(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144022
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】バッジ作製装置、バッジ作製用部品、及びバッジ作製セット
(51)【国際特許分類】
A44C 27/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A44C27/00
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130543
(22)【出願日】2023-08-09
(62)【分割の表示】P 2022073898の分割
【原出願日】2018-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(71)【出願人】
【識別番号】392023865
【氏名又は名称】キクチ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】正田 麻利子
(72)【発明者】
【氏名】菊地 潤
(72)【発明者】
【氏名】楡井 鉄夫
(57)【要約】
【課題】外形または大きさが異なるバッジを作製する際に好適なバッジ作製装置を提供する。
【解決手段】バッジ作製装置は、操作部14が設けられた本体ユニット10と、バッジ作製用部品P1~P4を載置可能で、かつ、本体ユニット10内に配置可能な第1成形ユニット30と、本体ユニット10内に配置可能な第2成形ユニット40とを備えている。バッジ作製装置は、操作部14の操作に基づく第1成形ユニット30と第2成形ユニット40との協働によってバッジ作製用部品P1~P4の成形を行ってバッジBDを作製可能である。また、バッジ作製装置は、第1成形ユニット30と第2成形ユニット40が、第1成形ユニット30上の所定向きに第2成形ユニット40が位置した状態で本体ユニッ10ト内への配置と取り出しが行えるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッジを作製するためのバッジ作製装置であって、
操作部が設けられた本体ユニットと、
バッジ構成部品を載置可能で、かつ、前記本体ユニット内に配置可能な第1成形ユニッ
トと、
前記本体ユニット内に配置可能な第2成形ユニットと、を備えており、
前記第1成形ユニットと前記第2成形ユニットは、前記操作部への操作に基づく協働に
よってバッジ構成部品の成形を行って前記バッジを作製可能であり、
前記第1成形ユニットと前記第2成形ユニットは、前記第1成形ユニット上の所定向き
に前記第2成形ユニットが位置した状態で前記本体ユニット内への配置と取り出しが行え
るように構成されている、
バッジ作製装置。
【請求項2】
前記第1成形ユニットと前記第2成形ユニットは、前記本体ユニットに着脱可能なユニ
ット支持部に設けられている、
請求項1に記載のバッジ作製装置。
【請求項3】
前記第2成形ユニットは、前記ユニット支持部に着脱可能に配置されている、
請求項2に記載のバッジ作製装置。
【請求項4】
前記ユニット支持部は、側壁部を備えており、
前記本体ユニットには、前記ユニット支持部の前記側壁部によって閉塞可能な開口部が
形成されている、
請求項2又は3に記載のバッジ作製装置。
【請求項5】
前記第1成形ユニットは、受け部と、前記受け部の周囲に昇降可能に設けられた第1成
形部と、前記第1成形部を前記受け部に対して上方に付勢する第1弾性部材と、前記第1
成形部の昇降を制御する第1昇降制御部と、を備えている、
請求項2~4のいずれか1項に記載のバッジ作製装置。
【請求項6】
前記第2成形ユニットは、押圧部と、前記押圧部の周囲に昇降可能に設けられた第2成
形部と、前記第2成形部を前記押圧部に対して下方に付勢する第2弾性部材と、前記押圧
部および前記第2成形部の昇降を制御する第2昇降制御部とを備えている、
請求項2~5のいずれか1項に記載のバッジ作製装置。
【請求項7】
前記第1成形ユニットは、第1被案内部をさらに備えており、
前記第2成形ユニットは、第2被案内部をさらに備えており、
前記第1被案内部、及び前記第2被案内部は、前記ユニット支持部に設けられた案内部
に係合可能に配置されている、
請求項2~6のいずれか1項に記載のバッジ作製装置。
【請求項8】
前記ユニット支持部は、側壁部を備えており、
前記案内部は、前記側壁部に可動可能に設けられ、
前記第1被案内部、及び前記第2被案内部は、前記案内部に係合された状態において、
前記案内部に接続されたレバー部の操作に応じて第1の状態、及び第2の状態の何れかに
切り替えられる、
請求項7に記載のバッジ作製装置。
【請求項9】
前記第1成形ユニットと前記第2成形ユニットは、前記第2の状態において、前記操作
部への操作に基づく協働によってバッジ構成部品を成形可能である、
請求項8に記載のバッジ作製装置。
【請求項10】
前記第2成形ユニットは、前記第1の状態において、前記操作部への操作に基づき、前
記第1成形ユニットに載置されたバッジ構成部品の一部を前記第2成形ユニット内に収容
可能である、
請求項8又は9に記載のバッジ作製装置。
【請求項11】
前記操作部は、前記本体ユニットに設けられた軸部の一端部に設けられており、
前記軸部の他端部には、前記第2成形ユニットの前記第2昇降制御部に設けられた被連
結部を着脱可能に連結可能な連結部が設けられている、
請求項6に記載のバッジ作製装置。
【請求項12】
前記バッジ構成部品は、第1部品と当該第1部品と相似で外形が大きな第2部品とを少
なくとも含み、
前記第2部品の周囲には、前記第1成形ユニットと前記第2成形ユニットとの協働によ
って内側に折り曲げ可能な屈曲部が設けられている、
請求項1~11のいずれか1項に記載のバッジ作製装置。
【請求項13】
前記第2部品の屈曲部には、折り曲げ促進用のスリットが形成されている、
請求項12に記載のバッジ作製装置。
【請求項14】
前記第1部品と前記第2部品は、非円形型形状であり、
前記第1成形ユニットの受け部に設けられた受け面と前記第2成形ユニットの押圧部に
設けられた押圧面の各々は、当該非円形型形状に対応した非円形型形状を成している、
請求項12又は13に記載のバッジ作製装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載のバッジ作製装置に使用可能なバッジ構成部品で
あって、
非円形型形状の第1部品と、前記第1部品と相似で外形が大きな非円形型形状の第2部
品とを少なくとも含んでおり、
前記第2部品の周囲には、内側に折り曲げ可能な屈曲部が設けられている、
バッジ構成部品
【請求項16】
前記第2部品の屈曲部には、折り曲げ促進用のスリットが形成されている、
請求項15に記載のバッジ構成部品。
【請求項17】
前記非円形型形状はハート型形状、星型形状、リボン型形状、楕円型形状、多角形型形
状の何れかである、
請求項15又は16に記載のバッジ構成部品。
【請求項18】
請求項1~11のいずれか1項に記載のバッジ作製装置と、請求項12~17のいずれ
か1項に記載のバッジ構成部品との組み合わせから成る、
バッジ作製セット。
【請求項19】
前記バッジ構成部品は、外形が異なるバッジに対応した複数種類が用意されており、
前記バッジ作製装置の前記第1成形ユニットと前記第2成形ユニットは、前記バッジ構
成部品の種類に応じた複数種類が用意されている、
請求項18に記載のバッジ作製セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッジを作製するためのバッジ作製装置と、前記バッジ作製装置に使用可能なバッジ作製用部品と、前記バッジ作製装置と前記バッジ作製用部品との組み合わせから成るバッジ作製セットに関する。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1には、バッジ作製用部品、具体的には裏部品(バックバーツ)と表部品(シェルパーツ)とデザインシートと透明シートとからバッジを作製する装置が開示されている。この装置は、押圧型と操作部が設けられた本体部と、本体部内に配置可能な受け型とを備えており、バッジ作製用部品を載置した受け型を本体部内に配置し、この後、操作部への操作に基づく押圧型と受け型との協働によってバッジ作製用部品の成形を行い、この後、受け型を本体部内から取り出すことによって作製後のバッジを得ることができる。
【0003】
前記装置は、簡単な操作でバッジを作製できる点において優れたものであるが、押圧型が本体部内に設けられているため、使用可能な受け型は当該押圧型と対応したものに限られてしまう。換言すれば、外形が異なるバッジを作製するには、当該バッジに適合した別の受け型を用意する他、本体部内に設けられた押圧型を当該バッジに適合した別の押圧型に交換する面倒がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、外形が異なるバッジを作製する際に好適なバッジ作製装置と、前記バッジ作製装置に使用可能なバッジ作製用部品と、前記バッジ作製装置と前記バッジ作製用部品との組み合わせから成るバッジ作製セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバッジ作製装置は、バッジを作製するためのバッジ作製装置であって、操作部が設けられた本体ユニットと、バッジ構成部品を載置可能で、かつ、前記本体ユニット内に配置可能な第1成形ユニットと、前記本体ユニット内に配置可能な第2成形ユニットとを備えており、前記第1成形ユニットと前記第2成形ユニットは、前記操作部への操作に基づく協働によってバッジ構成部品の成形を行って前記バッジを作製可能であり、前記第1成形ユニットと前記第2成形ユニットは、前記第1成形ユニット上の所定向きに前記第2成形ユニットが位置した状態で前記本体ユニット内への配置と取り出しが行えるように構成されている。一方、本発明に係るバッジ構成部品は、前掲のバッジ作製装置に使用可能なバッジ構成部品であって、非円形状の第1部品と、前記第1部品と相似で外形が大きな非円形状の第2部品とを少なくとも含んでおり、前記第2部品の周囲には、内側に折り曲げ可能な屈曲部が設けられている。他方、本発明に係るバッジ作製セットは、前掲のバッジ作製装置と前掲のバッジ構成部品との組み合わせから成る。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るバッジ作製装置、バッジ作製用部品およびバッジ作製セットは、外形が異なるバッジを作製する際に極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1(A)はバッジ作製用部品(第1部品と第2部品とデザインシートと透明シート)の一例を示す平面図、
図1(B)は
図1(A)のS1-S1線拡大断面図とS2-S2線拡大断面図とS3-S3線拡大断面図とS4-S4線拡大断面図を積み重ね順で示した図、
図1(C)は作製後のバッジBDの拡大平面図、
図1(D)は
図1(C)のS5-S5線断面図、
図1(E)はスリットを有する第2部品の拡大側面図である。
【
図2】
図2(A)は
図1に例示したバッジ作製用部品およびバッジに適合したバッジ作製装置(各ユニットが本体ユニットから取り出された状態)の左側面図、
図2(B)は
図2(A)に示したバッジ作製装置の平面図である。
【
図4】
図4(A)は
図3に示した第1成形ユニットの平面図、
図4(B)は
図3に示した第2成形ユニットを左右に180度回転させた状態の平面図である。
【
図5】
図5はバッジ作製方法の説明図(
図2(A)対応図)である。
【
図7】
図7はバッジ作製方法の説明図(
図2(A)対応図)である。
【
図9】
図9(A)バッジ作製方法の説明図(
図2(A)対応図)、
図9(B)および
図9(C)は連結器の連結方式例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に、
図1を引用して、バッジ作製用部品(第1部品P1と第2部品P2とデザインシートP3と透明シートP4)の一例と、当該バッジ作製用部品によって作製されたバッジBDについて説明する。以下の説明では、便宜上、
図1(A)の手前側を上、奥側を下、左側を左、右側を右、上側を前、下側を後と表記し、他の図についてもこれらに準じて向きを表記する。なお、
図1は上面視外形がハート型形状を成すバッジBDおよびその部品P1~P4を例示したものであって、当該バッジBDと異なる形状を有するバッジおよびその部品等については後に説明する。
【0010】
図1(A)に示した第1部品P1と第2部品P2とデザインシートP3と透明シートP4は、
図1(C)に示した上面視外形がハート型形状を成すバッジBDを作製するためのものである。第1部品P1は、金属製で上面視外形がハート型形状を成し、
図1(B)に示したように周囲に屈曲部P1aを備えている。第2部品P2は、金属製で下面視外形が第1部品P1の上面視外形と相似で当該外形よりも大きなハート型形状を成し、
図1(B)に示したように周囲に屈曲部P1aを備えている。ちなみに、
図1(B)には第1部品P1の上下方向寸法が第2部品P2の上下方向寸法よりも大きなものを示しているが、当該上下方向寸法の差は、デザインシートP3と透明シートP4の巻き込み部分(
図1(D)を参照)が第1部品P1の下面から下方に突出しないようするための配慮である。デザインシートP3は、紙製または合成樹脂製で上面視外形が第2部品P2の下面視外形と相似で当該外形よりも大きなハート型形状を成し、絵柄や図柄や模様等が付されている。ちなみに、
図1(A)にはデザインシートP3としてハート型形状のマークを付したものを示しているが、当該マークはハート型形状のバッジBDに便宜的に対応させたものであって絵柄や図柄や模様等を制限するものではない。透明シートP4は、合成樹脂製で上面視外形がデザインシートP3の上面視外形と同じか僅かに大きなハート型形状を成している。
【0011】
ここで、
図1(A)に示した第1部品P1と第2部品P2とデザインシートP3と透明シートP4を用いて、
図1(C)および
図1(D)に示した上面視外形がハート型形状のバッジBDを作製する方法概要を説明する。バッジ作製に際しては、まず、
図1(B)に示した順序で第2部品P2の上面にデザインシートP3と透明シートP4を積み重ね、続いて、デザインシートP3と透明シートP4の周囲の余剰分を第2部品P2の屈曲部P2aの外面に沿って折り曲げ、続いて、デザインシートP3と透明シートP4の折り曲げ端部を第2部品P2の屈曲部P2aの内側に巻き込みつつ当該屈曲部P2aを内側に折り曲げてデザインシートP3と透明シートP4の巻き込み端部を当該屈曲部P2aと第1部品P1の屈曲部P1aとの間に挟み込んで固定する。すなわち、後述するバッジ作製装置では、操作部14への操作に基づく第1成形ユニット30と第2成形ユニット40との協働によって、デザインシートP3と透明シートP4の周囲の余剰分を第2部品P2の屈曲部P2aの外面に沿って折り曲げる成形と、デザインシートP3と透明シートP4の折り曲げ端部を第2部品P2の屈曲部P2aの内側に巻き込みつつ当該屈曲部P2aを内側に折り曲げる成形が行われてバッジBDが作製される。
【0012】
なお、第2部品P2が
図1(A)に示したハート型形状の場合、屈曲部P2aのうちの特に前側中央の凹んだ部分と後側中央の尖った部分が他の部分に比べて折り曲げにくく力を必要とするため、難折り曲げ部分を他の部分と同様の力で折り曲げが行えるように、
図1(D)に示したような折り曲げ促進用のスリットP2bを1個または複数個形成するとよい。このようにすれば、後述するバッジ作製装置において、第2部品P2の屈曲部P2a全体を略均一に折り曲げて、折り曲げ不良や外観不良等がないバッジBDを作製することができる。
【0013】
次に、
図2~
図4を主に引用して、
図1に例示したバッジ作製用部品およびバッジに適合したバッジ作製装置の構成について説明する。以下の説明では、便宜上、
図2(A)の手前側を左、奥側を右、左側を前、右側を後、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれらに準じて向きを表記する。なお、
図2~
図4は
図1に例示した上面視がハート型形状を成すバッジBDに適合したバッジ作製装置、特に第1成形ユニット30および第2成形ユニット40の例示したものであって、当該バッジBDと異なる形状を成すバッジを作製する際の変更点等については後に説明する。
【0014】
バッジ作製装置(符号省略)は、本体ユニット10と、本体ユニット10に着脱可能なユニット支持部20と、ユニット支持部20に設けられた第1成形ユニット30および第2成形ユニット40とを備えている。
【0015】
本体ユニット10は、
図2(A)および
図2(B)に示したように、内部にユニット収容空間11aが形成された所定形状の筐体11と、筐体11の後面に形成された後面視外形が矩形状を成す開口部11bと、ユニット収容空間11aの底部に設けられた上面視外形がU字状を成す位置決め凹部11cとを備えている。また、筐体11の前壁下部には第1成形ユニット30のレバー部34bが挿入される孔11dが形成され、筐体11の前壁上部には第2成形ユニット40のレバー部44cが挿入される孔11eが形成されている。ちなみに、第1成形ユニット30のレバー部34bの上下方向位置は変化しないが、第2成形ユニット40のレバー部44cは第2昇降制御部44の昇降に伴って上下方向位置が変化するため、レバー部34b用の孔11dよりも縦長である。さらに、筐体11の上部中央には雌ネジ部12が設けられており、当該雌ネジ部12には棒状の雄ネジ部13が螺合され、当該雄ネジ部13の上端部には円盤状の操作部14が設けられ、当該雄ネジ部13の下端部には被連結部15が設けられている。すなわち、操作部14を上面視で時計回り方向(あるいは反時計回り方向)に回転させることによって連結部15を下降させ、反時計回り方向(あるいは時計回り方向)に回転させることによって連結部15を上昇させることができる。なお、連結部15の連結方式例については後に説明する。
【0016】
ユニット支持部20は、
図2(A)および
図2(B)に示したように、後面視外形が矩形状を成す側壁部21aと、下面視外形がU字状を成す底板部21bとを具備した支持部本体21と、側壁部21aの前面に設けられた縦長の案内部22と、底板部21bの上面に設けられた環状凸部21cとを備えている。
【0017】
側壁部21aの後面視外形は、本体ユニット10の開口部11bよりも左右方向寸法が大きく、底板部21bの下面視外形は、本体ユニット10の位置決め凹部11cに一致または略一致している。すなわち、ユニット支持部20は、本体ユニット10内への配置と取り出しを可能としており、配置状態では本体ユニット10の開口部11bを側壁部21aによって閉塞できるとともに、本体ユニット10の位置決め凹部11cに底板部21bを位置決めできる(
図9(A)を参照)。
【0018】
また、案内部22は、側壁部21aの前面下端から上部に及んで設けられており、上面視外形がT字状を成す案内溝(符号省略)が形成されている。ちなみに、案内部22には、後に説明するように、第1成形ユニット30の第1被案内部35が係合可能(スライド、昇降可能)に配置されているとともに、第2成形ユニット40の第2被案内部45が係合可能(スライド、昇降可能)に配置されている。
【0019】
第1成形ユニット30は、
図3および
図4(A)に示したように、不動の受け部31と、受け部31の周囲に昇降可能(スライド可能)に設けられた第1成形部32と、第1成形部32を受け部31に対して上方に付勢する圧縮コイルバネ等の第1弾性部材33と、第1成形部32の昇降を制御する第1昇降制御部34と、第1被案内部35とを備えている。
【0020】
受け部31は、上面視外形がハート型形状を成す受け面31aを備えており、下端をユニット支持部20の底板部21bに接している。ちなみに、受け面31aの上面視外形は第1部品P1の上面視外形よりも僅かに大きい。また、受け面31aにはネオジム磁石等から成る円柱状の永久磁石31b(図中は2個)が埋設されており、当該永久磁石31bは
図6に示したように受け面31aに載置された第1部品P1を吸着可能である。
【0021】
第1成形部32は、上面視外形が円形を成す大径部32aと下面視外形が円形を成す小径部32bを備えている。第1成形部32には、受け部31に昇降可能(スライド可能)に配置された上面視外形がハート型形状を成す案内孔32cが形成され、当該案内孔32cの上には、上面視外形がハート型形状を成し、上端から案内孔32cの上端に向かって外形が小さくなる傾斜面構成の成形孔32dが形成され、成形孔32dの上には、上面視外形がハート型形状を成し、外形が成形孔32dの上端の外形よりも大きなシート載置凹部32eが形成され、シート載置凹部32eの上には、上面視外形が円形状を成し、上端からシート載置凹部32eの上端に向かって外形が小さくなる傾斜面構成の嵌合孔32fが形成されている。なお、成形孔32dの周囲の傾斜面部分、及びシート載置凹部32eは、金属により構成される。また、第1成形部32の小径部32bの外周面には、下面視外形が矩形状を成す昇降制御溝32gが形成されている。ちなみに、第1弾性部材33は、第1成形部32の小径部32bとユニット支持部20の底板部21bとの間に配置されている。また、上面視外形がハート型形状を成す成形孔32dとシート載置凹部32eの平面上の向き(ハート型形状の前側中央の凹んだ部分と後側中央の尖った部分の平面上の位置)は、受け面31aの平面上の向き(ハート型形状の前側中央の凹んだ部分と後側中央の尖った部分の平面上の位置)と上下方向で整合している。
【0022】
第1昇降制御部34は、上面視内形が第1成形部32の小径部32bの下面視外形よりも大きな円筒状を成しており、下端部をユニット支持部20の環状凸部21cに回転可能に配置されている。また、第1昇降制御部34の内周面には、上面視外形が矩形状を成し第1成形部32の昇降制御溝32gに挿入可能な昇降制御凸部34aが設けられ、外周面の前部には、第1昇降制御部34を回転操作するためのレバー部34b(
図2を参照)が設けられている。すなわち、第1昇降制御部34は、レバー部34bを利用した回転変位が可能であり、当該回転変位によって昇降制御凸部34aを第1成形部32の昇降制御溝32gに挿入可能な位置と挿入不可能な位置とに変化させることができる。なお、図面には、第1成形部32に1個の昇降制御溝32gを設け、第1昇降制御部34に1個の昇降制御凸部34aを設けたものを示しているが、昇降制御溝32gおよび昇降制御凸部34aの数は、等角度間隔で2個以上設けてもよい。
【0023】
第1被案内部35(
図2を参照)は、上面視がT字状を成していて第1成形部32の後部に設けられている。第1被案内部35は、
図2(A)に示したようにユニット支持部20の案内部22の案内溝(符号省略)に係合可能に配置されている。第1成形ユニット30の第1成形部32は、ユニット支持部20の案内部22に沿って昇降可能(スライド可能)としてもよく、また、ユニット支持部20に固設されていてもよい。
【0024】
第2成形ユニット40は、
図3および
図4(B)に示したように、可動の押圧部41と、押圧部41の周囲に昇降可能(スライド可能)に設けられた第2成形部42と、第2成形部42を押圧部41に対して下方に付勢する圧縮コイルバネ等の第2弾性部材43と、第2成形部42の昇降を制御する第2昇降制御部44と、第2被案内部45とを備えている。
【0025】
押圧部41は、下面視外形がハート型形状を成す押圧面41aを備えている。ちなみに、押圧面41aの下面視外形は、第2部品P2の下面視外形よりも大きく、当該押圧面41aの平面上の向き(ハート型形状の前側中央の凹んだ部分と後側中央の尖った部分の平面上の位置)は第1成形ユニット30の受け面31aと成形孔32dとシート載置凹部32eの平面上の向き(ハート型形状の前側中央の凹んだ部分と後側中央の尖った部分の平面上の位置)と上下方向で整合している。また、押圧部41の上面中央には、鍔付きの軸部41bが設けられている。
【0026】
第2成形部42は、下面視外形が円形を成す大径部42aと上面視外形が円形を成す小径部42bを備えている。第2成形部42には、押圧部41が昇降可能(スライド可能)に配置された下面視外形がハート型形状を成す成形孔42cが設けられ、成形孔42cの下端の外側には、下面視外形が円形状を成し、上端から下端に向かって外形が小さくなる傾斜面構成の嵌合凸部42dが設けられ、成形孔42cの上端には、押圧部41の軸部41bが昇降可能(スライド可能)に配置された軸孔42eが設けられている。また、第2成形部42の小径部42bの外周面には、上面視外形が矩形状を成す昇降制御溝42fが設けられている。ちなみに、第2弾性部材43は、第2成形部42と押圧部41の軸部41bの鍔との間に配置されている。
【0027】
第2昇降制御部44は、下面視内形が第2成形部42の小径部42bの上面視外形よりも大きな上端閉塞の円筒状を成しており、第2成形部42の上に配置されている。また、第2昇降制御部44の内周面には、下面視外形が矩形状を成し、第2成形部42の昇降制御溝42fに挿入可能な昇降制御凸部44aが設けられ、上面中央には、縦断面がT字状を成す被連結部44bが設けられており、外周面の前部には、第2昇降制御部44を回転操作するためのレバー部44c(
図2を参照)が設けられている。すなわち、第2昇降制御部44は、レバー部44cを利用した回転変位が可能であり、当該回転変位によって昇降制御凸部44aを第2成形部42の昇降制御溝42fに挿入可能な位置と挿入不可能な位置とに変化させることができる。なお、図面には、第2成形部42に1個の昇降制御溝42fを設け、第2昇降制御部44に1個の昇降制御凸部44aを設けたものを示しているが、昇降制御溝42fおよび昇降制御凸部44aの数は、等角度間隔で2個以上設けてもよい。
【0028】
第2被案内部45(
図2を参照)は、上面視がT字状を成していて第2成形部42の後部に設けられている。第2被案内部45は、
図2(A)に示したようにユニット支持部20の案内部22の案内溝(符号省略)に係合可能(昇降、スライド可能)に配置されている。換言すれば、第2成形ユニット40の第2成形部42は、ユニット支持部20の案内部22に沿って係合可能(昇降、スライド可能)である。また、第2成形ユニット40の第2成形部42を案内部22に係合させることで、第1成形ユニット30と第2成形ユニット40は各々、所定向きに位置した状態にて互いに装着することができる。また、ユニット支持部20の案内部22の案内溝(符号省略)の上端が開放しているため、第2被案内部45を案内部22の案内溝(符号省略)から上方に抜き出すことによって、第2成形ユニット40をユニット支持部20から取り外すことができる。換言すれば、第2成形ユニット40は、ユニット支持部20に着脱可能に配置されている。
【0029】
次に、
図5~
図15を主に引用して、前述のバッジ作製装置によるバッジ作製方法、具体的には、
図1(A)および
図1(B)に示したバッジ作製用部品(第1部品P1と第2部品P2とデザインシートP3と透明シートP4)を用いて
図1(C)に示した上面視がハート型形状のバッジBDを作製する方法について説明する。
【0030】
まず、
図7に示したように、第2成形ユニット40の第2被案内部45をユニット支持部20の案内部22の案内溝(符号省略)に挿入(係合)し、当該第2成形ユニット40を下降(スライド)させて、
図8に示したように、当該第2成形ユニット40の第2成形部42の嵌合凸部42dを第1成形ユニット30の第1成形部32の嵌合孔32fに嵌め込む。これにより、第2成形ユニット40は、第1成形ユニット30に装着され、第1成形ユニット30上において所定向きに位置した状態となり、非円形型形状のバッジを成形し得る状態となる。
【0031】
続いて、
図9(A)に示したように、第1成形ユニット30および第2成形ユニット40が設けられたユニット支持部20を本体ユニット10内に挿入して配置する。配置状態では、本体ユニット10の開口部11bが側壁部21aによって閉塞されるとともに、本体ユニット10の位置決め凹部11cに底板部21bが位置決めされる。また、第1成形ユニット30のレバー部34bが本体ユニット10の孔11dに挿入されて端部が突出するとともに、第2成形ユニット40のレバー部44cが本体ユニット10の孔11eに挿入されて端部が突出する。さらに、第2成形ユニット40の被連結部44bが本体ユニット10の連結部15に連結される。
【0032】
ここで、第2成形ユニット40の被連結部44bを本体ユニット10の連結部15に連結する際の連結方式例について、
図9(B)および
図9(C)を引用して説明する。
【0033】
図9(B)に示した連結方式例は,クランプ方式に係るものであり、連結部15には被連結部44bの大径部44b1が配置される凹部15aが設けられているとともに、当該凹部15aの下に、中心に向かって移動可能な3個の可動クランプ部15bが設けられている。図示を省略したが、連結部15には、カムを利用して3個の可動クランプ部15bを移動させるためのレバー付きのカム動作盤が設けられている。すなわち、この連結部15では、被連結部44bの大径部44b1を凹部15aに配置した後に、レバーによりカム動作盤を回転させることによって3個の可動クランプ部15bを中心に向かって移動させ、これにより、当該3個の可動クランプ部15bによって被連結部44bの小径部44b2を回転可能に保持することができる。なお、3個の可動クランプ部15bは4個以上であってもよいし、可動クランプ部15bを爪形状として当該爪形状の可動クランプ部15bをカム動作盤が回転するときに所定角度回転させて被連結部44bの小径部44b2を保持するようにしてもよい。また、カム動作盤のレバーの端部を本体ユニット10に設けた孔(図示省略)を通じて突出させておけば、第1成形ユニット30および第2成形ユニット40が設けられたユニット支持部20を本体ユニット10内に挿入して配置した後のレバー操作によって、前記の連結を行うことができる。
【0034】
図9(B)に示した連結方式例は、嵌め込み方式に係るものであり、連結器15には被連結部44bの大径部44b1が回転可能に配置される凹部15cが設けられているとともに、当該凹部15cの下に、下面視がC字状を成す嵌め込み部15dが設けられている。嵌め込み部15dの内形は、被連結部44bの小径部44b2の外形よりも僅かに大きく、開放部分には傾斜案内面(符号省略)が設けられている。すなわち、この連結部15では、被連結部44bの小径部44b2を嵌め込み部15dの開放部分に押し込むことによって、被連結部44bの大径部44b1を凹部15cに配置させ、これにより、嵌め込み部15dによって被連結部44bの小径部44b2を保持することができる。なお、被連結部44bの小径部44b2の押し込みを容易にするために嵌め込み部15dの開放部分に弾性変形可能な板バネ等を設けてもよい。
【0035】
図9(B)と
図9(C)を用いて説明した連結部15の連結方式例はあくまでも例であって、被連結部44bを着脱可能に連結可能であれば、前記と同じ連結方式で構造が異なるものや、前記以外の連結方式を採用できる。
【0036】
図6に示したように、ユニット支持部20に存する第1成形ユニット30の受け部31の受け面31aに第1部品P1を載置し、第1成形部32の成形孔32dに第2部品P2を載置し、第1成形部32のシート載置凹部32eにデザインシートP3と透明シートP4を載置する。ちなみに、受け面31aと成形孔32dとシート載置凹部32eは、いずれも上面視がハート型形状であり、しかも、各々の平面上の向き(ハート型形状の前側中央の凹んだ部分と後側中央の尖った部分の平面上の位置)が上下方向で整合しているため、載置後の第1部品P1と第2部品P2とデザインシートP3と透明シートP4それぞれの平面上の向き(ハート型形状の前側中央の凹んだ部分と後側中央の尖った部分の平面上の位置)が上下方向でずれることはない。また、受け面31aには、永久磁石31bが設けられているため、受け面31aに載置された第1部品P1は当該永久磁石31bにより吸着されて保持される。
【0037】
続いて、本体ユニット10から突出しているレバー部34bを左右に動かして第1成形ユニット30の第1昇降制御部34を回転変位させ、当該第1昇降制御部34の昇降制御凸部34aを第1成形部32の昇降制御溝32gに挿入可能な位置に変化させるとともに、本体ユニット10から突出しているレバー部44cを左右に動かして第2成形ユニット40の第2昇降制御部44を回転変位させ、当該第2昇降制御部44の昇降制御凸部44aを第2成形部42の昇降制御溝42fに挿入不可能な位置に変化させる(
図9を参照)。
【0038】
続いて、
図9において本体ユニット10の操作部14を上面視で時計回り方向(あるいは反時計回り方向)に回転させて連結部15を下降させ、当該連結部15に被連結部44bが回転可能に連結している第2成形ユニット40の第2昇降制御部44を下降させる。先に述べたように第2成形ユニット40の第2昇降制御部44の昇降制御凸部44aは、第2成形部42の昇降制御溝42fに挿入不可能な位置にあり、かつ、第1成形ユニット30の第1昇降制御部34の昇降制御凸部34aは、第1成形部32の昇降制御溝32gに挿入可能な位置にあるため、この下降操作では、
図10に示したように、第2成形ユニット40の第2昇降制御部44が下降に伴って第2成形部42が下降し、当該第2成形部42の下降に伴って押圧部41が下降する。また、第2成形ユニット40の第2成形部42の下降に伴って第1成形ユニット30の第1成形部32が第1弾性部材33の付勢力に抗して下降する。
【0039】
すなわち、前掲の下降操作では、
図10に示したように、第1成形ユニット30の受け部31が第2成形ユニット40の押圧部41および第2成形部42に対して相対的に上昇するため、当該相対的な上昇によって、透明シートP4とデザインシートP3と第2部品P2と第1部品P1が重なった状態のまま第2成形部42の成形孔42cに押し込まれ、当該押し込みによって、デザインシートP3と透明シートP4の周囲の余剰分が第2部品P2の屈曲部P2aの外面に沿って折り曲げられる。
【0040】
続いて、
図9において本体ユニット10の操作部14を上面視で反時計回り方向(あるいは時計回り方向)に回転させて連結部15を上昇させ、当該連結器15に被連結部44bが回転可能に連結している第2成形ユニット40の第2昇降制御部44を上昇させて復帰させる。この上昇操作では、
図11に示したように、第1成形ユニット30の第1成形部32が第1弾性部材33の付勢力によって上昇する。また、第1成形部32の上昇に伴って第2成形ユニット40の第2成形部42が上昇し、当該第2成形部42の上昇に伴って第2昇降制御部44が上昇するとともに、第2弾性部材43を介して押圧部41が上昇する。
【0041】
すなわち、前掲の上昇操作では、
図11に示したように、第1成形ユニット30の受け部31が第2成形ユニット40の押圧部41および第2成形部42に対して相対的に下降するため、当該相対的な下降によって、デザインシートP3と透明シートP4の周囲の余剰分が第2部品P2の屈曲部P2aの外面に沿って折り曲げられものが第2成形部42の成形孔42c内に残存し、第1部品P1は永久磁石31bに吸着保持された状態で押圧部31とともに相対的に下降して離反する。
【0042】
続いて、本体ユニット10から突出しているレバー部34bを左右に動かして第1成形ユニット30の第1昇降制御部34を回転変位させ、当該第1昇降制御部34の昇降制御凸部34aを第1成形部32の昇降制御溝32gに挿入不可能な位置に変化させるとともに、本体ユニット10から突出しているレバー部44cを左右に動かして第2成形ユニット40の第2昇降制御部44を回転変位させ、当該第2昇降制御部44の昇降制御凸部44aを第2成形部42の昇降制御溝42fに挿入可能な位置に変化させる(
図9を参照)。
【0043】
続いて、
図9において本体ユニット10の操作部14を上面視で時計回り方向(あるいは反時計回り方向)に回転させて連結部15を下降させ、当該連結部15に被連結部44bが連結している第2成形ユニット40の第2昇降制御部44を下降させる。先に述べたように第2成形ユニット40の第2昇降制御部44の昇降制御凸部44aは第2成形部42の昇降制御溝42fに挿入可能な位置にあり、かつ、第1成形ユニット30の第1昇降制御部34の昇降制御凸部34aは第1成形部32の昇降制御溝32gに挿入不可能な位置にあるため、この下降操作では、
図12に示したように、第2成形ユニット40の第2昇降制御部44の押圧部41の軸部41bに接し、接した後に押圧部41が下降するとともに、第2成形部42が第2弾性部材43を介して下降する。また、第2成形ユニット40の第2成形部42の下降に伴って第1成形ユニット30の第1成形部32が第1弾性部材33の付勢力に抗して第1昇降制御部34に接するまで多少下降する。
【0044】
すなわち、前掲の下降操作では、
図12に示したように、第2成形ユニット40の下降に伴ってデザインシートP3と透明シートP4の周囲の余剰分が第2部品P2の屈曲部P2aの外面に沿って折り曲げられものが下方移動し、デザインシートP3と透明シートP4の折り曲げ端部が第1成形ユニット20の第1成形部32の成形孔32dによって第2部品P2の屈曲部P2aの内側に巻き込こまれつつ当該屈曲部P2aが内側に折り曲げられ、デザインシートP3と透明シートP4の巻き込み端部が当該屈曲部P2aと第1部品P1の屈曲部P1aとの間に挟み込まれて固定され、バッジBDが作製される。
【0045】
続いて、
図9において本体ユニット10の操作部14を上面視で反時計回り方向(あるいは時計回り方向)に回転させて連結部15を上昇させ、当該連結部15に被連結部44bが連結している第2成形ユニット40の第2昇降制御部44を上昇させて復帰させる。この上昇操作では、
図13に示したように、第1成形ユニット30の第1成形部32が第1弾性部材33の付勢力によって上昇する。また、第1成形部32の上昇に伴って第2成形ユニット40の第2成形部42が上昇し、当該第2成形部42の上昇に伴って第2弾性部材43を介して押圧部41が上昇するとともに、当該押圧部41の上昇に伴って第2昇降制御部44が上昇する。
【0046】
すなわち、前掲の上昇操作では、
図13に示したように、第1成形ユニット30の受け部31が第2成形ユニット40の押圧部41および第2成形部42に対して相対的に下降するため、当該相対的な下降によって、作製後のバッジBDが第1成形ユニット10側に残存する。なお、
図13には、作製後のバッジBDが第1成形ユニット30の受け部31の受け面31aから離れているものを示してあるが、受け部31と第1成形部32の上下方向の位置関係を変えたり、デザインシートP3および透明シートP4として厚さが薄いものを使用すれば、作製後のバッジBDの第1部品P1を永久磁石31bに吸着保持された状態とすることも可能である。
【0047】
続いて、
図14に示したように、第1成形ユニット30および第2成形ユニット40が設けられたユニット支持部20を本体ユニット10から取り出す。続いて、
図15に示したように、ユニット支持部20に設けられている第2成形ユニット40全体を案内部22に沿って上昇させて、当該第2成形ユニット40をユニット支持部20から取り外し、作製後のバッジBDを取り出す。
【0048】
次に、
図16を引用して、
図1(C)に例示した上面視外形がハート形状を成すバッジBDと異なる形状を有するバッジBD1~BD6およびその部品等について説明する。
【0049】
図18(A)は上面視外形が星形状を成すバッジBD1を、
図18(B)は上面視外形がリボン形状を成すバッジBD2を、
図18(C)は上面視外形が4角形型形状を成すバッジBD3を、
図18(D)は上面視外形が6角形型形状を成すバッジBD4を、
図18(E)は上面視外形が楕円型形状を成すバッジBD5を、
図18(F)は上面視外形が円形型形状を成すバッジBD6を示す。
【0050】
バッジBD1~BD5はいずれも上面視が非円形型形状を成すものであり、当該バッジBD1~BD5を作製するときには、先に述べたバッジBDと同様、バッジ作製用部品として、金属製で上面視外形が非円形型形状の第1部品P1(図示省略)と、金属製で下面視外形が第1部品P1(図示省略)の上面視外形と相似で当該外形よりも大きな第2部品P2と、紙製または合成樹脂製で上面視外形が第2部品P2の下面視外形と相似で当該外形よりも大きなデザインシートP3と、合成樹脂製で上面視外形がデザインシートP3の上面視外形と同じか僅かに大きな透明シートP4を用意する。
【0051】
バッジBD6は上面視が円形型形状を成すものであり、当該バッジBD6を作製するときには、先に述べたバッジBDと同様、バッジ作製用部品として、金属製で上面視外形が円形型形状の第1部品P1(図示省略)と、金属製で下面視外形が第1部品P1(図示省略)の上面視外形よりも大きな円形型形状の第2部品P2と、紙製または合成樹脂製で上面視外形が第2部品P2の下面視外形よりも大きな円形型形状のデザインシートP3と、合成樹脂製で上面視外形がデザインシートP3の上面視外形と同じか僅かに大きな円形型形状の透明シートP4を用意する。
【0052】
ちなみに、
図16(A)~
図16(F)にはデザインシートP3として非円形型形状と円形型形状のマークをそれぞれ付したものを示しているが、当該マークは非円形型形状と円形型形状のバッジBD1~BD6に便宜的に対応させたものであって絵柄や図柄や模様等を制限するものではない。また、先に述べたバッジBDと同様、各バッジBD1~BD6の第2部品P2の屈曲部P2a(図示省略)には、必要に応じて
図1(D)に示したような折り曲げ促進用のスリットP2bを1個または複数個形成されてもよい。
【0053】
一方、前述のバッジ作製装置によって、前掲のバッジBD1~BD6を作製するときには、第1成形ユニット30として、受け部31の上面視外形が各バッジBD1~BD6の第1部品P1の上面視外形に対応し、第1成形部32の成形孔32dの上面視外形が各バッジBD1~BD5の第2部品P2の下面視外形に対応し、第1成形部32のシート載置凹部32eの上面視外形が各バッジBD1~BD5のデザインシートP3および透明シートP4の上面視外形に対応したものを用意するとともに、第2成形ユニット40として、押圧部41の下面視外形が各バッジBD1~BD5の第2部品P2の下面視外形に対応したものを用意すればよい。
【0054】
すなわち、前掲のバッジBD1~BD6それぞれに適合した第1成形ユニット30および第2形成ユニット40が設けられた支持ユニット20を種別に用意しておけば、前述のバッジ作製装置の支持ユニット20(
図2を参照)に変えてこれら支持ユニット20を選択的に用いることにより、ハート型形状を成すバッジBDの他に、前述と同様の動作(操作)によってハート型形状以外の非円形型形状を成すバッジBD1~BD5や、円形型形状を成すバッジBD6を適宜作製することができる。
【0055】
次に、前述のバッジ作製装置によって得られる主たる作用効果について説明する。
【0056】
前述のバッジ作製装置は、第1成形ユニット30と第2成形ユニット40がいずれも本体ユニット10内に配置可能で、かつ、取り出し可能であるため、所望の上面視外形のバッジBDおよびBD1~BD6に適合した第1成形ユニット30と第2成形ユニット40を用いることによって、外形が異なるバッジBDおよびBD1~BD6を適宜作製することができる。
【0057】
また、前述のバッジ作製装置は、第1成形ユニット30と第2成形ユニット40が本体ユニット10に着脱可能なユニット支持部20に設けられているため、第1成形ユニット30と第2成形ユニット40を本体ユニット10内に配置する操作と当該第1成形ユニット30と第2成形ユニット40を本体ユニット10から取り出す操作を、ユニット支持部20を用いて簡単に行うことができる。
【0058】
さらに、前述のバッジ作製装置は、第2成形ユニット40がユニット支持部20に着脱可能に配置されているため、当該第2成形ユニット40をユニット支持部20から取り外すことによって、第1成形ユニット30へのバッジ作製用部品P1~P4の載置と、作製後のバッジBDおよびBD1~BD6の取り出しを的確に行うことができる。
【0059】
次に、前述のバッジ作製装置に係る変形例について説明する。
【0060】
(1)バッジ作製装置として、第1成形ユニット30の第1被案内部35が第2成形ユニット40の被案内部45と同様にユニット支持部20の案内部22の案内溝(符号省略)に係合可能に配置されているものを示したが、第1成形ユニット30から第1被案内部35を排除して受け部31をユニット支持部20に固定するようにしてもよい。
【0061】
(2)バッジ作製装置として、第1成形ユニット30の第1被案内部35が第2成形ユニット40の被案内部45と同様にユニット支持部20の案内部22の案内溝(符号省略)に係合可能に配置されているものを示したが、このようにすると、ユニット支持部20から第1成形ユニット30と第2成形ユニット40の両方を取り外すことができる。すなわち、ユニット支持部20を共用部品とすることができるので、前掲のバッジBD1~BD6それぞれに適合した第1成形ユニット30および第2形成ユニット40を種別毎に用意しておき、これらを選択的に支持ユニット20に配置して使用することも可能となる。
【0062】
(3)前述のバッジ作製装置では、第1成形ユニット30と第2成形ユニット40を変えることによって外形が異なるバッジBDおよびBD1~BD6を作製することができるため、第1成形ユニット30と第2成形ユニット40の選択間違いを防止するために、第1成形ユニット30および第2形成ユニット40が設けられた支持ユニット20を種別毎に用意する場合には、当該支持ユニット20に作製可能なバッジBDおよびBD1~BD6の外形を模した印を付けておくことが好ましい。勿論、第1成形ユニット30と第2成形ユニット40にも同様の印を付けるようにしてもよい。
【0063】
(4)前述のバッジ作製装置では、第1成形ユニット30と第2成形ユニット40を変えることによって外形が異なるバッジBDおよびBD1~BD6を作製することができるため、第1成形ユニット30と第2成形ユニット40の選択間違いを防止するために、セットとなる第1成形ユニット30と第2成形ユニット40のみが互いに適合(装着)可能となるように適合部分(装着部分)をセット毎に異なる形状としてもよい。
【0064】
(5)バッジ作製装置として、第1成形ユニット30のレバー部34b(第1被案内部)と第2成形ユニット40のレバー部44c(第2被案内部)を本体ユニット10の前面側から突出させて個別に動かすようにしたものを示したが(
図9(A)を参照)、
図17(A)に示した構造を採用すれば両レバー部34b(第1被案内部)および44c(第2被案内部)を一括で動かすこともできる。すなわち、同構造では、本体ユニット10のユニット収容空間11aの前側に、上面視外形が矩形状を成す案内溝16aを備える可動部材16(案内部)が設けられていて、当該可動部材16に設けられたレバー部16bが筐体11の前壁下部に設けられた横長の孔11fに挿入されて端部が突出しているとともに、当該可動部材16の案内溝16aに第1成形ユニット30のレバー部34b(
図9(A)に示したものよりも短い)の端部が配置され、かつ、第2成形ユニット40のレバー部44c(
図9(A)に示したものよりも短い)の端部が係合可能に配置されている。つまり、可動部材16のレバー部16bを左右に動かすことによって当該可動部材16の案内溝16aに配置された第1成形ユニット30のレバー部34bと第2成形ユニット40のレバー部44cを一括で動かすことができる。
【0065】
(6)バッジ作製装置として、第1成形ユニット30のレバー部34b(第1被案内部)と第2成形ユニット40のレバー部44c(第2被案内部)を本体ユニット10の前面側から突出させて個別に動かすようにしたものを示したが(
図9(A)を参照)、
図17(B)に示した構造を採用すれば両レバー部34b(第1被案内部)および44c(第2被案内部)をユニット支持部20側(本体ユニット10の後面側)において一括で動かすこともできる。すなわち、同構造では、ユニット支持部20の側壁部21aの前側に、上面視外形が矩形状を成す案内溝23aを備える可動部材23(案内部)が設けられていて、当該可動部材23に設けられたレバー部23bが側壁部21aの下部に設けられた横長の孔21dに挿入されて端部が突出しているとともに、当該可動部材23の案内溝23aに第1成形ユニット30の第1昇降制御部34の後部に設けられたレバー部34b(
図9(A)に示したものよりも短い)の端部が配置され、かつ、第2成形ユニット40の第2昇降制御部44の後部に設けられたレバー部44c(
図9(A)に示したものよりも短い)の端部が係合可能に配置されている。つまり、可動部材23のレバー部23bを左右に動かすことによって当該可動部材23の案内溝23aに配置された第1成形ユニット30のレバー部34bと第2成形ユニット40のレバー部44cをユニット支持部20側(本体ユニット10の後面側)において一括で動かすことができる。
【0066】
(7)バッジ作製装置として、本体ユニット10に設けた連結器15に第2成形ユニット40の被連結部44bを着脱可能に連結するものを示したが、両者の連結は必ずしも必要なものではない。すなわち、第1成形ユニット30の第1成形部32は、第1弾性部材33によって上昇復帰が可能であり、第2成形ユニット40の押圧部41および第2昇降制御部44は、第2弾性部材43によって上昇復帰が可能であるため、連結部15および被連結部44bが無くても、本体ユニット10の操作部14への操作によって第2成形ユニット40の第2昇降制御部44を下降できれば前述の作製方法を実行することが可能である。
【0067】
(8)バッジ作製用部品として、下面が平坦な第1部品P1を示したが、作製後のバッジBDおよびBD1~BD6を衣服等に取り付けるための留め具(例えば安全ピンやフックやワニロクリップ等)を装着可能な孔や切り欠き等を有するものを第1部品P1として用いてもよい。
【0068】
(9)バッジ作製用部品として、第1部品P1と第2部品P2とデザインシートP3と透明シートP4を示したが、デザインシートP3と透明シートP4の代わりにこれらを兼用した単独シートを用いてもよいし、第2部品P2の表面に絵柄や図柄や模様等が予め付されたものを用いればデザインシートP3と透明シートP4を省略することもできる。すなわち、バッジ作製部品は少なくとも第1部品P1と第2部品P2を含んでいれば、所期のバッジ作製は可能である。
【0069】
(10)バッジとして、上面視外形がハート型形状を成すバッジBDと、上面視外形がハート型形状以外の非円形型形状を成すバッジBD1~BD5と、上面視外形が円形型形状を成すバッジBD6を示したが、上面視外形が非円形型形状を成すバッジには、バッジBDおよびBD1~BD5と異なる上面視外形(例えば三角形型形状や正4角形型形状等)を有するものも前述のバッジ作製装置によって作製可能である。加えて、上面視外形が非円形型形状を成すバッジBDおよびBD1~BD5他と円形型形状を成すバッジBD6については、基本となる上面視形状が同じで大きさが異なるものも前述のバッジ作製装置によって作製可能である。
【符号の説明】
【0070】
BD,BD1~BD6…バッジ(作製後のもの)、P1…第1部品、P1a…屈曲部、P2…第2部品、P2a…屈曲部、P2b…スリット、P3…デザインシート、P4…透明シート、10…本体ユニット、11…筐体、11a…ユニット収容空間、11b…開口部、12…雌ネジ部、13…雄ネジ部、14…操作部、15…連結部、20…ユニット支持部、21…支持部本体、21a…側壁部、21b…底板部、22…案内部、30…第1成形ユニット、31…受け部、31a…受け面、32…第1成形部、33…第1弾性部材、34…第1昇降制御部、35…第1被案内部、40…第2成形ユニット、41…押圧部、41a…押圧面、42…第2成形部、43…第2弾性部材、44…第2昇降制御部、44b…被連結部、45…第2被案内部。