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  • 特開-支柱挿脱具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014415
(43)【公開日】2023-01-27
(54)【発明の名称】支柱挿脱具
(51)【国際特許分類】
   A01G 17/16 20060101AFI20230120BHJP
【FI】
A01G17/16
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021134423
(22)【出願日】2021-07-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】521365244
【氏名又は名称】大森 亜希子
(71)【出願人】
【識別番号】521365255
【氏名又は名称】城守 美紀
(72)【発明者】
【氏名】大森 最理人
(57)【要約】
【課題】本発明は、支柱を挿脱する際に非常に大きな力を要することや作業中の安全性、挿入の際の深さ調整など困難を期していたことを解決する支柱挿脱具を提供する。
【解決手段】支柱挿脱具は、支柱を挿入する開閉自在の円筒形カバー部と前記円筒形カバー部に対して直角に設置された踏み台で構成されている。また、前記円筒形カバー部の下端には調整リングが設けられている。この前記調整リングによって常に同じ深さに埋め込むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業用パイプハウスの支柱を挿脱する支柱挿脱具において、支柱を挿入する開閉自在の円筒形カバー部と、前記円筒形カバー部に対して直角に固設された踏み台と、前記円筒形カバー部の下端に設置された調整リングとを有し、前記調整リングによって、常に同じ深さに前記支柱を埋め込むことができることを特徴とする支柱挿脱具
【請求項2】
前記円筒形カバー部の内側には、支柱を固定するための滑り止め部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の支柱挿脱具
【請求項3】
前記調整リングは、前記円筒形カバー部の所望位置に着脱自在に設置されることを特徴とする請求項1または2記載の支柱挿脱具
【請求項4】
前記踏み台は、滑り止め部材を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の支柱挿脱具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用パイプハウスの支柱を土中に差し込む、あるいは差し込まれている支柱を抜くための支柱挿脱具に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の支柱を土中に差し込む、あるいは差し込まれている支柱を抜く場合、手足の力を利用して作業する小型の挿脱具が多い。支柱は倒れないように深く入っており、抜く際には非常に大きな力を要する。また、小型の挿脱具の場合、支柱との設置部分が狭く小さいので固定されにくかったり、支柱から滑り落ちる可能性があり、支柱の差込性が悪い。さらに支柱の差し込み時では、挿脱具の一部に力が集中するため、支柱が曲がるなど損傷しやすい。また、支柱を挿入する作業の場合には、農業用パイプハウスの安定性を確保するため、一定の深さですべての支柱を挿入し、設置する必要があるが、作業者の勘に頼っているのが現状である。
【0003】
特許文献1では、主として園芸用の支柱を、土中に差し込む、あるいは差込まれている支柱を抜くための支柱差込具が開示されている。しかしながら、手足の力を使用する支柱差込具では高齢者や非力な者では、挿脱が困難である。また、足の力で挿入する場合、プラスチックなどの材質では、湿った土壌で足を滑らせることがあり、作業者の安全性を欠く場合がある。支柱差込具は、支柱の一部分に設置されるため、非常に大きな負荷がかかり支柱に損傷が生じてしまう可能性がある。さらに、支柱を差し込む際の深さ調整機能も不足しているため、農業用パイプハウスの安定性を確保するために作業のやり直しを余儀なくされるなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3201531号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されるような支柱差込具では、非常に大きな力が必要となるので、手足の力を使用して使う支柱差込具では容易に挿脱することが難しい。また、滑りやすい土壌では、支柱差込具に滑らない機能もつける必要がある。特許文献1の支柱差込具は、支柱の突起に支えられた構造となっているため、突起の無い支柱では、しっかり固定できず擦り落ちる可能性がある。支柱を差し込む際は、深さを一定にする必要もあり、調整機能が必要など課題が多い。
【0006】
本発明は、開閉自在の円筒形カバー部とカバー部に対して直角に固設された踏み台、前記円筒形部の下端に設置された調整リングを設けることで上記の改善を目的とした支柱挿脱具の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の支柱挿脱具は、支柱1を挿入するための開閉自在の円筒形カバー部2と踏み台3、調整リング4によって構成されており、容易に支柱1を挿脱できることを特徴とする。
【0008】
前記円筒形カバー部2内側には、滑り止め部材2cを設けており、支柱1のサイズに合わせて滑り止め部材2cを取り換えたり、消耗品のため、定期的な交換もできる。
【0009】
また、調整リング4は、円筒形カバー部2の下端にあり、所望位置に着脱自在に設置でき、常に同じ深さに支柱1を埋め込むことができる。
【0010】
さらに円筒形カバー部2に固設した踏み台3は、踏み台滑り止め部材3aを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、円筒形カバー部2に滑り止め部材2cを設けたことで支柱1をしっかり把持することができ、作業中の支柱からの滑り落ちを回避できる効果がある。
【0012】
また、円筒形カバー部2の長さと滑り止め部材2cにより、支点が一部に集中しないことで支柱が曲がることや傷つくなどの損傷防止ができる。滑り止め部材2cは、農業用の主要支柱に合わせたサイズになっており、交換もできるため、汎用性に優れている。
【0013】
さらに支柱1を挿入する場合は、支柱1に着脱自在な調整リング4を所望位置に取り付けることで一定の深さに支柱を埋め込むことができ、効率よく作業ができるとともに農業用パイプハウスを倒れないように設置することができる。
【0014】
支柱1を挿脱するにあたり、踏み台補強材3cとハンマーたたき部補強材3dにより、ハンマーでたたいたり足や肩を利用するなど、作業方法を選択し容易に簡便に支柱を挿脱することができる。足で踏み込み挿入する場合は、踏み台すべり止め部材3aの効果により、雨天時の土壌などでも滑らず安全に作業ができる。また、引き抜く場合は、図1の支柱挿脱具を上下逆にして支柱1の任意の高さに設置し、ハンマーでたたくか、踏み台すべり止め部材3aを肩に乗せ、足の力で抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明支柱挿脱具を支柱に設置し、土壌に挿入した全体像である
図2】カバー部を開いた図である
図3】(a)カバー部の内側にある滑り止め部材の装着図と(b)カバー部の内側に支柱を取り付けた時の滑り止め部材の装着図である
図4】踏み台部の斜視図である
図5】踏み台部の補強部分を示す断面図である
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る支柱挿脱具図面に従って説明する。ただし、本発明は以下に記載される実施形態には限定されない。
【0017】
図1は、本発明支柱挿脱具を支柱に設置し、土壌に挿入した全体像である。円筒形カバー部2は、カバーを開いた状態で支柱を挿入し、カバーを閉じてバックル留め具2aにて支柱を把持する。なお、円筒形カバー部2は、支柱をしっかり把持できるように滑り止め部材2cが設けられている。踏み台3は、円筒形カバー部2に直角に固設されており、作業者が踏み損ねないように踏み台滑り止め部材3aが設けられている。そして、円筒形カバー部2の下端に調整リング4が設けられ、差し込みたい位置に合わせることができ、調整リング4は土壌の表面に当接する。
【0018】
図2は、カバー部を開いた図である。円筒形カバー部2は、開閉部2bによって開閉され、円筒形カバー部2の内側には、滑り止め部材2cが設けられている。
【0019】
図3は、(a)カバー部の内側にある滑り止め部材の装着図と(b)カバー部の内側に支柱を取り付けた時の滑り止め部材の装着図である。円筒形カバー部2の内側上端及び下段にコの字型のフックが形成されている。そして、滑り止め部材2cは、このフックの中に装着される。図3の(b)のように支柱1を挿入した際、支柱1に接する滑り止め部材2cは弾力を持つことでしっかり装着できる。そのため、滑り止め部材2cは弾力性のあるゴムが望ましい。また、この滑り止め部材2cは挿脱ができ、農業用パイプハウスの支柱の主要サイズである19mmと22mmに対応している。
【0020】
図4は、踏み台部の斜視図である。円筒形カバー部2に直角に固設された踏み台3には、安全に作業をするために踏み台滑り止め部材3aを装着しており、ハンマーを利用して挿脱するためにハンマーたたき部3bを設置している。
【0021】
図5は、踏み台部の補強部分を示す断面図である。踏み台補強材3cを備えることで、耐荷重150kgまで対応できる。また、強くハンマーでたたいた際の破損を防ぐため、ハンマーたたき部補強材3dを備え強化している。
【0022】
本発明の支柱挿脱具は、次の通りに使用する。支柱を差し込む場合は、円筒形カバー部2にあるバックル留め具2bを取り外し、開閉部2bを開き、調整リング4を差し込みたい位置に合わせ、バックル留め具2aを止め、支柱1に円筒形カバー部2を取り付ける。支柱1を差し込む方法としては2つあり、1つ目は踏み台滑り止め部材3aを設置した踏み台3を踏みつけることで滑らずに支柱1を土壌5に挿入することができる。2つ目は、ハンマーたたき部3bをハンマーでたたくことで支柱1を土壌5に挿入できる。
引き抜く場合は、支柱挿脱具を上下逆にし、円筒形カバー部2にあるバックル留め具2aを取り外し、開閉部2bを開き、バックル留め具2aを止め、支柱1に円筒形カバー部2を取り付ける。支柱1を引き抜く方法としては2つあり、1つ目は踏み台3の踏み台滑り止め部材3aを肩に乗せ立ち上がることで土壌5から引き抜くことができる。2つ目は、ハンマーたたき部3bをハンマーでたたくことで土壌5から支柱1を引き抜くことができる。
【符号の説明】
【0023】
1 支柱
2 円筒形カバー部
2a バックル留め具
2b 開閉部
2c 滑り止め部材
3 踏み台
3a 踏み台滑り止め部材
3b ハンマーたたき部
3c 踏み台補強材
3d ハンマーたたき部補強材
4 調整リング
5 土壌
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
農業用パイプハウスの支柱を挿脱する支柱挿脱具において、支柱を挿入する開閉自在の円筒形カバー部と、前記円筒形カバー部に対して直角に固設された踏み台と、前記円筒形カバー部の所望位置に着脱自在の調整リングとを有し、前記調整リングによって、常に同じ深さに前記支柱を埋め込むことができることを特徴とする支柱挿脱具
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
前記円筒形カバー部の内側には、支柱を固定するための滑り止め部材を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の支柱挿脱具