(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144356
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】搬送加熱装置
(51)【国際特許分類】
F27B 9/30 20060101AFI20231003BHJP
F27B 9/36 20060101ALI20231003BHJP
F27D 7/04 20060101ALI20231003BHJP
B23K 1/008 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
F27B9/30
F27B9/36
F27D7/04
B23K1/008 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051284
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003236
【氏名又は名称】弁理士法人杉浦特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(72)【発明者】
【氏名】田森 信章
(72)【発明者】
【氏名】古川 利晴
【テーマコード(参考)】
4K050
4K063
【Fターム(参考)】
4K050AA01
4K050BA17
4K050CA13
4K050CD17
4K063AA05
4K063BA12
4K063CA03
4K063DA26
4K063DA28
(57)【要約】
【課題】被加熱物に温度のむらが生じることを防止する。
【解決手段】複数の加熱炉が配列され、加熱炉によって被加熱物に対して熱風を吹きつけるように構成された加熱装置と、加熱装置に対して被加熱物を搬入する搬送コンベアを有し、加熱炉のそれぞれは上部炉体及び下部炉体で構成され、上部炉体及び下部炉体のそれぞれに設けられたファンと、上部炉体及び下部炉体のそれぞれに設けられた加圧室と、加圧室内に設けられ、ファンから熱風が吹きつけられる整流板を備え、整流板がファンの外周より外側のみに設けられている搬送加熱装置である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加熱炉が配列され、前記加熱炉によって被加熱物に対して熱風を吹きつけるように構成された加熱装置と、前記加熱装置に対して被加熱物を搬入する搬送コンベアを有し、
前記加熱炉のそれぞれは上部炉体及び下部炉体で構成され、
前記上部炉体及び前記下部炉体のそれぞれに設けられたファンと、
前記上部炉体及び前記下部炉体のそれぞれに設けられた加圧室と、
前記加圧室内に設けられ、前記ファンから熱風が吹きつけられる整流板を備え、
前記整流板が前記ファンの外周より外側のみに設けられている
搬送加熱装置。
【請求項2】
被加熱物に吹きつけられた熱風が前記加圧室と炉壁の間の空間を通って前記ファンの負圧側に戻るようになされた請求項1に記載の搬送加熱装置。
【請求項3】
前記ファンの負圧側にヒータが配置されている請求項1又は2に記載の搬送加熱装置。
【請求項4】
前記ファンが遠心ファンである請求項1から3のいずれかに記載の搬送加熱装置。
【請求項5】
前記上部炉体及び前記下部炉体の炉壁と対向して空気層壁が設けられ、前記炉壁及び前記空気層壁の間に上部空気層及び下部空気層が形成された請求項1から4のいずれかに記載の搬送加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばリフロー装置に対して適用される搬送加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リフロー装置は、搬送チェーンによって被加熱物としてのワーク例えばプリント基板が供給されるリフロー炉を備えている。リフロー炉は、例えば、搬入口から搬出口に至る搬送経路に沿って、複数のゾーンに対応する複数の加熱炉が順に配置された構成とされている。複数のゾーンは、加熱ゾーン、冷却ゾーンなどの役割を有する。
【0003】
加熱ゾーンでは、ワークに対して熱風が吹きつけられることによって、はんだ組成物内のはんだを溶融させてプリント基板の電極と電子部品とがはんだ付けされる。リフロー装置では、加熱時の温度を所望の温度プロファイルにしたがって制御することによって、所望のはんだ付けがなされる。すなわち、最初の区間が加熱によって温度が上昇する昇温部とされ、次の区間がほぼ一定温度のプリヒート(予熱)部とされ、次の区間がリフロー(本加熱)部とされ、最後の区間が冷却部とされる。
【0004】
例えば特許文献1には、気体の吐出,回収の対流は、回収口に近いほど活発で回収口から離れるほど停滞し、この結果、吐出面のほぼ中央部の下方に相対的に加熱温度の高い領域が出現してしまい、被加熱物における半田付け精度にむらが生じてしまう問題を解決することが記載されている。特許文献1では、吐出面の被加熱物の送り方向のほぼ中央部と被加熱物の幅方向のほぼ中央部とに十字形となる回収口を開口した構成としている。また、回収口と加熱された気体を吐出させるブロアとの間にブロアに向けて拡開した錐形のシュラウドを設け、回収口から回収された気体が錐形のシュラウドに旋回するように案内されてブロアに吸引される構成としている。シュラウドの内部に螺旋形のヒータが内蔵されている。かかる特許文献1では、回収口から回収された気体が錐形のシュラウドに旋回するように案内されてブロアに吸引され、シュラウドの内部を旋回して通過する際に旋回の長い過程でヒータによって加熱される構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、かかる特許文献1に記載の構成は、吐出面の吐出口に近接して回収口を設ける構成を改善するものであり、吐出面(吹き出しパネル)の周囲に回収口を設ける構成に対しては適用できないものであった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、吹き出しパネルの周囲に回収口を有する構成に対して適用され、被加熱物の温度にむらが生じないようにできる搬送加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の加熱炉が配列され、加熱炉によって被加熱物に対して熱風を吹きつけるように構成された加熱装置と、加熱装置に対して被加熱物を搬入する搬送コンベアを有し、
加熱炉のそれぞれは上部炉体及び下部炉体で構成され、
上部炉体及び下部炉体のそれぞれに設けられたファンと、
上部炉体及び下部炉体のそれぞれに設けられた加圧室と、
加圧室内に設けられ、ファンから熱風が吹きつけられる整流板を備え、
整流板がファンの外周より外側のみに設けられている
搬送加熱装置である。
【発明の効果】
【0009】
少なくとも一つの実施形態によれば、整流板がファンの外周より外側のみに設けられているので、被加熱物に対する風圧のばらつきを減少させ、被加熱物の温度のむらを減少させることができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本発明中に記載されたいずれの効果であってもよい。また、以下の説明における例示された効果により本発明の内容が限定して解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明を適用できる従来のリフロー装置の概略を示す略線図である。
【
図2】
図2は、リフロー時の温度プロファイルの例を示すグラフである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態の説明に用いるリフロー装置の断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態の生産時の動作説明に用いる断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態の品種切り替え時の動作説明に用いる断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施形態について説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
<1.リフロー装置の一例>
<2.一実施形態>
<3.変形例>
なお、以下に説明する一実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0012】
<1.リフロー装置の一例>
図1は、本発明を適用できる従来のリフロー装置の概略的構成を示す。プリント配線板の両面に表面実装用電子部品が搭載されたワークが搬送コンベヤの上に置かれ、搬入口11からリフロー装置の加熱装置内に搬入される。搬送コンベヤが所定速度で矢印方向(
図1に向かって左から右方向)へワークを搬送し、ワークが搬出口12から取り出される。搬送コンベアの搬送方向が水平方向とされている。
【0013】
加熱装置は、搬入口101から搬出口102に至る搬送経路に沿って、複数の加熱炉が配列され、加熱炉によってワークに対して熱風(熱せられた雰囲気ガス)を吹きつけるように構成されている。複数の加熱炉(ゾーンと称する)がインライン状に配列されている。入口側から7個のゾーンZ1~Z7が加熱ゾーンであり、出口側の2個のゾーンZ8及びZ9が冷却ゾーンである。冷却ゾーンZ8及びZ9に関連して強制冷却ユニット103が設けられている。加熱ゾーンZ1~Z7のそれぞれは、それぞれ送風機、ヒータ、吹き出しパネルなどを含む上部炉体及び下部炉体を有する。なお、このゾーン数は、一例であり、異なる数のゾーンを有する構成としてもよい。
【0014】
上述した複数のゾーンZ1~Z9がリフロー時の温度プロファイルにしたがってワークの温度を制御する。
図2に温度プロファイルの一例の概略を示す。横軸が時間であり、縦軸がワーク例えば電子部品が実装されたプリント配線板の表面温度である。最初の区間が加熱によって温度が上昇する昇温部R1であり、次の区間がほぼ一定温度のプリヒート(予熱)部R2であり、次の区間がリフロー(本加熱)部R3であり、最後の区間が冷却部R4である。
【0015】
昇温部R1は、常温からプリヒート部R2(例えば150℃~170℃)まで基板を加熱する期間である。プリヒート部R2は、例えば等温加熱を行い、フラックスを活性化し、電極、はんだ粉の表面の酸化膜を除去し、また、プリント配線板の加熱ムラをなくすための期間である。リフロー部R3(例えばピーク温度で220℃~240℃)は、はんだが溶融し、接合が完成する期間である。リフロー部R3では、はんだの溶融温度を超える温度まで昇温が必要とされる。リフロー部R3は、プリヒート部R2を経過していても、温度上昇のムラが存在するので、はんだの溶融温度を超える温度までの加熱が必要とされる。最後の冷却部R4は、急速にプリント配線板を冷却し、はんだ組成を形成する期間である。なお、無鉛ハンダの場合では、リフロー部R3における温度は、より高温(例えば240℃~260℃)となる。
【0016】
図2において、曲線1は、鉛フリーはんだの温度プロファイルの一例を示す。Sn-Pb共晶はんだの場合の温度プロファイルの一例は、曲線2で示すものとなる。鉛フリーはんだの融点は、共晶はんだの融点より高いので、プリヒート部R2及びリフロー部R3における設定温度が共晶はんだに比して高いものとされている。
【0017】
図1に示すリフロー装置では、
図2における昇温部R1の温度制御を、主としてゾーンZ1及びZ2が受け持つ。プリヒート部R2の温度制御は、主としてゾーンZ3、Z4及びZ5が受け持つ。リフロー部R3の温度制御は、ゾーンZ6及びZ7が受け持つ。冷却部R4の温度制御は、ゾーンZ8及びゾーンZ9が受け持つ。上述した複数の炉体間(ゾーン間)には、隙間が存在する。
【0018】
<2.一実施形態>
図3は、複数のゾーンからなる加熱装置の一部の断面図であり、
図4は、
図3のA-A線断面図であり、
図5は、
図4のB-B線断面図である。ワークWの搬送方向(
図3の矢印方向)に沿って加熱ゾーンに含まれるゾーンZnが示されている。リフロー装置の加熱ゾーンZ1~Z7の上部炉体及び下部炉体は、
図3、
図4及び
図5に示す構成と同様の構成とされている。
【0019】
各ゾーンには、上部炉体及び下部炉体が対向して設けられ、上部炉体と下部炉体との対向間隙内で、プリント回路基板の片面又は両面に表面実装用電子部品が搭載されたワークWが搬送コンベア1a,1bによって搬送される。上部炉体内及び下部炉体内は、雰囲気ガスである例えば窒素(N2)ガスが充満している。上部炉体は、ワークWに対して下方に熱風(熱せられた雰囲気ガス)を噴出してワークWを加熱し、下部炉体は、ワークWに対して上方に熱風を噴出してワークWを加熱する。なお、熱風と共に赤外線を照射しても良い。
【0020】
上部炉体は、モータ2により回転されるファン(回転羽根)3が加圧室4内に配置され、加圧室4から整流板12及び吹き出しパネル5を通じて下方に熱風が吹き出される。吹き出しパネル5は、加圧室4の開口を覆うように設けられた多数の孔が形成された矩形の金属板である。整流板12は、加圧室4内においてファン3と吹き出しパネル5の間に配置され、ワークWに対する風圧のワークW面上のむらを防止し、ワークW面上の温度のむらを防止する。ファン3は、遠心ファン(例えばターボファン)である。ファン3の負圧側にヒータ6が配置されている。これらのファン3、吹き出しパネル5及びヒータ6が炉壁7で囲まれた炉体内に配置されている。
【0021】
さらに、炉壁7と所定の間隔で対向して空気層壁8が設けられ、炉壁7及び空気層壁8の間に上部断熱空気層としての上部空気層9が形成される。上部空気層9には、
図4に示すように、導入口10及び排出口11が取り付けられている。図示しないが、導入口10に対してゾーンごとに設けられたファンから配管を通じてエアが供給され、導出口11からファンに対して配管を通じてエアが導出される。このエアの経路中にバルブ等の制御手段が設けられ、上部空気層9に対してエアが供給/供給停止とされている。なお、複数ゾーンに共通のファン及び配管を設けてもよい。
【0022】
下部炉体は、上部炉体と同様に、炉壁17で囲まれた炉体内に、モータ12により回転されるファン(回転羽根)13、整流板22、吹き出しパネル15及びヒータ16が配置されている。ファン13の負圧側にヒータ16が配置されている。ファン13及び整流板22は、加圧室14内に配置される。整流板22及び吹き出しパネル15を通じて上方に熱風が吹き出される。吹き出しパネル15は、加圧室14の開口を覆うように設けられた多数の孔が形成された金属板である。整流板22は、ファン13と吹き出しパネル15の間に配置され、ワークWに対する風圧のワークW面上のむらを防止し、ワークW面上の温度のむらを防止する。ファン13は、遠心ファン(例えばターボファン)である。
【0023】
整流板12及び整流板22は、同様の形状を有している。
図5は、整流板(斜線を付して表す。以下同様)22の一例を示す。上部炉体及び下部炉体は、矩形の吹き出しパネル5及び吹き出しパネル15が対向するように設けられている。整流板22は、多数の孔が形成された金属板の中央に矩形例えば正方形の開口が形成されたものである。この開口は、その一辺の長さがファン13の直径よりやや大とされている。すなわち、整流板22がファン13の外周より外側のみに設けられている。整流板12も整流板22と同様の形状とされている。なお、整流板12及び整流板22は、冷却ゾーンにも設けてもよい。なお、整流板12及び整流板22は、1枚の板に開口を形成する構成に限らず、2枚以上の部分を貼り合わせた構成でもよい。
【0024】
さらに、炉壁17と所定の間隔で対向して空気層壁18が設けられ、炉壁17及び空気層壁18の間に下部断熱空気層としての下部空気層19が形成される。下部空気層19には、
図4に示すように、導入口20及び排出口21が取り付けられている。図示しないが、導入口20に対してゾーンごとに設けられたファンから配管を通じてエアが供給され、導出口21からファンに対して配管を通じてエアが導出される。このエアの経路中にバルブ等の制御手段が設けられ、下部空気層19に対してエアが供給/供給停止とされている。なお、複数ゾーンに共通のファン及び配管を設けてもよい。
【0025】
上部空気層9及び下部空気層19はリフローを行うための炉の内部空間とは隔離された構成とされている。したがって、上部空気層9及び下部空気層19に対して導入する媒体としてエアを使用することができる。なお、導入する媒体の種類としては、エア以外の気体(例えば窒素ガス)又は液体(例えば水)を使用してもよい。
【0026】
本発明の一実施形態の動作について説明する。
図6は、ワークWを流してリフローを行う生産時の動作を示している。
図6は、
図4と対応する図面である。生産時には、ヒータ6,16により加熱された雰囲気がファン3、13により整流板12,22及び吹き出しパネル5,15を通じてワークWに対して吹きつけられる。整流板12,22の開口及び開口の周囲のパネル部の孔を雰囲気が通過する。そして、ワークに吹きつけられた熱風が吹き出しパネル5,15の周囲に形成された加圧室4,14と炉壁7,17の間の空間を通ってファン3、13の負圧側に戻り、ファン3、13に雰囲気が吸い込まれて吹き出される。生産時では、上部空気層9及び下部空気層19に対するエアの供給及び排出が停止されている。
【0027】
図7は、ワークの種類の変更、プロファイルの変更などの品種切り替え時の動作を示す。品種切り替え時には、上部空気層9及び下部空気層19の全てに対するエアの供給及び排出が行われる。この処理によって品種切り替えに要する時間を短縮化することができ、生産効率を向上できる。
【0028】
図8A,
図8B,
図8C及び
図9A,
図9Bを参照して整流板の形状の変形例について説明する。簡単のため、下部炉体の整流板について説明するが、上部炉体の整流板も同様の形状を有している。但し、上部炉体の整流板と下部炉体の整流板を異なる形状としてもよい。
【0029】
図8Aに示す整流板22Aは、ファン13と同心円状の開口が中央に形成されたものである。整流板22Aがファン13の外周より外側のみに設けられている。
図8Bに示す整流板22Bは、ファン13の外周より外側に位置し、搬送方向に延びる帯状のものである。2枚の整流板22Bが平行に設けられている。
図8Cに示す整流板22Cは、ファン13の外周より外側で、搬送方向と直交する方向に延びる帯状のものである。2枚の整流板22Cが平行に設けられている。
【0030】
図9Aに示す整流板22Dは、整流板22Bと同様に、ファン13の外周より外側に位置し、搬送方向に延びる帯状のものである。整流板22Bと異なる点は、加圧室14の搬送方向と平行する2面の内側との間に隙間が設けられている点である。さらに、
図9Bに示す整流板22Eのように、整流板22Dより幅が狭い形状としてもよい。なお、図示する形状以外の整流板を使用してもよい。
【0031】
上述した本発明の一実施形態において、例えば上部炉体、下部炉体共に同様の構成である整流板22Bを設けた構成と、整流板を全面に設けた構成に関して、ワーク例えば所定の厚みのステンレス板上の温度を測定した結果、温度のムラを減少できることが確認できた。リフローのピーク温度を240℃に設定した場合、整流板22Bを通過する雰囲気の風圧のバラツキが減少し、ワーク上の最高温度と最低温度の差が従来技術では、5.9℃であったのが、本発明の一実施形態では、2.5℃に改善することができた。
【0032】
<3.変形例>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えばファンが背面から雰囲気を吸い込む構成に限らず、前面から雰囲気を吸い込む構成としてもよい。また、本発明は、プリント基板に限らず、フレキシブル基板、リジッド基板とフレキシブル基板とを貼り合わせた基板、これらを組み合わせたリジッドフレキ基板のリフローに対しても適用できる。さらに、リフロー装置に限らず、樹脂の硬化のための加熱装置等に対しても適用できる。また、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0033】
Zn・・・ゾーン、101・・・搬入口、102・・・搬出口、103・・・強制冷却ユニット、1a,1b・・・搬送コンベア、3,13・・・ファン、6,16・・・ヒータ、7,17・・・炉壁、8,18・・・空気層壁、9・・・上部空気層、12,22・・・整流板、19・・・下部空気層