(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143835
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】付加製造中に材料を堆積させる装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/118 20170101AFI20230928BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20230928BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230928BHJP
【FI】
B29C64/118
B33Y30/00
B33Y10/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023044929
(22)【出願日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】17/656,318
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522096385
【氏名又は名称】サームウッド コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】ケネス ジェイ シュシュニャラ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エス スミディ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン アイ フキー
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AR07
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL15
4F213WL32
4F213WL52
4F213WL67
4F213WL74
4F213WL87
4F213WL96
(57)【要約】
【課題】3次元印刷製造技術又はプロセスなどの付加製造技術又はプロセスを介して構成要素を製作する装置及び方法を提供する。
【解決手段】付加製造装置は、材料を受け取るように構成された押出機と、前記材料の1又は2以上の層を受け取る平面を画定するように延在する作業面と、付加製造装置の下流部に固定された塗布器組立体と、塗布器組立体に連結されたノズルであって、ノズルは、押出機から材料を受け取って作業面上に材料を堆積させるように構成される、ノズルと、移動方向において作業面を変位させるように構成されたアクチュエータと、を備え、移動方向は、平面と鋭角を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造装置であって、
材料を受け取るように構成された押出機と、
前記材料の1又は2以上の層を受け取る平面を画定するように延在する作業面と、
前記付加製造装置の下流部に固定された塗布器組立体と、
前記塗布器組立体に連結されたノズルであって、前記ノズルは、前記押出機から前記材料を受け取って前記作業面上に前記材料を堆積させるように構成される、ノズルと、
移動方向において前記作業面を変位させるように構成されたアクチュエータと、
を備え、前記移動方向は、前記平面と鋭角を形成する、付加製造装置。
【請求項2】
前記ノズルは、長手方向軸を画定するように延び、前記長手方向軸は、前記平面と角度を成す、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項3】
冷却プレートをさらに備える、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項4】
前記冷却プレートは、水平に延びる表面を画定する、請求項3に記載の付加製造装置。
【請求項5】
前記冷却プレートは、能動的に冷却される、請求項3に記載の付加製造装置。
【請求項6】
前記付加製造装置は、前記冷却プレートの前縁部に隣接して前記作業面を位置決めするように構成されている、請求項3に記載の付加製造装置。
【請求項7】
前記鋭角は、約30度から約60度の角度である、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項8】
前記鋭角は、移動方向から前記作業面の上部に向かって上向きに測定される、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項9】
付加製造装置であって、
水平方向に対して鋭角に延在する作業面と、
塗布器組立体と、
前記塗布器組立体に連結されたノズルであって、前記ノズルは、前記作業面に直交して延びる長手軸を画定する、ノズルと、
前記ノズルによって前記作業面上に堆積された材料を圧縮するように構成されたローラーと、
を備える、付加製造装置。
【請求項10】
前記鋭角は、前記作業面の上部に向かって上方に測定される場合に約30度から約60度である、請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項11】
前記鋭角は、約40度から約50度である、請求項10に記載の付加製造装置。
【請求項12】
前記付加製造装置は、水平方向において前記作業面を移動させるように構成されたアクチュエータを含む、請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項13】
水平面において延在する表面を形成するプレートをさらに含む、請求項9に記載の付加製造装置。
【請求項14】
付加製造方法であって、
押出機内で材料を受け取るステップと、
前記押出機内で前記材料を加熱するステップと、
第1の材料層を形成するためにノズルで傾斜面上に前記加熱された材料を堆積させるステップであって、前記傾斜面は、水平方向と鋭角を成す、ステップと、
水平方向において前記ノズルから離れて前記傾斜面を平行移動させるステップと、
第2の材料層を形成するために前記ノズルで前記傾斜面上に前記加熱された材料を堆積させるステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記第1の材料層を圧縮装置で圧縮するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の材料層、前記第2の材料層、又はその両方は、前記付加製造方法の少なくとも一部の間に冷却プレートに接触する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の材料層及び前記第2の材料層は、一緒になって部品の一部を形成し、前記部品は、堆積された材料によって完全に閉鎖される中空内部を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記中空内部の中心には、堆積された材料がない。請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記部品は、前記部品から切り離される構造支持体を堆積することなく形成される、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記傾斜面は、前記第1の材料層及び前記第2の材料層と一緒に平行移動する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、構成要素を製作する装置及び方法に関する。一部の実施例において、本開示の態様は、例えば、3次元(3D)印刷製造技術又はプロセスなどの付加製造技術又はプロセスを介して構成要素(例えば、自動車部品、医療用具、機械部品、消費者製品など)を製作する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造技術及びプロセスは、材料を除去する減法的製造方法とは対照的に、ネットシェイプ物体又はニアネットシェイプ(NNS)物体を製作する1又は2以上の材料の積層を伴う。「付加製造」は、業界標準用語(ASTM F2792)であるが、付加製造は、例えば、自由形状製作、3D印刷、高速プロトタイピング/ツーリングなどを含む、様々な名前の製造及びプロトタイピング技術を包含する。付加製造技術は、多種多様な材料から単純又は複雑な構成要素を製作するために使用することができる。例えば、付加製造は、コンピュータ支援設計(CAD)モデルに基づいた自立した物体の製作を可能にすることができる。
【0003】
特定の形式の付加製造は、3D印刷と一般に知られている。溶融堆積モデリング(FDM)又は溶融層モデリング(FLM)と一般に呼ばれる3D印刷プロセスのうちの1つは、最終部品を製作するために、熱可塑性材料の薄い層を溶融し、この材料を層状に塗布することを含む。これは、熱可塑性材料の連続した細いフィラメントを加熱されたノズルに通すことによって又は付随するノズル有する押出機に熱可塑性材料を通すことによって達成され、これは、熱可塑性材料を溶融して印刷される構造体に塗布して構造体が作られる。加熱された材料は、既存の構造体に層状に塗布され、既存の材料に溶融及び融合して中実完成部品を生じるようになっている。
【0004】
2つの異なる手法を使用して付加製造中に大型部品を製造することができる。第1の手法において、材料は、第1の層を印刷するために作業台上に下方に向けられるノズルを介して堆積される。後続の層は、最終的な中実部品を製造するために第1の層で画定された輪郭の上に堆積される。この第1の手法において、ノズルは、各層の形状をトレースするために水平面内で移動される。作業台は、ノズルで堆積される次の層の間隙を設けるために、各層が完成された後にノズルから離れて下方に移動することができる。
【0005】
付加製造中に大型部品を製造する第2の手法は、水平面において並びに垂直面において移動するノズルを利用することである。この構成において、ノズルは、固定式作業台に向かって下方に移動することができ、印刷層の幾何形状をトレースするために作業台の周りで移動することができ、次の層の間隙をもたらすために作業台から離れて上方に移動することができる。
【0006】
これらの手法のいずれも、従来のネットシェイプ3D印刷とは異なる一般的な方法を用いる。ネットシェイプ3D印刷において、流動性熱可塑性材料は、薄い水平層で追加され、各々の新しい層は、最終的な部品形状を層ごとに作り上げるために既に堆積された材料に融着される。層が薄く、十分に寸法的に正確である場合、最終的なネットシェイプの部品形状が結果的に得られ、これは、追加の機械加工又はトリミングが不要であるという利点を有する。欠点は、層が薄いので、部品を作り上げるために多くの層が必要であるので、このプロセスでは、特に大型部品には、実行するためにかなりの時間が必要であることである。従って、このプロセスを実行するのに必要な時間を短縮することが望ましく、これによって製造コストを低減することも可能である。
【0007】
一般にニアネットシェイプと呼ばれる1つの手法は、(ネットシェイプ3D印刷と比較して)比較的厚い層で材料を堆積させることを伴い、これは、所望の最終ネットシェイプよりもわずかに大きな最終部品をもたらし、その後、部品は、最終サイズ及び形状に機械加工される。この利点は、この手法が薄い層の手法よりも実質的に高速とすることができることである。しかしながら、最終サイズ及び形状を得るためにトリミング又は機械加工作業を行う機構又は機械が必要である。
【0008】
トリミングを必要とすると共に下方に移動する作業台を含む3D印刷手法において、部品は、1つの機械で印刷し、別の機械でトリミングすることができる。作業台(大型である可能性がある)を垂直に移動させることによって垂直の動きが達成されるという必須要件は、機械加工作業に関して移動式作業台手法でのトリミングを非現実的なものにする可能性がある。
【0009】
固定式作業台及び移動式ノズルを用いる別の手法による製造作業中、印刷及びトリミングの両方は、同じ作業台上で互いに独立して印刷ヘッド及びトリミングヘッドを移動させる機構を設けることによって同じ機械で実行することができる。部品は、トリミング機構が作業台から離れている間に印刷機構で印刷される。印刷が完了すると、印刷機構は作業台から移動する。印刷機構が作業台から移動すると、次に、トリミング機構は、印刷部品を最終サイズ及び形状に機械加工及びトリミングするために使用される。この手法において、作業台を固定することができ、印刷機構及びトリミング機構は、作業台上で移動する。
【0010】
機械をこのように作動するように構成する1つの方法は、作業台を床の近くで中央に配置し、作業台の両側に2つの壁を配置することである。壁の上端は、壁間を跨いで軌道上を移動する2つのガントリ構造を備える線形軌道を支持する。一方のガントリには印刷機構、他方のガントリにはトリミング機構が装備される。この構成で、印刷トガントリを使用して最大で作業台の大きさまでの部品を印刷することができ、その後、部品は、中実完成品を形成するためにトリミングガントリで機械加工又はトリミングすることができる。
【0011】
上述したプロセスの実施において、いくつかの大きな不都合が生じた。固定式作業台又は可動式作業台のいずれかを使用する上述の印刷手法の両方は、共通の制限を共有する。上述の2つの印刷手法の各々において、印刷することができる部品の最大高さは、印刷することができる層の最大数で決まり、これは、機械の高さによって制限される。換言すると、両方の手法において、部品の高さは、コンピュータ数値制御(CNC)機械の高さに制限される。長い部品を製造するためには、背の高い機械が必要であり、これは、一般的な機械構造体の制限及び建物天井高さの制限によって現実的ではない。
【0012】
さらに、印刷手法は、作業台に平坦な水平面を使用する必要性に基づいて、及び、ノズルの配向、例えば垂直に延びるノズルに基づいて、印刷することができる部品の形式が制限される可能性がある。従って、既存の方法は、閉鎖された中空内部を有する部品を形成することができない場合がある、及び/又は、支持構造体(この支持構造体は部品が形成された後に除去される)を形成する追加の材料を堆積させることなく傾斜した壁を有する部品を形成することができない場合がある点で制限される。しかしながら、支持構造体の使用によって、材料コストが増大し、支持体を除去する余分なステップが必要であるので、部品を製造するプロセスが複雑化する。さらに、支持体が不適切に除去された場合、部品は、損傷を受ける場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の態様は、特に、付加製造、例えば3D印刷技術によって構成要素を製作する方法及び装置に関する。本明細書に開示する各態様は、他の開示する態様のいずれかに関連して説明する特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。本開示の例示的な態様は、機械の高さを増大させることなく長尺部品を製作する方法を含む。本開示のうちの1又は2以上の態様は、固定式水平作業台上に位置する車輪又は摺動機構上の垂直に配向された作業台を含む。サーボモータ及びギアボックスによって独立して移動可能なコンベヤベルトは、固定式水平作業台の少なくとも一部上に位置することができる。垂直に配向された作業台は、コンベヤベルト及び固定式水平方向作業台の端部の方に位置する。水平作業台の前縁部には、コンベヤローラーを覆うことができる冷却プレート、例えば液冷式冷却プレートが存在することができる。印刷機構は、冷却プレートの前縁部から隔てた位置で作動することができる。印刷機構は、各垂直層が冷却プレートの前縁部とほぼ同一平面に堆積するよう印刷するように構成することができ、新しい層が印刷されるたびに、垂直作業台は、冷却プレートの前縁部から離れる方向に移動することができる。この構成によって、印刷機構は、作業台の前縁部から離れて作動することができ、圧縮ローラー(以下でさらに説明する)は、冷却プレートの前縁部に当接して位置決めされる。このプロセスが続くと、第1の層は、冷却プレートの後縁部から垂直作業台に取り付けられたコンベヤベルト上に移動する。本開示の例示的な形態において、1又は2以上のコンベヤベルトは、水平作業台の長さを横切って変位可能である(例えば、摺動する)ように、変位可能な垂直作業台の底部に取り付けることができる。このようにして、水平作業台の長さは、部品を印刷するために使用することができる。
【0014】
完成した中実部品は、その後、垂直作業台から分離することができ、部品が完全に印刷されると、1又は2以上のコンベヤベルトに載ることができる。その後、垂直作業台は、1又は2以上のコンベヤベルトから切り離すことができ、トリム領域の前に移動させることができ、トリムガントリは、部品を所望の最終サイズ及び形状に加工するために使用することができる。一部の実施形態において、垂直作業台は、機械から完全に取り外すことができ、その後、最終的なサイズ及び形状に部品を機械加工することができる。機械加工又はトリミングが完了すると、1又は2以上のコンベヤベルトは、固定式水平作業台の下に引き戻すことができ、これによって、完成部品を機械の前方又は後方から搬送することができる。本開示の1つの実施形態において、付加製造によって構成要素を製作する装置は、プログラム可能なCNC機を含むことができる。CNC機は、x-y平面に沿って配向される第1の作業台、及び、y-z平面に沿って配向される第2の作業台を含むことができる。少なくとも1つのコンベヤベルトは、第1の作業台に作動的に結合することができ、印刷ガントリは、第1の作業台上に取り付けることができる。印刷ガントリは、CNC機のx軸に沿って変位可能とすることができる。また、CNC機は、第2の作業台に流動性材料のビードを送給するように構成されたノズルを有する塗布器を含むことができる。
【0015】
本開示の別の実施形態において、付加製造を介して構成要素を製作する装置は、プログラム可能なCNC機を含むことができる。CNC機は、x-y平面に沿って配向される第1の作業台、及び、第1の作業台のx-y平面に直交して延びる平面に沿って配向される第2の作業台を含むことができる。印刷ガントリは、CNC機の第1の端部に位置することができ、印刷ガントリは、CNC機のX軸に沿って変位可能とすることができる。塗布器は印刷ガントリに取り付けることができ、塗布器は、第2の作業台に流動性材料のビードを送給するノズルを含むことができる。トリミングガントリは、CNC機の第2の端部に、つまり、第1の端部の反対側に位置することができ、トリミングガントリは、CNC機のX軸に沿って変位可能とすることができる。少なくとも1つのコンベヤベルトは、第1の作業台に沿って延びることができる。
【0016】
また、本開示の実施形態は、付加製造方法に関する。例示的な方法は、垂直に配向された作業台の表面に接着材料を塗布するステップと、接着材料上に複数のペレットを堆積させるステップとを含むことができる。また、本方法は、印刷ガントリのノズルから複数のペレットの少なくとも一部上に流動性材料の第1の層を堆積させるステップと、印刷ガントリのノズルから流動性材料の第1の層上に流動性材料の第2層を堆積させるステップとを含むことができる。また、本方法は、流動性材料の層が堆積されるたびに、X軸に沿って垂直作業台を移動させるステップを含むことができる。
【0017】
1つの態様において、付加製造装置は、材料を受け取るように構成された押出機と、材料の1又は2以上の層を受け取る平面を画定するように延在する作業面と、付加製造装置の下流部に固定された塗布器組立体と、塗布器組立体に連結されたノズルであって、ノズルは、押出機から材料を受け取って作業面に材料を堆積させるように構成される、ノズルと、移動方向において作業面を変位するように構成されるアクチュエータと、を備え、移動方向は、平面と鋭角を形成する。
【0018】
別の態様において、付加製造装置は、水平方向に対して鋭角に延在する作業面と、塗布器組立体と、塗布器組立体に連結されたノズルであって、ノズルは、作業面に直交して延びる長手軸を画定する、ノズルと、ノズルによって作業面に堆積された材料を圧縮するように構成されたローラーとを備える。
【0019】
さらに別の態様において、付加製造方法は、押出機内で材料を受け取るステップと、押出機内で材料を加熱するステップと、第1の材料層を形成するために傾斜面上にノズルで加熱された材料を堆積させるステップとを含み、傾斜面は、水平方向と鋭角を形成する。本方法は、水平方向においてノズルから離れて傾斜面を平衡移動させるステップと、第2の材料層を形成するために傾斜面上にノズルで加熱された材料を堆積させるステップとを含むことができる。
【0020】
本明細書で使用される場合、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、又はその他の変形形態は、プロセス、方法、物品、又は装置などの非排他的な包含を対象とすることが意図される。用語「例示的(exemplary)」は、「理想的(ideal)」よりもむしろ「実施例(example)」の意味で使用される。本明細書で使用される場合、用語「長い」は、他の寸法よりも大きい1つの寸法を有する構成要素を指すことになり、長い、高い、広いなどを包含する。本明細書で使用される場合、用語「おおよそ(approximately)」及び「約(about)」は、一般に、明記された量又は値の±10%を包含すると理解されたい。
【0021】
上述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的に過ぎず、請求されるような本開示を制限はしないことを理解されたい。
【0022】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の例示的な態様を示し、明細書とともに本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の1又は2以上の態様による、例示的な付加製造装置を含む付加製造システムの斜視図である。
【
図2】本開示の1又は2以上の態様による、例示的な塗布器組立体の拡大斜視図である。
【
図3】本開示の1又は2以上の態様による例示的な垂直作業台及び塗布器組立体の側面図である。
【
図4】
図3の例示的な垂直作業台及び塗布器組立体の拡大側面図である。
【
図5】本開示の1又は2以上の態様による、例示的な傾斜作業台及び傾斜マウントを含む付加製造装置の側面図である。
【
図6】
図5の例示的な傾斜作業台及び傾斜塗布器組立体の拡大側面図である。
【
図7】本開示の1又は2以上の態様による、複数の層の材料を堆積させた後の、
図5の例示的な傾斜作業台及び傾斜塗布器組立体の拡大側面図である。
【
図8A】本開示の1又は2以上の態様による、傾斜作業台上に堆積された材料の層の断面図である。
【
図8B】本開示の1又は2以上の態様による、傾斜作業台上に堆積させることができる部品の一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、特に、例えば、3D印刷などの付加製造技術を用いて部品を製作する方法及び装置を示す。具体的には、本明細書で説明する方法及び装置は、機械の高さを増大させることなく長尺部品を製造する方法を含む。例えば、垂直作業台及び垂直配向の塗布器組立体は、機械の水平軸に沿って長尺中実3D部品を印刷するために使用され、その結果、機械の高さを増大させる必要がない。本開示の一部の態様において、流動性材料(例えば、熱可塑性材料)を送給する塗布器組立体は、垂直配向から水平配向に、及び/又は、垂直配向と水平配向との間の傾斜配向に堆積ヘッドの配向を変えることによって、垂直配向、水平配向、又は傾斜配向で材料を送給するように構成することができる。その際、堆積ヘッドは、以下に詳細に説明するように、垂直に、水平に、又は角度を付けて、適切な表面(例えば、ビードボード)に、例えば、流動性材料を印刷することができる。
【0025】
また、本明細書で説明する方法及び装置は、支持構造体又はインフィルを形成する必要なしで、中空の完全密閉部品を製造する方法を含むことができる。例えば、傾斜作業台及び傾斜塗布器組立体は、水平方向に対して角度を成す表面上に複数の層の材料を堆積させるために一緒に用いることができる。堆積層は、垂直方向及び水平方向の両方と非ゼロの角度を成す平面又は一連の平面に配置することができる。例えば、各層は、水平方向と約10度から約80度の角度を成すことができる。
【0026】
塗布器組立体は、ノズルが印刷プロセスの一部の間に又は印刷プロセス全体の間に、垂直方向及び水平方向に対しても傾斜するように、ノズルをこの水平面に対して角度を付けて固定することができる。簡潔かつ明瞭にするために、方法及び装置は、熱可塑性材料からの部品の製作に関連して説明される。しかしながら、開示する装置及び方法は、付加製造に適した何らかの材料、詳細には、堆積のためにノズル又は他の開口に流動性材料を供給するように加熱される何らかの材料と共に使用することができる。
【0027】
図1を参照すると、本開示の態様による、CNC機など、付加製造装置1が示されている。制御装置(図示せず)は、所望の構成要素を形成する付加製造プロセスを実行するために制御装置に入力される又は取り込まれるプログラムに従って、第1の水平、すなわち、縦方向の移動線(x軸)、第2の水平、すなわち、横方向の移動線(y軸)、及び、垂直方向の移動線(z軸)に沿って塗布ノズル51を変位させるために付加製造装置1に作動的に結合することができる。一部の実施例において、プログラムは、長尺の3D印刷部品を形成するために、及び本明細書で説明する各機能及び方法を実行するよう装置1を制御するために、コンピュータに入力すること又は取り込むことができる。付加製造装置1は、制御装置にプログラムされる又は取り込まれる3D部品のデジタル表現(例えば、AMF及びSTLフォーマットファイル)から3D部品を印刷するように又は他の方法で作るように構成することができる。
【0028】
例えば、押し出しベースの付加製造システムにおいて、3D部品は、流動性材料を押し出すことによって、3D部品のデジタル表現から層ごとの様式で印刷することができる。流動性材料は、システムの印刷ヘッド又は塗布器組立体43が有する押出チップ又はノズル51を介して押し出すことができる。流動性材料は、装置1が水平印刷用に構成される場合にx-y平面において基板上に一連のビード又は層として堆積させることができる。一部の実施例において、x-y平面は、機械の高さを増大させることなく長尺部品を印刷するために使用することができる。押し出された流動性材料は、先に堆積された材料に融合することができ、温度低下で固化することができる。その後、基板に対する印刷ヘッドの位置は、(x-y平面に垂直な)z軸に沿って漸増的に進めることができ、このプロセスは、デジタル表現に類似するD部品を形成するために繰り返すことができる。以下に説明するように、垂直作業台及び適切な取り付けプレートを使用することによって、装置1は、代わりに、垂直印刷(y-z平面における材料堆積)用に構成することができる。一部の態様において、付加製造装置1は、x-y平面以外の、及び、x-z平面又はy-z平面以外の平面において材料を堆積させるように構成することができる。これによって、以下で説明するように、支持構造体を形成することなく中空部品を製造することができる。
【0029】
図1に示される付加製造装置1は、ベッド20、一対の横方向に離間した側壁21及び22、印刷ガントリ23、対向する側壁21及び22上に支持されたトリミングガントリ36、印刷ガントリ23に取り付けられたキャリッジ24、キャリッジ24に取り付けられたキャリア25、押出機61、及び、付加製造装置1の下流部分(例えば、付加製造装置1の下流部分(例えば、ノズル51又は材料を堆積させる他の構造体への材料の流れに対する押出機の下流にある装置1の部分)でキャリア25に取り付けられた塗布器組立体43を含むことができる。側壁21と22との間のベッド20上には、支持面を備える水平作業台27が配置される。支持面は、水平に延びる平面(例えば、x-y平面)に配置することができ、x軸及び/又はy軸に沿って固定又は変位可能とすることができる。例えば、変位可能な形態において、水平作業台27は、ベッド20に取り付けられた1組のレールに沿って変位可能とすることができる。水平作業台27の変位は、1又は2以上のサーボモータ、及び、1又は2以上のレール39及び40を使用して達成することができる。例示的な構成において、レール39及び40は、ベッド20上に取り付けられ、水平作業台27に作動的に結合することができ、水平作業台27は、X軸に沿って平行移動することができる。
【0030】
印刷ガントリ23及びトリミングガントリ36は、Y軸に沿って配置され、側壁21及び22上に支持される。
図1において、印刷ガントリ23及びトリミングガントリ36は、1組のガイドレール28及び29上に取り付けられて示されており、ガイドレール28及び29は、それぞれ側壁21及び22の上面に沿って位置する。印刷ガントリ23及び/又はトリミングガントリ36は、固定的に取り付けること又は変位可能に取り付けることができる。一部の態様において、印刷ガントリ23及びトリミングガントリ36は、X軸に沿って変位可能であるように配置することができる。印刷ガントリ23及びトリミングガントリ36は、印刷ガントリ23及びトリミングガントリ36上に取り付けられた一組のサーボモータ(図示せず)によって変位可能とすることができる。ガントリ23及び36の各々は、ベッド20の側壁21及び22上に設けられた軌道、例えば、ガイドレール28及び29に作動的に結合することができる。例示的な変位可能な構成において、1又は2以上のサーボモータは、印刷ガントリ23又はトリミングガントリ36の移動、又は、ガントリ23及び36の両方の移動を制御することができる。
【0031】
キャリッジ24は、印刷ガントリ23上に支持することができる。キャリッジ24は、印刷ガントリ23上のガイドレール31、32、33など、1又は2以上のガイドレール上に取り付けられ、該ガイドレールに沿って変位可能な支持部材30を備えることができる。キャリッジ24は、印刷ガントリ23上に取り付けられ、支持部材30に作動的に結合されたサーボモータによって、1又は2以上のガイドレール31、32、及び33上でY軸に沿って変位可能とすることができる。キャリア25は、z軸に沿ったキャリッジ24に対するキャリア25の変位のために、キャリッジ24上に支持された1又は2以上の垂直方向に配置されたガイドレール35上に取り付けることができる。キャリア25は、キャリッジ24O上に取り付けられ、キャリア25に作動的に結合されたサーボモータ(図示せず)によってz軸に沿って変位可能とすることができる。垂直作業台37は、コンベヤベルト38及び48に取り付けることができる。
図1に示されるように、垂直作業台37は、水平作業台27上に位置することができ、垂直作業台37に連結され、ベッド20の上部に設けられた軌道、例えば、ガイドレール39及び40に作動的に結合された1又は2以上のサーボモータ(図示せず)によって、X軸に沿って(例えば、レール39及び40に沿って摺動することによって)変位可能とすることができる。一部の実施例において、ガイドレール39及び40は、ベッド20に隣接して又はベッド20の側面に沿って位置することができる。例示的な変位可能な構成において、1又は2以上のサーボモータは、コンベヤベルト38及び48の移動を制御することができ、コンベヤベルト38及び48は、X軸に沿って垂直作業台37を前進させるために、同じ方向に回転するように作動する。
【0032】
図2で最もよく示されるように、キャリア25には容積型ギアポンプ74が取り付けられており、これはサーボモータ75によってギアボックス76を介して駆動することができる。ギアポンプ74は、
図1に示される押出機61から溶融プラスチックを受け取ることができる。材料を圧縮するビード整形ローラー59などの圧縮装置は、キャリアブラケット47に取り付けることができる。圧縮ローラー59は、キャリアブラケット47に移動可能に取り付けることができ、例えば、回転可能に又は枢動可能に取り付けることができる。ローラー59は、ローラー59の中心部分がノズル51と位置合わせされるように取り付けることができる。一部の実施例において、ローラー59は、ノズル51に対して接線方向に配向することができる。ローラー59は、ノズル51に対して取り付けることができ、ノズル51から吐出された材料、例えば、(熱可塑性樹脂など)流動性材料の1又は2以上のビードは、ローラー59によって平滑化、平坦化、水準化、及び/又は圧縮されるようになっている。1又は2以上のサーボモータ60は、プーリー又はスプロケット56及び駆動チェーン又はベルト65の構成を介して、又は何らかの他の適切な手段によって、キャリアブラケット47を移動させる、例えば、回転変位させるように構成することができる。
【0033】
図3を参照すると、(機械の高さを増大することなく長尺部品を製造する機械、及び/又は、1又は2以上の所定の角度で材料を堆積させる機械を形成することができる)付加製造装置1は、レール39及び40に作動的に結合された垂直作業台37を含むことができる。レール39及び40(レール39は
図3では示されていない)は、
図1に示されるように、固定式水平作業台27上に位置することができる。一部の実施例において、垂直作業台37は、垂直作業台37をX軸に沿って、及び、レール39及び40に沿って平行移動させるように構成された1又は2以上の独立作動型サーボモータ及びギアボックスに作動的に結合することができる。
【0034】
付加製造装置1は、キャリア25に塗布器組立体43を固定するように構成された1又は2以上の塗布器組立体取り付けプレート80を含むことができる。塗布器取り付けプレート80は、塗布器組立体43がz軸に沿った垂直方向から約90度オフセットされた方向に延びるように、屈曲部又は一連の屈曲部を含むことができる。従って、ノズル51は、プレート80に形成された屈曲部に起因して水平方向(
図2)に延びることができる。
【0035】
コンベヤベルト38及び48は、垂直作業台37の底部に固定することができる。コンベヤベルト38及び48は、X軸に沿って部分的に形成された又は全体に形成された3D印刷部品を前進させるために、垂直作業台37に作動的に結合することができる。例示的な変位可能な垂直作業台37において、コンベヤベルト38及び48は、装置1の作動中、水平作業台27に取り付けられたコンベヤベルト38、48の表面に沿って所望の印刷部品を回転させることによって、装置1の高さを増大させることなく長尺3D印刷部品を製造するために使用することができる。装置1の作動中、長尺寸法の印刷部品は、コンベヤベルト38、48の長軸に沿って製造することができ、コンベヤベルト38、48は、部品をさらに印刷するために追加の流動性材料が付加される際に部品を移動させることができるようになっている。
【0036】
コンベヤベルト38及び48は、ステンレス鋼又は他の適切な材料で構成することができ、適切な被覆を含むことができる。例示的な形態において、コンベヤベルト38及び48の底面は、ポリテトラフルオロエチレン被覆、ノンスティック被覆、TEFLON(登録商標)(Chemoursが所有する登録商標)、又は、他の適切な材料で被覆することができる。例示的な被覆は、摩擦低減被覆とすることができ、水平作業台27を横切るコンベヤベルト38及び48の摺動を容易にすることができる。
【0037】
垂直作業台37の長手方向の表面には、平面を形成する基板45及びビードボード46が固定される。最初に、基板45は、垂直作業台37に固定することができる。その後、ビードボード46は、基板45の表面に固定することができる。基板45及び/又はビードボード46は、
図3に示されるように、ボルト、締結具、ティーナット、ねじ、接着剤、又は何らかの他の適切な固定装置の組み合わせを使用して、互いにしっかりと取り付けること又は垂直作業台37に固定することができる。一部の実施例において、基板45は、合板、又は他の適切な材料、又は材料の組み合わせから形成することができる。1つの実施例において、ビードボード46は、例えば、中密度繊維板(MDF)、又は、高級合板、又は、何らかの他の適切な材料の下部構造体の一部とすることができる。
【0038】
一部の実施形態において、
図4に示されるように、ビードボード46は、接着剤又は結合層、例えば、接着剤又は他の適切な材料で少なくとも部分的に被覆され、熱可塑性ビードペレットが注入された片面を有することができる。ボード46は、「ビード」ボードと呼ばれるが、ビードは、1又は2以上の構成の熱可塑性ペレットによって形成され、熱可塑性材料などのボード46上に置かれた材料は、ビード又はペレット以外の形状を有することができることを理解されたい。例えば、ビードボード46は、単独で又はビード又はペレットと共に、粒子、球、繊維、直線軌道、曲線軌道、又はこれらの何らかの組み合わせなど、複数の規則的又は不規則な形状を含むことができる。これらの材料は、熱可塑性とすること、又は、ノズル51を介して堆積された材料と適合する別の形式の材料とすることができる。接着剤及び熱可塑性ビード又はペレットの塗布は、部品の印刷が開始される前(すなわち、熱可塑性材料の第1の層がビードボード46上に配置される前)に行われる。熱可塑性ペレットを注入した接着剤は、印刷部品とビードボード46との間の脆弱な結合をもたらすことができ、印刷が完了すると又はトリミングが完了すると、十分な力を加えることによって、接着結合を破壊することができ、完成印刷部品が下部構造体から分離される、例えば、印刷部品が垂直作業台37のビードボード46から分離されるようになっている。
【0039】
1又は2以上の例示的な構成において、ビードボード46の表面は、接着層又は結合層で被覆することができる。結合層は、接着剤、液体、液体接着剤、又は固化可能な液体を含むことができる。結合層は、ポリ酢酸ビニル接着剤(又は何らかの他の適切な接着剤)を含むことができ、最初に、ビード又はペレットがボード46に導入される前に、ビードボード46の表面に塗布することができる。例えば、接着材料又は接着剤は、ブラシ、ローラー、又は1又は2以上の噴射ノズルによってビードボード46に塗布することができる。ペレットは、
図4及び6に堆積された形で示すように、何らかの適切な材料とすることができる。例えば、1又は2以上の実施形態において、ペレットは、熱可塑性材料で作ることができる。ペレットは、接着材料が硬化するか又はその他の方法で固化するときに各ペレットの少なくとも一部が接着材料内に又は接着材料上にあるように、接着材料上に堆積させることができ、ペレットは接着材料に(及びビードボード46に)固定されるようになっている。ペレットは、何らかの適切な均一な又は非均一なパターンで堆積させることができる。
【0040】
接着剤が硬化するとき、個々のビード又はペレットは、ビードボード46の表面に接合することができる。何らかの留められていないペレットがあれば、何らかの適切な方法で除去することができる。例えば、留められていない又はさもなければ固定されていない熱可塑性ペレットは、業務用の掃除機又は他の適切なデバイスによる吸引によって除去することができる。結果として得られる準備されたペレット床は、
図4に示されるように、印刷される流動性材料、例えば、熱可塑性材料の第1の層の経路に沿って延びることができる。例示的な形態において、ビードボード46の熱可塑性ビードを含む準備されたペレット床は、上述のように、垂直作業台37から、最終的に形成された物品、すなわち3D印刷部品を離脱させるために使用することができる。
【0041】
付加製造装置1の作動中、溶融熱可塑性材料の第1の層がビードボード46の接合ペレットの層上に堆積されると、高温堆積材料の1又は2以上のビードは、ペレットに融合することができ、材料の印刷層が所定の位置にしっかりと保持される。接着層、すなわち、接着剤は、硬化後に少なくともわずかに柔軟なままで柔らかい場合があり、溶融熱可塑性材料の塗布によって加熱されるとより柔軟になることができる。従って、個々のペレットは、当初の熱可塑性ビードと接着剤層との間の応力の発生を妨げるのに十分な量だけ自由に動くことができる。換言すると、加熱された溶融熱可塑性材料の第1の層が準備されたペレット床上に塗布されると、接着剤層は、軟化し、その結果、ペレットは、動くことができビードボード46への弱い付着を生成することができる。これに対応して、最終的な印刷部品が変形する傾向を著しく低減させることができる。印刷された構造体が冷却された後、印刷部品とビードボード46との接着剤結合を破壊するために印刷部品に力を加えることができ、最終印刷部品は、部品に損傷を与えることなく、下部構造体、例えば垂直作業台37のビードボード46から分離される。
【0042】
上述のプロセスは、所望の物品又は3D印刷部品を印刷する適切な表面を作り出すことができる。この表面は、少なくとも一部の実施形態において、部品又は物品が冷却して固化する際に、部品に引き起こされる応力の量を低減することができる(例えば、ペレット及び/又は接着剤の存在に起因して)。
【0043】
付加製造装置1の作動中、流動性材料の溶融ビード44(例えば、溶融熱可塑性プラスチック)は、押出機61を有するキャリア25上に設けられた供給源から、圧力下で配置することができる。ビード44は、サーボモータ75及びギアボックス76を用いて容積型ギアポンプ74を通過することができる。ポンプ74は、
図2及び3を参照して示される、加熱されて流動性の材料を垂直に配向された塗布器43に及びノズル51を介して送ることができる。垂直に配向された塗布器43は、ノズル51に固定的又は取り外し可能に連結することができ、ノズル51と流体連通とすることができる。
【0044】
図4に拡大図で示すように、溶融ビード44がノズル51(
図2に示されるような)を通って塗布器43から出るとき、溶融ビード44は、垂直作業台37に取り付けられた垂直に延在するビードボード46に塗布することができる。ローラー59は、熱可塑性材料のビードがビードボード46の表面に堆積されると、溶融ビード44を圧縮することができる。ビード44は、冷却プレート42に載ることができる。例えば、冷却プレート42の前縁部は、溶融ビード44の前縁部とほぼ同一平面に位置することができる(例えば、冷却プレート42は、ビード44の少なくとも一部の前面から0.5cm以下の距離内とすることができる)。冷却プレート42は、ビード44が垂直作業台37及び/又はコンベヤベルト38及び48の水平支持面に固着するか又はこの水平支持面と接合しないように、溶融ビード44を冷却するために使用することができる。冷却プレート42は、機械1の作動中に成形品の底面を冷却するために使用することができる。冷却プレート42は、部品が十分に固化されるまで成形部品を冷却することができ、部品の一部が一方又は両方のコンベヤベルト38及び48に接触したときに、部品は、剛性であり、作業台27上で垂れ下がらない及び/又は引きずられないようになっている。また、冷却プレート42は、成形された部品が、コンベヤベルト38及び48の少なくとも厚さだけ作業台27より上方に適切に吊り下げられるように使用することができる。
【0045】
冷却プレート42は、印刷が行われることになる平坦でまっすぐな隅部を生成するために使用することができる。また、冷却プレート42は、溶融ビード44からの不要な冷却されていない熱可塑性材料が、コンベヤベルトローラー41に関連する又はその周囲の機械に入るのを防ぐために、コンベヤベルトローラー41を覆うように使用することができる。付加製造装置1の作動中、コンベヤベルトローラー41は、一方又は両方のコンベヤベルト38及び48を移動させる、つまり、前進させるように構成することができる。
【0046】
冷却プレート42の例示的な構成において、能動的な冷却は(例えば、冷却プレート42に冷却剤を供給することによる)、そうでなければコンベヤベルト38及び48が耐えるには高温すぎる可能性がある温度での流動性材料、例えば、熱可塑性材料の印刷を可能にすることができ、印刷高速を可能にすることができる。熱可塑性材料の第1の層が塗布された後、次の層を堆積させる前に、垂直作業台37及びコンベヤベルト38は、移動して塗布器組立体43から離れることができ、塗布器組立体43は、溶融ビード44の第1の層の厚さに等しい距離だけ、垂直に配向することができる。このプロセスは、1又は2以上のサーボモータ及びギアボックスを使用してノズル51を介して、垂直に配向された塗布器組立体43によって堆積される溶融ビード44の追加層ごとに繰り返すことができる。このプロセスは、水平作業台27(
図1を参照)の全長と同じ長さとすることができる所望の印刷物又は部品が完成されるまで継続することができる。一部の態様において、部品は、水平作業台27よりも長くすることができる。例えば、コンベヤベルト38及び48は、印刷が継続することができるように、形成された部品を水平作業台27から少なくとも部分的に外に移動させることができる。
【0047】
完成印刷物又は部品は、垂直作業台37から切り離すことができる。印刷部品は、1又は2以上のプロセスで垂直作業台37から切り離すことができる。例えば、1又は2以上のねじ49、ボルト/締結具52、及び/又は、ティーナット50は、
図4に示されるように、基板45に垂直作業台37及び基板45にビードボード46をしっかりと取り付けるために、垂直作業台37、基板45、及び/又は、ビードボード46の表面上に配置することができる。図示のように、ねじ49又はボルト/締結具52は、印刷部品によって覆われないように配置することができ、基板45にビードボード46を取り付けるように配置することができる。ねじ49、締結具52、ティーナット50は、トリミング作業を妨げないように所望の印刷部品に十分に近いサイズとすることができる。
【0048】
基板45及びビードボード46は、厚い(例えば、1/14インチつまり0.18cm厚)木質系材料(例えば、合板、MDF等)から製作することができる。垂直作業台37の穴は、ティーナット50を使用して垂直作業台37に基板45を取り付けるために使用することができる。また、ビードボード46は、ねじ49、例えば、乾式壁ねじを使用して基板45に取り付けることができる。ねじ49の位置は、様々とすることができるが、一部の実施形態において、ねじ49は、部品が印刷される場所にできるだけ近くに位置することができるが、ねじ49は、トリミング作動中にトリミングガントリ36のトリミング治具に接触するほどは近くに位置することはできない。さらに、ねじ49は、ビードボード46から印刷部品を取り外さずにねじ49を取り外すことがすることができるように、印刷部品の目的とする位置から十分に離れて位置することができる。これは、印刷後に印刷部品を取り付けたまま基板45からビードボード46を切り離すことを可能にすることができる。
【0049】
一部の実施例において、基板45は、垂直作業台37に取り外し可能に取り付けること、及び/又は、ビードボード46に取り外し可能に取り付けることができる。当業者は、垂直作業台37を基板45に固定的に又は取り外し可能に固定すると共に、ビードボード46を基板45に固定するために、他の何らかの適切な手段を使用することができることを理解できる。一部の実施例において、ボルト/締結具52は、基板45のティーナット50又はボルト/締結具52に螺入すること及び垂直作業台37の裏側から取り外すことができる。
【0050】
一部の実施例において、垂直作業台37は、完成中実部品をCNC機1から取り外すためにコンベヤベルト38及び48から切り離すことができる。コンベヤベルト38及び48は、垂直作業台37の背面下縁部など、垂直作業台37の縁部に取り付けることができる。コンベヤベルト38及び48は、背面下縁部から付加製造装置1の端部まで延びることができ、コンベヤベルト38及び48は、コンベヤベルトローラーに巻回することができる。次に、コンベヤベルト38及び48は、付加製造装置1の全長の真下で、装置1の一端から他端まで延びることができ、コンベヤベルト38及び48は、第2のコンベヤベルトローラーに巻回することができる。次に、コンベヤベルト38及び48は、水平作業台27の上面に沿って、垂直作業台37の下部前縁部まで延び、垂直作業台37に取り付けられる。換言すると、コンベヤベルト38及び48は、垂直作業台37の反対側の端部に取り付けることができ、水平作業台27に巻回することができる。
【0051】
図3に示されるように、クロスプレート53は、1又は2以上のサーボモータ及び/又はギアボックスによって変位可能とすることができる。垂直作業台37及びコンベヤベルト38及び48は、クロスプレート53に取り付けることができ、クロスプレート53に沿って変位可能とすることができる。代替的に、垂直作業台37及びコンベヤベルト38及び48は、代わりに、トリミングガントリ36に取り付けることができ、トリミングガントリ36のz軸に沿って変位可能とすることができる。完成中実部品は、クロスプレート53又はトリミングガントリ36のz軸のいずれかを動かすことによって付加製造装置1から取り除くことができ、結果として、これは、付加製造装置1の外に、例えば、付加製造装置1の左右側から外に完成中実部品を移送するためにコンベヤベルト38及び48を動かすことができる。
【0052】
垂直作業台37から切り離されると、完成中実部品の重量は、トリミングガントリ36によるトリミングのために部品を所定の位置に保持することができる。完成部品は、例えば、印刷ガントリ23及び/又はトリミングガントリ36の下部に取り付けられた天井クレーン又はホイストを使用して、付加製造装置1から取り外すことができる。
【0053】
一部の実施例において、クロスプレート53は、コンベヤベルト38、48を垂直作業台37に取り付けるために使用することができる。クロスプレート53は、付加製造装置1の各側に配置することができる1又は2以上の駆動機構に固定すること、例えば、ボルト留めすることができる。垂直作業台37は、コンベヤベルト38及び48の端部をクロスプレート53に取り付けたまま、クロスプレート53から取り外すことができる。コンベヤベルト38及び48は、クロスプレート53に切り離し可能に固定することができ、クロスプレート53は、機械(例えば、装置1の両側の駆動機構)からボルト外して取り外すことができる。クロスプレート53を取り外すことは、必要であれば、付加製造装置1へのアクセスを改善することができる。
【0054】
付加製造装置1の作動中、最終的な印刷部品がコンベヤベルト38及び48上に載ると、垂直作業台37は、コンベヤベルト38及び48からボルトを外すこと又は取り外すことができる。その後、コンベヤベルト38及び48を前進させて最終部品を印刷ガントリ23から離れてトリミングガントリ36に向かう方向に移動させるためにコンベヤベルトローラー41を作動させることで、印刷部品又は物品は、トリミング領域の後方でトリミングガントリ36(
図1)の下方又はその近傍の付加製造装置1の前方に移動することができる。その後、トリミングガントリ36(
図1)は、所望の最終サイズ及び形状に部品を機械加工又はトリミングするために作動させることができる。付加製造装置1の作動中、一部の実施形態において、垂直作業台37は、CNC機1から完全に取り外すことができ、トリミングガントリ36は、所望の最終的なサイズ及び形状に部品を機械加工又はトリミングするために使用することができる。部品の加工又はトリミングが完了すると、トリミングされた最終部品は、コンベヤベルト38及び48によって水平作業台27の前端又は後端から搬送すること、又はCNC機1から持ち上げるか又は他の方法で取り外すことができる。
【0055】
ここで
図5を参照すると、付加製造装置1は、水平印刷(垂直に延びるノズルから材料を堆積させる)及び垂直印刷(水平に延びるノズルから材料を堆積させる)とは対照的に、印刷が角度を成して行われる、層ごとの印刷の追加的な方法で作動することができる。一部の態様において、この印刷は、水平方向に対して約10度から約80度の角度で実行することができる。傾斜印刷は、複数の層を互いの上に堆積させることを含むことができ、これらの層のうちの1又は2以上(又は全ての層)は、水平方向に対してゼロではない角度及び垂直方向に対してゼロではない角度を成す平面に延びる。詳細には、傾斜印刷は、材料が水平方向に対して約45度の角度で堆積されるように実行することができる。
【0056】
付加製造装置1は、
図3に関して上述したように、最初に、90度の塗布器取り付けプレート80を取り外すことによって、傾斜印刷を行うように構成することができる。取り付けプレート80は、一旦取り外されると、傾斜(例えば、約10度から約80度の)取り付けプレート81と交換することができる。
図5に示す実施例において、取り付けプレート81は、ノズル51が水平方向に対して約45度の角度を成す長手方向軸71を呈するように、下方にノズル51の角度を変える45度取り付けプレート81である。他の構成において、ノズル51の長手方向軸71は、水平方向に対して測定したときに、約10度から約80度、約20度から約70度、約30度から約60度、又は約40度から約50度の角度を成すようにノズル51の開口を通って延びることができる。
【0057】
傾斜取り付けプレート81を連結することに加えて、傾斜印刷用付加製造装置1を構成することは、ベースプレート53から、存在する場合、垂直作業台37(
図3)を取り外すことを含むことができる。垂直作業台37がベースプレート53から切り離されると、ベースプレート53は、テーブルプレート83などの、傾斜プレートを受け取るように構成することができる。例えば、テーブルプレート83は、ベースプレート53に、ボルトなど、締結具で連結することができる。
図5及び6に示す構成において、傾斜テーブルプレート83は、ベースプレート53の前面にボルト留め又は他の方法で締結される傾斜ブロック82とともに、ベースプレート53に固定することができる。一部の態様において、テーブルプレート83及び基板45は、一旦クロスプレート53に連結されると、水平軸(例えば、上述のx軸、又は、方向72などのx軸に平行な方向)に対して所望の角度を成すことができる。一部の態様において、テーブルプレート83及び/又は基板45が水平軸と成す角度は、ノズル51の角度に対応することができる。例えば、テーブルプレート83及び/又は基板45は、ノズル51によって画定された軸と90度の角度を成すことができ、ノズル51の軸71は、基板46によって画定された傾斜平面70に直交して延びるようになっている。例えば、ノズル51が水平軸に対して30度の角度を成す場合、基板46は、水平軸に対して約60度の角度を成すことができる。
【0058】
図5及び6に示す構成において、ビードボード46は、基板45に取り付けられ、基板45は、クロスプレート53にビードボード46を連結するためにテーブルプレート83にボルト留めされる。ビードボード46は、このように固定されると、角度αで呈することができる。あるいは、ビードボード46は、クロスプレート53又はテーブルプレート83にビードボード46を直接連結することによって角度αで傾斜とすることができる。
【0059】
角度αは、平面70と、部品を塗布器組立体43から引き離すことができる移動方向72などの水平方向とよって画定することができる。一部の実施形態において、角度αは、鋭角とすることができ、詳細には、約45度の角度とすることができる。角度αは、約10度から約80度、約20度から約70度、約30度から約60度、又は約40度から約50度とすることができる。
図6に示されるように、角度αは、移動方向72などの水平軸から、平面70の上部の方に上向きに測定することができる。
【0060】
従って、印刷は、堆積面(例えば、作業台)が水平に延びるノズル51と共に使用するために垂直に延びる垂直方向とは異なる配向で、及び、堆積面が垂直に延びるノズル51と共に使用するために水平に延びる水平方向とは異なる配向で実行することができる。
図6に示されるように、付加製造装置1は、代わりに、傾斜平面70に延びる作業面を画定することができる。例えば、この作業面は、ノズル51から材料のビード44を受け取るように構成することができる。この表面は、例えば、傾斜平面70に延びるビードボード46の前面とすることができる。理解されるように、熱可塑性ビード又はペレットの存在によって、ビードボード46の前面の一部は、異なる高さで(例えば、平面70より上方又は下方に)延びることができる。従って、用語「平面」の使用は、平坦な表面に限定されず、表面は、規則的な又は不規則な突起、くぼみなどを有する。
【0061】
アクチュエータ(例えば、上述のようなサーボモータ)は、水平方向に対応することができる移動方向72で、ビードボード46を平行移動させる又は他の方法で変位させるように構成することができる。この水平方向は、上述のX軸と整列すること又は上述のX軸と平行とすることができる。
【0062】
図6に示されるように、溶融ビード44は、ビード44をビードボード46に塗布することによって、ノズル51によって塗布器組立体43で堆積させることができる。ビード44がボード46に堆積される場合、ボード46は、テーブルプレート83及びアングルブロック82の上で傾斜基板45に取り付けることができる。ビード成形ローラー59は、ビード44がボード46上に支持されている間に、ノズル51に追従してビード44を圧縮するように構成することができる。
図6に示されるように、ビード44は、水平に延びる平坦面を含む液冷式の冷却プレート42に載ることができる。冷却プレート42は、ビード44の前縁部と同一平面又はほぼ同一平面であり、基板46の下縁部に隣接とすることができる。従って、ビード44はまた、ボード46の表面で支持されながら冷却プレート42によって冷却することができる。
【0063】
ビード44が基板46上に堆積されると(例えば、部品の層の一部又は層全体を形成すると)、ビード44は、ビードボード46によって後方に引っ張ることができる。例えば、熱可塑性材料の1又は2以上が取り付けられたビード44を備えるビードボード46は、塗布器組立体43から離れる移動方向72に引き込むことができる。これは、
図7に示されるように、堆積された材料をコンベヤベルト38及び48に移動させるアクチュエータ(例えば、上述のサーボモータの1又は2以上)で達成することができる。コンベヤベルト38及び48は、印刷中、層ごとに、塗布器組立体43から離れて後方に部品を搬送することができる。
図7に示されるように、ノズル51で堆積された1又は2以上の層は、冷却プレート42に接触することができ、冷却プレート42は、材料の各傾斜層が冷却される速度を増大させることができる。
【0064】
装置1が、垂直に延びるノズル51を用いる垂直層印刷を目的として構成される場合、装置1は、約45度の最大角度を有する壁を形成するように、材料を堆積させるように構成することができる。従って、人工構造体又は他の支持体の助けなしでは、中空の閉鎖ボックス形状を形成する部品などの、特定の形状を有する部品を製作するのが難しい場合がある。このような構造体の印刷を容易にするために、装置1は、傾斜した、例えば45度の印刷のために構成することができる。このような傾斜印刷は、付加製造装置1で堆積された支持体を含む、部品の下に配置される支持体を含む、何らかの人工構造体の追加なしで印刷することができる、ボックスは他の中空閉鎖形状などの部品の製作を可能にすることができる。従って、付加製造装置1は、支持体を形成するための材料を堆積することなく、閉鎖構造体を印刷することができる。
【0065】
図7に示される実施例において、部品は、中空ボックス84を形成するためにビード44で形成された複数の個々の層として堆積させることができる。ボックス84は、付加製造装置1の傾斜印刷構成を使用することによって、中空内部及び複数の傾斜層を伴って印刷することができる。詳細には、ボックス84の各層は、ビードボード46及び傾斜ノズル51などの傾斜面を使用することによって、約45度の角度で堆積させることができる。
図7の側面図において、ボックス84は、最終層がボックスの角部で印刷される比較的小さな中空ボックスとすることができる。
図7は、小さな矩形ボックスの形態の例示的な部品を示すが、理解されるように、付加製造装置1及びボード46は、著しく大きなサイズ及び異なる形状の部品を形成するために材料を堆積させることが可能である。
図6及び7から分かるように、部品は、部品の特定のサイズ及び形状に無関係に、印刷プロセス中に冷却用の冷却プレート42上かつコンベヤベルト38及び48上まで搬送することができる。
【0066】
図8Aは、ボックス84の中心を含む、ボックス84内に延びる中空内部を示す中空ボックス84の断面図であり、中空内部は、45度などの角度(又は、代替的に、上記のような何らかの適切な角度)で印刷する場合に形成される。
図7のボックス84は、29層の材料を含むように示されているが、
図8Aは、15層で形成されたボックス84を示す。理解されるように、付加製造装置1で傾斜印刷によって形成された部品は、
図7及び8Aに示す例示的な部品のいずれかと比較して、より多くの層又はより少ない層を含むことができる。
【0067】
図8Bは、
図8Aに示すようなボックス84の8層、すなわち、約半分を示す。詳細には、
図8Bは、
図8Aのボックス84が斜めにスライスされた状態を示す。また、
図8Bは、ボックスなどの、中空内部を有する部品を形成するために、複数の層の材料で材料を堆積させる手法を概略的に示す。例えば、ボックス84の製作中、付加製造装置1は、最初に、ビードボード46などのテーブル又は他の作業面の幅の一部を横切って延びる単一の直線層85を形成することができる。次に、装置1は、第2の層86及び複数の後続の層87を堆積させることができる。層86及び87は、ビードボード46の増大する幅を横切って延びることができ、ノズル51を介して先の層の上に堆積させることができ、新たに堆積された層86又は87は、先に堆積された層によって支持されるようになっている。一部の態様において、新たに堆積された層86又は87は、ノズル51から見ると、先に堆積された層の約50%を覆うことができる。
【0068】
図8Bに示されるように、層86及び/又は層87のうちの1又は2以上は、「START」で識別されるように、ボックス84の隅部で材料の配置を開始することによって堆積させることができる。次の隅部に到達すると、第2の層86又は層87は、塗布器組立体43及びノズル51を約90度回転させることによって堆積することができる。この回転を行うと、塗布器組立体43及びノズル51は、次の隅部に到達するまで、45度の角度で垂直に(例えば、平面70に平行に)上方に移動することができ、その後、塗布器組立体43及びノズル51は、開始位置「START」から延びる第1の長辺とは反対のボックス84の第2の長辺を形成しながら、テーブルへの幅を横切って戻るように再度90度回転することができる。塗布器組立体43及びノズル51は、その後、
図8Bで「END」で識別されるように、プロセスが開始した位置まで45度の角度で(例えば、平面70と平行に)下方に移動しながら材料を印刷するために3回目の90度回転を行うことができる。
【0069】
上述のプロセスは、45度の角度で矩形閉鎖形状を生成するために、層ごとに繰り返することができる。詳細には、ボックス84の前半は、途中まで徐々に長くなる矩形層87を作りながら材料を堆積させることによって形成することができ、その後、各層は、小さい幅及び長さ有し、部品、つまりボックス84を仕上げるために徐々に小さくなる矩形を作る。これは、印刷された小さな閉鎖中空ボックス84を完成させることができるが、中空内部を有する異なる形状及びより大きな部品を形成するために使用することもできる(例えば、完全に中空で何らかの充填物がない)。ボックス84は、複数の矩形層で示されているが、理解されるように、部品の1又は2以上の層は、曲線で形成することができ、異なる形状とすることができる。さらなる実施例として、中空球体は、傾斜印刷のために構成された付加製造装置1で材料を堆積させることによって形成することができる。理解されるように、約45度の角度での印刷を含む傾斜印刷は、上述したように何らかの支持材料がない構造体及び/又は中空内部を有する構造を含む、他の閉鎖構造体を作るために使用することができる。
【0070】
本開示の原理は、特定の用途のための例示的な実施形態を参照して本明細書で説明するが、本開示は、この実施形態に限定されないことを理解されたい。当技術分野における通常の技術を有し、本明細書で呈示する教示にアクセスすることができる者は、追加の修正、適用、実施形態、及び、等価物の置換が、全て、本明細書で説明する実施形態の範囲に該当することを認識するであろう。従って、本明細書で説明する実施形態は、事例的及び例示的であり、限定的ではない。
【符号の説明】
【0071】
1 付加製造装置
20 ベッド
21 側壁
22 側壁
23 印刷ガントリ
24 キャリッジ
25 キャリア
27 水平作業台
28 ガイドレール
29 ガイドレール
30 支持部材
31 ガイドレール
32 ガイドレール
33 ガイドレール
35 ガイドレール
36 トリミングガントリ
37 垂直作業台
38 コンベヤベルト
39 レール
40 レール
43 塗布器組立体
48 コンベヤベルト
61 押出機
【手続補正書】
【提出日】2023-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造装置であって、
材料を受け取るように構成された押出機と、
前記材料の1又は2以上の層を受け取る平面を画定するように延在する作業面と、
前記材料が前記作業面上に堆積した後、前記材料の1又は2以上の層を支持するように構成された冷却プレートの水平面と、
前記付加製造装置の下流部に固定された塗布器組立体と、
前記塗布器組立体に連結されたノズルであって、前記ノズルは、前記押出機から前記材料を受け取って前記作業面上に前記材料を堆積させるように構成される、ノズルと、
前記水平面から離れる移動方向において前記作業面を変位させるように構成されたアクチュエータと、
を備え、前記移動方向は、前記平面と鋭角を形成する、付加製造装置。
【請求項2】
前記ノズルは、長手方向軸を画定するように延び、前記長手方向軸は、前記平面と角度を成す、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項3】
前記冷却プレートは、能動的に冷却される、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項4】
前記付加製造装置は、前記冷却プレートの前縁部に隣接して前記作業面を位置決めするように構成されている、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項5】
前記鋭角は、約30度から約60度の角度である、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項6】
前記鋭角は、移動方向から前記作業面の上部に向かって上向きに測定される、請求項1に記載の付加製造装置。
【請求項7】
付加製造装置であって、
水平方向に対して鋭角に延在する作業面と、
塗布器組立体と、
前記塗布器組立体に連結されたノズルであって、前記ノズルは、前記作業面に直交して延びる長手軸を画定する、ノズルと、
前記ノズルによって前記作業面上に堆積された材料を圧縮するように構成されたローラーと、
を備える、付加製造装置。
【請求項8】
前記鋭角は、前記作業面の上部に向かって上方に測定される場合に約30度から約60度である、請求項7に記載の付加製造装置。
【請求項9】
前記付加製造装置は、水平方向において前記作業面を移動させるように構成されたアクチュエータを含む、請求項7に記載の付加製造装置。
【請求項10】
水平面において延在する表面を形成するプレートをさらに含む、請求項7に記載の付加製造装置。
【請求項11】
付加製造方法であって、
押出機内で材料を受け取るステップと、
前記押出機内で前記材料を加熱するステップと、
第1の材料層を形成するためにノズルで傾斜面上に前記加熱された材料を堆積させるステップであって、前記傾斜面は、水平方向と鋭角を成す、ステップと、
水平方向において前記ノズルから離れて前記傾斜面を平行移動させるステップと、
第2の材料層を形成するために前記ノズルで前記傾斜面上に前記加熱された材料を堆積させるステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記第1の材料層を圧縮装置で圧縮するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の材料層、前記第2の材料層、又はその両方は、前記付加製造方法の少なくとも一部の間に冷却プレートに接触する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の材料層及び前記第2の材料層は、一緒になって部品の一部を形成し、前記部品は、堆積された材料によって完全に閉鎖される中空内部を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記中空内部の中心には、堆積された材料がない。請求項14記載の方法。
【外国語明細書】