(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144082
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】カテーテル構造体
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A61M25/00 624
A61M25/00 610
【審査請求】有
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133085
(22)【出願日】2023-08-17
(62)【分割の表示】P 2023070844の分割
【原出願日】2020-06-15
(31)【優先権主張番号】62/862,035
(32)【優先日】2019-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520370474
【氏名又は名称】マドゥロ ディスカバリー,エルエルシ―
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】マルティン,ブライアン ビー.
(57)【要約】
【課題】 カテーテルなどの医療デバイスに使用されるポリマーチューブ。
【解決手段】ポリマーチューブは、デュロメーター、トルク制御、可撓性、軸線方向の強度、剛性などを含むが、これらに限定されないカスタマイズされた特性の領域を有することができる。一態様による本装置では、領域間の移行部を構成することができ、様々な領域間で段階的またはカスタマイズされた移行部とすることで、領域間の様々な構造特性を選択的に設計することができる。さらなる態様は、外層の連続した壁部を形成するために、軸線方向の長さに沿って螺旋方向に延びる複数の材料部を有する外層を含む。所定の態様では、従来のカテーテルと比較して、構造特性の差異が最小限に抑えられるか、または解消される。
【選択図】
図11B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状体であって、同管状体は、前記管状体の軸線方向の長さに沿って各々延びる第1の区分および第2の区分を有する、管状体を備え、
前記管状体が前記軸線方向の長さに沿って螺旋状に延びる複数の材料部を含み、各材料部が隣接する材料部にシールして接合されて、前記軸線方向の長さに沿って延びる内腔を包囲する前記管状体の複合壁部を形成し、
前記第1の区分において、前記複数の材料部は、前記複合壁部を形成する少なくとも1つの第1の材料部および第2の材料部を含み、前記第1の材料部は、第1の構造特性からなり、前記第2の材料部は、第2の構造特性からなり、前記第1の構造特性は、前記第2の構造特性とは異なり、
前記複数の材料部は、第3の構造特性を有する第3の材料部をさらに含み、前記第3の材料部は、前記第2の区分において前記第1の材料部に置き換わるように、前記第2の区分において前記第1の材料部の端部に接合されている、カテーテルチューブ。
【請求項2】
前記管状体内に設けられた内側ライナーと、前記内側ライナーの外側かつ前記管状体内に設けられた補強構造体とをさらに備えている、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項3】
前記第1の材料部の幅および前記第2の材料部の幅は、第1の移行領域に沿って変化する、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項4】
前記複合壁部は、前記第1の移行領域の近位側に近位側長手方向領域を含み、前記近位側長手方向領域は、全体が前記第1の材料部から形成されている、請求項3に記載のカテーテルチューブ。
【請求項5】
前記複数の材料部のうちの少なくとも1つが、前記管状体の前記軸線方向の長さの大部分を覆うように延びている、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項6】
少なくとも1つの前記第1の区分において、前記第1の材料部の幅が前記第2の材料部の幅よりも大きい、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項7】
前記第2の材料部の前記端部が先端ほど細くなっている、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項8】
前記第1の材料部および前記第2の材料部の螺旋方向は、右巻きで構成されている、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項9】
前記第1の材料部および前記第2の材料部の螺旋方向は、左巻きで構成されている、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項10】
前記材料部のうちの少なくとも1つの材料部が溶融不能な材料からなる、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項11】
管状体であって、同管状体の軸線方向の長さに沿って各々延びる第1の区分および第2の区分を有する、管状体と、
前記軸線方向の長さに沿って螺旋状に延びて前記第1の区分を形成する複数の材料部であって、同複数の材料部が第1の材料部および第2の材料部を含み、各材料部が隣接する材料部にシールして接合されて、前記軸線方向の長さに沿って延びる内腔を包囲する前記管状体の複合壁部を形成する、複数の材料部と、
を備え、前記複数の材料部のそれぞれが構造特性を有し、少なくとも2つの前記材料部の前記構造特性が異なり、
前記第1の区分が前記材料部の第1の配列からなり、前記第2の区分が前記材料部の第2の配列からなり、これにより、前記材料部の前記第1の配列が前記材料部の前記第2の配列と異なることで、前記第1の区分の構造特性が前記第2の区分の構造特性と異なる、カテーテルチューブ。
【請求項12】
前記管状体内に設けられた内側ライナーと、前記内側ライナーの外側かつ前記管状体内に設けられた補強構造体とをさらに備えている、請求項11に記載のカテーテルチューブ。
【請求項13】
前記第1の材料部の幅および前記第2の材料部の幅は、第1の移行領域に沿って変化する、請求項11に記載のカテーテルチューブ。
【請求項14】
前記複合壁部は、前記第1の移行領域の近位側に近位側長手方向領域を含み、前記近位側長手方向領域は、全体が前記第1の材料部から形成されている、請求項13に記載のカテーテルチューブ。
【請求項15】
前記複数の材料部のうちの少なくとも1つが、前記管状体の前記軸線方向の長さの大部分を覆うように延びている、請求項11に記載のカテーテルチューブ。
【請求項16】
少なくとも1つの第1の区分において、前記第1の材料部の幅が前記第2の材料部の幅よりも大きい、請求項11に記載のカテーテルチューブ。
【請求項17】
前記第2の材料部の端部が先端ほど細くなっている、請求項11に記載のカテーテルチューブ。
【請求項18】
前記第1の材料部および前記第2の材料部の螺旋方向は、右巻きで構成されている、請求項11に記載のカテーテルチューブ。
【請求項19】
前記第1の材料部および前記第2の材料部の螺旋方向は、左巻きで構成されている、請求項11に記載のカテーテルチューブ。
【請求項20】
前記材料部のうちの少なくとも1つの材料部が溶融不能な材料からなる、請求項11に記載のカテーテルチューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
カテーテルなどの医療デバイスに使用されるポリマーチューブであって、デュロメーター、トルク制御、可撓性、軸線方向の強度、剛性などの特性をカスタマイズ可能な、複数の長さを有することができるカテーテルに関する。特性は上記に限定されるものではない。一態様において、複数の長さの間の移行領域は、様々な長さの間に急な移行領域、緩やかな移行領域、またはカスタマイズされた移行領域とし得るように構成され、これにより、長さの間および移行領域にわたる構造特性の差異が選択的に設計される。所定の態様では、従来のカテーテルと比較して、構造特性の差異が最小限に抑えられるか、または解消される。
【背景技術】
【0002】
医療用カテーテルは、医師が患者の体内において様々な治療を行うためのものである。多くのカテーテルは、人体の遠隔部位にアクセスし、診断や治療のための器具や薬剤をその部位に送達する。これに代えて、カテーテルは、治療用の作動端(例えば、バルーン、フィルターレトリーバー、電極など)のためのシャフトまたは支持体から構成することができる。神経血管用のカテーテルに限らず、カテーテルの中には、大動脈(大腿動脈や橈骨動脈など)から曲がりくねった解剖学的組織構造を経て、小さな脳血管に進入することを目的としたものがある。このように、カテーテルが通過する解剖学的組織領域が異なるため、カテーテルは様々な構造上の特徴を有するように構成されなければならない。多くの場合、血管経路は複数のループを描いて折り返しているため、カテーテルのデザインは曲がりくねった解剖学的組織要件を満たすことが困難である。例えば、カテーテルは、近位端では、体内を進む際にカテーテルを押圧するとともに操作できるように、相当剛性を備えるようにしなければならないが、遠位端では、カテーテルの先端がループおよび細い血管を通過できるように十分な可撓性を備えるようにしなければならない。しかしながら、カテーテルが血管や周囲の組織に大きな損傷を与えることはない。
【0003】
図1Aは、従来のカテーテル構造体を示しており、後に取り外される内側マンドレルまたはコア12上に構築することができるカテーテル部10の断面図を示している。従来のカテーテル構造体は、カテーテルの内部に潤滑性のある表面を提供するPTFEなどの層14を含むとともに、カテーテル10の様々な区分16および18を提供するために様々な構造部品を支持している。例えば、図示のカテーテル10は、編み組またはコイル20(またはその両者)が第2の層14の周囲に巻き付けられた補強部16を含む。多くのカテーテルでは、カテーテルの近位端に金属製の編み組、遠位端に金属製のコイルを使用する(あるいは片方をもう片方の下に設けている)。
【0004】
曲がりくねった解剖学的組織構造を案内することを目的とした多くのカテーテルは、異なるデュロメーター22、24、26のポリマーを隣り合わせに配置した、デュロメーター18が変化する領域も含んでいる。
図1Aは、従来のカテーテルの基本的な構造体を示すための説明図である。
図1Aのカテーテル10は、下地の補強部16のみを示すために、例示目的でカテーテル10の遠位端8の前でポリマー22が終端していることを示している。従来のカテーテルの多くは、遠位端の全体がポリマーで封止されている。
【0005】
図1Aに示すように、様々な一連の隣接して配置されたポリマージャケット22、24、26が補強層を覆って配置され、(例えば、ポリマーを加熱して編み組またはコイルにリフローすることによって)所定の位置に融合される。ポリマーの異なるデュロメーター(すなわち「剛性」)が異なる区分に使用され、その結果、カテーテルの各区分は固有の構造特性/性能を有することになる。構造特性には、剛性、ねじれに対する抵抗、可撓性、柱の強度などが含まれるが、これらに限定されるものではない。図示の構造体10は、カテーテルの様々な領域にわたって様々な構造特性を提供する。しかしながら、従来のデバイスでは、このようなカテーテル構造体では、各領域22、24、26の移行部または縁で特性が急激に変化してしまう。
【0006】
従来の多くのカテーテルデバイスでは、近位側領域により高いデュロメーターのポリマーが使用され、カテーテルが遠位端に向かうにつれてより柔軟なデュロメーターのポリマーが使用される。より洗練されたカテーテルは、より多くの「区分」または剛性の移行部を有する(すなわち、外側のジャケットに使用される異なるデュロメーターの押出成形品のより個別の部分)。例えば、
図1Cは、Microvention Termuo社(カリフォルニア州Aliso Viejoに所在する)が製造したSofia(登録商標)Plus遠位側アクセスカテーテル19の端部の画像を示しており、これは、Microvention社が「相当柔軟な遠位側先端」と近位側の長さにおける「トルク付与可能なシャフト」を有すると説明している市販の頭蓋内カテーテルの一例である。カテーテルは、柔軟な遠位側先端部25に隣接する中間部23を含む。
図1Cは、中間の長さ23が比較的剛性を備えるデュロメーターのポリマーから構成され、比較的柔軟な遠位先端部25への急激な移行を有することを示すことを意図しているので、カテーテルの近位側の長さは示されていない。一般的に、デュロメーターの高いポリマーは、トルクや回転・軸線方向の安定性は向上するが、可撓性に欠ける。
図1Cに示すように、より剛性を備えるデュロメーターのポリマーの近位端にかかる押圧力によって、領域38が座屈することがあるが、これはポリマーが変化するおおよその箇所である。座屈した結果、押圧および案内がさらに悪くなる。
【0007】
一般的に、カテーテルの近位側領域には、より剛性を備えるデュロメーターが適している。より剛性を備えるデュロメーターのポリマーは、湾曲部ではあまり屈曲しないものの、血管内での位置安定性がより高く、トルクをよく伝える傾向にある。これに対して、カテーテルの遠位側領域には、より柔軟なデュロメーターが適している。その理由として、これらのポリマーは、より繊細で曲がりくねった遠位側の湾曲部をより簡単かつ穏やかに屈曲することができることが挙げられる。しかしながら、より柔軟なデュロメーターのポリマーは、トルクの伝達性が悪く、位置安定性にも劣る。そのため、従来のカテーテル設計では、機械的特性間の「バランスを取る」という手法を用いており、設計要素(剛性を備えかつ安定しているもの対柔軟かつ不安定なもの)が妥協されている。加えて、あるデュロメーターから別のデュロメーターへの変化は、長い間、機械的な課題の原因となっていた。これらの移行は不連続性の元であり、当該技術分野において、トルク伝達に課題をもたらし、曲げ応力が不規則になり、解剖学的組織においては案内不良の原因となることが周知である。そのため開発者は、できるだけ長尺にしてかつ緩やかな移行を行い、大きな移行ではなく小さな移行を数多く行うことで急激な変化を抑えようとしている。
【0008】
移行の長さに関わらず、
図1Aに示すような従来の構造体は、カテーテルが曲がりくねった解剖学的組織構造を通過する際にトルクを伝達するために使用される編み組またはコイル20(またはその両者)に依存している。しかしながら、ポリマー22、24、26(など)が編み組/コイル20に外装されているため、ポリマーにはより大きなトルクがかかる。物理的特性の異なるポリマーは、トルクに対する耐性も異なる。例えば、ポリマー22、24、26の可撓性が低下している場合(22が最も可撓性が高く、26が最も低い)、区分26の回転によって適用されるトルクは、区分24に完全には適用されない。そのため、区分24は区分26に比べて回転しない。これは区分22でも同様であり、区分22は区分24ほど回転せず、区分26よりもさらに少ない回転数となる。その結果、トルク制御がうまくいかなかったり、トルクが不安定になったりする。さらに、これらの区分が屈曲されると、ポリマー間の移行により、カテーテルが異なる区分で屈曲したときの反応が不連続になる。
【0009】
図1Bは、曲がりくねった解剖学的組織構造の中を進むために押圧されているカテーテル本体10の区分を表現するために、湾曲したプロファイルでのカテーテル本体10の区分(急激な移行領域なし)の説明図を示す。
図1Bは、カテーテル本体10の近位端9に加えられた力7が、力6として表されている血管の壁によって抵抗されている態様を示している。カテーテル本体10を前進させるためには、力7が力6よりも大きくなければならない。曲がりくねった経路を進むと、カテーテル本体10は、屈曲部の外側の部分では張引32の状態になり、屈曲部の内側の部分では圧縮34の状態になる。しかしながら、ポリマーは圧縮と張引のいずれかに適しており、従来のカテーテル設計では、圧縮と張引の両者の性能を最大限に引き出すために1つのポリマーを選択することはできなかった。例えば、湾曲部の外側の張引によく反応するポリマー(例えば、一般的により柔軟なポリマー)は、湾曲部の内側の圧縮にはあまり反応しない。同様に、湾曲部の内側での圧縮によく反応するポリマー(例えば、比較的剛性を備えるポリマー)は、湾曲部の外側での張引にはあまり反応しない。加えて、ねじりおよび軸線方向の圧縮にも反応できるようにポリマーを選択する必要がある。そうしないと、トルク制御不良や不安定性(例えば、「ホイップ」と呼ばれる)、軸線方向の不安定性(一般的にはカテーテルのバックアップと呼ばれる)などの課題が生じる可能性がある。その妥協として、従来のカテーテル設計では、ポリマーの特性のバランスを取る必要があったが、あらゆる手技に最適化されたデバイスを作ることはできなかった。このような妥協は、望ましくない効果をもたらす。例えば、
図1Dは、Medtronic社が提供するReact(登録商標)071カテーテル36の画像を示す。カテーテル36は、両端部37でのみ保持され、カテーテルが自然な形状のプロファイルをとることができた。図示のように、カテーテル36の急激な変化により、滑らかな曲げ半径や曲線ではなく、点38で曲げ半径が不規則になり、その結果、押圧したときにカテーテルの座屈が生じる。カテーテル36が座屈することで、座屈した先の領域への押圧力の伝達が低下するとともに、案内性も低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
急激な移行領域が望ましくないことは、従来のカテーテル設計の短所のうちの1つであり、望ましくない材料を選択することで、カテーテルの任意の部分の性能特性を妥協するというバランスを取る必要がある。そのため、カテーテルの設計および構造を改善し、カスタマイズ性の高いカテーテルを実現することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のカテーテルは、性能面で妥協することなく、カテーテルの構造をカスタム設計することができる。このようなカテーテルの構造は、カテーテルの任意の区分の特性および材料をカスタマイズできることで可能になる。このようなカスタマイズされた特性には、デュロメーター、トルク制御、可撓性、軸線方向の強度、剛性などが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、本開示には、選択的に構成することができる漸進的またはカスタマイズされた移行部を有する改良型カテーテルの変形例も含まれる。例えば、ポリマーチューブ(したがって、完成したカテーテル構造体)のどの区分も、同じ領域に低デュロメーター、中程度のデュロメーター、さらには高デュロメーターのポリマーを含むことができる。移行を改善する能力は、本明細書の教示に従って構築された改良型カテーテルの利点の一例に過ぎない。
【0012】
本発明の特徴を説明する目的で、ポリマーストランド/要素は、管状の壁に形成される前の本明細書に記載された材料部を表している。本明細書で述べたように、いくつかの変形例では、材料部は、第1のポリマー材料から形成され、螺旋状パターンに延びることができる。ある時点で、第1のポリマー材料は端部で終端し、第2のポリマー材料の端部に接合されるが、このポリマー材料は依然として材料部の螺旋状パターンに延伸または継続している。このような場合、材料部は長手方向の異なる領域に2つの異なるポリマー材料を有すると考えられる。さらなる態様において、材料部はポリマー材料で構成され、チューブの長手方向の領域に螺旋状に延びた後、隣接する材料部が結合してチューブの壁の連続性を保持するように終端する。また、個別のストランドの接合構造に言及する場合、管状壁、ポリマーチューブ、ポリマー層、複合チューブ、複合層などの用語には、金属、ステンレス鋼、合金、液晶ポリマー(LCP)、繊維、複合材料などの1つ以上の材料で構成された材料部が含まれ得ることに留意されたい。
【0013】
移行部は、1つ以上の材料ストランドを異なる材料で変化させることを説明するために使用されるものとすることに留意されたい。移行領域という用語は、1つ以上の移行部の全体的な効果を表すものとする。いくつかの変形例では、材料が単に終端するため、移行領域には移行部が含まれない。したがって、本開示のカテーテル構造体は、軸線方向の長さにわたって材料特性を徐々に変化させる移行領域を有することができ、あるいは、これに代えて、移行領域は、材料特性が急激に変化する領域とすることができる。
【0014】
本開示は、カテーテルの長手方向の領域の特性をカスタマイズするために、複数の材料を用いて形成された外側チューブ層を有するカテーテルの多数の態様を含む。カテーテルの特定の態様では、この複合ポリマー層をカテーテル構造体の内部層にあるものとして含むこともできるが、多くの態様では、カスタム複合層は外層上にある。
【0015】
変形例によるカテーテルは、管状体の軸線方向の長さに沿って延びる管状の外層を備えてもよく、管状体は、軸線方向の長さに沿って螺旋状に延びて管状体の壁部を形成する複数の材料部を含み、各材料部は、壁部を形成するために隣接する材料部に接合され、複数の材料部が、少なくとも1つの第1の材料部および第2の材料部を含み、第1の材料部が第1の構造特性を有し、第2の材料部が第2の構造特性を有し、第1の構造特性が第2の構造特性と異なり、管状体の移行領域に沿って、第1の材料部の幅が増加するとともに第2の材料部の幅が低減することにより、移行領域の構造特性が移行領域に沿って変化する。
【0016】
別の態様によるカテーテルは、外側の管状体であって、同管状体は、管状体の軸線方向の長さに沿って各々延びる第1の区分および第2の区分を有する、外側管状体を備えてもよく、外側管状体が軸線方向の長さに沿って螺旋状に延びる複数の材料部を含み、各材料部が隣接する材料部にシールして接合されて、軸線方向の長さに沿って延びる内腔を包囲する外側管状体の複合壁部を形成し、第1の区分において、複数の材料部は、複合壁部を形成する少なくとも1つの第1の材料部および第2の材料部を含み、第1の材料部は、第1の構造特性からなり、第2の材料部は、第2の構造特性からなり、第1の構造特性は、第2の構造特性とは異なり、材料部は、第3の構造特性を有する第3の材料部をさらに含み、第3の材料部は、第2の区分において第1の材料部に置き換わるように、第2の区分において第1の材料部の端部に接合されている。
【0017】
別の態様によるカテーテルは、カテーテルチューブを備える。カテーテルチューブは、管状体であって、同管状体の軸線方向の長さに沿って延びる第1の区分および第2の区分を有する、管状体と、前記軸線方向の長さに沿って螺旋状に延びて第1の区分を形成する複数の材料部であって、各材料部が隣接する材料部にシールして接合されて、軸線方向の長さに沿って延びる内腔を包囲する管状体の複合壁部を形成する、複数の材料部と、を備え、複数の材料部のそれぞれが構造特性を有し、少なくとも2つの材料部の構造特性が異なり、第1の区分が材料部の第1の配列からなり、第2の区分が材料部の第2の配列からなり、これにより、第1の配列の材料部が第2の配列の材料部と異なることで、第1の区分の構造特性が第2の区分の構造特性と異なる。
【0018】
別の態様によるカテーテル構造体は、軸線方向の長さを有するカテーテルシャフトを備え、カテーテルシャフトは、軸線方向の長さに沿って測定されたそれぞれの幅を有する複数の材料部を含む管状外層を含み、複数の材料部は、軸線方向の長さに沿って螺旋方向に延びて管状外層の壁部を形成し、管状外層は、第1の長手方向領域と、第2の長手方向領域と、それらの間の移行領域とを有し、第1の長手方向領域において、複数の材料部が、第1の材料部および第2の材料部を含み、第1の材料部の構造特性が、第2の材料部の構造特性と異なることにより、第1の長手方向領域が第1の構造特性を有し、移行領域において、第2の材料部が端部で終端し、第3の材料部が第2の材料部の端部に接合され、第2の材料部の構造特性が第3の材料部の構造特性と異なり、第1の材料部および第3の材料部が、移行領域から第2の長手方向領域まで螺旋状に延びており、これにより、第2の長手方向領域の構造特性が第1の長手方向領域の構造特性と異なる。
【0019】
さらなる態様によるカテーテル構造体は、カテーテル構造体の軸線方向の長さの少なくとも一部を覆うように延びる管状外層を有するカテーテルシャフトを備え、管状外層は、軸線方向の長さに沿って測定されたそれぞれの幅を有する複数の材料部を含み、複数の材料部は、軸線方向の長さに沿って螺旋方向に延びて管状外層の壁部を形成し、管状外層は、第1の長手方向領域および第2の長手方向領域を有し、第1の長手方向領域において、複数の材料部が、第1の構造特性を有する第1の長手方向領域における第1の材料部を含み、第2の長手方向領域において、第1の材料部の少なくとも一部が端部で終端し、第2の材料部が第1の材料部の端部に接合されており、第1の材料部の構造特性が第2の材料部の構造特性と異なることにより、第2の長手方向領域が第1の構造特性とは異なる第2の構造特性を有する。
【0020】
別の態様によるカテーテル構造体は、軸線方向の長さに沿って測定されたそれぞれの幅を有する複数の材料部を含む管状外層を備え、複数の材料部が軸線方向の長さに沿って螺旋方向に延びて管状外層の連続壁部を形成し、複数の材料部が、第1の材料部と、第1の材料部に隣接する第2の材料部とを含み、第1の材料部の構造特性が第2の材料部の構造特性と異なる。
【0021】
別の態様は、軸線方向の長さを有するカテーテルシャフトを備え、カテーテルシャフトは、内側ライナー、内側ライナーの外側にある補強構造体、および補強構造体を覆うように延びる管状外層を含み、管状外層は、軸線方向の長さに沿って測定されたそれぞれの幅を有する複数の材料部を含み、複数の材料部は、軸線方向の長さに沿って螺旋方向に延びて、管状外層の連続した壁部を形成し、複数の材料部が、第1の材料部、第2の材料部、および第3の材料部を含み、第1の材料部、第2の材料部、および第3の材料部のそれぞれの構造特性が異なり、管状外層が、第1の移行領域を有し、第1の移行領域にわたって、第1の材料部、第2の材料部、または第3の材料部のうちの少なくとも1つの幅が変化することにより、第1の移行部の構造特性を変化させる。
【0022】
さらなる態様は、医療用チューブを備え、医療用チューブは、軸線方向の長さに沿って測定されたそれぞれの幅を有する複数の材料部を含む管状層であって、複数の材料部は、軸線方向の長さに沿って螺旋方向に延びて管状外層の連続した壁部を形成しており、複数の材料部が、第1の材料部、および第1の材料部に隣接する第2の材料部を含み、第1の材料部の構造特性が第2の材料部の構造特性と異なる、管状層と、管状外層の第1の長手方向領域であって、第1の材料部の幅および第2の材料部の幅の両者が第1の長手方向領域に沿って変化することにより、第1の長手方向領域にわたって構造特性が変化する、第1の長手方向領域と、を備える。
【0023】
医療用チューブは、さらに、軸線方向の長さに沿って測定されたそれぞれの幅を有する複数の材料部を含む管状外層を備えてもよく、複数の材料部は、軸線方向の長さに沿って螺旋方向に延びて管状外層の連続した壁部を形成し、複数の材料部が、第1の材料部、第2の材料部、および第3の材料部を含み、第1の材料部、第2の材料部、および第3の材料部のそれぞれの構造特性が異なり、管状外層は、第1の長手方向領域を有し、第1の長手方向領域にわたって、第1の材料部、第2の材料部、または第3の材料部のうちの少なくとも1つの幅が変化することにより、第1の長手方向区分の構造特性が変化する。
【0024】
別の態様による医療用チューブは、軸線方向の長さを有するカテーテルシャフトを備え、カテーテルシャフトは、内側ライナーと、内側ライナーの外側に設けられた補強構造体と、補強構造体を覆うように延びる管状外層とを備えており、管状外層は、軸線方向の長さに沿って測定されたそれぞれの幅を有する複数の材料部を含み、複数の材料部は、軸線方向の長さに沿って螺旋方向に延びて管状外層の壁部を形成し、管状外層は、第1の長手方向領域、第2の長手方向領域、およびそれらの間の移行領域を有し、第1の長手方向領域において、複数の材料部が、第1の材料部および第2の材料部を含み、第1の材料部の構造特性が、第2の材料部の構造特性と異なることにより、第1の長手方向領域が第1の構造特性を有し、移行領域において、第2の材料部が端部で終端し、第3の材料部が第2の材料部の端部に接合されており、第2の材料部の構造特性が第3の材料部の構造特性と異なっており、第1の材料部および第3の材料部が移行領域から第2の長手方向領域に螺旋状に延びており、これにより、第2の長手方向領域の構造特性が第1の長手方向領域の構造特性と異なっている。
【0025】
また、本開示は、ポリマーチューブを形成する1つ以上の方法を含む。例えば、このような方法は、ポリマーチューブを形成する複数のポリマーストランドを螺旋状に巻き付けるステップであって、ポリマーストランドのうちの少なくとも2本が異なる構造特性を有し、ポリマーチューブの第1の区分において、複数のポリマーストランドが第1の配列を形成している、巻き付けステップと、ポリマーチューブの第2の区分において、ポリマーストランドの配列を変更して第2の配列を形成する、配列を変更するステップと、各ポリマーストランドを隣接するポリマーストランドに融合させてポリマーチューブ内に連続した壁部を形成する融合ステップであって、連続した壁部がその中に内腔を形成し、第1の配列と第2の配列との違いにより、第1の区分の構造特性が第2の区分の構造特性と異なる、融合ステップと、を含む。
【0026】
本開示の別のカテーテルは、内側ライナーと、螺旋状に巻かれた複数のポリマーストランドからなる外層とを備え、ポリマーストランドのうちの少なくとも2本が異なる構造特性を有し、外層の第1の区分において、複数のポリマーストランドが第1の配列を形成しており、ポリマーチューブの第2の区分において、ポリマーストランドが第2の配列を形成しており、各ポリマーストランドが隣接するポリマーストランドに融合または接合されて、複数のポリマーストランドがポリマーチューブ内の内腔を形成する連続した壁部を形成し、第1の配列と第2の配列との違いにより、第1の区分の構造特性が第2の区分の構造特性と異なる。
【0027】
別の態様によるカテーテルは、内側ライナーと、チューブ形状を有する第1のポリマー材料およびチューブ形状に螺旋状に巻き付けられる少なくとも1つの第2のポリマーストランドからなる外層と、を備え、第2のポリマーストランドは、チューブ形状の壁部の少なくとも一部が第1のポリマー材料および第2のポリマー材料で構成されるように、第1のポリマー材料に融着され、第1のポリマー材料および第2のポリマー材料が異なる構造特性を有し、外層の第1の区分において、第1のポリマー材料および第2のポリマー材料が、第1のパターンを形成し、各ポリマーストランドは、複数のポリマーストランドがポリマーチューブを通る内腔を形成する連続した壁部を形成するように、隣接するポリマーストランドに融合または接合され、第1の配列および第2の配列の違いにより、第1の区分の構造特性が第2の区分の構造特性と異なる。
【0028】
本開示のカテーテルおよびチューブの構成は、異なる態様のカテーテルの相当数の組み合わせおよび順列を可能にするのみならず、それらの構造の態様の組み合わせも可能にする。以下の要件および要素は、独立請求項の要件が様々な要素と矛盾しない場合に、任意の独立請求項と組み合わせることができると考えられる。
【0029】
本明細書のいずれの構造も、管状外層が、軸線方向の長さに沿って測定されたそれぞれの幅を有する複数の材料部を含み、複数の材料部が軸線方向の長さに沿って螺旋方向に延びて管状外層の連続壁を形成することを含むことができる。
【0030】
本発明のデバイス/方法の任意の変形例は、管状外層内の内側ライナーと、内側ライナーの外側かつ管状外層内の補強構造体とをさらに含むことができる。
【0031】
変形例としては、第1の移行領域に沿って第1の材料部の幅および第2の材料部の幅が変化することが挙げられる。
【0032】
変形例としては、管状外層が、第1の移行領域の近位側に近位側長手方向領域を有し、近位側長手方向領域が全体的に第1の材料部から形成されているものが挙げられる。
【0033】
変形例としては、カテーテル管状体の軸線方向の長さの大部分を覆うように延びる第3の材料部を含むことができる。
【0034】
変形例としては、管状体の壁の少なくとも1つの第1の区分において、第1の材料部の幅が第2の材料部の幅よりも大きいことが挙げられる。
【0035】
また、第2の材料部の端部を先端ほど細くするなどの変形も可能である。
【0036】
本明細書に記載されているカテーテルおよび構造体は、右巻き、左巻き、またはその両者を有する材料部を有することができる。
【0037】
本明細書の任意の装置または方法の変形例は、材料部の少なくとも1つが溶融不能な材料からなることを含むことができる。さらに、そのような溶融不能な材料は、製造時にのみ使用することができ、その溶融不能な材料を取り払うことで、デバイスの任意の表面上に溝や空洞などのデザイン性を付与することができる。
【0038】
また、本明細書のデバイスは、管状外層内の内側ライナーと、内側ライナーの外側かつ管状外層内の補強構造体とを含むことができる。
【0039】
本明細書のデバイス構造体の態様は、管状外層をさらに備えてもよく、管状外層は、第2の長手方向領域、第3の長手方向領域、およびそれらの間の移行領域をさらに含み、第2の長手方向領域は、第2の長手方向領域の構造特性を規定する第1の材料部および第2の材料部を含み、移行領域において、第2の材料部が端部を有し、第3の材料部が第2の材料部の端部に接合されており、第2の材料部の構造特性が第3の材料部の構造特性と異なっており、第1の材料部および第3の材料部が、移行領域から第3の長手方向領域まで螺旋状に延びており、第3の長手方向領域の構造特性が第2の長手方向領域の構造特性と異なっている。
【0040】
上記態様のいずれかのカテーテルまたはカテーテル構造体は、管状外層が、軸線方向の長さに沿って測定されたそれぞれの幅を有する複数の材料部からなり、複数の材料部が軸線方向の長さに沿って螺旋方向に延びて管状外層の連続した壁部を形成している。さらに、どの材料部の変化も、段階的であったり、連続的に変化したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1A】
図1Aは、従来のカテーテルの構造体を示しており、内側の押し出しチューブ上に構成されたカテーテル部の断面図を示している。
【
図1B】
図1Bは、湾曲したプロファイルのカテーテル本体の説明図である。
【
図1C】
図1Cは、複数のデュロメーター領域を有する従来のカテーテルを示す図である。
【
図1D】
図1Dは、領域間で構造特性が急激に変化するカテーテルであって、カテーテルの急激な変化によって曲げ半径が不規則になるように、屈曲したまたは湾曲したプロファイルで保持されているカテーテルの写真の表現を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、改良されたポリマー製外層を組み込んだ改良型カテーテルを示す部分断面図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示によるカテーテル構造体の特徴を説明することを意図したカテーテルシャフトの概念図を示している。
【
図2C】
図2Cは、本発明の変形例によるカテーテル部が特に案内するように構成された様々な経路を示す図である。
【
図2D】
図2Dは、左巻きと右巻きの材料部を有する3つのカテーテルを示す図である。
【
図2E】
図2Eは、頸動脈の1つを通って進められるカテーテルが用いられる様々な脳血管を示す図である。
【
図2F】
図2Fは、従来のカテーテルが頸動脈を通過するときの態様を示す図であり、従来のカテーテルは、区分間の急激な変化を有する異なる区分を含んでいる。
【
図2G】
図2Gおよび
図2Hは、改良型カテーテルが
図2Eの血管内を進み、その血管の形状になったときの形状を示す図である。
【
図2H】
図2Gおよび
図2Hは、改良型カテーテルが
図2Eの血管内を進み、その血管の形状になったときの形状を示す図である。
【
図2I】
図2Iは、完成したカテーテルの1つの領域内に、それぞれ異なる機械的利点/効果をもたらす異なる材料からなる材料部を有する複合チューブを使用してカテーテル構造体を製造するための1つの可能な設計構成を示す図である。
【
図3A】
図3Aおよび
図3Bは、本開示の下でカテーテル部を構築するための製造プロセスの一例を示す図である。
【
図3B】
図3Aおよび
図3Bは、本開示の下でカテーテル部を構築するための製造プロセスの一例を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、マンドレルまたはチューブに巻き付けられた複数の個別のポリマーストランド材料からなるカテーテル部を示す図である。
【
図3D】
図3Dは、巻き付け工程の一例を示すイメージ図である。
【
図3E】
図3Eは、ポリマーストランドが螺旋状に巻かれる前に一体的に固定される構成を示す図である。
【
図3F】
図3Fは、様々な特性を有するポリマーストランドを配置した、さらなる3つの態様を示す図である。
【
図3G】
図3Gおよび
図3Hは、ポリマーストランドを端と端、および長手方向に一体的に接合した後に、螺旋状に巻いて管状体を形成したさらなる態様を示す図である。
【
図3H】
図3Gおよび
図3Hは、ポリマーストランドを端と端、および長手方向に一体的に接合した後に、螺旋状に巻いて管状体を形成したさらなる態様を示す図である。
【
図3I】
図3Iおよび
図3Jは、カテーテル構造体に使用するチューブを形成する前に、一体的に接合された非一様なストランドの追加の態様を示す図である。
【
図3J】
図3Iおよび
図3Jは、カテーテル構造体に使用するチューブを形成する前に、一体的に接合された非一様なストランドの追加の態様を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、
図4Bに描かれている管状部を形成する前の、別例による一群の接合されたストランドを示す図である。
【
図5】
図5はカテーテルの断面図であり、異種のストランドの間隔を示している。
【
図6A】
図6A乃至6Cは、補強構造体を有するストランドの態様を示す図である。
【
図6B】
図6A乃至6Cは、補強構造体を有するストランドの態様を示す図である。
【
図6C】
図6A乃至6Cは、補強構造体を有するストランドの態様を示す図である。
【
図7A】
図7A乃至7Fは、様々なポリマーから形成されたカテーテル部のいくつかの例を示す図である。
【
図7B】
図7A乃至7Fは、様々なポリマーから形成されたカテーテル部のいくつかの例を示す図である。
【
図7C】
図7A乃至7Fは、様々なポリマーから形成されたカテーテル部のいくつかの例を示す図である。
【
図7D】
図7A乃至7Fは、様々なポリマーから形成されたカテーテル部のいくつかの例を示す図である。
【
図7E】
図7A乃至7Fは、様々なポリマーから形成されたカテーテル部のいくつかの例を示す図である。
【
図7F】
図7A乃至7Fは、様々なポリマーから形成されたカテーテル部のいくつかの例を示す図である。
【
図8A】
図8Aおよび
図8Bは、一態様によるカテーテル構造体における複数のストランドの展望を示すべく、スケールの横に延びる複数のストランドの写真を示している。
【
図8B】
図8Aおよび
図8Bは、一態様によるカテーテル構造体における複数のストランドの展望を示すべく、スケールの横に延びる複数のストランドの写真を示している。
【
図9A】
図9Aおよび
図9Bは、カテーテル上に組み込むことも、独立したデバイスとして使用することもできる外層を有するカテーテルの区分の2つの例を示す図である。
【
図9B】
図9Aおよび
図9Bは、カテーテル上に組み込むことも、独立したデバイスとして使用することもできる外層を有するカテーテルの区分の2つの例を示す図である。
【
図10A】
図10A乃至10Dは、ポリマーを段階的に変化させて、完成したポリマーチューブの異なる区分間の移行領域が徐々に変化する巻き付けカテーテルを構築する別例によるデバイスを示す図である。
【
図10B】
図10A乃至10Dは、ポリマーを段階的に変化させて、完成したポリマーチューブの異なる区分間の移行領域が徐々に変化する巻き付けカテーテルを構築する別例によるデバイスを示す図である。
【
図10C】
図10A乃至10Dは、ポリマーを段階的に変化させて、完成したポリマーチューブの異なる区分間の移行領域が徐々に変化する巻き付けカテーテルを構築する別例によるデバイスを示す図である。
【
図10D】
図10A乃至10Dは、ポリマーを段階的に変化させて、完成したポリマーチューブの異なる区分間の移行領域が徐々に変化する巻き付けカテーテルを構築する別例によるデバイスを示す図である。
【
図11A】
図11Aは、本開示のカテーテルが、現在利用可能なカテーテルよりも相当改善された移行領域を生成する能力を理解することを支援する、曲げ剛性対シャフト位置のグラフを示す。
【
図11B】
図11Bは、本明細書の開示に従って構築されたカテーテルの区分の画像を示しており、カテーテルの区分が
図1Cに示すカテーテルの位置と同様の位置に保持されている、図である。
【
図12A】
図12A乃至
図12Fは、様々なカテーテルの画像を示しており、カテーテル部に特徴および/またはパターンを形成するために、接合されたポリマーストランドに形成可能なパターンの変形例を示す図である。
【
図12B】
図12A乃至
図12Fは、様々なカテーテルの画像を示しており、カテーテル部に特徴および/またはパターンを形成するために、接合されたポリマーストランドに形成可能なパターンの変形例を示す図である。
【
図12C】
図12A乃至
図12Fは、様々なカテーテルの画像を示しており、カテーテル部に特徴および/またはパターンを形成するために、接合されたポリマーストランドに形成可能なパターンの変形例を示す図である。
【
図12D】
図12A乃至
図12Fは、様々なカテーテルの画像を示しており、カテーテル部に特徴および/またはパターンを形成するために、接合されたポリマーストランドに形成可能なパターンの変形例を示す図である。
【
図12E】
図12A乃至
図12Fは、様々なカテーテルの画像を示しており、カテーテル部に特徴および/またはパターンを形成するために、接合されたポリマーストランドに形成可能なパターンの変形例を示す図である。
【
図12F】
図12A乃至
図12Fは、様々なカテーテルの画像を示しており、カテーテル部に特徴および/またはパターンを形成するために、接合されたポリマーストランドに形成可能なパターンの変形例を示す図である。
【
図14A】
図14A乃至
図14Cは、材料部がポリマーチューブ内に埋め込まれている複数の材料部を有する別例による複合ポリマーチューブを示す図である。
【
図14B】
図14A乃至
図14Cは、材料部がポリマーチューブ内に埋め込まれている複数の材料部を有する別例による複合ポリマーチューブを示す図である。
【
図14C】
図14A乃至
図14Cは、材料部がポリマーチューブ内に埋め込まれている複数の材料部を有する別例による複合ポリマーチューブを示す図である。
【
図15A】
図15Aは、一態様によるハイブリッド領域を有するカテーテルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本明細書に記載のカテーテルの構成は、カスタマイズされた特性のために異なる領域が選択される様々な装置において使用することができる。本明細書に記載の構成は、様々な医療デバイスに組み込むことができ、また、カテーテルシャフトとして使用することもできる。さらに、いくつかの態様では、本開示の構造上の特徴は、留置する医療デバイスに限定されず、チューブを必要とするあらゆる機器に使用することができる。
【0043】
本明細書に記載のポリマーチューブは、以下に開示されている材料部構成(およびハイブリッド領域)を得られる任意の方法で構成することができる。このような製造手段には、カテーテルシャフトに直接巻き付けてポリマーチューブを形成すること、ストランドを複合シートに形成し、そのシートを構造体に巻き付けてカテーテルシャフトを完成させること、および/または、リボン/ストランドをマンドレルまたは支持構造体に最初に巻き付け、その材料をチューブに融合させ、その後、カテーテルアセンブリに移すことが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
図2Aは、本明細書で議論するような改良型複合外層103を組み込んだ改良型カテーテル100を示す部分断面図である。本明細書で述べたカテーテル構造体は、カテーテル構造体の技術分野の当業者に周知の任意の数の特徴を組み込むことができる。このような特徴は、改良されたカテーテル複合外層103の焦点を説明できるように、本明細書では省略されている。さらに、本明細書に開示されている改良されたカテーテル構造体は、改良されたポリマー外層103によって提供される特徴のカスタマイズの恩恵を受けることができる任意の数のカテーテルに組み込むことができる。例えば、このようなカテーテルとして、遠位側アクセスカテーテル、シース、ガイドカテーテル、バルーンカテーテル、頭蓋内支持カテーテル、マイクロカテーテル、動脈ラインカテーテル、中心静脈カテーテル、肺動脈カテーテル、冠動脈・心臓カテーテル、および末梢カテーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
改良された構造体の追加の変形例は、任意のポリマー製の管状構造体に使用することができる。本明細書に開示されている任意のカテーテル構造体またはポリマーチューブは、カテーテル全体にわたって単一の一様な外径に限定されるものではないことに留意すべきである。以下に開示するように、本開示のカテーテルおよびポリマーチューブは、起伏のある外径を有することができる。これに代えて、または組み合わせて、外径は、カテーテルの長手方向の様々な領域で変化させることができる。長手方向の領域という用語は、チューブ構造体の軸線105に沿った任意の長さの領域を意味することを意図している。本明細書に開示されるカテーテル構造体および管状構造体は、任意の数の従来の断面形状を有することができる。例えば、デバイスの変形例として、異なる領域で異なる直径および/または断面形状を有するカテーテルを含むことができる。カテーテルおよび管状構造体のいくつかの区分は、非円形の形状に変化する円形の断面形状を含むことができる。
【0046】
図示のように、一態様によるデバイスでは、カテーテル100の管状構造体またはシャフトは、ハブ101から延びており、カテーテルで一般的に使用される編み組20、コイル、または他の支持構造体を覆う、後述する改良された外側複合層103によって形成することができる。編み組20は、管状の内側ライナー14(一般的にはPTFEで構成されているが、他の材料も本開示の範囲内である)の周囲に配置されている。
図2Aに示すように、改良された複合層103は、カテーテルチューブのもっとも外側の構成要素である。後述するように、改良された複合層103は、カテーテル100を介してトルクを伝達するのに適した任意の数の長手方向の領域を含むことができる。これらのポリマー製トルク伝達領域をカテーテルの外側に配置することで、カテーテルシャフト内に配置された編み組20に主に依存する従来のカテーテルに比べて、トルク伝達領域の効果が向上する。
【0047】
図2Bは、本開示によるカテーテル構造体の特徴を例示することを意図したカテーテル層103の概念図を示している。層103は、
図2Aに示すようなカテーテル構造体、またはそのような構造体の任意の変形例(例えば、補強構造体20のないカテーテル、および/またはライナー14のないカテーテル)に組み込むことができる。図示のように、カテーテル層103は、任意の数の領域102、104、106、および108を含むことができ、各領域の構造特性は、カテーテルの意図された目的に基づいて、または他の必要に応じてカスタマイズすることができる。例えば、
図2Bに示す層103は、様々な蛇行度を有する血管系を進むように意図されたカテーテルで使用するために最適化または一致させることができる。
図2Cを参照すると、図示の実施例において、領域102は、蛇行する領域52を案内するように構成され、領域104、106、108は、対応する領域54、56、58用に構成される。
図2Bは、カテーテル層103が、完成した層103の長さに沿って変化するピッチで螺旋状に延びる少なくとも1つの材料部を有するものとして示している。一態様において、様々な長手方向の領域102、104、106、108は、それぞれが異なる程度の蛇行性を有する血管系52、54、56、58の特定の領域に一致させることができる。本明細書で説明したように、層103は任意の数の材料部で構成することができる。さらに、任意の材料部(例えば、110、112)の実際の材料は、層103の長さにわたって変化することができ、それによって新しい領域が生じ得る。
【0048】
また、
図2Bは、材料部110が、カテーテル100に沿って延びる所望の特性を有する領域(102、104、106、108)を形成するために、第2のポリマー(または代替のカテーテル材料)からなる第2の材料部112に隣接して延びるポリマーの螺旋状領域からなることを示している。例えば、第1の材料部110のピッチは、各領域102、104、106、108で異なり得る。これに代えて、または組み合わせて、領域ごとに任意の材料部の幅を変えることもできる。例えば、材料部110は、補強用のポリマー(例えば、PEBAX(登録商標)72Dなど)で構成することができる。
【0049】
別例では、材料部110は、第1の領域102が残りの領域よりも相対的により剛性を備え、隣接する領域104の剛性が領域102に比べて低下するように材料部の螺旋状のピッチが選択された、比較的より剛性を備える材料(例えば、PEBAX(登録商標)40D乃至70D)からなる第2の材料部112の中に、第1のポリマー材料(例えば、PEBAX(登録商標)35D)を含むことができる。この剛性の変化は、領域108が最も柔軟/最も剛性を備えない領域になるまで継続可能であり、材料層103の遠位部として機能し、これは、材料層103を組み込んだカテーテルの遠位部にも同様に影響する。
【0050】
本開示の層103の構成により、カスタム特性を有する任意の数の設計作製されたカテーテルが可能である。
図2Dは、本開示の新規な層が、材料部110、112の左巻き(層103)および右巻き(層107)のいずれかの巻き方向を有するカテーテル構造体を製造する能力を提供し、方向的に偏ったカテーテルを製造することを例示するために、2つの層103および107を示しており、またさらに、遠位側領域122と近位側領域124との間に反対の巻きの要素を有する態様を示している。
図2Dに示す第1の態様では、層103は、変化する領域102、104、106、108を必要とするカテーテルで使用することができる。しかしながら、この態様では、領域108は、右回りの方向に巻かれた緩いピッチを有する材料部110からなり、剛性を備えるポリマーストランドからなることで、カテーテルの遠位側領域を形成するのに使用可能な柔軟領域を生成する。隣接する領域106は、領域108ほど柔軟ではないように、より緩やかなピッチの材料部110で構成されている。材料部110のピッチは、区分104および102で増加させることができ、これにより支持力を高めることができる。
図2Dでは、2つの材料部110および112しか示していないが、ポリマー材料から形成された任意の数の材料部を使用して、カテーテルを形成する外層103の変化する区分を製造することができる。上述のように、様々な領域の構造特性は、対象となる解剖学的組織の特徴に整合させることができる。さらに、層103または107のいずれかに示された材料部110および/または112(または特定の材料の選択)の巻線は、特定の方向に巻かれたカテーテル(すなわち、解剖学の特定の領域の巻線に従うようにあらかじめ配置されたカテーテル)を生成することができる。具体的には、巻きの方向性を血管の方向性のねじれに合わせることができる(左側の内頸動脈および血管には左巻きのカテーテル、右側の内頸動脈および血管には右巻きのカテーテルなどである)。例えば、あるヒトの左頸動脈は左巻きに、右頸動脈は右巻きに巻いている。開示されたカテーテル層(例えば、103、107)を使用したカテーテル構造体は、特定の内頸動脈または任意の他の動脈または身体の通路の屈曲部に特に追従するのに適したカテーテルを形成するものである。一般的に、本明細書で述べたように、補強ストランドの方向は、解剖学的組織内において特定の回転方向に屈曲したり、案内したりするように、カテーテルを事前に配置することができる。本明細書で述べたように、本開示では、カテーテル構造体の任意の領域を特定の材料特性でカスタマイズすることができる。さらに、カテーテル層114は、層114の遠位端に隣接する右巻きの巻線と、層114の近位端に隣接する左巻きの巻線とを有する1つのチューブを含む。明らかに、本開示は、任意のチューブの長さに沿って1つの方向または複数の方向に材料部を巻くことを含む。
【0051】
図2E、
図2G、
図2Hは、本明細書に開示された構成を用いたカテーテルの利点をさらに示している。
図2Eは、脳にアクセスするために典型的に使用されるカテーテル10を、頸動脈4の1つを通して進めた状態の様々な脳血管を示している。頸動脈4には様々な曲がりくねった部位があり、血管は脳内に進むにつれて直径が低減している。
図2Fは、
図2Eの血管4を通って進められ、その血管4の形状をとる従来のカテーテルを示している。このカテーテル10は、
図1Aに示す構造体と同様であり、カテーテルは、剛性の変化する個別の領域21、22、24、26、27を含む。上述したように、従来のカテーテルは、異なる領域を有するように設計されているが、各領域は、ポリマーが個別に変化しており(または、内側ライナーの除去、編み組/コイル構造体の変更などの他の特徴を備え)、これにより、カテーテル10は、各領域21、22、24、26、27の交点において、構造特性が急激に変化している。このような設計では、各区分にわたって一様にトルクがかからなくなることが、課題のうちの1つである。すなわち、近位側の剛性を備える区分27にかかるトルク40は、一般的に最も可撓性を備えた区分であるもっとも遠位側の区分21のトルク42よりも大きくなる。トルクの違いに加えて、近位部27の回転たわみは、最遠位部21の回転たわみよりも大きくなる。
【0052】
図2Gおよび
図2Hは、改良型カテーテル100が
図2Eの血管4内を進み、その血管の形状になったときの形状を示す図である。
図2Gは、一態様による本設計のカテーテル100を示しているが、説明のために、第1の材料部110が第2の材料部112と共に螺旋状に巻かれている態様のみを示している。本明細書に記載され、
図2Hに示されているように、任意の数の材料部をカテーテル100に使用することができる。説明のために、材料部110は、剛性を備える材料特性(例えば、72D)を有する1つのポリマーで構成されている。本実施例は、カテーテル100の長さを延びるポリマーを有する第1の材料部110を示している。したがって、螺旋状に形成されたポリマーストランド材料部110は、従来のカテーテルとは異なり、遠位端でのトルク46が近位端でのトルク44に近づくように、カテーテル100に沿って材料部110の長さを介してトルク44の適用を伝達することを支援するものである。
【0053】
図2Hは、カテーテル100の長さに沿って螺旋状に延びる複数の材料部110、130、132、134、136、138、140、142を有するカテーテル100の追加の態様を示す。
図2Hに示す材料部は、単に説明のためのものであり、任意の数のポリマーがカテーテル100の周囲を螺旋状に延びることができ、一部のポリマーが異なる領域で停止または先細りとなり、異なるポリマーが開始することで、カテーテルの様々な領域が異なるポリマーを含み、カテーテルの各領域に固有の構造特性を付与することができる。
図2Hは、カテーテル100の任意の区分に沿って材料の組み合わせを配置する能力を例示することを意図している。一態様によるカテーテル100を例示する目的で、カテーテルの材料部110は、カテーテル100の近位端122における材料層(例えば、
図2Aの103参照)の壁の大部分を形成する。カテーテル100の近位端122で材料層110を形成するポリマーは、カテーテル110の長さに沿って螺旋状に延びており、遠位端124での材料部が異なる材料部130、132または異なるポリマーから構成されるように、材料が変化するか、または材料部がカテーテル100の遠位端124に隣接して前に終端する。本明細書で述べたように、材料部を終端させたり、材料部のポリマーを、同じ材料部でポリマーが変化するように、材料部の異なるポリマーの端部に接合したりすることができる。
【0054】
図2Iは、完成したカテーテルの1つの領域内に、それぞれ異なる機械的利点/効果をもたらす異なる材料からなる材料部を有する複合チューブ103を使用してカテーテル構造体を製造するための1つの可能な設計構成を示す図である。その結果、完成したカテーテル部では、カテーテルの1つの領域内に様々な機械的特徴が混在することになる。このような構成は、従来のカテーテル設計では不可能であった。例えば、
図2Iは、複数の材料部280、282、284、286、および288を有する複合層またはチューブ103を示している。これらの材料部は、それぞれ独自の利点を提供することができる。すなわち、材料部280は、高い可撓性を備えた低デュロメーターの超軟質材料で構成されること、材料部282は、ある程度の可撓性と軸線方向の安定性とを備えた中程度のデュロメーターの材料で構成されること、材料部284は、強化されたトルク制御と、回転および軸線方向の安定性とを提供する高デュロメーターの材料で構成されることなどである。材料部286および288は、複合チューブ103が任意の数の追加の材料層を含むことができることを表すために示されている。
【0055】
カテーテル(または外層)を製造するために使用される様々なポリマーストランドは、カテーテルの所望の用途に基づいて、かつ/または体内の標的の意図された経路に応じて、カテーテル100に所望の特性を付与するように選択することができる。この構造により、カテーテル100の一部または全体に、任意のポリマーの様々な特性を拡張することができ、カテーテルには、曲げ、トルク、屈曲など、回転の安定性、および軸線方向の安定性に影響を与える構造特性/性質の急激な変化の領域が含まれない。
【0056】
図3Aおよび
図3Bは、本開示の下でカテーテル部を構築するための製造プロセスの一例を示す図である。複数の材料部を有するカテーテルまたはカテーテル層を形成する任意の製造プロセスが本開示の範囲内であることが企図される。例えば、このような製造プロセスには、ポリマーストランドの巻き付け(図示)、3Dプリント、押し出しなどが含まれ得る。
図3Aに示すように、複数のポリマーストランドまたはリボンが、材料部130、132、134、136と一致するようにパターンで配置され、構造体116の周囲に巻き付けることができる。構造体は、マンドレル、チューブ、またはカテーテル構造体の編み組/ライナーを構成することができる。一旦ポリマーストランドが巻き付けられると、それらは一体的に融合または接合され、本明細書に記載したような層を形成する(例えば、
図2Aの層103を参照)。一態様では、巻き付けられて接合されたポリマーリボンは、それらが一体的に融合された後にカテーテルの壁層を形成する。これに代えて、ポリマーリボンは、チューブ、編み組および/またはコイル116を覆うように外層を形成し、カテーテル部の一部を形成することができる。便宜上、ポリマーストランド/リボン/押出物をポリマーストランドと呼ぶことにする。本発明では、ポリマー部は、カテーテル部を完成させるために必要な任意の形状を有するものとして含まれる。図示のように、ポリマーストランドの断面は矩形とすることができる。これに代えて、ポリマーストランドは、楕円形や円形など、任意の形状をしていてもよい。さらなる変形例として、異なる形状およびサイズのポリマーストランドを組み合わせて層を形成することもできる。さらに、ポリマーストランドは、折りたたまれて溶融/融解された1つの内腔押出物/チューブからなることができる。これに代えて、ストランドを押し出し成形などで製造して、中実にすることもできる。別例では、各ポリマーストランドの内腔はそのまま残されている。典型的な例では、ストランドは(上述のように)ブレードやコイルを覆うように巻かれている。さらなる態様として、本明細書で述べたポリマーストランド構造体は、カテーテルの内層を形成するために(ポリマーライナーの代わりに、またはポリマーライナーに加えて)使用することができ、カテーテルの外層には別の構造を使用することができる。追加の態様では、本明細書ではストランドおよび材料部はポリマーで構成されていると論じているが、ストランドまたは材料部は、非ポリマー材料(例えば、金属、ステンレス鋼、合金、液晶ポリマー(LCP)、繊維、複合材料、または他の同様の構造物)で構成することができる。ストランドは、異なる材料、形状、サイズのものが混在していたり、配置されたり取り払われたりして空洞を残すことができる。ストランドは、異なる材料、形状、サイズのものが混在していたり、配置されたり取り払われたりして空洞を残すこともできる。
【0057】
本発明の特徴を説明する目的で、ポリマーストランド/要素は、管状の壁に形成される前の本明細書に記載された材料部を表している。本明細書で述べたように、いくつかの変形例では、材料部は、第1のポリマー材料から形成され、螺旋状パターンに延びることができる。ある時点で、第1のポリマー材料は端部で終端し、第2のポリマー材料の端部に接合されるが、このポリマー材料は依然として材料部の螺旋状パターンに延伸または継続している。このような場合、材料部は長手方向の異なる領域に2つの異なるポリマー材料を有すると考えられる。さらなる態様において、材料部はポリマー材料で構成され、チューブの長手方向の領域に螺旋状に延びた後、隣接する材料部が一体的に接合してチューブの壁の連続性を保持するように終端する。
【0058】
製作プロセスに関わらず、各材料部130乃至136のポリマーストランドは、様々な組成のポリマーで構成することができる。一例では、ポリマーは、それぞれの材料部130乃至136の各ストランドが異なるデュロメーターからなる共通の材料(例えば、PEBAX(登録商標))とすることができる。例えば、ストランドは、130-72D、132-63D、134-35D、136-45Dの関連付けられるデュロメーターを有することができる。明らかに、任意の数の態様が本開示の範囲内にある。
【0059】
また、
図3Aは、チューブの軸線方向の長さ105に沿って測定されたそれぞれの幅W1、W2、W3、W4を有する複数の材料部130、132、134、136を示している。この図では、軸線方向の長さ105は、コアまたはチューブの軸線方向の長さであり、これは一般的に、完成したチューブの軸線方向の長さ、または材料部130、132、134、136によって形成された層を有するカテーテルの軸線方向の長さと同じではないにしても類似しているであろう。チューブ構造体になっていない材料の場合は、ストランドの長さに直交する面での幅を測定する。
図3Bに示すように、材料部は軸線方向の長さ105に沿って螺旋状に延び、本明細書で述べたように連続した壁部を形成している。
【0060】
図3Cは、材料部130、134、132、136の複数の個別のポリマーストランドの材料を支持構造体116上で一体的に接合した後の壁部103を示している。この区分103は、医療用カテーテル、医療デバイス、および/または他のチューブに組み込むことができる。
【0061】
図3Dは、ポリマーのストランドが材料部138、140、142を形成し、カテーテル補強編み組116に直接巻き付けられる巻き付けプロセスの一例のイメージを示す。別の方法として、ストランドをマンドレルに巻き付け、融合または部分的に融合させてから、従来のカテーテル構造体のようにカテーテル編み組に移すこともできる。本態様では、ストランド138乃至142は個別になっており、融合のためにストランドが接触するように巻かれている。
【0062】
図3Eは、ポリマーストランド130乃至134が、材料部130乃至134を形成するために螺旋状に巻かれる前に、一体的に固定される態様を示している。例えば、巻きの前にストランドを一体的に融着したり、付加したりすることができる。
【0063】
図3Fは、様々な特性を有するポリマーストランドを配置した3つの追加の変形例を示している。図示の例では、ストランドのデュロメーターを示している。しかしながら、ポリマーストランドは、必要に応じて他の特性を変化させることができる。下の2つの変形例に示すように、類似の構成の2本のストランドを、非類似のストランドに隣接して配置することができる。管状部材に形成されると、中央の材料部は同じポリマーを有する材料部で包囲される。
【0064】
図3Gおよび
図3Hは、ポリマーストランド130、132、134、すなわち130乃至134が端部から端部まで長手方向に一体的に接合され、これにより、ストランド134が最終的にストランド130および132によって形成される材料部の両側に両材料部に形成される壁部に形成される追加の態様を示す。本態様では、ストランド130および132は、完成したカテーテルの軸線方向に沿って長手方向に材料を移行させることができるように、移行部120で端部から端部まで接合される。これは、管状部材/壁部に形成されたとき、中央材料部が、縁120で材料132に接合された材料130からなることを意味する。ストランド130と132との間の接合部または移行部120は、
図3Gに示すような急な移行部120、または
図3Hに示すような角度をなすかまたは先端ほど細くなる移行部120とすることができる。
【0065】
図3Iおよび
図3Jは、一様ではないストランド130、132、134、136が一体的に接合される追加の態様を示しているが、網羅的に示すものではない。例えば、
図3Iは、ストランド134が円形の断面形状を有するものとして図示している。上述したように、任意のタイプの断面形状が使用可能である。このような場合、ストランド134の幅W3は、軸線に沿ったそのもっとも広い寸法とみなすことができる。いくつかの変形例では、ストランド134のサイズによって、結果的に材料部がチューブの表面からわずかに突出することになる。
図3Jは、そのような事例を示しており、所定のストランド134の高さH1が、より大きな高さH2を有するストランド132と接合されている。また、
図3Jは、ストランドの幅W5、W6が一様でないことを示している。ここでも、形状、サイズ、幅、高さなど、あらゆる組み合わせでポリマー層を形成することができる。複合ポリマー層に組み込まれた材料の任意のストランドは、1つ以上の隣接するストランドとは異なる溶融温度を有する材料のストランドを含むことができることに留意すべきである。また、いくつかの変形例では、1つ以上のストランドを、隣接するストランドによって機械的に保持されるが溶融しない溶融不能の材料(すなわち、熱硬化性材料、または金属、テフロン(登録商標)など)とすることができることにも留意されたい。さらに、チューブの形成時に溶融不能なストランドを使用した後に取り払って、空隙やパターンを形成する変形例もある。
【0066】
図4Aは、
図4Bに描かれている管状部を形成する前の、別例による一群の接合されたストランド130乃至138を示している。図示のように、これらのストランドは異なる特性を有することにより、カテーテルの区分102、106、108が異なったものとなる。
図4Bに示すように、巻かれると、材料の組成の異なる区分130乃至138は、管状層103に沿って長手方向に延びる異なる軸線方向区分102、106、108を形成する。
図4Aおよび
図4Bに描かれた両者の態様において、ストランド/管状層103は、完成した管103の全長を覆うように材料部130として連続的に延びることになる1つのストランド130を含む。本実施例では、ストランド130は、72D材料からなり、最終的に完成したカテーテルの補強材として使用することができ、これは、主に、通常はトルクをうまく伝えられず、かつ通常は安定性が悪い、通常は柔軟にして可撓性を備える遠位側領域を介して、トルクを伝え、安定性を付与するために使用される。
【0067】
図5は、ストランド152および154が接合されてチューブを形成しているチューブの区分102を示している。異種のストランド152、154の間隔を示す図である。本実施例では、ストランド152は、第2のストランド154によって分離することができ、この第2のストランドは、ストランド152と同じ幅を有する区分からなるか、または第2のストランド154が第1のストランド152よりも大きな幅を有する。上述したように、幅はチューブの軸線方向の長さに沿って測定される。例えば、ストランド152は高デュロメーターの材料からなり、ストランド154は比較的低いデュロメーターの材料からなる。別例では、ストランド152は低デュロメーターの材料からなり、ストランド154は高デュロメーターの材料からなる。例えば、一態様によるこのデバイスでは、低デュロメーターの材料は35D乃至45Dの間で、高デュロメーターの材料は63D乃至72Dの間とすることができる。明らかに、材料の追加の変形例は、本開示の範囲内にある。
【0068】
図6Aは、本明細書に記載のカテーテル構造体の追加の一態様を示しており、ポリマーストランド130が、その中を延びる支持部材156を含み、支持部材156は、ストランド130を補強するか、または代替的構造体および特性を提供する。支持部材156は、ストランド130の全長を通して、または部分的にストランドを通って延びることができる。さらに、一態様による補強されたストランド130は、ストランドを通って延びる複数の支持部材を含むことができる。
図6Bは、補強部材のいくつかの断面形状を説明するためのストランド130の断面図である。図示のように、補強部材は円形158または楕円形の断面を有することができ、支持部材は矩形または正方形160の断面を有することができ、または支持部材はD字状部162の断面をなすことができる。支持部材は、金属、合金、ポリマーなどで構成可能である。例えば、支持部材は、SSワイヤ、形状記憶ワイヤ、引抜充填管、複合繊維素材などで構成することができる。ケーブル、編み組、コイル、ストランドなど、支持体となる任意の形状・構造・素材とすることができる。
図6Cは、ストランド130内の支持部材の様々な複雑な断面形状164を示している。特定の態様では、カテーテル部は、カテーテルの異なる区分で異なる断面形状を構成することができる。例えば、断面形状が円形や楕円形のストランドはカテーテルの遠位側領域に適しており、D字状の支持部材はカテーテルの中間領域や近位側領域に有用であることがわかっている。
【0069】
図7A乃至
図7Fは、チューブ203に沿って螺旋状に延びる複数の材料部を有するように様々なポリマーから形成されたチューブ状部203のいくつかの例を示している。
図7A乃至7Fでは、説明のために、材料特性を以下の35D-235、45d-245、55d-255、63d-263、72d-272の要素番号と関連付けて示している。しかしながら、この関連付けは、チューブ203の変形例を示すことを目的としている。本明細書に記載されているカテーテル構造体には、あらゆる変形例の材料を使用することができる。さらに、任意の管部203は、本明細書で述べたように、完成したカテーテルの任意の区分において使用することができる。
図7A乃至7Fの図は、区分の非網羅的な組み合わせを示すことを意図している。各図では、それぞれの材料部235、245、255、263、272で示されるパターンが繰り返され、チューブ203のそのセグメントに独自の特性が与えられている。例えば、
図7Bは、55Dの材料部255が2つの45Dの材料部245の間に直接入り、その集合体が2つの35Dの材料部235の間に入るパターンを示している。この構成により、「緩衝器」効果を発揮できる特性を得ることができる。
図7C、
図7D、
図7E、
図7Fでは、チューブ203の製造時に特定のストランドを二重にして、その構成でより幅広な材料部が得られる。例えば、
図7Dの材料部235は、材料部245、255、263の幅のほぼ2倍であることが示されている。
図7Eは、材料部255の幅が、材料部263および270のほぼ2倍になっていることを示している。
図7Fは、材料部245および255の幅が、材料部263のほぼ2倍になっていることを示している。繰り返しになるが、図示の変形例は、可能なカテーテル構造体の変形例の非網羅的なサンプルを提供することを意図している。
【0070】
図8Aおよび
図8Bは、スケール30の隣に延びるストランド130および132の一例を示し、ポリマー端部接合位置の重なりまたはジグザグが、従来のカテーテル構造体よりも相当改善された移行領域129を有する完成したポリマーチューブ/カテーテル構造体を形成する、上述したような管状部材を最終的に形成するストランド130および132の一例の斜視図を示す。
図8Aおよび
図8Bは、130の端部が134の端部に隣接するような個別の移行部120(材料がそれぞれ突き合わせ位置を有する)におけるポリマーの重なりまたはジグザグにより、巻き付けられたときに、上述した従来のカテーテルよりも相当改善された移行部120が得られることを示している。図示のように、
図8Aの構造体は、千鳥状の移行部120を含み、これにより、
図9Aに示すものと同様の移行領域129が形成される。本明細書で述べたように、ストランド130および132が管状部材に形成されると、ストランド130は、領域129を覆う第1の材料から、ストランド132の材料を有する第2の材料に変化する材料部を集合的に形成する。
図8Bは、ストランド134がストランド130と端部から端部まで接合/継ぎ合わせされた
図8Aの例と同様の一態様を示す。しかしながら、ストランド136は連続した状態を保持する。管状部材に製造されると、ストランド134は、
図8Aに関して説明したように材料が変化する材料部を形成するが、
図8Bによって形成される管部は、ストランド136によって形成される一定のままの材料部を含む。
【0071】
図9Aおよび
図9Bは、カテーテル上に組み込むことができるか、または単独のデバイス/構造体として使用することができる外層103を有するカテーテルの区分の2つの例を示す。
図9Aは、第1のポリマーから形成された材料部130と、第2のポリマーから形成された材料部132とを示している。外層103は、管状層の長手方向領域129を含み、第1の材料部130の幅および第2の材料部129の幅の両者が長手方向領域129に沿って幅が変化することで、第1の長手方向領域129にわたって構造特性が変化する。図示のように、
図9Aの右側は、全体が材料部130から形成される管状部材を構成し、左側は、全体が材料部132から形成される管状部材を構成している。移行領域129において、それぞれの材料部の幅は、第1の材料部130の幅が左に向かって低減し、第2の材料部の幅が増加するように、長手方向領域129に沿って逆に変化する。これらの移行領域は、区分129の長さを調整したり、使用するストランド/リボンの数を調整したりすることで、所望の長さや緩やかさにすることができ、従来のカテーテルに比べて飛躍的に改善された優れた移行領域を得ることができる。
【0072】
図9Bは、複数の材料部130、132、136が螺旋状に巻かれてチューブ103を形成している一態様によるチューブ103を示しており、チューブ103は、材料部130が、材料部130の螺旋状パターンに続く別の材料134に変化する接合部120を含んでいる。このように材料を端部から端部まで接合することで、材料を変えながら材料部を続けることができる。
【0073】
図10A乃至
図10Dは、カテーテルに使用するための管状部材を形成するための別例によるストランドの配置を示している。
図10Aおよび
図10Cは、それぞれ
図10Bおよび
図10Dに示すような構造体を生成するために変化させることができる接合されたストランドの一群を示している。
図10Aは、5本のストランド構造体を示しており、接合されたストランドの一端は、第1のポリマーのストランド204で構成されている。第1のポリマーのストランド204は、長さ172、174、176、178からなる移行領域にわたって、ストランド204を第2のポリマーのストランド206で徐々に置き換えるように、ジグザグに配置された個別の移行部120でそれぞれ置き換えられる。この構造により、第1の長手方向領域170に第1のポリマーの特性を有し、また、長手方向領域180が全て第2のポリマーで構成されるまで第2のポリマーの特性に移行領域172、174、176、178にわたって徐々に変化する完成した管状アセンブリ103(
図10Bに示す)に沿って、移行領域172、174、176、178にわたって徐々に変化させることができる。長手方向領域172、174、176、178における材料の移行は、管状アセンブリ103または完成したカテーテル構造体の長手方向移行領域にわたって材料特性を徐々に移行させる一例を表している。明らかに、材料特性の移行率を増加または低減するために、任意の数の材料部または材料部の幅を使用することができる。さらに、本明細書に記載されている装置の変形例では、移行部120の位置をジグザグにする必要はない。通常は、段階的な移行を得るためにジグザグにすることが望まれるが、所望に応じて移行領域は材料の急激な変化を構成することができる。
【0074】
移行部は、1つ以上の材料ストランドを異なる材料で変化させることを説明するために使用されるものとすることに留意されたい。移行領域という用語は、1つ以上の移行部の全体的な効果を表すものとする。いくつかの態様では、材料が単に終端するため、移行領域には移行部が含まれない。したがって、本開示のカテーテル構造体は、軸線方向の長さにわたって材料特性を徐々に変化させる移行領域を有することができ、あるいは、これに代えて、移行領域は、材料特性が急激に変化する領域とすることができる。
【0075】
また、
図10Bは、各長手方向領域172、174、176、178が、少なくとも2つの材料部204、206からなり、材料部204または206の幅が増加または低減する一方で、他の材料部206または204がそれぞれ低減または増加することを示している。また、
図10Bに示すチューブ103の態様は、全体が1つの材料部で形成された長手方向領域170および180を含む。繰り返しになるが、本明細書で議論される任意の管構造体103は、
図2Aに示すようなカテーテル構造体に組み込むことができ、あるいはそのような管構造体103は、任意の医療デバイスまたは非医療デバイスに組み込むことができる。
【0076】
図示のように、カテーテル部は、様々な区分から構成することができ、すなわち、区分170は、第1のポリマーの5本のストランド(5および0)から構成され、区分172は、第1のポリマーの4本のストランドおよび第2のポリマーの1本のストランド(4および1)から構成され、区分174は、第1のポリマーの3本のストランドおよび第2のポリマーの2本のストランド(3および2)から構成され、区分176は、第1のポリマーの2本のストランドおよび第2のポリマーの3本のストランド(2および3)から構成され、区分178は、第1のポリマーの1本のストランドおよび第2のポリマーの4本のストランド(1および4)から構成され、区分180は、第2のポリマーの5本のストランド(0および5)から構成される。
図10Aの構造体では、ストランドが螺旋状に形成されて溶融してカテーテル部になった後に、
図10Bに示すカテーテルが製造される。
【0077】
図10Cは、区分190が第1のポリマーの4本のストランド208および第2のポリマーの1本のストランド210(4および1)から構成される、複数の接合されたストランドを示している。図示のように、領域192への変化では、4本のストランド(3および1)のみを残して、1本のストランド208が先細りになる。次の区分194の別のストランド208は、3つのストランド(2および1)のみを残して、先細りになっている。このプロセスは、第2のポリマーのストランド210が残るまで、区分196(1および1)を通して継続する。接合されたストランドの巻き付けは、ストランド数の減少によってストランド間に隙間ができないように調整される(例えば、ピッチが変更される)。この構造体により、
図10Dと同様の管構造体103が得られる。図示のように、管状構造体103は、長手方向領域109に2つの材料部を含み、材料部210の幅は、区分190に対して区分192で増加する一方、材料部208の幅は、区分190に対して区分192で低減する。材料部208および210の幅は、長手方向領域194および196を介して、領域198が1つの材料部210を含むまで、逆に変化し続ける。
図10Dに示す構造体は、材料部が変化する移行領域192、294、196を有する管状部103を示しているが、
図10Cに示すように材料がちょうど終端するため、材料208の移行部は存在しない。
図10A/
図10Bと
図10C/
図10Dとでは構造が異なるが、どちらの設計でも、第1の材料特性から第2の材料特性への移行が非常に緩やかに行われるシャフトが得られる。この緩やかさおよび一様性は、従来のカテーテル技術で得られるものよりも相当優れている。材料特性の一例として、剛性/柔軟性がある。例えば、
図10Bおよび
図10Dのカテーテルは、例えば、
図10Cの170および
図10Dの190における比較的剛性を備える材料特性から、例えば、
図10Bの180および
図10Dの198におけるはるかに柔軟な材料特性へと移行することができる。移行領域(例えば、
図10Bの172乃至178および
図10Dの192乃至196)は、ポリマーの選択、移行の長さなどによってカスタマイズすることができ、現在入手可能な市販のカテーテルでは単に見られなかった移行を形成することができる。また、領域170乃至180および190乃至198の長さ(および本開示全体の長さ)は、本設計の原理を伝えるためのものであることに留意されたい。特に断りのない限り、長さは同じである必要はなく、縮尺もない。
【0078】
明らかに、
図10Aおよび
図10Cに示す各区分の長さは、説明のみを意図したものである。加えて、任意の数のポリマーストランドを、任意の数のポリマーとともに使用することができる。さらに、
図10Aでは、材料部は、同じ材料の個別の要素204のすべてとみなすことができることに留意されたい。そのため、領域170には、領域172などへと段階的に幅が変化する材料部が含まれている。幅の変化は、図示のように段階的または漸進的になる。これに代えて、
図10Cの材料208の端部が先細りになっている領域に示されているように、幅の変化が連続的になるように先細りにすることもできる。
【0079】
図11Aは、本開示のカテーテルが、現在利用可能なカテーテルよりも相当改善された移行領域を生成する能力を理解することを支援する、曲げ剛性対シャフト位置のグラフを示す。
図11Aは、一般に3点曲げ試験として周知の、カテーテルを所定の距離だけ変位させる力を測定する試験の結果を示している。カテーテルは、2点間の間隙が所定の距離だけたわむように、2点で支持されている。このたわみを生じさせるのに必要な力を測定し、カテーテルの遠位端からの距離に対応するようにグラフ化する。例えば、グラフの左側は、カテーテルの遠位端にもっとも近い点(すなわち遠位端)でカテーテル部を変位させるのに必要な力の大きさを示している。力のグラフの右側は、カテーテルの近位端にもっとも近い点でカテーテル部を変位させるのに必要な力の大きさを示している。このようにして試験された3つのカテーテルは、本開示に基づいて構築されたカテーテル300、Medtronic社製の市販のカテーテル302(React(登録商標)071)、およびPenumbra社製の市販のカテーテル304(ACE(登録商標)068)を含む。このグラフは、改良型カテーテル300が、曲げ剛性の急激な増加や不規則な増加がなく、曲げ剛性が徐々に増加していることを示している。これに対し、Medtronic社のカテーテル302の曲げ剛性のグラフ化されたデータは、特性306の急激な変化の2つの重要な領域を示している。Penumbra社のカテーテル304の曲げ剛性のグラフ化されたデータは、急激な変化306の3つの重要な領域を示している。
【0080】
図11Bは、本明細書の開示に従って構築されたカテーテルの区分の画像を示しており、カテーテルの区分が
図1Dに示すカテーテルの位置と同様の位置に保持されている、図である。しかしながら、改良型カテーテル310は、本開示に従って、様々な長手方向領域312、314、316、318にわたってカテーテル310の所望の特性および特徴を提供するように材料が積極的に選択され、そうでなければ曲げの不規則性を引き起こすような急激な変化の領域を回避するように構成されている。
図11Bは、材料134、206、208、および210を用いたカテーテル310のほんの一例を示している。明らかに、本明細書に記載されているような任意の数の組み合わせが、本開示の範囲内にある。図示のように、長手方向領域312は、材料134、206、210の3つの材料部を含む。長手方向領域314は、材料206および210の2つの材料部を含む。長手方向区分316は、材料206、208、および210の3つの材料部を含む。また、この区分では、材料/材料部206の厚みが低減し、材料/材料部208が長手方向区分318に向かう方向に増加するように、材料部の幅が変化することを示している。長手方向区分318は、材料208および210の2つの材料部を含む。カテーテル310の構造体の最終結果は、長手方向区分312および314が、長手方向区分318と比較して相当異なる構造特性を構成するが、その変化は、曲げ剛性における相当な不連続性を回避するために十分に緩やかである。
【0081】
図12A乃至12Dは、本開示に基づく例示的なカテーテル構造体のグレースケール画像である。
図12Aは、それぞれが異なる螺旋状ピッチ角(すなわち、材料部134、132がカテーテルの軸線となす角度)を有する3つの異なるカテーテル部320、322、324を示している。カテーテル320は半径方向に近い角度を示している(角度が軸線に対してほぼ直交することを意味する)。このカテーテル部の構造体には、材料134のストランドおよび材料132のストランドの2本が含まれていた。カテーテル322は中間のピッチ角を示している。このカテーテル部の構造体は、材料134のストランド1本、材料132のストランド1本、材料134のストランド1本、材料132のストランド1本の計4本で構成されている。カテーテル324は、カテーテル320または322に比べて増加したピッチ角を示す。このカテーテル部の構造体は、材料134の1本、および材料132の1本を3回繰り返した6本のストランドを含んでいる。構造上、ストランドの数が多いため、ピッチ角を大きくすることができる。
【0082】
図12Bは、より大きな幅を有する材料部130を有する可撓性を備えた材料134を有する材料部の両側に、同じ材料の2つの材料部を有する別例による構成されたカテーテル部の別のグレースケール画像を示す。このような構成は、材料132がより剛性を備える材料であれば、「緩衝器」を構成することができる。
図12Cおよび
図12Dは、起伏のある外面を有する本発明に従って構成されたカテーテルを示す。
図12Cは、
図3Jに示した構造体と同様の方法で形成された同様のカテーテル部の構造体の別例を示すグレースケール画像である。本態様では、材料132の高さは、隣接する材料134の高さよりも大きく、材料132の幅は、隣接する材料134よりも小さい。高さの違いにもかかわらず、材料を一体的に融合させてポリマー層を形成することができた。
図12Dは、材料部134が、隣接する材料部132、130よりも大きい直径を有する別のカテーテルを示している。別例では、起伏のある表面は、溶融不能な材料(例えば、PTFEなどの高溶融温度ポリマー、金属合金など)をストランドの上に置き、溶融不能な材料を除去して完成したポリマー層に空隙を残すような溶融プロセス(例えば、
図3Aに記載)の間に、1つ以上の材料を使用して形成することができる。
【0083】
図12Eおよび
図12Fは、カテーテルに組み込むことができ、またはカテーテル構造体を有さないチューブデバイスとして使用することができるチューブ330乃至348の態様の写真を示す。
図12Eおよび12Fは、任意の変形例の材料で構成することができる2つの材料部230、232を示している。一例として、
図12Eは、硬質な72Dデュロメーターのリボンで構成された区分230(トルクコイルとして使用)が、より柔軟な60Aデュロメーターのリボンで構成された区分232内に埋め込まれている態様を示している。材料230のピッチ(すなわち間隔)は、各ユニットの材料部の数を増やすことで、330から340に増加する。すなわち、チューブ330は、材料部232を有する1つの材料部230を有している。これに対し、構造体340は、複数の材料230のストランドおよび複数の材料232のストランドを含む構造体から形成された。
【0084】
図12Fは、材料部230と材料部232との角度が各チューブで異なる4つのチューブ342、344、346、348を示した写真である。これらの各ユニットにおいて、材料部230の白い72Dコイルの間隔(すなわちピッチ)は変化しない(すなわち、両材料部230の間にある材料部232の幅は、各ユニットにおいて同一寸法である)が、材料部230の角度はユニットごとに変わる。例えば、チューブ342は、もっとも半径方向(すなわち、チューブから半径方向に延びる)の材料部230の角度を示しており、一方、底部のチューブ348は、もっとも軸線方向または直線的な材料部230からなる。チューブ342は、1本のストランド230および2本のストランド232の3本で構成され、材料部230および232を生成する。チューブ344は、230×1+232×2+230×1+232×2の6本で構成されている。チューブ346は9本のストランドで構成され、チューブ346は12本のストランドで同じ配置で構成されている。
【0085】
図13Aおよび
図13Bは、上述のように複数のストランド(同様のポリマーまたは異なるポリマーのいずれか)が一体的に接合されているカテーテル構造体の別の特徴を示している。しかしながら、これらの変形例では、様々な個別の材料(すなわち、ポリマー、金属、複合材料、合金など)を、接合されたストランド130上にパターン化することができる。
図11Aでは、ポリマーが図示の形状214にパターニングされている。ベースストランド130を除去したり、ポリマー214をベースストランドの上に配置したりすることができる。同様に、複数のポリマー214および216は、ポリマーのベースストランド130上に配置することができる。代替的変形例では、パターン化されたポリマー214または216が、除去されたベースストランド130によって残された空間に配置され得るように、ベースポリマーストランド130を除去することができる。完成したアセンブリ130は、カテーテルまたは他の医療デバイスシャフトとして組み込むために、チューブ構造体に製造することができる。
【0086】
図14A乃至
図14Cは、本開示の下で、複数の材料部を有する複合ポリマーチューブ294を構築する別例を示す。
図14Aに示すように、初期構造は、チューブ290に巻き付けられた1本以上のストランド292を備えた従来のポリマーチューブ290で構成することができる。次に、チューブ290およびストランド292を熱融着して複合ポリマー層294を生成し、ストランド292がチューブ290内に少なくとも部分的に埋め込まれて、ポリマー層294がチューブの材料290からなる第1の材料部およびストランドの292からなる第2の材料部から構成されるようにする。明らかに、(上述したような)任意の数の変形例のストランドをチューブ内に埋め込むことができる。さらに、ポリマー層294の外径は、起伏部を含むことができる。
図14Cは、ポリマー層の断面領域を強調するために一部を除去したポリマーチューブ294を示す。追加の態様では、
図14A乃至
図14Cの構造体は、従来のポリマーチューブ290を、本明細書に記載されたように構成された様々な材料部を有する複合ポリマーチューブに置き換えることができる。
【0087】
図15Aは、本開示のカテーテル100の1つの特徴を示すための、患者の解剖学的組織構造を示す部分図である。
図15Aは、橈骨動脈アクセス手順を用いてカテーテル100を挿入する態様を示している。明らかに、本明細書において説明したカテーテル構造体(およびポリマー層)は、特定の性能特性のために材料を選択することが望まれる任意のデバイスに組み込むことができる。橈骨動脈アクセス法は、介入手技において、より望ましいアクセスポイントになりつつある。心臓手術では橈骨動脈アクセスが主流であるが、神経血管手術でも一般的になりつつある。しかしながら、特に神経血管にアクセスしようとすると、急に曲がりくねった部位があるため、従来のカテーテルでは相当困難を伴う。本明細書に記載されているカテーテル構造体は、従来のカテーテルが直面していた急な解剖学的組織構造の課題に対処するのに適している。
【0088】
図15Aは、本開示のカテーテル100が橈骨動脈50に進められ、右鎖骨下動脈51に案内され、内頸動脈53に進められ、最終的に神経血管60に進められる態様を示している。
図15Aに示すカテーテル100は、上述したように、様々な材料部の領域を含む。しかしながら、本態様のカテーテル100は、領域で複数のカテーテル性能特性を実現するハイブリッド領域220を含んでいる。このような構成は、曲がりくねった部位での案内を可能にするのみならず、単に軟質ポリマーで構成されたカテーテルのような欠点が無い。本開示では、任意の数のハイブリッド領域および任意の配列の材料特性を有するカテーテルを想定している。
【0089】
図15Bは、
図15Aからの領域を示しており、右鎖骨下動脈51と右内頸動脈53との間で鋭く曲がっている態様を示している。屈曲部を例示するために、
図15Bからカテーテルを取り除いている。従来のカテーテルでは、より硬質なポリマーが曲がりくねった解剖学的組織構造を通して案内されることは困難であったため、このような急な曲がりくねった部位を通過する際に問題が生じていた。より柔軟なポリマーは、このような急な曲がりくねった部位を通して案内されることができるが、柔軟な部分は、曲がりくねった部位および柔軟なポリマーの遠位側にあるカテーテルの領域に十分な押圧力およびトルクを伝達することができない。
【0090】
図15Cは、右鎖骨下動脈51と右内頸動脈53との間の急な屈曲部を横断するカテーテル100の一部を拡大して示す図である。カテーテル100は、カテーテル100の遠位端がその意図された標的部位にあるか、またはその近傍にあるときに、ハイブリッド部220が屈曲部内に位置するように配置される(または十分な長さを有する)ように設計されている。
図15Cは、カテーテル100が複数の材料部134、206などを有するものとして示している。しかしながら、本態様では、ハイブリッド部220は、より剛性の高い材料部210を含み、カテーテル100のトルクおよび力の伝達を可能にする。また、ハイブリッド部220は、ベース材料部210とは異なる望ましい材料特性を提供する材料208の1つ以上の個別の区分を含むことができる。本実施例では、材料208の個別の区分は、可撓性を備える材料からなる。このような構造体では、可撓性を備えた個別の材料部208があるため、カテーテルを鋭く屈曲することができる。一方、より硬質なデュロメーターのベース部210は、カテーテルの遠位側領域に押圧力およびトルクを伝達する。
【0091】
図15Dは、
図15Aおよび
図15Cに示すようなハイブリッド領域を生成するための、非網羅的な複数の設計構成を示している。カテーテル/完成チューブのハイブリッド領域は、一体的に接合された複数の材料130から形成され、ここで、ベース材料210が、ベースとは異なる特性を有する第2の材料208の個別の区分によって中断される。例えば、一態様による設計では、材料210は、より硬質なデュロメーターの材料またはポリマーからなり、一方、材料208は、可撓性を備える/柔軟な材料またはポリマーからなる。明らかに、硬質/軟質な材料以外のあらゆる材料特性を選択し、ハイブリッド領域に構成することができる。
【0092】
本明細書に開示されているポリマーストランドは、内側の編み組/コイルまたは支持構造体の周囲に螺旋状に延びることができることに留意されたい。さらなる態様において、ポリマーストランドは、カテーテルの軸線に対して長手方向に整列させ、支持構造体に巻き付けてカテーテル部を形成することができる。本開示のカテーテル構造体を製造するために、任意の数の製造方法を使用することができる。例えば、1)ストランドをライナー/編み組構造体上に直接巻き付けた後、融合させてカテーテル構造体を形成する、2)ストランドをチューブを覆うように巻き付けて融合させた後、残りの構成要素に移送してカテーテル構造体を形成する、3)ストランドを平坦な構造体として製造(融合、押し出し、成形、その他の形成のいずれか)した後、リボンアセンブリをライナー/編み組上に巻き付けて融合させる、などが挙げられる。任意の製造プロセスは本開示の範囲内にあり、複合ポリマーチューブまたはカテーテル構造体に関連する任意の請求項の構造体を制限するものではないことを理解している。
【0093】
本発明の他の詳細については、材料および製造技術は、関連する技術分野の専門家のレベルで採用することができる。一般的または論理的に採用されている追加の行為という点では、本発明の方法ベースの態様に関しても同様のことが言える。加えて、本発明を、任意に様々な特徴を取り入れたいくつかの例を参照して説明してきたが、本発明は、本発明の各態様に関して想定されるものとして記載または表示されているものに限定されるものではない。
【0094】
本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、記載された本発明に様々な変更を加えたり、(本明細書に記載されているか、あるいは若干の簡潔さのために含まれていないかにかかわらず)均等物を代用することができる。また、本発明の態様の任意の特徴は、独立して、または本明細書に記載された任意の1つ以上の特徴と組み合わせて、規定し、請求することができる。したがって、本発明は、可能な限り、実施形態の様々な態様の組み合わせ、または実施形態自体の組み合わせを企図している。単数形のアイテムというのは、同じアイテムが複数存在する可能性を含んでいる。より具体的には、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形の「a」、「an」、「said」、および「the」は、文脈が明らかに他を指示しない限り、複数の参照を含む。
【0095】
可能であれば、説明した様々な実施形態の態様、または実施形態自体を組み合わせることができることに留意することが重要であり、このような組み合わせは、本開示の範囲内にあることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部を有し、少なくとも第1の軸方向領域および第2の軸方向領域を有する、管状体と、
前記第1の軸方向領域に沿って螺旋状に延びる第1の材料部であって、前記第1の材料部および1つ以上の隣接する材料は、前記第1の軸方向領域において前記管状体の壁を形成する、第1の材料部と、
前記第2の軸方向領域に沿って螺旋状に延びる第2の材料部であって、前記第2の材料部および前記1つ以上の隣接する材料は、前記第2の軸方向領域における前記管状体の壁部を形成する、第2の材料部と、
を備え、
前記第1の材料部の第1の構造特性は、前記1つ以上の隣接する材料の構造特性とは異なり、前記第2の材料部の第2の構造特性は、前記第1の構造特性および前記1つ以上の隣接する材料の構造特性の両者と異なる、カテーテルチューブ。
【請求項2】
前記管状体は、内側ライナーと、前記内側ライナーの外側にある補強構造体とをさらに備え、前記管状体は、前記補強構造体および前記内側ライナーを覆うように伸びている、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項3】
前記第1の軸方向領域と前記第2の軸方向領域との間に位置する第1の長手方向領域をさらに備え、前記第1の材料部の幅および前記第2の材料部の幅は、前記第1の長手方向領域に沿って変化する、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項4】
前記第1の材料部の前記幅および前記第2の材料部の前記幅は、前記第1の長手方向領域に沿って逆に変化することにより、前記第1の材料部の前記幅が増加または低減すると、前記第2の材料部の前記幅が対応して低減または増加する、請求項3に記載のカテーテルチューブ。
【請求項5】
前記管状体は、全体が単一の材料から形成されている近位側長手方向領域を含む、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項6】
前記管状体は、全体が単一の材料から形成されている遠位側長手方向領域を含む、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項7】
前記第1の軸方向領域および前記第2の軸方向領域に沿って延びる第3の材料部をさらに含む、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項8】
前記管状体は、全体が前記第3の材料部から形成されている遠位側長手方向領域を含む、請求項7に記載のカテーテルチューブ。
【請求項9】
前記第3の材料部の構造特性が、前記第1の材料部の前記構造特性および前記第2の材料部の前記構造特性の両者と異なる、請求項7に記載のカテーテルチューブ。
【請求項10】
前記第3の材料部の構造特性が前記第1の材料部の前記構造特性と同じである、請求項7に記載のカテーテルチューブ。
【請求項11】
前記第3の材料部は、前記管状体の軸線方向の長さの全体を覆うように延びている、請求項7に記載のカテーテルチューブ。
【請求項12】
前記第1の材料部の幅は、前記管状体の少なくとも1つの部分において、前記第2の材料部の幅と異なる、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項13】
少なくとも前記第1の軸方向領域において、前記管状体は、少なくとも3つ以上の個別の材料部を含む、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項14】
前記第1の材料部および前記第2の材料部の螺旋方向は、右巻きで構成されている、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項15】
前記第1の材料部および前記第2の材料部の螺旋方向は、左巻きで構成されている、請求項1に記載のカテーテルチューブ。
【請求項16】
軸線方向の長さを有する複合チューブを備え、前記複合チューブは、前記軸線方向の長さに沿って測定されたそれぞれの幅を有する複数の材料部を含み、前記複数の材料部は、螺旋方向に延び、前記複合チューブは、第1の長手方向領域と、第2の長手方向領域と、それらの間の移行領域とを有し、
前記第1の長手方向領域において、前記複数の材料部が、第1の材料部および第2の材料部を含み、前記第1の材料部の構造特性が、前記第2の材料部の構造特性と異なることにより、前記第1の長手方向領域が第1の構造特性を有し、
前記第2の材料部が端部で終端し、第3の材料部が前記第2の材料部の前記端部に接合され、前記第2の材料部の前記構造特性が前記第3の材料部の構造特性と異なり、
前記第1の材料部および前記第3の材料部が、前記第2の長手方向領域に沿って螺旋状に延びており、これにより、前記第2の長手方向領域の構造特性が前記第1の長手方向領域の前記構造特性と異なる、カテーテル構造体。
【請求項17】
前記複合チューブが、内側ライナーと、前記内側ライナーの外側にある補強構造体とをさらに備え、前記複合チューブが、前記補強構造体および前記内側ライナーを覆うように延びている、請求項16に記載のカテーテル構造体。
【請求項18】
前記第1の材料部の幅および前記第2の材料部の幅は、前記第1の長手方向領域に沿って変化する、請求項16に記載のカテーテル構造体。
【請求項19】
前記第1の材料部の幅および前記第2の材料部の幅は、前記第1の長手方向領域に沿って逆に変化することにより、前記第1の材料部の前記幅が増加または低減すると、前記第2の材料部の前記幅が対応して低減または増加する、請求項16に記載のカテーテル構造体。
【請求項20】
前記複合チューブは、前記第1の長手方向領域の近位側に近位側長手方向領域を含み、前記近位側長手方向領域は、全体が前記第1の材料部から形成されている、請求項16に記載のカテーテル構造体。
【請求項21】
前記複合チューブは、前記第1の長手方向領域の遠位側に遠位側長手方向領域を含み、前記遠位側長手方向領域は、全体が前記第2の材料部から形成されている、請求項16に記載のカテーテル構造体。
【請求項22】
前記複数の材料部は、前記第2の材料部に隣接する少なくとも1つの第4の材料部をさらに備える、請求項16に記載のカテーテル構造体。
【請求項23】
前記複合チューブは、前記第1の長手方向領域の遠位側に遠位側長手方向領域を含み、前記遠位側長手方向領域は、全体が前記第4の材料部から形成されている、請求項22に記載のカテーテル構造体。
【請求項24】
前記第4の材料部の構造特性が、前記第1の材料部の前記構造特性および前記第2の材料部の前記構造特性の両者と異なる、請求項22に記載のカテーテル構造体。
【請求項25】
前記第4の材料部の構造特性が前記第1の材料部の前記構造特性と同じである、請求項22に記載のカテーテル構造体。
【請求項26】
前記第4の材料部は、前記複合チューブの前記軸線方向の長さの全体を覆うように延びている、請求項22に記載のカテーテル構造体。
【請求項27】
前記第1の材料部の幅は、前記複合チューブの少なくとも1つの第1の区分において、前記第2の材料部の幅と異なる、請求項16に記載のカテーテル構造体。
【請求項28】
前記複合チューブの少なくとも1つの第2の区分において、前記複数の材料部は、少なくとも3つ以上の個別の材料部からなる、請求項16に記載のカテーテル構造体。
【請求項29】
前記第1の材料部および前記第2の材料部の螺旋方向は、右巻きで構成されている、請求項16に記載のカテーテル構造体。
【請求項30】
前記第1の材料部および前記第2の材料部の螺旋方向は、左巻きで構成されている、請求項16に記載のカテーテル構造体。