(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144279
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】車両のルーフモジュール
(51)【国際特許分類】
B60J 7/00 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
B60J7/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051188
(22)【出願日】2022-03-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】390023917
【氏名又は名称】八千代工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 元
(72)【発明者】
【氏名】上岡 宏崇
(57)【要約】
【課題】ルーフの前部におけるレイアウトの自由度を改善できる車両のルーフモジュール1を提供する。
【解決手段】ルーフモジュール1は、ルーフパネル2と、ルーフパネル2の内面に取り付けられ、車両の前後方向に延在する1対のガイドレール6と、ガイドレール6によってガイドされるシェードシート8と、ガイドレール6に支持され、シェードシート8を巻き取る巻取装置9と、シェードシート8を巻き出し方向及び巻き取り方向に駆動する駆動源12とを備える。巻取装置9及び駆動源12はガイドレール6の後端側に集約して配置され、ガイドレール6の前端側にはガイドレール6を連結するクロスメンバは設けられない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のルーフモジュールであって、
ルーフパネルと、
前記ルーフパネルの内面に取り付けられ、車両の前後方向に延在する1対のガイドレールと、
前記ガイドレールによってガイドされるシェードシートと、
前記ガイドレールに支持され、前記シェードシートを巻き取る巻取装置と、
前記シェードシートを巻き出し方向及び巻き取り方向に駆動する駆動源とを備え、
前記巻取装置及び前記駆動源が前記ガイドレールの後端側に集約して配置され、前記ガイドレールを連結するクロスメンバが前記ガイドレールの前端側に設けられていない、車両のルーフモジュール。
【請求項2】
前記ガイドレールの後部同士を連結するリヤクロスメンバを更に備える請求項1に記載の車両のルーフモジュール。
【請求項3】
前記リヤクロスメンバが前記巻取装置の前方に配置され、前記シェードシートが前記リヤクロスメンバによってガイドされる請求項2に記載の車両のルーフモジュール。
【請求項4】
前記駆動源の駆動力を前記シェードシートに伝達する動力伝達部材をガイドする1対のガイドパイプを更に備え、
前記駆動源が前記巻取装置の後方に配置され、前記ガイドパイプを介して前記ガイドレールに連結されている前記請求項3に記載の車両のルーフモジュール。
【請求項5】
前記シェードシートの巻き出し方向への移動を規制するストッパが前記ガイドレールに一体に形成されている請求項1~4のいずれか1項に記載の車両のルーフモジュール。
【請求項6】
前記シェードシートの前端に設けられ、前記ガイドレールによってガイドされる1対のスライダを有するクロスバーを更に備え、
前記ガイドレールは、前記スライダをガイドするためのスライダガイド溝を画定するガイド壁を有し、
前記ストッパは、前記ガイド壁の一部が切欠きによって他の部分から離隔され、前記スライダガイド溝に突出するように折り曲げられて形成されている請求項5に記載の車両のルーフモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のルーフモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のルーフモジュールとして、サンシェード用ガイドレールが自動車天井材に固定されたものが知られている。このサンシェード用ガイドレールは、サンルーフ用開口部の左右両側部に固定されるサイドレールと、左右のサイドレールの前部に接合されてサンルーフ用開口部の前端に固定されるフロントレールと、左右のサイドレールの前後中間に接合されてサンルーフ用開口部の後端に固定される合成樹脂製の架け渡しレールとよりなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動車のルーフでは、室内灯やその操作スイッチ、サンシェードの操作スイッチ等、大きくの機能部品が運転席の上方、すなわちルーフの前部に配置される。しかしながら、上記の従来技術では、自動車天井材の前部にフロントレールが配置されている。そのため、機能部品の配置スペースに制限があり、機能部品をルーフの前部に自由なレイアウトで配置することができない。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑み、ルーフの前部におけるレイアウトの自由度を改善することができる車両のルーフモジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両のルーフモジュール(1)であって、ルーフパネル(2)と、前記ルーフパネルの内面に取り付けられ、車両の前後方向に延在する1対のガイドレール(6)と、前記ガイドレールによってガイドされるシェードシート(8)と、前記ガイドレールに支持され、前記シェードシートを巻き取る巻取装置(9)と、前記シェードシートを巻き出し方向及び巻き取り方向に駆動する駆動源(12)とを備え、前記巻取装置及び前記駆動源が前記ガイドレールの後端側に集約して配置され、前記ガイドレールを連結するクロスメンバが前記ガイドレールの前端側に設けられていない。
【0007】
この態様によれば、ガイドレールの前端側に巻取装置、駆動源及びクロスメンバが設けられないため、ルーフの前部におけるレイアウトの自由度が改善される。
【0008】
上記の態様において、当該ルーフモジュールは、前記ガイドレールの後部同士を連結するリヤクロスメンバ(7)を更に備えると良い。
【0009】
この態様によれば、ルーフパネルに取り付けられる前に、1対のガイドレールがリヤクロスメンバによって連結されたレールアセンブリとして取り扱うことができため、ルーフモジュールの製造が容易である。
【0010】
上記の態様において、前記リヤクロスメンバが前記巻取装置の前方に配置され、前記シェードシートが前記リヤクロスメンバによってガイドされると良い。
【0011】
この態様によれば、リヤクロスメンバがシェードシートのガイド部材として機能する。したがって、シェードシートをガイドするために別部材を設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
【0012】
上記の態様において、当該ルーフモジュールは、前記駆動源の駆動力を前記シェードシートに伝達する動力伝達部材(14)をガイドする1対のガイドパイプ(15)を更に備え、前記駆動源が前記巻取装置の後方に配置され、前記駆動源が前記ガイドパイプを介して前記ガイドレールに連結されていると良い。
【0013】
この態様によれば、ルーフパネルに取り付けられる前に、駆動源がガイドパイプを介してレールアセンブリに連結されたシェードアセンブリとして取り扱うことができため、ルーフモジュールの製造が容易である。
【0014】
上記の態様において、前記シェードシートの巻き出し方向への移動を規制するストッパ(21)が前記ガイドレールに一体に形成されていると良い。
【0015】
この態様によれば、別部材のストッパ部材をガイドレールに取り付ける必要がなく、部品点数を削減できる。
【0016】
上記の態様において、当該ルーフモジュールは、前記シェードシートの前端に設けられて前記ガイドレールによってガイドされる1対のスライダ(11)を有するクロスバー(10)を更に備え、前記ガイドレールは、前記スライダをガイドするためのスライダガイド溝(16)を画定するガイド壁(19)を有し、前記ストッパは、前記ガイド壁の一部が切欠き(22)によって他の部分から離隔され、前記スライダガイド溝に突出するように折り曲げられて形成されていると良い。
【0017】
この態様によれば、ガイド壁に切欠きを形成して離隔した一部をスライダガイド溝側に折り曲げることで、容易にストッパを形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上の態様によれば、ルーフの前部におけるレイアウトの自由度を改善することができる車両のルーフモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係るルーフモジュールを内面側から見た斜視図
【
図2】シェード装置が閉状態にあるルーフモジュールの斜視図
【
図3】ガイドレールの前端部を内面側から見た拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、実施形態に係るルーフモジュール1を内面側から見た斜視図である。
図1に示すように、ルーフモジュール1は、車両のルーフの外面をなすアウタパネルとして、開口を有するルーフのインナパネル又はサイドレールの上に配置され、インナパネル又はサイドレールによって支持される。ルーフモジュール1は、ルーフパネル2と、ルーフパネル2の内面(下面)に取り付けられたシェード装置3とを備えている。
【0022】
ルーフパネル2はルーフの外面を形成するすアウタパネルであり、透明又は半透明のガラス又は樹脂により形成されている。ルーフパネル2は、上方に凸となる向きに左右方向及び前後方向において湾曲した形状をしておりルーフの前部に設けられる。したがって、ルーフパネル2の前縁はシール部材を介してフロントガラスの後縁に接続される。ルーフパネル2の後方には金属製のアウタパネルが連続しても良く、リヤガラスが連続しても良い。
【0023】
シェード装置3は、ルーフパネル2を透過して車室に照射される光を選択的に遮るための装置であり、ルーフパネル2とインナパネル又はサイドレールとの間に配置される。ルーフパネル2の外周部分の内面には黒セラミック2aが焼き付けられ、ルーフパネル2の中央部分のみが透明又は半透明になっていると良い。
【0024】
シェード装置3は、ルーフパネル2の内面に取り付けられたレールアセンブリ4と、レールアセンブリ4に支持されたロールシェード5とを含んでいる。レールアセンブリ4は、ルーフパネル2の内面に取り付けられ、車両の前後方向に延在する1対のガイドレール6と、両ガイドレール6の後部同士を後端部近傍にて連結するリヤクロスメンバ7とを備えている。ガイドレール6は、アルミニウム合金の押し出し成形品であり、ルーフパネル2の形状に合わせて上に凸となる向きに長手方向において湾曲している。ガイドレール6は、左右対称の形状を有しており、車幅方向に所定の間隔を空けてルーフパネル2の側部に互いに平行に配置される。リヤクロスメンバ7は、鋼板のプレス成形品であり、1対のガイドレール6の後部に剛結合している。これにより、レールアセンブリ4は平面視でコの字形状(矩形の前側の1辺が開放されたチャネル形状)をしている。
【0025】
図1は、ロールシェード5によってルーフパネル2が覆われない開状態にあるルーフモジュール1の斜視図を示している。一方、
図2は、ロールシェード5によってルーフパネル2が覆われた閉状態にあるルーフモジュール1の斜視図である。
図2に併せて示すように、ロールシェード5はルーフパネル2を透過する光を遮るためのシェードシート8と、シェードシート8を巻き取る巻取装置9とを備えている。シェードシート8は、ルーフパネル2の内方にて展開された
図2に示す展開位置と、ルーフパネル2を覆わずに開放する
図1に示す収納位置との間を移動可能にガイドレール6によってガイドされる。シェードシート8は、光が完全に遮る必要はなく、光の少なくとも一部を遮るように構成されていれば良い。
【0026】
収納位置にあるとき、シェードシート8は巻取装置9によって巻き取られている。巻取装置9はリヤクロスメンバ7の後方に配置され、ガイドレール6の後端に支持されている。巻取装置9は、引き戻しばね(リトラクタースプリング)を備え、シェードシート8を収納位置に向けて巻取方向に常時付勢する。これにより、シェードシート8は前後方向に張った状態に維持される。シェードシート8の前端には車幅方向に延在するクロスバー10が取り付けられている。クロスバー10の両端には、ガイドレール6に支持されるスライダ11(
図3参照)が一体に設けられている。
【0027】
リヤクロスメンバ7は巻取装置9の前方に配置され、クロスバー10はリヤクロスメンバ7の前方に配置されている。シェードシート8は、巻取装置9からリヤクロスメンバ7の上方を通過してクロスバー10に至っており、リヤクロスメンバ7の上面に常時接触している。すなわち、シェードシート8はリヤクロスメンバ7によってガイドされ、どの引き出し位置にあってもリヤクロスメンバ7の上面高さに保持される。
【0028】
巻取装置9の後方には、シェードシート8を巻き出し方向及び巻き取り方向に駆動する駆動源12が配置されている。駆動源12は、ルーフパネル2の後端部の内面に取り付けられたブラケット13に対し、ボルトによって着脱可能に取り付けられている。駆動源12は、モータと減速機構とを有し、プッシュプルケーブルからなる左右の動力伝達部材14(
図4参照)を同期的に押し引きすることによって駆動する。動力伝達部材14は前端においてスライダ11に連結されており、駆動力を前後方向に変換してスライダ11に伝達する。駆動源12が1対の動力伝達部材14及び1対のスライダ11を介してクロスバー10を前方又は後方に移動させることにより、シェードシート8が巻き出し方向及び巻き取り方向に選択的に駆動される。
【0029】
駆動源12はルーフパネル2の幅方向の中間位置に配置されている。動力伝達部材14は、駆動源12とガイドレール6との間において1対のガイドパイプ15によってガイドされている。すなわち、駆動源12は1対のガイドパイプ15を介して1対のガイドレール6に連結されている。各動力伝達部材14は、ガイドレール6の後端からガイドレール6内に挿入されて前方へ延出し、前端が連結された対応するスライダ11に至っている。
【0030】
図3はガイドレール6の前端部を内面側から見た拡大斜視図であり、
図4は
図3中のIV-IV断面図である。
図3及び
図4に示すように、ガイドレール6は、スライダ11をガイドするためのスライダガイド溝16と、シェードシート8の側縁に取り付けられた案内帯17をガイドする帯ガイド溝18とを有している。スライダガイド溝16は上ガイド壁19及び下ガイド壁20によって画定され、車幅方向の内方に向けて開放されている。帯ガイド溝18はスライダガイド溝16の下方に位置しており、下ガイド壁20は帯ガイド溝18の上側部分も画定している。シェードシート8の左右の案内帯17は、左右の帯ガイド溝18によって前後方向に摺動可能に支持される。これにより、シェードシート8はガイドレール6によってガイドされ、所定の張力をもって車幅方向に張った状態に維持される。
【0031】
図3に示すように、ガイドレール6の前端にはスライダ11の前方への移動を規制するストッパ21が一体に形成されている。ストッパ21は、上ガイド壁19の車幅方向の内縁に形成された切欠き22によって後部部分から離隔された上ガイド壁19の前端の一部がスライダガイド溝16に突出するように下方に折り曲げられて形成されている。
【0032】
このようにシェードシート8の巻き出し方向への移動を規制するストッパ21がガイドレール6に一体に形成されていることにより、別部材のストッパ部材をガイドレール6に取り付ける必要がなく、部品点数が削減される。また、上ガイド壁19に切欠き22を形成して離隔した一部をスライダガイド溝16側に折り曲げることで、容易にストッパ21を形成することができる。
【0033】
図5は
図1中のV-V断面図である。
図1及び
図5に示すように、ガイドレール6は、ルーフパネル2の側部の内面に取り付けられた複数のレールブラケット23に対して着脱可能に取り付けられている。本実施形態では、レールブラケット23は、前後方向に長いプレス成形品であるブラケット本体24と、ブラケット本体24の上面に溶接されたウェルドナット25とを備えている。ブラケット本体24は、接着剤26によってルーフパネル2に接合された前部24a及び後部24bと、ルーフパネル2の下方に隙間を空けて配置された中間部24cとを備えている。ウェルドナット25は中間部24cの上面に溶接されている。
【0034】
ボルト27がガイドレール6に形成されたボルト通し孔6aに挿通されてウェルドナット25に螺合することにより、ガイドレール6がレールブラケット23に締結される。ボルト通し孔6aはボルト27の軸部よりも大きく形成されている。1対のガイドレール6は所定の位置に互いに平行い配置された状態でボルト27によって固定される。これにより、シェードシート8は左右方向に張った状態に維持される。
【0035】
レールブラケット23は上記の構成に限定されない。
図6はレールブラケット23の変形例を示す断面図である。
図6(A)は上記実施形態に似た形態である。
図6(A)に示すように、この変形例では、ブラケット本体24が車幅方向に凹凸形状を有するプレス成形品によって構成されている。
図6(B)の例では、レールブラケット23が、樹脂の射出成形品であるブラケット本体31と、ブラケット本体31の下面に露出するようにブラケット本体31に一体に設けられたインサートナット32とを備えている。ブラケット本体31は上記実施形態と同様に接着剤26によってルーフパネル2の内面に接合される。
図6(C)の例では、レールブラケット23が、熱硬化性樹脂であるポリウレタン(PUR)の反応射出成形(RIM)品であるブラケット本体33と、ブラケット本体33の下面に露出するようにブラケット本体33に一体に設けられたインサートナット32とを備えている。ブラケット本体33は上記実施形態と異なり、接着剤26を用いずにルーフパネル2の内面に直接接合される。
【0036】
ルーフモジュール1は以上のように構成されている。次に、ルーフモジュール1の効果について説明する。
【0037】
図1及び
図2に示すルーフモジュール1は上記のように車両のルーフの前部に設けられる。車両のルーフの前部は一般的に運転席の上方に位置する。したがって、ルーフモジュール1の前端部の下方には室内灯やその操作スイッチ、シェード装置3の操作スイッチ等、大きくの機能部品が配置される。本実施形態では、巻取装置9及び駆動源12がガイドレール6の後端側に集約して配置され、ガイドレール6を連結するクロスメンバがガイドレール6の前端側に設けられていない。そのため、ルーフの前部におけるレイアウトの自由度が改善される。
【0038】
上記のように、ルーフモジュール1は、ガイドレール6の後部同士を連結するリヤクロスメンバ7を備えている。したがって、ルーフパネル2に取り付けられる前に、1対のガイドレール6がリヤクロスメンバ7によって連結されたレールアセンブリ4として取り扱うことができる。そのため、ルーフモジュール1の製造が容易である。
【0039】
上記のように、リヤクロスメンバ7は巻取装置9の前方に配置され、シェードシート8はリヤクロスメンバ7によってガイドされている。つまり、リヤクロスメンバ7がシェードシート8のガイド部材として機能する。したがって、シェードシート8をガイドするために別部材を設ける必要がなく、ルーフモジュール1の部品点数が削減される。
【0040】
ルーフモジュール1は動力伝達部材14をガイドする1対のガイドパイプ15を備える。駆動源12は巻取装置9の後方に配置され、駆動源12はガイドパイプ15を介してガイドレール6に連結されている。したがって、シェード装置3は、ルーフパネル2に取り付けられる前に、駆動源12がガイドパイプ15を介してレールアセンブリ4に連結されたシェードアセンブリとして取り扱うことができる。そのため、ルーフモジュール1の製造が容易である。
【0041】
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では動力伝達部材14がプッシュプルケーブルによって構成されている。他の実施形態では、環状に張られたワイヤによって動力伝達部材14が構成されても良い。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、素材など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更することができる。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 :ルーフモジュール
2 :ルーフパネル
3 :シェード装置
4 :レールアセンブリ
5 :ロールシェード
6 :ガイドレール
7 :リヤクロスメンバ
8 :シェードシート
9 :巻取装置
10 :クロスバー
11 :スライダ
12 :駆動源
14 :動力伝達部材
15 :ガイドパイプ
16 :スライダガイド溝
19 :上ガイド壁
21 :ストッパ
22 :切欠き
23 :レールブラケット
【手続補正書】
【提出日】2022-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のルーフモジュールであって、
ルーフパネルと、
前記ルーフパネルの内面に取り付けられ、車両の前後方向に延在する1対のガイドレールと、
前記ガイドレールによってガイドされるシェードシートと、
前記ガイドレールに支持され、前記シェードシートを巻き取る巻取装置と、
前記シェードシートを巻き出し方向及び巻き取り方向に駆動する駆動源と、
前記ガイドレールの後部同士を連結するリヤクロスメンバとを備え、
前記巻取装置及び前記駆動源が前記ガイドレールの後端側に集約して配置され、前記ガイドレールを連結するクロスメンバが前記ガイドレールの前端側に設けられていない、車両のルーフモジュール。
【請求項2】
前記リヤクロスメンバが前記巻取装置の前方に配置され、前記シェードシートが前記リヤクロスメンバによってガイドされる請求項1に記載の車両のルーフモジュール。
【請求項3】
前記駆動源の駆動力を前記シェードシートに伝達する動力伝達部材をガイドする1対のガイドパイプを更に備え、
前記駆動源が前記巻取装置の後方に配置され、前記ガイドパイプを介して前記ガイドレールに連結されている前記請求項2に記載の車両のルーフモジュール。
【請求項4】
前記シェードシートの巻き出し方向への移動を規制するストッパが前記ガイドレールに一体に形成されている請求項1~3のいずれか1項に記載の車両のルーフモジュール。
【請求項5】
前記シェードシートの前端に設けられ、前記ガイドレールによってガイドされる1対のスライダを有するクロスバーを更に備え、
前記ガイドレールは、前記スライダをガイドするためのスライダガイド溝を画定するガイド壁を有し、
前記ストッパは、前記ガイド壁の一部が切欠きによって他の部分から離隔され、前記スライダガイド溝に突出するように折り曲げられて形成されている請求項4に記載の車両のルーフモジュール。