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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144182
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/46 20180101AFI20231003BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20231003BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20231003BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20231003BHJP
【FI】
F24F11/46
F24F11/80
F24F11/74
F24F11/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051013
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】森寺 峻義
(72)【発明者】
【氏名】山口 雅弘
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA01
3L260BA41
3L260BA44
3L260CA03
3L260CA07
3L260CA12
3L260EA06
3L260EA22
3L260FA02
3L260FA04
3L260FA07
3L260FB12
(57)【要約】
【課題】空調システムの省エネルギー化等を促進するための住宅および居室の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握可能な空調システムを提供する。
【解決手段】住宅1内の空調室18に設けられ空調室18の空気を空調する空調機9と、空調室18の空気を空調室18とは独立した複数の居室2に搬送する複数の搬送ファン3と、システムコントローラ10と、を備える。システムコントローラ10は、各居室における入室および退室を判定する入退室判定部111と、入室判定回数および退室判定回数をカウントするカウント部112と、カウント部112によるカウント値を所定期間毎に集計して記録するデータ生成部113と、データに基づいて、複数の所定期間それぞれにおける住宅1および居室2の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する増減判定部114と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅内の空調室に設けられ前記空調室の空気を空調する空調機と、
前記空調室の空気を前記空調室とは独立した複数の居室に搬送する複数の搬送ファンと、
前記空調機と前記搬送ファンとを制御するシステムコントローラと、を備え、
前記システムコントローラは、
各居室における入室および退室を判定する入退室判定部と、
前記入退室判定部により判定された入室判定回数および退室判定回数をカウントするカウント部と、
前記カウント部によるカウント値を所定期間毎に集計して記録するデータ生成部と、
前記データ生成部により生成された前記データに基づいて、複数の前記所定期間それぞれにおける前記住宅および前記居室の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する増減判定部と、を備える空調システム。
【請求項2】
前記所定期間とは、一日を前記複数に分割した際の一つの期間である請求項1記載の空調システム。
【請求項3】
前記複数の居室それぞれの室内温度を取得して前記システムコントローラに送信する居室温度センサと、
前記複数の居室それぞれの出入口における人の動きを検出して前記システムコントローラに送信する居室人感センサと、を備え、
前記入退室判定部は、
前記居室人感センサにより前記人の動きが検出され、前記検出後の所定時間内に前記検出された居室に対応する室内温度が入室閾値以上増加した場合、前記検出された居室に対して入室判定を行い、
前記居室人感センサにより前記人の動きが検出され、前記検出後の所定時間内に前記検出された居室に対応する室内温度が退室閾値以上減少した場合、前記検出された居室に対して退室判定を行う請求項1または2に記載の空調システム。
【請求項4】
前記増減判定部は前記住宅の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定し、
前記増減判定部は、
前記データ生成部により生成された前記データに基づいて、前記複数の所定期間それぞれにおける前記住宅の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する住宅移動判定部を備える請求項1から3のいずれかに記載の空調システム。
【請求項5】
前記住宅の居住人数情報を取得する人数取得部を備え、
前記住宅移動判定部は、
前記複数の所定期間それぞれにおいて、前記所定期間における全居室の入室判定回数の合計である全居室入室回数と当該所定期間における全居室の退室判定回数の合計である全居室退室回数とにより全居室差分値を算出し、
前記複数の所定期間を前記全居室差分値が大きい順で上位前記居住人数の数までに位置する前記所定期間すべてを住宅の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定し、
前記複数の所定期間を前記全居室差分値が小さい順で上位前記居住人数の数までに位置する前記所定期間すべてを住宅の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する請求項4記載の空調システム。
【請求項6】
前記増減判定部は前記住宅の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定し、
前記増減判定部の判定結果に基づいて、前記空調機の設定温度を変更する設定温度変更部を備える請求項1から5のいずれかに記載の空調システム。
【請求項7】
省エネルギー化のために、前記設定温度変更部は、
前記増減判定部により住宅の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された前記所定期間の外出準備時間前に前記空調機の設定温度を増加温度だけ高く変更し、
前記増減判定部により住宅の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された前記所定期間の帰宅準備時間前に前記空調機の設定温度を減少温度だけ低く変更する請求項6記載の空調システム。
【請求項8】
前記増減判定部は前記居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定し、
前記増減判定部は、
前記データ生成部により生成された前記データに基づいて、前記複数の所定期間それぞれにおける各居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する居室移動判定部を備える請求項1から7のいずれかに記載の空調システム。
【請求項9】
前記居室移動判定部は、
前記複数の所定期間それぞれにおいて、前記所定期間における入室判定回数の合計である合計入室回数と当該所定期間における退室判定回数の合計である合計退室回数とにより居室差分値を算出する処理を、前記各居室で行い、
前記各居室の居室差分値と運転日数とに基づいて、前記複数の所定期間それぞれにおける前記各居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングの判定を行う請求項8に記載の空調システム。
【請求項10】
前記居室移動判定部は、
前記複数の所定期間それぞれにおいて前記居室差分値を前記運転日数により除算した除算値を算出する処理を、前記各居室で行い、
前記除算値がゼロよりも大きい入室判定閾値以上となる前記所定期間を前記居室の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する入室判定処理を、前記各居室で行い、
前記除算値がゼロよりも小さい退室判定閾値以下となる前記所定期間を前記居室の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する退室判定処理を、前記各居室で行う請求項9に記載の空調システム。
【請求項11】
前記増減判定部は前記居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定し、
前記増減判定部の判定結果に基づいて、前記搬送ファンの送風量を変更する送風量変更部を備える請求項1から10のいずれかに記載の空調システム。
【請求項12】
前記送風量変更部は、
前記空調機が冷房運転の場合、
前記居室の人の増加に伴う急激な搬送ファンエネルギーの増加を抑制するために、居室の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された前記所定期間の入室準備時間前に、前記居室の人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室に前記空気を搬送する搬送ファンの送風量を大きくし、
前記居室の人の減少に伴う搬送ファンエネルギーの減少を拡大するために、居室の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された前記所定期間の退室準備時間前に、前記居室の人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室に前記空気を搬送する搬送ファンの送風量を小さくし、
前記空調機が暖房運転の場合、
前記居室の人の増加に伴う搬送ファンエネルギーの減少を拡大するために、前記居室の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された前記所定期間の入室準備時間前に、前記居室の人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室に前記空気を搬送する搬送ファンの送風量を小さくし、
前記居室の人の減少に伴う急激な搬送ファンエネルギーの増加を抑制するために、前記居室の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された前記所定期間の退室準備時間前に、前記居室の人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室に前記空気を搬送する搬送ファンの送風量を大きくする請求項11記載の空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数個の居室を備えた高断熱・高気密住宅において、少なくとも1つの空調室を独立して設けて空調室内の空調を制御し、当該空調室と各居室を連結する給気ダクトを備え、各居室に配置されたコントローラにより空調室内空気を個別に分配給する空調システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-127845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空調機により空調された空気を各居室にダクトを介して搬送することで空調を行う空調システムにおいて、住宅および居室の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握できることが望ましい。なぜならば、人は熱を発する熱源であり、人の増減に対応して、空調機の設定温度、空調機により空調された空気を各居室に搬送するための搬送ファンの送風量等を制御することができれば、例えば空調システムの省エネルギー化、居住者の快適性低下の抑制等が可能になるからである。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、空調システムの省エネルギー化等を促進するための住宅および居室の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握可能な空調システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、住宅内の空調室に設けられ空調室の空気を空調する空調機と、空調室の空気を空調室とは独立した複数の居室に搬送する複数の搬送ファンと、空調機と搬送ファンとを制御するシステムコントローラと、を備え、システムコントローラは、各居室における入室および退室を判定する入退室判定部と、入退室判定部により判定された入室判定回数および退室判定回数をカウントするカウント部と、カウント部によるカウント値を所定期間毎に集計して記録するデータ生成部と、データ生成部により生成されたデータに基づいて、複数の所定期間それぞれにおける住宅および居室の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する増減判定部と、を備え、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、空調システムの省エネルギー化等を促進するための住宅および居室の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握可能な空調システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る空調システムのシステム概略図である。
図2】実施の形態1に係るシステムコントローラ及び周辺の概略機能ブロック図である。
図3】実施の形態1に係る制御を示すフローチャートである。
図4】第一演算処理の処理を示すフローチャートである。
図5】第一空調制御内容決定処理の処理を示すフローチャートである。
図6】実施の形態2に係るシステムコントローラ及び周辺の概略機能ブロック図である。
図7】実施の形態2に係る制御を示すフローチャートである。
図8】第二演算処理の処理を示すフローチャートである。
図9】第二空調制御内容決定処理の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。よって、以下の実施の形態で示される、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。従って、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0010】
(実施の形態1)
まず、本実施の形態における空調システムについて説明する。図1は、本実施の形態に係る空調システムのシステム概略図である。
【0011】
空調システムは、搬送ファン3と総称される搬送ファン3a~搬送ファン3d、吹出口7と総称される吹出口7a~吹出口7d、居室温度センサ11と総称される居室温度センサ11a~居室温度センサ11d、居室人感センサ12と総称される居室人感センサ12a~居室人感センサ12d、空調室温度センサ14、空調機9、システムコントローラ10、搬送ダクト56と総称される搬送ダクト56a~搬送ダクト56dを含む。
【0012】
空調システムは、住宅1内に設置される。住宅1は、居室2と総称される複数(本実施の形態では4つ)の居室2a~居室2dに加え、居室2と独立した少なくとも1つの空調室18を有する。ここで住宅とは、居住者がプライベートな生活を営む場として提供された住居であり、一般的な構成として居室2にはリビング、ダイニング、寝室、個室、子供部屋等が含まれる。また空調システムが提供する居室にトイレ、浴室、洗面所、脱衣所等が含まれてもよい。
【0013】
空調室18の空気は、空調室18内に設けられた空調機9によって温度が制御される。空調室18にて空調された空気は、搬送ファン3a~搬送ファン3dにより、居室2a~居室2dに搬送される。
【0014】
搬送ファン3は、空調室18の空気を空調室18とは独立した居室2に搬送する。搬送ファン3a~搬送ファン3dは、居室2a~居室2dに対応して空調室18に設けられる。空調室18の空気は、搬送ファン3aによって搬送ダクト56aを介して居室2aに、搬送ファン3bによって搬送ダクト56bを介して居室2bに、搬送ファン3cによって搬送ダクト56cを介して居室2cに、搬送ファン3dによって搬送ダクト56dを介して居室2dに搬送される。各搬送ファンと各搬送ダクト、各居室の数や組み合わせは上記の限りではなく、異なる組み合わせとなっても良い。
【0015】
吹出口7aは居室2aに、吹出口7bは居室2bに、吹出口7cは居室2cに、吹出口7dは居室2dに対して設けられる。吹出口7と居室2の組み合わせは必ずしも一対である必要はなく、1つの居室2に対して複数の吹出口7が設置されてもよい。
【0016】
居室温度センサ11aは居室2aに、居室温度センサ11bは居室2bに、居室温度センサ11cは居室2cに、居室温度センサ11dは居室2dに対して設けられる。居室温度センサ11は、対応する各居室2a~2dそれぞれの室内温度(居室温度)を取得して、システムコントローラ10に送信するセンサである。居室温度センサ11と居室2の組み合わせは必ずしも一対である必要はなく、1つの居室2に対して複数の居室温度センサ11が設置されてもよい。
【0017】
居室人感センサ12aは居室2aに、居室人感センサ12bは居室2bに、居室人感センサ12cは居室2cに、居室人感センサ12dは居室2dに対して設けられる。居室人感センサ12は、対応する各居室2a~2dそれぞれの出入口における人の動きを検出して、システムコントローラ10に送信するセンサである。
【0018】
空調機9は、住宅1内の空調室18の空気を空調する。空調機9は、空調室18の空気の温度が設定された目標温度(空調室目標温度)となるように、空調室18の空気を冷却または加熱する。
【0019】
空調室温度センサ14は、空調室18の空気の温度を取得して、システムコントローラ10に送信するセンサである。なお、空調室温度センサ14は、空調機9に内蔵されている場合もあるが、空調機9に内蔵されている場合には空調機9周囲の情報しか得られない。空調室18全体としての情報が得られるように、空調機9とは独立して備えるのが望ましい。
【0020】
システムコントローラ10は、空調システム全体を制御するコントローラである。システムコントローラ10は、搬送ファン3a~搬送ファン3d、居室温度センサ11a~居室温度センサ11d、居室人感センサ12a~居室人感センサ12d、空調室温度センサ14、空調機9と無線通信により通信可能に接続される。無線通信で接続されることにより、複雑な配線工事が不要になる。しかしながら、これらのうちの少なくとも一部が有線通信により通信可能に接続されてもよい。
【0021】
システムコントローラ10は、搬送ファン3a~搬送ファン3bの送風量と空調機9の制御を行う。これにより、空調室18にて空調された空気が、搬送ファン3a~搬送ファン3dに設定された送風量で、居室2a~居室2dに搬送される。その結果、居室2a~居室2dの室内温度が、各居室の目標温度に近づく。
【0022】
図2を参照して、実施の形態1に係るシステムコントローラ10の各機能について説明する。図2は実施の形態1に係るシステムコントローラ10及び周辺の概略機能ブロック図である。
【0023】
システムコントローラ10は人数取得部118と制御部110を備える。
【0024】
人数取得部118は、住宅1の居住人数情報を取得する。居住人数情報の取得方法の一例を説明すると、例えば、住宅1内に入力部が設けられる。入力部は、住宅1の居住者が操作可能なユーザインターフェースを備え、居住者から、居住人数情報を受けつける。人数取得部118は、有線通信または無線通信により入力部に通信可能に接続され、居住者により入力部に入力された居住人数情報を取得する。また、居住人数情報の取得方法の別の一例として、システムコントローラ10はメモリである記憶部を備え、記憶部にあらかじめ居住人数情報が記憶されており、人数取得部118は、記憶部が記憶する居住人数情報を取得してもよい。
【0025】
制御部110は、入退室判定部111とカウント部112とデータ生成部113と増減判定部114と設定温度変更部115を備える。
【0026】
入退室判定部111は、各居室2a~2dの入室および退室を判定する。具体的には、入退室判定部111は、居室人感センサ12により人の動きが検出され、検出後の所定時間内に検出された居室2に対応する居室温度センサ11の室内温度が入室閾値以上増加した場合、検出された居室2に対して入室判定を行う。
【0027】
本実施の形態では、入退室判定部111は、居室人感センサ12aにより人の動きが検出され、検出後の所定時間内に居室温度センサ11aの室内温度が入室閾値以上増加した場合、居室2aに対して入室判定を行う。
【0028】
同様に、入退室判定部111は、居室人感センサ12bにより人の動きが検出され、検出後の所定時間内に居室温度センサ11bの室内温度が入室閾値以上増加した場合、居室2bに対して入室判定を行う。
【0029】
同様に、入退室判定部111は、居室人感センサ12cにより人の動きが検出され、検出後の所定時間内に居室温度センサ11cの室内温度が入室閾値以上増加した場合、居室2cに対して入室判定を行う。
【0030】
同様に、入退室判定部111は、居室人感センサ12dにより人の動きが検出され、検出後の所定時間内に居室温度センサ11bの室内温度が入室閾値以上増加した場合、居室2dに対して入室判定を行う。
【0031】
まず、入退室判定部111による人の動きの検出判定について説明する。居室人感センサ12は、人の動きに基づいて出力信号を出力する。例えば、居室人感センサ12は、人の動きが大きい程、大きい出力信号を出力する。入退室判定部111は、居室人感センサ12の出力信号が所定の検出閾値以上であれば人の動きが検出されたと判定する。検出閾値は、人の動きが検出できるよう、居室人感センサの種別ごとに実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。これにより、入退室判定部111は、人の動きを検出することができる。しかし、これだけでは人が入室を行ったのか、退室を行ったのかはわからない。
【0032】
そこで、入退室判定部111は、人の動きが検出され、検出後の所定時間内に検出された居室2に対応する居室温度センサ11の室内温度が入室閾値以上増加した場合、検出された居室2に対して入室判定を行う。人が入室した場合、人の入室に対応する居室2は人が発する熱量が加わることにより室内温度が上昇する。つまり、人の動き検出後の所定時間内に検出された居室2に対応する室内温度が入室閾値以上増加した場合、検出された居室2に人が入室したものと判定することができる。入室閾値および所定時間は、人の入室が判定できるよう、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0033】
また、入退室判定部111は、居室人感センサ12により人の動きが検出され、検出後の所定時間内に検出された居室2に対応する居室温度センサ11の室内温度が退室閾値以上減少した場合、検出された居室2に対して退室判定を行う。
【0034】
本実施の形態では、入退室判定部111は、居室人感センサ12aにより人の動きが検出され、検出後の所定時間内に居室温度センサ11aの室内温度が退室閾値以上減少した場合、居室2aに対して退室判定を行う。
【0035】
同様に、入退室判定部111は、居室人感センサ12bにより人の動きが検出され、検出後の所定時間内に居室温度センサ11bの室内温度が退室閾値以上減少した場合、居室2bに対して退室判定を行う。
【0036】
同様に、入退室判定部111は、居室人感センサ12cにより人の動きが検出され、検出後の所定時間内に居室温度センサ11cの室内温度が退室閾値以上減少した場合、居室2cに対して退室判定を行う。
【0037】
同様に、入退室判定部111は、居室人感センサ12dにより人の動きが検出され、検出後の所定時間内に居室温度センサ11dの室内温度が退室閾値以上減少した場合、居室2dに対して退室判定を行う。
【0038】
人が退室した場合、人の退室に対応する居室2は人が発する熱量が減ることにより室内温度が減少する。人が退室した場合、人の退室に対応する居室2は人が発する熱量が減ることにより室内温度が減少する。つまり、人の動き検出後の所定時間内に検出された居室2に対応する室内温度が退室閾値以上減少した場合、検出された居室2から人が退室したものと判定することができる。退室閾値および所定時間は、人の退室が判定できるよう、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。入退室判定部111は、各居室2a~2dにカメラを設置して、カメラ映像から入退室を判定しても良い。
【0039】
カウント部112は、入退室判定部111により判定された入室判定回数および退室判定回数をカウントする。カウント部112は、各居室2a~2dそれぞれについて入室判定回数および退室判定回数をカウントする。
【0040】
データ生成部113は、カウント部112によるカウント値を所定期間毎に集計して記録する。
【0041】
例えば、所定期間は、一日を複数に分割した際の一つの期間である。本実施の形態では、一例として、1日を15分で96個に分割する。つまり、第一期間は0時0分0秒から0時14分59秒までであり、第二期間は0時15分0秒から0時29分59秒までである。第三期間~第九十六期間も同様に15分毎に設定され、第九十五期間は23時30分0秒から23時44分59秒までであり、第九十六期間は23時45分0秒から23時59分59秒までである。本実施の形態では一例として、一つの分割期間を15分としたが、一つの分割期間を15分でなくてもよい。データ生成部113は、カウント部112によるカウント値を第一期間~第九十六期間それぞれにおいて集計して記録する。
【0042】
データ生成部113は、各居室2a~2dそれぞれのカウント値を集計して記録する。本実施の形態では居室2は居室2a~2dの四つの居室が存在する。つまり、データ生成部113は、第一期間~第九十六期間それぞれにおけるカウント値の集計を、居室2a~2dの四つの居室について行う。即ち、データ生成部113は、居室2aの第一期間~第九十六期間それぞれにおけるカウント値の集計、居室2bの第一期間~第九十六期間それぞれにおけるカウント値の集計、居室2cの第一期間~第九十六期間それぞれにおけるカウント値の集計および居室2dの第一期間~第九十六期間それぞれにおけるカウント値の集計を行う。データ生成部113は、集計したデータを記憶部に記憶させる。
【0043】
また、データ生成部113は、第一期間~第九十六期間それぞれにおけるカウント値を毎日積算する。例えば、一日目における居室2aの第一期間の入室判定回数が2であったとする。データ生成部113は、一日目終了時における居室2aの第一期間の入室判定回数を2とする。そして、二日目における居室2aの第一期間の入室判定回数が3であったとする。データ生成部113は、一日目と二日目の入室判定回数を積算し、二日目終了時における居室2aの第一期間の入室判定回数を5とする。データ生成部113は、同様に三日目以降の居室2aの第一期間の入室判定回数も積算していく。データ生成部113による積算は、第二期間~第九十六期間においても同様に行われる。また、データ生成部113による積算は、居室2b、2c、2dについても同様に行われる。また、データ生成部113による積算は、退室判定回数についても同様に行われる。
【0044】
増減判定部114は、データ生成部113により生成されたデータに基づいて、複数の所定期間それぞれにおける住宅1および居室2の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する。実施の形態1において、増減判定部114は、住宅1の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定し、住宅移動判定部201を備える。
【0045】
住宅移動判定部201は、データ生成部113により生成されたデータに基づいて、複数の所定期間それぞれにおける住宅1の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する。住宅移動判定部201による判定方法について詳細に説明する。
【0046】
最初に、住宅移動判定部201は、複数の所定期間それぞれにおいて、所定期間における全居室の入室判定回数の合計である全居室入室回数と当該所定期間における全居室の退室判定回数の合計である全居室退室回数とにより全居室差分値を算出する。
【0047】
具体的に、本実施の形態ではまず、住宅移動判定部201は、第一期間における全居室の入室判定回数の合計である第一期間全居室入室回数を算出する。第一期間全居室入室回数の算出式は、
第一期間全居室入室回数
=居室2aの第一期間の入室判定回数+居室2bの第一期間の入室判定回数+居室2cの第一期間の入室判定回数+居室2dの第一期間の入室判定回数
である。
【0048】
次に、住宅移動判定部201は、第二期間における全居室の入室判定回数の合計である第二期間全居室入室回数を算出する。第二期間全居室入室回数の算出式は、
第二期間全居室入室回数
=居室2aの第二期間の入室判定回数+居室2bの第二期間の入室判定回数+居室2cの第二期間の入室判定回数+居室2dの第二期間の入室判定回数
である。
【0049】
同様に、住宅移動判定部201は、第三期間~第九十六期間における全居室の入室判定回数の合計である第三期間全居室入室回数~第九十六期間全居室入室回数を算出する。
【0050】
次に、住宅移動判定部201は、第一期間における全居室の退室判定回数の合計である第一期間全居室退室回数を算出する。第一期間全居室退室回数の算出式は、
第一期間全居室退室回数
=居室2aの第一期間の退室判定回数+居室2bの第一期間の退室判定回数+居室2cの第一期間の退室判定回数+居室2dの第一期間の退室判定回数
である。
【0051】
次に、住宅移動判定部201は、第二期間における全居室の退室判定回数の合計である第二期間全居室退室回数を算出する。第二期間全居室退室回数の算出式は、
第二期間全居室退室回数
=居室2aの第二期間の退室判定回数+居室2bの第二期間の退室判定回数+居室2cの第二期間の退室判定回数+居室2dの第二期間の退室判定回数
である。
【0052】
同様に、住宅移動判定部201は、第三期間~第九十六期間における全居室の退室判定回数の合計である第三期間全居室退室回数~第九十六期間全居室退室回数を算出する。
【0053】
次に、住宅移動判定部201は、全居室差分値を算出する。具体的には、住宅移動判定部201は、まず、第一期間における全居室差分値である第一期間全居室差分値を算出する。第一期間全居室差分値の算出式は、
第一期間全居室差分値
=第一期間全居室入室回数-第一期間全居室退室回数
である。
【0054】
そして、住宅移動判定部201は、第二期間における全居室差分値である第二期間全居室差分値を算出する。第二期間全居室差分値の算出式は、
第二期間全居室差分値
=第二期間全居室入室回数-第二期間全居室退室回数
である。
【0055】
同様に、住宅移動判定部201は、第三期間~第九十六期間における全居室差分値である第三期間全居室差分値~第九十六期間全居室差分値を算出する。
【0056】
次いで、住宅移動判定部201は、複数の所定期間を全居室差分値が大きい順で上位居住人数の数までに位置する所定期間すべてを住宅1の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。具体的には、住宅移動判定部201は、第一期間全居室差分値~第九十六期間全居室差分値を全居室差分値が大きい順で並べ替える。住宅移動判定部201は、人数取得部118が取得した住宅1の居住人数を取得する。住宅移動判定部201は、全居室差分値が大きい順で上位居住人数の数までに位置する所定期間すべてを住宅1の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。
【0057】
例えば、居住人数が四人であれば、住宅移動判定部201は、全居室差分値が大きい順で上位四つに位置する所定期間すべてを住宅1の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。もし、第七十三全居室差分値が、全居室差分値が大きい順で上位四つのうちの一つであった場合、住宅移動判定部201は、第七十三期間である18時0分0秒から18時14分59秒までの間に住宅1の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。住宅1の人の増加とは人が住宅1に帰宅したことであり、増加が発生したタイミングとは人が住宅1に帰宅したタイミングのことである。
【0058】
次いで、住宅移動判定部201は、複数の所定期間を全居室差分値が小さい順で上位居住人数の数までに位置する所定期間すべてを住宅1の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。具体的には、まず、住宅移動判定部201は、第一期間全居室差分値~第九十六期間全居室差分値を全居室差分値が小さい順で並べ替える。住宅移動判定部201は、全居室差分値が小さい順で上位居住人数の数までに位置する所定期間すべてを住宅1の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。
【0059】
例えば、居住人数が四人であれば、住宅移動判定部201は、全居室差分値が小さい順で上位四つに位置する所定期間すべてを住宅1の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。もし、第二十九全居室差分値が、全居室差分値が小さい順で上位四つのうちの一つであった場合、住宅移動判定部201は、第二十九期間である7時0分0秒から7時14分59秒までの間に住宅1の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。住宅1の人の減少とは人が住宅1から外出したことであり、減少が発生したタイミングとは人が住宅1から外出したタイミングのことである。
【0060】
設定温度変更部115は、住宅移動判定部201(増減判定部114)の判定結果に基づいて、空調機9の設定温度を変更する。
【0061】
具体的には、設定温度変更部115は、住宅移動判定部201により住宅1の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の外出準備時間前に空調機9の設定温度を増加温度だけ高く変更する。外出準備時間および増加温度は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0062】
ここで、例えば日本の夏季において空調機9が冷房運転されており、設定温度変更部115による外出準備時間前の設定温度の増加変更が行われない場合について説明する。空調機9が冷房運転されている状態で、住宅1の人の減少が発生したとする。すると、住宅1の人の減少が発生したタイミングにおいて住宅1内に人が発する熱量が減ることにより、住宅1全体の温度は減少する方向に向かう。空調機9は、住宅1全体の温度が減少する方向に向かうことを抑制するために、住宅1の人の減少が発生したタイミング以降で設定温度を増加変更する。しかし、住宅1全体の温度が減少する方向に向かった後に、設定温度を増加変更するため、空調エネルギーの減少は住宅1の温度が増加する方向に向かった後に発生する。
【0063】
そこで、設定温度変更部115は、住宅移動判定部201により住宅1の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の外出準備時間前に空調機9の設定温度を増加温度だけ高く変更する。つまり、住宅1全体の温度が減少する方向に向かう前に設定温度を増加変更することが可能となり、これにより住宅1の人の減少に伴う空調エネルギーの減少を拡大することができる。即ち、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。
【0064】
また、例えば日本の冬季において空調機9が暖房運転されており、設定温度変更部115による外出準備時間前の設定温度の増加変更が行われない場合について説明する。空調機9が暖房運転されている状態で、住宅1の人の減少が発生したとする。すると、住宅1の人の減少が発生したタイミングにおいて住宅1内に人が発する熱量が減ることにより、住宅1全体の温度は減少する方向に向かう。空調機9は、住宅1全体の温度が減少する方向に向かうことを抑制するために、住宅1の人の減少が発生したタイミング以降で設定温度を増加変更する。しかし、住宅1全体の温度が減少する方向に向かった後に、設定温度を増加変更するため、急激な空調エネルギーの増加が発生してしまう。
【0065】
そこで、設定温度変更部115は、住宅移動判定部201により住宅1の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の外出準備時間前に空調機9の設定温度を増加温度だけ高く変更する。外出準備時間前の増加温度は、もし外出準備時間前に空調機9の設定温度変更を行わずに住宅1の人の減少が発生したタイミング以降で増加変更行った場合の増加温度よりも小さくて済む。つまり、住宅1全体の温度が減少する方向に向かう前に設定温度を増加変更することが可能になり、急激な空調エネルギーの増加を抑制することができる。即ち、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。
【0066】
また、省エネルギー化のために、設定温度変更部115は、住宅移動判定部201により住宅1の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の帰宅準備時間前に空調機9の設定温度を減少温度だけ低く変更する。帰宅準備時間および減少温度は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0067】
ここで、例えば日本の夏季において空調機9が冷房運転されており、設定温度変更部115による帰宅準備時間前の設定温度の減少変更が行われない場合について説明する。空調機9が冷房運転されている状態で、住宅1の人の増加が発生したとする。すると、住宅1の人の増加が発生したタイミングにおいて住宅1内に人が発する熱量が加わることにより、住宅1全体の温度は増加する方向に向かう。空調機9は、住宅1全体の温度が増加する方向に向かうことを抑制するために、住宅1の人の増加が発生したタイミング以降で設定温度を減少変更する。しかし、住宅1全体の温度が増加する方向に向かった後に、設定温度を減少変更するため、急激な空調エネルギーの増加が発生してしまう。
【0068】
そこで、設定温度変更部115は、住宅移動判定部201により住宅1の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の帰宅準備時間前に空調機9の設定温度を減少温度だけ低く変更する。帰宅準備時間前の減少温度は、もし帰宅準備時間前に空調機9の設定温度変更を行わずに住宅1の人の増加が発生したタイミング以降で減少変更行った場合の減少温度よりも小さくて済む。つまり、住宅1全体の温度が増加する方向に向かう前に設定温度を減少変更することが可能になり、急激な空調エネルギーの増加を抑制することができる。即ち、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。
【0069】
また、例えば日本の冬季において空調機9が暖房運転されており、設定温度変更部115による帰宅準備時間前の設定温度の減少変更が行われない場合について説明する。空調機9が暖房運転されている状態で、住宅1の人の増加が発生したとする。すると、住宅1の人の増加が発生したタイミングにおいて住宅1内に人が発する熱量が増えることにより、住宅1全体の温度は増加する方向に向かう。空調機9は、住宅1全体の温度が増加する方向に向かうことを抑制するために、住宅1の人の増加が発生したタイミング以降で設定温度を減少変更する。しかし、住宅1全体の温度が増加する方向に向かった後に、設定温度を減少変更するため、空調エネルギーの減少は住宅1全体の温度が増加する方向に向かった後に発生する。
【0070】
そこで、設定温度変更部115は、住宅移動判定部201により住宅1の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の帰宅準備時間前に空調機9の設定温度を減少温度だけ低く変更する。つまり、住宅1全体の温度が増加する方向に向かう前に設定温度を減少変更することが可能になり、これにより住宅1の人の増加に伴う空調エネルギーの減少を拡大することができる。即ち、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。
【0071】
システムコントローラ10および制御部110の各機能ブロックは、ハードウェアとしては、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェアとしてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックである。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによって様々な形で実現することができる。
【0072】
上記構成において、実施の形態1に係る制御の流れを図3に示すフローチャートを用いて説明する。ここで、フローチャートではSを頭文字にして番号を割り振った。例えばS11などは処理ステップを指す。但し、処理ステップを示す数値の大小と処理順序は関係しない。
【0073】
人数取得部118は、住宅1の居住人数情報を取得する(S11)。制御部110は、経過時間をリセットする(S12)。制御部110は、経過時間を測定開始する(S13)。データ生成部113は、カウント部112によるカウント値を所定期間毎に集計して記録する(S14)。
【0074】
経過時間が24時間でなければ、データ生成部113は、データの生成を継続する(S15のNo→S14)。経過時間が24時間であれば、制御部110は運転日数を1増加する(S15のYes→S16)。運転日数の初期値は0である。つまり、制御部110は運転日数を0から1に増加する。
【0075】
制御部110は第一演算処理を行う(S17)。第一演算処理について、図4に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。図4は、第一演算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0076】
住宅移動判定部201は、データ生成部113により生成されたデータに基づいて、複数の所定期間それぞれにおいて、所定期間における全居室入室回数と当該所定期間における全居室退室回数とを算出する(S21)。住宅移動判定部201は、複数の所定期間それぞれにおいて、全居室差分値を算出する(S22)。
【0077】
住宅移動判定部201は、すべての所定期間について全居室差分値が大きい順で並べ替える(S23)。住宅移動判定部201は、人数取得部118が取得した住宅1の居住人数を取得する。住宅移動判定部201は、全居室差分値が大きい順で上位居住人数の数までに位置する所定期間すべてを住宅1の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する(S24)。
【0078】
住宅移動判定部201は、すべての所定期間について全居室差分値が小さい順で並べ替える(S25)。住宅移動判定部201は、住宅移動判定部201は、全居室差分値が小さい順で上位居住人数の数までに位置する所定期間すべてを住宅1の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する(S26)。以上、第一演算処理を終了する。
【0079】
これにより、住宅1の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握することができる。また、住宅1の人の増減がどの所定期間で多く発生しているのかを把握することができる。
【0080】
制御部110は、第一演算処理を行った後に第一空調制御内容決定処理を行う(S18)。第一空調制御内容決定処理について、図5に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。図5は、第一空調制御内容決定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0081】
設定温度変更部115は、住宅移動判定部201により住宅1の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の外出準備時間前に空調機9の設定温度を増加温度だけ高く変更することを決定する(S31)。
【0082】
設定温度変更部115は、住宅移動判定部201により住宅1の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の帰宅準備時間前に空調機9の設定温度を減少温度だけ低く変更することを決定する。(S32)。以上、第一空調制御内容決定処理を終了する。
【0083】
設定温度変更部115は、第一空調制御内容決定処理にて決定した内容に従って設定温度の変更を行う。これにより急激な空調エネルギーの増加を抑制することができる。また、空調エネルギーの減少を拡大することができる。つまり、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。また、住宅1全体での急激な温度変化を抑制することができるので、住宅1の居住者の快適性低下を抑制できる。また、居住者が手動で設定温度を変更する必要がなく、居住者の利便性を向上できる。
【0084】
制御部110は、第一空調制御内容決定処理を行った後にステップS12に戻る。制御部110は、ステップS12~ステップS18の処理を繰り返す。つまり、データ生成部113は、複数の所定期間それぞれにおけるカウント値を毎日積算し、一日毎に第一演算処理および第一空調制御内容決定処理を行う。これにより、運転日数が増加、即ち運転時間が経過するほど、住宅1の人の増減及び当該増減が発生したタイミングの判定精度を向上することができる。
【0085】
(実施の形態2)
実施の形態2は、居室2の人の増減及び当該増減が発生したタイミング判定および搬送ファン3の制御に関する。実施の形態2では実施の形態1との差異を中心に説明する。実施の形態2における空調システムのシステム概略図は実施の形態1と同じである。実施の形態2におけるシステムコントローラ10および制御部110の概略機能ブロック図は実施の形態1に比べて一部異なる。
【0086】
図6を参照して、実施の形態2に係るシステムコントローラ10の各機能について説明する。図6は実施の形態2に係るシステムコントローラ10及び周辺の概略機能ブロック図である。
【0087】
システムコントローラ10は制御部110を備える。制御部110は、入退室判定部111、カウント部112、データ生成部113、増減判定部114および送風量変更部116を備える。
【0088】
入退室判定部111、カウント部112およびデータ生成部113は、実施の形態1と同じため説明は省略する。実施の形態2においても、複数の所定期間の例として第一期間~第九十六期間を使用する。
【0089】
増減判定部114は、データ生成部113により生成されたデータに基づいて、複数の所定期間それぞれにおける住宅1および居室2の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する。実施の形態2において、増減判定部114は、居室2の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定し、居室移動判定部202を備える。
【0090】
居室移動判定部202は、データ生成部113により生成されたデータに基づいて、複数の所定期間それぞれにおける各居室2a~2dの人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する。居室移動判定部202による判定方法について詳細に説明する。
【0091】
最初に、居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて、所定期間における入室判定回数の合計である合計入室回数と当該所定期間における退室判定回数の合計である合計退室回数とにより居室差分値を算出する処理を、各居室2a~2dで行う。
【0092】
ここで、データ生成部113により生成されたデータにおいて、第一期間における居室2aの入室判定回数の合計を第一期間居室2a合計入室回数とする。同様に、第二期間~第九十六期間における居室2aの入室判定回数の合計を第二期間居室2a合計入室回数~第九十六期間居室2a合計入室回数とする。同様に、第一期間~第九十六期間における居室2bの入室判定回数の合計を第一期間居室2b合計入室回数~第九十六期間居室2b合計入室回数とする。同様に、第一期間~第九十六期間における居室2cの入室判定回数の合計を第一期間居室2c合計入室回数~第九十六期間居室2c合計入室回数とする。同様に、第一期間~第九十六期間における居室2dの入室判定回数の合計を第一期間居室2d合計入室回数~第九十六期間居室2d合計入室回数とする。
【0093】
また、データ生成部113により生成されたデータにおいて、第一期間における居室2aの退室判定回数の合計を第一期間居室2a合計退室回数とする。同様に、第二期間~第九十六期間における居室2aの退室判定回数の合計を第二期間居室2a合計退室回数~第九十六期間居室2a合計退室回数とする。同様に、第一期間~第九十六期間における居室2bの退室判定回数の合計を第一期間居室2b合計退室回数~第九十六期間居室2b合計退室回数とする。同様に、第一期間~第九十六期間における居室2cの退室判定回数の合計を第一期間居室2c合計退室回数~第九十六期間居室2c合計退室回数とする。同様に、第一期間~第九十六期間における居室2dの退室判定回数の合計を第一期間居室2d合計退室回数~第九十六期間居室2d合計退室回数とする。
【0094】
まず、居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて、居室差分値を算出する処理を居室2aで行う。居室移動判定部202は、居室2aの第一期間における居室差分値である第一期間居室2a差分値を算出する。第一期間居室2a差分値の算出式は、
第一期間居室2a差分値
=第一期間居室2a合計入室回数-第一期間居室2a合計退室回数
である。
【0095】
次に、居室移動判定部202は、居室2aの第二期間における居室差分値である第二期間居室2a差分値を算出する。第二期間居室2a差分値の算出式は、
第二期間居室2a差分値
=第二期間居室2a合計入室回数-第二期間居室2a合計退室回数
である。
【0096】
同様に、居室移動判定部202は、居室2aの第三期間~第九十六期間における居室差分値である第三期間居室2a差分値~第九十六期間居室2a差分値を算出する。
【0097】
次に、居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて、居室差分値を算出する処理を居室2bで行う。居室移動判定部202は、居室2bの第一期間における居室差分値である第一期間居室2b差分値を算出する。第一期間居室2b差分値の算出式は、
第一期間居室2b差分値
=第一期間居室2b合計入室回数-第一期間居室2b合計退室回数
である。
【0098】
次に、居室移動判定部202は、居室2bの第二期間における居室差分値である第二期間居室2b差分値を算出する。第二期間居室2b差分値の算出式は、
第二期間居室2b差分値
=第二期間居室2b合計入室回数-第二期間居室2b合計退室回数
である。
【0099】
同様に、居室移動判定部202は、居室2bの第三期間~第九十六期間における居室差分値である第三期間居室2b差分値~第九十六期間居室2b差分値を算出する。
【0100】
次に、居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて、居室差分値を算出する処理を居室2cで行う。居室移動判定部202は、居室2cの第一期間における居室差分値である第一期間居室2c差分値を算出する。第一期間居室2c差分値の算出式は、
第一期間居室2c差分値
=第一期間居室2c合計入室回数-第一期間居室2c合計退室回数
である。
【0101】
同様に、居室移動判定部202は、居室2cの第二期間~第九十六期間における居室差分値である第二期間居室2c差分値~第九十六期間居室2c差分値を算出する。
【0102】
次に、居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて、居室差分値を算出する処理を居室2dで行う。居室移動判定部202は、居室2dの第一期間における居室差分値である第一期間居室2d差分値を算出する。第一期間居室2d差分値の算出式は、
第一期間居室2d差分値
=第一期間居室2d合計入室回数-第一期間居室2d合計退室回数
である。
【0103】
同様に、居室移動判定部202は、居室2dの第二期間~第九十六期間における居室差分値である第二期間居室2d差分値~第九十六期間居室2d差分値を算出する。
【0104】
次いで、居室移動判定部202は、各居室2a~2dの居室差分値と運転日数とに基づいて、複数の所定期間それぞれにおける各居室2a~2dの人の増減及び当該増減が発生したタイミングの判定を行う。
【0105】
具体的には、まず、居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて居室差分値を運転日数により除算した除算値を算出する処理を、各居室2a~2dで行う。
【0106】
最初に、居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて居室差分値を運転日数により除算した除算値を算出する処理を、居室2aで行う。
【0107】
居室移動判定部202は、居室2aの第一期間における居室差分値である第一期間居室2a差分値を運転日数により除算した第一期間居室2a除算値を算出する。運転日数は空調システムの運転日数である。制御部110は、運転日数である空調システムの運転日数をカウントしている。
【0108】
同様に、居室移動判定部202は、居室2aの第二期間~第九十六期間における居室差分値である第二期間居室2a差分値~第九十六期間居室2a差分値を運転日数により除算した第二期間居室2a除算値~第九十六期間居室2a除算値を算出する。
【0109】
次に、居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて居室差分値を運転日数により除算した除算値を算出する処理を、居室2bで行う。居室移動判定部202は、居室2bの第一期間における居室差分値である第一期間居室2b差分値を運転日数により除算した第一期間居室2b除算値を算出する。同様に、居室移動判定部202は、居室2bの第二期間~第九十六期間における居室差分値である第二期間居室2b差分値~第九十六期間居室2b差分値を運転日数により除算した第二期間居室2b除算値~第九十六期間居室2b除算値を算出する。
【0110】
次に、居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて居室差分値を運転日数により除算した除算値を算出する処理を、居室2cで行う。居室移動判定部202は、居室2cの第一期間における居室差分値である第一期間居室2c差分値を運転日数により除算した第一期間居室2c除算値を算出する。同様に、居室移動判定部202は、居室2cの第二期間~第九十六期間における居室差分値である第二期間居室2c差分値~第九十六期間居室2c差分値を運転日数により除算した第二期間居室2c除算値~第九十六期間居室2c除算値を算出する。
【0111】
次に、居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて居室差分値を運転日数により除算した除算値を算出する処理を、居室2dで行う。居室移動判定部202は、居室2dの第一期間における居室差分値である第一期間居室2d差分値を運転日数により除算した第一期間居室2d除算値を算出する。同様に、居室移動判定部202は、居室2dの第二期間~第九十六期間における居室差分値である第二期間居室2d差分値~第九十六期間居室2d差分値を運転日数により除算した第二期間居室2d除算値~第九十六期間居室2d除算値を算出する。
【0112】
次いで、居室移動判定部202は、除算値がゼロよりも大きい入室判定閾値以上となる所定期間を居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する入室判定処理を、各居室2a~2dで行う。入室判定閾値は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0113】
入室判定処理について詳細に説明する。具体的には、居室移動判定部202は、第一期間居室2a除算値が入室判定閾値以上であれば、第一期間を居室2aの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。居室移動判定部202は、第二期間居室2a除算値が入室判定閾値以上であれば、第二期間を居室2aの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。同様に、居室移動判定部202は、第三期間居室2a除算値~第九十六期間居室2a除算値のなかで入室判定閾値以上の除算値があれば、入室判定閾値以上の除算値に対応する所定期間を居室2aの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。
【0114】
次に、居室移動判定部202は、第一期間居室2b除算値が入室判定閾値以上であれば、第一期間を居室2bの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。同様に、居室移動判定部202は、第二期間居室2b除算値~第九十六期間居室2b除算値のなかで入室判定閾値以上の除算値があれば、入室判定閾値以上の除算値に対応する所定期間を居室2bの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。
【0115】
次に、居室移動判定部202は、第一期間居室2c除算値が入室判定閾値以上であれば、第一期間を居室2cの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。同様に、居室移動判定部202は、第二期間居室2c除算値~第九十六期間居室2c除算値のなかで入室判定閾値以上の除算値があれば、入室判定閾値以上の除算値に対応する所定期間を居室2cの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。
【0116】
次に、居室移動判定部202は、第一期間居室2d除算値が入室判定閾値以上であれば、第一期間を居室2dの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。同様に、居室移動判定部202は、第二期間居室2d除算値~第九十六期間居室2d除算値のなかで入室判定閾値以上の除算値があれば、入室判定閾値以上の除算値に対応する所定期間を居室2dの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。以上が入室判定処理である。
【0117】
ここで、所定期間における居室2への入室判定回数が当該所定期間における居室2からの退室判定回数よりも多ければ、除算値はゼロよりも大きくなる。また、所定期間における居室2への入室判定回数が多いほど、除算値は大きくなる。また、所定期間における居室2からの退室判定回数が少ないほど、除算値は大きくなる。そこで、居室移動判定部202は、除算値がゼロよりも大きい入室判定閾値以上である所定期間を、居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する。居室2の人の増加とは人が居室2に入室したことであり、増加が発生したタイミングとは人が居室2に入室したタイミングのことである。
【0118】
次いで、居室移動判定部202は、除算値がゼロよりも小さい退室判定閾値以下となる所定期間を居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する退室判定処理を、各居室2a~2dで行う。退室判定閾値は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0119】
退室判定処理について詳細に説明する。具体的には、居室移動判定部202は、第一期間居室2a除算値が退室判定閾値以下であれば、第一期間を居室2aの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。居室移動判定部202は、第二期間居室2a除算値が退室判定閾値以下であれば、第二期間を居室2aの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。同様に、居室移動判定部202は、第三期間居室2a除算値~第九十六期間居室2a除算値のなかで退室判定閾値以下の除算値があれば、退室判定閾値以下の除算値に対応する所定期間を居室2aの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。
【0120】
次に、居室移動判定部202は、第一期間居室2b除算値が退室判定閾値以下であれば、第一期間を居室2bの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。同様に、居室移動判定部202は、第二期間居室2b除算値~第九十六期間居室2b除算値のなかで退室判定閾値以下の除算値があれば、退室判定閾値以下の除算値に対応する所定期間を居室2bの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。
【0121】
次に、居室移動判定部202は、第一期間居室2c除算値が退室判定閾値以下であれば、第一期間を居室2cの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。同様に、居室移動判定部202は、第二期間居室2c除算値~第九十六期間居室2c除算値のなかで退室判定閾値以下の除算値があれば、退室判定閾値以下の除算値に対応する所定期間を居室2cの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。
【0122】
次に、居室移動判定部202は、第一期間居室2d除算値が退室判定閾値以下であれば、第一期間を居室2dの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。同様に、居室移動判定部202は、第二期間居室2d除算値~第九十六期間居室2d除算値のなかで退室判定閾値以下の除算値があれば、退室判定閾値以下の除算値に対応する所定期間を居室2dの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。以上が退室判定処理である
ここで、所定期間における居室2からの退室判定回数が当該所定期間における居室2への入室判定回数よりも多ければ、除算値はゼロよりも小さくなる。また、所定期間における居室2からの退室判定回数が多いほど、除算値は小さくなる。また、所定期間における居室2への入室判定回数が少ないほど、除算値は小さくなる。そこで、居室移動判定部202は、除算値がゼロよりも小さく退室判定閾値以下である所定期間を、居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する。居室2の人の減少とは人が居室2から退室したことであり、減少が発生したタイミングとは人が居室2から退室したタイミングのことである。
【0123】
送風量変更部116は、居室移動判定部202(増減判定部114)の判定結果に基づいて、搬送ファン3の送風量を変更する。
【0124】
具体的には、送風量変更部116は、空調機9が冷房運転の場合、居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2に空気を搬送する搬送ファン3の送風量を大きくする。入室準備時間は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0125】
本実施の形態では、送風量変更部116は、空調機9が冷房運転の場合、居室2の人の増加に伴う急激な搬送ファンエネルギーの増加を抑制するために、居室2aの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2aの人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2aに空気を搬送する搬送ファン3aの送風量を大きくする。
【0126】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が冷房運転の場合、居室2bの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2bの人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2bに空気を搬送する搬送ファン3bの送風量を大きくする。
【0127】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が冷房運転の場合、居室2cの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2cの人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2cに空気を搬送する搬送ファン3cの送風量を大きくする。
【0128】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が冷房運転の場合、居室2dの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2dの人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2dに空気を搬送する搬送ファン3dの送風量を大きくする。
【0129】
ここで、例えば日本の夏季において空調機9が冷房運転されており、送風量変更部116による入室準備時間前の送風量の増加変更が行われない場合について説明する。空調機9が冷房運転されている状態で、居室2への人の入室が発生したとする。すると、居室2の人の増加が発生したタイミングにおいて居室2内に人が発する熱量が加わることにより、居室2の温度は増加する方向に向かう。搬送ファン3は、居室2の温度が増加する方向に向かうことを抑制するために、居室2の人の増加が発生したタイミング以降で搬送ファン3の送風量を増加変更する。しかし、居室2の温度が増加する方向に向かった後に、送風量を増加変更するため、急激な搬送ファンエネルギーの増加が発生してしまう。
【0130】
そこで、送風量変更部116は、居室移動判定部202により居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に搬送ファン3の送風量を大きくする。入室準備時間前に行う搬送ファン3の送風量の増加量は、もし入室準備時間前に送風量の増加変更を行わずに居室2の人の増加が発生したタイミング以降で送風量の増加変更を行った場合の増加量よりも小さくて済む。つまり、居室2の温度が増加する方向に向かう前に送風量を増加変更することが可能になり、急激な搬送ファンエネルギーの増加を抑制することができる。即ち、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。
【0131】
また、送風量変更部116は、居室2の人の減少に伴う搬送ファンエネルギーの減少を拡大するために、空調機9が冷房運転の場合、居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2に空気を搬送する搬送ファン3の送風量を小さくする。退室準備時間は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0132】
本実施の形態では、送風量変更部116は、空調機9が冷房運転の場合、居室2aの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2aの人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2aに空気を搬送する搬送ファン3aの送風量を小さくする。
【0133】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が冷房運転の場合、居室2bの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2bの人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2bに空気を搬送する搬送ファン3bの送風量を小さくする。
【0134】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が冷房運転の場合、居室2cの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2cの人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2cに空気を搬送する搬送ファン3cの送風量を小さくする。
【0135】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が冷房運転の場合、居室2dの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2dの人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2dに空気を搬送する搬送ファン3dの送風量を小さくする。
【0136】
ここで、例えば日本の夏季において空調機9が冷房運転されており、送風量変更部116による退室準備時間前の送風量の減少変更が行われない場合について説明する。空調機9が冷房運転されている状態で、居室2からの人の退室が発生したとする。すると、居室2の人の減少が発生したタイミングにおいて居室2内に人が発する熱量が減ることにより、居室2の温度は減少する方向に向かう。搬送ファン3は、居室2の温度が減少する方向に向かうことを抑制するために、居室2の人の減少が発生したタイミング以降で搬送ファン3の送風量を減少変更する。しかし、居室2の温度が減少する方向に向かった後に送風量を減少変更するため、搬送ファンエネルギーの減少は居室2の温度が減少する方向に向かった後に発生する。
【0137】
そこで、送風量変更部116は、居室移動判定部202により居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に搬送ファン3の送風量を小さくする。つまり、居室2の温度が減少する方向に向かう前に送風量を減少変更することが可能となり、これにより居室2の人の減少に伴う搬送ファンエネルギーの減少を拡大することができる。即ち、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。
【0138】
また、送風量変更部116は、空調機9が暖房運転の場合、居室2の人の減少に伴う搬送ファンエネルギーの減少を拡大するために、居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2に空気を搬送する搬送ファン3の送風量を小さくする。入室準備時間は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0139】
本実施の形態では、送風量変更部116は、空調機9が暖房運転の場合、居室2aの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2aの人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2aに空気を搬送する搬送ファン3aの送風量を小さくする。
【0140】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が暖房運転の場合、居室2bの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2bの人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2bに空気を搬送する搬送ファン3bの送風量を小さくする。
【0141】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が暖房運転の場合、居室2cの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2cの人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2cに空気を搬送する搬送ファン3cの送風量を小さくする。
【0142】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が暖房運転の場合、居室2dの人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2dの人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2dに空気を搬送する搬送ファン3dの送風量を小さくする。
【0143】
ここで、例えば日本の冬季において空調機9が暖房運転されており、送風量変更部116による入室準備時間前の送風量の減少変更が行われない場合について説明する。空調機9が暖房運転されている状態で、居室2への人の入室が発生したとする。すると、居室2の人の増加が発生したタイミングにおいて居室2内に人が発する熱量が加わることにより、居室2の温度は増加する方向に向かう。搬送ファン3は、居室2の温度が増加する方向に向かうことを抑制するために、居室2の人の増加が発生したタイミング以降で搬送ファン3の送風量を減少変更する。しかし、居室2の温度が増加する方向に向かった後に送風量を減少変更するため、搬送ファンエネルギーの減少は居室2の温度が増加する方向に向かった後に発生する。
【0144】
そこで、送風量変更部116は、居室移動判定部202により居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に搬送ファン3の送風量を小さくする。つまり、居室2の温度が増加する方向に向かう前に送風量を減少変更することが可能となり、これにより居室2の人の増加に伴う搬送ファンエネルギーの減少を拡大することができる。即ち、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。
【0145】
また、送風量変更部116は、空調機9が暖房運転の場合、居室2の人の減少に伴う急激な搬送ファンエネルギーの増加を抑制するために、居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2に空気を搬送する搬送ファン3の送風量を大きくする。退室準備時間は、実験またはシミュレーションにより適宜定めることができる。
【0146】
本実施の形態では、送風量変更部116は、空調機9が暖房運転の場合、居室2aの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2aの人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2aに空気を搬送する搬送ファン3aの送風量を大きくする。
【0147】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が暖房運転の場合、居室2bの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2bの人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2bに空気を搬送する搬送ファン3bの送風量を大きくする。
【0148】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が暖房運転の場合、居室2cの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2cの人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2cに空気を搬送する搬送ファン3cの送風量を大きくする。
【0149】
同様に、送風量変更部116は、空調機9が暖房運転の場合、居室2dの人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2dの人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2dに空気を搬送する搬送ファン3dの送風量を大きくする。
【0150】
ここで、例えば日本の冬季において空調機9が暖房運転されており、送風量変更部116による退室準備時間前の送風量の増加変更が行われない場合について説明する。空調機9が暖房運転されている状態で、居室2からの人の退室が発生したとする。すると、居室2の人の減少が発生したタイミングにおいて居室2内に人が発する熱量が減ることにより、居室2の温度は減少する方向に向かう。搬送ファン3は、居室2の温度が減少する方向に向かうことを抑制するために、居室2の人の減少が発生したタイミング以降で搬送ファン3の送風量を増加変更する。しかし、居室2の温度が減少する方向に向かった後に、送風量を増加変更するため、急激な搬送ファンエネルギーの増加が発生してしまう。
【0151】
そこで、送風量変更部116は、居室移動判定部202により居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に搬送ファン3の送風量を大きくする。退室準備時間前に行う搬送ファン3の送風量の増加量は、もし退室準備時間前に送風量の増加変更を行わずに居室2の人の減少が発生したタイミング以降で送風量の増加変更を行った場合の増加量よりも小さくて済む。つまり、居室2の温度が減少する方向に向かう前に送風量を増加変更することが可能になり、急激な搬送ファンエネルギーの増加を抑制することができる。即ち、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。
【0152】
上記構成において、実施の形態2に係る制御の流れを図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0153】
制御部110は、経過時間をリセットする(S41)。制御部110は、経過時間を測定開始する(S42)。データ生成部113は、カウント部112によるカウント値を所定期間毎に集計して記録する(S43)。
【0154】
経過時間が24時間でなければ、データ生成部113は、データの生成を継続する(S44のNo→S43)。経過時間が24時間であれば、制御部110は運転日数を1増加する(S44のYes→S45)。運転日数の初期値は0である。つまり、制御部110は運転日数を0から1に増加する。
【0155】
制御部110は第二演算処理を行う(S46)。第二演算処理について、図8に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。図8は、第二演算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0156】
居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて、所定期間における入室判定回数の合計である合計入室回数と当該所定期間における退室判定回数の合計である合計退室回数とにより居室差分値を算出する処理を、各居室2a~2dで行う(S51)。
【0157】
居室移動判定部202は、複数の所定期間それぞれにおいて居室差分値を運転日数により除算した除算値を算出する処理を、各居室2a~2dで行う(S52)。居室移動判定部202は、除算値が入室判定閾値以上となる所定期間を居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する入室判定処理を、各居室2a~2dで行う(S53)。居室移動判定部202は、除算値が退室判定閾値以下となる所定期間を居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する退室判定処理を、各居室2a~2dで行う(S54)。以上、第二演算処理を終了する。
【0158】
これにより、各居室2a~2dの人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握することができる。また、各居室2a~2dの人の増減がどの所定期間で多く発生しているのかを把握することができる。
【0159】
制御部110は、第二演算処理を行った後に第二空調制御内容決定処理を行う(S47)。第二空調制御内容決定処理について、図9に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。図9は、第二空調制御内容決定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0160】
制御部110は、空調機9が冷房運転か否か確認する(S61)。空調機9が冷房運転であれば、送風量変更部116は、冷房搬送ファン決定処理を行う(S61のYes→S62)。冷房搬送ファン決定処理として、送風量変更部116は以下を行う。送風量変更部116は、居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2に空気を搬送する搬送ファン3の送風量を大きくすることを決定する。さらに、送風量変更部116は、居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2に空気を搬送する搬送ファン3の送風量を小さくすることを決定する。
【0161】
空調機9が冷房運転でなければ、制御部110は空調機9が暖房運転であると判断し、送風量変更部116は暖房搬送ファン決定処理を行う(S61のNo→S63)。暖房搬送ファン決定処理として、送風量変更部116は、以下を行う。送風量変更部116は、居室2の人の減少による搬送ファンエネルギーの減少を拡大するために、居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室2の人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2に空気を搬送する搬送ファン3の送風量を小さくすることを決定する。さらに、送風量変更部116は、居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室2の人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室2に空気を搬送する搬送ファン3の送風量を大きくすることを決定する。以上、第二空調制御内容決定処理を終了する。
【0162】
送風量変更部116は、第二空調制御内容決定処理にて決定した内容に従って送風量の変更を行う。これにより急激な搬送ファンエネルギーの増加を抑制することができる。また、搬送ファンエネルギーの減少を拡大することができる。つまり、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。また、居室2での急激な温度変化を抑制することができるので、居室2に存在する居住者の快適性低下を抑制できる。また、居住者が手動で送風量を変更する必要がなく、居住者の利便性が向上する。
【0163】
制御部110は、第二空調制御内容決定処理を行った後にステップS41に戻る。制御部110は、ステップS41~ステップS47の処理を繰り返す。つまり、データ生成部113は、複数の所定期間それぞれにおけるカウント値を毎日積算し、一日毎に第二演算処理および第二空調制御内容決定処理を行う。これにより、運転日数が増加、即ち運転時間が経過するほど、居室2の人の増減及び当該増減が発生したタイミングの判定精度を向上することができる。
【0164】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0165】
例えば、システムコントローラ10の制御内容として実施の形態1と実施の形態2をそれぞれ独立して記載しているが、システムコントローラ10は、実施の形態1および実施の形態2の二つの制御内容を組み合わせた制御を行ってもよい。これにより、さらなる空調システムの省エネルギー化を行うことができる。また、居住者の快適性低下をさらに抑制できる。また、居住者の利便性をさらに向上できる。
【0166】
また、記憶部が記憶する居住人数情報として、複数の所定期間の数を所定の割合で乗算させた値をあらかじめ設定しておいてもよい。所定の割合を5%として本実施の形態で説明すると、
居住人数情報
=複数の所定期間の数×所定の割合
=96×0.05
=4.8
となる。
例えば、これを四捨五入等して居住人数情報=5とあらかじめ設定しておく。人数情報取得部118は、記憶部より居住人数情報として5を取得する。
【0167】
また、本実施の形態では、搬送ファン3は居室2の数に対応して設けられているが、居室2の数より少なくても良い。例えば、一つ目の搬送ファン3が居室2aと居室2b両方に空気を搬送し、二つ目の搬送ファンが居室2cと居室2d両方に空気を搬送してもよい。この場合、居室2a差分値と居室2b差分値とを合算した値を、居室2ab差分値とし、居室移動判定部202は、居室2ab差分値と運転日数とに基づいて、居室2aおよび居室2bの人の増減及び当該増減が発生したタイミングの判定を行う。送風量変更部116は、居室2aおよび居室2bの人の増減及び当該増減が発生したタイミングに基づいて、一つ目の搬送ファン3の送風量を変更する。同様に、居室2c差分値と居室2d差分値とを合算した値を、居室2cd差分値とし、居室移動判定部202は、居室2cd差分値と運転日数とに基づいて、居室2cおよび居室2dの人の増減及び当該増減が発生したタイミングの判定を行う。送風量変更部116は、居室2cおよび居室2dの人の増減及び当該増減が発生したタイミングに基づいて、二つ目の搬送ファン3の送風量を変更する。これにより、構成を簡易化できる。
【0168】
また、空調機9の設定温度を変更する設定温度変更部115の代わりに、空調機9の風量を変更する設定風量変更部を備えてもよい。設定風量変更部は、暖房運転の際には、設定温度を高くする代わりに風量を大きくし、設定温度を低くする代わりに風量を小さくする。また、設定風量変更部は、冷房運転の際には、設定温度を高くする代わりに風量を小さくし、設定温度を低くする代わりに風量を大きくする。これにより、空調機9の風量を用いた制御も可能となる。
【0169】
(発明の概要)
本発明に係る空調システムは、住宅内の空調室に設けられ空調室の空気を空調する空調機と、空調室の空気を空調室とは独立した複数の居室に搬送する複数の搬送ファンと、空調機と搬送ファンとを制御するシステムコントローラと、を備え、システムコントローラは、各居室における入室および退室を判定する入退室判定部と、入退室判定部により判定された入室判定回数および退室判定回数をカウントするカウント部と、カウント部によるカウント値を所定期間毎に集計して記録するデータ生成部と、データ生成部により生成されたデータに基づいて、複数の前記所定期間それぞれにおける住宅および居室の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する増減判定部と、を備える。これにより、空調システムの省エネルギー化等を促進するための住宅および居室の少なくとも一方の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握することができる。
【0170】
また、所定期間とは、一日を複数に分割した際の一つの期間であってもよい。これにより、一日を複数に分割したどのタイミングで住宅および居室の少なくとも一方の人の増減が発生したのかを把握することができる。
【0171】
また、複数の居室それぞれの室内温度を取得して前記システムコントローラに送信する居室温度センサと、複数の居室それぞれの出入口における人の動きを検出してシステムコントローラに送信する居室人感センサと、を備え、入退室判定部は、居室人感センサにより人の動きが検出され、検出後の所定時間内に検出された居室に対応する室内温度が入室閾値以上増加した場合、検出された居室に対して入室判定を行い、居室人感センサにより人の動きが検出され、検出後の所定時間内に検出された居室に対応する室内温度が退室閾値以上減少した場合、検出された居室に対して退室判定を行ってもよい。これにより、居住者の居室への入室を把握することができる。また、居住者の居室からの退室を把握することができる
また、増減判定部は住宅の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定し、増減判定部は、データ生成部により生成された前記データに基づいて、複数の所定期間それぞれにおける住宅の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する住宅移動判定部を備えてもよい。これにより、住宅の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握することができる。
【0172】
また、住宅の居住人数情報を取得する人数取得部を備え、住宅移動判定部は、複数の所定期間それぞれにおいて、所定期間における全居室の入室判定回数の合計である全居室入室回数と当該所定期間における全居室の退室判定回数の合計である全居室退室回数とにより全居室差分値を算出し、複数の所定期間を全居室差分値が大きい順で上位前記居住人数の数までに位置する所定期間すべてを住宅の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定し、複数の所定期間を全居室差分値が小さい順で上位前記居住人数の数までに位置する所定期間すべてを住宅の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定してもよい。これにより、住宅の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握することができる。また、どの所定期間に住宅の人の増減が多く発生しているのかを把握することができる。
【0173】
また、増減判定部は住宅の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定し、増減判定部の判定結果に基づいて、空調機の設定温度を変更する設定温度変更部を備えてもよい。これにより、住宅の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握し、住宅の人の増減に対応した空調機の設定温度にすることができる。
【0174】
また、省エネルギー化のために、設定温度変更部は、増減判定部により住宅の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の外出準備時間前に空調機の設定温度を増加温度だけ高く変更し、増減判定部により住宅の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の帰宅準備時間前に空調機の設定温度を減少温度だけ低く変更してもよい。これにより急激な空調エネルギーの増加を抑制することができる。即ち、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。また、住宅での急激な温度変化を抑制することができるので、住宅の居住者の快適性低下を抑制できる。また、居住者が手動で設定温度を変更する必要がなく、居住者の利便性を向上できる。
【0175】
また、増減判定部は居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定し、増減判定部は、データ生成部により生成された前記データに基づいて、複数の所定期間それぞれにおける各居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定する居室移動判定部を備えてもよい。これにより、居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握することができる。
【0176】
また、居室移動判定部は、複数の所定期間それぞれにおいて、所定期間における入室判定回数の合計である合計入室回数と当該所定期間における退室判定回数の合計である合計退室回数とにより居室差分値を算出する処理を、各居室で行い、各居室の居室差分値と運転日数とに基づいて、複数の所定期間それぞれにおける各居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングの判定を行ってもよい。これにより、居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握することができる。
【0177】
また、居室移動判定部は、複数の所定期間それぞれにおいて居室差分値を運転日数により除算した除算値を算出する処理を、各居室で行い、除算値がゼロよりも大きい入室判定閾値以上となる所定期間を居室の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定する入室判定処理を、各居室で行い、除算値がゼロよりも小さい退室判定閾値以下となる所定期間を居室の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定する退室判定処理を、各居室で行う。これにより、居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握することができる。また、どの所定期間に居室の人の増減が多く発生しているのかを把握することができる。
【0178】
また、増減判定部は居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを判定し、増減判定部の判定結果に基づいて、搬送ファンの送風量を変更する送風量変更部を備えてもよい。これにより、居室の人の増減及び当該増減が発生したタイミングを把握し、居室の人の増減に対応した搬送ファンの送風量にすることができる。
【0179】
また、送風量変更部は、空調機が冷房運転の場合、居室の人の増加に伴う急激な搬送ファンエネルギーの増加を抑制するために、居室の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室の人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室に空気を搬送する搬送ファンの送風量を大きくし、居室の人の減少に伴う搬送ファンエネルギーの減少を拡大するために、居室の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室の人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室に空気を搬送する搬送ファンの送風量を小さくし、空調機が暖房運転の場合、居室の人の増加に伴う搬送ファンエネルギーの減少を拡大するために、居室の人の増加及び当該増加が発生したタイミングと判定された所定期間の入室準備時間前に、居室の人の増加及び当該増加が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室に空気を搬送する搬送ファンの送風量を小さくし、居室の人の減少に伴う急激な搬送ファンエネルギーの増加を抑制するために、居室の人の減少及び当該減少が発生したタイミングと判定された所定期間の退室準備時間前に、居室の人の減少及び当該減少が発生したタイミングとの判定結果に対応する居室に空気を搬送する搬送ファンの送風量を大きくしてもよい。これにより、急激な搬送ファンエネルギーの増加を抑制することができる。また、搬送ファンエネルギーの減少を拡大することができる。つまり、空調システムの省エネルギー化を行うことができる。また、居室での急激な温度変化を抑制することができるので、居室に存在する居住者の快適性低下を抑制できる。また、居住者が手動で送風量を変更する必要がなく、居住者の利便性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本発明は、空調機および搬送ファンを備える空調システム等として有用である。
【符号の説明】
【0181】
1 住宅
2、2a、2b、2c、2d 居室
3、3a、3b、3c、3d 搬送ファン
7、7a、7b、7c、7d 吹出口
9 空調機
10 システムコントローラ
11、11a、11b、11c、11d 居室温度センサ
12、12a、12b、12c、12d 居室人感センサ
14 空調室温度センサ
18 空調室
56、56a、56b、56c、56d 搬送ダクト
110 制御部
111 入退室判定部
112 カウント部
113 データ生成部
114 増減判定部
115 設定温度変更部
116 送風量変更部
118 人数取得部
201 住宅移動判定部
202 居室移動判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9