(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144097
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】改良された縮径部被覆を伴う塞栓デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023133402
(22)【出願日】2023-08-18
(62)【分割の表示】P 2020554276の分割
【原出願日】2019-04-04
(31)【優先権主張番号】62/652,441
(32)【優先日】2018-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514287731
【氏名又は名称】インキュメデックス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アミエル アール. アギラル
(72)【発明者】
【氏名】クリスタル ケー. セイン-ルウィン
(72)【発明者】
【氏名】ガー ドアン
(72)【発明者】
【氏名】レジーナ シー. ベラスコ
(57)【要約】
【課題】従来のデバイスより改良された充填および/または縮径部遮断を呈する、動脈瘤または他の血管障害を治療するための塞栓デバイスの提供。
【解決手段】一実施例として、塞栓デバイスは、渦巻形状に巻装される、構造を含むことができる。ある場合には、渦巻状に巻装された塞栓デバイスは、交互する狭小部分と連結部分とを含む。別の実施例として、塞栓デバイスは、無限大形状、または、ある場合には、複数の無限大形状を形成するように巻装される、構造から形成されることができる。複数の無限大形状を伴う事例では、無限大形状は、相互に平行または垂直のいずれかであるように配列されることができる。ある側面では、塞栓デバイスは、2つのデバイスが取り付けられるが、血管障害内に設置されると、独立した運動自由度を有するように、相互接続要素によって取り付けられる、2つの異なる塞栓デバイスを含むことができる。
【選択図】
図11A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管障害を治療する際に使用される多段階塞栓デバイスであって、前記多段階塞栓デバイスは、
第1の塞栓デバイスと、
前記第1の塞栓デバイスとは異なる第2の塞栓デバイスと、
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスを継合するフックおよびループ相互接続要素であって、前記フックおよびループ相互接続要素は、残りがともに継合される間、前記第1の塞栓デバイスと第2の塞栓デバイスとの間の独立した運動自由度を可能にし、前記第1の塞栓デバイスと前記第2の塞栓デバイスとの間の運動に関する唯一の拘束は、それらが継合されたままであることである、フックおよびループ相互接続要素と、
前記フックおよびループ相互接続要素にわたって配置されているコイルであって、前記第1の塞栓デバイスおよび前記第2の塞栓デバイスに接着されているコイルと
を備え、
前記第1の塞栓デバイスおよび前記第2の塞栓デバイスのそれぞれは、複数の狭小部分と複数の連結部分とを備え、前記複数の連結部分のそれぞれは、前記複数の狭小部分のうちの1つと前記複数の狭小部分のうちの別の1つとを連結し、
前記第1の塞栓デバイスおよび前記第2の塞栓デバイスのそれぞれは、コイル、平坦シート、および、これらの組み合わせのうちの少なくとも1つから形成されている、多段階塞栓デバイス。
【請求項2】
前記第1の塞栓デバイスおよび前記第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、白金、ニチノール、白金合金、および、これらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む、請求項1に記載の多段階塞栓デバイス。
【請求項3】
前記第1の塞栓デバイスおよび前記第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、0.0005インチ~0.027インチの範囲内の厚さを有する、請求項1に記載の多段階塞栓デバイス。
【請求項4】
前記多段階塞栓デバイスの少なくとも一部は、放射線不透過性である、請求項1に記載の多段階塞栓デバイス。
【請求項5】
前記第1の塞栓デバイスおよび前記第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、複数の狭小部分と複数の連結部分とを備える可撓性構造を備え、前記複数の連結部分のそれぞれは、前記複数の狭小部分のうちの1つと前記複数の狭小部分のうちの別の1つとを連結し、各連結部分は、菱形状の形状を有する、請求項1に記載の多段階塞栓デバイス。
【請求項6】
前記第1の塞栓デバイスおよび前記第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、複数の狭小部分と複数の連結部分とを備える可撓性構造を備え、前記複数の連結部分のそれぞれは、前記複数の狭小部分のうちの1つと前記複数の狭小部分のうちの別の1つとを連結し、前記複数の連結部分のそれぞれは、前記多段階塞栓デバイスがマイクロカテーテル内に配置されると、圧縮する、請求項1に記載の多段階塞栓デバイス。
【請求項7】
前記複数の連結部分のそれぞれは、前記マイクロカテーテルからの前記多段階塞栓デバイスの展開に応じて拡張する、請求項6に記載の多段階塞栓デバイス。
【請求項8】
前記第1の塞栓デバイスおよび前記第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、複数の狭小部分と複数の連結部分とを備える可撓性構造を備え、前記複数の連結部分のそれぞれは、前記複数の狭小部分のうちの1つと前記複数の狭小部分のうちの別の1つとを連結し、前記複数の狭小部分および前記複数の連結部分は、一貫した間隔で交互する、請求項1に記載の多段階塞栓デバイス。
【請求項9】
前記第1の塞栓デバイスおよび前記第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、複数の狭小部分と複数の連結部分とを備える可撓性構造を備え、前記複数の連結部分のそれぞれは、前記複数の狭小部分のうちの1つと前記複数の狭小部分のうちの別の1つとを連結し、前記複数の狭小部分および前記複数の連結部分は、一貫しない間隔で交互する、請求項1に記載の多段階塞栓デバイス。
【請求項10】
前記第1の塞栓デバイスおよび前記第2の塞栓デバイスは、前記フックおよびループ相互接続要素によって直列に取り付けられている、請求項1に記載の多段階塞栓デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年4月4日に出願された、米国仮特許出願第62/652,441号の優先権および利点を主張し、参照することによって全体として本明細書に組み込む。
【0002】
一般に、本発明の種々の実施形態は、動脈瘤および他の血管障害の低侵襲性治療において使用するための塞栓デバイスに関し、より具体的には、血管障害の縮径部の改良された充填および/または被覆を達成するように成形および/または構成され得る、塞栓デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、動脈瘤は、血管の壁内に空洞を形成する、腫脹または膨隆である。1つのタイプの動脈瘤は、脳動脈瘤であって、これは、脳の動脈内に形成される。脳動脈瘤は、初期症状を伴わずに、突然発症し得、著しい疼痛を引き起こさせ得る。一般に、脳動脈瘤症例の15%において、患者は、脳動脈瘤の発症に応じて、突然死し、脳動脈瘤症例の別の15%において、患者は、医療治療下で死亡し、脳動脈瘤症例の30%において、患者は、治療後に生き延びるが、急性後遺症を被る。したがって、脳動脈瘤(または任意の動脈瘤)は、非常に懸念される発症である。
【0004】
動脈瘤および他の類似血管障害の治療は、多くの場合、動脈瘤または障害によって形成される空洞内へのマイクロコイルの設置を伴う。そうすることは、血液を凝塊させ、血液の付加的流入を防止し、動脈瘤または障害が破裂するリスク(すなわち、塞栓症)を減少させることができる。効果的であるために、塞栓マイクロコイルは、血液の付加的流入を防止するために十分であるが、破裂を引き起こさせる過剰な圧力ではない量の圧力を印加しなければならない。
【0005】
塞栓デバイスの重要な特徴は、動脈瘤の縮径部、すなわち、動脈瘤が血管に衝合する開口部を遮断するその能力である。そのような遮断は、過剰な量の血液が、動脈瘤の中に流動し、さらなる膨隆または破裂のリスクに曝さないことを確実にするために重要である。動脈瘤縮径部を遮断するための以前のアプローチは、縮径部をステント状または編組構造で被覆することを含む。これらのアプローチは、時として、効果的であるが、依然として、改良のための機会が存在する。
【0006】
故に、動脈瘤の縮径部の改良された充填するおよび/または遮断を達成する、改良された塞栓デバイスの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
種々の実施形態では、本発明は、従来のデバイスより改良された充填および縮径部遮断を達成する、改良された塞栓デバイスに関する。特に、本デバイスは、縮径部遮断を改良することが観察されている、本発明の形状に形成されることができる。例示的形状は、下記により詳細に説明されるように、渦巻形状および無限大形状を含む。
【0008】
加えて、従来のデバイスにおける満足の行かない縮径部遮断に有意に寄与することが発見されている、1つの要因は、動脈瘤内に設置された塞栓デバイスの部分が、多くの場合、動脈瘤内で平衡を見出す間、偏移または移動することである。これは、例えば、動脈瘤が複雑な形状(例えば、分岐、二葉等)を有し、動脈瘤内の塞栓デバイスの部分が動脈瘤の内部表面の部分に接触するために拡張するとき、生じ得る。動脈瘤内のデバイスの部分の移動は、縮径部を遮断する塞栓デバイスの部分の関連付けられた偏移/移動を引き起こさせ得、これは、遮断を損なわせ得る。したがって、いくつかの側面では、本明細書に説明される本発明は、2つの治療要素、すなわち、動脈瘤内への設置のための1つと、縮径部の遮断のためのもう1つとを含む、塞栓デバイスを含む。2つの治療要素は、動脈瘤に送達されると、治療要素が独立した運動自由度を有することを可能にする、相互接続要素を用いて取り付けられることができる。
【0009】
一般に、一側面では、発明の実施形態は、血管障害を治療する際に使用するための塞栓デバイスを特徴とする。塞栓デバイスは、一連の交互する狭小部分と連結部分を含む、可撓性構造を含むことができ、各連結部分は、少なくとも1つの平面内の開口部を取り囲む。構造は、拘束されないとき、渦巻形状を形成するように適合されることができる。
【0010】
種々の実施形態では、構造は、コイル、平坦シート、薄膜、および/またはそれらの組み合わせを含むことができる。構造は、白金、ニチノール、それらの合金、および/またはそれらの組み合わせを含む、材料を含むことができる。ある場合には、構造は、0.0005インチ~0.027インチの範囲内の厚さを含む。ある場合には、各狭小部分は、螺旋状に巻装されたコイルを含み、各連結部分は、平坦シートおよび/または薄膜を含む。塞栓デバイスの少なくとも一部は、放射線不透過性であることができる。各狭小部分は、近接する連結部分に固定して取り付けられることができる。ある場合には、塞栓デバイスは、各狭小部分と近接する連結部分との間の歪み緩和要素(例えば、溶融された縫合糸材料、溶融されたポリマー等)を含むことができる。ある場合には、各連結部分は、菱形状の形状を含む。
【0011】
種々の実施形態では、各連結部分は、塞栓デバイスがマイクロカテーテル内に配置されると、圧縮するように適合される。各連結部分はさらに、マイクロカテーテルからの塞栓デバイスの展開に応じて、拡張するように適合されることができる。ある場合には、狭小部分と連結部分は、一貫した間隔で交互する。他の場合には、狭小部分と連結部分は、一貫しない間隔で交互する。塞栓デバイスは、構造にわたって配置される、カバー要素を含むことができる。塞栓デバイスは、塞栓デバイスを1つ以上の異なる塞栓デバイスに取り付けるために(例えば、直列に)塞栓デバイスの端部に配置される、相互接続要素を含むことができる。
【0012】
一般に、別の側面では、発明の実施形態は、別の血管障害を治療する際に使用するための塞栓デバイスを特徴とする。塞栓デバイスは、拘束されないとき、少なくとも1つの無限大形状部分を形成するように適合される、可撓性構造を含むことができる。無限大形状部分は、単一点において交差する、2つの隣接するループを含むことができる。
【0013】
種々の実施形態では、構造は、コイル、平坦シート、薄膜、および/またはそれらの組み合わせを含む。構造は、白金、ニチノール、それらの合金、および/またはそれらの組み合わせを含む、材料を含むことができる。いくつかの事例では、構造は、0.0005インチ~0.027インチの範囲内の厚さを含む。ある場合には、可撓性構造は、少なくとも2つの無限大形状部分を形成する。無限大形状部分のうちの少なくとも2つは、相互に整合し、覆うように配列されることができ、および/または少なくとも2つの無限大形状部分は、血管障害の内部のまわりに円周方向に配列されることができる。少なくとも1つの無限大形状部分は、別の無限大形状部分と垂直になるように回転されることができる。塞栓デバイスは、構造にわたって配置される、カバー要素を含むことができる。塞栓デバイスは、塞栓デバイスを1つ以上の異なる塞栓デバイスに取り付けるために(例えば、直列に)塞栓デバイスの端部に配置される、相互接続要素を含むことができる。
【0014】
一般に、さらに別の側面では、発明の実施形態は、血管障害を治療する際に使用するための多段階塞栓デバイスを特徴とする。多段階塞栓デバイスは、第1の塞栓デバイスと、第1の塞栓デバイスと異なる第2の塞栓デバイスと、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスを継合し、残りがともに継合される間、第1の塞栓デバイスと第2の塞栓デバイスとの間の独立した運動自由度を可能にする、相互接続要素とを含むことができる。
【0015】
種々の実施形態では、第1の塞栓デバイスは、枠組デバイスを含み、第2の塞栓デバイスは、充填デバイスを含む。ある場合には、血管障害への多段階塞栓デバイスの展開に応じて、第1の塞栓デバイスは、血管障害の縮径部を遮断するように適合され、第2の塞栓デバイスは、血管障害の内部を占有するように適合される。第1の塞栓デバイスおよび/または第2の塞栓デバイスは、コイル、平坦シート、薄膜、および/またはそれらの組み合わせを含むことができる。第1の塞栓デバイスおよび/または第2の塞栓デバイスは、白金、ニチノール、それらの合金、および/またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの事例では、第1の塞栓デバイスおよび/または第2の塞栓デバイスは、0.0005インチ~0.027インチの範囲内の厚さを含む。ある場合には、第1の塞栓デバイスおよび/または第2の塞栓デバイスは、拘束されないとき、渦巻形状を形成するように適合される。相互接続要素は、連結されたループおよび/またはニチノールコイルを含むことができる。多段階塞栓デバイスはさらに、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのそれぞれと異なる少なくとも1つの付加的塞栓デバイスと、第2の塞栓デバイスおよび付加的塞栓デバイスを直接的におよび/または間接的に継合する少なくとも1つの付加的相互接続要素とを含むことができる。付加的相互接続要素は、残りがともに継合される間、第2の塞栓デバイスと付加的塞栓デバイスとの間の独立した運動自由度を可能にする。多段階塞栓デバイスは、第1の塞栓デバイスおよび/または第2の塞栓デバイスにわたって配置される、カバー要素を含むことができる。
【0016】
一般に、さらに別の側面では、発明の実施形態は、血管障害を治療するための方法を特徴とする。本方法は、多段階塞栓デバイスを血管障害に送達するステップを含むことができる。多段階塞栓デバイスは、第1の塞栓デバイスと、第1の塞栓デバイスと異なる第2の塞栓デバイスと、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスを継合し、残りがともに継合される間、第1の塞栓デバイスと第2の塞栓デバイスとの間の独立した運動自由度を可能にする、相互接続要素とを含んでもよい。本方法はさらに、第2の塞栓デバイスを血管障害の内部内に配置することと、第1の塞栓デバイスを配置し、血管障害の縮径部を遮断することとを含むことができる。
【0017】
種々の実施形態では、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスの一方は、枠組デバイスを含み、他方の塞栓デバイスは、充填デバイスを含む。第1の塞栓デバイスおよび/または第2の塞栓デバイスは、コイル、平坦シート、薄膜、および/またはそれらの組み合わせを含むことができる。第1の塞栓デバイスおよび/または第2の塞栓デバイスは、白金、ニチノール、それらの合金、および/またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの事例では、第1の塞栓デバイスおよび/または第2の塞栓デバイスは、0.0005インチ~0.027インチの範囲内の厚さを含む。ある場合には、第1の塞栓デバイスおよび/または第2の塞栓デバイスは、拘束されないとき、渦巻形状を形成する。相互接続要素は、連結されたループおよび/またはニチノールコイルを含むことができる。多段階塞栓デバイスはさらに、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのそれぞれと異なる少なくとも1つの付加的塞栓デバイスと、第2の塞栓デバイスおよび付加的塞栓デバイスを直接的におよび/または間接的に継合する少なくとも1つの付加的相互接続要素とを含むことができる。付加的相互接続要素は、残りがともに継合される間、第2の塞栓デバイスと付加的塞栓デバイスとの間の独立した運動自由度を可能にし、本方法はさらに、付加的塞栓デバイスを血管障害の内部内に配置することを含むことができる。多段階塞栓デバイスは、第1の塞栓デバイスおよび/または第2の塞栓デバイスにわたって配置される、カバー要素を含むことができる。
【0018】
これらおよび他の目的は、本明細書に開示される本発明の実施形態の利点および特徴とともに、以下の説明、付随の図面、および請求項の参照を通して、より明白となるであろう。さらに、本明細書に説明される種々の実施形態の特徴は、相互に排他的ではなく、種々の組み合わせおよび順列で存在することができることを理解されたい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
血管障害を治療する際に使用するための塞栓デバイスであって、前記塞栓デバイスは、
可撓性構造であって、前記可撓性構造は、一連の交互する狭小部分および連結部分を備え、各連結部分は、少なくとも1つの平面内の開口部を取り囲む、可撓性構造
を備え、
前記構造は、拘束されないとき、渦巻形状を形成するように適合される、塞栓デバイス。
(項目2)
前記構造は、コイル、平坦シート、薄膜、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目3)
前記構造は、白金、ニチノール、それらの合金、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目4)
前記構造は、0.0005インチ~0.027インチの範囲内の厚さを備える、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目5)
各狭小部分は、螺旋状に巻装されたコイルを備え、各連結部分は、平坦シートおよび薄膜のうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目6)
前記塞栓デバイスの少なくとも一部は、放射線不透過性である、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目7)
各狭小部分は、近接する連結部分に固定して取り付けられ、
各狭小部分と前記近接する連結部分との間の歪み緩和要素をさらに備える、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目8)
前記歪み緩和要素は、溶融された縫合糸材料および溶融されたポリマーのうちの少なくとも1つから形成される、項目7に記載の塞栓デバイス。
(項目9)
各連結部分は、菱形状の形状を備える、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目10)
各連結部分は、前記塞栓デバイスがマイクロカテーテル内に配置されると、圧縮するように適合される、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目11)
各連結部分はさらに、前記マイクロカテーテルからの前記塞栓デバイスの展開に応じて、拡張するように適合される、項目10に記載の塞栓デバイス。
(項目12)
前記狭小部分と前記連結部分は、一貫した間隔で交互する、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目13)
前記狭小部分と前記連結部分は、一貫しない間隔で交互する、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目14)
前記構造にわたって配置されるカバー要素をさらに備える、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目15)
前記塞栓デバイスを1つ以上の異なる塞栓デバイスに取り付けるために前記塞栓デバイスの端部に配置される相互接続要素をさらに備える、項目1に記載の塞栓デバイス。
(項目16)
前記塞栓デバイスおよび前記1つ以上の異なる塞栓デバイスは、直列に取り付けられる、項目15に記載の塞栓デバイス。
(項目17)
血管障害を治療する際に使用するための塞栓デバイスであって、前記塞栓デバイスは、
可撓性構造であって、前記可撓性構造は、拘束されないとき、少なくとも1つの無限大形状部分を形成するように適合される、可撓性構造
を備え、
前記無限大形状部分は、単一点において交差する2つの隣接するループを備える、塞栓デバイス。
(項目18)
前記構造は、コイル、平坦シート、薄膜、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える、項目17に記載の塞栓デバイス。
(項目19)
前記構造は、白金、ニチノール、それらの合金、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む、項目17に記載の塞栓デバイス。
(項目20)
前記構造は、0.0005インチ~0.027インチの範囲内の厚さを備える、項目17に記載の塞栓デバイス。
(項目21)
前記構造は、少なくとも2つの無限大形状部分を形成する、項目17に記載の塞栓デバイス。
(項目22)
前記無限大形状部分のうちの少なくとも2つは、相互に整合し、覆うように配列される、項目21に記載の塞栓デバイス。
(項目23)
前記無限大形状部分のうちの少なくとも1つは、別の無限大形状部分と垂直になるように回転される、項目21に記載の塞栓デバイス。
(項目24)
前記少なくとも2つの無限大形状部分は、前記血管障害の内部のまわりに円周方向に配列されるように適合される、項目21に記載の塞栓デバイス。
(項目25)
前記構造にわたって配置されるカバー要素をさらに備える、項目17に記載の塞栓デバイス。
(項目26)
前記塞栓デバイスを1つ以上の異なる塞栓デバイスに取り付けるために前記塞栓デバイスの端部に配置される相互接続要素をさらに備える、項目17に記載の塞栓デバイス。
(項目27)
前記塞栓デバイスおよび前記1つ以上の異なる塞栓デバイスは、直列に取り付けられる、項目26に記載の塞栓デバイス。
(項目28)
血管障害を治療する際に使用するための多段階塞栓デバイスであって、前記多段階塞栓デバイスは、
第1の塞栓デバイスと、
前記第1の塞栓デバイスと異なる第2の塞栓デバイスと、
相互接続要素であって、前記相互接続要素は、前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスを継合し、残りがともに継合される間、前記第1の塞栓デバイスと第2の塞栓デバイスとの間の独立した運動自由度を可能にする、相互接続要素と
を備える、多段階塞栓デバイス。
(項目29)
前記第1の塞栓デバイスは、枠組デバイスを備え、前記第2の塞栓デバイスは、充填デバイスを備える、項目28に記載の多段階塞栓デバイス。
(項目30)
前記血管障害への前記多段階塞栓デバイスの展開に応じて、前記第1の塞栓デバイスは、前記血管障害の縮径部を遮断するように適合され、前記第2の塞栓デバイスは、前記血管障害の内部を占有するように適合される、項目28に記載の多段階塞栓デバイス。
(項目31)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、コイル、平坦シート、薄膜、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える、項目0に記載の多段階塞栓デバイス。
(項目32)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、白金、ニチノール、それらの合金、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む、項目28に記載の多段階塞栓デバイス。
(項目33)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、0.0005インチ~0.027インチの範囲内の厚さを備える、項目28に記載の多段階塞栓デバイス。
(項目34)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、拘束されないとき、渦巻形状を形成するように適合される、項目28に記載の多段階塞栓デバイス。
(項目35)
前記相互接続要素は、連結されたループまたはニチノールコイルのうちの少なくとも1つを備える、項目28に記載の多段階塞栓デバイス。
(項目36)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのそれぞれと異なる少なくとも1つの付加的塞栓デバイスと、
少なくとも1つの付加的相互接続要素であって、前記少なくとも1つの付加的相互接続要素は、直接的におよび間接的にのうちの少なくとも1つで、前記第2の塞栓デバイスおよび付加的塞栓デバイスを継合し、残りがともに継合される間、前記第2の塞栓デバイスと付加的塞栓デバイスとの間の独立した運動自由度を可能にする、少なくとも1つの付加的相互接続要素と
をさらに備える、項目28に記載の多段階塞栓デバイス。
(項目37)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つにわたって配置されるカバー要素をさらに備える、項目28に記載の多段階塞栓デバイス。
(項目38)
血管障害を治療するための方法であって、前記方法は、
多段階塞栓デバイスを前記血管障害に送達するステップであって、前記多段階塞栓デバイスは、
第1の塞栓デバイスと、
前記第1の塞栓デバイスと異なる第2の塞栓デバイスと、
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスを継合し、残りがともに継合される間、前記第1の塞栓デバイスと第2の塞栓デバイスとの間の独立した運動自由度を可能にする、相互接続要素と
を備える、ステップと、
前記第2の塞栓デバイスを前記血管障害の内部内に配置するステップと、
前記第1の塞栓デバイスを配置し、前記血管障害の縮径部を遮断するステップと
を含む、方法。
(項目39)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスの一方は、枠組デバイスを備え、他方の塞栓デバイスは、充填デバイスを備える、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、コイル、平坦シート、薄膜、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える、項目38に記載の方法。
(項目41)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、白金、ニチノール、それらの合金、および/またはそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む、項目38に記載の方法。
(項目42)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、0.0005インチ~0.027インチの範囲内の厚さを備える、項目38に記載の方法。
(項目43)
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つは、拘束されないとき、渦巻形状を形成する、項目38に記載の方法。
(項目44)
前記相互接続要素は、連結されたループまたはニチノールコイルのうちの少なくとも1つを備える、項目38に記載の方法。
(項目45)
前記多段階塞栓デバイスはさらに、
前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのそれぞれと異なる少なくとも1つの付加的塞栓デバイスと、
少なくとも1つの付加的相互接続要素であって、前記少なくとも1つの付加的相互接続要素は、直接的におよび間接的にのうちの少なくとも1つで、前記第2の塞栓デバイスおよび付加的塞栓デバイスを継合し、残りがともに継合される間、前記第2の塞栓デバイスと付加的塞栓デバイスとの間の独立した運動自由度を可能にする、少なくとも1つの付加的相互接続要素と
を備え、
前記方法はさらに、前記少なくとも1つの付加的塞栓デバイスを前記血管障害の内部内に配置することを含む、項目38に記載の方法。
(項目46)
前記多段階塞栓デバイスはさらに、前記第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイスのうちの少なくとも1つにわたって配置されるカバー要素を備える、項目38に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面では、同様の参照文字は、概して、異なる図全体を通して同一部品を指す。また、図面は、必ずしも、正確な縮尺ではなく、強調が、代わりに、概して、本発明の原理を図示することに応じて置かれる。以下の説明では、本発明の種々の実施形態は、以下の図面を参照して説明される。
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による、動脈瘤内に配置される、渦巻形状を有する塞栓デバイスの概略斜視図である。
【0021】
【
図2】
図2は、本発明の種々の実施形態において使用される、渦巻状に巻装されたワイヤから形成される、コイルの概略斜視図である。
【0022】
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による、略球状渦巻形状を有する塞栓デバイスの概略斜視図である。
【0023】
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施形態による、略球状渦巻形状を有する塞栓デバイスの例示的寸法を示す、概略斜視図である。
【0024】
【
図4B】
図4Bは、本発明の一実施形態による、略球状渦巻形状を有する塞栓デバイスの例示的寸法を示す、概略側面図である。
【0025】
【
図4C】
図4Cは、本発明の一実施形態による、略球状渦巻形状を有する塞栓デバイスの例示的寸法を示す、概略上面図である。
【0026】
【
図5A】
図5Aは、本発明の一実施形態による、一定幅を有する材料の平坦シートから形成される、塞栓デバイスの概略上面図である。
【0027】
【
図5B】
図5Bは、本発明の一実施形態による、抜き勾配状幅を有する材料の平坦シートから形成される、塞栓デバイスの概略上面図である。
【0028】
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による、接続領域において接続される2つの渦巻部分から形成される、塞栓デバイスの概略上面図である。
【0029】
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による、狭小部分と、連結部分とを有する、塞栓デバイスの概略上面図である。
【0030】
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態による、コイル区画から形成される狭小部分と、連結部分とを有する、塞栓デバイスの写真である。
【0031】
【
図9A】
図9Aは、本発明の一実施形態による、垂直無限大形状部分を形成する、塞栓デバイスの概略上面図である。
【0032】
【
図9B】
図9Bは、本発明の一実施形態による、動脈瘤内に分散される垂直無限大形状部分を形成する、塞栓デバイスの概略斜視図である。
【0033】
【
図9C】
図9Cは、本発明の一実施形態による、動脈瘤の内部の周のまわりに配列される複数の無限大形状部分を形成する、塞栓デバイスの概略斜視図である。
【0034】
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による、相互接続要素によって継合される2つの塞栓デバイスを含む、多段階塞栓デバイスの概略斜視図である。
【0035】
【
図11A】
図11A-Cは、本発明の一実施形態による、2つの塞栓デバイスを継合する相互接続要素を示す、写真である。
【
図11B】
図11A-Cは、本発明の一実施形態による、2つの塞栓デバイスを継合する相互接続要素を示す、写真である。
【
図11C】
図11A-Cは、本発明の一実施形態による、2つの塞栓デバイスを継合する相互接続要素を示す、写真である。
【0036】
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態による、モデル動脈瘤内で展開される多段階塞栓デバイスを示す、写真である。
【0037】
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態による、2つの相互接続要素によって継合される3つの塞栓デバイスを示す、写真である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の実施形態は、塞栓デバイスのための改良された設計および改良されたデバイスを使用する方法を対象とする。縮径部遮断は、塞栓デバイスが血管障害を治療する際にどの程度効果的であるかに直接影響を及ぼす、塞栓デバイスを通して動脈瘤の中に通過し得る流体の量を決定するので、塞栓デバイスのための重要な機能である。本発明の実施形態は、従来のデバイスより改良された縮径部遮断および他の性能パラメータを達成する、形状および/または構成を有する、塞栓デバイスを含む。
【0039】
一般に、本明細書に説明される塞栓デバイスは全て、任意の公知の形態、例えば、マイクロコイル(例えば、裸白金コイル)、平坦シート、薄膜、それらの組み合わせ等をとることができるが、いくつかの事例では、特定のデバイスは、これらの形態のうちの1つのみを有するように本明細書に説明され得る。加えて、本明細書に説明される塞栓デバイスは全て、任意の好適な材料、例えば、形状記憶材料(例えば、ニチノール)、白金、それらの組み合わせ等から形成されることができるが、いくつかの事例では、特定のデバイスは、これらの材料のうちの1つのみから形成されるように本明細書に説明され得る。さらに、種々の事例では、本明細書に説明される塞栓デバイスは全て、例えば、米国特許公開第US-2016-0022275-A1号(これは、参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるように、カバー要素によって被覆される構造(例えば、マイクロコイル、平坦シート、薄膜等)を含むことができる。
【0040】
本発明の種々の実施形態では、塞栓デバイスは、構造から形成される。例えば、
図1に示されるように、塞栓デバイス100は、動脈瘤104への展開に応じて、渦巻形状を形成するように適合されてもよい(参照番号104はまた、任意の他の血管障害または類似解剖学的構造にも適用され得る)。本明細書で使用されるように、塞栓デバイス100の形状は、構造102を形成するために使用されるマイクロ形状とは対照的に、塞栓デバイス100自体(またはその一部)によって形成されるマクロ形状を指す。例えば、いくつかの事例では、塞栓デバイス100は、
図2に示されるように、渦巻状に巻装されたワイヤ200から形成される、構造102を含む。
図2の実施例では、構造102は、渦巻状に巻装されるが、それへと塞栓デバイスを作成するように形成される、マクロ形状は、渦巻状に巻装されず、代わりに、一連の湾曲した葉状形状のループを形成する。したがって、塞栓デバイス100の形状が、本明細書に説明されるとき、本マクロ形状の意味を有するものとして理解されたい。
【0041】
図1に示されるように、塞栓デバイス100は、縮径部106、例えば、血管と動脈瘤104の空洞との間の開口部を有する、血管障害104を治療するために使用されることができる。いくつかの事例では、塞栓デバイス100は、動脈瘤縮径部106内に配置され、および/またはそれを遮断する、部分108と、動脈瘤104の空洞内に配置される別の部分110とを含むことができる。一般に、縮径部106を遮断する部分108は、任意の形状、例えば、
図1に示されるように、渦巻形状をとることができる。部分108の渦巻形状は、任意の好適な3次元形状、例えば、円盤(
図1に示されるように)、球形、半球形(または部分的球形)、円錐等で形成されることができる。渦巻形状を有する部分108は、従来のデバイスより縮径部106の改良された遮断を達成することが観察されている。動脈瘤104の空洞内に配置される部分110もまた、任意の形状をとることができ、これは、動脈瘤縮径部106を遮断する部分108と同一または異なる形状であることができる。例えば、
図1に示されるように、部分110は、渦巻形状を有することができるが、他の実施形態では、ランダムまたは非幾何学的形状を含む、他の形状を有することができる。部分110の渦巻はまた、任意の好適な3次元形状、例えば、円盤、球形、半球形(または部分的球形)、円錐(
図1に示されるように)等で形成されることができる。
【0042】
従来のデバイスを用いて被られる1つの問題は、動脈瘤縮径部を遮断する際のその有効性が、時として、再現可能様式で達成することが困難であり得る、治療部位への送達に応じたデバイスの配向によって有意に影響されることである。本発明の実施形態は、動脈瘤104の中への設置に応じたその配向にかかわらず、動脈瘤縮径部106を効果的に遮断する、または、ある場合には、従来のデバイスより多くの配向(例えば、配向の大部分)において動脈瘤縮径部106を遮断する、塞栓デバイスを特徴とすることによって、本問題を解決する。
【0043】
大部分(または、ある場合には、全て)の配向において動脈瘤縮径部106を遮断する、デバイスの一実施例は、
図3に示される塞栓デバイス300であって、これは、略球状渦巻形状を有する。ある幾何学的形状が、本明細書で説明されるが、種々の実施形態では、形状の完璧な幾何学的バージョンの35%以内、例えば、25%、10%、5%、2%、および/または1%においてその寸法の全てを有する、形状も含む。
図3に図示されるように、塞栓デバイス300は、任意の360度配向において動脈瘤104の中に展開され、依然として、縮径部106を効果的に遮断し、また、動脈瘤の内壁(内皮)に接触することができる。いくつかの事例では、略球状の渦巻形状の塞栓デバイス300は、デバイス300全体を通して組織の連続成長を可能にすることができる。例えば、塞栓デバイス300は、組織が動脈瘤空洞内で成長するための連続経路を提供することができ、これは、動脈瘤104の治癒を可能にし、および/または加速させることができる。
【0044】
塞栓デバイス300の例示的寸法は、
図4A-4Cに示される。主直径(
図2における要素204参照)は、約0.010インチであることができる。デバイスの高さ(最上コイルと最下コイルとの間の距離)は、約3.1mmであることができる。球状渦巻の最広部分の直径は、約3.2mmであることができる。最下コイルの外径は、約1.0mmであることができ、最下コイルの内径は、約0.5mmであることができる。最上コイルは、最下コイルと類似寸法を有することができる。
【0045】
種々の実施形態では、本発明の塞栓デバイスは、平坦シート(例えば、ニチノールから形成される)から形成されることができる。一般に、平坦シートは、任意の好適な形状に形成されることができる。例えば、
図5A-5Bは、渦巻形状における、平坦シートから形成される例示的塞栓デバイス500a、500bの上面図を示す。上記に述べられるように、渦巻は、任意の好適な3D形状、例えば、円盤、球形、半球形(または部分的球形)、円錐等をとることができる。平坦シートはまた、例えば、0.0001インチ~0.030インチの範囲内、0.0005インチ~0.027インチの範囲内、0.001インチ~0.025インチの範囲内、0.002インチ~0.020インチの範囲内、0.003インチ~0.015インチの範囲内、0.004インチ~0.010インチの範囲内、0.006インチ~0.008インチの範囲内の任意の望ましい厚さを有することができる。別の実施形態では、平坦シートは、0.002インチ~0.004インチの範囲内の厚さを有する。いくつかの事例では、平坦シートの幅は、例えば、
図5Aにおける塞栓デバイス500aによって示されるように、一定幅を有する。他の事例では、平坦シートの幅は、例えば、
図5Bにおける塞栓デバイス500bによって示されるように、抜き勾配状またはテーパ状(例えば、減少または増加)幅を有する。
【0046】
種々の実施形態では、
図6に示されるように、塞栓デバイス600は、接続領域606において2つの渦巻要素602、604を接続することによって形成されることができる。一般に、渦巻要素602、604は、任意の好適な構造、例えば、マイクロコイル、平坦シート(
図6に示されるように)、薄膜等から形成されることができる。一般に、接続された渦巻要素は、任意の3D形状、例えば、円盤、球形、半球形(または部分的球形)、円錐等を形成することができる。
図6を参照すると、一実施例として、第1の渦巻要素602の端部点608が、ページから手前側に引動されると、円錐形状の渦巻が、形成される。別の実施例として、第2の渦巻要素604の端部点610もまた、ページの向こう側に押動される場合、球形形状の渦巻が、形成される。一般に、渦巻要素602、604は、任意の好適な技法、例えば、溶接(例えば、レーザ、アーク、抵抗、摩擦撹拌)、はんだ、鑞接、拡散接合、接着剤継合、および相互接続要素(例えば、下記に説明されるように)等を使用して、接続領域606において継合されることができる。他の実施形態では、渦巻要素602、604は両方とも、単一材料片から切断(例えば、レーザ切断)されることができる(すなわち、渦巻要素602、604は、相互と一元構造である)。
【0047】
種々の実施形態では、塞栓デバイス700は、例えば、
図7に示されるように、交互する狭小部分702と連結部分704を含むことができる。連結部分704は、
図7に示されるように、少なくとも1つの平面、例えば、ページの平面内の開口部を取り囲む。一般に、連結部分704は、任意の好適な形状、例えば、菱形状(例えば、
図7および8に示されるように)、円形、長方形、三角形等を有することができる。一般に、塞栓デバイス700は、任意の好適な構造、例えば、コイル、平坦シート、薄膜、それらの組み合わせ等から形成されることができる。例えば、
図7に示されるように、狭小部分702は、平坦シート材料の単一細片(または開口部をそれらの間に伴わない、平坦シート材料の複数の細片)から形成されることができ、連結部分704は、開口部のまわりに周を画定する、またはそれを取り囲む、平坦シート材料のうちの少なくとも2つの細片によって形成されることができる。塞栓デバイス700はまた、例えば、0.0001インチ~0.030インチの範囲内、0.0005インチ~0.027インチの範囲内、0.001インチ~0.025インチの範囲内、0.002インチ~0.020インチの範囲内、0.003インチ~0.015インチの範囲内、0.004インチ~0.010インチの範囲内、0.006インチ~0.008インチの範囲内の任意の望ましい厚さを有することができる。別の実施形態では、塞栓デバイスは、0.002インチ~0.004インチの範囲内の厚さを有する。
【0048】
いくつかの事例では、例えば、
図8に示されるように、狭小部分は、コイル区画802を含む。ある場合には、コイル区画802は、別の構造(例えば、平坦シート、薄膜等)にわたって配置される。他の場合には、コイル区画802は、別の構造にわたって配置されない。一般に、コイル区画802は、任意の公知の技法を使用して、例えば、縫合糸を各コイル区画802の端部上に溶融させて、連結部分704に取り付けられることができる。縫合糸を各コイル区画802の端部上に溶融させることはまた、コイル区画802が連結部分704間に位置付けられたまま保つことができる。いくつかの事例では、連結部分704は、近接する狭小部分に固定して取り付けられることができ、歪み緩和要素804が、その部分間の歪みを緩和するために使用されることができる。歪み緩和要素は、任意の好適な材料、例えば、縫合糸材料、溶融されたポリマー(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド、ポリアミド、ポリマー接着剤等)等から形成されることができる。
【0049】
種々の実施形態では、本明細書に説明される塞栓デバイスは、マイクロカテーテルを使用して、血管障害内に導入され、送達され、位置付けられ、埋め込まれることができる。マイクロカテーテルは、例えば、0.015インチ~0.035インチ(例えば、0.016インチ~0.021インチ)の内径を有する、可撓性の小径カテーテルであることができる。マイクロカテーテルは、患者の大腿動脈または鼠径部面積内に設置された導入器シース/誘導カテーテルの組み合わせによって導入されてもよい。いくつかの事例では、マイクロカテーテルは、ガイドワイヤ(例えば、蛇行性脈管内を前進されるように設計されるより可撓性の遠位ワイヤ区分を伴う、長いトルク伝達可能近位ワイヤ区分)を用いて、血管障害の中に誘導される。そのようなガイドワイヤは、蛍光透視法を使用して可視であってもよく、最初に、血管障害にアクセスするために使用され、それによって、マイクロカテーテルがそれにわたって障害の中に前進されることを可能にしてもよい。
【0050】
いくつかの事例では、いったんマイクロカテーテルの先端が、血管障害にアクセスすると、ガイドワイヤは、カテーテル管腔から除去される。塞栓デバイスが、次いで、マイクロカテーテルの近位開放端の中に設置され、送達機構を用いて、マイクロカテーテルを通して前進されてもよい。塞栓デバイスは、任意の好適な構造、例えば、デバイスの近位端上のループ706(
図7)を介して、送達機構に取り付けられてもよい。いくつかの事例では、塞栓デバイスが、マイクロカテーテルの管腔内に配置される間、直線化された形態にある。ユーザ(例えば、医師)は、数回、塞栓デバイスを前進および/または後退させ、障害内で塞栓デバイスの望ましい位置を取得してもよい。いったん塞栓デバイスが、満足の行くように位置付けられると、障害の中に解放されることができる。解放することに応じて、デバイスは、その展開された形状、例えば、上記に説明される渦巻形状または任意の他の所望の構成を形成してもよい。いくつかの事例では、血管障害の中への展開に応じて、形状の形成は、塞栓デバイスを形成するために使用される材料(例えば、ニチノール)の形状記憶性によって引き起こされる。
【0051】
送達プロセスの種々の段階における本明細書に説明される塞栓デバイスの形状に関するさらなる説明は、有益である。塞栓デバイスは、概して、例えば、デバイスがパッケージングまたは患者に送達される前の手術室内において存在するであろうように、拘束されない構成では、特定の形状を有するように製造される。特定の形状は、本明細書に説明される塞栓デバイス形状のいずれかを含むことができる。送達の間、塞栓デバイスは、マイクロカテーテル内にフィットし、それを通して送達され得るように(上記に説明されるように)、直線化される。いったんマイクロカテーテルから血管障害に展開されると、塞栓デバイスは、それが有するように製造された形状をリフォームすることができる(例えば、形状記憶材料によって補助される)。しかしながら、いくつかの事例では、塞栓デバイスは、血管障害および他の周囲構造によって課される拘束に基づいて、それが有するように製造された形状に正確にリフォームしなくてもよい。
【0052】
種々の実施形態では、
図7に示される塞栓デバイス700の連結部分704は、送達の間、塞栓デバイス700がマイクロカテーテル内に位置するとき、圧潰することができる(例えば、開口部は、より狭くなることができる)。連結部分704は、次いで、血管障害への塞栓デバイスの展開に応じて、拡張することができる(例えば、開口部は、より広くなることができる)。これは、塞栓デバイス700が、より少ない摩擦を伴って、マイクロカテーテルを通してより容易に送達されることを可能にする一方、また、展開に応じて、動脈瘤の縮径部を効果的に遮断することができる。いくつかの事例では、コイル区画802はさらに、マイクロカテーテルを通した送達の間、塞栓デバイスの摩擦を低減させることができる。一実施例として、コイル区画802の形状は、マイクロカテーテルの管腔の形状により良好に合致することができる。別の実施例として、コイル区画802は、塞栓デバイスの可撓性および展性を増加させることができる。別の実施例として、コイル区画802は、マイクロカテーテルの内部表面とより少ない摩擦を発生させる、材料から形成されることができる。コイル区画802はまた、例えば、連結部分704が非放射線不透過性材料から形成される場合、送達の間、塞栓デバイスが視認され得るように、放射線不透過性材料(例えば、白金)から形成されることができる。
【0053】
種々の実施形態では、動脈瘤104は、例えば、
図9A-9Cに示されるように、少なくとも1つの無限大形状部分を形成するように成形される、塞栓デバイスによって治療されることができる。本明細書で使用されるように、用語「無限大形状」は、共通点(例えば、点906)において交差する、2つのループ(例えば、ループ902、904)によって形成される任意の形状、例えば、8の字形状、連珠形形状等を指す。本明細書に定義されるように、他の文脈における用語「無限大形状」の任意の特定の幾何学的または数学的使用にもかかわらず、無限大形状によって形成される2つのループは、異なるサイズまたは同一サイズであることができる。いくつかの事例では、塞栓デバイス900は、相互の上にスタックされた、例えば、相互に整合し、覆うように配列される(
図9B参照)、または、ある場合には、動脈瘤の内側の周のまわりに円周方向に配列される(
図9C参照)、複数の無限大形状部分902a、902b、902cを含むことができる。いくつかの事例では、塞栓デバイス900は、第1の軸に沿って配列される、第1の群の無限大形状部分908(1つ以上の無限大形状部分を含み得る)と、第1の軸に対してある角度(例えば、約15°、約30°、約45°、約60°、約75°、および約90°)で配列されるように回転される、第2の群の無限大形状部分910(1つ以上の無限大形状部分を含み得る)とを含むことができる。例えば、第2の群の無限大形状部分は、第1の軸と略垂直に配列されることができる。
図9Aおよび9Bは両方とも、相互と略垂直に配列される無限大形状部分を示すが、いくつかの事例では、無限大形状部分は全て、同一軸に沿って配列される、例えば、相互に整合されることができる。他の事例では、単一無限大形状部分のみが、形成される。さらに、いくつかの事例では、無限大形状部分は、動脈瘤の縮径部106を遮断するが、他の事例では、無限大形状部分は、動脈瘤の他の部分内に位置することができる。例えば、
図9Cに示されるように、塞栓デバイスは、展開に続いて、動脈瘤または他の血管障害の内部の周のまわりに円周方向に配列され得る、一連の無限大形状部分を形成することができる。そのような配列は、動脈瘤の枠組化に寄与し得る。無限大形状部分はまた、他のパターンで配列されることもできる。一般に、ランダムパターンを含む、任意のパターンが、使用されることができる。そのようなパターン内では、各無限大形状部分は、任意の回転配向で、かつ別の無限大形状部分に対して任意の望ましい重複を伴って配列されることができる。
【0054】
種々の実施形態では、複数の塞栓デバイスが、相互接続要素を用いて継合されることができる。本発明者らは、動脈瘤空洞の内部を充填するデバイスの部分が移動すると(例えば、空洞の内壁と密着するように拡張するために)、動脈瘤縮径部を遮断するデバイスの部分もまた移動または偏移させ得、これが、縮径部を遮断する際、デバイスの有効性に影響を及ぼし得ることを識別している。
【0055】
本問題および他の問題に対する解決策として、本発明の実施形態は、それらがともに継合されたままである間、各塞栓デバイスの独立した運動自由度および/または相対的位置付けを可能にする、相互接続要素によって継合される、少なくとも2つの塞栓デバイスを含む、多段階塞栓デバイスを含む。例えば、
図10に示されるように、多段階塞栓デバイス1000は、第1の塞栓デバイス1002と、第2の塞栓デバイス1004とを含むことができる。いくつかの事例では、第1の塞栓デバイス1002は、第2の塞栓デバイス1004と異なる。本明細書で使用されるように、第2の塞栓デバイス1004と異なる第1の塞栓デバイス1002は、それらが、2つの別個のデバイスであって、一元構造またはモノリシック構造の単一デバイスの別個の部分ではないことを意味する。第2の塞栓デバイス1004と異なる第1の塞栓デバイス1002は、第1の塞栓デバイス1002が、第2の塞栓デバイス1004と非一元構造(または非モノリシック構造)であることを意味する。換言すると、第1の塞栓デバイス1002は、第2の塞栓デバイス1004と一体的に形成されない。第2の塞栓デバイス1004と異なる第1の塞栓デバイス1002は、デバイス1002、1004が、任意の他の差異を有することを要求しないが、種々の事例では、デバイス1002、1004は、他の差異を有することができる。例えば、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイス1002、1004は、同一または異なる寸法(長さ、内径、外径等)、同一または異なる堅度、同一または異なる多孔率等を有することができる。一般に、第1の塞栓デバイスは、任意の形態をとることができる。例えば、第1の塞栓デバイス1002は、動脈瘤の縮径部を遮断する、枠組デバイスであることができる。種々の事例では、第1の塞栓デバイス1002は、上記に説明される特定の形状のいずれか、例えば、渦巻形状、無限大形状等を形成することができる。一般に、第2の塞栓デバイス1004もまた、任意の形態をとることができる。例えば、第2の塞栓デバイス1004は、動脈瘤の内部空洞を充填する、充填デバイスであることができる。種々の事例では、第2の塞栓デバイス1004は、上記に説明される特定の形状のいずれか、例えば、渦巻形状、無限大形状等を形成することができる、またはランダムまたは非幾何学的形状をとることができる。種々の実施形態では、第1の塞栓デバイス1002および第2の塞栓デバイス1004は、
図10に示される場所だけではなく、動脈瘤104内またはそのまわりの任意の場所に位置することができる。
【0056】
一般に、相互接続要素1006は、塞栓デバイス1002、1004を継合し、それらがともに継合されたままである間、各塞栓デバイスの独立した運動自由度および/または相対的位置付けを可能にする、任意の構造を含むことができる。本明細書で使用されるように、独立した運動自由度は、塞栓デバイス間の運動に関する唯一の拘束が、それらが結合されたままであることを意味する。種々の事例では、結合点を中心とした任意の移動が、可能性として考えられる。その結果、動脈瘤空洞内の第2の塞栓デバイス1004の運動は、必ずしも、第1の塞栓デバイス1002の対応する運動が動脈瘤の縮径部を遮断する結果をもたらさない。いくつかの事例では、本運動自由度を可能にすることは、一元構造の単一コイル(または他のデバイス)の別個の部分を使用することとは対照的に、相互接続要素を使用して2つの塞栓デバイスを継合する利点を表す。単一コイル(または他のデバイス)の別個の部分は、ある程度の独立性を有し得るが、それらは、概して、一元構造のコイル(または他のデバイス)を製造する製造上の現実性に起因して、より拘束される。対照的に、いくつかの事例では、相互接続要素を用いて2つの異なる塞栓デバイスを継合することは、デバイス間のはるかに高い運動自由度を与えることができる。一般に、相互接続要素1006は、
図10に示される場所だけではなく、デバイス間に独立した運動自由度を有することが有利である場所に応じて、動脈瘤内またはそのまわりの任意の場所に位置することができる。
【0057】
いくつかの非限定的実施例として、相互接続要素は、2つの連結されたループ、ニチノールコイル(ある場合には、別の相互接続要素、他の場合には、それ自体を被覆する)、フックおよびループスキーム、ヒンジ、縫合要素、孔およびループ、ボールおよびソケットスキーム、ピボットジョイント、ボールおよびピボットジョイント、ユニバーサルジョイント、サドルジョイント、1つ以上の自由度を伴う任意の機械的関節運動式ジョイント、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの事例では、相互接続要素1006は、第1の塞栓デバイス1002および第2の塞栓デバイス1004のある部分から形成されることができる。例えば、相互接続要素1006の1つの構成要素は、第1の塞栓デバイス1002の遠位端または近位端に形成されるループであることができ(例えば、第1の塞栓デバイス1002と一元構造または一体型である)、相互接続要素1006の別の構成要素は、第2の塞栓デバイス1004の遠位端または近位端に形成されるループであることができる(例えば、第2の塞栓デバイス1004と一元構造または一体型である)。他の事例では、相互接続要素1006は、第1の塞栓デバイス1002または第2の塞栓デバイス1004のいずれかと一元構造ではなく、または一体型ではなく(すなわち、相互接続要素は、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイス1002、1004のそれぞれと非一元構造または非モノリシック構造である、または非一体型である)、代わりに、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイス1002、1004に締結される、接着される、および/または取り付けられる。他の事例では、相互接続要素1006は、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイス1002、1004の一方と一元構造または一体型であって、他方の塞栓デバイスと非一元構造または非モノリシック構造または非一体型である。種々の実施形態では、採用される特定の構造にかかわらず、第1の塞栓デバイス1002、第2の塞栓デバイス1004、および相互接続要素1006のうちの2つは、相互に非一元構造である。
【0058】
図11A-Cは、例示的相互接続要素1006の異なる図を示す、写真である。
図11A-Bは、2つの連結されたループから形成される、例示的相互接続要素1006を描写する。
図11Cは、ニチノールコイル(例えば、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイス1002、1004と異なるコイル)によって被覆される2つの連結されたループから形成される、例示的相互接続要素1006を描写する。いくつかの実施形態では、相互接続要素1006は、それ自体では別の相互接続要素を被覆しない、ニチノールコイルを含むことができる。
図11Cに示されるように、その中に相互接続要素1006がニチノールコイルを含む、いくつかの事例では、ニチノールコイルは、第1の塞栓デバイスおよび第2の塞栓デバイス1002、1004に接着される。一般に、ニチノールコイル(または塞栓デバイス1002、1004の一方または両方に接着された任意の他の相互接続構造)は、任意の公知の技法を使用して、塞栓デバイス1002、1004の一方または両方に接着されることができる。いくつかの実装では、望ましい接着技法は、(ある場合には、望ましくない堅度の長さをもたらす)相互接続要素1006と塞栓デバイス1002、1004との間の端間固定を生産するために要求される長さを最小限にしながら、適正な材料生体適合性および強度を特徴とする。一実施例として、はんだ(例えば、金、銀、または他の望ましいはんだ材料)が、ニチノールコイル相互接続要素1006を塞栓デバイス1002、1004に付着するために使用されることができる。他の例示的接着技法は、接着剤、溶接(例えば、レーザ、アーク、スポット)、鑞接、拡散接合等の使用を含む(但し、限定されない)。
【0059】
図12は、モデル動脈瘤104内に送達される例示的多段階塞栓デバイス1000を示す、写真である。ある事例では、相互接続要素1006は、血管障害に送達され、送達以外の治療周期にわたって血管障害に留まるように意図される、2つの要素を継合する。そのような事例では、相互接続要素1006は、塞栓デバイスを、塞栓デバイスを血管障害に送達するために使用されるデバイス(例えば、マイクロカテーテルまたは送達プッシャ)に継合しない。
【0060】
種々の実施形態では、2つを上回る塞栓デバイスが、1つを上回る相互接続要素を使用して、例えば、並列に、ともに継合されることができる。代替として、2つを上回る塞栓デバイスが、1つを上回る相互接続要素(例えば、最大で塞栓デバイスの数より1つ少ない数)を使用して、直列に、ともに継合されることができる。直列および並列配列の組み合わせもまた、検討される。一般に、任意の数(例えば、2、3、4、5、10等)の塞栓デバイスが、継合されることができる。
図13に示されるように、塞栓デバイス1000は、第1の相互接続要素1006aを用いて第2の塞栓デバイス1004と直列に継合される、第1の塞栓デバイス1002と、第2の相互接続要素1006bを用いて第3の塞栓デバイス1008と直列に継合される、第2の塞栓デバイス1004とを含むことができる。一般に、第3の塞栓デバイス1008は、任意の形態をとることができる(任意の付加的塞栓デバイスも同様であり得る)。例えば、第3の塞栓デバイス1008は、動脈瘤の内部空洞をさらに充填する、最終デバイスであることができる。種々の事例では、第3の塞栓デバイス1008(および任意の付加的塞栓デバイス)は、上記に説明される特定の形状のいずれか、例えば、渦巻形状、無限大形状等を形成することができる、またはランダムまたは非幾何学的形状をとることができる。第3の塞栓デバイス1008(および任意の付加的塞栓デバイス)は、動脈瘤内またはそのまわりの任意の場所に位置することができる。
【0061】
種々の実施形態では、多段階塞栓デバイス1000の塞栓デバイス(例えば、1002、1004、1008)はそれぞれ、異なる性質を有し、相互に異なるように挙動することができる。一般に、任意の塞栓デバイス性質は、塞栓デバイス間で可変であることができる。例えば、塞栓デバイスのいくつかまたは全ては、異なるサイズ、形状、長さ、堅度、多孔率等を有することができる。他の事例では、塞栓デバイスのいくつかまたは全ては、同一のいくつかまたは全ての性質を有することができる。塞栓デバイス性質の本カスタマイズ可能かつ独立した本質は、オペレータ(例えば、医師)に、従来のデバイスを用いた場合より高い、コイルを成形し、展開および位置付けを制御するための自由度を可能にすることができる。一実施例として、オペレータは、最初に、第1の方向に位置付けられ、次いで、第1の方向に対してある角度(例えば、15°、30°、45°、60°、75°、90°等)で異なる方向に位置付けられるように枢動するように、コイルを送達することができる。
【0062】
上記に述べられるように、種々の実施形態では、本明細書に説明される塞栓デバイスは、カバー要素によって被覆される、またはカバー要素によって被覆されない、構造(例えば、マイクロコイル、平坦シート、薄膜等)を含むことができる。多段階塞栓デバイス1000を参照すると、種々の実施形態では、個々の塞栓デバイス(例えば、1002、1004、1008等)のいずれかが、いずれも、または全てが、カバー要素によって被覆される、または被覆されないことができる。
【0063】
本願のいずれかの場所(例えば、幾何学的形状に関する単語「実質的に」の使用)で明示的に説明されない限り、本明細書で使用されるように、用語「実質的に」または「約」が、定量的値の前にあるとき、本開示はまた、具体的定量的値自体だけではなく、別様に示されない、または推測されない限り、公称値からの±10%の変動も含む。
【0064】
本発明のある実施形態が説明されたが、本明細書に開示される概念を組み込む他の実施形態も、本発明の精神および範囲から逸脱することなく使用されてもよいことが、当業者に明白となるであろう。故に、説明される実施形態は、あらゆる点において、制限ではなく、例証にすぎないと見なされるべきである。
【外国語明細書】