(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144413
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】自律掃除ロボット
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20231003BHJP
A47L 9/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A47L9/28 E
A47L9/00 102Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051371
(22)【出願日】2022-03-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和3年11月30日株式会社オカムラ ウエブサイトにて公開(https://www.okamura.co.jp/company/topics/product/2021/striver.html)、(2)令和3年11月30日株式会社ピー・アール・ワイヤー ウエブサイトにて公開(https://kyodonewspwire.jp/release/202111304112)、(3)令和3年12月1日ロボットスタート株式会社 ウエブサイトにて公開(https://robotstart.info/2021/12/01/okamura-striver.html)、(4)令和3年11月24日-26日東京ビックサイトにて開催されたビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2021にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】照本 進
(72)【発明者】
【氏名】白井 信人
【テーマコード(参考)】
3B006
3B057
【Fターム(参考)】
3B006KA01
3B057DE00
(57)【要約】
【課題】保管スペースの圧迫が小さい自律掃除ロボットを提供する。
【解決手段】掃除機本体110と、吸引ノズル20が設けられた電動走行台車100と、からなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機本体と、
吸引ノズルが設けられた走行台車と、
からなることを特徴とする自律掃除ロボット。
【請求項2】
前記吸引ノズルが前記走行台車に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の自律掃除ロボット。
【請求項3】
前記吸引ノズルの前記走行台車への固定が、該走行台車の左右いずれか一方側であることを特徴とする請求項2に記載の自律掃除ロボット。
【請求項4】
前記掃除機本体が前記走行台車に対して着脱可能であること特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自律掃除ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行可能な自律掃除ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス、商業施設、宿泊施設等において、衛生管理の一環として掃除機を用いて床面に落ちている塵埃を捕集する掃除が行われている。近年では、人件費高騰、人材不足等の要因により、作業者に掛かる負担を軽減するべく、塵埃を吸引させながら床面を自律走行させることを可能とした自律掃除ロボットに対する需要が高まってきている。
【0003】
例えば、特許文献1に示される自律掃除ロボットは、本体底部に設けられる吸引ノズルと、吸引ノズルとホースにより接続される筐体と、筐体内に配置され塵埃が捕集される集塵部と、筐体内を吸引する吸引用ファンと、吸引用ファンを駆動する吸引用モータと、複数の車輪のうち本体後方に設けられる左右一対の車輪を独立して駆動する一対の走行用モータと、本体の方向を計測する方向計測装置と、障害物を検出する障害物検知装置と、バッテリーと、を備えている。吸引用ファンの作動により、吸引ノズルの吸引口を通じて塵埃が吸引される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-16190号公報(第3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような自律掃除ロボットは、床面の掃除を行うものであり、階段や段差部分の掃除を行うことができず、清掃作業者が手動で操作する掃除機も併用されることになる。そのため、これら掃除ロボットと通常の掃除機とをそれぞれ収容できるだけの広い保管スペースが必要になるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、保管スペースの圧迫が小さい自律掃除ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の自律掃除ロボットは、
掃除機本体と、
吸引ノズルが設けられた走行台車と、
からなることを特徴としている。
この特徴によれば、単体でも利用可能な掃除機本体のみを走行台車に搭載させ、掃除機本体の吸引機能を用いて走行台車側の吸引ノズルで床面を掃除することができ、自立掃除ロボットと通常の掃除機をそれぞれ用意しなくともよく、保管スペースの圧迫を小さくできる。
【0008】
前記吸引ノズルが前記走行台車に固定されていることを特徴としている。
この特徴によれば、掃除機本体の着脱時において走行台車に対して吸引ノズルが位置ずれせず、所定の掃除運転を行うことができる。
【0009】
前記吸引ノズルの前記走行台車への固定が、該走行台車の左右いずれか一方側であることを特徴としている。
この特徴によれば、吸引ノズルを大型化することなく、壁際まで吸引ノズルを近付けて掃除することができる。
【0010】
前記掃除機本体が前記走行台車に対して着脱可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、故障など起きた場合に掃除機本体のみを簡単に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例における自律掃除ロボットを示す斜視図である。
【
図5】自律掃除ロボットの電気系統を示す概略図である。
【
図6】自律掃除ロボットの掃除機本体について説明するための斜視図である。
【
図7】自律掃除ロボットの上部外装の取り付け構造を示す分解斜視図である。
【
図8】自律掃除機の取り付け態様を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る自律掃除ロボットを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0013】
実施例に係る自律掃除ロボットにつき、
図1から
図8を参照して説明する。以下、
図1の紙面左下側を自律掃除ロボットの正面側(前方側)として説明する。
【0014】
自律掃除ロボットは、オフィス、商業施設、宿泊施設等において、人の手を借りずに床面を自律走行しながら床面に落ちている塵埃を吸引・捕集することにより掃除を行うものである。
【0015】
元[0016]です。以降一つづつ段落がずれています。
図1~
図4に示されるように、自律掃除ロボット(以下、「掃除ロボット」という。)1は、前方下部に吸引ノズル20が取り付けられた電動走行台車(以下、「走行台車」という。)10と、走行台車10の後方上部に載置された掃除機本体100と、から主に構成されている。尚、本実施例では、吸引ノズル20は、走行台車10よりも左右方向の幅が小さく、前進方向右側に偏らせて配置されているが、吸引ノズル20の幅や左右位置は自由に構成されてよい。
【0016】
まず、走行台車10について説明する。走行台車10は、台車本体11と、吸引ノズル20と、台車本体11の前方側部に設けられる左右一対の車輪30R,30Lおよび台車本体11の後方側部に設けられる左右一対の車輪40R,40Lと、これらの車輪30R,30L,40R,40Lと個別に接続される4つの走行用モータ50(
図5参照)と、制御装置60(
図5参照)と、台車本体11の外周を覆う下部外装90(外装)と、から主に構成されており、走行用モータ50等に電力を供給可能な3本の走行用バッテリー70(
図3参照)が搭載されている。
【0017】
図2,
図3に示されるように、車輪30R,30L,40R,40Lは、複数のローラ31またはローラ41を有する、所謂メカナムホイールである。
【0018】
図5に示されるように、制御装置60は、センサ61,61(
図2も参照)からの距離情報およびマップデータに対応した位置情報や4つの走行用モータ50に接続される図示しないロータリエンコーダからの回転数等の情報等に基づいて、4つの走行用モータ50に対する印加電圧の大きさおよび入力方向を個別に切り替えることにより、車輪30R,30L,40R,40Lの回転速度および回転方向を個別に制御することができる。
【0019】
尚、
図5では、太実線を電力供給線、点線を信号供給線として図示している。また、本実施例において、センサ61,61は、レーザセンサ、超音波センサ等の非接触式センサにより構成されている。
【0020】
これによれば、掃除ロボット1は、制御装置60により個別に制御される走行用モータ50による車輪30R,30L,40R,40Lの駆動と、床面に接触しているローラ31,41の転動とを組み合わせて、前後左右と共に全方向へスムーズに移動可能となっている。
【0021】
また、制御装置60は、インバータ72の制御を行うことで、吸引用バッテリー71(バッテリー)から供給される直流電流を交流電流に変換して掃除機本体100を駆動させることができる。吸引用バッテリー71は、走行用バッテリー70とは独立しており、掃除機本体100に電力を供給するためのバッテリーである。尚、3本の走行用バッテリー70および4本の吸引用バッテリー71は、いずれも同一規格として、互いに互換・兼用することができるが、それに限らない。
【0022】
また、本実施例では、吸引用バッテリー71が満充電から供給不能な所定電圧に至るまでに掃除機本体100を駆動可能な時間よりも、走行用バッテリー70が満充電から所定電圧に至るまでに走行台車10を走行させることが可能な時間の方が長くなっている。これにより、例えば掃除ロボット1を原点位置等のあらかじめ設定した位置に確実に帰還させることができる。
【0023】
図5~
図7を参照して、走行台車10には、掃除機本体100が載置される載置部12と、4本の吸引用バッテリー71を装着可能なバッテリーケース17と、インバータ72と、上部外装80(外装)が積載されている。尚、掃除機本体100は、図示しない固定具、例えばバンド等によって載置部12に取り付けられる。
【0024】
また、掃除機本体100は、商用電源にて動作する業務用掃除機であり、集塵部としての紙パック101(
図6参照)が収容される筐体110(
図6,
図7参照)と、吸引用ファン140(
図5参照)と、吸引用ファン140を回転させるための吸引用モータ150(
図5参照)と、インバータ72に電気的に接続される差込プラグ付コード(図示略)とを備えている。
【0025】
図6に示されるように、筐体110は、有底筒状に形成されている本体部111と、本体部111の上部開口により形成される取出口111aを閉塞するための蓋部112(モータ内蔵部)と、から構成されている。また、本体部111の内部には、紙パック101を取り付け可能となっている。蓋部112には、吸引用ファン140と、吸引用モータ150が内蔵されている。
【0026】
本体部111は、前方側側壁にノズルホース120が接続可能な差込口102を備えており、掃除機本体100を単体で使用する際には、この差込口102に手持ち用の吸引ノズルのホースを差し込む。本実施例では、掃除機本体100の差込口102には、走行台車10に備えられた吸引ノズル20と接続するためのノズルホース120(
図7参照)が差し込まれて利用される。
【0027】
ノズルホース120は、可撓性を有する合成樹脂製のホース部120aと、差込口102に接続されるホース部120aよりも硬質の合成樹脂からなる挿口部120bとから構成されている。
【0028】
尚、掃除機本体100の仕様によっては、吸引ノズル20に駆動手段により駆動可能な回転ブラシや床面上を走行できる車輪を備えたものがあり、このような掃除機本体の差込口にはこれら吸引ノズル側の駆動手段に給電するための電極を備えている。このような回転ブラシや車輪の機能を有する吸引ノズルを走行台車10側に組み込んだ場合には、走行台車10側のノズルホースに、掃除機本体の差込口側の電極に対応する端子を組み込めばよい。
【0029】
このように、掃除機本体100は、蓋部112に内蔵される吸引用モータ150を駆動して吸引用ファン140を回転させることにより、筐体110内の空気をここでは図示しない排気口から外部に排出し、筐体110内を相対的に負圧とすることで、走行台車10側に備えられた吸引ノズル20aの吸引口からノズルホース120を介して紙パック101内に塵埃を吸引・捕集できるようになっている。
【0030】
図7に示されるように、載置部12は、台車本体11に固定される前フレーム13及び後フレーム14と、前フレーム13,後フレーム14の上端に固定されている基台15と、から構成されている。
【0031】
基台15は、平面視平板状に形成されており、上端面には、上方側に開放されて、下方側に向かって平面視矩形状に凹設されている左右一対の凹部15aが、前後方向に3組設けられている(
図8も参照)。凹部15aは、掃除機本体100の下部に取り付けられた旋回キャスタ103の下端部を落とし込めるように形成されている。
【0032】
また、基台15の上端面には、左右一対の凹部15aよりも外側に左右一対の取付フレーム18,19が固定されている。
【0033】
また、インバータ72を左右に挟んでハンドル73が台車本体11に固定されている。ハンドル73は上部が後述する後部外装80Bに形成された孔(図示略)より外方に突き出て配置されている。後部外装80Bはインバータ72に上方から被覆されている。
【0034】
また、台車本体11と基台15との間には、バッテリーケース17が設けられている。バッテリーケース17は、台車本体11の中央のフレームに、ボルトナットによって固定されている。
【0035】
また、バッテリーケース17の壁部17aの内面には、吸引用バッテリー71の電極を接続するための4つのコネクタ(図示略)が設けられている。また、
図7に示されるように、バッテリーケース17の壁部17aの外面には、吸引用バッテリー71の充電に用いられる充電用コネクタ17bと、走行用バッテリー70の充電に用いられる充電用コネクタ17cと、が設けられている。
【0036】
これにより、吸引用バッテリー71を、右側から左側に向かってバッテリーケース17のレールに沿って挿入することで、吸引用バッテリー71をコネクタに接続することが可能となっている。また、コネクタに接続されている吸引用バッテリー71を右方に向かって引っ張ることで、吸引用バッテリー71とコネクタの接続が外れ、吸引用バッテリー71をバッテリーケース17から引き抜くことが可能となっている。これにより、吸引用バッテリー71の交換をはじめとしたバッテリー関連のメンテナンスが容易である。
【0037】
走行用バッテリー70についても、吸引用バッテリー71と同様に、走行用バッテリー70用のバッテリーケースに対して右側から着脱可能である。尚、着脱方向は適宜に設定可能であり、用途ごとに別の方向とすることも可能である。
【0038】
また、載置部12と、バッテリーケース17とは、直接連結されておらず、それぞれ個別に台車本体11に固定されているため、吸引用モータ150の駆動に伴い生じる振動が吸引用バッテリー71に作用しにくくなっている。これにより、吸引用バッテリー71とコネクタとの接続状態を保ちやすい。
【0039】
また、本実施例において、3本の走行用バッテリー70は並列に接続されており、4本の吸引用バッテリー71も並列に接続されている。加えて、走行用バッテリー70および吸引用バッテリー71は、互いに互換・兼用可能であることから、例えば4本の吸引用バッテリー71のいずれもが掃除機本体100に対して供給不能な残量となった場合に、3本の走行用バッテリー70のうち残量があるいずれか一本を、吸引用バッテリー71のいずれか一本と差し替えることで、掃除機本体100を駆動させることが可能である。
【0040】
また、走行台車10は、走行台車10に載置された掃除機本体100や吸引用バッテリー71等を覆う上部外装80と、台車本体11や走行用バッテリー70等を覆う下部外装90を備えている。尚、上部外装80および下部外装90は、内部の部品や通電箇所に外部から人や物が接触することを防止するために設けられる。また、上部外装80および下部外装90により、内部の通電箇所に塵埃等が入り込みにくく、短絡故障が生じにくい。また、上部外装80と下部外装90との間に形成される隙間G1から台車本体11の前後に設けられるセンサ61,61(
図2および
図3参照)がセンシング可能となっている。また、上部外装80と下部外装90との間に形成される隙間G1の奥側にセンサ61,61が配置されるため、センサ61,61を保護することができる。
【0041】
上部外装80は、主に前部外装80Fと、後部外装80Bと、左右の側部外装80R,80Lとに四分割されている。上部外装80には掃除機本体100の外縁に沿う形状の開口81と、ノズルホース120を挿通可能なホース開口82が形成されている。
【0042】
掃除機本体100は、本体部111の上部および蓋部112全体を上部外装80の開口81から外部に露出して配置されており、ホース開口82からノズルホース120が外方に引き出されて配置される。詳しくは、ノズルホース120を差し込む差込口102の下端縁よりも下方に上部外装80の開口81が位置するように掃除機本体100が走行台車10に搭載されている。言い換えると、掃除機本体100は、差込口102を側面に備えており、かつ搭載時には走行台車10を構成する外装(上部外装)80に下部の一部が被覆されるようになっており、ノズルホース120の一部と差込口102とが上部外装80の外部に露出して配置されている。このように、掃除機本体100の差込口102は外部に露出していることから、ノズルホース120と掃除機本体100の差込口102とが正確に接続されているか否かを目視することができ、掃除ロボット1に常に所定の吸引力を発揮させることができる。
【0043】
また、掃除機本体100の蓋部112に内蔵される吸引用モータ150と、本体部111の内部に取り付けられる紙パック101にアクセス可能な取出口111aが上部外装80の開口81から外部に露出して配置される。そのため、走行台車に搭載されている掃除機の特に故障しやすい吸引用モータ150周りのメンテナンスや、紙パック101の交換を、掃除機本体100を取り外すことなく簡単に行うことができる。
【0044】
そのため、適宜に別の掃除機を取付けることも可能となっている。
【0045】
以上説明したように、本実施例における掃除ロボット1は、単体でも利用可能な掃除機本体100のみを走行台車10に搭載させ、走行台車10に備えられたノズルホース120を掃除機本体100の差込口102に接続するだけで、掃除機本体100の吸引機能を用いて走行台車10側の吸引ノズル20で床面を掃除することができる。言い換えると、掃除ロボット1は吸引ノズル20とノズルホース120とを備えた走行台車100に、集塵部101と吸引用ファン140と吸引用モータ150とを筐体110に収めるとともに吸引用の差込口102を備えた掃除機本体100を着脱可能に搭載して掃除運転可能となっている。そのため、掃除ロボット1と通常の掃除機をそれぞれ用意しなくともよく、保管スペースの圧迫を小さくすることができる。
【0046】
また、掃除機本体100を走行台車10から取り外すことで、メンテナンスを容易に行うことができることから、メンテナンス実施する頻度が低下することを防ぎ、掃除ロボット1の吸引力を維持することができる。加えて、仮に掃除機本体100が故障した場合には、掃除機本体のみを交換するだけで済むため、修理コストを抑えることができ、かつ別の掃除機にすぐに交換して対応できるために掃除ができない時間を減らすことができる。
【0047】
また、掃除機本体100に接続される吸引ノズル20は走行台車10に固定されているため、掃除機本体100の着脱時において走行台車10に対して吸引ノズル20が位置ずれせず、掃除機本体の形態に影響されることもなく、所定の掃除運転を行うことができる。加えて、ノズルホース120が可撓性を有して構成されており変形可能に走行台車10に配置されていることから搭載した掃除機本体100に簡単に接続させることができる。
【0048】
また、吸引ノズル20は、その横幅が走行台車10の前面の横幅より短寸であり、走行台車10の前面の前進方向右側に偏在して固定されている。これによれば、壁際の掃除しずらい箇所に対しても、吸引ノズル20を大型化しないことで十分な吸引力を確保しながら、壁際まで吸引ノズル20を近付けて掃除を行うことができる。なお、吸引ノズル20が走行台車10の前面の前進方向左側に偏在して固定されていてもよい。
【0049】
また、掃除機本体100は床面を走行可能な複数の旋回キャスタ103を備え、単体での掃除を行う際には床面を走行させることが可能であり、走行台車10は基台15に旋回キャスタ103の下端部が落とし込まれる凹部15aを備え、旋回キャスタ103がそれぞれ保持される。言い換えると、掃除機本体100は床面を走行可能な旋回キャスタ103を備え、走行台車10は旋回キャスタ103をそれぞれ保持する保持手段(凹部)15aを有しているため、走行台車10に対して掃除機本体100を常に定位置に配置でき、ノズルホース120を確実に差込口102に接続することができる。
【0050】
また、掃除機本体100の蓋部112が上部外装80の開口81から外部に露出して配置されているため、上部外装80を取り外すことなく、蓋部112を着脱して吸引用モータ150等の機械部のメンテナンスを行いやすい。
【0051】
また、掃除機本体100の本体部111の内部に取り付けられる紙パック101にアクセス可能な取出口111aが上部外装80の開口81から外部に露出して配置されているため、蓋部112を取り外すことにより塵埃が溜まった紙パック101を取出口111aから容易に取り出し、新しい紙パックと交換することができる。
【0052】
ところで、最近ではSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))への関心が高まっており、筐体、吸引用ファン、吸引用モータが据え付けられているような特許文献1の掃除ロボットを新たに導入するのではなく、手持ちの掃除機を自律走行させたいという気運が高まってきている。本発明の掃除ロボット1であれば、手持ちの掃除機を自律走行させることができるため、SDGsの「つくる責任 つかう責任」の目標に寄与することができる。
【0053】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内における追加や変更があっても、本発明に含まれる。
【0054】
例えば、前記実施例では、掃除機本体100は、載置部12に載置されている構成として説明したが、これに限られず、台車本体11に直接載置されていてもよい。
【0055】
また、前記実施例では、基台15は、平面視平板状である構成として説明したが、これに限らず、枠状であってもよく、その形状は適宜変更されてもよい。
【0056】
また、前記実施例では、車輪30L,30R,40L,40Rはメカナムホイールである構成として説明したが、これに限らず、進路方向を変更可能であれば、適宜変更されてもよい。
【0057】
また、前記実施例では、吸引ノズル20は、走行台車10よりも左右方向の幅が小さい構成について説明したが、これに限らず、吸引ノズル20の左右方向の幅は、走行台車10の左右方向の幅と同一であってもよいし、大きくてもよい。尚、吸引ノズル20の左右方向の幅は、走行台車10に載置される掃除機本体100の掃除能力を維持できる大きさの吸引口が形成可能な範囲であればよい。
【0058】
また、前記実施例において吸引ノズル20は、その横幅が走行台車10の前面の横幅より短寸であり、走行台車10の前面の前進方向右側に偏在して固定されている構成で説明したが、これに限らず、走行台車10の前面の前進方向左側に偏在して固定されている構成であってもよい。更に、吸引ノズル20は、走行台車10の前面の中央に固定されていてもよく、これによれば、走行台車10の車輪30L,30R及び車輪40L,40Rと吸引ノズル20とが走行台車10の前後方向に揃えられ、前後方向に走行中に吸引ノズル20が床面に接触した抵抗で走行台車10が予期せず回動してしまうことが防止される。
【0059】
また、吸引ノズル20を走行台車10に対して着脱可能に固定させ、その走行台車10の前面の左右方向における取り付け位置を、例えば左側、中央、右側から選択できるようにしてもよく、これにより部屋の形状や壁の構造に合わせて適宜吸引ノズル20の位置を変更することができる。
【0060】
また、吸引ノズル20とノズルホース120とを着脱自在にすることで、用途に応じて、または破損時などに吸引ノズル20のみを交換できるようにしてもよい。
【0061】
また、前記実施例では、吸引ノズル20は、下部外装90の前端よりも前方、かつ側端よりも右方に突出して配置されている(
図1~
図4参照)が、左方に突出してもよいし、また吸引ノズル20に接触センサを設けることにより、センサ61により検知できなかった障害物等との接触を検知できるようになっていてもよい。
【0062】
また、前記実施例では、掃除機本体100を構成する筐体110の蓋部112に吸引用モータ150が内蔵されている構成について説明したが、これに限らず、例えば吸引用モータ150は筐体110の本体部111に内蔵されていてもよい。この場合、例えば上部外装80の開口81を本体部111において少なくとも吸引用モータ150が内蔵される箇所が外部に露出するように形成するなどし、蓋部112が開閉可能な構造であればその構造は限定されない。
【0063】
また、掃除機本体100の形状は上記説明した形状に限られず、例えば、全体形状略円柱かつ平面視略円形であったり、全体形状が平面視で略卵状等であってもよい。
【0064】
また、前記実施例では、上部外装80が主に前部外装80Fと、後部外装80Bと、左右の側部外装80R,80Lとに四分割されている構成として説明したが、これに限らず、例えば上部外装は前後の二分割であってもよいし、適宜の数に分割されていてもよく、あるいは一体に形成されるものであってもよい。