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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014416
(43)【公開日】2023-01-27
(54)【発明の名称】ビラスチン含有口腔内崩壊錠
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/454 20060101AFI20230120BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230120BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230120BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230120BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230120BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230120BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20230120BHJP
【FI】
A61K31/454
A61P37/08
A61K9/20
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021137541
(22)【出願日】2021-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】306020438
【氏名又は名称】日本ジェネリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松永 沙織
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC04
4C076DD38
4C076DD41C
4C076EE31
4C076EE38
4C076EE38M
4C076FF06
4C076GG11
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC39
4C086GA07
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】 優れた錠剤物性を有するビラスチン含有口腔内崩壊錠及びその製造のためのビラスチン無水物の使用を提供することを目的とする。
【解決手段】 ビラスチン無水物と、賦形剤、崩壊剤、及び滑沢剤からなる群より選択される1種または2種以上の添加剤とを含む、ビラスチン含有口腔内崩壊錠を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビラスチン無水物と、賦形剤、崩壊剤、及び滑沢剤からなる群より選択される1種または2種以上の添加剤とを含む、ビラスチン含有口腔内崩壊錠。
【請求項2】
ビラスチン無水物のD90が、70μm~350μmである、請求項1に記載の口腔内崩壊錠。
【請求項3】
ビラスチン無水物のD50が、30μm~250μmである、請求項1~2のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
【請求項4】
口腔内崩壊錠の全重量に対し、ビラスチン無水物の含有量が3~40重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
【請求項5】
ビラスチン無水物の結晶形がForm1である、請求項1~4のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
【請求項6】
賦形剤がマンニトール、結晶セルロース、及びトウモロコシデンプンからなる群より選択される1種または2種以上の添加剤である、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
【請求項7】
崩壊剤がトウモロコシデンプンである、請求項1~6のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
【請求項8】
滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項1~7のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
【請求項9】
ビラスチン無水物と、賦形剤、崩壊剤、及び滑沢剤からなる群より選択される1種または2種以上の添加剤とを含み、ビラスチン無水物のD90が70μm以上である、ビラスチン含有口腔内崩壊錠の製造における、スティッキングを防止するためのD90が70μm以上のビラスチン無水物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた錠剤物性及び溶出性を有するビラスチン含有口腔内崩壊錠、及びその製造のためのビラスチン無水物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ビラスチンは、化学名2-[4-(2-(4-(1-(2-エトキシエチル)ベンズイミダゾール-2-イル)ピペリジン-1-イル)エチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸であり、ビラスチンを有効成分とする錠剤は、アレルギー性疾患治療剤であることが知られており、ビラノア錠20mgとして販売されている(非特許文献1)。
【0003】
また、特許文献1には、ビラスチンの溶解性及び長期安定性を両立させることが可能である、ビラスチンとマグネシウムアルミノメタシリケートを含む医薬錠剤組成物に関する発明が記載されている。
【0004】
しかしながら、優れた錠剤物性及び溶出性を有するビラスチン含有口腔内崩壊錠、及びその製造のためのビラスチン無水物の使用に関する記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2019/097090号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】添付文書「ビラノア錠20mg」、2021年7月改訂(第1版)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、優れた錠剤物性及び溶出性を有するビラスチン含有口腔内崩壊錠、及びその製造のためのビラスチン無水物の使用を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者らは、ビラスチン原薬を含有する口腔内崩壊錠の製造を目的とし、製剤の構成を検討した結果、特定の添加剤を使用することでビラスチン含有口腔内崩壊錠の錠剤物性及び溶出性が良好であることを見出し、本発明を完成させるに至った。また、ビラスチン原薬の付着性に着目し、原薬の粒子径を検討した結果、特定の粒子径を有する原薬を用いることでビラスチン含有口腔内崩壊錠の打錠障害が抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)ビラスチン無水物と、賦形剤、崩壊剤、及び滑沢剤からなる群より選択される1種または2種以上の添加剤とを含む、ビラスチン含有口腔内崩壊錠、
(2)ビラスチン無水物のD90が、70μm~350μmである、前記(1)に記載の口腔内崩壊錠、
(3)ビラスチン無水物のD50が、30μm~250μmである、前記(1)~(2)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠、
(4)口腔内崩壊錠の全重量に対し、ビラスチン無水物の含有量が3~40重量%である、前記(1)~(3)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠、
(5)ビラスチン無水物の結晶形がForm1である、前記(1)~(4)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠、
(6)賦形剤がマンニトール、結晶セルロース、及びトウモロコシデンプンからなる群より選択される1種または2種以上の添加剤である、前記(1)~(5)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠、
(7)崩壊剤がトウモロコシデンプンである、前記(1)~(6)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠、
(8)滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、前記(1)~(7)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠、
(9)ビラスチン無水物と、賦形剤、崩壊剤、及び滑沢剤からなる群より選択される1種または2種以上の添加剤とを含み、ビラスチン無水物のD90が70μm以上である、ビラスチン含有口腔内崩壊錠の製造における、スティッキングを防止するためのD90が70μm以上のビラスチン無水物の使用、
に関するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ビラスチンを含む口腔内崩壊錠において、優れた錠剤物性及び溶出性を有するビラスチン含有口腔内崩壊錠、及びその製造のためのビラスチン無水物の使用を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1及び実施例8の錠剤における経時的なビラスチンの溶出プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書における「優れた錠剤物性」とは、口腔内崩壊錠として適切な口腔内崩壊性を有し、錠剤硬度に問題ないことを意味する。評価方法としては、例えば、口腔内崩壊性の場合、口腔内崩壊錠測定装置(トリコープテスタ;岡田精工製)などを使用し、崩壊時間を測定する方法が挙げられる。錠剤硬度の場合、錠剤硬度計などを使用し、錠剤硬度を測定する方法が挙げられる。
【0013】
本明細書における「優れた溶出性」とは、市販製剤と同等もしくはそれ以上の溶出率を担保することを意味する。本発明の口腔内崩壊錠からのビラスチンの溶出性は、例えば、日本薬局方に記載されている溶出試験法により評価することができる。具体的には、例えば、パドル法毎分50回転で溶出試験を行うとき、pH6.8の溶出試験液中におけるビラスチンの溶出率が、溶出試験開始後15分で85%以上と規定する。また、溶出試験開始後30分で70%以上、かつ溶出試験開始後60分で80%以上と規定する。
【0014】
本明細書における「打錠障害の抑制」とは、打錠障害が発生しにくい製剤設計であることを意味する。打錠障害とは、例えば、スティッキングが挙げられる。評価方法としては、スクレパ圧を測定することが挙げられる。スクレパ圧とは、製剤を打錠して成形した後に、杵臼と錠剤を分離するために押した際の圧力をいう。スクレパ圧が小さければ、杵臼と錠剤の分離に必要な力が小さく、杵表面と錠剤との付着性が抑制され、打錠障害が発生しにくい製剤設計であることを意味する。
【0015】
以下に、本発明のビラスチンを含有する口腔内崩壊錠に関して説明する。
【0016】
本発明に用いられるビラスチンは、欧州特許第0818454号に記載された方法に従って製造され得る。欧州特許第1505066号に記載されている方法により製造されるビラスチンは、Form1、Form2及びForm3として得ることができる。Form1、Form2及びForm3のビラスチンは、いずれも無水物である。
【0017】
本発明に用いられるビラスチンの結晶形は、本発明の目的が達せられるのであればいずれの形態でもよく、ある態様として無水物、ある態様としてForm1である。
【0018】
本明細書のビラスチンの結晶形は、公知の方法により確認することができる。具体的には、例えば、粉末X線回折測定法により確認することができる。本発明に用いられるForm1は、粉末X線回折測定法によれば、回折ピーク(2θ=12.47°±0.2°、14.08°±0.2°、16.27°±0.2°、17.16°±0.2°、19.73°±0.2°、21.13°±0.2°)を有する。
【0019】
口腔内崩壊錠中のビラスチンの配合量は、医薬品製剤としての用量を構成する製剤中のビラスチン量であれば、特に制限されない。例えば、口腔内崩壊錠全量あたり、ある態様として3~40重量%であり、ある態様として5~30重量%であり、ある態様として10~20重量%である。
【0020】
本発明に用いられるビラスチンのD90は、打錠障害抑制の観点から、ある態様として70μm以上である。
【0021】
本明細書におけるビラスチンのD50(平均粒子径)は、打錠障害抑制の観点から、ある態様として30μm以上である。
【0022】
本明細書におけるビラスチンのD90は、口腔内崩壊錠としての服用性の観点から、ある態様として350μm以下である。
【0023】
本明細書におけるビラスチンのD50は、口腔内崩壊錠としての服用性の観点から、ある態様として250μm以下である。
【0024】
本明細書におけるビラスチンのD90は、ある態様として70μm~350μmである。
【0025】
本明細書におけるビラスチンのD50は、ある態様として30μm~250μmである。
【0026】
本明細書におけるD90とは、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径をいう。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その90%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
【0027】
本明細書におけるD50(平均粒子径)とは、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径をいう。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
【0028】
本発明に用いられる添加剤は、賦形剤、崩壊剤及び滑沢剤を含む。
【0029】
本発明に用いられる賦形剤としては、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、D-マンニトール、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、トレハロース、無水リン酸水素カルシウム、D-ソルビトール、乳糖、白糖、デンプン、アルファ化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群から選択される1種または2種以上の添加剤を包含する。ある態様として、D-マンニトール、結晶セルロース、トウモロコシデンプンからなる群から選択される1種または2種以上の添加剤である。
【0030】
本発明に用いられる崩壊剤としては、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、アルファ化デンプンからなる群から選択される1種または2種以上の添加剤を包含する。ある態様として、トウモロコシデンプン及び/又はアルファ化デンプンである。
【0031】
本発明に用いられる滑沢剤としては、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウムからなる群から選択される1種または2種以上の添加剤を包含する。ある態様として、ステアリン酸マグネシウム及び/又はフマル酸ステアリルナトリウムである。
【0032】
本発明の口腔内崩壊錠には、必要に応じて、更に医薬品添加物を配合することができる。具体的には、例えば、結合剤、界面活性剤、流動化剤、コーティング剤、酸味料、発泡剤、甘味剤、香料、着色剤、緩衝剤、抗酸化剤等が挙げられる。賦形剤、崩壊剤、滑沢剤については、特定の添加剤の他、任意の添加剤を追加して使用することもできる。
【0033】
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
【0034】
界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0035】
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、タルク等が挙げられる。
【0036】
コーティング剤としては、例えば、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、酸化チタン、タルク等が挙げられる。
【0037】
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
【0038】
発泡剤としては、例えば、重曹等が挙げられる。
【0039】
甘味剤としては、例えば、スクラロース、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
【0040】
香料としては、例えば、レモン、レモンライム、オレンジ、メントール等が挙げられる。
【0041】
着色剤としては、例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用青色3号等が挙げられる。
【0042】
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸又はその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン又はその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸又はその塩類等が挙げられる。
【0043】
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
【0044】
賦形剤としては、例えば、アラビアゴム、デキストリン、プルラン等が挙げられる。
【0045】
崩壊剤としては、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、アルファ化デンプン等が挙げられる。
【0046】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
【0047】
配合量は、本発明の所望の効果の達成に影響を与えない量であれば特に制限されない。
【0048】
本発明のビラスチン含有口腔内崩壊錠は、素錠の他、フィルムコーティング錠であってもよい。
【0049】
本発明の口腔内崩壊錠は、通常の錠剤製造方法により製造することが可能である。より具体的には、例えば、ビラスチン、賦形剤、崩壊剤及び流動化剤を混合し、滑沢剤を添加して混合し、打錠用末が得られる。
【0050】
またある態様では、ビラスチン、賦形剤、崩壊剤及び流動化剤を混合し、乾式造粒機により圧縮し、得られた造粒品を整粒する。得られる整粒品に、崩壊剤、滑沢剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
【0051】
またある態様では、ビラスチン、賦形剤を流動層造粒機に投入して、精製水に結合剤を溶解させ、必要に応じて色素を分散させた結合剤溶液を噴霧し、造粒・乾燥する。ビラスチン、賦形剤及び結合剤を流動層造粒機に投入して、精製水を噴霧し、造粒・乾燥することもできる。乾燥終了後、整粒機を用いて整粒し、得られる整粒品に、崩壊剤、滑沢剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
【0052】
得られた打錠用末を打錠機で製錠し、素錠を得る。製錠の際に、外部滑沢装置を用いて滑沢剤を噴霧しながら打錠してもよい。必要に応じて、素錠にフィルムコーティング液を噴霧し、フィルムコーティングを行う。フィルムコーティングには、公知製造機器を用いることができ、具体的な製造機器として例えば、ハイコーター、ニューハイコーター、アクアコーター(フロイント産業製)、ドリアコーター、パウレックコーター(パウレック製)等に代表されるコーティング機や、糖衣パン、ワースター型コーティング機等が挙げられる。
【0053】
〔実施例〕
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例0054】
錠剤1-1の調製
ビラスチン2gと、D-マンニトール(フロイント産業製;グラニュトールS)7.2125gと、トウモロコシデンプン(日本コーンスターチ製;日局コーンスターチホワイト)1.8gと、結晶セルロース(旭化成製;セオラスUF-702)1.25gと、軽質無水ケイ酸(富士シリシア化学製;アドソリダー101)0.05gと、アスパルテーム(味の素製;アスパルテーム)0.125gを混合し、混合品を得た。混合品に更にステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;植物性)0.0625gを加えて混合し、調製した打錠末をロータリー打錠機(VEL5)で圧縮成形し、錠剤質量125mg、φ7mmの円形の口腔内崩壊錠を得た。
【実施例0055】
錠剤1-2の調製
錠剤1-1のD-マンニトールを乳糖水和物(フロイント産業製;ダイラクトーズS)に変更した以外は、実施例1と同様の製造方法により、口腔内崩壊錠を得た。
【実施例0056】
錠剤1-3の調製
錠剤1-1のD-マンニトール及びトウモロコシデンプンをすべて乳糖水和物(フロイント産業製;ダイラクトーズS)に変更した以外は、実施例1と同様の製造方法により、口腔内崩壊錠を得た。
【実施例0057】
錠剤1-4の調製
ビラスチン2gと、D-マンニトール(ロケットジャパン製;ペアリトール25C)7.2125gと、トウモロコシデンプン(日本コーンスターチ製;日局コーンスターチホワイト)1.8gを混合し、精製水を適量加え造粒し造粒末を得た。この造粒末と、結晶セルロース(旭化成製;セオラスUF-702)1.25gと、軽質無水ケイ酸(富士シリシア化学製;アドソリダー101)0.05gと、アスパルテーム(味の素製;アスパルテーム)0.125gを混合し、混合品を得た。混合品に更にステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;植物性)0.0625gを加えて混合し、調製した打錠末をロータリー打錠機(VEL5)で圧縮成形し、錠剤質量125mg、φ7mmの円形の口腔内崩壊錠を得た。
【0058】
〔表1〕
【実施例0059】
錠剤2-1原料の調製
平均粒子径が53.3μmであるビラスチン10gと、D-マンニトール(フロイント産業製;グラニュトールS)37gと、トウモロコシデンプン(日本コーンスターチ製;日局コーンスターチホワイト)9gと、結晶セルロース(旭化成製;セオラスUF-702)6.25gと、軽質無水ケイ酸(富士シリシア化学製;アドソリダー101)0.25gを混合し、打錠末とした。
【実施例0060】
錠剤2-2原料の調製
平均粒子径が36.6μmであるビラスチン4gと、D-マンニトール(フロイント産業製;グラニュトールS)14.8gと、トウモロコシデンプン(日本コーンスターチ製;日局コーンスターチホワイト)3.6gと、結晶セルロース(旭化成製;セオラスUF-702)2.5gと、軽質無水ケイ酸(富士シリシア化学製;アドソリダー101)0.1gを混合し、打錠末とした。
【実施例0061】
錠剤2-3原料の調製
平均粒子径が2.77μmであるビラスチン10gと、D-マンニトール(フロイント産業製;グラニュトールS)37gと、トウモロコシデンプン(日本コーンスターチ製;日局コーンスターチホワイト)9gと、結晶セルロース(旭化成製;セオラスUF-702)6.25gと、軽質無水ケイ酸(富士シリシア化学製;アドソリダー101)0.25gを混合し、打錠末とした。
【0062】
〔表2〕
【実施例0063】
市販されているビラノア錠20mg(Lot.9J92C;大鵬薬品製)を用いた。
【0064】
<試験例1:錠剤物性>
実施例1~4の錠剤について、錠剤硬度計8M(シュロイニゲル製)を用いて硬度を、トリコープテスタ(岡田精工製)を用いて崩壊時間を測定した。測定結果を表3に示す。製造法は直接打錠法(実施例1)及び湿式造粒法(実施例4)で違いは見られなかった。賦形剤はD-マンニトールを乳糖水和物に変更すると崩壊時間が延長し、トウモロコシデンプンを配合しないとさらに崩壊時間が延長した。
【0065】
〔表3〕
【0066】
<試験例2:溶出試験>
実施例1及び実施例8の錠剤について、日本薬局方溶出試験法に準じて、溶出試験を行った。錠剤の溶解は溶出試験器(富山産業製)においてパドル法にて50rpm、pH6.8緩衝液(溶出試験第2液)900mL中で行った。試験開始から60分後まで経時的にサンプルを10mL抜き取り、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液について高速液体クロマトグラフィー法により溶出率を算出した。ビラスチンの紫外吸光度は275nmにて測定した。測定結果を表4及び図1に示す。実施例1は15分時点で85%以上の速やかな溶出性を示した。
【0067】
〔表4〕
【0068】
<試験例3:スクレパ圧の測定>
実施例5~7の打錠末について、堅型複層両圧成型機(CRUX03L)を用いて、φ7mmの円形錠となるように5錠連続で打錠し、スクレパ圧力を測定した。測定結果を表5に示す。実施例5もしくは実施例6のスクレパ圧力は、実施例7と比較し、顕著に小さく、杵表面と錠剤との付着性が抑制されていた。
【0069】
〔表5〕
【手続補正書】
【提出日】2021-10-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
<試験例2:溶出試験>
実施例1及び実施例8の錠剤について、日本薬局方溶出試験法に準じて、溶出試験を行った。錠剤の溶解は溶出試験器(富山産業製)においてパドル法にて50rpm、pH6.8緩衝液(溶出試験第2液)900mL中で行った。試験開始から60分後まで経時的にサンプルを10mL抜き取り、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液について高速液体クロマトグラフィー法により溶出率を算出した。ビラスチンの紫外吸光度は275nmにて測定した。測定結果を表4に示す。実施例1は15分時点で85%以上の速やかな溶出性を示した。