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特開2023-144218住宅評価装置、住宅評価方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144218
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】住宅評価装置、住宅評価方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20231003BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051089
(22)【出願日】2022-03-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】荒居 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】長尾 一輝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC28
(57)【要約】
【課題】従来の住宅評価装置においては、適切な住宅の評価が困難であった。
【解決手段】一の住宅の住宅内または一の住宅の周辺環境に存在する2以上の各センサにより取得された時系列の2以上のセンサ値が、センサ毎に格納されるセンサ値格納部111と、2以上の各センサの時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の評価値を取得する評価部132と、評価値を出力する評価出力部142とを具備する住宅評価装置1により、時系列の2以上のセンサ値を用いて、適切な住宅の評価ができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の住宅の住宅内または一の住宅の周辺環境に存在する2以上の各センサにより取得された時系列の2以上のセンサ値が、センサ毎に格納されるセンサ値格納部と、
前記2以上の各センサの時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の評価値を取得する評価部と、
前記評価値を出力する評価出力部とを具備する住宅評価装置。
【請求項2】
2以上の各センサから設置場所識別子に対応付けられたセンサ値を受信するセンサ値受信部をさらに具備し、
前記センサ値格納部の前記2以上のセンサ値は、前記センサ値受信部が受信したセンサ値であり、
前記評価部は、
前記設置場所識別子を用いて、2以上の各場所ごとに、評価値を取得する請求項1記載の住宅評価装置。
【請求項3】
前記センサ値は、センサの種類を識別するセンサ種類識別子に対応付いており、
前記評価部は、
2以上の各センサ種類識別子に対応する2以上のセンサ値を用いて、前記評価値を取得する請求項1または請求項2記載の住宅評価装置。
【請求項4】
前記評価部は、
2以上の各観点ごとに、1以上のセンサ値を用いて、サブ評価値を取得し、
前記評価出力部は、
前記2以上の各観点ごとに、前記サブ評価値を出力する請求項1から請求項3いずれか一項に記載の住宅評価装置。
【請求項5】
前記2以上の各観点ごとに、評価可能な条件が格納されており、
前記2以上の各観点ごとに、前記時系列の2以上のセンサ値が前記条件を満たすか否か判断する判断部と、
前記判断部における判断結果を出力する判断結果出力部とをさらに具備する請求項4記載の住宅評価装置。
【請求項6】
前記評価部は、
1以上の前記サブ評価値を用いて総合評価値を取得し、かつサブ評価値の数が多いほど、少ない場合と比較して、高い総合評価値を取得する請求項5記載の住宅評価装置。
【請求項7】
前記評価部は、
前記時系列の2以上の各センサ値が劣悪条件を満たす期間に関する期間情報を取得し、当該期間情報が長い期間を示す情報であるほど、低い評価値を取得する請求項1から請求項6いずれか一項に記載の住宅評価装置。
【請求項8】
一の住宅の住宅内または一の住宅の周辺環境に存在する2以上の各センサにより取得された時系列の2以上のセンサ値が、センサ毎に格納されるセンサ値格納部と、評価部と、評価出力部とにより実現される住宅評価方法であって、
前記評価部が、前記2以上の各センサの時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の評価値を取得する評価ステップと、
前記評価出力部が、前記評価値を出力する評価出力ステップとを具備する住宅評価方法。
【請求項9】
一の住宅の住宅内または一の住宅の周辺環境に存在する2以上の各センサにより取得された時系列の2以上のセンサ値が、センサ毎に格納されるセンサ値格納部にアクセス可能なコンピュータを、
前記2以上の各センサの時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の評価値を取得する評価部と、
前記評価値を出力する評価出力部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の評価値を取得し、出力する住宅評価装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅の間取りに関する情報から所定の注目点間の移動経路に関する情報を取得する第1取得部と、ユーザの属性に関する情報を取得する第2取得部と、移動経路及びユーザの属性に関する情報に基づいて住宅を評価する評価部とを備え、住宅を評価できる情報処理装置があった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6969830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、住宅の使い易さの観点での評価が行えるのみで、住宅のより適切な評価が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の住宅評価装置は、一の住宅の住宅内または一の住宅の周辺環境に存在する2以上の各センサにより取得された時系列の2以上のセンサ値が、センサ毎に格納されるセンサ値格納部と、2以上の各センサの時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の評価値を取得する評価部と、評価値を出力する評価出力部とを具備する住宅評価装置である。
【0006】
かかる構成により、時系列の2以上のセンサ値を用いて、適切な住宅の評価ができる
【0007】
また、本第二の発明の住宅評価装置は、第一の発明に対して、2以上の各センサから設置場所識別子に対応付けられたセンサ値を受信するセンサ値受信部をさらに具備し、センサ値格納部の2以上のセンサ値は、センサ値受信部が受信したセンサ値であり、評価部は、設置場所識別子を用いて、2以上の各場所ごとに、評価値を取得する住宅評価装置である。
【0008】
かかる構成により、時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の場所ごとに評価ができる。
【0009】
また、本第三の発明の住宅評価装置は、第一または第二の発明に対して、センサ値は、センサの種類を識別するセンサ種類識別子に対応付いており、評価部は、2以上の各センサ種類識別子に対応する2以上のセンサ値を用いて、評価値を取得する住宅評価装置である。
【0010】
かかる構成により、時系列の2以上のセンサ値を用いて、適切な住宅の評価ができる。
【0011】
また、本第四の発明の住宅評価装置は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、評価部は、2以上の各観点ごとに、1以上のセンサ値を用いて、サブ評価値を取得し、評価出力部は、2以上の各観点ごとに、サブ評価値を出力する住宅評価装置である。
【0012】
かかる構成により、時系列の2以上のセンサ値を用いて、2以上の観点ごとの適切な住宅の評価ができる。
【0013】
また、本第五の発明の住宅評価装置は、第四の発明に対して、2以上の各観点ごとに、評価可能な条件が格納されており、2以上の各観点ごとに、時系列の2以上のセンサ値が条件を満たすか否か判断する判断部と、判断部における判断結果を出力する判断結果出力部とをさらに具備する住宅評価装置である。
【0014】
かかる構成により、時系列の2以上のセンサ値を用いて、2以上の観点ごとのより適切な住宅の評価ができる。
【0015】
また、本第六の発明の住宅評価装置は、第五の発明に対して、評価部は、1以上のサブ評価値を用いて総合評価値を取得し、かつサブ評価値の数が多いほど、少ない場合と比較して、高い総合評価値を取得する住宅評価装置である。
【0016】
かかる構成により、時系列の2以上のセンサ値を用いて、2以上の観点ごとのより適切な住宅の評価ができる。
【0017】
また、本第七の発明の住宅評価装置は、第一から第六いずれか1つの発明に対して、評価部は、時系列の2以上の各センサ値が劣悪条件を満たす期間に関する期間情報を取得し、期間情報が長い期間を示す情報であるほど、低い評価値を取得する住宅評価装置である。
【0018】
かかる構成により、時系列の2以上のセンサ値を用いて、適切な住宅の評価ができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による住宅評価装置によれば、時系列の2以上のセンサ値を用いて、適切な住宅の評価ができる
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施の形態1における住宅評価システムAの概念図
図2】同住宅評価システムAのブロック図
図3】同住宅評価装置1の動作例について説明するフローチャート
図4】同評価処理の例について説明するフローチャート
図5】同センサ情報管理表を示す図
図6】同劣悪条件管理表を示す図
図7】同評価元情報管理表を示す図
図8】同出力例を示す図
図9】同コンピュータシステムの概観図
図10】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、住宅評価装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0022】
(実施の形態1)
本実施の形態において、時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の評価値を取得し、出力する住宅評価装置について説明する。
【0023】
また、本実施の形態において、2以上の観点に対して、住宅の評価を行う住宅評価装置について説明する。
【0024】
さらに、本実施の形態において、2以上の各観点の評価のうち、取得するセンサ値に応じて、評価可能であるか否かを判断し、当該判断結果を出力する住宅評価装置について説明する。
【0025】
なお、本明細書において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0026】
図1は、本実施の形態における住宅評価システムAの概念図である。住宅評価システムAは、住宅評価装置1、および1または2以上のセンサ2を備える。
【0027】
住宅評価装置1は、時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の評価値を取得する装置である。住宅評価装置1は、例えば、いわゆるサーバであり、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバ等である。また、住宅評価装置1は、例えば、いわゆるパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等である。ただし、住宅評価装置1の種類は問わない。
【0028】
センサ2は、住宅の評価のために使用するセンサ値を取得する装置である。センサ2は、センサ値の元になる情報を取得する装置でも良い。センサ2は、例えば、カメラ、温度センサ、湿度センサ、水センサ(水感知センサと言っても良い)、光センサ、煙センサ、窓の開閉センサである。ただし、センサ2の種類は問わない。センサ値は、例えば、カメラが取得する画像、カメラが取得する画像から取得される情報(例えば、壁の亀裂の有無、壁の亀裂の大きさ)、温度、湿度、水が検知されたことを示す情報、水が検知されたか否かを示す情報、光度、煙を検知したことを示す情報、煙が検知されたか否かを示す情報、窓が開閉されたことを示す情報、窓が開閉されたか否かを示す情報である。
【0029】
住宅評価装置1と1以上の各センサ2とは、インターネット、LAN、電話回線網等により、通信可能であることは好適である。
【0030】
図2は、本実施の形態における住宅評価システムAのブロック図である。住宅評価システムAを構成する住宅評価装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。格納部11は、センサ値格納部111、および条件格納部112を備える。受付部12は、センサ値受信部121、およびセンサ値受付部122を備える。処理部13は、判断部131、および評価部132を備える。出力部14は、判断結果出力部141、および評価出力部142を備える。
【0031】
住宅評価装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、センサ値、後述する条件、学習器である。
【0032】
学習器とは、評価部132が機械学習のアルゴリズムにより、予測処理を行い、評価値を取得する際に使用される情報である。学習器は、例えば、後述するように評価部132が構成する。学習器は、学習モデル、予測器、予測モデル、単にモデルと言っても良い。
【0033】
センサ値格納部111には、1または2以上の各センサ毎に、時系列の2以上のセンサ値が格納される。
【0034】
センサ値とは、センサ2により取得された情報である。センサ値は、センサ2により取得された情報に基づいて取得された情報を含むと考えても良い。なお、センサ2は、一の住宅の住宅内または一の住宅の周辺環境に存在する。
【0035】
時系列の2以上のセンサ値とは、各々、異なる時に対応するセンサ値である。なお、センサ値の時は、センサによりセンサ値が取得された時でも、センサ値が受信された時でも、センサ値が入力された時でも良い。時は、時刻でも、日でも、月等でも良い。
【0036】
センサ値格納部111の2以上の各センサ値は、例えば、住宅識別子、センサ識別子、センサ種類識別子、時情報に対応付いている。
【0037】
住宅識別子とは、住宅を識別する情報である。住宅識別子は、例えば、住宅のID、住宅の所有者のID、住宅の所有者名である。
【0038】
センサ識別子とは、一のセンサ2を識別する情報である。センサ識別子は、例えば、センサのID、設置場所識別子とセンサ種類識別子との組である。
【0039】
設置場所識別子とは、センサ2の設置場所を識別する情報である。設置場所識別子は、例えば、設置場所のID、設置場所名(例えば、「屋外」「床下」「屋根」「屋根裏」「リビング」「台所」)である。
【0040】
センサ種類識別子とは、センサ2の種類を識別する情報である。センサ種類識別子は、例えば、センサ2の種類のID、センサ2の種類の名称(例えば、「カメラ」「温度センサ」「温度」「湿度センサ」「湿度」「煙センサ」「煙」)である。なお、煙は、例えば、たばこの煙である。
【0041】
時情報とは、センサ値が取得された時を特定する情報である。時情報は、例えば、日、日時、月である。
【0042】
なお、センサ値格納部111には、センサ値を有する2以上のセンサ情報が格納されていることは好適である。センサ情報は、例えば、住宅識別子、設置場所識別子、センサ種類識別子、および時情報を有する。
【0043】
条件格納部112には、1または2以上の条件が格納される。条件は、例えば、劣悪条件、評価条件である。
【0044】
劣悪条件とは、劣悪であると判断されるための条件である。なお、劣悪とは、良くない、と言った程度のものでも良い。劣悪条件は、通常、センサ値に関する条件である。劣悪条件は、例えば、「湿度が第一閾値(例えば、80%)以上または第一閾値より高い期間が、第二閾値(例えば、30日)以上または第二閾値より長いこと」、「壁に亀裂が存在している状態の期間が第三閾値(例えば、100日)以上または第三閾値より長いこと」、「温度が第四閾値(例えば、38度)以上または第四閾値より高い時間の累積が第五閾値(例えば、1000時間)以上または第五閾値より長いこと」、「水センサが水を検知している期間が第六閾値(例えば、500時間)以上または第六閾値より長いこと」「湿度が第一閾値以上または第一閾値より高いこと」、「壁に亀裂が存在していること」、「温度が第四閾値(例えば、38度)以上または第四閾値より高いこと」、「水センサが水を検知していること」である。
【0045】
評価条件とは、対象となる観点において、評価値を算出するための条件である。評価条件とは、対象となる観点において、評価値を算出するために必要なセンサ値が揃っているか否かを判断するための条件であっても良い。評価条件は、通常、取得できたセンサ値に関する条件である。評価条件は、通常、取得できたセンサ値の種類に関する条件である。評価条件は、例えば、「<観点>屋外 <条件>外壁の画像と耐震強度情報とが揃っている」「<観点>屋内 <条件>湿度、温度、煙センサの情報が揃っている」である。
【0046】
受付部12は、各種の情報や指示を受け付ける。各種の情報や指示は、例えば、センサ値、センサ情報、開始指示である。
【0047】
開始指示とは、住宅の評価の開始の指示である。開始指示は、例えば、住宅識別子を有する。この住宅識別子は、評価対象の住宅を識別する情報である。
【0048】
ここで、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0049】
各種の情報や指示の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0050】
センサ値受信部121は、2以上の各センサ2からセンサ値を受信する。センサ値受信部121は、センサ2から設置場所識別子に対応付けられたセンサ値を受信することは好適である。センサ値受信部121は、センサ2から、住宅識別子と設置場所識別子とに対応付けられたセンサ値を受信することは好適である。センサ値受信部121は、センサ2から、センサ種類識別子に対応付けられたセンサ値を受信することは好適である。
【0051】
センサ値受付部122は、ユーザが入力したセンサ値を受け付ける。 センサ値受付部122は、ユーザが入力したセンサ情報を受け付けても良い。センサ値は、通常、センサ2が取得した情報であるが、センサ2が取得した情報(例えば、カメラで撮影された画像)から取得された情報(例えば、亀裂がある旨を示す情報)でも良いし、センサ2が取得した情報で無くても良い。センサ値受付部122が受け付けるセンサ値は、例えば、耐震強度検査の結果、外壁ひび割れ検査の結果、シロアリ検査の結果、雨漏り検査の結果、断熱検査の結果、気密検査の結果、漏電検査の結果、壁損傷具合の検査の結果、基礎ひび割れ検査の結果、階段検査の結果、手すり点検の結果、給水機器検査の結果、給湯機器検査の結果、換気設備検査の結果、火災報知器検査の結果、屋根の劣化検査の結果である。
【0052】
ここでの受け付けとは、通常、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付けである。
【0053】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、判断部131、評価部132が行う処理である。
【0054】
判断部131は、2以上の各観点ごとに、時系列の2以上のセンサ値が評価条件を満たすか否か判断する。なお、観点とは、場所(例えば、屋外、床下、屋内、屋根裏)でも良いし、センサの種類(例えば、温度センサ、湿度センサ、水センサ、カメラ)でも良い。
【0055】
評価条件が「<観点>屋外 <条件>外壁の画像と耐震強度情報とが揃っている」である場合、判断部131は、例えば、観点「屋外」の評価値を得るために、外壁の画像を用いた亀裂の有無に関するセンサ値と、耐震強度情報(センサ値の一例)とがセンサ値格納部111に存在するか否か判断する。
【0056】
評価条件が「<観点>屋内 <条件>湿度、温度、煙センサの情報が揃っている」である場合、判断部131は、例えば、観点「屋内」の評価値を得るために、湿度センサによるセンサ値(湿度)、温度センサによるセンサ値(温度)、および煙センサにより煙の有無に関する情報がセンサ値格納部111に存在するか否か判断する。
【0057】
評価部132は、2以上の各センサの時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の評価値を取得する。
【0058】
評価部132は、2以上の各センサの時系列の2以上のセンサ値を用いて、1以上の各劣悪条件を満たすか否か判断する。次に、評価部132は、劣悪条件を満たすほど低い評価値を取得する。
【0059】
評価部132は、2以上の各センサの時系列の2以上のセンサ値を用いて、1以上の各劣悪条件を満たした時間(例えば、「湿度が80%以上であった時間の長さ」「亀裂があった外壁を放置していた時間の長さ」)を取得する。
【0060】
評価部132は、例えば、湿度の時系列のセンサ値を取得し、湿度が第一閾値以上である時間の累積を取得する。そして、評価部132は、当該時間の累積が大きいほど、低い評価値を取得する。
【0061】
評価部132は、例えば、時系列のセンサ値である外壁の2以上の画像から、外壁の亀裂の数、外壁の亀裂が存在する状況の累積時間を取得する。そして、評価部132は、当該外壁の亀裂の数、当該累積時間が大きいほど、低い評価値を取得する。
【0062】
評価部132は、例えば、温度の時系列のセンサ値を取得し、温度が第四閾値以上である時間の累積を取得する。そして、評価部132は、例えば、当該時間の累積が大きいほど、低い評価値を取得する。
【0063】
評価部132は、例えば、水センサの時系列のセンサ値である水を検知したことを示す情報の数をセンサ値格納部111から取得する。そして、評価部132は、例えば、水を検知したことを示す情報の数が多いほど、低い評価値を取得する。
【0064】
評価部132は、設置場所識別子を用いて、2以上の各場所ごとに、サブ評価値を取得する。評価部132は、2以上の各設置場所識別子ごとに、当該設置場所識別子と対になる1以上のセンサ値をセンサ値格納部111から取得し、当該1以上のセンサ値を用いて、各場所のサブ評価値を取得する。なお、場所ごとのサブ評価値は、観点ごとの評価値の一例である。また、サブ評価値とは、一観点における評価値である。
【0065】
また、評価部132は、各場所の2以上のサブ評価値を用いて、当該住宅の総合的な評価値を取得しても良い。評価部132は、各場所の評価値が高いほど、高い総合的な評価値を取得する。評価部132は、例えば、各場所の評価値をパラメータとする増加関数により、総合的な評価値を算出する。評価部132は、例えば、各場所の評価値を要素とするベクトルと最も近似するベクトルと対になる評価値を対応表から取得する。なお、対応表は、例えば、各場所の評価値を要素とするベクトルと評価値とを有する2以上の対応情報を有する表である。対応表は、例えば、格納部11に格納されている。
【0066】
評価部132は、例えば、2以上の各センサ種類識別子に対応する2以上のセンサ値を用いて、センサ種類識別子ごとに、サブ評価値を取得する。
【0067】
評価部132は、1以上のサブ評価値を用いて総合評価値を取得し、かつサブ評価値の数が多いほど、少ない場合と比較して、高い総合評価値を取得する。なお、サブ評価値の数が少ない場合、サブ評価値を有さない観点において、評価に必要なセンサ値が不足していたことを示す。
【0068】
評価部132は、例えば、時系列の2以上の各センサ値が劣悪条件を満たす期間に関する期間情報を取得し、期間情報が長い期間を示す情報であるほど、低い評価値を取得する。劣悪条件は、例えば、「湿度が閾値以上」「温度が閾値以上」「水を検知したこと」「煙を検知したこと」「外壁の亀裂があること」である。
【0069】
さらに具体的には、評価部132は、例えば、1以上のパラメータを用いて、評価値を取得する。パラメータは、例えば、時系列の2以上の各センサ値、時系列の2以上のセンサ値から取得される情報である。パラメータは、例えば、センサ値、センサ値の時間的な変化量、センサ値の単位時間における変化量、センサ値が劣悪条件を満たしていた時間、センサ値が劣悪条件を満たしたか否かを示す情報、センサ値が劣悪条件を満たした程度、センサ値が劣悪条件を満たした回数、センサ値が劣悪条件を満たした単位期間における回数である。
【0070】
評価部132は、例えば、1以上のパラメータを用いた演算式により評価値を算出する。また、評価部132は、例えば、1以上のパラメータを用いて、機械学習の予測処理により、評価値を算出する。評価部132は、例えば、1以上のパラメータを用いて、対応表により、評価値を算出する。以下、評価部132が使用し得る各々の方法について説明する。
演算式を用いる方法
【0071】
評価部132は、例えば、評価対象ごとに、演算式のパラメータとして使用される情報を、1以上のセンサ値を用いて取得する。なお、かかる情報は、例えば、センサ値、センサ値の時間的な変化量、センサ値の単位時間における変化量、センサ値が劣悪条件を満たしていた時間、センサ値が劣悪条件を満たしたか否かを示す情報、センサ値が劣悪条件を満たした程度、センサ値が劣悪条件を満たした回数、センサ値が劣悪条件を満たした単位期間における回数である。なお、演算式は、格納部11に格納されている。
【0072】
また、評価対象は、一の住宅、一の住宅の一の場所、一の住宅の一の種類である。一の種類とは、例えば、湿度、温度、煙である。
(2)機械学習による方法
【0073】
評価部132または図示しない学習部は、2以上の教師データを格納部11から取得する。次に、評価部132または図示しない学習部は、当該2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、学習器を取得し、格納部11に蓄積する。
【0074】
なお、教師データは、1または2以上のパラメータを説明変数とし、評価値を目的変数とする情報である。教師データは、例えば、1以上の各説明変数と目的変数とを要素とするベクトルである。
【0075】
そして、評価部132は、例えば、評価対象ごとに、1または2以上のパラメータをセンサ値格納部111から取得する。次に、評価部132は、当該1以上のパラメータと格納部11の学習部とを機械学習の予測処理を行うモジュールに与え、当該モジュールを実行し、評価値を取得する。
【0076】
なお、パラメータは、例えば、センサ値、センサ値の時間的な変化量、センサ値の単位時間における変化量、センサ値が劣悪条件を満たしていた時間、センサ値が劣悪条件を満たしたか否かを示す情報、センサ値が劣悪条件を満たした程度、センサ値が劣悪条件を満たした回数、センサ値が劣悪条件を満たした単位期間における回数である。
【0077】
また、機械学習のアルゴリズムは、深層学習、ランダムフォレスト、SVR等、問わない。また、機械学習には、例えば、TensorFlowのライブラリ、R言語のrandom forestのモジュール、TinySVM等の各種の機械学習のモジュールを用いることができる。なお、モジュールは、関数、メソッド、ライブラリと言っても良い。
(3)対応表を用いる方法
【0078】
評価部132は、例えば、評価対象ごとに、1または2以上のパラメータをセンサ値格納部111から取得する。次に、評価部132は、当該1以上の各パラメータを要素とするベクトルを構成する。次に、評価部132は、当該ベクトルと最も近似するベクトルと対になる評価値を対応表から取得する。
【0079】
なお、対応表は、1以上の各パラメータを要素とするベクトルと評価値とを有する2以上の対応情報を有する表である。対応表は、格納部11に格納されている。
【0080】
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、後述する判断結果、評価値である。
【0081】
ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0082】
判断結果出力部141は、判断部131における判断結果を出力する。なお、判断結果の出力態様は問わない。
【0083】
評価出力部142は、評価部132が取得した評価値を出力する。評価出力部142は、2以上の各観点ごとに、サブ評価値を出力することは好適である。
【0084】
格納部11、センサ値格納部111、および条件格納部112は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0085】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0086】
受付部12、およびセンサ値受信部121は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0087】
受付部12、およびセンサ値受付部122は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0088】
処理部13、判断部131、および評価部132は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0089】
出力部14、判断結果出力部141、および評価出力部142は、例えば、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部14は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0090】
次に、住宅評価システムAを構成する住宅評価装置1の動作例について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0091】
(ステップS301)センサ値受信部121は、センサ値を受信したか否か判断する。センサ値を受信した場合はステップS302に行き、センサ値を受信しなかった場合はステップS304に行く。
【0092】
(ステップS302)処理部13は、ステップS301で受信されたセンサ値と、当該センサ値に対応する住宅識別子と設置場所識別子とセンサ種類識別子と時情報とを有するセンサ情報を構成する。
【0093】
なお、処理部13は、例えば、ステップS301で受信されたセンサ値に対応付く住宅識別子と設置場所識別子とセンサ種類識別子とを有するセンサ情報を構成する。また、処理部13は、センサ情報を構成する時情報を図示しない時計から取得しても良いし、ステップS301で受信される場合には当該受信された時情報を取得しても良い。
【0094】
(ステップS303)処理部13は、ステップS302で構成したセンサ情報をセンサ値格納部111に蓄積する。ステップS301に戻る。
【0095】
(ステップS304)センサ値受付部122は、センサ情報を受け付けたか否か判断する。センサ情報を受け付けた場合はステップS305に行き、受け付けなかった場合はステップS306に行く。
【0096】
(ステップS305)処理部13は、ステップS304で受け付けたセンサ情報をセンサ値格納部111に蓄積する。ステップS301に戻る。
【0097】
(ステップS306)受付部12は、開始指示を受け付けたか否か判断する。開始指示を受け付けた場合はステップS307に行き、受け付けなかった場合はステップS301に戻る。
【0098】
(ステップS307)処理部13は、住宅の評価処理を行う。かかる評価処理の例について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0099】
(ステップS308)判断結果出力部141は、ステップS307で行われた判断処理の結果である判断結果を出力する。
【0100】
(ステップS309)評価出力部142は、ステップS307で取得された評価値を出力する。ステップS301に戻る。
【0101】
なお、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0102】
次に、ステップS307の評価処理の例について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0103】
(ステップS401)評価部132は、開始指示が有する住宅識別子を取得する。
【0104】
(ステップS402)評価部132は、カウンタiに1を代入する。
【0105】
(ステップS403)評価部132は、j番目の観点が存在するか否かを判断する。j番目の観点が存在するか場合はステップS404に行き、j番目の観点が存在しない場合はステップS414に行く。なお、どのような観点があるかは、例えば、予め決まっている。観点は、例えば、住宅の場所、センサ種類識別子である。
【0106】
(ステップS404)評価部132は、カウンタjに1を代入する。
【0107】
(ステップS405)評価部132は、i番目の観点の評価において使用するセンサのj番目の種類識別子が存在するか否かを判断する。j番目の種類識別子が存在する場合はステップS406に行き、j番目の種類識別子が存在しない場合はステップS411に行く。なお、i番目の観点の評価において使用するセンサにどのような種類のセンサがあるかは、通常、予め決まっている。
【0108】
(ステップS406)評価部132は、i番目の観点に対応し、かつj番目の種類識別子と対になる1または2以上のセンサ値をセンサ値格納部111から取得する。
【0109】
(ステップS407)評価部132は、i番目の観点の評価において使用するセンサのj番目の種類識別子で識別されるセンサ値を用いた評価において、劣悪条件を使用するか否か判断する。劣悪条件を使用する場合はステップS408に行き、劣悪条件を使用しない場合はステップS409に行く。
【0110】
なお、i番目の観点の評価において使用するセンサのj番目の種類識別子で識別されるセンサ値を用いた評価において、劣悪条件を使用するか否かは、通常、予め決まっている。
【0111】
(ステップS408)評価部132は、j番目の種類識別子に対応する劣悪条件を条件格納部112から取得する。評価部132は、ステップS406で取得した1以上のセンサ値を用いて、劣悪条件の判断に使用する情報を取得する。なお、劣悪条件の判断に使用する情報は、例えば、湿度が閾値以上であった累積時間、温度が閾値以上であった累積時間、外壁の亀裂の数、外壁に亀裂が存在する状況の累積時間である。
【0112】
(ステップS409)評価部132は、ステップS406で取得した1以上のセンサ値、またはステップS409で取得した劣悪条件の判断に使用する情報、またはステップS406で取得した1以上のセンサ値とステップS409で取得した劣悪条件の判断に使用する情報を用いて、i番目の観点におけるj番目の種類識別子に対応するサブ評価値を取得する。なお、サブ評価値は、例えば、劣悪条件に合致するか否か、劣悪条件に合致する度合い(例えば、湿度が閾値以上であった累積時間、温度が閾値以上であった累積時間、外壁の亀裂の数、外壁に亀裂が存在する状況における累積時間)である。
【0113】
(ステップS410)評価部132は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS405に戻る。
【0114】
(ステップS411)判断部131は、i番目の観点に対応する評価条件を条件格納部112から取得する。次に、判断部131は、ステップS409で取得された1以上の各種類識別子に対応するサブ評価値が、当該評価条件を満たすか否か(i番目の観点の評価が可能か否か)を判断する。評価条件を満たす場合はステップS412に行き、満たさない場合はステップS413に行く。
【0115】
(ステップS412)評価部132は、ステップS409で取得された1以上の各種類識別子に対応するサブ評価値を用いて、i番目の観点に対するサブ評価値を取得する。
【0116】
なお、評価部132は、ステップS409で取得された1以上の各種類識別子に対応するサブ評価値が大きな値ほど、i番目の観点に対する大きな値のサブ評価値を取得する。
【0117】
(ステップS413)評価部132は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS403に戻る。
【0118】
(ステップS414)評価部132は、ステップS411で取得された1以上の各観点のサブ評価値を用いて、総合評価値を取得する。上位処理にリターンする。
【0119】
なお、総合評価値は、単に評価値と言っても良い。また、1以上の各観点のサブ評価値が大きいほど、総合評価値は大きな値となる。
【0120】
以下、本実施の形態における住宅評価システムAの具体的な動作例について説明する。
【0121】
今、1または2以上の各住宅内または各住宅の周辺環境(例えば、住宅の庭、外壁の箇所)に設置した2以上のセンサ2(例えば、温度センサ、湿度センサ、水センサ、カメラ)から、住宅評価装置1のセンサ値受信部121は、センサ値を含むセンサ情報を受信した、とする。なお、ここでは、センサ値受信部121は、センサ値に加えて、住宅識別子、種類識別子、設置場所識別子をも受信する、とする。
【0122】
そして、処理部13は、カメラから受信された画像(外壁の画像)を解析し、ひび割れ(クラック)の箇所の数を取得する。なお、外壁の画像を解析し、クラックの箇所の数を取得する技術は、公知の画像解析技術であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0123】
また、処理部13は、図示しない時計から現在時刻である時情報を取得する。そして、処理部13は、時情報を有するセンサ情報を構成する。なお、センサ情報は、例えば、受信された情報(例えば、温度、湿度、水を検知したか否かを示す情報)と時情報とを有する。また、センサ情報は、例えば、受信された情報(例えば、画像)から得られた情報(例えば、クラックの数)と時情報とを有する。次に、処理部13は、受信されたセンサ情報または構成したセンサ情報をセンサ値格納部111に蓄積した、とする。なお、センサ情報は、ここでは「住宅識別子」「種類識別子」「設置場所識別子」「センサ値」「時情報」を有する、とする。
【0124】
以上の処理により、センサ値格納部111には、図5に示すセンサ情報管理表が格納された、とする。
【0125】
また、条件格納部112には、図6に示す劣悪条件管理表が格納されている、とする。劣悪条件管理表は、「ID」「観点識別子」「種類」「劣悪条件」を有する1以上のレコードを管理する表である。「ID」はレコードを識別する情報である。「観点識別子」は観点を識別する情報である。「観点識別子」は、ここでは「設置識別子」である。「種類」は、センサ種類識別子に対応する情報である。「劣悪条件」は、状況が良くない、と判断されるための条件である。なお、図6において、各観点で、すべての劣悪条件を判断できるセンサ値が取得できない場合、判断部131は、当該観点に対応するサブ評価値を取得できない、と判断するものとする。
【0126】
さらに、センサ値受付部122は、住宅識別子「H001」と対にして、耐震等級「2」を受け付けた、とする。そして、処理部13は、住宅識別子「H001」と対にして、耐震等級「2」をセンサ値格納部111に蓄積した、とする。なお、耐震等級「2」は、耐震強度の情報である。
【0127】
かかる状況において、ユーザは、「開始指示(住宅識別子=H001)」を住宅評価装置1に与えた、とする。
【0128】
次に、住宅評価装置1の受付部12は、当該開始指示を受け付ける。次に、処理部13は、以下のように住宅の評価処理を行う。
【0129】
まず、評価部132は、開始指示が有する住宅識別子「H001」を取得する。次に、評価部132は、図6の劣悪条件管理表を参照し、住宅識別子「H001」と対になり、観点「屋外」に対応する劣悪条件で用いているクラック数(センサ値)を含むセンサ情報を、設置場所識別子(屋外1,屋外2)ごとに、図5のセンサ情報管理表から取得する。そして、評価部132は、劣悪条件「クラック数>=2」を満した開始時(例えば、「2020/11/6 12:32」)から満たしているセンサ情報に含まれる時情報(例えば、「2021/8/5 11:47」または現在日時)までの時間数「t」を取得する。そして、評価部132は、「ID=1,種類=クラック数」と対にして、劣悪時間「t」を取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。
【0130】
また、評価部132は、住宅識別子「H001」と対になる耐震等級「2」を取得し、当該耐震等級「2」は、「ID=1,種類=耐震強度」と対になる劣悪条件「耐震等級<=1」を満たさない、と判断する。つまり、評価部132は、「ID=1,種類=耐震強度」と対にして、劣悪時間「0」を取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。なお、「住宅識別子=H001」で識別される住宅において、1または2以上の各時情報と対に、耐震等級「2」の値がセンサ値格納部111に蓄積されている、とする。
【0131】
また、評価部132は、住宅識別子「H001」および観点識別子「屋根裏」および種類「温度」と対になるセンサ値と時情報とを、センサ情報ごとに取得する。そして、評価部132は、取得したセンサ値と時情報との2以上の組(時系列の情報)を用いて、劣悪条件「温度>=45度」を満たしていた時間「t」を取得する。次に、評価部132は、「ID=2、種類=温度」と対にして、劣悪時間「t」を取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。
【0132】
また、評価部132は、住宅識別子「H001」および観点識別子「床下」および種類「温度」と対になるセンサ値と時情報とを、センサ情報ごとに取得する。そして、評価部132は、取得したセンサ値と時情報との2以上の組(時系列の情報)を用いて、劣悪条件「温度>=40度」を満たしていた時間「t」を取得する。次に、評価部132は、「ID=3、種類=温度」と対にして、劣悪時間「t」を取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。
【0133】
また、評価部132は、住宅識別子「H001」および観点識別子「床下」および種類「湿度」と対になるセンサ値と時情報とを、センサ情報ごとに取得する。そして、評価部132は、取得したセンサ値と時情報との2以上の組(時系列の情報)を用いて、劣悪条件「温度>=80%」を満たしていた時間「t」を取得する。次に、評価部132は、「ID=3、種類=湿度」と対にして、劣悪時間「t」を取得し、図示しないバッファに一時蓄積する。
【0134】
以上の処理を、評価部132は、他の劣悪条件に対しても行い、図7に示す評価元情報管理表が図示しないバッファに一時蓄積された、とする。
【0135】
次に、判断部131は、各観点(場所)において、すべての劣悪時間が取得できた、と判断する。
【0136】
次に、評価部132は、評価元情報管理表(図7)を参照し、以下のように、観点ごとに、サブ評価値を取得する。
【0137】
評価部132は、例えば、「ID=1」に対応する観点「屋外」のサブ評価値を「サブ評価値(e)=f(t,0)」により、算出する。なお、演算式「f」は、2つの各パラメータを引数とする減少関数である。また、評価部132は、例えば、「評価値(e)=83」を算出した、とする。
【0138】
また、評価部132は、図7を参照し、観点ごとに、サブ評価値を取得する。評価部132は、例えば、「ID=2」に対応する観点「屋根裏」のサブ評価値を「サブ評価値(e)=f(t)」により、算出する。なお、演算式「f」は、「t」をパラメータとする減少関数である。また、評価部132は、例えば、「評価値(e)=54」を算出した、とする。
【0139】
また、評価部132は、図7を参照し、観点ごとに、サブ評価値を取得する。評価部132は、例えば、「ID=3」に対応する観点「床下」のサブ評価値を「サブ評価値(e)=f(t,t)」により、算出する。なお、演算式「f」は、「t」「t」をパラメータとする減少関数である。また、評価部132は、例えば、「評価値(e)=65」を算出した、とする。
【0140】
また、評価部132は、以後、同様に、他の観点に対するサブ評価値を算出した、とする。
【0141】
さらに、評価部132は、「総合評価値(E)=F(e,e,e,e,・・・)」により、住宅識別子「H001」で識別される住宅の総合評価値(E)を算出する。なお、演算式(F)は、e,e,e,e等をパラメータとする増加関数である。演算式(F)は、例えば、「総合評価値(E)=a×e+a×e+a×e+a×e+・・・」である。演算式(F)は、例えば、e,e,e,e等の加重平均である。また、評価部132は、例えば、「総合評価値(E)=68」を算出した、とする。
【0142】
次に、評価出力部142は、評価部132が取得した評価値を出力する。かかる出力例は、図8である。
【0143】
以上、本実施の形態によれば、時系列の2以上のセンサ値を用いて、適切な住宅の評価ができる
【0144】
また、本実施の形態によれば、時系列の2以上のセンサ値を用いて、2以上の観点ごとの適切な住宅の評価ができる。
【0145】
さらに、本実施の形態によれば、時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の場所ごとに評価ができる。
【0146】
なお、本実施の形態において、住宅評価装置1は、図示しない端末装置と通信し、当該端末装置に評価値等を送信するサーバとして機能しても良い。また、住宅評価装置1は、スタンドアロンの装置でも良い。
【0147】
また、本実施の形態において、評価部132は、2以上の住宅について総合的に評価を行ってもよい。2以上の住宅は、一の住宅に隣接する住宅であってもよい。2以上の住宅は、ある街全体の住宅であってもよい。総合的に評価を行なうとは、それぞれの住宅の評価値の代表値であることは好適である。評価値の代表値は、例えば、評価値の平均値、最高値、中間値である。また、一の住宅についてセンサが欠落しているとき、評価部132は、一の住宅の評価値を取得する場合に、隣接する住宅で取得したセンサ値を用いてもよい。2以上の住宅について評価をすることで、一の住宅についてより高度な評価が得られたり、街全体の評価が得られたりする、という効果がある。
また、2以上の住宅の評価値が得られることにより、次の評価時期(例えば、1年後)の評価値の予想ができる。
また、住宅の評価値や街や地域全体の評価値の代表値は、例えば、豪雨、豪雪、土砂崩れ等の災害時を想定した場合の住宅や街や地域の影響を図るために使用できる。
また、住宅の評価値や街や地域全体の評価値の代表値は、例えば、ハザードマップに掲載する情報として使用できる。
また、街や地域全体の評価値の代表値は、街や地域全体の情報センサとしての活用が期待され、保険・給付金交渉、迅速な災対活動への利用が可能である。
また、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における住宅評価装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、一の住宅の住宅内または一の住宅の周辺環境に存在する2以上の各センサにより取得された時系列の2以上のセンサ値が、センサ毎に格納されるセンサ値格納部にアクセス可能なコンピュータを、前記2以上の各センサの時系列の2以上のセンサ値を用いて、住宅の評価値を取得する評価部と、前記評価値を出力する評価出力部として機能させるためのプログラムである。
【0148】
また、図9は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の住宅評価装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図9は、このコンピュータシステム300の概観図であり、図10は、システム300のブロック図である。
【0149】
図9において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0150】
図10において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0151】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の住宅評価装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0152】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の住宅評価装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0153】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0154】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0155】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0156】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0157】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0158】
以上のように、本発明にかかる住宅評価装置1は、時系列の2以上のセンサ値を用いて、適切な住宅の評価ができるという効果を有し、住宅を評価するサーバ等として有用である。
【符号の説明】
【0159】
A 住宅評価システム
1 住宅評価装置
2 センサ
11 格納部
12 受付部
13 処理部
14 出力部
111 センサ値格納部
112 条件格納部
121 センサ値受信部
122 センサ値受付部
131 判断部
132 評価部
141 判断結果出力部
142 評価出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10