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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144461
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/023 20060101AFI20231003BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20231003BHJP
   H03M 11/02 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G06F3/023 420
G06F3/02 A
H03M11/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051439
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 一則
(72)【発明者】
【氏名】菅澤 昌之
(72)【発明者】
【氏名】林 達也
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼田 浩一
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020AA03
5B020AA12
5B020DD02
5B020FF15
5B020FF16
5B020GG01
(57)【要約】
【課題】文字等のコマンドを入力するための操作を容易化することができる入力装置を提供する。
【解決手段】操作量が可変である操作部と、制御部と、を備え、前記制御部は、複数のコマンドグループのうちの1個のコマンドグループを選択し、選択したコマンドグループおよび前記操作部の操作量に基づいてコマンドを決定し、前記制御部は、前記操作部の操作量が所定領域になったときに、選択中の前記コマンドグループを切り替える、入力装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作量が可変である操作部と、制御部と、を備え、
前記制御部は、複数のコマンドグループのうちの1個のコマンドグループを選択し、選択したコマンドグループおよび前記操作部の操作量に基づいてコマンドを決定し、
前記制御部は、前記操作部の操作量が所定領域になったときに、選択中の前記コマンドグループを切り替える、
入力装置。
【請求項2】
前記所定領域は、第1領域と、第2領域と、を含み、
前記制御部は、前記操作部の操作量が前記第1領域になったときに、選択中の前記コマンドグループを第1方向で切り替え、
前記制御部は、前記操作部の操作量が前記第2領域になったときに、選択中の前記コマンドグループを前記第1方向とは反対の第2方向で切り替える、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第1領域は、前記操作部の操作量の最小値から所定の範囲の領域であり、
前記第2領域は、前記操作部の操作量の最大値から所定の範囲の領域であり、
前記第1領域および前記第2領域が除外された第3領域を分割した分割領域に複数の前記コマンドが割り当てられた、
請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
第2操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部の操作量および前記第2操作部の操作量に基づいて前記コマンドを決定する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記コマンドグループの切り替え、前記コマンドの選択、または、前記コマンドの決定のうちの1以上において、所定出力を行う、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記所定出力は、前記コマンドごとに固有の出力態様の出力である、
請求項5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記制御部は、特定の動作が行われる場合に、前記所定出力として、複数の出力態様が組み合わされた出力を行う、
請求項5または請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記制御部は、決定した前記コマンドに対応する情報に基づく発話を行う、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項9】
前記制御部は、決定した前記コマンドに対応する情報に基づく表示を行う、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項10】
前記操作部は、1個の軸に関してスライドまたは回転運動する操作レバーと、前記操作レバーの移動に応じた出力値を得る磁気センサと、を備え、
前記制御部は、前記磁気センサからの前記出力値に基づいて前記操作量を判定する、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人の手で操作を行う入力装置が知られている。
特許文献1に記載された光学入力装置では、片手で把持可能な球状形状の筐体と、当該筐体を把持した手の指に対応する位置に配置される操作子と、他の指に対応する位置に配置される複数のスイッチと、これら複数のスイッチの操作状態と当該操作子の操作位置とに基づいて入力文字を決定する決定部と、を備える。当該光学入力装置では、複数のスイッチの操作状態の組み合わせに基づいて文字群を特定し、操作子の操作位置に基づいて当該文字群に含まれる文字を特定する(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-5452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、文字を入力するための操作が複雑になってしまう場合があった。
【0005】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、文字等のコマンドを入力するための操作を容易化することができる入力装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、操作量が可変である操作部と、制御部と、を備え、前記制御部は、複数のコマンドグループのうちの1個のコマンドグループを選択し、選択したコマンドグループおよび前記操作部の操作量に基づいてコマンドを決定し、前記制御部は、前記操作部の操作量が所定領域になったときに、選択中の前記コマンドグループを切り替える、入力装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る入力装置によれば、文字等のコマンドを入力するための操作を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る入力装置の概略的な外観の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る入力装置の持ち方の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る入力装置のレバー部の概略的な構成の一例を示す図である。
図4】(A)および(B)は実施形態に係る入力装置の操作レバーの押下の例を示す図である。
図5】実施形態に係る入力装置の操作レバーの押し量に応じたA/D変換出力値の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る入力装置の概略的な機能ブロックの一例を示す図である。
図7】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルの一例を示す図である。
図8】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルの他の例を示す図である。
図9】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルの他の例を示す図である。
図10】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルのインクリメントの一例を示す図である。
図11】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルのデクリメントの一例を示す図である。
図12】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルのインクリメントの他の例を示す図である。
図13】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルのデクリメントの他の例を示す図である。
図14】実施形態に係る入力装置のコマンドテーブルのインクリメントおよびデクリメントの他の例を示す図である。
図15】実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
【0010】
[入力装置]
図1は、実施形態に係る入力装置1の概略的な外観の一例を示す図である。
入力装置1は、筐体11と、画面12と、レバー部13と、レバー部14と、スピーカ15と、を備える。
【0011】
筐体11は、例えば、コンピューターの操作に使用されるマウスに似た形状(例えば、楕円に似た球状)を有している。なお、筐体11の形状は、他の形状であってもよい。
画面12は、筐体11の一面に備えられており、情報を表示出力する機能を有する。
レバー部13は、筐体11の所定位置に備えられており、人の指によって押し込まれることが可能である。
レバー部14は、筐体11の他の所定位置に備えられており、人の指によって押し込まれることが可能である。
スピーカ15は、発話用スピーカであり、音を出力する機能を有する。
【0012】
ここで、本実施形態では、レバー部13およびレバー部14は、それぞれ、磁気センサを内蔵しており、磁気センサにより押し込み量に応じた値を検出する。
レバー部13およびレバー部14は、それぞれ、複数の異なる操作位置に配置されている。
【0013】
なお、入力装置1は、レバー部13およびレバー部14以外の入力用の操作部を有していてもよい。当該操作部は、例えば、ボタン(図示を省略)から構成されてもよい。
本実施形態では、入力装置1は、レバー部13の操作およびレバー部14の操作に基づいて1個のコマンドを特定し、この状態で、別の所定の操作部(例えば、ボタン)が押下されたことに応じて、当該コマンドの受付を確定して、当該コマンドに基づく処理を行ってもよい。
【0014】
本実施形態では、画面12は、人の手によって入力装置1が把持された場合に、人の手のひらと接触(または、近接)する面とは反対の面に備えられている。
入力装置1において、人の手のひらと接触(または、近接)する面の内部には、振動を発生させる機能を有する振動素子が備えらえている。
【0015】
図2は、実施形態に係る入力装置1の持ち方の一例を示す図である。
ユーザー(人)は、入力装置1を片方の手111で持つことができ、入力装置1を持ちながら、当該片方の手111でレバー部13およびレバー部14の操作を行うことができる。
図2の例では、ユーザーの左手により入力装置1が持たれており、親指によってレバー部13が操作され、人差し指によってレバー部14が操作される。
【0016】
図3は、実施形態に係る入力装置1のレバー部201の概略的な構成の一例を示す図である。
図3に示されるレバー部201の構成例は、図1に示されるレバー部13の構成例およびレバー部14の構成例をまとめて説明するための構成例である。
つまり、本実施形態では、レバー部201の構成は、例えば、レバー部13とレバー部14との一方または両方に適用される。
【0017】
レバー部201は、ユーザーの指によって押し込まれるレバーである操作レバー211と、プラスチックバネ部212と、ハウジング213と、を備える。
また、レバー部201は、ハウジング213の内部に、磁気センサが取り付けられる部位である磁気センサ取付部221と、磁気センサの基板が取り付けられる部位である磁気センサ基板取付スリット222と、を有する。
【0018】
操作レバー211は、1軸の方向に沿って、移動することが可能である。操作レバー211の移動機構としては、例えば、ピストンの機構が用いられてもよい。
プラスチックバネ部212は、操作レバー211が押し込まれることに応じて、圧縮することが可能である。
プラスチックバネ部212に対して、操作レバー211とは反対側には、圧縮されたプラスチックバネ部212を受ける部位が備えられている。
これにより、操作レバー211は、ユーザーの指の力によって押し込まれることが可能であり、また、押し込まれる力が弱まると、プラスチックバネ部212の弾性力(反発力)により元の状態に戻る。
【0019】
図4(A)および図4(B)は、実施形態に係る入力装置1の操作レバー211の押下の例を示す図である。
図4(A)および図4(B)には、レバー部201の概略的な構成例を示してある。なお、図4(A)および図4(B)では、一部が透視図となっている。
具体的には、操作レバー211、プラスチックバネ部212、ハウジング213、磁石251、磁石252、および、磁気センサ253が示されている。磁石251、磁石252、および、磁気センサ253は、レバー部201の内部に配置されている。
ここで、磁気センサ253は、操作レバー211の押し込み量によらずにレバー部201の固定位置に備えられている。一方、磁石251および磁石252は、操作レバー211の押し込み量に応じて移動する位置に備えられている。
これにより、操作レバー211の押し込み量に応じて、磁気センサ253によって検出される値が変化する。
【0020】
図4(A)には、ユーザーの指が操作レバー211から離れた状態を示してある。つまり、当該状態は、操作レバー211に押し込みの力が加えられていない初期の状態である。
図4(B)には、ユーザーの指によって操作レバー211が押し込まれた状態を示してある。当該状態では、操作レバー211が初期状態から操作位置[mm]の分だけ押し込まれている。
なお、図4(A)および図4(B)には、磁気センサ253の中心線A1を示してある。この中心線A1は、操作レバー211の押し込み方向に対して垂直な方向の線である。
【0021】
本実施形態では、操作位置の変化に応じて、磁気センサ253によって検出されるアナログ値が変化する。そして、A/D(Analog to Digital)変換器により当該アナログ値がデジタル値へ変換されて出力される。
ユーザーの指で操作レバー211が押し込まれて、操作位置が0から増加していくと、A/D変換出力値が0から増加していく。
【0022】
図5は、実施形態に係る入力装置1の操作レバー211の押し量に応じたA/D変換出力値の一例を示す図である。
図5に示されるグラフにおいて、横軸は操作位置[mm]を表しており、縦軸はA/D変換出力値[dec]を表している。
図5には、操作位置[mm]とA/D変換出力値[dec]との関係の特性2011を示してある。
なお、操作位置の単位、および、A/D変換出力値の単位としては、それぞれ、任意の単位が用いられてもよい。
【0023】
本実施形態では、操作レバー211の押し込み量(操作位置)が変化すると、磁気センサ253が受ける磁束密度がほぼ直線的に変化する。
これにより、特性2011は、ほぼ線形の特性となる。
【0024】
ここで、本実施形態では、A/D変換出力値は0以上で255以下の値をとる。
図5の例では、A/D変換出力値が0以上で5以下である領域を第1領域として設定してある。
図5の例では、A/D変換出力値が250以上で255以下である領域を第2領域として設定してある。
そして、第1領域と第2領域との間に存在する第3領域をN(Nは2以上の整数)個に分割する。
図5の例では、第3領域は、A/D変換出力値が5を超えて250未満である領域である。
第3領域をN個に分割すると、1個の分割領域の幅は{(255-5)-5}/Nに相当する。
【0025】
ここで、本実施形態では、1個の軸に沿ってスライドすることが可能なピストン状の操作レバー211が用いられる場合を示すが、操作レバーの構成としては、これに限られない。
例えば、所定の軸に対して回転することが可能な操作レバーが用いられてもよく、この場合、操作レバーの回転の量(例えば、回転の角度)に応じて操作量(操作位置)が特定されてもよい。このような操作レバーは、例えば、ユーザーの1本の指により回転可能な構成とされてもよい。
【0026】
図6は、実施形態に係る入力装置1の概略的な機能ブロックの一例を示す図である。
入力装置1は、磁気センサ311と、磁気センサ312と、A/D変換器313と、ディスプレイ314と、LED(Light Emitting Diode)315と、無線モジュール316と、音出力部317と、振動部318と、CPU(Central Processing Unit)319と、バッテリー351と、を備える。
【0027】
磁気センサ311は、第1のレバー部(図1の例では、レバー部13)の磁気センサである。磁気センサ311は、第1のレバー部の操作レバー(図3および図4の例では、操作レバー211)の押し込み量に応じた検出値(アナログ値)をA/D変換器313に出力する。
磁気センサ312は、第2のレバー部(図1の例では、レバー部14)の磁気センサである。磁気センサ312は、第2のレバー部の操作レバー(図3および図4の例では、操作レバー211)の押し込み量に応じた検出値(アナログ値)をA/D変換器313に出力する。
ここで、本実施形態では、入力装置1が2個のレバー部を備える場合を示すが、入力装置1は3個以上のレバー部を備えてもよく、この場合、レバー部の数と同数の3個以上の磁気センサを備える。
【0028】
A/D変換器313は、それぞれの磁気センサ311、312から出力される検出値(アナログ値)を入力して、当該検出値をアナログ値からデジタル値へ変換し、当該デジタル値(A/D変換出力値)をCPU319に出力する。
ここで、本実施形態では、複数の磁気センサ311、312に対して共通のA/D変換器313が兼用される場合を示したが、他の構成例として、複数の磁気センサ311、312のそれぞれごとに別のA/D変換器が備えられてもよい。
【0029】
ディスプレイ314は、情報を表示出力する画面(図1の例では、画面12)を有する。
LED315(図1の例では、図示を省略)は、光を点灯、点滅、消灯する。なお、LED315の数および配置は、任意であってもよい。
【0030】
無線モジュール316は、外部の装置と無線通信を行う機能を有する。当該外部の装置は、例えば、コンピューターあるいはスマートフォンなどであってもよい。
音出力部317は、音を出力する。音出力部317は、音信号を増幅する発話用アンプ321と、増幅された音信号を出力するスピーカ322(図1の例では、スピーカ15)と、を備える。
【0031】
ここで、本実施形態では、入力装置1が無線モジュール316を備える場合を示したが、他の構成例として、入力装置1は、無線モジュール316とともに、または、無線モジュール316の代わりに、外部の装置と有線通信を行う機能を有してもよい。
例えば、入力装置1と外部の装置とが通信することで、入力装置1に記憶されたプログラムまたは他のデータが外部の装置によって変更されてもよい。
【0032】
振動部318は、振動の動作を行う。振動部318は、振動信号を増幅する振動用アンプ331と、増幅された振動信号により振動する振動素子332(図1の例では、図示を省略)と、を備える。なお、振動部318の数および配置は、任意であってもよい。
例えば、振動素子332は、入力装置1の内部において、それぞれのレバー部(図1の例では、レバー部13、14)ごとに、それぞれのレバー部の付近に埋め込まれて備えられてもよい。
なお、振動素子332としては、例えば、圧電素子、あるいは、振動モータなどが用いられてもよい。
【0033】
CPU319は、各種の処理および制御を行う。
また、CPU319は、記憶部(図示を省略)を備えており、各種の情報を当該記憶部に記憶することが可能である。
CPU319は、例えば、当該記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、各種の処理および制御を行う。
【0034】
本実施形態では、CPU319は、A/D変換器313から各磁気センサ311、312の検出値に応じたデジタル値(A/D変換出力値)を入力し、当該デジタル値に基づく処理を行う。
本実施形態では、例えば、複数のレバー部(図1の例では、レバー部13およびレバー部14)は、それぞれ独立しており、同時に操作されることが可能である。また、A/D変換器313およびCPU319は、これら複数のレバー部が同時に操作される場合に、それぞれのレバー部ごとのデジタル値(A/D変換出力値)を区別して処理することが可能である。
【0035】
また、CPU319は、ディスプレイ314に表示情報を出力することで、ディスプレイ314の画面に情報を表示出力する。
また、CPU319は、LED315に制御信号を出力することで、LED315の点灯、点滅、消灯を行う。
また、CPU319は、無線モジュール316により、無線通信を行うことが可能である。
また、CPU319は、音出力部317に音信号を出力することで、スピーカ322から音を出力する。
また、CPU319は、振動部318に振動信号を出力することで、振動素子332を振動させる。
【0036】
バッテリー351は、入力装置1の各部に電力を供給する。
バッテリー351としては、例えば、1次電池が用いられてもよく、または、2次電池が用いられてもよい。
なお、入力装置1が外部から電力の供給を受ける機能を有する場合には、バッテリー351とともに、または、バッテリー351の代わりに、外部から供給される電力を用いてもよい。
【0037】
なお、入力装置1は、例えば、音を入力するマイクを備えてもよい。この場合、マイクにより収集された音の信号がCPU319に入力される。
そして、CPU319は、入力された音の信号に基づく処理を行う。当該処理は、例えば、入力された音(ここでは、音声)を認識して、認識した音声の内容をテキスト情報としてディスプレイ314の画面に表示出力する処理であってもよい。この場合、入力装置1では、例えば、ユーザーが聴覚障害者であるときに、健常者の発話の内容をテキストとして視認可能に表示することができる。
ここで、例えば、入力装置1とは異なる装置(例えば、サーバー装置など)が音声認識機能を備え、CPU319が音の信号を当該装置に送信し、当該装置によって当該音の信号を音声認識した結果の情報を入力装置1が当該装置から受信して利用する構成が用いられてもよい。
マイクとしては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクが用いられてもよい。
【0038】
<位置検出の他の例>
本実施形態では、磁気センサ(図4の例では、磁気センサ253)を用いて操作レバー(図4の例では、操作レバー211)の押し込み量(操作位置)を検出する構成例を示したが、操作レバーの押し込み量を検出する手法としては他の手法が用いられてもよい。
例えば、操作レバーの押し込み量を検出する手法として、透過型の光学式ロータリーエンコーダ、反射型のロータリーエンコーダ、透過型の光学式リニアエンコーダ、磁気式ロータリーエンコーダ、あるいは、磁気式リニアエンコーダを用いて、操作レバーの押し込み量(操作位置)に応じた値を出力する手法が用いられてもよい。
これらのような操作レバーの押し込み量を検出する手法では、例えば、相対的な移動を行う操作レバーと固定部(例えば、ハウジング)との一方に出力素子を配置し、他方に入力素子を配置し、当該出力素子からの出力を当該入力素子により入力することで、操作レバーの押し込み量を検出する。
【0039】
本実施形態では、図1に示されるレバー部13とレバー部14とをまとめて説明するときに、図3図6に示される構成部の名称および符号を使用する場合がある。
本実施形態では、図1に示されるレバー部13とレバー部14とは、物理的な構成は同様である。
なお、他の構成例として、複数のレバー部の物理的な構成が互いに異なっていてもよい。
【0040】
<文字等のコマンドテーブルの例>
図7は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルの一例を示す図である。
図8は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルの他の例を示す図である。
図9は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルの他の例を示す図である。
【0041】
ここで、本実施形態では、XGはコマンドグループを識別する情報を表し、当該情報として整数が用いられている。
図7には、XG=0のコマンドテーブルが示されている。
図8には、XG=1のコマンドテーブルが示されている。
図9には、XG=2のコマンドテーブルが示されている。
【0042】
これらのコマンドテーブルは、入力装置1の内部の記憶部に記憶される。
なお、他の構成例として、これらのコマンドテーブルは、入力装置1の外部のデータベース等に記憶されてもよく、この場合、これらのコマンドテーブルの内容に関する情報が入力装置1に提供される。
また、これらのコマンドテーブルは、例えば、あらかじめ設定されるが、任意のタイミングで更新可能であってもよい。
【0043】
また、本実施形態では、Xは所定の1個のレバー部(本実施形態では、レバー部13とする。)の操作レバーの押し込み量に応じたデジタル値(A/D変換出力値)に基づいて特定される値を表す。
Yは他の所定の1個のレバー部(本実施形態では、レバー部14とする。)の操作レバーの押し込み量に応じたデジタル値(A/D変換出力値)に基づいて特定される値を表す。
【0044】
図7に示されるXG=0のコマンドテーブルについて説明する。
当該コマンドテーブルでは、横軸にXの値(本例では、1~7)を示してあり、縦軸にYの値を(本例では、1~7)示してある。
当該コマンドテーブルでは、Xの値およびYの値が一意に決まると、一つのコマンドが特定される。例えば、X=2かつY=1では「ありがとうございます」というコマンドが特定される。例えば、X=5かつY=5では「発払い伝票を下さい」というコマンドが特定される。
XG=0のコマンドテーブルでは、対話文(複数の文字からなる文字列)に関するコマンドが格納されている。
【0045】
図8に示されるXG=1のコマンドテーブルについて説明する。
当該コマンドテーブルでは、横軸にXの値(本例では、1(8)~7(14))を示してあり、縦軸にYの値(本例では、1~7)を示してある。
ここで、説明の便宜上、Xの値である1~7に(8)~(14)を付してあるが、これは、他のXGのコマンドテーブルと区別するためである。
XG=1のコマンドテーブルでは、Xの値およびYの値が一意に決まると、一つのコマンドが特定される。例えば、X=2かつY=1では「か」というコマンドが特定される。例えば、X=5かつY=5では「の」というコマンドが特定される。
なお、当該コマンドテーブルでは、Y=6~7にはコマンドが割り当てられていないが、これは一例であり、これに限定されない。
XG=1のコマンドテーブルでは、文字に関するコマンドが格納されている。
【0046】
図9に示されるXG=2のコマンドテーブルについて説明する。
当該コマンドテーブルでは、横軸にXの値(本例では、1(15)~7(21))を示してあり、縦軸にYの値(本例では、1~7)を示してある。
ここで、説明の便宜上、Xの値である1~7に(15)~(21)を付してあるが、これは、他のXGのコマンドテーブルと区別するためである。
XG=2のコマンドテーブルでは、Xの値およびYの値が一意に決まると、一つのコマンドが特定される。例えば、X=2かつY=1では「ら」というコマンドが特定される。例えば、X=5かつY=5では「L」というコマンドが特定される。
なお、当該コマンドテーブルでは、XおよびYの組み合わせのうちの一部にはコマンドが割り当てられていないが、これは一例であり、これに限定されない。
XG=2のコマンドテーブルでは、文字に関するコマンドが格納されている。
【0047】
ここで、例えば、入力装置1の内部の記憶部に、XGの値が記憶される。
また、入力装置1では、所定の操作に応じて、XGの値を切り替える。当該所定の操作は、例えば、レバー部13あるいはレバー部14の操作であってもよく、他の例として、レバー部13およびレバー部14とは異なる操作部の操作であってもよい。
【0048】
CPU319は、記憶部に記憶されているXGの値に基づいて、1個のコマンドテーブルを特定し、特定したコマンドテーブルの内容を使用する。
そして、CPU319は、A/D変換器313から入力されるデジタル値(A/D変換出力値)に基づいてXの値およびYの値を取得し、これらの値に基づいて当該コマンドテーブルにおけるコマンドを特定し、特定したコマンドに基づく処理を行う。
当該処理は、任意の処理であってもよく、例えば、特定されたコマンドの文字または対話文を音信号として、当該文字または当該対話文の音(音声)をスピーカ322から出力する処理であってもよい。
【0049】
ここで、図7図9の例において、CPU319は、2個のレバー部の操作(例えば、レバー部13の操作およびレバー部14の操作)に基づいて1個のコマンドを特定し、この状態で、別の所定の操作部(例えば、ボタン)が押下されたことに応じて、当該コマンドの受付を確定して、当該コマンドに基づく処理を行ってもよい。
【0050】
また、図7図9の例では、Xが取り得る値とYが取り得る値とが同一である場合を示したが、これに限られず、Xが取り得る値とYが取り得る値とは異なってもよい。
【0051】
また、図7図9の例では、XG=0、1、2の3個のコマンドテーブルを示したが、このようなコマンドテーブルの数は、例えば、1個であってもよく、または、2個であってもよく、あるいは、4個以上であってもよい。
また、図7図9に示されるコマンドテーブルは、編集されることが可能であってもよい。それぞれのコマンドテーブルの編集は、例えば、コマンドテーブルの管理者(ここでは、入力装置1のユーザー以外の者)によって行われてもよく、あるいは、ユーザーによって行われてもよい。
【0052】
ここで、図7図9に示されるコマンドテーブルでは、XおよびYについて、コマンドに割り当てられる領域(第3領域)の分割数Nが7である場合を示したが、例えば、XとYとの一方または両方の分割数Nが変更された場合には、変更後の分割数Nに適合したコマンドテーブルが用意される。
変更後の分割数Nに適合したコマンドテーブルは、例えば、入力装置1または他の装置(例えば、サーバ―など)によって自動的に生成されてもよく、あるいは、入力装置1のユーザーなどによって手動で生成されてもよい。
【0053】
なお、本実施形態では、コマンドが対話文(文字の列)あるいは文字に対応付けられている場合を示すが、コマンドに対応付けられる情報としては、特に限定はなく、例えば、画像の情報であってもよい。
CPU319は、画像の情報に対応付けられたコマンドが決定(確定)された場合に、例えば、当該画像を画面に表示出力する処理を実行してもよい。
【0054】
<コマンドテーブルおよびコマンドの遷移>
本実施形態に係る入力装置1では、1個のレバー部の操作によって、コマンドの遷移が可能であり、また、コマンドテーブルの遷移が可能である。
本実施形態では、このような遷移の操作についてレバー部13の操作を例として説明するが、同様な遷移の操作が他のレバー部(例えば、レバー部14)に適用されてもよい。
【0055】
本実施形態では、遷移として、一方向に変化(説明の便宜上、増加とする。)していくインクリメントの遷移と、当該一方向とは反対の方向に変化(説明の便宜上、減少とする。)していくデクリメントの遷移について説明する。
なお、インクリメントの方向とデクリメントの方向とは、逆であってもよい。
【0056】
図10および図11を参照して、コマンドテーブルおよびコマンドの遷移の一例を示す。
図10は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルのインクリメントの一例を示す図である。
図11は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルのデクリメントの一例を示す図である。
【0057】
図10の例について説明する。
図10には、レバー部13の操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値[dec]の範囲を示してある。
本実施形態では、A/D変換出力値が0~5である第1領域と、A/D変換出力値が250~255である第2領域と、これら以外の第3領域がある。
第3領域について、A/D変換出力値が6~40の範囲、41~75の範囲、76~110の範囲、111~145の範囲、146~180の範囲、181~215の範囲、216~250の範囲が、それぞれ、X=1、X=2、X=3、X=4、X=5、X=6、X=7に割り当てられている。
【0058】
また、図10には、Xの値として、1~21を示してある。
ここで、図7の例に示されるように、図10におけるX=1~7は、XG=0のコマンドテーブルにおける1~7に対応する値である。
また、図8の例に示されるように、図10におけるX=8~14は、XG=1のコマンドテーブルにおける1(8)~7(14)に対応する値である。つまり、図10におけるX=8~14は、操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値からはX=1~7に対応するが、XG=1以外の場合と区別するために、8~14の値を使用している。
また、図9の例に示されるように、図10におけるX=15~21は、XG=2のコマンドテーブルにおける1(15)~7(21)に対応する値である。つまり、図10におけるX=15~21は、操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値からはX=1~7に対応するが、XG=2以外の場合と区別するために、15~21の値を使用している。
【0059】
図10の例では、操作レバー211の押し込み量に応じた第1領域がデクリメント(XG--)の指示に対応付けられている。
また、操作レバー211の押し込み量に応じた第2領域がインクリメント(XG++)の指示に対応付けられている。
また、操作レバー211の押し込み量に応じた第3領域における7個のXの値が、7個のコマンド(コマンドが設定されていない場合も含む。)に対応付けられている。
なお、インクリメントの指示およびデクリメントの指示についても、コマンドの一種であると捉えられてもよい。
【0060】
図10には、Xの値のインクリメントの様子、および、コマンドテーブルのXGの値のインクリメントの様子の一例を示してある。
本例では、初期状態がXG=0で、操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値が0である場合を想定する。
まず、Xの値が1から7にインクリメントされて、A/D変換出力値が第2領域になると、CPU319は、XGの値をインクリメントして、XG=1とする。これにより、図7に示されるXG=0のコマンドテーブルから、図8に示されるXG=1のコマンドテーブルに切り替えられる。
【0061】
次に、Xの値がいったん8~14のいずれかの値にされた後に、A/D変換出力値が第2領域になると、CPU319は、XGの値をインクリメントして、XG=2とする。これにより、図8に示されるXG=1のコマンドテーブルから、図9に示されるXG=2のコマンドテーブルに切り替えられる。
【0062】
ここで、A/D変換出力値が第2領域になってXGがインクリメントされた時点では、A/D変換出力値が第2領域のままであるため、本実施形態では、いったん第2領域以外の領域(本実施形態では、第3領域)となった後に、再びインクリメント(第2領域)を有効としている。
なお、他の構成例として、A/D変換出力値が第2領域になってXGがインクリメントされた時点から、所定の期間継続して、A/D変換出力値が第2領域のままであった場合には、CPU319がさらにインクリメントの処理を行ってもよい。
【0063】
このように、本例では、XG=0の状態で操作レバー211が押し込まれていくと、割当の値が1から7まで増加していき、第2領域に入るとXGが1だけインクリメントされて、XG=1となりその状態が保持される。そこから、操作レバー211が離されていくと第2領域から抜け出し、XG=1のコマンドテーブルにおける割当7(X=14)が選択される。そこから、再び操作レバー211が押し込まれていって第2領域に入ると、XGが1だけインクリメントされて、XG=2となりその状態が保持される。
なお、XGの最大値(本例では、XG=2)のときにインクリメントされた場合には、例えば、XGの最小値(本例では、XG=0)へ遷移する構成が用いられてもよい。
【0064】
図11の例について説明する。
図10と同様に、図11には、レバー部13の操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値[dec]の範囲を示してある。
また、図10と同様に、図11には、Xの値として、1~21を示してある。
また、図10の例と同様に、第1領域とデクリメントとが対応付けられており、第2領域とインクリメントとが対応付けられている。
【0065】
図11には、Xの値のデクリメントの様子、および、コマンドテーブルのXGの値のデクリメントの様子の一例を示してある。
本例では、初期状態がXG=2で、操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値が割当21である場合を想定する。
まず、Xの値が21から15にデクリメントされて、A/D変換出力値が第1領域になると、CPU319は、XGの値をデクリメントして、XG=1とする。これにより、図9に示されるXG=2のコマンドテーブルから、図8に示されるXG=1のコマンドテーブルに切り替えられる。
【0066】
次に、Xの値がいったん8~14のいずれかの値にされた後に、A/D変換出力値が第1領域になると、CPU319は、XGの値をデクリメントして、XG=0とする。これにより、図8に示されるXG=1のコマンドテーブルから、図7に示されるXG=0のコマンドテーブルに切り替えられる。
【0067】
ここで、A/D変換出力値が第1領域になってXGがデクリメントされた時点では、A/D変換出力値が第1領域のままであるため、本実施形態では、いったん第1領域以外の領域(本実施形態では、第3領域)となった後に、再びデクリメント(第1領域)を有効としている。
なお、他の構成例として、A/D変換出力値が第1領域になってXGがデクリメントされた時点から、所定の期間継続して、A/D変換出力値が第1領域のままであった場合には、CPU319がさらにデクリメントの処理を行ってもよい。
【0068】
このように、本例では、XG=2の状態で操作レバー211が離されていくと、割当の値が7から1まで減少していき、第1領域に入るとXGが1だけデクリメントされて、XG=1となりその状態が保持される。そこから、操作レバー211が押し込まれていくと第1領域から抜け出し、XG=1のコマンドテーブルにおける割当1(X=8)が選択される。そこから、再び操作レバー211が離されていって第1領域に入ると、XGが1だけデクリメントされて、XG=0となりその状態が保持される。
【0069】
なお、XGの最小値(本例では、XG=0)の第1領域に、XGの最大値(本例では、XG=2)へ遷移する指示が対応付けられてもよい。この場合、XGの最小値(本例では、XG=0)のときに第1領域になった場合には、XGの最大値(本例では、XG=2)へ遷移する。
例えば、XGの最小値(本例では、XG=0)の状態と、XGの最大値(本例では、XG=2)の状態とで、ループしていてもよい。
【0070】
ここで、図10の例ではインクリメントが連続的に行われる場合を示し、図11の例ではデクリメントが連続的に行われる場合を示したが、インクリメントとデクリメントとXの値の切り替えは、任意の順序で行われてもよい。つまり、本例では、第2領域でインクリメントし、第1領域でデクリメントし、第3領域の7個の分割領域で7個のXの値が切り替えられる。
【0071】
図12および図13を参照して、コマンドテーブルおよびコマンドの遷移の他の例を示す。
図12は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルのインクリメントの他の例を示す図である。
図13は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルのデクリメントの他の例を示す図である。
【0072】
図12の例について説明する。
図12には、レバー部13の操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値[dec]の範囲を示してある。これは、図10の場合と同様である。
【0073】
また、図12には、Xの値として、1~21を示してある。
ここで、XGが0以上の偶数である場合には、Xの値とコマンドとの対応付けは、図10の場合と同様である。
一方、XGが1以上の奇数である場合(図12の例では、XG=1の場合)には、Xの値とコマンドとの対応付けは、図10の場合とは異なっている。具体的には、操作レバー211の押し込み量に応じたXの値が1~7のそれぞれに対して、図8に示される14~8のそれぞれのコマンドが対応付けられている。つまり、図8の例における表記を使用する場合、X=1(14)、2(13)、3(12)、4(11)、5(10)、6(9)、7(8)という対応となり、Xの値が1~7に割り当てられる7個のコマンドの順序が図8の例に対して逆になっている。
【0074】
図12の例では、XGが2以上の偶数である場合(図12の例では、XG=2の場合)には、操作レバー211の押し込み量に応じた第1領域がデクリメント(XG--)の指示に対応付けられている。一方、XGが1以上の奇数である場合(図12の例では、XG=1の場合)には、第1領域がインクリメント(XG++)の指示に対応付けられている。
また、XGが0以上の偶数である場合には、操作レバー211の押し込み量に応じた第2領域がインクリメント(XG++)の指示に対応付けられている。一方、XGが1以上の奇数である場合(図12の例では、XG=1の場合)には、第2領域がデクリメント(XG--)の指示に対応付けられている。
また、操作レバー211の押し込み量に応じた第3領域における7個のXの値が、7個のコマンド(コマンドが設定されていない場合も含む。)に対応付けられている。
なお、インクリメントの指示およびデクリメントの指示についても、コマンドの一種であると捉えられてもよい。
【0075】
図12には、Xの値のインクリメントの様子、および、コマンドテーブルのXGの値のインクリメントの様子の一例を示してある。
本例では、初期状態がXG=0で、操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値が0である場合を想定する。
まず、Xの値が1から7にインクリメントされて、A/D変換出力値が第2領域になると、CPU319は、XGの値をインクリメントして、XG=1とする。これにより、図7に示されるXG=0のコマンドテーブルから、図8に示されるXG=1のコマンドテーブルに切り替えられる。
【0076】
次に、Xの値が8から14へ移動させられた後に、A/D変換出力値が第1領域になると、CPU319は、XGの値をインクリメントして、XG=2とする。これにより、図8に示されるXG=1のコマンドテーブルから、図9に示されるXG=2のコマンドテーブルに切り替えられる。
【0077】
このように、本例では、XG=0の状態で操作レバー211が押し込まれていくと、割当の値が1から7まで増加していき、第2領域に入るとXGが1だけインクリメントされて、XG=1となる。そこから、操作レバー211が離されていって、第1領域に入るとXGが1だけインクリメントされて、XG=2となる。
なお、XGの最大値(本例では、XG=2)のときにインクリメントされた場合には、例えば、XGの最小値(本例では、XG=0)へ遷移する構成が用いられてもよい。
【0078】
図13の例について説明する。
図12と同様に、図13には、レバー部13の操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値[dec]の範囲を示してある。
また、図12と同様に、図13には、Xの値として、1~21を示してある。
また、図12の例と同様に、第1領域および第2領域にインクリメントまたはデクリメントが対応付けられている。
【0079】
図13には、Xの値のデクリメントの様子、および、コマンドテーブルのXGの値のデクリメントの様子の一例を示してある。
本例では、初期状態がXG=2で、操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値が割当21である場合を想定する。
まず、Xの値が21から15にデクリメントされて、A/D変換出力値が第1領域になると、CPU319は、XGの値をデクリメントして、XG=1とする。これにより、図9に示されるXG=2のコマンドテーブルから、図8に示されるXG=1のコマンドテーブルに切り替えられる。
【0080】
次に、Xの値が14から8へ移動させられた後に、A/D変換出力値が第2領域になると、CPU319は、XGの値をデクリメントして、XG=0とする。これにより、図8に示されるXG=1のコマンドテーブルから、図7に示されるXG=0のコマンドテーブルに切り替えられる。
【0081】
このように、本例では、XG=2の状態で操作レバー211が離されていくと、割当の値が21から15まで減少していき、第1領域に入るとXGが1だけデクリメントされて、XG=1となる。そこから、操作レバー211が押し込まれていって、第2領域に入るとXGが1だけデクリメントされて、XG=0となる。
【0082】
なお、XGの最小値(本例では、XG=0)の第1領域に、XGの最大値(本例では、XG=2)へ遷移する指示が対応付けられてもよい。この場合、XGの最小値(本例では、XG=0)のときに第1領域になった場合には、XGの最大値(本例では、XG=2)へ遷移する。
例えば、XGの最小値(本例では、XG=0)の状態と、XGの最大値(本例では、XG=2)の状態とで、ループしていてもよい。
【0083】
ここで、図12の例ではインクリメントが連続的に行われる場合を示し、図13の例ではデクリメントが連続的に行われる場合を示したが、インクリメントとデクリメントとXの値の切り替えは、任意の順序で行われてもよい。つまり、本例では、第1領域と第2領域ではインクリメントまたはデクリメントし、第3領域の7個の分割領域で7個のXの値が切り替えられる。
【0084】
図14を参照して、コマンドテーブルおよびコマンドの遷移の他の例を示す。
図14は、実施形態に係る入力装置1のコマンドテーブルのインクリメントおよびデクリメントの他の例を示す図である。
本例では、2個のレバー部13、14の操作の組み合わせに応じて、コマンドテーブルのインクリメントおよびデクリメントが行われる。
【0085】
図14には、レバー部13の操作レバー211の押し込み量に応じたA/D変換出力値[dec]の範囲を示してある。
また、図12と同様に、図13には、Xの値として、1~21を示してある。
これらは、図12の場合と同様である。
【0086】
本例では、CPU319は、レバー部13の操作レバー211の押し込み量が第2領域になったとき(例えば、その瞬間)に、他のレバー部14の操作レバー211の押し込み量に基づいてXGの値のインクリメントまたはデクリメントを行う。
図14の例では、他のレバー部14の操作レバー211の押し込み量について、Y=npである場合にはインクリメントが行われ、Y=pである場合にはデクリメントが行われる。
ここで、Y=npは、他のレバー部14の操作レバー211の押し込み量が第1領域であることを示している。
また、Y=pは、他のレバー部14の操作レバー211の押し込み量が第2領域であることを示している。
【0087】
なお、操作レバーの押し込み量とインクリメントまたはデクリメントとの対応付けは、本実施形態で例示された対応付けに限定されず、他の対応付けが用いられてもよい。
また、1個のレバー部の操作レバーの押し込み量によりインクリメントまたはデクリメントを行う構成、または、2個のレバー部の操作レバーの押し込み量の組み合わせによりインクリメントまたはデクリメントを行う構成に限られず、例えば、3個以上のレバー部の操作レバーの押し込み量の組み合わせによりインクリメントまたはデクリメントを行う構成が用いられてもよい。
また、1個以上のレバー部の操作レバーの押し込み量と他の操作部(例えば、ボタンなど)の操作との組み合わせによりインクリメントまたはデクリメントを行う構成が用いられてもよい。
【0088】
<インクリメントまたデクリメントにおける出力>
CPU319は、例えば、コマンドテーブルを識別するXGの値のインクリメントが発生したときに、所定の出力を行ってもよい。当該出力は、例えば、音、光、振動、または、表示などのうちの1以上であってもよい。
CPU319は、例えば、コマンドテーブルを識別するXGの値のデクリメントが発生したときに、所定の出力を行ってもよい。当該出力は、例えば、音、光、振動、または、表示などのうちの1以上であってもよい。
ここで、XGの値のインクリメントが発生したときの出力と、XGの値のデクリメントが発生したときの出力とで、異なる出力が用いられてもよい。
【0089】
CPU319は、例えば、Xの値のインクリメントが発生したとき(分割領域が切り替わるとき)に、所定の出力を行ってもよい。当該出力は、例えば、音、光、振動、または、表示などのうちの1以上であってもよい。
CPU319は、例えば、Xの値のデクリメントが発生したとき(分割領域が切り替わるとき)に、所定の出力を行ってもよい。当該出力は、例えば、音、光、振動、または、表示などのうちの1以上であってもよい。
ここで、Xの値のインクリメントが発生したときの出力と、Xの値のデクリメントが発生したときの出力とで、異なる出力が用いられてもよい。
また、Xの値が増加していく(インクリメントしていく)ときの出力と、Xの値が減少していく(デクリメントしていく)ときの出力とで、異なる出力が用いられてもよい。
【0090】
<情報処理システム>
図15は、実施形態に係る情報処理システム501の概略的な構成例を示す図である。
情報処理システム501は、複数の入力装置511~513と、複数の端末装置521~523と、情報処理装置531と、データベース541と、を備える。
【0091】
ここで、図15の例では、複数の入力装置として、3個の入力装置511~513を示してあるが、複数の入力装置の数は、例えば、2個であってもよく、あるいは、4個以上であってもよい。
これら複数の入力装置511~513は、それぞれ、例えば、本実施形態に係る入力装置1と同様なものである。
【0092】
また、図15の例では、複数の端末装置として、3個の端末装置521~523を示してあるが、複数の端末装置の数は、例えば、2個であってもよく、あるいは、4個以上であってもよい。
それぞれの端末装置521~523は、例えば、スマートフォン、あるいは、ノート型またはデスクトップ型のコンピューターなどから構成されてもよい。
【0093】
情報処理装置531は、例えば、コンピューターを用いて構成されたサーバ装置である。
データベース541には、入力装置511~513で使用されるコマンドテーブルが記憶されている。
なお、図15の例では、情報処理装置531とデータベース541とが別体である場合を示したが、他の構成例として、これらは一体として構成されてもよい。
【0094】
それぞれの入力装置511~513は、無線通信(または、有線通信)を介して、情報処理装置531と通信することで、情報処理装置531からコマンドテーブルの情報などを取得することができる。
情報処理装置531は、入力装置511~513からの指示に基づいて、データベース541に記憶されているコマンドテーブルの情報などを読み出して入力装置511~513に提供する機能を有する。
【0095】
このように、コマンドテーブルは、入力装置511~513以外の装置(図15の例では、データベース541)に記憶されていてもよい。
情報処理システム501では、複数の入力装置511~513によって、共通のコマンドテーブルを共用することが可能である。
なお、それぞれの入力装置511~513は、例えば、データベース541に記憶された情報から必要な情報を必要なタイミングで読み出して使用してもよく、あるいは、データベース541に記憶されたコマンドテーブルの情報をいったん取得(例えば、ダウンロード)して内部に記憶し、内部に記憶されたコマンドテーブルの情報を使用してもよい。
【0096】
また、それぞれの入力装置511~513またはそれぞれの端末装置521~523のうちの1以上は、情報処理装置531を介して、データベース541に記憶されているコマンドテーブルの情報などを読み出すことが可能であり、読み出した情報を編集することが可能である。このような編集は、それぞれの入力装置511~513またはそれぞれの端末装置521~523において、所定のアプリケーションを用いて行われてもよい。
情報処理装置531は、入力装置511~513または端末装置521~523からの指示に基づいて、データベース541に記憶されているコマンドテーブルの情報などを読み出すこと、および、編集後の情報をデータベース541に保存することが可能である。
【0097】
例えば、入力装置511~513または端末装置521~523のうちのいずれかの装置がデータベース541に記憶されたコマンドテーブルの情報などを書き換え、他の装置が書き換え後の情報を利用することが可能である。
このように、複数の入力装置511~513で共用されるコマンドテーブルなどの情報を、複数の装置(例えば、入力装置511~513または端末装置521~523)によって共通に書き換えることが可能である。
ここで、それぞれの端末装置521~523は、例えば、いずれかの入力装置511~513のユーザーによって操作されてもよく、あるいは、入力装置511~513のユーザー以外の者によって操作されてもよい。
【0098】
以上のように、本実施形態に係る入力装置1では、多数の文字等のコマンドを入力するための操作を容易化することができる。
本実施形態では、感覚的に操作することが可能な操作レバーを有し、操作レバーの使い勝手を向上させたスマートインプットデバイス(入力装置1)を実現することができる。
【0099】
入力装置1では、片手で把持可能な楕円形状の筐体と、複数のレバー部の操作レバーと、文字等のコマンドを決定する決定機能(本実施形態では、CPU319の機能)と、を備える。
例えば、筐体の外面上に、筐体を把持したユーザーの手の2つ以上の指に対応する位置のそれぞれに、2つ以上のレバー部のそれぞれが備えられている。それぞれの操作レバーは、複数の操作位置を取り得る。
決定機能は、ユーザーが複数の操作レバーを操作して、所定の操作(所定のジェスチャー)を行うことを通して、コマンドを決定する。
決定機能は、例えば、複数の操作レバーの操作位置の変化(操作位置の履歴)に基づいて、コマンドを選択する。また、決定機能は、例えば、1個のコマンドが選択された状態で、ユーザーによって確定のための所定の操作(例えば、ボタンの押下など)が行われた場合に、当該コマンドを決定(確定)する。
【0100】
したがって、入力装置1では、ユーザーは片手で複数の操作レバーの操作量に応じて、例えば、操作レバーから指を離さなくても、また、画面を見なくても、文字または応答メッセージ等のコマンドを選択することができ、これにより、素早い応答が可能である。
また、入力装置1では、複数の操作レバーの操作位置の変化(操作位置の履歴)に基づいてコマンドを選択するため、多くのコマンドを素早く選択することが可能である。
【0101】
入力装置1では、複数のレバー部のうちの1個の操作レバーの操作位置の変化によりコマンドグループを特定する処理ステップと、特定されたコマンドグループに含まれる複数のコマンドのうち別の1個の操作レバーの操作位置の変化により1個のコマンドを入力コマンドとして決定する処理ステップと、を実行する。
【0102】
したがって、入力装置1では、ユーザーは、例えば、コマンドを選択するために使用される1個の操作レバーの操作によって、コマンドグループを切り替えることができるため、例えば、単純な指の動きで多くのコマンドを素早く指定することができる。このように1個の操作レバーの操作でコマンドグループの切り替えが可能な構成では、他の操作部(例えば、スイッチなど)の操作が無くてもコマンドグループの切り替えが可能であり、ユーザーにとって使い勝手を良くすることができる。
なお、他の構成例として、複数の操作レバーの操作の組み合わせによってコマンドグループの切り替えが行われる構成が用いられてもよい。
【0103】
入力装置1では、操作レバーに関して、ユーザーの指が当該操作レバーから離された場合の操作位置の付近に所定の領域(第1領域)を有しており、ユーザーの指が当該操作レバーを完全に押し込んだ場合の操作位置の付近に所定の領域(第2領域)を有している。そして、入力装置1では、操作レバーの操作位置がそれぞれの領域に到達したときに、それぞれの領域に対応した特定の動作(例えば、コマンドグループの切り替え)を行う。
【0104】
したがって、入力装置1では、操作レバーの操作位置が所定の領域(第1領域、第2領域)になったことを判定(検出)した場合に、コマンドグループの切り替えを行うことができ、ユーザーにとって、多数のコマンドを高速に入力することを可能とすることができる。
例えば、入力装置1では、コマンドテーブルを使用することで、少ない指の操作で多数のコマンドを選択することができ、動かしづらい小指あるいは薬指を使用しなくても入力操作が可能な構成とすることができる。なお、他の構成例として、小指あるいは薬指を入力操作に使用する構成が用いられてもよい。
【0105】
入力装置1では、決定機能は、コマンドが選択あるいは決定(確定)されるたびに、操作者(ユーザー)に所定の出力(通知)をフィードバックとして行ってもよい。
入力装置1では、決定機能は、コマンドグループが切り替えられるたびに、操作者(ユーザー)に所定の出力(通知)をフィードバックとして行ってもよい。
【0106】
したがって、入力装置1では、コマンドの選択、コマンドの決定(確定)、コマンドグループの切り替えなどのうちの1以上の事象が発生するたびに、新たにフィードバックの通知が開始されることで、ユーザーは、操作レバーの操作位置の状態を把握することができ、素早い入力が可能となる。
【0107】
入力装置1では、例えば、コマンドが選択または決定(確定)された段階で、当該コマンドに割り当てられている固有の出力パターンの出力を開始させてもよい。
また、入力装置1では、例えば、コマンドグループが切り替えられた段階で、当該コマンドグループに割り当てられている固有の出力パターンの出力を開始させてもよい。
固有の出力パターンの出力としては、例えば、固有の振動パターンの振動、所定の点滅パターンの光の点滅、または、所定の発光色パターンの光の点灯などのうちの1以上が用いられてもよい。
【0108】
したがって、入力装置1では、操作レバーの操作位置により選択または決定(確定)されるコマンドが変わるたびに、当該コマンドに割り当てられている固有のパターンのフィードバックを即座に開始することで、ユーザーにとって、当該コマンドを把握し易くすることができ、高速な操作を可能とすることができる。
また、入力装置1では、操作レバーの操作位置に応じてコマンドグループが変わるたびに、当該コマンドグループに割り当てられている固有のパターンのフィードバックを即座に開始することで、ユーザーにとって、当該コマンドグループを把握し易くすることができ、高速な操作を可能とすることができる。
例えば、ユーザーは、コマンドが連続的に切り替えられる際に固有のパターンが変化するパターン(フィードバックパターン)を記憶することで、高速な入力操作、高精度な入力操作が可能となる。
【0109】
入力装置1では、それぞれの操作レバーごとに、振動素子または発光素子を搭載してもよく、これにより、操作レバーの操作によって特定の動作が行われる場合に、振動素子または発光素子のうちの2以上の出力態様で協調して動作を行うことが可能である。
例えば、入力装置1では、通常は、それぞれの操作レバーごとに、選択が行われるごとに、振動あるいは光のパターンでフィードバックを行うが、入力確定時等の特定の動作が行われるときには、複数の出力態様で協調した動作を行ってもよい。
【0110】
したがって、入力装置1では、例えば、入力文字を選択する状態とは別の状態に入ったことを操作者(ユーザー)により識別可能とすることができ、ユーザーによって操作の区切りを認識し易くすることができ、高速な入力を可能とすることができる。
【0111】
入力装置1では、筐体の内部に発話素子(例えば、スピーカ)を備えており、入力されたコマンドに対応する対話文または文字などを発話する。
【0112】
したがって、入力装置1では、例えば、入力されたコマンドに対応する対話文または文字などが即座に音声で発話されることにより、ユーザーが伝えたい内容を即座に音声で伝えることが可能である。
【0113】
入力装置1では、筐体にディスプレイの画面を備えており、選択されたコマンドの内容(例えば、対話文または文字など)を当該画面の中央などに表示する。
【0114】
したがって、入力装置1では、常時、複数の操作レバーの操作により選択されたコマンドの内容が画面の中央などに表示されるため、例えば、画面にカーソルを表示する処理を不要とすることができ、ユーザーにとって当該コマンドの内容を見易くすることができる。
【0115】
入力装置1では、相手話者が発した音声を入力して当該音声を音声信号に変換する音声入力機能(例えば、マイクの機能)と、当該音声信号を音声認識してテキストデータに変換する音声認識機能(本実施形態では、CPU319の機能)と、ディスプレイの画面と、を備える。そして、入力装置1では、相手話者が発した音声をテキストデータに変換して、当該テキストデータのテキストを当該画面に表示する。
【0116】
したがって、入力装置1では、相手話者が発した話の内容がテキストとして表示されるため、ユーザーにとって、相手話者の話の内容をテキストで理解することを可能とすることができ、例えば、双方向のコミュニケーションを素早く確実に行うことを可能とすることができる。
【0117】
入力装置1では、操作レバーを有するレバー部に、1個以上の磁石と、1個以上の磁気センサと、反発素材(例えば、プラスチックバネ)と、を備える。そして、入力装置1では、当該操作レバーがユーザーの1本の指で押下などされて、当該操作レバーが1個の軸上でスライドなどされることで、操作レバーの操作位置を取得する。
【0118】
したがって、入力装置1では、例えば、バネで反発するピストン状の操作レバーなどを採用することで、ユーザーは1本の指で簡便に精度良く操作を行うことができる。
また、本実施形態では、例えば、複数のコマンドグループを用いることで、ユーザーの1本の指の操作に割り当てられるコマンドの数を多数とすることが可能である。
【0119】
本実施形態に係る情報処理システム501では、複数のコマンドを含むコマンドテーブルを記憶する記憶部(例えば、データベース)と、当該コマンドテーブルに関する情報またはそれぞれのコマンドの内容などを書き換えることが可能な情報処理装置(例えば、サーバー装置など)と、を備える。
また、入力装置1(図15の例では、入力装置511~513)または端末装置は、例えば、情報処理装置と通信接続して、記憶されたコマンドテーブルに関する情報またはそれぞれのコマンドの内容などを書き換える指示を発することが可能である。
【0120】
したがって、情報処理システム501では、ユーザーなどによって、コマンドテーブルの内容などを任意に書き換えることが可能であり、例えば、ユーザーの好みによる対話文の内容あるいは並び方を実現することができ、多様な応答を高速に行うことを可能とすることができる。
【0121】
本実施形態に係る情報処理システム501では、情報処理装置(例えば、サーバ―装置など)は、コマンドテーブルなどを外部の記憶部(例えば、データベース)に保存すること、あるいは、コマンドテーブルなどを外部の記憶部(例えば、データベース)から読み出すことが可能である。
また、端末装置(例えば、コンピュータ)は、情報処理装置を介してコマンドテーブルなどを読み出して、読み出したコマンドテーブルなどのデータを編集することが可能である。
また、端末装置(例えば、コンピュータ)は、情報処理装置を介してコマンドテーブルなどを記憶部に記憶(保存)することが可能である。
【0122】
したがって、情報処理システム501では、例えば、情報処理装置を介して、複数の端末装置がコミュニティーを形成することがきる。
具体例として、情報処理システム501では、他人(他のユーザー)が編集したコマンドテーブルの内容あるいは個々のコマンドの内容を読み込むことで、自分(ユーザー)が気付かなかった便利な対話文などの内容および並び方を入手して利用することが可能であり、簡便に、操作性を向上させることができる。
【0123】
本実施形態に係る入力装置1では、例えば、聴覚障害者と健常者との間で自然言語による対話を支援することが可能である。
入力装置1では、複数のコマンド(対話あるいは文字など)から所望のコマンドを選択する操作をユーザー(例えば、聴覚障害者)の複数の指によって行うことが可能である。入力装置1では、例えば、選択されたコマンドに対応する対話文などを音声出力または表示出力などすることにより、ユーザー(例えば、聴覚障害者)を支援することができる。
また、入力装置1では、例えば、マイクを備えることで、健常者の発話の内容を画面に表示出力することが可能である。
このように、入力装置1は、聴覚障害者が日常で使用する場合にも適しており、聴覚障害者による入力操作を高速化、高精度化させるように支援することができる。
【0124】
具体例として、入力装置1では、ユーザー(例えば、聴覚障害者)によって入力された対話文などが即座に音声で発話されるため、ユーザーは伝えたい事項をすぐに音声で伝えることができる。
また、入力装置1では、健常者の話を即座にテキスト情報に変換して表示することで、例えば、ユーザーが口を読めない聴覚障害者である場合においても、ユーザーは健常者の話をテキストとして理解することができ、素早い双方向コミュニケーションを実現することができる。
【0125】
[構成例]
一構成例として、入力装置(図1の例では、入力装置1)は、操作量が可変である操作部(図1および図4などの例では、レバー部13あるいはレバー部14の操作レバー211)と、制御部(図6の例では、CPU319)と、を備える。制御部は、複数のコマンドグループのうちの1個のコマンドグループ(例えば、XGの値)を選択し、選択したコマンドグループおよび操作部の操作量に基づいてコマンドを決定する。また、制御部は、操作部の操作量が所定領域(本実施形態では、例えば、第1領域、第2領域)になったときに、選択中のコマンドグループ(例えば、XGの値)を切り替える。
【0126】
一構成例として、入力装置において、所定領域は、第1領域と、第2領域と、を含む。
制御部は、操作部の操作量が第1領域になったときに、選択中のコマンドグループを第1方向(例えば、XGの値が減少する方向、または、増加する方向)で切り替える。
制御部は、操作部の操作量が第2領域になったときに、選択中のコマンドグループを第1方向とは反対の第2方向(例えば、XGの値が増加する方向、または、減少する方向)で切り替える。
なお、第1方向および第2方向の組み合わせは、例えば、すべてのコマンドテーブル(例えば、XGの値のすべて)に共通であってもよく、あるいは、選択中のコマンドテーブル(例えば、XGの値)ごとに異なっていてもよい。
【0127】
一構成例として、入力装置において、第1領域は、操作部の操作量の最小値から所定の範囲(本実施形態では、0~0+aの範囲)の領域であり、第2領域は、操作部の操作量の最大値から所定の範囲(本実施形態では、255-b~255の範囲)の領域である。
第1領域および第2領域が除外された第3領域を分割した分割領域に複数のコマンドが割り当てられている。
なお、aおよびbとしては、それぞれ、任意の手法によって、任意の値に設定されてもよい。
また、他の構成例として、a=0、または、b=0、あるいは、a=b=0の態様が用いられてもよい。
【0128】
一構成例として、入力装置において、第2操作部(本実施形態では、操作部と第2操作部が、2個のレバー部13、14に相当する。)を備える。
制御部は、操作部の操作量および第2操作部の操作量に基づいてコマンドを決定する。
【0129】
一構成例として、入力装置において、制御部は、コマンドグループの切り替え、コマンドの選択、または、コマンドの決定(確定)のうちの1以上において、所定出力を行う。
一構成例として、入力装置において、所定出力は、コマンドごとに固有の出力態様の出力である。
一構成例として、入力装置において、制御部は、特定の動作が行われる場合に、所定出力として、複数の出力態様が組み合わされた出力を行う。
【0130】
一構成例として、入力装置において、制御部は、決定したコマンドに対応する情報に基づく発話を行う。
一構成例として、入力装置において、制御部は、決定したコマンドに対応する情報に基づく表示を行う。
【0131】
一構成例として、入力装置において、操作部は、1個の軸に関してスライドまたは回転運動する操作レバー(図4の例では、スライドする操作レバー211)と、操作レバーの移動に応じた出力値を得る磁気センサ(図4の例では、磁気センサ253)と、を備える。
制御部は、磁気センサからの出力値に基づいて操作量を判定する。
【0132】
なお、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)であってもよい。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0133】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0134】
また、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0135】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0136】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0137】
1、511~513…入力装置、11…筐体、12…画面、13、14…レバー部、15…スピーカ、111…手、201…レバー部、211…操作レバー、212…プラスチックバネ部、213…ハウジング、221…磁気センサ取付部、222…磁気センサ基板取付スリット、251、252…磁石、253、311、312…磁気センサ、313…A/D変換器、314…ディスプレイ、315…LED、316…無線モジュール、317…音出力部、318…振動部、319…CPU、321…発話用アンプ、322…スピーカ、331…振動用アンプ、332…振動素子、351…バッテリー、501…情報処理システム、521~523…端末装置、531…情報処理装置、541…データベース、2011…特性、A1…中心線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
図12
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