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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144055
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】CSF1Rに結合する抗体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230928BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230928BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20230928BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20230928BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20230928BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/28 ZNA
C07K16/46
C12N5/10
A61P35/00
A61P35/02
A61P25/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P19/08
A61P19/10
A61K39/395 N
A61K39/395 D
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132563
(22)【出願日】2023-08-16
(62)【分割の表示】P 2021149042の分割
【原出願日】2011-05-04
(31)【優先権主張番号】61/331,177
(32)【優先日】2010-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511025307
【氏名又は名称】ファイブ プライム セラピューティックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】バスケス マクシミリアノ
(57)【要約】
【課題】コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合する抗体、抗体重鎖及び抗体軽鎖、またそれらをコードするポリヌクレオチドの提供。
【解決手段】特定のアミノ酸配列を含む重鎖と、特定のアミノ酸配列を含む軽鎖とからなる抗体で、ヒトCSF1Rに結合し、CSF1Rへの、CSF1R及びIL34の結合を遮断する抗体。カニクイザルCSF1Rに結合し、CSF1Rへのリガンド結合を遮断し、リガンド誘導性とCSF1誘導性とIL34誘導性とのCSF1Rのリン酸化を抑制する抗体。CSF1Rに対する抗体は関節リウマチ、骨量減少、及び多発性硬化症の治療への使用。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重鎖と軽鎖とを含みかつコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合する単離された抗体であって、前記重鎖が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%一致する配列を含む、前記抗体。
【請求項2】
前記重鎖が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも95%一致する配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記重鎖が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも97%一致する配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
前記重鎖が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも99%一致する配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
前記重鎖が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項6】
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%一致する配列を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項7】
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも95%一致する配列を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項8】
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも97%一致する配列を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項9】
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも99%一致する配列を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項10】
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項11】
重鎖と軽鎖とを含みかつコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合する単離された抗体であって、前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%一致する配列を含む、前記抗体。
【請求項12】
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも95%一致する配列を含む、請求項11に記載の抗体。
【請求項13】
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも97%一致する配列を含む、請求項11に記載の抗体。
【請求項14】
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも99%一致する配列を含む、請求項11に記載の抗体。
【請求項15】
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列を含む、請求項11に記載の抗体。
【請求項16】
重鎖と軽鎖とを含みかつCSF1Rに結合する単離された抗体であって、前記重鎖が、(i)配列番号15、21、および27から選択される配列を含む重鎖(HC)CDR1と、(ii)配列番号16、22、および28から選択される配列を含むHC CDR2と、(iii)配列番号17、23、および29から選択される配列を含むHC CDR3とを含む、前記抗体。
【請求項17】
前記HC CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3が、(a)配列番号15、16、および17、(b)配列番号21、22、および23、ならびに(c)配列番号27、28、および29から選択される1組の配列を含む、請求項16に記載の抗体。
【請求項18】
前記軽鎖が、(i)配列番号18、24、および30から選択される配列を含む軽鎖(LC)CDR1と、(ii)配列番号19、25、および31から選択される配列を含むLC CDR2と、(iii)配列番号20、26、および32から選択される配列を含むLC CDR3とを含む、請求項16または請求項17に記載の抗体。
【請求項19】
前記LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3が、(a)配列番号18、19、および20、(b)配列番号24、25、および26、ならびに(c)配列番号30、31、および32から選択される1組の配列を含む、請求項18に記載の抗体。
【請求項20】
重鎖と軽鎖とを含みかつCSF1Rに結合する単離された抗体であって、前記軽鎖が、(i)配列番号18、24、および30から選択される配列を含む軽鎖(LC)CDR1と、(ii)配列番号19、25、および31から選択される配列を含むLC CDR2と、(iii)配列番号20、26、および32から選択される配列を含むLC CDR3とを含む、前記抗体。
【請求項21】
前記LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3が、(a)配列番号18、19、および20、(b)配列番号24、25、および26、ならびに(c)配列番号30、31、および32から選択される1組の配列を含む、請求項20に記載の抗体。
【請求項22】
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号9と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号10と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(b)配列番号11と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号12と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(c)配列番号13と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号14と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(d)配列番号39と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(e)配列番号40と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(f)配列番号41と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(g)配列番号39と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(h)配列番号40と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(i)配列番号41と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、および
(j)配列番号42と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(k)配列番号42と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(l)配列番号42と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(m)配列番号43と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(n)配列番号43と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(o)配列番号43と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(p)配列番号44と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(q)配列番号44と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(r)配列番号45と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、または
(s)配列番号45と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖
を含む、前記抗体。
【請求項23】
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号9と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号10と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(b)配列番号11と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号12と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(c)配列番号13と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号14と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(d)配列番号39と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(e)配列番号40と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(f)配列番号41と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(g)配列番号39と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(h)配列番号40と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(i)配列番号41と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、および
(j)配列番号42と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(k)配列番号42と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(l)配列番号42と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(m)配列番号43と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(n)配列番号43と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(o)配列番号43と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(p)配列番号44と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(q)配列番号44と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(r)配列番号45と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、または
(s)配列番号45と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖
を含む、前記抗体。
【請求項24】
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号9と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号10と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(b)配列番号11と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号12と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(c)配列番号13と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号14と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(d)配列番号39と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(e)配列番号40と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(f)配列番号41と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(g)配列番号39と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(h)配列番号40と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(i)配列番号41と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(j)配列番号42と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(k)配列番号42と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(l)配列番号42と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(m)配列番号43と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(n)配列番号43と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(o)配列番号43と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(p)配列番号44と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(q)配列番号44と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(r)配列番号45と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、または
(s)配列番号45と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖
を含む、前記抗体。
【請求項25】
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号9の配列を含む重鎖と配列番号10の配列を含む軽鎖、
(b)配列番号11の配列を含む重鎖と配列番号12の配列を含む軽鎖、
(c)配列番号13の配列を含む重鎖と配列番号14の配列を含む軽鎖、
(d)配列番号39の配列を含む重鎖と配列番号46の配列を含む軽鎖、
(e)配列番号40の配列を含む重鎖と配列番号46の配列を含む軽鎖、
(f)配列番号41の配列を含む重鎖と配列番号46の配列を含む軽鎖、
(g)配列番号39の配列を含む重鎖と配列番号47の配列を含む軽鎖、
(h)配列番号40の配列を含む重鎖と配列番号47の配列を含む軽鎖、
(i)配列番号41の配列を含む重鎖と配列番号47の配列を含む軽鎖、および
(j)配列番号42の配列を含む重鎖と配列番号48の配列を含む軽鎖、
(k)配列番号42の配列を含む重鎖と配列番号49の配列を含む軽鎖、
(l)配列番号42の配列を含む重鎖と配列番号50の配列を含む軽鎖、
(m)配列番号43の配列を含む重鎖と配列番号48の配列を含む軽鎖、
(n)配列番号43の配列を含む重鎖と配列番号49の配列を含む軽鎖、
(o)配列番号43の配列を含む重鎖と配列番号50の配列を含む軽鎖、
(p)配列番号44の配列を含む重鎖と配列番号51の配列を含む軽鎖、
(q)配列番号44の配列を含む重鎖と配列番号52の配列を含む軽鎖、
(r)配列番号45の配列を含む重鎖と配列番号51の配列を含む軽鎖、または
(s)配列番号45の配列を含む重鎖と配列番号52の配列を含む軽鎖
を含む、前記抗体。
【請求項26】
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号15の配列を有する重鎖(HC)CDR1と、配列番号16の配列を有するHC CDR2と、配列番号17の配列を有するHC CDR3とを含む重鎖、および配列番号18の配列を有する軽鎖(LC)CDR1と、配列番号19の配列を有するLC CDR2と、配列番号20の配列を有するLC CDR3とを含む軽鎖、
(b)配列番号21の配列を有する重鎖(HC)CDR1と、配列番号22の配列を有するHC CDR2と、配列番号23の配列を有するHC CDR3とを含む重鎖、および配列番号24の配列を有する軽鎖(LC)CDR1と、配列番号25の配列を有するLC CDR2と、配列番号26の配列を有するLC CDR3とを含む軽鎖、または
(c)配列番号27の配列を有する重鎖(HC)CDR1と、配列番号28の配列を有するHC CDR2と、配列番号29の配列を有するHC CDR3とを含む重鎖、および配列番号30の配列を有する軽鎖(LC)CDR1と、配列番号31の配列を有するLC CDR2と、配列番号32の配列を有するLC CDR3とを含む軽鎖
を含む、前記抗体。
【請求項27】
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号53の配列を含む重鎖と配列番号60の配列を含む軽鎖、
(b)配列番号53の配列を含む重鎖と配列番号61の配列を含む軽鎖、または
(c)配列番号58の配列を含む重鎖と配列番号65の配列を含む軽鎖
を含む、前記抗体。
【請求項28】
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号53の配列からなる重鎖と配列番号60の配列からなる軽鎖、
(b)配列番号53の配列からなる重鎖と配列番号61の配列からなる軽鎖、または
(c)配列番号58の配列からなる重鎖と配列番号65の配列からなる軽鎖
を含む、前記抗体。
【請求項29】
ヒトCSF1Rに結合する、請求項1~28のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項30】
カニクイザルCSF1Rに結合する、請求項1~29のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項31】
CSF1Rへのリガンド結合を遮断する、請求項1~30のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項32】
CSF1RへのCSF1結合を遮断する、請求項1~31のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項33】
CSF1RへのIL34結合を遮断する、請求項1~32のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項34】
リガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する、請求項1~33のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項35】
CSF1誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する、請求項1~34のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項36】
IL34誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する、請求項1~35のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項37】
キメラ抗体である、請求項1~36のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項38】
ヒト化抗体である、請求項1~36のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項39】
Fab、Fv、scFv、Fab'、および(Fab')から選択される、請求項1~38のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項40】
IgA、IgG、およびIgDから選択される、請求項1~38のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項41】
IgGである、請求項40に記載の抗体。
【請求項42】
IgG4である、請求項41に記載の抗体。
【請求項43】
少なくとも1つのIgG4重鎖定常領域にS241P変異を含む、請求項42に記載の抗体。
【請求項44】
親和性(K)1nM未満でヒトCSF1Rに結合する、請求項1~43のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項45】
CSF1またはIL34の存在下での単球の増殖反応および/または生存反応を抑制する、請求項1~44のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項46】
請求項1~45のいずれか1項に記載の抗体を含む薬学的組成物。
【請求項47】
配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%一致するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された核酸。
【請求項48】
前記アミノ酸配列が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも95%一致する、請求項47に記載の核酸。
【請求項49】
前記アミノ酸配列が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも97%一致する、請求項47に記載の核酸。
【請求項50】
前記アミノ酸配列が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも99%一致する、請求項47に記載の核酸。
【請求項51】
前記アミノ酸配列が配列番号9、11、13、および39~45から選択される、請求項47に記載の核酸。
【請求項52】
配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%一致するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む、請求項45~51のいずれか1項に記載の核酸。
【請求項53】
前記アミノ酸配列が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも95%一致する、請求項52に記載の核酸。
【請求項54】
前記アミノ酸配列が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも97%一致する、請求項52に記載の核酸。
【請求項55】
前記アミノ酸配列が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも99%一致する、請求項52に記載の核酸。
【請求項56】
前記アミノ酸配列が配列番号10、12、14、および46~52から選択される、請求項52に記載の核酸。
【請求項57】
10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%一致するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸。
【請求項58】
前記アミノ酸配列が10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも95%一致する、請求項57に記載の核酸。
【請求項59】
前記アミノ酸配列が10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも97%一致する、請求項57に記載の核酸。
【請求項60】
前記アミノ酸配列が10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも99%一致する、請求項57に記載の核酸。
【請求項61】
前記アミノ酸配列が10、12、14、および46~52から選択される、請求項57に記載の核酸。
【請求項62】
第1の核酸と第2の核酸とを含む組成物であって、前記第1の核酸が請求項47~51のいずれか1項に記載の核酸から選択され、前記第2の核酸が請求項57~61のいずれか1項に記載の核酸から選択される、前記組成物。
【請求項63】
重鎖をコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された核酸であって、前記重鎖が、(i)配列番号15、21、および27から選択される配列を含む重鎖(HC)CDR1と、(ii)配列番号16,22、および28から選択される配列を含むHC CDR2と、(iii)配列番号17、23、および29から選択される配列を含むHC CDR3とを含む、前記核酸。
【請求項64】
前記HC CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3が、(a)配列番号15、16、および17、(b)配列番号21、22、および23、ならびに(c)配列番号27、28、および29から選択される1組の配列を含む、請求項63に記載の核酸。
【請求項65】
軽鎖をコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む核酸であって、前記軽鎖が、(i)配列番号18、24、および30から選択される配列を含む軽鎖(LC)CDR1と、(ii)配列番号19、25、および31から選択される配列を含むLC CDR2と、(iii)配列番号20、26、および32から選択される配列を含むLC CDR3とを含む、請求項63または請求項64に記載の核酸。
【請求項66】
前記LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3が、(a)配列番号18、19、および20、(b)配列番号24、25、および26、ならびに(c)配列番号30、31、および32から選択される1組の配列を含む、請求項65に記載の核酸。
【請求項67】
軽鎖をコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された核酸であって、前記軽鎖が、(i)配列番号18、24、および30から選択される配列を含む軽鎖(LC)CDR1と、(ii)配列番号19、25、および31から選択される配列を含むLC CDR2と、(iii)配列番号20、26、および32から選択される配列を含むLC CDR3とを含む、前記核酸。
【請求項68】
前記LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3が、(a)配列番号18、19、および20、(b)配列番号24、25、および26、ならびに(c)配列番号30、31、および32から選択される1組の配列を含む、請求項67に記載の核酸。
【請求項69】
第1の核酸と第2の核酸とを含む組成物であって、前記第1の核酸が請求項63および64のいずれか1項に記載の核酸から選択され、前記第2の核酸が請求項67および請求項68のいずれか1項に記載の核酸から選択される、前記組成物。
【請求項70】
第1のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列とを含む単離された核酸であって、前記第1のポリヌクレオチド配列および前記第2のポリヌクレオチド配列が、請求項22~28のいずれか1項に記載の抗体の重鎖および軽鎖をそれぞれコードする、前記核酸。
【請求項71】
第1の核酸と第2の核酸とを含む組成物であって、前記第1の核酸が第1のポリヌクレオチド配列を含み、前記第2の核酸が第2のポリヌクレオチド配列を含み、前記第1のポリヌクレオチド配列および前記第2のポリヌクレオチド配列が、請求項22~28のいずれか1項に記載の抗体の重鎖および軽鎖をそれぞれコードする、前記組成物。
【請求項72】
請求項47~61、63~68、および70のいずれか1項に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項73】
請求項60または請求項69または請求項71に記載の組成物を含む宿主細胞。
【請求項74】
真核生物宿主細胞である、請求項72または請求項73に記載の宿主細胞。
【請求項75】
哺乳動物宿主細胞である、請求項74に記載の宿主細胞。
【請求項76】
CHO細胞、293細胞、NSO細胞、およびPER.C6細胞から選択される、請求項75に記載の宿主細胞。
【請求項77】
293-6E細胞またはDG44細胞である、請求項76に記載の宿主細胞。
【請求項78】
請求項46に記載の薬学的組成物を患者に投与することを含む、多発性硬化症を治療する方法。
【請求項79】
請求項46に記載の薬学的組成物を患者に投与することを含む、関節リウマチを治療する方法。
【請求項80】
請求項46に記載の薬学的組成物を患者に投与することを含む、溶骨性の骨量減少を治療する方法。
【請求項81】
前記溶骨性の骨量減少が骨粗しょう症、転移による溶骨性の骨量減少、および関節リウマチによる骨量減少から選択される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
請求項46に記載の薬学的組成物を患者に投与することを含む、癌を治療する方法。
【請求項83】
前記癌が乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、膀胱癌、腎癌、食道癌、扁平上皮癌、ブドウ膜黒色腫、濾胞性リンパ腫、腎細胞癌、子宮頸癌、卵巣癌、肺癌、結腸直腸癌、脳癌、膵臓癌、頭頸部癌、肝癌、白血病、リンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、黒色腫、星状細胞腫、胃癌、および肺腺癌から選択される、請求項82に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年5月4日出願の米国特許仮出願第61/331,177号の利益を主張するものであり、当該出願は、あらゆる目的で参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
CSF1Rに結合する抗体が提供される。また、CSF1Rに結合する抗体を形成することができる抗体重鎖および抗体軽鎖も提供される。さらに、1つまたは複数の特定の相補性決定領域(CDR)を含む抗体、重鎖、および軽鎖も提供される。CSF1Rに対する抗体をコードするポリヌクレオチドが提供される。また、抗体重鎖または抗体軽鎖をコードするポリヌクレオチドも提供される。CSF1Rに対する抗体を用いた治療方法が提供される。このような方法には、関節リウマチ、骨量減少、および多発性硬化症を治療する方法が含まれるが、それらに限定されない。
【背景技術】
【0003】
コロニー刺激因子1受容体(本明細書においてCSF1Rとする。また、当技術分野において、FMS、FIM2、C-FMS、およびCDl15とも称される)は、N末端細胞外ドメイン(ECD)とチロシンキナーゼ活性を有するC末端細胞内ドメインとを有する1回膜貫通受容体である。CSF1またはインターロイキン34リガンド(本明細書においてIL34とする。Lin et al.,Science 320:807-11(2008)(非特許文献1))のCSF1Rへのリガンド結合は、受容体二量体化、CSF1Rタンパク質チロシンキナーゼ活性の上昇、CSF1Rチロシン残基のリン酸化、および下流シグナル伝達事象をもたらす。CSF1およびIL34の両者は、単球の生存、増殖、およびマクロファージへの分化を刺激する。
【0004】
多くの腫瘍細胞がCSF1を分泌することがわかっているが、これはCSF1Rにより単球/マクロファージ細胞を活性化する。腫瘍中のCSF1の量は、腫瘍中の腫瘍関連マクロファージ(TAM)の量と相関することが示されている。多量のTAMは、患者の予後の悪化と相関していることがわかっている。さらに、CSF1は、例えばマウスにおけるヒト乳癌異種移植片において、腫瘍の成長および転移への進行を促進することがわかっている。例として、Paulus et al.,Cancer Res.66:4349-56(2006)(非特許文献2)を参照されたい。さらに、CSF1Rは骨転移における溶骨性骨破壊に関与していると思われる。これは受容体チロシンキナーゼ活性の小分子遮断剤がその破壊を抑制するためである。例として、Ohno et al.,Mol.Cancer Ther.5:2634-43(2006)(非特許文献3)を参照されたい。
【0005】
また、CSF1およびその受容体は、種々の炎症性疾患および自己免疫疾患に関与していることもわかっている。例として、Hamilton,Nat.Rev.8:533-44(2008)(非特許文献4)を参照されたい。例えば、関節リウマチ罹患関節の滑膜内皮細胞は、CSF1を産生することがわかっており、関節リウマチにおけるCSF1とその受容体の役割を示唆している。抗体によるCSF1R活性の遮断は、関節炎のマウスモデルにおいて、骨および軟骨の破壊の減少や、マクロファージ数の減少などの好ましい臨床効果をもたらす。例として、Kitaura et al.,J.Clin.Invest.115:3418-3427(2005)(非特許文献5)を参照されたい。
【0006】
成熟した分化骨髄系細胞、例えばマクロファージ、ミクログリア細胞、および破骨細胞は、種々の疾患、例えば関節リウマチ、多発性硬化症、および骨量減少疾患の病理の一因となっている。分化骨髄系細胞は、末梢血単球中間体から誘導される。CSF1R刺激は、骨髄前駆体からの単球の発生、単球の増殖および生存、ならびに末梢血単球の分化骨髄系細胞、例えばマクロファージ、ミクログリア細胞、および破骨細胞への分化に寄与する。CSF1R刺激は、このように分化骨髄系細胞の増殖、生存、活性化、および成熟に寄与し、また病的な状態においては、CSF1R刺激は、分化骨髄系細胞が疾病病理を媒介する能力に寄与している。
【0007】
したがって、癌、炎症状態、および自己免疫疾患などのCSF1Rに関連する種々の疾患の治療に、付加的なCSF1Rシグナル伝達拮抗薬が有用と考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Lin et al.,Science 320:807-11(2008)
【非特許文献2】Paulus et al.,Cancer Res.66:4349-56(2006)
【非特許文献3】Ohno et al.,Mol.Cancer Ther.5:2634-43(2006)
【非特許文献4】Hamilton,Nat.Rev.8:533-44(2008)
【非特許文献5】Kitaura et al.,J.Clin.Invest.115:3418-3427(2005)
【発明の概要】
【0009】
本発明者らは、ヒトCSF1R細胞外ドメイン(CSF1R ECD)に対するヒト化抗体を含む新しい一連の抗体を発明した。ヒトCSF1R ECD-Fc融合タンパク質で免疫したマウスの脾臓から、Fabファージディスプレイライブラリーを作製した。CSF-1R ECD-Fcに結合するFabを発現する1056個のファージクローンをこのライブラリーのパニングによって単離した。これらの1056個のFabが精製タンパク質として発現したとき、668個がCSF1R ECDに結合していることが認められた。これら668個の結合Fabのうち、121個のFabのみが、CSF1および/またはIL34のCSF1Rへの結合を遮断した。これらのFabのうち33個のみが、CSF1およびIL34の両者のCSF1Rへの結合を遮断することが認められた。配列決定時、これら33個のFabは19組の固有の配列を示した。さらなる研究用のキメラ抗体を作製するために、ヒトCSF1R ECDに対してナノモル以下の親和性を有する11個のFabを選択した。ヒトおよびカニクイザルCSF1R結合親和性、CSF1およびIL34のCSF1Rへの結合の遮断、ならびにCSF1Rのリガンド誘導性リン酸化の抑制に基づいて、ヒト化用に3個のキメラ抗体を選択し、これら3個のキメラ抗体を基に16個のヒト化抗体を作製した。
【0010】
これら16個のヒト化抗体のうち14個が、ヒトCSF1R ECDに対してナノモル以下の結合親和性を保持した。例として、表5を参照されたい。これらのヒト化抗体は、CSF1およびIL34の両リガンドのヒトCSF1Rへの結合を遮断し、また多くはCSF1およびIL34両者のカニクイザルCSF1Rへの結合も遮断する。例として、表4を参照されたい。
【0011】
治療薬の開発において、ヒトおよびカニクイザルの両抗原に同様の親和性で結合する抗体を有することは有利である。ヒト化用に選択した3個のキメラ抗体が選ばれた理由の1つは、ヒトCSF1R ECDおよびカニクイザルCSF1R ECDに対して同様の結合親和性を有したことである。しかしながら、これらのキメラ抗体のうちの1つである0302のヒト化型のほとんどは、ヒト化時に、強いヒトCSF1R ECD結合親和性は保持したが、カニクイザルCSF1R ECDに対する結合親和性を著しく喪失した。例として、表3を参照されたい。0301および0311のヒト化型は、ヒトCSF1R ECDおよびカニクイザルCSF1R ECDの両者に対して同じような強い結合を保持し、これら2つの種に対する結合親和性の差は約2倍未満であった。
【0012】
CSF1R結合親和性、リガンド抑制、および免疫原性の可能性に基づき、さらなる研究用に3個のヒト化抗体を選択した。これらの3個のヒト化抗体は、ヒト化時にカニクイザルCSF1R結合親和性を著しく喪失しなかった2個のキメラ抗体から誘導された。これらの3個のヒト化抗体は、ヒトCSF1Rのリガンド誘導性リン酸化を抑制し、また一次ヒト単球においてリガンド誘導性の増殖反応および生存反応を遮断する。例として、表6および表7、ならびに図10および図11を参照されたい。したがって、これらの抗体は、例えば一次ヒト単球におけるリガンド誘導性の増殖反応および生存反応に関連する疾患の治療に有用である。
【0013】
抗CSF1R抗体によるCSF1R誘導性反応の遮断は、分化骨髄系細胞の増殖、生存、活性化、成熟を抑制し、それらが疾病病理を媒介する能力を低下させるであろう。さらに、抗CSF1R抗体によるCSF1R誘導性反応の遮断は、末梢血単球中間体の分化骨髄系細胞への分化を抑制し、病理を媒介する分化骨髄系細胞の数を減少させるであろう。
【0014】
したがって、本明細書に記載のヒト化抗CSF1R抗体は、分化骨髄系細胞が疾病病理を媒介する能力を抑制することによって、現存する慢性疾患を治療するために使用することができる。また、このヒト化抗体は、疾患の寛解期に末梢血単球から分化した病理を媒介する新しい骨髄系細胞の発生を抑制し、それにより病理を媒介する細胞の数および新規形成を減少させることによって、本質的に再発し寛解する慢性疾患を治療するためにも使用することができる。
【0015】
一部の実施形態において、重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、CSF1Rに結合する抗体が提供される。一部の実施形態において、重鎖および/または軽鎖は以下の構造を有する。
【0016】
一部の実施形態において、重鎖は、配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む。一部の実施形態において、軽鎖は、配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む。一部の実施形態において、重鎖は、配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含み、軽鎖は、配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む。
【0017】
一部の実施形態において、HC CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3は、(a)配列番号15、16、および17、(b)配列番号21、22、および23、ならびに(c)配列番号27、28、および29から選択される1組の配列を含む。一部の実施形態において、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3は、(a)配列番号18、19、および20、(b)配列番号24、25、および26、ならびに(c)配列番号30、31、および32から選択される1組の配列を含む。
【0018】
一部の実施形態において、重鎖はHC CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3を含み、このときHC CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3は、(a)配列番号15、16、および17、(b)配列番号21、22、および23、ならびに(c)配列番号27、28、および29から選択される1組の配列を含み、軽鎖はLC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3を含み、このときLC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3は、(a)配列番号18、19、および20、(b)配列番号24、25、および26、ならびに(c)配列番号30、31、および3から選択される1組の配列を含む。
【0019】
一部の実施形態において、重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、(a)配列番号9と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号10と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(b)配列番号11と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号12と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(c)配列番号13と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号14と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(d)配列番号39と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(e)配列番号40と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(f)配列番号41と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(g)配列番号39と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(h)配列番号40と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(i)配列番号41と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(j)配列番号42と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(k)配列番号42と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(l)配列番号42と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(m)配列番号43と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(n)配列番号43と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(o)配列番号43と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(p)配列番号44と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(q)配列番号44と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、(r)配列番号45と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖、または(s)配列番号45と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または100%一致する配列を含む軽鎖を含む抗体が提供される。
【0020】
一部の実施形態において、重鎖と軽鎖とを含む抗体であって、(a)配列番号15の配列を有する重鎖(HC)CDR1と、配列番号16の配列を有するHC CDR2と、配列番号17の配列を有するHC CDR3とを含む重鎖、および配列番号18の配列を有する軽鎖(LC)CDR1と、配列番号19の配列を有するLC CDR2と、配列番号20の配列を有するLC CDR3とを含む軽鎖、(b)配列番号21の配列を有する重鎖(HC)CDR1と、配列番号22の配列を有するHC CDR2と、配列番号23の配列を有するHC CDR3とを含む重鎖、および配列番号24の配列を有する軽鎖(LC)CDR1と、配列番号25の配列を有するLC CDR2と、配列番号26の配列を有するLC CDR3とを含む軽鎖、または(c)配列番号27の配列を有する重鎖(HC)CDR1と、配列番号28の配列を有するHC CDR2と、配列番号29の配列を有するHC CDR3とを含む重鎖、および配列番号30の配列を有する軽鎖(LC)CDR1と、配列番号31の配列を有するLC CDR2と、配列番号32の配列を有するLC CDR3とを含む軽鎖を含む抗体が提供される。
【0021】
一部の実施形態において、抗体は重鎖と軽鎖とを含み、このとき抗体は、(a)配列番号53の配列を含む重鎖と配列番号60の配列を含む軽鎖、(b)配列番号53の配列を含む重鎖と配列番号61の配列を含む軽鎖、または(c)配列番号58の配列を含む重鎖と配列番号65の配列を含む軽鎖を含む。一部の実施形態において、抗体は重鎖と軽鎖とを含み、このとき抗体は、(a)配列番号53の配列からなる重鎖と配列番号60の配列からなる軽鎖、(b)配列番号53の配列からなる重鎖と配列番号61の配列からなる軽鎖、または(c)配列番号58の配列からなる重鎖と配列番号65の配列からなる軽鎖を含む。
【0022】
一部の実施形態において、抗体はヒト化抗体である。一部の実施形態において、抗体は、Fab、Fv、scFv、Fab'、および(Fab')から選択される。一部の実施形態において、抗体はキメラ抗体である。一部の実施形態において、抗体は、IgA、IgG、およびIgDから選択される。一部の実施形態において、抗体はIgGである。一部の実施形態において、抗体はIgG4である。一部の実施形態において、抗体は少なくとも1つのIgG4重鎖定常領域にS241P変異を含むIgG4である。
【0023】
一部の実施形態において、抗体はヒトCSF1Rおよび/またはカニクイザルCSF1Rに結合する。一部の実施形態において、抗体はCSF1Rへのリガンドの結合を遮断する。一部の実施形態において、抗体はCSF1RへのCSF1および/またはIL34の結合を遮断する。一部の実施形態において、抗体はリガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する。一部の実施形態において、抗体はCSF1誘導性および/またはIL34誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する。一部の実施形態において、抗体は親和性(K)1nM未満でヒトCSF1Rに結合する。一部の実施形態において、抗体はCSF1またはL34の存在下での単球の増殖反応および/または生存反応を抑制する
【0024】
一部の実施形態において、CSF1Rに結合する抗体を含む薬学的組成物が提供される。
【0025】
一部の実施形態において、単離された核酸であって、上記に記載の重鎖をコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された核酸が提供される。一部の実施形態において、単離された核酸は上記に記載の軽鎖をコードする。一部の実施形態において、単離された核酸は上記に記載の重鎖と上記に記載の軽鎖とをコードする。一部の実施形態において、組成物であって、上記に記載の重鎖をコードするポリヌクレオチド配列を含む第1の核酸と上記に記載の軽鎖をコードするポリヌクレオチド配列を含む第2の核酸とを含む組成物が提供される。一部の実施形態において、上記に記載の核酸または組成物を含む宿主細胞が提供される。一部の実施形態において、宿主細胞は真核生物宿主細胞である。一部の実施形態において、宿主細胞は哺乳動物宿主細胞である。一部の実施形態において、宿主細胞はCHO細胞、293細胞、NSO細胞、およびPER.C6細胞から選択される。一部の実施形態において、宿主細胞は293-6E細胞またはDG44細胞である。
【0026】
一部の実施形態において、CSF1Rに結合する抗体を含む薬学的組成物を患者に投与することを含む、疾患を治療する方法が提供される。一部の実施形態において、CSF1Rに結合する抗体を含む薬学的組成物を患者に投与することを含む、多発性硬化症を治療する方法が提供される。一部の実施形態において、CSF1Rに結合する抗体を含む薬学的組成物を患者に投与することを含む、関節リウマチを治療する方法が提供される。一部の実施形態において、CSF1Rに結合する抗体を含む薬学的組成物を患者に投与することを含む、溶骨性の骨量減少を治療する方法が提供される。一部の実施形態において、溶骨性の骨量減少が骨粗しょう症、転移による溶骨性の骨量減少、および関節リウマチによる骨量減少から選択される。一部の実施形態において、CSF1Rに結合する抗体を含む薬学的組成物を患者に投与することを含む、癌を治療する方法が提供される。一部の実施形態において、癌は乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、膀胱癌、腎癌、食道癌、扁平上皮癌、ブドウ膜黒色腫、濾胞性リンパ腫、腎細胞癌、子宮頸癌、卵巣癌、肺癌、結腸直腸癌、脳癌、膵臓癌、頭頸部癌、肝癌、白血病、リンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、黒色腫、星状細胞腫、胃癌、および肺腺癌から選択される。
【0027】
一部の実施形態において、CSF1Rに結合する抗体を含む薬学的組成物を患者に投与することを含む、炎症状態を治療する方法が提供される。
【0028】
一部の実施形態において、ヒトまたは動物の治療方法で用いるための、CSF1Rに結合する抗体およびCSF1Rに結合する抗体を含む組成物が提供される。一部の実施形態において、ヒトまたは動物の関節リウマチを治療する方法で用いるための、CSF1Rに結合する抗体およびCSF1Rに結合する抗体を含む組成物が提供される。一部の実施形態において、ヒトまたは動物の多発性硬化症を治療する方法で用いるための、CSF1Rに結合する抗体およびCSF1Rに結合する抗体を含む組成物が提供される。一部の実施形態において、ヒトまたは動物の癌を治療する方法で用いるための、CSF1Rに結合する抗体およびCSF1Rに結合する抗体を含む組成物が提供される。一部の実施形態において、ヒトまたは動物の炎症状態を治療する方法で用いるための、CSF1Rに結合する抗体およびCSF1Rに結合する抗体を含む組成物が提供される。
[本発明1001]
重鎖と軽鎖とを含みかつコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合する単離された抗体であって、前記重鎖が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%一致する配列を含む、前記抗体。
[本発明1002]
前記重鎖が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも95%一致する配列を含む、本発明1001の抗体。
[本発明1003]
前記重鎖が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも97%一致する配列を含む、本発明1001の抗体。
[本発明1004]
前記重鎖が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも99%一致する配列を含む、本発明1001の抗体。
[本発明1005]
前記重鎖が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列を含む、本発明1001の抗体。
[本発明1006]
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%一致する配列を含む、本発明1001~1005のいずれかの抗体。
[本発明1007]
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも95%一致する配列を含む、本発明1001~1005のいずれかの抗体。
[本発明1008]
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも97%一致する配列を含む、本発明1001~1005のいずれかの抗体。
[本発明1009]
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも99%一致する配列を含む、本発明1001~1005のいずれかの抗体。
[本発明1010]
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列を含む、本発明1001~1005のいずれかの抗体。
[本発明1011]
重鎖と軽鎖とを含みかつコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合する単離された抗体であって、前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%一致する配列を含む、前記抗体。
[本発明1012]
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも95%一致する配列を含む、本発明1011の抗体。
[本発明1013]
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも97%一致する配列を含む、本発明1011の抗体。
[本発明1014]
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも99%一致する配列を含む、本発明1011の抗体。
[本発明1015]
前記軽鎖が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列を含む、本発明1011の抗体。
[本発明1016]
重鎖と軽鎖とを含みかつCSF1Rに結合する単離された抗体であって、前記重鎖が、(i)配列番号15、21、および27から選択される配列を含む重鎖(HC)CDR1と、(ii)配列番号16、22、および28から選択される配列を含むHC CDR2と、(iii)配列番号17、23、および29から選択される配列を含むHC CDR3とを含む、前記抗体。
[本発明1017]
前記HC CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3が、(a)配列番号15、16、および17、(b)配列番号21、22、および23、ならびに(c)配列番号27、28、および29から選択される1組の配列を含む、本発明1016の抗体。
[本発明1018]
前記軽鎖が、(i)配列番号18、24、および30から選択される配列を含む軽鎖(LC)CDR1と、(ii)配列番号19、25、および31から選択される配列を含むLC CDR2と、(iii)配列番号20、26、および32から選択される配列を含むLC CDR3とを含む、本発明1016または本発明1017の抗体。
[本発明1019]
前記LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3が、(a)配列番号18、19、および20、(b)配列番号24、25、および26、ならびに(c)配列番号30、31、および32から選択される1組の配列を含む、本発明1018の抗体。
[本発明1020]
重鎖と軽鎖とを含みかつCSF1Rに結合する単離された抗体であって、前記軽鎖が、(i)配列番号18、24、および30から選択される配列を含む軽鎖(LC)CDR1と、(ii)配列番号19、25、および31から選択される配列を含むLC CDR2と、(iii)配列番号20、26、および32から選択される配列を含むLC CDR3とを含む、前記抗体。
[本発明1021]
前記LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3が、(a)配列番号18、19、および20、(b)配列番号24、25、および26、ならびに(c)配列番号30、31、および32から選択される1組の配列を含む、本発明1020の抗体。
[本発明1022]
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号9と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号10と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(b)配列番号11と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号12と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(c)配列番号13と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号14と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(d)配列番号39と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(e)配列番号40と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(f)配列番号41と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(g)配列番号39と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(h)配列番号40と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(i)配列番号41と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、および
(j)配列番号42と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(k)配列番号42と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(l)配列番号42と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(m)配列番号43と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(n)配列番号43と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(o)配列番号43と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(p)配列番号44と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(q)配列番号44と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、
(r)配列番号45と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖、または
(s)配列番号45と少なくとも95%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも95%一致する配列を含む軽鎖
を含む、前記抗体。
[本発明1023]
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号9と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号10と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(b)配列番号11と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号12と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(c)配列番号13と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号14と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(d)配列番号39と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(e)配列番号40と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(f)配列番号41と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(g)配列番号39と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(h)配列番号40と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(i)配列番号41と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、および
(j)配列番号42と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(k)配列番号42と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(l)配列番号42と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(m)配列番号43と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(n)配列番号43と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(o)配列番号43と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(p)配列番号44と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(q)配列番号44と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、
(r)配列番号45と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖、または
(s)配列番号45と少なくとも97%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも97%一致する配列を含む軽鎖
を含む、前記抗体。
[本発明1024]
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号9と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号10と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(b)配列番号11と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号12と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(c)配列番号13と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号14と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(d)配列番号39と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(e)配列番号40と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(f)配列番号41と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号46と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(g)配列番号39と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(h)配列番号40と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(i)配列番号41と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号47と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(j)配列番号42と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(k)配列番号42と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(l)配列番号42と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(m)配列番号43と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号48と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(n)配列番号43と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号49と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(o)配列番号43と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号50と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(p)配列番号44と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(q)配列番号44と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、
(r)配列番号45と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号51と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖、または
(s)配列番号45と少なくとも99%一致する配列を含む重鎖と、配列番号52と少なくとも99%一致する配列を含む軽鎖
を含む、前記抗体。
[本発明1025]
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号9の配列を含む重鎖と配列番号10の配列を含む軽鎖、
(b)配列番号11の配列を含む重鎖と配列番号12の配列を含む軽鎖、
(c)配列番号13の配列を含む重鎖と配列番号14の配列を含む軽鎖、
(d)配列番号39の配列を含む重鎖と配列番号46の配列を含む軽鎖、
(e)配列番号40の配列を含む重鎖と配列番号46の配列を含む軽鎖、
(f)配列番号41の配列を含む重鎖と配列番号46の配列を含む軽鎖、
(g)配列番号39の配列を含む重鎖と配列番号47の配列を含む軽鎖、
(h)配列番号40の配列を含む重鎖と配列番号47の配列を含む軽鎖、
(i)配列番号41の配列を含む重鎖と配列番号47の配列を含む軽鎖、および
(j)配列番号42の配列を含む重鎖と配列番号48の配列を含む軽鎖、
(k)配列番号42の配列を含む重鎖と配列番号49の配列を含む軽鎖、
(l)配列番号42の配列を含む重鎖と配列番号50の配列を含む軽鎖、
(m)配列番号43の配列を含む重鎖と配列番号48の配列を含む軽鎖、
(n)配列番号43の配列を含む重鎖と配列番号49の配列を含む軽鎖、
(o)配列番号43の配列を含む重鎖と配列番号50の配列を含む軽鎖、
(p)配列番号44の配列を含む重鎖と配列番号51の配列を含む軽鎖、
(q)配列番号44の配列を含む重鎖と配列番号52の配列を含む軽鎖、
(r)配列番号45の配列を含む重鎖と配列番号51の配列を含む軽鎖、または
(s)配列番号45の配列を含む重鎖と配列番号52の配列を含む軽鎖
を含む、前記抗体。
[本発明1026]
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号15の配列を有する重鎖(HC)CDR1と、配列番号16の配列を有するHC CDR2と、配列番号17の配列を有するHC CDR3とを含む重鎖、および配列番号18の配列を有する軽鎖(LC)CDR1と、配列番号19の配列を有するLC CDR2と、配列番号20の配列を有するLC CDR3とを含む軽鎖、
(b)配列番号21の配列を有する重鎖(HC)CDR1と、配列番号22の配列を有するHC CDR2と、配列番号23の配列を有するHC CDR3とを含む重鎖、および配列番号24の配列を有する軽鎖(LC)CDR1と、配列番号25の配列を有するLC CDR2と、配列番号26の配列を有するLC CDR3とを含む軽鎖、または
(c)配列番号27の配列を有する重鎖(HC)CDR1と、配列番号28の配列を有するHC CDR2と、配列番号29の配列を有するHC CDR3とを含む重鎖、および配列番号30の配列を有する軽鎖(LC)CDR1と、配列番号31の配列を有するLC CDR2と、配列番号32の配列を有するLC CDR3とを含む軽鎖
を含む、前記抗体。
[本発明1027]
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号53の配列を含む重鎖と配列番号60の配列を含む軽鎖、
(b)配列番号53の配列を含む重鎖と配列番号61の配列を含む軽鎖、または
(c)配列番号58の配列を含む重鎖と配列番号65の配列を含む軽鎖
を含む、前記抗体。
[本発明1028]
重鎖と軽鎖とを含む単離された抗体であって、
(a)配列番号53の配列からなる重鎖と配列番号60の配列からなる軽鎖、
(b)配列番号53の配列からなる重鎖と配列番号61の配列からなる軽鎖、または
(c)配列番号58の配列からなる重鎖と配列番号65の配列からなる軽鎖
を含む、前記抗体。
[本発明1029]
ヒトCSF1Rに結合する、本発明1001~1028のいずれかの抗体。
[本発明1030]
カニクイザルCSF1Rに結合する、本発明1001~1029のいずれかの抗体。
[本発明1031]
CSF1Rへのリガンド結合を遮断する、本発明1001~1030のいずれかの抗体。
[本発明1032]
CSF1RへのCSF1結合を遮断する、本発明1001~1031のいずれかの抗体。
[本発明1033]
CSF1RへのIL34結合を遮断する、本発明1001~1032のいずれかの抗体。
[本発明1034]
リガンド誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する、本発明1001~1033のいずれかの抗体。
[本発明1035]
CSF1誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する、本発明1001~1034のいずれかの抗体。
[本発明1036]
IL34誘導性のCSF1Rのリン酸化を抑制する、本発明1001~1035のいずれかの抗体。
[本発明1037]
キメラ抗体である、本発明1001~1036のいずれかの抗体。
[本発明1038]
ヒト化抗体である、本発明1001~1036のいずれかの抗体。
[本発明1039]
Fab、Fv、scFv、Fab'、および(Fab')2から選択される、本発明1001~1038のいずれかの抗体。
[本発明1040]
IgA、IgG、およびIgDから選択される、本発明1001~1038のいずれかの抗体。
[本発明1041]
IgGである、本発明1040の抗体。
[本発明1042]
IgG4である、本発明1041の抗体。
[本発明1043]
少なくとも1つのIgG4重鎖定常領域にS241P変異を含む、本発明1042の抗体。
[本発明1044]
親和性(K)1nM未満でヒトCSF1Rに結合する、本発明1001~1043のいずれかの抗体。
[本発明1045]
CSF1またはIL34の存在下での単球の増殖反応および/または生存反応を抑制する、本発明1001~1044のいずれかの抗体。
[本発明1046]
本発明1001~1045のいずれかの抗体を含む薬学的組成物。
[本発明1047]
配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%一致するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された核酸。
[本発明1048]
前記アミノ酸配列が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも95%一致する、本発明1047の核酸。
[本発明1049]
前記アミノ酸配列が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも97%一致する、本発明1047の核酸。
[本発明1050]
前記アミノ酸配列が配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも99%一致する、本発明1047の核酸。
[本発明1051]
前記アミノ酸配列が配列番号9、11、13、および39~45から選択される、本発明1047の核酸。
[本発明1052]
配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%一致するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む、本発明1045~1051のいずれかの核酸。
[本発明1053]
前記アミノ酸配列が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも95%一致する、本発明1052の核酸。
[本発明1054]
前記アミノ酸配列が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも97%一致する、本発明1052の核酸。
[本発明1055]
前記アミノ酸配列が配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも99%一致する、本発明1052の核酸。
[本発明1056]
前記アミノ酸配列が配列番号10、12、14、および46~52から選択される、本発明1052の核酸。
[本発明1057]
10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%一致するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸。
[本発明1058]
前記アミノ酸配列が10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも95%一致する、本発明1057の核酸。
[本発明1059]
前記アミノ酸配列が10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも97%一致する、本発明1057の核酸。
[本発明1060]
前記アミノ酸配列が10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも99%一致する、本発明1057の核酸。
[本発明1061]
前記アミノ酸配列が10、12、14、および46~52から選択される、本発明1057の核酸。
[本発明1062]
第1の核酸と第2の核酸とを含む組成物であって、前記第1の核酸が本発明1047~1051のいずれかの核酸から選択され、前記第2の核酸が本発明1057~1061のいずれかの核酸から選択される、前記組成物。
[本発明1063]
重鎖をコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された核酸であって、前記重鎖が、(i)配列番号15、21、および27から選択される配列を含む重鎖(HC)CDR1と、(ii)配列番号16,22、および28から選択される配列を含むHC CDR2と、(iii)配列番号17、23、および29から選択される配列を含むHC CDR3とを含む、前記核酸。
[本発明1064]
前記HC CDR1、HC CDR2、およびHC CDR3が、(a)配列番号15、16、および17、(b)配列番号21、22、および23、ならびに(c)配列番号27、28、および29から選択される1組の配列を含む、本発明1063の核酸。
[本発明1065]
軽鎖をコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む核酸であって、前記軽鎖が、(i)配列番号18、24、および30から選択される配列を含む軽鎖(LC)CDR1と、(ii)配列番号19、25、および31から選択される配列を含むLC CDR2と、(iii)配列番号20、26、および32から選択される配列を含むLC CDR3とを含む、本発明1063または本発明1064の核酸。
[本発明1066]
前記LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3が、(a)配列番号18、19、および20、(b)配列番号24、25、および26、ならびに(c)配列番号30、31、および32から選択される1組の配列を含む、本発明1065の核酸。
[本発明1067]
軽鎖をコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された核酸であって、前記軽鎖が、(i)配列番号18、24、および30から選択される配列を含む軽鎖(LC)CDR1と、(ii)配列番号19、25、および31から選択される配列を含むLC CDR2と、(iii)配列番号20、26、および32から選択される配列を含むLC CDR3とを含む、前記核酸。
[本発明1068]
前記LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3が、(a)配列番号18、19、および20、(b)配列番号24、25、および26、ならびに(c)配列番号30、31、および32から選択される1組の配列を含む、本発明1067の核酸。
[本発明1069]
第1の核酸と第2の核酸とを含む組成物であって、前記第1の核酸が本発明1063および1064のいずれかの核酸から選択され、前記第2の核酸が本発明1067および本発明1068のいずれかの核酸から選択される、前記組成物。
[本発明1070]
第1のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列とを含む単離された核酸であって、前記第1のポリヌクレオチド配列および前記第2のポリヌクレオチド配列が、本発明1022~1028のいずれかの抗体の重鎖および軽鎖をそれぞれコードする、前記核酸。
[本発明1071]
第1の核酸と第2の核酸とを含む組成物であって、前記第1の核酸が第1のポリヌクレオチド配列を含み、前記第2の核酸が第2のポリヌクレオチド配列を含み、前記第1のポリヌクレオチド配列および前記第2のポリヌクレオチド配列が、本発明1022~1028のいずれかの抗体の重鎖および軽鎖をそれぞれコードする、前記組成物。
[本発明1072]
本発明1047~1061、1063~1068、および1070のいずれかの核酸を含む宿主細胞。
[本発明1073]
本発明1060または本発明1069または本発明1071の組成物を含む宿主細胞。
[本発明1074]
真核生物宿主細胞である、本発明1072または本発明1073の宿主細胞。
[本発明1075]
哺乳動物宿主細胞である、本発明1074の宿主細胞。
[本発明1076]
CHO細胞、293細胞、NSO細胞、およびPER.C6細胞から選択される、本発明1075の宿主細胞。
[本発明1077]
293-6E細胞またはDG44細胞である、本発明1076の宿主細胞。
[本発明1078]
本発明1046の薬学的組成物を患者に投与することを含む、多発性硬化症を治療する方法。
[本発明1079]
本発明1046の薬学的組成物を患者に投与することを含む、関節リウマチを治療する方法。
[本発明1080]
本発明1046の薬学的組成物を患者に投与することを含む、溶骨性の骨量減少を治療する方法。
[本発明1081]
前記溶骨性の骨量減少が骨粗しょう症、転移による溶骨性の骨量減少、および関節リウマチによる骨量減少から選択される、本発明1080の方法。
[本発明1082]
本発明1046の薬学的組成物を患者に投与することを含む、癌を治療する方法。
[本発明1083]
前記癌が乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、膀胱癌、腎癌、食道癌、扁平上皮癌、ブドウ膜黒色腫、濾胞性リンパ腫、腎細胞癌、子宮頸癌、卵巣癌、肺癌、結腸直腸癌、脳癌、膵臓癌、頭頸部癌、肝癌、白血病、リンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、黒色腫、星状細胞腫、胃癌、および肺腺癌から選択される、本発明1082の方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A】実施例4で説明する、各ヒト化抗体Ab1~Ab16のヒト化重鎖可変領域のアラインメントを示す。囲み内の残基は、対応するマウス残基に戻されたヒトアクセプター配列中のアミノ酸である。
図1B図1Aの続きを示す。
図1C図1Bの続きを示す。
図2A】実施例4で説明する、各ヒト化抗体Ab1~Ab16のヒト化軽鎖可変領域のアラインメントを示す。囲み内のアミノ酸は、対応するマウス残基に戻されたヒトアクセプター配列中の残基である。
図2B図2Aの続きを示す。
図2C図2Bの続きを示す。
図3】実施例5に記載する、ヒトCSF1R ECDに結合する特定のヒト化抗体の結合曲線を示す。図3Aは、親キメラ抗体(cAb)0301ならびにヒト化抗体(huAb)0301.1、0301.2、0302.3、0301.4、0301.5、および0301.6(それぞれh0301-L0H0、h0301-L0H1、h0301-L0H2、h0301-L1H0、h0301-L1H1、およびh0301-L1H2)の結合曲線を示す。図3Bは、親cAb0302ならびにヒト化抗体(huAb)0302.1、0302.2、0302.3、0302.4、0302.5、および0302.6(それぞれh0302-L0H1、h0302-L1H1、h0302-L2H1、h0302-L0H2、h0302-L1H2、およびh0302-L2H2)の結合曲線を示す。図3Cは、親cAb0311ならびにヒト化抗体(huAb)0311.1、0311.2、0311.3、および0311.4(それぞれh0311-L0H1、h0311-L1H1、h0311-L0H2、およびh0311-L1H2)の結合曲線を示す。
図4】実施例5に記載する、カニクイザルCSF1R ECDに結合する特定のヒト化抗体の結合曲線を示す。図4Aは、親cAb0301ならびにヒト化抗体(huAb)0301.1、0301.2、0302.3、0301.4、0301.5、および0301.6(それぞれh0301-L0H0、h0301-L0H1、h0301-L0H2、h0301-L1H0、h0301-L1H1、およびh0301-L1H2)の結合曲線を示す。図4Bは、親cAb0302ならにヒト化抗体(huAb)0302.1、0302.2、0302.3、0302.4、0302.5、および0302.6(それぞれh0302-L0H1、h0302-L1H1、h0302-L2H1、h0302-L0H2、h0302-L1H2、およびh0302-L2H2)の結合曲線を示す。図4Cは、親cAb0311ならびにヒト化抗体(huAb)0311.1、0311.2、0311.3、および0311.4(それぞれh0311-L0H1、h0311-L1H1、h0311-L0H2、およびh0311-L1H2)の結合曲線を示す。
図5】実施例5に記載する、マウスCSF1R ECDに結合する特定のヒト化抗体の結合曲線を示す。図5Aは、親cAb0301ならびにヒト化抗体(huAb)0301.1、0301.2、0302.3、0301.4、0301.5、および0301.6(それぞれh0301-L0H0、h0301-L0H1、h0301-L0H2、h0301-L1H0、h0301-L1H1、およびh0301-L1H2)の結合曲線を示す。図5Bは、親cAb0302ならびにヒト化抗体(huAb)0302.1、0302.2、0302.3、0302.4、0302.5、および0302.6(それぞれh0302-L0H1、h0302-L1H1、h0302-L2H1、h0302-L0H2、h0302-L1H2、およびh0302-L2H2)の結合曲線を示す。図5Cは、親cAb0311ならびにヒト化抗体(huAb)0311.1、0311.2、0311.3、および0311.4(それぞれh0311-L0H1、h0311-L1H1、h0311-L0H2、およびh0311-L1H2)の結合曲線を示す。
図6】実施例6に記載する、特定のヒト化抗体によるCSF1誘導性CSF1Rリン酸化の抑制を示す。図6Aは、親cAb0301ならびにヒト化抗体(huAb)0301.1、0301.2、0302.3、0301.4、0301.5、および0301.6(それぞれh0301-L0H0、h0301-L0H1、h0301-L0H2、h0301-L1H0、h0301-L1H1、およびh0301-L1H2)の遮断曲線を示す。図6Bは、親cAb0302ならびにヒト化抗体(huAb)0302.1、0302.2、0302.3、0302.4、0302.5、および0302.6(それぞれh0302-L0H1、h0302-L1H1、h0302-L2H1、h0302-L0H2、h0302-L1H2、およびh0302-L2H2)の遮断曲線を示す。図6Cは、親cAb0311ならびにヒト化抗体(huAb)0311.1、0311.2、0311.3、および0311.4(それぞれh0311-L0H1、h0311-L1H1、h0311-L0H2、およびh0311-L1H2)の遮断曲線を示す。
図7】実施例6に記載する、特定のヒト化抗体によるIL34誘導性CSF1Rリン酸化の抑制を示す。図7Aは、親cAb0301ならびにヒト化抗体(huAb)0301.1、0301.2、0302.3、0301.4、0301.5、および0301.6(それぞれh0301-L0H0、h0301-L0H1、h0301-L0H2、h0301-L1H0、h0301-L1H1、およびh0301-L1H2)の遮断曲線を示す。図7Bは、親cAb0302ならびにヒト化抗体(huAb)0302.1、0302.2、0302.3、0302.4、0302.5、および0302.6(それぞれh0302-L0H1、h0302-L1H1、h0302-L2H1、h0302-L0H2、h0302-L1H2、およびh0302-L2H2)の遮断曲線を示す。図7Cは、親cAb0311ならびにヒト化抗体(huAb)0311.1、0311.2、0311.3、および0311.4(それぞれh0311-L0H1、h0311-L1H1、h0311-L0H2、およびh0311-L1H2)の遮断曲線を示す。
図8】実施例7に記載する、特定のヒト化抗体による、カニクイザルCSF1R ECDへのヒトCSF1結合の遮断を示す。図8Aは、親cAb0301ならびにヒト化抗体(huAb)0301.1、0301.2、0302.3、0301.4、0301.5、および0301.6(それぞれh0301-L0H0、h0301-L0H1、h0301-L0H2、h0301-L1H0、h0301-L1H1、およびh0301-L1H2)の遮断曲線を示す。図8Bは、親cAb0302ならびにヒト化抗体(huAb)0302.1、0302.2、0302.3、0302.4、0302.5、および0302.6(それぞれh0302-L0H1、h0302-L1H1、h0302-L2H1、h0302-L0H2、h0302-L1H2、およびh0302-L2H2)の遮断曲線を示す。図8Cは、親cAb0311ならびにヒト化抗体(huAb)0311.1、0311.2、0311.3、および0311.4(それぞれh0311-L0H1、h0311-L1H1、h0311-L0H2、およびh0311-L1H2)の遮断曲線を示す。
図9】実施例7に記載する、特定のヒト化抗体による、カニクイザルCSF1R ECDへのヒトIL34結合の遮断を示す。図9Aは、親cAb0301ならびにヒト化抗体(huAb)0301.1、0301.2、0302.3、0301.4、0301.5、および0301.6(それぞれh0301-L0H0、h0301-L0H1、h0301-L0H2、h0301-L1H0、h0301-L1H1、およびh0301-L1H2)の遮断曲線を示す。図9Bは、親cAb0302ならびにヒト化抗体(huAb)0302.1、0302.2、0302.3、0302.4、0302.5、および0302.6(それぞれh0302-L0H1、h0302-L1H1、h0302-L2H1、h0302-L0H2、h0302-L1H2、およびh0302-L2H2)の遮断曲線を示す。図9Cは、親cAb0311ならびにヒト化抗体(huAb)0311.1、0311.2、0311.3、および0311.4(それぞれh0311-L0H1、h0311-L1H1、h0311-L0H2、およびh0311-L1H2)の遮断曲線を示す。
図10】実施例9に記載する、ヒトCSF1Rを発現するCHO細胞における、ヒト化抗体0301-L0H0、0301-L1H0、および0311-L0H1による、CSF1誘導性(A)およびIL34誘導性(B)のCSF1Rリン酸化の遮断を示す。
図11】実施例10に記載する、ヒト化抗体0301-L0H0、0301-L1H0、および0311-L0H1による、CSF1誘導性(A)およびIL34誘導性(B)の単球の増殖/生存反応の遮断を示す。
図12】実施例11に記載するように、異なる3例のドナーに由来する単球を用いて、ヒト化抗体0301-L0H0、0301-L1H0、および0311-L0H1が一次単球の増殖または生存を刺激しないことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
新規のCSF1Rに対する抗体を投与することを含む、疾患を治療する方法が提供される。これら全ての抗体はヒトCSF1R ECDに対して2nM未満の結合親和性を有し、これらのヒト化抗体の2個以外の全てはヒトCSF1R ECDに対してナノモル以下の結合親和性を有する。さらに、この新しい抗体は、CSF1およびIL34の両者のヒトCSF1Rへの結合を遮断し、ヒトCSF1Rのリガンド誘導性リン酸化を抑制する。またこの新しい抗体の多くは、CSF1およびIL34のカニクイザルCSF1Rへの結合も遮断し、このことは抗CSF1R抗体治療薬の開発を支持するインビボ実験を容易にする。したがってこの新しい抗体は、癌、自己免疫疾患、および炎症状態を含むがこれらに限定されないヒトの疾患に対する治療的使用に適している。
【0031】
本明細書で使用する項目の表題は構成上の目的にすぎず、記載する対象を限定するものと解釈すべきではない。
【0032】
定義
特に明示しない限り、本発明に関連して使用する科学用語および技術用語は、当業者に一般に理解される意味を有するものとする。また、文脈からそうでないことが求められない限り、単数形には複数形が含まれ、複数形には単数形が含まれるものとする。
【0033】
組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織の培養および形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)、酵素反応、ならびに精製法に関連して使用される代表的な技法は、当技術分野において公知である。多くのそのような技法および手順は、とりわけ、例えば、Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989))に記載されている。さらに、化学合成、化学分析、薬学的な調製、処方、および送達、ならびに患者の治療のための代表的な技法も当技術分野において公知である。
【0034】
本願において、「または」の使用は、特に指定のない限り「および/または」を意味する。多項従属クレームに関して、「または」の使用は、複数の先行する独立クレームまたは従属クレームを択一的にのみ引用する。また、「要素」または「構成要素」などの用語は、特に指定のない限り、1つのユニットを含む要素および構成要素と複数のサブユニットを含む要素および構成要素との双方を包含する。
【0035】
以下の用語は、本開示に従って使用するとき、他に指示がない限り以下の意味を有すると理解されるものとする。
【0036】
用語「核酸分子」および「ポリヌクレオチド」は、互換的に使用してもよく、ヌクレオチドのポリマーを指す。このようなヌクレオチドのポリマーは、天然および/または非天然のヌクレオチドを含んでもよく、DNA、RNA、およびPNAを含むがこれらに限定されない。用語「核酸配列」は、核酸分子またはポリヌクレオチドを含むヌクレオチドの直鎖配列を指す。
【0037】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指して互換的に使用され、最小長に限定されない。このようなアミノ酸残基のポリマーは、天然または非天然のアミノ酸残基を含んでもよく、アミノ酸残基のペプチド、オリゴペプチド、二量体、三量体、および多量体を含むがこれらに限定されない。全長タンパク質およびその断片は、どちらもこの定義に包含される。またこれらの用語は、ポリペプチドの発現後修飾、例えばグリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化などを含む。さらに、本発明の目的で、「ポリペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持する限り、天然配列に対する欠失、付加、および置換(一般に、本質的に保存的である)などの修飾を含むタンパク質を指す。これらの修飾は、部位特異的変異誘発による意図的なものであってもよく、あるいはタンパク質を産生する宿主の突然変異またはPCR増幅によるエラーなどによる偶発的なものであってもよい。
【0038】
用語「CSF1R」は、本明細書において、N末端ECDと、膜貫通ドメインと、細胞内チロシンキナーゼドメインとを含み、場合によってN末端リーダー配列を有する、全長CSF1Rを指す。一部の実施形態において、CSF1Rは、配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトCSF1Rである。
【0039】
本明細書で使用する用語「CSF1R細胞外ドメイン」(「CSF1R ECD」)は、細胞内ドメインおよび膜貫通ドメインを含まないCSF1Rポリペプチドを指す。CSF1R ECDは、CSF1Rおよび/またはIL34に結合することができる、全長CSF1R ECDおよびCSF1R ECD断片を含む。ヒト全長CSF1R ECDは、本明細書において、配列番号2のアミノ酸1~512(すなわち、リーダー配列を含む)またはアミノ酸20~512(すなわち、リーダー配列を含まない)のいずれかを含むと定義される。一部の実施形態において、ヒトCSF1R ECD断片は、配列番号2のアミノ酸20~506を含む(配列番号5を参照)。一部の実施形態において、ヒトCSF1R断片は、アミノ酸507、508、509、510、または511で終了する。一部の実施形態において、cynoCSF1R ECDは、配列番号7の配列(リーダー配列を含む)または配列番号7のアミノ酸20~506(リーダー配列を含まない)を含む。
【0040】
本明細書で使用する用語「抗体」は、重鎖の少なくとも相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3、ならびに軽鎖の少なくともCDR1、CDR2、およびCDR3を含む分子であって、抗原に結合することができる分子を指す。抗体という用語には、抗原に結合することができる断片、例えばFv、一本鎖Fv(scFv)、Fab、Fab'、および(Fab')が含まれるが、これらに限定されない。また、抗体という用語には、キメラ抗体、ヒト化抗体、およびマウス、ヒト、カニクイザルなどのさまざまな種の抗体も含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
一部の実施形態において、抗体は重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。一部の実施形態において、抗体は、重鎖可変領域と重鎖定常領域の少なくとも一部とを含む少なくとも1つの重鎖、および軽鎖可変領域と軽鎖定常領域の少なくとも一部とを含む少なくとも1つの軽鎖を含む。一部の実施形態において、抗体は2つの重鎖(各重鎖が重鎖可変領域と重鎖定常領域の少なくとも一部とを含む)と2つの軽鎖(各軽鎖が軽鎖可変領域と軽鎖定常領域の少なくとも一部とを含む)を含む。本明細書において使用するとき、一本鎖Fv(scFv)、または例えば6つ全てのCDR(3つの重鎖CDRと3つの軽鎖CDR)を含む一本鎖ポリペプチドを含む他のあらゆる抗体は、重鎖と軽鎖とを有すると考えられる。そのような実施形態の一部において、重鎖は3つの重鎖CDRを含む抗体の領域であり、軽鎖は3つの軽鎖CDRを含む抗体の領域である。
【0042】
本明細書で使用する用語「重鎖可変領域」は、重鎖CDR1、フレームワーク(FR)2、CDR2、FR3、およびCDR3を含む領域を指す。一部の実施形態において、重鎖可変領域はFR1の少なくとも一部および/またはFR4の少なくとも一部も含む。一部の実施形態において、重鎖CDR1はKabat残基26~35に対応し、重鎖CDR2はKabat残基50~65に対応し、重鎖CDR3はKabat残基95~102に対応する。例として、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(1987および1991,NIH,Bethesda,Md.)、および図1を参照されたい。一部の実施形態において、重鎖CDR1はKabat残基31~35に対応し、重鎖CDR2はKabat残基50~65に対応し、重鎖CDR3はKabat残基95~102に対応する。同文献を参照されたい。
【0043】
本明細書で使用する用語「重鎖定常領域」は、少なくとも3つの重鎖定常ドメイン、C1、C2、およびC3を含む領域を指す。非限定的な代表的重鎖定常領域には、γ、δ、およびαが含まれる。また、非限定的な代表的重鎖定常領域には、εおよびμも含まれる。各重鎖定常領域は、抗体のアイソタイプに対応する。例えば、γ定常領域を含む抗体はIgG抗体であり、δ定常領域を含む抗体はIgD抗体であり、α定常領域を含む抗体はIgA体である。さらに、μ定常領域を含む抗体はIgM抗体であり、ε定常領域を含む抗体はIgE抗体である。一部のアイソタイプは、サブクラスにさらに細かく分類することができる。例えば、IgG抗体は、これらに限定されないが、IgG1抗体(γ定常領域を含む)、IgG2抗体(γ定常領域を含む)、IgG3抗体(γ定常領域を含む)、およびIgG4抗体(γ定常領域を含む)を含み、IgA抗体は、これらに限定されないが、IgA1抗体(α定常領域を含む)およびIgA2(α定常領域を含む)抗体を含み、IgM抗体は、これらに限定されないが、IgM1およびIgM2を含む。
【0044】
一部の実施形態において、重鎖定常領域は、抗体に所望の特徴を与える1つまたは複数の突然変異(または置換)、付加、または欠失を含む。非限定的な代表的突然変異は、IgG4ヒンジ領域(定常ドメインC1とC2の間)のS241P変異であり、これはIgG4モチーフをCPSCPからIgG1の相当するモチーフと同様のCPPCPに変更する。一部の実施形態において、この突然変異は、より安定なIgG4抗体をもたらす。例として、Angal et al.,Mol.Immunol.30:105-108(1993)、Bloom et al.,Prot.Sci.6:407-415(1997)、Schuurman et al.,Mol.Immunol.38:1-8(2001)を参照されたい。
【0045】
本明細書で使用する用語「重鎖」は、少なくとも重鎖可変領域を含み、場合によってリーダー配列を含むポリペプチドを指す。一部の実施形態において、重鎖は重鎖定常領域の少なくとも一部を含む。本明細書で使用する用語「全長重鎖」は、重鎖可変領域と重鎖定常領域とを含み、場合によってリーダー配列を含むポリペプチドを指す。
【0046】
本明細書で使用する用語「軽鎖可変領域」は、軽鎖CDR1、フレームワーク(FR)2、CDR2、FR3、およびCDR3を含む領域を指す。一部の実施形態において、軽鎖可変領域はFR1および/またはFR4も含む。一部の実施形態において、軽鎖CDR1はKabat残基24~34に対応し、軽鎖CDR2はKabat残基50~56に対応し、軽鎖CDR3はKabat残基89~97に対応する。例として、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest(1987および1991,NIH,Bethesda,Md.)および図1を参照されたい。
【0047】
本明細書で使用する用語「軽鎖定常領域」は、軽鎖定常ドメインCを含む領域を指す。非限定的な代表的軽鎖定常領域には、λおよびκが含まれる。
【0048】
本明細書で使用する用語「軽鎖」は、少なくとも軽鎖可変領域を含み、場合によってリーダー配列を含むポリペプチドを指す。一部の実施形態において、軽鎖は軽鎖定常領域の少なくとも一部を含む。本明細書で使用する用語「全長軽鎖」は、軽鎖可変領域と軽鎖定常領域とを含み、場合によってリーダー配列を含むポリペプチドを指す。
【0049】
本明細書で使用する「キメラ抗体」は、第1の種(例えば、マウス、ラット、カニクイザルなど)に由来する少なくとも1つの可変領域と、第2の種(例えば、ヒト、カニクイザルなど)に由来する少なくとも1つの定常領域とを含む抗体を指す。一部の実施形態において、キメラ抗体は、少なくとも1つのマウス可変領域と少なくとも1つのヒト定常領域とを含む。一部の実施形態において、キメラ抗体は、少なくとも1つのカニクイザル可変領域と少なくとも1つのヒト定常領域とを含む。一部の実施形態において、キメラ抗体の全ての可変領域は第1の種に由来し、キメラ抗体の全ての定常領域は第2の種に由来する。
【0050】
本明細書で使用する「ヒト化抗体」は、非ヒト可変領域のフレームワーク領域で少なくとも1つのアミノ酸がヒト可変領域由来の対応するアミノ酸に置換されている抗体を指す。一部の実施形態において、ヒト化抗体は、少なくとも1つのヒト定常領域またはその断片を含む。一部の実施形態において、ヒト化抗体はFab、scFv、(Fab')などである。
【0051】
本明細書で使用する「CDRグラフト抗体」は、第1の(非ヒト)種の相補性決定領域(CDR)が第2の(ヒト)種のフレームワーク領域(FR)にグラフトされているヒト化抗体を指す。
【0052】
本明細書で使用する「ヒト抗体」は、ヒトで産生された抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含む非ヒト動物、例えばXenoマウス(登録商標)で産生された抗体、およびインビトロ法、例えばファージディスプレイを用いて選択される抗体であって、抗体レパートリーがヒト免疫グロブリン配列に基づく抗体を指す。
【0053】
用語「リーダー配列」は、哺乳動物細胞からのポリペプチドの分泌を促進する、ポリペプチドのN末端に位置するアミノ酸残基の配列を指す。哺乳動物細胞からポリペプチドを移動する際に、リーダー配列を切断して成熟タンパク質を形成してもよい。リーダー配列は、天然でも合成でもよく、またリーダー配列は、それらを付与するタンパク質に対して異種でも同種でもよい。代表的リーダー配列には、抗体リーダー配列、例えばヒト軽鎖リーダー配列およびヒト重鎖リーダー配列にそれぞれ対応する配列番号3および4のアミノ酸配列などが含まれるが、これらに限定されない。また、非限定的な代表的リーダー配列には、異種タンパク質に由来するリーダー配列も含まれる。一部の実施形態において、抗体はリーダー配列を含まない。一部の実施形態において、抗体は、少なくとも1つのリーダー配列を含み、これは天然抗体リーダー配列および異種リーダー配列から選択してよい。
【0054】
用語「ベクター」は、クローン化ポリヌクレオチドを含有するように操作することができるポリヌクレオチド、または宿主細胞で増殖させることができるポリヌクレオチドを表すために使用される。ベクターは、以下の要素のうちの1つまたは複数を含んでもよい:複製起点、目的のポリペプチドの発現を調節する1つまたは複数の調節配列(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)、および/または1つまたは複数の選択可能なマーカー遺伝子(例えば、抗生物質抵抗性遺伝子、および比色分析に使用することができる遺伝子、例えばβ-ガラクトシダーゼ)。用語「発現ベクター」は、宿主細胞で目的のポリペプチドを発現するために使用するベクターを指す。
【0055】
「宿主細胞」は、ベクターもしくは単離されたポリヌクレオチドのレシピエントにすることができる、またはそれらのレシピエントにされている細胞を指す。宿主細胞は、原核細胞であっても真核細胞であってもよい。代表的真核細胞には、霊長類または非霊長類の動物細胞などの哺乳動物細胞、酵母などの真菌細胞、植物細胞、および昆虫細胞が含まれる。非限定的な代表的哺乳動物細胞には、NSO細胞、PER.C6(登録商標)細胞(Crucell社)、ならびに293細胞およびCHO細胞とそれらの誘導体、例えばそれぞれ293-6E細胞およびDG44細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書で使用する用語「単離された」とは、自然界で通常一緒に認められる構成要素のうちの少なくとも一部から分離した分子を指す。例えば、ポリペプチドは、それが産生された細胞の構成要素のうちの少なくとも一部から分離されている場合に、「単離された」とみなされる。ポリペプチドが発現後に細胞によって分泌される場合、それを産生した細胞からポリペプチドを含有する上清を物理的に分離することは、ポリペプチドを「単離すること」とみなされる。同様に、ポリヌクレオチドは、自然界で典型的にはより大きいポリヌクレオチド(例えば、DNAポリヌクレオチドの場合、ゲノムDNAまたはミトコンドリアDNA)の中に認められるが、これらのより大きいポリペプチドの一部でないときに、あるいは例えばRNAポリヌクレオチドの場合、ポリヌクレオチドが産生された細胞の構成要素のうちの少なくとも一部から分離しているときに、「単離された」とみなされる。したがって、宿主細胞内のベクターに含まれるDNAポリヌクレオチドは、そのポリヌクレオチドが自然界でそのベクター中で認められない限り、「単離された」とみなすことができる。
【0057】
用語「対象」および「患者」は、本明細書において、ヒトを指して互換的に使用される。一部の実施形態において、齧歯類、真猿類、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、哺乳類実験動物、哺乳類家畜、哺乳類スポーツ動物、および哺乳類ペットを含むがこれらに限定されない他の哺乳動物を治療する方法も提供される。
【0058】
用語「関節リウマチ」(「RA」)は、間接の損傷を引き起こし、慢性的な痛み、機能喪失、および障害をもたらす、間接内膜(滑膜)の炎症を主に特徴とする慢性自己免疫疾患を指す。RAは、皮膚、肺、および眼を含む身体の複数の器官に影響を及ぼすため、全身性の疾患とみなされる。
【0059】
用語「多発性硬化症」(「MS」)は、ミエリン鞘を産生する細胞に対抗して身体が抗体および白血球を生成する、CNSの慢性自己免疫性脱髄疾患を指す。「脱髄」は、ミエリン鞘が炎症を起こし、損傷し、神経線維から離れたときに発生する。
【0060】
用語「癌」は、制御されない細胞増殖、抑制されない細胞成長、細胞死/アポトーシスの減少に関連する増殖性障害を指す。癌には、これらに限定されないが、乳癌、前立腺癌、肺癌、腎癌、甲状腺癌、食道癌、黒色腫、濾胞性リンパ腫、ブドウ膜黒色腫、脳癌、頭頸部癌、肺腺癌が含まれ、これらに限定されないが、結腸癌、心臓腫瘍、膵臓癌、網膜芽腫、グリア芽腫、腸癌、睾丸癌、胃癌、神経芽細胞腫、粘液腫、筋腫、リンパ腫、内皮腫、骨芽細胞腫、破骨細胞腫、骨肉腫、軟骨肉腫、腺腫、カポジ肉腫、卵巣癌、白血病(急性白血病(例えば、急性リンパ性白血病、骨髄芽球性白血病を含む急性骨髄性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、および赤白血病)を含む)および慢性白血病(例えば、慢性骨髄性(顆粒球性)白血病および慢性リンパ球性白血病)、骨髄異形成症候群、真性赤血球増加症、リンパ腫(例えば、ホジキン病、非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、およびこれらに限定されないが肉腫および癌腫を含む固形腫瘍、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮症、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛腫、精上皮腫、胎生期癌、腎芽細胞腫、子宮頸癌、子宮内膜癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠種、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、および髄膜腫が含まれる。用語「転移」および「癌転移」は、本明細書において、癌細胞の他の組織に拡大する能力を指して互換的に使用される。例えば、「骨への転移」は、乳癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、甲状腺癌、および黒色腫を含むがこれらに限定されない特定の種類の癌の骨に転移する能力を指す。
【0061】
用語「溶骨性障害」は、本明細書において、骨吸収に関与する細胞である破骨細胞の活性増加によって生じるあらゆる症状を指して使用される。用語「骨溶解症」および「溶骨性骨量減少」は、溶骨性障害に関連する破骨細胞媒介性の骨吸収もしくは骨量減少を指して互換的に使用することができる。溶骨性障害は、溶骨性障害を発症する傾向のある対象に生じることがあり、あるいはこれらの障害は、破骨細胞を刺激することにより溶骨性障害の原因または一因となる疾患を有する対象に生じることもある。本発明の代表的な実施形態において、溶骨性障害は、溶骨性骨量減少および癌転移による溶骨性骨量減少を含みうる。本発明のさらなる代表的な実施形態において、溶骨性骨障害は代謝性骨疾患、例えば内分泌障害、例えば副腎皮質機能亢進症、性腺機能低下症、原発性もしくは二次性副甲状腺機能亢進症、および甲状腺機能亢進症;食事障害、例えばくる病、骨軟化症、壊血病、および栄養失調;骨粗しょう症;薬物使用、例えばグルココルチコイド(グルココルチコイド誘導性骨粗しょう症)、ヘパリン、およびアルコール;慢性疾患、例えば吸収不良症候群;慢性腎不全、例えば腎性骨ジストロフィー;慢性肝疾患、例えば肝性骨異栄養症;遺伝性疾患、例えば骨形成不全症およびホモシスチン尿症;ならびに関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、線維性骨異形成、歯周疾患、およびパジェット病に関連する骨炎が含まれる。
【0062】
用語「転移による溶骨性骨量減少」および「癌転移による溶骨性骨量減少」は、本明細書において、癌細胞の骨への転移に起因する骨溶解症または溶骨性骨量減少を指して互換的に使用される。用語「癌転移による破骨細胞活性」は、本明細書において、骨に転移した癌細胞の破骨細胞活性を誘導する能力を指して使用される。
【0063】
用語「腫瘍」は、本明細書において、異常に高い値の増殖および成長を示す細胞群を指して使用される。腫瘍は、良性、前癌性、または悪性であってよく、悪性腫瘍細胞は癌性である。腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞または白血病腫瘍細胞であってよい。用語「腫瘍成長」は、本明細書において、対応して腫瘍のサイズの増加をもたらす、腫瘍を含む1つまたは複数の細胞の増殖または成長を指して使用される。用語「CSFIR依存性腫瘍成長」は、本明細書において、1つまたは複数の腫瘍細胞が増殖または成長するために、その1つまたは複数の腫瘍細胞に必要なCSFIR媒介機能を指して使用される。
【0064】
本明細書で使用する「治療」は、ヒトを含む哺乳動物の疾患の治療薬のいかなる投与または適用も含み、また疾患または疾患の進行を抑制すること、疾患またはその進行を抑制または減速すること、その発症を阻止すること、疾患を部分的または完全に取り除くこと、あるいは疾患を治癒することを含み、これは例えば退行を生じさせることにより、または喪失、欠落、もしくは低下した機能を回復または修復することにより、または非効率的なプロセスを刺激することにより行う。
【0065】
用語「抑制」または「抑制する」は、任意の表現型の特徴の減少または停止、あるいはその特徴の発生、程度、または可能性の減少または停止を指す。
【0066】
「薬学的に許容される担体」は、治療剤とともに用いられ、対象に投与される「薬学的組成物」を共に構成する、当技術分野で一般的な毒性のない固体、半固体、もしくは液体の充填剤、希釈剤、封入材料、配合助剤、または担体を指す。薬学的に許容される担体は、使用する用量および濃度で受容者に対して毒性がなく、その配合物の他の原料と適合する。薬学的に許容される担体は、使用する剤形に適している。例えば、治療剤を経口投与する場合、担体はゲルカプセルであってもよい。治療剤を皮下投与する場合、担体は、理想的には皮膚に対して非刺激性であり、注射部位反応を発生させない。
【0067】
抗CSF1R抗体
本発明者らは、CSF1Rに対する新しい一連の抗体を発明した。抗CSF1R抗体には、ヒト化抗体、キメラ抗体、マウス抗体、ヒト抗体、および本明細書で説明する重鎖CDRおよび/または軽鎖CDRを含む抗体が含まれるが、これらに限定されない。
【0068】
代表的ヒト化抗体
一部の実施形態において、CSF1Rに結合するヒト化抗体が提供される。ヒト化抗体は治療用分子として有用であるが、これはヒト化抗体が、抗体治療薬に対する免疫応答をもたらして治療薬の効果を低下させうる、非ヒト抗体に対するヒト免疫応答(例えばヒト抗マウス抗体(HAMA)応答)を減少または排除するためである。
【0069】
非限定的な代表的ヒト化抗体には、本明細書に記載のAb1~Ab16が含まれる。また、非限定的な代表的ヒト化抗体には、Ab1~Ab16から選択される抗体の重鎖可変領域および/またはAb1~Ab16から選択される抗体の軽鎖可変領域を含む抗体も含まれる。非限定的な代表的ヒト化抗体には、配列番号39~45から選択される重鎖可変領域および/または配列番号46~52から選択される軽鎖可変領域を含む抗体が含まれる。また、代表的ヒト化抗体には、0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3および/または軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含むヒト化抗体も含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
一部の実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3および/または軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。非限定的な代表的ヒト化抗CSF1R抗体には、配列番号15、16、および17、配列番号21、22、および23、ならびに配列番号27、28、および29から選択される重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む抗体が含まれる。また、非限定的な代表的ヒト化抗CSF1R抗体には、配列番号18、19、および20、配列番号24、25、および26、ならびに配列番号30、31、および32から選択される軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む抗体も含まれる。
【0071】
非限定的な代表的ヒト化抗CSF1R抗体には、表1(配列番号を示す。配列は表8を参照)の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組と軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組とを含む抗体が含まれる。表1の各列は、代表的抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3、ならびに軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を示している。
【0072】
(表1)重鎖CDRおよび軽鎖CDR
【0073】
さらなる代表的ヒト化抗体
一部の実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む重鎖を含み、この抗体はCSF1Rに結合する。一部の実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む軽鎖を含み、この抗体はCSF1Rに結合する。一部の実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む重鎖と、配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む軽鎖とを含み、この抗体はCSF1Rに結合する。
【0074】
本明細書で使用する際、特定のポリペプチドが、例えばアミノ酸配列と少なくとも95%一致するかどうかは、例えばコンピュータプログラムを用いて測定することができる。特定の配列が、例えば参照配列と95%一致するかどうかを測定するとき、同一性のパーセンテージは、参照アミノ酸配列の全長にわたって計算する。
【0075】
一部の実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、本明細書で説明するCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、一部の実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、本明細書で説明する重鎖CDR1、本明細書で説明する重鎖CDR2、本明細書で説明する重鎖CDR3、本明細書で説明する軽鎖CDR1、本明細書で説明する軽鎖CDR2、および本明細書で説明する軽鎖CDR3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、一部の実施形態において、ヒト化抗CSF1R抗体は、本明細書で説明するCDRに基づく少なくとも1つの変異CDRを含み、このとき変異CDRは、本明細書で説明するCDRに対して1個、2個、3個、または4個のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つまたは複数は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して1つまたは複数の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、この適切な保存的アミノ酸置換は、変異CDRを含む抗体の結合特性を著しく変更することが予測されない。
【0076】
また、代表的ヒト化抗CSF1R抗体は、CSF1Rとの結合に関して本明細書に記載の抗体と競合する抗体も含む。したがって、一部の実施形態において、CSF1Rとの結合に関してFab0301、0302、および0311から選択される抗体と競合するヒト化抗CSF1R抗体、ならびにこれらのFabの二価(すなわち、2個の重鎖と2個の軽鎖とを有する)抗体型が提供される。
【0077】
代表的ヒト化抗体定常領域
一部の実施形態において、本明細書に記載のヒト化抗体は、1つまたは複数のヒト定常領域を含む。一部の実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、およびIgDから選択されるアイソタイプである。一部の実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、κおよびλから選択されるアイソタイプである。一部の実施形態において、本明細書に記載のヒト化抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。一部の実施形態において、本明細書に記載のヒト化抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。一部のそのような実施形態において、本明細書に記載のヒト化抗体は、ヒトIgG4定常領域にS241P変異を含む。一部の実施形態において、本明細書に記載のヒト化抗体は、ヒトIgG4定常領域およびヒトκ軽鎖を含む。
【0078】
重鎖定常領域の選択により、抗体がインビボでエフェクター機能を有するようになるかどうかを測定することができる。そのようなエフェクター機能には、一部の実施形態において、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)が含まれ、抗体が結合する細胞の殺滅をもたらすことができる。一部の癌を治療する方法を含む一部の治療方法において、細胞殺滅は、例えば腫瘍の維持および成長を支持する細胞に抗体が結合する場合に望ましい。腫瘍の維持および成長を支持しうる代表的細胞には、腫瘍細胞自体、腫瘍の脈管形成を助ける細胞、リガンドを供給する細胞、成長因子、または腫瘍成長もしくは腫瘍生存を支持もしくは促進するカウンター受容体が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖またはヒトIgG3重鎖を含む抗CSF1R抗体が選択される。
【0079】
一部の治療方法では、エフェクター機能は望ましくないことがある。例えば、一部の実施形態では、MSおよび/またはRAおよび/または骨溶解症の治療に使用する抗体が、エフェクター機能を有さないことが望ましいであろう。したがって、一部の実施形態において、癌の治療のために開発された抗CSF1R抗体は、MSおよび/またはRAおよび/または骨溶解症の治療における使用には適さないことがある。その結果、一部の実施形態において、著しいエフェクター機能を有さない抗CSF1R抗体をMSおよび/またはRAおよび/または骨溶解症の治療に使用する。一部の実施形態において、MSおよび/またはRAおよび/または骨溶解症の治療のための抗CSF1R抗体は、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含む。一部の実施形態において、IgG4定常領域はS241P変異を含む。
【0080】
抗体は、いかなる方法でヒト化してもよい。ヒト化の非限定的な代表的方法には、例えば米国特許第5,530,101号、同第5,585,089号、同第5,693,761号、同第5,693,762号、同第6,180,370号、Jones et al.,Nature 321:522-525(1986)、Riechmann et al.,Nature 332:323-27(1988)、Verhoeyen et al.,Science 239:1534-36(1988)、および米国特許公開第2009/0136500号に記載の方法が含まれる。
【0081】
上で述べたように、ヒト化抗体は、非ヒト可変領域のフレームワーク領域内の少なくとも1つのアミノ酸が、ヒトフレームワーク領域内の対応する位置のアミノ酸に置換されている抗体である。一部の実施形態において、非ヒト可変領域のフレームワーク領域内の少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも15個、または少なくとも20個のアミノ酸を1つまたは複数のヒトフレームワーク領域内の1つまたは複数の対応する位置のアミノ酸に置換する。
【0082】
一部の実施形態において、置換に使用する対応するヒトアミノ酸の一部は、異なるヒト免疫グロブリン遺伝子のフレームワーク領域に由来する。すなわち、一部のそのような実施形態において、例えば、非ヒトアミノ酸のうちの1つまたは複数は、第1のヒト抗体のヒトフレームワーク領域に由来するか、または第1のヒト免疫グロブリン遺伝子でコードされた対応するアミノ酸に置換してもよく、非ヒトアミノ酸のうちの1つまたは複数は、第2のヒト抗体のヒトフレームワーク領域に由来するか、または第2のヒト免疫グロブリン遺伝子でコードされた対応するアミノ酸に置換してもよく、非ヒトアミノ酸のうちの1つまたは複数は、第3のヒト抗体のヒトフレームワーク領域に由来するか、または第3のヒト免疫グロブリン遺伝子でコードされた対応するアミノ酸に置換してもよい。さらに、一部の実施形態において、単一のフレームワーク領域、例えばFR2において置換に使用する対応するヒトアミノ酸は、全てが同一のヒトフレームワークに由来する必要はない。しかしながら、一部の実施形態では、置換に使用する対応するヒトアミノ酸の全てが、同一のヒト抗体に由来するか、または同一のヒト免疫グロブリン遺伝子でコードされている。
【0083】
一部の実施形態において、1つまたは複数の全フレームワーク領域を対応するヒトフレームワーク領域に置換して、抗体をヒト化する。一部の実施形態において、置換する非ヒトフレームワーク領域に対して最も高い相同性を有するヒトフレームワーク領域を選択する。一部の実施形態において、そのようなヒト化抗体はCDRグラフト抗体である。
【0084】
一部の実施形態において、CDRグラフト化の後、1つまたは複数のフレームワークアミノ酸をマウスフレームワーク領域内の対応するアミノ酸に戻す。このような「復帰変異」は、一部の実施形態において、1つまたは複数のCDRの構造に寄与していると思われる、および/または抗原接着に関与しているかもしれない、および/または抗体の全体的な構造的完全性に関与していると思われる、1つまたは複数のマウスフレームワークアミノ酸を保持するように行われる。一部の実施形態において、CDRグラフト化の後、抗体のフレームワーク領域に10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個の復帰変異を行う。
【0085】
一部の実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト重鎖定常領域および/またはヒト軽鎖定常領域も含む。
【0086】
代表的キメラ抗体
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体はキメラ抗体である。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、少なくとも1つの非ヒト可変領域と、少なくとも1つのヒト定常領域とを含む。一部のそのような実施形態において、抗CSF1R抗体の全ての可変領域は非ヒト可変領域であり、抗CSF1R抗体の全ての定常領域はヒト定常領域である。一部の実施形態において、キメラ抗体の1つまたは複数の可変領域は、マウス可変領域である。キメラ抗体のヒト定常領域は、それが置換する非ヒト定常領域がもし存在する場合、これと同一のアイソタイプである必要はない。キメラ抗体は、米国特許第4,816,567号およびMorrison et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-55(1984)において説明されている。
【0087】
非限定的な代表的キメラ抗体には、0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域を含むキメラ抗体が含まれる。さらなる非限定的な代表的キメラ抗体には、0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3および/または軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含むキメラ抗体が含まれる。
【0088】
非限定的な代表的キメラ抗CSF1R抗体には、以下の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の対を含む抗体が含まれる:配列番号9および10、配列番号11および12、ならびに配列番号13および14。
【0089】
非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、上記の表1に示す重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3と軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3との組を含む抗体が含まれる。
【0090】
さらなる代表的キメラ抗体
一部の実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む重鎖を含み、この抗体はCSF1Rに結合する。一部の実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む軽鎖を含み、この抗体はCSF1Rに結合する。一部の実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む重鎖と、配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む軽鎖とを含み、この抗体はCSF1Rに結合する。
【0091】
一部の実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、本明細書で説明するCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、一部の実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、本明細書で説明する重鎖CDR1、本明細書で説明する重鎖CDR2、本明細書で説明する重鎖CDR3、本明細書で説明する軽鎖CDR1、本明細書で説明する軽鎖CDR2、および本明細書で説明する軽鎖CDR3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、一部の実施形態において、キメラ抗CSF1R抗体は、本明細書で説明するCDRに基づく少なくとも1つの変異CDRを含み、このとき変異CDRは、本明細書で説明するCDRに対して1個、2個、3個、または4個のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つまたは複数は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して1つまたは複数の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、この適切な保存的アミノ酸置換は、変異CDRを含む抗体の結合特性を著しく変更することが予測されない。
【0092】
また、代表的キメラ抗CSF1R抗体は、CSF1Rとの結合に関して本明細書に記載の抗体と競合するキメラ抗体も含む。したがって、一部の実施形態において、CSF1Rとの結合に関してFab0301、0302、および0311から選択される抗体と競合するキメラ抗CSF1R抗体、ならびにこれらのFabの二価(すなわち、2個の重鎖と2個の軽鎖とを有する)抗体型が提供される。
【0093】
代表的キメラ抗体定常領域
一部の実施形態において、本明細書に記載のキメラ抗体は、1つまたは複数のヒト定常領域を含む。一部の実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、およびIgDから選択されるアイソタイプである。一部の実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、κおよびλから選択されるアイソタイプである。一部の実施形態において、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。一部の実施形態において、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。一部のそのような実施形態において、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG4定常領域にS241P変異を含む。一部の実施形態において、本明細書に記載のキメラ抗体は、ヒトIgG4定常領域およびヒトκ軽鎖を含む。
【0094】
上で述べたように、エフェクター機能が望ましいかどうかは、抗体に施そうとする特定の治療方法によって異なりうる。したがって、一部の実施形態において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域またはヒトIgG3重鎖定常領域を含むキメラ抗CSF1R抗体が選択される。一部の実施形態において、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含むキメラ抗CSF1R抗体が選択される。
【0095】
代表的ヒト抗体
ヒト抗体は、いかなる適切な方法で作製してもよい。非限定的な代表的方法には、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むトランスジェニックマウス中でのヒト抗体の作成が含まれる。例として、Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2551-55(1993)、Jakobovits et al.,Nature 362:255-8(1993)、Lonberg et al.,Nature 368:856-9(1994)、ならびに米国特許第5,545,807号、同第6,713,610号、同第6,673,986号、同第6,162,963号、同第5,545,807号、同第6,300,129号、同第6,255,458号、同第5,877,397号、同第5,874,299号、および同第5,545,806号を参照されたい。
【0096】
非限定的な代表的方法には、ファージディスプレイライブラリーを用いたヒト抗体の作成も含まれる。例として、Hoogenboom et al.,J.Mol.Biol.227:381-8(1992)、Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581-97(1991)、およびPCT公報第WO99/10494号を参照されたい。
【0097】
一部の実施形態において、ヒト抗CSF1R抗体は、配列番号1の配列を有するポリペプチドに結合する。また、代表的ヒト抗CSF1R抗体は、CSF1Rとの結合に関して本明細書に記載の抗体と競合する抗体も含む。したがって、一部の実施形態において、CSF1Rとの結合に関してFab0301、0302、および0311から選択される抗体と競合するヒト抗CSF1R抗体、ならびにこれらのFabの二価(すなわち、2個の重鎖と2個の軽鎖とを有する)抗体型が提供される。
【0098】
一部の実施形態において、ヒト抗CSF1R抗体は、1つまたは複数のヒト定常領域を含む。一部の実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、およびIgDから選択されるアイソタイプである。一部の実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、κおよびλから選択されるアイソタイプである。一部の実施形態において、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。一部の実施形態において、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。一部のそのような実施形態において、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG4定常領域にS241P変異を含む。一部の実施形態において、本明細書に記載のヒト抗体は、ヒトIgG4定常領域およびヒトκ軽鎖を含む。
【0099】
一部の実施形態において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域またはヒトIgG3重鎖定常領域を含むヒト抗CSF1R抗体が選択される。一部の実施形態において、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含むヒト抗CSF1R抗体が選択される。
【0100】
さらなる代表的抗CSF1R抗体
代表的抗CSF1R抗体には、本明細書に記載のCDR配列のうち例えば1つまたは複数を含むマウス抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、および組換え抗体も含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖可変領域を含む。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の軽鎖可変領域を含む。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖可変領域と本明細書に記載の軽鎖可変領域とを含む。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDRを含む。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書に記載の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3と、本明細書に記載の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3とを含む。
【0101】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖可変領域を含む。非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、ヒト化抗体Ab1~Ab16から選択される抗体の重鎖可変領域を含む抗体も含まれる。非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列を含む重鎖可変領域を含む抗体が含まれる。
【0102】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の軽鎖可変領域を含む。非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、ヒト化抗体Ab1~Ab16から選択される抗体の軽鎖可変領域を含む抗体も含まれる。非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列を含む軽鎖可変領域を含む抗体が含まれる。
【0103】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含む。非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、ヒト化抗体Ab1~Ab16から選択される抗体の重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含む抗体も含まれる。非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、重鎖可変領域と軽鎖可変領域との以下の対を含む抗体が含まれる:配列番号9および10、配列番号11および12、および配列番号13および14、配列番号39および40、配列番号41および42、配列番号43および44、配列番号45および46、配列番号47および48、配列番号49および50、ならびに配列番号51および52。非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、重鎖と軽鎖との以下の対を含む抗体も含まれる:配列番号33および34、配列番号35および36、ならびに配列番号37および38。
【0104】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、配列番号15、16、および17、配列番号21、22、および23、ならびに配列番号27、28、および29から選択される重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む抗体が含まれる。
【0105】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む。非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、配列番号18、19、および20、配列番号24、25、および26、ならびに配列番号30、31、および32から選択される軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む抗体が含まれる。
【0106】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、Fab0301、0302、および0311から選択される抗体の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3と、軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3とを含む。
【0107】
非限定的な代表的抗CSF1R抗体には、上記の表1に示す重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3と軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3との組を含む抗体が含まれる。
【0108】
さらなる代表的抗体
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む重鎖を含み、この抗体はCSF1Rに結合する。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む軽鎖を含み、この抗体はCSF1Rに結合する。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む重鎖と、配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含む軽鎖とを含み、この抗体はCSF1Rに結合する。
【0109】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書で説明するCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書で説明する重鎖CDR1、本明細書で説明する重鎖CDR2、本明細書で説明する重鎖CDR3、本明細書で説明する軽鎖CDR1、本明細書で説明する軽鎖CDR2、および本明細書で説明する軽鎖CDR3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、本明細書で説明するCDRに基づく少なくとも1つの変異CDRを含み、このとき変異CDRは、本明細書で説明するCDRに対して1個、2個、3個、または4個のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つまたは複数は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して1つまたは複数の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、この適切な保存的アミノ酸置換は、変異CDRを含む抗体の結合特性を著しく変更することが予測されない。
【0110】
また、代表的抗CSF1R抗体は、CSF1Rとの結合に関して本明細書に記載の抗体と競合する抗体も含む。したがって、一部の実施形態において、CSF1Rとの結合に関してFab0301、0302、および0311から選択される抗体と競合する抗CSF1R抗体、ならびにこれらのFabの二価(すなわち、2個の重鎖と2個の軽鎖とを有する)抗体型が提供される。
【0111】
代表的抗体定常領域
一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体は、1つまたは複数のヒト定常領域を含む。一部の実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、およびIgDから選択されるアイソタイプである。一部の実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、κおよびλから選択されるアイソタイプである。一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG定常領域を含む。一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG4重鎖定常領域を含む。一部のそのような実施形態において、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG4定常領域にS241P変異を含む。一部の実施形態において、本明細書に記載の抗体は、ヒトIgG4定常領域およびヒトκ軽鎖を含む。
【0112】
上で述べたように、エフェクター機能が望ましいかどうかは、抗体に施そうとする特定の治療方法によって異なりうる。したがって、一部の実施形態において、エフェクター機能が望ましい場合、ヒトIgG1重鎖定常領域またはヒトIgG3重鎖定常領域を含む抗CSF1R抗体が選択される。一部の実施形態において、エフェクター機能が望ましくない場合、ヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含む抗CSF1R抗体が選択される。
【0113】
代表的抗CSF1R重鎖可変領域
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域が提供される。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域はマウス可変領域、ヒト可変領域、またはヒト化可変領域である。
【0114】
抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、重鎖CDR1、FR2、CDR2、FR3、およびCDR3を含む。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、重鎖FR1および/またはFR4をさらに含む。非限定的な代表的重鎖可変領域には、アミノ酸配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列を有する重鎖可変領域が含まれるが、これらに限定されない。
【0115】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、配列番号15、21、および27から選択される配列を含むCDR1を含む。
【0116】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、配列番号16、22、および28から選択される配列を含むCDR2を含む。
【0117】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖可変領域は、配列番号17、23、および29から選択される配列を含むCDR3を含む。
【0118】
非限定的な代表的重鎖可変領域には、配列番号15、16、および17、配列番号21、22、および23、ならびに配列番号27、28、および29から選択されるCDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む重鎖可変領域が含まれるが、これらに限定されない。
【0119】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖は、配列番号9、11、13、および39~45から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含み、このとき重鎖は軽鎖と一緒になってCSF1Rに結合する抗体を形成することが可能である。
【0120】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖は、本明細書で説明するCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、一部の実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖は、本明細書で説明する重鎖CDR1、本明細書で説明する重鎖CDR2、および本明細書で説明する重鎖CDR3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、一部の実施形態において、抗CSF1R抗体重鎖は、本明細書で説明するCDRに基づく少なくとも1つの変異CDRを含み、このとき変異CDRは、本明細書で説明するCDRに対して1個、2個、3個、または4個のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つまたは複数は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して1つまたは複数の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、この適切な保存的アミノ酸置換は、変異CDRを含む重鎖の結合特性を著しく変更することが予測されない。
【0121】
一部の実施形態において、重鎖は重鎖定常領域を含む。一部の実施形態において、重鎖はヒト重鎖定常領域を含む。一部の実施形態において、ヒト重鎖定常領域は、IgA、IgG、およびIgDから選択されるアイソタイプである。一部の実施形態において、ヒト重鎖定常領域はIgG定常領域である。一部の実施形態において、重鎖はヒトIgG4重鎖定常領域を含む。一部のそのような実施形態において、ヒトIgG4重鎖定常領域はS241P変異を含む。
【0122】
一部の実施形態において、エフェクター機能が望ましい場合、重鎖はヒトIgG1またはIgG3重鎖定常領域を含む。一部の実施形態において、エフェクター機能があまり望ましくない場合、重鎖はヒトIgG4またはIgG2重鎖定常領域を含む。
【0123】
代表的抗CSF1R軽鎖可変領域
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域が提供される。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、マウス可変領域、ヒト可変領域、またはヒト化可変領域である。
【0124】
抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、軽鎖CDR1、FR2、CDR2、FR3、およびCDR3を含む。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、軽鎖FR1および/またはFR4をさらに含む。非限定的な代表的軽鎖可変領域には、アミノ酸配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列を有する軽鎖可変領域が含まれる。
【0125】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、配列番号18、24、および30から選択される配列を含むCDR1を含む。
【0126】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、配列番号19、25、および31から選択される配列を含むCDR2を含む。
【0127】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖可変領域は、配列番号20、26、および32から選択される配列を含むCDR3を含む。
【0128】
非限定的な代表的軽鎖可変領域には、配列番号18、19、および20、配列番号24、25、および26、ならびに配列番号30、31、および32から選択されるCDR1、CDR2、およびCDR3の組を含む軽鎖可変領域が含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖は、配列番号10、12、14、および46~52から選択される配列と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%一致する可変領域配列を含み、このとき軽鎖は重鎖と一緒になってCSF1Rに結合する抗体を形成することが可能である。
【0130】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖は、本明細書で説明するCDRのうちの少なくとも1つを含む。すなわち、一部の実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖は、本明細書で説明する軽鎖CDR1、本明細書で説明する軽鎖CDR2、および本明細書で説明する軽鎖CDR3から選択される少なくとも1つのCDRを含む。さらに、一部の実施形態において、抗CSF1R抗体軽鎖は、本明細書で説明するCDRに基づく少なくとも1つの変異CDRを含み、このとき変異CDRは、本明細書で説明するCDRに対して1個、2個、3個、または4個のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態において、アミノ酸置換のうちの1つまたは複数は、保存的アミノ酸置換である。当業者は、特定のCDR配列に対して1つまたは複数の適切な保存的アミノ酸置換を選択することができ、この適切な保存的アミノ酸置換は、変異CDRを含む軽鎖の結合特性を著しく変更することが予測されない。
【0131】
一部の実施形態において、軽鎖はヒト軽鎖定常領域を含む。一部の実施形態において、ヒト軽鎖定常領域は、ヒトκおよびヒトλ軽鎖定常領域から選択される。
【0132】
代表的なさらなるCSF1R結合性分子
一部の実施形態において、CSF1Rに結合するさらなる分子が提供される。そのような分子には、非標準骨格、例えばアンチカリン、アドネクチン、アンキリン反復などが含まれるが、これらに限定されない。例として、Hosse et al.,Prot.Sci.15:14(2006)、Handbook of Therapeutic Antibodies,Dubel,S.,ed.,Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2007の第467頁~第499頁に記載のFiedler,M.and Skerra,A.,"Non-Antibody Scaffolds"を参照されたい。
【0133】
抗CSF1R抗体の代表的特性
一部の実施形態において、上記に記載の構造を有する抗体は、1nM未満の結合親和性(K)でCSF1Rに結合し、CSF1および/またはIL34のCSF1Rへの結合を遮断し、CSF1および/またはIL34に誘導されるCSF1Rリン酸化を抑制する。
【0134】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1Rの細胞外ドメイン(CSF1R-ECD)に結合する。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1Rに対して1nM未満、0.5nM未満、0.1nM未満、または0.05nM未満の結合親和性(K)を有する。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、0.01~1nM、0.01~0.5nM、0.01~0.1nM、0.01~0.05nM、または0.02~0.05nMのKを有する。
【0135】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1Rへのリガンド結合を遮断する。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1RへのCSF1の結合を遮断する。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1RへのIL34の結合を遮断する。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1RへのCSF1およびIL34の両者の結合を遮断する。一部の実施形態において、リガンド結合を遮断する抗体は、CSF1Rの細胞外ドメインに結合する。抗体は、実施例7に記載の検定を用いて、リガンドのCSF1Rに対する検出可能な結合の量を少なくとも50%減少させる場合に、「CSF1Rへのリガンド結合を遮断する」とみなされる。一部の実施形態において、抗体は、実施例7に記載の検定を用いて、リガンドのCSF1Rに対する検出可能な結合の量を少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%減少させる。一部のそのような実施形態において、抗体は、リガンド結合を少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%など遮断するとされる。
【0136】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、リガンド誘導性のCSF1Rリン酸化を抑制する。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1誘導性のCSF1Rリン酸化を抑制する。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、IL34誘導性のCSF1Rリン酸化を抑制する。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、CSF1誘導性のCSF1Rリン酸化およびIL34誘導性のCSF1Rリン酸化の両者を抑制する。抗体は、実施例6に記載の検定を用いて、検出可能なリガンド誘導性のCSF1Rリン酸化の量を少なくとも50%減少させる場合に、「リガンド誘導性のCSF1Rリン酸化を抑制する」とみなされる。一部の実施形態において、抗体は、実施例6に記載の検定を用いて、検出可能なリガンド誘導性のCSF1Rリン酸化の量を少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%減少させる。一部のそのような実施形態において、抗体は、リガンド誘導性のCSF1Rリン酸化を少なくとも少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%など抑制するとされる。
【0137】
一部の実施形態において、抗体は、CSF1および/またはIL34存在下での単球の増殖反応および/または生存反応を抑制する。抗体は、実施例10に記載の検定を用いて、CSF1および/またはIL34存在下での単球の増殖反応および/または生存反応の量を少なくとも50%減少させる場合に、「単球の増殖反応および/または生存反応を抑制する」とみなされる。一部の実施形態において、抗体は、実施例10に記載の検定を用いて、CSF1および/またはIL34存在下での単球の増殖反応および/または生存反応の量を少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%減少させる。一部のそのような実施形態において、抗体は、単球の増殖反応および/または生存反応を少なくとも少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%など抑制するとされる。
【0138】
代表的抗体複合体
一部の実施形態では、抗CSF1R抗体を標識および/または細胞毒性剤とコンジュゲートする。本明細書で使用する標識とは、抗体の検出を容易にする、および/または抗体が結合する分子の検出を容易にする部分である。非限定的な代表的標識には、放射性同位体、蛍光基、酵素基、化学発光基、ビオチン、エピトープ標識、金属結合標識などが含まれるが、これらに限定されない。当業者は、目的の用途に応じて適当な標識を選択することができる。
【0139】
本明細書で使用する細胞毒性剤とは、1つまたは複数の細胞の増殖能を低下させる部分である。細胞は、例えばその細胞がアポトーシスを遂げるか、または別の方法で死滅する、その細胞が細胞周期を進行させることができない、および/または分裂できない、その細胞が分化する、などの理由で増殖しにくくなった場合に、低下した増殖能を有する。非限定的な代表的細胞毒性剤には、放射性同位体、毒素、および化学療法剤が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、目的の用途に応じて適当な細胞毒素を選択することができる。
【0140】
一部の実施形態にでは、インビトロで化学的方法を用いて標識および/または細胞毒性剤を抗体にコンジュゲートする。非限定的なコンジュゲーションの代表的化学的方法は当技術分野において公知であり、例えば、Thermo Scientific Life Science Research Produces社(前Pierce社、米国イリノイ州ロックフォード)、Prozyme社(Hayward社、米国カリフォルニア州)、SACRI Antibody Services社(カナダ、カルガリー)、AbD Serotec社(米国ノースカロライナ州ローリー)などから市販されているサービス、方法、および/または試薬がある。一部の実施形態において、標識および/または細胞毒性剤がポリペプチドである場合、その標識および/または細胞毒性剤を少なくとも1つの抗体鎖を有する同一の発現ベクターから発現させて、抗体鎖に融合したその標識および/または細胞毒性剤を含むポリペプチドを産生することができる。当業者は、目的の用途に応じて、標識および/または細胞毒性剤を抗体にコンジュゲートするための適当な方法を選択することができる。
【0141】
代表的リーダー配列
一部の分泌タンパク質が大量に発現および分泌するためには、異種タンパク質に由来するリーダー配列が望ましいことがある。一部の実施形態において、リーダー配列は、それぞれ軽鎖リーダー配列および重鎖リーダー配列である配列番号3および4から選択される。一部の実施形態では、異種リーダー配列を使用することは、分泌過程においてERでリーダー配列が除去される際に、得られる成熟ポリペプチドが変化しないままである点で有利となりうる。異種リーダー配列の付加は、一部のタンパク質を発現および分泌するために必要となることがある。
【0142】
特定の代表的リーダー配列の配列は、例えば、国立シンガポール大学生化学科が管理するオンラインのリーダー配列データベースに記載されている。Choo et al.,BMC Bioinformatics,6:249(2005)、およびPCT公報第WO2006/081430号を参照されたい。
【0143】
抗CSF1R抗体をコードする核酸分子
抗CSF1R抗体の1つまたは複数の鎖をコードするポリヌクレオチドを含む核酸分子が提供される。一部の実施形態において、核酸分子は、抗CSF1R抗体の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、核酸分子は、抗CSF1R抗体の重鎖をコードするポリヌクレオチドと、抗CSF1R抗体の軽鎖をコードするポリヌクレオチドとの両者を含む。一部の実施形態において、第1の核酸分子は重鎖をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、第2の核酸分子は軽鎖をコードする第2のポリヌクレオチドを含む。
【0144】
一部のそのような実施形態において、重鎖および軽鎖は、1つの核酸分子から、または2つの別個の核酸分子から2つの別個のポリペプチドとして発現される。一部の実施形態において、例えば抗体がscFvである場合に、単一のポリヌクレオチドが、互いに連結した重鎖と軽鎖との両者を含む単一のポリペプチドをコードする。
【0145】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体の重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、翻訳されたときに重鎖または軽鎖のN末端に位置するリーダー配列をコードするヌクレオチド配列を含む。上述のように、リーダー配列は、天然の重鎖もしくは軽鎖リーダー配列であってもよく、または別の異種リーダー配列であってもよい。
【0146】
核酸分子は、当技術分野における従来の組換えDNA技法を使用して構築することができる。一部の実施形態において、核酸分子は、選択される宿主細胞中での発現に適した発現ベクターである。
【0147】
抗CSF1R抗体の発現および産生
ベクター
抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクターが提供される。抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含むベクターも提供される。そのようなベクターには、DNAベクター、ファージベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、ベクターは、重鎖をコードする第1のポリヌクレオチド配列と、軽鎖をコードする第2のポリヌクレオチド配列とを含む。一部の実施形態において、重鎖および軽鎖は、2つの別個のポリペプチドとしてベクターから発現される。一部の実施形態において、重鎖および軽鎖は、例えば抗体がscFvである場合などに、単一のポリペプチドの一部として発現される。
【0148】
一部の実施形態において、第1のベクターが重鎖をコードするポリヌクレオチドを含み、第2のベクターが軽鎖をコードするポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態において、第1のベクターおよび第2のベクターを同様の量(例えば同様のモル量または同様の質量)で宿主細胞にトランスフェクトする。一部の実施形態において、モル比または質量比5:1~1:5の第1のベクターおよび第2のベクターを宿主細胞にトランスフェクトする。一部の実施形態において、重鎖をコードするベクターと軽鎖をコードするベクターとの質量比1:1~1:5を使用する。一部の実施形態において、重鎖をコードするベクターと軽鎖をコードするベクターとの質量比1:2を使用する。
【0149】
一部の実施形態において、CHOもしくはCHO誘導細胞、またはNSO細胞でのポリペプチドの発現に最適化されたベクターが選択される。代表的なそのようなベクターは、例えば、Running Deer et al.,Biotechnol.Prog.20:880-889(2004)に記載されている。
【0150】
一部の実施形態において、ヒトを含む動物での抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖のインビボ発現用のベクターが選択される。一部のそのような実施形態において、ポリペプチドの発現は、組織特異的に機能するプロモーターの制御下で行われる。例えば肝臓特異的プロモーターは、例えばPCT公報第WO2006/076288号に記載されている。
【0151】
宿主細胞
種々の実施形態において、抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖は、原核細胞、例えば細菌細胞、または真核細胞、例えば真菌細胞(酵母など)、植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞で発現させることができる。そのような発現は、例えば当技術分野で周知の手順に従って実施することができる。ポリペプチドを発現させるために使用可能な代表的真核細胞には、COS7細胞を含むCOS細胞、293-6E細胞を含む293細胞、CHO-S細胞およびDG44細胞を含むCHO細胞、PER.C6(登録商標)細胞(Cru細胞)、ならびにNSO細胞が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖は、酵母で発現させることができる。例として、米国特許公開第2006/0270045(A1)号を参照されたい。一部の実施形態において、特定の真核生物宿主細胞が抗CSF1R重鎖および/または抗CSF1R軽鎖に対して望ましい翻訳後修飾を行うその能力に基づいて選択される。例えば、一部の実施形態において、CHO細胞は、293細胞で産生される同一のポリペプチドよりも高いシアリル化度を有するポリペプチドを産生する。
【0152】
所望の宿主細胞への1つまたは複数の核酸の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染などを含むがこれらに限定されないいかなる方法で実施してもよい。非限定的な代表的方法は、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3rd ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)に記載されている。核酸は、いかなる適切な方法に従って、所望の宿主細胞に一時的もしくは安定にトランスフェクトしてもよい。
【0153】
一部の実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、いかなる適切な方法に従って、ポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸分子を用いて操作もしくはトランスフェクトされた動物でインビボ産生してもよい。
【0154】
抗CSF1R抗体の精製
抗CSF1R抗体は、いかなる適切な方法で精製してもよい。そのような方法には、アフィニティーマトリックスまたは疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用が含まれるが、これらに限定されない。適切な親和性リガンドには、CSF1R ECDおよび抗体定常領域に結合するリガンドが含まれる。例えば、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、または抗体アフィニティーカラムを用いて、定常領域に結合し、抗CSF1R抗体を精製してもよい。疎水性相互作用クロマトグラフィー、例えばブチルカラムまたはフェニルカラムも一部のポリペプチドの精製に適していることがある。ポリペプチドを精製する多数の方法が、当技術分野において公知である。
【0155】
抗CSF1R抗体の無細胞産生
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は無細胞系で産生される。非限定的な代表的無細胞系は、例えば、Sitaraman et al.,Methods Mol.Biol.498:229-44(2009)、Spirin,Trends Biotechnol.22:538-45(2004)、Endo et al.,Biotechnol.Adv.21:695-713(2003)に記載されている。
【0156】
治療用組成物および治療方法
抗CSF1R抗体を用いた疾患治療方法
本発明の抗体および本発明の抗体を含む組成物が、ヒトまたは動物の治療方法における使用のために提供される。また、抗CSR1R抗体を投与することを含む疾患を治療する方法も提供される。抗CSF1R抗体で治療することができる非限定的な代表的疾患には、RA、MS、癌、転移による溶骨性骨量減少、溶骨性障害、および高カルシウム血症による骨量減少が含まれるが、これらに限定されない。
【0157】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体を投与することを含む炎症状態を治療する方法が提供される。一部の実施形態において、炎症状態は、乾癬、SLE(ループス)、COPD、アトピー性皮膚炎、およびアテローム性動脈硬化症、マクロファージ活性化症候群、およびヒスチオサイトーシスXから選択される。
【0158】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体を投与することを含む炎症状態を治療する方法であって、増殖性血管疾患、急性呼吸促迫症候群、サイトカイン媒介毒性、インターロイキン-2毒性、虫垂炎、消化性潰瘍、胃潰瘍および十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍性大腸炎、偽膜性大腸炎、急性大腸炎、および虚血性大腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、アカラシア、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、炎症性腸疾患、クローン病、腸炎、ウィップル病、ぜんそく、アレルギー、アナフィラキシーショック、免疫複合体病、臓器虚血、再かん流傷害、臓器壊死、花粉症、セプシス、敗血症、内毒素性ショック、悪液質、超高熱、好酸球性肉芽腫、肉芽腫症、サルコイドーシス、敗血性流産、精巣上体炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、気腫、鼻炎、嚢胞性線維症、肺炎、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、RSウイルス感染症、ヘルペス感染症、HIV感染症、B型肝炎感染症、C型肝炎感染症、播種性菌血症、デング熱、カンジダ症、マラリア、フィラリア症、アメーバ症、単包虫症、熱傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日光皮膚炎、じんま疹、いぼ、膨疹、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、アテローム性動脈硬化症、血栓性静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リウマチ熱、アルツハイマー病、セリアック病、うっ血性心不全、髄膜炎、脳炎、脳梗塞、脳塞栓症、ギラン・バレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄損傷、麻痺、ブドウ膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周疾患、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身性エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種移植片拒絶、移植片対宿主病、強直性脊椎炎、ベルジェ病、1型糖尿病、2型糖尿病、ベルジェ病、ライター症候群、ならびにホジキン病から選択される炎症状態を治療する方法、あるいはこれらの状態に関連する炎症を治療する方法が提供される。
【0159】
一部の実施形態において、抗CSF1R抗体を投与することを含む、癌を治療する方法が提供される。一部の実施形態において、癌はCSF1分泌性癌である。一部の実施形態において、癌は、乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、膀胱癌、腎癌、食道癌、扁平上皮癌、ブドウ膜黒色腫、濾胞性リンパ腫、腎細胞癌、子宮頸癌、および卵巣癌から選択される1つまたは複数の癌である。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、肺癌、結腸直腸癌、脳癌、膵臓癌、頭頸部癌、肝癌、白血病、リンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、黒色腫、星状細胞腫、胃癌、および肺腺癌から選択される1つまたは複数の癌の治療に有用である。
【0160】
投与経路および担体
種々の実施形態において、抗CSF1R抗体は、経口、動脈内、非経口、鼻腔内、筋肉内、心腔内、心室内、気管内、口腔内、直腸、腹腔内、皮内、局所、経皮、および髄腔内が含まれるがこれらに限定されない種々の経路により、あるいは移植または吸入により、インビボ投与することができる。本組成物は、固体、半固体、液体、または気体の形態の調製物に配合することができ、これには錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒、軟膏、溶液、坐剤、かん腸剤、注射剤、吸入剤、および噴霧剤が含まれるが、これらに限定されない。抗CSF1R抗体をコードする核酸分子は、金微粒子上にコーティングして、文献(例として、Tang et al.、Nature 356:152-154(1992)を参照されたい)に記載されているように粒子衝突装置または「遺伝子銃」によって皮内に送達してもよい。適当な剤形および投与経路は、目的の用途に応じて選択することができる。
【0161】
種々の実施形態において、さまざまな薬学的に許容される担体を含む配合物として、抗CSF1R抗体を含む組成物が提供される(例として、Gennaro,Remington:The Science and Practice of Pharmacy with Facts and Comparisons:Drugfacts Plus,20th ed.(2003)、Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th ed.,Lippencott Williams and Wilkins(2004)、Kibbe et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients,3rd ed.,Pharmaceutical Press(2000)を参照されたい)。賦形剤、アジュバント、および希釈剤を含む種々の薬学的に許容される担体を使用することができる。さらに、種々の薬学的に許容される補助剤、例えばpH調整剤および緩衝剤、等張化剤、安定剤、湿潤剤なども使用可能である。非限定的な代表的担体には、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0162】
種々の実施形態において、抗CSF1R抗体を含む組成物は、所望であれば従来の添加剤、例えば可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤、および保存剤とともに、水性または非水性の溶剤、例えば植物油または他の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪族アルコールのエステル、またはプロピレングリコールにそれらを溶解、懸濁、または乳化することにより、皮下投与を含む注射用に配合することができる。種々の実施形態において、組成物は、例えば許容される加圧推進剤、例えばジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などを用いて、吸入用に配合してもよい。また、種々の実施形態において、組成物は、生分解性ポリマーまたは非生分解性ポリマーなどを用いて、徐放性マイクロカプセル中に配合してもよい。非限定的な代表的生分解性配合物には、ポリ乳酸-グリコール酸ポリマーが含まれる。非限定的な代表的非生分解性配合物には、ポリグリセリン脂肪酸エステルが含まれる。そのような配合物を作成する特定の方法は、欧州特許第1 125 584(A1)号に記載されている。
【0163】
それぞれ1用量または複数用量の抗CSF1R抗体を含む1つまたは複数の容器を含む薬学的パックまたはキットも提供される。一部の実施形態において単位剤形が提供されるが、この単位剤形は、所定の量の抗CSF1R抗体を含む組成物を含有し、場合により1つまたは複数の添加剤を含む。一部の実施形態において、そのような単位剤形は、注射用の使い捨て充填済み注射器として提供される。種々の実施形態において、単位剤形に含有される組成物は、食塩水やショ糖など、例えばリン酸塩などの緩衝剤を含んでもよく、および/または安定かつ有効なpH範囲内で配合してもよい。あるいは、一部の実施形態において、組成物は、適当な液体、例えば滅菌水の添加により再構成できる凍結乾燥粉末として提供してもよい。一部の実施形態において、組成物は、ショ糖およびアルギニンを含むがこれらに限定されないタンパク質凝集を抑制する1つまたは複数の物質を含む。一部の実施形態において、本発明の組成物はヘパリンおよび/またはプロテオグリカンを含む。
【0164】
薬学的組成物は、特定の適応症の治療または予防に有効な量で投与される。治療効果のある量は、典型的には、治療を受ける対象の体重、その対象の身体状態および健康状態、治療を受ける状態の広範性、または治療を受ける対象の年齢に依存する。一般に、抗CSF1R抗体は、1回あたり約10μg/kg体重~約100mg/kg体重の範囲の量で投与してよい。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、1回あたり約50μg/kg体重~約5mg/kg体重の範囲の量で投与してよい。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、1回あたり約100μg/kg体重~約10mg/kg体重の範囲の量で投与してよい。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、1回あたり約100μg/kg体重~約20mg/kg体重の範囲の量で投与してよい。一部の実施形態において、抗CSF1R抗体は、1回あたり約0.5mg/kg体重~約20mg/kg体重の範囲の量で投与してよい。
【0165】
抗CSF1R抗体組成物は、必要に応じて対象に投与してもよい。投与頻度は、治療を受ける状態、治療を受ける対象の年齢、治療を受ける状態の重症度、治療を受ける対象の全般的健康状態などを考慮した上で、担当医などの当業者が決定することができる。一部の実施形態では、抗CSF1R抗体の有効用量を1回または複数回対象に投与する。種々の実施形態において、有効用量の抗CSF1R抗体を月1回、月1回を超えて、例えば2ヶ月に1回または3ヶ月に1回対象に投与する。他の実施形態では、有効用量の抗CSF1R抗体を月1回未満、例えば2週間に1回または3週間に1回対象に投与する。有効用量の抗CSF1R抗体は、少なくとも1度対象に投与する。一部の実施形態において、有効用量の抗CSF1R抗体は、例えば少なくとも1ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、または少なくとも1年間にわたり複数回投与してもよい。
【0166】
併用療法
抗CSF1R抗体は、単独で投与しても、または他の治療形態とともに投与してもよい。これらは、例えば手術、化学療法、放射線療法などの他の治療形態、あるいは別の治療用抗体などの生物製剤の投与の前、実質的に同時、またはその後に提供することができる。関節リウマチの治療では、抗CSF1R抗体は、他の治療剤、例えばメトトレキサート、抗TNF剤、例えばRemicade、Humira、Simponi、およびEnbrel;グルココルチコイド、例えばプレドニゾン;レフルノミド;アザチオプリン;JAK阻害剤、例えばCP 590690;SYK阻害剤、例えばR788;抗IL-6抗体;抗IL-6R抗体;抗CD-20抗体;抗CD19抗体;抗GM-CSF抗体;および抗GM-CSF-R抗体とともに投与してもよい。多発性硬化症の治療では、抗CSF1R抗体は、他の治療剤、例えばインターフェロンα;インターフェロンβ;プレドニゾン;抗α4インテグリン抗体、例えばTysabri;抗CD20抗体、例えばRituxan;FTY720(フィンゴリモド);およびクラドリビン(Leustatin)とともに投与してもよい。
【実施例0167】
下記に説明する実施例は、純粋に本発明の例示を目的とし、決して本発明を制限するとみなすべきものではない。これらの実施例は、下記の実験が実施された全てまたは唯一の実験であることを示すものではない。使用する数字(例えば、量や温度など)に関して正確性を確保するよう努力しているが、ある程度の実験誤差および偏差は考慮すべきである。特に指示のない限り、部は質量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
【0168】
実施例1:CSF1R細胞外ドメイン(ECD)に結合するFabの選択
マウスをヒトCSF1R細胞外ドメインFc融合、hCSF1R ECD.506-Fc(配列番号6)で免疫した。免疫したマウスの脾臓を取り出し、その脾細胞からFabファージディスプレイライブラリーを作製した。ヒトCSF1R ECDに結合するために、Fab発現ファージを選択した。陽性結合ファージからFabを発現させ、細菌から精製した。さらなる分析用に、合計1056個のFabクローンを選択した。
【0169】
ヒトCSF1R ECDに結合する能力、ヒトCSF1のヒトCSF1R ECDへの結合を遮断する能力、およびヒトIL34のヒトCSF1R ECDへの結合を遮断する能力について、Fabをスクリーニングした。続いてそのスクリーニングで選択したFabの配列分析およびクラスター化を実施し、一定の固有Fabを選択した。
【0170】
ヒトCSF1R ECDに結合する能力、カニクイザルCSF1R ECDに結合する能力、およびマウスCSF1R ECDに結合する能力について、それらの固有Fabをさらに分析した。またこれらのFabは、ヒトCSF1のヒトCSF1R ECDへの結合を遮断する能力、およびヒトIL34のヒトCSF1R ECDへの結合を遮断する能力、ならびにCSF1またはIL34存在下でリガンド誘導性のCSF1Rリン酸化を抑制する能力についても分析した(データは示さず)。
【0171】
実施例2:キメラ抗体を作製するための抗CSF1R Fabの再構成
Fabのキャラクタリゼーションに続いて、キメラ抗体に再構成するためにこれらのFabのうち11個を選択した。各Fabを、S241P変異を有するヒトIgG4重鎖定常領域およびヒトκ軽鎖定常領域を含むキメラ抗体に再構成した。要するに、マウスIgHリーダー配列(配列番号4)およびS241P変異を有するヒトIgG4重鎖定常領域(配列番号94)を含有するように改変したベクターpTT5(Biotechnology Research Institute、カナダ、モントリオール、およびNational Research Research Council of Canada、カナダ、オタワ)にFabのVH領域をクローニングし、そこから発現させた。マウスIgκリーダー配列(配列番号3)およびヒトIgκ軽鎖定常領域(配列番号95)を含有するように改変したベクターpTT5にFabのVL領域をクローニングし、そこから発現させた。FabのV領域は、非抗体由来アミノ酸配列を最終タンパク質に導入しないような形で挿入した。
【0172】
実施例3:キメラ抗体の発現およびキャラクタリゼーション
実施例5に記載のように、キメラ抗体を一時的に発現させ、実質的に精製した。
【0173】
ヒト、カニクイザル、およびマウスのCSF1R ECDへの結合について11個のキメラ抗体を分析した。また、これらのキメラ抗体は、ヒトCSF1のヒトCSF1R ECDへの結合を遮断する能力、ヒトIL34のヒトCSF1R ECDへの結合を遮断する能力、ヒトCSF1のカニクイザルCSF1R ECDへの結合を遮断する能力、およびCSF1またはIL34の存在下でリガンド誘導性のCSF1Rリン酸化を抑制する能力についても分析した。細胞表面のCSF1Rへの結合について、これらのキメラ抗体をさらに分析した。最後に、これらのキメラ抗体をリガンド不在下でCSF1Rリン酸化を誘導しないことを確認するために分析した(データは示さず)。
【0174】
実施例4:抗CSF1R抗体のヒト化
上述の分析から、キメラ抗CSF1R抗体0301、0302、および0311をヒト化用に選択した。これらの抗体を重鎖可変領域および軽鎖可変領域のフレームワーク領域内で一定のアミノ酸残基を変更することによりヒト化した。ヒト化に用いた基準は、例えば米国特許公開第2009/0136500号に既に記載されている。
【0175】
cAb0301では、合計6個のヒト化抗体Ab1~Ab6用に、3個のヒト化重鎖可変領域および2個のヒト化軽鎖可変領域を設計した。cAb0302では、合計6個のヒト化抗体Ab7~Ab12用に、2個のヒト化重鎖可変領域および3個のヒト化軽鎖可変領域を設計した。cAb0311では、合計4個のヒト化抗体Ab13~Ab16用に、2個のヒト化重鎖可変領域および2個のヒト化軽鎖可変領域を設計した。
【0176】
親キメラ抗体可変領域の配列およびヒトアクセプター可変フレームワーク領域の配列とアラインした、ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域のそれぞれの配列を図1(重鎖)および図2(軽鎖)に示す。ヒト化可変領域配列におけるヒトアクセプター可変フレームワーク領域配列に対する変更を四角で囲む。それぞれの可変領域のそれぞれのCDRを囲み領域内に示し、囲まれた配列の上に「CDR」と記す。
【0177】
下記の表8は、抗体Ab1~Ab16のヒト化重鎖およびヒト化軽鎖の全配列を示す。これらの抗体それぞれのヒト化重鎖およびヒト化軽鎖の名称および配列番号を表2に示す。
【0178】
(表2)Ab1~Ab16のヒト化重鎖およびヒト化軽鎖
【0179】
実施例5:ヒト化抗CSF1R抗体はヒトCSF1R ECDおよびカニクイザルCSF1R ECDに結合するが、マウスCSF1R ECDには結合しない
16個のヒト化抗体を以下のようにCHO細胞で一時的に発現させた。ポリエチレンイミン(PEI)をDNA:PEI比1:5で用いて、重鎖プラスミド1:軽鎖プラスミド2の質量比で、個々の重鎖発現プラスミドおよび軽鎖発現プラスミドをCHO-3E7細胞にコトランスフェクトした。トランスフェクション当たりに使用した合計DNAは、1.5μg/mL細胞である。
【0180】
HiTrap Protein A HPカラム(GE Healthcare社)を用いて、トランスフェクト細胞の上清からヒト化抗体を精製し、続いてPhenyl HPカラム(GE Healthcare社)を用いてさらに精製した。PBS/0.5M NaClで事前に平衡化したHiTrap Protein A HPカラムに抗体を含有する上清を装填した。抗体を装填したカラムを10カラム体積のPBS/0.5M NaClで洗浄し、0.1M グリシン(pH2.7)/0.5M NaClのリニアとステップとの混合勾配で、100μLの1M トリス緩衝液(pH8.0)に直接溶出させた。抗体を含有する溶出液をPBSに対して透析し、その後2.4M(NHSO(Sigma社)を添加して、10mM リン酸カリウム(pH7.0)/1.2M(NHSOと同等の伝導度を得た。次に抗体を10mM リン酸カリウム(pH7.0)/1.2M(NHSOで事前に平衡化した1mLのPhenyl HPカラム(GE Healthcare社)に装填した。抗体を装填したカラムを15カラム体積の10mM リン酸カリウム(pH7.0)/1.2M(NHSOで洗浄し、20カラム体積の10mM リン酸カリウム(pH7.0)の勾配で溶出させた。抗体を含有する画分を回収し、PBSに対して透析した。
【0181】
ヒト化抗体およびそれらの親キメラ抗体(cAb)をヒト、カニクイザル、およびマウスのCSF1R ECDへの結合について以下のように分析した。
【0182】
ヒトCSF1R結合活性
96ウェル透明ボトムELISAプレートをPBS中1μg/mLの組換えhCSF1R ECD.506-Fc(配列番号6、FivePrime Therapeutics社)またはヒトM-CSF R Fc Chimera(R&D Systems社)で一晩コーティングした。翌朝、ウェルをPBS中0.05% Tween20(PBST)で4回洗浄し、Blocker-Blotto(Pierce社)でブロッキングした。2000ng/mLから出発して、Blocker-Blottoに1:1で希釈したヒト化抗体または親キメラ抗体の0.5倍連続希釈物50μLをCSF1Rでコーティングしたウェルに添加した。室温(RT)で90分間のインキュベーション後、ウェルをPBSTで4回洗浄し、ペルオキシダーゼ複合ヤギ抗ヒトκ軽鎖抗体(Sigma社)のBlocker-Blotto中1:5000希釈物を各ウェルに添加した。RTで60分間のインキュベーション後、ウェルをPBSTで4回洗浄し、50μLのo-フェニレンジアミンジヒドロクロリドペルオキシダーゼ基質(Sigma社)を各ウェルに添加した。RTで30分間のインキュベーション後、SoftMaxProソフトウェア(Molecular Devices社)を用いて、SpectraMaxPlus分光光度計で、各ウェルのA450値を直接読み取った。
【0183】
その実験結果を図3に示す。試験した濃度範囲内で、全てのヒト化抗体がヒトCSF1R ECDに結合した。
【0184】
カニクイザルCSF1R結合曲線
ヒトCSF1Rについて上述したように、カニクイザルCSF1R ECDに結合する各ヒト化抗体の結合曲線を測定したが、ただし透明ボトムELISAプレートのウェルは、2μg/mLの組換えcynoCSF1R ECD-Fc(FivePrime Therapeutics社、配列番号8であるが19個のアミノ酸リーダー配列を含まない)で一晩コーティングした。
【0185】
その実験結果を図4に示す。試験した濃度範囲内で、全てのヒト化抗体がカニクイザルCSF1R ECDに結合した。
【0186】
マウスCSF1R結合曲線
ヒトCSF1Rについて上述したように、マウスCSF1R ECDに結合する各ヒト化抗体の結合曲線を測定したが、ただし透明ボトムELISAプレートのウェルは、2μg/mLの組換えmCSF1R ECD-Fc(FivePrime Therapeutics社、配列番号93)で一晩コーティングした。
【0187】
その実験結果を図5に示す。ヒト化抗体または親キメラ抗体のいずれも試験した濃度範囲にわたりマウスCSF1R ECDに検出可能に結合しなかった。
【0188】
EC50の計算
表3は、GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software社)の非線形回帰(曲線適合)分析アルゴリズムを用いて計算した、ヒトCSF1R ECDおよびカニクイザルCSF1R ECDに結合する各ヒト化抗体のEC50を示している。いずれのキメラ抗体もマウスCSF1R ECDに検出可能に結合しなかったため、そのデータからはEC50は計算できなかった。表3は、親キメラ抗体について計算したEC50も含む。
【0189】
(表3)ヒト化抗CSF1R抗体の結合活性
【0190】
実施例6:ヒト化抗CSF1R抗体はリガンド誘導性のCSF1Rリン酸化を抑制する
CSF1Rは、リガンドCSF1またはIL34の存在下でリン酸化される。いずれかのリガンドに誘導されるCSF1Rリン酸化を抑制する能力について、ヒト化抗体およびそれらの親キメラ抗体(cAb)を以下のように試験した。
【0191】
CSF1誘導性リン酸化の抑制
CSF1R(配列番号2)トランスフェクトCHO細胞を8μg/mLから出発するヒト化抗体または親キメラ抗体のそれぞれの連続希釈物とともに氷上で60分間インキュベーションし、続いてそれらの細胞に3.3nMのヒトCSF1(M-CSF、R&D Systems社)を添加した(ヒト化抗体の0301系列では、2μg/mLから出発するヒト化抗体および親キメラ抗体の連続希釈物を用いた)。これらの細胞を37℃で3分間インキュベーションし、その後1/10x体積の10x細胞溶解緩衝液(Cell Signaling Technology社)を添加して溶解した。細胞溶解物中のリン酸化されたCSF1Rの量をヒトphospho-M-CSF R ELISAキット(R&D Systems社)を用いて、製造者の取扱説明書に従って定量化した。
【0192】
その実験結果を図6A~6Cに示す。全てのヒト化抗体は、試験した濃度範囲内でヒトCSF1R ECDのヒトCSF1誘導性リン酸化を抑制することができた。
【0193】
IL34誘導性リン酸化の抑制
CSF1R(配列番号2)トランスフェクトCHO細胞を0.002~8μg/mLのヒト化抗体または親キメラ抗体それぞれとともに氷上で60分間インキュベーションし、続いてそれらの細胞に3.3nMのヒトIL34(FivePrime Therapeutics社、配列番号68)を添加した。これらの細胞を37℃で3分間インキュベーションし、その後1/10x体積の10x細胞溶解緩衝液(Cell Signaling Technology社)を添加して溶解した。細胞溶解物中のリン酸化されたCSF1Rの量をヒトphospho-M-CSF R ELISAキット(R&D Systems社)を用いて、製造者の取扱説明書に従って定量化した。
【0194】
その実験結果を図7A~7Cに示す。全てのヒト化抗体は、試験した濃度範囲内でヒトCSF1RのヒトIL34誘導性リン酸化を抑制することができた。
【0195】
実施例7:ヒト化抗CSF1R抗体はヒトCSF1およびヒトIL34のヒトCSF1RおよびカニクイザルCSF1Rへの結合を遮断する
ヒトCSF1/CSF1R遮断活性
ヒトCSF1のヒトCSF1R ECDおよびカニクイザルCSF1R ECDへの結合を遮断する能力について、ヒト化抗体および親キメラ抗体(cAb)を以下のように試験した。
【0196】
NH2-Biotin Labeling Kit(Dojindo Molecular Technologies社)を用いて組換えヒトCSF1(M-CSF、R&D Systems社)をビオチン化した。100μLのPBST/0.1% BSA中1μg/mLビオチン化CSF1をSuperBlockブロッキング緩衝液(Pierce社)で製造者の取扱説明書に従って事前にブロッキングしたReacti-Bind Streptavidinコーティングプレート(Pierce社)のウェルに添加した。2000ng/mLから出発するヒト化抗体または親キメラ抗体の0.5倍連続希釈物50μLを100μLのPBST/0.1%BSA中50ng/mLのhCSF1R ECD.506-Fc(配列番号6、FivePrime Therapeutics社)または50ng/mLのcynoCSF1R ECD-Fc(FivePrime Therapeutics社、配列番号8であるが、19個のアミノ酸リーダー配列を含まない)とともにRTで90分間インキュベーションし、続いてその混合物をリガンドでコーティングしたプレートの1つまたは複数のウェルに移動した。RTで90分経過後、ウェルをPBSTで洗浄し、Fc-断片特異的ペルオキシダーゼ複合ヤギ抗ヒトIgG(Jackson Immuno Research社)のPBST/0.1% BSA中1:5000希釈物を各ウェルに添加した。RTで60分間のインキュベーション後、ウェルをPBST/0.1% BSAで洗浄し、o-フェニレンジアミンジヒドロクロリドペルオキシダーゼ基質(Sigma社)を各ウェルに添加した。RTで30分間のインキュベーション後、SoftMaxProソフトウェア(Molecular Devices社)を用いて、SpectraMaxPlus分光光度計で、各ウェルのA450値を直接読み取った。
【0197】
カニクイザルCSF1Rに対するその実験の結果を図8A~8Cに示す。Fab0301および0311に基づく全てのヒト化抗体は、試験した濃度範囲内でヒトCSF1のカニクイザルCSF1R ECDへの結合を遮断することができた。その実験では、Fab0302に基づくいずれのヒト化抗体もcAb0302の遮断活性と比較して類似する遮断活性を示さなかった。
【0198】
ヒトIL34/CSF1R遮断活性
ヒトIL34のヒトCSF1R ECDへの結合を遮断する能力について、ヒト化抗体を試験した。CSF1の遮断について上述したように、各ヒト化抗体の遮断活性を測定したが、ただしNH2-Biotin Labeling Kit(Dojindo Molecular Technologies社)を用いて組換えヒトIL34(FivePrime Therapeutics社、配列番号68)をビオチン化し、その後100μLのPBST/0.1% BSA中1μg/mLのビオチン化組換えIL34をSuperBlockブロッキング緩衝液(Pierce社)で製造者の取扱説明書に従って事前にブロッキングしたReacti-Bind Streptavidinコーティングプレート(Pierce社)のウェルに添加した。
【0199】
カニクイザルCSF1Rに対するその実験の結果を図9A~9Cに示す。Fab0301および0311に基づく全てのヒト化抗体は、試験した濃度範囲内でヒトIL34のカニクイザルCSF1R ECDへの結合を遮断することができた。その実験では、Fab0302に基づくいずれのヒト化抗体もcAb0302の遮断活性と比較して類似する遮断活性を示さなかった。
【0200】
IC50の計算
表4は、GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software社)の非線形回帰(曲線適合)分析アルゴリズムを用いて計算した、各ヒト化抗体によるリガンド誘導性CSF1Rリン酸化抑制のIC50を示している。また、表4は、GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software社)の非線形回帰(曲線適合)分析アルゴリズムを用いて計算した、各ヒト化抗体によるCSF1R ECDへのリガンド結合の遮断のIC50も示している。最後に、表4は、対応するマウスアミノ酸残基に復帰変異した、各ヒト化抗体の軽鎖および重鎖のフレームワーク領域内のアミノ酸の数を示している。例えば、ヒト化抗体h0301L1H1は、マウスアミノ酸に復帰変異した軽鎖フレームワーク領域内のアミノ酸1個、およびマウスアミノ酸に復帰変異した重鎖フレームワーク領域内のアミノ酸1個を有する。図1および2を参照すると、Kabat番号付けに従って、軽鎖フレームワーク内の復帰変異したアミノ酸はフレームワーク1の1位にあり、重鎖における復帰変異したアミノ酸はフレームワーク3の71位にある(図1Bを参照)。
【0201】
(表4)ヒト化抗CSF1R抗体の遮断活性
【0202】
実施例8:ヒト化抗CSF1R抗体結合定数
各ヒト化抗体について、ヒトCSF1R ECDへの結合のk、k、およびKを以下のように測定した。
【0203】
抗CSF1Rヒト化抗体のCSF1R ECDに対する結合反応速度をBiacore T100 Surface Plasmon Resononance(SPR)(GE Healthcare Life Sciences社、米国ニューヨーク州ピスカタウェイ)を用いて測定した。hCSF1R ECD.506(配列番号5)結合のRmax値が100RUになるように、150RUでヒト抗体捕捉キット(GE Healthcare Life Sciences社、米国ニューヨーク州ピスカタウェイ)を用いて、抗ヒトIgG抗体で固定化したCM5センサーチップ上に各ヒト化抗CSF1R抗体を捕捉した。反応速度値を正確に測定するためには、150RU未満のRmax値が推奨される。泳動および希釈用緩衝液として、10mM Hepes緩衝食塩水(pH7.4)を0.05% Tween20(HPS-P、GE Healthcare Life Sciences社、米国ニューヨーク州ピスカタウェイ)とともに使用した。hCSF1R ECD.506を6種の濃度(90nM、30nM、10nM、3.33nM、1.11nM、および0nM)で2分間注入し、解離を5分間観察して、ヒト化抗体/hCSF1R ECDの結合反応速度パラメータを測定した。ヒトCSF1R ECDの各Fabの会合定数、解離定数、親和性、および結合能力は、1:1結合モデルを用い、Biacore T100 Evaluationソフトウェアパッケージを用いて計算した。
【0204】
反応速度測定結果を表5に示す。
【0205】
(表5)ヒトCSF1Rに対するヒト化抗体結合親和性
【0206】
2個以外の全てのヒト化抗体は、ヒトCSF1R ECDに対してナノモル以下の結合親和性を示し、残り2個のヒト化抗体は、ヒトCSF1R ECDに対して2nM未満の結合親和性を示した。
【0207】
実施例9:ヒト化抗CSF1R抗体はリガンド誘導性のリン酸化を遮断する
各ヒト化抗体についてのCSF1R結合およびリガンド抑制、ならびに免疫原性の可能性を含む上記のデータに基づき、さらなる研究用に3個のヒト化抗体0301-L0H0、0301-L1H0、および0311-L0H1を選択した。
【0208】
0301-L0H0、0301-L1H0、および0311-L0H1がそれぞれ細胞表面上のCSF1Rに結合することを確認した後(データは示さず)、実施例6に記載するように、CHO細胞においてリガンド誘導性のCSF1Rリン酸化を遮断する能力について、これら各抗体を試験した。
【0209】
その実験の結果を図10に示す。試験した3個全てのヒト化抗体は、CHO細胞において、CSF1RのCSF1誘導性(A)およびIL34誘導性(B)のリン酸化をいずれも遮断した。表6に、各抗体のリガンド誘導性のCSF1Rリン酸化遮断のIC50を示す。
【0210】
(表6)ヒト化抗体のリガンド誘導性リン酸化遮断IC50
【0211】
実施例10:ヒト化抗CSF1R抗体は一次ヒト単球のリガンド誘導性増殖/生存反応を遮断する
リガンド誘導性の単球の増殖/生存反応を遮断する能力について、ヒト化抗体0301-L0H0、0301-L1H0、および0311-L0H1を以下のように試験した。
【0212】
製造者の取扱説明書に従って、Ficoll-Paqueクッション(GE Healthcare Bio-Sciences社)上への遠心分離により、健康なドナーの血液からヒト末梢血単核細胞(PBMC)を単離した。続いて、48.5% Percoll(商標)クッション(GE Healthcare Bio-Sciences社)上への遠心分離により、回収したPBMC画分から末梢血単球を単離した。Percoll(商標)クッションから回収後、ヒト化抗体0301-L0H0、ヒト化抗体0301-L1H0、またはヒト化抗体0311-L0H1の連続希釈物の存在下または不在下で、162pM 組換えヒトCSF1または1.6nM 組換えヒトIL34(両者ともR&D Systems社製)で精製した末梢血単球を刺激した。37℃で48時間インキュベーション後、製造者の取扱説明書に従って、CellTiter-Glo(登録商標)試薬(Promega社)を用いて、個々の培養物の相対細胞ATP含有量を判定した。この検定において、相対細胞ATP含有量は、培養物中の生存細胞の数と正比例し、したがって単球の増殖/生存反応を反映している。
【0213】
その実験の結果を図11に示す。試験した3個全てのヒト化抗体は、CSF1(A)またはIL34(B)刺激後の単球の増殖/生存反応を遮断することができた。表7に、各抗体について、リガンド誘導性の単球増殖/生存反応の遮断のIC50を示す。表7に示す値は、試験した3例の異なる一次ドナーから観察された範囲を表している。
【0214】
(表7)ヒト化抗体の単球の増殖/生存遮断IC50
【0215】
実施例11:ヒト化抗CSF1R抗体は一次ヒト単球の増殖または生存反応を直接刺激しない
一次単球の増殖および/または生存を直接刺激する能力について、ヒト化抗体0301-L0H0、0301-L1H0、および0311-L0H1を以下のように試験した。
【0216】
実施例10に記載のように、ヒト末梢血単球を単離した。外因性CSFまたは外因性IL34による刺激の不在下で、ヒト化抗体0301-L0H0、ヒト化抗体0301-L1H0、またはヒト化抗体0311-L0H1の連続希釈物を単球に添加した。37℃で48時間インキュベーション後、実施例10と同様に、CellTiter-Glo(登録商標)試薬(Promega社)を用いて、個々の培養物の相対ATP含有量を判定した。この実験は、3例の異なるドナーからの末梢血単球に対して実施した。
【0217】
その実験の結果を図12に示す。試験したいずれの一次単球調製物においても、いずれのヒト化抗体も一次単球の増殖または生存を刺激しなかった。
【0218】
配列表
表8は、本明細書で説明する一定の配列を示す。全てのポリペプチドおよび抗体の配列は、特に指示しない限りリーダー配列を含まずに示される。
【0219】
(表8)配列および説明
【0220】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> FIVE PRIME THERAPEUTICS, INC
<120> ANTIBODIES THAT BIND CSF1R
<150> US 61/331,177
<151> 2010-05-04
<160> 95
<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 953
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(953)
<223> hCSF1R (full-length, no leader sequence)
<400> 1
Ile Pro Val Ile Glu Pro Ser Val Pro Glu Leu Val Val Lys Pro Gly
1 5 10 15
Ala Thr Val Thr Leu Arg Cys Val Gly Asn Gly Ser Val Glu Trp Asp
20 25 30
Gly Pro Pro Ser Pro His Trp Thr Leu Tyr Ser Asp Gly Ser Ser Ser
35 40 45
Ile Leu Ser Thr Asn Asn Ala Thr Phe Gln Asn Thr Gly Thr Tyr Arg
50 55 60
Cys Thr Glu Pro Gly Asp Pro Leu Gly Gly Ser Ala Ala Ile His Leu
65 70 75 80
Tyr Val Lys Asp Pro Ala Arg Pro Trp Asn Val Leu Ala Gln Glu Val
85 90 95
Val Val Phe Glu Asp Gln Asp Ala Leu Leu Pro Cys Leu Leu Thr Asp
100 105 110
Pro Val Leu Glu Ala Gly Val Ser Leu Val Arg Val Arg Gly Arg Pro
115 120 125
Leu Met Arg His Thr Asn Tyr Ser Phe Ser Pro Trp His Gly Phe Thr
130 135 140
Ile His Arg Ala Lys Phe Ile Gln Ser Gln Asp Tyr Gln Cys Ser Ala
145 150 155 160
Leu Met Gly Gly Arg Lys Val Met Ser Ile Ser Ile Arg Leu Lys Val
165 170 175
Gln Lys Val Ile Pro Gly Pro Pro Ala Leu Thr Leu Val Pro Ala Glu
180 185 190
Leu Val Arg Ile Arg Gly Glu Ala Ala Gln Ile Val Cys Ser Ala Ser
195 200 205
Ser Val Asp Val Asn Phe Asp Val Phe Leu Gln His Asn Asn Thr Lys
210 215 220
Leu Ala Ile Pro Gln Gln Ser Asp Phe His Asn Asn Arg Tyr Gln Lys
225 230 235 240
Val Leu Thr Leu Asn Leu Asp Gln Val Asp Phe Gln His Ala Gly Asn
245 250 255
Tyr Ser Cys Val Ala Ser Asn Val Gln Gly Lys His Ser Thr Ser Met
260 265 270
Phe Phe Arg Val Val Glu Ser Ala Tyr Leu Asn Leu Ser Ser Glu Gln
275 280 285
Asn Leu Ile Gln Glu Val Thr Val Gly Glu Gly Leu Asn Leu Lys Val
290 295 300
Met Val Glu Ala Tyr Pro Gly Leu Gln Gly Phe Asn Trp Thr Tyr Leu
305 310 315 320
Gly Pro Phe Ser Asp His Gln Pro Glu Pro Lys Leu Ala Asn Ala Thr
325 330 335
Thr Lys Asp Thr Tyr Arg His Thr Phe Thr Leu Ser Leu Pro Arg Leu
340 345 350
Lys Pro Ser Glu Ala Gly Arg Tyr Ser Phe Leu Ala Arg Asn Pro Gly
355 360 365
Gly Trp Arg Ala Leu Thr Phe Glu Leu Thr Leu Arg Tyr Pro Pro Glu
370 375 380
Val Ser Val Ile Trp Thr Phe Ile Asn Gly Ser Gly Thr Leu Leu Cys
385 390 395 400
Ala Ala Ser Gly Tyr Pro Gln Pro Asn Val Thr Trp Leu Gln Cys Ser
405 410 415
Gly His Thr Asp Arg Cys Asp Glu Ala Gln Val Leu Gln Val Trp Asp
420 425 430
Asp Pro Tyr Pro Glu Val Leu Ser Gln Glu Pro Phe His Lys Val Thr
435 440 445
Val Gln Ser Leu Leu Thr Val Glu Thr Leu Glu His Asn Gln Thr Tyr
450 455 460
Glu Cys Arg Ala His Asn Ser Val Gly Ser Gly Ser Trp Ala Phe Ile
465 470 475 480
Pro Ile Ser Ala Gly Ala His Thr His Pro Pro Asp Glu Phe Leu Phe
485 490 495
Thr Pro Val Val Val Ala Cys Met Ser Ile Met Ala Leu Leu Leu Leu
500 505 510
Leu Leu Leu Leu Leu Leu Tyr Lys Tyr Lys Gln Lys Pro Lys Tyr Gln
515 520 525
Val Arg Trp Lys Ile Ile Glu Ser Tyr Glu Gly Asn Ser Tyr Thr Phe
530 535 540
Ile Asp Pro Thr Gln Leu Pro Tyr Asn Glu Lys Trp Glu Phe Pro Arg
545 550 555 560
Asn Asn Leu Gln Phe Gly Lys Thr Leu Gly Ala Gly Ala Phe Gly Lys
565 570 575
Val Val Glu Ala Thr Ala Phe Gly Leu Gly Lys Glu Asp Ala Val Leu
580 585 590
Lys Val Ala Val Lys Met Leu Lys Ser Thr Ala His Ala Asp Glu Lys
595 600 605
Glu Ala Leu Met Ser Glu Leu Lys Ile Met Ser His Leu Gly Gln His
610 615 620
Glu Asn Ile Val Asn Leu Leu Gly Ala Cys Thr His Gly Gly Pro Val
625 630 635 640
Leu Val Ile Thr Glu Tyr Cys Cys Tyr Gly Asp Leu Leu Asn Phe Leu
645 650 655
Arg Arg Lys Ala Glu Ala Met Leu Gly Pro Ser Leu Ser Pro Gly Gln
660 665 670
Asp Pro Glu Gly Gly Val Asp Tyr Lys Asn Ile His Leu Glu Lys Lys
675 680 685
Tyr Val Arg Arg Asp Ser Gly Phe Ser Ser Gln Gly Val Asp Thr Tyr
690 695 700
Val Glu Met Arg Pro Val Ser Thr Ser Ser Asn Asp Ser Phe Ser Glu
705 710 715 720
Gln Asp Leu Asp Lys Glu Asp Gly Arg Pro Leu Glu Leu Arg Asp Leu
725 730 735
Leu His Phe Ser Ser Gln Val Ala Gln Gly Met Ala Phe Leu Ala Ser
740 745 750
Lys Asn Cys Ile His Arg Asp Val Ala Ala Arg Asn Val Leu Leu Thr
755 760 765
Asn Gly His Val Ala Lys Ile Gly Asp Phe Gly Leu Ala Arg Asp Ile
770 775 780
Met Asn Asp Ser Asn Tyr Ile Val Lys Gly Asn Ala Arg Leu Pro Val
785 790 795 800
Lys Trp Met Ala Pro Glu Ser Ile Phe Asp Cys Val Tyr Thr Val Gln
805 810 815
Ser Asp Val Trp Ser Tyr Gly Ile Leu Leu Trp Glu Ile Phe Ser Leu
820 825 830
Gly Leu Asn Pro Tyr Pro Gly Ile Leu Val Asn Ser Lys Phe Tyr Lys
835 840 845
Leu Val Lys Asp Gly Tyr Gln Met Ala Gln Pro Ala Phe Ala Pro Lys
850 855 860
Asn Ile Tyr Ser Ile Met Gln Ala Cys Trp Ala Leu Glu Pro Thr His
865 870 875 880
Arg Pro Thr Phe Gln Gln Ile Cys Ser Phe Leu Gln Glu Gln Ala Gln
885 890 895
Glu Asp Arg Arg Glu Arg Asp Tyr Thr Asn Leu Pro Ser Ser Ser Arg
900 905 910
Ser Gly Gly Ser Gly Ser Ser Ser Ser Glu Leu Glu Glu Glu Ser Ser
915 920 925
Ser Glu His Leu Thr Cys Cys Glu Gln Gly Asp Ile Ala Gln Pro Leu
930 935 940
Leu Gln Pro Asn Asn Tyr Gln Phe Cys
945 950

<210> 2
<211> 972
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(972)
<223> hCSF1R (full-length, + leader sequence)
<400> 2
Met Gly Pro Gly Val Leu Leu Leu Leu Leu Val Ala Thr Ala Trp His
1 5 10 15
Gly Gln Gly Ile Pro Val Ile Glu Pro Ser Val Pro Glu Leu Val Val
20 25 30
Lys Pro Gly Ala Thr Val Thr Leu Arg Cys Val Gly Asn Gly Ser Val
35 40 45
Glu Trp Asp Gly Pro Pro Ser Pro His Trp Thr Leu Tyr Ser Asp Gly
50 55 60
Ser Ser Ser Ile Leu Ser Thr Asn Asn Ala Thr Phe Gln Asn Thr Gly
65 70 75 80
Thr Tyr Arg Cys Thr Glu Pro Gly Asp Pro Leu Gly Gly Ser Ala Ala
85 90 95
Ile His Leu Tyr Val Lys Asp Pro Ala Arg Pro Trp Asn Val Leu Ala
100 105 110
Gln Glu Val Val Val Phe Glu Asp Gln Asp Ala Leu Leu Pro Cys Leu
115 120 125
Leu Thr Asp Pro Val Leu Glu Ala Gly Val Ser Leu Val Arg Val Arg
130 135 140
Gly Arg Pro Leu Met Arg His Thr Asn Tyr Ser Phe Ser Pro Trp His
145 150 155 160
Gly Phe Thr Ile His Arg Ala Lys Phe Ile Gln Ser Gln Asp Tyr Gln
165 170 175
Cys Ser Ala Leu Met Gly Gly Arg Lys Val Met Ser Ile Ser Ile Arg
180 185 190
Leu Lys Val Gln Lys Val Ile Pro Gly Pro Pro Ala Leu Thr Leu Val
195 200 205
Pro Ala Glu Leu Val Arg Ile Arg Gly Glu Ala Ala Gln Ile Val Cys
210 215 220
Ser Ala Ser Ser Val Asp Val Asn Phe Asp Val Phe Leu Gln His Asn
225 230 235 240
Asn Thr Lys Leu Ala Ile Pro Gln Gln Ser Asp Phe His Asn Asn Arg
245 250 255
Tyr Gln Lys Val Leu Thr Leu Asn Leu Asp Gln Val Asp Phe Gln His
260 265 270
Ala Gly Asn Tyr Ser Cys Val Ala Ser Asn Val Gln Gly Lys His Ser
275 280 285
Thr Ser Met Phe Phe Arg Val Val Glu Ser Ala Tyr Leu Asn Leu Ser
290 295 300
Ser Glu Gln Asn Leu Ile Gln Glu Val Thr Val Gly Glu Gly Leu Asn
305 310 315 320
Leu Lys Val Met Val Glu Ala Tyr Pro Gly Leu Gln Gly Phe Asn Trp
325 330 335
Thr Tyr Leu Gly Pro Phe Ser Asp His Gln Pro Glu Pro Lys Leu Ala
340 345 350
Asn Ala Thr Thr Lys Asp Thr Tyr Arg His Thr Phe Thr Leu Ser Leu
355 360 365
Pro Arg Leu Lys Pro Ser Glu Ala Gly Arg Tyr Ser Phe Leu Ala Arg
370 375 380
Asn Pro Gly Gly Trp Arg Ala Leu Thr Phe Glu Leu Thr Leu Arg Tyr
385 390 395 400
Pro Pro Glu Val Ser Val Ile Trp Thr Phe Ile Asn Gly Ser Gly Thr
405 410 415
Leu Leu Cys Ala Ala Ser Gly Tyr Pro Gln Pro Asn Val Thr Trp Leu
420 425 430
Gln Cys Ser Gly His Thr Asp Arg Cys Asp Glu Ala Gln Val Leu Gln
435 440 445
Val Trp Asp Asp Pro Tyr Pro Glu Val Leu Ser Gln Glu Pro Phe His
450 455 460
Lys Val Thr Val Gln Ser Leu Leu Thr Val Glu Thr Leu Glu His Asn
465 470 475 480
Gln Thr Tyr Glu Cys Arg Ala His Asn Ser Val Gly Ser Gly Ser Trp
485 490 495
Ala Phe Ile Pro Ile Ser Ala Gly Ala His Thr His Pro Pro Asp Glu
500 505 510
Phe Leu Phe Thr Pro Val Val Val Ala Cys Met Ser Ile Met Ala Leu
515 520 525
Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Tyr Lys Tyr Lys Gln Lys Pro
530 535 540
Lys Tyr Gln Val Arg Trp Lys Ile Ile Glu Ser Tyr Glu Gly Asn Ser
545 550 555 560
Tyr Thr Phe Ile Asp Pro Thr Gln Leu Pro Tyr Asn Glu Lys Trp Glu
565 570 575
Phe Pro Arg Asn Asn Leu Gln Phe Gly Lys Thr Leu Gly Ala Gly Ala
580 585 590
Phe Gly Lys Val Val Glu Ala Thr Ala Phe Gly Leu Gly Lys Glu Asp
595 600 605
Ala Val Leu Lys Val Ala Val Lys Met Leu Lys Ser Thr Ala His Ala
610 615 620
Asp Glu Lys Glu Ala Leu Met Ser Glu Leu Lys Ile Met Ser His Leu
625 630 635 640
Gly Gln His Glu Asn Ile Val Asn Leu Leu Gly Ala Cys Thr His Gly
645 650 655
Gly Pro Val Leu Val Ile Thr Glu Tyr Cys Cys Tyr Gly Asp Leu Leu
660 665 670
Asn Phe Leu Arg Arg Lys Ala Glu Ala Met Leu Gly Pro Ser Leu Ser
675 680 685
Pro Gly Gln Asp Pro Glu Gly Gly Val Asp Tyr Lys Asn Ile His Leu
690 695 700
Glu Lys Lys Tyr Val Arg Arg Asp Ser Gly Phe Ser Ser Gln Gly Val
705 710 715 720
Asp Thr Tyr Val Glu Met Arg Pro Val Ser Thr Ser Ser Asn Asp Ser
725 730 735
Phe Ser Glu Gln Asp Leu Asp Lys Glu Asp Gly Arg Pro Leu Glu Leu
740 745 750
Arg Asp Leu Leu His Phe Ser Ser Gln Val Ala Gln Gly Met Ala Phe
755 760 765
Leu Ala Ser Lys Asn Cys Ile His Arg Asp Val Ala Ala Arg Asn Val
770 775 780
Leu Leu Thr Asn Gly His Val Ala Lys Ile Gly Asp Phe Gly Leu Ala
785 790 795 800
Arg Asp Ile Met Asn Asp Ser Asn Tyr Ile Val Lys Gly Asn Ala Arg
805 810 815
Leu Pro Val Lys Trp Met Ala Pro Glu Ser Ile Phe Asp Cys Val Tyr
820 825 830
Thr Val Gln Ser Asp Val Trp Ser Tyr Gly Ile Leu Leu Trp Glu Ile
835 840 845
Phe Ser Leu Gly Leu Asn Pro Tyr Pro Gly Ile Leu Val Asn Ser Lys
850 855 860
Phe Tyr Lys Leu Val Lys Asp Gly Tyr Gln Met Ala Gln Pro Ala Phe
865 870 875 880
Ala Pro Lys Asn Ile Tyr Ser Ile Met Gln Ala Cys Trp Ala Leu Glu
885 890 895
Pro Thr His Arg Pro Thr Phe Gln Gln Ile Cys Ser Phe Leu Gln Glu
900 905 910
Gln Ala Gln Glu Asp Arg Arg Glu Arg Asp Tyr Thr Asn Leu Pro Ser
915 920 925
Ser Ser Arg Ser Gly Gly Ser Gly Ser Ser Ser Ser Glu Leu Glu Glu
930 935 940
Glu Ser Ser Ser Glu His Leu Thr Cys Cys Glu Gln Gly Asp Ile Ala
945 950 955 960
Gln Pro Leu Leu Gln Pro Asn Asn Tyr Gln Phe Cys
965 970

<210> 3
<211> 20
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(20)
<223> Light chain leader sequence
<400> 3
Met Glu Thr Asp Thr Leu Leu Leu Trp Val Leu Leu Leu Trp Val Pro
1 5 10 15
Gly Ser Thr Gly
20

<210> 4
<211> 19
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(19)
<223> Heavy chain leader sequence
<400> 4
Met Ala Val Leu Gly Leu Leu Leu Cys Leu Val Thr Phe Pro Ser Cys
1 5 10 15
Val Leu Ser

<210> 5
<211> 487
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(487)
<223> hCSF1R ECD.506
<400> 5
Ile Pro Val Ile Glu Pro Ser Val Pro Glu Leu Val Val Lys Pro Gly
1 5 10 15
Ala Thr Val Thr Leu Arg Cys Val Gly Asn Gly Ser Val Glu Trp Asp
20 25 30
Gly Pro Pro Ser Pro His Trp Thr Leu Tyr Ser Asp Gly Ser Ser Ser
35 40 45
Ile Leu Ser Thr Asn Asn Ala Thr Phe Gln Asn Thr Gly Thr Tyr Arg
50 55 60
Cys Thr Glu Pro Gly Asp Pro Leu Gly Gly Ser Ala Ala Ile His Leu
65 70 75 80
Tyr Val Lys Asp Pro Ala Arg Pro Trp Asn Val Leu Ala Gln Glu Val
85 90 95
Val Val Phe Glu Asp Gln Asp Ala Leu Leu Pro Cys Leu Leu Thr Asp
100 105 110
Pro Val Leu Glu Ala Gly Val Ser Leu Val Arg Val Arg Gly Arg Pro
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Leu Met Arg His Thr Asn Tyr Ser Phe Ser Pro Trp His Gly Phe Thr
130 135 140
Ile His Arg Ala Lys Phe Ile Gln Ser Gln Asp Tyr Gln Cys Ser Ala
145 150 155 160
Leu Met Gly Gly Arg Lys Val Met Ser Ile Ser Ile Arg Leu Lys Val
165 170 175
Gln Lys Val Ile Pro Gly Pro Pro Ala Leu Thr Leu Val Pro Ala Glu
180 185 190
Leu Val Arg Ile Arg Gly Glu Ala Ala Gln Ile Val Cys Ser Ala Ser
195 200 205
Ser Val Asp Val Asn Phe Asp Val Phe Leu Gln His Asn Asn Thr Lys
210 215 220
Leu Ala Ile Pro Gln Gln Ser Asp Phe His Asn Asn Arg Tyr Gln Lys
225 230 235 240
Val Leu Thr Leu Asn Leu Asp Gln Val Asp Phe Gln His Ala Gly Asn
245 250 255
Tyr Ser Cys Val Ala Ser Asn Val Gln Gly Lys His Ser Thr Ser Met
260 265 270
Phe Phe Arg Val Val Glu Ser Ala Tyr Leu Asn Leu Ser Ser Glu Gln
275 280 285
Asn Leu Ile Gln Glu Val Thr Val Gly Glu Gly Leu Asn Leu Lys Val
290 295 300
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305 310 315 320
Gly Pro Phe Ser Asp His Gln Pro Glu Pro Lys Leu Ala Asn Ala Thr
325 330 335
Thr Lys Asp Thr Tyr Arg His Thr Phe Thr Leu Ser Leu Pro Arg Leu
340 345 350
Lys Pro Ser Glu Ala Gly Arg Tyr Ser Phe Leu Ala Arg Asn Pro Gly
355 360 365
Gly Trp Arg Ala Leu Thr Phe Glu Leu Thr Leu Arg Tyr Pro Pro Glu
370 375 380
Val Ser Val Ile Trp Thr Phe Ile Asn Gly Ser Gly Thr Leu Leu Cys
385 390 395 400
Ala Ala Ser Gly Tyr Pro Gln Pro Asn Val Thr Trp Leu Gln Cys Ser
405 410 415
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435 440 445
Val Gln Ser Leu Leu Thr Val Glu Thr Leu Glu His Asn Gln Thr Tyr
450 455 460
Glu Cys Arg Ala His Asn Ser Val Gly Ser Gly Ser Trp Ala Phe Ile
465 470 475 480
Pro Ile Ser Ala Gly Ala His
485

<210> 6
<211> 719
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<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(719)
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20 25 30
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35 40 45
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Pro Val Leu Glu Ala Gly Val Ser Leu Val Arg Val Arg Gly Arg Pro
115 120 125
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130 135 140
Ile His Arg Ala Lys Phe Ile Gln Ser Gln Asp Tyr Gln Cys Ser Ala
145 150 155 160
Leu Met Gly Gly Arg Lys Val Met Ser Ile Ser Ile Arg Leu Lys Val
165 170 175
Gln Lys Val Ile Pro Gly Pro Pro Ala Leu Thr Leu Val Pro Ala Glu
180 185 190
Leu Val Arg Ile Arg Gly Glu Ala Ala Gln Ile Val Cys Ser Ala Ser
195 200 205
Ser Val Asp Val Asn Phe Asp Val Phe Leu Gln His Asn Asn Thr Lys
210 215 220
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225 230 235 240
Val Leu Thr Leu Asn Leu Asp Gln Val Asp Phe Gln His Ala Gly Asn
245 250 255
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260 265 270
Phe Phe Arg Val Val Glu Ser Ala Tyr Leu Asn Leu Ser Ser Glu Gln
275 280 285
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325 330 335
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340 345 350
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<222> (1)..(506)
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<212> PRT
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<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(740)
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Gly Phe Thr Ile His Arg Ala Lys Phe Ile Gln Gly Gln Asp Tyr Gln
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Cys Ser Ala Leu Met Gly Ser Arg Lys Val Met Ser Ile Ser Ile Arg
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Leu Lys Val Gln Lys Val Ile Pro Gly Pro Pro Ala Leu Thr Leu Val
195 200 205
Pro Ala Glu Leu Val Arg Ile Arg Gly Glu Ala Ala Gln Ile Val Cys
210 215 220
Ser Ala Ser Asn Ile Asp Val Asp Phe Asp Val Phe Leu Gln His Asn
225 230 235 240
Thr Thr Lys Leu Ala Ile Pro Gln Arg Ser Asp Phe His Asp Asn Arg
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275 280 285
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290 295 300
Ser Glu Gln Asn Leu Ile Gln Glu Val Thr Val Gly Glu Gly Leu Asn
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Leu Lys Val Met Val Glu Ala Tyr Pro Gly Leu Gln Gly Phe Asn Trp
325 330 335
Thr Tyr Leu Gly Pro Phe Ser Asp His Gln Pro Glu Pro Lys Leu Ala
340 345 350
Asn Ala Thr Thr Lys Asp Thr Tyr Arg His Thr Phe Thr Leu Ser Leu
355 360 365
Pro Arg Leu Lys Pro Ser Glu Ala Gly Arg Tyr Ser Phe Leu Ala Arg
370 375 380
Asn Pro Gly Gly Trp Arg Ala Leu Thr Phe Glu Leu Thr Leu Arg Tyr
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Pro Pro Glu Val Ser Val Ile Trp Thr Ser Ile Asn Gly Ser Gly Thr
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Leu Leu Cys Ala Ala Ser Gly Tyr Pro Gln Pro Asn Val Thr Trp Leu
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Gln Thr Tyr Glu Cys Arg Ala His Asn Ser Val Gly Ser Gly Ser Trp
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Gly Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr Leu
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580 585 590
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<221> misc_feature
<222> (1)..(122)
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<210> 10
<211> 111
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(111)
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<400> 10
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<210> 11
<211> 121
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(121)
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<400> 11
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<210> 12
<211> 111
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(111)
<223> Fab 0302 light chain variable region
<400> 12
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<210> 13
<211> 122
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(122)
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<400> 13
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115 120

<210> 14
<211> 111
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(111)
<223> Fab 0311 light chain variable region
<400> 14
Asp Ile Val Leu Thr Gln Ser Pro Ala Ser Leu Ala Val Ser Leu Gly
1 5 10 15
Gln Arg Ala Thr Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gln Ser Val Asp Tyr Asp
20 25 30
Gly Asp Ser His Met Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Pro Pro
35 40 45
Lys Leu Leu Ile Tyr Thr Ala Ser Asn Leu Glu Ser Gly Ile Pro Ala
50 55 60
Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Ala Asp Phe Thr Leu Thr Ile His
65 70 75 80
Pro Val Glu Glu Glu Asp Ala Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Gly Asn
85 90 95
Glu Asp Pro Trp Thr Phe Gly Gly Gly Thr Arg Leu Glu Ile Lys
100 105 110

<210> 15
<211> 10
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(10)
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<210> 16
<211> 17
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(17)
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<400> 16
Asp Ile Asn Pro Tyr Asn Gly Gly Thr Thr Phe Asn Gln Lys Phe Lys
1 5 10 15
Gly

<210> 17
<211> 13
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(13)
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<210> 18
<211> 15
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(15)
<223> 0301 light chain CDR1
<400> 18
Lys Ala Ser Gln Ser Val Asp Tyr Asp Gly Asp Asn Tyr Met Asn
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<210> 19
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<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(7)
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<210> 20
<211> 9
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(9)
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<400> 20
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1 5

<210> 21
<211> 10
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(10)
<223> 0302 heavy chain CDR1
<400> 21
Gly Tyr Thr Phe Ser Asp Phe Asn Ile His
1 5 10

<210> 22
<211> 17
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(17)
<223> 0302 heavy chain CDR2
<400> 22
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1 5 10 15
Gly

<210> 23
<211> 12
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<213> Mus musculus
<220>
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<213> Mus musculus
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<213> Mus musculus
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Thr Ala Ser Asn Leu Glu Ser
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Gly

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Thr Ala Ser Asn Leu Glu Ser
1 5

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1 5

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Gly Asp Ile Asn Pro Tyr Asn Gly Gly Thr Thr Phe Asn Gln Lys Phe
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65 70 75 80
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Val Pro Ser Ser Ser Leu Gly Thr Lys Thr Tyr Thr Cys Asn Val Asp
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Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser
245 250 255
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Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg Glu Pro Gln Val Tyr Thr
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Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr
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Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys Thr Thr Pro Pro Val Leu
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Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Arg Leu Thr Val Asp Lys
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Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser Leu Gly
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Lys

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<213> Artificial Sequence
<220>
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Gln Arg Ala Thr Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gln Ser Val Asp Tyr Asp
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Gly Asp Asn Tyr Met Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Pro Pro
35 40 45
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Thr Val Ala Ala Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu Gln
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Pro Arg Glu Ala Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu Gln Ser
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Gly Asn Ser Gln Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser Thr
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Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser Arg
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Thr Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val Asp Val Ser Gln Glu Asp Pro
260 265 270
Glu Val Gln Phe Asn Trp Tyr Val Asp Gly Val Glu Val His Asn Ala
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Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Phe Asn Ser Thr Tyr Arg Val Val
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Ser Val Leu Thr Val Leu His Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu Tyr
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Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys Gly Leu Pro Ser Ser Ile Glu Lys Thr
325 330 335
Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg Glu Pro Gln Val Tyr Thr Leu
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Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys
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Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp Ile Ala Val Glu Trp Glu Ser
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Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser Leu Gly Lys
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic: cAb 0302 light chain
<400> 36
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Gln Arg Ala Thr Ile Ser Cys Arg Ala Ser Glu Ser Val Asp Asn Tyr
20 25 30
Gly Leu Ser Phe Met Asn Trp Phe Gln Gln Lys Pro Gly Gln Pro Pro
35 40 45
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Pro Val Glu Ala Asp Asp Ala Ala Thr Tyr Phe Cys Gln Gln Ser Lys
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Glu Leu Pro Trp Thr Phe Gly Gly Gly Thr Arg Leu Glu Ile Lys Arg
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Thr Val Ala Ala Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu Gln
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Pro Arg Glu Ala Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu Gln Ser
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Gly Asn Ser Gln Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser Thr
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<213> Artificial Sequence
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Asn Met His Trp Val Lys Gln Asn Gln Gly Lys Ser Leu Glu Trp Met
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Thr Arg Ala Leu Tyr His Ser Asn Phe Gly Trp Tyr Phe Asp Ser Trp
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Gly Lys Gly Thr Thr Leu Thr Val Ser Ser Ala Ser Thr Lys Gly Pro
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Ser Val Phe Pro Leu Ala Pro Cys Ser Arg Ser Thr Ser Glu Ser Thr
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Ala Ala Leu Gly Cys Leu Val Lys Asp Tyr Phe Pro Glu Pro Val Thr
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Val Ser Trp Asn Ser Gly Ala Leu Thr Ser Gly Val His Thr Phe Pro
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Ala Val Leu Gln Ser Ser Gly Leu Tyr Ser Leu Ser Ser Val Val Thr
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Val Pro Ser Ser Ser Leu Gly Thr Lys Thr Tyr Thr Cys Asn Val Asp
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His Lys Pro Ser Asn Thr Lys Val Asp Lys Arg Val Glu Ser Lys Tyr
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Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro Ala Pro Glu Phe Leu Gly Gly Pro
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Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser
245 250 255
Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val Asp Val Ser Gln Glu Asp
260 265 270
Pro Glu Val Gln Phe Asn Trp Tyr Val Asp Gly Val Glu Val His Asn
275 280 285
Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Phe Asn Ser Thr Tyr Arg Val
290 295 300
Val Ser Val Leu Thr Val Leu His Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu
305 310 315 320
Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys Gly Leu Pro Ser Ser Ile Glu Lys
325 330 335
Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg Glu Pro Gln Val Tyr Thr
340 345 350
Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr
355 360 365
Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp Ile Ala Val Glu Trp Glu
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Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys Thr Thr Pro Pro Val Leu
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Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Arg Leu Thr Val Asp Lys
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Ser Arg Trp Gln Glu Gly Asn Val Phe Ser Cys Ser Val Met His Glu
420 425 430
Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser Leu Gly
435 440 445
Lys

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<213> Artificial Sequence
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Gln Arg Ala Thr Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gln Ser Val Asp Tyr Asp
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Gly Asp Ser His Met Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Pro Pro
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Thr Val Ala Ala Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu Gln
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Pro Arg Glu Ala Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu Gln Ser
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Gly Asn Ser Gln Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser Thr
165 170 175
Tyr Ser Leu Ser Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr Glu Lys
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His Lys Val Tyr Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser Ser Pro
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<213> Artificial Sequence
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<400> 45
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Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg Glu Pro Gln Val Tyr Thr
340 345 350
Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr
355 360 365
Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp Ile Ala Val Glu Trp Glu
370 375 380
Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys Thr Thr Pro Pro Val Leu
385 390 395 400
Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Arg Leu Thr Val Asp Lys
405 410 415
Ser Arg Trp Gln Glu Gly Asn Val Phe Ser Cys Ser Val Met His Glu
420 425 430
Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser Leu Gly
435 440 445
Lys

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<213> Artificial Sequence
<220>
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Glu Arg Ala Thr Leu Ser Cys Lys Ala Ser Gln Ser Val Asp Tyr Asp
20 25 30
Gly Asp Asn Tyr Met Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ala Pro
35 40 45
Arg Leu Leu Ile Tyr Ala Ala Ser Asn Leu Glu Ser Gly Ile Pro Ala
50 55 60
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65 70 75 80
Ser Leu Glu Pro Glu Asp Phe Ala Val Tyr Tyr Cys His Leu Ser Asn
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Thr Val Ala Ala Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu Gln
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130 135 140
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Glu Arg Ala Thr Leu Ser Cys Lys Ala Ser Gln Ser Val Asp Tyr Asp
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Gly Asp Asn Tyr Met Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ala Pro
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50 55 60
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65 70 75 80
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210 215

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<213> Artificial Sequence
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<211> 222
<212> PRT
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<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(222)
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Ser Val Arg Pro Val Arg Ala Gln Gly Glu Gly Leu Leu Pro
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<221> misc_feature
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<220>
<221> misc_feature
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<210> 71
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<220>
<221> misc_feature
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<221> misc_feature
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<221> misc_feature
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<220>
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<220>
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<220>
<221> misc_feature
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<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
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<221> misc_feature
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<221> misc_feature
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<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
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<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(15)
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<210> 83
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<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(32)
<223> Human acceptor D FR3
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<210> 84
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<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(10)
<223> Human acceptor D FR4
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<210> 85
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<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(23)
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<210> 86
<211> 15
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(15)
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<210> 87
<211> 32
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(32)
<223> Human acceptor E FR3
<400> 87
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<210> 88
<211> 10
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(10)
<223> Human acceptor E FR4
<400> 88
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1 5 10

<210> 89
<211> 23
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(23)
<223> Human acceptor F FR1
<400> 89
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1 5 10 15
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20

<210> 90
<211> 15
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(15)
<223> Human acceptor F FR2
<400> 90
Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ala Pro Arg Leu Leu Ile Tyr
1 5 10 15

<210> 91
<211> 32
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(32)
<223> Human acceptor F FR3
<400> 91
Gly Ile Pro Ala Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr
1 5 10 15
Leu Thr Ile Ser Ser Leu Glu Pro Glu Asp Phe Ala Val Tyr Tyr Cys
20 25 30

<210> 92
<211> 10
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(10)
<223> Human acceptor F FR4
<400> 92
Phe Gly Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
1 5 10

<210> 93
<211> 719
<212> PRT
<213> Mus musculus
<220>
<221> misc_feature
<222> (1)..(719)
<223> mCSF1R ECD-Fc
<400> 93
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1 5 10 15
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20 25 30
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Ile Arg Lys Ala Lys Val Leu Asp Ser Asn Thr Tyr Val Cys Lys Thr
145 150 155 160
Met Val Asn Gly Arg Glu Ser Thr Ser Thr Gly Ile Trp Leu Lys Val
165 170 175
Asn Arg Val His Pro Glu Pro Pro Gln Ile Lys Leu Glu Pro Ser Lys
180 185 190
Leu Val Arg Ile Arg Gly Glu Ala Ala Gln Ile Val Cys Ser Ala Thr
195 200 205
Asn Ala Glu Val Gly Phe Asn Val Ile Leu Lys Arg Gly Asp Thr Lys
210 215 220
Leu Glu Ile Pro Leu Asn Ser Asp Phe Gln Asp Asn Tyr Tyr Lys Lys
225 230 235 240
Val Arg Ala Leu Ser Leu Asn Ala Val Asp Phe Gln Asp Ala Gly Ile
245 250 255
Tyr Ser Cys Val Ala Ser Asn Asp Val Gly Thr Arg Thr Ala Thr Met
260 265 270
Asn Phe Gln Val Val Glu Ser Ala Tyr Leu Asn Leu Thr Ser Glu Gln
275 280 285
Ser Leu Leu Gln Glu Val Ser Val Gly Asp Ser Leu Ile Leu Thr Val
290 295 300
His Ala Asp Ala Tyr Pro Ser Ile Gln His Tyr Asn Trp Thr Tyr Leu
305 310 315 320
Gly Pro Phe Phe Glu Asp Gln Arg Lys Leu Glu Phe Ile Thr Gln Arg
325 330 335
Ala Ile Tyr Arg Tyr Thr Phe Lys Leu Phe Leu Asn Arg Val Lys Ala
340 345 350
Ser Glu Ala Gly Gln Tyr Phe Leu Met Ala Gln Asn Lys Ala Gly Trp
355 360 365
Asn Asn Leu Thr Phe Glu Leu Thr Leu Arg Tyr Pro Pro Glu Val Ser
370 375 380
Val Thr Trp Met Pro Val Asn Gly Ser Asp Val Leu Phe Cys Asp Val
385 390 395 400
Ser Gly Tyr Pro Gln Pro Ser Val Thr Trp Met Glu Cys Arg Gly His
405 410 415
Thr Asp Arg Cys Asp Glu Ala Gln Ala Leu Gln Val Trp Asn Asp Thr
420 425 430
His Pro Glu Val Leu Ser Gln Lys Pro Phe Asp Lys Val Ile Ile Gln
435 440 445
Ser Gln Leu Pro Ile Gly Thr Leu Lys His Asn Met Thr Tyr Phe Cys
450 455 460
Lys Thr His Asn Ser Val Gly Asn Ser Ser Gln Tyr Phe Arg Ala Val
465 470 475 480
Ser Leu Gly Gln Ser Lys Gln Glu Pro Lys Ser Ser Asp Lys Thr His
485 490 495
Thr Cys Pro Pro Cys Pro Ala Pro Glu Leu Leu Gly Gly Pro Ser Val
500 505 510
Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser Arg Thr
515 520 525
Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val Asp Val Ser His Glu Asp Pro Glu
530 535 540
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545 550 555 560
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565 570 575
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580 585 590
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610 615 620
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625 630 635 640
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645 650 655
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660 665 670
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<211> 327
<212> PRT
<213> Artificial sequence
<220>
<223> Synthetic: Human IgG4 S241P
<400> 94
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1 5 10 15
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20 25 30
Phe Pro Glu Pro Val Thr Val Ser Trp Asn Ser Gly Ala Leu Thr Ser
35 40 45
Gly Val His Thr Phe Pro Ala Val Leu Gln Ser Ser Gly Leu Tyr Ser
50 55 60
Leu Ser Ser Val Val Thr Val Pro Ser Ser Ser Leu Gly Thr Lys Thr
65 70 75 80
Tyr Thr Cys Asn Val Asp His Lys Pro Ser Asn Thr Lys Val Asp Lys
85 90 95
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130 135 140
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Gly Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Phe
165 170 175
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180 185 190
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225 230 235 240
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260 265 270
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325

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<221> misc_feature
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85 90 95
Pro Val Thr Lys Ser Phe Asn Arg Gly Glu Cys
100 105
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【配列表】
2023144055000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重鎖と軽鎖とを含みかつヒトコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合する単離された抗体であって、
前記重鎖が、配列番号39の配列と少なくとも95%一致するアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖が、配列番号46の配列と少なくとも95%一致するアミノ酸配列を含み、
前記抗体が、ヒトCSF1RへのヒトCSF1およびヒトIL34両方の結合を遮断し、
かつ
前記抗体が、IgG1抗体、IgG2抗体、またはIgG4抗体である、
前記抗体。
【請求項2】
前記重鎖が、配列番号39と少なくとも97%一致する配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記軽鎖が、配列番号46と少なくとも97%一致する配列を含む、請求項1または2に記載の抗体。
【請求項4】
前記重鎖が、配列番号39と少なくとも99%一致する配列を含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
前記軽鎖が、配列番号46と少なくとも99%一致する配列を含む、請求項1または2に記載の抗体。
【請求項6】
前記重鎖が全長重鎖である、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項7】
前記軽鎖が全長軽鎖である、請求項1~6のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項8】
ヒトコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)に結合し、重鎖と軽鎖とを含む、単離された抗体であって、
前記重鎖が、配列番号53の配列と少なくとも95%一致するアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖が、配列番号60の配列と少なくとも95%一致するアミノ酸配列を含み、かつ
前記抗体が、ヒトCSF1RへのヒトCSF1およびヒトIL34両方の結合を遮断する、
前記抗体。
【請求項9】
前記重鎖が、配列番号53と少なくとも97%一致する配列を含む、請求項8に記載の抗体。
【請求項10】
前記軽鎖が、配列番号60と少なくとも97%一致する配列を含む、請求項8または9に記載の抗体。
【請求項11】
前記重鎖が全長重鎖である、請求項8、9、または10に記載の抗体。
【請求項12】
前記軽鎖が全長軽鎖である、請求項8~11のいずれか1項に記載の抗体。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の抗体を含む、薬学的組成物。
【請求項14】
第1の核酸と第2の核酸とを含む組成物であって、前記第1の核酸が第1のポリヌクレオチド配列を含み、前記第2の核酸が第2のポリヌクレオチド配列を含み、前記第1のポリヌクレオチド配列および前記第2のポリヌクレオチド配列が、請求項1~12のいずれか1項に記載の抗体の重鎖および軽鎖をそれぞれコードする、前記組成物。
【請求項15】
第1のポリヌクレオチド配列と第2のポリヌクレオチド配列とを含む単離された核酸であって、前記第1のポリヌクレオチド配列および前記第2のポリヌクレオチド配列が、請求項1~12のいずれか1項に記載の抗体の重鎖および軽鎖をそれぞれコードする、前記核酸。
【請求項16】
請求項14に記載の組成物または請求項15に記載の単離された核酸を含む、宿主細胞。
【請求項17】
真核生物宿主細胞または哺乳動物宿主細胞である、請求項16に記載の宿主細胞。
【請求項18】
癌、自己免疫疾患、炎症状態、または溶骨性の骨量減少の治療のための、請求項1~12のいずれか1項に記載の抗体を含む薬学的組成物。
【請求項19】
前記自己免疫疾患が多発性硬化症および関節リウマチから選択され、前記溶骨性の骨量減少が骨粗しょう症、転移による溶骨性の骨量減少、および関節リウマチによる骨量減少から選択される、自己免疫疾患の治療のための請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項20】
乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、膀胱癌、腎癌、食道癌、扁平上皮癌、ブドウ膜黒色腫、濾胞性リンパ腫、腎細胞癌、子宮頸癌、卵巣癌、肺癌、結腸直腸癌、脳癌、膵臓癌、頭頸部癌、肝癌、白血病、リンパ腫、ホジキン病、多発性骨髄腫、黒色腫、星状細胞腫、胃癌、および肺腺癌から選択される癌の治療のための、請求項1~12のいずれか1項に記載の抗体を含む薬学的組成物。
【請求項21】
前記癌が膵臓癌である、請求項20に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
請求項1~12のいずれか1項に記載の抗体を試料に接触させることを含む、試料中のヒトCSF1Rを検出する方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】変更
【補正の内容】
【配列表】
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