(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144347
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】第三者の車両を検出するための手段を備えた除雪トレーラー
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231003BHJP
B62D 12/02 20060101ALI20231003BHJP
E01H 5/06 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B62D12/02
E01H5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022051273
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】522123083
【氏名又は名称】ソヴィアール
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ベネデッティ ミシェル
【テーマコード(参考)】
2D026
5H181
【Fターム(参考)】
2D026CD00
5H181AA07
5H181CC04
5H181CC14
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】 第三者の車両を検出するための手段を備えた除雪トレーラーを提供する。
【解決手段】 牽引ヒッチ(4)を備えた牽引車両(3)によって牽引されることを目的とした旋回式除雪トレーラー(1)であって、このトレーラーは、シャーシの前端(5a)とシャーシの後端(5b)との間のシャーシ方向(I-I)に縦方向に延び、且つ互いに反対側のシャーシの第1面(5c)とシャーシの第2面(5d)との間で横方向に延びるシャーシ(5)と;シャーシの第1面(5c)に沿って支えられた除雪ブレード(6)と;除雪トレーラー(1)が旋回し、物体又は個人がシャーシの第2面(5d)の側部の領域(A1)及び/又は後部の領域(A2)にあるときに存在信号を生成することができる検出手段(10)と;を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引ヒッチ(4)を備えた牽引車両(3)によって牽引されることを意図した除雪トレーラー(1)であって、当該除雪トレーラー(1)は、
シャーシの前端(5a)とシャーシの後端(5b)との間のシャーシ方向(I-I)に縦方向に延び、且つ互いに反対側のシャーシの第1面(5c)とシャーシの第2面(5d)との間で横方向に延びるシャーシ(5)と、
前記シャーシの第1面(5c)に沿って支えられた除雪ブレード(6)と、
地面に対して前記シャーシ(5)を支持するように設計された少なくとも1つの車輪(7a-7d)であって、該車輪(7a-7d)の車軸は、方向付け手段(8)によって、前記車輪(7a-7d)が回転する前記車軸の軸線が前記シャーシ方向(I-I)に直交する第1の車輪位置と、前記車輪(7a-7d)が回転する前記車軸の前記軸線が前記シャーシ方向(I-I)と90°を超える車軸角度(A)をなす少なくとも第2の車輪位置との間で選択的に方向付けることができる、少なくとも1つの車輪(7a-7d)と、
前記シャーシの前端(5a)を前記牽引車両(3)の前記牽引ヒッチ(4)に接続できる引張棒(9)と、を含み、
当該除雪トレーラー(1)は、前記車輪(7a-7d)が第2の車輪位置にあり、且つ物体又は個人が、前記シャーシの第2面(5d)の側部の領域(A1)及び/又は後部の領域(A2)にあるときに存在信号を生成することができる検出手段(10)を含む、
除雪トレーラー(1)。
【請求項2】
当該除雪トレーラー(1)は、前記方向付け手段(8)を無効にすることができる無効化手段を含み、
該無効化手段及び前記検出手段(10)は、前記車輪(7a-7d)が第2の車輪位置にあり、且つ前記検出手段(10)が存在信号も生成しているときに、前記無効化手段が、前記車軸を前記第2の車輪位置から前記第1の車輪位置に向ける傾向がある前記方向付け手段(8)の作動を防止するように構成される、請求項1に記載の除雪トレーラー(1)。
【請求項3】
前記シャーシの第2面(5d)の前記側部の領域(A1)は、前記車軸が前記第2の車輪位置から前記第1の車輪位置に移動するために、前記シャーシの第2面(5d)が横切る必要がある角度セクタ(SA)の少なくとも一部を含む、請求項1又は2に記載の除雪トレーラー(1)。
【請求項4】
前記シャーシの第2面(5d)の前記後部の領域(A2)は、前記シャーシの第2面(5d)の前記後端からの所定の距離(D)よりも短い距離にある、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の除雪トレーラー(1)。
【請求項5】
前記検出手段(10)が存在信号を生成する場合に、前記検出手段(10)によって検出した個人が知覚可能な警告信号、好ましくは視覚的及び/又は聴覚的警告信号を生成することができる警告手段(13)を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の除雪トレーラー(1)。
【請求項6】
前記検出手段(10)は少なくとも超音波センサ(11)を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の除雪トレーラー(1)。
【請求項7】
前記検出手段(10)は、前記シャーシの第2面(5d)の前記後端の近くに位置付けされたセンサ(11)を含み、
該センサ(11)は、前記シャーシの第2面(5d)及び前記シャーシの前端(5a)から斜めに離れる方向に向けられた検出手段方向(II-II)の周りの物体又は個人を検出するように設計される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の除雪トレーラー(1)。
【請求項8】
前記検出手段(10)は、前記検出した物体又は個体が、前記センサ(11)に対して、車軸角度(A)の増加関数である最大距離よりも小さい距離にある場合に、前記存在信号を生成する、請求項7に記載の除雪トレーラー(1)。
【請求項9】
前記車軸角度(A)が所定の最小角度値(Amin)よりも小さい場合に、前記検出手段(10)は存在信号を生成せず、
前記車軸角度(A)が前記所定の最小角度値(Amin)よりも小さい場合に、前記存在信号は無効にされる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の除雪トレーラー(1)。
【請求項10】
除雪アセンブリ(2)であって、当該除雪アセンブリ(2)は、
牽引車両(3)と、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の除雪トレーラー(1)と、
前記検出手段(10)が存在信号を生成するときに、前記牽引車両(3)の運転室にいる運転者によって知覚可能な警報信号、好ましくは視覚的及び/又は聴覚的警報信号を生成することができる警報手段(14)と、を含む、
除雪アセンブリ(2)。
【請求項11】
前記警報手段(14)は、
前記シャーシの第2面(5d)の近くに少なくとも部分的に配置される、前記側部の領域(A1)及び/又は後部の領域(A2)に向けられるカメラ手段(15)と、
前記牽引車両(3)の前記運転室に配置され、前記カメラ手段(15)からの画像を受信して表示することができる表示手段(16)と、を含む、請求項10に記載の除雪アセンブリ(2)。
【請求項12】
前記車輪(7a-7d)が第2の車輪位置にある場合にのみ、前記検出手段(10)は、前記シャーシの第2面(5d)の前記側部の領域(A1)及び/又は前記後部の領域(A2)を監視する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の除雪トレーラー(1)、或いは請求項10又は11に記載の除雪アセンブリ(2)の使用。
【請求項13】
前記シャーシの第2の面(5d)の前記側部の領域(A1)は、前記車軸が前記第2の車輪位置から前記第1の車輪位置に移動するために、前記シャーシの第2面(5d)が横切る必要がある角度セクタ(SA)の少なくとも一部を含む、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記シャーシの第2面(5d)の前記後部の領域(A2)は、前記シャーシの第2面(5d)の前記後端からの所定の距離(D)よりも短い距離にある、請求項12又は13に記載の使用。
【請求項15】
前記車軸が前記第2の車輪位置から前記第1の車輪位置に移動するために、前記シャーシの第2面(5d)が横切る必要がある角度セクタ(SA)の少なくとも一部を含む前記側部の領域(A1)でのみ、検出手段(10)は、前記シャーシの側部を監視する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の除雪トレーラー(1)、或いは請求項10又は11に記載の除雪アセンブリ(2)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の車道から除雪を行うことに関するものであり、より具体的には、牽引ヒッチを備えた車両によって牽引されることを意図した除雪トレーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
単一の牽引車両を使用して車道のいくつかの車線から同時に除雪するために、特許文献1に記載される除雪トレーラーが知られており、このトレーラーは、
シャーシの前端とシャーシの後端との間のシャーシ方向に縦方向に延び、且つ互いに反対側のシャーシの第1面とシャーシの第2面との間で横方向に延びるシャーシと、
シャーシの第1面に沿って支えられた除雪ブレードと、
地面に対してシャーシを支持するように設計された少なくとも1つの車輪であって、車輪の車軸は、方向付け手段によって、車輪が回転する車軸の軸線がシャーシ方向に直交する第1の車輪位置と、車輪が回転する車軸の軸線がシャーシ方向と90°を超える車軸角度をなす少なくとも第2の車輪位置との間で選択的に方向付けることができる、少なくとも1つの車輪と、
シャーシの前端を牽引車両の牽引ヒッチに接続できる引張棒と、を含む。
【0003】
別の除雪トレーラーが、特許文献2に記載されている。
【0004】
特許文献3は、後輪を操舵するためのシステムを記載しており、これは、物体検出器、アクチュエータ、及びコントローラを含むシステムであるため、自動車両での使用に適している。曲がる際に、物体検出器を使用して、車両の側部の近くにあり、曲げの内側にのみ存在し得る潜在的な任意の物体を検出する。物体を検出した場合に、アクチュエータを使用して車両の後輪の後方操舵角を調整し、ホスト車両が移動するときに物体を回避する。
【0005】
車輪の第2の位置では、除雪トレーラーは、横方向にオフセットされ、且つ牽引車両の進行方向に対して斜めに方向付けられる(orient)。
【0006】
第三者の車両の特定の運転者は、除雪車両を追い越そうとする傾向があることが見出されている。この場合に、特に視界が悪い状況では、第三者の車両の一部はトレーラーの横に来るまで進み、牽引車両の直ぐ後ろに達する。この結果、トレーラーは、例えば牽引車両の運転手のコマンドで、少なくとも1つの車輪が第2の位置から第1の車輪位置に不適切な瞬間に戻された場合に、第三者の車両を横切って横に押し退ける(sweep:引きずる)場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0143952号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第3196361号公報
【特許文献3】米国第9,944,318号特許
【発明の概要】
【0008】
本発明が対処するように提案する問題は、除雪トレーラーが、少なくとも1つの車輪を方向付けるために使用される手段の作動を通じて牽引車両の進行方向に対して斜めに方向付けされときのリスクを制限することである。
【0009】
これらの目的及び他の目的を達成するために、本発明は、牽引ヒッチを備えた牽引車両によって牽引されることを目的とした除雪トレーラーを提案する。除雪トレーラーは、
シャーシの前端とシャーシの後端との間のシャーシ方向に縦方向に延び、且つ互いに反対側のシャーシの第1面とシャーシの第2面との間で横方向に延びるシャーシと、
シャーシの第1面に沿って支えられた除雪ブレードと、
地面に対してシャーシを支持するように設計された少なくとも1つの車輪であって、車輪の車軸は、方向付け手段によって、車輪が回転する車軸の軸線がシャーシ方向に直交する第1の車輪位置と、車輪が回転する車軸の軸線がシャーシ方向と90°を超える車軸角度をなす少なくとも第2の車輪位置との間で選択的に方向付けることができる、少なくとも1つの車輪と、
シャーシの前端を牽引車両の牽引ヒッチに接続できる引張棒と、を含み、
本発明による除雪車両は、車輪が第2の車輪の位置にあり、且つ物体又は個人が、シャーシの第2面の側部の領域及び/又は後部の領域にあるときに存在信号を生成することができる検出手段をさらに含む。
【0010】
本発明によるそのような除雪トレーラーでは、存在信号は、牽引車両の運転者に警告し、運転者が、除雪トレーラーに対して危険な位置(すなわち、シャーシの第2面の側部の領域及び/又は後部の領域)に第三者の車両が存在するという理由で、方向付け手段の作動を控えることができるようにする。代替又は追加として、存在信号を使用して、第三者の車両の運転者に、彼ら運転者が危険な位置にあるという事実を警告し、牽引車両及び除雪トレーラーから離れるように警告することができる。
【0011】
有利には、以下のような規定(provision)を設けることができる。
除雪トレーラーは、方向付け手段を無効にすることができる無効化手段を含み、
無効化手段及び検出手段は、車輪が第2の車輪位置にあり、且つ検出手段が存在信号を生成しているときに、無効化手段が、車軸を第2の車輪位置から第1の車輪位置に向ける傾向があり得る方向付け手段の作動を防止するように構成される。
【0012】
こうして、検出手段が危険な位置(すなわち、シャーシの第2面の側部の領域及び/又は後部の領域)にある第三者の車両を検出する場合、方向付け手段の作動は不可能になる。こうして、牽引車両の運転者が注意を怠っても安全が確保される。
【0013】
実際には、シャーシの第2面の側部の領域は、有利には、車軸が第2の車輪位置から第1の車輪位置に移動するために、シャーシの第2面が横切る必要がある角度セクタの少なくとも一部を含み得る。
【0014】
実際には、シャーシの第2面の後部の領域は、有利には、シャーシの第2面の後端からの所定の距離よりも短い距離にあり得る。
【0015】
選好として、除雪トレーラーは、検出手段が存在信号を生成するときに、検出手段によって検出した個人が知覚可能な警告信号、好ましくは視覚的及び/又は聴覚的警告信号を生成することができる警告手段を含み得る。
【0016】
こうして、存在信号は、第三者の車両の運転手に、彼ら運転手が危険な位置にいるという事実を警告するために使用され、それによって、彼ら運転手は牽引車両及び除雪トレーラーから離れることができる。
【0017】
有利には、検出手段は、少なくとも超音波センサを含む。こうして、検出手段は、自動車で使用される駐車補助装置のように、設置及び調整が簡素で容易な構造を有する。
【0018】
選好として、以下のような規定を設けることができる。
検出手段は、シャーシの第2面の後端の近くに位置付けされたセンサを含み、
センサは、シャーシの第2面及びシャーシの前端から斜めに離れる方向に向けられた検出手段方向(mean detection direction)の周りの物体又は個人を検出するように設計される。
【0019】
センサのそのような方向付けによって、シャーシの第2面の側部の領域及び/又は後部の領域を簡素な方法で監視することが可能になる。
【0020】
有利には、検出手段は、検出した物体又は個体が、センサに対して、車軸角度の増加関数である最大距離よりも小さい距離にある場合に、存在信号を生成する。
【0021】
このように車軸角度に従ってセンサの検出距離を適応させることにより、その検出したものが検出した道路の脇にあるガードレールである場合に、タイミングの悪い存在信号の生成(又は方向付け手段の制御の無効化さえ)が回避される。
【0022】
道路の脇にあるガードレールを検出するというこの問題を回避するために、代わりに、以下の規定を設けることが可能である。
検出手段は、車軸角度が所定の最小角度値よりも小さい場合に、存在信号を生成しない、又は
存在信号は、車軸角度が所定の最小角度値よりも小さい場合に、無効になる。
【0023】
車軸角度が小さい場合に存在信号が生成されない、又は存在信号が無効になるという事実は、過度に不利ではない。第三者の車両は、いずれにせよ、その側部の領域に接近してそれ自体を配置するのに十分なスペースを有さない。
【0024】
本発明の別の態様は、除雪アセンブリを提案する。この除雪アセンブリは、
牽引車両と、
上記の除雪トレーラーと、
検出手段が存在信号を生成するときに、牽引車両の運転室にいる運転者が知覚可能な警報信号、好ましくは視覚的及び/又は聴覚的警報信号を生成することができる警報手段と、を含む。
【0025】
こうして、牽引車両の運転者は、除雪トレーラーに対する危険な位置(すなわち、シャーシの第2面の側部の領域及び/又は後部の領域)に第三者の車両が存在するという理由で、方向付け手段を作動させるのを控えるように確実に警告される。
【0026】
牽引車両の運転者には、監視すべき事柄が非常に多い:道路上の牽引車両の正しい道路維持及び進路、道路の端に対する除雪トレーラーの進路、牽引車両が一般的に搭載している除雪ブレードの向き、道路にばら撒く必要のある物質(塩、砂等)、道路上又は道路の端等に存在する可能性がある障害物;ので、視覚的及び/又は聴覚的警報信号の使用が好ましい。
【0027】
選好として、警報手段は、
シャーシの第2面の近くに少なくとも部分的に配置される、側部の領域及び/又は後部の領域に向けられるカメラ手段と、
牽引車両の運転室に配置され、カメラ手段からの画像を受信して表示できる表示手段と、を含む。
【0028】
カメラ手段は、牽引車両の運転者に、シャーシの第2面の側部の領域及び/又は後部の領域で発生するイベントの明確な視界を与える。
【0029】
有利には、表示手段による画像の表示は、検出手段が存在信号を生成している場合にのみトリガーすることができ、これは、既に監視すべき事柄が非常に多い運転者を、不必要に気を散らさないようにするためである。
【0030】
本発明の別の態様は、上記の除雪トレーラー又は上記の除雪アセンブリの使用を提案し、この使用では、車輪が第2の車輪位置にある場合にのみ、検出手段を使用して、シャーシの第2面の側部の領域及び/又は後部の領域を監視する。こうして、監視は、第三者の車両又は第三者の個人が側部の領域又は後部の領域に入るリスクがある場合にのみ実行される(及び存在信号が生成される)。これにより、不要な警報のリスクが制限される。
【0031】
本発明の別の態様は、上記の除雪トレーラー又は上記の除雪アセンブリの使用を提案し、この使用では、車軸が第2の車輪位置から第1の車輪位置に移動するために、シャーシの第2面が横切る必要がある角度セクタの少なくとも一部を含むシャーシの側部のみで、検出手段を使用して、シャーシの側部を監視する。こうして、監視は重要な側でのみ行われる。過剰な存在信号によってオペレータを誤解させないために、シャーシの反対側(第1の)側には検出が行われない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の更なる目的、特徴、及び利点は、いくつかの特定の実施形態の以下の説明から明らかになり、その中の添付の図を参照して与えられる。
【
図1】本発明による除雪トレーラーを備えた除雪アセンブリの上方からの概略図であり、その少なくとも1つの車輪が第1の車輪位置にある。
【
図2】
図1の除雪アセンブリの除雪トレーラーの一部の上から見た概略図である。
【
図3】除雪トレーラーを備えた除雪アセンブリの上方から見た概略図であり、その少なくとも1つの車輪が第2の車輪位置にある。
【
図4】
図3の除雪アセンブリの除雪トレーラーの一部の上から見た概略図である。
【
図5】除雪トレーラーの検出手段の動作を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明のいくつかの実施形態で同一の数値参照が使用される場合に、これらの数値参照は、各実施形態で同一又は類似の要素を指す。
【0034】
図1~
図5は、本発明による除雪トレーラー1の1つの例示的な実施形態を示し、除雪トレーラー1は、
図1及び
図3の除雪アセンブリ2で使用され、そのトレーラー1を牽引するための牽引車両3をさらに含む。
【0035】
除雪トレーラーは、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、輸送位置(
図1及び
図2)と除雪位置(
図3及び
図4)との間で旋回できるタイプのものである。
【0036】
除雪トレーラー1は、牽引ヒッチ4を備えた牽引車両3によって牽引されることを意図している。この除雪トレーラー1は、
シャーシの前端5aとシャーシの後端5bとの間のシャーシ方向I-Iに縦方向に延び、且つ互いに反対側のシャーシの第1面5cとシャーシの第2面5dとの間で横方向に延びるシャーシ5と、
シャーシの第1面5cに沿って支えられた除雪ブレード6と、
地面に対してシャーシ5を支持するように設計された4つの車輪7a-7dであって、車輪7a-7dの車軸は、方向付け手段8によって、車輪7a-7dが回転する車軸の軸線がシャーシ方向I-Iに直交する(
図1及び
図2)第1の車輪位置(
図1及び
図2)と、車輪7a-7dが回転する車軸の軸線がシャーシ方向I-Iと90°と異なる(より大きい)車軸角度Aをなす(
図3及び
図4)少なくとも第2の車輪位置(
図3及び
図4)との間で選択的に方向付けることができる、車輪7a-7dと、
シャーシの前端5aを牽引車両3の牽引ヒッチ4に接続することができる引張棒9と、を含む。
【0037】
方向付け手段8は、特に、
図2及び
図4でより具体的に確認できる複動式油圧シリンダ19を含む。
【0038】
この場合に、除雪トレーラー1は、特許文献2に記載されているものと同様であり、引張棒9が、シャーシの前端5aに対して、シャーシ方向I-Iによって規定される平面に直交する方向IV-IVと、除雪トレーラー1がシャーシの第1の面5cとシャーシの第2面5dとの間で横方向に延びる方向との周りで旋回するように連結される。
図1及び
図2を
図3及び
図4と比較することにより分かり得るように、旋回手段20は、シャーシ5を、引張棒9に対して旋回する際に選択的に動かすことができ、シャーシ5及び引張棒9の相対角度位置を固定することができる。特に、旋回手段20は、
図2及び
図4に特に確認される複動式油圧シリンダ12を含む。
【0039】
除雪トレーラー1は、車輪7a-7dが第2の車輪位置にあり、且つ物体又は個人が、シャーシの第2面5dの側部の領域A1及び/又は後部の領域A2にあるときに存在信号を生成することができる検出手段10を含む。
【0040】
より具体的には、
図3及び
図4において、シャーシの第2面の側部の領域A1は、車軸が第2の車輪位置(
図3及び
図4)から第1の車輪位置(
図1及び
図2)に移動するために、シャーシの第2面5dが横切る必要がある角度セクタSA(その輪郭が破線でマークされる)の少なくとも一部を含むことが分かり得る。
【0041】
さらに、シャーシの第2の面5dの後部の領域A2は、シャーシの第2面5dの後端から所定の距離D未満の距離にあることが分かり得る。
【0042】
第三者の車両が角度セクタSAに入ろうとする場合に、これは、第三者の車両が領域A1に入るときに、検出手段10によって少なくとも検出される。ここで、第三者の車両は、シャーシの第2面5dに並ぶ前でも、後部の領域A2方に入ると直ぐに検出される。こうして、存在信号がない場合に、方向付け手段8は、第三者の車両へのリスクなしに、心配することなく作動することができる。第三者の車両が領域A1及び領域A2のいずれかに入った場合に、その侵入が検出され、牽引車両の運転者は、方向付け手段8を作動させないように警告され得る。
【0043】
1つの特定の実施形態では、除雪トレーラー1は、方向付け手段8を無効にすることができる無効化手段を含む。次に、無効化手段及び検出手段10は、車輪7a-7dが第2の車輪位置にあり、且つ検出手段10が存在信号を生成しているときに、無効化手段が、車軸を第2の車輪位置(
図3及び
図4)から第1の車輪位置(
図1及び
図2)に向ける傾向があり得る方向付け手段8の作動を防ぐ。こうして、除雪トレーラー1が第三者の車両と衝突する可能性のある動きが防止される。
【0044】
図に示される実施形態では、検出手段10は、自動車部門で駐車補助装置(一般に「逆転レーダー」とも呼ばれる)のために使用されるもののような超音波センサ11(
図3及び
図4)を少なくとも含む。
【0045】
センサ11は、シャーシの第2の面5dの後端の近くに(シャーシ方向I-Iに沿って、シャーシの前端5aに向けて少し前方に)位置付けされる。センサ11は、シャーシの第2面5d及びシャーシの前端5aから斜めに離れる方向に向けられた検出手段方向II-IIの周りの物体又は個体を検出するように設計される。ここで、検出手段方向II-IIは、シャーシ方向I-Iと90°~180°の角度Bをなす。
【0046】
除雪トレーラー1(又は除雪トレーラー1を操縦している牽引車両3の運転者)の動きが、シャーシの第2の面5dの側で道路に隣接するガードレールの不適切な検出によって妨げられないようにすることが重要である。
【0047】
これを達成するために、第1の可能性は、検出した物体又は個体が、センサ11に対して、車軸角度Aの増加関数である最大距離DMaxよりも短い距離にある場合に存在信号を生成するための検出手段10を備えることである。換言すると、車軸角度Aが90°に戻るにつれて(従って、除雪トレーラー1が牽引車両3の進路の続きに戻るにつれて)、物体又は個人を検出できる範囲が減少する。
【0048】
第2の可能性は、車軸角度Aが所定の最小角度Aminよりも小さい場合に存在信号が無効になるように規定することである。
【0049】
ここで好ましく、
図1~
図5の実施形態で採用される第3の可能性は、車軸角度Aが所定の最小角度値Aminよりも小さい場合に検出手段10が存在信号を生成しないように規定することである。
【0050】
図5は、概略的に、警告手段13が、検出手段10によって検出した個人が知覚可能な警告信号を生成できることを示している。この場合に、警告手段13は、視覚的警告信号発生器13a(点滅又は固定光)及び可聴警告信号発生器13bを含み、これらはそれぞれ、検出手段10が存在信号を生成しているときに、視覚信号及び可聴信号を生成する。警告手段は除雪トレーラー1によって支えられている。警報手段14は、牽引車両3の運転室で運転者が知覚できる警報信号を生成することができる。実際には、警報手段14は、視覚的警告信号発生器14a及び可聴警告信号発生器14bを含み、これらはそれぞれ、検出手段10が存在信号を生成しているときに、視覚信号及び可聴信号生成する。
【0051】
この場合に、視覚的警告信号を生成するために、警報手段14は、
シャーシの第2面5dの近くに少なくとも部分的に位置し、側部の領域A1及び/又は後部の領域A2に向けられたカメラ手段15であって、牽引車両3によって支えられている、或いは除雪トレーラー1によって支えられている可能性があるカメラ手段15と、
牽引車両3の運転室に配置され、且つカメラ手段15からの画像を受信して表示することができる表示手段16と、を含む。
【0052】
表示手段16による画像の表示は、検出手段10が存在信号を生成している場合にのみトリガーすることができ、これは、既に監視すべき事柄が非常に多い運転者を、不必要に気を散らさないようにするためである。
【0053】
図5には、車軸角度Aをそれぞれ制御及び測定するための制御手段17及び測定手段18も含まれる。車軸角度Aは、例えば、油圧シリンダ19のストロークを測定することによって、様々な方法で測定することができる。
【0054】
次に、除雪トレーラー1が動作する方法を、
図1~
図5に関連して説明する。
【0055】
除雪トレーラー1は、最初に、牽引車両3(輸送位置)の後ろに90°の車軸角度Aで牽引される:車輪7a-7dが回転する車軸の軸線は方向III-IIIに平行であり、且つシャーシ方向I-Iと90°に等しい車軸角度Aをなす。
【0056】
除雪すべき雪がある場合に、方向付け手段8は、車輪7a-7dを第2の車輪位置に向けるために車軸角度Aを増加させるように動作される(
図3及び
図4-除雪トレーラー1の除雪位置):車輪7a-7dが回転する車軸の軸線は方向III-IIIに平行であり、シャーシ方向I-Iと90°を超える車軸角度Aをなす。除雪ブレード6は、同時に又はその後、車道と接触するように下げられる。
【0057】
車軸角度Aを測定するための手段18によって識別される所定の車軸角度Aminを超えると(実際には、第三者の車両がシャーシの第2面5dに沿って押し込めるのに十分なスペースが作成されると直ぐに)、制御手段17は、検出手段10を作動させる。
【0058】
別のアプローチによれば、検出手段10は、車輪7a-7dが第2の車輪位置にある場合にのみ、シャーシの第2面5dの側部の領域A1及び/又は後部の領域A2を監視する。こうして、監視は、第三者の車両又は第三者の個人が側部の領域A1又は後部の領域A2に入るリスクがある場合にのみ実行される(必要に応じて存在信号が生成される)。これにより、不要な警報のリスクが制限される。
【0059】
図3及び
図4に示されるように、検出手段10は、車軸が第2の車輪位置から第1の車輪位置に移動するために、シャーシの第2面5dが横切る必要がある角度セクタSAの少なくとも一部を含む側部の領域A1でのみシャーシの側部を監視する。
【0060】
第三者の車両が除雪トレーラー1に不注意に接近し、領域A1及び領域A2の一方及び/又は他方に入る場合に、検出手段は、制御手段17に伝達される存在信号を生成する。
【0061】
次に、制御手段17は、第三者の車両の運転者の注意を引くために、視覚警告信号発生器13aを用いて視覚信号(固定又は点滅光を照らす)を生成する及び可聴警告信号発生器13bを用いて可聴信号を生成する警告手段13を動作させる。
【0062】
同時に、制御手段17は、警報手段14を作動させて、牽引車両3の運転室にいる運転者に、第三者の車両の存在を警告する。
可聴警告信号発生器13bは可聴信号を発し、
カメラ手段15は、表示手段16が表示する画像を送信する。
【0063】
牽引車両3の運転者は、第三者の車両の存在を適切に警告し、次に、車軸を第2の車輪位置(
図3及び
図4)から第1の車輪位置(
図1及び
図2)に向ける傾向がある方向付け手段8の作動を控える。こうして、第三者の車両との衝突が回避される。
【0064】
除雪作業が完了したとき、又は障害物を乗り越え(overcome)なければならないときに、牽引車両の運転者は、除雪トレーラー1を輸送位置に戻すために、車軸を第2の車輪位置(
図3及び
図4)から第1の車輪位置(
図1及び
図2)に向ける傾向がある方向に方向付け手段を作動させる。領域A1及びA2に物体又は個人が存在しない場合に、検出手段は存在信号を発しない。さらに、車軸角度Aを測定するための手段18によって識別される所定の車軸角度Aminを下回ると、制御手段17は、検出手段10を非アクティブ化して、除雪トレーラーは、除雪トレーラー1の運転者及び/又はその操作を悩ませる車道に隣接するガードレールの不注意な検出がなければ、
図1及び
図2に示される輸送位置に戻るのを完了する。
【0065】
本発明は、明示的に説明した実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲内に含まれるその多様な変形及び一般化を含む。
【外国語明細書】