(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014442
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】バルーン人形
(51)【国際特許分類】
A63H 3/06 20060101AFI20230124BHJP
G09F 19/22 20060101ALI20230124BHJP
G09F 13/04 20060101ALI20230124BHJP
A63H 15/06 20060101ALI20230124BHJP
E01F 13/02 20060101ALI20230124BHJP
E01F 9/608 20160101ALI20230124BHJP
【FI】
A63H3/06
G09F19/22 P
G09F13/04 R
A63H15/06 Z
E01F13/02 A
E01F9/608
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118359
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000213286
【氏名又は名称】シーキューブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107700
【弁理士】
【氏名又は名称】守田 賢一
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 重樹
(72)【発明者】
【氏名】後藤 波太郎
【テーマコード(参考)】
2C150
2D064
2D101
5C096
【Fターム(参考)】
2C150CA01
2C150DA21
2C150DA37
2C150DD01
2C150DE03
2C150DG01
2C150DG13
2C150DG14
2C150DG23
2C150EB05
2C150EE07
2D064BA03
2D064CA01
2D064DA08
2D064EA01
2D064EB05
2D101CA13
2D101DA05
2D101EA08
2D101FA06
2D101GA26
5C096AA01
5C096BA01
5C096BB04
5C096BC01
5C096CB01
5C096CC06
5C096FA03
5C096FA07
(57)【要約】
【課題】暗所においても車両運転者等から確実に視認されるバルーン人形を提供する。
【解決手段】空気を充填することによって起立姿勢に膨張する透光性の本体11と、当該本体11内に設置された発光体3とを備える。発光体3は帯状のものである。本体3の底面11bを、下方へドーム状に膨出する形状に成形するとともに底面11bの中心部に錘部材4を設ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を充填することによって起立姿勢に膨張する透光性の本体と、当該本体内に設置された発光体とを備えるバルーン人形。
【請求項2】
前記発光体は帯状のものである請求項1に記載のバルーン人形。
【請求項3】
前記本体の底面を、下方へドーム状に膨出する形状に成形するとともに前記底面の中心部に錘部材を設けた請求項1又は2に記載のバルーン人形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバルーン人形に関し、特に暗所での視認性に優れたバルーン人形に関するものである。
【背景技術】
【0002】
夜間の道路工事現場等においては、走行車両から作業員を守るために誘導員に蛍光服を着せ、誘導灯を持たせ、あるいは誘導員に似せた人形を置いて、車両運転者の注意を喚起している。なお、特許文献1には、事故処理現場等に設置するための、空気を充填して膨張させる警察官に似せたバルーン人形や、当該バルーン人形に光反射具を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、夜間等の暗所においては、かなり大きな人形を置いても車両運転者から確実に視認されることは難しく、人形に照明を当てたり、人形に光反射具等を設けても、視認性を十分に向上させることができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、暗所においても車両運転者等から確実に視認されるバルーン人形を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本第1発明では、空気を充填することによって起立姿勢に膨張する透光性の本体(11)と、当該本体(11)内に設置された発光体(3)とを備える。
【0007】
本第1発明によれば、本体内に発光体を設けているから、照明を当てたり、光反射具等を設けるのに比して、暗所における視認性を大幅に向上させることができる。
【0008】
本第2発明では、前記発光体(3)は帯状のものである。
【0009】
本第2発明によれば、帯状の発光体によって十分な光を自在に本体内の必要カ所から発することができるから、視認性をさらに向上させることができる。
【0010】
本第3発明では、前記本体(3)の底面(11b)を、下方へドーム状に膨出する形状に成形するとともに前記底面(11b)の中心部に錘部材(4)を設ける。
【0011】
本第3発明によれば、下方へドーム状に膨出した形状の底面によって本体は風を受けて左右に揺れ、これによってさらに視認者の注意を惹くことができる。
【0012】
上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を参考的に示すものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明のバルーン人形によれば、暗所においても車両運転者等から確実に視認される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図4】バルーン人形本体の水平断面図で、
図3のIV-IV線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本発明の範囲に含まれる。
【0016】
(第1実施形態)
図1にはバルーン人形の全体正面図を示す。バルーン人形1は空気を充填することによって膨張して起立姿勢となり、全体形状は上方へ漸次縮径する円推台状になっている。そして、その外周面には道路工事の現場向けであれば
図1に示すような作業帽を被ったキャラクター画像Fが付されている。バルーン人形1の底面には、外方へ水平に広がる本実施形態では四角形の基布部2が設けられている。
【0017】
図2にはバルーン人形1の本体11の側面図を示す。本体11は透光性の、例えばナイロン樹脂フィルムの両面にウレタンビニール樹脂フィルムを接合した三層構造のフィルムを張り合わせて気密性の袋状にしたもので、空気を充填していない場合には、携帯コンテナボックスに容易に収納可能である。
【0018】
本体11には給気口(図示略)が設けられており、当該給気口に、市販の携帯ブロアの吐出口を結合して空気を本体11内へ供給すると、空気が充填された本体11は
図2に示すように起立姿勢に膨張して周面11cが傾斜した円推台状になり、その頂面11aは上方へドーム状に膨出している。本体11の底面11bは無荷重の状態では下方へドーム状に膨出しており、起立姿勢になったときには自身の荷重によって、
図2の鎖線で示すように床面への接触面が広くなるように変形する。
【0019】
起立姿勢に膨張した本体11内にはその軸部に上下方向へ延びる円形の筒壁12が形成され、この筒壁12は上端が本体の頂面11a で閉鎖されるとともに下端は外方へ開放している。したがって、本体11内の気密空間Sは筒壁12の周囲に形成されている。上記筒壁12の筒内空間にはこれの上端から下端へ向けて帯状の発光体3が配設されている(
図3)。発光体3は樹脂フィルム製の帯状基板31上に長手方向へ間隔をおいてLED発光素子32(
図2)を複数設けたもので、筒壁12下端の開口から給電線33を延出させて外部バッテリから給電される。
【0020】
筒壁12の下端周囲の、本体11内の気密空間Sには、
図4に示すように、周方向へ等間隔で4カ所に錘部材4が配置されている。これら錘部材4は、平面視で略扇形の袋体内に砂鉄を封入したものである。これにより、本体11が膨張し起立姿勢になった状態で、本体11の底面11b中心部に十分な重量が集中し、横転することなく起立姿勢の安定性が維持される。併せて、この状態で風を受けると、下方へ膨出した底面11bによって左右に揺れて視認者の注意を惹く。なお、強風時には、本体11の底面にその中心部が止着されている基布部2上にさらに適当なウェイトを置くことで、本体11が飛ばされる等を防止できる。
【0021】
このような本体11の外周には、
図5に示すようなキャラクター画像Fを描いた透光性のカバー体5を覆着する。カバー体はポリエステルサテンで構成され、本体11の側面11cに沿った、側面視で推台形状(
図5)の筒体である。このようなカバー体5を、膨張させた本体11へ上方から被せて
図1に示すようなバルーン人形1とする。
【0022】
本実施形態のバルーン人形によれば、透光性の樹脂材よりなる円推台状に膨張した本体内にその軸部に沿って上下方向へ帯状の発光体を設けた構造としたから、夜間の道路工事現場等の暗所においても全体が内部から良く光って車両運転者等から良好に視認され、作業者の安全を確実に守ることができる。
【0023】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、本体を安定的な円推台状に膨張させるようにしたが特に円推台状にする必要はなく、例えば平行筒体としても良い。また、本体内に設ける発光体も軸に沿って設ける必要はなく、さらには帯状である必要もない。
【0024】
また、錘部材の構造やその設置数も上記実施形態に限られるものではなく、錘部材を特に設けなくても良い。さらに、ウェイトを置くための基布部も必須のものではない。
【0025】
上記実施形態では本体の底面を下方へドーム状に膨出させることによってバルーン人形が風を受けて揺らぐようにしたが、底面は平面としてももちろん良い。
【0026】
上記実施形態では本体に、キャラクター画像を描いたカバー体を被せるようにしたが、本体の表面に直接キャラクター画像を描いても良く、絵柄は特にキャラクターには限られない。
【0027】
上記実施形態ではバルーン人形を道路工事の現場に設置する場合について説明したが、道路工事現場に限られるものではない。
【符号の説明】
【0028】
1…バルーン人形、11…本体、11b…底面、3…発光体、31…帯状基板、32…LED発光素子、4…錘部材。