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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144038
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】サーバ及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230928BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132335
(22)【出願日】2023-08-15
(62)【分割の表示】P 2022159662の分割
【原出願日】2018-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 隆史
(57)【要約】
【課題】より有用な商品をユーザに提案できるサーバ及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】サーバは、記憶部と、制御部とを含む。記憶部は、第1介助者と前記第1介助者により介助される第1被介助者との第1関係を示す情報と、第1介助者または第1介助者の購入履歴を示す情報を記憶する。制御部は、第2介助者の端末装置に、第2介助者と第2介助者により介助される第2被介助者との第2関係が第1関係と類似するとき、第1介助者または第1被介助者の購入履歴に基づき、第2被介助者用の商品を広告する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1介助者と前記第1介助者により介助される第1被介助者との第1関係を示す情報と、前記第1介助者または前記第1介助者の購入履歴を示す情報を記憶する記憶部と、
第2介助者の端末装置に、前記第2介助者と前記第2介助者により介助される第2被介助者との第2関係が前記第1関係と類似するとき、前記第1介助者または前記第1被介助者の購入履歴に基づき、前記第2被介助者用の商品を広告する制御部と
を備えるサーバ。
【請求項2】
前記第2介助者のログインののちに、前記第2関係に関する情報を受け付けると、前記制御部は前記第1介助者または前記第1被介助者の購入履歴に基づき、前記第2被介助者用の商品を広告する請求項1記載のサーバ。
【請求項3】
検索ワードを受け付けると、前記制御部は前記第1介助者または前記第1被介助者の購入履歴と前記検索ワードに基づき、前記検索ワードに関連した前記第2被介助者用の商品を広告する請求項1または請求項2記載のサーバ。
【請求項4】
前記第1関係と、前記第2関係それぞれは、身長、体重、性別、必要な介護内容のうち少なくとも1つの相対関係に関する情報、または前記第1または前記第2被介助者の生活環境に関する情報を含む、請求項1ないし請求項3いずれか1項に記載のサーバ。
【請求項5】
第1介助者と前記第1介助者により介助される第1被介助者との第1関係を示す情報と、前記第1介助者または前記第1介助者の購入履歴を示す情報を記憶することと、
第2介助者の端末装置に、前記第2介助者と前記第2介助者により介助される第2被介助者との第2関係が前記第1関係と類似するとき、前記第1介助者または前記第1被介助者の購入履歴に基づき、前記第2被介助者用の商品を広告することと
を備える情報処理方法。
【請求項6】
前記第2介助者のログインののちに、前記第2関係に関する情報を受け付けると、前記第1介助者または前記第1被介助者の購入履歴に基づき、前記第2被介助者用の商品を広告することをさらに備える請求項5記載の情報処理方法。
【請求項7】
検索ワードを受け付けると、前記第1介助者または前記第1被介助者の購入履歴と前記検索ワードに基づき、前記検索ワードに関連した前記第2被介助者用の商品を広告することをさらに備える請求項5または請求項6記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記第1関係と、前記第2関係それぞれは、身長、体重、性別、必要な介護内容のうち少なくとも1つの相対関係に関する情報、または前記第1または前記第2被介助者の生活環境に関する情報を含む、請求項5ないし請求項7いずれか1項に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、サーバ及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会を迎えるにあたり、介護用品等の需要がより一層高まると予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許8239287号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より有用な商品をユーザに提案できるサーバ及び情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係るサーバは、記憶部と、制御部とを含む。記憶部は、第1介助者と第1被介助者との第1関係を示す情報と、第1介助者または第1介助者の購入履歴を示す情報を記憶する。制御部は、第2介助者の端末装置に、第2介助者と第2介助者により介助される第2被介助者との第2関係が第1関係と類似するとき、第1介助者または第1被介助者の購入履歴に基づき、第2被介助者用の商品を広告する。
【発明の効果】
【0006】
より有用な商品をユーザに提案できるサーバ及び情報処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る広告システムの概念図である。
図2図2は、第1実施形態に係るサーバのブロック図である。
図3A図3Aは、第1実施形態に係る第1情報の概念図である。
図3B図3Bは、第1実施形態に係る第2情報の概念図である。
図3C図3Cは、第1実施形態に係る第3情報の概念図である。
図4図4は、第1実施形態に係るサーバのプロセッサの機能ブロック図である。
図5図5は、第1実施形態に係るサーバの動作を示すフローチャートである。
図6図6は、第1実施形態に係る広告方法の概念図である。
図7A図7Aは、第1実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図7B図7Bは、第1実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図7C図7Cは、第1実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図7D図7Dは、第1実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図7E図7Eは、第1実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図8図8は、第2実施形態に係る情報端末のブロック図である。
図9図9は、第2実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図10図10は、第2実施形態に係る情報端末のプロセッサの機能ブロック図である。
図11図11は、第2実施形態に係るサーバのプロセッサの機能ブロック図である。
図12図12は、第2実施形態に係るサーバ及び情報端末の動作を示すフローチャートである。
図13図13は、第3実施形態に係るサーバのブロック図である。
図14図14は、第3実施形態に係るサーバのプロセッサの機能ブロック図である。
図15図15は、第3実施形態に係るサーバの動作を示すフローチャートである。
図16A図16Aは、第3実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図16B図16Bは、第3実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図16C図16Cは、第3実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図16D図16Dは、第3実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図17図17は、第4実施形態に係るサーバのブロック図である。
図18図18は、第4実施形態に係るサーバのプロセッサの機能ブロック図である。
図19図19は、第4実施形態に係るサーバの動作を示すフローチャートである。
図20A図20Aは、第4実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図20B図20Bは、第4実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図20C図20Cは、第4実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図20D図20Dは、第4実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図20E図20Eは、第4実施形態に係る広告方法を実施した際の、ユーザ端末画面の一例を示す概念図である。
図21図21は、第5実施形態に係るサーバのプロセッサの機能ブロック図である。
図22図22は、第5実施形態に係るサーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0009】
1.第1実施形態
この発明の第1実施形態に係る情報処理装置について、広告提供システムを例に挙げて説明する。本実施形態に係る広告提供システムは、例えば病気や加齢により介護(または介助、以後「介護」で統一する)が必要になった被介護者と、この被介護者を介護する介護者に対して、例えば介護用品等の広告を効果的に提供する。一例としては、被介護者は、高齢の病気の患者であり、介護者はその家族である。あるいは、被介護者は高齢者であり、介護者は介護施設に勤める職員である。また別の例では、被介護者は、交通事故や病気などにより身体に障害を負った若年者であり、介護者はその家族、友人、介護施設職員などである。もちろん、その他の場合があってもよい。
【0010】
1.1 構成
1.1.1 全体構成について
図1は、本実施形態に係る広告提供システムの概念図である。図示するようにシステム1は、サーバ10、情報端末20a、20b、及び介護用ベッド(及び付属センサ)30を含む。そしてサーバ10、情報端末20a、20b、及びベッド(及びセンサ)30は、ネットワーク(例えばインターネット)により相互に通信可能に接続されている。
【0011】
サーバ10は、介護者及び被介護者の情報や商品の情報を保持する。そしてサーバ10は、介護者及び被介護者へ広告を提供すると共に、介護者及び被介護者からの注文を受け付ける。
【0012】
情報端末20aは、無線通信または有線通信を介してネットワーク2に接続可能である。そして情報端末20aは、介護者からのデータ入力を受け付け、ネットワーク2を介してサーバ10へ送信する。また情報端末20aは、サーバ10からデータを受信し、受信したデータに基づく画像をディスプレイに表示する。本例では、例えばサーバ10は、介護者に対して推奨する商品の広告を情報端末20aのディスプレイに表示させる。また情報端末20aは、介護者による商品購入の旨の入力を受け付け、これをサーバ10へ送信する。情報端末20aは、例えばスマートフォン、タブレットPC、ノートPC、及びデスクトップPC等であるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
ベッド30は、例えば介護目的のベッドであり、被介護者によって利用される。従ってベッド30は、背上げ機能、高さ調節機能、膝上げ機能等の種々の機能を備えている。このようなベッドの例としては、例えば“BED APPARATUS”という2015年10月20日に出願された米国特許出願14/785,671号や、“METHOD OF CONTROLLING THE COORDINATIVE LIFTING OF BOTTOM SECTIONS OF LYING FURNITURE SUCH AS A BED”という2003年4月11日に出願された米国特許出願10/411,083号に記載されている。これらの特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。更にベッド30は、各種センサを備えている。これらのセンサは、背上げ機能等が利用されたか否かを検出したり、ベッド上にかかる過重を検出したり、または被介護者の血圧や心拍等のバイタルデータを検出する。このようなセンサの例としては、例えば体動センサがある。体動の検知の仕方の一例は、例えば2011年7月に発行されたthe Journal of Japanese Society of Sleep Research において、Sunao UCHIDA, Takuro ENDO, Kazue SUENAGA, Hideto IWAMI, Shinsuke INOUE, Eiji FUJIOKA, Ayako IMAMURA, Takafumi ATSUMI, Yoshitaka INAGAKI and Atsushi KAMEI による、“Sleep evaluation by a newly developed PVDF sensor non-contact sheet: a comparison with standard polysomnography and wrist actigraphy” に記載された方法を用いることができる。本文献もまた、その全体が本願明細書において参照により援用されている。そしてセンサは、無線通信または有線通信を介してネットワーク2に接続可能であり、検出したデータをサーバ10へ送信する。またはセンサは、情報端末20bを基地局(アクセスポイント、ステーション、親機等とも呼ばれる)として用いた無線通信により、ネットワーク2に接続されてもよい。ベッド30は、被介護者の自宅に設置される場合であってもよいし、介護施設や医療機関に設置される場合であってもよい。
【0014】
情報端末20bは、無線通信または有線通信を介してネットワーク2に接続可能である。そして情報端末20bは、被介護者(及び介護者)からのデータ入力を受け付け、ネットワーク2を介してサーバ10へ送信する。また情報端末20bは、情報端末20aと同様にサーバ10からデータを受信し、受信したデータに基づく画像をディスプレイに表示する。情報端末20bもまた、例えばスマートフォン、タブレットPC、ノートPC、及びデスクトップPC等であるが、これらに限定されるものではない。なお情報端末20bは主として被介護者の利用のためのものであるので、ベッド30に備え付けられていてもよい。以後、被介護者とこの被介護者を介護する介護者との組み合わせ、またはそのいずれか一方を、単に「ユーザ」と呼ぶことがある。また図1では1組のユーザのみを図示しているが、一般に2組以上の複数のユーザがサーバ10に登録され、これらの複数のユーザがサーバ10と通信する。
【0015】
1.1.2 サーバ10の構成について
次に、上記サーバ10の構成の詳細について、図2を用いて説明する。図2は、サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示するようにサーバ10は、通信部101、プロセッサ102、入出力部103、ROM104、及びRAM105を備えている。
【0016】
通信部101は、無線通信または有線通信によりネットワーク2との間で情報を送受信する。入出力部103は、サーバ管理者からの命令を受け付け、またプロセッサ102での処理結果等を表示する。メモリ(例えばROM)104は、プロセッサ102によって実行されるプログラム(例えばオペレーティングシステム)や必要なデータを保持する。メモリ(例えばRAM)105は、プロセッサ102の作業領域として機能する。そしてRAM105は、種々のプログラムとデータとを保持する。プロセッサ102は、ROM104及びRAM105内のプログラムを実行することにより動作し、また効果的な広告をユーザに提供する。
【0017】
上記RAM105が保持するプログラム及びデータにつき、以下説明する。図2に示すようにRAM105は、広告プログラム106及び第1乃至第5情報107~111を保持する。
【0018】
まず、第1情報107につき図3Aを用いて説明する。図3Aは、第1情報の概念を示している。図示するように第1情報107は、各ユーザにおいて介護に関わるユーザ固有の情報を保持する。例えば図3Aの例に係る第1情報107は、被介護者と被介護者の、身長、体重、性別、及び被介護者に対して必要な介護内容等に関する情報を、介護者と被介護者の組のそれぞれにつき含む。介護内容の例としては種々のものがあるが、例えば起床、着替え、及び食事の介助や、おむつ交換、入浴補助、または転倒予防体操などの運動メニュー指導や見守り等が含まれる。図3Aでは、介護者A及び介護者Aに介護される被介護者A’、介護者B及び介護者Bに介護される被介護者B’、並びに介護者C及び介護者Cに介護される被介護者C’(以後、この関係をそれぞれユーザA/A’、B/B’、及びC/C’と記載することがある)の3組の情報が含まれる場合を示している。これらの情報は、予め情報端末20a及び/または20bからサーバ10へ送信されて、RAM105に保存される。
【0019】
次に、第2情報108につき図3Bを用いて説明する。図3Bは第2情報108の概念を示している。図示するように第2情報108は、ベッド30のセンサから受信したデータを保持する。センサは、時間的に連続してデータを送信してもよいし、例えば一定間隔や、予め定められた間隔にて離散的にデータを送信してもよい。例えば図3Bの例に係る第2情報108は、3つのセンサS1、S2、及びS3で得られた測定値と、測定値が得られた時刻とを含む。なお、図3Bでは図示を省略したが、図3Bに保持されるデータは、ユーザと関連付けられて保持される。つまり、第2情報108に含まれるデータは、それがどの被介護者が使用するセンサから得られたものであるかが明確となるよう、RAM105に記憶される。
【0020】
次に、第3情報109につき説明する。図3Cは第3情報109の概念を示している。図示するように、第3情報109は被介護者及び介護者毎の環境データCN(CN1、CN2、…)を保持する。環境データCNは、第1情報107内に登録された介護者及び被介護者の生活環境に関するデータである。場合によっては、介護者に関するデータは含まれず、被介護者の生活環境に関するデータのみであってもよい。環境データCNは、例えば介護者及び/または被介護者によって、例えば情報端末20a及び/または20bからサーバ10へ送信されてもよいし、ベッド30等に取り付けられたセンサによって得られる情報であってもよい。環境データCNの一例は、介護者及び被介護者の生活パターンに関する情報である。例えば、介護者A及びBはそれぞれ、被介護者A’及びB’を1週間に一度、病院に連れて行く必要があるが、その際には介護者Aは自動車を利用するので、被介護者A’の歩行距離は短い。他方で、被介護者B’は徒歩で病院まで向かい、介護者Bはその被介護者B’に付き添う。従って、被介護者B’の歩行距離は長い。あるいは、被介護者A’は、2週間に1度程度、1時間程の散歩をする一方で、被介護者B’は、ほぼ毎日30分程度の散歩をする、といった情報である。このように、第3情報109にはあらゆるタイプの情報が含まれる。従って、本実施形態では第3情報109を簡略化して環境データ情報CNと呼ぶことにする。
【0021】
次に、第4情報110につき説明する。第4情報110は、第1情報107内に登録された介護者及び被介護者による過去の商品(ストリーミングされるものも含む)の購入履歴に関する。この際、第4情報110は、商品だけでなく、例えば商品が購入された日時や、その際における介護者と被介護者との関係(すなわち第1情報107)、センサデータ(すなわち第2情報108)、及び介護者及び被介護者の生活環境(すなわち第3情報109)を併せて保持しても良い。
【0022】
第5情報111は、サーバ10を用いて運営される広告システム1において取り扱われる商品に関する。取り扱われる商品は多岐にわたる。従って第5情報111においては、複数の商品が種々の条件によってカテゴライズされてもよい。
【0023】
広告プログラム106は、プロセッサ102により実行されることにより、プロセッサ102に対して、上記第1乃至第5情報107~111を用いて、ユーザの情報端末20a及び20bに種々の商品の広告を表示させる。図4は、広告プログラム106を実行した際のプロセッサ102の機能ブロック図である。図示するようにプロセッサ102は、広告プログラム106を実行することにより、アクセス許可部151、第1判断部152、第2判断部153、履歴確認部154、商品広告部155、購入受け付け部156、第1商品検索部157、モード制御部158、及び第2商品検索部159として機能する。
【0024】
アクセス許可部151は、本実施形態に係る広告提供システムのウェブサイトへのユーザのアクセスを制御する。すなわちアクセス許可部151は、パスワードやID等の認証システムを用いて本人認証を行い、ウェブサイトへのユーザのアクセスを許可、または禁止する。
【0025】
第1判断部152は、あるユーザの情報端末20a及び20bに広告を表示させる際に、例えば第1情報107に基づいて、介護者と被介護者との関係の類似性を判断する。より具体的には、広告表示対象となるユーザと、介護者と被介護者との関係が類似する他のユーザを検索する。本例における介護者と被介護者との関係の類似性について説明する。介護者と被介護者との関係の類似性は、介護者と被介護者それぞれの身長、体重、性別、必要な介護内容等の相対関係に基づいて決定される。
【0026】
例えば、介護者Aと被介護者A’との間の身長差が例えば20cm以上30cm未満で、体重差が例えば20kg以上30kg未満で、介護者Aの性別が女性で被介護者A’が男性で、必要な介護等がある第1の条件内にあったと仮定する。すると、この状況は、体格差が大きく、介護者Aにとって負荷が大きい状況であると考えられる。
【0027】
また、介護者Bと被介護者B’との間の身長差が例えば5cm以上10cm未満で、体重差が例えば30kg以上40kg未満で、介護者Bの性別が女性で被介護者B’が男性で、必要な介護等がある第1の条件内にあったと仮定する。すると、この状況は、身長差は小さいものの、体重差が大きく、介護者Bにとって負荷が大きい状況であると考えられる。そして、必要な介護内容は被介護者A’とほぼ同様である。従って、介護者Aと被介護者A’との関係と、介護者Bと被介護者B’との関係との間には類似性があると判断できる。しかし、例えば被介護者A’に対して必要な介護内容が非常に軽微(第1の条件内の介護)であるのに対し、被介護者B’に対しては全介助(第2の条件内の介護)が必要だとすれば、体格差は似ていても、介護者Aと被介護者A’との関係と、介護者Bと被介護者B’との関係との間に類似性がないと判断され得る。
【0028】
更に、介護者Cと被介護者C’との間の身長差が例えば40cm以上50cm未満で、体重差が例えば50kg以上60kg未満で、介護者C及び被介護者C’の性別が共に男性で、必要な介護等がある第1の条件内にあったと仮定する。すると、この状況は、介護者が男性ではあるが、身長差も体重差も大きく、介護者Cにとって負荷が大きい状況であると考えられる。すると、介護者にとって負荷が大きいという点では介護者Aと被介護者A’との関係と似てはいるが、介護者Cと被介護者C’との間の体格差はあまりにも大きい。従って、このような場合には、介護者Aと被介護者A’との関係と、介護者Cと被介護者C’との関係との間に類似性がないと判断され得る。
【0029】
介護者と被介護者との関係の類似性は、更に別の基準を用いてもよい。例えば第1判断部152は、例えば第1情報107(及び第2情報108)に基づいて、被介護者の介護状況の類似性を判断する。より具体的には、広告表示対象となる被介護者と介護状況が類似する他のユーザ(被介護者)を検索する。本例における介護状況の類似性について説明する。
【0030】
例えば、被介護者A’に対しては全介助が必要であったと仮定する。また、被介護者B’に対しては、全介助までは必要ではないが、食事は自分で可能であるが、自力歩行は困難であり、入浴や排泄に介助が必要であったとする。すると、被介護者B’は、全介助が必要な状況にかなり近いと言うことができる。よって、この場合には被介護者A’の介護状況と被介護者B’の介護状況には類似性があると判断され得る。
【0031】
他方で、被介護者C’は自力での歩行、食事、及び排泄は可能であるが、入浴には介助が必要であったとする。すると、被介護者C’に必要な介助内容は被介護者A’に比べて軽微であり、両者の介助状況には類似性がないと判断され得る。
【0032】
また、被介護者の介護状況は、第1情報107だけでなく、センサから受信される第2情報108に基づいてもよい。すなわち、被介護者の介護状況は時間と共に変化する。従って、センサから受信したデータに基づき、被介護者の介護状況をリアルタイムに判断してもよい。センサから受信したデータに基づいて介護状況を判断する方法の例については、第3実施形態で説明する。
【0033】
更に、日本の介護保険制度では被介護者の状態によって認定される介護レベルが異なる。よって、この介護レベルに基づいて類似性を判断してもよい。介護レベルにつき、以下、簡単に説明する。介護レベルは、基本的に要介護認定等基準時間に基づいて決定される。要介護認定等基準時間は、直接生活介助、間接生活介助、BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)関連行為、機能訓練関連行為、及び医療関連行為の5分野を考慮して決定される。そして、以下の基準に基づいて介護レベルが決定される(最終的な要介護認定には、更に介護認定審査会での二次判定を必要とする)。
【0034】
・要支援1:要介護認定等基準時間が25分以上32分未満又はこれに相当すると認められる状態。
・要支援2・要介護1:要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態。
・要介護2:要介護認定等基準時間が50分以上70分未満又はこれに相当すると認められる状態。
・要介護3:要介護認定等基準時間が70分以上90分未満又はこれに相当すると認められる状態。
・要介護4:要介護認定等基準時間が90分以上110分未満又はこれに相当すると認められる状態。
・要介護5:要介護認定等基準時間が110分以上又はこれに相当すると認められる状態。
【0035】
被介護者がどの介護レベルに認定されているかは、例えば第1情報107等から得られる。そして第1判断部152は、例えば要支援1と要支援2との間、要介護1と要介護2との間、要介護3と要介護4との間、及び要介護4と要介護5との間に類似性がある、と判断する。もちろん、本例も一例に過ぎず、その他の基準によって介護状況の類似性が判断可能である。
【0036】
なお、上記は一例に過ぎず、第1判断部152は種々の条件に基づいて、介護者と被介護者間での類似性を判断する。
【0037】
第2判断部153は、あるユーザの情報端末20a及び20bに広告を表示させる際に、例えば第3情報109に基づいて、環境の類似性を判断する。より具体的には、広告表示対象となるユーザと生活環境が類似する他のユーザを検索する。本例における環境の類似性について説明する。
【0038】
先に述べたように、被介護者A’とB’とが共に1週間に1回、病院に通院すると仮定する。この際、被介護者A’は自動車で病院へ行き、殆ど歩く機会がない。他方で被介護者B’は徒歩で病院へ行き、そのほかにも歩く機会が多い。そうだとすると、両者の生活環境において、少なくとも「歩く」という点について類似性は低い、と言える。他方で、被介護者C’は、毎日1時間、散歩をするとする。とすると、被介護者C’とB’との間には、程度の差は少しあるものの、環境の類似性がある程度認められ得る。
【0039】
このように第2判断部153は、生活環境の観点から、介護者及び被介護者の類似性を判断する。
【0040】
履歴確認部154は、あるユーザの情報端末20a及び20bに広告を表示させる際に、第4情報110を参照する。そして、各ユーザが過去に購入した商品を確認する。但し、表示すべき広告は、必ずしも第4情報110に保持された過去の購入商品に限られるわけではない。そのような場合には、履歴確認部154は第4情報を参照する必要はない。例えば、後述する第1商品検索部157及び第2商品検索部159が、購入履歴にかかわらず、現在の売れ筋商品を広告するよう決定してもよい。
【0041】
第1商品検索部157は、第1判断部152及び第2判断部153における類似性判断の結果に基づいて、ユーザの情報端末20a及び20bに表示させるべき商品を決定する。モード制御部158は、第2商品検索部159を有効または無効にする。第2商品検索部159は、モード制御部158によって有効にされている際に、第1商品検索部157よりも細かい観点で、ユーザの情報端末20a及び20bに表示させるべき商品を決定する。第1商品検索部157及び第2商品検索部159の動作の詳細については、後述する1.2の項にて説明する。
【0042】
商品広告部155は、通信部101に対して、第1商品検索部157及び第2商品検索部159において決定された商品についての広告情報を情報端末20a及び20bに送信させる。
【0043】
購入受け付け部156は、ユーザにより商品の購入を受け付ける。そして、その後の代金支払いや商品発送方法等の処理を司る。
【0044】
1.2 動作
次に、本実施形態に係る広告提供システムの動作につき、特にサーバ10の動作に着目して説明する。図5はサーバ10の動作を示すフローチャートであり、図中の各処理は主にプロセッサ102により実行される。本例では、本広告提供システムのウェブサイトから、例えば介護保険制度の適用を申請して介護用ベッドを過去に購入またはレンタルした第1ユーザ(介護者A及び被介護者A’)に対して広告を提供する場合を例に説明する。
【0045】
図示するようにサーバ10は、介護用ベッド購入時において、第1ユーザの情報端末20a及び/または20bから、第1ユーザに関する身長や体重等の情報を受け付ける。これにより、第1ユーザに関する第1情報107がRAM105内に保持される。また、介護保険制度において認定された介護レベルもまた、いずれかのタイミングで第1情報107に保持される。そして、介護用ベッドに付属する必要なセンサと共に、第1ユーザに対して介護用ベッドが発送される。以後、サーバ10は、ネットワーク2を介してセンサからのデータを受け付ける。これにより、第1ユーザに関する第2情報108がRAM105内に保持される。
【0046】
そして、第1ユーザが介護用ベッドの使用を開始して後、第1ユーザから本広告提供システムのウェブサイトへのログインを受け付けたとする(ステップS100)。前述の通り、ステップS100の処理は、アクセス許可部151によって行われる。アクセス許可部151が第1ユーザによるアクセスを許可すると、第1判断部152及び第2判断部153が、第1ユーザに関するデータを読み出す(ステップS101)。そして前述のように、第1判断部152は、例えば第1情報107及び第2情報108に基づいて、介護者と被介護者との間の関係性において類似性のある他のユーザを検索する。他方で第2判断部153は、例えば第3情報に基づいて、生活環境において類似性のある他のユーザを検索する(ステップS102)。そして、介護者と被介護者との間の関係性に類似性があり、且つ生活環境においても類似性のある他のユーザが発見された際には、履歴確認部154及び商品広告部155は、発見されたユーザの過去の購入履歴に基づいて、商品広告を表示させる(ステップS103)。
【0047】
ステップS102及びS103の処理の概念を、図6を用いて説明する。図6は、縦軸に介護者と被介護者の類似性を示し、横軸に生活環境の類似性を示すグラフである。図示するように、第1判断部152は、第1情報107に登録されているユーザのうち、4組のユーザ(介護者B/被介護者B’、C/C’、D/D’、及びE/E’)が、第1ユーザ(介護者A/被介護者A’)と類似性があると判断している。他方で第2判断部153は、A/A’の生活環境CN1は、B/B’の生活環境CN2、C/C’の生活環境CN3、及びE/E’の生活環境CN5とは類似性があるが、D/D’の生活環境CN4とは類似性が無いと判断した。
【0048】
すると履歴確認部154は、介護者と被介護者との間での類似性と、生活環境における類似性の両方を満たすユーザB/B’、C/C’、及びE/E’の購入履歴HB、HC、及びHEを参照する(ユーザA/A’の購入履歴HAを参照してもよい)。そして、これらの情報に基づいて、広告表示すべき商品を決定する。この際、類似するユーザの多くが購入している商品を優先的に広告表示することが望ましい。最も望ましいのは、類似する他のユーザの全員が購入している商品である。または、類似する他のユーザ全員ではないが、その中で最も多くのユーザに購入されている商品である。このような商品は、広告表示の優先度が最も高くされる。
【0049】
以上のようにして商品の広告が表示された、第1ユーザの情報端末20a及び20bの表示画面の例を図7A及び図7Bに示す。図7Aは、介護者Aがログインした場合について示している。介護者Aがログインしている場合、履歴確認部154及び商品広告部155は、類似性のある他のユーザB/B’、C/C’、及びE/E’のうち、介護者B、C、及びEの購入履歴に基づく商品が表示される。図7Aの例であると、介護者A自身の購入履歴に基づく商品IT-A1(例えばベッド)、IT-A2(例えばベッド)、介護者Bの購入履歴に基づく商品IT-B1(例えば歩行器)、IT-B2(例えば歩行器)、及び介護者Cの購入履歴に基づく商品IT-C1(例えば杖)が広告表示される。
【0050】
図7Bは、被介護者A’がログインした場合について示している。被介護者A’がログインしている場合、履歴確認部154及び商品広告部155は、類似性のある他のユーザB/B’、C/C’、及びE/E’のうち、被介護者B’、C’、及びE’の購入履歴に基づく商品を表示させる。図7Bの例であると、被介護者A’自身の購入履歴に基づく商品IT-A’1(例えば雑誌)、IT-A’2(例えば小説)、被介護者B’の購入履歴に基づく商品IT-B’1(例えばゲーム)、IT-B’2(例えばゲーム)、及び被介護者C’の購入履歴に基づく商品IT-C’1(例えば眼鏡)が広告表示される。
【0051】
図7A及び図7Bに示すように、ログイン画面では、ログイン中のユーザの名前500、商品検索窓510、広告520、及びモード変更ボタン530が表示されている。そして図7Cに示すように、検索窓510が第1ユーザからの検索ワードを受け付けると(ステップS104、YES)、第1商品検索部157が、検索ワードに基づいて商品を検索する(ステップS105)。図7Cの例では、第1ユーザが「歩行器」を検索した場合を例に示している。すると第1商品検索部157は、全商品の中から歩行器を検索し、更に検索された歩行器の中から、図6の関係を満たす歩行器を絞り込む(ステップS106)。つまり、検索された歩行器の中から、介護者と被介護者との関係性が類似し、且つ生活環境が類似するユーザの購入した商品に絞り込む。そして商品広告部155は、第1商品検索部157で得られた商品を表示する(ステップS107)。この様子を図7Dに示す。図示するように、商品広告520は全て歩行器である。これらは、介護者Bの購入した商品IT-B1及びIT-B2、被介護者B’の購入した商品IT-B’3、介護者Cの購入した商品IT-C2、及び介護者Dの購入した商品IT-D1である。なお、これらの商品は全て歩行器であるが、それぞれ細かな種類が異なる。これを示しているのが、各商品についての“type I”, “type II”, “type III”, 及び”type V”なる記載である。すなわち、歩行器であっても、様々な種類がある。例えば四脚歩行器、固定型歩行器、交互型歩行器、キャスター付き歩行器、及びモーター付き歩行器等である。このように、同じカテゴリの商品であっても、更に細かい分類を、以下では“type”と呼ぶ。
【0052】
そして、例えば第1ユーザが、商品IT-B’3を選択したとする(ステップS108、YES)。すると、例えば商品広告部155が商品IT-B’3の詳細を表示する(ステップS109)。これはtype IIの歩行器である。そして第1ユーザが、このtype IIの歩行器購入する場合には、購入受け付け部156が処理する。
【0053】
その後、第1ユーザが例えばブラウザの「戻る」ボタンを押すこと等により、前画面に戻る命令を受け付けた際には(ステップS110、YES)、第1モードが選択されている際には(ステップS111、YES)、商品広告部155は、ステップS106で得られた商品の広告を表示する(ステップS112)。つまり、図7Dに示すように、種々のtypeの歩行器が表示される。
【0054】
他方で第1モードが選択されていない場合(これを第2モードと呼ぶ、ステップS111、NO)、モード制御部158は第2商品検索部159を有効にする。そして第2商品検索部159は、第1商品検索部157によるステップS106の検索結果を、ステップS108で第1ユーザによって選択された商品と類似性のある商品に絞り込む(ステップS113)。つまり、同一カテゴリの商品内において、ステップS108と商品間での類似性のある商品を選択する。本例における商品間の類似性が、上記説明した“type”である。すなわち、ステップS108ではtype IIの歩行器が選択された。従って第2商品検索部129は、ステップS106の検索結果のうち、type IIの歩行器を選択する。そして商品広告部155は、第2商品検索部159において得られたtype IIの歩行器の広告を表示する(ステップS114)。この様子を図7Eに示す。
【0055】
第1モードと第2モードの切り替えは、ユーザによる例えばモード変更ボタン530の選択によって行われる。モード変更ボタン530の選択を受け付けることで、モード制御部158は第2商品検索部を有効にしたり無効にしたりする。
【0056】
1.3 本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、ユーザに対してより有用な商品を提案できる情報処理装置及び情報処理方法を提供できる。本効果につき、以下、詳細に説明する。
【0057】
現代社会では、様々な商品がインターネットを利用して売買されている。そのため、介護用品等の購入方法も、実店舗で購入より、インターネットを利用したウェブサイト上での購入が主流になっていくことが予想される。そのため、介護用品等の販売業者にとっては、如何に効率的な宣伝広告をユーザに提供できるかが重要となる。
【0058】
そこで本実施形態に係る広告提供システムでは、まず下記2つの類似性を判断する。
【0059】
・介護者と被介護者との間の関係性についての類似性
・介護者及び/または被介護者の生活環境についての類似性
つまり、介護者と被介護者との間の関係性が類似していれば、まずその点で両者が欲しいと感じる商品は似てくる可能性が高い。更に、生活環境についても類似していれば、その可能性は更に高まる。つまり、ユーザに対して無駄な広告表示を極力抑え、効果的な広告を提供できる。
【0060】
介護の現場で必要とされる商品は種々の複雑な要因に基づく。そしてその要因は、一般的な趣味的商品が選択される要因とは異なるのが一般的である。この要因のひとつとして、例えば介護者と被介護者との間の関係性が考えられる。前述のように、介護者と被介護者との間の関係は、特に介護者による介護作業の負担の大小に大きく影響しやすい。また、介護者や被介護者の生活環境もまた、上記要因のひとつになり得る。なぜなら、生活スタイルは介護者の負担に直接影響しやすいからである。
【0061】
従って本実施形態では、介護者と被介護者との間の関係性に類似性があり、且つ生活環境に類似性があるユーザを検索する。なぜなら、この2つの類似性を共通に有するユーザ間では、介護者の負担の大小や、必要な介護内容の種類が類似していると考えられるからである。そして、その結果として一方のユーザは他方のユーザと似たような商品が必要な状況にあると考えられるからである。更に本実施形態では、上記2つの類似性に加えて、商品の類似性も考慮し得る。
【0062】
以上のように、本実施形態によれば、介護者と被介護者との間の関係性、介護者及び/または被介護者の生活環境、及び商品の類似性に基づいて、広告すべき商品を選択する。この結果、ユーザにとって、より役立つ商品を広告することができる。
【0063】
なお、本実施形態では介護用ベッドを購入したユーザに対する広告方法を例に説明したが、これは一例に過ぎず、その他の商品を購入したユーザに対する場合であっても同様である。例えば、介護保険を適用して車椅子を購入したユーザ等に対しても、同様の方法で広告商品を決定できる。そして、車椅子にセンサが取り付けられており、且つユーザが介護ベッドも使用していた場合には、車椅子のセンサとベッドのセンサの両方から与えられるデータに基づいて第2情報108が生成されてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、ステップS11~S114で説明した処理において、まず歩行器という大分類があり、第2商品検索部159がこの大分類の中から歩行器のtypeという小分類によって商品を絞り込む例を説明した。しかし、この分類の仕方は大分類から小分類への絞り込みであれば限定されない。例えば、初めにユーザが単なる「歩行器」ではなく、「キャスター付き歩行器」を検索し、そのいずれかを選択した際には、第2商品検索部159は、キャスター付き歩行器の中でも、ユーザによって選択されたキャスター付き歩行器と同種のキャスター付き歩行器を検索する。あるいは、逆に、初めにユーザが「歩行器」ではなく「介護用品」を検索し、そのうちの「歩行器」を選択した際には、第2商品検索部159は、複数の種類の歩行器(例えば四脚歩行器、固定型歩行器、交互型歩行器、キャスター付き歩行器、及びモーター付き歩行器等)を検索する。あるいは、初めにユーザが「キャスター付き歩行器」を検索し、あるメーカーの商品を選択した際には、第2商品検索部159は、キャスター付き歩行器の中でも、当該メーカーのキャスター付き歩行器を検索してもよい。
【0065】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る情報処理装置について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態において、被介護者が情報端末を用いて介護者に対して介護を要求し、その内容をサーバ10が蓄積し、被介護者の状況を判断する方法に関する。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0066】
2.1 情報端末20bの構成について
図8は、被介護者の保持する情報端末20bのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示するように情報端末20bは、通信部201、プロセッサ202、入出力部203、ROM204、及びRAM205を備えている。
【0067】
通信部201は、無線通信または有線通信によりネットワーク2との間で情報を送受信する。入出力部203は、被介護者からの命令を受け付け、またプロセッサ202での処理結果等を表示する。メモリ(例えばROM)204は、プロセッサ202によって実行されるプログラム(例えばオペレーティングシステム)や必要なデータを保持する。メモリ(例えばRAM)205は、プロセッサ202の作業領域として機能する。そしてRAM205は、種々のプログラムとデータとを保持する。プロセッサ202は、ROM204及びRAM205内のプログラムを実行することにより動作し、また効果的な広告をユーザに提供する。
【0068】
上記RAM205が保持するプログラム及びデータにつき、以下説明する。図8に示すようにRAM205は、介護プログラム206及び第6乃至第9情報206~210を保持する。
【0069】
まず、第6情報207について説明する。第6情報は、介護に関するデータである。具体的には、被介護者が介護者に対して要求可能な介護内容が含まれる。その一例としては、入浴介助、移乗介助、排泄介助、体位変換、衣類着脱介助、及び散歩補助などの身体介助、食事の準備、掃除・洗濯・ゴミ出し、日用品などの買い物代行、及び部屋の片付けなどの生活援助、並びに通院時の乗車・降車介助などが含まれる。
【0070】
第7情報208は、被介護者が要求した介護内容の履歴データである。また第7情報208には、介護内容だけでなく、介護を要求した日時や、その際のセンサデータが含まれていても良い。
【0071】
第8情報209は、被介護者を介護する介護者に関するデータであり、例えば介護者の氏名やメールアドレスなどの情報を含む。また、例えば介護者が複数いる場合、これらの複数の介護者の情報を含み、被介護者は介護を要求する介護者を選択することもできる。
【0072】
第9情報210は、センサデータである。情報端末20bは、例えば時間的に連続して、または離散的にセンサデータを受信し、それを保持する。第9情報210は、例えば、被介護者が介護を要求するタイミングの前後のある一定期間のデータのみを保持する場合であってもよい。
【0073】
介護プログラム206は、プロセッサ202により実行されることにより、プロセッサ202に対して、上記第6乃至第9情報206~210を用いて、ユーザの情報端末20bに介護アプリを実行させる。このアプリを用いることにより、被介護者は介護者に対して介護を要求できる。
【0074】
図9は、プロセッサ202によって介護アプリが実行された際に、被介護者の情報端末20bの表示画面の一例である。図示するように、ログイン名600として被介護者A’の氏名が表示され、被介護者A’の介護者情報610として介護者Aの氏名が表示されている。そして、介護者Aに対してリクエストする介護内容が表示されており、被介護者A’がいずれかの介護内容を選択することにより、その旨の内容が介護者A及びサーバ10に送信される。
【0075】
図10は、介護プログラム206を実行した際のプロセッサ202の機能ブロック図である。図示するようにプロセッサ202は、介護プログラム206を実行することにより、アクセス許可部251、入力受信部252、要求提示部253、要求受付部254、第1送信部255、及び第2送信部256として機能する。
【0076】
アクセス許可部251は、本実施形態に係る広告提供システムのウェブサイトへのユーザのアクセスを制御する。すなわちアクセス許可部151は、パスワードやID等の認証システムを用いて本人認証を行い、ウェブサイトへのユーザのアクセスを許可、または禁止する。もちろん、この機能は図4で説明したサーバ10のアクセス許可部151が実行してもよい。
【0077】
入力受信部252は、ユーザからの種々の情報の入力や、センサからの信号を受け付ける。要求提示部253は、第6情報(介護データ)206に基づいて、介護者が提供可能な介護メニューを表示部に表示する。要求受付部254は、要求提示部253によって提示された介護メニューに対する、被介護者からの選択を受け付ける。第1送信部255は、要求受付部254が被介護者からの選択を受け付けた際に、その旨と、例えば選択された介護内容を、選択されている介護者(図9の例では介護者A)の情報端末20aに送信する。第2送信部256は、要求受付部254が被介護者からの選択を受け付けた際に、その旨と、選択された介護内容とを、サーバ10へ送信する。この際、被介護者からの選択が受け付けられた前後の一定期間におけるセンサの測定データをサーバ10へ送信してもよい。
【0078】
2.2 サーバ10の構成について
図11は、本実施形態に係るサーバ10のプロセッサ102の機能ブロック図である。図示するようにプロセッサ102は、広告プログラム106を実行することにより、第1実施形態で図4を用いて説明した機能に加えて、第3判断部160として機能し得る。
【0079】
情報端末20bからの介護内容に関するデータは、サーバ10において例えば第1情報(入力データ)107の一種として保持され、その際のセンサデータは第2情報108として保持される。第3判断部160は、情報端末20bからの介護内容に関するデータ(及びセンサデータ)に基づいて、被介護者の生活環境を分析する。そしてその分析結果は、第3情報(環境データ)109として保持される。
【0080】
2.3 動作
次に、本実施形態に係る広告提供システムの動作につき、特に被介護者の情報端末20bの動作に着目して説明する。図12は、介護者の情報端末20a、被介護者の情報端末20b、及びサーバ10の動作を示すフローチャートであり、図中の各処理は主にプロセッサ102及び202により実行される。
【0081】
図示するように、まず情報端末20bは、被介護者の要求に従い、介護プログラム206を実行して介護アプリを起動する(ステップS200)。引き続き、情報端末20bのアクセス許可部251が被介護者によるログインを受け付け(ステップS201)、サーバ10のアクセス許可部151との間で認証処理を行う(ステップS120)。
【0082】
認証処理に成功すると、情報端末20bの要求提示部253が介護メニューを表示部に表示する(ステップS202)。この処理の前に、情報端末20bは被介護者から介護者の選択を受け付けてもよい。ステップS202の結果、情報端末20bの表示部には図9に示す画面が表示される。
【0083】
引き続き、情報端末20bの要求受付部254が、被介護者による介護メニューのうちのいずれかの選択を受け付ける(ステップS203)。すると、第1送信部255及び第2送信部256は、被介護者による介護要求の旨の情報(及びセンサデータ)を、情報端末20a及びサーバ10へ送信する。
【0084】
サーバ10では、第3判断部160が、受信した情報に従って、被介護者の生活環境を分析、分類する(ステップS121)。他方で、情報端末20aは、介護者からの要求を受信すると(ステップS300)、その旨を介護者に通知する。これにより介護者は、被介護者の求める介護を認識し、それを被介護者へ提供する。
【0085】
2.4 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成によれば、被介護者はアプリを用いて介護者に対して提供して欲しい介護内容を通知することができる。
【0086】
すなわち、介護者と被介護者とが同居している場合や、被介護者が介護施設で暮らしている場合であっても、介護者が一日24時間、被介護者から目を離さずにいることは困難である。例えば同居している場合であっても、介護者が食事の準備をしていたり、部屋の掃除をしていたりする間は、被介護者の様子を見ることは難しい。
【0087】
そこで本実施形態によれば、スマートフォンなどの情報端末を用いて被介護者は介護者に対して介護を頼むことができる。これにより介護者は、常に被介護者の近くに居る必要がなく、介護者及び被介護者、両方の生活の質を高めることができる。
【0088】
更に本実施形態によれば、介護アプリを用いることにより、被介護者が日常生活において必要とする介護の状況をサーバ10に集めることができる。具体的には、被介護者が必要とする介護の内容、介護を必要とする頻度、時間帯などである。これによりサーバ10は、被介護者が特にどのような点で介護を必要としているかを把握できる。
【0089】
更にサーバ10は、ベッド30に取り付けられたセンサからの情報と組み合わせることで、介護の状況をより詳細に知ることができる。例えば、被介護者が介護アプリにおいて「食事」ボタンを頻繁に選択したとする。すると、この被介護者は、一人で食事をすることがほぼ困難であるか、または自分の足で歩いて食事の用意をすることが困難であると予想できる。更に、食事中と思われる時間帯において、被介護者がベッド上に居ること示唆するデータをセンサがサーバ10に送信した場合には、被介護者はリビングのテーブルなどではなく、ベッド上で食事をしていることが分かる。更に、センサによって、ベッド上の被介護者の体勢が、背もたれ部分を起こした状態であることがわかり、且つその部分に大きな圧力がかかっていれば、被介護者は全身をベッドに預けた状態で食事を取っていると予想される。つまり、自分では食事を口に運ぶことができず、介護者による介助がなくては食事ができない状態であると推測できる。他方で、背もたれ部分にほとんど圧力がかかっていなければ、被介護者は上半身を起こした状態で食事を取っていると予想される。この場合には、介護者による介助がなくても被介護者は食事ができる可能性がある。
【0090】
別の例であると、例えばベッド30に取り付けられたセンサは、被介護者が頻繁に離床していることを示していたとする。しかし、それだけでは被介護者の生活状況を知ることは難しい可能性がある。この点、本実施形態であると、離床のタイミングと共に、介護アプリにおける「散歩」ボタンが選択されていたとすれば、被介護者の離床は散歩のためであったことが分かる。更にこの際、被介護者が車椅子を購入しており、この車椅子にもセンサが取り付けられていたとする。車椅子のセンサは、車椅子がいつ、どの程度の期間利用されたか、どの程度移動したか等の情報をサーバ10に送信する。するとサーバ10は、この車椅子のセンサとあわせて分析することにより、被介護者の散歩が、ほぼ車椅子を用いたものであるか、それとも自力歩行によるものであるか、を判断することができる。これらの処理は、例えばサーバ10の第3判断部160が行う。
【0091】
以上のように、本実施形態に係る介護アプリを用いることにより、センサだけからでは得られない情報をサーバ10に蓄えることができる。その結果、介護者及び被介護者に対して、より効果的な広告を提供できる。
【0092】
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る情報処理装置について説明する。上記第1及び第2実施形態では、介護用ベッドを過去に購入またはレンタルしたユーザ(介護者Aまたは被介護者A’)に対する広告を提供する場合について説明した。本実施形態は、上記第1及び第2実施形態において、介護保険申請を含めた介護用ベッドの購入及びレンタルまでの過程に関するものである。
【0093】
3.1 サーバ10の構成について
図13は、本実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示するようにサーバ10は、第1実施形態で説明した図2の構成において、例えばRAM105に第10情報112及び第11情報113を更に保持するものである。更に本実施形態に係る広告プログラム106は、第1及び第2実施形態で説明したような広告表示だけでなく、商品の販売やレンタルを受け付ける機能を有する。もちろん、広告表示するための広告プログラム206の他に別途、商品の販売やレンタル処理を司るためのプログラムが用意されていてもよい。
【0094】
第10情報112は、商品関連データを保持する。商品関連データとは、例えばユーザが介護用ベッドの購入またはレンタルを希望した場合、当該ベッドに適合または推奨されるセンサ等の情報や、当該ベッドと共に使用するのに適した車椅子等の他の商品に関する情報である。あるいは、詳細は後述するが、介護保険を申請する際に必要と思われるデータを得るために適切または推奨されるセンサ等の情報である。つまり、ある商品と、当該商品と共に利用することが推奨される他の商品との関係を示しているのが第10情報112である。
【0095】
第11情報113は、介護保険申請に関するデータを保持する。例えば第11情報113は、介護保険を申請するために必要な情報や、これらの情報をユーザから受け付けるためのフォーマットデータなどを保持する。具体例については後述する。
【0096】
広告プログラム106は、前述のように、第1実施形態の図5で説明した広告表示だけでなく、ユーザからの商品検索を受け付け、更にユーザからの商品の購入及びレンタル命令を受け付ける。図14は、本実施形態に係る広告プログラム106を実行した際のプロセッサ102の機能ブロック図である。図示するようにプロセッサ102は、第2実施形態で説明した図11の機能に加えて、第3商品検索部161、第4判断部162、第4商品検索部163、保険申請部164、及び第5判断部165として機能する。
【0097】
第3商品検索部161は、ユーザから受け付けた検索ワードに基づいて、例えば第5情報(商品データ)から対象商品を検索する。第4判断部162は、ユーザから受信した例えばセンサの画像データを参照し、当該センサの種類(例えば型番など)を特定する。もちろん、センサは一例であり、その他の商品(例えば車椅子、杖、その他の商品)についても特定可能である。第4商品検索部163は、第4判断部162で特定された結果に基づいて商品を検索する。例えば、ユーザからある検索ワードを受信し、且つ第4判断部でセンサが特定された場合、検索ワードに関連付けられた商品群のうち、特定されたセンサに適合し、または当該センサと共に使用することが推奨される商品を検索する。保険申請部164は、介護保険の申請に必要な情報入力をユーザにうながす。この際、第1実施形態で説明した介護者と被介護者との関係性や、生活環境に関する情報の入力を受け付けてもよい。また、受け付けた情報に基づいて介護保険申請書類を作成し、例えばインターネットを介して介護保険の申請を行ってもよい。第5判断部165は、介護保険の申請のために必要な情報が揃っていない場合、第5情報111の商品データにおける、当該情報を得るために必要な商品(主にセンサ等)の有無を判断する(検索する)。
【0098】
3.2 動作
次に、本実施形態に係る広告提供システムの動作につき、特にサーバ10の動作に着目して説明する。図15はサーバ10の動作を示すフローチャートであり、図中の各処理は主にプロセッサ102により実行される。本例では、第1実施形態で説明した第1ユーザ(介護者A及び被介護者A’)が、本広告提供システムのウェブサイトから介護保険制度の適用を申請して介護用ベッドをレンタルする場合を例に説明する。
【0099】
図示するようにサーバ10は、本広告提供システムのウェブサイトにおいて、ユーザからの検索ワード(本例では「介護用ベッド」)を受け付ける(ステップS130)。すると第3商品検索部161が、検索ワードに基づいて第5情報111の商品データを検索し、当該検索ワードに対応する商品一覧を、第1ユーザの情報端末20a及び/または20bに表示させる。この様子を示しているのが図16Aである。図示するように、商品検索窓510に「介護用ベッド」が入力された結果、第3商品検索部161が対象商品を検索し、検索された商品IT1~IT5を表示する。表示される商品は、全てが介護用ベッドであってもよいし、介護用ベッドの他に通常のベッドが含まれてもよいが、この場合には介護用ベッドが優先的に表示される。
【0100】
そして、第1ユーザがいずれかの商品を選択すると(ステップS132)、例えば第3商品検索部161は、選択された商品の詳細を、第1ユーザの情報端末20a及び/または20bに表示させる(ステップS133)。この様子を示しているのが図16Bである。図16Bの例では、商品IT1(介護用ベッド)が選択された際の様子を示している。また商品詳細表示の際には、介護保険申請ボタン560、レンタルボタン561、及びセンサ読み込みボタン562が表示される。
【0101】
第1ユーザが既に介護用ベッドに使用可能なセンサを有している場合(ステップS134、YES)、第1ユーザは「センサ読み込み」ボタン562を選択する。これにより、第1ユーザは、既に有しているセンサの画像データをサーバ10に送信できる。サーバ10は、通信部101によりこの画像データを受信し(ステップS135)、第4判断部162が当該センサを特定し、第4商品検索部163は、特定されたセンサに合致する商品(介護用ベッド)を検索し、表示する(ステップS136)。そして、第1ユーザがいずれかの商品を選択する(ステップS137、S138)。
【0102】
引き続き、図16Bに示す画面において、第1ユーザが「介護保険申請」ボタン560を選択する(ステップS139)。すると、保険申請部164が、介護保険の申請に必要な情報の入力を第1ユーザに対してうながす。例えば図16Cに示す画面を表示させ、必要なデータの入力を求める。図16Cでは、例えば被介護者A’の身長、体重に加えて、寝返りが可能か否か、起き上がりは可能か否か、屋内歩行は可能か否か、あるいは他に使用している介護サービスや福祉用具などの情報の入力を求めている。しかし図16Cは一例に過ぎず、種々のデータ入力を求めることができる。また本ステップでは、被介護者A’の情報だけでなく、介護者Aの情報の入力を求めてもよい。この結果、第1実施形態で説明した第1情報107が得られ、サーバ10は介護者Aと被介護者A’との関係性を認識できる。また、この入力情報に基づいて、介護者及び被介護者の生活環境に関する情報が一部、得られる場合もあり得る。
【0103】
介護保険申請のための情報を受け付けた後、第5判断部165は、第1ユーザが既に有しているセンサだけで、介護保険を受けるための情報が得られるか否かを判断する。そして、更にセンサが必要と判断した場合には、必要なセンサを検索し、その広告を第1ユーザの情報端末20a及び/または20bに表示させる(ステップS140)。この様子を示しているのが図16Dである。図16Dでは、先に述べた図16Bの画面において、更に商品IT-S1~IT-S3(いずれもセンサ)の広告563が表示されている。これにより、介護保険が認定されるよう、必要なセンサの購入を第1ユーザに促す。
【0104】
その後、第1ユーザが「レンタル」ボタン561を選択することにより、購入受付部156が当該商品のレンタル(または購入)を受け付ける(ステップS141)。介護用ベッドのような商品の場合には、ユーザは商品を購入するよりもレンタルすることが一般的である。従って、以下の実施形態でも介護用ベッドをレンタルする場合を例に説明するが、購入する場合であっても同様である。
【0105】
その後、サーバ10は、選択された介護用ベッドとセンサとを第1ユーザへ配送する手続を開始する。
【0106】
3.3 本実施形態に係る効果
本実施形態によっても、ユーザに対してより有用な商品を提案できる情報処理装置及び情報処理方法を提供できる。
【0107】
すなわち、本実施形態であると、ユーザが既にセンサを有していた場合、これに適合する商品を広告表示する。よってユーザは、購入済みのセンサを無駄にすることなく、新しい商品を購入することができる。また、図16Dに示すように、購入商品が決定された後には、介護保険制度の適用を受けるために必要とされる、または使用が推奨されるセンサ等の関連商品が広告表示される。従って、ユーザが必要なセンサを探す手間が省け、利便性を向上できる。
【0108】
更に本実施形態では、介護保険の申請をサーバ10が受け付ける。そして必要な情報が集まった後には、サーバ10から介護保険の申請を行う。また、必要であれば、ケアマネージャへの連絡などを、ユーザからではなくサーバ10から行うことができる。場合によっては、ケアマネージャによる業務は、サーバ10の有するAI機能によって代替されてもよい。このようにユーザは、煩雑な介護保険の申請手続きを行う必要がなく、この点でもユーザの利便性を高めることができる。
【0109】
なお、上記実施形態では、ステップS140で、介護保険の申請に必要なセンサの広告を表示する場合を例に説明した。しかし第5判断部165は、介護保険に関係なく、購入を決定された商品(上記の例では介護用ベッド)に適合する他の商品を検索して、広告表示してもよい。例えば、車椅子、床ずれ防止用具、歩行器、及び排泄処理装置などであってもよい。
【0110】
例えば介護用ベッドを既に購入済みのユーザが車椅子を購入する場合、ユーザはステップS131において車椅子を検索し、サーバ10は車椅子一覧を表示させる。そして、ステップS135においてサーバ10は、ユーザが使用中の介護用ベッドの画像データを受信し、ステップS136でこの介護用ベッドの種類、型番などを特定する。更にサーバ10はステップS136において、ユーザが使用している介護用ベッドと共に使用しやすい車椅子を検索する。すなわち、介護用ベッドには種々の種類の商品があり、車椅子もまた同様である。両者の組み合わせによっては、例えばベッドから車椅子への移動が困難であったり、逆に車椅子からベッドへの移動が困難であったりする場合もあり得る。また、当初よりセットで使用されることが予定されて設計された介護用ベッドと車椅子もあり得る。サーバ10は、これらの情報を第10情報112(商品関連データ)として保持し、この情報に基づいて、適切な車椅子をユーザに推奨できる。また、車椅子を購入する場合にも、サーバ10は車椅子に設置可能なセンサを広告表示させてもよい。
【0111】
なお、上記実施形態では、ユーザがいずれかの商品を選択した際に(ステップS132、S133)、センサ画像を受け付ける場合を例に説明した。しかし、例えばステップS132においてユーザからの選択を受け付ける前に、ステップS135を実施してもよい。すなわち、ステップS131においてベッド一覧を表示した後、画像データをサーバ10に送信することで、表示されるベッドを、センサに適合するベッドに絞り込んでもよい。その他、可能な限り処理の順序は入れ替えることができる。
【0112】
4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係る情報処理装置について説明する。通常、介護用ベッドのような大型の介護用品を購入またはレンタルする際には、実際に購入またはレンタルする前に、ユーザによる試用期間が設けられることが一般的である(以下、この期間を「評価期間」と呼ぶことにする)。この評価期間においては、センサの設置が適切か否かの判断、センサを用いての種々のデータ収集、及び介護保険適用申請などの処理をサーバ10が行う。また、この評価期間の結果に基づき、ユーザは実際に購入またはレンタルする商品を決定できる。本実施形態は、この評価期間におけるサーバ10の処理に関するものである。なお、上記第3実施形態は、評価期間の前の期間におけるサーバ10の処理に相当する。
【0113】
4.1 サーバ10の構成について
図17は、本実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示するようにサーバ10は、第3実施形態で説明した図13の構成において、例えばRAM105に第12情報114、第13情報115、及び第14情報116を更に保持するものである。本実施形態に係る広告プログラム106は、第1乃至第3実施形態で説明したような機能に加えて、商品使用時におけるユーザサポートや、介護保険が適用されるか否か判断する機能を有する。もちろん、これらの機能を実行するために、広告プログラム106とは別途、別のプログラムが用意されていてもよい。
【0114】
第12情報114は、ベッドや車椅子等のセンサ取り付け可能な商品における、センサ取り付け可能位置に関する情報を含む。また、単に取り付け可能位置に関する情報だけでなく、複数の取り付け可能位置のうちで特に推奨される位置に関する情報や、取り付け手順に関する情報も含み得る。
【0115】
第13情報115は介護履歴データである。すなわち第13情報115は、第2実施形態で説明した第8情報209と同様の情報であり、例えば情報端末20bから情報209を受信することにより得られる情報である。
【0116】
第14情報116は、介護保険制度の認定基準に関するデータを含む。認定基準に関しては、第1実施形態で説明したとおりである。
【0117】
広告プログラム106は、前述のように、第1実施形態の図5及び第3実施形態の図15で説明した機能だけでなく、ユーザがベッドにセンサを取り付ける際のサポート、ユーザの性格判断、及び介護保険認定の可否の判断などを行う。図18は、本実施形態に係る広告プログラム106を実行した際のプロセッサ102の機能ブロック図である。図示するようにプロセッサ102は、第3実施形態で説明した図14の機能に加えて、設置位置表示部166、第6判断部167、第7判断部168、及び第8判断部169として更に機能する。
【0118】
設置位置表示部166は、例えばベッドなどの商品におけるセンサの取り付け可能位置や、取り付けられている位置を、ユーザの情報端末20a及び/または20bに表示させる。第6判断部167は、センサの設置位置が適切であるか否かを判断する。第7判断部168は、例えば第3実施形態で説明した図15のステップS139で得られた介護者及び/または被介護者に関する情報、並びに第1実施形態で説明した図3A及び図3Cに示す第1情報107及び第3情報109と、実際にセンサにより測定された結果などとの整合性を判断する。第8判断部169は、被介護者に介護保険が適用され得るか否かを判断する。
【0119】
4.2 動作
次に、本実施形態に係る広告提供システムの動作につき、特にサーバ10の動作に着目して説明する。図19はサーバ10の動作を示すフローチャートであり、図中の各処理は主にプロセッサ102により実行される。本例では、第3実施形態で説明した方法により、第1ユーザ(介護者A及び被介護者A’)が、本広告提供システムのウェブサイトから介護保険制度の適用を申請して介護用ベッドをレンタルした場合を例に説明する。
【0120】
第3実施形態の図15のステップS142において、第1ユーザに介護用ベッドが配送される。そして、前述の評価期間が始まる。レンタルしたベッドに設置すべきセンサがある場合(ステップS150、YES)、サーバ10は、第1ユーザの保有するセンサの画像データを受け付ける(ステップS151)。すなわち、第1ユーザの情報端末20aまたは20bは、例えばカメラ機能を有するスマートフォンであり、ユーザはこのカメラ機能を用いてセンサを撮影し、そのデータをサーバ10へ送信する。引き続きサーバ10は、ベッドの画像データを受け付ける(ステップS152)。すなわち、第1ユーザは情報端末20aまたは20bによりベッドを撮影し、そのデータをサーバ10へ送信する。
【0121】
すると、例えばベッド画像の受信、及び/またはセンサ画像の受信をトリガとして、設置位置表示部166がセンサの設置方法を、例えばAR(Augmented Reality)を用いて情報端末20a及び/または20bに表示させる(ステップS153)。この様子を図20Aに示す。図20Aは、第1ユーザの情報端末20aまたは20bの表示画面を示す。図示するように、撮影されたベッドの画像データ570上に、センサの設置可能位置が3箇所、矢印によって示されており、そのうちの1箇所が推奨位置として示されている。本処理は、例えば第4判断部162が、センサ画像からセンサの種類を特定し、更にベッド画像からベッドの種類を特定する。そして設置位置表示部166が、例えば第12情報114(センサ設置データ)に基づき、センサの設置可能位置を特定する。この際、設置位置表示部166は、図20Aにおいて、第1ユーザから設置希望位置の選択を受け付け、受け付けた設置希望位置へのセンサの設置方法を詳細に表示させてもよい。例えば、設置希望位置周囲の画像を拡大表示させ、文字情報や音声情報と共に、センサの設置方法を第1ユーザに伝えることができる。
【0122】
第1ユーザによりセンサがベッドに設置されると、第6判断部167が、センサが適切な位置に正しく設置されているか否かを判断する(ステップS154)。すなわち第6判断部167は、例えば再度、第1ユーザからセンサ画像を受信することにより、センサの設置位置が適切か否かを判断し、また設置されたセンサから試験的な信号を受信することにより、設置方法が正しいか否かを判断する。そして、設置位置及び/または設置方法が誤っていれば、設置位置表示部166が再度、センサの設置位置と方法を第1ユーザの情報端末20aまたは20bに表示させる。情報端末20aまたは20bにおける、センサが正しく設置された際の表示画面の例を図20Bに示し、誤って設置された際の表示画面の例を図20Cに示す。
【0123】
センサがベッドに正しく設置されると、実際の評価が開始される(ステップS155)。すなわち、サーバ10はセンサからデータを、時間的に連続または離散的に受信し(ステップS156)、第1実施形態で説明した第2情報108を得る。更にサーバ10は、第1ユーザの情報端末20a及び/または20bから、第2実施形態で説明した介護内容に関する情報を受信し(ステップS157)、第13情報115(介護履歴データ)を得る。
【0124】
引き続き第7判断部168は、第2情報108及び第13情報115から得られた結果に基づいて、介護者及び/または被介護者の状況を判断する。そして第7判断部168は、得られた状況が、第1ユーザによって申告された状況(第1情報(入力データ)107、第3情報(環境データ)109、及び第11情報(保険申請データ)113)と整合するか否かを判断する(ステップS168)。
【0125】
例えば、ユーザが使用するセンサには、血圧計、心拍数、呼吸数、及びベッド上での身体の動きなどのバイタルデータを収集するタイプが含まれる。そしてセンサは、得られたバイタルデータをサーバ10へ送信する。従って、例えばバイタルデータによって被介護者の起き上がりが検知された際に、それがベッドの背上げ動作によるものか、それとも自力での起き上がり動作であるかを、ベッドに設置され、ベッドの背上げ動作を検知できるセンサによって判断できる。そして、例えば起き上がり回数のうち、背上げ動作を用いたものである回数が一定の閾値以下であれば、被介護者は自力で起き上がることができる、と判断できる。
【0126】
また、被介護者の立ち上がりに関しては、体重に基づく圧力変化により判断できる。例えば、被介護者が何かによりかかりながら立ち上がる場合には、ベッド上において、ある場所にのみ局所的に体重がかかると考えられる。つまり、ベッド上において、体重のかかる範囲が小さくなり、且つその範囲における圧力が増大し、その後、圧力がゼロになるまでの期間が一定期間よりも長い場合には、自力での立ち上がりが難しい、と判断できる。
【0127】
更に、寝返りに関しては、上記バイタルデータを収集できるセンサにより、どの程度の時間間隔で寝返りがなされているかにより判断できる。例えば、寝返りの間隔が一定期間より長い場合には、自力では寝返りができない、と判断できる。
【0128】
食事や入浴に関しては、第13情報(介護履歴データ)115を利用する。すなわち、被介護者が離床した際に食事や入浴の要求がなされていない割合が一定以上であれば、自力で食事や入浴が可能と判断できる。但し、食事や入浴の要求がなされていないが、離床もしていない場合には、被介護者はほぼずっとベッド上で生活している、と判断できる。
【0129】
このようにして第7判断部168は、センサから実際に得られる情報と、ユーザが申告した情報との整合性を判断する。そして両者が整合していなければ(ステップS158、NO)、第7判断部168は、評価期間を延長したり、補完センサの広告を情報端末20a及び/または20bに表示したり、またはケアマネージャへ通知したりする(ステップS159)。
【0130】
整合している場合(ステップS158、YES)、第8判断部169が介護保険適用の可否を判断する(ステップS160)。前述の通り、現在の日本の介護保険制度においては、被介護者が要支援状態と認定されるか否かが、介護保険を受けられるか否かの基準にされる。最終的な判断は、市町村に設置される介護認定審査会で判定されるが、要介護状態の基準は明確に定められているため、申請する前の段階である程度は認められそうか否かを推定することができる。すなわち第8判断部169は、第1情報(入力データ)107、第2情報(センサデータ)108、第3情報(環境データ)109、第11情報(保険申請データ)113、第13情報(介護履歴データ)115に基づいて、現在の被介護者の状態を特定し、第14情報(要介護認定基準データ)116と比較することにより、被介護者が要介護認定される可能性を見積もる。そして、一定程度以上の可能性があれば(ステップS161、YES)、介護保険が適用される、と判断する。そして例えば図20Dに示す画面を情報端末20a及び/または20bに表示させる。図20Dであると、被介護者がレンタルしている商品情報573と共に、介護保険が適用可能な旨574と、このまま商品をレンタルし続けるか否かの問合せ575が表示される。
【0131】
他方で、一定程度未満の可能性であれば(ステップS161、NO)、介護保険は適用されない、と判断する。そして例えば図20Eに示す画面を情報端末20a及び/または20bに表示させる。図20Eであると、被介護者は介護保険の適用外である旨577が表示されると共に、例えば第4商品検索部163によって介護用ではない通常のベッドが検索されて、それらの広告578が表示される(ステップS162)。
【0132】
4.3 本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、例えばARなどを用いることにより、ユーザは商品にセンサを容易に設置することができ、ユーザの使い勝手を向上できる。
【0133】
更に本実施形態であると、評価期間においてサーバ10はセンサデータを収集し、集められたセンサデータに基づいて介護者及び/または被介護者の状況を把握する。この結果サーバ10は、ユーザにより申告された情報の正当性を判断できる。そして、十分な正当性があれば、サーバ10は、得られた情報に基づいて介護保険の認定を受けられるか否かの判断を行うことができ、介護保険申請の煩雑さを低減できる。
【0134】
また、情報の正当性に基づき、サーバ10は、介護者及び/または被介護者の性格を把握することができる。すなわち、実際に必要な介護の状態と申告した情報とが一致した場合、実際に必要な介護の程度が、申告した情報よりもかなり重い場合、そして、逆に実際に必要な介護の程度が、申告した情報よりもかなり低い場合などが想定され、いずれのケースであるかにより、介護者及び/または被介護者の性格が異なると思われる。そして、得られた性格に応じて、サーバ10は広告すべき商品を決定することができる。
【0135】
5.第5実施形態
次に、第5実施形態に係る情報処理装置について説明する。本実施形態は、上記第4実施形態で説明した評価期間後であって、被介護者が商品を実際にレンタルする段階における広告方法に関するものである。
【0136】
5.1 サーバ10の構成について
本実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成は、例えば第4実施形態で説明した図17と同様である。図21は、本実施形態に係る広告プログラム106を実行した際のプロセッサ102の機能ブロック図である。図示するようにプロセッサ102は、データ変換部170として機能することができる。データ変換部170は、センサから得られたデータを一定の基準に従って変換する。データ変換部170の詳細は、下記の5.2の項で説明する。
【0137】
5.2 動作
次に、本実施形態に係る広告提供システムの動作につき、特にサーバ10の動作に着目して説明する。図22はサーバ10の動作を示すフローチャートであり、図中の各処理は主にプロセッサ102により実行される。本例では、第1実施形態で説明した第1ユーザ(介護者A及び被介護者A’)が、評価期間を経て、本広告提供システムのウェブサイトから介護保険制度の適用を申請して介護用ベッドをレンタルする場合を例に説明する。
【0138】
第4実施形態の図20Dで説明したように、評価期間が終了するにあたってサーバ10は、第1ユーザに対して、試用中の商品を引き続きレンタルし続けるかを問い合わせる(ステップS170)。第1ユーザがレンタルし続ける場合には(ステップS170、YES)、サーバ10は第1ユーザに商品を使わせる。そして、第1実施形態で説明した方法により、第1ユーザの情報端末20a及び20bに広告を表示させる(ステップS171)。
【0139】
他方で、評価期間中とは異なる商品のレンタルを第1ユーザが希望する場合があり得る(ステップS170)。この場合には、サーバ10は別の介護用ベッドを第1ユーザに対して推奨(広告表示)する(ステップS172)。この場合には、サーバ10は、例えば第1実施形態で説明したステップS105~S107の方法によって、新たな商品を推奨してもよい。本方法は、ユーザ及び環境の類似性に基づいて、推奨する商品を決定する。別の方法としては、第3実施形態で説明したステップS136の方法によって、新たな商品を推奨してもよい。本方法は、ユーザが既に保有している商品(例えばセンサ)に基づいて、これに適合する商品を推奨する。
【0140】
そして、第1ユーザによって新たなベッドがレンタルされると(ステップS173)、サーバ10のデータ変換部170は、センサから受信するデータの標準化を実行し(ステップS174)、以後、標準化されたデータに基づいてユーザの状況を判断する。標準化について説明する。本例のように、評価期間に使用したベッド(及び/またはセンサ)と、実際にレンタルするベッド(及び/センサ)とが異なるケースがあり得る。すると、例えば用いるセンサが同じであっても、それが設置されるベッドの種類が異なっていたり、設置する場所が異なっていたりすると、得られるデータも互いに異なる場合がある。簡単な例であると、あるベッドとセンサの組み合わせであると、体重として50kgという情報が得られていたのに対して、別のベッドとセンサの組み合わせであると、体重として5kgという情報が得られる場合があり得る。当然ながら、後者の情報をそのまま利用することは、ユーザの状況分析を誤らせるため、データを標準化して、5kgという体重データを、50kgに変換する必要がある。これがデータの標準化である。体重以外のデータについても同様である。
【0141】
なお、データの標準化の際には、基本となるデータの相関関係を他のデータの変換に適用することが望ましい。そして基本となるデータとして適しているのが、先述の体重である。データの標準化にあたり、それぞれのベッドから得られるデータは、異なる関数を用いて標準化される。あるベッドXXを使用するときには、体重W(XX)=f1(p)と表され、別のベッドYYを使用するときにはW(YY)=f2(p)で表されたとする。ここでpはセンサの設置位置であり、f1及びf2はセンサの設置位置に関する関数である。すると、f1=g(f2)の関係を導き出せば、関数gを用いて他のデータの標準化が可能となる。
【0142】
5.3 本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、評価期間後に、評価期間で使用していた商品とは異なる種類の商品を用いる場合であっても、効果的な商品の広告をユーザに提供できる。また、データの標準化を図ることにより、センサから得られたデータの信憑性を高めることができる。
【0143】
6.変形例等
上記のように、実施形態に係る情報処理装置は、プロセッサとメモリとを備える。メモリは、第1の介助者と該第1の介助者により介助される第1の被介助者との間の関係性に関する第1情報(A/A’,図3A)と、第2の介助者と該第2の介助者により介助される第2の被介助者との間の関係性に関する第2情報(B/B’,図3A)と、第1の介助者及び/または第1の被介助者の商品購入履歴に関する第3情報(110,図2)と、第2の介助者及び/または第2の被介助者の商品購入履歴に関する第4情報(110,図2)とを保持する。そしてプロセッサは、第1情報(A/A’)と第2情報(B/B’)との類似性を判断する(user-similarity,S102,図5)。そして、第1情報と第2情報との間に類似性があると判断した際に、第1の介助者及び/または第1の被介助者(A/A’)に対して、第4情報(110 for B/B’)に基づく広告を提供する(S103,図5)。
【0144】
更にメモリは、第1の介助者及び/または第1の被介助者の生活環境に関する第5情報(A/A’=CN1,図3C)と、第2の介助者及び/または第2の被介助者の生活環境に関する第6情報(B/B’=CN2,図3C)を保持し、更にプロセッサは、第5情報(CN1)と第6情報(CN1)との類似性を判断する(condition-similarity,S102,図5)。そして、第1情報と第2情報との間に類似性があり、且つ第3情報と第4情報との間に類似性があると判断した際に、第1の介助者及び/または第1の被介助者(A/A’)に対して、第4情報(110 for B/B’)に基づく広告を提供する(S103,図5)。
【0145】
本構成によれば、より有用な商品をユーザに提案できる。なお、上記実施形態は一例に過ぎず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、サーバ10が、介護者と被介護者との間の関係性において類似性があり、且つ生活環境においても類似性のある他のユーザを検索し、この結果に基づいて広告すべき商品を決定する場合を例に説明した。しかし、介護者と被介護者との間の関係性において類似性と、生活環境においても類似性のいずれか一方のみが認められる場合に適用してもよい。つまり、上記実施形態では2つの類似性が認められるユーザを検索していたが、そのうちのいずれか一方だけが認められるユーザを検索する場合であってもよい。例えば図6において、縦軸の関係性における類似性と、横軸の関係性における類似性のいずれか一方のみが認められるユーザを検索してもよい。このことは、第2実施形態以降についても同様である。
【0146】
また、上記実施形態では、ユーザが主に介護用ベッドをレンタルし、その付属品としてセンサをレンタルする場合を例に説明した。しかし、もちろんベッドとセンサの組み合わせに限定されるものではない。
【0147】
なお、上記実施形態は下記の態様を含む。すなわち、
[1]プロセッサが、第1の介助者と該第1の介助者により介助される第1の被介助者との間の関係性に関する第1情報(A/A’,図3A)と、前記第1の介助者及び/または前記第1の被介助者の生活環境に関する第2情報(A/A’=CN1,図3C)とを、メモリから読み出すことと、
前記プロセッサが、前記関係性において前記第1情報に類似(user-similarity)する第2の介助者と該第2の介助者により介助される第2の被介助者(B/B’,図3A)を検索することと(S102,図5)、
前記プロセッサが、前記第1の介助者及び/または前記第1の被介助者(A/A’)に対して、前記第2の介助者及び/または前記第2の被介助者(B/B’,図3A)の購入履歴に基づく広告を提供すること(S103,図5)とを具備する情報処理方法。
[2]上記[1]において、前記プロセッサが、前記第1の介助者及び/または前記第1の被介助者の生活環境に関する第2情報(A/A’=CN1,図3C)を、メモリから読み出すこと、を更に備え、
前記プロセッサは、前記関係性において前記第1情報に類似(user-similarity)するだけでなく、前記生活環境において前記第2情報に類似(condition-similarity)する前記第2の介助者及び前記第2の被介助者(B/B’,図3A)を検索する(S102,図5)。
[3]上記[1]または[2]において、前記プロセッサが、前記第1の介助者または前記第1の被介助者(A/A’)から、商品検索要求を受け付けることと(S104,図5)、
前記プロセッサが、前記商品検索要求に基づいて商品を検索することと(S105,図5)、
前記プロセッサが、前記検索された商品のうち、前記第2の介助者及び前記第2の被介助者(B/B’)が購入した第1商品群に関する広告を提供すること(S106-S107,図5)とを備える。
【0148】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0149】
1…広告システム、2…ネットワーク、10…サーバ、20a、20b…情報端末、30…ベッド、101…通信部、102…プロセッサ、103…入出力部、104、105…メモリ、106、206…プログラム、107~116、207~210…データ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図21
図22