IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社光電製作所の特許一覧

<>
  • 特開-無線装置、地上局装置 図1
  • 特開-無線装置、地上局装置 図2
  • 特開-無線装置、地上局装置 図3
  • 特開-無線装置、地上局装置 図4
  • 特開-無線装置、地上局装置 図5
  • 特開-無線装置、地上局装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143902
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】無線装置、地上局装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/02 20060101AFI20230928BHJP
   G01S 13/935 20200101ALI20230928BHJP
【FI】
G01S7/02 200
G01S13/935
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101474
(22)【出願日】2023-06-21
(62)【分割の表示】P 2022048580の分割
【原出願日】2022-03-24
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、総務省、「電波資源拡大のための研究開発」における「5.7GHz帯における高効率周波数利用技術の研究開発」委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】314012087
【氏名又は名称】株式会社光電製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】黒柳 伸之
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB17
5J070AC03
5J070AD02
5J070AE07
5J070AF06
(57)【要約】
【課題】情報を収集して地上局装置に情報を送信する機能と地上との距離を計測する機能とを両方搭載した上で、全体的に小型軽量化を図る。
【解決手段】本発明の無線装置は、無人飛行体に搭載する。無線装置は、アンテナ部、指向性変更部、通信部、計測部を備える。アンテナ部は、アンテナとアンテナを制御するアンテナ制御回路とを有する。指向性変更部は、アンテナの指向性を水平方向から下方向まで変更できる。通信部は、アンテナを用いて地上局装置と通信を行う。計測部は、アンテナを用いて物体との距離を計測する。無線装置は、指向性変更部がアンテナの指向性を下方向にした状態で、計測部が地上に存在する物体との距離を計測する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行体に搭載する無線装置であって、
アンテナと前記アンテナを制御するアンテナ制御回路とを有するアンテナ部と、
前記アンテナの指向性を水平方向から下方向まで変更できる指向性変更部と、
前記アンテナを用いて地上局装置と通信を行う通信部と、
前記アンテナを用いて物体との距離を計測する計測部と、
を備え、
前記指向性変更部が前記アンテナの指向性を下方向にした状態で、前記計測部が地上に存在する物体との距離を計測する
ことを特徴とする無線装置。
【請求項2】
請求項1記載の無線装置であって、
さらに、
高さを含む位置情報を取得する位置情報取得部
を備えることを特徴とする無線装置。
【請求項3】
請求項2記載の無線装置であって、
さらに、
前記位置情報取得部で取得した高さの情報と、前記計測部が計測した地上に存在する物体との距離の差に関する値を補正値として算出する補正値算出部
を備えることを特徴とする無線装置。
【請求項4】
請求項2記載の無線装置と通信する地上局装置であって、
前記位置情報取得部で取得した高さを含む位置情報と、前記計測部が計測した地上に存在する物体との距離の情報を前記無線装置から取得する地上局通信部と
前記位置情報取得部で取得した高さの情報と、前記計測部が計測した地上に存在する物体との距離の差に関する値を補正値として算出する補正値算出部
を備えることを特徴とする地上局装置。
【請求項5】
請求項3記載の無線装置と通信する地上局装置であって、
前記位置情報取得部で取得した高さを含む位置情報と、前記補正値算出部が算出した補正値を前記無線装置から取得する地上局通信部と、
前記計測部で計測を行っていない間は、
前記位置情報取得部が取得した高さの情報を前記補正値と標高の情報を含む地図情報を用いて前記無線装置と地上に存在する物体との距離を算出する補正後高度算出部
を備えることを特徴とする地上局装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無人飛行体に搭載する無線装置、およびその無線装置と通信する地上局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローンのような無人飛行体に搭載されるとともに、カメラなどの情報を収集する装置と接続され、収集した情報を地上局装置に送信する無線装置は多数存在する。無人飛行体を用いて周囲の情報を取得する場合、地上に存在する物体との距離を一定に保ちたい場合がある。例えば、航空映像を撮影する場合、地上の起伏に合わせて高度を調整したい。また、山岳部の遭難者捜索においては、山の尾根と谷間でドローンの飛行高度を自動で一定に保つことで、地形の起伏に左右されず捜索しやすい。また、谷間で高度を低くしすぎると森林などに接触するリスクが生じる。
【0003】
無人飛行体を目視できる場合は、目視により高度を調整できる。また、無人飛行体が目視できない場合でも、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System, Global Positioning Satellite)を用いて高さに関する情報を得ることはできる。しかし、非特許文献1に示されているとおり、GPSで得られる高さの情報には誤差が含まれている。非特許文献1には、次のように説明されている。『ジオイドの高さが必要になるのは、主にGPS/GNSSや「みちびき」などの準天頂衛星などで高さを測量した場合だ。人工衛星による測量で求められる高さは、地球をおおまかな楕円体としたモデルを基準にしており、重力の影響が加味されていない幾何学的な形状(これを楕円体高と呼ぶ)しか把握できない。スマホアプリによるGPS高度の数値と、地図に載っている標高の値に大きな違いがある経験をしたことがある人もいると思うが、(GPS/GNSSの誤差のほかに)GPSの高さのデータに対してジオイド高による補正を行なわないと正しい標高にならないためなのである。』
【0004】
航空機と地表面との距離測定には、電波式高度計が使われている。4.2~4.4GHzの200MHz帯域でFM-CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式により、タイプは色々あるが離着陸の0~2500フィート(762m)の計測監視をしている。FM-CW方式レーダの構成は特許文献1にあるように処理回路はパルスレーダに比べて比較的容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-292343号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】トラベルwatch(編集部:多和田新也)、“GPSで「標高」を測位可能に。国土地理院、日本初の航空機による重力測量スタート”,2019年7月22日,[令和4年2月23日検索]、インターネット<https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1197439.html>.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ドローンの飛行高度は日本国内ではドローンと地表面や水面との高度差が150m以下と規定されている。地表面からの高度測定を小型に実現することは簡単ではない。ドローンアプリの高度表示は離陸ポイントからの高度差を表示、GPSは高度に対する精度が低く、ジオイド(海面)からの高度となる。そのため飛行高度はドローン操縦者の注意作業となっているが、遠方にあるドローンの高度を目視で確認することは容易ではない。つまり、無人飛行体を目視できない状況ではGPSを利用せざるを得ないが、GPSから得られる情報だけでは高さに関しては誤差が大きい。一方、映像などの情報を収集する装置の他にレーダ用の機材を追加すると無人飛行体に搭載する装置が重くなってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、映像などの情報を収集して地上局装置に情報を送信する機能と地上との距離を計測する機能とを両方搭載した上で、全体的に小型軽量化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の無線装置は、無人飛行体に搭載する。無線装置は、アンテナ部、指向性変更部、通信部、計測部を備える。アンテナ部は、アンテナとアンテナを制御するアンテナ制御回路とを有する。指向性変更部は、アンテナの指向性を水平方向から下方向まで変更できる。通信部は、アンテナを用いて地上局装置と通信を行う。計測部は、アンテナを用いて物体との距離を計測する。無線装置は、指向性変更部がアンテナの指向性を下方向にした状態で、計測部が地上に存在する物体との距離を計測する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の無線装置によれば、通信と距離計測で同じアンテナを用いる。したがって、情報を収集して地上局装置に情報を送信する機能と地上との距離を計測する機能とを両方搭載した上で、全体的に小型軽量化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の無線装置を含む構成例を示す図。
図2】計測モードでの処理フローを示す図。
図3】情報収集モードでの処理フローを示す図。
図4】変形例1の無線装置を含む構成例を示す図。
図5】変形例2の無線装置を含む構成例を示す図。
図6】変形例3の無線装置を含む構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0013】
図1に実施例1の無線装置を含む構成例を示す。図2は計測モードでの処理フロー、図3は情報収集モードでの処理フローである。無線装置100は、無人飛行体200に搭載する。無線装置100は、アンテナ部110、指向性変更部120、通信部130、計測部140を備える。また、無線装置100は、位置情報取得部150、補正値算出部160、補正後高度算出部170も備えればよい。
【0014】
無人飛行体200は、制御用通信部210、制御部220を備え、無人で飛行できる機能を備えている。無人飛行体200には、例えば、ドローンを用いればよい。地上局装置300は、無線装置100および無人飛行体200と通信する。地上局装置300は、情報用通信部310、情報処理部320、制御用通信部410、操作部420を備える。
【0015】
日本では、無人飛行体200用に、5.7GHz帯(5,10,20MHz幅チャネル、105MHz帯域)が認可されており、操縦用、画像伝送用、データ伝送用に運用できる。この内の1チャネルを無線装置100のアンテナ部110から地上局装置300の情報用通信部310への情報伝送(例えば、映像伝送)、別の1チャネルを地上局装置300の情報用通信部310から無線装置100のアンテナ部110への制御データ伝送とし、地上局装置300から無人飛行体200に搭載した情報収集用の装置(図1には図示していないが、例えば、映像機器など)を遠隔制御する(例えば、映像カメラのアングル、ズームなどの制御)。情報処理部320は、受信した情報を適宜処理すればよい。また、情報収集用の装置を制御する信号を生成すればよい。
【0016】
アンテナ部は110、アンテナ111,112と、アンテナ111,112を制御するアンテナ制御回路115とを有する。アンテナ111は送信用であり、アンテナ112は受信用である。アンテナ制御回路115は、後述する通信部130もしくは計測部140からの信号を搬送波の周波数(例えば、5.7GHz帯)で変調しアンテナ111に送る。また、アンテナ制御回路115は、アンテナ112で受信した信号を復調し、通信部130もしくは計測部140へ送る。
【0017】
指向性変更部120は、アンテナ111,112の指向性を、少なくとも水平方向から下方向まで変更できる。指向性を変更する方法は、機械的にアンテナ111,112の向きを変えればよい。
【0018】
通信部130は、アンテナ111,112を用いて地上局装置300の情報用通信部310と通信を行う。上述のように、通信部130が、収集した情報(例えば、映像情報)を地上局装置300に送り、地上局装置300からの情報収集用の装置を制御する情報を受信する。
【0019】
計測部140は、アンテナ111,112を用いて物体との距離を計測する。計測には、FM-CW方式レーダを用いればよい。ただし、この方式のレーダに限る必要はなく、アンテナ部110を、通信部130と共用できる方式であれば、別の方式でもよい。
【0020】
無線装置100は、指向性変更部120がアンテナ111,112の指向性を下方向にした状態で、計測部140が地上に存在する物体との距離を計測する。したがって、地上に存在する物体(例えば、地表、ビルなどの建物、樹木、水面など)との距離を計測できる。よって、無線装置100によれば、情報を収集して地上局装置300に情報を送信する機能と地上との距離を計測する機能とを両方搭載した上で、全体的に小型軽量化できる。
【0021】
無線装置100は、高さを含む位置情報を取得する位置情報取得部150も備えればよい。図示していないが、一般的には無人飛行体200は、GPSを備えている。位置情報取得部150は、無人飛行体200が備えるGPSから高さを含む位置情報を取得すればよい。また、無人飛行体200がGPSを備えていない場合は、位置情報取得部150がGPSを備えればよい。ただし、上述のように、位置情報取得部150が取得する高さの情報は、地上に存在する物体との距離ではない。
【0022】
無線装置100は、位置情報取得部150で取得した高さの情報と、計測部140が計測した地上に存在する物体との距離の差に関する値を補正値として算出する補正値算出部160も備えればよい。計測部140で計測した地上に存在する物体との距離をH、計測部140で計測した位置で位置情報取得部150が取得した高さの情報をHGPS0とすると、その差分(HGPS0-H)を補正値とすればよい。なお、地図情報から得られる計測部140で計測した位置(緯度、経度)での標高Hmap0を用いて、補正値を(Hmap0-H)としてもよい。「位置情報取得部150で取得した高さの情報と、計測部140が計測した地上に存在する物体との距離の差に関する値」とは、位置情報取得部150で取得した高さの情報と、計測部140が計測した地上に存在する物体との距離の差自体でもよいし、標高のような他の値も考慮した値でもよい。
【0023】
無線装置100は、さらに補正後高度算出部170も備えればよい。無線装置100は、計測部140で計測を行っていない間は、補正後高度算出部170が、位置情報取得部150が取得した高さの情報を補正値と標高の情報を含む地図情報を用いて補正した補正後高度を算出する。計測部140で計測した地上に存在する物体との距離をH、計測部140で計測した位置で位置情報取得部150が取得した高さの情報をHGPS0、地図情報が有する計測部140で計測した位置(緯度、経度)での標高をHmap0、現在の無線装置100の位置情報取得部150が取得した高さの情報をHGPS、現在の無線装置100の位置(緯度、経度)での地図情報が有する標高をHmapとする。例えば、現在の無線装置100と地上に存在する物体との距離H(補正後高度)を、以下のように差分を補正する処理を行って、求めればよい。
H=HGPS-(HGPS0-H)-(Hmap-Hmap0
=H+(HGPS-HGPS0)-(Hmap-Hmap0
【0024】
地上局装置300の操作部420は無人飛行体200の位置、速度、向きなどを操作する。操作部420の場合、高さについては、地上に存在する物体との距離を指示し、無人飛行体200の制御部220に地上に存在する物体との距離を自動で制御させればよい。制御用通信部410と制御用通信部210は、図示していないアンテナを用いて操作の情報および無人飛行体200の状態(位置、速度、向きなど)を送受信する。この制御用の通信は、無線装置100との通信よりも低周波の電波で行われる。
【0025】
図2図3を用いて、処理フローを説明する。計測モード(図2)では、指向性変更部120が、アンテナ111,112の指向性を下側に向ける(S121)。計測部140は、アンテナ111,112を用いて物体(地上に存在する物体)との距離を計測する(S140)。位置情報取得部150は、高さを含む位置情報を取得する(S150)。補正値算出部160は、計測部140が計測した地上に存在する物体との距離の差に関する値を補正値として算出する(S160)。
【0026】
情報収集モード(図3)では、指向性変更部120はアンテナ111,112の指向性を、地上局装置300の方向に制御する。その状態で、処理はスタートする。通信部130は、アンテナ111,112を用いて地上局装置300の情報用通信部310と通信を行う(S130)。通信部130と情報用通信部310との通信と並行して、地上局装置300からの操作の情報にしたがって、無人飛行体200は操作される(S420)。位置情報取得部150は、高さを含む位置情報を取得する(S150)。補正後高度算出部170は、位置情報取得部150が取得した高さの情報を補正値と標高の情報を含む地図情報を用いて補正した補正後高度を算出する(S170)。無人飛行体200の制御部220は、補正後高度に基づいて無人飛行体200を制御する(S220)。例えば、補正後高度が指示された高度となるように無人飛行体200を制御すればよい。
【0027】
上述のように処理することで、例えば、起伏がある場所で、無人飛行体200を目視できないときでも、無人飛行体200と地上に存在する物体との距離を一定に保つことができる。
[変形例1]
【0028】
図4に、変形例1の無線装置を含む構成例を示す。計測モードでの処理フローは図2と同じであり、情報収集モードでの処理フローは図3と同じである。無線装置101は、無人飛行体201に搭載する。無線装置101は、アンテナ部110、指向性変更部120、通信部130、計測部140、位置情報取得部150を備える。無人飛行体201は、制御用通信部211、制御部221を備え、無人で飛行できる機能を備えている。無人飛行体201には、例えば、ドローンを用いればよい。地上局装置301は、無線装置101および無人飛行体201と通信する。地上局装置301は、情報用通信部311、情報処理部321、補正値算出部360、補正後高度算出部370、制御用通信部411、操作部421を備える。
【0029】
アンテナ部110、指向性変更部120、通信部130、計測部140、位置情報取得部150は、実施例1と同じである。無線装置101は、計測部140が計測した地上に存在する物体との距離と、位置情報取得部150で取得した高さの情報を地上局装置301に送信する。地上局装置301の補正値算出部360は、位置情報取得部150で取得した高さの情報と、計測部140が計測した地上に存在する物体との距離の差に関する値を補正値として算出する。補正値算出部360の処理は、実質的に補正値算出部160と同じである。
【0030】
無線装置101が計測部140で計測を行っていない間は、補正後高度算出部370が、位置情報取得部150が取得した高さの情報を補正値と標高の情報を含む地図情報を用いて補正した補正後高度を算出する(S170)。情報用通信部311は、無線装置101との情報の送受を行う。情報処理部321は、受信した情報を適宜処理すればよい。また、情報収集用の装置を制御する信号を生成すればよい。補正後高度は、地上局装置301で得られる情報なので、操作部421が補正後高度にしたがって操作情報を制御用通信部411に送る。制御用通信部411は、無線装置101に操作情報を送る。制御用通信部211は、操作情報を受信し、制御部221に指示を出す。
【0031】
上述のように処理することで、例えば、起伏がある場所で、無人飛行体201を目視できないときでも、無人飛行体201と地上に存在する物体との距離を一定に保つことができる。
[変形例2]
【0032】
図5に、変形例2の無線装置を含む構成例を示す。計測モードでの処理フローは図2と同じであり、情報収集モードでの処理フローは図3と同じである。無線装置102は、無人飛行体202に搭載する。無線装置102は、アンテナ部110、指向性変更部120、通信部130、計測部140、位置情報取得部150、補正後高度算出部172を備える。無人飛行体202は、制御用通信部210、制御部220を備え、無人で飛行できる機能を備えている。無人飛行体202には、例えば、ドローンを用いればよい。地上局装置302は、無線装置102および無人飛行体202と通信する。地上局装置302は、情報用通信部312、情報処理部322、補正値算出部360、制御用通信部410、操作部420を備える。
【0033】
アンテナ部110、指向性変更部120、通信部130、計測部140、位置情報取得部150は、実施例1と同じである。無線装置102は、計測部140が計測した地上に存在する物体との距離と、位置情報取得部150で取得した高さの情報を地上局装置302に送信する。地上局装置302の補正値算出部360は、位置情報取得部150で取得した高さの情報と、計測部140が計測した地上に存在する物体との距離の差に関する値を補正値として算出する。補正値算出部360の処理は、実質的に補正値算出部160と同じである。情報用通信部312は、補正値も含めて、無線装置102に情報を送信する。
【0034】
無線装置102が計測部140で計測を行っていない間は、補正後高度算出部172が、位置情報取得部150が取得した高さの情報を補正値と標高の情報を含む地図情報を用いて補正した補正後高度を算出する(S170)。無人飛行体202の制御部220は、補正後高度に基づいて無人飛行体202を制御する。例えば、補正後高度が指示された高度となるように無人飛行体202を制御すればよい。情報用通信部312は、無線装置102との情報の送受を行う。情報処理部322は、受信した情報を適宜処理すればよい。また、情報収集用の装置を制御する信号を生成すればよい。
【0035】
上述のように処理することで、例えば、起伏がある場所で、無人飛行体202を目視できないときでも、無人飛行体202と地上に存在する物体との距離を一定に保つことができる。
[変形例3]
【0036】
図6に、変形例3の無線装置を含む構成例を示す。計測モードでの処理フローは図2と同じであり、情報収集モードでの処理フローは図3と同じである。無線装置103は、無人飛行体203に搭載する。無線装置103は、アンテナ部110、指向性変更部120、通信部130、計測部140、位置情報取得部150、補正値算出部160を備える。無人飛行体203は、制御用通信部210、制御部220を備え、無人で飛行できる機能を備えている。無人飛行体203には、例えば、ドローンを用いればよい。地上局装置303は、無線装置103および無人飛行体203と通信する。地上局装置303は、情報用通信部312、情報処理部322、補正後高度算出部373、制御用通信部410、操作部420を備える。
【0037】
アンテナ部110、指向性変更部120、通信部130、計測部140、位置情報取得部150、補正値算出部160は、実施例1と同じである。無線装置103は、計測部140が計測した地上に存在する物体との距離と、位置情報取得部150で取得した高さの情報と、補正値算出部160が求めた補正値、を地上局装置303に送信する。
【0038】
無線装置103が計測部140で計測を行っていない間は、補正後高度算出部373が、位置情報取得部150が取得した高さの情報を補正値と標高の情報を含む地図情報を用いて補正した補正後高度を算出する(S170)。無人飛行体203の制御部220は、補正後高度に基づいて無人飛行体203を制御する。例えば、補正後高度が指示された高度となるように無人飛行体203を制御すればよい。情報用通信部312は、無線装置102との情報の送受を行う。情報処理部322は、受信した情報を適宜処理すればよい。また、情報収集用の装置を制御する信号を生成すればよい。
【0039】
上述のように処理することで、例えば、起伏がある場所で、無人飛行体203を目視できないときでも、無人飛行体203と地上に存在する物体との距離を一定に保つことができる。
【符号の説明】
【0040】
100,101,102,103 無線装置 110 アンテナ部
111,112 アンテナ 115 アンテナ制御回路
120 指向性変更部 130 通信部
140 計測部 150 位置情報取得部
160 補正値算出部 170,172 補正後高度算出部
200,201,202,203 無人飛行体
210,211 制御用通信部 220,221 制御部
300,301,302,303 地上局装置
310,311,312 情報用通信部 320,321,322 情報処理部
360 補正値算出部 370,373 補正後高度算出部
410,411 制御用通信部 420、421 操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6