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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144435
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】発進制御機
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/04 20060101AFI20231003BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20231003BHJP
【FI】
E01F13/04 A
G07B15/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051406
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】家氏 策
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】中山 博之
【テーマコード(参考)】
2D101
3E127
【Fターム(参考)】
2D101CA12
2D101FA21
2D101HA01
2D101HB06
3E127AA15
3E127BA70
3E127CA12
3E127FA03
(57)【要約】
【課題】運転者にとって、閉位置における阻止棒の開き始めの視認性を高める。
【解決手段】発進制御機は、回転軸と、前記回転軸の中心軸線を中心として、前記回転軸を回転させる回転機構と、前記回転軸に接続されている阻止棒と、車線の路側に設置され、前記回転機構を支持する機構支持部と、を備える。前記回転軸が水平方向に延び、かつ、前記回転軸の前記中心軸線が車線方向に対して傾斜するよう、前記回転軸は前記回転機構を介して前記機構支持部により支持されている。前記阻止棒は、前記回転軸の回転に伴って、前記中心軸線を中心とした仮想の円錐面に沿って回転可能に、前記中心軸線に対して傾斜して、前記回転軸の前記先端部に接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸の中心軸線を中心として、前記回転軸を回転させる回転機構と、
前記回転軸に接続されている阻止棒と、
車線の路側に設置され、前記回転機構を支持する機構支持部と、
を備え、
前記回転軸が水平方向に延び、かつ、前記回転軸の先端部が前記回転軸の基端部に対して車線方向下流側に位置して、前記回転軸の前記中心軸線が車線方向に対して傾斜するよう、前記回転軸は前記回転機構を介して前記機構支持部により支持され、
前記阻止棒は、前記回転軸の回転に伴って、前記中心軸線を中心とした仮想の円錐面に沿って回転可能に、前記中心軸線に対して傾斜して、前記回転軸の前記先端部に接続され、
前記回転機構は、前記阻止棒が水平方向かつ車線幅方向に延びている閉位置と、前記阻止棒が上下方向の成分より水平方向の成分が大きく、かつ、前記車線幅方向の成分よりも前記車線方向の成分が大きい方向に延びている開位置と、を実現可能に、前記回転軸を回転させる、
発進制御機。
【請求項2】
前記開位置の前記阻止棒は、水平方向に延びている、
請求項1に記載の発進制御機。
【請求項3】
前記開位置の前記阻止棒は、前記車線幅方向の成分がない方向に延びている、
請求項1または請求項2に記載の発進制御機。
【請求項4】
前記車線方向に対する前記中心軸線の共役角のうちで劣角である軸傾斜角αは、45°である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発進制御機。
【請求項5】
前記回転機構は、前記閉位置の前記阻止棒を前記開位置に位置させる際、前記閉位置の前記阻止棒が上側に回転し始めるよう前記回転軸を回転させ、前記開位置の前記阻止棒を前記閉位置に位置させる際、前記開位置の前記阻止棒が上側に回転し始めるよう前記回転軸を回転させる、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発進制御機。
【請求項6】
前記阻止棒が接続され、前記回転軸に固定されて前記回転軸と一体回転する棒接続部を有し、
前記棒接続部は、
前記閉位置と、前記円錐面に沿い、かつ、前記中心軸線を基準として前記閉位置と対称なリリース位置との間で、前記阻止棒を水平面内で揺動可能に支持する棒揺動支持部と、
前記阻止棒を揺動不能に拘束しながら、前記阻止棒に所定以上の荷重がかかると前記阻止棒の拘束を解除する第一拘束部及び第二拘束部と、
を有する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発進制御機。
【請求項7】
前記リリース位置は、前記開位置と同じ位置である、
請求項6に記載の発進制御機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、道路上を走行する車両の進行を阻止可能な発進制御機に関する。
【背景技術】
【0002】
道路上を走行する車両の進行を阻止可能な発進制御機としては、例えば、以下の特許文献1に開示されている装置がある。この発進制御機は、回転軸と、回転軸を回転させる回転機構と、回転軸に接続されている阻止棒と、回転機構を支持する機構支持部と、を有する。
【0003】
この発進制御機の回転軸は、道路と平行である。さらに、回転軸の基端が回転軸の基端に対して、車両が進行する側である車線方向下流側(+X方向側)に位置するよう、この回転軸は上下方向に対して傾斜している。阻止棒は、この回転軸に対して垂直になるよう、回転軸に接続されている。このため、この阻止棒は、傾斜している回転軸に垂直な仮想平面内の閉位置と開位置との間で回転する。閉位置の阻止棒は、水平方向かつ車線幅方向に延びている。また、開位置の阻止棒は、車線方向の延び、この阻止棒の先端が阻止棒の基端よりも上に位置するよう、水平面に対して傾斜している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5264554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両の運転者は、閉位置における阻止棒の開き始めの視認性が高いと、通行可能になることを認識しやすい。
【0006】
そこで、本開示は、運転者にとって、閉位置における阻止棒の開き始めの視認性を高めることができる発進制御機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための一態様としての発進制御機は、回転軸と、前記回転軸の中心軸線を中心として、前記回転軸を回転させる回転機構と、前記回転軸に接続されている阻止棒と、車線の路側に設置され、前記回転機構を支持する機構支持部と、を備える。
前記回転軸が水平方向に延び、かつ、前記回転軸の先端部が前記回転軸の基端部に対して車線方向下流側に位置して、前記回転軸の前記中心軸線が車線方向に対して傾斜するよう、前記回転軸は前記回転機構を介して前記機構支持部により支持される。
前記阻止棒は、前記回転軸の回転に伴って、前記中心軸線を中心とした仮想の円錐面に沿って回転可能に、前記中心軸線に対して傾斜して、前記回転軸の前記先端部に接続される。
前記回転機構は、前記阻止棒が水平方向かつ車線幅方向に延びている閉位置と、前記阻止棒が上下方向の成分より水平方向の成分が大きく、かつ、前記車線幅方向の成分よりも前記車線方向の成分が大きい方向に延びている開位置と、を実現可能に、前記回転軸を回転させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様では、運転者にとって、閉位置における阻止棒の開き始めの視認性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示に係る一実施形態における料金所の斜視図である。
図2】本開示に係る第一実施形態における発進制御機の斜視図である。
図3】本開示に係る第一実施形態における発進制御器の要部平面図である。
図4】本開示に係る第一実施形態における発進制御機の全体平面図である。
図5図4におけるV矢視図である。
図6図4におけるVI矢視図である。
図7】本開示に係る第二実施形態における発進制御機の全体平面図である。
図8図7におけるVIII矢視図である。
図9図7におけるIX矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る発進制御機の各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
本開示に係る発進制御機は、例えば、有料道路の料金所に設けられる。有料道路の料金所について、以下で説明する。
【0012】
<料金所の態様>
図1に示すように、有料道路の出口料金所には、有料道路から一般道路に通じる走行レーンである車線Rが設置されている。ここで、車線Rが延びている方向を車線方向(±X方向)とし、車両Cが進行する方向を車線方向下流側(+X方向側)、車線方向下流側の反対側を車線方向上流側(-X方向側)とも表記する。また、この車線Rの幅方向を車線幅方向(±Y方向)とし、車線方向下流側(+X方向側)に向かって左側を車線幅方向左側(+Y方向側)、車線方向下流側(+X方向側)に向かって右側を車線幅方向右側(-Y方向側)とも表記する。さらに、車線Rの路面に対し垂直の方向を上下方向(±Z方向)とし、上側を上下方向上側(+Z方向側)、下側を上下方向下側(-Z方向側)とも表記する。
【0013】
図1に示す車線Rは、一例として、電子式料金収受システム(Electronic Toll Collection System;ETC(登録商標);以下の説明では単に「ETC」とも表記する。)による料金収受と、料金自動収受機1による料金収受との両方が可能な車線とされている。
【0014】
車線Rの車線幅方向の両側の路側には、それぞれアイランドIが設けられている。アイランドIには、料金自動収受機1と、車両検知器2、4と、アンテナ3と、発進制御機10と、制御装置5とが設置されている。
【0015】
料金自動収受機1は、車線Rの両側のアイランドIのうち、一方側のアイランドIに設けられている。この料金自動収受機1は、車両CがETCによる料金収受に対応していない場合に、当該車両Cに搭乗する利用者から料金の支払いを受け付ける装置である。
【0016】
アンテナ3は、車線Rに進入した車両Cの車載器との間で無線通信を行い、ETCによる料金収受処理を行う。進入した車両CがETCによる料金収受に対応している場合(つまり、専用の車載器が搭載されている場合)には、車線R上の走行中に、アンテナ3を介したETCによる料金収受処理が行われる。
【0017】
車両検知器2は、車線幅方向(±Y方向)で互いに対向する投光器2aと受光器2bとを有する。投光器2aは、車線Rの両側のアイランドIのうち一方のアイランドIに設けられ、受光器2bは、他方のアイランドIに設けられている。このような構成により、車両検知器2は、投光器2aと受光器2bとの間の車両Cの有無を検知できる。車両検知器2は、料金自動収受機1及びアンテナ3よりも車線方向上流側(-X方向側)に配置されている。料金自動収受機1およびアンテナ3は、車両検知器2によって車両Cの車線Rへの進入が検知されたことをトリガにして各種料金収受のための動作を開始する。
同様に、車両検知器4は、車線幅方向(±Y方向)で互いに対向する投光器4aと受光器4bとを有する。投光器4aは、車線Rの両側のアイランドIのうち一方のアイランドIに設けられ、受光器4bは、他方のアイランドIに設けられている。このような構成により、車両検知器4は、投光器4aと受光器4bとの間の車両Cの有無を検知できる。車両検知器4は、後述する発信制御機10よりも車線方向下流側(+X方向側)に配置されている。発進制御機10は、車両検知器4によって車両Cの車線Rからの退出が検知されたことをトリガにして閉動作するように制御される。
【0018】
発進制御機10は、車線Rの両側のアイランドIのそれぞれに設けられている。発進制御機10は、料金自動収受機1よりも車線方向下流側(+X方向側)に配置されている。発進制御機10は、車線R上を走行する車両Cの一時停止および発進を制御するための阻止棒11を有する。
【0019】
制御装置5は、車両Cの車載器とアンテナ3との間の無線通信の結果、又は、料金収受機1による料金収受の結果、正規の料金が支払われたと判断した場合に、この車両Cを車線Rから退出させるべく、発進制御機10に対して、阻止棒11が開位置になるよう指示する。また、制御装置5は、正規の料金が支払われていないと判断される場合には、この車両Cを車線Rから退出させないように、発進制御機10に対して、阻止棒11が閉位置になるよう指示する。
【0020】
なお、上述の料金所の態様は一例であり、この態様に限定されることはない。例えば、料金所の車線Rは、料金自動収受機1が設置されておらず、ETCに対応している車両のみが走行可能な車線とされていてもよいし、アンテナ3が設置されておらず、全ての車両が料金自動収受機1を通じて料金の支払いを行うものであってもよい。また、料金自動収受機1の代わりに収受員が待機する有人ブースが設置され、当該収受員が料金の支払いを受け付ける態様であってもよい。
【0021】
<発進制御機の第一実施形態>
第一実施形態における発進制御機の態様について、図2図6を参照して説明する。
【0022】
本実施形態における発進制御機10は、図2及び図4に示すように、阻止棒11と、回転軸15と、回転機構17と、機構支持部18と、棒接続部20と、を有する。
【0023】
回転機構17は、回転軸15の中心軸線Acを中心として、回転軸15を回転させることができる。機構支持部18は、回転機構17を支持する。この機構支持部18は、車線Rの路側に設けられているアイランドIに配置されている。機構支持部18は、回転軸15が水平方向(XY平面に平行な方向)に延び、かつ、回転軸15の先端部15tが回転軸15の基端部15bに対して車線方向下流側(+X方向側)に位置して、回転軸15の中心軸線Acが車線方向(±X方向)に対して傾斜するよう、回転機構17を介して回転軸15を支持する。本実施形態では、車線方向(±X方向)に対する中心軸線Acの共役角のうちで劣角である軸傾斜角αは、45°である。
【0024】
阻止棒11は、回転軸15の回転に伴って、中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿って回転可能に、中心軸線Acに対して傾斜して、棒接続部20を介して回転軸15の先端部15tに接続されている。本実施形態では、中心軸線Acに対する阻止棒11の共役角のうちで劣角である棒傾斜角βは、45°である。
なお、上記では、阻止棒11は、回転軸15の「先端部15t」に接続されるものと説明したが、ここでの「先端部」とは、必ずしも回転軸15の先端部分のみを意味するものではない。すなわち、阻止棒11が接続されている「先端部15t」のさらに先に回転軸15の一部が延びている態様や、他の付属物が存在する態様も、「阻止棒11は、回転軸15の先端部15tに接続されている。」との表現に含まれるものとする。
【0025】
回転機構17は、図4図6に示すように、阻止棒11が水平方向かつ車線幅方向(±Y方向)に延びている閉位置Scと、阻止棒11が水平方向かつ車線方向(±X方向)の延びている開位置Soとを実現可能に、回転軸15を回転させることができる。開位置Soの阻止棒11は、水平方向に延びている回転軸15の中心軸線Acを基準にして、閉位置Scの阻止棒11に対して対称である。なお、本実施形態における閉位置Scの阻止棒11は、上下方向(±Z方向)の成分及び車線方向(±X方向)の成分がなく、水平方向かつ車線幅方向(±Y方向)に延びている。また、本実施形態における開位置Soの阻止棒11は、上下方向(±Z方向)の成分及び車線幅方向(±Y方向)の成分がなく、水平方向かつ車線方向(±X方向)に延びている。ここで、「〇〇方向の成分がない」との表現には、〇〇方向の成分が全くないことのみならず、例えば、阻止棒11のたわみや製造誤差等に起因して、〇〇方向の成分がわずかに含まれている場合も含むものとする。
【0026】
棒接続部20は、図2及び図3に示すように、棒揺動支持部21と、第一拘束部25aと、第二拘束部25bと、を有する。
【0027】
棒揺動支持部21は、揺動軸22と、軸固定部23と、を有する。軸固定部23は、回転軸15の先端部15tに固定されている。揺動軸22は、回転軸15の中心軸線Acに対して垂直になるよう、軸固定部23に固定されている。阻止棒11の基部には、阻止棒11の棒中心線Arに対して垂直な方向に延びる軸孔12が形成されている。揺動軸22は、この阻止棒11の軸孔12に挿通されている。棒揺動支持部21は、以上の構成により、閉位置Scとリリース位置Srとの間で、阻止棒11を水平面内で揺動可能に、阻止棒11の基端部11bを支持する。阻止棒11は、上述したように、回転軸15の回転に伴って中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿って回転する。リリース位置Srは、この円錐面に沿い、かつ、水平面内で中心軸線Acを基準にして閉位置Scと対称な位置である。また、上述したように、開位置Soは、中心軸線Acを基準にして閉位置Scと対称な位置である。つまり、本実施形態では、リリース位置Srと開位置Soとは同じ位置である。
【0028】
本実施形態では、棒揺動支持部21が揺動軸22を有し、阻止棒11に揺動軸22が挿通される軸孔12が形成されている。しかしながら、阻止棒11に揺動軸が設けられ、棒揺動支持部21に揺動軸が挿通される軸孔が形成されてもよい。
【0029】
第一拘束部25a及び第二拘束部25bは、いずれも、拘束突起26と、突起固定部27と、を有する。突起固定部27は、回転軸15の先端部15tに固定されている。拘束突起26は、突起固定部27に固定されている。阻止棒11の基端部11bには、第一篏合穴13a及び第二篏合穴13bが形成されている。第一篏合穴13a及び第二篏合穴13bは、いずれも、阻止棒11の表面から阻止棒11の棒中心線Ar及び阻止棒11の軸孔12に対して垂直な方向に凹み、拘束突起26がはまり込める穴である。ただし、第二篏合穴13bは、阻止棒11の棒中心線Arを基準にして第一篏合穴13aと対称な位置に形成されている。第一拘束部25a及び第二拘束部25bは、以上の構成により、拘束突起26が第一篏合穴13a又は第二篏合穴13bにはまり、阻止棒11を揺動不能に拘束できる。ただし、第一拘束部25a及び第二拘束部25bは、阻止棒11に所定以上の荷重がかかると、第一篏合穴13a又は第二篏合穴13bから拘束突起26が抜けて、阻止棒11の拘束を解除することができる。
【0030】
第一拘束部25a及び第二拘束部25bは、中心軸線Ac周りの位置に応じて、いずれも、閉位置Scの阻止棒11及びリリース位置Srの阻止棒11を揺動不能に拘束できる。また、第一拘束部25aと第二拘束部25bとのうち一方の拘束部が閉位置Scの阻止棒11を揺動不能に拘束しているときに、閉位置Scの阻止棒11に所定以上の荷重がかかり、阻止棒11の拘束が解除され、阻止棒11が揺動して前記リリース位置Srに至ると、他方の拘束部がリリース位置Srの阻止棒11を揺動不能に拘束できる。
【0031】
本実施形態では、拘束部が拘束突起26を有し、阻止棒11に拘束突起26がはまり込める篏合穴が形成されているがこれに限られず、例えば他の実施形態では、阻止棒11に拘束突起26が設けられ、拘束部に篏合穴が形成されてもよい。
【0032】
次に、以上に説明した発進制御機10の動作について、図4図6を参照して説明する。
【0033】
以上に説明したように、閉位置Scの阻止棒11は、水平方向かつ車線幅方向(±Y方向)に延びている。回転機構17は、閉位置Scの阻止棒11を開位置Soに位置させる際、閉位置Scの阻止棒11が上下方向上側(+Z方向側)に回転し始めるよう回転軸15を回転させる。回転軸15が回転すると、阻止棒11は、中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿って回転して、開位置Soに至る。この開位置Soの阻止棒11は、上述したように、水平方向かつ車線方向(±X方向)に延びている。
【0034】
回転機構17は、開位置Soの阻止棒11を閉位置Scに位置させる際も、開位置Soの阻止棒11が上下方向上側(+Z方向側)に回転し始めるよう回転軸15を回転させる。よって、開位置Soの阻止棒11を閉位置Scに位置させる際の回転軸15の回転方向は、閉位置Scの阻止棒11を開位置Soに位置させる際の回転軸15の回転方向とは逆方向である。回転軸15が回転すると、阻止棒11は、中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿って回転して、再び、閉位置Scに至る。
【0035】
ここで、仮に、閉位置Scの阻止棒11を第一拘束部25aが揺動不能に拘束しているとする。このとき、この阻止棒11に車線Rを走行してきた車両Cがあたって、この阻止棒11に水平方向かつ車線方向下流側(+X方向)に向かう所定以上の荷重がかかると、第一拘束部25aによる阻止棒11の拘束が解除される。そして、この阻止棒11は、棒揺動支持部21の揺動軸22を中心として、水平面内で揺動して、リリース位置Srに至る。阻止棒11がリリース位置Srに至ると、この阻止棒11は第二拘束部25bにより揺動不能に拘束される。
【0036】
リリース位置Srの阻止棒11は、回転軸15を回転させることで、閉位置Scに位置させることができる。このとき、閉位置Scの阻止棒11は、第二拘束部25bにより揺動不能に拘束されていることになる。この阻止棒11に車線Rを走行してきた車両Cがあたって、この阻止棒11に所定以上の荷重がかかると、第二拘束部25bによる阻止棒11の拘束が解除される。そして、この阻止棒11は、棒揺動支持部21の揺動軸22を中心として、水平面内で揺動して、リリース位置Srに至る。阻止棒11がリリース位置Srに至ると、この阻止棒11は第一拘束部25aにより揺動不能に拘束される。
【0037】
以上のように、本実施形態では、阻止棒11が、回転軸15の回転に伴って、水平方向の延びる中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿って回転する。また、閉位置Scの阻止棒11は、水平方向かつ車線幅方向(±Y方向)に延びている。このため、本実施形態では、図5に示すように、閉位置Scの阻止棒11が開位置Soに変位する際、閉位置Scの阻止棒11が、まず上下方向(±Z方向)に変位し、その後、上下方向(±Z方向)の変位量が次第に小さくなり、代わって、車線幅方向(±Y方向)及び車線方向(±X方向)の変位量が大きくなる。よって、本実施形態では、車両Cの運転者にとって、閉位置Scの阻止棒11における開き始め動作の視認性が高まり、この運転者は通行可能になることを認識しやすくなる。
【0038】
また、本実施形態では、開位置Soの阻止棒11が、上下方向(±Z方向)の成分より水平方向の成分が大きく、かつ、車線幅方向(±Y方向)の成分よりも車線方向(±X方向)の成分が大きい方向に延びているので、車両Cの運転者は、開位置Soの阻止棒11の視認性が低くなる。このため、運転者は、阻止棒11の存在を気にせずに、発進制御機10を通過することができる。
【0039】
特に、本実施形態では、開位置Soの阻止棒11が上下方向(±Z方向)の成分がない方向に延びている(つまり、水平方向に延びている)ので、車両Cの運転者による開位置Soの阻止棒11の視認性をより低くすることができる。
【0040】
さらに、本実施形態では、開位置Soの阻止棒11が車線幅方向(±Y方向)の成分がない方向に延びているので、開位置Soにおける阻止棒11の先端部11tが車線Rにはみ出でることを回避できる。
【0041】
以上に説明したように、阻止棒11は、回転軸15の回転に伴って、中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿って回転する。このため、阻止棒11の先端部11tは、回転軸15の回転に伴って、図6に示すように、水平方向の延びる中心軸線Acを中心として円上を移動することになる。本実施形態では、閉位置Scの阻止棒11を開位置Soに位置させる際も、開位置Soの阻止棒11を閉位置Scに位置させる際も、阻止棒11は上下方向上側(+Z方向側)に回転し始める。このため、本実施形態では、閉位置Scの阻止棒11を開位置Soに位置させる際も、開位置Soの阻止棒11を閉位置Scに位置させる際も、阻止棒11の先端部11tは、水平方向の延びる中心軸線Acを中心とした円上であって、中心軸線Acより上下方向上側(+Z方向側)を移動することになる。よって、本実施形態では、回転軸15の回転に伴う阻止棒11の回転で、阻止棒11の先端部11tが車線Rに接触することを回避することができる。
【0042】
本実施形態では、閉位置Sc、開位置So、及びリリース位置Srが、いずれも、回転軸15の中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿った位置である。このため、回転機構17により回転軸15を回転させれば、リリース位置Srの阻止棒11を閉位置Sc又は開位置Soに移動させることができる。よって、本実施形態では、リリース位置Srの阻止棒11を閉位置Sc又は開位置Soに移動させるための機構を別途設ける必要がなくなり、装置コストを抑えることができる。
【0043】
さらに、本実施形態では、阻止棒11と車両Cとの接触時に、阻止棒11が水平面内を揺動する。このため、車両接触時に阻止棒11にかかる水平方向かつ車線方向下流側(+X方向側)への荷重を効果的に逃すことができる。よって、本実施形態では、車両接触時における阻止棒11及び阻止棒11を支持している部分にかかる負荷を抑制することができ、これらの損傷を抑えることができる。
【0044】
また、本実施形態では、リリース位置Srが開位置Soと同じであるため、阻止棒11をリリース位置Srから閉位置Scに移動させる制御と、阻止棒11を開位置Soから閉位置Scに移動させる制御とが同じになり、回転機構17の制御が容易になる。
【0045】
<発進制御機の第二実施形態>
第二実施形態における発進制御機について、図7図9を参照して説明する。
【0046】
本実施形態における発進制御機10aも、第一実施形態における発進制御機10と同様、阻止棒11と、回転軸15と、回転機構17と、機構支持部18と、棒接続部20と、を有する。また、本実施形態における回転軸15、回転機構17、阻止棒11、棒接続部20、及び機構支持部18の構成も、第一実施形態における発進制御機10の対応部の構成と基本的に同一である。ただし、本実施形態では、車線方向(±X方向)に対する中心軸線Acの軸傾斜角αが、第一実施形態と異なる。さらに、中心軸線Acに対する阻止棒11の棒傾斜角βも、第一実施形態と異なる。具体的に、本実施形態では、車線方向(±X方向)に対する中心軸線Acの軸傾斜角αが50°であり、中心軸線Acに対する阻止棒11の棒傾斜角βが50°である。
【0047】
本実施形態における閉位置Scの阻止棒11は、第一実施形態と同様、上下方向(±Z方向)の成分及び車線方向(±X方向)の成分がないように、つまり、水平方向かつ車線幅方向(±Y方向)に延びている。ただし、本実施形態では、上述したように軸傾斜角α及び棒傾斜角βが第一実施形態と異なるため、開位置Soの阻止棒11は、車線幅方向(±Y方向)の成分がないものの、上下方向(±Z方向)の成分及び水平方向の成分を有し、上下方向(±Z方向)の成分より水平方向の成分が大きい方向に延びている。このため、本実施形態における開位置Soの阻止棒11は、水平方向に対し、上下方向(±Z方向)に傾斜した方向に延びている。
【0048】
リリース位置Srは、第一実施形態と同様、中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿い、かつ、中心軸線Acを基準として閉位置Scと対称な位置である。ただし、本実施形態では、以上で説明したように、軸傾斜角α及び棒傾斜角βが第一実施形態と異なるため、リリース位置Srの阻止棒11は、上下方向(±Z方向)の成分がないものの、車線幅方向(±Y方向)の成分及び車線方向(±X方向)の成分を有し、車線幅方向(±Y方向)の成分より車線方向(±X方向)の成分が大きい方向に延びている。よって、本実施形態におけるリリース位置Srの阻止棒11は、車線方向(±X方向)に対して車線幅方向(±Y方向)に傾斜した方向に延びている。このため、本実施形態では、リリース位置Srが開位置Soと異なる。
【0049】
以上のように、軸傾斜角α及び棒傾斜角βを第一実施形態と異ならせても、本実施形態における発進制御機10aの各部の構成が第一実施形態における発進制御機10の対応部の構成と基本的に同一であるため、基本的に、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
ただし、軸傾斜角α及び棒傾斜角βを第一実施形態と異ならせる場合であっても、第一実施形態よりも、軸傾斜角α及び棒傾斜角βを小さくすることは好ましくない。例えば、軸傾斜角αを35°にすると、閉位置Scの阻止棒11が水平方向かつ車線幅方向(±Y方向)に延びるようにするため、棒傾斜角βも35°にすることになる。この場合、開位置So及びリリース位置Srでの阻止棒11の先端部11tが車線Rにはみ出るおそれがある。このため、軸傾斜角α及び棒傾斜角βを45°以上とするのが好ましい。
【0051】
また、第一実施形態よりも、軸傾斜角α及び棒傾斜角βを著しく大きくすることも好ましくない。例えば、軸傾斜角αを60°にすると、閉位置Scの阻止棒11が水平方向かつ車線幅方向(±Y方向)に延びるようにするため、棒傾斜角βも60°にすることになる。この場合、路側上での車線幅方向(±Y方向)における開位置Soの阻止棒11の占有幅が大きくなってしまう。このため、軸傾斜角α及び棒傾斜角βを60°未満とするのが好ましい。
【0052】
本実施形態では、前述したように、リリース位置Srと開位置Soとは異なる。しかしながら、変形例として、本実施形態のリリース位置Srを開位置Soとしてもよい。この場合、開位置Soの阻止棒11は、上下方向(±Z方向)の成分がないものの、車線幅方向(±Y方向)の成分及び車線方向(±X方向)の成分の両方を有し、車線幅方向(±Y方向)の成分より車線方向(±X方向)の成分が大きい方向に延びることになる。
【0053】
以上、本開示の実施形態について詳述したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲において、種々の追加、変更、置き換え、部分的削除等が可能である。
【0054】
<付記>
以上の実施形態における発進制御機は、例えば、以下のように把握される。
【0055】
(1)第一態様における発進制御機は、
車線R上を走行する車両Cの進行を阻止可能な発進制御機10,10aにおいて、回転軸15と、前記回転軸15の中心軸線Acを中心として、前記回転軸15を回転させる回転機構17と、前記回転軸15に接続されている阻止棒11と、前記車線Rの路側に設置され、前記回転機構17を支持する機構支持部18と、を備える。前記回転軸15が水平方向に延び、かつ、前記回転軸15の先端部15tが前記回転軸15の基端部15bに対して、車線方向下流側(+X方向側)に位置して、前記回転軸15の前記中心軸線Acが車線方向(±X方向)に対して傾斜するよう、前記回転軸15は前記回転機構17を介して前記機構支持部18により支持されている。前記阻止棒11は、前記回転軸15の回転に伴って、前記中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿って回転可能に、前記中心軸線Acに対して傾斜して、前記回転軸15の前記先端部15tに接続されている。前記回転機構17は、前記阻止棒11が水平方向かつ車線幅方向(±Y方向)に延びている閉位置Scと、前記阻止棒11が上下方向(±Z方向)の成分より水平方向の成分が大きく、かつ、前記車線幅方向(±Y方向)の成分よりも前記車線方向(±X方向)の成分が大きい方向に延びている開位置Soと、を実現可能に、前記回転軸15を回転させる。
【0056】
本態様では、阻止棒11が、回転軸15の回転に伴って、水平方向に延びる中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿って回転する。また、閉位置Scの阻止棒11は、水平方向かつ車線幅方向(±Y方向)に延びている。このため、本態様では、閉位置Scの阻止棒11が開位置Soに変位する際、閉位置Scの阻止棒11が上下方向(±Z方向)に変位し始め、その後、上下方向(±Z方向)の変位量が次第に小さくなり、車線幅方向(±Y方向)及び車線方向(±X方向)の変位量が大きくなる。よって、本態様では、車両Cの運転者にとって、閉位置Scの阻止棒11における開き始め動作の視認性が高まり、この運転者は通行可能になることを認識しやすくなる。
【0057】
また、本態様では、開位置Soの阻止棒11が、上下方向(±Z方向)の成分より水平方向の成分が大きく、かつ、車線幅方向(±Y方向)の成分よりも前記車線方向(±X方向)の成分が大きい方向に延びているので、車両Cの運転者は、開位置Soの阻止棒11の視認性が低くなる。このため、運転者は、阻止棒11をほとんど気にせずに、発進制御機10,10aを通過することができる。
【0058】
(2)第二態様における発進制御機は、
前記第一態様における発進制御機10において、前記開位置Soの前記阻止棒11は、上下方向(±Z方向)の成分がない方向に延びている。
【0059】
本態様では、開位置Soの阻止棒11が上下方向(±Z方向)の成分がない方向に延びているので、車両Cの運転者による開位置Soの阻止棒11の視認性をより低くすることができる。
【0060】
(3)第三態様における発進制御機は、
前記第一態様又は前記第二態様における発進制御機10において、前記開位置Soの前記阻止棒11は、前記車線幅方向(±Y方向)の成分がない方向に延びている。
【0061】
本態様では、開位置Soの阻止棒11が車線幅方向(±Y方向)の成分がない方向に延びているので、開位置Soにおける阻止棒11の先端部11tが車線Rにはみ出でることを回避できる。さらに、本態様では、路側上での車線幅方向(±Y方向)における閉位置Scの阻止棒11の占有幅を狭くすることができる。
【0062】
(4)第四態様における発進制御機は、
前記第一態様から前記第三態様のうちのいずれか一態様における発進制御機10において、前記車線方向(±X方向)に対する前記中心軸線Acの共役角のうちで劣角である軸傾斜角αは、45°である。
【0063】
閉位置Scの阻止棒11が水平方向かつ車線幅方向(±Y方向)に延びている関係で、本態様では、開位置Soの阻止棒11が、上下方向(±Z方向)の成分及び車線幅方向(±Y方向)の成分がなく、水平方向かつ車線方向(±X方向)に延びることになる。このため、本態様では、車両Cの運転者による開位置Soの阻止棒11の視認性をより低くすることができる。また、本態様では、開位置Soにおける阻止棒11の先端部11tが車線Rにはみ出でることを回避できる。さらに、本態様では、路側上での車線幅方向(±Y方向)における閉位置Scの阻止棒11の占有幅を狭くすることができる。
【0064】
(5)第五態様における発進制御機は、
前記第一態様から前記第四態様のうちのいずれか一態様における発進制御機10,10aにおいて、前記回転機構17は、前記閉位置Scの前記阻止棒11を前記開位置Soに位置させる際、前記閉位置Scの前記阻止棒11が上下方向上側(+Z方向側)に回転し始めるよう前記回転軸15を回転させ、前記開位置Soの前記阻止棒11を前記閉位置Scに位置させる際、前記開位置Soの前記阻止棒11が上下方向上側(+Z方向側)に回転し始めるよう前記回転軸15を回転させる。
【0065】
阻止棒11は、回転軸15の回転に伴って、中心軸線Acを中心とした仮想の円錐面に沿って回転する。このため、阻止棒11の先端部11tは、回転軸15の回転に伴って、水平方向の延びる中心軸線Acを中心として円上を移動することになる。本態様では、閉位置Scの阻止棒11を開位置Soに位置させる際も、開位置Soの阻止棒11を閉位置Scに位置させる際も、阻止棒11は上下方向上側(+Z方向側)に回転し始める。このため、本態様では、閉位置Scの阻止棒11を開位置Soに位置させる際も、開位置Soの阻止棒11を閉位置Scに位置させる際も、阻止棒11は、水平方向の延びる中心軸線Acを中心として円上であって、中心軸線Acより上下方向上側(+Z方向側)を移動することになる。よって、本態様では、回転軸15の回転に伴う阻止棒11の回転で、阻止棒11の先端部11tが車線Rに接触することを回避することができる。
【0066】
(6)第六態様における発進制御機は、
前記第一態様から前記第五態様のうちのいずれか一態様における発進制御機10,10aにおいて、前記阻止棒11が接続され、前記回転軸15に固定されて前記回転軸15と一体回転する棒接続部20を有する。前記棒接続部20は、前記閉位置Scと、前記円錐面に沿い、かつ、前記中心軸線Acを基準として前記閉位置Scと対称なリリース位置Srとの間で、前記阻止棒11を水平面内で揺動可能に支持する棒揺動支持部21と、前記阻止棒11を揺動不能に拘束しながら、前記阻止棒11に所定以上の荷重がかかると前記阻止棒11の拘束を解除する第一拘束部25a及び第二拘束部25bと、を有する。
【0067】
本態様では、閉位置Sc、開位置So、及びリリース位置Srが、いずれも、回転軸15の中心軸線Acを中心とした円錐面に沿った位置である。このため、回転機構17により回転軸15を回転させれば、リリース位置Srの阻止棒11を閉位置Sc又は開位置Soに移動させることができる。よって、本態様では、リリース位置Srの阻止棒11を閉位置Sc又は開位置Soに移動させるための機構を別途設ける必要がなくなり、装置コストを抑えることができる。
【0068】
さらに、本態様では、阻止棒11と車両Cとの接触時に、阻止棒11が水平面内を揺動する。このため、車両接触時に阻止棒11にかかる水平方向かつ車線方向下流側(+X方向側)への荷重の大半を効果的に逃すことができる。よって、本態様では、車両接触時における阻止棒11及び阻止棒11を支持している部分にかかる荷重を抑えることができ、これらの損傷を抑えることができる。
【0069】
(7)第七態様における発進制御機は、
前記第六態様における発進制御機10において、前記リリース位置Srは、前記開位置Soと同じ位置である。
【0070】
本態様では、リリース位置Srが開位置Soと同じであるため、阻止棒11をリリース位置Srから閉位置Scに移動させる制御と、阻止棒11を開位置Soから閉位置Scに移動させる制御とが同じになり、回転機構17の制御が容易になる。
【符号の説明】
【0071】
1 料金収受機
2、4車両検知器
2a、4a 投光器
2b、4b 受光器
3 アンテナ
5 制御装置
10,10a 発進制御機
11 阻止棒
11t 先端部
11b 基端部
12 軸孔
13a 第一篏合穴
13b 第二篏合穴
15 回転軸
15t 先端部
15b 基端部
17 回転機構
18 機構支持部
20 棒接続部
21 棒揺動支持部
22 揺動軸
23 軸固定部
25a 第一拘束部
25b 第二拘束部
26 拘束突起
27 突起固定部
C 車両
I アイランド
R 車線
Sc 閉位置
So 開位置
Sr リリース位置
Ac 中心軸線
Ar 棒中心線
α 軸傾斜角
β 棒傾斜角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9