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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144430
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】熱交換機利用の液加温装置
(51)【国際特許分類】
   F28G 9/00 20060101AFI20231003BHJP
   B08B 3/10 20060101ALN20231003BHJP
【FI】
F28G9/00 Z
F28G9/00 L
B08B3/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051400
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】595088078
【氏名又は名称】ファインマシーンカタオカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】片岡 啓二
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201BB82
3B201BB92
3B201CD01
(57)【要約】
【課題】
従来の文献では、食品殺菌装置、空調装置等の洗浄装置、又は容器の洗浄装置であり、本発明の如く、加工部品、例えば、機械加工部品の切削油等の加工屑、切粉等の汚染加工湯(汚染加工油)の処理液の昇温と、清澄化に関し、間接加温(間接熱交換機の採用)することを意図しない。
【解決手段】
本発明は、洗浄液タンクに繋がる第1ホースと、第1ホースが配備される熱交換機と、冷媒を送る第2ホースと、第2ホースを、熱交換機に配備し、熱交換器内において、隣接して第1ホースと第2ホースを配備する構成とした熱交換機利用の液加温装置である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液タンクに繋がる第1ホースと、この第1ホースが配備される熱交換機と、冷媒を送る第2ホースと、この第2ホースを、前記熱交換機に配備し、この熱交換器内において、隣接して前記第1ホースと前記第2ホースを配備する構成とした熱交換機利用の液加温装置。
【請求項2】
前記冷媒を循環する前記第2ホースに、膨張弁、蒸発器、及びコンプレッサーを、配備する構成とした請求項1に記載の熱交換機利用の液加温装置。
【請求項3】
前記蒸発器に空気を送り、この空気の熱を利用して前記蒸発器を高温にし、前記第2ホース内の前記冷媒と、前記第1ホース内の洗浄液の間で、熱交換を行う構成とした請求項2に記載の熱交換機利用の液加温装置。
【請求項4】
前記第1ホースは、前記洗浄液タンク内の洗浄液を循環する構成とした請求項1に記載の熱交換機利用の液加温装置。
【請求項5】
前記熱交換機には、前記第1ホースに繋ぐ、プレート型の第1熱交換器と、前記第2ホースに繋ぐ、プレート型の第2熱交換器を組合せて配置し、前記第1熱交換器からの熱を、前記第2熱交換機に移換する構成とした請求項1に記載の熱交換機利用の液加温装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換機利用の省エネ方式の液加温装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液加温装置において、省資源と、低コストであって、しかも効率的な装置が、必要とされている。これらを充足し、かつ省資源化が図れる、プレート式の熱交換機の利用が最適であり、昨今の市場で必要とされる。
【0003】
その最たるものが、熱交換機利用の省エネ方式の液加温装置(カーボンニュートラル対応型の液加温装置)と考えられる。その為には、冷媒と、循環方式、又は使用機器等の選択と、組合せが必要である。
【0004】
以上の観点を考慮し、先行文献を調査した結果では、加温する対象物(洗浄装置、食品、又は空調機と、その液類)、商品(タンク)、又は販売ルート(販売システム)において、熱交換機(ヒートポンプ)対応の加温機器に関する構造が挙げられる。
【0005】
例えば、文献(1)(特許第3516476号)に記載の「食品殺菌装置、空調装置その他の機器において、機器の内部配管や接続配管が食品、スチーム、水等で汚染された場合等において、流体残渣を除去、洗浄する洗浄装置(洗浄装置)」がある。要点は、洗浄液をあらかじめ設定温度に昇温できる洗浄液タンクを設けて、洗浄時にこの洗浄液を利用し汚染の全く生じない洗浄装置とすることであって、例えば、プレート式熱交換器等を利用した間接加熱器で、スチーム等の熱媒を間接加熱器の一方流路に供給し、かつスチームトラップで、一方流路の出口側に設けられ、熱交換後発生するスチームドレンを排出し、昇温動作でポンプが動き、循環配管の洗浄液が流れると同時に、間接加熱器により、洗浄液を昇温し、熱媒はスチームドレンとなりスチームトラップより排出される構造である。
【0006】
又、文献(2)(特許第6068046号)に記載の「コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の店にパンや惣菜等の物品を大量に納品する場合に使用される容器、例えば、プラスチック製のトレー、パレット、コンテナ等搬入後、各店から回収されて何段にも積み重ね容器の洗浄装置(容器洗浄装置)」がある。要点は、容器洗浄装置は、洗浄機と、ヒートポンプを備える循環加熱式の温水供給ユニットを有し、洗浄機は、洗剤の入っている水である洗浄水を循環させ、順次、送られてくる容器を洗浄し、また、温水供給ユニットは、所定の温度、例えば、60℃の加温水を循環して洗浄機側に供給し、洗浄機側の洗浄水を加温して温度を上げるための装置を備える。そして、熱交換器は、多管円筒式熱交換器で、円筒胴内には多数本の伝熱管が円形状に配列されている。
【0007】
文献(3)(特許第3970221号)に記載の「貯湯タンク内の高温の湯を追い焚き用熱交換器の加熱部側へ流した後、熱交換後の温度低下した湯水をヒートポンプ冷媒回路で加熱してから貯湯タンクに戻すことにより、加熱能力に優れた追い焚き機能付きのヒートポンプ給湯装置(ヒートポンプ給湯装置)」がある。要点は、ヒートポンプ給湯装置は、ヒートポンプユニット、給湯ユニットでなる。ヒートポンプ給湯装置から湯が供給される浴槽であって、ヒートポンプユニットは、加熱部を流れる二酸化炭素冷媒は、冷媒対水熱交換器の被加熱部側に流れる湯水を、熱交換によって90℃以上に加熱する構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3516476号
【特許文献2】特許第6068046号
【特許文献3】特許第3970221号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した文献(1)-(3)は、食品殺菌装置、空調装置等の洗浄装置、又は容器の洗浄装置であり、本発明の如く、加工部品、例えば、機械加工部品の切削油等の加工屑、切粉等の汚染加工湯(汚染加工油)の処理液の昇温と、清澄化に関し、間接加温することを意図しないこと、殊に、イ) 空気熱(蒸発器)を有効利用し、コストの削減と、連続加温処理を図ること、等を意図しない。また、ロ) コンプレッサの活用で、冷媒を圧縮し、冷媒の高温化を達成する、ハ) 高温化した冷媒で、熱を水に移換し、間接交換機の働きを最大限活用し、洗浄液の加温を図る、ニ) 膨張弁の働きと、ファンの働きで、例えば、熱を失った冷媒に、空気熱を効率的に取り込む準備をする、などの働きは、あり得ないと考える。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述のイ)-ニ)の働きを達成することを意図し、かつそれによる特徴達成に、請求項1-5を、提案する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に於いては、
洗浄液タンクに繋がる第1ホースと、第1ホースが配備される熱交換機と、冷媒を送る第2ホースと、第2ホースを、熱交換機に配備し、熱交換器内において、隣接して第1ホースと第2ホースを配備する構成とした熱交換機利用の液加温装置の提案であって、イ)-ニ)の働きを達成することを意図し、かつそれによる特徴達成にある。
【0012】
請求項2に於いては、
冷媒を循環する第2ホースに、膨張弁、蒸発器、及びコンプレッサを、配備する構成とした熱交換機利用の液加温装置の提案であって、請求項1の目的、及び/又は、特徴を、凌駕できる。
【0013】
請求項3に於いては、
蒸発器に空気を送り、空気の熱を利用して蒸発器を高温にし、第2ホース内の冷媒と、第1ホース内の洗浄液の間で、熱交換を行う構成とした熱交換機利用の液加温装置の提案であって、請求項1の目的、及び/又は、特徴を、凌駕できる。
【0014】
請求項4に於いては、
第1ホースは、洗浄液タンク内の洗浄液を循環する構成とした熱交換機利用の液加温装置の提案であって、請求項1の目的、及び/又は、特徴を、凌駕できる。
【0015】
請求項5に於いては、
熱交換機には、第1ホースに繋ぐ、プレート型の第1熱交換器と、第2ホースに繋ぐ、プレート型の第2熱交換器を組合せて配置し、第1熱交換器からの熱を、第2熱交換機に移換する構成とした熱交換機利用の液加温装置の提案であって、請求項1の目的、及び/又は、特徴を、凌駕できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】熱交換機利用の液加温装置の斜視図
図2】熱交換機利用の液加温装置の正面図
図3】熱交換機利用の液加温装置の裏面図
図4】熱交換機利用の液加温装置の側面図
図5】熱交換機利用の液加温装置と洗浄機の図
図6】(イ)熱交換機利用の液加温装置と洗浄機の模式図、(ロ)模式図のエコヒートの仕組みを、コメント付きで図示した
図7】洗浄機本体と液加温装置本体の回路図
図8】熱交換機利用の液加温装置の効果を示す図、(イ)は一次エネルギー消費、(ロ)はCO2排出量、(ハ)はランニングコスト、(ニ)は積算消費電力比較
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の各実施例を説明する。各実施例は、好ましい一例であり、各実施例の説明、及び/又は、図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造、又は同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【0018】
図1に示した熱交換機利用の液加温装置1は、加工機械で形成された部品(加工部品等)を洗浄する洗浄機2(洗浄機本体)のタンク200に繋ぎ、かつ間接熱交換機6に迂回する洗浄液201を回送する第1ホース3(第1配管)を備えており、この第1ホース3は、後述する冷媒11が迂回(圧送)される第2ホース5(第2配管)と、前記間接熱交換機6において、間接的に熱交換される。尚、間接熱交換機6は、プレート型を採用し、効率的に熱交換し、その熱交換の効率を図り易い構造とする。一例であり、限定されない。また、修理、交換、又は効率な熱交換を達成できることで採用した。
【0019】
図1図6(イ)、(ロ)において、加温装置本体10は、冷媒11を回送する前記第2ホース5を含み、この第2ホース5と接触し、かつ第1ホース3内の冷えた洗浄液201を加温(高温化)する間接熱交換機6と、冷媒11を圧縮、高温化し、かつ圧送するコンプレッサ13、ファン15で集めた空気の熱を冷媒11に伝える蒸発器14と、前記熱を取り込み、かつ冷媒11の加温に役立てる膨張弁16を含む構造である。
【0020】
そして、前記間接熱交換機6において、第1ホース3内を循環する冷えた洗浄液201と、第2ホース5内を循環する加温された冷媒11との間接接触で、例えば、第1ホース3内を循環する冷えた洗浄液201を加温し、タンク200にリターンし、洗浄機2の働きを回復する。
【0021】
図中20はダイヤフラムポンプ、21はフィルタ、22はストレーナ、23はタッチパネル、24は水位確認部、25はヒートポンプユニットを、それぞれ示す。
【0022】
そして、図6(イ)は、熱交換機利用の液加温装置と洗浄機の模式図、(ロ)は、各部機材の特性と、本発明のエコヒート(使用品の名称)の仕組みを、コメント付きで縦列図示したものである。
【0023】
図7は、洗浄機本体(符号なし)と加温装置本体10の回路図であって、洗浄機2のタンク200から、例えば、60℃の洗浄液201が、第1ホース3を循環し、間接熱交換機6を経由し、加温し、タンク200に戻る第1ルートAを示すとともに、例えば、90℃の冷媒11は、第2ホース5を循環し、間接熱交換機6を経由し、もとに戻る第2ルートBを示している。また、フィルタによる清澄化を図る。
【0024】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態、及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0025】
1 液加温装置
2 洗浄機
200 タンク
201 洗浄液
3 第1ホース
5 第2ホース
6 間接熱交換機
10 加温装置本体
11 冷媒
13 コンプレッサ
14 蒸発器
15 ファン
16 膨張弁
20 ダイヤフラムポンプ
21 フィルタ
22 ストレーナ
23 タッチパネル
24 水位確認部
25 ヒートポンプユニット
26 ルーバー
A 第1ルート
B 第2ルート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8