IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-空間浄化装置 図1
  • 特開-空間浄化装置 図2
  • 特開-空間浄化装置 図3
  • 特開-空間浄化装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144181
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】空間浄化装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/15 20210101AFI20231003BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20231003BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20231003BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20231003BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20231003BHJP
   F24F 8/24 20210101ALI20231003BHJP
【FI】
F24F8/15
F24F7/003
F24F8/80 230
F24F8/80 210
F24F7/007 B
A61L9/01 F
F24F8/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051012
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】加納 浩行
【テーマコード(参考)】
3L056
4C180
【Fターム(参考)】
3L056BD01
3L056BD03
3L056BD04
3L056BE01
4C180AA02
4C180AA07
4C180CB03
4C180EA58X
4C180HH01
4C180HH05
4C180KK01
4C180KK03
4C180KK05
4C180LL06
4C180LL11
4C180MM03
4C180MM05
(57)【要約】
【課題】本開示は、小物などの特定物を効果的に浄化することが可能な空間浄化装置を提供することを目的の一つとしている。
【解決手段】上記目的のため、本開示のある態様の空間浄化装置10は、所定空間1の空気を吸い込む吸込口18と、所定空間1に空気を吹き出す吹出口16とを有する本体ケース12と、吸込口18から吸い込んだ空気を吹出口16に送出する送風部4と、次亜塩素酸を生成する生成部5と、吸込口18から吸い込んだ空気に、生成部5で生成された次亜塩素酸を含ませて機能性空気を生成する浄化部6と、所定空間1よりも狭い収納空間72を囲み、吹出口16に取り外し可能に接続できる収納部7と、を備える。吹出口16は、収納部7が吹出口16に接続された接続状態で、機能性空気を収納空間72に送出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定空間の空気を吸い込む吸込口と、前記所定空間に空気を吹き出す吹出口とを有する本体ケースと、
前記吸込口から吸い込んだ空気を前記吹出口に送出する送風部と、
次亜塩素酸を生成する生成部と、前記吸込口から吸い込んだ空気に、前記生成部で生成された次亜塩素酸を含ませて機能性空気を生成する浄化部と、
前記所定空間よりも狭い収納空間を囲み、前記吹出口に取り外し可能に接続できる収納部と、を備え、
前記吹出口は、前記収納部が前記吹出口に接続された接続状態で、前記機能性空気を前記収納空間に送出する、空間浄化装置。
【請求項2】
前記収納部が前記吹出口に接続された接続状態と、前記収納部が前記吹出口に接続されていない非接続状態とを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて、異なる制御を行う制御部と、を備える、請求項1に記載の空間浄化装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記判定部が接続状態と判定した場合に、前記判定部が非接続状態と判定した場合よりも前記送風部の風量を小さくする、請求項2に記載の空間浄化装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記判定部が接続状態と判定した場合、前記判定部が非接続状態と判定した場合よりも前記生成部による次亜塩素酸の生成量を少なくする、請求項2または3に記載の空間浄化装置。
【請求項5】
前記所定空間の湿度を検出する湿度センサを備え、前記制御部は、前記判定部が非接続状態と判定した場合、前記湿度センサで検出された湿度検出値に応じて前記送風部の風量制御を行い、前記判定部が接続状態と判定した場合、前記風量制御を行わない、請求項2から4のいずれか1項に記載の空間浄化装置。
【請求項6】
前記風量制御は、前記湿度センサで検出された前記湿度検出値が低いほど前記送風部の風量を大きくする制御である、請求項5に記載の空間浄化装置。
【請求項7】
臭気を検出する臭気センサを備え、前記制御部は、前記判定部が非接続状態と判定した場合、前記臭気センサで検出された臭気検出値に応じた前記送風部の風量制御および前記生成部の次亜塩素酸生成量制御の少なくとも1つの制御を行い、前記判定部が接続状態と判定した場合、前記臭気センサで検出された前記臭気検出値に応じた前記風量制御または/および前記次亜塩素酸生成量制御を行わない、請求項2から6のいずれか1項に記載の空間浄化装置。
【請求項8】
前記風量制御は、前記臭気センサで検出された前記臭気検出値が高いほど前記送風部の風量を大きくする制御であり、前記次亜塩素酸生成量制御は、前記臭気センサで検出された前記臭気検出値が高いほど前記生成部の次亜塩素酸生成量を大きくする制御である、請求項7に記載の空間浄化装置。
【請求項9】
前記所定空間の湿度を表示する表示部を備え、前記制御部は、前記判定部が非接続状態と判定した場合、前記表示部に湿度検出値を表示させ、前記判定部が接続状態と判定した場合、前記表示部に湿度検出値を表示させない、請求項2から8のいずれか1項に記載の空間浄化装置。
【請求項10】
前記吸込口に取り外し可能に接続でき、前記吸込口に接続されたとき前記収納部からの空気を前記吸込口に送出する吸込口接続部と、
前記吸込口接続部が前記吸込口に接続された接続状態と、前記吸込口接続部が前記吸込口に接続されていない非接続状態とを判定する吸込側判定部と、を備え、前記制御部は、前記吸込側判定部が接続状態と判定した場合、前記臭気センサで検出された前記臭気検出値が閾値以下になるまで前記送風部に送風させる、請求項7または8に記載の空間浄化装置。
【請求項11】
前記吸込口に取り外し可能に接続でき、前記吸込口に接続されたとき前記収納部からの空気を前記吸込口に送出する吸込口接続部と、
前記吸込口接続部が前記吸込口に接続された接続状態と、前記吸込口接続部が前記吸込口に接続されていない非接続状態とを判定する吸込側判定部と、を備え、前記制御部は、前記吸込側判定部が接続状態と判定した場合、前記吸込側判定部が非接続状態と判定した場合よりも前記送風部の風量を小さくする、請求項2から10のいずれか1項に記載の空間浄化装置。
【請求項12】
前記吸込口に取り外し可能に接続でき、前記吸込口に接続されたとき前記収納部からの空気を前記吸込口に送出する吸込口接続部と、
前記吸込口接続部が前記吸込口に接続された接続状態と、前記吸込口接続部が前記吸込口に接続されていない非接続状態とを判定する吸込側判定部と、を備え、前記制御部は、前記吸込側判定部が接続状態と判定した場合、前記吸込側判定部が非接続状態と判定した場合よりも前記生成部による次亜塩素酸の生成量を少なくする、請求項2から11のいずれか1項に記載の空間浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空間浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
居室などの所定の空間に向けて次亜塩素酸を含んだ空気を放出することで空間の除菌を行う装置が知られている。本出願人は、特許文献1において、除菌、脱臭性能を高めることができる空気浄化装置を開示した。この装置は、吸気口と吹出口とを有する本体ケースに、空気浄化手段と、吸気口から空気浄化手段を介して吹出口までを連通する空気流路と、空気流路に吸気口から空気を送風する送風手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-174853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者らは、新たに以下の認識を得た。従来の除菌装置においては、居室等の空間に次亜塩素酸を含んだ空気を広く放出するため、この空間に浮遊する菌や臭気に対しては除菌・消臭効果があるが、小物や布類(例えばぬいぐるみ、おもちゃ、靴下、手袋など)の特定物に付着した菌や臭気に対しては効果が限定的であった。
【0005】
本開示の目的の1つは、小物などの特定物を効果的に浄化することが可能な空間浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の空間浄化装置は、所定空間の空気を吸い込む吸込口と、所定空間に空気を吹き出す吹出口とを有する本体ケースと、吸込口から吸い込んだ空気を吹出口に送出する送風部と、次亜塩素酸を生成する生成部と、吸込口から吸い込んだ空気に、生成部で生成された次亜塩素酸を含ませて機能性空気を生成する浄化部と、所定空間よりも狭い収納空間を囲み、吹出口に取り外し可能に接続できる収納部と、を備える。吹出口は、収納部が吹出口に接続された接続状態で、機能性空気を収納空間に送出する。
【0007】
なお、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、小物などの特定物を効果的に浄化することが可能な空間浄化装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例に係る空間浄化装置の第1の状態を示す図である。
図2図2は、図1の空間浄化装置の第2の状態を示す図である。
図3図3は、図1の空間浄化装置のブロック図である。
図4図4は、図1の空間浄化装置の第3の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。実施例および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施例を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
図面を参照して本開示の実施例に係る空間浄化装置10を説明する。図1は、収納部7が吹出口16に接続されていない状態の空間浄化装置10を模式的に示す図である。図2は、収納部7が吹出口16に接続された状態の空間浄化装置10を模式的に示す図である。空間浄化装置10は、所定空間1に向けて次亜塩素酸を含んだ空気(以下、「機能性空気」という)を放出する装置である。機能性空気は、空気を除菌して、菌とウイルスの少なくとも一方を減少させる機能と、空気を消臭して、臭気を減少させる機能とを有し得る。所定空間1に限定はないが、図1の例の所定空間1は居室である。
【0012】
しかし、所定空間1に機能性空気を放出する場合、所定空間1に浮遊する菌や臭い成分に対しては除菌・消臭(以下、「浄化」という)する効果があるが、小物(ぬいぐるみ、おもちゃ、靴下、手袋など)や布類に付着した菌や臭い成分に対しては浄化の効果が限定されている。そこで、空間浄化装置10は、このような小物や布類(以下、「特定物78」という)を集中的に浄化するための収納部7を備える。つまり、空間浄化装置10は、特定物78を収容した収納部7に次亜塩素酸を含んだ機能性空気を導入して特定物78を集中的に浄化できる。
【0013】
空間浄化装置10は、本体ケース12と、送風部4と、生成部5と、浄化部6と、収納部7と、判定部82と、湿度センサ92と、臭気センサ93と、表示部14と、吸込側判定部84と、制御部8とを備える。
【0014】
本体ケース12は、所定空間1の空気を吸い込む吸込口18と、所定空間1に空気を吹き出す吹出口16とを有する箱状の筐体である。一例として、吸込口18は、本体ケース12の側面に設けることができる。一例として、吹出口16は、本体ケース12の上面に設けることができる。吹出口16には、収納部7を接続できる。吹出口16は、収納部7が吹出口16に接続された接続状態で、機能性空気を収納空間72に送出できる。
【0015】
本体ケース12には、送風部4、生成部5、浄化部6、判定部82、湿度センサ92、臭気センサ93、表示部14および吸込側判定部84が設けられる。
【0016】
送風部4は、吸込口18から吸い込んだ空気を吹出口16に送出できる。送風部4は、制御部8の制御に基づいて、送風量を増減できる。送風部4の構成に限定はないが、この例の送風部4は、モータで駆動されるシロッコファンを含む。一例として、送風部4は、空気の流路として、浄化部6の下流側であって、吹出口16の上流側に設けられる。
【0017】
生成部5は、例えば食塩水を電気分解して次亜塩素酸を生成できる。生成部5は、制御部8の制御に基づいて、次亜塩素酸の生成量を増減できる。生成部5に通電する電流を大きくすることにより、次亜塩素酸の生成量を増やすことができ、電流を小さくすることにより、次亜塩素酸の生成量を減らすことができる。
【0018】
浄化部6は、吸込口18から吸い込んだ空気に、生成部5で生成された次亜塩素酸を含ませて機能性空気を生成できる。一例として、フィルタ様の繊維構造体に次亜塩素酸の水溶液を付着させ、この繊維構造体に吸込口18から吸い込んだ空気を接触させることにより、この空気に次亜塩素酸を含ませることができる。
【0019】
収納部7は、所定空間1よりも狭い収納空間72を囲み、吹出口16に取り外し可能に接続できる箱状を有する。この例の収納部7は、筐体71と、吹出口接続部75と、吸込口接続部76とを有する。筐体71は、収納空間72を囲む箱状のケースで、吹出口16から吹き出された機能性空気を収納空間72に導入するための導入口73と、収納空間72に導入された機能性空気を排出するための排出口74と、特定物78を出し入れするための出入口部77とを有する。
【0020】
収納部7は、吹出口16に取り外し可能に接続できる。つまり、収納部7は、吹出口16に、容易に接続することができ、吹出口16から容易に取り外すことができる。収納部7は、吹出口16に接続された状態と、接続されていない状態とを有する。吹出口接続部75は、収納部7を吹出口16に接続するための機構であり、接続時に導入口73を吹出口16に連通させることができる。吹出口接続部75は、導入口73を吹出口16に直接的に接続する構成であってもよい。この例の吹出口接続部75は、管状通風部材(ホース、パイプ、ダクト等)を介して導入口73を吹出口16に接続される。
【0021】
吸込口接続部76は、吸込口18に取り外し可能に接続される。つまり、吸込口接続部76は、吸込口18に容易に接続することができ、吸込口18から容易に取り外すことができる。吸込口接続部76は、吸込口18に接続されたとき収納部7の排出口74から排出された空気を吸込口18に送出できる。一例として、吸込口接続部76は、入口部762および出口部764を有する管状の部材である。入口部762は排出口74に接続可能であり、出口部764は吸込口18に接続可能である。吸込口接続部76は、排出口74を吸込口18に直接的に接続する構成であってもよい。
【0022】
湿度センサ92は、所定空間1の湿度を検出できる。湿度センサ92は、本体ケース12の外側に設けられてもよいが、この例の湿度センサ92は、本体ケース12の内側に設けられ、吸込口18から吸い込まれた空気の湿度を検出するように浄化部6の上流側に配置される。湿度センサ92は、検出結果を湿度検出値H1として制御部8に提供する。
【0023】
臭気センサ93は、臭気を検出できる。臭気センサ93は、所定空間1の臭気を検出するように本体ケース12の外側に設けられてもよいが、この例の臭気センサ93は、本体ケース12の内側に設けられ、吸込口18から吸い込まれた空気の臭気を検出するように浄化部6の上流側に配置される。臭気センサ93は、検出結果を臭気検出値S1として制御部8に提供する。
【0024】
表示部14は、所定空間1の湿度を表示できる。表示部14は、制御部8の制御に基づいて、湿度およびその他の情報を表示できる。制御部8は、湿度センサ92の湿度検出値H1に応じて、表示部14に湿度を表示させうる。一例として、表示部14は、本体ケース12の正面左上に配置される。表示部14は、液晶やLEDなど公知の原理に基づく表示デバイスを採用できる。表示部14の表示は、液晶などによる文字表示であってもよいし、点灯LEDの数や位置によるレベル表示であってもよい。
【0025】
判定部82は、収納部7の吹出口接続部75が吹出口16に接続された接続状態と、収納部7の吹出口接続部75が吹出口16に接続されていない非接続状態とを判定する。判定部82は、リミットスイッチなどのスイッチデバイスによるスイッチ切替判定、マグネットとその磁束を検出可能なホール素子の出力による判定、二股風路の切替ダンパーの状態による判定等、公知の原理に基づく様々な判定手段を採用できる。この例では、判定部82は、吹出口接続部75に設けたマグネット(不図示)と、吹出口16に設けたホール素子(不図示)とを含み、ホール素子によるマグネットの磁束の検出レベルに基づいて、接続状態、非接続状態を判定する。判定部82は、判定結果J1を制御部8に提供する。
【0026】
吸込側判定部84は、吸込口接続部76が吸込口18に接続された接続状態と、吸込口接続部76が吸込口18に接続されていない非接続状態とを判定する。吸込側判定部84は、スイッチ切替判定、マグネットとホール素子による判定、切替ダンパーの状態による判定等、公知の原理に基づく様々な判定手段を採用できる。この例では、吸込側判定部84は、吸込口接続部76の出口部764に設けたマグネット(不図示)と、吸込口18に設けたホール素子(不図示)とを含み、ホール素子によるマグネットの磁束の検出レベルに基づいて、接続状態、非接続状態を判定する。吸込側判定部84は、判定結果K1を制御部8に提供する。
【0027】
空間浄化装置10の機能ブロックを説明する。図3は、空間浄化装置10のブロック図である。図3に示す各機能ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0028】
図3を参照して、制御部8を説明する。制御部8は、入力部802と、生成制御部804と、送風制御部806と、表示制御部808とを含む。入力部802は、判定部82の判定結果J1、吸込側判定部84の判定結果K1、湿度センサ92の検出結果(湿度検出値H1)および臭気センサ93の検出結果(臭気検出値S1)を取得する。生成制御部804は、生成部5の次亜塩素酸の生成量を制御する。送風制御部806は、送風部4の送風量を制御する。表示制御部808は、表示部14の表示を制御する。
【0029】
制御部8は、判定部82の判定結果J1、吸込側判定部84の判定結果K1、湿度センサ92の検出結果(湿度検出値H1)および臭気センサ93の検出結果(臭気検出値S1)の1つ以上を取得し、当該取得結果に応じて、送風部4、生成部5および表示部14の動作を制御できる。つまり、制御部8は、前記取得結果に基づいて、送風部4、生成部5および表示部14の動作を変更できる。
【0030】
図1図2を参照して、空間浄化モードとスポット浄化モードを説明する。図1は、空間浄化モードの空間浄化装置10を示し、図2は、スポット浄化モードの空間浄化装置10を示す。空間浄化モードでは、空間浄化装置10は、吸込口18から吸い込んだ空気A1を浄化部6で次亜塩素酸を含ませて機能性空気A2を生成し、この機能性空気A2を所定空間1に放出して所定空間1を浄化する。スポット浄化モードでは、空間浄化装置10は、機能性空気A2を収納部7に送出し、収納部7に収容された特定物78を浄化し、その排気を排出口74から排出する。
【0031】
(第1の動作)
図1図2を参照して、空間浄化装置10の第1の動作を説明する。第1の動作によれば、空間浄化モードと、スポット浄化モードとを実現できる。第1の動作では、空間浄化装置10は、判定部82が接続状態と判定した場合に、判定部82が非接続状態と判定した場合よりも送風部4の風量を小さくする。送風部4は、非接続状態で第1風量で運転され、接続状態で第2風量で運転される。第2風量は、第1風量よりも小さく、例えば、第1風量の20%~80%の範囲の風量であってもよい。この場合、所定空間1よりも狭い収納空間72に過剰な次亜塩素酸を送出することを回避できる。
【0032】
また、第1の動作例では、空間浄化装置10は、判定部82が接続状態と判定した場合、判定部82が非接続状態と判定した場合よりも生成部5による次亜塩素酸の生成量を少なくする。生成部5は、非接続状態で第1生成量の次亜塩素酸を生成し、接続状態で第2生成量の次亜塩素酸を生成する。第2生成量は、第1生成量よりも小さく、例えば、第1生成量の20%~80%の範囲の生成量であってもよい。この場合、所定空間1よりも狭い収納空間72に過剰な次亜塩素酸を送出することを回避できる。
【0033】
(第2の動作)
図1図2を参照して、空間浄化装置10の第2の動作を説明する。第2の動作では、空間浄化モードで風量を制御し、スポット浄化モードで風量を制御しない。第2の動作では、空間浄化装置10は、判定部82が非接続状態と判定した場合、所定空間1の湿度を検出する湿度センサ92で検出された湿度検出値H1に応じて送風部4の風量制御を行い、判定部82が接続状態と判定した場合、風量制御を行わない。この場合、所定空間1の湿度変動による、収納空間72への送風量の変動を回避できる。一例として、前記風量制御は、湿度センサ92で検出された湿度検出値H1が低いほど送風部4の風量を大きくする制御であり得る。
【0034】
(第3の動作)
図1図2を参照して、空間浄化装置10の第3の動作を説明する。第3の動作では、空間浄化モードでは臭気に応じて送風量と次亜塩素酸の生成量の少なくとも1つを制御し、スポット浄化モードでは臭気に応じた制御をしない。第3の動作では、空間浄化装置10は、判定部82が非接続状態と判定した場合、臭気を検出する臭気センサ93で検出された臭気検出値S1に応じた送風部4の風量制御および生成部5の次亜塩素酸生成量制御の少なくとも1つの制御を行い、判定部82が接続状態と判定した場合、臭気センサ93で検出された臭気検出値S1に応じた風量制御または/および次亜塩素酸生成量制御を行わない。
【0035】
この場合、所定空間1の臭気による、収納空間72への次亜塩素酸の送出量の変動を回避できる。一例として、前記風量制御は、臭気センサ93で検出された臭気検出値S1が高いほど送風部4の風量を大きくする制御であり、次亜塩素酸生成量制御は、臭気センサ93で検出された臭気検出値S1が高いほど生成部5の次亜塩素酸生成量を大きくする制御であり得る。
【0036】
(第4の動作)
図1図2を参照して、空間浄化装置10の第4の動作を説明する。第4の動作では、空間浄化モードでは湿度を表示し、スポット浄化モードでは湿度を表示しない。第4の動作では、空間浄化装置10は、判定部82が非接続状態と判定した場合、所定空間1の湿度を表示するための表示部14に湿度を表示させ、判定部82が接続状態と判定した場合、表示部14に湿度検出値H1を表示させない。この場合、非接続状態では、ユーザに所定空間1の湿度を表示でき、接続状態では、ユーザに所定空間1に空気が送出されていないことを示すことができる。
【0037】
図4を参照して、循環浄化モードを説明する。図4は、循環浄化モードの空間浄化装置10を示す。循環浄化モードでは、空間浄化装置10は、機能性空気A2を収納部7に送出し、収納部7に収容された特定物78を浄化し、その後に排出口74から排出する。排出口74から排出された排出空気A3は、吸込口18から吸い込まれ、浄化部6で再び次亜塩素酸を含ませて機能性空気A2を生成する。このように、機能性空気A2と排出空気A3とを循環させることにより、特定物78を効率的に除菌・消臭できる。
【0038】
(第5の動作)
図4を参照して、空間浄化装置10の第5の動作を説明する。第5の動作は循環浄化モードを実現する動作である。図4は、空間浄化装置10の第3の状態を示す図である。第5の動作は、収納部7からの空気を吸込口18に送出する循環浄化モードである。第5の動作では、循環浄化モードを実現するために、収納部7の排出口74と吸込口18の間に吸込口接続部76を接続する。具体的には、図4に示すように、吸込口接続部76の入口部762を収納部7の排出口74に接続し、出口部764を吸込口18に接続する。
【0039】
収納部7に収納された小物などの特定物78を所望のレベルに除菌・消臭できることが望ましい。そこで、第5の動作では、空間浄化装置10は、吸込側判定部84が接続状態と判定した場合、臭気センサ93で検出された臭気検出値S1が閾値以下になるまで送風部4に送風させる。この場合、臭気センサ93は、特定物78の消臭状態を検出できるので、閾値を所望のレベル以下に設定することにより、特定物78を所望のレベルまで消臭できる。なお、除菌効果は消臭効果と関連する場合が多いと考えられ、所望のレベルまで消臭すると、除菌効果も所望のレベルに近づくことが期待できる。
【0040】
(第6の動作)
図4を参照して、空間浄化装置10の第6の動作を説明する。第6の動作では、循環浄化モードにおいて、非循環浄化モードよりも送風部4の風量を小さくする。第6の動作では、空間浄化装置10は、吸込側判定部84が接続状態と判定した場合、吸込側判定部84が非接続状態と判定した場合よりも送風部4の風量を小さくする。この場合、過剰な空気量の循環を回避できる。また、過剰な次亜塩素酸の循環を回避できる。送風部4は、非接続状態で、第3風量で運転され、接続状態で、第4風量で運転される。第4風量は、第3風量よりも小さく、例えば、第3風量の20%~80%の範囲であってもよい。また、第3風量は第2風量であってもよい。この場合、第4風量は第2風量よりも小さく、例えば、第2風量の20%~80%の範囲であってもよい。
【0041】
(第7の動作)
図4を参照して空間浄化装置10の第7の動作を説明する。第7の動作では、循環浄化モードにおいて、非循環浄化モードよりも次亜塩素酸の生成量を少なくする。第7の動作では、空間浄化装置10は、吸込側判定部84が接続状態と判定した場合、吸込側判定部84が非接続状態と判定した場合よりも生成部5による次亜塩素酸の生成量を少なくする。この場合、過剰な次亜塩素酸の生成を回避できる。生成部5は、非接続状態で第3生成量の次亜塩素酸を生成し、接続状態で第4生成量の次亜塩素酸を生成する。第4生成量は、第3生成量よりも小さく、例えば、第3生成量の20%~80%の範囲であってもよい。また、第3生成量は第2生成量であってもよい。この場合、第4生成量は第2生成量よりも小さく、例えば、第2生成量の20%~80%の範囲であってもよい。
【0042】
本開示の一の態様の概要は、次の通りである。この態様の空間浄化装置(10)は、所定空間(1)の空気を吸い込む吸込口(18)と、所定空間(1)に空気を吹き出す吹出口(16)とを有する本体ケース(12)と、吸込口(18)から吸い込んだ空気を吹出口(16)に送出する送風部(4)と、次亜塩素酸を生成する生成部(5)と、吸込口(18)から吸い込んだ空気に、生成部(5)で生成された次亜塩素酸を含ませて機能性空気を生成する浄化部(6)と、所定空間(1)よりも狭い収納空間(72)を囲み、吹出口(16)に取り外し可能に接続できる収納部(7)と、を備える。吹出口(16)は、収納部(7)が吹出口(16)に接続された接続状態で、機能性空気を収納空間(72)に送出する。
【0043】
この態様によれば、収納部7が吹出口16に接続された接続状態で、収納部7に収容した特定物78を集中的に浄化できる。
【0044】
一例として、空間浄化装置(10)は、収納部(7)が吹出口(16)に接続された接続状態と、収納部(7)が吹出口(16)に接続されていない非接続状態とを判定する判定部(82)と、判定部(82)の判定結果(J1)に応じて、異なる制御を行う制御部(8)と、を備える。
【0045】
一例として、制御部(8)は、判定部(82)が接続状態と判定した場合に、判定部(82)が非接続状態と判定した場合よりも送風部(4)の風量を小さくする。
【0046】
一例として、制御部(8)は、判定部(82)が接続状態と判定した場合、判定部(82)が非接続状態と判定した場合よりも生成部(5)による次亜塩素酸の生成量を少なくする。
【0047】
一例として、空間浄化装置(10)は、所定空間(1)の湿度を検出する湿度センサ(92)を備え、制御部(8)は、判定部(82)が非接続状態と判定した場合、湿度センサ(92)で検出された湿度検出値(H1)に応じて送風部(4)の風量制御を行い、判定部(82)が接続状態と判定した場合、風量制御を行わない。
【0048】
一例として、風量制御は、湿度センサ(92)で検出された湿度検出値(H1)が低いほど送風部(4)の風量を大きくする制御である。
【0049】
一例として、空間浄化装置(10)は、臭気を検出する臭気センサ(93)を備え、制御部(8)は、判定部(82)が非接続状態と判定した場合、臭気センサ(93)で検出された臭気検出値(S1)に応じた送風部(4)の風量制御および生成部(5)の次亜塩素酸生成量制御の少なくとも1つの制御を行い、判定部(82)が接続状態と判定した場合、臭気センサ(93)で検出された臭気検出値(S1)に応じた風量制御または/および次亜塩素酸生成量制御を行わない。
【0050】
一例として、風量制御は、臭気センサ(93)で検出された臭気検出値(S1)が高いほど送風部(4)の風量を大きくする制御であり、次亜塩素酸生成量制御は、臭気センサ(93)で検出された臭気検出値(S1)が高いほど生成部(5)の次亜塩素酸生成量を大きくする制御である。
【0051】
一例として、空間浄化装置(10)は、所定空間(1)の湿度を表示する表示部(14)を備え、制御部(8)は、判定部(82)が非接続状態と判定した場合、表示部(14)に湿度検出値(H1)を表示させ、判定部(82)が接続状態と判定した場合、表示部(14)に湿度検出値(H1)を表示させない。
【0052】
一例として、空間浄化装置(10)は、吸込口(18)に取り外し可能に接続でき、吸込口(18)に接続されたとき収納部(7)からの空気を吸込口(18)に送出する吸込口接続部(76)と、吸込口接続部(76)が吸込口(18)に接続された接続状態と、吸込口接続部(76)が吸込口(18)に接続されていない非接続状態とを判定する吸込側判定部(84)と、を備え、制御部(8)は、吸込側判定部(84)が接続状態と判定した場合、臭気センサ(93)で検出された臭気検出値(S1)が閾値以下になるまで送風部(4)に送風させる。
【0053】
一例として、空間浄化装置(10)は、吸込口(18)に取り外し可能に接続でき、吸込口(18)に接続されたとき収納部(7)からの空気を吸込口(18)に送出する吸込口接続部(76)と、吸込口接続部(76)が吸込口(18)に接続された接続状態と、吸込口接続部(76)が吸込口(18)に接続されていない非接続状態とを判定する吸込側判定部(84)と、を備え、制御部(8)は、吸込側判定部(84)が接続状態と判定した場合、吸込側判定部(84)が非接続状態と判定した場合よりも送風部(4)の風量を小さくする。
【0054】
一例として、空間浄化装置(10)は、吸込口(18)に取り外し可能に接続でき、吸込口(18)に接続されたとき収納部(7)からの空気を吸込口(18)に送出する吸込口接続部(76)と、吸込口接続部(76)が吸込口(18)に接続された接続状態と、吸込口接続部(76)が吸込口(18)に接続されていない非接続状態とを判定する吸込側判定部(84)と、を備え、制御部(8)は、吸込側判定部(84)が接続状態と判定した場合、吸込側判定部(84)が非接続状態と判定した場合よりも生成部(5)による次亜塩素酸の生成量を少なくする。
【0055】
以上、本開示を、実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0056】
[変形例]
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施例と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施例と重複する説明を適宜省略し、第1実施例と相違する構成について重点的に説明する。
【0057】
上述の説明では、収納部7が吹出口16に接続された接続状態で、すべての機能性空気が収納空間72に送出される例を示したが、これに限定されない。例えば、この接続状態で、吹出口から送出される機能性空気の一部は所定空間に吹き出されてもよい。
【0058】
上述の説明では、吸込口接続部76が吸込口18に接続された接続状態で、吸込口18が吸込口接続部76からの空気のみを吸い込む例を示したが、これに限定されない。例えば、この接続状態で、吸込口は、吸込口接続部からの空気とは別に所定空間の空気を吸い込んでもよい。
【0059】
上述の説明では、吸込口接続部76が収納部7に接続された接続状態で、収納部7からの空気のすべてが吸込口18に送出される例を示したが、これに限定されない。例えば、この接続状態で、収納部から送出される空気の一部は所定空間に吹き出されてもよい。
【0060】
以上の構成要素の任意の組み合わせも、実施例及び変形例を抽象化した技術的思想の態様として有効である。たとえば、実施例に対して他の実施例の任意の説明事項を組み合わせてもよいし、変形例に対して実施例及び他の変形例の任意の説明事項を組み合わせてもよい。
【0061】
以上、実施例及び変形例を説明した。実施例及び変形例を抽象化した技術的思想を理解するにあたり、その技術的思想は実施例及び変形例の内容に限定的に解釈されるべきではない。前述した実施例及び変形例は、いずれも具体例を示したものにすぎず、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。実施例では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施例」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本開示にかかる空間浄化装置は、居室空間を浄化するために使用できる。
【符号の説明】
【0063】
10 空間浄化装置、 1 所定空間、 4 送風部、 5 生成部、 6 浄化部、 7 収納部、 8 制御部、 12 本体ケース、 14 表示部、 16 吹出口、 18 吸込口、 71 筐体、 72 収納空間、 73 導入口、 74 排出口、 75 吹出口接続部、 76 吸込口接続部、 77 出入口部、 78 特定物、 82 判定部、 84 吸込側判定部、 92 湿度センサ、 93 臭気センサ、 762 入口部、 764 出口部、 802 入力部、 804 生成制御部、 806 送風制御部、 808 表示制御部。
図1
図2
図3
図4