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特開2023-144359アルコール測定管理装置、アルコール測定管理方法、プログラム、及び、アルコール測定管理システム
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  • 特開-アルコール測定管理装置、アルコール測定管理方法、プログラム、及び、アルコール測定管理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144359
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】アルコール測定管理装置、アルコール測定管理方法、プログラム、及び、アルコール測定管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20231003BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051287
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】509099475
【氏名又は名称】株式会社アネストシステム
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾田 良平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】運転者の測定忘れを防止することが可能なアルコール測定管理装置、アルコール測定管理方法、プログラム、及び、アルコール測定管理システムを提供する。
【解決手段】アルコール測定管理装置である管理サーバ3は、車両を運転する運転者に関する運転者情報、及び、運転者が車両を運転する予約日時に関する予約日時情報を含む車両予約情報と、運転者によるアルコール測定結果であるアルコール測定値、及び、測定日時に関する測定日時情報を含む測定情報とを関連付けて記憶する情報記憶部(データベースサーバ5)から、車両予約情報及び測定情報を読み出す情報読出部31Bと、車両予約情報の予約日時が到来したら測定情報を確認し、測定情報の測定日時が所定時間内に測定された結果でない場合に、アラート信号を出力する測定結果確認部31Cと、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者による酒気帯び運転を防止するために前記運転者のアルコール測定結果を記録及び管理するアルコール測定管理装置であって、
前記車両を運転する前記運転者に関する運転者情報、及び、前記運転者が前記車両を運転する予約日時に関する予約日時情報を含む車両予約情報と、前記運転者によるアルコール測定結果であるアルコール測定値、及び、測定日時に関する測定日時情報を含む測定情報とを関連付けて記憶する情報記憶部から、前記車両予約情報及び前記測定情報を読み出す情報読出部と、
前記車両予約情報の前記予約日時が到来したら前記測定情報を確認し、前記測定情報の測定日時が所定時間内に測定された結果でない場合に、アラート信号を出力する測定結果確認部と、を備えた、
ことを特徴とするアルコール測定管理装置。
【請求項2】
前記所定時間は、前記予約日時を起算点として逆算した時間から前記予約日時までの時間である
ことを特徴とする請求項1に記載のアルコール測定管理装置。
【請求項3】
前記測定結果確認部は、前記測定情報の記録が無い場合、または、前記測定情報の前記アルコール測定値が所定値を超えている場合にも前記アラート信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のアルコール測定管理装置。
【請求項4】
前記測定結果確認部は、前記運転者が前記車両を運転した後の終了日時または帰還日時から一定時間経過後に前記測定情報を確認し、前記測定情報の測定日時が前記一定時間内に測定された結果でない場合に、前記アラート信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のアルコール測定管理装置。
【請求項5】
前記測定結果確認部は、前記測定情報の測定日時が所定時間内に測定された結果であり、且つ、前記アルコール測定値が所定値を超えていない場合に、前記車両を運転するために必要な鍵を保管する錠付きのキーボックスに対して、前記錠の開錠を許可する開錠信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のアルコール測定管理装置。
【請求項6】
前記測定結果確認部は、帰還後の前記測定情報の記録がある場合に、前記運転者の出退勤を記録する出退勤管理装置に対して退勤の記録を許可する許可信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のアルコール測定管理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアルコール測定管理装置と、
アルコール測定を行う前記運転者を特定する測定運転者情報を取得する測定運転者情報取得手段と、
前記運転者のアルコール測定値を取得するアルコール検知器と、
前記運転者によるアルコール測定の測定日時を取得し、前記測定運転者情報、前記アルコール測定値、及び、前記測定日時情報を関連付けて、前記測定情報として前記アルコール測定管理装置に送信する情報端末と、を備えた、
ことを特徴とするアルコール測定管理システム。
【請求項8】
車両の運転者による酒気帯び運転を防止するために前記運転者のアルコール測定結果を記録及び管理するアルコール測定管理方法であって、
前記車両を運転する前記運転者に関する運転者情報、及び、前記運転者が前記車両を運転する予約日時に関する予約日時情報を含む車両予約情報と、前記運転者によるアルコール測定結果であるアルコール測定値、及び、測定日時に関する測定日時情報を含む測定情報とを関連付けて記憶する情報記憶ステップと、
前記車両予約情報及び前記測定情報を読み出す情報読出ステップと、
前記車両予約情報の前記予約日時が到来したら前記測定情報を確認し、前記測定情報の測定日時が所定時間内に測定された結果でない場合に、アラート信号を出力する測定結果確認ステップと、を有する、
ことを特徴とするアルコール測定管理方法。
【請求項9】
請求項8に記載されたアルコール測定管理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール測定管理装置、アルコール測定管理方法、プログラム、及び、アルコール測定管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路交通法に基づき、一定台数以上の自動車の使用者である事業者は、自動車の安全な運転に必要な業務を行わせるため、安全運転管理者等を選任する必要がある。安全運転管理者等を選任している当該事業者(安全運転管理者設置事業者)には、今後、自動車の運転者の運転前後の酒気帯びの確認記録が義務化される。
【0003】
このような義務に対応して、運転者の呼気に含まれるアルコール濃度を測定するアルコール検知器による測定結果を入力する管理システムの開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-157819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、運転者は、これまでアルコール測定の測定習慣がなかったため、アルコール測定を忘れてしまうことがあり、運転者の測定忘れを防止するためのシステムの開発が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、運転者の測定忘れを防止することが可能なアルコール測定管理装置、アルコール測定管理方法、プログラム、及び、アルコール測定管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のアルコール測定管理装置は、車両の運転者による酒気帯び運転を防止するために前記運転者のアルコール測定結果を記録及び管理するアルコール測定管理装置であって、前記車両を運転する前記運転者に関する運転者情報、及び、前記運転者が前記車両を運転する予約日時に関する予約日時情報を含む車両予約情報と、前記運転者によるアルコール測定結果であるアルコール測定値、及び、測定日時に関する測定日時情報を含む測定情報とを関連付けて記憶する情報記憶部から、前記車両予約情報及び前記測定情報を読み出す情報読出部と、前記車両予約情報の前記予約日時が到来したら前記測定情報を確認し、前記測定情報の測定日時が所定時間内に測定された結果でない場合に、アラート信号を出力する測定結果確認部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
このように構成することで、測定結果確認部が、測定情報の測定日時が所定時間内に測定された結果でない場合に、アラート信号を出力する。そのため、運転者がアルコール測定を忘れることがない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】アルコール測定管理システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2】事業所に設置されている備え付けの情報端末を用いたアルコール測定の簡易フローチャートの一例である。
図3】アルコール測定中の情報端末の表示部に表示される表示画面の一例である。
図4】運転者が携帯しているスマートフォンを情報端末として用いたアルコール測定の簡易フローチャートの一例である。
図5】アルコール測定中の情報端末の表示画面の変遷の一例である。
図6】管理端末の表示部に表示されるデータベースの表示画面の一例である。
図7】アルコール測定管理システムが実行するアルゴリズムのシーケンス図及びフローチャートの一例である。
図8】アルコール測定管理システムの第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るアルコール測定管理システムの実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
<第1の実施の形態>
図1は、アルコール測定管理システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。アルコール測定管理システム1は、複数の車両を保有し、従業者である運転者に運転を行わせる事業者が利用するものである。図1に示すように、アルコール測定管理システム1は、管理サーバ(アルコール測定管理装置)3と、データベースサーバ(情報記憶部)5と、情報端末7と、管理端末9とから構成されている。
【0012】
[管理サーバ]
管理サーバ3は、制御部31を備えている。制御部31は、データベースサーバ5に情報を記録する情報記録部31Aと、データベースサーバ5から情報を読み出す情報読出部31Bと、測定結果を確認し、所定の条件を満たした場合にアラート信号を出力する測定結果確認部31Cと、測定結果確認部31Cからのアラート信号により、管理端末9や運転者端末DTに対して、アラートを通知する通知部31Dを有している。
【0013】
管理サーバ3は、電気通信回線を介して車両予約システムVRと接続されており、定期的に車両予約システムVRにアクセスして、車両予約情報を確認している。車両予約情報は、車両を運転する運転者に関する運転者情報、予約対象の車両に関する車両情報、及び、運転者が車両を運転する予約日時に関する予約日時情報を含むものである。車両予約情報が登録・更新されると、管理サーバ3の情報記録部31Aはデータベースサーバ5に車両予約情報を記録する。
【0014】
[情報端末]
情報端末7は、測定運転者情報取得手段11及びアルコール検知器13が接続されており、運転者がアルコール測定に使用するものである。情報端末7は、アルコール測定管理システム1を利用している事業者の事業所に設置されている備え付けの端末の他、事業所から離れた遠隔地でアルコール測定を行うために運転者が携帯している携帯端末も含むものである。備え付けの端末も携帯端末も、専用端末でもよいが、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC等の汎用性を有する端末にコンピュータプログラムをインストールしたものでもよいのはもちろんである。また、個別のコンピュータプログラムでなく、ウェブブラウザでアルコール測定管理システム1のウェブサイトを開くことでアルコール測定管理システム1を利用可能であってもよい。
【0015】
測定運転者情報取得手段11は、アルコール測定を行う運転者を特定する測定運転者情報を取得するものである。例えば、免許証や社員証に記録されている運転者の固有IDを読み取るICカードリーダや、運転者の指静脈を読み取って個人を特定して固有IDを入力する指静脈認証装置等が含まれるが、個人を特定できるものであればよく、これらに限定されるものではない。なお、必ずしも測定運転者情報取得手段11はICカードリーダ等の装置である必要はなく、情報端末7自体が測定運転者情報取得手段11を兼ねるようにして、手入力で運転者の固有IDを入力するようにしてもよい。
【0016】
アルコール検知器13は、運転者のアルコール測定値を取得するものである。本実施の形態では、呼気1リットル中のアルコール濃度[mg/L]を測定するアルコール検知器を用いている。検知方式の違いで、半導体ガス方式や燃料電池(電気化学)方式のもの等が存在するが、運転者のアルコール測定値を取得できれば、いずれの方式のものでもよい。
【0017】
情報端末7は、入力部71、制御部73、カメラ75、記憶部77、及び、表示部79を備えている。入力部71は、携帯電話の場合は、テンキーでもよく、スマートフォンの場合には、タッチパネルでもよく、パソコンの場合には、マウスとキーボードや、タッチパネルでもよい。制御部73は、アルコール測定の測定日時を取得する測定日時取得部73A、及び、測定運転者情報、アルコール測定値、及び、測定日時を関連付けて、測定情報として管理サーバ3に送信する情報送信部73Bを有している。カメラ75は、アルコール測定を行った運転者を撮影し、記録するために用いられる。情報送信部73Bは、管理サーバ3に測定情報を送信するのと併せて、記憶部77にも測定情報を記録する。
【0018】
図2は、事業所に設置されている備え付けの情報端末7(コンピュータプログラムをインストールしたノートパソコン)を用いたアルコール測定の簡易フローチャートの一例であり、図3は、アルコール測定中の情報端末7の表示部79に表示される表示画面の一例である。アルコール測定を行う運転者が情報端末7を操作してコンピュータプログラムを起動することで、図3の表示画面が表示される。入力部71を用いて手入力で運転者の固有IDを入力することにより、または、ICカードリーダ(測定運転者情報取得手段11)に免許証をかざすことにより運転者の固有IDが入力され、情報端末7の制御部73が運転者の固有IDを取得する(ステップST1)。次に、制御部73は、各種入力事項(この例では、測定区分(運転前・運転後のいずれか)及び運転する車両)を取得する(ステップST2)。さらに、制御部73は、アルコール検知器13からアルコール測定値を取得し、且つ、カメラ75によりアルコール測定中の運転者の写真を取得する(ステップST3)。その後、運転者により入力完了ボタンが押し下げられたことを検知すると、制御部73は、アルコール測定を終了する(ステップST4)。アルコール測定が終了すると、情報端末7の情報送信部73Bが、測定情報を管理サーバ3に送信する(ステップST5)。
【0019】
測定情報を受信すると、管理サーバ3の情報記録部31Aはデータベースサーバ5に測定情報を記録する。測定情報は、測定をした運転者の車両予約情報に関連付けられて記憶される。
【0020】
図4は、運転者が携帯しているスマートフォンを情報端末7として用いたアルコール測定の簡易フローチャートの一例であり、図5は、アルコール測定中の情報端末7の表示画面の変遷の一例である。アルコール測定を行う運転者が情報端末7を操作してコンピュータプログラムを起動することで、図5(A)の表示画面が表示される。本例では、入力部71を用いて手入力で運転者の固有IDを入力し、情報端末7の制御部73が運転者の固有IDを取得する(ステップST11)。次に、制御部73は、各種入力事項(この例では、測定区分(運転前・運転後のいずれか)及び運転する車両)を取得する(ステップST12)。その後、図5(A)の測定開始ボタンが押し下げられたことを検知すると、表示部79には、図5(B)の表示画面が表示され、アルコール測定を受け付ける状態になる。制御部73は、アルコール検知器13からアルコール測定値を取得し、且つ、カメラ75によりアルコール測定中の運転者の写真を取得する(ステップST13)。アルコール測定値及び写真を取得すると、表示部79には、図5(C)の表示画面が表示され、アルコール測定を終了する(ステップST14)。アルコール測定が終了すると、情報端末7の情報送信部73Bが、測定情報を管理サーバ3に送信する(ステップST15)。
【0021】
測定情報を受信すると、管理サーバ3の情報記録部31Aはデータベースサーバ5に測定情報を記録する。測定情報は、測定をした運転者の車両予約情報に関連付けられて記憶される。なお、この例では、アルコール測定終了後、図5(C)に示す表示画面に表示された発信ボタンから管理者に対して電話を発信し、管理者にアルコール測定結果の確認を求めることも可能である。
【0022】
[データベースサーバ]
データベースサーバ5には、上記車両予約情報及び上記測定情報の他、予め、従業者に関する情報(従業者の名前、対応する固有ID、及び、連絡先のメールアドレス)、車両に関する情報(車両名、対応する固有ID)が登録されている。
【0023】
[管理端末]
管理端末9は、管理者が管理サーバ3にアクセスするために利用する端末である。情報端末7と同様、専用端末でもよいが、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC等の汎用性を有する端末にコンピュータプログラムをインストールしたものでもよいのはもちろんである。また、個別のコンピュータプログラムでなく、ウェブブラウザでアルコール測定管理システム1のウェブサイトを開くことでアルコール測定管理システム1を利用可能であってもよい。
【0024】
管理端末9は、入力部91、制御部93、記憶部95、及び、表示部97を備えている。管理者は、管理者用IDを用いて管理サーバ3にアクセスすることで、データベースサーバ5に記憶されているデータベースを閲覧し、必要に応じて、情報を記入・修正できるようになっている。また、車両予約情報及び測定情報を確認後、確認者として名前を記入するようになっている。
【0025】
[データベース]
図6は、管理端末9の表示部97に表示されるデータベースの情報の表示画面の一例である。図6に示すように、データベースには、「予約情報」としてまとめられた予約日時情報(「開始日時」及び「終了日時」の項目)、車両情報(「車両名」の項目)、及び、運転者情報(「予約者名」の項目)を含む車両予約情報RIと、その予約を行った運転者のアルコール測定日時(「測定日時」の項目)、アルコール測定値(「数値」の項目)、及び、アルコール測定時に撮影された写真(「写真」の項目)を含む測定情報MIが記録されている。測定情報MIは、運転前と運転後を分けて記録されている。測定情報MIの横には、確認をした管理者の名前を記入するようになっている(「確認者」の項目)。
【0026】
[シーケンス図及びフローチャート]
図7は、アルコール測定管理システム1が実行するアルゴリズムのシーケンス図及びフローチャートの一例である。管理サーバ3は、定期的に車両予約システムVRにアクセスして、車両予約情報を確認している(ステップST31)。車両予約情報が登録・更新されると(ステップST32)、管理サーバ3の情報記録部31Aはデータベースサーバ5に車両予約情報を記録する(ステップST33)。
【0027】
例えば、図6のログ番号001の記録を例にすると、予約者A氏が車両予約システムVRを用いて車両甲を2022年3月5日10:00から15:00まで予約をすると、管理サーバ3は、データベースサーバ5に当該車両予約情報を記録する。
【0028】
その後、予約日時までの間、管理サーバ3は情報端末7からアルコール測定結果である測定情報を受け付け(ステップST34)、測定情報を受信すると、管理サーバ3の情報記録部31Aはデータベースサーバ5に測定情報を記録する(ステップST35)。
【0029】
例えば、図6のログ番号001の記録を例にすると、予約者A氏が2022年3月5日9:45にアルコール測定を行い、測定情報を送信することで、管理サーバ3は、データベースサーバ5に測定日時及びアルコール測定値を記録する。
【0030】
管理サーバ3は、記録されているログごとに、予約日時の到来をチェックする(ステップ36及びステップST37)。予約日時が到来したら、管理サーバ3の測定結果確認部31Cは、測定情報の記録があるか否か(ステップST38)、測定情報の記録が、所定時間内の測定結果であるか否か(ステップST39)、アルコール測定値が所定数値の範囲内か否か(ステップST40)のチェックフローを実行する。
【0031】
ステップST39の「所定時間」は、本実施の形態では、運転前の場合、予約日時を起算点として逆算した時間から予約日時までの時間であり、具体的には、予約日時前1時間にしてある。所定時間をどのように設定するかは任意であり、例えば、予約日時前30分にしたり、当日出勤後の記録で足りるようにしたりすることも可能である。
【0032】
また、ステップST40の「所定数値の範囲」は、0mg/L以上0.15mg/L未満の範囲である。所定数値の範囲は、任意に変更可能であり、法定基準より厳しい数値範囲にすることも可能である。
【0033】
ステップST38~ST40の全てを満たした場合には問題はないが(ステップST41)、ステップST38~ST40のうち1つでも満たさなかった場合には、測定結果確認部31Cは、アラート信号を出力する(ステップST42)。通知部31Dは、アラート信号を受けて、管理端末9の表示部97にエラー表示を行い、また、該当の運転者に対して(すなわち、運転者が保有する運転者端末DTに対して)電子メールにて通知を行う。なお、アラート信号を受けて通知部31Dにどのような通知をさせるかは任意であり、例えば、事業所内に設置したスピーカにて呼び出しを行ったり、電子メール以外の連絡ツールを使って通知を行ったりしてもよい。
【0034】
例えば、図6のログ番号001の記録を例にすると、測定情報の記録があり、測定情報の記録が所定時間内の測定結果であり、アルコール測定値が所定数値の範囲内であるため、アラート信号は出力されない(ステップST41)。これに対して、ログ番号002の記録を例にすると、アルコール測定値が所定数値の範囲を超えているため、管理サーバ3の通知部31Dからアラート信号が出力され(ステップST40)、管理端末9の表示部97にエラー表示がなされ、且つ、予約者B氏の運転者端末DTに対して電子メールが送信される。ログ番号003の記録を例にすると、測定情報の記録が所定時間内の測定結果でないため、アラート信号が出力され(ステップST39)、管理端末9の表示部97にエラー表示がなされ、且つ、予約者C氏の運転者端末DTに対して電子メールが送信される。ログ番号004の記録を例にすると、測定情報の記録がないまま予約日時になると、アラート信号が出力され(ステップST38)、管理端末9の表示部97にエラー表示がなされ、且つ、予約者A氏の運転者端末DTに対して電子メールが送信される。
【0035】
なお、上記説明は、運転前の場合を例にした。運転後の場合は、予約日時(終了日時)または帰還日時を起算点として所定時間(一定時間)経過したら(ステップ36及びステップST37)、管理サーバ3の測定結果確認部31Cが、ステップST38~ST40のチェックフローを実行すればよい。この場合も所定時間をどのように設定するかは任意であり、所定時間を30分や1時間としたり、当日退勤までに記録すれば足りるようにしたりすることも可能である。
【0036】
上記のように、測定結果確認部31Cが、所定の条件、特に、測定情報の測定日時が所定時間内に測定された結果でない場合に、アラート信号を出力する。そのため、運転者がアルコール測定を忘れることがない。
【0037】
<第2の実施の形態>
図8は、本発明のアルコール測定管理システムの第2の実施の形態に関するものである。第2の実施の形態は、第1の実施の形態のアルコール測定管理システムに外部装置を追加したものであり、第1の実施の形態と共通する部分については、図1に付した符号に100を加えた数の符号を付して、その説明を省略する。
【0038】
図8に示すように、アルコール測定管理システム101は、外部装置として、キーボックスKB及び出退勤管理装置AMを備えている。
【0039】
キーボックスKBは、車両を運転するために必要な鍵を保管する錠付きのキーボックスである。本実施の形態では、測定結果確認部131CがステップST38~ST40の全てを満たしたと判断した場合に、錠の開錠を許可する開錠信号を出力する。このようにすることで、車両の運転者による酒気帯び運転をさらに効果的に防止することができる。
【0040】
出退勤管理装置AMは、運転者の出退勤を記録するための装置であり、例えば、出退勤時に打刻を行うタイムレコーダである。本実施の形態では、測定結果確認部131Cが、帰還後の測定情報の記録がある場合に(ステップST38)、出退勤管理装置AMに対して退勤の記録を許可する許可信号を出力する。すなわち、帰還後の測定情報の記録がないと退勤の打刻ができない。そのため、運転者が帰還後にアルコール測定を忘れることがない。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で変更が可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
1 アルコール測定管理システム
3 管理サーバ(アルコール測定管理装置)
31 制御部
31A 情報記録部
31B 情報読出部
31C 測定結果確認部
31D 通知部
5 データベースサーバ(情報記憶部)
7 情報端末
73A 測定日時取得部
73B 情報送信部
9 管理端末
11 測定運転者情報取得手段
13 アルコール検知器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8