(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144044
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】撮影制御装置及び放射線撮影システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A61B6/00 320Z
A61B6/00 300S
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132398
(22)【出願日】2023-08-16
(62)【分割の表示】P 2019124140の分割
【原出願日】2019-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小宮 聡
(72)【発明者】
【氏名】金森 孝太郎
(57)【要約】
【課題】連携方式の異なる放射線発生装置と放射線撮影装置とを連携させるための撮影制御装置において、放射線発生装置と当該放射線発生装置に接続された周辺機器のいずれにもハードウェアインターフェースが備えられていない場合であっても、放射線発生装置と放射線撮影装置とを連携させることができるようにする。
【解決手段】撮影制御装置4は、放射線の照射を許可する旨のコマンドを、放射線を発生させる放射線発生装置1を制御するコンソール3へ送信することが可能な第一制御手段41と、制御信号を、制御信号に基づいて放射線画像を生成する放射線撮影装置5へ出力することが可能な第二制御手段41と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の照射を許可する旨のコマンドを、放射線を発生させる放射線発生装置を制御するコンソールへ送信することが可能な第一制御手段と、
制御信号を、前記制御信号に基づいて放射線画像を生成する放射線撮影装置へ出力することが可能な第二制御手段と、を備える撮影制御装置。
【請求項2】
前記第一制御手段は、第二制御信号を、前記第二制御信号に基づいて放射線を発生させる放射線発生装置へ出力することが可能である請求項1に記載の撮影制御装置。
【請求項3】
移動させることが可能に構成され、放射線を発生させる放射線発生装置と、
放射線の照射を許可する旨のコマンドを受信したことに基づいて前記放射線発生装置による放射線の発生を制御するコンソールと、
前記コマンドを前記コンソールへ送信する第一制御手段と、
制御信号に基づいて放射線画像を生成する可搬型の放射線撮影装置と、
前記制御信号を前記放射線撮影装置へ出力する第二制御手段と、を備える放射線撮影システム。
【請求項4】
相対的にエネルギーが低い第一放射線と相対的にエネルギーが高い第二放射線を順次発生させることが可能な放射線発生装置と、
放射線の照射を許可する旨のコマンドを受信したことに基づいて前記放射線発生装置による放射線の発生を制御するコンソールと、
前記コマンドを前記コンソールへ送信する第一制御手段と、
制御信号に基づいて、前記第一放射線に応じた第一放射線画像と前記第二放射線に応じた第二放射線画像を順次生成することが可能な放射線撮影装置と、
前記制御信号を前記放射線撮影装置へ出力する第二制御手段と、
前記第一放射線画像と前記第二放射線画像の差分画像を生成する画像生成手段と、を備える放射線撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影制御装置及び放射線撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線を発生させる放射線発生装置と、受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線撮影装置と、を用いて放射線撮影システムを構成するためには、放射線発生装置と放射線撮影装置とが連携して動作することが可能な状態とする必要がある。
ところが、放射線発生装置の連携方式と放射線撮影装置の連携方式とが、例えばメーカーが異なる等の理由により異なり、放射線発生装置と放射線撮影装置とを連携させることができない場合があった。例えば、放射線発生装置がソフトウェア(コマンドの送受信)によって周辺機器(例えばコンソール)と連携をとるものであるのに対し、放射線撮影装置がハードウェア(ケーブルを介した信号のオン/オフ)によって連携をとるものとなっている、といった場合である。
【0003】
そこで、近年、連携方式の異なる放射線発生装置と放射線撮影装置とを連携させるための技術が提案されている。
例えば特許文献1には、放射線照射装置に照射用同期信号を送信し放射線撮影装置に読出用同期信号を送信する制御ユニットを、放射線照射装置と放射線撮影装置とにそれぞれ接続し、各同期信号に基づいて放射線照射装置及び放射線撮影装置をそれぞれ動作させることについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の制御ユニットは、放射線発生装置又は放射線発生装置に接続された(放射線発生装置と連携する)周辺機器に設けられたハードウェアインターフェースを介して接続するものとなっている。
このため、放射線発生装置にも周辺機器にもハードウェアインターフェースが備えられていない場合、従来の制御ユニットを用いて連携方式の異なる放射線発生装置と放射線撮影装置とを連携させるためには、放射線発生装置、周辺機器及び放射線撮影装置のうちの少なくともいずれかの装置を改造する等の対策が必要であった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、連携方式の異なる放射線発生装置と放射線撮影装置とを連携させるための撮影制御装置において、放射線発生装置と当該放射線発生装置に接続された周辺機器のいずれにもハードウェアインターフェースが備えられていない場合であっても、放射線発生装置と放射線撮影装置とを連携させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る撮影制御装置は、
放射線の照射を許可する旨のコマンドを、放射線を発生させる放射線発生装置を制御するコンソールへ送信することが可能な第一制御手段と、
制御信号を、前記制御信号に基づいて放射線画像を生成する放射線撮影装置へ出力することが可能な第二制御手段と、を備える。
【0008】
また、本発明に係る放射線撮影システムは、
移動させることが可能に構成され、放射線を発生させる放射線発生装置と、
放射線の照射を許可する旨のコマンドを受信したことに基づいて前記放射線発生装置による放射線の発生を制御するコンソールと、
前記コマンドを前記コンソールへ送信する第一制御手段と、
制御信号に基づいて放射線画像を生成する可搬型の放射線撮影装置と、
前記制御信号を前記放射線撮影装置へ出力する第二制御手段と、を備える。
【0009】
また、本発明に係る他の放射線撮影システムは、
相対的にエネルギーが低い第一放射線と相対的にエネルギーが高い第二放射線を順次発生させることが可能な放射線発生装置と、
放射線の照射を許可する旨のコマンドを受信したことに基づいて前記放射線発生装置による放射線の発生を制御するコンソールと、
前記コマンドを前記コンソールへ送信する第一制御手段と、
制御信号に基づいて、前記第一放射線に応じた第一放射線画像と前記第二放射線に応じた第二放射線画像を順次生成することが可能な放射線撮影装置と、
前記制御信号を前記放射線撮影装置へ出力する第二制御手段と、
前記第一放射線画像と前記第二放射線画像の差分画像を生成する画像生成手段と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、放射線発生装置と当該放射線発生装置に接続された周辺機器のいずれにもハードウェアインターフェースが備えられていない場合であっても、連携方式の異なる放射線発生装置と放射線撮影装置とを連携させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る放射線撮影システムを表すブロック図である。
【
図2】
図1の放射線撮影システムが備える撮影制御装置を表すブロック図である。
【
図3】同実施形態に係る放射線撮影システムの動作の一例を表すタイミングチャートである。
【
図4】同実施形態の変形例に係る放射線撮影システムの動作を表すタイミングチャートである。
【
図5】同実施形態の変形例に係る放射線撮影システムを表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施形態や図面に記載されたものに限定されるものではない。
【0013】
〔1.放射線撮影システム〕
初めに、本実施形態に係る放射線撮影システム(以下、システム100)の概略構成について説明する。
図1は、システム100を表すブロック図である。
【0014】
システム100は、
図1に示すように、放射線発生装置(以下、発生装置1)と、照射指示スイッチ2と、コンソール3と、撮影制御装置4と、放射線撮影装置(以下、撮影装置5)と、を備えている。
このうち、発生装置1、コンソール3及び照射指示スイッチ2は、放射線照射システム100aを構成している。
【0015】
放射線照射システム100aを構成する各装置(発生装置1、照射指示スイッチ2及び
コンソール3)と撮影制御装置4とは、ソフトウェアを用いて互いに連携するようになっている。具体的には、各装置が通信ネットワークN(例えばイーサネット:登録商標)で互いに接続され、各種コマンドを送受信することによって連携するようになっている。
一方、撮影制御装置4と撮影装置5とは、ハードウェアで連携するようになっている。具体的には、両装置が信号ケーブルCで互いに接続され、出力している又は入力されている各種信号のオン/オフによって連携するようになっている。
【0016】
なお、システム100は、図示しない放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)や、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)等の他のシステムと接続可能となっていてもよい。
また、システム100は、撮影装置5を保持するための図示しない撮影台を備えたものであってもよい。
また、システム100は、撮影室内に据え付けられたものであってもよいし、回診車(発生装置1が移動させることが可能に構成され、撮影装置5が可搬型のもの)となっていてもよい。
【0017】
(1-1.発生装置)
発生装置1は、ジェネレーター11と、管球12と、を備えている。
【0018】
ジェネレーター11は、コンソール3から照射制御を受けたことを契機として、予め設定された撮影条件(例えば撮影形態(静止画撮影、動画撮影、その他の撮影)や、被写体に関する条件(撮影対象部位、体格、撮影方向等)、放射線の照射に関する条件(管電圧、管電流、照射時間、電流時間積(mAs値)等、撮影形態が動画撮影の場合には更にフレームレート)に応じた電圧を管球12へ印加するようになっている。
コンソール3が発生装置1に行う「照射制御」は、例えば照射を指示するコマンドの送信でもよいし、発生装置1へ出力している照射用タイミング信号のオン/オフの切り替えでもよい。
【0019】
管球12は、ジェネレーター11から電圧が印加されると、印加された電圧に応じた線量の放射線(例えばX線等)を発生させるようになっている。
【0020】
このように構成された発生装置1は、コンソール3から照射制御を受けたことを契機として、放射線を、設定された撮影条件に応じた態様で発生させる。
例えば設定された撮影形態が静止画撮影の場合、発生装置1は、所定線量の放射線を所定時間、一回だけ発生させる。
一方、設定された撮影形態が動画撮影の場合、発生装置1は、静止画撮影の場合よりも短い所定線量のパルス状放射線を所定周期で所定回数発生させる。
なお、動画撮影の場合には、発生装置1は、照射指示スイッチ2が操作されている間、放射線を発生し続けるようになっていてもよい。
【0021】
(1-2.照射指示スイッチ)
照射指示スイッチ2は、一段目信号及び二段目信号をコンソール3へ出力するようになっており、その操作態様に応じて一,二段目信号のオン/オフを切り替えるようになっている。
本実施形態における照射指示スイッチ2は、二段階操作が可能に押しボタン式のものとなっている。そして、一段目が押下されるとコンソール3へ出力する一段目信号をオンにし、二段目が押下されるとコンソール3へ出力する二段目信号をオンするようになっている。
なお、
図1には、照射指示スイッチ2が通信ネットワークNに接続された場合を例示したが、照射指示スイッチ2をジェネレーター11やコンソール3へ接続するようにしても
よい。
【0022】
(1-3.コンソール)
コンソール3は、PC、携帯端末、又は専用の装置によって構成されている。
本実施形態に係るコンソール3は、上記撮影条件を発生装置1に設定することが可能となっている。
また、コンソール3は、撮影制御装置4から放射線の照射を許可する旨のコマンド(以下、照射許可コマンド)を受信したことに基づいて発生装置1による放射線の発生を制御するようになっている。
具体的には、コンソール3は、照射許可コマンドを受信し、且つ照射指示スイッチ2から入力されている二段目信号がオンになっている場合に、設定された撮影条件に応じた照射制御を発生装置1へ行うようになっている。
【0023】
なお、コンソール3は、図示しない表示部を備え、設定した撮影条件を表示部に表示することが可能となっていてもよい。
また、コンソール3は、撮影装置5が生成した放射線画像を取得し、それを表示部に表示することが可能となっていてもよい。
また、コンソール3は、照射許可コマンドを受信しているか否か(放射線の照射が可能な状態か否か)を表示部に表示することが可能となっていてもよい。
【0024】
(1-4.撮影制御装置)
撮影制御装置4は、PC又は専用の装置によって構成されている。
また、撮影制御装置4は、読出用タイミング信号を撮影装置5へ出力するようになっている。
また、撮影制御装置4は、照射許可コマンドをコンソール3へ送信するようになっている。
この撮影制御装置4の詳細については後述する。
【0025】
(1-5.放射線撮影装置)
撮影装置5は、図示しない放射線検出部と、走査駆動部と、読み出し部と、信号入力部と、を備えている。
放射線検出部は、放射線を受けることで線量に応じた電荷を発生させる放射線検出素子やスイッチ素子を備えた画素が二次元状(マトリクス状)に配列されている。
走査駆動部は、各スイッチ素子のオン/オフを制御するようになっている。
読み出し部は、各画素から放出された電荷の量を信号値として読み出し、複数の信号値から放射線画像のデータを生成するようになっている。
信号入力部は、読出用タイミング信号を入力する(読出用タイミング信号用の信号ケーブルCを接続する)ためのコネクターを備えている。
【0026】
このように構成された撮影装置5は、例えば電源がオンにされたこと、撮影制御装置4と接続されたこと、撮影制御装置4から所定の制御信号を受信したこと等を契機として、撮影準備を開始する。具体的には、例えば読み出し部をウォームアップさせたり、オフセット補正用の暗画像を生成したりする。
また、撮影装置5は、撮影準備が完了すると、撮影制御装置4へ出力している準備完了信号をオンにするようになっている。
また、撮影準備が完了した後の撮影装置5は、撮影制御装置4から入力されている読出用タイミング信号がオンになったことを契機として放射線画像(フレーム)を生成することが可能となっている。
撮影装置5が放射線画像を生成する際、管球12から被写体(人、動物、物)を介して放射線が入射される。このため、撮影装置5は、受けた放射線に応じた被写体の放射線画
像を生成することになる。
【0027】
なお、撮影装置5は、シンチレーター等を内蔵し、照射された放射線をシンチレーターで可視光等の他の波長の光に変換し、変換した光に応じた電荷を発生させるもの(いわゆる間接型)であってもよいし、シンチレーター等を介さずに放射線から直接電荷を発生させるもの(いわゆる直接型)であってもよい。
また、撮影装置5は、動画撮影を行う際、入力されている読出用タイミング信号がオンになる度にフレームの生成を行うのではなく、撮影開始のトリガーとなる信号を一回受信した後は、自ら所定周期で所定回数放射線画像の生成を繰り返すようになっていてもよい。
また、撮影装置5は、生成した放射線画像のデータを他の装置へ送信するための通信部を備えたものであってもよい。
【0028】
〔2.撮影制御装置の詳細〕
次に、上記システム100が備える撮影制御装置4の詳細について説明する。
図2は、撮影制御装置4を表すブロック図である。
【0029】
(2-1.構成)
撮影制御装置4は、
図2に示すように、制御部41と、記憶部42と、第一接続部43と、第二接続部44と、備えている。
【0030】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory
)等により構成されている。
そして、制御部41のCPUは、記憶部42に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、撮影制御装置4各部の動作を集中制御するようになっている。
【0031】
記憶部42は、不揮発性の半動態メモリーやハードディスク等により構成されている。
また、記憶部42は、制御部41が実行する各種プログラム等を記憶している。
【0032】
第一接続部43は、照射許可コマンドを含む各種コマンドを伝送可能な情報ケーブルを制御部41と接続するためのコネクター等で構成されている。
【0033】
第二接続部44は、読出用タイミング信号を含む各種信号を伝送可能な信号ケーブルCを制御部41と接続するためのコネクター等で構成されている。
【0034】
(2-2.動作)
このように構成された撮影制御装置4の制御部41は、上記撮影条件を撮影装置5へ設定することが可能となっている。
設定は、撮影制御装置4が備える図示しない操作部になされた操作に基づいて手動で行ってもよいし、コンソール3になされた撮影条件の設定状況を受信し、その設定状況に合わせて自動で行うようになっていてもよい。
なお、制御部41は、撮影装置5へ設定した撮影条件が、コンソール3が発生装置1へ設定した撮影条件と同じになっているか否かを確認する機能を備えていてもよい。
【0035】
また、制御部41は、照射許可コマンドを、第一接続部43を介してコンソール3へ送信するようになっている。
本実施形態に係る制御部41は、撮影装置5から入力されている準備完了信号がオンになったことを契機として照射許可コマンドの送信を行うようになっている。
制御部41は、このような動作をすることにより、第一制御手段をなす。
【0036】
また、制御部41は、例えば電源がオンにされたこと、撮影装置5と接続されたこと、コンソール3や撮影装置5から所定の制御信号を受信したこと等を契機として、読出用タイミング信号を、第二接続部44を介して撮影装置5へ出力するようになっている。
そして、制御部41は、読み出し用タイミング信号のオン/オフを、設定された撮影条件に応じた態様で切り替えるようになっている。
設定された撮影形態が静止画撮影の場合、制御部41は、一回の照射許可コマンドの受信につき、読出用タイミング信号をオンにし所定時間経過後にオフにする動作を一回だけ行う。
一方、設定された撮影形態が動画撮影の場合、制御部41は、一回の照射許可コマンドの受信につき、読出用タイミング信号をオンにし所定時間経過後にオフにする動作を、所定周期で複数回繰り返し行う。
制御部41は、このような動作をすることにより、第二制御手段をなす。
【0037】
なお、撮影制御装置4は、各種信号を伝送可能な信号ケーブルを接続するためのコネクターを有する第三接続部45を備え、制御部41が、照射用タイミング信号(第二制御信号)を、第三接続部を介して他の装置へ出力することが可能となっていてもよい。
このようにすれば、接続先の放射線発生装置が、信号ケーブルを接続するためのコネクターを有し、当該コネクターを介して入力されている照射用タイミング信号がオンになったことを契機として放射線を発生させることが可能に構成されたものである場合に、従来通りの接続方法によって放射線照射システムと撮影装置5とを連携させることができる。
すなわち、本実施形態に係る撮影制御装置4を用いれば、接続先の放射線照射システムが信号ケーブルを接続するためのコネクターを有しているか否かに関係なく撮影装置5を連携させることが可能となる。
【0038】
〔3.撮影の流れ〕
次に、上記システム100を用いた撮影の流れについて動画撮影の場合を例に説明する。
図3は、システム100の動作を表すタイミングチャートである。
【0039】
まず、間を空けて対向配置された管球12と撮影装置5との間に被写体を配置する。そして、撮影者は、コンソール3や撮影制御装置4に撮影条件を入力する。
すると、撮影制御装置4は、撮影装置5へ入力している読出用タイミング信号のオン/オフを所定周期で繰り返す(t1、t8、t13、t18・・)。
撮影装置5は、撮影制御装置4から入力されている読出用タイミング信号のオン/オフの繰り返しが開始されると、撮影準備を開始する。
【0040】
撮影準備が完了すると、撮影装置5は、撮影制御装置4から入力されている読出用タイミング信号がオンになる度に、電荷の蓄積(t3~t6、t10~t12、t15~t17、t20~t22・・)及び読み出し(~t3、t6~t10、t12~t15、t17~t20、t22~)を所定周期で繰り返しつつ、撮影制御装置4へ出力している準備完了信号をオンにする(t2)。
撮影制御装置4は、撮影装置5から入力されている準備完了信号がオンになったことを検知すると、照射許可コマンドをコンソール3へ送信する(t4)。これにより、発生装置1は放射線を発生することが可能な状態となる。
【0041】
撮影者が照射指示スイッチ2の一段目を押下すると、照射指示スイッチ2は、発生装置1へ出力する一段目信号をオンにする(t5)。
発生装置1は、一段目信号がオンになったことを検知すると、放射線を発生させるための準備(例えば、管球12の回転陽極を回転させる等)を開始する。
【0042】
続いて、撮影者が照射指示スイッチ2の二段目を押下すると、照射指示スイッチ2は、発生装置1へ出力する二段目信号をオンにする(t7)。
コンソール3は、照射許可コマンドを受信している状態で、二段目信号がオンになったことを検知すると、発生装置1へ照射制御を行う。
【0043】
発生装置1のジェネレーター11は、コンソール3から照射制御を受けると、撮影条件に応じた電圧を管球12に繰り返し印加する。
管球12は、ジェネレーター11から電圧が印加される度に、印加された電圧に応じた放射線を繰り返し発生させる(t11、t16、t21・・)。
管球12が発生させた放射線は、被写体及びその背後の撮影装置5へ照射される。放射線は一部が被写体を透過して撮影装置5へ入射する。
【0044】
発生装置1が放射線を繰り返し発生させるのと並行して、撮影装置5は、撮影制御装置4から入力されている読出用タイミング信号がオンになる度に、電荷の蓄積(t3~t6、t10~t12、t15~t17、t20~t22・・)及び読み出し(~t3、t6~t10、t12~t15、t17~t20、t22~)を所定周期で繰り返す。
撮影装置5がスイッチ素子をオフにし各画素に電荷を蓄積可能な状態とする時間は、一回の放射線が照射される時間に比べて十分に長いため、発生装置1に設定された放射線の発生周期と撮影装置5に設定されたフレームの生成周期とが等しい限り、放射線は撮影装置が蓄積状態となっている間に撮影装置5へ入射される。
こうして、複数のフレーム画像からなる被写体の動画が撮影される。
【0045】
〔4.効果〕
以上説明してきた撮影制御装置4は、照射許可コマンドをコンソール3へ送信することにより、コンソール3とソフトウェアによる連携が可能であり、制御信号を撮影装置5へ出力することにより、撮影装置5とハードウェアによる連携が可能となっている。
このため、撮影制御装置4を用いれば、発生装置1と当該発生装置1に接続された周辺機器(コンソール3)のいずれにもハードウェアインターフェースが備えられていない場合であっても、連携方式の異なる発生装置1と撮影装置5とを連携させることができる。
【0046】
〔5.変形例〕
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0047】
(5-1.エネルギーサブトラクション撮影機能)
例えば、システム100に、エネルギーサブトラクション撮影を行う(障害物(例えば骨等)が除去された放射線画像を生成する)機能を持たせるようにしてもよい。
その場合、発生装置1、撮影装置5、コンソール3を以下のように構成することになる。
【0048】
具体的には、発生装置1を、例えば
図4に示すように、一回の撮影操作につき、相対的にエネルギー(ジェネレーター11が管球12へ印加する電圧)が低い第一放射線と相対的にエネルギーが高い第二放射線を順次発生させる(t37、t41)ことが可能に構成する。
【0049】
また、撮影装置5を、読出用タイミング信号に基づいて、第一放射線に応じた第一放射線画像と第二放射線に応じた第二放射線画像を順次生成することが可能に構成する。
具体的には、第一放射線の照射(t37)により蓄積された電荷に基づく信号値を読み出す(t38~t40)ことで第一放射線画像を生成し、第二放射線の照射により蓄積された電荷に基づく信号値を読み出す(t42~)ことで第二放射線画像を生成する。
【0050】
また、コンソール3を、発生装置1による放射線の発生を制御する他に、画像差分機能を持たせる。
具体的には、第一放射線画像と第二放射線画像の差分画像を生成することが可能に構成する。
このような動作を行うようにすることで、コンソール3の制御部は、画像生成手段をなすことになる。
なお、差分画像を生成する機能をコンソール3以外の装置(例えば撮影装置5)に持たせるようにしてもよい。
【0051】
(5-2.長尺撮影機能)
また、システム100に、長尺撮影を行う(複数の放射線画像をつなぎ合わせた長尺画像を生成する)機能を持たせるようにしてもよい。
その場合、システム100を、例えば
図5に示すように構成することになる。
【0052】
具体的には、撮影装置5を複数備えるとともに複数の撮影装置を装填可能な撮影台6を備える。
撮影台6は、支柱61と、ホルダー62と、を備えたものとする。
ホルダー62は、支柱61に支持され、例えば直方体状に形成されたものとし、その内部に、撮影装置5を装填するための空間である複数の装填部が、ホルダー62の長手方向に沿って並ぶように形成されたものとする。
【0053】
また、コンソール3に、放射線発生装置1による放射線の発生を制御する機能の他に、画像合成機能を持たせる。
具体的には、複数の撮影装置5がそれぞれ生成した放射線画像を合成して、一枚の長尺画像を生成することが可能に構成する。
【0054】
システム100をこのように構成すれば、被写体の長手方向(被検者の体軸又はと脚)をホルダー62の長手方向と並行にし、撮影を一回だけ行うことにより、被写体の長尺画像が生成される。
【0055】
なお、複数の撮影装置5を用いて複数の放射線画像を同時に生成するのではなく、一つの撮影装置5と、装填された撮影装置5を移動させることが可能な撮影台を備えるようにしてもよい。
【0056】
その場合、撮影台は、支柱61と、ホルダーと、移動機構と、を備えたものとする。
ホルダーは、例えば矩形に形成されたものとし、その内部に一つの装填部が形成されたものとする。
移動機構は、コンソール3の制御に基づいて、支柱61に対し鉛直方向に移動可能に構成されたものとし、ホルダーを支持するものとする。
【0057】
システム100をこのように構成すれば、被写体の長手方向と撮影装置5の移動方向とを並行にし、撮影装置5の移動と撮影を交互に複数回繰り返すことにより、上記の場合と同様の被写体の長尺画像が生成される。
【符号の説明】
【0058】
100 放射線撮影システム
100a 放射線照射システム
1 放射線発生装置
11 ジェネレーター
12 管球
2 照射指示スイッチ
3 コンソール(画像生成手段)
4 撮影制御装置
41 制御部(第一制御手段,第二制御手段)
42 記憶部
43 第一接続部
44 第二接続部
5 放射線撮影装置
6 撮影台
61 支柱
62 ホルダー
62a 装填部
C 信号ケーブル
N 通信ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を発生させる放射線発生装置を制御するコンソールに、放射線の照射を許可するコマンドを送信する第1の接続部と、
前記放射線発生装置に放射線の照射用タイミング信号を送信する第2の接続部と、
を備える撮影制御装置。
【請求項2】
前記第1の接続部は、通信ネットワークによって前記コンソールと接続され、
前記第2の接続部は、信号ケーブルによって前記放射線発生装置と接続される、
請求項1に記載の撮影制御装置。
【請求項3】
前記放射線発生装置により照射された放射線を検知し、放射線画像データを生成する放射線撮影装置に、前記放射線画像データの読出し用タイミング信号を送信する第3の接続部を備える請求項1または2に記載の撮影制御装置。
【請求項4】
前記第3の接続部は、信号ケーブルによって前記放射線撮影装置と接続される請求項3に記載の撮影制御装置。
【請求項5】
前記撮影制御装置は、
前記放射線撮影装置からの準備完了信号の受信に応答して前記第1の接続部により前記コンソールに放射線の照射を許可するコマンドを送信し、前記第3の接続部により前記読出し用タイミング信号を前記放射線撮影装置に送信する、請求項4に記載の撮影制御装置。
【請求項6】
放射線を発生させる放射線発生装置と、
前記放射線発生装置を制御するコンソールと、
前記放射線発生装置により照射された放射線を検知し、放射線画像データを生成する放射線撮影装置と、
前記コンソールに放射線の照射を許可するコマンドを送信する第1の接続部と、
前記放射線発生装置に放射線の照射用タイミング信号を送信する第2の接続部と、
前記放射線撮影装置に、前記放射線画像データの読出し用タイミング信号を送信する第3の接続部と、を有する撮影制御装置と、を備えた放射線撮影システムであって、
前記撮影制御装置は、
前記第1の接続部による前記コマンドの送信と、前記第3の接続部による前記読出し用タイミング信号を送信により放射線画像の撮影の制御を行う第1の制御部と、
前記第2の接続部による前記照射用タイミング信号の送信と、前記第3の接続部による前記読出し用タイミング信号を送信により放射線画像の撮影の制御を行う第2の制御部と、
を備える放射線撮影システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る撮影制御装置は、放射線を発生させる放射線発生装置を制御するコンソールに、放射線の照射を許可するコマンドを送信する第1の接続部と、
前記放射線発生装置に放射線の照射用タイミング信号を送信する第2の接続部と、
を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明に係る放射線撮影システムは、
放射線を発生させる放射線発生装置と、
前記放射線発生装置を制御するコンソールと、
前記放射線発生装置により照射された放射線を検知し、放射線画像データを生成する放射線撮影装置と、
前記コンソールに放射線の照射を許可するコマンドを送信する第1の接続部と、
前記放射線発生装置に放射線の照射用タイミング信号を送信する第2の接続部と、
前記放射線撮影装置に、前記放射線画像データの読出し用タイミング信号を送信する第3の接続部と、を有する撮影制御装置と、を備えた放射線撮影システムであって、
前記撮影制御装置は、
前記第1の接続部による前記コマンドの送信と、前記第3の接続部による前記読出し用タイミング信号を送信により放射線画像の撮影の制御を行う第1の制御部と、
前記第2の接続部による前記照射用タイミング信号の送信と、前記第3の接続部による前記読出し用タイミング信号を送信により放射線画像の撮影の制御を行う第2の制御部と、
を備える。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】