(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144442
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/21 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
H04N5/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051415
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】尾川 英明
(57)【要約】
【課題】ノイズリダクション効果を向上させる。
【解決手段】画像処理装置は、画素の階調値を第1のビット数で表す入力画像信号から、大きい階調値を示す上位ビットの情報を除外することにより、前記第1のビット数より小さな第2のビット数の画像信号に変換し、変換後の前記画像信号と、当該画像信号よりも過去の前記画像信号との差分信号を生成し、少なくとも変換後の前記画像信号に基づいて巡回係数を算出し、前記差分信号と、前記巡回係数とを前記入力画像信号に作用させることにより、前記入力画像信号のノイズを低減する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素の階調値を第1のビット数で表す入力画像信号を取得する画像信号取得部と、
前記入力画像信号を前記第1のビット数より小さな第2のビット数に変換するリミッタ部と、
前記リミッタ部による変換後の画像信号を記憶して、画像信号を遅延させるメモリ部と、
前記メモリ部に記憶された画像信号である第1画像信号と、前記リミッタ部が出力する遅延前の画像信号である第2画像信号と、の差分信号を生成するノイズ抽出部と、
前記リミッタ部の出力に基づいて巡回係数を算出する巡回係数算出部と、
前記ノイズ抽出部が生成する前記差分信号に前記巡回係数を乗算し、前記入力画像信号から減算して出力画像信号を生成する出力画像生成部と、
を備え、
前記リミッタ部は、
前記入力画像信号の画素値が前記第2のビット数で表現できる最大値より大きい場合は、前記第2のビット数で表現できる最大値を変換後の画像信号として出力し、
前記入力画像信号が前記第2のビット数で表現できる最大値以下の場合は、前記入力画像信号の最下位ビット側から数えて前記第2のビット数分を変換後の画像信号として出力する、
画像処理装置。
【請求項2】
前記リミッタ部は、
前記入力画像信号の最下位ビットから所定のビット数を除いた信号を変換対象の画像信号とする
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記リミッタ部は、前記メモリ部に記憶させる画像信号を出力する第1リミッタ部と、前記第2画像信号を出力する第2リミッタ部と、を備え、
前記巡回係数算出部は、少なくとも前記第2リミッタ部の出力に基づいて巡回係数を算出する
請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記メモリ部に記憶された前記第1画像信号の輝度を示す第1輝度情報と、遅延前の前記入力画像信号の輝度を示す第2輝度情報と、に基づいて前記入力画像信号の動き検出を行う動き検出部と、
前記動き検出部の動き検出結果に基づいて、前記メモリ部に記憶された前記第1画像信号の動き補正を行う動き補正部と、
をさらに備え、
前記ノイズ抽出部は、
前記動き補正部による動き補正結果にさらに基づいて、前記差分信号を生成する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画素の階調値を第1のビット数で表す入力画像信号から、大きい階調値を示す上位ビットの情報を除外することにより、前記第1のビット数より小さな第2のビット数の画像信号に変換し、
変換後の前記画像信号と、当該画像信号よりも過去の前記画像信号との差分信号を生成し、
少なくとも変換後の前記画像信号に基づいて巡回係数を算出し、
前記差分信号と、前記巡回係数とを前記入力画像信号に作用させることにより、前記入力画像信号のノイズを低減する
画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレームメモリを使用した巡回型ノイズリダクション(3-Dimention Noise Reduction;3DNR)方式が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の3DNR方式であると、解像度を低下させずにノイズリダクション効果を得ようとすると十分なノイズリダクション効果を得られない場合がある、という課題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、ノイズリダクション効果を向上させることができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、画素の階調値を第1のビット数で表す入力画像信号から、大きい階調値を示す上位ビットの情報を除外することにより、前記第1のビット数より小さな第2のビット数の画像信号に変換し、変換後の前記画像信号と、当該画像信号よりも過去の前記画像信号との差分信号を生成し、少なくとも変換後の前記画像信号に基づいて巡回係数を算出し、前記差分信号と、前記巡回係数とを前記入力画像信号に作用させることにより、前記入力画像信号のノイズを低減する画像処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、画素の階調値を第1のビット数で表す入力画像信号を取得する画像信号取得部と、前記入力画像信号の前記第1のビット数より小さな第2のビット数に変換するリミッタ部と、前記リミッタ部による変換後の画像信号を記憶して、画像信号を遅延させるメモリ部と、前記メモリ部に記憶された画像信号である第1画像信号と、前記リミッタ部が出力する遅延前の画像信号である第2画像信号と、の差分信号を生成するノイズ抽出部と、前記リミッタ部の出力に基づいて巡回係数を算出する巡回係数算出部と、前記ノイズ抽出部が生成する前記差分信号に前記巡回係数を乗算し、前記入力画像信号から減算して出力画像信号を生成する出力画像生成部と、を備え、前記リミッタ部は、前記入力画像信号の画素値が前記第2のビット数で表現できる最大値より大きい場合は、前記第2のビット数で表現できる最大値を変換後の画像信号として出力し、前記入力画像信号が前記第2のビット数で表現できる最大値以下の場合は、前記入力画像信号の最下位ビット側から数えて前記第2のビット数分を変換後の画像信号として出力する画像処理装置である。
【0008】
また、本発明の一態様に係る画像処理装置において、前記リミッタ部は、前記入力画像信号の最下位ビットから所定のビット数を除いた信号を変換対象の画像信号とする。
【0009】
また、本発明の一態様に係る画像処理装置において、前記リミッタ部は、前記メモリ部に記憶させる画像信号を出力する第1リミッタ部と、前記第2画像信号を出力する第2リミッタ部と、を備え、前記巡回係数算出部は、少なくとも前記第2リミッタ部の出力に基づいて巡回係数を算出する。
【0010】
また、本発明の一態様に係る画像処理装置において、前記メモリ部に記憶された前記第1画像信号の輝度を示す第1輝度情報と、遅延前の前記入力画像信号の輝度を示す第2輝度情報と、に基づいて前記入力画像信号の動き検出を行う動き検出部と、前記動き検出部の動き検出結果に基づいて、前記メモリ部に記憶された前記第1画像信号の動き補正を行う動き補正部と、をさらに備え、前記ノイズ抽出部は、前記動き補正部による動き補正結果にさらに基づいて、前記差分信号を生成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ノイズリダクション効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態の画像処理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の撮像素子の画素配列の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態のノイズ低減部の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態のリミッタ部による階調ビット幅の変換の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態のリミッタ部による階調ビット幅の変換の他の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態のノイズ低減部の動作の流れの一例を示す図である。
【
図7】第2実施形態のノイズ低減部の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態の輝度信号生成部による輝度算出結果の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態の動き検出部が算出する動きベクトルの一例を示す図である。
【
図10】式(5)の場合の振幅変換結果の一例を示す。
【
図11】式(6)の場合の振幅変換結果の一例を示す。
【
図12】従来の画像処理装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
【0014】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の画像処理装置1の機能構成の一例を示す図である。画像処理装置1は、カメラ信号処理部10と、RAWデータ生成部20と、ビデオ信号処理部30とを備える。カメラ信号処理部10、RAWデータ生成部20及びビデオ信号処理部30は、一例として、ドライブレコーダーが備えるカメラやコンピュータ装置として実装される。
【0015】
RAWデータ生成部20は、カメラの撮像素子において光電変換されたアナログ信号を、所定のビット数によってデジタル階調化して、デジタル画像信号として出力する。
【0016】
図2は、本実施形態の撮像素子の画素配列の一例を示す図である。本実施形態のRAWデータ生成部20は、RGBの各画素がいわゆるBayerパターンによって配列されている。RAWデータ生成部20は、これら各画素に対応する画像信号に対して圧縮や階調値の変更などの画像処理を施さずに、RAWデータとしてカメラ信号処理部10に出力する。
【0017】
図1に戻り、カメラ信号処理部10は、RAWデータ生成部20が生成したデジタル画像信号(つまり、RAWデータ)を取得する。
【0018】
カメラ信号処理部10は、HDR合成部110と、ノイズ低減部120と、補正部130と、輝度色差変換部140とを、その機能部として備える。また、カメラ信号処理部10は、半導体記憶装置などによって画像信号を一時記憶するフレームメモリ300を備える。
【0019】
HDR合成部110は、HDR(High Dynamic Range)回路を備えており、RAWデータ生成部20が生成したRAWデータに対して、HDR合成を行う。
このHDR合成後の画像信号は、γ(ガンマ)補正前の画像信号であり、階調ビット幅が比較的大きい。HDR合成後の画像信号は、画素ごとに、例えば24ビットの階調ビット幅を有する。具体的には、HDR合成後の画像信号は、撮像素子が上述したBayer配列である場合、HDR合成後の画像信号は、赤(R)画素、第1の緑(G1)画素、第2の緑(G2)画素、青(B)画素のそれぞれの画素について、24ビットの階調ビット幅を有する。
なお、以下の説明において、HDR合成部110が生成する、第1のビット数の階調ビット幅を有するデジタル画像信号を、第1のビット幅の画像信号、あるいは入力画像信号ともいう。
HDR合成部110は、HDR合成後の画像信号を、ノイズ低減部120に出力する。
【0020】
なお、画像処理装置1は、必ずしもHDR合成部110を備えていなくてもよい。この場合、ノイズ低減部120には、RAWデータ生成部20が生成したRAWデータが供給されるように構成されていてもよい。この場合、RAWデータ生成部20が生成したRAWデータが第1のビット幅の画像信号、あるいは入力画像信号となる。
【0021】
カメラ信号処理部10がHDR合成部110を備えている場合には、ノイズ低減部120は、HDR合成部110から入力画像信号を取得する。また、カメラ信号処理部10がHDR合成部110を備えていない場合には、ノイズ低減部120は、RAWデータ生成部20から入力画像信号(この場合、RAWデータ)を取得する。
いずれの場合にも、ノイズ低減部120は、画素の階調値を第1のビット数で表す入力画像信号を取得する画像信号取得部として機能する。
以下の説明においては、カメラ信号処理部10がHDR合成部110を備えており、HDR合成部110が出力する画像信号が、入力画像信号であるものとして説明する。
【0022】
ノイズ低減部120は、入力画像信号(本実施形態の一例では、HDR合成後の画像信号)に含まれるノイズ成分を低減する。このノイズ低減部120の機能構成の具体例について、
図3を参照して説明する。
【0023】
図3は、本実施形態のノイズ低減部120の機能構成の一例を示す図である。ノイズ低減部120は、リミッタ部210と、ノイズ抽出部220と、巡回係数算出部230と、出力画像生成部240とを、その機能部として備える。
【0024】
リミッタ部210は、入力画像信号の第1のビット数より小さな第2のビット数に変換する。本実施形態の一例では、入力画像信号の階調ビット幅(つまり、第1のビット数)は、24ビットである。また、本実施形態の一例では、第2のビット数は、16ビットである。この一例において、リミッタ部210は、24ビットの階調ビット幅を有する入力画像信号を、16ビットの階調ビット幅を有する画像信号に変換する。
なお、以下の説明において、リミッタ部210によって階調ビット幅が変換された後の画像信号を、変換後画像信号ともいう。また、リミッタ部210が入力画像信号を変換後画像信号に変換することを、変換後画像信号を生成する、ともいう。
【0025】
リミッタ部210は、入力画像信号の画素値が、第2のビット数で表現できる範囲にあるか否かに基づいて、変換後画像信号を生成する。
【0026】
図4は、本実施形態のリミッタ部210による階調ビット幅の変換の一例を示す図である。四角の一つが1つのビットを表し、一番上のビットが最上位ビットを表し、一番下のビットが最下位ビットを表す。本実施形態の一例では、第1のビット数(つまり、入力画像信号の階調ビット幅)が24ビットであり、第2のビット数(つまり、変換後画像信号の階調ビット幅)が16ビットである。この場合、入力画像信号の画素値は、0x000000~0xffffffの範囲で階調表現される(0xは16進数表示を示す。)。また、変換後画像の画素値は、0x0000~0xffffの範囲で階調表現される。この一例では、入力画像信号の画素値が、0xffffを超える場合(つまり、0x010000以上の場合)には、第2のビット数では表現できない。すなわち、入力画像信号の画素値が第2のビット数で表現できる最大値より大きい場合には、第2のビット数では表現できない。
【0027】
リミッタ部210は、入力画像信号の画素値が第2のビット数で表現できる最大値より大きい場合は、第2のビット数で表現できる最大値を変換後の画像信号として出力する。上述した一例の場合、リミッタ部210は、入力画像信号の画素値が0x010000~0xffffffの範囲にある場合には、入力画像信号の画素値が第2のビット数で表現できる最大値より大きいと判定し、変換後画像信号の画素値を、第2のビット数で表現できる最大値である0xffffにして、変換後画像信号を生成する。
【0028】
また、リミッタ部210は、入力画像信号が第2のビット数で表現できる最大値以下の場合は、入力画像信号の最下位ビット側から数えて第2のビット数分を変換後の画像信号として出力する。上述した一例の場合、リミッタ部210は、入力画像信号の画素値が0x000000~0x00ffffの範囲にある場合には、入力画像信号の画素値が第2のビット数で表現できる最大値以下であると判定し、変換後画像信号の画素値を、第2のビット数で表現できる値にして、変換後画像信号を生成する。
【0029】
なお、上述した一例では、リミッタ部210は、入力画像信号の画素値が0x000000~0x00ffffの範囲にある場合に、入力画像信号の上位8ビットの範囲の情報を除外して、入力画像信号の下位16ビットの範囲を変換後画像信号に変換するとして説明したが、これに限られない。
【0030】
図5は、本実施形態のリミッタ部210による階調ビット幅の変換の他の一例を示す図である。例えば、リミッタ部210は、入力画像信号の画素値が0x00000f~0x0fffffの範囲にある場合に、入力画像信号の上位4ビット及び下位4ビットの範囲の情報を除外して、入力画像信号の下位5ビット~20ビットの範囲を変換後画像信号に変換してもよい。
【0031】
すなわち、リミッタ部210は、入力画像信号の最下位ビットから所定のビット数(上述の一例では、4ビット)を除いた信号を変換対象の画像信号とする。
すなわち、リミッタ部210は、必ずしも入力画像信号の最下位ビットから第2のビット数分を変換後画像信号として出力するものに限られず、入力画像信号の最下位ビット側から数えて第2のビット数分を変換後画像信号として出力すればよい。
【0032】
図3に戻り、リミッタ部210は、変換後画像信号を、ノイズ抽出部220、巡回係数算出部230及びフレームメモリ300にそれぞれ出力する。
【0033】
フレームメモリ300(メモリ部)は、リミッタ部210による変換後の画像信号を記憶して、画像信号を遅延させる。
以下の説明において、リミッタ部210から出力された画像信号のうち、フレームメモリ300に記憶されて遅延した画像信号を、第1信号(あるいは、遅延画像信号)ともいう。また、リミッタ部210から出力された画像信号のうち、フレームメモリ300に記憶されていない、遅延前の画像信号を、第2信号ともいう。
【0034】
なお、リミッタ部210は、第1リミッタ部211と、第2リミッタ部212とを備える構成であってもよい。この場合、第1リミッタ部211は、フレームメモリ300(メモリ部)に記憶させる画像信号を出力する。第2リミッタ部212は、ノイズ抽出部220及び巡回係数算出部230に変換後画像信号(第2画像信号)を出力する。
【0035】
また、リミッタ部210は、画像の境界付近での影響を低減するために、ソフトリミッタとして構成されていてもよい。
【0036】
ノイズ抽出部220は、フレームメモリ300(メモリ部)に記憶された画像信号である第1画像信号と、リミッタ部210が出力する遅延前の画像信号である第2画像信号と、の差分信号を生成する。
巡回係数算出部230は、リミッタ部210の出力に基づいて巡回係数を算出する。巡回係数とは、ノイズ成分に乗算して入力画像信号から減算することによりノイズ成分を低減するものであり、ノイズ低減の強さを表す。上述した構成においては、巡回係数算出部230は、少なくとも第2リミッタ部212の出力に基づいて巡回係数を算出する。
出力画像生成部240は、ノイズ抽出部220が生成する差分信号に巡回係数を乗算し、入力画像信号から減算して出力画像信号を生成する。出力画像生成部240は、生成した出力画像信号を、補正部130に出力する。
【0037】
図1に戻り、補正部130は、ノイズ低減部120から出力された出力画像信号に対して、ホワイトバランスやγ補正などの各種補正を行う。補正部130は、補正後の出力画像信号を輝度色差変換部140に出力する。
【0038】
輝度色差変換部140は、補正部130による補正後の出力画像信号に対して、輝度(Y)-色差変換を行う。輝度色差変換部140は、輝度(Y)-色差変換後の出力画像信号を、ビデオ信号処理部30に出力する。
【0039】
ビデオ信号処理部30は、映像出力部310を備えており、カメラ信号処理部10が出力した出力画像信号(つまり、輝度色差変換部140による輝度(Y)-色差変換後の出力画像信号)を、液晶ディスプレイや画像記憶装置に出力する。
【0040】
すなわち、画像処理装置1は、画素の階調値を第1のビット数で表す入力画像信号から、大きい階調値を示す上位ビットの情報を除外することにより、第1のビット数より小さな第2のビット数の画像信号に変換する。
画像処理装置1は、変換後の画像信号と、当該画像信号よりも過去の画像信号との差分信号を生成する。
画像処理装置1は、少なくとも変換後の画像信号に基づいて巡回係数を算出し、差分信号と、巡回係数とを入力画像信号に作用させることにより、入力画像信号のノイズを低減する。
【0041】
[画像処理装置1の動作]
図6は、本実施形態のノイズ低減部120の動作の流れの一例を示す図である。
(ステップS100)ノイズ低減部120は、入力画像信号を取得する。上述したように、入力画像信号は、第1のビット数(例えば、24ビット)の階調ビット幅を有している。
(ステップS110)リミッタ部210は、入力画像信号の画素値が、第2のビット数(例えば、16ビット)で表現できる範囲にあるか否かを判定する。リミッタ部210は、入力画像信号の画素値が、第2のビット数で表現できる範囲にないと判定した場合(ステップS110;NO)には、処理をステップS120に進める。リミッタ部210は、入力画像信号の画素値が、第2のビット数で表現できる範囲にあると判定した場合(ステップS110;YES)には、処理をステップS130に進める。
(ステップS120)入力画像信号の画素値が、第2のビット数で表現できる範囲にない場合、リミッタ部210は、入力画像信号の画素値を、第2ビット数で表現可能な最大値(例えば、0xffff)に変換する。
(ステップS130)入力画像信号の画素値が、第2のビット数で表現できる範囲にある場合、リミッタ部210は、入力画像信号の画素値を第2のビット数の範囲内(例えば、0x0000~0xffff)で変換する。
(ステップS140)ノイズ抽出部220は、フレームメモリ300に記憶された画像信号である第1画像信号と、リミッタ部210が出力する遅延前の画像信号である第2画像信号と、の差分信号を生成する。
(ステップS150)巡回係数算出部230は、リミッタ部210の出力に基づいて巡回係数を算出する。
(ステップS160)出力画像生成部240は、ノイズ抽出部220が生成する差分信号に巡回係数を乗算し、入力画像信号から減算して出力画像信号を生成する。出力画像生成部240は、生成した出力画像信号を、補正部130に出力する。
【0042】
[変形例]
なお、ノイズ低減部120は、レベル検出部250をその機能部として備えていてもよい。
レベル検出部250は、HDR合成部110が出力するHDR合成後の画像信号の画素値の大きさを検出する。ここで、画素値の大きさは、HDR合成後の画像信号の明るさ(あるいは輝度)を示している。例えば、HDR合成後の画像信号の画素値が全体的に小さければ、暗所で撮像された画像信号であることを示す。また、HDR合成後の画像信号の画素値が全体的に大きければ、明所で撮像された画像信号であることを示す。レベル検出部250は、検出した画素値の大きさを、巡回係数算出部230に出力する。
【0043】
巡回係数算出部230は、レベル検出部250が検出した画素値の大きさに基づいて、巡回係数を算出する。上述した出力画像生成部240が生成する出力画像のノイズリダクション効果の大きさは、巡回係数の大きさに依存する。巡回係数が大きい場合、ノイズリダクション効果がより大きくなり、巡回係数が小さい場合、ノイズリダクション効果がより小さくなる。
【0044】
巡回係数算出部230は、レベル検出部250が検出した画素値が全体的に小さい場合(つまり、画像が暗い場合)には、巡回係数を大きくして算出する。また、巡回係数算出部230は、レベル検出部250が検出した画素値が全体的に大きい場合(つまり、画像が明るい場合)には、巡回係数を小さくして算出する。
【0045】
このように構成されたノイズ低減部120によれば、画像の明るさによってノイズリダクションの効果の強弱を制御することができ、例えば、暗所で撮像された画像に対して、ノイズリダクション効果をより大きくすることができる。
また、このように構成されたノイズ低減部120によれば、巡回係数を小さくした場合には、ノイズリダクションの効果が小さくなるため、ノイズリダクションの対象画素と、ノイズリダクションの対象ではない画素との間の境界を目立たなくすることができる。
【0046】
なお、巡回係数算出部230は、あらかじめ定められた複数段階(例えば、8段階)の巡回係数のうちから選択するように構成されていてもよい。
また、レベル検出部250が検出する画像信号のレベルが、第2信号のビット幅を超える場合(例えば、入力画像信号の画素値が0x010000~0xffffffの範囲にある場合)がある。この場合、巡回係数算出部230は、当該画素についての巡回係数を0(ゼロ)として算出することもできる。巡回係数が0(ゼロ)の場合には、当該画素についてノイズリダクションの効果がない、つまり、当該画素はノイズリダクションされない。
【0047】
また、レベル検出部250は、赤(R)画素、第1の緑(G1)画素、第2の緑(G2)画素、青(B)画素のそれぞれの画素についての画素値(信号レベル)を検出してもよいし、これらの画素値から求められる輝度値に基づいて信号レベルを検出してもよい。巡回係数算出部230は、赤(R)画素、第1の緑(G1)画素、第2の緑(G2)画素、青(B)画素のそれぞれの画素についての画素値に基づいて、それぞれの画素について巡回係数を算出してもよい。
【0048】
[従来の画像処理装置の構成との比較]
ここで、本実施形態の画像処理装置1の構成と、従来の画像処理装置の構成とを比較して、本実施形態の画像処理装置1による効果について説明する。
図12は、従来の画像処理装置9の構成の一例を示す図である。画像処理装置9は、カメラ信号処理部91とビデオ信号処理部93とを備える。カメラ信号処理部91は、本実施形態のカメラ信号処理部10に、ビデオ信号処理部93は、本実施形態のビデオ信号処理部30にそれぞれ対応するが、ノイズ低減部920を、カメラ信号処理部91ではなくビデオ信号処理部93が備える点で、本実施形態の画像処理装置1と異なる。
【0049】
すなわち、カメラ信号処理部91は、HDR合成部910と、ノイズ低減部920と、補正部930とを備える。ビデオ信号処理部93は、ノイズ低減部920と、映像出力部310とを備える。
この従来の画像処理装置9では、撮像素子からのRAWデータ(あるいはHRD合成後のRAWデータ)を、補正部930が画像信号を補正し、変換部940が階調ビット幅を第2のビット数(例えば、16ビット)に変換したのちに、ノイズ低減部920がノイズリダクション処理を行う。補正部930は、ホワイトバランスなどのオート系処理、傷補正などの各種補正処理、Y/色差信号変換処理などを行う。この際に、補正部930は、低照度の画像信号に対してγ補正を行うことがあるが、このγ補正によってノイズ成分のゲインも上昇する。
ノイズ低減部920は、補正部930による補正によってゲインが上昇した結果、多くのノイズ成分が含まれる画像信号に対して、ノイズリダクションを行う。したがって、従来の画像処理装置9によると、十分なノイズリダクション性能を得ることが難しい。
【0050】
また、従来の画像処理装置9において十分なノイズリダクション性能を得るために、補正部930による補正前のRAWデータに対してノイズリダクションを行うことも考えられる。しかし、このように構成した場合には、補正部930は、第1のビット数(例えば、24ビット)の画像信号を処理することになり、第2のビット数(例えば、16ビット)の画像信号を処理する場合に比べて、回路規模、消費電力及びフレームメモリのメモリサイズが大きくなるという問題が生じる。
【0051】
また、従来の画像処理装置9において、フレームメモリのメモリサイズを抑制しつつ、ノイズリダクション性能を得るために、画像を縮小しノイズリダクションを行い、もとの画像サイズに拡大する方法も考えられる。しかし、このように構成した場合には、解像度を低下させずにノイズリダクション効果を得ることが難しくなるという問題が生じる。また、縮小、拡大回路の追加により回路規模や消費電力が増大するという問題も生じる。
【0052】
一方、本実施形態の画像処理装置1によれば、リミッタ部210が階調ビット幅を低減させた画像信号に基づいてノイズ抽出及び巡回係数を算出することにより、回路規模、消費電力及びフレームメモリのメモリサイズを低減することができる。
また、本実施形態の画像処理装置1によれば、ノイズ抽出結果と巡回係数の算出結果を用いて、出力画像生成部240がRAWデータ(あるいはHRD合成後のRAWデータ)に対してノイズ低減処理を行うことにより、画像信号をRAWデータの階調ビット幅と画像サイズに維持したまま(つまり、高解像度のまま)、ノイズ低減することができる。
さらに、本実施形態の画像処理装置1は、ノイズ低減部120によってノイズ低減がされたのちの画像信号に対して、補正部130がγ補正を行う。このように構成された画像処理装置1によれば、γ補正によるノイズ成分の増幅効果を低減することができ、低照度の領域においてもノイズ除去効果を向上させることができる。
つまり、本実施形態の画像処理装置1によれば、回路規模、消費電力及びフレームメモリのメモリサイズを抑制と、画像信号の解像度の維持とを両立しつつ、画像信号のノイズ除去効果を向上させることができる。
【0053】
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態のノイズ低減部120aの機能構成の一例を示す図である。ノイズ低減部120aは、上述したノイズ低減部120が備える各部に加えて、輝度信号生成部260、遅延輝度信号生成部270、動き検出部280及び動き補正部290を備える点で異なる。
なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0054】
ここで、第1信号(遅延画像信号)と、第2信号(遅延前の画像信号)との差分の信号、すなわちフレーム差分信号には、ノイズ成分とともに、フレーム間の動き成分が含まれている。フレーム間の動き成分を含むフレーム差分信号がノイズ抽出部220aに入力されると、ノイズ抽出部220aは、フレーム間の動き成分をノイズとして抽出することがあり、この場合には、残像や動きぼけなどが生じてしまうことがある。
そこで、本実施形態のノイズ低減部120aは、フレーム差分信号に含まれる動き成分を検出し、検出した結果から動き補正を行うことで、ノイズ抽出部220aによるノイズ抽出性能を向上させ、残像や動きぼけなどを低減させる。
以下、本実施形態のノイズ低減部120aの具体的な機能構成について説明する。
【0055】
輝度信号生成部260は、HDR合成部110から出力される入力画像信号の画素値を輝度値に変換する。RAWデータである入力画像信号は、
図2に示したようなBayer配列の赤(R)画素、第1の緑(G1)画素、第2の緑(G2)画素、青(B)画素の画素値を含む。輝度信号生成部260は、これら赤(R)画素、第1の緑(G1)画素、第2の緑(G2)画素、青(B)画素のそれぞれの画素値から、式(1)または式(2)に基づいて、輝度値を算出する。
【0056】
【0057】
【0058】
図8は、本実施形態の輝度信号生成部260による輝度算出結果の一例を示す図である。
なお、RGBそれぞれの係数はそれに制限されるものではなく、例えばBの係数を0にしたり、Gの係数を大きくしたりしてもよい。
また、輝度信号生成部260は、輝度値の算出対象の画素について、周囲の画素の画素値を用いて画素値を補間演算してから、上述の輝度値の算出をしてもよい。
【0059】
例えば、緑(G12)の画素では、
・赤(R12)=(赤(R22)+赤(R02))/2
・青(B12)=(青(B13)+青(B11))/2
として求める。
青(B11)の画素では、
・赤(R11)=(赤(R00)+赤(R02)+赤(R20)+赤(R22))/4
・緑(G11)=(緑(G01)+緑(G21)+緑(G10)+緑(G12))/4
として求める。このとき、各色成分の係数は1ではなく重みづけを行ってもよい。
【0060】
遅延輝度信号生成部270は、フレームメモリ300(メモリ部)に記憶された第1画像信号について、輝度信号生成部260と同様にして、輝度値を算出する。
【0061】
動き検出部280は、フレームメモリ300(メモリ部)に記憶された第1画像信号の輝度を示す第1輝度情報と、遅延前の入力画像信号の輝度を示す第2輝度情報と、に基づいて入力画像信号の動き検出を行う。具体的には、動き検出部280は、第1輝度情報と、第2輝度情報とに基づいてフレーム間差分を求めることにより、動きベクトルを算出する。
【0062】
図9は、本実施形態の動き検出部280が算出する動きベクトルの一例を示す図である。
動き検出部280は、
図8に示したY12を注目画素とすると、
・水平勾配:dxi=輝度(Y13)-輝度(Y11)
・垂直勾配:dyi=輝度(Y22)-輝度(Y02)
・フレーム差分:dfi=2*(輝度(Y12)-輝度(Y12_1f))
(ただし、輝度(Y12_1f)は輝度(Y12)の1フレーム遅延信号)
として、動きベクトルを算出する。
図9に示す一例では、動き検出部280は、動きベクトル(-6,2)を算出する。
なお、動き検出部280が算出した動きベクトルを、動き検出結果ともいう。
【0063】
図7に戻り、動き検出部280の動き検出結果に基づいて、フレームメモリ300(メモリ部)に記憶された第1画像信号の動き補正を行う。動き補正部290が動きを補正した第1画像信号を、動き補正結果ともいう。
ノイズ抽出部220aは、動き補正部290による動き補正結果にさらに基づいて、差分信号を生成する。
【0064】
ここで、輝度信号を生成することなく、RAWデータをそのまま用いて、例えば、水平方向(x軸方向)の動きについて式(3)、垂直方向(y軸方向)の動きについて式(4)にそれぞれ示すような勾配法によって、動きベクトル(a,b)を検出することも考えられる。
【0065】
【0066】
【0067】
動き検出部は、例えば、
図2に示した緑(G12)を注目画素とすると、
・水平勾配:dxi=青(B13)-青(B11)
・垂直勾配:dyi=赤(R22)-赤(R02)
・フレーム差分:dfi=2*(緑(G12)-緑(G12_1f))
(ただし、緑(G12_1f)は緑(G12)の1フレーム遅延信号)
から画素ブロックごと(例えば16画素×8画素)に動きベクトル(a,b)を検出する。
【0068】
しかしながら、上述の3種類の勾配、差分は互いに信号種(例えば、赤、緑、青)が異なるため、同じ信号種(例えば輝度信号)で動きベクトルを求める場合と比較して、正確な動きベクトルが求められない場合がある。
【0069】
上述したように、本実施形態のノイズ低減部120aは、入力信号のRAWデータや、出力信号を1フレーム遅延したRAWデータから輝度信号を生成して、その2つの輝度信号から動き検出を行う。
このように構成されたノイズ低減部120aによれば、Bayer配列の画素から出力されたRAWデータの画素値をそのまま用いて動き検出をする場合に比べて、精度の高い動き検出を行うことができる。
【0070】
[変形例]
なお、ノイズ低減部120aは、次のようにしてノイズリダクションを行ってもよい。
ノイズ抽出部220aが出力するノイズ抽出後の信号に対して、振幅変換を行う。
【0071】
例えば、
図2に示す各画素、赤(R00)、緑(G01)、緑(G10)、青(B11)について、それぞれのノイズ抽出部出力信号をr0n、g0n、g1n、b1nとする。
・g0nとg1nの平均値:
ave(g0n、g1n)=(g0n+g1n)/2
・r0nとave(g0n、g1n)との差:
dif_rg=r0n-ave(g0n、g1n)
・b1nとave(g0n、g1n)との差:
dif_bg = b1n-ave(g0n、g1n)
・それぞれの絶対値:abs(dif_rg)、abs(dif_bg)
・赤(R00)、青(B11)それぞれの閾値をr0n_th、b1n_th
とすると、赤(R00)、青(B11)それぞれの振幅変換部出力r0n_lim、b1n_lim は、式(5)及び式(6)によって示される。
【0072】
【0073】
【0074】
図10は、式(5)の(B)の場合の振幅変換結果の一例を示す。
図11は、式(5)の(C)の場合の振幅変換結果の一例を示す。
ノイズ低減部120aは、上述のようにして振幅変換した信号を、出力画像生成部240に与えることにより、画像信号のノイズ除去を行ってもよい。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、また、上述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0076】
なお、上述した実施形態における画像処理装置1の各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…画像処理装置、10…カメラ信号処理部、20…RAWデータ生成部、110…HDR合成部、120…ノイズ低減部、130…補正部、140…輝度色差変換部、210…リミッタ部、211…第1リミッタ部、212…第2リミッタ部、220…ノイズ抽出部、230…巡回係数算出部、240…出力画像生成部、250…レベル検出部、260…輝度信号生成部、270…遅延輝度信号生成部、280…動き検出部、290…動き補正部、300…フレームメモリ、310…映像出力部