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  • -ポイント付与システム 図1
  • -ポイント付与システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144437
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ポイント付与システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231003BHJP
   G06Q 30/0234 20230101ALI20231003BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/02 368
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051409
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】515190917
【氏名又は名称】株式会社サクシード
(74)【代理人】
【識別番号】100129056
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 信雄
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 二男
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049CC18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コード表示装置を用い、携帯端末で二次元コードを都度読み込むことで、ポイントの付与や使用が実行されるポイント付与システムを提供する。
【解決手段】遊戯機器に付属され二次元コードを表示可能な付与コード表示装置と、個人情報及びID情報並びにIDに紐付けられた総ポイント数を記録するサーバと、で構成される遊戯機器が備えられた施設内におけるポイント付与システムであって、、遊戯機器への課金により付与コード表示装置に二次元コードが表示され、該二次元コードを利用者の携帯端末にて読み込むことでアクセスページへアクセス可能となり、利用者が該アクセスページへアクセスすることでサーバに端末情報もしくはIDと、遊戯機器名と、利用日時を送信する。サーバは、利用者からの送信情報が端末情報の場合は、未登録者としてIDと付与ポイントを送信し、送信情報がIDの場合は、既登録者として付与ポイントのみを送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一乃至複数の遊戯機器が備えられた施設内におけるポイント付与システムであって、
各遊戯機器に付属され二次元コードを表示可能な付与コード表示装置と、利用者へポイントを付与すると共に利用状況及びID並びにIDに紐付けられた累積保有ポイントを記録するサーバと、で構成され、
遊戯機器への課金により付与コード表示装置に二次元コードが表示され、該二次元コードを利用者の携帯端末にて読み込むことでサーバへアクセス可能となり、利用者が該サーバにアクセスすることでサーバへ端末情報もしくはIDと、遊戯機器情報と、利用日時が送信され、サーバは、利用者からの送信情報が端末情報の場合は、未登録者として携帯端末にIDと付与ポイントを送信し、送信情報がIDの場合は、既登録者として携帯端末に付与ポイントのみを送信することを特徴とするポイント付与システム。
【請求項2】
前記施設内に使用コード表示装置が設置され、利用者が保有ポイントを使用する場合に、施設管理者の操作により使用コード表示装置にポイント減算用の二次元コードを表示させ、利用者は表示された二次元コードを携帯端末で読み取りサーバにアクセスすることで、サーバへIDと減算ポイントが送信され、サーバは、IDに紐付いて記録されている累積保有ポイントから減算ポイントを減算し、保有ポイント残高を利用者の携帯端末に送信することを特徴とする請求項1に記載のポイント付与システム。
【請求項3】
前記施設管理者は、サーバに集積された利用者のID毎の利用状況を取得可能なことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載のポイント付与システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一乃至複数の遊戯機器が備えられた施設内においてポイントを付与するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームセンターやショッピングモール等に設置されたゲームコーナーにおいて、クレーンゲームやパチンコ等の遊技機器が数多く利用されており、遊技の結果として排出される景品の種類も設置態様により多岐にわたる。例えば、直接的な商品ではない点数の記載されたチケットが発行される場合、規定点数を集めた利用者が希望景品を店員に申告し、必要点数と引き換えて希望景品を取得する、といった態様となる。
しかし、この態様を採る場合、高価な景品であれば必要な点数も大量となり、必要点数分のチケット枚数が膨大となる他、チケットの在庫管理が必要であり、退店時に取得点数を記録する場合は利用者毎にポイントの増減を管理する必要があった。
【0003】
このような問題を解決すべく、特開2021-174185号公報(特許文献1)に記載の技術提案がされている。具体的には、自動サービス機器の利用時にポイントカードを利用してポイントを付与し、ポイント端末記録装置及びポイントサーバに夫々個人のポイント情報を記録・管理することで、ポイントサーバに不具合が発生した場合においても、ポイント端末記録装置に記録されたポイント情報を基に、自動サービス機器の利用継続が可能となるシステムとなっている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術提案では、ポイント情報を記録・管理するためにポイントカードが必要であり、万が一利用者が該ポイントカードを忘れてしまった場合、自動サービス機器の利用が困難であり、ポイントカードが盗難されてしまった場合、簡単に悪用されてしまう、といった危険性があった。
【0005】
本出願人は、従来における遊戯機器にて付与されるポイントの増減及び管理方法に着目し、個人の携帯端末を利用してポイントの付与及び使用ができないものかとの着想のもと、コード表示装置を用い、携帯端末で二次元コードを都度読み込むことで、ポイントの付与や使用が実行されるシステムを開発し、本発明にかかる「ポイント付与システム」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-174185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題に鑑み、コード表示装置を用い、携帯端末で二次元コードを都度読み込むことで、ポイントの付与や使用が実行されるポイント付与システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、一乃至複数の遊戯機器が備えられた施設内におけるポイント付与システムであって、各遊戯機器に付属され二次元コードを表示可能な付与コード表示装置と、利用者へポイントを付与すると共に利用状況及びID並びにIDに紐付けられた累積保有ポイントを記録するサーバと、で構成され、遊戯機器への課金により付与コード表示装置に二次元コードが表示され、該二次元コードを利用者の携帯端末にて読み込むことでサーバへアクセス可能となり、利用者が該サーバにアクセスすることでサーバへ端末情報もしくはIDと、遊戯機器情報と、利用日時が送信され、サーバは、利用者からの送信情報が端末情報の場合は、未登録者として携帯端末にIDと付与ポイントを送信し、送信情報がIDの場合は、既登録者として携帯端末に付与ポイントのみを送信する手段を採る。
【0009】
また、本発明は、前記施設内に使用コード表示装置が設置され、利用者が保有ポイントを使用する場合に、施設管理者の操作により使用コード表示装置にポイント減算用の二次元コードを表示させ、利用者は表示された二次元コードを携帯端末で読み取りサーバにアクセスすることで、サーバへIDと減算ポイントが送信され、サーバは、IDに紐付いて記録されている累積保有ポイントから減算ポイントを減算し、保有ポイント残高を利用者の携帯端末に送信する手段を採る。
【0010】
さらに、本発明は、前記施設管理者が、サーバに集積された利用者のID毎の利用状況を取得可能な手段を採る。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかるポイント付与システムによれば、遊戯機器の利用者が個々に所有するスマートフォン等の携帯端末を利用してのポイントの付与及び使用が可能であるため、別途ポイントカードを作成したり所持する必要がなくコスト削減に資すると共に、カードを紛失するおそれもなく利便性の向上に資する。また、ポイントの付与や使用について、付与コード表示装置あるいは使用コード表示装置に表示された二次元コードを携帯端末で読み込むだけで実行可能であって、ポイントの付与・使用・加算・累積ポイントの管理等がサーバによって一元的に管理・実行されることから、施設管理者の業務の省力化に資すると共に、施設管理者と利用者との不必要な接触を減少させ、感染症の予防にも有用である、といった優れた効果を奏する。
【0012】
また、本発明にかかるポイント付与システムによれば、利用者毎に来店日時や遊戯機器の機種、課金総額、交換景品などといった利用状況もサーバに記録され、かかる利用状況を施設管理者が取得し利用可能とすることで、新機種を導入する際の参考にしたり、景品入荷情報やイベント情報、新機種導入情報など各利用者ごと好適な情報を個々に送信するなど、店舗への誘導・招来活動に活用し得る、といった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明にかかるポイント付与システムの実施形態を示すブロック図である。
図2】本発明にかかるポイント付与システムの実施態様を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかるポイント付与システムは、遊戯機器1への課金により付与コード表示装置10に二次元コードが表示され、該二次元コードを利用者H1の携帯端末3にて読み込むことでポイントが付与されることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかるポイント付与システムの実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
尚、本発明にかかるポイント付与システムの全体構想及び各部の構成は、下記に述べる実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる構成態様の範囲内で適宜変更することができるものである。
【0016】
図1は、本発明にかかるポイント付与システムの実施形態を示すブロック図である。また、図2は、本発明にかかるポイント付与システムの実施態様を示すフロー図である。
本発明にかかるポイント付与システムは、施設S内の遊戯機器1に表示された二次元コードを利用者H1が携帯端末3を使って読み込むことで、各遊戯機器1ごとにサービスポイントが発行され、自動的に利用者H1へポイントが付与されるシステムであって、主に付与コード表示装置10と、サーバ30と、で構成されている。また、利用者H1が、貯まった保有ポイントを使用する際には、使用コード表示装置20が用いられる。
【0017】
本発明の対象となる施設Sとは、一乃至複数の遊戯機器1が備えられた遊戯施設であって、例えばスーパー等の敷地内にある一区画や、商業施設等におけるワンフロアの一部または複数区画、ゲームセンターとしての店舗全体、遊園地等、ある特定の遊戯施設を意味する概念であって、施設面積や場所、数等において特に限定するものではない。
【0018】
携帯端末3とは、遊戯機器1の利用者H1が個々に所有する端末であって、二次元コードを読み込み可能なカメラ機能及び通信機能を備えた端末、例えばスマートフォンやタブレットなどが該当する。
【0019】
付与コード表示装置10は、携帯端末3で読み込み可能なポイントを付与するための二次元コードを表示する媒体である。該装置の具体的な構造について特に限定するものではないが、例えば液晶画面を備えた装置が考え得る。
該付与コード表示装置10は、各遊戯機器1ごとに配設されており、利用者H1が遊戯機器1に課金することで、二次元コードが表示される仕組みとなっている。
【0020】
使用コード表示装置20は、携帯端末3で読み込み可能なポイントを減算するための二次元コードを表示する媒体である。該装置の具体的な構造について特に限定するものではないが、例えば付与コード表示装置10と同様、液晶画面を備えた装置が考え得る。
該使用コード表示装置20は、施設S内における受付カウンターや景品交換所など施設管理者H2が操作可能な箇所に一乃至複数設置されており、施設管理者H2が操作することで二次元コードが表示される仕組みとなっている。
【0021】
サーバ30は、本システムの運用を司る本発明の主要構成であって、主にシステム実行機能と、情報管理機能とを併せ持つコンピュータである。サーバ30におけるシステム実行機能は、本システムを実行するためにプログラミングされ、主に利用者H1にIDを割り当て、ポイントを付与し、使用ポイントの減算を行う。サーバ30における情報管理機能は、主に利用者H1ごと累積ポイントを管理し、利用者H1の利用状況を記録する。
【0022】
以上の構成から成る本発明にかかるポイント付与システムの実際の運用態様は、次のとおりである。
〈ポイント付与〉
利用者H1によって遊戯機器1に金銭が投入された時、それを検知して付与コード表示装置10に電気信号が送信され、課金金額に応じたポイント及びサーバ30へアクセス可能な二次元コードが付与コード表示装置10に表示される。該二次元コードを利用者H1の携帯端末3にて読み込むことで、無線のインターネット回線を通じてサーバ30へ遊戯機器1の機種及び利用者H1のIDと付与ポイント情報が送信される。サーバ30は、送信された情報を基にポイント付与の可否を判断し、指定されたIDへのポイント付与が可能であれば、利用者H1の携帯端末3へ付与されたポイント数を送信する。
また、利用者H1に未だIDが発行されていない場合は、遊戯機器1の機種及び付与ポイント情報と共に携帯端末3の情報がサーバ30へ送信される。該携帯端末3の情報を確認したサーバ30は、自動的に利用者H1の携帯端末3に紐付けたIDを発行し、利用者H1の携帯端末3へID及び付与されたポイント数を送信することとなる。
尚、サーバ30は、既存の累積保有ポイントに今回の付与ポイントを加算することで累積保有ポイントを更新すると共に、利用日時や遊戯機器1の機種など利用状況を記録し、IDに紐付けて管理する。
【0023】
〈ポイント使用〉
保有ポイントを使用(例えば景品と交換)する場合は、利用者H1が使用目的(例えば景品の交換)及び使用ポイントを施設管理者H2へ申告する。施設管理者H2は、施設S内に設置してある使用コード表示装置20を操作し、使用ポイント及び二次元コードを使用コード表示装置20に表示させる。利用者H1は、使用コード表示装置20に表示された使用ポイントが申告した使用ポイントと相違無いことを確認した後、二次元コードを携帯端末3にて読み込むことで、無線のインターネット回線を通じて利用者H1のID及び使用ポイント、使用目的がサーバ30に送信されることとなる。
サーバ30は、利用者H1の携帯端末3から送信されたIDを基に利用者H1の保有ポイントを抽出し、使用ポイントと保有ポイントの比較を行う。保有ポイントが使用ポイントと同じ、もしくは使用ポイント以上であれば、保有ポイントから使用ポイントを減算し、減算後の保有ポイントを利用者H1の携帯端末3へ送信する。また、保有ポイントが使用ポイント未満であった場合は、減算不可として利用者H1の携帯端末3へその旨を送信することとなる。
利用者H1及び施設管理者H2は、サーバ30から送信された減算結果を確認し、ポイントの減算が確認できた場合には、施設管理者H2は利用者H1へ使用目的に応じた対応(例えば希望景品の受け渡し)をする。ポイントの減算が不可であった場合は、引き続きポイントの継続貯留・保有を促す。
尚、サーバ30は、既存の累積保有ポイントに今回の使用ポイントを減算することで累積保有ポイントを更新すると共に、使用目的を記録し、IDに紐付けて管理する。
【0024】
以上の通り、本発明にかかるポイント付与システムによれば、遊戯機器1の利用者H1が個々に所有するスマートフォン等の携帯端末3を利用してのポイントの付与及び使用が可能であるため、別途ポイントカードを作成したり所持する必要がなくコスト削減に資すると共に、カードを紛失するおそれもなく利便性の向上に資し、また、ポイントの付与や使用について、付与コード表示装置10あるいは使用コード表示装置20に表示された二次元コードを携帯端末3で読み込むだけで実行可能であって、ポイントの付与・使用・加算・累積ポイントの管理等がサーバ30によって一元的に管理・実行されることから、施設管理者H2の業務の省力化に資すると共に、施設管理者H2と利用者H1との不必要な接触を減少させ、感染症の予防にも有用であり、さらには、利用者H1毎に来店日時や遊戯機器1の機種、課金総額、交換景品などといった利用状況もサーバ30に記録され、かかる利用状況を施設管理者H2が取得し利用可能とすることで、新機種を導入する際の参考にしたり、景品入荷情報やイベント情報、新機種導入情報など各利用者H1ごと好適な情報を個々に送信するなど、店舗への誘導・招来活動に有効活用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、店舗内の各遊戯機器ごとのポイント付与および累積ポイントの使用について、利用者の携帯端末を利用しつつサーバにて一元管理・運用するシステムであるが、サーバに送信される情報によっては、ポイントに限らず各遊戯機器や店舗全体の売上等を掌握することも可能なシステムである。また、一店舗内での運用に限らず、複数の店舗を跨いで運用することも可能であり、さらには、遊戯機器に限らず他の課金機器(例えば自動販売機など)や一般機器への導入も可能なシステムである。したがって、本発明にかかる「ポイント付与システム」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
【符号の説明】
【0026】
1 遊戯機器
3 携帯端末
10 付与コード表示装置
20 使用コード表示装置
30 サーバ
S 施設
H1 利用者
H2 施設管理者

図1
図2