにも関わらず、薬剤容器31内には、5.00グラムしか在庫がない。
この様な薬剤容器31の欄は、他とは異なる色、例えば赤色に着色され、例えば薬剤容器31に薬剤を追加充填するよう注意が促される。使用者は、この表示によって注意が喚起され、追加充填等の必要な処置を講じる。
【0093】
続く第3欄は、「OK フィーダ1」「2021/06/04」「10.00g」「50.00g」「S-M配合散」と表示されている。
この薬剤容器31は、注意喚起の要求度は低い。本薬剤容器31は、すでに載置台32に装着されているので、例えば黄色で表示される。
色の組合せは任意であり、限定されるものではない。例えば、使用期限が切れているか切れていないかの条件の下で色を変えても良い。更には、「充填」の表示有無に関し、事前欠品時のみ表示するか常時表示状態として、背景色の違いで使用期限や在庫量が処方量を上回っているか否かの違いによって状況が分かるよう変化させても良い。また色表示に代わって、番号表示や記号表示等の他の識別方法を採用することもできる。
【0094】
続く第4欄には、「親子カセット」「不足量:20.00g」「幼児用PL顆粒」と表示されている。
この表示、載置台32に「幼児用PL顆粒」が充填された薬剤容器31が装着されたが、薬剤量が不足している場合であって、他の薬剤容器31に同じ薬剤が充填されている(親子カセットと称される)ものがある場合を示している。
そして、その下の欄に、親子カセットについての情報が表示されている。
【0095】
操作エリア106は、表示画面の下辺の領域である。
操作エリア106には、次回処方あり、フィーダーカバーロック解除、スタート、 処方キャンセルの表示がある。「次回処方あり」、の表示は、次回処方が存在するという事実を示す表示である。これらの表示はタッチスイッチであり、触れると各表示に従った動作が実行される。即ち、「フィーダーカバーロック解除」に触れると、上蓋5の施錠が解除される。「スタート」に触れると分包動作が開始される。「処方キャンセル」に触れると、表示されている処方がキャンセルされる。
【0096】
(連続分包モードの実例)
次に連続分包モードを実施する際の表示画面と、現実の載置台32の状況について説明する。
連続分包モードが可能である場合には、図10(a)の様に、次回処方表示エリア102に、「次回処方あり」の表示がなされる。
図10(a)に示す処方は、最初の処方(第1処方)に対応する画面であり、薬剤A,Bが処方されている。
そのため薬剤容器情報表示エリア105の明細欄には、薬剤A,Bの表示がある。
現実の載置台32の様子は、図9(a)の通りであり、いずれの載置台32についても空き状態である。なお空き状態の載置台32のランプ67が白色に点灯しており、薬剤容器31を設置可能であることが明示されている。
また表示画面の載置台情報表示エリア103をみると、現実の載置台32に対応して全ての長方形が無色表示となっている。
【0097】
作業者は、「保管場所」の欄を参照して第1の薬剤Aが充填された第1薬剤容器31aと、第2の薬剤Bが充填された第2薬剤容器31bを準備し、図9(b)の様に、例えば第1薬剤容器31aを載置台32aに設置し、第2の薬剤が充填された第2薬剤容器31bを載置台32bに設置する。
その結果、散薬準備画面が、図10(b)の様に更新され、載置台情報表示エリア103の番号1と番号2の長方形が黄色に着色される。
また散薬準備画面が、図10(b)の様に更新され、「保管場所」の欄が、それぞれ「OK」の文字と「フィーダ」の文字と「フィーダ1」、「フィーダ2」に変わる。また薬剤Aと薬剤Bの列が、黄色に着色される。
【0098】
この状態で、第1処方に必要な薬剤容器31の装着が完了する。作業者が操作エリア106の「次回処方あり」の部分に触れると、散薬準備画面が、図11(a)に示す様な次の処方(第2処方)に対応する画面に切り替わる。
第2処方では、薬剤C,Dが処方されている。そのため薬剤容器情報表示エリア105の明細欄には、薬剤C,Dの表示がある。
現実の載置台32の様子は、図9(b)の通りであり、載置台32aと載置台32bに薬剤容器31a,31bが設置されており、他の載置台32は空き状態である。
また表示画面の載置台情報表示エリア103をみると、現実の載置台32に対応して番号1と番号2の長方形が黄色の着色され、他の長方形が無色表示となっている。
【0099】
作業者は、第3の薬剤Cが充填された第3薬剤容器31cと、第4の薬剤Dが充填された第4薬剤容器31dを準備し、図9(c)の様に、例えば第3薬剤容器31cを載置台32cに設置し、第4の薬剤が充填された第4薬剤容器31dを載置台32dに設置する。
その結果、散薬準備画面が、図11(b)の様に更新され、載置台情報表示エリア103の番号3と番号4の長方形が黄色に着色される。
また散薬準備画面が、図11(b)の様に更新され、「保管場所」の欄が、それぞれ「OK」の文字と「フィーダ」の文字と「フィーダ3」、「フィーダ4」に変わる。また薬剤Cと薬剤Dの列が、黄色に着色される。
【0100】
この状態で、第2処方に必要な薬剤容器31の装着が完了する。作業者が再度操作エリア106の「次回処方あり」の部分に触れると、散薬準備画面が、図12(a)に示す様な次々回の処方(第3処方)に対応する画面に切り替わる。
第3処方では、薬剤E,Fが処方されている。そのため薬剤容器情報表示エリア105の明細欄には、薬剤E,Fの表示がある。
現実の載置台32の様子は図9(c)の通りであり、載置台32a乃至32dに薬剤容器31a乃至31dが設置されており、他の載置台32は空き状態である。
また表示画面の載置台情報表示エリア103をみると、図12(a)の様に、現実の載置台32に対応して番号1乃至4の長方形が黄色に着色され、他の長方形が無色表示となっている。
【0101】
作業者は、第5の薬剤Eが充填された第5薬剤容器31eと、第6の薬剤Fが充填された第6薬剤容器31fを準備し、図9(d)の様に、例えば第5薬剤容器31eを載置台32eに設置し、第6の薬剤が充填された第6薬剤容器31fを載置台32dに設置する。
その結果、散薬準備画面が、図12(b)の様に更新され、載置台情報表示エリア103の番号5と番号6の長方形が黄色に着色される。
また散薬準備画面が、図12(b)の様に更新され、「保管場所」の欄が、それぞれ「OK」の文字と「フィーダ」の文字と「フィーダ5」、「フィーダ6」に変わる。また薬剤Aと薬剤Bの列が、黄色に着色される。
また薬剤Eと薬剤Fの列も、黄色に着色される。
【0102】
この状態で作業者が、操作エリア106の「スタート」に触れると、連続分包動作が開始される。即ち、第1処方に対応する自動分包動作が行われ、これに続いて第2処方に対応する自動分包動作が行われ、さらに続いて第3処方に対応する自動分包動作が行われる。
【0103】
上記した実施形態では、第1処方の薬剤が薬剤A,Bであり、第2処方の薬剤が薬剤C,Dであり、第3処方の薬剤が薬剤E,Fであるというように、処方に要する薬剤が重複しないが、薬剤の重複があってもよい。例えば、第1処方の薬剤が薬剤A,B,Dであり、第2処方の薬剤が薬剤C,Dであり、第3処方の薬剤が薬剤C,E,Fであるというような組合せでもよい。
この場合は、最初に第1処方の薬剤A,B,Dが充填された薬剤容器31を載置台32に設置し、続いて第2処方を処理するのに不足する薬剤Cが充填された薬剤容器31を載置台32に設置し、最後に第3処方を処理するのに不足する薬剤E,Fが充填された薬剤容器31を載置台32に設置する。
【0104】
上記した構成に加えて、又は上記した構成に代わって、載置台32に取り付けられたランプ67を利用して載置すべき載置台32を示す構成を採用することもできる。
例えば、空き状態の載置台32においては、ランプ67を特定の色(例えば白色)に点灯させる。載置台32に所定の薬剤容器31が装着されるとランプ67の色や点灯状態が変わる。処方に必要な全ての薬剤容器31が装着される、全ての薬剤容器31の発光状態がさらに変化する。例えば色が変わったり、点滅するといった変化が起きる。これによって処方に必要な全ての薬剤容器31が装着されたことが知られる。
さらに二回目等の他の回の分包動作を実施するのに必要な薬剤容器31を設置可能な載置台に対応するランプ67が所定の表示状態となる。
【0105】
次に、本実施形態の薬剤払出し装置1が備えるその他の機能について説明する。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、薬剤に関係する情報として、散剤、細粒剤、顆粒剤等の散薬の種類に関する情報を保有または入力される。これらの情報に基づいて散薬の跳ねやすさや跳ねにくさに関連する情報を得ることができる。
例えば粒子の粒径が大きく、且つ硬い散薬は、薬剤容器31から分配皿20に落下したときに跳ねやすい。
また薬剤に関係する情報として、散薬の跳ねやすさや跳ねにくさといった跳ねに関連する情報が直接的に保有されたり、入力されてもよい。
ここで跳ねやすい薬剤は、分配皿20に均等に分布されにくい傾向にある。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、前記した様に、異なる薬剤容器31から分配皿20に薬剤を排出することにより、薬剤の混合を行うことができる。
本実施形態の薬剤払出し装置1は、散薬の跳ねやすさや跳ねにくさに関連する情報に基づき、制御装置6が薬剤の排出順序を決定し、その順に従って載置台32を駆動する。
具体的には、複数種類の薬剤を分配皿20に投入して混合状態の薬剤を分包する場合であって、混合される薬剤の中に跳ねやすい薬剤がある場合には、跳ねにくい薬剤が収容されている薬剤容器31から薬剤の排出を開始し、その後に跳ねやすい薬剤が収容されている薬剤容器31から薬剤の排出を開始する制御が行われる。
【0106】
本実施形態の薬剤払出し装置1では、薬剤に関係する情報として、散薬の跳ねやすさ、または跳ねにくさに関する情報が含まれる。本実施形態では、分配皿20に対して複数の薬剤容器32の中から、先に払い出しを開始する薬剤容器31は、跳ねにくい薬剤が充填された薬剤容器31であり、跳ねにくい薬剤が、回転する分配皿20に対して、少なくとも一回転分払い出された後に跳ねやすい散薬の払い出しを開始する。
こうした払い出し順の指示を、処方情報を送信するシステムから薬剤払出し装置1に送信するとともに、薬剤容器31を手動で薬剤払出し装置1に載置する作業者へ指示する画面に表示してもよい。
【0107】
本実施形態によると、跳ねにくい薬剤が先に薬剤投入溝22に入り、その上に跳ねやすい薬剤が落下する。その際下の跳ねにくい薬剤がクッションとなり、後で投入された薬剤が跳ねることを防ぐ。
そのため、跳ねやすい薬剤も、分配皿20に均一に分布する。
跳ねやすい薬剤は、跳ねにくい薬剤の排出が終了してから排出することか望ましいが、排出開始時期をずらすだけでも相当の効果が期待できる。
【0108】
(分離配置モード)
本実施形態の薬剤払出し装置1は、原則として分配皿20を連続回転しつつ、薬剤容器31から散薬を排出し、分配皿20に均一に薬剤を分布させるものであるが、分配皿20を停止した状態や、わずかに動かした状態で、薬剤を投入することもできる。
例えば一回の服用量が少なく、且つ服用回数も少ない場合には、分配皿20を停止した状態で一服用分の薬剤を分配皿20に投入して一服用分の山を作り、分配皿20を少しだけ回転して、他の位置に一服用分の薬剤を分配皿20に投入し、一服用分の山をもう一つ作る。
そして、一山ごとに薬剤を掻き出して包装して行く。
ここで、分離配置モードで動作させる場合であって、複数の薬剤の混合を行うことが必要な処方である場合には、表示装置10等に薬剤容器31を載置する載置台32が指定され、隣接する位置に薬剤容器31を設置する様に誘導される。
その結果、混合すべき薬剤が、隣接する領域に配置される。
【0109】
一服用分に複数種の薬剤を混合して一つの山を作る場合、最初の薬剤を排出した位置に、混合する次の薬剤の排出位置まで分配皿を移動して最初の薬剤の山の上に重ねるように排出させることも可能であるが、時間を短縮するため、隣接する位置に混合する異なる種類の薬剤容器31を載置し同時に処方量を排出した後、一気に一包分として掻き出すという方法をとることにより時間の短縮を実現することができる。
【0110】
本実施形態の薬剤払出し装置1では、載置台32を振動させて薬剤容器31から散薬を排出させる。即ち薬剤容器31を振動させることによって、散薬を散薬排出部71側に向かって移動させて排出する。
ここで本実施形態では、振動開始直後は、振動強度が強めに設定されていて、薬剤が散薬排出部71に到達するのに要する時間を短縮し、薬剤の落下が始まると、振動強度をそのときの強度に固定し、以後はその強度で振動させる制御が採用されている。具体的には、薬剤容器31の重量がわずかでも変化すると、薬剤の排出が始まったと判断し、振動強度が弱められる。
しかしながら、重量測定手段52が、振動によって微量の重量変化を検知したと判定し誤作動してしまう場合がある。
例えば薬剤が薬剤容器31の奥にあり、振動を継続しても散薬排出部71に到達しない場合がある。この様な場合には、薬剤容器31内の薬剤が不足していると誤判定してしまう場合がある。
処方における薬剤の用量が少ない場合に、この問題が多発する。
そこで本実施形態では、重量測定手段52の検出値が変化したときに、原則通り振動強度を低下させるが、その後、一定時間が経過しても、重量変化が認められない場合には、振動強度を再度強める制御が採用されている。
【0111】
特にこの制御は極少量配分の際に有効である。薬剤容器31から極少量を排出するため、薬剤容器31から薬剤が排出されたと判断する最初の排出量も極めて少量に設定される。例えば、排出を開始するまで振動強度を強める動作をし、0.02gが排出されたと検知すると、薬剤容器31から薬剤が流れ始めたと判断し、振動強度を強くするのをやめ振動強度を維持する動作を行うが、0.02gという微量は重量測定装置のブレや、ちょっとした振動などでこぼれた量に相当することもあり、その場合でも、まだ排出口まで薬剤が到達していないにも関わらず、振動強度を増すことをやめてしまい、結果として欠品という判断をしてしまうことがある。これを防ぐため、本実施例の場合、0.02gが排出されると薬剤排出のために流れ始めたと判断し、その後例えば20秒後に再度重量変化を確認し、0.02gが排出されていなければ、初期動作に戻り振動強度を上げる段階に戻るという制御を実施するものである。
【0112】
(親子カセットの使用優先度の決定)
前記した様に、親子カセットと称される薬剤容器31のグループがあり、当該グループに属する薬剤容器31には同じ薬剤が充填されている。
本実施形態では、親子カセットに属する薬剤容器31に、充填されている薬剤の使用期限(有効期限)や充填時期に関する情報を紐づけしている。
例えば、親子カセットに属する薬剤容器31に主番号と枝番号を付けて、親子カセットに属する薬剤容器31の優先度を設定する。
そして、薬剤払出し装置1の制御装置6、他の装置の記憶手段にその情報を記憶させておく。また薬剤容器31の情報記憶手段65に、充填されている薬剤の使用期限や充填時期に関する情報を記憶させておく。
薬剤払出し装置1のシステムは、このような情報をもとに使用する薬剤容器31の優先度を設定しておくことで、当該優先度に基づいて、薬剤払出し装置1に対して薬剤容器31の優先度を指定する。
【0113】
そして親子カセットに属する薬剤容器31を使用する際には、前記した優先度をもとに、載置台にセットされている薬剤容器の中から優先土の高い順から払い出しを行う。例えば薬剤払出し装置1の制御装置6や他の装置の記憶手段から使用期限等の情報を読み出し、最も使用期限の近いものや、充填時期がはやいものを優先的に使用するように、前記した表示画面に表示する。
また親子カセットに属する薬剤容器31を複数、同時に載置台32に設置する場合には、使用期限の近いものや、充填時期がはやいものから薬剤を排出し、不足分を他の薬剤容器31から排出させる。
なお、優先度を設定する条件としては、上記以外に、充填量の少ない薬剤容器31、または多い薬剤容器31から優先して払い出したりするといった他の優先度の設定も考えられる。
【0114】
(振動停止時期の設定)
前記した様に本実施形態では、薬剤容器31を振動させつつ薬剤容器31の重量を監視し、必要量の散薬が薬剤容器31から排出されると振動部材40の振動を停止する。
ここで振動を停止するタイミングであるが、振動停止後も慣性等によって薬剤が動き、振動を停止した後にも薬剤が排出されるので、必要量の薬剤が排出させる直前で、振動が停止される。
【0115】
振動を停止してから排出される薬剤の量は、薬剤の性状と、停止直後の振動強度で決まる。本実施形態では、振動強度は、薬剤によって定められている。
本実施形態の薬剤払出し装置1では、振動停止後に払い出さる薬剤の量を検知し、この検出値に基づいて、以後の振動停止時期を変更する制御が採用されている。
具体的には、振動の停止タイミングを決定する排出重量という概念があり、処方に基づく払出重量から所定重量(例えば0.3g)を差し引いた重量を計測したタイミングで、振動を停止するタイミングを決定する。即ち、必要な排出量から前記した0.3g差し引いた時よりも後に停止タイミングが設定される。そして、0.3gを差し引いた時点から停止タイミングに至るまでの散薬の流速の変化を監視し、本来予定した流速であれば、停止タイミングで停止すると、その先のカセット排出部から余分な排出はされない。しかしながら、例えば前記した散薬の流速が遅くなると、停止タイミングから予定した残り量が払出し切れなくなるため、結果的に払い出された散薬の総量不足が発生する。そのため流速が変化すると停止タイミングを都度更新し、もう少し多くの散薬を薬剤容器31の散薬排出部71に近づけるという制御を行うことにより、本来の払い出し量より少なめの払い出し量となる結果を防ぐことができる。
本実施形態によると、振動停止時期が更新され、排出量の制度が向上する。
【0116】
(振動減衰時期)
前記した様に本実施形態では、薬剤容器31を振動させつつ薬剤容器31の重量を監視し、必要量の散薬が薬剤容器31から排出されると振動部材40の振動を停止する。
本実施形態では、振動強度を徐々に上げてゆき、散薬の流量が一定の値に達するとその振動強度を維持する。
そして散薬の排出量が必要量に近づくと、振動強度を低下して散薬の流量を低下させてゆく。一定のレベルまで散薬の流量が低下すると、その弱い振動強度を維持し、必要量の散薬が薬剤容器31から排出されると振動部材40の振動を停止する。弱い振動強度を維持する時間は、比較的短い時間である。
従って載置台32の振動開始から振動停止までの単位時間あたりの散薬の排出量(流量)は図13のグラフの様な折れ線を描く。図13のグラフの実線で囲まれた面積が、散薬の総排出量に相当する。また破線で囲まれた面積が、振動強度を低下し始めてから振動停止までの間の散薬の排出量に相当する。
【0117】
振動強度を低下させる時期は限定するものではないが、例えば残りの排出量が一定値に至った時や、残りの排出量が総排出量の一定割合となった時が当該時期の候補としてあげられる。
本実施形態では、所定の演算によって流量を低下させるために振動強度を低下させる時期を決めている。
仮に今すぐに振動強度の低下(流量の低下)を開始したとき、振動強度を低下させることで図13のグラフの様な折れ線を描いて散薬の排出を終えることができる時期を演算で求め、その時期に達すると振動強度を低下させる。
具体的には、今から振動強度を低下させた場合における見込み流量を、現在の単位時間あたりの流量(振動強度が強い場合の排出量)と、目標とする弱い振動強度で一定時間振動させた場合の予想流量と、振動を低下させてゆく過程における予想流量の合計を演算し、その値が必要な払出し量以上となったときに振動強度を低下させる。あるいは前記した合計が、必要な払出し量に達したときに振動強度を低下させて流量を低下させる。即ち、図13のA領域の面積とB領域の面積及びC領域の面積の合計が、予想される見込み排出量であり、この見込みの排出量が現在の排出量を満たした時点で流量の低下を開始させる。
これにより流量を低下するタイミングを遅くすることができ、それにより、多い流量で散薬を排出する時間を長くすることかでき、結果的に短時間で多くの散薬を排出することができる。
【0118】
(薬剤容器の姿勢確認)
薬剤容器31は、載置台32に正しく取り付けられていなければならない。薬剤容器31が正しく取り付けられているか否かを検知する簡単な方法として次の方法が考えられる。
薬剤容器の姿勢を確認する方法の一つとして、仮に薬剤容器31の取付け姿勢が不適であり、浮いた状態である場合、上蓋(フィーダーカバー)5を閉じた際ときに上蓋5の一部が、薬剤容器31に当たる寸法関係に設計する。例えば上蓋5の内側や薬剤容器31の上面に突起を設け、当該突起を他方の部材に当てる。突起は他の部材を壊さないように柔らかいものであることが望ましい。
薬剤容器31が浮いた状態であって、上蓋5が薬剤容器31に当たると、重量測定手段52に上蓋5の荷重が掛かり、異常値が検出さる。この異常値をもって、薬剤容器31の姿勢が不適であると判断する。
【0119】
(故障の未然通知)
薬剤払出し装置1の故障を未然に検知する方策として次の方法が考えられる。
故障を未然検知する方法の一つとして、薬剤払出し装置1の休止中も、重量測定手段52の検知を継続することが考えられる。
例えば、装置の休止中に、何らかのものが薬剤払出し装置1に衝突すると、重量測定手段52の検出値が変化する。
休止中に重量測定手段52の検出値が変化する事態が発生すると、表示装置10にその旨を表示し、使用者に注意を促す。電源を入れた後にこの表示をしても良いし、休止中であっても、異常を検知するとその旨を表示するために一時的に電顕を入れ、画面表示するようにしても良い。
【0120】
(薬剤容器内の薬剤残量の確認)
本実施形態の薬剤払出し装置1では、載置台32に薬剤容器31が載置された直後に、薬剤容器31内の薬剤の残量が確認される。
具体的には、載置台32に薬剤容器31を装着すると、薬剤容器31に付された情報記憶手段65の情報を、載置台32近傍の情報読書手段66で読み出し、いずれの載置台32に、いずれの薬剤容器31が装着されているかが制御装置6で判断される。
また表示装置10には、残量を確認中であることを意味する表示がなされる。具体的には「計測中」の文字が表示される。
薬剤容器31の重量から薬剤の残量が演算され、薬剤の残量が表示される。また薬剤容器31の識別番号も表示される。
【0121】
ここで薬剤の残量と薬剤容器31の識別番号を表示するタイミングであるが、本実施形態では、薬剤容器31に付された情報記憶手段65から薬剤容器31が特定された段階で、直ちにその情報が制御装置等に送信され、薬剤容器31の識別番号が直ちに表示される。そして薬剤容器31内の薬剤残量が確認された段階で、薬剤の残量を表示する。
表示の順番としては、最初に薬剤容器31の識別番号が表示され、その後に演算され薬剤残量が表示される。薬剤残量が表示されるまでの間は、薬剤容器31の識別番号と、「計測中」の文字が表示される。
この様に、薬剤容器31の識別番号を直ちに表示することにより、使用者に安心感を与えることができる。
この表示順は推奨されるものではあるが、特に限定されるものではなく、薬剤容器31の識別番号と、薬剤残量を同時に表示してもよい。
【0122】
(重量測定手段の警告表示)
前記した様に、本実施形態の薬剤払出し装置1では、載置台32に薬剤容器31が載置された直後に薬剤容器31内の薬剤の残量が確認される。薬剤容器31の重量測定は、載置台32の重量測定手段52が安定した状態で開始する必要がある。そのため、重量測定手段52が不安定な状態が続くと、表示画面に重量測定手段52が不安定であることを示す表示がなされる(ワーニング表示)。また重量測定手段52が不安定であることが検知されると、これを解除するための作業が必要となる。
【0123】
ところで、本実施形態の薬剤払出し装置1は、分配皿20の周囲に載置台32が複数設置されている。また本実施形態の薬剤払出し装置1では、作業者が手で薬剤容器31を載置台32に着脱する、そのため、薬剤容器31を着脱する際に、薬剤払出し装置1が揺れてしまう場合がある。そして着脱の際の振動を、先に薬剤容器31が装着されて重量測定が開始されようとしている載置台32が検知し、ワーニング表示を出してしまう懸念がある。
そこで本実施形態では、他の載置台32に対して薬剤容器31を着脱する作業が行われる場合には、所定の時間が経過するまで重量測定手段52の安定性の検知を遅らせる制御が採用されている。
また同様の理由から、上蓋5が開閉された場合にも、所定の時間が経過するまで重量測定手段52の安定性の検知を遅らせる制御が採用されている。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本願発明は、薬剤を調剤する装置であり、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」という持続可能な開発目標(SDGs)の第3の目標を達成し得るものである。
本発明の薬剤払出し装置は、薬剤師のような有資格者が実施すべき散薬秤量等の散薬監査作業を無くすことで、テクニシャン等の非薬剤師においても実施できる装置である。これにより、有資格者である薬剤師は調剤作業という対物業務から、患者と向き合う対人業務にシフトできると共に、必要な調剤作業を非薬剤師等で実施できることから、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」という持続可能な開発目標(SDGs)の第3の目標を達成し得るものである。
また本発明は、人件費を低減し、経済生産性を向上させることができる。これによっても、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0125】
1:薬剤払出し装置、6:制御装置、7:自動清掃装置、10:表示装置
16:分包装置、20:分配皿、21:掻出装置、22:薬剤投入溝、31:薬剤容器
32:載置台、100:現状表示エリア、101:書誌的事項表示エリア、102:次回処方表示エリア、103:載置台情報表示エリア、105:薬剤容器情報表示エリア、
106:操作エリア
図1
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